JP2014000503A - マイクロスケール実験器具およびマイクロスケール実験キット - Google Patents

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克巳 亀田
Noriharu Katsumata
紀晴 勝又
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務夫 山田
Rui Mihara
留依 三原
Kunpei Oda
訓平 織田
Hisashi Aizawa
恒 相澤
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Abstract

【課題】コンパクト化や使用材料の削減を図るとともに、実験に使用する部材の確実な直立支持や、固定を可能とし、作業性および安全性を向上させたマイクロスケール実験器具およびマイクロスケール実験キットを提供する。
【解決手段】本願発明のマイクロスケール実験器具1は、試料を収納する中空柱状のウェル4を形成したマルチウェルプレート2と、マルチウェルプレート2の上部を被覆する蓋プレート3とからなり、蓋プレート3は、少なくも1つのウェル4と対向する位置に、シリンジ37および板状部材を含む実験部材を支持する貫通部5を形成してなり、マルチウェルプレート2は、ウェル4の形成面とは反対側の下面12に中空柱状の凹部15を形成するとともに、マルチウェルプレート2の上面11および下面12の各外側縁部に側壁部13,14を形成した。
【選択図】図5

Description

本発明は、試料を収納する中空柱状のウェルを形成したマルチウェルプレートと、このマルチウェルプレートの上部を被覆する蓋プレートとからなり、蓋プレートは、少なくとも1つのウェルと対向する位置に、シリンジおよび板状部材を含む実験部材を支持する貫通部を形成してなるマイクロスケール実験器具に関し、より詳細には、マルチウェルプレートは、ウェルの形成面とは反対側の底面に中空柱状の凹部を形成するとともに、マルチウェルプレートの上面および下面の各外側縁部に側壁部を形成し、操作性および安全性を向上させたマイクロスケール実験器具に関する。
近年、従来に比して実験スケールを1/10〜1/100程度に縮小し、使う試薬を少なくして実験する「マイクロスケール実験」が、環境に配慮するグリーンケミストリーの考えに基づいて、例えば中学生や高校生などの生徒を対象とした理科実験において日本の教育現場で普及しつつある。このようなマイクロスケール実験としては、(1)金属および金属イオンの反応、(2)酸と塩基の実験:酸性とアルカリ性、酸塩基指示薬、中和、塩の加水分解、緩衝溶液、(3)電池:ボルタ、ダニエル、鉛蓄電池、燃料電池、(4)塩化銅水溶液をはじめとするいろいろな電解質水溶液の電気分解、(5)酸化還元反応:金属のイオン化傾向、(6)化学平衡の実験、(7)化学反応の反応速度の実験、(8)水の電気分解の実験、(9)爆鳴気の実験、などを例示することができる。
上記のような実験を、例えば特許文献1に示すような、試料を収納する中空柱状のウェルが形成されたマルチウェルプレートと蓋プレートとからなり、蓋プレートは、少なくとも1つのウェルと対向する位置に、マイクロスケール実験に使用する部材を支持する貫通孔を形成したマイクロスケール実験器具が収納されたマイクロスケール実験キットを用いて行うものがある。
これは、蓋プレートに貫通孔を形成するという簡易な構成で実験部材を支持することができるため、学生実験において使用する生徒各人が、簡便にマイクロスケール実験を行うことができるものである。また、貫通孔の形状を多種配設することで、上述したような各種のマイクロスケール実験に対応することができる。さらに、蓋部に貫通孔が形成されたものであり、他の支持部材を必要としないため、安価にマイクロスケール実験キットを提供するものがある。
特開2011−16069号公報
しかしながら、このような特許文献1に記載のマイクロスケール実験器具では、蓋プレートに形成した貫通孔に、例えば水の電気分解実験に用いるシリンジなど、実験に使用する部材を支持させる際、厚みの薄い蓋プレートの貫通孔に、このようなシリンジを直立支持させようとするため、傾いて支持されるシリンジもあり、実験をし辛いという問題があった。また、マルチウェルプレートは、1枚のマルチウェルプレートのウェル形成面でしか実験をすることができず、多種類の実験を行う場合にはプレート上に多くのウェルを形成しなければならず、貫通孔を有する蓋プレートとともにマルチウェルプレートおよび蓋プレート全体の大きさが大きくなり、マイクロスケール実験器具のコンパクト化や使用材料の削減をすることができなかった。さらには、マイクロスケール実験キットから乾電池やマイクロスケール実験器具などの収納物を取出して実験に使用する際、それら乾電池が倒れたり、マイクロスケール実験器具が滑るなどして実験の作業性が悪いという問題もあった。
このため、本発明では、コンパクト化や使用材料の削減を図るとともに、実験に使用する部材の確実な直立支持や、固定を可能とし、作業性および安全性を向上させたマイクロスケール実験器具およびマイクロスケール実験キットを提供するものである。
このため、請求項1に記載の発明は、試料を収納する中空柱状のウェルを形成したマルチウェルプレートと、前記マルチウェルプレートの上部を被覆する蓋プレートとからなり、前記蓋プレートは、少なくとも1つの前記ウェルと対向する位置に、シリンジおよび板状部材を含む実験部材を支持する貫通部を形成してなるマイクロスケール実験器具において、前記マルチウェルプレートは、前記ウェルの形成面とは反対側の下面に中空柱状の凹部を形成するとともに、前記マルチウェルプレートの上面および下面の各外側縁部に側壁部を形成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロスケール実験器具において、前記蓋プレートは、全てのウェルと対向する位置に、前記貫通部を形成したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロスケール実験器具において、前記貫通部は、前記シリンジを支持する穴部を含み、該穴部の、前記蓋プレート裏面外縁部には、前記シリンジを直立支持する凸部を下方へ向けて形成したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のマイクロスケール実験器具において、前記貫通部は、前記板状部材を支持する長穴部を含み、該長穴部の、前記蓋プレート裏面外縁部には、前記板状部材を直立支持する突起部を下方へ向けて形成したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載のマイクロスケール実験器具を収納する収納部と、該収納部を被覆する蓋部とからなるマイクロスケール実験キット。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のマイクロスケール実験キットにおいて、前記蓋部の裏面には、乾電池を支持する支持部を形成したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載のマイクロスケール実験キットにおいて、前記蓋部の裏面には、前記マルチウェルプレートを固定する固定部を形成したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、試料を収納する中空柱状のウェルを形成したマルチウェルプレートと、マルチウェルプレートの上部を被覆する蓋プレートとからなり、蓋プレートは、少なくとも1つのウェルと対向する位置に、シリンジおよび板状部材を含む実験部材を支持する貫通部を形成してなるマイクロスケール実験器具において、マルチウェルプレートは、ウェルの形成面とは反対側の下面に中空柱状の凹部を形成するとともに、マルチウェルプレートの上面および下面の各外側縁部に側壁部を形成したので、マルチウェルプレートの下面に形成した凹部を用いて、例えば酸性・アルカリ性の強さの判断試験などの実験を行うことができ、1枚のマルチウェルプレートの上下両面を利用して、多種類の実験を行えることで、マイクロスケール実験器具のコンパクト化および製造材料の削減をすることができる。また、ウェル内や凹部内に試料を投入して実験を行った際、試料がウェル内や凹部内から溢れ出たとしても、それら試料が側壁部により堰き止められるため、マルチウェルプレートからこぼれ出すことがなく、周囲を汚すことなく良好な環境で実験を行うことができる。従って、作業性の向上や環境問題に配慮したマイクロスケール実験器具を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、蓋プレートは、全てのウェルと対向する位置に、貫通部を形成したので、全てのウェルの蓋部分に貫通部を有し、各実験に対応した実験部材を、貫通部を介していずれかのウェルに挿入支持させることができる。従って、多種類の実験を1つのマイクロスケール実験器具で行うことができる。なお、貫通部とは、様々な形状の貫通孔を少なくとも1つ以上含む一定の面積を有する平面と定義する。
請求項3に記載の発明によれば、貫通部は、シリンジを支持する穴部を含み、この穴部の、蓋プレート裏面外縁部には、シリンジを直立支持する凸部を下方へ向けて形成したので、シリンジを、確実に貫通部の貫通孔を介してウェルに直立支持させることができる。従って、安全性および作業性を向上させたマイクロスケール実験器具を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、貫通部は、板状部材を支持する長穴部を含み、この長穴部の、蓋プレート裏面外縁部には、板状部材を直立支持する突起部を下方へ向けて形成したので、ろ紙などを、確実に貫通部の貫通孔を介してウェルに直立支持させることができる。従って、安全性および作業性を向上させたマイクロスケール実験器具を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、マイクロスケール実験器具を収納する収納部と、この収納部を被覆する蓋部とからなるマイクロスケール実験キットとするので、マイクロスケール実験器具を含む実験部材を容易に持ち運び可能とし、所定の場所であればどこでも実験を行うことができる。従って、利便性を向上させたマイクロスケール実験器具を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、マイクロスケール実験キット蓋部の裏面には、乾電池を支持する支持部を形成したので、例えば爆鳴気実験などで乾電池を使用する際、蓋部裏面の支持部に乾電池を固定支持させることにより、実験中に乾電池の転倒を防ぎ、正確かつ安全に実験を行うことができる。従って、安全性および作業性を向上させたマイクロスケール実験器具を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、マイクロスケール実験キット蓋部の裏面には、マルチウェルプレートを固定する固定部を形成したので、マルチウェルプレートを用いた各種実験の際、蓋部裏面の固定部にマルチウェルプレートを固定させることで、マルチウェルプレートが滑ってずれることなく、正確かつ安全に実験を行うことができる。従って、安全性および作業性を向上させたマイクロスケール実験器具を提供することができる。
本発明の一例を示す、マイクロスケール実験器具の全体斜視図である。 マイクロスケール実験器具を構成するマルチウェルプレートの平面図である。 図2におけるマルチウェルプレートのX−X'線の横断面図である。 マルチウェルプレート上面側の外側縁部に形成した側壁部を示すマルチウェルプレートの斜視図である。 マルチウェルプレートの下面に凹部および外側縁部に側壁部を形成したマルチウェルプレート下面側の斜視図である。 マルチウェルプレート下面側の外側縁部に形成した側壁部を示すマルチウェルプレート下面側の斜視図である。 マイクロスケール実験器具を構成する蓋プレートの底面図である。 図7における蓋プレートのX−X'線の横断面図である。 蓋プレートに形成した貫通孔であって、シリンジを支持する穴部の蓋プレート裏面外縁部に形成した凸部を示す蓋プレート下面の斜視図である。 蓋プレートに形成した貫通孔であって、板状部材を支持する長穴部の蓋プレート裏面外縁部に形成した突起部を示す蓋プレート下面の斜視図である。 マルチウェルプレートの上面を蓋プレートで覆設したマイクロスケール実験器具の図7に示すX−X'線の横断面図である。 図2に示すマルチウェルプレートのウェルと、図7に示す蓋プレートの環状突出部との符号対応図および各環状突出部に形成した貫通孔の番号説明図である。 環状突出部の内側に線状の貫通孔が少なくとも2つ形成された環状突出部Aの使用方法の説明図であり、その使用態様の一例を示す部分横断面図(a)および貫通孔の平面視した形状の説明図(b)である。 環状突出部の内側に線状の貫通孔が少なくとも2つ形成された環状突出部Dの使用方法の説明図であり、その使用態様の一例を示す部分横断面図(a)および貫通部を平面視した貫通孔の説明図(b)である。 環状突出部Hの内側に、両端が円形の線状の貫通孔を挟んで同径の2つの円形の貫通孔が形成された環状突出部Hの使用方法を説明する図であり、その使用態様の一例の部分横断面図(a)および貫通部を平面視した貫通孔の説明図(b)である。 環状突出部Eの内側に円形などの貫通孔を形成した環状突出部Eおよび環状突出部Gの内側に円形の貫通孔を形成した環状突出部Gの使用方法を説明する図であり、その使用態様の一例の部分横断面図(a)および貫通部を平面視した貫通孔の説明図(b)である。 環状突出部Fの内側に、円形の貫通孔および線状の貫通孔が形成した環状突出部Fの使用方法を説明する図であり、その使用態様の一例の部分横断面図(a)および貫通部を平面視した貫通孔の説明図(b)である。 マルチウェルプレートの凹部の使用方法を説明した、その使用態様の一例を示す斜視図である。 本発明のマイクロスケール実験キットの斜視図である。 乾電池を支持するために形成した支持部(a)および支持部に固定した乾電池(b)を示すマイクロスケール実験キットの蓋部の斜視図である。 マイクロスケール実験器具を支持するために形成した支持部(a)および支持部に固定したマイクロスケール実験器具(b)を示すマイクロスケール実験キットの蓋部の斜視図である。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一例を示す、マイクロスケール実験器具の全体斜視図、図2はマイクロスケール実験器具を構成するマルチウェルプレートの平面図、図3は図2におけるマルチウェルプレートのX−X'線の横断面図、図4はマルチウェルプレート上面側の外側縁部に形成した側壁部を示すマルチウェルプレートの斜視図、図5はマルチウェルプレートの下面に凹部および外側縁部に側壁部を形成したマルチウェルプレート下面側の斜視図、図6はマルチウェルプレート下面側の外側縁部に形成した側壁部を示すマルチウェルプレート下面側の斜視図である。
図1に示すように、本願発明のマイクロスケール実験器具1は、例えば中学生や高校生などの生徒(小学生や大学生、あるいは社会人であってもよい)を対象とし、多種類の実験用途に対応可能とした理科実験に用いるものであり、試料を収納する中空柱状のウェル4が形成されたマルチウェルプレート2と、ウェル4上面を被覆する蓋プレート3とからなり、蓋プレート3は、少なくとも1つのウェル4と対向する位置に、マイクロスケール実験に使用する、後述するシリンジ37や亜鉛板31などの板状部材を含む実験部材を支持可能とする貫通部5が形成されている。なお、図1に示したように、矢印イ、ロ、ハ,ニ、ホ、ヘの方向から見たものを、それぞれ正面(イ)、背面(ロ)、側面(ハ,ニ)、平(上)面(ホ)、底(下)面(ヘ)とし、マイクロスケール実験器具1、マルチウェルプレート2、蓋プレート3において共通の定義とする。
まず、マルチウェルプレート2について説明する。図2〜4に示すように、このマルチウェルプレート2は、上面11に、中空柱状のウェル4が、縦横方向に4×2で配列される態様を示す。また、図4および図6に示すように、上面11および下面12の各外側縁部には、これらに垂設した側壁部13,14が全周に亘って形成されている。
この側壁部13,14により、後述するウェル4内や凹部15内に試料を投入して実験を行った際、試料がウェル4内や後述する凹部15内から溢れ出たとしても、それら試料が側壁部13,14により堰き止められるため、マルチウェルプレート2からこぼれ出すことがなく、周囲を汚すことなく良好な環境で実験を行うことができる。
本発明で使用するウェル4は、中空柱状であればよく、柱状は円柱に限定されるものではない。従って、三角形や正方形、長方形、五角形などの多角形や半円形その他の不定形の柱状であってもよく、これらが2以上組み合わされたものであってもよい。また、各ウェル4のサイズもマイクロスケール実験に好適に使用できるよう、内容量が0.5ml〜10.0ml程度となるようにその高さや面積を選択することができる。また、ウェル4の配列も4×2に限定されるものでなく、マイクロスケール実験に応じて適宜選択することができる。
本願発明のマルチウェルプレート2は、図5〜6に示すように、ウェル4の形成面とは反対側の下面12に中空柱状の凹部15が、縦横方向に4×2で配列される態様を示す。
本発明で使用する凹部15は、全て同じ高さを有し、側壁部14の高さを超える高さであってもよいが、後述する実験内容により側壁部14の高さ以下の深さが好ましく、またその形状も中空柱状であればよく、柱状は円柱に限定されるものではない。従って、三角形、正方形、長方形、五角形などの多角形や半円形その他の不定形の柱状であってもよく、これらが2以上組み合わされたものであってもよい。
また、各凹部15のサイズもマイクロスケール実験に好適に使用できるよう、内容量が、例えば0.5ml〜1.0ml程度となるように、上述した側壁部14の高さ以下の高さや面積を選択することができる。また、凹部15の配列も2×4に限定されるものでなく、マイクロスケール実験に応じて適宜選択することができる。
次に、蓋プレート3の構成を説明する。図7はマイクロスケール実験器具を構成する蓋プレートの底面図、図8は図7における蓋プレートのX−X'線の横断面図、図9は蓋プレートに形成した貫通孔であって、シリンジを支持する穴部の蓋プレート裏面外縁部に形成した凸部を示す蓋プレート下面の斜視図、図10は蓋プレートに形成した貫通孔であって、板状部材を支持する長穴部の蓋プレート裏面外縁部に形成した突起部を示す蓋プレート下面の斜視図、図11はマルチウェルプレートの上面を蓋プレートで覆設したマイクロスケール実験器具の図7に示すX−X'線の横断面図である。
図7〜8に示すように、蓋プレート3は、平面視表面21と、底面視裏面22と、側面23とからなり、表面21および裏面22には、少なくとも1つのウェル4と対向する位置に、マイクロスケール実験に使用する実験部材を支持可能とする、様々な形状の貫通孔を含む一定の平面での面積を有する貫通部5が形成されている。
また、この蓋プレート3の裏面22には、各貫通部5の外周に、環状突出部25が形成されている。図11に示すように、蓋プレート3には、蓋プレート3のウェル4に対応し、かつウェル4の上端部の外側に環状突出部25が形成され、環状突出部25と、この環状突出部25内側に形成した貫通部5によって、1つのウェル4に対応した蓋部26が構成される。
従って、これら環状突出部25により、各ウェル4との境界部を形成したり、ウェル4の上端部と嵌合させて蓋プレート3のガタツキを抑え、また環状突出部25によってウェル4内の液密を確保し、溶液の蒸発などを防止することができる。
また、本願発明のマイクロスケール実験器具1におけるマルチウェルプレート2および蓋プレート3の長手方向一側両端部(正面視側)には屈曲部Rを形成しているが、このような構成にすることで、マルチウェルプレート2に蓋プレート3を嵌合し、各ウェル4を被覆する際の両者の嵌合を容易に位置決め(向きや対面位置など)でき、蓋プレート3の嵌合を容易なものにできるとともに、マイクロスケール実験器具1を手に持つ際、屈曲部Rにより手の触突する負担を軽減できる効果を有するものである。
さらに、本願発明の蓋プレート3では、図9に示すように、貫通部5が、後述するマイクロスケール実験に使用するシリンジ37(マイクロスケール実験部材、以下実験に使用する部材名はマイクロスケール実験部材)を支持する穴部30を有し、この穴部30の、蓋プレート3裏面22外縁部には、シリンジ37を直立支持する凸部27が下方へ向けて垂設されている。
また、本願発明の蓋プレート3では、図10に示すように、貫通部5が、後述する亜鉛板や、ろ紙などの板状部材を支持する長穴部28を有し、この長穴部28の、蓋プレート3裏面22外縁部には、板状部材を直立支持する突起部29が下方へ向けて垂設されている。なお、凸部27および突起部29は垂設に限定されず傾設させてもよい。
なお、図11では、ウェル4の上端部の外側に嵌合するように環状突出部25が形成されているが、環状突出部25は、ウェル4の上端部の内側に嵌合するように環状に突出するように形成されるものであってもよい。また、蓋プレート3とウェル4の上端部とのガタツキを防止できれば、ウェル4の上端部の全周に形成される環状に限定されるものでもない。
さらに、これら環状突出部25の形成は任意であり、蓋プレート3の裏面に存在しなくてもよい。これは図示しないが、例えばマルチウェルプレート2は、各ウェル4を上端部で連接させている場合、これに使用する蓋プレート3には、構造上、ウェル4の上端部の外側に突出する環状突出部25を形成することができない。
そこで、マルチウェルプレート2は、各ウェル4が上端部で連接され、上端部が幅広くかつ平坦であるため、蓋プレート3の裏面22に環状突出部25が無くても、蓋プレート3の裏面22が、マルチウェルプレート2の上端部と密着性に優れ、ウェル4内の溶液の蒸発などを防止することができる。
次に、貫通部5の構成を説明する。貫通部5の形状は、マイクロスケール実験部材を容易に支持できる貫通孔を有するものであれば、特に限定はない。以下、マイクロスケール実験の実際の使用に対応させつつ、貫通部5の形状や使用方法を説明する。
なお、マイクロスケール実験では、ウェル4に試薬や実験部材を投入して使用するため、本願明細書では、マルチウェルプレート2のウェル4と、そのウェル4に対向する蓋部30を有する蓋プレート3の環状突出部25とを同じ符号で示す。
図12は図2に示すマルチウェルプレートのウェルと、図7に示す蓋プレートの環状突出部との符号対応図および各環状突出部に形成した貫通孔の番号説明図である。この図12に示すように、ウェルA〜Hおよび環状突出部A〜Hを有し、ウェルAに対応する環状突出部を環状突出部Aと称し、環状突出部Aの内側に形成される貫通孔24を、貫通孔a1〜a5などで特定し、以下、説明に使用する。
まず、環状突出部Aの使用方法を例示する。図13は環状突出部Aの内側に線状の貫通孔が少なくとも2つ形成された環状突出部Aの使用方法の説明図であり、その使用態様の一例を示す部分横断面図(a)および貫通部を平面視した貫通孔の説明図(b)である。
環状突出部Aの内側に円形の貫通孔a1,a5が2つと、線状の貫通孔a2,a4(長穴部28)が少なくとも2つおよび中央の円形の貫通孔を介して線状の貫通孔a3(長穴部28)が形成された環状突出部Aを有する蓋プレート3の蓋部26を使用して、ボルタ電池の実験を行うことができる。
本発明のマイクロスケール実験器具を使用し、例えば、図13(図12に示す)のウェルAに希硫酸を入れ、ウェルAの上部を環状突出部Aが被覆するように蓋部26を被せ、図13に示すように、環状突出部Aに形成された線状の貫通孔a2から亜鉛板31(板状部材)を挿入するとともに、線状の貫通孔a4から銅板32(板状部材)を挿入する。亜鉛板31と銅板32とをミノムシクリップなどを介して電圧計につなぎ、電圧を測定する。なお、メロディをつなぐと音を鳴らすことができる。
本発明のマイクロスケール実験器具1によれば、亜鉛板31や銅板32を手で把持することなく、貫通孔a2,a4でこれらを支持するとともに、これら貫通孔a2,a4の裏面外縁部に形成した突起部29により亜鉛板31や銅板32を安定的に直立支持でき、安定したマイクロスケール実験を行うことができる。
なお、誤って希硫酸などの液体がウェルAから溢れ出た場合、図11に示したようにマルチウェルプレート2上面11の各外側縁部に垂設された側壁部13により、上面11枠内に滞留させることで、希硫酸などの液体がマルチウェルプレート2からこぼれ出ず、周囲を汚すことなく良好な環境で実験を行うことができる。
次に、環状突出部Dの使用方法を例示する。図14は環状突出部Dの内側に線状の貫通孔が少なくとも2つ形成された環状突出部Dの使用方法の説明図であり、その使用態様の一例を示す部分横断面図(a)および貫通部を平面視した貫通孔の説明図(b)である。
環状突出部Dの内側には、円形の貫通孔d1,d5が2つと、線状の貫通孔d2,d4(長穴部28)が少なくとも2つおよび中央の円形の貫通孔を介して線状の貫通孔d3(長穴部28)が形成された環状突出部Dを有する蓋プレート3の蓋部26を使用して、指示薬などを加えた水溶液の電気分解の実験を行うことができる。
本発明のマイクロスケール実験器具を使用し、例えば、図14(図12で示す)のウェルDに硫酸ナトリウム水溶液とフェノールフタレインをいれ、ウェルDの上部を環状突出部Dが被覆するように蓋部26を被せ、図14に示すように、環状突出部Dに形成された円形の貫通孔d1,d5に鉛筆の芯などからなる電極34をそれぞれ挿入し、線状の貫通孔d3からろ紙35を挿入して電極34を仕切り、この電極34に電流電圧を印加する。硫酸ナトリウムが電気分解され、ろ紙35で仕切った一方の電極側に水酸化ナトリウムが生成されると、フェノールフタレインによる赤色を観察することができる。
本発明のマイクロスケール実験器具1によれば、電極34や、ろ紙35を手で把持することなく、貫通孔d1,d5,d3でこれらを支持するとともに、貫通孔d3の裏面外縁部に形成した突起部29により、ろ紙35を安定的に直立支持でき、安定したマイクロスケール実験を行うことができる。
なお、上述したウェルA〜Dおよび対応する環状突出部A〜Dのいずれかを用いて、次の実験も行うことができるが、以下は上述同様に配置するため、図示および詳細な説明は省略する。
例えば、硫酸ナトリウム溶液や、鉛筆の芯などからなる電極、ミノムシクリップ、9V乾電池、電子メロディを用いた燃料電池の実験、硫酸銅溶液や、銅板、ミノムシクリップ、ゼムクリップ、9V乾電池を用いた電気分解による銅メッキ実験、硫酸や鉛板2枚、ミノムシクリップ、9V乾電池、電子メロディを用いた鉛蓄電池の実験、実験対象とする任意の水溶液や、ステンレス板2枚、ミノムシクリップ、3V乾電池、電子メロディを用いた水溶液の導電性実験など安定したマイクロスケール実験を行うことができる。
次に、環状突出部Hの使用方法を例示する。図15は環状突出部Hの内側に、両端が円形の線状の貫通孔を挟んで同径の2つの円形の貫通孔が形成された環状突出部Hの使用方法を説明する図であり、その使用態様の一例の部分横断面図(a)および貫通部を平面視した貫通孔の説明図(b)である。
環状突出部Hの内側には、両端が円形の線状の貫通孔h2を挟んで同径の2つの円形の貫通孔h1,h3(穴部30)が形成された環状突出部Hを有する蓋プレート3の蓋部26を使用して、電気分解と気体の発生を観察するマイクロスケール実験を行うことができる。
本発明のマイクロスケール実験器具1を使用し、例えば、図15(図12に示す)のウェルHに水酸化ナトリウム水溶液などの電解質溶液を収納し、ウェルHの上部を環状突出部Hが被覆するように蓋部26を被せ、蓋部26の環状突出部Hに形成された2つの円形の貫通孔h1,h3からそれぞれ三方活栓を装着し、マチバリ36を指した目盛を有するシリンジ37を挿入するとともに、マチバリ36に図示しない乾電池(9V)で電流電圧を印加する。
本発明のマイクロスケール実験器具1によれば、環状突出部Hに形成された2つの円形の貫通孔h1,h3によってシリンジ37が支持されるとともに、これら貫通孔h1,h3の、蓋プレート3裏面外縁部に垂設した凸部27により、シリンジ37を確実に直立支持できるため、実験者が実験器具を把持することなく、安定してマイクロスケール実験を行うことができる。
なお、上述したウェルHおよび環状突出部Hを用いて塩化銅水溶液の電気分解の実験も行うことができる。本発明のマイクロスケール実験器具を使用すれば、図示しないが、例えばウェルHに塩化銅水溶液を入れ、ウェルHの上部を環状突出部Hが被覆するように蓋部26を被せ、蓋部26の環状突出部Hに形成された2つの円形の貫通孔h1,h3からそれぞれ図示しない電極を挿入して、これら電極を固定する。このようにすることで、貫通孔h1,h3の、蓋プレート3裏面外縁部に垂設した凸部27により、前記電極を確実に直立支持できるため、実験者が実験器具を把持することなく、ウェルHの塩化銅水溶液中で、+電極と−電極とが接触するのを防止でき、安定してマイクロスケール実験を行うことができる。
次に、環状突出部E,Gの使用方法を例示する。図16は環状突出部Eの内側に円形などの貫通孔を形成した環状突出部Eおよび環状突出部Gの内側に円形の貫通孔を形成した環状突出部Gの使用方法を説明する図であり、その使用態様の一例の部分横断面図(a)および貫通部を平面視した貫通孔の説明図(b)である。
環状突出部Eの内側には、円形の貫通孔e1および半円形など(図例では半円を超えた円面積を有する円であるが、限定しない)の貫通孔e2が形成された環状突出部Eを有する蓋プレート3の蓋部26および環状突出部Gの内側には、円形の貫通孔g1が形成された環状突出部Gを有する蓋プレート3の蓋部26をそれぞれ使用して、爆鳴気と呼ばれる燃焼実験を行うことができる。
本発明のマイクロスケール実験器具1を使用し、例えば、図16(図12に示す)のように、ウェルEに洗剤液を入れ、ウェルE,Gの上部を環状突出部E,Gが被覆するように蓋部26を被せ、蓋部26の環状突出部Gに形成された円形の貫通孔g1からウェルGに、予めマチバリ36の電極を差し込み、内部に水酸化ナトリウム水溶液を約3ml入れたポリスポイト38を挿入し、このポリスポイト38の先端を環状突出部Eの貫通孔e1から洗剤液を入れたウェルEに導入して実験をすることができる。マチバリ36に直流電圧を印加し、ウェルEに溜まった気体を洗剤液の泡に閉じ込め、この泡に点火すればよい。
本発明のマイクロスケール実験器具1によれば、環状突出部Gの内側に形成された円形の貫通孔g1によってポリスポイト38の胴部を支持することができるとともに、環状突出部Eの内側に形成された貫通孔e1によってポリスポイト38の先端を支持することができ、実験者が実験器具を把持することなく、安定してマイクロスケール実験を行うことができる。
次に、環状突出部Fの使用方法を例示する。図17は環状突出部Fの内側に、円形の貫通孔および線状の貫通孔が形成した環状突出部Fの使用方法を説明する図であり、その使用態様の一例の部分横断面図(a)および貫通部を平面視した貫通孔の説明図(b)である。
環状突出部Fの内側には、円形の貫通孔f1と線状の貫通孔f2とが形成された環状突出部Fを有する蓋プレート3の蓋部26を使用して、半透膜を使用するダニエル電池の実験を行うことができる。
本発明のマイクロスケール実験器具1を使用すれば、例えば、図17(図12に示す)のように、ウェルFに硫酸銅水溶液をいれ、ウェルFの上部を環状突出部Fが被覆するように蓋部26を被せ、蓋部26の環状突出部Fに形成された円形の貫通孔f1からウェルFに亜鉛板31が挿入された半透膜39を挿入し、線状の貫通孔f2に銅板32を挿入する。
本発明のマイクロスケール実験器具1によれば、環状突出部Fの内側に形成された円形の貫通孔f1によって半透膜39を支持し、線状の貫通孔f2によって銅板32を支持することができ、実験者が実験器具を把持することなく、安定してマイクロスケール実験を行うことができる。
次に、マルチウェルプレート2のウェル4形成面とは反対側の下面12に形成した凹部15の使用方法を例示する。図18はマルチウェルプレートの凹部の使用方法を説明した、その使用態様の一例を示す斜視図である。
本願発明のマルチウェルプレート2は、図18のように、ウェル4の形成面とは反対側の下面12に形成された中空柱状の凹部15を使用して、酸性・アルカリ性の強さを調べる実験を行うことができる。
本発明のマイクロスケール実験器具1を使用すれば、図18に示すように、マルチウェルプレート2を裏返し、例えば、凹部15a〜15gに同量の紫キャベツ抽出液を入れるとともに、凹部15hには標準液を入れ、各凹部15a〜15gの紫キャベツ抽出液に、予め水で薄めて調製し、強酸、やや強い酸、弱酸とした三段階の濃度を有する希塩酸、および予め水で薄めて調製し、強アルカリ、やや強いアルカリ、弱アルカリとした三段階の濃度を有する水酸化ナトリウム溶液からそれぞれの液を加え、凹部15a〜15hの7段階の色の違いで酸性、アルカリ性の強さを判断する。
本発明のマイクロスケール実験器具1によれば、マルチウェルプレート2の下面の凹部15によって、酸性、アルカリ性の強さを判断する実験が行えるため、1枚のマルチウェルプレート2の上下両面を利用して、多種類の実験を行えることで、マイクロスケール実験器具のコンパクト化および製造材料の削減をすることができる。
また、凹部15内に試料を投入して実験を行った際、試料が凹部15内から溢れ出たとしても、それら試料が側壁部14により堰き止められるため、マルチウェルプレート2からこぼれ出すことがなく、周囲を汚すことなく良好な環境で実験を行うことができる。
上述してきた本発明のマイクロスケール実験器具1は、以下に記すマイクロスケール実験キットに収納することができる。図19は本発明のマイクロスケール実験キットの斜視図、図20は乾電池を支持するために形成した支持部(a)および支持部に固定した乾電池(b)を示すマイクロスケール実験キットの蓋部の斜視図、図21はマイクロスケール実験器具を支持するために形成した支持部(a)および支持部に固定したマイクロスケール実験器具(b)を示すマイクロスケール実験キットの蓋部の斜視図である。
図19に示すように、マイクロスケール実験キット41は、マイクロスケール実験器具1を収納する収納部42と、該収納部42を被覆する蓋部43とから構成される。
マイクロスケール化学の実験例として、水の電気分解実験および爆鳴気として、前記マイクロスケール実験器具、9V乾電池、ミノムシクリップ(ワニ口クリップ(赤黒))、ポリピペット、ステンレス製マチバリ、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどの電解質、石鹸水を使用する。
また、電気分解と気体の発生を観察する体積比に関する実験としては、前記マイクロスケール実験器具、9V乾電池、ミノムシクリップ(赤黒)、シリンジ、ステンレス針、ゴム管、三方活栓、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどの電解質を使用する。
また、ダニエル電池に関する実験として、前記マイクロスケール実験器具、亜鉛板、銅板、半透膜、硫酸銅水溶液、硫酸亜鉛水溶液、電圧計、メロディを使用する。また、鉛蓄電池に関する実験として、前記マイクロスケール実験器具、9V乾電池、ミノムシクリップ(赤黒)、鉛板、硫酸、電圧計、メロディを使用する。
また、ボルタ電池に関する実験として、前記マイクロスケール実験器具、亜鉛板、銅板、硫酸、電圧計、メロディを使用する。また、指示薬などを加えた水溶液の電気分解の実験として、前記マイクロスケール実験器具、9V乾電池、ミノムシクリップ(赤黒)、炭素棒、硫酸ナトリウム、BTB、フェノールフタレイン溶液などを使用する。
以上のような実験部材(試薬を含む)が、図20に示すような配置で収納部42に形成された各凹部内に適宜収容されるが、その配置や組み方などの収容方法は限定されるものではない。
そして、蓋部43の裏面には、図20に示すように、上述した実験に用いるマイクロスケール実験部材としての乾電池44を支持する支持部45を形成することができる。
この支持部45の形状は特に限定するものではないが、乾電池44を周囲から嵌合固定可能とする凸部を、蓋部43の裏面に形成したものであり、上述の実験に乾電池44を使用する場合、図21(b)に示すように、この乾電池44を支持部45に嵌合固定させることで、実験中に乾電池44が倒れることなく、安全かつ確実にマイクロスケール実験を行うことができる。
また、蓋部43の裏面には、図21に示すように、マイクロスケール実験器具1を支持する支持部46を形成することができる。
この支持部46の形状も特に限定するものではないが、マイクロスケール実験器具1を周囲から嵌合固定可能とする凸部を、蓋部43の裏面に形成したものであり、上述した実験にマイクロスケール実験器具1を使用する場合、図22(b)に示すように、このマイクロスケール実験器具1を支持部46に嵌合固定させることで、実験中にマイクロスケール実験器具1がずれ動くことがなく、安全かつ確実にマイクロスケール実験を行うことができる。
なお、上述した支持部45,46は、蓋部43の裏面に、どちらか一方あるいは双方を形成してもよく、また、それらの形成位置は図例に限定されない。
本発明のマイクロスケール実験器具1および、このマイクロスケール実験器具1などを収納するマイクロスケール実験キット41は、マイクロスケール実験器具1ではマルチウェルプレート2と、蓋プレート3とからなるとともに、マイクロスケール実験キット41では、収納部42と、蓋部43とからなり、これらは、射出成型や真空整形、プラスチックシート成型などで製造することができる。また、天面部と側面部とからなる既存のプラスチックケースに、切削加工や抜き打ち加工などで貫通孔を形成して調製することができる。特に、射出成型やシート成型によれば、安価に製造することができる。
本発明のマイクロスケール実験器具1およびマイクロスケール実験キット41を構成する部材としては、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂やポリアミド系樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ABS、ASなどを例示することができる。
以上詳述したように、本願発明のマイクロスケール実験器具1は、試料を収納する中空柱状のウェル4を形成したマルチウェルプレート2と、マルチウェルプレート2の上部を被覆する蓋プレート3とからなり、蓋プレート3は、少なくとも1つのウェル4と対向する位置に、シリンジ37および板状部材を含む実験部材を支持する貫通孔24を形成してなり、マルチウェルプレート2は、ウェル4の形成面とは反対側の下面12に中空柱状の凹部15を形成するとともに、マルチウェルプレート2の上面11および下面12の各外側縁部に側壁部13,14を形成したものである。なお、マルチウェルプレート2および蓋プレート3の形状および構成は、上述した本願の他、特開2011−16069号に例示記載したものを用いてもよい。
本発明によれば、従来のマイクロスケール実験に使用するマルチウェルプレートとして、ウェルの上部に所定形状の貫通孔が形成された蓋部を装着してマイクロスケール実験器具とすることができ、安価に操作性に優れるマイクロスケール実験キットを調製することができ、有用である。
1 マイクロスケール実験器具
2 マルチウェルプレート
3 蓋プレート
4 ウェル
5 貫通部
11 上面
12 下面
13,14 側壁部
15 凹部
22 裏面
25 環状突出部
26,43 蓋部
27 凸部
28 長穴部
29 突出部
30 穴部
41 マイクロスケール実験キット
42 収納部
45,46 支持部

Claims (7)

  1. 試料を収納する中空柱状のウェルを形成したマルチウェルプレートと、
    前記マルチウェルプレートの上部を被覆する蓋プレートと、
    からなり、
    前記蓋プレートは、少なくとも1つの前記ウェルと対向する位置に、シリンジおよび板状部材を含む実験部材を支持する貫通部を形成してなるマイクロスケール実験器具において、
    前記マルチウェルプレートは、前記ウェルの形成面とは反対側の下面に中空柱状の凹部を形成するとともに、
    前記マルチウェルプレートの上面および下面の各外側縁部に側壁部を形成したことを特徴とするマイクロスケール実験器具。
  2. 前記蓋プレートは、全てのウェルと対向する位置に、前記貫通部を形成したことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロスケール実験器具。
  3. 前記貫通部は、前記シリンジを支持する穴部を含み、該穴部の、前記蓋プレート裏面外縁部には、前記シリンジを直立支持する凸部を下方へ向けて形成したことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロスケール実験器具。
  4. 前記貫通部は、前記板状部材を支持する長穴部を含み、該長穴部の、前記蓋プレート裏面外縁部には、前記板状部材を直立支持する突起部を下方へ向けて形成したことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロスケール実験器具。
  5. 請求項1〜4に記載のマイクロスケール実験器具を収納する収納部と、該収納部を被覆する蓋部とからなるマイクロスケール実験キット。
  6. 前記蓋部の裏面には、乾電池を支持する支持部を形成したことを特徴とする、請求項5に記載のマイクロスケール実験キット。
  7. 前記蓋部の裏面には、前記マルチウェルプレートを固定する固定部を形成したことを特徴とする、請求項5に記載のマイクロスケール実験キット。
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