JP2013528050A - 真菌から揮発性有機化合物を製造するシステムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2010年5月18日に出願された米国特許仮出願第61/345,918号の優先権を主張し、その開示全体は、本明細書において示されるように全体として参照により本明細書に組み入れられる。
揮発性有機化合物(VOC)の特定および製造は、多くの商工業の発展および拡大において駆動力であり続ける。例えば、一般的にユーカリプトールと呼ばれる1,8-シネオールは、精油の70〜85%を構成する、ユーカリ油の薬学的に活性を有する成分である。ユーカリ油の伝統的な使用は、主に、処方箋の無い調合薬、芳香剤、および脱脂界面活性剤を含む(Opdyke, 1975, Food and Cosmetics Toxicology 13: 91-112(非特許文献1);Hong and Shellock, 1991, American Journal of Physical Medicine and Rehabilitation 70:29-33(非特許文献2);Leung, Y. (1980). Eucalyptus. New York: Wiley.(非特許文献3);Furia, T., & Bellanca, N. (1971). Fenaroli's Handbook of Flavor Ingredients. Cleveland, Ohio: Chemical Research Co.(非特許文献4);Barton, et al., 1997, Chemistry in Australia 64:4-6)(非特許文献5)。1,8-シネオールはまた、エタノール-ガソリン燃料ブレンドにおいて添加物として使用されると相分離を予防することが示されているため、代替燃料製造において潜在的用途を有し(Barton and Tjandra, 1989, Fuel 68:11-17(非特許文献6))、かつ、ガソリン/ユーカリ油混合物から構成される代替燃料(主要な燃料成分として1,8-シネオールを有する)は、改善されたオクタン価および減少した一酸化炭素排気を結果としてもたらした(米国特許第4,297,109号(特許文献1))。
本発明は、印象的な範囲の揮発性有機化合物(VOC)、とりわけ、最も注目すべきことに、1,8-シネオール、1-メチル-1,4-シクロヘキサジエン、および(+)-α-メチレン-α-フェンチョカンホロンを産生することができる、分離された真菌株に関連する(下記の表3を参照されたい)。本発明はまた、真菌からそのようなVOCを製造する方法、ならびに、商業的および/または工業的使用のために製造されたVOCを収集または回収する方法に関連する。
他の方法で定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書において記載されるものと同様または同等の任意の方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、好ましい方法および材料が記載される。
常緑樹であるパーシア・インディカを宿主とする内生菌の探索により、本明細書において記載されるようなヒポキシロン属の種の存在が明らかになった。本生物の調査により、1,8-シネオール;1-メチル-1,4-シクロヘキサジエン、および(+)-α-メチレン-α-フェンチョカンホロンを非限定的に含む重要なVOCを産生することが明らかになった(下記の表3を参照されたい)。これらの化合物は、Mycodiesel(商標)(Strobel, et al., 2008, Microbiology 154:3319-3328)として現在公知であるいくつかの他の内生真菌のVOCのように、燃料または添加物などの潜在的な工業的有用性を有する。
以前に述べたように、本発明は、下記の表3に列挙される炭化水素などの揮発性有機化合物を産生する内生真菌に関連する。構造が図5に示される、1,8-シネオール、1-メチル-1,4-シクロヘキサジエン、および(+)-α-メチレン-α-フェンチョカンホロンの産生が、特に関心対象である。これらの化合物の各々は、モノテルペン自体か、またはモノテルペン化合物の直接誘導体のいずれかである。モノテルペンが植物精油の最重要構成要素であることを考慮すると、内生真菌によるそのような化合物の産生は、これらの真菌がそのそれぞれの高等植物宿主と共進化するにつれて、遺伝子導入が起き、特徴的な宿主植物化学物質の産生をもたらしたという見解を支持し得る(Strobel and Daisy, 2003, Microbiology and Molecular Biology Reviews 67:491-502)。これがこの特定の内生菌に合致するかどうかにかかわりなく、1,8-シネオールが、カリフォルニアにおけるパーシア・インディカ植物の葉から収集される精油の構成要素であるとは知られていない(Weyerstahl, et al., 1993, Flavour and Fragrance Journal 8:201-207)。しかしながら、この分離株の高度に多様な環境を考慮すると、この可能性は無視されるべきではない。典型的に抗微生物活性と関連するモノテルペン化合物を合成するヒポキシロン属の種の能力は、精油を産生する植物に生息する微生物の能力を例証し、かつこれらの化合物の生合成経路を獲得する潜在的な役割は見落とされるべきではない(表2)。
当業者により理解されるであろうように、表4に列挙される成分の任意のものを、任意の比および組み合わせで非限定的に含む、真菌の増殖を促進するのに適する任意の基質が、VOCの製造において使用されてもよいことが、認識されるべきである。本明細書において企図される際、炭水化物供給源として大量のデンプンを含有する基質利用アッセイにより実証されるように、高デンプン基質は、最適なVOC産生を促進する(表4)。ある特定の態様において、セルロースもまた、適当な基質であり得る。莫大な量の累積セルロース性バイオマスおよびアルコール(燃料)の製造における食料穀物の利用を考慮すると、VOCの産生のためにセルロースを利用する微生物は、実に魅力的である。
選択された真菌分離株によりいったん産生されると、培養培地からまたは増殖チャンバー中の蒸気から、表3に列挙されるVOCを分離するために、いくつかの方法を使用することができる。例えば、一般的な分離技術を、培養液または寒天から細胞を除去するために使用することができ、かつ、(非限定的に)抽出、蒸留、およびカルボカラム(carbocolumn)捕捉手順などの一般的な分離手順を、細胞を含まない培養液または寒天からVOCを取得するために使用することができる。例えば、各々が全体として参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第4,275,234号、第5,510,526号;第5,641,406号、および第5,831,122号、ならびに国際特許出願番号第WO 93/00440号を参照されたい。
本発明はまた、少なくとも一種のVOCの産生収量か、または、変異体もしくは改変された真菌が少なくとも一種のVOCを産生できる速度を最終的に増加させる、変異体または改変された真菌を含む。変異体または改変された真菌は、当業者により理解される様々な方法および組成物での、またはそれらによる真菌の処置により取得可能である。例えば、親株は、N-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジン、エチルメタンスルホンなどの化学物質で、またはγ線、x線を用いた照射もしくはUV照射により、または他の手段により処置されてもよい。
本発明はまた、本発明の組成物の原材料の一つまたは複数で満たされた一つまたは複数の容器を含むキットを提供する。本発明は、本明細書において記載される方法の任意のものにおいて使用することができるキットを提供する。一つの態様において、キットは、一つまたは複数の容器中に、少なくとも一つのノデュロスポリウム属の種、ヒポキシロン属の種、ダルジニア属の種、またはムスコドル属の種を含む。生物は、培地中で凍結して、凍結乾燥して、および/または胞子として供給することができる。キットはまた、最適なVOC産生に最適な条件の下で真菌を増殖させるための指示用材料を含む。指示書における方法は、特定のバイオリアクター容積、精製計画、最適温度、pH、および/または他の条件を含んでもよい。キットはまた、増殖培地を含んでもよい。これらのキットの容器中に含有される培地は、すぐ使用できる配合物として、またはより濃縮された配合物として存在してもよい。さらに、培地は、乾燥粉末で供給することができる。従って、キットは、本発明の培地の乾燥粉末、および培地を懸濁するための液体を含むことができる。液体は、水または当技術分野において公知である緩衝液であってもよい。培地の滅菌用のフィルターもまた、提供されてもよい。
内生真菌培養株CI-4を、カナリア諸島に自生する常緑樹(パーシア・インディカ)由来の内生菌として取得した。一つの小さな葉身を、N-28°32'23";W-16°16'16"のスペインのテネリフェ島に生えていることが見出されたパーシア・インディカから切除した。この同一の島から試料採取した他の植物種は、アカシア属(Acacia)の種、ピヌス・カナリエンシス(Pinus canariensis)、プルヌス・ルシタニカ(Prunus lusitanica)、およびラムヌス・グランディフォリア(Rhamnus glandifolia)を含み、それらのいずれもCI-4の回収を助長しなかった。分離手順は、以前に記載されたプロトコルに従った(Worapong, et al., 2001, Cinnamomun zeylanicum. Mycotaxon 79:67-79;Ezra, et al., 2004, Microbiology 150:4023-4031)。簡潔には、内部組織の切除の前に外部組織を徹底的に70%エタノールに曝し、内部組織を素寒天およびグリセロールアルギニン培地(GAM)の標準的なペトリ皿上で培養した。その後、植物組織から増殖した内生真菌を選び取り、ポテトデキストロース寒天(PDA)上で再培養した。CI-4は、他の植物源からの迅速な分離を促進すると考えられるM.アルブス(M. albus)のVOCの存在下で容易に増殖することもまた、注目に値する(Strobel, et al., 2001, Microbiology 147:2943-2950)。15%グリセロール中に菌糸体の成長を支持するPDAの小さなプラグを置くことにより、真菌を-70℃で保管した。真菌を滅菌オオムギ種子にコロニー形成させ、続いてそれを風乾し、その後-70℃で保管する代替的な保管法もまた、利用した。
Ezraにより概要が述べられた以下のプロトコルに従って(Ezra, et al., 2004, Microbiology 150:4023-4031)、CI-4がコロニー形成した滅菌カーネーション葉に対して走査電子顕微鏡法(SEM)を実施した。真菌を、PDA、またはγ照射したカーネーション葉の上で数週間増殖させ、その後、SEMのために加工処理した。試料を、エタノール中でゆっくり脱水し、その後臨界点乾燥し、金でコーティングし、Everhart-Thornley検出器を用いて高真空モードで、FEI XL30走査電子顕微鏡(SEM)FEGで検査した。
真菌をPD培養液上で7日間増殖させ、その後菌糸体を採取し、DNeasy Plant and Fungi Mini Kit (Qiagen)を用いて、製造業者の指示に従いゲノムDNAを抽出した。真菌の内部転写スペーサー(ITS)領域を、以下のユニバーサルITSプライマーでのPCRを用いて増幅した:
すべての他の手順は、Ezraにより以前に記載されたように行った。DNAを配列決定し、GenBankに投稿した。本研究において取得した配列を、BLASTソフトウェアを用いてGenBankデータベースと比較した。ギャップを含有する位置およびデータが無い位置をデータセットから排除し(complete deletion option)、MEGA4(Tamura, et al., 2007, Molecular Biology and Evolution 24:1596-1599)および近隣結合法(Saitou and Nei, 1987, Molecular Biology and Evolution 4:406-425)を用いて、系統樹を構築した。
CI-4により産生されたVOCを、ムスコドル・アルブス(Muscodor albus)により産生されたVOCの分析のために以前に記載されたバイオアッセイ試験システムに従って(Strobel, et al., 2001, Microbiology 147:2943-2950)、選択された病原性真菌および細菌に対する阻害的抗微生物活性について試験した。揮発性生理活性化合物の最適な産生を、試験生物を様々な齢の培養物に曝露することにより判定した。3〜7日後にCI-4により産生されたVOCの阻害活性を比較し、その結果、観察された最大阻害が、最高濃度の生理活性VOCを示唆すると考えられた。その後のバイオアッセイ試験を、より広い範囲の試験生物について、CI-4が最大量の生理活性VOCを産生した適切な点で実施した。
様々な選択された培地を、CI-4によるVOC産生を最も促進する基質の組み合わせを判定するために使用した。PDA上で活発に増殖するCI-4の培養物から取得した単一のプラグを、各々の寒天ベースの培地に接種するために使用した。1.8シネオールは臭いにより容易に検知されるため、この化合物の予備的定量を、ヒト嗅覚法により概算した。パラフィルムで密封し、22℃で増殖させた7日間培養物に対して、2回の別々の機会で7人の異なる観察者により、独立した評点を与えた。評点システムは、1(低〜無)から5(最大の産生)までであった。評定を平均化し、標準偏差を計算した。
8日間23℃で、PDA上で増殖させたCI-4の培養物の上部の空間におけるガスの分析を、Strobelにより記載された以下のプロトコルに従って実施した(Strobel, et al., 2001, Microbiology 147:2943-2950)。最初に、安定で柔軟なファイバー上にポリジメチルシロキサン上の50/30ジビニルベンゼン/carboxenからなる焼いた「固相マイクロ抽出」シリンジ(Supelco)を、ペトリプレートの側面に開けた小さな穴を通して置き、高濃度の真菌VOCのために5分間のみ蒸気相に曝露した。その後、シリンジを、0.50μmの薄膜厚を有する30 m x 0.25 mm I.D. ZB Waxキャピラリーカラムを含有するHewlett Packard 6890ガスクロマトグラフのスプリットレス注入口中へ挿入した。カラムは、以下のように温度をプログラムした:30℃2分間、5℃/分で220℃へ上昇。キャリアガスは超高純度ヘリウムであり、最初のカラムヘッド圧力は50 kPaであった。揮発性物質を捕捉する前に、ファイバーを、ヘリウムガスの流れの下で、240℃で20分間調整した。30秒の注入時間を使用して、GC中に試料ファイバーを導入した。ガスクロマトグラフを、単位解像度で稼働するHewlett Packard 5973質量選択検出器(質量分析計)に接続した。MSは、35〜360 amuの質量範囲に渡って1秒あたり2.5スキャンの速度でスキャンした。データの獲得およびデータの加工処理は、Hewlett Packard ChemStationソフトウェアシステム上で実施した。CI-4により産生された化合物の仮特定を、NISTデータベースを用いてライブラリー比較により行い、本報告において記載されるすべての化学化合物は、NISTデータベース化学用語法を使用する。最終の確証的特定は、Sigma/Aldrichから取得される利用可能な真正標準品を有する任意の化合物について、1-8-シネオールおよび1-メチル-1,4-シクロヘキサジエンを含む、標準品のGC/MSデータを、真菌産物のGC/MSデータと比較することにより行った。GC/MS試験は、真菌ガスに対するファイバーの様々な曝露時間の下で数回実施し、真菌により産生されるVOCの大きな体積を考慮すると、5分の曝露が最適であった。
20±2℃で1L瓶におけるPDAの300 ml斜面上で増殖する2.5日間培養物から開始して、連続的モニタリング方式で真菌揮発性物質の産生を定量するために、PTR-MSを使用した。瓶は、10 std cc/分の精製された圧縮空気を伴う吸入口および排出口管の両方を有するように改変されているOリング密封キャップを有した(Ezra, et al., 2004, Plant Science 166:1471-1477)(図1)。スペクトル中に生じるすべてのイオンのモニタリングを7.5日間行い、VOCの濃度を概算した(Ezra, et al., 2004, Plant Science 166:1471-1477;Bunge, et al., 2008, Appl Environ Microbiol 74:2179-2186;Strobel, et al., 2008, Microbiology 154:3319-3328)。培養した試料および接種していない試料の空間分析を、培養瓶に空気(医療グレードの圧縮空気)の小さな流れを通すことにより行い、その後、同一品質の空気で希釈した(図1)。試料ラインは、全体的にPFA Teflon管類および付属品で構築した。1/20〜1/10希釈により、機器の直線的ダイナミックレンジ内に測定値を保ち、かつ試料ライン中に水が凝縮するのを予防した。20〜220 Daの質量スペクトルスキャンを獲得した。
アッセイ試験生物の感受性の程度は、24時間曝露されたヒポキシロン属の種の培養物の齢に依存した(表1)。
報告するパーセンテージは、ヒポキシロン属の種を除いたPDAプレート上の試験生物の増殖と比較したものである。
阻害値を、3日の曝露で処置していない対照試験生物と比較した増殖阻害のパーセンテージとして計算した。試験を三連で実施し、標準偏差により示されるように結果は変動した。すべての生物は、真菌VOCへの曝露後に生存していた。
*は、進行性バイオアッセイ試験システムにおいても使用した生物を意味する。D=死およびA=生
いくつかのGC/MS分析を、ヒポキシロン属の種の8日間培養物により産生されたVOCについて実施した。接種していないPDAペトリプレートからなる対照を、培地が寄与する化合物を差し引くために使用した。真菌VOCの予備的特定を、未知の揮発性物質の、NISTデータベースに列挙される参照化合物のMSデータとの比較により判定した。VOCの大部分は決定的には特定できないことが注目されるべきである。しかしながら、特定することができたVOCについては、可能性のある化合物の特定を確認するために真正標準品を使用したところ、1,8-シネオールおよび1-メチル-1,4-シクロヘキサジエンを含んだ。さらに、他の化合物は、品質一致を60%とした任意のカットオフで、NISTデータベースに対する品質の一致(%)に基づいて、暫定的に特定した。最も豊富な化合物は、GC溶出プロファイルの統合されたピーク面積全体に基づき、モノテルペンの(+)-α-メチレン-α-フェンチョカンホロンであると暫定的に特定した(表3)(図5)。
対照PDAペトリプレート中に存在する化合物を、データから差し引いている。未知の化合物とは、60未満の品質%値を有するものを表す。
*は、滞留時間およびMSスペクトルが、真正標準化合物と厳密に一致したかまたは同一であったことを意味する。明示された注釈の無い化合物は、NISTデータベースにおける適切な化合物と最も厳密に一致した質量スペクトルを有する。未知は、60%未満の品質格付けを有した。
?は、列挙された化合物の実際の同一性について疑問が残り、実際の産生物の正確な溶出時間が不特定のままであることを意味し、ピークは、(+)-α-メチレン-α-フェンチョカンホロンの異性体を表す可能性がある。
ヒポキシロン属の種を、アミノ酸の供給源としてペプトンよりも酵母エキスで強化した培地上で増殖させた場合、一般に、揮発性化合物のより高い濃度が、嗅覚法により検出された(デンプンとの組み合わせにおいてのみ見られた以外)。PDA、オートミール寒天、およびMPを含む、炭水化物の供給源としてデンプン、グルコース、およびセロビオースを含有する培地もまた、より高い濃度の、嗅覚法により検出可能な揮発性化合物を促進した。
ヒポキシロン属の種により産生される揮発性産物の濃度を、PDAの300 ml斜面を有する1 L瓶中の上部の空間において連続的に定量するために、PTR-MSを含む直接法を用いた(図1)。PTRスペクトルにおけるすべてのイオンを連続方式でモニタリングしたところ、これらは質量41〜205の範囲であった(図6)。最大イオン産出量を、約6日のインキュベーションで検出した。これはヒポキシロン属の種のVOCに対するアッセイ生物の感受性と一致する(図7)(表1)。真菌VOCの最大産生全体は、6日で145 ppmvであり、7.65 ppmv/時間の計算速度であった(図7)。この真菌の、全体のVOC産生量は、他のガスを産生する真菌の産出量と比較した場合、相当なものであるように見られる(Ezra, et al., 2004a, Microbiology 150:4023-4031;Strobel, et al., 2008, Microbiology 154:3319-3328)。ガス混合物の主な成分は、PTR質量スペクトルがエタノール、アセトアルデヒド、および、質量が120である不飽和化合物のプロトン化された形を表す可能性が最も高い質量121と一致する化合物であった(表3)。1,8シネオール、ならびに、81、137、および155の質量を生成する他のテルペノイドと一致するイオンはまた、実験の時間経過に渡ってその濃度の概算を可能にし、それらは5.5〜6日で最高点に達する(図7)。しかしながら、フラスコ中の、質量155に基づく1,8シネオール産生の直接概算値は、6日で約800 ppbvであり、真菌VOC全体の約0.5%である。
Claims (20)
真菌の胞子を変異させる段階;
変異した胞子を培養する段階;ならびに
1,8-シネオール、1-メチル-1,4-シクロヘキサジエン、および(+)-α-メチレン-α-フェンチョカンホロンからなる群より選択される少なくとも一つの化合物の増強された産生速度または産生量について、変異した胞子の培養物をスクリーニングする段階。
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