JP2014016160A - Cs+イオン吸着剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、吸着剤に吸着したCsイオンを一定量脱離させることができ、同じ吸着剤を数回にわたり、一定量の吸着したCsイオンを脱離して、3回目以降も一定量のCsイオンを吸着可能な安定した吸着・脱離特性を有するCsイオン吸着剤及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】スメクタイト類からなる層状粘土鉱物11と、層状粘土鉱物11の層間に導入した有機無機複合体19と、を有し、有機無機複合体19が一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基であるCsイオン吸着剤10を用いることによって前記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、Csイオン吸着剤及びその製造方法に関する。
現在、原子力の産業上利用において、溶液中に排出される放射性Csイオンをどのように捕獲して処理するかが重要な課題となっている。
放射性Csイオンの捕獲方法として一般的な方法は、放射性Csイオンを含む溶液にCsイオン吸着剤を混入し、Csイオン吸着剤に放射性Csイオンを吸着させてから、Csイオン吸着剤を溶液から取り出し、Csイオン吸着剤から放射性Csイオンを脱離して、放射性Csイオンを捕獲する方法である。
例えば、ユーグレナを用いることを特徴とする、放射性核種を溶液から除去する方法がある(特許文献1)。また、脱窒菌を含んでなるセシウム吸着剤もある(特許文献2)。これらの方法及びセシウム吸着剤により、放射性核種を微生物により濃縮することができる。しかし、微生物を施設内に隔離しなければならず、取り扱いが面倒であり、放射線等により微生物が突然変異を起こす危険性がある。また、飛散のおそれがある。
放射性Csイオンの捕獲方法として、土壌にCsイオンを吸着する方法もある(非特許文献1)。しかし、pH又はイオン強度とCsイオンの吸着の分配係数(Kd)の関係(Fig.1)に示すように、土壌をそのまま使うと、Csイオンの吸着量はpHやイオン強度に強く依存し、Csイオンの吸着量が非常に少なくなる。
ゼオライトをCsイオン吸着剤に用いる方法もある(非特許文献3)。この方法は一般的に使用されている。しかし、ゼオライトでもCsイオンを層間から容易に脱離させることができず、大量の低レベル放射性廃棄物を発生させることとなっている。
放射性Csイオンの捕獲方法として、モンモリロナイトを含むスメクタイト類の層状粘土鉱物をCsイオン吸着剤に用いる方法もある(非特許文献2)。
層状粘土鉱物は、2層以上の粘土鉱物層を有し、粘土鉱物層は、珪酸(SiO、SiO・OH)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))又は水酸化鉄(Fe(OH))がシート状に積み重なった結晶構造を有する無機物である。層間にはNaイオン及びLiイオン等のイオン半径の小さい陽イオンを有する。層間距離は各層が同一の電荷を有するため、層同士のクーロン反発力を層間のNaイオン及びLiイオン等の陽イオン引力の釣り合いによって層間距離が決まっている。
図5は、通常の層状粘土鉱物の部分の一例を示す模式図である。
粘土鉱物層の厚さは9.25Åであり、層間距離は0.75Åであり、底面間隔は10Åである。層間にはNaイオンが配置されている。ここで、層間距離(d値)は非特許文献4に基づき、粘土鉱物の層厚は、非特許文献5に基づく。
層状粘土鉱物を水溶液中に浸漬すると、層状粘土鉱物の層間に水分子が入り込み、陽イオンを水和する。
図6は、層状粘土鉱物の層間のNaイオンが水分子に水和された状態を示す模式図である。なお、粘土鉱物の層間のイオンの水和数は非特許文献6に基づく。
図6に示すように、粘土鉱物層間のNaイオンに水分子が近接すると、Naイオンの水和のギブスエネルギーが大きいため、粘土鉱物層の表面に水分子が吸着せず、層間のNaイオンと吸着し、層間に水分子がインターカレーションされる。なお、水和のギブスエネルギーは非特許文献7に基づく。
水中では、層状粘土鉱物の粒子の周りにたくさんの水分子が引き寄せられるため、Naイオンのまわりに水分子が幾層も重なり、粘土鉱物層同士をNaイオンで結びつけることができなくなり、図7に示すように、粘土鉱物層はそれぞれバラバラになり、層間にCsイオンを保持するCsイオン吸着剤として用いることができない。
イオン半径の大きなCsイオンは前記粘土鉱物等の層状化合物の層間にインターカレーションさせた場合、水和のギブスエネルギーが小さいために、Csイオンを層間から容易に脱離させることができず、粘土鉱物自体が低レベル放射性廃棄物となる。
本発明者は、通常の層状粘土鉱物に含まれているNaイオン、Liイオン、Hイオンの一部又は全部をRbイオンとイオン交換して、あらかじめCsイオンとイオン半径の近いRbイオンを層状化合物の層間にインターカレーションしたものを放射性Csイオン吸着剤として用いると、Rbイオン水和のギブスエネルギーがNaイオンに比べて小さいため、水中に粘土鉱物の粒子があっても、上下の層を引き離すだけの水分子が層間に入らない一方、Csイオンとイオン交換できるだけ十分な層間距離にでき、イオン交換により、Csイオンを層間や表面に容易に吸着させることができるとともに、水あるいは弱酸性溶液により、吸着させたCsイオンの脱離させることができること、及び、脱離後、再び放射性Csイオン吸着剤として利用できることも分かった。
しかし、1回目の吸着量が67%に対し、2回目の吸着量が43%と低下し、1回目の脱離量が42%に対し、2回目の脱離量が5.2%と大幅に低下した。そのため、2回目以降でも脱離量を低下させず、一定量の吸着したCsイオンを脱離して、3回目以降も一定量のCsイオンを吸着させることができる安定した吸着・脱離特性を有するものではなかった。
特開2005―315701号公報 特開2007―271306号公報
G.Lujaniene,S.Motiejunas,J.Sapolaite,Journal of Radionalytical and Nuclear Chemitry,274,345,(2006.9.18) M.Galambos,V.Paucova,J.Kufcakova,O.Rosskopfova,P.Rajec,R.Adamcova,Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry,284,55,(2010.2.19) B.Yidiz,N.Erten,M.Kis,Journal of Radioanalytical and Nuclear Cehmistry,288,475,(2011.2.12) T.Watanabe,T.Sato.Clay Science,7,129,(1988,3.7) H.J.Ploehn,C.Liu.Indstrial and Engineering Chemistry Research. 45. 7025.(2006.3.1) 日本粘土学会編、粘土ハンドブック、pp147、表3.5.1(2009.4.30) 日本化学会編、化学便覧II,水和のギブスエネルギー ppII−316、表10.15(1993.9.30)
本発明は、吸着剤に吸着したCsイオンを一定量脱離させることができ、同じ吸着剤を数回にわたり、一定量のCsイオンを吸着可能な安定した吸着・脱離特性を有するCsイオン吸着剤及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記事情を鑑みて、本発明者は試行錯誤した結果、通常の層状粘土鉱物に含まれているNaイオン、Liイオン、Hイオンの一部又は全部をアルミニウムイソプロポキシドとイオン交換して、アルミニウムイソプロキシドを層状化合物の層間にインターカレーションしたものをCsイオン吸着剤として用いると、イオン交換により、一定量のCsイオンを再現性高く、吸着・脱離させることが可能であることが分かり、本発明を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
(1) スメクタイト類からなる層状粘土鉱物と、前記層状粘土鉱物の層間に導入した有機無機複合体と、を有し、前記有機無機複合体が一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基であることを特徴とするCsイオン吸着剤。
(2) RがCH(CHであることを特徴とする(1)に記載のCsイオン吸着剤。
(3) 前記有機無機複合体がアルミニウムイソプロキシドであることを特徴とする(2)に記載のCsイオン吸着剤。
(4) 95%相対湿度におけるX線回折ピーク値が3.15°以上7.51°以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のCsイオン吸着剤。
(5) 前記スメクタイト類がモンモリロナイト又はバイデライトであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のCsイオン吸着剤。
(6) 一般式X(Al、Fe、Mg)Si10(OH)で表され、Xが前記有機無機複合体であり、mが0<m≦0.33を満たす数であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のCsイオン吸着剤。
(7) 有機無機複合体を100mmol/L以上の濃度で分散させた水溶液中にスメクタイト類からなる層状粘土鉱物を分散させて、前記有機無機複合体を前記層状粘土鉱物の層間へ導入して固形物を生成する有機無機複合体導入工程と、前記固形物を乾燥してから粉砕して粉体を生成する粉体化工程と、を有し、前記有機無機複合体が一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基であることを特徴とするCsイオン吸着剤の製造方法。
(8) 有機無機複合体導入工程で、分散後、スターラーを用いて1時間以上攪拌することを特徴とする(7)に記載のCsイオン吸着剤の製造方法。
本発明のCsイオン吸着剤は、スメクタイト類からなる層状粘土鉱物と、前記層状粘土鉱物の層間に導入した有機無機複合体と、を有し、前記有機無機複合体が一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基である構成なので、吸着剤に吸着したCsイオンを一定量脱離させることができ、同じ吸着剤を数回にわたり、一定量の吸着したCsイオンを脱離して、3回目以降も一定量のCsイオンを吸着可能な安定した吸着・脱離特性を有するものとできる。
本発明のCsイオン吸着剤の製造方法は、有機無機複合体を100mmol/L以上の濃度で分散させた水溶液中にスメクタイト類からなる層状粘土鉱物を分散させて、前記有機無機複合体を前記層状粘土鉱物の層間へ導入して固形物を生成する有機無機複合体導入工程と、前記固形物を乾燥してから粉砕して粉体を生成する粉体化工程と、を有し、前記有機無機複合体が一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基である構成なので、吸着剤に吸着したCsイオンを一定量脱離させることができ、同じ吸着剤を数回にわたり、一定量の吸着したCsイオンを脱離して、3回目以降も一定量のCsイオンを吸着可能な安定した吸着・脱離特性を有するCsイオン吸着剤を容易に製造することができる。
本発明のCsイオン吸着剤の一例を示す図であって、概略断面図(a)及び(a)のA部の拡大断面図(b)である。 本発明のCsイオン吸着剤の相対湿度10%における拡大断面図(a)、相対湿度95%における拡大断面図(b)及び相対湿度95%においてアルミニウムイソプロポキシドをCsイオンと交換した場合における拡大断面図(c)である。 本発明のCsイオン吸着剤の製造方法の一例を示すフローチャートである。 相対湿度と実施例1試料の001面の底面間隔d値(Å)の関係を示すグラフである。 通常の層状粘土鉱物の一例を示す図である。 層状粘土鉱物の層間のNaイオンを水和した状態模式図である。 層状粘土鉱物が分離された状態模式図である。
(本発明の実施形態)
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤及びその製造方法について説明する。
<Csイオン吸着剤>
図1は、本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤の一例を示す図であって、概略断面図(a)及び(a)のA部の拡大断面図(b)である。
図1(a)に示すように、本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤10は、層状粘土鉱物11と、層状粘土鉱物11の層間にインターカレーション(包接)させた有機無機複合体19と、を有する。層状粘土鉱物11は、2層以上の粘土鉱物層12を有する。粘土鉱物層12は、SiO−OH層13aと、無機酸化物層14と、SiO−OH層13bとを有している。無機酸化物層14は、SiO−OH層13a、13bにより挟持されている。
層状粘土鉱物11は、スメクタイト類に属する。スメクタイト類とは、粘土鉱物であるモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトの総称である。層状粘土鉱物11として、モンモリロナイト、バイデライトを用いることがより好ましい。
粘土鉱物層12は、珪酸(SiO、SiO・OH)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))又は水酸化鉄(Fe(OH))がシート状に積み重なった結晶構造を有する無機物である。
図1(b)に示すように、SiO−OH層13a、13bは、Siを中心に配し、Oを頂点に配する三角錐形状の構造単位が連結されてなる層である。
また、無機酸化物層14は、Al、Mg又はFeのいずれかの金属Meを中心に配し、Oを頂点に配する八面体形状の構造単位が連結されてなる層である。
有機無機複合体19は、有機無機複合体が一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基である。RがCH(CHであることが好ましい。
ZがAl3+の場合、Al(3価、6配位)のイオン半径が0.535Åであり、ORはRが炭素数1のアルキル基の場合(C-Hの距離、1.09Å)となるので、前記構成を有する有機無機複合体19の最大径は、イオン半径(6配位)が1.67ÅであるCsイオンとほぼ同程度となる。このような有機無機複合体19を層間に含む層状粘土鉱物11からなるCsイオン吸着剤を水溶液中に長時間浸漬しても、層分離させることなく、安定してCsイオン吸着剤を保持できるとともに、図1に示すように、層間に水分子を容易に挿入することができる。
本願の実施例の結果から、相対湿度95%における底面間隔であるd値が15.97Åであることから、水溶液中に長時間浸漬したCsイオン吸着剤の底面間隔は15.97Å以上であると考えられる。イオン半径(6配位)が1.02ÅのNaイオン、イオン半径(6配位)が0.76ÅのLiイオン、イオン半径(6配位)が−0.38ÅのHイオンのみを層間に含む通常の層状粘土鉱物に比べて、底面間隔すなわち層間距離が広がるので、イオン半径(6配位)が1.67ÅのCsイオンを層間に出入りし易いようにすることができる(イオン半径の値は、Shannon、1976に基づく)。
図2は、本発明のCsイオン吸着剤の相対湿度10%における拡大断面図(a)、相対湿度95%における拡大断面図(b)及び相対湿度95%においてアルミニウムイソプロポキシドをCsイオンと交換した場合における拡大断面図(c)である。図2は、X線回折の測定結果に基づく模式図である。
算出した底面間隔(d値)から、相対湿度10%の雰囲気では、層間に水分子は入り込んでいない。しかし、相対湿度95%としたときは、層間に水分子は入り込み、水分子1個程度層間が広げられていると考えることができる。つまり、相対湿度95%としたときの概念状態図は、本発明のCsイオン吸着剤を水溶液中に浸漬した状態を示していると考えることができる。この状態で、Csイオンを高濃度で分散させると、濃度勾配を解消するように、Csイオンが層間のアルミニウムイソプロポキシドと交換されると考えられる。図2(c)は、その状態を示す概念図である。
有機無機複合体の大きさ5ÅはCsイオンの大きさ3.34Åよりわずかにおおきいだけなので、有機無機複合体はCsイオンに容易に交換される。
一方、通常の層状粘土鉱物の場合には、層間距離が広げられておらず、水分子が侵入することが困難であるため、層間に存在する有機無機複合体がCsイオンで交換されることはほとんどない。
吸着・脱離工程では、水溶液のpHを制御して、水溶液を弱酸性とすることが好ましい。水溶液を弱酸性とすると、層間のCsイオンは、水溶液中のHイオンと容易にイオン交換される。層間のHイオンは、層間のCsイオンよりも、アルミニウムイソプロポキシドとより容易に交換されるので、層間のCsイオンをより効率的にアルミニウムイソプロポキシドに交換することができる。
更に、Csイオンを吸着したCsイオン吸着剤10を、アルミニウムイソプロポキシドの塩酸水溶液に浸漬すると、層間のCsイオン濃度よりも層外のCsイオン濃度の方が低くなり、その濃度勾配を解消するように、Csイオンがアルミニウムイソプロポキシドと交換され、層状粘土鉱物から容易に脱離される。
これにより、Csイオンを脱離したCsイオン吸着剤10を、再びCsイオン吸着剤として利用することができる。
以上説明したように、本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤10は、層間と層外のCsイオン濃度を変えることにより、Csイオンを容易に吸着・脱離させることができる。
脱離後の水溶液中には脱離させたCsイオンが多量に存在する。この水溶液を乾燥することにより、Csイオンのみを濃縮することができる。放射性Csイオンである場合には、低レベル放射性廃棄物である放射性Csイオンの体積を、ゼオライト等に吸着させた場合よりもはるかに小さくすることができる。
Csイオン吸着剤は、95%相対湿度におけるX線回折ピーク値が3.15°以上7.51°以下である材料を用いることが好ましい。
これにより、水溶液中で、層間に水分子を挿入して、Csイオン吸着剤の底面間隔(d値)を15.97Å以上にでき、アルミニウムイソプロポキシドを、濃度勾配により、同程度の大きさのCsイオンで容易に交換できる。また、逆の濃度勾配とすることにより、Csイオンを容易に脱離することができる。
<Csイオン吸着剤の製造方法>
図3は、本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤の製造方法の一例を示すフローチャートである。本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤の製造方法は、有機無機複合体導入工程S1−1と、粉体化工程S1−2と、を有する。
<有機無機複合体導入工程S1−1>
まず、100mmol/L以上の濃度で、有機無機複合体のハロゲン化物の水溶液を調製する。不純物の影響を低減するため、超純水を用いることが好ましい。
前記有機無機複合体は、一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基である。
次に、前記水溶液にスメクタイト類の層状粘土鉱物を分散させて、分散水溶液を調整する。層状粘土鉱物の外の有機無機複合体の濃度が100mmol/L以上であり、層状粘土鉱物の内の濃度よりも高いので、濃度勾配を減少させるように、有機無機複合体が層状粘土鉱物の層間に導入され、層状粘土鉱物の層間の陽イオンの一部が有機無機複合体で交換される。
前記水溶液の有機無機複合体のハロゲン化物の濃度は100mM以上とすることが好ましい。このように有機無機複合体のハロゲン化物の濃度が濃い水溶液を用いることにより、濃度勾配をより大きくでき、交換速度を速くできる。
なお、層状粘土鉱物を分散させた前記分散水溶液を、スターラーを用いて1時間以上、攪拌してもよい。攪拌することにより、有機無機複合体の層状粘土鉱物の層間への導入を促進でき、交換速度をより速めることができる。
3時間以上攪拌することがより好ましく、6時間以上攪拌することが更に好ましい。
また、攪拌後、前記水溶液を所定時間静置してもよい。1日以上静置することが好ましく、2日間以上静置することがより好ましい。これにより、濃度勾配を完全になくすように、層状粘土鉱物の層間に有機無機複合体をインターカレーションさせることができる。
<粉体化工程S1−2>
次に、前記水溶液を、遠心分離用チューブ内に移してから、前記遠心分離用チューブを遠心分離機にセットし、前記水溶液を遠心分離する。これにより、層間に有機無機複合体をインターカレーションさせた層状粘土鉱物からなる固相を、液相から分離することができる。
回転数は10000rpm以上とすることが好ましく、30000rpm以上とすることがより好ましい。また、1分間以上遠心分離することが好ましく、30分間以上遠心分離することがより好ましい。
なお、遠心分離後、遠心分離用チューブ中の上澄み液を除去し、新たに水を加え、超音波を印加してもよい。これにより、層状粘土鉱物の層間又は表面に存在する不純物を層状粘土鉱物から水中に分離除去することができる。これにより、最終的に生成するCsイオン吸着剤の純度を向上させることができ、Csイオンの吸着特性を均一化・安定化することができる。
1分間以上超音波印加することが好ましく、60分間以上超音波印加することがより好ましい。
不純物除去工程を行った場合には、不純物除去後、再度、遠心分離をして、固相を、液相から分離する。
次に、前記遠心分離用チューブをオーブン内に配置して、所定の温度に加熱して、液相を揮発させ、固相を乾燥する。これにより、塊状の固形物を得ることができる。所定の温度は40℃以上とすることが好ましく、100℃を超えないことがより好ましい。
次に、前記固形物を粉砕して、粉末化する。粉末化することにより、表面から層間内の最深部までの距離が短くなるので、層間へのCsイオンの導入を容易にすることができ、Csイオンの吸着速度を高めることができる。最大径が2μm以下の粒子とすることが好ましい。粉砕には、例えば、メノウ乳鉢を用いる。
以上の製造工程により、本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤を収率高く製造できる。
本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤10は、スメクタイト類からなる層状粘土鉱物11と、層状粘土鉱物11の層間に導入した有機無機複合体19と、を有し、有機無機複合体19が一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基である構成なので、2回目以降でも脱離量を低下させず、一定量の吸着したCsイオンを脱離して、3回目以降も一定量のCsイオンを吸着可能な安定した吸着・脱離特性を有するものとできる。
本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤10は、RがCH(CHである構成なので、一定量のCsイオンを再現性高く、吸着・脱離させることができる。
本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤10は、有機無機複合体19がアルミニウムイソプロポキシドである構成なので、一定量のCsイオンを再現性高く、吸着・脱離させることができる。
本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤10は、95%相対湿度におけるX線回折ピーク値が3.15°以上7.51°以下である構成なので、一定量のCsイオンを再現性高く、吸着・脱離させることができる。
本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤10は、前記スメクタイト類がモンモリロナイト又はバイデライトである構成なので、一定量のCsイオンを再現性高く、吸着・脱離させることができる。
本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤10は、一般式X(Al、Fe、Mg)Si10(OH)で表され、Xが前記有機無機複合体であり、mが0<m≦0.33を満たす数である構成なので、一定量のCsイオンを再現性高く、吸着・脱離させることができる。
本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤の製造方法は、有機無機複合体を100mmol/L以上の濃度で分散させた水溶液中にスメクタイト類からなる層状粘土鉱物を分散させて、前記有機無機複合体を前記層状粘土鉱物の層間へ導入して固形物を生成する有機無機複合体導入工程と、前記固形物を乾燥してから粉砕して粉体を生成する粉体化工程と、を有し、前記有機無機複合体が一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基である構成なので、2回目以降でも脱離量を低下させず、一定量の吸着したCsイオンを脱離して、3回目以降も一定量のCsイオンを吸着可能な安定した吸着・脱離特性を有するCsイオン吸着剤を容易に製造することができる。
本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤の製造方法は、有機無機複合体導入工程で、分散後、スターラーを用いて1時間以上攪拌する構成なので、一定量のCsイオンを再現性高く、吸着・脱離させることができるCsイオン吸着剤を容易に製造することができる。
本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤及びその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。本実施形態の具体例を以下の実施例で示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、ビーカー内で、アルミニウムイソプロキシド100mmol/Lを超純水100mLに溶解して、アルミニウムイソプロキシドが分散された溶液を調製した。
次に、前記溶液に天然産のモンモリロナイトからなる粘土鉱物を分散した。
次に、粘土鉱物を浸漬させた前記溶液を、スターラーを用いて6時間攪拌した。
その後、2日間静置した。
次に、静置した前記溶液を、ビーカーから遠心分離用チューブに移してから、前記遠心分離用チューブを遠心分離機にセットし、32000rpmで30分間遠心分離した。遠心分離機は日立工機製のCP100αでP70ATローターを用いた。
次に、前記遠心分離用チューブ中の上澄み液を除去してから、水を加えてから、これをこぼさないように、水を入れたビーカー中にセットし、超音波洗浄機により、超音波を1時間印加した。
次に、前記遠心分離用チューブを遠心分離機にセットし、32000rpmで30分間遠心分離した。
次に、前記遠心分離用チューブから上澄み液を取り除き、オーブンに配置し、60℃で乾燥し、塊状の固形物を得た。
次に、前記固形物を、メノウの乳鉢により軽く粉砕して、Csイオン吸着剤の粉末(実施例1試料)を得た。
<X線回折分析>
次に、粉末X線回折装置により、CuK線を用い、試料の粉末のX線の回折パターンを測定した。実施例1試料の化学組成は(Al[OCH(CH0.3(Al1.6,Fe0.2,Mg0.2)Si10(OH)・nHOであった。
次に、試料室内の温度を25℃とし、相対湿度10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%の各相対湿度で30分保持して、試料のX線の回折パターンを測定した。
表1に示す結果が得られた。ピーク位置から、001面の底面間隔(d値)を算出した。
図4は、相対湿度と実施例1試料の001面の底面間隔d値(Å)の関係を示すグラフである。
実施例1試料では、80%付近で底面間隔が層間の距離が長くなるように大きく変化し、95%で底面間隔が15.97Åとなった。
<Csイオン吸着・脱離評価>
Csイオン吸着・脱離評価は、本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤にCsイオンを吸着・脱離させることを複数回繰り返して、各回において、Csイオンの吸着残量、溶出量(pH4)及び溶出量(水洗)を算出することにより行った。
以下の工程では、水として超純水を用いた。
1回目の吸着・脱離評価では、まず、本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤からなる粉体をCsイオン分散水溶液に分散して、Csイオンを吸着させて、固相と上澄み液に分離し、上澄み液に残留するCsイオン量、すなわち、吸着残量(1回目)を算出した。
具体的には、水酸化セシウムを10mmol/Lになるように水に溶かし0.1mol/Lの塩酸により、pHを6.5から7にしたセシウム溶液を調製した。
次に、遠心分離用チューブ中で、実施例1試料100mgを前記セシウム溶液5mLに分散し、回転式撹拌機により2時間撹拌してから、遠心分離機で固相と上澄み液に分離した。
次に、キャピラリー電気泳動装置3DCE(HPCE:HP社(現アジレント社)製)及び陽イオン用分析キット(アジレント社製)を用いて、上澄み液中のCsイオンを分析し、吸着残量(1回目)を算出した。
なお、キャピラリー電気泳動装置(HPCE)は、内径50μmのチューブに緩衝液を満たし、チューブ内で高電圧をかけて移動させた試料をUVにより検出して、金属イオンや有機物を分析する装置である。また、「吸着残量」はHPCEで分析した上澄み液のセシウムのピーク面積を吸着前のセシウム溶液を分析した時にピーク面積で割った数値を%で表示したものである。数値が大きいときは上澄み液にセシウムが多いことを意味し、吸着剤にセシウムがあまり吸着されないことを意味する。逆に数値が小さいときは吸着剤にセシウムが多く吸着されたことを意味する。
次に、固相にpH4のアルミニウムイソプロポキシド塩酸水溶液5mLを加え、超音波洗浄機を使って分散後、回転式撹拌機により2時間撹拌し、遠心分離機で固相と上澄み液に分離した。
次に、上述と同様の方法でHPCEを用いて、上澄み液中のCsイオンを分析し、溶出量(pH4、1回目)を算出した。
「溶出量(pH4、1回目)」はアルミニウムイソプロポキシドの塩酸水溶液でpHを4にした水溶液を加えて、吸着剤を洗った後の上澄み液中のセシウムのピーク面積を吸着前の初期セシウムのピーク面積を割ったものの%表示である。
次に、固相に5mLの水を加え、超音波洗浄機を使って分散後、回転式撹拌機により2時間撹拌し、遠心分離機で固相と上澄み液に分離した。
次に、上述と同様の方法でHPCEを用いて、上澄み液中のCsイオンを分析し、溶出量(水洗、1回目)を算出した。
「溶出量(水洗、1回目)」はpH4で処理した吸着剤からアルミニウムイソプロポキシドと塩酸を除くために行なった水洗処理した上澄み液のセシウムのピーク面積を吸着前の初期セシウムのピーク面積で割ったものの%表示である。
次に、脱離量(1回目)、吸着量(1回目)を算出した。
「吸着量(1回目)」は、「100(%)−吸着残量(1回目)」である。
「脱離量(1回目)」は、下記式(1)で算出される量であり、溶出量(pH4、1回目)と溶出量(水洗、1回目)により溶出したCsイオンの量を「吸着残量から算出できるCsイオンの除去量(100(%)-吸着残量)」すなわち吸着量(1回目)で割ったものの%表示である。
2回目の吸着・脱離評価では、1回目の「本発明の実施形態であるCsイオン吸着剤からなる粉体」の代わりに、「溶出量(水洗、1回目)の算出の過程で得られた固相すなわち固形体を乾燥・粉砕して、得られた粉末」を用いた他は1回目の吸着・脱離と同様にして、吸着残量(2回目)、溶出量(pH4、2回目)及び溶出量(水洗、2回目)を算出した。このとき、固形体は加熱温度60℃としたオーブンで乾燥後、粉砕して、粉体とした。
次に、脱離量(2回目)、吸着量(2回目)を算出した。
「吸着量(2回目)」は、「100(%)−吸着残量(2回目)」である。
「脱離量(2回目)」は、下記式(2)で算出される量であり、溶出量(pH4、2回目)+溶出量(水洗、2回目)により溶出したCsイオンの量を「吸着残量から算出できるCsイオンの除去量(100(%)-吸着残量)」で割ったものの%表示である。
以後、5回目の吸着・脱離評価まで順次実施し、吸着残量(3回目)、溶出量(pH4、3回目)、溶出量(水洗、3回目)、吸着残量(4回目)、溶出量(pH4、4回目)、溶出量(水洗、4回目)、吸着残量(5回目)、溶出量(pH4、5回目)及び溶出量(水洗、5回目)を上記と同様に算出した。
次に、吸着量(3回目)、吸着量(4回目)、吸着量(5回目)を算出した。
「吸着量(3回目)」は、「100(%)−吸着残量(3回目)」であり、「吸着量(4回目)」は、「100(%)−吸着残量(4回目)」であり、「吸着量(5回目)」は、「100(%)−吸着残量(5回目)」である。
次に、脱離量(3回目)、脱離量(4回目)、脱離量(5回目)を算出した。
脱離量(3回目)は、下記式(3)で算出される量であり、脱離量(4回目)は、下記式(4)で算出される量であり、脱離量(5回目)は、下記式(5)で算出される量である。
以上の結果を表2にまとめた。n.d.はHPCE分析でピークの存在は確認できるが、面積を求められなかったものである。
(比較例1)
実施例1試料の代わりにモンモリナイト単体(比較例1試料)を用いた他は実施例1と同様にして、Csイオン吸着性評価を行った。
表3はその測定結果である。
表2から分かるように、実施例1試料では、吸着量は1回目91.86%、2回目41.61%、3回目6.09%、4回目8.6%、5回目6.56%となり、脱離量は1回目n.d.、2回目10.05%、3回目15.60%、4回目11.47%、5回目11.83%となった。
つまり、2回目以降でも8.29%以上の一定量の吸着したCsイオンを脱離でき、3回目以降も6.09%以上の一定量のCsイオンを吸着可能であった。
一方、表3から分かるように、モンモリナイト単体(比較例1試料)では、吸着量は1回目n.d.、2回目52.36%、3回目52.34%、4回目19.1%、5回目15.56%となり、脱離量は1回目n.d.、2回目n.d.、3回目9.37%、4回目6.09%、5回目3.83%となった。
つまり、2回目ではほとんど脱離させることができず、脱離量が4回目で6.09%、5回目で3.83%と低くなった。吸着量も4回目19.1%、5回目15.56%と低くなった。
本発明のCsイオン吸着剤及びその製造方法は、吸着剤に吸着したCsイオンを一定量脱離させることができ、同じ吸着剤を数回にわたり、一定量の吸着したCsイオンを脱離して、3回目以降も一定量のCsイオンを吸着可能な安定した吸着・脱離特性を有するCsイオン吸着剤及びその製造方法に関するものであり、原子力の産業上利用において排出される放射性Csイオンの捕獲処理を容易にでき、原子力産業、放射性廃棄物処理産業等において利用可能性がある。
10…Csイオン吸着剤、11…層状粘土鉱物、12…粘土鉱物層、13a、13b…SiO−OH層、14…無機酸化物層、19…有機無機複合体。

Claims (8)

  1. スメクタイト類からなる層状粘土鉱物と、前記層状粘土鉱物の層間に導入した有機無機複合体と、を有し、
    前記有機無機複合体が一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基であることを特徴とするCsイオン吸着剤。
  2. RがCH(CHであることを特徴とする請求項1に記載のCsイオン吸着剤。
  3. 前記有機無機複合体がアルミニウムイソプロキシドであることを特徴とする請求項2に記載のCsイオン吸着剤。
  4. 95%相対湿度におけるX線回折ピーク値が3.15°以上7.51°以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のCsイオン吸着剤。
  5. 前記スメクタイト類がモンモリロナイト又はバイデライトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のCsイオン吸着剤。
  6. 一般式X(Al、Fe、Mg)Si10(OH)で表され、Xが前記有機無機複合体であり、mが0<m≦0.33を満たす数であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のCsイオン吸着剤。
  7. 有機無機複合体を100mmol/L以上の濃度で分散させた水溶液中にスメクタイト類からなる層状粘土鉱物を分散させて、前記有機無機複合体を前記層状粘土鉱物の層間へ導入して固形物を生成する有機無機複合体導入工程と、前記固形物を乾燥してから粉砕して粉体を生成する粉体化工程と、を有し、
    前記有機無機複合体が一般式Z(OR)で表され、ZがAl3+又はFe3+のいずれかの陽イオンであり、Rが炭素数2以上4以下のアルキル基であることを特徴とするCsイオン吸着剤の製造方法。
  8. 有機無機複合体導入工程で、分散後、スターラーを用いて1時間以上攪拌することを特徴とする請求項7に記載のCsイオン吸着剤の製造方法。
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