JP2013538623A - 遠近調節を検出する方法及び装置 - Google Patents

遠近調節を検出する方法及び装置 Download PDF

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Abstract

センサシステムは、遠近調節刺激を、周囲光レベルの変化及び瞳孔直径のタスク誘発変化から区別する少なくとも2つのセンサを含む。移植されると、第1センサが完全に瞳孔内に配置され、完全に収縮した場合でも瞳孔は第1センサを閉塞することがなく、当該センサは周囲光束レベルを精密に測定することができる。移植されると、第2センサが配置され、瞳孔は、瞳孔拡大及び収縮のとき当該第2センサの単数又は複数のアクティブ面積の一部を閉塞する。その結果、第2センサは、周囲光束及び瞳孔直径双方を測定する。プロセッサは、当該測定から瞳孔直径を推定し、並びに推定瞳孔直径及び測定周囲光レベルと所定値とを比較することによって瞳孔直径の変化が遠近調節刺激に反応しているのか又は他の因子に反応しているのかを決定する。センサシステムが光コンポーネントに信号を送信し、次に光コンポーネントは、遠近調節刺激の方向に近見視力のための焦点を合わせるべく屈折力を変えることによって反応し得る。

Description

本発明は、遠近調節を検出する方法及び装置に関する。
関連特許出願の相互参照
本願は、その全体が参照としてここに組み入れられる2010年9月13日出願の米国仮出願第61/382,044号の利益を主張する。本願はまた、その全体が参照としてここに組み入れられる2010年9月14日出願の米国仮出願第61/382,559号の利益も主張する。
遠近調節は、眼が1.8メートル(6フィート)未満の距離にある目標の像に焦点を合わせるプロセスである。我々は年を取るので、我々の遠近調節の振幅が低減し、近くの目標に焦点を合わせる能力を失う。近くの目標に焦点を合わせる能力の欠如は老眼と称される。
天然のレンズは、近見視力を向上させるべく人工のレンズによって置換及び/又は補助することができる。しかしながら、適切な遠近調節を与える人工のレンズを作ることには問題がある。読書用眼鏡及び二焦点眼鏡は不便である。遠近調節可能な眼内レンズを実現するための従来の試みもまた、不満足であることが証明されている。このような従来の試みは、遠近調節のための偽陽性又は偽陰性信号を与える不安定なトリガに依存している。すなわち、近見視力タスクが存在しないときに近見視力のために信号を送り、近見視力タスクが存在するときに近見視力のための信号を送らない。
遠近調節の必要性を満足に検出することが依然として必要とされている。より特定的に遠近調節刺激を検出することによって、人工光コンポーネントは、より正確に遠近調節を模擬することができる。
米国特許出願公開第2009/0033863(A1)号明細書 米国特許出願公開第2010/0053556(A1)号明細書 米国特許第7,744,216(B1)号明細書 米国特許出願公開第2009/0148005(A1)号明細書
本発明の実施例は、人の眼における遠近調節刺激の存否を検出するセンサシステム及び対応する方法を含む。例示的センサシステムは、周囲光レベルを示す第1測定を与えるべく構成される第1センサと、遠近調節刺激によるトリガを受ける瞳孔直径変化のような生理学的変化に反応して変化する第2光レベルを示す第2測定を与えるべく構成される第2センサとを含む。第1及び第2測定は、例えばプロセッサによって、周囲光レベル及び生理学的変化に基づいて遠近調節刺激の存否を決定するべく使用される。
いくつかの実施例において、第1センサはリング形状である。すなわち、内径約0.9mmから1.2mm及び外径約1.1mmから1.3mmを有し得る環状アクティブ面積を含む。第2センサは、当該環状センサの直径に沿って配置されるアクティブ面積と、このアクティブ面積のエッジとを含み、当該環状センサの外径はさらに、長さ約250から600μmのギャップを画定する。当該アクティブ面積は幅約30μmから約300μmであり得る。第1センサはまた、当該環状センサの直径に沿って配置されるもう一つのアクティブ面積も有し得る。第1及び第2センサの少なくとも一方は、光起電力セルを含むか又はこれにより形成される。
さらなる実施例は、第1及び第2センサに動作可能に結合され、並びに第1及び第2測定に基づいて遠近調節刺激の存否を決定するべく構成されるプロセッサを含む。例えば、プロセッサは、例えば曲線のフィッティング又はメモリに格納された値のルックアップによって、第1測定及び第2測定と、遠近調節刺激が存在する場合において第2測定を第1測定の関数として代表する所定値とを比較することにより遠近調節刺激の存否を決定するべく構成され得る。当該所定値は、患者に固有であって、患者の年齢、心理学的ストレス、及び/又は生理学的健康に基づいて選択することができる。プロセッサは、人の眼の状態及び/又は人の眼の環境を決定することができる。
代替的に、プロセッサは、(i)第1測定の第2測定に対する比を計算することと、(ii)第1測定の第2測定に対する比に基づいて瞳孔直径を推定することとにより、遠近調節刺激の存否を決定することができる。第2センサが第1及び第2アクティブ面積(例えば第1センサの対向側部の一方)を含む実施例において、プロセッサは、第1及び第2アクティブ面積が生成する光電流の差異を計算することにより生理学的変化の存否を決定することができる。
なおもさらなる実施例において、センサシステムは、第1及び第2センサに動作可能に結合され、かつ、例えば約0.25秒から約0.50秒の所定インターバルにわたって取得された第1及び第2測定の代表を格納するべく構成されるメモリを含む。プロセッサは、(i)所定インターバルにわたって取得された第1及び第2測定の移動平均を計算することと、(ii)移動平均と遠近調節刺激の存否を代表する所定値とを比較することとを行い得る。メモリは、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)のような不揮発性記憶媒体であり得る。
センサシステムのなおもさらなる実施例は、プロセッサに動作可能に結合され、かつ、当該プロセッサからの信号に反応して有効屈折力及び/又は焦点深度の変化を与えるべく構成される電気的活性要素を含む。プロセッサはまた、第1及び第2測定の少なくとも一方が、周囲光レベルが約5ルクス未満の照度に対応することを示す場合、電気的活性セルを非アクティブモードにし得る。加えて、プロセッサは、第1及び第2測定の少なくとも一方が、周囲光レベルが約5ルクス超過の照度に対応することを示す場合、電気的活性セルをアクティブモードにし得る。
本発明のさらに他の実施例は、第1光センサ、第2光センサ、及びプロセッサを含むセンサシステムを含む。センサシステムが人の眼に移植されると、第1及び第2光センサはそれぞれ、瞳孔から第1及び第2距離に位置決めされる。いくつかの例では、第1距離は約0.45mmから約0.60mmであり、第2距離は約0.80mmから約1.25mmである。プロセッサは、例えば第1及び第2光センサからの出力比に基づいて、遠近調節刺激を検出する。センサシステムは、個々の患者のために較正することができる。
上述の概要は、例示のみされ、なんら限定されることを意図しない。上述の例示的側面、実施例、及び特徴に加え、以下の図面及び詳細な説明を参照することによって、さらなる側面、実施例、及び特徴が明らかとなる。
本明細書の一部に組み入れられかつ当該一部をなす添付図面が、開示されるテクノロジの実施例を例示し、当該記載とともに、開示されるテクノロジの原理を説明する役割を果たす。
異なる年齢と眼から注視目標までの距離Dとに対する瞳孔直径対明るさのプロットである。 異なる年齢と周囲照明レベルとに対する、遠近調節に誘発される瞳孔直径の変化対異なる距離にある目標のプロットである。 図3A及び3Bは、可変直径動的アパチャが吸収及び透過それぞれの状態における移植眼内光学器械(IOO)の概略図である。 環状第1センサと、当該第1センサの両側に配置される一対の直線状アクティブ面積を有する第2センサとによって周囲光レベル及び生理学的反応双方を検出する本発明のマルチセンサシステムを有する動的IOOの概略図である。 瞳孔が、どのようにして、本発明の実施例に係る移植動的IOOの第1及び第2センサが検出する光量に影響を与えるのかを例示する概略図である。 第2センサのアクティブ面積の照明された部分が、どのようにして瞳孔直径の関数として変化するのかを例示する概略図である。 照明されたセンサ面積対明るさ比(左)と、第1センサのデジタル値(グレースケール)対明るさ(中)とが使用されて、どのようにして、遠近調節刺激に反応する第2センサのデジタル値(グレースケール)対明るさ(右)を決定できるのかを示す。 図8A及び8Bは、図6に係る第2センサのアクティブ面積の幅、及び第2センサのアクティブ面積と環状第1センサとのギャップとを変化させることが、異なる範囲にある注視目標と関連づけられた遠近調節刺激に与える効果を例示する。 例示のマルチセンサシステムに対する照明面積(パーセントで測定)対オフセット距離の誤差をプロットする。 瞳孔に対する垂直及び水平オフセットの値が異なるときの、例示のマルチセンサシステムにおける第2センサのグレーレベル(デジタル出力)対第1センサのグレーレベル(デジタル出力)をプロットする。 図11Aから11Fは、異なる数及び配列のアクティブ面積を有するマルチセンサシステムに対する照明面積(パーセントで測定)対オフセット距離の誤差を例示する。 図12Aから12Fは、非円形瞳孔とともに使用される異なる数及び配列のアクティブ面積を有するマルチセンサシステムに対する照明面積(パーセントで測定)対オフセット距離の誤差を例示する。 図13Aから13Dは、図4の第1及び第2センサからのデジタル出力D及びDによって遠近調節刺激を検出するルックアップテーブル(LUT)の構築及び使用を例示する。 図13Cに示されるLUTのエントリに対する第1及び第2センサからの測定比較に基づいて遠近調節刺激の存否を決定し、遠近調節刺激が存在する場合に動的アパチャを作動させるプロセッサを有するセンサシステムを例示する。 図7における右側のグレースケールプロットへのバイリニアフィッティングを示すプロットである。 図15に示されるバイリニアフィットに対する第1及び第2センサからの測定のフィッティングに基づいて遠近調節刺激の存否を決定し、遠近調節刺激が存在する場合に動的アパチャを作動させるプロセッサを有するセンサシステムを例示する。 図16のシステムが実装するループを通る繰り返しを例示する図である。
遠近調節刺激、認知タスク、及び周囲光に起因する瞳孔反応
本発明に係るセンサシステムは、周囲光レベルと、瞳孔直径変化のような、遠近調節刺激への反応において生じる生理学的変化との測定を行うべく構成される2以上のセンサを含む。瞳孔収縮及び周囲光双方を遠近調節トリガの基準として使用することにより、本センサシステムは、遠近調節の必要性を正確に検出する。例えば、瞳孔収縮は遠近調節に伴って生じるが、周囲光の増加に伴っても生じる。したがって、唯一の遠近調節トリガとして瞳孔収縮に依存することは、偽陽性遠近調節信号を生成し得る。周囲光基準を加えることにより、センサシステムは、瞳孔が拡大するが周囲光は高くない状況を検出することができるので、正確性が高まる。同様に、唯一の遠近調節トリガとして媒介周囲光に依存することも、例えば部屋を横切って目標を見る場合に、偽陽性遠近調節信号を生成し得る。
2つの基準、例えば瞳孔収縮及び周囲光、を組み入れることにより、例えば暗いレストランでメニューを読む場合のような非定型的視認タスクのもとでも正確性が高められる。例えば海岸で本を読む場合のような他の非定型的視認タスクは、角膜表面近くの周囲光の量を周囲光上限未満及び/又は媒介周囲光範囲内にまで低減するサングラスを使用するだけで遂行することができる。
健康的な人において、遠近調節は、遠近調節三要素、すなわち収束、瞳孔収縮、及び水晶体の倍率変化、として知られる複数の生理学的反応の組み合わせを誘発する。これらの生理学的反応のうち、収束は、マイクロ加速度計を使用してモニタすることができる一方、瞳孔サイズの変化は、眼内レンズ(IOL)平面における照度を(例えば図4から6に示される第2センサ120を使用して)測定することでモニタすることができる。瞳孔直径の変化すなわち瞳孔反応は、4つのカテゴリ、すなわち(1)認知プロセス及び行動の活動により引き起こされる変化(タスク誘発変化)、(2)遠近調節刺激により引き起こされる変化、(3)ブリンキング(静止値に戻ることがフローとする瞬間的な収縮)により引き起こされる変化、及び(4)薬物適用により引き起こされる変化に分けることができる。タスク誘発変化と遠近調節刺激により引き起こされる変化とを区別することは、遠近調節欠如の適切な補償を可能とする。
タスク誘発瞳孔反応は、例えば以下を含むがこれらに限られない刺激に反応して生じる。すなわち、疲労、痛み(これは約0.25から0.37mmの瞳孔直径変化をもたらす)、及び性的刺激のような認知刺激;悲しみ、非言語的コミュニケーションのような心理学的トリガ;並びに、認知タスク、短期記憶、言語処理のような精神活動等である。タスク誘発瞳孔反応は、当該タスク刺激から測定される時間上、当該タスク刺激の発生からのラグ及び瞳孔直径に依存する逆べき乗則を示す。これは例えば、その全体が参照としてここに組み入れられるE. Granholm, et al., “Pupillary responses index cognitive resouirce limitations,” Psycophysiology, 33, 457-461(1996)に示されている。
対照的に、遠近調節刺激に対する瞳孔反応は、時間上のラグを示さず、特性が指数関数的である。これは例えば、S. Kasthurirangan and A. Glasser, “Age related changes in the characteristics of the near pupil response,” Vision Research, 46, 1393-2003 (2006)に示されている。研究により、遠近調節刺激と瞳孔サイズ変化との間には、指数関数則に従う密接な相関関係があることが示されている。瞳孔直径変化対遠近調節刺激の勾配(例えばmm/ジオプター)により測定される瞳孔反応の大きさは、年齢とともに増加する。
瞳孔サイズはまた、図1に示されるように周囲照明レベルとともに変化する。図1は、距離Dにある目標に固定される眼に対する瞳孔直径対明るさのプロットである。明るさ/瞳孔直径のそれぞれは、目標までの特定範囲に対応する。当該範囲は、所定周囲光レベルに対する瞳孔直径に伴い増加する。これはまた、所定瞳孔直径に対する周囲光レベルに伴い増加する。点線は、長距離(例えば約900mmを超える距離)にある目標と近範囲(例えば約900mm以下)にある目標との境界を示す。いくつかの場合、移植可能眼科デバイスは、例えば動的アパチャの直径を変えること及び/又は電気的活性要素を作動させることにより、長距離にある目標を見るための静的屈折力と、近範囲にある目標を見るための可変屈折力及び/又は焦点深度とを与える。最小明るさBmin(例えば約5ルクス)未満の光レベルでは、瞳孔直径は、周囲光レベルの関数として変化しない。これは、眼が光を検出できない(及び実際には閉じられ得る)からである。同様に、瞳孔直径は、最大明るさBmax(例えば約25,000ルクス超過)を超える光レベルでは変化しない。
媒介周囲光、例えば屋内照明条件、のもとで読書することのような近見視力タスクを行う場合の遠近調節刺激を検出するには、周囲光レベルの精密な測定が特に有用である。屋内照明条件のばらつきは、屋外照明条件のばらつきよりもはるかに小さい。例えば、屋外の光量は、完全な日光から夜間の暗さまで7桁の大きさで変化し得る。対照的に、典型的に屋内の光量は、1/2桁の大きさという小さい変化である。
年齢を含む他の因子もまた、図2に示されるように瞳孔直径に影響を与える。図2は、周囲光レベル10ルクス、1000ルクス、及び25,000ルクスにおける20歳、40歳、及び70歳の被験者に対する瞳孔直径対目標距離のプロットである。瞳孔サイズは、年齢に応じて、周囲照明の関数として3から4mmだけ変化する。これはまた、周囲照明レベルに応じて、目標距離の関数として1から6mmだけ変化する。図1はまた、瞳孔サイズの遠近調節反応が、周囲照明レベルが増加するにつれて減少することも示す。周囲照明レベルが上限を超えると、瞳孔による遠近調節反応に引き起こされる瞳孔拡大の程度が大きすぎて、高い信頼性レベルで遠近調節刺激の存否を決定することができない。
遠近調節刺激に関連づけられる瞳孔反応検出センサシステム
図3A及び3Bは、老眼及び/又は他の眼科条件に起因する遠近調節反応(以下に定義される)の欠如又は劣化を補償するべく、人等の動物の眼に移植された移植可能眼科デバイス100を示す。移植可能眼科デバイス100は、眼の有効屈折力及び/又は焦点深度を増加させるべく閉(図3A)及び開(図3B)する動的アパチャ102を含む。これは、その全体が参照としてここに組み入れられるBlumらによる米国特許第7,926,940号明細書に記載されている。所定の実施例において、動的アパチャ102は、環状電気的活性要素を使用して実装される。環状電気的活性要素は、周囲光レベルと遠近調節刺激により引き起こされる瞳孔直径変化のような生理学的変化との双方を検出するマルチセンサシステム(図示せず)による測定に反応して入射光を反射及び/又は吸収する。
図4は、第1センサ110及び第2センサ120を有する移植可能眼科デバイス100のアクティブ部分を示す。第1センサ110及び第2センサ120は、第1センサ110の直径112に沿って配置される左アクティブ面積122及び右アクティブ面積124を含む。第1センサ110は、内径約0.9から1.2mm、外径約1.1から1.3mm、及び充填比(露出されるセンサ面積に対するアクティブ面積の比)約100%の環状アクティブ面積を有する。(ちなみに、健康な大人の瞳孔直径10は、周囲光レベル、注視範囲等の因子に応じて約2.0から6.0mmの範囲にある。)約250から600μmのギャップが、第1センサ110の外径と、左及び右アクティブ面積122、124の内側エッジとの間に延びる。これは、数ミリメートル長さ(例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、又はこれらの任意の2つ値の間にある任意の長さ)までであり及び幅約30から300μmであり得る。当業者であれば、他のセンサ形状及びサイズが本開示の範囲内にあることが容易にわかる。
移植可能眼科デバイス100が適切に移植されると、第1センサ110は、瞳孔直径10と同心かつこれの完全に内側に存在する。第2センサ120のアクティブ面積122、124は瞳孔の中心に関して対称である。第1センサ110は典型的に、第2センサ120よりも瞳孔中心近くに位置決めされるが、用語「第1」及び「第2」は、任意の具体的特徴又は配向を定義するよりもむしろ単なる命名慣例として使用される。例えば、第1センサ110は、瞳孔中心から距離約0.45から0.55mmに移植され得る。第2センサ120は、瞳孔中心から距離約0.80から1.25mmに移植され得る。
動作において、第1センサ110及び第2センサ120は、図5に示されるように入射光12の明るさ又は照度を検出する。当業者にはわかるように、照度とは、単位面積当たりの全光束である(通常ルクス又はルーメン/mで表現される)。ルクス単位の照度は、眼の視感度機能を代表する波長依存変換因子が既知であれば、単位面積当たりの照射量又はパワー(通常W/mで表現される)に変換することができる。第1及び第2センサ110、120は、所定のアクティブ面積にわたる照射量(すなわちパワー)を検出して第1及び第2光電流I、Iそれぞれを生成する。第1及び第2光電流I、Iの振幅は、入射光12の照度に比例する。好ましい実施例において、第1及び第2センサ110、120は、同様の応答速度(量子効率)、感度、及びダイナミックレンジを有する。センサ110、120と電気的に連通されるプロセッサ130は、第1及び第2センサ110、120からの光電流を第1及び第2デジタル出力D、Dに変換する。第1及び第2デジタル出力D、Dは、動的アパチャ102のグレーレベル及び/又は直径に対応する。以下に詳しく説明されるように、プロセッサ130は、光電流によって代表される測定値をメモリ150に格納された測定値と比較することにより、第1及び第2デジタル出力D、Dを決定することができる。プロセッサ130はまた、一以上の光電流値の指示をメモリ150に格納し、メモリ150に格納された当該値に基づいて光電流の移動平均を計算することができる。
図6は、瞳孔直径10の変化がどのようにして、第1及び第2センサ110、120が生成する光電流の振幅に影響するのかを例示する。第1センサ110の外径は、最小瞳孔直径10よりも小さいので、第1センサ110の全アクティブ面積は必ず照明される(まぶたが開いている前提で)。その結果、第1センサ110が放出する光電流Iの振幅は、周囲光レベルに伴い変化するが、瞳孔直径10に伴っては変化しない。逆に、瞳孔が、周囲光レベル及び/又は遠近調節刺激の変化に反応して開閉するときに、アクティブ面積122、124を部分的に閉塞又は覆い隠すと、第2センサ120が放出する光電流Iの振幅は、周囲光レベル及び瞳孔直径10双方に伴い変化する。
第1及び第2センサ110、120は、瞳孔中心から異なる距離に位置決めされるので、第1及び第2センサ110、120が生成する光電流I、I間の差分を瞳孔収縮の程度を決定するべく使用することができる。例えば、第1センサ110が、第2センサ120よりも瞳孔中心に近くに位置決めされると、第2センサ120は、収縮する虹彩によって、第1センサ110よりも大きな程度まで覆い隠される。瞳孔が拡大すると、センサ110、120双方が周囲光に露出される。瞳孔が部分的に覆い隠されると、第2センサ120が虹彩により覆い隠される一方、第1センサ110は露出したままである。瞳孔がさらに収縮すると、双方の光センサが虹彩により覆い隠されるが、第2センサ120は、第1センサ110よりも大きな程度覆い隠され得る。センサ110がさらに覆い隠されると、当該眼球位置において検出される光量が減少する。
詳しくは、第1センサ110からの光電流の振幅は、I=A・∫R(λ)・S(λ)dλのように表現することができる。ここで、Aは、第1センサ110のアクティブ面積、R(λ)は第1センサ110のアクティブ面積上の照射量、S(λ)は、第1センサ110のスペクトル感度、及びλは波長である。第2センサ120からの光電流の振幅は、I=A(φ)・∫R(l)・S(l)dlによって与えられる。ここで、φは瞳孔直径である。第1センサ110からの光電流は、I∝A・Bとして近似できる。ここで、Bは明るさ(照度)である。第2センサ120からの光電流は同様にI∝A(φ)・Bとして近似できる。
プロセッサ130が、周囲光レベルと、第1及び第2センサ110、120からの第1及び第2光電流I、Iが代表する瞳孔直径との測定を使用して、遠近調節刺激の存否を決定する。例えば、プロセッサ130は、第1及び第2センサ110、120からの信号の比並びに測定された明るさ(第1センサ110からの信号によって代表される)から推定される瞳孔直径10に基づいて、遠近調節刺激が存在することを決定することができる。これは、図7に示されている。プロセッサ130は、照明されるセンサ面積の比A/Aを取得する。これは、光電流比に比例する。第2センサのアクティブ面積122及び124の異なる幅wに対し、図7の左にプロットされる曲線に沿って位置する比が、遠近調節刺激に関連づけられる。照明されるセンサ面積比に、第1センサのグレーレベルD反応対明るさ(図7の中央にプロット)を乗算することにより、図7の右にプロットされるように、遠近調節刺激が存在する場合の、第2センサのグレーレベルD反応対明るさ(下軸)及び第1センサのグレーレベルD1(上軸)が得られる。
プロセッサ130は、遠近調節刺激を検知すると、例えば図4に示される液晶セル140のような、上述の可変直径アパチャ102を与える電気的活性要素を作動させる。液晶セル140は、プロセッサ130からの指令に応答して連続又はほぼ連続する直径及び/又はレベル透過範囲を与えるべく画素化又はそうでなければセグメント化され得る。これは、その全体が参照としてここに組み入れられるFehrらの国際特許出願第US2011/040896号明細書に記載される特定用途向け集積回路(ASIC)であり得る。移植可能眼科デバイス100はまた、再充電可能バッテリ等の電源も含み得る。当該電源は、プロセッサ130及び液晶セル140、並びに当該バッテリを遠隔的に再充電し及び/又はプロセッサ130と通信する誘導コイル等のアンテナに給電する。これは、その全体が参照としてここに組み入れられるFehrらの国際特許出願第US2011/050533号明細書に記載されている。
第1及び第2センサ110、120は、光起電力セル、光ダイオード、光センサ等の適切なデバイスとして実装することができる。当該デバイスは、可視光すなわち波長範囲約400から700nm内にある光によって照明されると、電圧、電流、抵抗、及び/又は測定可能量の変化をもたらす。当業者であればわかるように、光起電力セルは、pドープ半導体層に隣接するnドープ半導体層により画定される接合を含む。適切な半導体材料は、ガリウムヒ素、シリコン、テルル化カドミウム、及び/又は銅インジウムガリウムセレン化物/硫化物を含むがこれらに限られない。ドーピングにより、入射光子の吸収により生成される電子正孔対を掃引するビルトイン電界がもたらされるので、当該接合間の電圧が、光子束の増加に伴い増加する。
移植可能眼科デバイス100はまた、動的アパチャ102が与える有効屈折力及び/又は焦点深度に加えて静的屈折力も与える一以上のレンズ要素も含み得る。移植可能眼科デバイスが眼内レンズ(IOL)の場合、IOLは、湾曲表面及び/又は段階的屈折率プロファイルが与える少なくとも一つの静的屈折力を有し得る。例えば、IOLは、球面光要素及び/又は非球面光要素を含み得る。これは、その全体が参照としてここに組み入れられるBlumらによる国際特許出願第US2011/038597号明細書に記載されている。代替的に、移植可能眼科デバイスは、眼内光学器械(IOO)であり得る。これは、屈折力はほとんどないが、増加した焦点深度を与える動的アパチャを含む。動的アパチャを有するいくつかの例示デバイスにおいて、当該アパチャの開閉は、当該眼科レンズの固定すなわち静的な修正倍率間で連続焦点範囲を与える役割を果たす。
本発明に係るセンサシステムは、IOL、IOO、角膜インレイ、角膜オンレイ等の移植可能眼科デバイスに埋め込み又は貼り付けることができる。図1のデバイス100のような移植可能眼科デバイスは、眼の前房又は後房において、嚢袋又は角膜実質の中に(角膜インレイと同様)若しくは角膜上皮層の中に(角膜オンレイと同様)又は眼の任意の解剖学的構造内に挿入又は移植され得る。移植されると、第1及び第2センサ110、120は、実質的に同じ前頭面上に位置決めされる。例えば、センサがIOLと一体化される場合、当該センサは、IOLの平面上に位置決めされる。
上述のように、2以上のセンサアクティブ面積が、瞳孔中心(又は生体内瞳孔の中心と整合する生体外デバイスの中心点)から同じ直径に沿って(その結果、これらは瞳孔中心を通る一つのラインを形成する)又は異なる距離にある異なる半径に沿って移植又はそうでなければ位置決めされ得る。センサと中心との距離は「d」で示される。第1センサは中心から第1距離dにある。第2センサは中心から第2距離dにある等である。一実施例において、各距離dは約0mmから約7mmである。一実施例において、各距離dは、約0.1mm、約0.2mm、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、及び約7mmから独立的に選択される。一実施例において、センサは、媒介周囲光のもとにある虹彩のエッジに対して位置決めされる。例えば、第1センサ110は、第1センサ110のアクティブ面積が露出されるように虹彩エッジよりも中心近くに配置することができる。第2センサ120は、第2センサ120が虹彩によって覆い隠されるように虹彩エッジよりも中心から遠くに位置決めすることができる。これは、以下に説明される。
センサシステムは、個々の患者のために較正することができる。瞳孔サイズ及び収縮反応は、個人間で異なり、同じ個人でも両眼間で異なり得る。センサシステムは、一以上のセンサの位置を変えること、遠近調節トリガ機能を修正すること、当該システムの感度(例えば瞳孔収縮下限及び/又は周囲光上限)を修正することの一以上によって較正することができる。
センサの幾何学的形状及び整合
図6を再び参照すると、第1及び第2センサ110、120が選択されて当該センサの全ダイナミックレンジが活用され、かつ、光軸に対し約±0.1mmまでのオフセットに対するロバスト性が与えられる。好ましい実施例において、第1センサ110の幅wは、予測される最大明るさの最大光電流及び予測される最小明るさの最小光電流予測を与える。例えば、幅wは、最大及び最小光電流が、デジタル値(グレーレベル)D16,000及び160それぞれに対応するように選択される。
上述のように、第2センサ120の照明面積は、瞳孔直径φ、ギャップg、当該照明面積の長さL、及び第1センサの内径φ、すなわちA=2・w・L=w・[φ−φ−w−2・g]に依存する。最大明るさBmaxに対する瞳孔直径は、注視目標の距離によってわずかに変化する。すなわち、注視距離D=0.90mに対し、最大明るさBmaxにおいて瞳孔直径は約2.9mmである一方、同じ明るさにおいて注視距離D=5.00mに対しては、瞳孔直径は約3.5mmとなり得る。幅w2maxをA1/(2・LBmax0)にほぼ等しくなるように選択することで、第2センサ120が生成する最大及び最小光電流が、第1センサ110が生成する最大及び最小光電流とほぼ等しくなるように設定される。幅w<w2maxとなる第2センサ120は、所定注視距離に対する最大明るさしきい値における直径よりもわずかに大きな瞳孔直径を測定することができる。小さな幅wを選択することは、低ダイナミックレンジ、虹彩との交差面積減少に起因する瞳孔直径推定の低ロバスト性、大きな瞳孔直径の測定を可能とする高照度における測定の高ロバスト性、及びセンサシステムを通過する低透過損失を意味する。
図8A及び8Bは、第1及び第2センサ110、120間のギャップgもまたセンサシステムの性能に影響を与えることを示す。図8Aは、注視距離800mm、900mm、及び1mに対する、ギャップ100ミクロン、第1センサ幅w50ミクロン、及び第2センサ幅w120ミクロンのグレーレベルD対グレーレベルDのプロットである。図8Bは、注視距離800mm、900mm、及び1mに対する、ギャップ500ミクロン、第1センサ幅w50ミクロン、及び第2センサ幅w250ミクロンのグレーレベルD対グレーレベルDのプロットである。一緒に見ると、図8A及び8Bは、所定の注視距離範囲に対し、ギャップが小さいほどグレースケールDの値のばらつきが小さくなることを示す。
ギャップ距離が小さいことは、第2センサ120に対する光電流(及びデジタル値)のオフセットが大きく、異なる注視距離にある目標に対する光電流(及びデジタル値)のばらつきが小さいことを意味する。大きなギャップgを選択することは、同等のダイナミックレンジに対する大きな幅wを犠牲にして、大きな明るさ範囲における視覚範囲の区別を目的としたDの値の公差を大きくすることを意味する。加えて、ギャップgが小さくなると、開始光電流がノイズレベルよりも小さくなり得る。
瞳孔に対するセンサ110、120の整合不良も、センサシステムの性能に影響を与える。異なる水平(x)及び垂直(y)オフセットに対する照明面積の誤差をプロットする図9に示されるように、最大水平オフセットに起因する誤差は、最大垂直オフセットに起因する誤差に漸近的に近づく。ギャップの幾何学的形状は、最大水平オフセットに起因する誤差のy切片を決定する。オフセット誤差はまた、図10に示されるように、第2センサグレースケールDの第1センサグレースケールDによるスケーリングにリップル及びバイアスを導入する。
図11Aから11Fは、瞳孔直径2.70mm及び5.65mmに対するセンサアクティブ面積の代替配列の、第2センサ120の照明アクティブ面積対オフセットにおけるシミュレーションされたパーセント誤差を示す。図11Aにおいて、第2センサ120は、第1センサ110の半径に沿って配置された幅w=300μmの、一つのみのアクティブ面積を含む。図11B及び11Cはそれぞれ、2つのアクティブ面積(それぞれ幅w=150μm及び幅w=80μm)を有する第2センサ並びに充填比100%及び50%の第1センサの誤差を示す。図11D、11E、及び11Fはそれぞれ、4つのアクティブ面積(w=80μm)、6つの面積(w=50μm)、及び10の面積(w=30μm)に対するプロットを示す。図11Bから11Fに示される対称的なアクティブ面積配列は、オフセット誤差についてロバストな性能を有する。他方、図11Aに示される非対称的なアクティブ面積配列は、オフセット誤差に対しては比較的許容性がない。面積誤差は、小さい瞳孔直径(低光)に対してであって、瞳孔直径が最大測定可能瞳孔直径よりも大きい場合に大きくなる。加えて、当該面積誤差は対称的でない。
図12Aから12Fは、図11Aから11Fに例示されるものと同じセンサ配列に対する非円形瞳孔のオフセット結果に対する、第2センサ120の照明アクティブ面積のシミュレーションされた誤差を示す。瞳孔は、直径2.70mm及び5.65mmに開いた円形虹彩に対し、単位長さ当たり20振動の周波数及び振幅0.1mmを有する正弦波を重畳することによってシミュレーションされた。シミュレーションが示すのは、非円形瞳孔の小さな瞳孔直径(低光レベル)に対しては面積誤差が大きいことと、第2センサ120に対し一つの水平アクティブ面積を配列することは水平オフセットに対してロバストとならないことと、他のすべてのセンサアーキテクチャも極めて類似した結果を示すということである。アクティブ面積の数を増加させることにより(例えば図12Fに示されるように10以上まで)、パーセント誤差が低減する。
マルチセンサシステムによる遠近調節刺激検出
好ましい実施例において、プロセッサ130(図4)は、メモリ150に格納されたデータ及び/命令に基づき第1及び第2センサ110、120からの測定に反応して動的アパチャ102(図1)を作動させ、近見視力を(中間及び遠方視力に妥協することなく)向上させる。センサ110、120が、周囲光レベルが最小しきい値(例えば約40ルクス)未満に下がったことを示すと、プロセッサ130 は(少なくとも部分的に)アパチャ102を開いて低光状態における光低減を最小化する。プロセッサ130はまた、周囲光が許容範囲内にあり、かつ、注視目標が中又は長距離(例えば約900mm超過)にある場合、(少なくとも部分的に)動的アパチャ102を開く。プロセッサ130は、注視目標が約900mmよりも近く及び/又は周囲光レベルが上限(例えば約4000ルクス)を超える場合、(少なくとも部分的に)動的アパチャ102を閉じる。
図13Aから13Dは、メモリ150に格納されて遠近調節刺激の存否を決定するべく使用されるルックアップテーブル(LUT)の構築を例示する。当該決定は、第1及び第2センサ110及び120それぞれからのデジタル出力D及びDに基づく。図13A及び13Bは、距離0.80m、0.90m、及び1.00mにある目標に関連づけられる瞳孔直径の変化に反応する第2デジタル出力D対第1デジタル出力Dのプロットである。当該曲線はバイリニアである。すなわち、第2デジタル出力Dは、第1デジタル出力Dに対し、原点からほぼD=2048までのセグメントにわたって高速(例えば約2の勾配)であり、その後の勾配はほぼ1で変化する。図13Aにおいて、当該セグメントは一つの曲線にフィッティングされる。他方、図13Bにおいて、当該セグメントは、距離約0.2mだけ分離した目標を代表する2曲線間でサンプリングされる。
図13Cは、遠近調節刺激が存在する場合のデジタル出力の進展を、バイリニア包絡線(点線)をサンプリングすることにより得られた階段サンプリング(実線)によって例示する。バイリニア包絡線は、図13Aにプロットされる曲線の一つへのフィッティング及び/又は図13Bに示される2曲線が境界となるフィッティングを代表する。当該階段サンプリングの第1及び第2バイリニア領域はそれぞれ、N及びNステップに分割され、それぞれ勾配α及びαを有する。当該階段の各角は、座標(D1i,D2i)にある一対の測定を代表する。ここで、iは、測定が行われた順序を代表するインデクスである。この例において、D10はt=0における第1センサ110のデジタル出力を代表し、D11はt=1における第1センサ110のデジタル出力を代表する等である。当該測定は、距離ΔDxi=Dxi−Dxi−1(例えばΔD11=D11−D10)だけ離間している。
人が異なれば異なり得る図13Cに代表されるデータは、ルックアップテーブル(LUT)を、図13Dに示されるもののように編集するべく使用することができる。LUTの各行は、一対のサンプリング座標(D,D)、並びに当該サンプリング座標近傍でのバイリニア曲線の局所的進行及び上昇(ΔD,ΔD)を含む。いくつかの例では、眼科医又は技師が患者の評価に基づき、(可能な限りコンピュータを使用して)LUTを構築する。
図14は、システム400がどのようにして、メモリ150(図3)に格納されたLUT450を使用することにより、遠近調節トリガの存否を決定して(例えば電気的活性アパチャによって与えられるように)動的アパチャ102を作動させるのかを例示する。第1及び第2センサ110、120は光電流I、Iを生成する。光電流I、Iは、デジタル出力D、Dを0.25から0.50秒ごとにほぼ一回与えるべく、アナログデジタル変換器112、122によってデジタル化される。有限インパルス応答(FIR)フィルタ114、124が当該デジタル出力の移動平均をとり、当該移動平均をデータレジストリ(図3に示されるメモリ150)に格納する。当該データレジストリはまた、直近50から100のデジタル値、移動平均、及び/又は推定瞳孔直径も格納する。
プロセッサ430は、後続ループを使用して当該移動平均をしきい値と比較する。下付き文字i及びrはそれぞれ、現行ループの繰り返し及び先行ループの繰り返しに関連づけられた値を示す。まず、プロセッサ530は、ステップ432において、ループインデクスi、繰り返し数N、及び値D1rからD10を初期化する。これらは、アクティブモードの最小明るさ(例えば約5ルクス)を代表する。D及びDの初期値がバイリニア曲線の第1又は第2領域に存在するか否かに応じて、繰り返し数NがN又はNのいずれかとなる(図13Cに示される)。
ひとたび初期化が完了すると、プロセッサ430はステップ434において、周囲光レベルを代表するDを、最小周囲光レベルを代表するD10と比較する。D<D10の場合、プロセッサ430はステップ436において、動的アパチャ102を開く。そうでない場合、プロセッサ430はステップ438において、Dの先行値を代表するD2rを更新する。プロセッサ430はその後、ステップ440において、瞳孔直径を代表する現行のDを先行値D2rと比較する。瞳孔直径が小さくなった場合、プロセッサ430はステップ442において、アパチャを閉じて有効屈折力及び/又は焦点深度を変更する。プロセッサ430は、ステップ444においてi及びD1rをインクリメントし、ステップ446においてNに対するiをチェックし、及び、当該ループを再び初期化するか又は最小しきい値に対する周囲光レベルをチェックしてそれに応じてアパチャを開閉する(ステップ448、450、及び452)。
図16は、代替的なシステム600を示す。システム600は、勾配δDxiの値と当該バイリニア曲線の異なる領域に対する勾配δΔDxiの派生値とを使用してデジタル出力D、Dを、図15に示されるバイリニア曲線にフィッティングする。上述のように、システム600はプロセッサ630を含む。プロセッサ630は、光レベル、並びにメモリ(EEPROM)650に格納された勾配値、派生値、及びベースライン値Dxibに対する所定しきい値に基づいてループを初期化する。ひとたびプロセッサ630が、上述のようにD及びDとしきい値との比較を完了すると、プロセッサ630は、ステップ644においてループインデクスiをインクリメントし、ステップ446において更新インデクスをループ終了条件と比較し、ステップ648において当該ループを出るか又は値D1r及びD2rをインクリメントする。
プロセッサ630は当該ループを出ると、ステップ660において、バイリニア曲線における合計セグメント数N+Nに対するインデクスをチェックする。当該インデクスがN+N未満の場合、プロセッサ630はステップ662においてループパラメータを更新して当該ループを再開する。そうでない場合、プロセッサ630は、最小しきい値に対する周囲光レベルをチェックし、それに応じてアパチャを開閉する(ステップ448、450、及び452)。
図17は、図16のプロセッサ630が実行するループを通じての特定の進展を例示する。センサは点(1)、(2)、(3)、及び(4)に対応する4つの連続測定を行い、プロセッサ630は、図16のループを通じてのステップを行うことにより、これらの測定が、異なる注視距離にある目標の遠近調節反応に関連づけられたD/D曲線の一つ上の点に対応するか否かを決定する(例えば図13Aに示されている)。当該測定が一曲線にフィットする場合、プロセッサ630は、(1)遠近調節刺激が存在することと、(2)目標までの距離とを、可能な限り当該データがフィットする遠近調節反応曲線に基づいて決定する。プロセッサ630はその後、所望の遠近調節を与えるべく動的アパチャ102を適宜開閉する。
定義及びまとめ
ここに使用されるように、「周囲光」とは眼の外部光を意味する。いくつかの実施例において、周囲光は、詳しくは、例えば角膜表面近くの光のような、眼の外部ではあるが当該眼の近く又は隣接する光を言及する。周囲光は、光量(例えば強度、照射量、照度)のような変数、及び光源(自然光源、例えば太陽及び月、及び白熱光、蛍光、コンピュータモニタ等のような人工光源双方を含む)を特徴とし得る。
ここに使用されるように、「遠近調節反応」とは、近見視力を向上させる一以上の肉体的又は生理学的事象を称する。生体内で自然に生じる自然遠近調節反応は、毛様体筋収縮、毛様小帯動、レンズ形状変化、虹彩括約筋収縮、瞳孔収縮、及び収束を含むがこれらに限られない。遠近調節反応はまた、人工的遠近調節反応、すなわち人工光コンポーネントによる反応でもあり得る。人工的遠近調節反応は、位置変化、曲率変化、屈折率変化、又はアパチャサイズ変化を含むがこれらに限られない。
遠近調節反応(遠近調節ループとしても知られる)は、(1)毛様体筋収縮、(2)虹彩括約筋収縮(瞳孔収縮が焦点深度を増加させる)、及び(3)収束(内向きに見ること(looking inward)が、両眼総和を最大とし及び立体視を最善とするための目標平面における両眼融合を可能とする)という少なくとも3つの不随意的眼球反応を含む。毛様体筋収縮は、本質的に遠近調節すなわちレンズの屈折力変化に関連する。瞳孔収縮及び収束は、偽遠近調節に関連する。すなわち、これらは、レンズの屈折力には影響しないが、それにもかかわらず近目標に焦点を合わせることを向上させる。例えば、Bron AJ, Vrensen GFJM, Koretz J, Maraini G, Harding 11.2000. The Aging Lens. Ophthalmologica 214:86-104を参照のこと。
ここに使用されるように、「遠近調節インパルス」は、近目標に焦点を合わせる意図又は望みを称する。健康な非老眼の場合、遠近調節インパルスの後、迅速に遠近調節反応が続く。老眼の場合、遠近調節インパルスの後、次善の又は不在の遠近調節反応が続く。
ここに使用されるように、「遠近調節刺激」は、遠近調節インパルス又は遠近調節反応と相関する任意の検出可能事象又は状況の集合である。ここに記載されるデバイスにおいて、遠近調節刺激がセンサシステムによって検出されると、当該センサシステムは好ましくは、光コンポーネントに信号を送信する。次に当該光コンポーネントは、人工的遠近調節反応によって反応する。例示的な遠近調節刺激は、生理学的合図(瞳孔収縮等の自然遠近調節反応のような)及び環境的合図(周囲光条件のような)を含むがこれらに限られない。
概略がここに記載される様々な方法又はプロセスは、様々なオペレーティングシステム又はプラットフォームを用いる一以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコーディングすることができる。加えて、このようなソフトウェアは、任意数の適切なプログラミング言語及び/又はプログラミング若しくはスクリプティングツールを使用して書くことができる。また、フレームワーク又は仮想機械上で実行される実行可能機械言語コード又は媒介コードとしてコンパイルすることもできる。
この例において本発明に係る様々な概念は、一以上のプロセッサ上で実行されるとき、上述の本発明の様々な実施例を実装する方法を実行する一以上のプログラムでエンコードされるコンピュータ可読記憶媒体(又は複数のコンピュータ可読記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、一以上のフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(登録商標)、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ等の半導体デバイス内の回路構成、又は他の非一時的媒体又は有形のコンピュータ記憶媒体)として具現化することができる。プログラム又はこれに格納されたプログラムを、本発明の様々な側面を実装するべく一以上の異なるプロセッサにロードすることができるように、コンピュータ可読媒体は可搬であり得る。
用語「プログラム」又は「ソフトウェア」は、一般的意味において、上述の実施例の様々な側面を実装するようにプロセッサをプログラムするべく使用し得る任意タイプのコンピュータコード又はコンピュータ実行可能命令のセットを称する。加えて、理解すべきことは、一側面によれば、実行時に本発明の方法を行う一以上のコンピュータプログラムは、一つのプロセッサ上に存在する必要はなく、本発明の様々な側面を実装するべくいくつかの異なるプロセッサ同士にモジュール態様で配布することもできる。
コンピュータ実行可能命令は、一以上のコンピュータ等のデバイスによって実行されるプログラムモジュールのような多くの形態であり得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行し又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。典型的に、プログラムモジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせ又は配布することができる。
さらに、データ構造は、任意の適切な形態でコンピュータ可読媒体に格納することができる。説明の簡略化のため、データ構造は、当該データ構造内の場所を通じて関連するフィールドを有することが示され得る。このような関係は、フィールド間の関係を伝えるコンピュータ可読媒体における場所にフィールドの格納を割り当てることによっても同様に達成することができる。しかしながら、任意の適切なメカニズムを使用して、データ構造のフィールドにおける情報間の関係を確立することができる。これは、ポインタの使用を通じて、データ要素間の関係を確立するタグ等のメカニズムを含む。
ハイブリッドフロー/ブロック図がここに使用される。フロー図の使用は、行われる動作の順序に関して限定することを意図しない。ここに記載される主題は、異なる他のコンポーネント内に包含され又はこれに接続される様々なコンポーネントを例示する場合がある。理解すべきなのは、このような描かれたアーキテクチャは単なる例示であり、実際には、同じ機能を達成する他の多くのアーキテクチャを実装できるということである。概念的な意味では、同じ機能を達成するコンポーネントの任意の構成が有効に「関連づけられ」、所望の機能が達成される。したがって、特定の機能を達成するべくここに組み合わせられる任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャ又は媒介コンポーネントにかかわらず、互いに「関連づけられ」て所望の機能を達成するものとみなすことができる。同様に、このように関連づけられる任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を達成するべく互いに「動作可能に接続され」又は「動作可能に結合され」るものとみなすことができる。このように関連づけられる任意の2つのコンポーネントはまた、所望の機能を達成するべく互いに「動作可能に結合可能」とみなすことができる。動作可能に結合可能の具体例は、物理的につがいになることができる(mateable)及び/又は物理的に相互作用する複数のコンポーネント及び/又は無線的に相互作用可能な及び/又は無線的に相互作用する複数のコンポーネント及び/又は論理的に相互作用する及び/又は論理的に相互作用可能な複数のコンポーネントを含むがこれらに限られない。
ここでの実質的に任意の複数及び/又は単数の用語の使用に関し、当業者は、文脈及び/又は用途に適するように複数から単数に及び/又は単数から複数に変換することができる。ここでは、明確性を目的として、様々な単数/複数の置き換えを明示的に記載してもよい。
当業者が理解すべきことだが、一般に、ここに及び特に添付の特許請求の範囲(例えば添付の特許請求の範囲の本文)に使用される用語が一般に「オープンな」用語として意図されることを理解する(例えば「〜を含んでいる」は「〜を含んでいるがこれに限られない」と解釈すべきであり、「〜を有する」は「少なくとも〜を有する」と解釈すべきであり、「〜を含む」は「〜を含むがこれに限られない」と解釈すべきである等)。当業者がさらに理解すべきことだが、導入される請求項記載の具体的番号が意図されている場合、当該意図は明示的に当該請求項に記載され、当該記載が不在の場合は当該意図が存在しない。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付された特許請求の範囲は、請求項記載を導入するべく「少なくとも一つ」及び「一以上」という導入フレーズの用法を包含し得る。
しかしながら、当該フレーズの使用は、たとえ同請求項が、「一以上」又は「少なくとも一つ」という導入フレーズ及び「一の」又は「一つの」のような不定冠詞(例えば、「一の」及び/又は「一つの」は典型的に「少なくとも一つの」又は「一以上の」を意味すると解釈すべきである)を含むとしても、不定冠詞「一の」又は「一つの」による請求項記載の導入が、当該導入された請求項記載を包含する任意の特定請求項を、当該記載を一つのみ包含する発明に限定するものと解釈してはならない。同じことは、請求項記載を導入するべく使用される定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、たとえ、導入された請求項記載の具体的番号が明示的に記載されていても、当業者は、当該記載が典型的に、少なくとも当該記載の番号を意味すると解釈すべきである(例えば、単なる「2つの記載」との記載は、他の修飾語がなければ、少なくとも2つの記載又は2以上の記載を意味するのが典型的である)。
さらに、「A、B、及びCの少なくとも一つ等」に類似する慣例が使用される場合、当該慣例は一般に、このような構成は、当業者が当該慣例を理解する意味に意図される(例えば、「A、B、及びCの少なくとも一つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、A及びB一緒、A及びC一緒、B及びC一緒、並びに/又はA、B、及びC一緒等を含むがこれらに限られない)。「A、B、又はCの少なくとも一つ等」に類似する慣例が使用される場合において、当該慣例は一般に、このような構成は、当業者が当該慣例を理解するという意味に意図される(例えば、「A、B、及びCの少なくとも一つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、A及びB一緒、A及びC一緒、B及びC一緒、並びに/又はA、B、及びC一緒等を含むがこれらに限られない)。
当業者がさらに理解することだが、二以上の代替的用語を表す実質的に任意の離接的接続語及び/又はフレーズは、当該記載、請求項、又は図面において、当該用語の一つ、当該用語のいずれか、又は双方の用語を含む可能性を検討すべきものと理解すべきである。例えば、「A又はB」というフレーズは、「A」、「B」、又は「A及びB」の可能性を含むと理解される。
例示的な実施例の上記記載は、例示及び説明を目的として提示されてきた。これは、開示された正確な形態に関して包括的又は限定的であることを意図するわけではなく、上記教示に照らして修正例及び変形例が可能であって、開示の実施例の実施から得ることができる。意図されることだが、本発明の範囲はここに添付される特許請求の範囲及びその均等物によって画定される。

Claims (45)

  1. 人の眼における遠近調節刺激の存否を検出するセンサシステムであって、
    周囲光レベルを示す第1測定を与えるべく構成される第1センサと、
    前記遠近調節刺激によるトリガを受ける生理学的変化に反応して変化する第2光レベルを示す第2測定を与えるべく構成される第2センサと
    を含むセンサシステム。
  2. 前記第1センサは環状センサを含む、請求項1に記載のセンサシステム。
  3. 前記環状センサは、内径が約0.9mmから1.2mmであり、外径が約1.1mmから1.3mmである、請求項2に記載のセンサシステム。
  4. 前記第2センサは、前記環状センサの直径に沿って配置されるアクティブ面積を含む、請求項2に記載のセンサシステム。
  5. 前記アクティブ面積のエッジと前記環状センサの外径とが長さ約250から600μmのギャップを画定する、請求項4に記載のセンサシステム。
  6. 前記アクティブ面積は、幅が約30μmから約300μmである、請求項4に記載のセンサシステム。
  7. 前記第2センサは、前記環状センサの直径に沿って配置されるもう一つのアクティブ面積を含む、請求項4に記載のセンサシステム。
  8. 前記第1及び第2センサの少なくとも一方が光起電力セルを含む、請求項1に記載のセンサシステム。
  9. 前記生理学的変化は瞳孔直径の変化である、請求項1に記載のセンサシステム。
  10. 前記第1及び第2センサに動作可能に結合され、かつ、前記第1及び第2測定に基づいて前記遠近調節刺激の存否を決定するべく構成されるプロセッサをさらに含む、請求項1に記載のセンサシステム。
  11. 前記プロセッサはさらに、
    前記第1測定及び前記第2測定と、前記遠近調節刺激が存在する場合に前記第1測定の関数として前記第2測定を代表する所定値とを比較することによって、前記遠近調節刺激の存否を決定するべく構成される、請求項10に記載のセンサシステム。
  12. 前記プロセッサはさらに、前記所定値を代表する曲線に前記第1及び第2測定をフィッティングすることによって、前記第2測定と前記所定値とを比較するべく構成される、請求項11に記載のセンサシステム。
  13. 前記プロセッサに動作可能に結合され、かつ、前記所定値の代表を格納するべく構成されるメモリをさらに含む、請求項11に記載のセンサシステム。
  14. 前記所定値は、年齢、心理学的ストレス、及び/又は生理学的健康の関数である、請求項11に記載のセンサシステム。
  15. 前記プロセッサはさらに、(i)前記第1測定の前記第2測定に対する比を計算することと、(ii)前記第1測定の前記第2測定に対する比に基づいて前記瞳孔直径を推定することとによって前記遠近調節刺激の存否を決定するべく構成される、請求項10に記載のセンサシステム。
  16. 前記第2センサは第1アクティブ面積及び第2アクティブ面積を含み、前記プロセッサはさらに、前記第1及び第2アクティブ面積が生成する光電流の差異を計算することによって前記生理学的変化の存否を決定するべく構成される、請求項10に記載のセンサシステム。
  17. 前記第1及び第2アクティブ面積は、前記第1及び第2センサの対向側部に配置される、請求項16に記載のセンサシステム。
  18. 前記プロセッサはさらに、前記人の眼及び前記人の眼の環境の少なくとも一方の状態を決定するべく構成される、請求項10に記載のセンサシステム。
  19. 前記第1及び第2センサに動作可能に結合され、かつ、所定インターバルにわたって取得された前記第1及び第2測定の代表を格納するべく構成されるメモリをさらに含む、請求項10に記載のセンサシステム。
  20. 前記プロセッサはさらに、(i)前記所定インターバルにわたって取得された前記第1及び第2測定の移動平均を計算することと、(ii)前記移動平均と前記遠近調節刺激の存否を代表する所定値とを比較することとを行うべく構成される、請求項19に記載のセンサシステム。
  21. 前記所定インターバルは、約0.25秒から約0.50秒である、請求項19に記載のセンサシステム。
  22. 前記メモリは不揮発性記憶媒体を含む、請求項19に記載のセンサシステム。
  23. 前記メモリは、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリを含む、請求項19に記載のセンサシステム。
  24. 前記プロセッサに動作可能に結合され、かつ、前記プロセッサからの信号に反応して有効屈折力及び/又は焦点深度の変化を与えるべく構成される電気的活性要素をさらに含む、請求項10に記載のセンサシステム。
  25. 前記プロセッサはさらに、前記第1及び第2測定の少なくとも一方が、前記周囲光レベルが約5ルクス未満の照度に対応することを示す場合、前記電気的活性セルを非アクティブモードにするべく構成される、請求項24に記載のセンサシステム。
  26. 前記プロセッサはさらに、前記第1及び第2測定の少なくとも一方が、前記周囲光レベルが約5ルクス超過の照度に対応することを示す場合、前記電気的活性セルをアクティブモードにするべく構成される、請求項24に記載のセンサシステム。
  27. 遠近調節刺激に関連づけられる人の眼の生理学的変化を、他の生理学的変化から区別する方法であって、
    (a)周囲光レベルを検出することと、
    (b)前記人の眼における前記生理学的変化を検出することと、
    (c)前記周囲光レベル及び前記生理学的変化に基づいて前記遠近調節刺激の存否を決定することと
    を含む方法。
  28. 前記生理学的変化は瞳孔直径の変化である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記遠近調節刺激の存在を決定することは、前記第2測定と、前記遠近調節刺激が存在する場合に前記第1測定の関数として前記第2測定の所定値とを比較すること請求項27に記載の方法。
  30. 前記第2測定と、前記所定値とを比較することは、前記所定値を代表する曲線に前記第1及び第2測定をフィッティングすることを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記遠近調節刺激の存在を決定することは、
    (i)前記第1センサ出力の前記第2センサ出力に対する比を計算することと、
    (ii)前記第1センサ出力の前記第2センサ出力に対する比に基づいて前記瞳孔直径を推定することと
    を含む、請求項27に記載の方法。
  32. 前記生理学的変化を検出することは、前記瞳孔の第1及び第2側部上の光を検出することを含み、
    前記遠近調節刺激の存在を決定することは、前記瞳孔の第1及び第2側部上で検出される光量の差異を計算することと含む、請求項27に記載の方法。
  33. 所定インターバルにわたって取得された第1及び第2測定を取得することと、
    前記所定インターバルにわたって取得された第1及び第2測定の移動平均を計算することと、
    前記移動平均と前記遠近調節刺激の存否を代表する所定値とを比較することと
    をさらに含む、請求項27に記載の方法。
  34. 前記所定インターバルは約0.25秒から約0.50秒である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記所定値は、年齢、心理学的ストレス、及び/又は生理学的健康の関数である、請求項33に記載の方法。
  36. 前記遠近調節刺激の存否に基づいて前記人の眼の有効屈折力及び/又は焦点深度を変えることをさらに含む、請求項27に記載の方法。
  37. 前記有効屈折力及び/又は焦点深度を変えることは、電気的活性セルを作動させることを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記周囲光レベルが約5ルクス未満の照度に対応することを示す前記第1及び第2測定の少なくとも一方に反応して前記電気的活性セルを非アクティブモードにすることをさらに含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記周囲光レベルが約5ルクス超過の照度に対応することを示す前記第1及び第2測定の少なくとも一方に反応して前記電気的活性セルをアクティブモードにすることをさらに含む、請求項37に記載の方法。
  40. 前記人の眼及び前記人の眼の環境の少なくとも一方の状態を決定することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
  41. センサシステムであって、人の眼に移植される場合に、
    (a)瞳孔から第1距離に位置決めされる第1光センサと、
    (b)前記瞳孔から第2距離に位置決めされる第2光センサと、
    (c)前記第1及び第2光センサからの出力に基づいて遠近調節刺激を検出するべく構成されるプロセッサと
    を含むセンサシステム。
  42. 前記第1距離は約0.45mmから約0.60mmである、請求項41に記載のセンサシステム。
  43. 前記第2距離は約0.80mmから約1.25mmである、請求項41に記載のセンサシステム。
  44. 前記プロセッサはさらに、前記第1及び第2光センサからの出力比に基づいて前記遠近調節刺激を検出するべく構成される、請求項41に記載のセンサシステム。
  45. 前記センサシステムは、個人の患者に対して較正される、請求項41に記載のセンサシステム。
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