JP2013258871A - 伝送装置及び非接触電力伝送システム - Google Patents

伝送装置及び非接触電力伝送システム Download PDF

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直 近藤
Takeshi Furuike
剛 古池
Hiroshi Katsunaga
浩史 勝永
Yuichi Taguchi
雄一 田口
Keisuke Matsukura
啓介 松倉
Hiroki Tsunekawa
裕輝 恒川
Hiroki Togano
博樹 戸叶
Keisuke Inoue
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Abstract

【課題】蓄電部を有する機器に電力を供給する機器に対して蓄電部から放電可能な伝送装置を提供すること。
【解決手段】非接触電力伝送システムは、互いに非接触にて電力伝送可能に連結される地上側伝送装置12と車両側伝送装置13を有する。地上側伝送装置12は、電力伝送を制御する制御コントローラ33を備える。車両側伝送装置13の車両側コントローラ51は、自動的に放電処理を開始する。
【選択図】図1

Description

本発明は、伝送装置及び非接触電力伝送システムに関する。
従来、電動車両(EV:Electric Vehicle)は、走行のための電動機(モータ)を駆動する電力を蓄える蓄電池を搭載している(例えば、特許文献1参照)。この蓄電池は、例えば、家庭などに備えられた機器から電力が供給される。
特開2009−106136号公報
このような電動車両において、例えば、一時的な電力供給不足などを補う目的で、蓄電池に蓄えられた電力を放電して家庭の機器等に供給することが考えられる。しかし、従来では、利用者が放電の指示をした直後に放電する方法しか考えられていないため、放電が必要な状況で利用者が放電の指示をできない場合、放電することができないという問題があった。
本発明の目的は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、蓄電部を有する機器に電力を供給する機器に対して蓄電部から自動で放電可能な伝送装置及び非接触電力伝送システムを提供することにある。
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、交流電力が入力される1次側コイルを有する1次側伝送装置から非接触で前記交流電力を受電する伝送装置において、前記1次側コイルから非接触で前記交流電力を受電可能な2次側コイルと、前記2次側コイルにて受電した前記交流電力により充電される蓄電部と、前記蓄電部に蓄えられた電力を放電させる放電部と、予め定めた所定時間に前記放電が行われるように前記放電部を制御する制御部とを有する。
これによれば、蓄電部を有する機器に電力を供給する機器に対して、蓄電部に蓄えた電力を自動的に放電することで、その放電される電力を有効に利用することが可能となる。
なお、本発明における「予め定めた所定時間」とは、利用者により設定された時間だけでなく、特定の事象(例えば、震度6以上の地震)が起きた時間も含む。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の伝送装置において、前記放電された電力を非接触で受電可能な位置に前記1次側伝送装置が存在するか否か判定する位置判定部を有し、前記制御部は、前記位置判定部が前記放電された電力を非接触で受電可能な位置に前記1次側伝送装置が存在すると判定した後、前記放電部を制御する。
これによれば、放電された電力を受電する1次側伝送装置が存在しない場合は、放電を行わないようにすることで、伝送装置の故障等の発生を抑制することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の伝送装置において前記放電された電力を交流電力に変換する変換部を有し、前記変換部にて変換された前記交流電力は、前記2次側コイルを介して前記1次側伝送装置へ非接触で送電される。
これによれば、1次側コイルと2次側コイルとの間で双方向に電力伝送を行うことができ、蓄電部から放電するために電力ケーブル等を接続する手間をかけることなく、蓄電部に蓄えた電力を自動的に放電することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の伝送装置において、前記制御部は、前記蓄電部に蓄えられた電力量が予め定めた所定値以下になった場合、前記放電を中止するように前記放電部を制御する。
これによれば、放電した後であっても、蓄電部を備えた機器を使用することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、前記1次側伝送装置と、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の伝送装置と、を備える非接触電力伝送システムである。
これによれば、1次側伝送装置と、蓄電部を備え1次側伝送装置から非接触で交流電力を受電する伝送装置を有する非接触電力伝送システムにおいて、蓄電部に蓄えた電力を自動的に放電することで、その放電される電力を有効に利用することが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の非接触電力伝送システムにおいて、前記1次側伝送装置は、前記放電された電力によって充電される1次側蓄電部を有する。
これによれば、利用者が意図しなくても所定の期間に、放電された電力を使って1次側蓄電部24を充電することが可能となる。
本発明によれば、蓄電部を有する機器に電力を供給する機器に対して蓄電部から自動で放電する伝送装置及び非接触電力伝送システムを提供することができる。
非接触電力伝送システムの構成を示すブロック図。 別の非接触電力伝送システムの一部構成を示すブロック図。
以下、一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、非接触電力伝送システムは、1次側コイルを有する伝送装置(1次側伝送装置。以下、地上側伝送装置)12と、移動体としての車両に搭載された2次コイルを有する伝送装置(以下、車両側伝送装置)13とを有している。この車両は、バッテリ14に蓄えられた電力に基づいて走行可能に構成されている。地上側伝送装置12と車両側伝送装置13は、地上側伝送装置12に備えられた地上側カプラ21及び車両に備えられた車両側カプラ41を介して非接触で電力の伝送が行われる。
電力系統11は、例えば火力発電所等の発電設備により生成された交流電力の送電経路、交流電力により駆動する電子機器(例えば宅内に備えられたテレビ等の家電製品)に電力を供給する配線経路(例えば、宅内配線)、等を含む。非接触電力伝送システムは、電力系統11から地上側伝送装置12に供給される交流電力に基づいて車両に搭載された蓄電部としてのバッテリ14を充電する機能を有している。また、非接触電力伝送システムは、バッテリ14に蓄えられた電力を地上側伝送装置12にむかって放電する機能を有している。
先ず、充電機能に係る構成を説明する。
地上側伝送装置12は、系統連携リレー22、AC/DC変換器23、リレー37,38、DC/DC変換器25、DC/RF変換器26、フィルタ(「FIL」と表記)27、第1のインピーダンス調整器(「MAT」と表記)28、リレー29を有している。車両側伝送装置13は、リレー42、整流器(「REC」と表記)43、フィルタ(「FIL」と表記)44、DC/DC変換器45、リレーセンサ46を有している。
電力系統11から供給される電力は、系統連携リレー22を介してAC/DC変換器23に供給される。AC/DC変換器23は、制御コントローラ(単に「コントローラ」と表記)33によって交流電力を直流電力に変換するように制御され、変換後の直流電力を出力する。なお、このAC/DC変換器23は、電力を双方向に変換可能に構成されている。つまり、AC/DC変換器23は、電力系統11から供給される交流電力を直流電力に変換する。また、AC/DC変換器23は、直流電力を交流電力に変換する。AC/DC変換器23から出力される直流電力は、リレー37,38を介してDC/DC変換器25に供給される。リレー37は、リレー38をAC/DC変換器23または1次側蓄電部(単に「蓄電部」と表記)24に接続するために設けられ、例えば制御コントローラ33により制御される。リレー38は、リレー37を充電経路または放電経路に接続するために設けられ、例えば制御コントローラ33により切換制御される。DC/DC変換器25は、制御コントローラ33によって入力電力の電圧を変換するように制御される。DC/DC変換器25は、変換後の電力をDC/RF変換器26に供給する。DC/RF変換器26は、制御コントローラ33によって所定周波数の交流電力を生成するように制御され、交流電力をフィルタ27に出力する。フィルタ27は、例えばコイルやコンデンサ等の受動素子により構成され、交流電力における高調波成分を除去するように設定されている。フィルタ27から出力される交流電力は、第1のインピーダンス調整器28に供給される。
第1のインピーダンス調整器28は、コイルと可変コンデンサとからなるLC回路で構成されており、ロスや反射を抑制するために設けられている。第1のインピーダンス調整器28は、制御コントローラ33により調整される。制御コントローラ33は、例えばDC/RF変換器26の出力端子等に接続されたインピーダンス測定器(例えば、電圧センサ)の測定結果に基づいて第1のインピーダンス調整器28を調整する。第1のインピーダンス調整器28から出力される高周波交流電力は、リレー29を介して地上側カプラ21に供給される。リレー29は、地上側カプラ21を充電経路または放電経路に接続するために設けられ、例えば制御コントローラ33により切換制御される。
地上側カプラ21と車両側カプラ41は、コイルを有し、所定の方式(例えば、共鳴方式)に応じて構成されている。例えば、共鳴方式のカプラは、並列に接続されたコイル及びコンデンサからなる共振回路で構成されている。詳述すると、地上側カプラ21は、交流電力が入力される図示しない1次側コイルとコンデンサからなる1次側共振器で構成されており、車両側カプラ41は、1次側コイルと磁気的に結合される図示しない2次側コイルとコンデンサからなる2次側共振器で構成されている。上記のDC/RF変換器26が生成する交流電力の周波数は、地上側カプラ21の共鳴周波数に対応する。地上側伝送装置12により生成された交流電力は、地上側カプラ21を介して車両側カプラ41により受電される。
車両側カプラ41により受電された交流電力は、リレー42を介して整流器43に供給される。リレー42は、車両側カプラ41を充電経路または放電経路に接続するために設けられ、例えば車両側コントローラ(単に「コントローラ」と表記)51により切換制御される。整流器43は、供給される交流電力を直流電力に整流する。この直流電力は、フィルタ44に供給される。フィルタ44は、例えばコイルやコンデンサ等の受動素子により構成され、整流器43から受電する直流電力を平滑化する。フィルタ44から出力された直流電力はDC/DC変換器45に供給される。
DC/DC変換器45は、車両側コントローラ51によって直流電力の電圧を変換するように制御され、変換後の直流電力を、リレーセンサ46に出力する。リレーセンサ46は、バッテリ14に接続され、そのバッテリ14を充電経路または放電経路に接続するために設けられ、例えば車両側コントローラ51により切換制御される。また、リレーセンサ46は、バッテリ14の充電状態(SOC)を検出するセンサ機能を有し、バッテリ14のSOCに応じた信号を出力する。
次に、放電機能に関する構成を説明する。
車両側伝送装置13は、DC/DC変換器47、DC/RF変換器48、フィルタ49、第2のインピーダンス調整器50を含む。地上側伝送装置12は、整流器(「REC」)30、フィルタ(「FIL」)31、DC/DC変換器32を有している。
バッテリ14に蓄えられた電力は、リレーセンサ46を介してDC/DC変換器47に供給される。DC/DC変換器47は、車両側コントローラ51によって直流電力の電圧を変換するように制御され、変換後の直流電力を出力する。DC/RF変換器48は、車両側コントローラ51によって直流電力を交流電力に変換するように制御され、変換後の交流電力をフィルタ49に出力する。つまり、DC/RF変換器48は、変換部として機能する。フィルタ49は、例えばコイルやコンデンサ等の受動素子により構成され、交流電力における高調波成分を除去するように設定されている。フィルタ49から出力された交流電力は、第2のインピーダンス調整器50に供給される。第2のインピーダンス調整器50は、コイルとコンデンサとからなるLC回路で構成されており、ロスや反射を抑制するために設けられている。第2のインピーダンス調整器50は、車両側コントローラ51により調整される。第2のインピーダンス調整器50から出力される交流電力は、リレー42を介して車両側カプラ41に供給される。
車両側カプラ41から地上側カプラ21によって受電して交流電力は、リレー29を介して整流器30に供給される。
整流器30は、供給される交流電力を直流電力に整流する。この直流電力は、フィルタ31に供給される。フィルタ31は、例えばコイルやコンデンサ等の受動素子により構成され、整流器30から受電した直流電力を平滑化する。フィルタ31から出力される直流電力はDC/DC変換器32に供給される。DC/DC変換器32は、制御コントローラ33によって直流電力の電圧を変換するように制御され、変換後の直流電力を出力する。DC/DC変換器32から出力される直流電力は、リレー38,37を介して1次側蓄電部24に供給され、その1次側蓄電部24に蓄電される。
次に、両機能に係る制御について説明する。
制御コントローラ33は、バッテリ14の充電を行うとき、リレー38がAC/DC変換器23に接続されるようにリレー37を切換制御し、リレー37がDC/DC変換器25に接続されるようにリレー38を切換制御し、地上側カプラ21が第1のインピーダンス調整器28に接続されるようにリレー29を切換制御する。同様に、車両側コントローラ51は、充電時に、車両側カプラ41が整流器43に接続されるようにリレー42を切換制御し、DC/DC変換器45がバッテリ14に接続されるようにリレーセンサ46を切りか制御する。車両側コントローラ51は、バッテリ14から放電するとき、DC/DC変換器47がバッテリ14に接続されるようにリレーセンサ46を切換制御し、車両側カプラ41が第2のインピーダンス調整器50に接続されるようにリレー42を切換制御する。同様に、制御コントローラ33は、放電時に、リレー38が1次側蓄電部24に接続されるようにリレー37を切換制御し、リレー37がDC/DC変換器32に接続されるようにリレー38を切換制御し、地上側カプラ21が整流器30に接続されるようにリレー29を切換制御する。
制御コントローラ33は、有線にて通信部34と電気的に接続されている。同様に、車両側コントローラ51は、有線にて通信部52と電気的に接続されている。両コントローラ33,51は、通信部34,52を介して互いに無線通信可能に接続される。なお、通信部34,52は、地上側伝送装置12に対して車両側伝送装置、つまり車両が所定距離よりも接近すると無線通信が可能となるように構成されている。
制御コントローラ33と車両側コントローラ51は、互いに無線通信を行い、充電処理と放電処理を実行する。
例えば、制御コントローラ33は、無線通信が確立し、図示しない充電スイッチが操作されると、通信部34,52を介して車両側コントローラ51に、充電を開始する旨を通知する。制御コントローラ33は、リレー38がAC/DC変換器23に接続されるようにリレー37を切換制御し、リレー37がDC/DC変換器25に接続されるようにリレー38を切換制御し、地上側カプラ21が第1のインピーダンス調整器28に接続されるようにリレー29を切換制御する。一方、車両側コントローラ51は、車両側カプラ41が整流器43に接続されるようにリレー42を切換制御し、DC/DC変換器45がバッテリ14に接続されるようにリレーセンサ46を切換制御する。
そして、制御コントローラ33は、AC/DC変換器23、DC/DC変換器25、DC/RF変換器26、及び第1のインピーダンス調整器28を制御し、交流電力を地上側カプラ21に供給する。この交流電力は、車両側カプラ41にて受電される。車両側コントローラ51は、DC/DC変換器45を制御する。このDC/DC変換器45から出力される直流電力はリレーセンサ46を介してバッテリ14に供給され、バッテリ14が充電される。車両側コントローラ51は、リレーセンサ46により、バッテリ14のSOCを検出する。そして、バッテリ14のSOCが所定値以上になると、車両側コントローラ51は、満充電である旨を通信部34,52を介して制御コントローラ33に通知する。制御コントローラ33は、その通知に応答して充電処理を終了する。
車両側コントローラ51は、自動で放電処理を実行する。
したがって、夜間電力を使って1次側蓄電部24を充電し、昼間、地上側伝送装置12から車両側伝送装置13に電力を伝送する際に1次側蓄電部24の電力を使用することが可能となる。このような利用方法のため、例えば、車両側コントローラ51は、タイマ機能を有し、このタイマ機能により、予め定めた所定の時間に放電処理を開始することができる。また、車両側コントローラ51は、タイマ機能により所定間隔毎に放電処理を行うことができる。つまり、車両側コントローラ51は、放電部,制御部として機能する。
この放電処理において、車両側コントローラ51は、先ず、認証処理を行う。認証処理は、地上側伝送装置12の有無の確認、地上側伝送装置12の適否判定、を含む。
車両側コントローラ51は、通信部52を介して通信可能な範囲に地上側伝送装置12の通信部34が存在するか否かを判定する。地上側伝送装置12は、車両のバッテリ14から放電する際に負荷として働く。負荷がないと、電力の反射によって車両側伝送装置13の破損を招く。このため、車両側コントローラ51は、先ず、地上側伝送装置12の有無を判定する。つまり、車両側コントローラ51は、位置判定部としても機能する。通信可能な通信部34が存在する場合、車両側コントローラ51は、地上側伝送装置12が、放電対象の装置か否かを判定する。この判定には、例えば識別コードが用いられる。識別コードには、地上側伝送装置12の機種番号、車両側伝送装置13が備えられた車両の車種コード、ユーザが設定する識別コード、等を用いることができる。
車両側コントローラ51は、通信部52を介して制御コントローラ33に対して識別コードを要求する。そして、車両側コントローラ51は、制御コントローラから受信した識別コードと、図示しないメモリ等に記憶した判定のためのコードとを比較する。両コードが一致する場合、車両側コントローラ51は、地上側伝送装置12が放電対象の装置であると判定する。識別コードを受信しない場合、またはコードが一致しない場合、車両側コントローラ51は放電対象ではないと判定し、放電処理を終了する。なお、識別コード以外に、地上側伝送装置12における伝送方式、地上側カプラ21の構成、地上側伝送装置12の電気的構成、等を用いることもできる。なお、1つの情報により判定することも、複数の情報により判定することもできる。
非接触にて電力伝送を行う方式として、共鳴方式、マイクロ波方式、電磁誘導方式、等がある。方式が異なると、電力伝送を行うことができない可能性が高い。これらの方式の情報を車両側コントローラ51と制御コントローラ33の間で授受することにより、同じ方式の放電対象を識別することが可能となる。また、同じ伝送方式であっても、カプラの形状(直径、巻数、等)やカプラの共振周波数が大幅に異なると、伝送効率の低下が看過できないレベルとなることや、インピーダンス調整器の調整による電力反射の抑制が不十分となる場合がある。このため、カプラの構成に係る情報を車両側コントローラ51と制御コントローラ33の間で授受することにより、効率の低下等を抑制することが可能となる。また、地上側伝送装置1において受電可能な電力値を越える電力値の電力が供給されると、機器の破損を招く場合がある。このため、装置の電気的構成に係る情報を車両側コントローラ51と制御コントローラ33の間で授受することにより、破損等の不具合の発生を抑制することが可能となる。
認証処理において、車両側コントローラ51は、通信相手の地上側伝送装置が放電対象の装置ではないと判定した場合、放電処理を終了する。一方、認証処理において、通信相手の地上側伝送装置が放電対象の装置であると判定した場合、認証処理を終了する。そして、車両側コントローラ51は、放電を開始する。
例えば、車両側コントローラ51は、通信部34,52を介して制御コントローラ33に、放電を開始する旨を通知する。車両側コントローラ51は、DC/DC変換器47がバッテリ14に接続されるようにリレーセンサ46を切換制御し、車両側カプラ41が第2のインピーダンス調整器50に接続されるようにリレー42を切換制御する。一方、制御コントローラ33は、リレー38が1次側蓄電部24に接続されるようにリレー37を切換制御し、リレー37がDC/DC変換器32に接続されるようにリレー38を切換制御し、地上側カプラ21が整流器30に接続されるようにリレー29を切換制御する。
そして、車両側コントローラ51は、DC/DC変換器47、DC/RF変換器48、及び第2のインピーダンス調整器50を制御し、交流電力を車両側カプラ41に供給する。この交流電力は、地上側カプラ21にて受電される。制御コントローラ33は、DC/DC変換器32を制御する。このDC/DC変換器32から出力される直流電力はリレー38,37を介して1次側蓄電部24に供給され、1次側蓄電部24に充電される。
車両側コントローラ51は、バッテリ14に蓄えられた電力がなくなると、放電を終了する。なお、バッテリ14は、主として車両を走行させるために用いられるものであり、車両側コントローラ51等の回路は、図示しないバッテリから供給される電力により駆動する。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)車両側コントローラ51は、自動的に放電処理を開始するように構成されている。したがって、車両に搭載されたバッテリ14から地上側伝送装置12にむかって自動的に放電が行われるため、バッテリ14に蓄えられた電力を有効に利用することができる。また、利用者が意図しなくても夜間に、夜間電力を使って1次側蓄電部24を充電することが可能となる。
(2)放電処理において、認証処理を行い、放電対象と判定した地上側伝送装置12に対して放電を行うようにした。その結果、装置が存在しない場合や、対象とならない装置に対して放電を行わないため、装置の故障等の発生を抑制することができる。
(3)車両側コントローラ51は、定期的に放電を行うように構成されている。したがって、利用者が意図しなくても定期的に地上側伝送装置12にむかって自動的に放電を行うことができる。
(4)車両側伝送装置13はDC/RF変換器48を有し、そのDC/RF変換器48によりバッテリ14から出力される電力を交流電力に変換する。変換後の交流電力は、車両側カプラ41を介して地上側カプラ21により受電される。したがって、地上側カプラ21と車両側カプラ41との間において双方向で電力伝送を行うことができるため、放電のために電力ケーブル等を接続する手間をかけることなく、バッテリ14の電力を地上側伝送装置12にむかって放電することができる。
なお、上記各実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
○地上側カプラ21にて受電した交流電力を整流した直流電力をAC/DC変換器23により交流電力に変換し、変換後の交流電力を系統連携リレー22を介して電力系統11にむかって出力するようにしてもよい。また、1次側蓄電部24に充電された電力をAC/DC変換器23により交流電力に変換し、この交流電力を系統連携リレー22を介して電力系統11に出力するようにしてもよい。
○車両側コントローラ51は、放電開始後、所定のタイミングで放電を終了するようにしてもよい。このタイミングは、例えば、放電時間である。車両側コントローラ51は、放電開始から、図示しないメモリ等に記憶した放電時間が経過すると、放電を終了する。なお、メモリ等に放電開始の時刻とともに放電終了の時刻を記憶し、この放電終了の時刻になったときに放電を終了するようにしてもよい。
また、バッテリ14の充電量に応じたタイミングで放電を終了するようにしてもよい。例えば、車両側コントローラ51は、リレーセンサ46により検出したバッテリ14の充電量が、メモリ等に設定された充電量(しきい値)以下となると、放電を終了する。設定された充電量は、車両を所定距離だけ走行させることができる電力量に対応する。このようにすると、放電後であっても、車両を走行させることが可能となる。
○AC/DC変換器23とDC/DC変換器25とDC/RF変換器26を、地上側カプラ21へ交流電力を供給する経路と、地上側カプラ21にて受電した交流電力を伝送する経路において共用し、DC/DC変換器32を省略してもよいし、AC/DC変換器23とDC/DC変換器25のみを共用し、DC/DC変換器32を省略してもよい。また、AC/DC変換器23とDC/DC変換器25とDC/RF変換器26の全てを、共用せず、地上側カプラ21へ交流電力を供給する経路と、地上側カプラ21にて受電した交流電力を伝送する経路のそれぞれに備えてもよい。
○カプラ21,41の構成を適宜変更してもよい。例えば、交流電力が供給されるコイルと、コイルと電磁結合される共鳴コイルを含む構成としてもよい。また、電界共鳴方式や電磁誘導方式などの他の方式に対応するカプラを用いてもよい。
○上記実施形態に対し、放電処理をキャンセル可能に構成してもよい。
例えば、図2に示すように、車両側伝送装置13aの車両側コントローラ51にはユーザインタフェース(「ユーザI/F」と表記)53が接続されている。ユーザインタフェース53は、例えば、車両のコンソールパネル等に備えられたスイッチ、オーディオ装置やカーナビゲーション装置の操作パネル(タッチパネル)、等である。なお、USB(Universal Serial Bus)や無線通信等により接続可能な装置(例えばキーパッドやキーボード)をユーザインタフェースとしてもよい。
車両側コントローラ51は、ユーザインタフェース53により設定されたキャンセル情報に基づいて、放電処理をキャンセルする。キャンセル情報は、例えば、車両の使用予定、バッテリ14の充電量、等である。車両側コントローラ51は、当日の使用予定、放電設定時刻と使用予定時刻との時間差、等に基づいて、放電処理をキャンセルする。また、車両側コントローラ51は、リレーセンサ46により現在のバッテリ14の充電量を検出し、その検出した充電量が設定された値(充電量)より低い場合に、放電処理をキャンセルする。なお、この設定値は、放電の終了を判定するために設定される充電量と等しい値、または異なる値としてもよい。
なお、ユーザインタフェース53は、図1に示す制御コントローラ33に接続されてもよい。この場合、放電処理において、制御コントローラ33は、設定されたキャンセル情報にしたがって、放電処理をキャンセルする旨を、通信部34,52を介して車両側コントローラ51に通知する。この通知を受けた車両側コントローラ51は、放電処理を終了する。
○バッテリ14の充電開始を制御コントローラ33から行うようにしたが、車両側コントローラ51から行うようにしてもよい。また、バッテリ14から放電する際に、車両側コントローラ51が処理を開始するように説明したが、処理開始を制御コントローラ33が行うようにしてもよい。
○上記実施形態に対し、認証処理を制御コントローラ33が行うようにしてもよい。
○共鳴方式のカプラ21,41を用いたが、マイクロ波方式や電磁誘導方式などの他の方式に対応するカプラを用いてもよい。
○図1に示す整流PFC(Power factor collection/Power factor controller)回路39を用いて系統電力を直流電力に変換するようにしてもよい。
○非接触にて充放電を行うシステムに具体化したが、プラグインハイブリッド自動車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)でもよい。
○図1に示す地上側伝送装置12において、DC/DC変換器32を省略してもよい。車両側伝送装置13において、DC/DC変換器45を省略してもよい。同様に、DC/DC変換器47を省略してもよい。
○図1に示すインピーダンス調整器28,50の少なくとも一方を省略してもよい。
○インピーダンス調整器を地上側伝送装置12の地上側カプラ21にて受電した交流電力を伝送する経路に設けてもよいし、車両側伝送装置13の車両側カプラ41にて受電した交流電力を伝送する経路に設けてもよい。
○地上側カプラ21にて受電した交流電力を整流した直流電力をAC/DC変換器23により交流電力に変換し、変換後の交流電力を系統連携リレー22を介して電力系統11にむかって出力するようにしてもよい。また、1次側蓄電部24に充電された電力をAC/DC変換器23により交流電力に変換し、この交流電力を系統連携リレー22を介して電力系統11に出力するようにしてもよい。
○地上側伝送装置12に、送電に使用する地上側カプラと受電に使用する地上側カプラを別々に設けてもよいし、車両側伝送装置13に、送電に使用する車両側カプラと受電に使用する車両側カプラを別々に設けてもよい。
○上記実施形態では通信部34,52を使って地上側伝送装置12の有無を判定したが、地上側伝送装置12の有無が判定できればどのような方法でもよく、例えば、赤外線センサを使用して地上側伝送装置12の有無を判定してもよい。
○上記実施形態では、地上側伝送装置12が、放電対象の装置か否かを判定したが、しなくてもよい。
○上記実施形態では、タイマ機能により、夜間に放電処理を開始することができるようにしたが、自動的に放電する方法はこれに限らず、例えば、震度6以上の地震が起きたことをきっかけにして放電するようにしてもよい。
12…地上側伝送装置(1次側伝送装置)、13…車両側伝送装置(2次側伝送装置)、14…バッテリ(蓄電部)、21…地上側カプラ(1次側コイル)、24…1次側蓄電部、33…制御コントローラ(第1の制御部)、41…車両側カプラ(2次側コイル)、48…DC/RF変換器(変換部)、51…車両側コントローラ(放電部,制御部,位置判定部)。

Claims (6)

  1. 交流電力が入力される1次側コイルを有する1次側伝送装置から非接触で前記交流電力を受電する伝送装置において、
    前記1次側コイルから非接触で前記交流電力を受電可能な2次側コイルと、
    前記2次側コイルにて受電した前記交流電力により充電される蓄電部と、
    前記蓄電部に蓄えられた電力を放電させる放電部と、
    予め定めた所定時間に前記放電が行われるように前記放電部を制御する制御部と
    を有することを特徴とする伝送装置。
  2. 前記放電された電力を非接触で受電可能な位置に前記1次側伝送装置が存在するか否か判定する位置判定部を有し、
    前記制御部は、前記位置判定部が前記放電された電力を非接触で受電可能な位置に前記1次側伝送装置が存在すると判定した後、前記放電部を制御することを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
  3. 前記放電された電力を交流電力に変換する変換部を有し、
    前記変換部にて変換された前記交流電力は、前記2次側コイルを介して前記1次側伝送装置へ非接触で送電されることを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
  4. 前記制御部は、前記蓄電部に蓄えられた電力量が予め定めた所定値以下になった場合、前記放電を中止するように前記放電部を制御することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の伝送装置。
  5. 前記1次側伝送装置と、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の伝送装置と、を備えた非接触電力伝送システム。
  6. 前記1次側伝送装置は、前記放電された電力によって充電される1次側蓄電部を有することを特徴とする請求項5に記載の非接触電力伝送システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016147663A1 (ja) * 2015-03-19 2016-09-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 非接触給電装置及び非接触給電システム

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