JP2014006063A - 光吸収係数算出装置、濃度定量装置、光吸収係数算出方法、濃度定量方法、光吸収係数の算出を行うプログラム及び濃度の算出を行うプログラム - Google Patents

光吸収係数算出装置、濃度定量装置、光吸収係数算出方法、濃度定量方法、光吸収係数の算出を行うプログラム及び濃度の算出を行うプログラム Download PDF

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和弘 西田
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Abstract

【課題】目的の層以外の層によるノイズの影響を軽減する光吸収係数算出装置、濃度定量装置、光吸収係数算出方法、濃度定量方法、光吸収係数の算出を行うプログラム及び濃度の算出を行うプログラムを提供する。
【解決手段】照射手段102と、受光手段103と、光強度取得手段104と、複数の観測対象のモデルにおける短時間パルス光の時間分解波形の所定の時刻における光強度と、複数の観測対象のモデルにおける短時間パルス光の時間分解波形の所定の時刻における無吸収時の光強度と、複数の観測対象のモデルの各々について設定された複数の光散乱媒質の層の各々の層の光吸収係数のモデル値と、に基づいて作成された検量線を取得し、光強度取得手段104が取得した光強度を検量線と照合して、任意の層における光吸収係数を算出する光吸収係数算出手段106と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明のいくつかの態様は、複数の光散乱媒質の層から形成される観測対象のうち、任意の層における光吸収係数を算出する光吸収係数算出装置、濃度定量装置、光吸収係数算出方法、濃度定量方法、光吸収係数の算出を行うプログラム及び濃度の算出を行うプログラムに関する。
従来、血糖値の測定は、指先などから採血を行い、血中のグルコースに対する酵素活性を測ることで行っていた。しかし、このような血糖値の測定方法は、指先などから血液を採取して測定しなければならず、採血に手間と痛みを伴うことや、血液を付着させる測定チップが必要なことから、採血を必要としない非侵襲型の血糖値の測定方法が望まれている。
そこで、皮膚に近赤外光を照射し、その光吸収量からグルコースの濃度を求める方法が検討されている(例えば、特許文献1を参照)。具体的には、予めグルコース濃度と照射する光の波長と光の吸収量との関係を示す検量線を作成しておき、モノクロメーター等を用いてある波長域を走査し、その波長域の各波長に対する吸収量を求め、当該波長及び吸収量と検量線とを比較することでグルコース濃度を算出する。
特許第3931638号公報
しかしながら、従来の非侵襲血糖値測定方法は、光の入出射間距離を定めることによって、真皮層の近赤外スペクトルを測定するため、測定したスペクトルに、真皮層のスペクトルのみならず表皮層や皮下組織層のスペクトルも含まれ、観測される光吸収係数の変化には表皮層や皮下組織層によるノイズが含まれてしまうという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、目的の層以外の層によるノイズの影響を軽減する光吸収係数算出装置、濃度定量装置、光吸収係数算出方法、濃度定量方法、光吸収係数の算出を行うプログラム及び濃度の算出を行うプログラムを提供することにある。
本発明のいくつかの態様は上記の課題を解決するためになされたものであり、複数の光散乱媒質の層から形成される観測対象のうち、任意の層における光吸収係数を算出する光吸収係数算出装置であって、前記観測対象に短時間パルス光を照射する照射手段と、前記短時間パルス光が前記観測対象によって後方散乱した光を受光する受光手段と、前記照射手段が短時間パルス光を照射した時刻以降の所定の時刻において前記受光手段が受光した光の強度を取得する光強度取得手段と、複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における光強度と、前記複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における無吸収時の光強度と、前記複数の観測対象のモデルの各々について設定された前記複数の光散乱媒質の層の各々の層の光吸収係数のモデル値と、に基づいて作成された検量線を取得し、前記光強度取得手段が取得した光強度を前記検量線と照合して、前記任意の層における光吸収係数を算出する光吸収係数算出手段と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、任意の層の光吸収係数を選択的に算出することができる。そのため、他の層によるノイズの影響を低減し、精度の高い濃度の定量を行うことができる。
また、本発明のいくつかの態様は、前記光吸収係数算出手段は、前記観測対象のモデルの数を示すk、前記観測対象から得られる信号を形成する主成分の個数を示すi、前記観測対象の層数を示すj、k番目の前記観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける光強度を示すI’sk(t)、前記複数の観測対象のモデルに対して共通の、前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける無吸収時の光強度を示すN’(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第i主成分の主成分分析スコアを示すαki、第i主成分の主成分分析ローディングを示すP(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第j層の光吸収係数のモデル値を示すμakj、前記光吸収係数のモデル値μakjと前記主成分分析スコアαkiとの対応関係を示す前記検量線としてのPILSij、前記観測対象から得られる信号の第i主成分の主成分スコアを示すαmi、前記受光手段が時刻tにおいて受光した入射光強度に対する光強度を示すI’(t)、前記観測対象の第j層の光吸収係数を示すμamj、を用いて、下記の(1)式〜(4)式から前記任意の層における光吸収係数を算出することを特徴とする。
Figure 2014006063
この構成によれば、任意の層の光吸収係数を高精度に算出することができる。
また、本発明のいくつかの態様は、前記光吸収係数算出装置と、前記光吸収係数算出手段で算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における目的物質の濃度を算出する濃度算出手段と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、他の層によるノイズの影響を低減し、精度の高い濃度の定量を行うことができる。
また、本発明のいくつかの態様は、前記濃度算出手段は、前記観測対象が皮膚であり、前記任意の層が真皮層であるときに、当該真皮層に含まれるグルコースの濃度を定量することを特徴とする。
この構成によれば、他の層によるノイズの影響を低減し、グルコースの濃度の定量を高精度で行うことができる。
また、本発明のいくつかの態様は、複数の光散乱媒質の層から形成される観測対象のうち、任意の層における光吸収係数を算出する光吸収係数算出方法であって、前記観測対象に短時間パルス光を照射し、前記短時間パルス光が前記観測対象によって後方散乱した光を受光し、前記照射手段が短時間パルス光を照射した時刻以降の所定の時刻において前記受光手段が受光した光の強度を取得し、複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における光強度と、前記複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における無吸収時の光強度と、前記複数の観測対象のモデルの各々について設定された前記複数の光散乱媒質の層の各々の層の光吸収係数のモデル値と、に基づいて作成された検量線を取得し、前記光強度取得手段が取得した光強度を前記検量線と照合して、前記任意の層における光吸収係数を算出することを特徴とする。
この方法によれば、任意の層の光吸収係数を選択的に算出することができる。そのため、他の層によるノイズの影響を低減し、精度の高い濃度の定量を行うことができる。
また、本発明のいくつかの態様は、前記観測対象のモデルの数を示すk、前記観測対象から得られる信号を形成する主成分の個数を示すi、前記観測対象の層数を示すj、k番目の前記観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける光強度を示すI’sk(t)、前記複数の観測対象のモデルに対して共通の、前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける無吸収時の光強度を示すN’(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第i主成分の主成分分析スコアを示すαki、第i主成分の主成分分析ローディングを示すP(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第j層の光吸収係数のモデル値を示すμakj、前記光吸収係数のモデル値μakjと前記主成分分析スコアαkiとの対応関係を示す前記検量線としてのPILSij、前記観測対象から得られる信号の第i主成分の主成分スコアを示すαmi、前記受光手段が時刻tにおいて受光した入射光強度に対する光強度を示すI’(t)、前記観測対象の第j層の光吸収係数を示すμamj、を用いて、下記の(1)式〜(4)式から前記任意の層における光吸収係数を算出することを特徴とする。
Figure 2014006063
この方法によれば、任意の層の光吸収係数を高精度に算出することができる。
また、本発明のいくつかの態様は、前記光吸収係数算出手段で算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における目的物質の濃度を算出することを特徴とする。
この方法によれば、他の層によるノイズの影響を低減し、精度の高い濃度の定量を行うことができる。
また、本発明のいくつかの態様は、前記観測対象が皮膚であり、前記任意の層が真皮層であるときに、当該真皮層に含まれるグルコースの濃度を定量することを特徴とする。
この方法によれば、他の層によるノイズの影響を低減し、グルコースの濃度の定量を高精度で行うことができる。
また、本発明のいくつかの態様は、複数の光散乱媒質の層から形成される観測対象のうち、任意の層における光吸収係数の算出を行うプログラムであって、前記観測対象に短時間パルス光を照射し、前記短時間パルス光が前記観測対象によって後方散乱した光を受光し、前記照射手段が短時間パルス光を照射した時刻以降の所定の時刻において前記受光手段が受光した光の強度を取得し、複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における光強度と、前記複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における無吸収時の光強度と、前記複数の観測対象のモデルの各々について設定された前記複数の光散乱媒質の層の各々の層の光吸収係数のモデル値と、に基づいて作成された検量線を取得し、前記光強度取得手段が取得した光強度を前記検量線と照合して、前記任意の層における光吸収係数の算出を行うことを特徴とする。
このプログラムによれば、任意の層の光吸収係数を選択的に算出することができる。そのため、他の層によるノイズの影響を低減し、精度の高い濃度の定量を行うことができる。
また、本発明のいくつかの態様は、前記観測対象のモデルの数を示すk、前記観測対象から得られる信号を形成する主成分の個数を示すi、前記観測対象の層数を示すj、k番目の前記観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける光強度を示すI’sk(t)、前記複数の観測対象のモデルに対して共通の、前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形のモデルの時刻tにおける無吸収時の光強度を示すN’(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第i主成分の主成分分析スコアを示すαki、第i主成分の主成分分析ローディングを示すP(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第j層の光吸収係数のモデル値を示すμakj、前記光吸収係数のモデル値μakjと前記主成分分析スコアαkiとの対応関係を示す前記検量線としてのPILSij、前記観測対象から得られる信号の第i主成分の主成分スコアを示すαmi、前記受光手段が時刻tにおいて受光した入射光強度に対する光強度を示すI’(t)、前記観測対象の第j層の光吸収係数を示すμamj、を用いて、下記の(1)式〜(4)式から前記任意の層における光吸収係数を算出することを特徴とする。
Figure 2014006063
このプログラムによれば、任意の層の光吸収係数を高精度に算出することができる。
また、本発明のいくつかの態様は、前記光吸収係数の算出を行うプログラムで算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における目的物質の濃度の算出を行うことを特徴とする。
このプログラムによれば、他の層によるノイズの影響を低減し、精度の高い濃度の定量を行うことができる。
また、本発明のいくつかの態様は、前記観測対象が皮膚であり、前記任意の層が真皮層であるときに、当該真皮層に含まれるグルコースの濃度を定量することを特徴とする。
このプログラムによれば、他の層によるノイズの影響を低減し、グルコースの濃度の定量を高精度で行うことができる。
本発明の一実施形態に係る血糖値測定装置の構成を示す概略ブロック図である。 シミュレーション部が算出した時間分解波形を示すグラフである。 皮膚の主要物質の吸収スペクトルを示すグラフである。 血糖値測定装置が血糖値を測定する動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る血糖値測定装置100の構成を示す概略ブロック図である。
図1に示すように、血糖値測定装置100(濃度定量装置)は、光吸収係数算出装置101、物質吸収情報記憶部107、濃度算出部108(濃度算出手段)、濃度単位変換部109、及び濃度表示部110、を備える。
血糖値測定装置100は、皮膚(観測対象)の真皮層(任意の層)に含まれるグルコース(目的物質)の濃度を測定する。
光吸収係数算出装置101は、照射部102(照射手段)、受光部103(受光手段)、計測光強度取得部104(光強度取得手段)、検量線記憶部105、及び光吸収係数算出部106(光吸収係数算出手段)、を備える。
シミュレーション部111、光強度記憶部112、無吸収時光強度記憶部113、及び検量線作成部114は、血糖値測定装置100の外部に配置されている。
シミュレーション部111は、複数の皮膚モデルの各々について、光を照射するシミュレーションを行う。皮膚モデルとしては、光吸収係数がゼロの皮膚モデル及び所定の光吸収係数を有する皮膚モデルを用いる。なお、所定の光吸収係数を有する皮膚モデルについては、皮膚の各層の光吸収係数の設定値(光吸収係数のモデル値)がばらついた複数の皮膚モデルを準備する。
光強度記憶部112は、複数の皮膚モデルの各々について、短時間パルス光の時間分解波形のモデルの所定の時刻における光強度(以下、光強度の時間関数と称することがある)を記憶する。なお、ここで、短時間パルス光とは、パルス幅が100psec程度かそれ以下のパルス光を意味する。また、短時間パルス光として0.1psecから数psecの範囲のパルス幅を持つパルス光を用いても良い。
無吸収時光強度記憶部113は、複数の皮膚モデルの各々について、短時間パルス光の時間分解波形のモデルの所定の時刻における無吸収時の光強度(以下、無吸収時光強度の時間関数と称することがある)を記憶する。
検量線作成部114は、複数の皮膚モデルを用いて検量線を作成する。なお、検量線については後述する。
照射部102は、皮膚に対して短時間パルス光を照射する。この照射部102が照射する複数の短時間パルス光は、皮膚を構成する主要物質の各々の物質の吸収スペクトル分布の直交性が高くなる波長の光、すなわち、皮膚を構成する主要物質の各々の物質のうち、ある主要物質における特定物質の吸収スペクトルの極大値が他の物質の吸収スペクトルの極大値と大きく異なる波長の光を含んでいる。
受光部103は、短時間パルス光が皮膚によって後方散乱した光を受光する。
計測光強度取得部104は、受光部103が受光した光のある時刻における光強度を取得する。
検量線記憶部105は、検量線作成部114が作成した検量線を記憶する。
光吸収係数算出部106は、短時間パルス光を照射した皮膚の真皮層における光吸収係数を算出する。
物質吸収情報記憶部107は、皮膚の主要物質の光吸収係数、またはモル吸光係数を予め記憶する。
濃度算出部108は、真皮層に含まれるグルコースの濃度を算出する。
濃度単位変換部109は、グルコースの濃度の単位を所望の単位に変換する。
濃度表示部110は、グルコースの濃度を表示する。
本実施形態の血糖値測定装置100においては、照射部102は、皮膚に短時間パルス光を照射し、受光部103は、短時間パルス光が皮膚によって後方散乱した光を受光し、計測光強度取得部104は、時刻tにおいて受光部103が受光した光の強度を取得する。シミュレーション部111は、複数の皮膚モデルの各々について、予め、光強度の時間関数と、無吸収時光強度の時間関数と、を算出する。光強度記憶部112は、シミュレーション部111が算出した光強度の時間関数を記憶する。無吸収時光強度記憶部113は、シミュレーション部111が算出した無吸収時光強度の時間関数を記憶する。検量線作成部114は、光強度記憶部112に記憶された光強度の時間関数と、無吸収時光強度記憶部113に記憶された無吸収時光強度の時間関数と、複数の皮膚モデルの各々において設定された皮膚の各々の層の光吸収係数のモデル値と、に基づいて検量線を作成する。検量線記憶部105は、検量線作成部114が作成した検量線を記憶する。
次に、光吸収係数算出部106は、計測光強度取得部104が取得した光強度を、検量線記憶部105に記憶された検量線と照合して、皮膚の真皮層の光吸収係数を算出する。そして、濃度算出部108は、光吸収係数算出部106が算出した光吸収係数に基づいて、真皮層におけるグルコースの濃度を算出する。
これにより、真皮層以外の層によるノイズの影響を軽減して、真皮層に含まれるグルコースの濃度を算出することができる。なお、濃度算出部108が算出したグルコースの濃度は、濃度単位変換部109により所望の単位に変換され、濃度表示部110に表示される。
次に、検量線作成部114による検量線の作成について説明する。
血糖値測定装置100は、血糖値を測定する前に、複数の皮膚モデルを用いて検量線を取得しておく必要がある。
検量線の作成は、主成分回帰分析(PCR;Principal Component Regression)、部分最小二乗回帰分析(PLS;Partial Least Squares)等の多変量解析を用いて作成することが好ましい。本実施形態では、検量線を作成する際に、主成分回帰分析を用いる。なお、これに限らず、部分最小二乗回帰分析を用いてもよい。
初めに、シミュレーション部111は、複数の皮膚モデルを生成する。皮膚モデルの生成は、皮膚の各層の光散乱係数、光吸収係数及び厚みを決定することで行う。
シミュレーション部111は、皮膚モデルとして、光吸収係数がゼロの皮膚モデル、及び所定の光吸収係数を有する皮膚モデル、を準備する。所定の光吸収係数を有する皮膚モデルとしては、ある光吸収係数の分布を持った複数の皮膚モデルを準備する。複数の皮膚モデルにおいては、皮膚の各々の層(例えば、真皮、表皮、皮下組織)に対して光吸収係数のモデル値が設定され、各層の光吸収係数のモデル値の組み合わせは、皮膚モデルごとに異なるものとされる。
なお、皮膚モデルの数はなるべく多くしたほうが好ましい。皮膚モデルの数を多くしたほうが精度の高い濃度の定量が可能となる。皮膚モデルとして一般的な人の皮膚モデル(代表モデル)のみを考慮した場合、代表モデルに近い皮膚に対しては精度の高い濃度の定量が可能であるが、代表モデルに近くない皮膚に対しては精度の高い濃度の定量が難しくなる。それに対して、ある程度の光吸収係数のばらつきを考慮した複数の皮膚モデルを用いて検量線を作成した場合には、どのような皮膚に対しても比較的高い精度の濃度の定量が可能となる。
本実施形態では、ある光吸収係数の分布を持った複数の皮膚モデルとして、表1に示すように、5つの皮膚モデル(1番目の第1皮膚モデル〜5番目の第5皮膚モデル)を用いて、主成分回帰分析による検量線作成を行う。
Figure 2014006063
例えば、第1皮膚モデルとしては、表皮層の光吸収係数が0.20mm−1、真皮層の光吸収係数が0.50mm−1、皮下組織層の光吸収係数が0.20mm−1のものを用いる。第2皮膚モデルとしては、表皮層の光吸収数が0.15mm−1、真皮層の光吸収係数が0.65mm−1、皮下組織層の光吸収係数が0.05mm−1のものを用いる。第3皮膚モデルとしては、表皮層の光吸収係数が0.05mm−1、真皮層の光吸収係数が0.60mm−1、皮下組織層の光吸収係数が0.10mm−1のものを用いる。第4皮膚モデルとしては、表皮層の光吸収数が0.05mm−1、真皮層の光吸収係数が0.45mm−1、皮下組織層の光吸収係数が0.15mm−1のものを用いる。第5皮膚モデルとしては、表皮層の光吸収係数が0.11mm−1、真皮層の光吸収係数が0.597mm−1、皮下組織層の光吸収係数が0.10mm−1のものを用いる。
なお、各層の光散乱係数は生体や皮膚によるばらつきが小さいため、どの皮膚モデルについても同じ値とする。本実施形態において、表皮層の光散乱係数は4.17mm−1、真皮層の光散乱係数は1.39mm−1、皮下組織層の光散乱係数は0.8831mm−1とする。この場合、短時間パルス光の時間分解波形の所定の時刻における無吸収時の光強度は、どの皮膚モデルについても同じ値(共通)となる。
同様に、各層の厚みは、どの皮膚モデルについても同じ値とする。本実施形態において、表皮層の厚みは略0.3mm、真皮層の厚みは略1.2mm、皮下組織層の厚みは略3.0mmとする。
シミュレーション部111は、皮膚モデルを生成すると、当該皮膚モデルに光を照射するシミュレーションを行う。このとき、照射部102の位置と受光部103の位置との間の距離を決定しておく必要がある。シミュレーションは、モンテカルロ法を用いて行うと良い。
シミュレーション部111は、照射する光のモデルを光子(光束)とし、当該光子を皮膚モデルに照射する計算を行う。皮膚モデルに照射された光子は、皮膚モデル内を移動する。
図2は、シミュレーション部が算出した時間分解波形の一例を示すグラフである。
図2の横軸は光子の照射からの経過時間を示し、縦軸は受光部103が検出した光子数を示している。シミュレーション部111は、単位時間毎に受光部103に到達した光子の個数を算出することで、複数の皮膚モデルについて、図2に示すような時間分解波形を算出する。
このような処理を複数の皮膚モデルについて行うことにより、シミュレーション部111は、複数の波長に対して、複数の皮膚モデルの時間分解波形を算出する。このとき、シミュレーション部111は、皮膚の主要物質(水、たんぱく質、脂質、グルコース等)の吸収スペクトルの直交性が高くなる波長について時間分解波形を算出すると良い。
そして、シミュレーション部111は、算出した時間分解波形に基づいて、複数の皮膚モデルの各々について、光強度の時間関数と、無吸収時光強度の時間関数と、を算出する。
図3は、皮膚の主要物質の吸収スペクトルを示すグラフである。
図3の横軸は照射する光の波長を示し、縦軸は吸収係数を示している。図3を参照すると、グルコースの吸収係数は、波長が1600nmのときに極大となり、水の吸収係数は、波長が1450nmのときに極大となる。そのため、シミュレーション部111は、例えば1450nm、1600nmといった皮膚の主要物質の吸収スペクトルの直交性が高くなる波長について時間分解波形を算出すると良い。
シミュレーション部111は、複数の波長に対する皮膚モデルの時間分解波形を算出し、複数の皮膚モデルにおける光強度の時間関数を算出すると、当該光強度の時間関数の情報を光強度記憶部112に記憶させる。また、シミュレーション部111は、複数の波長に対する皮膚モデルの無吸収時の時間分解波形を算出し、複数の皮膚モデルにおける無吸収時光強度の時間関数を算出すると、当該無吸収時光強度の時間関数の情報を無吸収時光強度記憶部113に記憶させる。
次に、血糖値測定装置100が血糖値を測定する動作について説明する。
図4は、血糖値測定装置100が血糖値を測定する動作を示すフローチャートである。
予め、シミュレーション部111により、複数の皮膚モデルの各々について、光強度の時間関数と、無吸収時光強度の時間関数と、を算出しておく(ステップS1)。
そして、検量線作成部114により、光強度記憶部112に記憶された複数の皮膚モデルにおける光強度の時間関数と、無吸収時光強度記憶部113に記憶された複数の皮膚モデルにおける無吸収時光強度の時間関数と、複数の皮膚モデルの各々において設定された皮膚の各々の層の光吸収係数のモデル値と、に基づいて検量線を作成する。本実施形態において、検量線作成部114は、下記の(1)式、(2)式に基づいて、検量線を作成する。
Figure 2014006063
但し、皮膚モデルの数をk(k=1〜x)、皮膚から得られる信号を形成する主成分の個数をi、皮膚の層数をj、k番目の皮膚モデルにおける短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける光強度(光強度の時間関数)をI’sk(t)、シミュレーション上の入射光強度をIsin、k番目の皮膚モデルにおける時間分解波形の時刻tにおける光強度をIsk(t)、複数の皮膚モデルに対して共通の、短時間パルス光の時間分解波形の入射光強度に対する時刻tにおける無吸収時の光強度(無吸収時光強度の時間関数)をN’(t)、時間分解波形の無吸収時の光強度をN(t)、k番目の皮膚モデルにおける第i主成分の主成分分析スコアをαki、第i主成分の主成分分析ローディングをP(t)、k番目の皮膚モデルにおける第j層の光吸収係数のモデル値をμakj、光吸収係数のモデル値μakjと主成分分析スコアをαkiとの対応関係を示す検量線をPILSij、とする。
具体的には、シミュレーション部111で算出した、複数の皮膚モデルにおける入射光強度に対する光強度の時間関数I’sk(t)及び複数の皮膚モデルにおける入射光強度に対する無吸収時光強度の時間関数N’(t)を(1)式の左辺に代入するとともに、第i主成分の主成分分析ローディングP(t)を(1)式の右辺に代入することにより、k番目の皮膚モデルにおける第i主成分の主成分分析スコアαkiを求める。次に、求めた主成分分析スコアαkiを(2)式の右辺に代入するとともに、複数の皮膚モデルの各々について設定された光吸収係数のモデル値μakjを(2)式の左辺に代入することにより、検量線PILSijを求める。
なお、上記の(2)式は一般式である。(2)式を、本実施形態における三層構造に適用して行列式に変形すると下記の(5)式となる。
Figure 2014006063
ここで、光吸収係数のモデル値μax1は、表皮層の光吸収係数のモデル値を示し、光吸収係数のモデル値μax2は、真皮層の光吸収係数のモデル値を示し、光吸収係数のモデル値μax3は、皮下組織層の光吸収係数のモデル値を示す。
図4に戻り、ユーザが血糖値測定装置100を皮膚にあてがい、測定開始スイッチ(図示せず)の押下等によって血糖値測定装置100を動作させると、照射部102は、皮膚に対して波長λの短時間パルス光を照射する(ステップS3)。ここで、波長λは、シミュレーション部111が時間分解波形を算出した複数の波長の中の1つである。
照射部102が短時間パルス光を照射すると、受光部103は、照射部102から照射され、皮膚によって後方散乱した光を受光する(ステップS4)。このとき、受光部103は、照射開始からの単位時間毎(例えば、1ピコ秒毎)の受光強度を内部メモリに登録しておく。
受光部103が受光を完了すると、計測光強度取得部104は、受光部103の内部メモリに格納されている、異なる時刻tにおける受光強度I’(t)を取得する(ステップS5)。
計測光強度取得部104が、受光強度I’(t)を取得すると、光吸収係数算出部106は、上記の(3)式、(4)式に基づいて、受光強度I’(t)を検量線に照合して、皮膚の各層の光吸収係数μamjを算出する(ステップS6)。
但し、皮膚から得られる信号の第i主成分の主成分スコアをαmi、受光部103が時刻tにおいて受光した入射光強度に対する光強度をI’(t)、測定に用いられる入射光強度をImin、時刻tにおいて受光した光強度をI(t)、皮膚の第j層の光吸収係数をμamjとする。
具体的には、シミュレーション部111で算出した、複数の皮膚モデルにおける入射光強度に対する無吸収時光強度の時間関数N’(t)、第i主成分の主成分分析ローディングP(t)、及び受光部103が時刻tにおいて受光した入射光強度に対する光強度I’(t)を(3)式の右辺に代入することにより、実測値としての第i主成分の主成分スコアαmiを求める。次に、求めた主成分スコアαmi及び検量線PILSijを(4)式の右辺に代入することにより、実測値としての光吸収係数μamjを求める。
なお、上記の(4)式は一般式である。(4)式を、本実施形態における三層構造に適用して行列式に変形すると下記の(6)式となる。
Figure 2014006063
ここで、光吸収係数μam1は、実測値としての表皮層の光吸収係数を示し、光吸収係数μam2は、実測値としての真皮層の光吸収係数を示し、光吸収係数μam3は、実測値としての皮下組織層の光吸収係数を示す。
表2は、光吸収係数の真値と、本発明に係る主成分回帰分析により算出した実測値としての光吸収係数と、を比較した表である。
Figure 2014006063
表2に示すように、表皮層の光吸収係数の真値は0.11mm−1、真皮層の光吸収係数の真値は0.55mm−1、皮下組織層の光吸収係数は0.1mm−1である。これに対し、本発明に係る主成分回帰分析により算出した実測値としての表皮層の光吸収係数は0.1094mm−1、真皮層の光吸収係数は0.5527mm−1、皮下組織層の光吸収係数は0.105mm−1である。このようにして算出された実測値としての光吸収係数は、光吸収係数の真値に極めて近い値となることが分かる。
光吸収係数算出部106が皮膚の各層の光吸収係数μam1〜μam3を算出すると、光吸収係数算出部106は、皮膚の主要物質の種類数と同じ数の波長に対して光吸収係数μam1〜μam3を算出したか否かを判定する(ステップS7)。本実施形態では、皮膚の主要物質を水、たんぱく質、脂質、グルコースの4種類として血糖値の測定を行うため、光吸収係数算出部106は、4種類の波長λ〜λに対して光吸収係数μam1〜μam3を算出したか否かを判定する。ここで、波長λ〜λは、シミュレーション部111が時間分解波形を算出した複数の波長の中から選出する。
光吸収係数算出部106が、光吸収係数μam1〜μam3を算出していない波長λ〜λがあると判定した場合(ステップS7:NO)、ステップS1に戻り、まだ光吸収係数μam1〜μam3を算出していない波長λ〜λの光吸収係数μam1〜μam3の算出を行う。
他方、光吸収係数算出部106が、波長λ〜λの光吸収係数μam1〜μam3を算出していると判定した場合(ステップS7:YES)、濃度算出部108は、式(7)に基づいて真皮質に含まれるグルコースの濃度を算出する(ステップS8)。
Figure 2014006063
但し、第m層における光吸収係数をμam、皮膚を形成する第h物質の光吸収係数をμah、皮膚を形成する第h物質の体積濃度をcvhとする。
なお、上記の(7)式は一般式である。(7)式を、本実施形態における4つの波長に適用するよう変形すると下記の(8)式となる。
Figure 2014006063
但し、μa2(λ)は真皮層における波長λ〜λの光吸収係数、μaw(λ)は真皮層における波長λ〜λの水の光吸収係数、μap(λ)は真皮層における波長λ〜λのたんぱく質の光吸収係数、μal(λ)は真皮層における波長λ〜λの脂質の光吸収係数、μag(λ)は真皮層における波長λ〜λのグルコースの光吸収係数を示す。また、cvwは水の体積濃度(体積分率)、cvpはたんぱく質の体積濃度(体積分率)、cvlは脂質の体積濃度(体積分率)、cvgはグルコースの体積濃度(体積分率)を示す。
濃度算出部108は、物質吸収情報記憶部107に記憶されている測定対象中の主要物質の光吸収係数と、上記の(8)式により算出された真皮層における光吸収係数μa2とからグルコースの濃度を算出する。
なお、上記の(7)式に替えて下記の(9)式を用いてグルコースの濃度を算出してもよい。
Figure 2014006063
但し、第m層における光吸収係数をμam、皮膚を形成する第h物質のモル吸光係数をε、皮膚を形成する第h物質のモル濃度をcとする。
なお、上記の(9)式は一般式である。(9)式を、本実施形態における三層構造に適用するよう変形すると下記の(10)式となる。
Figure 2014006063
但し、ε(λ)は真皮層における波長λ〜λの水のモル吸光係数、ε(λ)は真皮層における波長λ〜λのたんぱく質のモル吸光係数、ε(λ)は真皮層における波長λ〜λの脂質のモル吸光係数、ε(λ)は真皮層における波長λ〜λのグルコースのモル吸光係数を示す。また、cは水のモル濃度、cはたんぱく質のモル濃度、cは脂質のモル濃度、cはグルコースのモル濃度を示す。
濃度算出部108は、物質吸収情報記憶部107に記憶されている測定対象中の主要物質のモル吸光係数と、上記の(10)式により算出された真皮層におけるモル吸光係数εとからグルコースの濃度を算出する。
濃度単位変換部109は、濃度算出部108で算出したグルコースの濃度の単位を所望の単位に変換する。濃度表示部110は、グルコースの濃度を表示する。
このように、本実施形態によれば、複数の皮膚モデルにおける短時間パルス光の時間分解波形の所定の時刻における光強度(光強度の時間関数)と、複数の皮膚モデルにおける短時間パルス光の時間分解波形の所定の時刻における無吸収時の光強度(無吸収時光強度の時間関数)と、複数の皮膚モデルの各々について設定された皮膚の各々の層の光吸収係数のモデル値と、に基づいて作成された検量線を取得し、光強度取得手段が取得した光強度を検量線と照合して、任意の層の光吸収係数を選択的に算出することができる。仮に、光吸収係数を算出する際に、近似式を用いると、得られる結果は近似解となり、特に光吸収係数の大きい層と光吸収係数の小さい層とが隣接している場合に誤差が大きくなる。これに対し、本実施形態においては、光強度取得手段が取得した光強度が検量線と照合されるので、その算出結果は高精度となる。そのため、算出した光吸収係数に基づいて目的物質の濃度を算出することにより、他の層によるノイズの影響を低減し、精度の高い濃度の定量を行うことができる。
また、本実施形態によれば、上記の(1)式〜(4)式を用いた主成分回帰分析により、光吸収係数が算出される。よって、任意の層の光吸収係数を高精度に算出することができる。
また、本実施形態によれば、算出した光吸収係数に基づいて真皮層に含まれるグルコースの濃度を算出することにより、他の層によるノイズの影響を低減し、グルコースの濃度の定量を高精度で行うことができる。
なお、算出した光吸収係数に基づいて真皮層に含まれるグルコースの濃度を算出する方法として、主成分回帰分析や部分最小二乗回帰分析等の多変量解析を用いてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、濃度定量方法を血糖値測定装置100に実装し、皮膚の真皮層に含まれるグルコースの濃度を測定する場合を説明したが、これに限られず、濃度定量方法を、複数の光散乱媒質の層から形成される観測対象の任意の層における目的物質の濃度を定量する他の装置に用いても良い。
上述の血糖値測定装置100は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
また、上記実施形態においては、観測対象を層構成で説明したが、格子状(メッシュ構成)で構成される対象にも適用できる。
100…血糖値測定装置(濃度定量装置)、101…光吸収係数算出装置、102…照射部(照射手段)、103…受光部(受光手段)、104…計測光強度取得部(光強度取得手段)、106…光吸収係数算出部(光吸収係数算出手段)、108…濃度算出部(濃度算出手段)

Claims (12)

  1. 複数の光散乱媒質の層から形成される観測対象のうち、任意の層における光吸収係数を算出する光吸収係数算出装置であって、
    前記観測対象に短時間パルス光を照射する照射手段と、
    前記短時間パルス光が前記観測対象によって後方散乱した光を受光する受光手段と、
    前記照射手段が短時間パルス光を照射した時刻以降の所定の時刻において前記受光手段が受光した光の強度を取得する光強度取得手段と、
    複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における光強度と、前記複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における無吸収時の光強度と、前記複数の観測対象のモデルの各々について設定された前記複数の光散乱媒質の層の各々の層の光吸収係数のモデル値と、に基づいて作成された検量線を取得し、前記光強度取得手段が取得した光強度を前記検量線と照合して、前記任意の層における光吸収係数を算出する光吸収係数算出手段と、
    を含むことを特徴とする光吸収係数算出装置。
  2. 前記光吸収係数算出手段は、
    前記観測対象のモデルの数を示すk、前記観測対象から得られる信号を形成する主成分の個数を示すi、前記観測対象の層数を示すj、k番目の前記観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける光強度を示すI’sk(t)、前記複数の観測対象のモデルに対して共通の、前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける無吸収時の光強度を示すN’(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第i主成分の主成分分析スコアを示すαki、第i主成分の主成分分析ローディングを示すP(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第j層の光吸収係数のモデル値を示すμakj、前記光吸収係数のモデル値μakjと前記主成分分析スコアαkiとの対応関係を示す前記検量線としてのPILSij、前記観測対象から得られる信号の第i主成分の主成分スコアを示すαmi、前記受光手段が時刻tにおいて受光した入射光強度に対する光強度を示すI’(t)、前記観測対象の第j層の光吸収係数を示すμamj、を用いて、
    Figure 2014006063
    から前記任意の層における光吸収係数を算出する請求項1に記載の光吸収係数算出装置。
  3. 請求項1または2に記載の光吸収係数算出装置と、
    前記光吸収係数算出手段で算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における目的物質の濃度を算出する濃度算出手段と、
    を含むことを特徴とする濃度定量装置。
  4. 前記濃度算出手段は、前記観測対象が皮膚であり、前記任意の層が真皮層であるときに、当該真皮層に含まれるグルコースの濃度を定量することを特徴とする請求項3に記載の濃度定量装置。
  5. 複数の光散乱媒質の層から形成される観測対象のうち、任意の層における光吸収係数を算出する光吸収係数算出方法であって、
    前記観測対象に短時間パルス光を照射し、
    前記短時間パルス光が前記観測対象によって後方散乱した光を受光し、
    前記照射手段が短時間パルス光を照射した時刻以降の所定の時刻において前記受光手段が受光した光の強度を取得し、
    複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における光強度と、前記複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における無吸収時の光強度と、前記複数の観測対象のモデルの各々について設定された前記複数の光散乱媒質の層の各々の層の光吸収係数のモデル値と、に基づいて作成された検量線を取得し、前記光強度取得手段が取得した光強度を前記検量線と照合して、前記任意の層における光吸収係数を算出することを特徴とする光吸収係数算出方法。
  6. 前記観測対象のモデルの数を示すk、前記観測対象から得られる信号を形成する主成分の個数を示すi、前記観測対象の層数を示すj、k番目の前記観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける光強度を示すI’sk(t)、前記複数の観測対象のモデルに対して共通の、前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける無吸収時の光強度を示すN’(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第i主成分の主成分分析スコアを示すαki、第i主成分の主成分分析ローディングを示すP(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第j層の光吸収係数のモデル値を示すμakj、前記光吸収係数のモデル値μakjと前記主成分分析スコアαkiとの対応関係を示す前記検量線としてのPILSij、前記観測対象から得られる信号の第i主成分の主成分スコアを示すαmi、前記受光手段が時刻tにおいて受光した入射光強度に対する光強度を示すI’(t)、前記観測対象の第j層の光吸収係数を示すμamj、を用いて、
    Figure 2014006063
    から前記任意の層における光吸収係数を算出する請求項5に記載の光吸収係数算出方法。
  7. 請求項5または6に記載の光吸収係数算出方法で算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における目的物質の濃度を算出することを特徴とする濃度定量方法。
  8. 前記観測対象が皮膚であり、前記任意の層が真皮層であるときに、当該真皮層に含まれるグルコースの濃度を定量することを特徴とする請求項7に記載の濃度定量方法。
  9. 複数の光散乱媒質の層から形成される観測対象のうち、任意の層における光吸収係数の算出を行うプログラムであって、
    前記観測対象に短時間パルス光を照射し、
    前記短時間パルス光が前記観測対象によって後方散乱した光を受光し、
    前記照射手段が短時間パルス光を照射した時刻以降の所定の時刻において前記受光手段が受光した光の強度を取得し、
    複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における光強度と、前記複数の観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の時間分解波形の前記所定の時刻における無吸収時の光強度と、前記複数の観測対象のモデルの各々について設定された前記複数の光散乱媒質の層の各々の層の光吸収係数のモデル値と、に基づいて作成された検量線を取得し、前記光強度取得手段が取得した光強度を前記検量線と照合して、前記任意の層における光吸収係数の算出を行うプログラム。
  10. 前記観測対象のモデルの数を示すk、前記観測対象から得られる信号を形成する主成分の個数を示すi、前記観測対象の層数を示すj、k番目の前記観測対象のモデルにおける前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形の時刻tにおける光強度を示すI’sk(t)、前記複数の観測対象のモデルに対して共通の、前記短時間パルス光の入射光強度に対する時間分解波形のモデルの時刻tにおける無吸収時の光強度を示すN’(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第i主成分の主成分分析スコアを示すαki、第i主成分の主成分分析ローディングを示すP(t)、k番目の前記観測対象のモデルにおける第j層の光吸収係数のモデル値を示すμakj、前記光吸収係数のモデル値μakjと前記主成分分析スコアαkiとの対応関係を示す前記検量線としてのPILSij、前記観測対象から得られる信号の第i主成分の主成分スコアを示すαmi、前記受光手段が時刻tにおいて受光した入射光強度に対する光強度を示すI’(t)、前記観測対象の第j層の光吸収係数を示すμamj、を用いて、
    Figure 2014006063
    から前記任意の層における光吸収係数を算出する請求項9に記載の光吸収係数の算出を行うプログラム。
  11. 請求項9または10に記載の光吸収係数の算出を行うプログラムで算出した光吸収係数に基づいて、前記任意の層における目的物質の濃度の算出を行うプログラム。
  12. 前記観測対象が皮膚であり、前記任意の層が真皮層であるときに、当該真皮層に含まれるグルコースの濃度を定量することを特徴とする請求項11に記載の濃度の算出を行うプログラム。
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