JP2014018835A - 冷し金及び鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝固収縮欠陥、溶湯内含有ガスによるガス欠陥、鋳型の熱分解ガス欠陥などの各種欠陥の発生を抑制する。
【解決手段】砂鋳型10及び冷し金20は、昇降機5の内部空間に所定の厚さの層L毎に散布された砂Sの所望部分を固化して、一層ずつ多層に重ねる方式の積層工法により造形される。砂鋳型10の中子13a,13bや鋳型キャビティ部16の近傍箇所には、ガス通路管15が配置形成される。冷し金20は、砂鋳型10により鋳造される鋳物の表面形状に三次元的に合致する形状の接触部21を有し、砂鋳型10の被配置部18に配置される。接触部21の表面には、溝部22や凹部23からなる窪み部が形成されていても良い。
【選択図】図4

Description

この発明は、CADやSTL(スライスデータ)等の形状データに基づき、砂等の粉流体を一層ずつ選択的に固化して粉粒体の固化層を形成し、これらを多層に積層していく積層工法により造形された砂鋳型に組み込まれる冷し金及び鋳造方法に関する。
従来より、砂型鋳造技術においては、砂鋳型の鋳型キャビティ部内に充填された溶湯の冷却速度が遅いために、(1)凝固収縮欠陥を起こしたり、例えば水素などの溶湯内含有ガスによるガス欠陥や砂鋳型に付着した水分との反応によるガス欠陥等が発生し易いことが知られている。
また、(2)粉粒体層に各種樹脂やバインダ成分を用いて造形された砂鋳型においては、溶湯が鋳型キャビティ部に鋳造されると各種の熱分解ガスが発生し、製品である鋳物の中にこの熱分解ガスが入り込んでやはりガス欠陥を引き起こし易いという問題があった。
このようなガス欠陥への対策としては、例えば上記(1)のガス欠陥に対しては、凝固時の冷却速度を上げることで、鋳物内部の欠陥である収縮巣や溶湯内ガスの発生を抑制し、砂鋳型内での熱分解ガスの発生を抑えるようにすることが、一般的には広く知られている。
冷却速度を上げる方法としては、例えば切断加工により必要な形状や大きさに形成された冷し金を砂鋳型に用いることが知られており、冷し金を用いるものとして、例えば鋳物の形状に合致し板厚が鋳物厚みの0.2〜0.6倍にした冷し金を利用する鋳型(例えば、下記特許文献1参照)が知られている。
一方、上記(2)のガス欠陥に対しては、熱分解ガスが発生しないような砂鋳型を用いることや、分解したガスを砂鋳型の外部に排出することなどが知られている。前者の対策の一例としては、例えばマイナス3℃以下の低温空気によって、砂鋳型を凍結させた凍結鋳型を用いる方法(例えば、下記特許文献2参照)が知られている。
また、後者の対策の一例としては、砂鋳型内にガス吸引が可能な配管を設置して、排気ポンプにて熱分解ガスを吸引する部分減圧鋳造法(例えば、下記特許文献3参照)が知られている。
一方、自動車や電気部品の量産に当たり、事前に砂型でこれらの部品等の試作を行う際に、従来よりも短い納期で試作品を提供可能な積層工法を用いた砂型鋳造方法が知られている。しかし、このような砂型鋳造方法においても、従来の鋳造方法と同様に砂鋳型からの熱分解ガスは発生することとなる。
そして、熱分解ガスの排出を妨げる未固化の砂が型内に残っていると、やはりガス欠陥の原因となってしまう。このため、未固化の砂の排出を容易にし、砂鋳型特有の凝固遅れを改善する冷し金を用いた鋳造方法として、いわゆる積層工法を用いた鋳造方法(例えば、下記特許文献4参照)が知られている。
特開平11−209843号公報 特開平11−138235号公報 特開平8−33944号公報 特開2000−24756号公報
しかしながら、上述した特許文献1及び2に開示された従来技術の鋳造方法によって、凝固時の冷却速度が遅いことにより発生するガス欠陥の対策として、冷し金を用いることは一定の効果を示すが、立体的に複雑な形状で厚肉部位を有する鋳物の冷却に対しては、切断加工により得られた冷し金では所望の冷却条件で冷却することが困難であった。
また、砂鋳型と溶湯との反応、とりわけ厚肉部位の凝固遅れにより発生する熱分解ガスの対策として、いわゆる凍結鋳型を用いる鋳造法は冷却速度が速く砂鋳型の熱分解ガスの発生を抑制し、収縮欠陥の発生も少ないとされるが、鋳型温度が低いために溶湯を鋳型キャビティ部に給湯する際に湯流れ性が低下し、薄肉部位を有する鋳物に適用するには好ましくない場合がある。
そして、特許文献2に開示された鋳型内から発生する熱分解ガスに対して局部的にガス吸引をする方法では、複雑な形状の鋳型内において発生する熱分解ガスを効率的に除去することは非常に困難であるという問題がある。
更に、特許文献3に開示されたもののように、積層工法ではガス通路管を比較的自由に砂鋳型や砂中子に配置できるために熱分解ガスの放出は可能であるが、複雑な形状のガス通路管においては熱分解ガスの抜けが悪く、凝固が遅れる厚肉部位を有する鋳型キャビティ部により鋳造された鋳物製品や、例えば鋳鉄のように溶湯温度が高い金属を用いた鋳造製品においては、熱分解ガスの放出量が多くなるので、ガス欠陥が発生しやすいという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、凝固収縮欠陥、溶湯内含有ガスによるガス欠陥、鋳型の熱分解ガス欠陥などの各種欠陥の発生を抑制することができる冷し金及び鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る冷し金は、形状データを用いて積層工法により造形された砂型及び中子の少なくとも一つを用いて造形された砂鋳型に組み込まれる冷し金であって、前記積層工法により造形され、前記砂鋳型により鋳造される鋳物の表面形状又は前記鋳物を構成する溶湯の通路の表面形状に三次元的に合致する形状の接触部を有することを特徴とする。
本発明の一実施形態においては、前記接触部は、その表面に溝及び凹部の少なくとも一つからなる窪み部を備える。
本発明の他の実施形態においては、前記窪み部は、前記砂鋳型の内部に形成されたガス通路管又は前記砂鋳型の外部に連通する。
本発明の更に他の実施形態における冷し金は、前記砂鋳型の異なる位置に複数組み込まれ、それぞれが連結部により一体的に連結された状態で配置される。
本発明に係る鋳造方法は、上記記載の冷し金を砂鋳型に組み込んで鋳物を製造する鋳造方法において、前記砂鋳型の鋳型キャビティ部に溶湯を注いだ際に、前記冷し金により前記溶湯の通路内又は前記鋳型キャビティ部内の前記接触部と接する溶湯を冷却しつつ前記鋳型キャビティ部内の溶湯を凝固させ、前記鋳物を鋳造することを特徴とする。
本発明によれば、凝固収縮欠陥、溶湯内含有ガスによるガス欠陥、鋳型の熱分解ガス欠陥などの各種欠陥の発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る冷し金及び砂鋳型を製造する砂型製造装置を示す構成図である。 同砂型製造装置により製造された砂鋳型を示す断面図である。 同砂鋳型を示す断面図である。 同砂型製造装置により製造された冷し金が配置された砂鋳型を示す断面図である。 同冷し金の接触部の一例を示す斜視図である。 同冷し金の接触部の他の例を示す斜視図である。 同冷し金の他の構成を示す斜視図である。 同冷し金が配置された砂鋳型の他の例を示す断面図である。 本発明の実施例及び比較例の鋳物製品の収縮巣の有無を各種実施条件と共に示す図である。
以下、添付の図面を参照して、この発明の実施の形態に係る冷し金及び鋳造方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る冷し金及び砂鋳型を製造する砂型製造装置を示す構成図である。図2及び図3は、砂型製造装置により製造されたそれぞれ異なる砂鋳型の例を示す断面図である。本実施形態に係る砂型製造装置100は、CADやSTL(スライスデータ)等の三次元の形状データを用いて積層工法により砂鋳型10及び冷し金20を造形するものであり、装置全体を制御する制御装置1と、制御装置1により動作を制御される駆動部9とを備えて構成される。
駆動部9は、例えば図中矢印X方向に移動自在に配置され、砂Sを固化させるレーザ光又はバインダ成分を照射或いは吐出するヘッド部2と、ガイドレール4に沿って図中矢印Y方向に移動自在に配置され、昇降機5の内部空間に砂Sを供給する供給装置3とを備える。また、昇降機5は、図中矢印Z方向に移動自在に配置され、供給装置3から供給された砂Sを内部空間にて保持する。
砂鋳型10は、例えば砂型、砂中子等を含み、昇降機5の内部空間に例えば0.2mmの厚さの層L毎に散布された砂Sの所望部分を固化して、一層ずつ多層L1〜Lnに重ねる方式の積層工法により造形される。冷し金20も、同様に積層工法により造形される。砂型製造装置100において実施される積層工法は、レーザ式又はインクジェット式が挙げられる。
レーザ式の積層工法においては、ヘッド部2にはレーザ光を照射するレーザヘッドが用いられ、砂Sには熱硬化性樹脂等が被覆されたシェル砂が被処理砂として用いられる。この場合、供給装置3から一層ずつ昇降機5の内部空間に供給された被処理砂に対し、レーザヘッドからレーザ光を照射して所望部分を焼結固化させることを多層にわたって繰り返すことにより、固化する部位と固化しない部位とを同一層内において形成した砂Sを積層して多層に重ねることができる。そして、固化しない部位(未固化の砂S)を除去することで、砂鋳型10や冷し金20を造形する。
一方、インクジェット式の積層工法においては、ヘッド部2にはミクロン単位のバインダ成分を霧状に吐出するインクジェットヘッドが用いられ、砂Sにはアクチベータが混合されたフラン系樹脂を含む砂が被処理砂として用いられる。この場合、供給装置3から一層ずつ昇降機5の内部空間に供給された被処理砂に対し、インクジェットヘッドからバインダ成分を吐出して所望部分を化学反応により固化させることを多層にわたって繰り返すことにより、上記と同様に砂鋳型10や冷し金20を造形する。
このような積層工法を用いた砂型製造装置100により製造された砂鋳型10は、例えば図2に示すように、複雑な形状の上型11、中間型12、中子13及び下型14を組み合わせて鋳型キャビティ部16を構成する構造とすることができる。また、砂鋳型10は、図3に示すように、上型11及び下型14により構成された鋳型キャビティ部16に、砂型製造装置100により製造された分割構造の中子13a,13bを配置した構造とすることもできる。
この砂鋳型10の中子13a,13bには、ガス通路管15が形成されている。ガス通路管15は、砂鋳型10内に充填されて鋳造された溶湯と砂鋳型10との反応により発生する熱分解ガスを、例えば図示しないガス導入口から導入したガスにより上型11に設けられた管末端の排出口15dを介して砂鋳型10の外部に放出するための管路である。また、ガス通路管15は、管内に残留する未固化の砂Sを砂鋳型10の外部に排出する通路にもなる。
ガス通路管15は、鋳型キャビティ部16の近傍箇所や中子13a,13b内に配置され、直線状及び曲線状を組み合わせた複雑な形状で砂鋳型10の外部に貫通した構造を備えている。ガス通路管15の大きさは、未固化の砂Sの外部への排出及び発生した熱分解ガスの外部への放出を十分に可能な大きさに設定されており、中子13a,13b及び砂鋳型10の形状や大きさに合わせて適宜決定される。
図4は、砂型製造装置により製造された冷し金が配置された砂鋳型を示す断面図である。図4に示す砂鋳型10は、溶湯が注がれる湯口19及び注がれた溶湯が流れる湯道19aと、冷し金20が配置される凹部状の被配置部18とを備えて造形され、被配置部18には冷し金20が配置されている。
冷し金20は、砂鋳型10により鋳造される鋳物の表面形状に三次元的に合致する形状の接触部21を有する。この接触部21は、鋳型キャビティ部16内に臨んでいるので、接触部21と接する部位の溶湯を所望の冷却効果で冷却することが可能となる。接触部21の表面は、鋳物の表面形状に三次元的に合致する平面及び曲面を組み合わせた形状であるが、例えば次のような加工が施されたものでも良い。
図5及び図6は、冷し金20の接触部21の一例及び他の例を示す斜視図である。図5に示す接触部21の表面には、交差する複数の溝部22からなる窪み部が形成されている。また、図6に示す接触部21の表面には、交差する複数の溝部22及び溝部22の所定箇所の交点に形成された複数の凹部23からなる窪み部が形成されている。
窪み部は、その窪みのサイズ、大きさにより冷し金20に接する湯の冷却条件を制御できるものであるが、必要に応じて砂鋳型10の外部或いはガス通路管15に連通するように形成されており、凝固時に冷し金20の接触部21の表面に付着する微量な水分により発生するガスによる「きらい」と呼ばれるガス欠陥の発生を抑制するために設けられる。窪み部を構成する溝部22や凹部23は、積層工法による砂鋳型10を用いた冷し金20の鋳造時に形成されるものであるが、必要に応じて、鋳造された冷し金20或いは溝部22や凹部23を有する冷し金20に対して、切削や研磨などの表面加工を施してもよい。
溝部22及び凹部23の形状、サイズ、長さ及び深さ等の各要素は、冷し金20により冷却する鋳物の部位の肉厚や形状に応じて決定される。窪み部は、冷し金20の接触部21で発生したガスを、溝部22や凹部23に閉じ込めたり、ガス通路管15を介して砂鋳型10の外部に放出したりして、溶湯の内部にガスが欠陥として残らないように構成されれば良い。このように構成された冷し金20は、次のように構成されて砂鋳型10に配置されても良い。
図7は、冷し金の他の構成を示す斜視図である。上述した冷し金20は、通常は鋳物製品の冷却箇所に合わせて個別に砂鋳型10に配置して用いられるが、積層工法により砂鋳型10の鋳型キャビティ部16に合わせて複雑な形状や肉厚で造形することができるものである。
従って、図7に示すように、鋳物製品110の冷却箇所に合わせて複数の冷し金20を配置すると共に、これらの冷し金20を例えば棒状の連結部24で一体的に連結した構成とすることも容易に可能である。このようにすれば、冷し金20の砂鋳型10への配置を短時間で容易に行うことが可能となる。また、冷し金20は、次のように砂鋳型10に配置しても良い。
図8は、冷し金が配置された砂鋳型の他の例を示す断面図である。図8に示す砂鋳型10は、図4に示したものと比較して、溶湯の流路において鋳型キャビティ部16よりも前段にある溶湯が注がれる湯口19の近傍にも冷し金20が配置されている点が相違している。
この場合、冷し金20は、湯口19における溶湯の通路の表面形状に三次元的に合致する形状の接触部21を備えて造形されている。このように構成することで、溶湯は湯口19の近傍箇所においても冷却されるので、湯温を下げつつ結晶核を有する低温溶湯における微細結晶の発生を促進しつつ溶湯が鋳型キャビティ部16内に充填されることとなる。
これにより、鋳型キャビティ部16内での溶湯の均一な凝固を促進することができるので、各種ガス欠陥の発生を抑えることができると共に、薄肉部位を有する鋳物であっても確実に鋳造することが可能となる。なお、冷し金20は、湯口19の近傍の他、湯口19の底部や湯道19aに配置するようにしても良い。
以下、本発明に係る冷し金を配置した砂鋳型による鋳造方法の実施例について説明する。
図9は、本発明の実施例及び比較例の鋳物製品の収縮巣の有無を各種実施条件と共に示す図である。実施例1〜6は、中子13及び砂型の少なくとも一つを上述した積層工法を用いて作成した砂鋳型10に、積層工法により作成された冷し金20を組み合わせて鋳造を行った際に、以下の(1)〜(4)の対策を施した鋳造条件による効果を示している。なお、上述の砂型とは、中子を除く上型、下型を意味する総称であり、砂鋳型とは、砂型及び中子から構成される鋳型を意味する。
すなわち、実施例1〜6には、上述した凝固収縮欠陥、溶湯内含有ガスによるガス欠陥、及び熱分解ガスによるガス欠陥の発生を抑制するために、(1)積層工法により造形された砂鋳型や中子に、積層工法により造形された冷し金を組み合わせて鋳造を行った効果、(2)冷し金の接触部の表面に形成された溝部や凹部からなる窪み部を設けたことによる効果、(3)複雑に分散する冷却必要部位に対して複数の冷し金を連結部により一体的に連結した上で配置したことによる効果、(4)鋳型キャビティ部への流入前に溶湯を冷し金で冷却することによる効果が表されている。
実施例に用いた鋳物製品は、A及びBの2種類である。鋳物製品Aは、製品の一部に複雑な形状で且つ厚肉部位を有する製品であり、肉厚の変動に上手に対応させるための指向性凝固を考慮する必要があるものである。また、鋳物製品Bは、凝固の遅れが発生し易い異形の厚肉部位が多数存在し、これらの厚肉部位が異なる箇所に分散して設けられる製品であり、冷し金を上手に短時間で設置することが困難なものである。なお、これら鋳物製品A及びBを鋳造する鋳込み材料としては、アルミ合金AC4CH及び鋳鉄FC250を適宜使用した。
なお、収縮巣の発生状況は、30mm厚の厚肉部位の断面部1平方センチメートル当たりに発生した収縮巣の状況を表しており、F2は5mm以上の粗大収縮巣及びミクロの収縮巣があることを示し、F1はミクロの収縮巣があることを示している。また、S1はミクロの収縮巣が少ないことを示し、S2は僅かにミクロの収縮巣が認められることを示し、S3はミクロの収縮巣がないことを示している。
図9に示すように、比較例1の鋳物製品Aは、冷し金が配置されていない砂鋳型を用いたものである。このため、厚肉部位においては粗大な収縮巣や多数のミクロの収縮巣が発生し、発生状況はF2となった。比較例2及び比較例3の鋳物製品Aでは、鉄製加工板からなる冷し金が配置されているので、厚肉部位におけるガス欠陥は比較例1よりは改善されるが、複雑な鋳物製品形状に合致した冷し金ではないために凝固の遅れを制御することができず、ミクロの収縮巣が残り、発生状況は共にF1となった。
比較例4の鋳物製品Aでは、冷し金が配置されると共に湯温を下げられているので、厚肉部位における収縮巣の発生状況は更に改善されているが、僅かながらミクロの収縮巣が認められ、発生状況はS1となった。比較例5及び比較例6の鋳物製品Bでは、異なる5箇所の厚肉部位に独立した冷し金を設置しているので、ミクロの収縮巣に関しては改善され、発生状況はそれぞれS2及びS1となっているが、冷し金の設置作業においては時間が掛かり、作業性はやや長い結果となった。なお、上記比較例2〜比較例6においては、いずれも冷し金に接する鋳物製品A及びBの表面に、僅かではあるが付着水分の乾燥不足による窪み状の欠陥やきらいが発生することとなった。
一方、実施例1の鋳物製品Aでは、厚肉部位に対して製品形状に三次元的に合致する積層工法を用いて鋳造した鋳鉄鋳物の冷し金を適用したことで、各比較例で厚肉部位において発生していたガス欠陥は認められず、発生状況はS2となった。また、冷し金の接触部の表面に、例えば幅1mmで深さ1mmの格子模様の溝部或いは深さ0.5mmで直径5mmの半球状の凹部を設けた実施例2及び3の鋳物製品Aでは、冷し金の接触部に接する鋳物製品Aの表面にはガス欠陥がなく、厚肉部位においてもガス欠陥は認められず、発生状況は共にS2となった。
実施例4の鋳物製品Aでは、比較例4と同様に湯温が660℃程度の低温鋳造を用いたが、湯道に冷し金を配置したことにより鋳型キャビティ部の前段に冷し金を設置した構造となるため、厚肉部位には収縮巣は発生せず、発生状況はS3となった。実施例5及び6の鋳物製品Bでは、比較例5及び6と同様に異なる5箇所の厚肉部位に冷し金を設置しているが、各冷し金を連結部により連結した構造であるため、短時間で手間をかけずに冷し金を砂鋳型に設置することができると共に、ミクロの収縮巣がほとんど発生しないこととなり、発生状況はS2となった。
このように、本実施例1〜6からも明らかなように、本発明に係る冷し金を配置した砂鋳型を用いて鋳造を行えば、厚肉部位の冷却を上手に制御することが可能となり、収縮巣の発生を抑え、また、ガス欠陥のない健全な鋳物製品を得ることが可能となる。また、冷し金の接触部の表面に窪み部を設けることで、表面に発生する水分起因の欠陥であるきらいの発生を抑えることが可能となる。また、冷し金を鋳型キャビティ部の前段に配置することで、微細な結晶を多数発生させて均一な凝固を促進させ、収縮巣のない鋳物製品を得ることが可能となる。更に、複雑に分散する冷却必要部位に対して、冷し金を連結部により連結して一体化した上で配置することで、冷し金の設置作業性を改善しつつ鋳物を確実に冷却することができるので、収縮巣のない健全な鋳物製品を鋳造することが可能となる。
1 制御装置
2 ヘッド部
3 供給装置
4 ガイドレール
5 昇降機
9 駆動部
10 砂鋳型
11 上型
12 中間型
13 中子
14 下型
15 ガス通路管
16 鋳型キャビティ部
18 被配置部
19 湯口
19a 排出口
20 冷し金
21 接触部
22 溝部
23 凹部

Claims (5)

  1. 形状データを用いて積層工法により造形された砂型及び中子の少なくとも一つを用いて造形された砂鋳型に組み込まれる冷し金であって、
    前記積層工法により造形され、前記砂鋳型により鋳造される鋳物の表面形状又は前記鋳物を構成する溶湯の通路の表面形状に三次元的に合致する形状の接触部を有する
    ことを特徴とする冷し金。
  2. 前記接触部は、その表面に溝及び凹部の少なくとも一つからなる窪み部を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の冷し金。
  3. 前記窪み部は、前記砂鋳型の内部に形成されたガス通路管又は前記砂鋳型の外部に連通する
    ことを特徴とする請求項2記載の冷し金。
  4. 前記砂鋳型の異なる位置に複数組み込まれ、それぞれが連結部により一体的に連結された状態で配置される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の冷し金。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の冷し金を砂鋳型に組み込んで鋳物を製造する鋳造方法において、
    前記砂鋳型の鋳型キャビティ部に溶湯を注いだ際に、前記冷し金により前記溶湯の通路内又は前記鋳型キャビティ部内の前記接触部と接する溶湯を冷却しつつ前記鋳型キャビティ部内の溶湯を凝固させ、前記鋳物を鋳造する
    ことを特徴とする鋳造方法。
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