JP2013530790A - スノーボードバインディング用のストラップ - Google Patents
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Abstract
ベースプレートを有するバインディング用の形状シフトストラップが開示される。形状シフトストラップは、形状シフトストラップの遠位端がベースプレートの上方に付勢または配置される閉鎖位置と、ストラップの遠位端がベースプレートの上方にはない開放位置との間でシフト可能である。ストラップは少なくとも1つのアーチ形要素を含み、アーチ形要素は、凹状構成である場合にはストラップを閉鎖位置へと付勢し、凸状構成である場合にはストラップを開放位置へと付勢する。
Description
関連出願との相互参照
本願は、2010年7月12日に出願された仮出願連続番号第61/363281号の利益を主張する。当該仮出願の開示全体はここに引用により援用される。
本願は、2010年7月12日に出願された仮出願連続番号第61/363281号の利益を主張する。当該仮出願の開示全体はここに引用により援用される。
背景
スノーボーディングでは、乗り手は、スノーボード上に装着されたバインディングにセットされる特殊ブーツを用いて乗り手の足に取付けられる単一の滑降用ボードに乗って、雪の積もった斜面を下る。現代のスノーボーディングは1960年代および1970年代に発展し、1998年の冬季オリンピック種目となった。比較的新しいスポーツではあるものの、スノーボーディングは米国では今や、冬季スポーツの中ではスキーに次いで第2位になっている。このスポーツの起源は、ミシガン(Michigan)州マスキーゴン(Muskegon)の技師であるシャーマン・ポッペン(Sherman Poppen)が1965年に、2本のスキー板を並べて繋ぎ、一端にロープを取付けて、下り坂を滑降する際に制御を提供することにより、自分の娘用の遊び道具を考案したことに起因する。「スナーファー(snurfer)」と名付けられたこの遊び道具は、彼の娘の友達の間で大変人気を集めたため、ポッペンはこの考案をある製造業者にライセンス供与し、その製造業者は次の10年間で約100万個のスナーファーを販売した。1968年に、ポッペンは「サーフタイプの雪スキー(Surf-Type Snow Ski)」についての米国特許第3,378,274号を授与した。
スノーボーディングでは、乗り手は、スノーボード上に装着されたバインディングにセットされる特殊ブーツを用いて乗り手の足に取付けられる単一の滑降用ボードに乗って、雪の積もった斜面を下る。現代のスノーボーディングは1960年代および1970年代に発展し、1998年の冬季オリンピック種目となった。比較的新しいスポーツではあるものの、スノーボーディングは米国では今や、冬季スポーツの中ではスキーに次いで第2位になっている。このスポーツの起源は、ミシガン(Michigan)州マスキーゴン(Muskegon)の技師であるシャーマン・ポッペン(Sherman Poppen)が1965年に、2本のスキー板を並べて繋ぎ、一端にロープを取付けて、下り坂を滑降する際に制御を提供することにより、自分の娘用の遊び道具を考案したことに起因する。「スナーファー(snurfer)」と名付けられたこの遊び道具は、彼の娘の友達の間で大変人気を集めたため、ポッペンはこの考案をある製造業者にライセンス供与し、その製造業者は次の10年間で約100万個のスナーファーを販売した。1968年に、ポッペンは「サーフタイプの雪スキー(Surf-Type Snow Ski)」についての米国特許第3,378,274号を授与した。
「モノスキー(Mono-Ski)」に向けられたウェーバー(Weber)への米国特許第3,900,204号は、1975年8月19日に発行された。そこに開示されたスノーボードまたはモノスキーは、乗り手のブーツをスノーボードに固定するための解除可能なブーツバインディングを特徴としていた。
スノーボードの人気の高まりは、「1985年には、米国のスキー場のほんの7%しかスノーボーディングを許可しておらず、欧州でも同じ状況であった…今や、米国および欧州の事実上すべてのスキーリゾートがスノーボーダーらを歓迎しており、その多くが、スノーボーダーらが自分達の技を磨き、技術を見せることを促すジャンプや他の特徴を有する特殊な地形部分をすでに建設している。」(スノーボーディング・ワイルド・ライズ(Snowboarding Wild Rides)、フィリィス・マッキントッシュ(Phyllis McIntosh)、英語教育フォーラム(English Teaching Forum)、第1号、第35〜42頁)という事実に反映されている。
現代のスノーボーディングでは、乗り手は両足を単一のボードに固定した状態で立ち、重力によって推進される乗り手は、雪で覆われた斜面をうまく滑り降りる。スノーボードの制御の特に重要な局面は、スノーボードをその長手方向軸の周りに回転させ、それにより、スノーボードのどちらの外側縁が雪に係合するか、係合の角度、および地形の斜面に対するスノーボードの配向を選択することである。
スノーボードの配向を制御するために、乗り手は、スノーボードの長手方向軸に対して直角にスノーボードにしっかりと固定されたブーツを着用する。この姿勢で、乗り手は、たとえば後方に体を傾けて自分の足を回転させることによってスノーボードの爪先側の縁を上げることができ、適切な足の動きによって縦揺れ、偏揺れ、および横揺れするようボードを回転させることができる。スノーボードの正確な制御を可能とするために、乗り手のブーツはスノーボードバインディングでボードにしっかりと取付けられている。多くの異なるバインディング機構がこれまで開発されてきた。スノーボードバインディングは一般に、乗り手のブーツを解除可能に固定するためのストラップを有する1対のフレームがボードに取付けられているストラップバインディング(従来のバインディングとも呼ぶ)か、典型的にはクリート機構がブーツの底に一体化され、相補形のクリート係合機構がスノーボードに取付けられているステップインバインディングのいずれかに分類される。
ストラップバインディングは、典型的には、ブーツの底を受けるベースプレートと、ベースプレートから上向きに延在するハイバックと、ブーツをバインディングにしっかりとかつ解除可能に固定するためのストラップアセンブリとを含む。ベース部分は、乗り手がブーツの軸とボードの軸との間のある特定の角度を選択できるように、しばしば調節可能な態様でボードに取付けられており、通常、取付けられたブーツに外側の支持を提供する一体型の側壁を含むであろう。ハイバックは、特に乗り手が軟らかいブーツを使用している際に重要である。なぜなら、それにより乗り手は、ハイバック部分に当たるように後方に体を傾けることによって、ボードの爪先側の縁を上げることができるようになるからである。典型的には、2つのストラップアセンブリがベースプレートの側壁に取付けられる。ストラップアセンブリは、スノーボードブーツをスノーボードに固定するよう、乗り手のブーツの上に延在するよう構成されている。第1の対のストラップは概してブーツの足首部分の周りに延在し、第2の対は概してブーツの爪先部分の上に延在する。
ストラップバインディングがよく遭遇する問題は、乗り手がフレームのベース部分上に足を踏み入れてスノーボードを装着する際に、ストラップが邪魔になりがちで、時折乗り手のブーツの後ろまたは下で挟まり、乗り手は自分の足を調節してストラップをブーツから引張り出そうとしなければならなくなる、ということである。この作業は、乗り手がたとえばコースの平坦な部分を横断するためにスノーボードを取外した後にゲレンデでスノーボードを装着する際に、特に困難で苛立たしいものとなり得る。この場合、ブーツ、ストラップ、バインディング、およびスノーボードは雪で覆われているかもしれず、乗り手は通常、手袋やかさばる衣類を着用しており、スノーボードおよび乗り手は、傾斜したおよび/または滑りやすい雪の積もったゲレンデにいるかもしれない。これらの状況下で、バインディングストラップを適正に方向付けて固定することは、特に困難となり得る。
スノーボードを適正に装着することに関連する物理的困難に加え、物理的損傷および望ましくない摩損がストラップアセンブリに起こる場合がある。乗り手がうっかりストラップの上に足を踏み入れたり、またはブーツとフレームのハイバック部分との間でストラップを鋭く曲げたりすると、ストラップ、および特にストラップを固定するための留め金機構が損傷する場合がある。また、ブーツとフレームとの間から(留め金機構を含む)ストラップを引張り出すプロセスは、ストラップアセンブリにおける不要の応力および歪みをもたらす場合がある。
概要
この概要は、詳細な説明において以下にさらに説明する一連の概念を簡略化された形で紹介するために提供される。この概要は、請求されている主題の主要な特徴を識別するよう意図されてはおらず、また、請求されている主題の範囲を決める際の手助けとして使用されるよう意図されてもいない。
この概要は、詳細な説明において以下にさらに説明する一連の概念を簡略化された形で紹介するために提供される。この概要は、請求されている主題の主要な特徴を識別するよう意図されてはおらず、また、請求されている主題の範囲を決める際の手助けとして使用されるよう意図されてもいない。
2つの中立位置のいずれか(たとえば、開放位置または閉鎖位置)へとストラップを選択的に付勢するよう作動可能な形状シフト要素を有する新規のストラップが開示される。このストラップは、現在のストラップ設計に関連する面倒な問題および潜在的損傷を克服するためにスノーボードバインディングで使用するのに好適である。本実施例では、ストラップは、細長い遠位部と、バインディングベースプレートなどに取付けられるよう構成された近位ヘッドとを含む。荷重支持部がヘッドを遠位部に接続し、形状シフト要素が遠位とヘッドとの間に延在している。形状シフト要素は、形状シフト要素が閉鎖位置に向けて遠位部を付勢する凹形状と、形状シフト要素が開放位置に向けて遠位部を付勢する凸形状という2つの異なる位置間でシフトするよう構成されている。ストラップは一体型の梯子状ストラップとして形成されてもよい。
一実施例では、形状シフト要素は、アーチ形の撓んだ構成となるようにヘッドに係合する1つ以上の細長いアームである。たとえば、細長いアームは、ストラップヘッドの対応する窪みに保持されるようにサイズおよび形が決められた足部を含んでいてもよい。細長いアームが長すぎる場合、それらは、窪みに挿入されるとアーチ形に撓むであろう。アーチ形は、凸状および凹状という2つの中立位置を有する。本実施例では、足部は、ヘッド窪みの対応する横断隆起に係合する横断窪みを有する。
ベースプレートと、ヒールループと、ハイバックとを有するタイプのストラップタイプスノーボードバインディングで使用するのに好適なストラップアセンブリも開示される。このストラップアセンブリは、(i)内側装着ストラップと、(ii)バックルアセンブリを有する中央ストラップ部とを含み、中央ストラップ部は内側装着ストラップに調節可能に取付けられており、ストラップアセンブリはさらに、(iii)バックルアセンブリに解除可能に係合するよう構成された外側装着ストラップとを含む。内側装着ストラップおよび外側装着ストラップのいずれかまたは双方は形状シフト要素を含むよう構成されており、形状シフト要素はストラップの遠位部からヘッドに延在し、遠位部がベースプレートに向けて付勢される閉鎖位置と、遠位部がベースプレートから遠ざかるよう付勢される開放位置との間で、ユーザによって選択的にシフトされるよう構成されている。
図面の説明
この発明の前述の局面および多くの付随する利点は、以下の詳細な説明を添付図面とともに参照することによってよりよく把握されるようになるにつれて、より容易に理解されるであろう。
この発明の前述の局面および多くの付随する利点は、以下の詳細な説明を添付図面とともに参照することによってよりよく把握されるようになるにつれて、より容易に理解されるであろう。
詳細な説明
スノーボードなどの滑降用ボードで使用するのに好適な、この発明に従ったバインディングおよびバインディングストラップの現在好ましい実施例を、図面を参照してここに説明する。同じ番号は同じ部分を示す。
スノーボードなどの滑降用ボードで使用するのに好適な、この発明に従ったバインディングおよびバインディングストラップの現在好ましい実施例を、図面を参照してここに説明する。同じ番号は同じ部分を示す。
たとえば、図1は、スノーボードのストラップタイプのバインディング100の斜視図である。バインディング100はベースプレートアセンブリ102を含み、それは、外側側壁104と、内側側壁106と、フットパッド108と、外側側壁104および内側側壁106に調節可能に取付けられたヒールループ110と、ヒールループ110に枢動可能に取付けられたハイバック112とを含む。ベースプレート102、ヒールループ110、およびハイバック112といったバインディング構成要素は当該技術分野において公知であるため、これ以上説明しない。
バインディング100はさらに、以下に説明するように、関連するストラップを中立の開放位置か中立の閉鎖位置へと選択的に付勢するよう構成された形状シフト要素を有する甲部ストラップアセンブリ120を含む。爪先部ストラップアセンブリ150は、同様の形状シフト要素をオプションで含む。ストラップの形状シフト局面は、ここに説明する例示的な実施例を参照してよりよく把握されるであろう。
甲部ストラップアセンブリ120は、(i)形状シフト近位部123および遠位部125を有する内側取付ストラップ122と、(ii)パッド付き中央部130と、(iii)同様に形状シフト近位部133を含み得る外側取付ストラップ132とを含む。
近位部123は、ヒールループ110の内側に取付けられるよう構成されている。好ましくは、内側取付ストラップ122は、甲部ストラップアセンブリ120の角度配向がユーザによって設定できるように、ヒールループ110に調節可能におよび/または枢動可能に取付けられる。内側取付ストラップ122の近位部123は、1対の形状シフト要素124と、荷重支持中央部140とを含む。遠位部125は細長く、パッド付き中央部130に調節可能に取付けられるよう構成されている。たとえば、本実施例では、遠位部125は、片側の複数の横断する鋸歯状部分(図示せず)、すなわち梯子状ストラップを含む。
甲部ストラップアセンブリ120のパッド付き部分130は、ブーツの輪郭にほぼ沿うように形作られており、レバータイプのバックルアセンブリ127を用いて内側取付ストラップ122に調節可能に取付けられている。パッド付き部分130の位置は、レバー128を開け、バックルアセンブリ127を内側取付ストラップ122に沿って所望の位置まで滑らせ、次にレバー128を閉じてストラップ122に係合し、中央部130を取付ストラップ122に係止することによって調節され得る。この実施例では、パッド付き部分130は、外側取付ストラップ132に解除可能に係合するよう位置付けられ構成されたラチェットタイプのバックルアセンブリ129(図2参照)も含み、バックルアセンブリ129は、ブーツ(図示せず)の周りで甲部ストラップアセンブリ120を締付けるよう作動可能である。
外側取付ストラップ132は、ラチェットタイプのバックルアセンブリ129に係合するようにサイズ決めされ、構成されている。外側取付ストラップ132の近位部133は、外側側壁104に取付けられる。好ましくは、外側取付ストラップ132は、ユーザが甲部ストラップアセンブリ120の位置を調節できるよう、枢動可能に取付けられる。オプションで、近位部133は、内側取付ストラップ122の近位部123と同様に、形状シフト要素134を含むよう構成される。
爪先部ストラップアセンブリ150も同様に、内側取付ストラップ152と、中央部160と、外側取付ストラップ162とを含む。内側取付ストラップ152は内側側壁106の前方部分に取付けられており、形状シフト要素154を有する近位部を含む。内側取付ストラップ152の遠位部155は、中央部160上のレバータイプのバックルアセンブリ157に調節可能に係合するよう構成されている。外側取付ストラップ162は、中央部160上のラチェットタイプのバックルアセンブリ159に調節可能に係合するよう構成されている。
形状シフト要素124、134、154は、ストラップの遠位端がベースプレートアセンブリ102の真上に配置される位置であるとここに定義される閉鎖位置、およびストラップの遠位端がベースプレートアセンブリ102の真上にはない位置であるとここに定義される開放位置のいずれかに向けて、関連するストラップが付勢されるように、ばね要素として機能する。
ここで、内側取付ストラップ122、以下「ストラップ122」の上面斜視図を示す図3Aを参照する。また、ストラップ122の底面斜視図を示す図3Bも参照する。ストラップ122は一体型構成であり、図3Aおよび図3Bには、使用のためにストラップ122を組立てる前の状態が示されている。ストラップ122は、射出成形などによってたとえば熱可塑性ポリウレタンから形成され得る、一体型の可撓性部材を含む。ストラップ122の遠位部125は、従来のバックル、たとえばバックルアセンブリ127に調節可能に係合する。ストラップ122、および特に遠位部125は、ユーザのブーツによりぴったり合うように曲がった輪郭を有して成形されてもよい。
近位部123は、遠位部125から延在する荷重支持中央部140と、中央部140から延在するヘッド141と、対向して配置された1対のアーム142とを含む。ヘッド141は、ベースプレートアセンブリ102への取付用の装着開口139を含む。ヘッド141はまた、底面で開放され(図3B)、かつ開放された前方端136(図3A)を有する2つの窪み135を規定する。各窪み135はさらに、横断する係止隆起137を規定する。各アーム142は、遠位部125から延在する細長い形状シフト要素124と、ヘッド141の対応する窪み135に受けられるようにサイズおよび形が決められた傾斜した足部145とを含む。傾斜した足部145は、上側の横断通路147と、底側の突起またはボス143とを規定する。
アーム142は十分に可撓性があり、各足部145の形は、足部145が対応する窪み135の開放された前方端136を通って挿入できるように構成されている。図4は、足部145が対応する窪み135に受けられた状態のストラップ122の近位部123の部分底面図である。十分に挿入されると、各足部145の横断通路147は、対応する窪み135の横断隆起137に係合する。ストラップ122が設置されると、ボス143は、隆起137および通路147が係止して係合するよう、足部145を窪み135へと上向きに保持して、足部145が意図せずに窪み135から引張り出されないようにする。
足部145を窪み35に十分に挿入するために、アーム142は必要以上に長い、ということが図3Aおよび図4から理解されるであろう。したがって、ストラップ122が図4に示すように組立てられると、アーム142の細長い部分を形成する形状シフト要素124は、ヘッド141と遠位部125との間の距離に対応するよう、撓む必要がある。アーム142は、形状シフト要素124がえてして、中央部140によって規定される平面に対して上向き(たとえば凸状)または下向き(たとえば凹状)にアーチ形に撓むよう、形作られる。
図5Aは、切り離してかつ閉鎖位置で示されたストラップ122の断面側面図である。参考までに、組立前のストラップ122の形を仮想線で示す。閉鎖位置では、形状シフト要素124は、図では下向きに凹状に曲がっており、主に形状シフト要素124および荷重支持中央要素140の相対長さによって決まる第1の中立位置に向けて遠位部125を下向きに付勢するばね要素として作用する。図5Aを図1と比較すれば、ストラップ122がバインディング100上に設置されてこの閉鎖位置に置かれると、ストラップ122の遠位端はベースプレートアセンブリ102の真上に配置される、ということが明らかであろう。
図5Bは、切り離して開放位置で示された、組立てられたストラップ122の断面側面図である。開放位置では、形状シフト要素124は、(図では)上向きに凹状に曲がっており、第2の中立位置に向けて遠位部125を上向きに付勢するばね要素として作用する。図5Bを図2と比較すれば、この開放位置では、ストラップ122の遠位端の端はベースプレートアセンブリ102の真上には配置されない、ということが明らかであろう。
したがって、本実施例では単一の一体型構造であるストラップ122は、2つの異なる中立位置のいずれか(「開放」または「閉鎖」)に向けて選択的に付勢され得る。通常、ユーザは、第1および第2の中立位置の一方へ向けて(または一方を通り過ぎるよう)ストラップを十分に動かすだけでよい。ある時点で、形状シフト要素124は所望の凹み方向を呈し、選択された中立位置に向けてストラップを付勢するであろう。そのため、たとえば、斜面の上まで登った後にバインディングに再度入ろうとしているスノーボードの乗り手は、図5Bに示す開放位置に向けて、または開放位置を通り過ぎるようストラップ122を押せばよい。要素124の付勢効果により、ストラップ122はえてして開放位置に留まるため、乗り手はストラップ122(または取付けられた中央部130)から干渉されずにベースプレートアセンブリ102をきれいにして足を踏み入れることができるようになる。乗り手は次に、ストラップ122を、図5Aに示す閉鎖位置に向けて動かしてもよい。要素124は凹みをたとえば凹から凸にシフトさせ、ストラップ122は次にえてして閉鎖位置に向けて付勢されたままとなるため、乗り手は外側取付ストラップ132をラチェットタイプのバックルアセンブリ159に容易に締結できるようになる。
先行技術のストラップに対するストラップ122の別の利点は、このストラップが破損からのさらなる緩衝および/または保護を提供するよう設計され得るということである。たとえば、使用中、弾性のあるストラップ122にかかる力が、中央部140を弾力的に伸ばすのに十分である場合がある。中央部140の所与の伸長で、アーム部142が印加された力の一部に反応し始めるように、ストラップ122が設計されてもよい、ということが理解されるであろう。
他のストラップ132、152、162の一部またはすべてもまた、ストラップが閉鎖位置と開放位置との間で動かされ得るように形状シフト要素を含むよう構成されてもよい。
ストラップ122は現在好ましいが、足部145を窪み135に挿入するとストラップ122の中央部140がアーチ形に撓むように、ストラップ122のアーム部142をより短く形成することによって、同様の2つの位置を取る形状シフトストラップを作ってもよい、ということは、当業者であれば理解するであろう。この代替的な実施例では、中央部140は、開放位置と閉鎖位置との間でストラップを付勢するよう、その形状を上向きに凸または下向きに凸からシフトさせるであろう。
ここに記載の教示に鑑みて、形状シフト要素を有するストラップの他の構成が当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な代替的実施例を以下に説明する。
図6A〜6Dは、閉鎖位置または開放位置のいずれかに向けてストラップを選択的に付勢する形状シフト要素を有するストラップ222の第2の実施例を示す。図6Aは、組立前のストラップ222の底面図を示す。遠位部225には、中央部(図示せず)への調節可能な取付用の複数の開口が設けられる。ストラップ222の近位部は、荷重支持中央部240と、ヘッド241と、1対の細長い形状シフトアーム224とを含む。組立てられたストラップ222を図6Bに示す。ストラップ222は、上述のストラップ122と同様であるが、簡略化されたヘッド241およびアーム224の構成を使用している。ヘッド241は、対応する窪み236に各々配置された1対の開口235を含む。アーム224の遠位端は、開口235の一方に挿入され保持されるようにサイズが決められた突起または支柱245を有して形成されている。ヘッド241には装着開口239も設けられる。アーム224の長さは、支柱245が開口235に挿入されるとアーム224が撓むことを要する。したがって、アーム224はばね要素として作用する。
図6Cは中立閉鎖位置にあるストラップ222を示し、図6Dは中立開放位置にあるストラップ222を示す。これに代えて、支柱245が開口235に挿入されると中央部が撓むように、アーム224を中央部240より短く形成してもよい、ということが理解されるべきである。この代替的な構成では、アーム224は少なくとも当初は荷重支持部材として機能し、中央部240はばね部材として機能するであろう。もちろん、上述のように、使用中、荷重支持部材が十分に弾力的に伸びて、ばね部材も荷重を支持するようになってもよい。より長い要素とより短い要素とを逆にすることも、この発明から逸脱することなく、ここに開示される他の実施例に同様に取入れられてもよい。
図7Aおよび図7Bは、形状シフト要素を有するストラップ322の第3の実施例を示す。図7Aは、ストラップ322の平面図を示す。遠位部325は複数の開口を含み、近位部323は、中央部324から1対の外側アーム340を区切る、間隔のあいた1対の細長いスロット335を含む。ストラップ322は、中央部324がアーチ形になって平坦なストラップ322からしなるように形成される。たとえば、ストラップ322は、中央部324がアーチ形に成形された状態で、一体型構造として射出成形されてもよい。ストラップ322のヘッド部341は、装着開口339を含む。
図7Bは中立開放位置にあるストラップ322を示し、中立閉鎖位置にあるストラップ322を仮想線で示す。
図8A〜8Dは、形状シフト要素を有するストラップ422の第4の実施例を示す。図8Aは組立前のストラップ422の平面図を示し、図8Bは使用のために構成されたストラップ422を示す。ストラップ422は、遠位部425と、間隔のあいた対応する装着開口439を有するヘッド部441を各々有する2つの細長いアーム424を含む分岐した近位部423とを含む。このストラップは、装着開口439同士が互いに整列され隣接するまでアーム424をともに撓めることによって設置される。ストラップ422をベースプレートアセンブリ102に固定するために、ボルト(図示せず)などの装着枢軸が、隣接する開口439を通って延在する。
装着開口439同士を整列させるために必要とされる撓みにより、撓んだアーム424がしなることが理解されるであろう。図8Cおよび図8Dに示すように、しなったアーム424は2つの異なる中立位置間で動かされてもよい。図8Cに示す中立閉鎖位置では、ストラップ422の遠位端がベースプレートの上方に配置され、図8Dに示す中立開放位置では、ストラップ422の遠位端がベースプレートの上方にはないように、ストラップ424はバインディングに取付けられる。
図9A〜9Dは、形状シフト要素を有するストラップ522の第5の実施例を示す。図9Aは使用のための組立の前のストラップ522の平面図を示し、図9Bは使用のために構成されたストラップの平面図を示す。ストラップ522の近位部523は、対向して配置されたアーム524から中央部540を区切る細長いU字型のスロット535を含む。中央部540の下方にヘッド部541が配置される。ヘッド部541には装着開口539が規定されており、同様の装着開口538が、中央部540の近位端近くに形成されている。図9Bに示すように、組立てられると、ヘッド部541は、装着開口538/539が整列され重なり合うように、上方に動かされる。もちろん、これはアーム524がアーチ形に撓むことを要する。図9Cおよび図9Dは、中立開放位置および中立閉鎖位置にあるストラップ522をそれぞれ示す。
例示的な実施例が例示され説明されてきたが、この発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更をそれに加えることができるということが理解されるであろう。
Claims (20)
- ベースプレートを有するスノーボードバインディング用のストラップであって、
細長い遠位部と近位部とを含み、近位部は、バインディングベースプレートに取付けられるよう構成されたヘッドと、細長い遠位部をヘッドと接続する荷重支持部と、細長い遠位部からヘッドに延在する少なくとも1つの形状シフト要素とを含み、
形状シフト要素は、(i)遠位部の遠位端がベースプレートの上方に配置される閉鎖位置に向けて、形状シフト要素が遠位部を付勢する凹形状と、(ii)形状シフト要素が開放位置に向けて遠位部を付勢する凸形状との間でシフトするよう構成されている、ストラップ。 - ストラップは、単一の一体型構造として形成される、請求項1に記載のストラップ。
- 細長い遠位部は、間隔の狭い複数の隆起をさらに含む、請求項1に記載のストラップ。
- 少なくとも1つの形状シフト要素は、ヘッドに取付けられるよう構成された足部を有する細長いアームを含む、請求項1に記載のストラップ。
- ヘッドは、前端で開放され、かつ細長いアームの足部を受けて保持するようにサイズおよび形が決められた窪みを規定する、請求項4に記載のストラップ。
- ヘッドは、窪みを横切って配置された横断する係止要素をさらに含み、足部は、窪みを横切って配置された係止要素に係合する相補形の横断する係止要素をさらに含む、請求項5に記載のストラップ。
- 少なくとも1つの形状シフト要素は、対向して配置された1対の細長いアームを含み、各アームは足部を有し、さらに、
ヘッドは、1対の細長いアームのうちの対応する一方を係止して受けるよう構成された1対の窪みを規定しており、
足部が窪みに保持されると、細長いアームは曲げられる、請求項1に記載のストラップ。 - 荷重支持部は、遠位部からヘッドに延在する間隔のあいた1対のアームを含み、
形状シフト要素は、間隔のあいた1対のアーム間に配置される、請求項1に記載のストラップ。 - 間隔のあいた1対のアームは、ストラップの近位部における平行な1対の細長いスロットによって形成される、請求項8に記載のストラップ。
- 荷重支持部はストラップの近位部における細長いU字型のスロットによって規定され、
ヘッドは装着開口を規定し、荷重支持部は装着開口を規定しており、さらに、
ストラップが組立てられると、ヘッドの装着開口と荷重支持部の装着開口とは互いに整列され隣接する、請求項1に記載のストラップ。 - ベースプレートと、ヒールループと、ハイバックとを有するタイプのストラップタイプスノーボードバインディング用のストラップアセンブリであって、前記ストラップアセンブリは、
(i)内側装着ストラップと、
(ii)バックルアセンブリを有する中央ストラップ部とを含み、中央ストラップ部は内側装着ストラップに調節可能に取付けられており、前記ストラップアセンブリはさらに、
(iii)バックルアセンブリに解除可能に係合するよう構成された外側装着ストラップとを含み、
内側装着ストラップおよび外側装着ストラップのうちの少なくとも一方は形状シフトストラップを含み、形状シフトストラップは、中央ストラップ部に係合するよう構成された遠位部と、近位部とを有し、近位部は、(i)バインディングベースプレートに取付けられるよう構成されたヘッドと、(ii)遠位部をヘッドと接続する荷重支持部と、(ii)遠位部からヘッドに延在する形状シフト要素とを含み、
形状シフト要素は、遠位部がベースプレートに向けて付勢される閉鎖位置と、遠位部がベースプレートから遠ざかるよう付勢される開放位置との間で、ユーザによって選択的にシフトされるよう構成されている、ストラップアセンブリ。 - 形状シフト要素は、閉鎖位置では凹状、開放位置では凸状である細長いアーチ形のアームである、請求項11に記載のストラップアセンブリ。
- 形状シフトストラップは、単一の一体型構造として形成される、請求項11に記載のストラップアセンブリ。
- 細長い遠位部は梯子状ストラップを含む、請求項11に記載のストラップアセンブリ。
- 形状シフト要素は、ヘッドに解除可能に取付けられるよう構成された足部を有する細長いアームを含む、請求項11に記載のストラップアセンブリ。
- ヘッドは、前端で開放され、かつ細長いアームの足部を受けて保持するようにサイズおよび形が決められた窪みを規定する、請求項15に記載のストラップアセンブリ。
- ヘッドは、窪みを横切って配置された横断する係止要素をさらに含み、足部は、窪みを横切って配置された係止要素に係合する相補形の横断する係止要素をさらに含む、請求項16に記載のストラップアセンブリ。
- 形状シフト要素は、対向して配置された1対の細長いアームを含み、各アームは足部を有し、さらに、
ヘッドは、1対の細長いアームのうちの対応する一方を係止して受けるよう構成された1対の窪みを規定しており、
足部が窪みに保持されると、細長いアームは曲げられる、請求項11に記載のストラップアセンブリ。 - 荷重支持部は、遠位部からヘッドに延在する間隔のあいた1対のアームを含み、
形状シフト要素は、間隔のあいた1対のアーム間に配置される、請求項11に記載のストラップアセンブリ。 - 間隔のあいた1対のアームは、ストラップの近位部における平行な1対の細長いスロットによって形成される、請求項19に記載のアセンブリストラップ。
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