JP2014002980A - 蛍光体発光部、発光装置および蛍光体発光部の製造方法 - Google Patents

蛍光体発光部、発光装置および蛍光体発光部の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】励起光の光軸方向に出射される光の全光量を増加させる。
【解決手段】蛍光体発光部1は、励起光を受けて第1の蛍光を発するナノ結晶蛍光体を含む第1蛍光体部11と、第1蛍光体部11から発せられる第1の蛍光の少なくとも一部を受けて第2の蛍光を発する蛍光体を含む第2蛍光体部12とを備え、第2蛍光体部12が、第1蛍光体部11の励起光の光軸方向に対して垂直な方向の側に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、励起光を受けて蛍光を発する蛍光体発光部、当該蛍光体発光部を備えた発光装置および蛍光体発光部の製造方法に関する。
近年、発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、単に「LED」と称する)を用いた発光装置として、液晶ディスプレイ用のLEDバックライトユニットや照明用のLED電球などが脚光を浴びている。LEDは、低消費電力であること、製品の寿命が長いこと、また、環境に及ぼす影響が小さいこと、といった優れた特徴を有している。
LEDバックライトユニットやLED電球の発光部は、LEDの光の一部が発光部に含まれる蛍光体によって波長変換された光と、蛍光体によって波長変換されなかった光と、を組合せて放出することにより、本来のLEDの光とは異なる種々の光を発光することができる。このような発光装置は、これまでの照明用の電球やディスプレイ用のバックライトユニットに代わる発光装置として大いに期待され、種々の開発がなされている。
このような発光装置の一例として、特許文献1に開示されたバックライトユニットがある。このバックライトユニットに用いられているLEDモジュールは、LEDを収納する溝が設けられたバー型の回路基板上の溝を蛍光体膜で覆う構造を採用している。
また、上記発光装置の別の例として、特許文献2に開示された面状発光装置がある。この面状発光装置では、励起光(一次光)の照射により特定色の蛍光体から発する蛍光(二次光)が他色の蛍光体に吸収されず、そのまま透過するように、複数種類の蛍光体を、各蛍光体の間で二次光の再吸収が起きないように、光路方向に互いに重ならないように配列する構成を採用している。
特開2011−155262号公報(2011年08月11日公開) 特開2008−258171号公報(2008年10月23日公開)
ところで、蛍光体から発する蛍光は、あらゆる方向に等方的に出射され、励起光の光軸方向に対して垂直な方向へも蛍光が伝搬してしまうため、その分だけ励起光の光軸方向に出射される光の全光量が低減してしまうという問題点がある。特に、光の波長より小さいサイズのナノ結晶蛍光体を蛍光体発光部に含めた場合には、励起光の光軸方向に対して垂直な方向へ発せられるナノ結晶蛍光体からの蛍光が蛍光体自身によって散乱されることがなく、その進行方向を変化させることがないため、励起光の光軸方向に出射される光の全光量が低減してしまうという問題点があることを本発明の発明者が見出した。
例えば、上記特許文献1に記載の技術では、線状に配列した複数の発光素子の各光軸に沿って一定の距離だけ離隔して蛍光体シートを設置した構造を採用し、励起光の光軸方向に垂直な方向に伝播する蛍光の存在については全く無視されているため、その分だけ光軸方向に出射される光の全光量が減少してしまうという問題点がある。
一方、上記特許文献2の段落0028に「各セルは光路方向に重なっていないので各蛍光体から発光した二次光は他色を発光する蛍光体に再度吸収されることがほとんどなく」と記載されているように、同文献では励起光の光軸方向に垂直な方向に伝播する蛍光の存在については無視されている。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、励起光の光軸方向に垂直な方向に伝播する蛍光を再利用することにより、励起光の光軸方向に出射される光の全光量を増加させることができる蛍光体発光部などを提供することにある。
本発明の蛍光体発光部は、上記の課題を解決するために、入射された励起光によって生じた蛍光の少なくとも一部を該励起光の光軸方向に沿う方向へ出射する蛍光体発光部であって、励起光を受けて第1波長領域に発光ピーク波長を有する第1の蛍光を発するナノ結晶蛍光体を含む第1の蛍光体部と、上記第1の蛍光の少なくとも一部を受けて上記第1波長領域よりも長波長側の第2波長領域に発光ピーク波長を有する第2の蛍光を発する蛍光体を含む第2の蛍光体部と、を備え、上記第2の蛍光体部が、上記第1の蛍光体部の、上記励起光の光軸方向に対して垂直な方向の側に配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、第1の蛍光体部がナノ結晶蛍光体を含む。第1の蛍光体部に光の波長より小さいサイズのナノ結晶蛍光体を第1の蛍光体部に含めた場合には、ナノ結晶蛍光体から励起光が入射される方向に対して垂直な方向に発せられる第1の蛍光が第1の蛍光体自身によって散乱されることがなく、その進行方向を変化させることがないため、励起光の光軸方向に出射する光の全光量が低下してしまうという問題点があることを本発明の発明者が見出した。
そこで、このような問題点を解決するために、本発明の蛍光体発光部では、第1の蛍光の少なくとも一部を受けて第1波長領域よりも長波長側の第2波長領域に発光ピーク波長を有する第2の蛍光を発する蛍光体を含む第2の蛍光体部を、第1の蛍光を発する第1の蛍光体部の、励起光の光軸方向に対して垂直な方向の側に配置している。
上記の構成によれば、第2の蛍光体部は、励起光の光軸方向に対して垂直方向に第1の蛍光体部から発せられる蛍光の少なくとも一部を受けて、第2の蛍光を、全方位のあらゆる方向に等方的に出射する。
このため、本来、励起光の入射方向に対して垂直方向に伝播する第1の蛍光の少なくとも一部を、第2の蛍光に波長変換し、その一部を励起光の光軸方向に出射させることができる。
これにより、励起光の光軸方向に垂直な方向に伝播する第1の蛍光を再利用することにより、励起光の光軸方向に出射される光の全光量を増加させることができる。
なお、本明細書では、「ナノ結晶」とは結晶サイズを励起子ボーア半径程度まで小さくし、量子サイズ効果による励起子の閉じ込めやバンドギャップの増大が観測される結晶を指すものとする。
また、本発明の蛍光体発光部は、上記の構成に加えて、上記第1の蛍光体部は、複数種類のナノ結晶蛍光体を含み、上記複数種類のナノ結晶蛍光体のうち長波長側の蛍光を発する第1のナノ結晶蛍光体が、短波長側の蛍光を発する第2のナノ結晶蛍光体よりも上記第1の蛍光体部の上記励起光が入射される側に近い方に配置されていても良い。
一般的に、蛍光体はそれぞれの励起エネルギーより大きいエネルギーを有した光を吸収し、蛍光として二次光を発する。例えば、緑色蛍光体のように励起エネルギーの大きい蛍光体が発する二次光は、赤色蛍光体のように励起エネルギーの小さい蛍光体に吸収されてしまい、所望の色バランスを得るのが難しくなる。特に、蛍光体発光部に含まれる蛍光体がナノ結晶蛍光体である場合、ナノ結晶蛍光体は、ストークスシフトが小さく、自身の発する蛍光よりも短波長側の光の大部分を吸収してしまう。このため、短波長側の蛍光を発するナノ結晶蛍光体からの二次光が、長波長側の蛍光を発するナノ結晶蛍光体により再吸収される現象が顕著に見られる。
したがって、上記構成のように、励起光が入射される側に近い方から順に、長波長側の蛍光を発する第1のナノ結晶蛍光体、短波長側の蛍光を発する第2のナノ結晶蛍光体を配置することで、各蛍光体の発する二次光は、他色を発光する蛍光体に再吸収されることがほとんどなく、所望の色バランスを容易に得ることが可能となる。
また、本発明の蛍光体発光部は、上記の構成に加えて、上記第2の蛍光体部は、ナノ結晶蛍光体を含み、上記第2の蛍光の波長は、上記第1の蛍光の波長以上であっても良い。
上記構成によれば、第2の蛍光体部のナノ結晶蛍光体が第1の蛍光を吸収して再発光することで第2の蛍光が等方的に拡がる。
上記のように、ナノ結晶蛍光体は、ストークスシフトが小さく、自身の発する蛍光よりも短波長側の光の大部分を吸収してしまう。すなわち、ナノ結晶蛍光体でない通常の蛍光体と比較して、第1の蛍光を吸収して再発光する際の光量を増加させることができる。このため、励起光の光軸方向に出射される光の全光量を増加させることができる。
一方、第2の蛍光体部が、ナノ結晶蛍光体でない通常の蛍光体を含む場合、第1の蛍光を散乱することで光軸方向に出射される光が均一になる。
その平均粒子径にもよるが、ナノ結晶蛍光体と異なり、通常の蛍光体は、第1の蛍光の少なくとも一部を散乱する機能が付加される。このため、第1の蛍光を吸収して再発光することによって生じた第2の蛍光と、通常の蛍光体により散乱された第1の蛍光とが、等方的に拡がる。このため、励起光の光軸方向に出射される光の全光量を増加させることができる。
また、本発明の発光装置は、上記の構成に加えて、上記いずれかの蛍光体発光部と、上記蛍光体発光部に励起光を照射する励起光源と、を備え、上記励起光源の光軸の方向が、上記励起光の入射方向に沿っていても良い。
上記構成によれば、励起光の光軸方向に垂直な方向に伝播する蛍光を再利用することにより、励起光の光軸方向に出射される光の全光量を向上させることができる発光装置を実現できる。
また、本発明の発光装置は、上記の構成に加えて、上記励起光のスポットの面積は、上記第1の蛍光体部の、上記励起光が照射される面の面積以上であることが好ましい。
励起光のスポットの面積が、第1の蛍光体部の、励起光が照射される面の面積未満である場合、第1の蛍光体部の励起光の照射可能な領域の一部に励起光が照射されない領域ができてしまう。よって、励起光のスポットの面積は、第1の蛍光体部の、励起光が照射される面の面積以上であることが好ましい。
また、本発明のバックライトは、上記の構成に加えて、上記いずれかの発光装置を備えることが好ましい。
上記構成によれば、上記発光装置から励起光の光軸方向に出射される光量が多いため、バックライトの光量を多くすることができる。そのため、本発明のバックライトを表示装置に適用した場合には、表示装置の画面の明るさを向上させることができる。
また、本発明の蛍光体発光部の製造方法は、上記の課題を解決するために、入射された励起光によって生じた蛍光の少なくとも一部を該励起光の光軸方向に沿う方向へ出射する蛍光体発光部の製造方法であって、励起光を受けて第1波長領域に発光ピーク波長を有する第1の蛍光を発するナノ結晶蛍光体を含む第1の蛍光体部を透明基板上に形成する第1の蛍光体部形成工程と、上記第1の蛍光の少なくとも一部を受けて上記第1波長領域よりも長波長側の第2波長領域に発光ピーク波長を有する第2の蛍光を発する蛍光体を含む第2の蛍光体部を上記透明基板上に形成する第2の蛍光体部形成工程と、を含み、上記第2の蛍光体部を、上記第1の蛍光体部の、上記励起光の光軸方向に対して垂直な方向の側に配置することを特徴とする。
上記方法によれば、第1の蛍光体部形成工程において、透明基板上にナノ結晶蛍光体を含む第1の蛍光体部が形成される。また、第2の蛍光体部形成工程において、上記第1蛍光体部から発せられる第1の蛍光を受けて、波長の異なる第2の蛍光を発する第2の蛍光を発する蛍光体を含む第2の蛍光体部が透明基板上に形成される。ここで、第2の蛍光体部は、第1蛍光体部の、励起光の光軸方向に対して垂直な方向の側に配置される。
それゆえ、第2の蛍光体部は、第1の蛍光体部から励起光の光軸方向に対して垂直方向に発せられる蛍光の少なくとも一部を受けて、第2の蛍光を、全方位のあらゆる方向に等方的に出射する。
このため、本来、励起光の光軸方向に対して垂直方向に伝播する第1の蛍光の少なくとも一部を、第2の蛍光に波長変換し、その一部を励起光の光軸方向に出射させることができる。
これにより、励起光の光軸方向に垂直な方向に伝播する蛍光を再利用することにより、励起光の光軸方向に出射される光の全光量を増加させることができる。
本発明の蛍光体発光部は、以上のように、励起光を受けて第1波長領域に発光ピーク波長を有する第1の蛍光を発するナノ結晶蛍光体を含む第1の蛍光体部と、上記第1の蛍光の少なくとも一部を受けて上記第1波長領域よりも長波長側の第2波長領域に発光ピーク波長を有する第2の蛍光を発する蛍光体を含む第2の蛍光体部と、を備え、上記第2の蛍光体部が、上記第1の蛍光体部の、上記励起光の光軸方向に対して垂直な方向の側に配置されている構成である。
また、本発明の蛍光体発光部の製造方法は、以上のように、励起光を受けて第1波長領域に発光ピーク波長を有する第1の蛍光を発するナノ結晶蛍光体を含む第1の蛍光体部を透明基板上に形成する第1の蛍光体部形成工程と、上記第1の蛍光の少なくとも一部を受けて上記第1波長領域よりも長波長側の第2波長領域に発光ピーク波長を有する第2の蛍光を発する蛍光体を含む第2の蛍光体部を上記透明基板上に形成する第2の蛍光体部形成工程と、を含み、上記第2の蛍光体部を、上記第1の蛍光体部の、上記励起光の光軸方向に対して垂直な方向の側に配置する方法である。
それゆえ、励起光の光軸方向に垂直な方向に伝播する蛍光を再利用することにより、励起光の光軸方向に出射される光の全光量を増加させることができるという効果を奏する。
本発明におけるバックライトユニットの実施の一形態を示す図であり、(a)は、バックライトユニット(またはその導光部材もしくはカバー部材)を板厚方向に切断したときの断面の様子を示し、(b)は、バックライトユニット(またはその導光部材もしくはカバー部材)を面内方向に切断したときの断面の様子を示す。 (a)は、上記バックライトユニットの蛍光体発光部の断面図であり、(b)は、2種類のナノ結晶蛍光体を含む第1の蛍光体部を有する蛍光体発光部の断面図である。 (a)は、図1(a)に示すバックライトユニットの一部分を抜粋した断面図であり、(b)は、本発明におけるバックライトユニットの他の実施の形態を示す断面図であり、(c)は、本発明におけるバックライトユニットのさらに他の実施の形態を示す断面図である。 本発明における表示装置の実施の一形態を示す断面図である。 (a)〜(d)は、上記バックライトユニットが備える蛍光体発光部の製造方法の一例を説明するための図である。
本発明の一実施形態について図1〜図5に基づいて説明すれば、次の通りである。以下の特定の実施形態で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の実施形態で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
〔実施の形態1〕
まず、図1、図2および図3(a)に基づき、本発明の一実施形態であるバックライトユニット(導光部材,カバー部材を含む)10の構成について説明する。図1は、バックライトユニット10の実施の一形態を示す図である。また、図1(a)は、バックライトユニット10を板厚方向に切断したときの断面の様子(導光板3の長手方向から見たときの様子)を示し、図1(b)は、バックライトユニット10を面内方向に切断したときの断面の様子(導光板3の板厚方向から見たときの様子)を示す。また、図2(a)は、蛍光体発光部1の断面図である。また、図3(a)は、図1(a)に示すバックライトユニット10の一部分を抜粋した断面図である。
図1(a)に示すように、バックライトユニット10は、蛍光体発光部1、励起光源2、導光板3、オーバレイ部材4、LED保持部材5、光源駆動制御部6および電源7を備える。なお、本明細書においては、バックライトユニット10から光源駆動制御部6および電源7を除外した形態が、本発明の発光装置の実施の一形態に相当するものとする。
(蛍光体発光部1)
図1(a)および図1(b)に示すように、本実施形態の蛍光体発光部1の形状は、平板状の形状であり、そのサイズは、縦×横×厚さ=3mm×480mm×1mm(22V型液晶TVの場合)である。
しかしながら、蛍光体発光部1の形状は、平板状の形状に限定されない。例えば、棒状およびシート状の形状の他、直方体状、立方体状、ならびに、任意の閉図形を所定の回転軸を軸として回転させてできる回転体状の形状など、任意の形状を採用することができる。
本実施形態の蛍光体発光部1は、裏面SUF1から入射した励起光によって生じた光(第1の蛍光または第2の蛍光)を、裏面SUF1と対向する正面SUF2の側から出射する。正面SUF2から出射される光Lreには、蛍光体発光部1に含まれる各蛍光体によって波長変換された光(第1の蛍光または第2の蛍光)と、上記各蛍光体によって波長変換されなかった励起光とが含まれている。
この蛍光体発光部1は、第1蛍光体部(第1の蛍光体部)11と、第2蛍光体部(第2の蛍光体部)12とを含んでいる。これら第1蛍光体部11および第2蛍光体部12は、蛍光体発光部1の面内方向(方向D=励起光の光軸方向(または入射する方向)に対して垂直な方向、に沿って配置されており、2枚の透明板13によって挟まれている。透明板13の材質としては、石英やホウケイ酸ガラス等のガラスや、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)等の有機ガラスを使用できる。
なお、本実施形態では、第1蛍光体部11と、第2蛍光体部12とが2枚の透明板13によって挟まれている構造を採用しているがこれに限定されない。例えば、透明部材の中に蛍光体が内包されている構造であっても良い。この場合、透明部材の材質としては、上述した石英やホウケイ酸ガラス等のガラスや、アクリル樹脂(PMMA、PLMA:ポリメタクリル酸ラウリルまたはポリラウリルメタクリレート等)などの有機ガラスを使用できる。
また、本実施形態では、蛍光体発光部1に複数の第1蛍光体部11と、複数の第2蛍光体部12とが含まれている構成となっているが、理論上は、第1蛍光体部11は1つだけであっても良い。また、この場合、第2蛍光体部12は、第1蛍光体部11の紙面に対して左側または右側のいずれか一方の側(励起光の光軸方向に対して垂直な方向)に設けられていれば良い。
なお、蛍光体発光部1の裏面SUF1の側に励起光の反射を防止する反射防止構造が形成されていても良い。これにより、蛍光体発光部1に対する励起光の照射効率を高めることができる。
(第1蛍光体部11)
第1蛍光体部11は、励起光源2が有するLEDチップ21からの励起光の主たる照射対象であって、該励起光の照射により蛍光(第1の蛍光;第1波長領域に発光ピーク波長を有する蛍光)を発するナノ結晶蛍光体を少なくとも1種類含んでいる。励起光の主たる照射対象とは、LEDチップ21からの励起光が主に照射される部分であり、励起光の光軸上に位置する部分である。換言すれば、LEDチップ21から出射された励起光の光強度分布における最も光強度が大きい部分が第1蛍光体部11に照射される。そのために、第1蛍光体部11は、励起光源2のLEDパッケージ22が有する凹部22aの正面に配置されている。
本実施形態の第1蛍光体部11は、封止材の内部に後述するナノ結晶蛍光体が分散されているものである。なお、本明細書では、「ナノ結晶」とは結晶サイズを励起子ボーア半径程度まで小さくし、量子サイズ効果による励起子の閉じ込めやバンドギャップの増大が観測される結晶を指すものとする。
第1蛍光体部11の封止材は、例えば、シリコーン樹脂やアクリル樹脂(PLMAなど)、エポキシ樹脂など、光学的に透明で、蛍光体が均一に分散するものであれば良い。
封止材は、透明性の高いものが好ましく、励起光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。また、ナノ結晶蛍光体の分散性を考慮した場合、上記のPLMAを用いることが好ましい。
第1蛍光体部11に含まれる蛍光体としては、例えば、InP系のナノ結晶蛍光体を用いることができる。InPは粒子径を小さくしていくと、量子サイズ効果によりバンドギャップを青色(短波長)から赤色(長波長)の範囲で制御し、発光色を自在に変化させることができる。さらに、作製条件を最適化させることで、ほぼ均一な粒子径のナノ結晶蛍光体が得られるため、半値幅の狭い発光スペクトルを得ることができる。
このほか、蛍光体材料として、InP以外のIII−V族化合物半導体やII−VI族化合物半導体よりなるナノ結晶蛍光体を用いてもよい。例えば、III−V族化合物半導体やII−VI族化合物半導体やIII−V族化合物半導体よりなるナノ結晶蛍光体としては、二元系では、II−VI族化合物半導体として、CdSe、CdS、ZnS等が挙げられる。III−V族化合物半導体としては、InN、InP等が挙げられる。また、三元系や四元系では、CdSeS、InNP、CdZnSeS、GaInNP、InGaN等が挙げられる。
そして、上記蛍光体としては、InおよびPを含むナノ結晶蛍光体を用いることが好ましい。その理由は、可視光域(380nm〜780nm)で発光する粒子径のナノ結晶蛍光体を作製しやすく、量子収率が高く、LEDの光を照射した際に高い発光効率を示すからである。なお、ここで量子収率とは、吸収した光子数に対する蛍光として発光した光子数の割合のことである。
一般に、白色光または擬似白色光は、等色の原理を満たす3つの色の混色、または、補色の関係を満たす2つの色の混色などで実現できる。この等色または補色の原理・関係に基づき、例えば、後述する励起光源2から出射される励起光を青色とし、第1蛍光体部11の蛍光を黄色とすることで(補色の関係を満たす2つの色の混色)で擬似白色を実現できる。
なお、第1蛍光体部11に含まれるナノ結晶蛍光体は、1種類のみに限定されず、複数種類であっても良い。例えば、第1蛍光体部11が後述する緑色発光蛍光体(第2のナノ粒子蛍光体)と赤色発光蛍光体(第1のナノ粒子蛍光体)との組合せを含んでいれば、青色の励起光との混色で白色光を実現できる。
ここで、黄色発光蛍光体とは、560nm以上590nm未満の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体である。緑色発光蛍光体とは、510nm以上560nm未満の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体である。赤色発光蛍光体とは、600nm以上680nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体である。
次に、本実施形態では、図1(b)に示すように、励起光のスポットの面積は、第1蛍光体部11の、励起光が照射される第1蛍光体部11の面(裏面SUF1側の面、励起光照射面と称する)の面積未満もしくは同面積と同程度となっている。しかしながら、励起光のスポットの面積はこれに限定されない。例えば、励起光のスポットの面積は、第1蛍光体部11の面の面積以上であることが好ましい。
励起光のスポットの面積が、第1蛍光体部11の、励起光が照射される面の面積未満である場合、第1蛍光体部11の励起光の照射可能な領域の一部に励起光が照射されない領域ができてしまう。よって、励起光のスポットの面積は、第1蛍光体部11の、励起光が照射される面の面積以上であることが好ましい。
例えば、LEDパッケージ22としてSMD3228パッケージを使用した場合には、励起光の照射面積(スポットの面積)は、約4.5mmであるため、第1蛍光体部11の光照射面(励起光が照射される側の面)の面積を、例えば、4.5mm(一辺2.12mmの正方形)以下とすればよい。
なお、励起光の照射面積は、LEDパッケージ22と光照射面との間の距離によっても変化するため、当該距離も考慮して光照射面の面積を設定することが好ましい。
(第2蛍光体部12)
第2蛍光体部12は、励起光源2のLEDチップ21からの励起光の主たる照射対象ではない部分であって、第1蛍光体部11から発せられる蛍光(第1の蛍光)の少なくとも一部(蛍光Lh)を受けて第1波長領域よりも長波長側の第2波長領域に発光ピーク波長を有する蛍光(第2の蛍光)を発する蛍光体を含んでいる。蛍光Lhとは、第1蛍光体部11から蛍光体発光部1の面内方向に出射された蛍光である。
図2(a)には、蛍光体P1を含む第2蛍光体部12が示されている。この蛍光体P1は、上述したシリコーン樹脂、アクリル樹脂(PMMA、PLMA等)、エポキシ樹脂等の樹脂、または、ガラス材など光学的に透明な物質中に分散されている。
蛍光体P1の材質として、例えば、上述したナノ結晶蛍光体の他、以下に記載の蛍光体を用いることができるが、これら以外の材質の粒子を用いてもかまわない。
黄色発光蛍光体(560nmより大きく590nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体)としては、セリウム(Ce)で賦活したイットリウム(Y)−アルミニウム(Al)−ガーネット(Garnet)蛍光体であるYAG:Ce蛍光体や、酸窒化物系の蛍光体(サイアロン蛍光体)である、Eu2+がドープされたCaα−SiAlON:Eu蛍光体などが挙げられる。
次に、緑色発光蛍光体(510nm以上560nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体)としては、酸窒化物系の蛍光体(サイアロン蛍光体)である、Eu2+がドープされたβ−SiAlON:Eu蛍光体、Ce3+がドープされたCaα−SiAlON:Ce蛍光体などが挙げられる。
次に、赤色発光蛍光体(600nm以上680nm以下の波長範囲にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体)としては、窒化物系の蛍光体である、Eu2+がドープされたCaAlSiN:蛍光体(CASN:Eu蛍光体)、Eu2+がドープされたSrCaAlSiN蛍光体(SCASN:Eu蛍光体)などが挙げられる。
また、赤色に発光する窒化物系蛍光体のその他の例としては、(Mg、Ca、Sr、Ba)AlSiN:Eu等のEu賦活窒化物蛍光体や(Mg、Ca、Sr、Ba)AlSiN:Ce等のCe賦活窒化物蛍光体などが挙げられる。
また、第2蛍光体部12に、上記のナノ結晶蛍光体を含めた場合、第2蛍光体部12のナノ結晶蛍光体が第1の蛍光を吸収して再発光することで第2の蛍光が等方的に拡がる。
上記のように、ナノ結晶蛍光体は、ストークスシフトが小さく、自身の発する蛍光よりも短波長側の光の大部分を吸収してしまう。すなわち、ナノ結晶蛍光体でない通常の蛍光体と比較して、第1の蛍光を吸収して再発光する際の光量を増加させることができる。このため、励起光の光軸方向に出射される光の全光量を増加させることができる。
一方、第2蛍光体部12が、ナノ結晶蛍光体でない通常の蛍光体を含む場合、第1の蛍光を散乱することで光軸方向に出射される光が均一になる。
その平均粒子径にもよるが、ナノ結晶蛍光体と異なり、通常の蛍光体は、第1の蛍光の少なくとも一部を散乱する機能が付加される。このため、第1の蛍光を吸収して再発光することによって生じた第2の蛍光と、通常の蛍光体により散乱された第1の蛍光が、等方的に拡がる。このため、励起光の光軸方向に出射される光の全光量を増加させることができる。
第1蛍光体部11に対する第2蛍光体部12の数は特に限定されず、1つの第1蛍光体部11に対して、少なくとも1つの第2蛍光体部12が第1蛍光体部11の近傍に(好ましくは隣接して)形成(または配置)されていれば良い。
また、本実施形態では、複数の励起光源2が、図1(b)に示す方向Dに沿って一列のみアレイ状に配置されているため、蛍光体発光部1の複数の第1蛍光体部11および複数の第2蛍光体部12のそれぞれが、上記複数の励起光源2の配置に対応するように、交互に一列にアレイ状に配置されているが、複数の第1蛍光体部11および複数の第2蛍光体部12の配置形態は、このような形態に限定されない。
例えば、複数の励起光源2が、図1(a)に示す紙面に対して上下に(図1(b)に示す紙面に対して手前側と奥側に)分かれて二列アレイ状に配置されている場合、図1(b)に示す一列目の複数の励起光源2のそれぞれを紙面に対して手前側から奥側に平行移動させたときに、一列目の複数の励起光源2と、二列目の複数の励起光源2のぞれぞれの配置位置がほぼ一致する形態(一列目と2列目の複数の励起光源2のそれぞれの配置がずれていない形態)と、一致しない形態(一列目と2列目の複数の励起光源2のそれぞれの配置がずれている形態)と、が考えられる。後者の場合、複数の第1蛍光体部11(または複数の第2蛍光体部12)のそれぞれが一列目と二列目で市松模様をなすように互い違いに形成されていても良い。
第2蛍光体部12を形成する間隔は、第1蛍光体部11の形成間隔に依存する。通常、第1蛍光体部11は一定の間隔で形成されるため、第2蛍光体部12の形成間隔も一定となる。ただし、第1蛍光体部11同士の間の全てに第2蛍光体部12を形成する必要は必ずしもない。
また、第2蛍光体部12の面内方向における幅は、例えば、2.6mmであるが、当該幅は、第1蛍光体部11同士の間隔に依存して設定されればよい。また、第2蛍光体部12の面内方向に対して垂直な方向の距離は、0.05mm以上(但し、裏面SUF1‐正面SUF2間の距離は、0.1〜5mm程度であることが好ましい)である。
さらに、図2(a)では、第1蛍光体部11に対する第2蛍光体部12のぞれぞれの断面形状が、方向Dに沿う長辺と、方向Dに対して垂直方向に沿う短辺と、を有する矩形形状である例を示している。しかしながら、励起光源2の配置間隔が狭くなると、隣接する第1蛍光体部11と第2蛍光体部12との間隔も狭くなり得るため、逆に第1蛍光体部11に対する第2蛍光体部12のぞれぞれの断面形状が、方向Dに沿う短辺と、方向Dに対して垂直方向に沿う長辺と、を有する矩形形状であっても良い。
また、図2(a)に示す本実施形態の第1蛍光体部11(または第2蛍光体部12)のぞれぞれの断面形状は矩形形状であるが、これに限定されず、例えば、裏面SUF1および正面SUF2のいずれか一方の側(紙面に対して下側または上側)が短辺であり、他方の側(紙面に対して上側または下側)が長辺であるような台形形状などであっても良い。すなわち、第1蛍光体部11(または第2蛍光体部12)のぞれぞれの裏面SUF1側の面内方向の断面のサイズは、正面SUF2側の面内方向の断面のサイズよりも小さくなっていても、大きくなっていても良い。
(第2蛍光体部12を設ける技術的意義)
光の波長より小さいサイズのナノ結晶蛍光体を第1蛍光体部11に含めた場合には、ナノ結晶蛍光体から励起光が入射される方向に対して垂直な方向に発せられる第1の蛍光が第1の蛍光体自身によって散乱されることがなく、その進行方向を変化させることがないため、励起光の光軸方向に出射する光の全光量が低下してしまうという問題点があることを本発明の発明者が見出した。
そこで、このような問題点を解決するために、本実施形態の蛍光体発光部1では、第1の蛍光の少なくとも一部を受けて第1波長領域よりも長波長側の第2波長領域に発光ピーク波長を有する第2の蛍光を発する蛍光体を含む第2蛍光体部12を、第1の蛍光を発する第1蛍光体部11の、励起光の光軸方向に対して垂直な方向の側に配置している。
上記の構成によれば、第2蛍光体部12は、励起光の光軸方向に対して垂直方向に第1蛍光体部11から発せられる蛍光の少なくとも一部を受けて、第2の蛍光を、全方位のあらゆる方向に等方的に出射する。
このため、本来、励起光の入射方向に対して垂直方向に伝播する第1の蛍光の少なくとも一部を、第2の蛍光に波長変換し、その一部を励起光の光軸方向に出射させることができる。これにより、第1蛍光体部11から発せられる蛍光を再利用することにより、蛍光体発光部1から出射される光の全光量を増加させることができる。例えば、蛍光体発光部1をTVのバックライトとして利用した場合には、導光板3に入射する光の量を増加させることができるため、TVの明るさを向上させることができる。
(励起光源2)
励起光源2は、紙面に対して左側から蛍光体発光部1の裏面SUF1の側に光を出射することが可能な位置に設けられている。励起光源2は、LEDパッケージ22、およびLEDチップ21を備える。LEDチップ21は、励起光を出射する励起光源として機能するものであり、後述する光源駆動制御部6から供給される電流によって発光する。
また、本実施形態のバックライトユニット10では、図1(b)に示すように、方向D(導光板3の長手方向または面内方向)に沿って、複数の励起光源2を配置している。
隣接する励起光源2同士の間隔は、導光板3の正面SUF4から出射される光の輝度や配光特性などに応じて適宜設定される。
各LEDチップ21は、例えば、450nm(青色領域)の励起光を発し、動作電圧を3.2V、注入電流を20mAとした場合に光出力が20mWとなる。
各LEDパッケージ22には、凹部22aが形成されており、この凹部22aの底面にLEDチップ21が配置されている。凹部22aの表面には、金属薄膜が形成されており、凹部22aは反射鏡として機能する。
(導光板3)
導光板3は、蛍光体発光部1の正面SUF2から出射した光を、少なくとも1つの側面SUF3で受け、受けた光を正面SUF4の側へ導光する部材である。すなわち、蛍光体発光部1の正面SUF2から導光板3の側面SUF3に入射された光は、導光板3の正面SUF4から出射される。言い換えれば、導光板3は、蛍光体発光部1から出射した線状の光を、後述する液晶パネル40などの表示パネルへ入射させるための面光源に変換する透明樹脂の板である。
なお、図1では、導光板3の正面SUF4および裏面SUF5を除く、残りの4つの側面のうち、側面SUF3の側に複数の励起光源2がアレイ状に配置されている様子のみを示している。しかしながら、導光板3の上記4つの側面のうち2つ以上の側面(互いに対向する2つの側面や、隣接する2つの側面など)の側に複数の励起光源2がアレイ状に配置されていても良く、4つすべての側面の側に複数の励起光源2がアレイ状に配置されていても良い。
導光板3の形状は、平板状(直方体形状)であり、正面SUF4の形状は、矩形形状である。また、導光板3の厚みは0.2mm〜3mmであるが、導光板3の厚みはこの範囲に限定されない。
導光板3は、本実施形態では、平板状であるが、楔形形状、船型形状などの種々の形状のものを使用できる。また、導光板3の構成材料としては、メタクリル樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の透過率の高い合成樹脂を使用できる。導光板3は、正面SUF4が鏡面で、他方の裏面SUF5が粗面になったものを使用する。
導光板3の裏面SUF5には、輝度均一化や輝度向上のため、プリズム加工やドット印刷加工などが施されている。
具体的な例として、本実施形態の導光板3では、均一な面光源となるように、蛍光体発光部1に近いところから遠いところに向けて、蛍光体発光部1に近いところ(導光板3の両端側)は凹凸が疎な面とし、遠いところ(導光板3の中央付近)は凹凸が密となるようにしているが、導光板3に形成する凹凸はこのような形態に限られない。
なお、導光板3の裏面SUF5に凹凸を形成する方法としては、凹凸をつけた金型を使用して射出成型により導光板3を成形する方法、または、あらかじめ表面がフラットな導光部材を射出成型またはキャスト方式で成形し、スクリーン印刷にて突起をつけるよう専用インクを印刷する等の方法を例示できる。
(オーバレイ部材4)
オーバレイ部材4は、図1(a)に示すように、導光板3の正面SUF4の端部(紙面に対して左側の端部)と、裏面SUF5の端部(紙面に対して左側の端部)と、を少なくとも覆うことで導光板3を挟持している。すなわち、オーバレイ部材4は、導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の一枚の平板状部材(カバー部材の導光板の正面の端部を覆う部分)、および、導光板3の裏面SUF5の端部を覆う側の一枚の平板状部材(カバー部材の導光板の裏面の端部を覆う部分)の、少なくとも2枚の平板状部材で構成されている。
また、導光板3の正面SUF4の端部と、オーバレイ部材4の導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の一枚の平板状部材とは本実施形態では接着剤などで接着されている。同様に、導光板3の裏面SUF5の端部と、オーバレイ部材4の導光板3の裏面SUF5の端部を覆う側の一枚の平板状部材とは接着剤などで接着されている。しかしながら、これらの各部材の接合方法は、接着剤などによる接着に限定されない。例えば、圧着、溶着、圧接、溶接などを例示することができる。なお、以下の説明における各部材の接合方法についても同様である。
さらに、オーバレイ部材4は、表示装置100の図示しない筺体側に接着されていても良いし、単に上記筺体と導光板3との間などに挟まれているだけであっても良い。
次に、図1(a)に示すように、導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の一枚の平板状部材は、後述するLED保持部材5の上側の側面の左端から導光板3の正面SUF4の左端部まで延在している。
ここで、LEDチップ21からの励起光と第1蛍光体部11に含まれる蛍光体からの蛍光とを混合することで白色光をつくる場合、導光板3の側面SUF3付近では通常色が充分に混ざらないため、導光板3の端部には色むらが存在する。このため、導光板3の正面SUF4の左端部と重なっている(左端部に接着する)オーバレイ部材4の部分は、導光板3の色むらが存在する範囲だけ覆うものとすれば良い。
また、本実施形態では、導光板3の裏面SUF5の端部を覆う側の一枚の平板状部材は、LED保持部材5の下側の側面の左端から導光板3の裏面SUF5の途中または右端部まで延在している(不図示)。すなわち、導光板3の裏面SUF5の端部を覆う側の一枚の平板状部材は、導光板3の裏面SUF5の一部を覆っていても良いし、またはすべてを覆っていても良い。
また、オーバレイ部材4は、図1(b)に示すように、さらに、導光板3の側面SUF3に隣接する二つの側面SUF6および側面SUF7のそれぞれの一部(側面SUF3に近い方の端部)を少なくとも覆うことで、導光板3を挟持している。
すなわち、オーバレイ部材4は、導光板3の側面SUF6の一部を覆う側の一枚の平板状部材(カバー部材の導光板の二つの側面の一方の側面の一部を覆う部分)、および、導光板3の側面SUF7の一部を覆う側の一枚の平板状部材(カバー部材の導光板の二つの側面の他方の一部を覆う部分)の、少なくとも2枚の平板状部材で構成されている。また、導光板3の側面SUF6の上端側の一部と、オーバレイ部材4の導光板3の側面SUF6の端部を覆う側の一枚の平板状部材とは本実施形態では接着剤などで接着されている。同様に、導光板3の側面SUF7の上端側の一部と、オーバレイ部材4の導光板3の側面SUF7の一部を覆う側の一枚の平板状部材とは接着剤などで接着されている。
なお、図1(b)に示すように、導光板3の側面SUF6および側面SUF7のそれぞれの一部を覆う側の二枚の平板状部材のそれぞれは、LED保持部材5の左右の側面の上端から導光板3の正面SUF4(図1(a)参照)の上端部(側面SUF3に近い方の端部)まで延在している。
以上纏めると、本実施形態では、オーバレイ部材4は、導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の一枚の平板状部材、裏面SUF5の端部を覆う側の一枚の平板状部材、側面SUF6の一部を覆う側の一枚の平板状部材、および、側面SUF7の一部を覆う側の一枚の平板状部材の合計4枚の平板状部材を少なくとも備えている。
なお、本実施形態では、図1(a)に示す導光板3の挟持方法と、図1(b)に示す導光板3の挟持方法とを併用する形態としているが、図1(a)および図1(b)のいずれか一方の挟持方法のみを用いる形態を採用しても良い。
また、図1(a)に示すように、オーバレイ部材4は、(オーバレイ部材4によって導光板3が挟持された状態における)導光板3の少なくとも1つの側面SUF3の側において導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の平板状部材と、裏面SUF5の端部を覆う側の平板状部材と、によって蛍光体発光部1を挟持している。
また、図1(b)に示すように、オーバレイ部材4は、(オーバレイ部材4によって導光板3が挟持された状態における)導光板3の少なくとも1つの側面SUF3の側において、オーバレイ部材4の導光板3の側面SUF6を覆う側の平板状部材と、側面SUF7を覆う側の平板状部材と、によって蛍光体発光部1を挟持している。
上記のように導光板3をオーバレイ部材4の少なくとも4つの平板状部材に挟持させ、例えば、励起光を照射して蛍光体発光部1から蛍光を発生させることにより、発生した蛍光を導光板3の側面SUF3の側から入射させることができる。ここで、従来のリモートフォスファー構造(LEDと蛍光体とが離れた構造)のエッジ型バックライトユニットでは、何らかの原因により蛍光体発光部と導光板との相対的な位置関係がずれてしまうと、導光板3に入射する光量が減少してしまうという問題点があった。
そこで、このような問題点を解決するために、バックライトユニット10では、導光板3の少なくとも1つの側面SUF3の側(例えば、側面SUF3に対向する位置)において、オーバレイ部材4の、導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の平板状部材と、裏面SUF5の端部を覆う側の平板状部材と、によって蛍光体発光部1を狭持している。これにより、蛍光体発光部1と導光板3との相対的な位置関係がずれることを抑制することができる。すなわち、導光板3の短手方向を少なくとも2枚の平板状部材で挟持することで、後述する表示装置100の液晶パネル40の正面SUF9から出射される光量が減少するのを抑制することができる。
また、バックライトユニット10では、さらに、導光板3の少なくとも1つの側面SUF3の側において、オーバレイ部材4の導光板3の側面SUF6を覆う側の平板状部材と、側面SUF7を覆う側の平板状部材と、によって蛍光体発光部1を挟持している。すなわち、バックライトユニット10では、図1(a)に示す挟持方法、かつ、図1(b)に示す挟持方法を採用し、導光板3の長手方向および短手方向の両方向を少なくとも4枚の平板状部材で挟持することで、LEDチップ21(励起光源2)、蛍光体発光部1、および導光板3の相対的位置がすれることをより強く抑制することができる。
また、バックライトユニット10では、図1(a)および図3(a)に示すように、蛍光体発光部1は、オーバレイ部材4の導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の平板状部材の内面側に形成された複数(少なくとも2つ)の凸部4aによって蛍光体発光部1の裏面SUF1および正面SUF4を挟み込むように挟持している。
また、バックライトユニット10では、さらに、オーバレイ部材4の導光板3の裏面SUF5の端部を覆う側の平板状部材の内面側に形成された複数の(少なくとも2つ)凸部4aによって蛍光体発光部1の裏面SUF1および正面SUF4を挟み込むように狭持している。
これにより、複数の凸部4aが隣接する方向(紙面に対して左右方向)に対して、蛍光体発光部1がずれることをより強く抑制することができる。言い換えれば、複数の凸部4aによれば、導光板3の側面SUF3に対して蛍光体発光部1が傾いたりするのを抑制できる。
但し、蛍光体発光部1とオーバレイ部材4を固定する方法として、凸部4aがなくても接着剤などで固定可能なのであれば、凸部4aはなくても良い。
(オーバレイ部材4の材料)
オーバレイ部材4の材料は、熱伝導率および/または反射率が高いものが好ましく、熱伝導率および反射率が高い材料として金属材料が好ましいが、金属材料に限定されず、例えば、セラミックス材料や樹脂材料などであっても良い。
より具体的には、オーバレイ部材4の材料は、LEDチップ21が発する光(例えば、波長450nm)および/または蛍光体発光部1から出射される蛍光に対する反射率が80%以上であることが好ましい。
これにより、蛍光体発光部1から発生した蛍光が導光板3の側面SUF3に入射せずに迷光となってしまうことを抑制することができる。
なお、オーバレイ部材4の、導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の平板状部材、裏面SUF5の端部を覆う側の平板状部材、側面SUF6の一部を覆う側の一枚の平板状部材、および/または、側面SUF7の一部を覆う側の一枚の平板状部材、のそれぞれの表面の反射率を80%以上とするには、オーバレイ部材4の材料を、金属、アルミ合金(反射率80〜85%)などの合金、酸化アルミニウム(反射率80〜85%)などとしても良いし、オーバレイ部材4の上記各表面にメッキを施しても良い。
また、オーバレイ部材4の熱伝導率は、100W/m・K以上であることが好ましい。このような材料としては、合金や金属などを挙示することができる。例えば、熱伝導率が100W/m・K以上の材料としては、後述するアルミニウム、金、銀、銅の他、黄銅(106W/m・K)、亜鉛(117W/m・K)、マグネシウム(153W/m・K)、シリコン(168W/m・K)などを挙示することができる。
これにより、蛍光体発光部1(特に、第1蛍光体部11)から発生した熱を、オーバレイ部材4を通じて逃がすことが可能となるので、蛍光体発光部1の温度上昇を抑制することができる。このため、第1蛍光体部11に含まれる蛍光体が劣化してしまい発光効率が低下してしまうことをより強く抑制することができる。
なお、以下の表1に熱伝導率の高い金属材料を列挙した。可視光全域における反射率の高さを考慮すると、表1に示すように、アルミニウム、銀、ロジウムが好ましい。さらに、軽量、安価という点も考慮するとアルミニウムが好ましい。
Figure 2014002980
(LED保持部材5)
LED保持部材5は平板状の形状を有する部材で構成された回路基板であり、図1(b)に示すように、LED保持部材5の表面上に複数の励起光源2が、方向Dに沿ってアレイ状(直線状)に設置される。なお、複数の励起光源2のアレイ状の配置は、本実施形態のように方向Dに沿って1列のみであっても良いし、方向Dに沿って2列以上であっても良い(言い換えれば、複数の励起光源2はマトリクス状に配置されていても良い)。
LED保持部材5の励起光源2が配置される側の表面には、複数の励起光源2のそれぞれに対応して所定の間隔で複数の回路がアレイ状(直線状)に形成されている。LED保持部材5の各回路に対して対応する励起光源2のLEDチップ21が配線などによって電気的に接続されている。なお、上記のようにLED保持部材5には回路が形成されるので、LED保持部材5の構成材料を金属とする場合には、LED保持部材5の励起光源2が設置される側の表面に絶縁膜を形成しておくか、励起光源2のLEDパッケージ22を絶縁性材料で構成しておくことが好ましい。
また、励起光源2のLEDパッケージ22とLED保持部材5とは上記の回路とLEDチップ21の電気的な接続状態を阻害しないようにしつつ、接着剤などで接着されている。
なお、本実施形態では、光反射特性(反射率を高くする)および熱放出特性(熱伝導率を高くする)の効果を高めるため、LED保持部材5の材料としてAlを使用しているが、LED保持部材5の材料はこれに限定されない。
図1(a)に示すように、LED保持部材5の紙面に対して上側と下側の2つの側面は、それぞれ、オーバレイ部材4の導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の平板状部材、および、裏面SUF5の端部を覆う側の平板状部材に対して接着剤などで接着されている。
(光源駆動制御部6および電源7)
光源駆動制御部6は、電源7から供給される電流を制御して複数の励起光源2のそれぞれに供給する。光源駆動制御部6は、例えば、いわゆるパルス幅変調信号(PWM信号)のDuty比(デューティ比)などに応じて複数の励起光源2のそれぞれに供給される電流の実効値を変化させてバックライトユニット10に供給する。
〔実施の形態2〕
次に、図3(b)に基づき、本発明の他の実施形態であるバックライトユニット(導光部材,カバー部材を含む)20の構成について説明する。図3(b)は、バックライトユニット20を板厚方向に切断したときの断面の様子(導光板3の長手方向から見たときの様子)を示す。
バックライトユニット20が上述したバックライトユニット10と異なる点は、オーバレイ部材4の導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の平板状部材の内面側、および、裏面SUF5の端部を覆う側の平板状部材の内面側、にそれぞれ形成した嵌合口(凹部)hに、蛍光体発光部1の紙面に対して上下方向の両端を嵌合させている点である。
上記構成によれば、導光板3の面内方向に沿ういずれの方向に対しても蛍光体発光部1がずれることをより強く抑制することができる。
〔実施の形態3〕
次に、図3(c)に基づき、本発明のさらに他の実施形態であるバックライトユニット(導光部材,カバー部材を含む)30の構成について説明する。図3(c)は、バックライトユニット30を板厚方向に切断したときの断面の様子(導光板3の長手方向から見たときの様子)を示す。
バックライトユニット30が上述したバックライトユニット20と異なる点は、
(1)蛍光体発光部として、蛍光体発光部1Lと蛍光体発光部1Rとの2枚を備えている点。
(2)オーバレイ部材4の導光板3の正面SUF4の端部を覆う側の平板状部材の内面側、および、裏面SUF5の端部を覆う側の平板状部材の内面側に、それぞれ上下2組の嵌合口h1および嵌合口h2を形成し、上記2組の嵌合口h1および嵌合口h2に蛍光体発光部1Lおよび1Rの上下方向の両端を嵌合させている点。
(3)蛍光体発光部1Lの第1蛍光体部11に含まれる蛍光体と蛍光体発光部1Rの第1蛍光体部11に含まれる蛍光体の波長が異なっている点である。なお、以下では、蛍光体発光部1Lは、蛍光体発光部1Rよりも長波長側の蛍光を発する蛍光体を含んでいるものとする(逆に言えば、蛍光体発光部Rは、蛍光体発光部1Lよりも短波長側の蛍光を発する蛍光体を含んでいるものとする)。
(2種類の蛍光体発光部の配置について)
また、バックライトユニット30では、第1のナノ結晶蛍光体を第1蛍光体部11に含む蛍光体発光部1Lと、上記第1のナノ結晶蛍光体が発する蛍光よりも短波長の蛍光を発する第2のナノ結晶蛍光体を第1蛍光体部11に含む蛍光体発光部1Rとを励起光の光軸上に備えている。そして、蛍光体発光部1Lは、蛍光体発光部1Rよりも励起光源2に近い位置に配置されている。換言すれば、長波長側の蛍光を発する蛍光体を含む蛍光体発光部1Lよりも、短波長側の蛍光を発する蛍光体を含む蛍光体発光部1Rを導光板3の少なくとも1つの側面SUF3の側に近い方に配置している。
一般に、蛍光体は自身の励起エネルギーよりも大きいエネルギーを有した光を吸収し、蛍光を発光する。例えば、緑色蛍光体のように励起エネルギーの大きい蛍光体から発せられた蛍光は、例えば赤色蛍光体のように励起エネルギーの小さい蛍光体に吸収されてしまい、所望の色バランスを得ることが難しくなる。
したがって、本実施形態にように、励起光源2に近い側にピーク波長のより長い蛍光体発光部1Lを、また、導光板3に近い側にピーク波長のより短い蛍光体発光部1Rを配置することで、各蛍光体の発する蛍光は、他色を発する蛍光体に再吸収されることがほとんどなく、各蛍光体から発せられる蛍光を効率良く利用できるとともに、所望の色バランスを得ることが容易になる。特に、ナノ結晶蛍光体のようにストークスシフトの小さい蛍光体を使用する場合、蛍光体は自身の励起エネルギーよりも大きなエネルギーをもつ光をほとんど吸収してしまう。このような場合には、本実施形態のように、より短波長の蛍光を発する蛍光体を導光板3に近い側に配置することによる効果は大きくなる。
(蛍光体発光部に2種類の蛍光体を含めた場合)
また、図2(b)に示す蛍光体発光部50のように、第1蛍光体部11は、ナノ結晶蛍光体として、緑色発光ナノ結晶蛍光体(第1のナノ結晶蛍光体)11cと、緑色発光ナノ結晶蛍光体11cが発する蛍光よりも長波長の蛍光を発する赤色発光ナノ結晶蛍光体(第2のナノ結晶蛍光体)11dの2種類の蛍光体を少なくとも含んでいても良い。
また、この場合、上記2種類の蛍光体のうち、赤色発光ナノ結晶蛍光体11dは、緑色発光ナノ結晶蛍光体11cよりも励起光源2に近い位置に配置されていることが好ましい。
このように、励起光源2に近い方から順に、長波長側の蛍光を発する赤色発光ナノ結晶蛍光体11d、短波長側の蛍光を発する緑色発光ナノ結晶蛍光体11cを配置することで、各蛍光体の発する二次光は、他色を発光する蛍光体に再度吸収されることがほとんどなく、所望の色バランスを容易に得ることが可能となる。
〔実施の形態4〕
次に、図4に基づき、本発明の一実施形態である表示装置100の概要構成について説明する。
図4に示すように、表示装置100は、液晶パネル40と、上述したバックライトユニット10とを少なくとも備える。なお、表示装置100のその他の構成については、従来の表示装置と同様なので、ここでは説明を省略する。また、本実施形態では、表示装置100は、バックライトユニット10を備える構成としているが、バックライトユニット10に代えて、上述したバックライトユニット20または30を備えても良い。
(液晶パネル)
液晶パネル40は、平板状の部材であり、同パネルを駆動する駆動回路などを含む液晶モジュール(不図示)と接続されている。なお、液晶パネル40の詳細な構成については、従来の液晶パネルと同様なので、ここでは説明を省略する。また、本実施形態では、バックライトユニット10を利用する表示パネルの一例として、液晶パネルを用いて説明するが、表示パネルは、液晶パネルに限定されず、バックライトユニット10を利用できる表示パネルであれば、どのような表示パネルであっても良い。
図4に示すように、励起光源2のLEDチップ21から出射した励起光は、蛍光体発光部1の裏面SUF1から入射する。蛍光体発光部1の第1蛍光体部11に含まれる蛍光体は、入射した励起光を受け、波長変換された蛍光(第1の蛍光)を発する。
また、蛍光体発光部1の第2蛍光体部12に含まれる蛍光体は、励起光の光軸方向に垂直な方向に沿って第1蛍光体部11から発する第1の蛍光の少なくとも一部を受けて波長変換された蛍光(第2の蛍光)を発する。蛍光体発光部1の正面SUF2からは、第1蛍光体部11および第2蛍光体部12に含まれる各蛍光体によって波長変換された光(第1の蛍光および第2の蛍光)と、上記各蛍光体によって波長変換されなかった光(励起光の一部)とが出射される。
同図に示すように、蛍光体発光部1の正面SUF2から出射した光は、導光板3の少なくとも1つの側面SUF3から入射し、導光板3の正面SUF4の側に導光される。
導光板3の正面SUF4から出射した光は、液晶パネル40の背面SUF8から入射する。液晶パネル40に入射した光は、液晶パネル40に含まれる液晶の状態(液晶シャッターの開閉)に応じて、液晶パネル40の正面SUF9から出射される。
上記構成によれば、オーバレイ部材4に導光板3を挟持させることで、導光板3と蛍光体発光部1との相対的な位置関係がずれることを抑制することができる。このため、液晶パネル40の正面SUF9から出射される光量の減少を抑制することが可能となるので、表示装置100によって表示される画像の画質の劣化を抑制することができる。
〔実施の形態5〕
次に、図5(a)〜(d)に基づき、蛍光体発光部1の製造方法について説明する。
まず、図5(a)〜(d)を参照しつつ、インクノズルを用いて第1蛍光体部11および第2蛍光体部12を形成する方法について説明する。図5(a)〜(d)は、インクノズルを用いた蛍光体発光部1の製造方法の一例を説明するための図である。
図5(a)に示すように、インクノズルNを用いて、上述した所定のナノ結晶蛍光体を含む樹脂の液滴11lを所定の間隔で透明板13に対して滴下する(第1蛍光体部形成工程)。この操作により硬化前の第1蛍光体部11が形成される。第1蛍光体部11同士の間の間隔は、例えば、2.6mmである。
次に、図5(b)に示すように、インクノズルNを用いて、上述した所定の蛍光体を含む樹脂の液滴12lを第1蛍光体部11同士の間に滴下する(第2蛍光体部形成工程)。この操作により硬化前の第2蛍光体部12が形成される。
次に、図5(c)に示すように、硬化前の第1蛍光体部11および第2蛍光体部12の上から別の透明板13を被せることにより、2枚の透明板13によって第1蛍光体部11および第2蛍光体部12を挟む。
最後に、図5(d)に示すように、光硬化や熱硬化等により樹脂を硬化させることで第1蛍光体部11および第2蛍光体部12を硬化させる。
上述の方法以外にも、フォトリソグラフィやドライエッチングを用いることができる。
フォトリソグラフィを用いる場合には、予め上記の所定の蛍光体を含む樹脂を透明板13の一面に塗布(滴下)した後、フォトリソグラフィにより、第1蛍光体部11に対応する箇所を除去する。この処理により第2蛍光体部12の形状が規定される。所定の蛍光体を含む樹脂として、例えば、感光性樹脂(PMMA等)を使用することができる。その後、形成された第2蛍光体部12の間の隙間に上記の所定のナノ粒子蛍光体を含む樹脂を滴下し、硬化させることにより第1蛍光体部11を形成する。
ドライエッチングを用いる場合には、予め上記の所定の蛍光体を含む樹脂を透明板13の一面に塗布(滴下)し、硬化させる。そして、第1蛍光体部11に対応する箇所以外の箇所をマスクしてドライエッチングを行う。この処理により第2蛍光体部12の形状が規定される。その後、形成された第2蛍光体部12の間の隙間に上記の所定のナノ粒子蛍光体を含む樹脂を滴下し、硬化させることにより第1蛍光体部11を形成する。
〔本発明の別の表現〕
本発明は以下のように表現することもできる。
すなわち、本発明の蛍光体発光部(例えば、蛍光体シート、蛍光体板)は、裏面の側から照射される励起光によって生じた光を正面の側から出射する蛍光体シートであって、励起光の照射により蛍光を発するナノ結晶蛍光体を含む第一蛍光体層と、上記蛍光体層から側面方向に発せられる蛍光の少なくとも一部を一次光として吸収し、より長波長側の蛍光を二次光として発する蛍光体を含む第二蛍光体層が、上記側面方向に沿って交互に配列されており、上記第一蛍光体層から発せられた蛍光の残りの一部は、上記正面の側から出射される光となっていても良い。
また、本発明の蛍光体発光部は、上記第一蛍光体層は少なくとも二種類以上のナノ結晶蛍光体を含み、上記二種類以上のナノ結晶蛍光体のうち短波長側の蛍光を発するナノ結晶蛍光体が、長波長側の蛍光を発するナノ結晶蛍光体よりも上記正面の側に近いほうに配置されていても良い。
また、本発明の蛍光体発光部は、上記第二蛍光体層に含まれる蛍光体がナノ結晶蛍光体であっても良い。
また、本発明の発光装置は、上記の蛍光体発光部と、上記蛍光体発光部の上記裏面の側から励起光を照射する励起光源とを備えていても良い。
また、本発明の発光装置は、上記蛍光体発光部に照射される励起光のスポット面積が、上記裏面の側から見たときの上記第一蛍光体層の断面積以上であっても良い。
また、本発明の蛍光体発光部の製造方法は、裏面の側から照射される励起光によって生じた光を正面の側から出射する蛍光体発光部の製造方法であって、透明基板上にナノ結晶蛍光体を含む複数の第一蛍光体層を形成する工程と、上記複数の第一蛍光体層の隙間に上記ナノ結晶蛍光体から側面方向に発せられる蛍光の少なくとも一部を上記正面の側から出射される光に変換する第二蛍光体層を形成する工程とを少なくとも含んでいても良い。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の蛍光体発光部および発光装置は、各種の表示装置のバックライトユニットとして利用できる。また、バックライト光を使用する各種の表示パネルを備えた電子機器などにも広く利用できる。
1 蛍光体発光部
1L 蛍光体発光部
1R 蛍光体発光部
2 励起光源
3 導光板
4 オーバレイ部材
4a 凸部
5 LED保持部材
6 光源駆動制御部
7 電源
10 バックライトユニット
11 第1蛍光体部(第1の蛍光体部)
11c 緑色発光ナノ結晶蛍光体(第1のナノ結晶蛍光体)
11d 赤色発光ナノ結晶蛍光体(第2のナノ結晶蛍光体)
12 第2蛍光体部(第2の蛍光体部)
13 透明板
20 バックライトユニット
21 LEDチップ
22 LEDパッケージ
22a 凹部
30 バックライトユニット
40 液晶パネル
50 蛍光体発光部
100 表示装置
D 方向(面内方向)
h 嵌合口
h1 嵌合口
h2 嵌合口
SUF1 裏面
SUF2 正面
SUF3 側面
SUF4 正面
SUF5 裏面
SUF6 側面
SUF7 側面
SUF8 背面
SUF9 正面
P1 蛍光体(ナノ結晶蛍光体)

Claims (7)

  1. 入射された励起光によって生じた蛍光の少なくとも一部を該励起光の光軸方向に沿う方向へ出射する蛍光体発光部であって、
    励起光を受けて第1波長領域に発光ピーク波長を有する第1の蛍光を発するナノ結晶蛍光体を含む第1の蛍光体部と、
    上記第1の蛍光の少なくとも一部を受けて上記第1波長領域よりも長波長側の第2波長領域に発光ピーク波長を有する第2の蛍光を発する蛍光体を含む第2の蛍光体部と、を備え、
    上記第2の蛍光体部が、
    上記第1の蛍光体部の、上記励起光の光軸方向に対して垂直な方向の側に配置されていることを特徴とする蛍光体発光部。
  2. 上記第1の蛍光体部は、複数種類のナノ結晶蛍光体を含み、
    上記複数種類のナノ結晶蛍光体のうち長波長側の蛍光を発する第1のナノ結晶蛍光体が、短波長側の蛍光を発する第2のナノ結晶蛍光体よりも上記第1の蛍光体部の上記励起光が入射される側に近い方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体発光部。
  3. 上記第2の蛍光体部は、ナノ結晶蛍光体を含み、
    上記第2の蛍光の波長は、上記第1の蛍光の波長以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光体発光部。
  4. 請求項1または2に記載の蛍光体発光部と、
    上記蛍光体発光部に励起光を照射する励起光源と、を備え、
    上記励起光源の光軸の方向が、上記励起光の入射方向に沿っていることを特徴とする発光装置。
  5. 上記励起光のスポットの面積は、上記第1の蛍光体部の、上記励起光が照射される面の面積以上であることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
  6. 請求項4または5に記載の発光装置を備えることを特徴とするバックライト。
  7. 入射された励起光によって生じた蛍光の少なくとも一部を該励起光の光軸方向に沿う方向へ出射する蛍光体発光部の製造方法であって、
    励起光を受けて第1波長領域に発光ピーク波長を有する第1の蛍光を発するナノ結晶蛍光体を含む第1の蛍光体部を透明基板上に形成する第1の蛍光体部形成工程と、
    上記第1の蛍光の少なくとも一部を受けて上記第1波長領域よりも長波長側の第2波長領域に発光ピーク波長を有する第2の蛍光を発する蛍光体を含む第2の蛍光体部を上記透明基板上に形成する第2の蛍光体部形成工程と、を含み、
    上記第2の蛍光体部を、上記第1の蛍光体部の、上記励起光の光軸方向に対して垂直な方向の側に配置することを特徴とする蛍光体発光部の製造方法。
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