JP2013256998A - 樹脂歯車 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フェノール樹脂は金属に比べると吸水性が高いために、レゾール型フェノール樹脂粉末とアラミド繊維からなる樹脂歯車は吸水に伴う寸法安定性が十分ではない。
【解決手段】 レゾール型フェノール樹脂粉末に未反応生成物としてのフェノール単量体を含む樹脂を使用すると、加熱加圧成形時に樹脂と繊維が緻密に絡み合うために、空孔などが少なくなり、寸法安定性が高められる。
【選択図】 図2

Description

本発明は樹脂歯車に関するものであり、さらに詳しく述べるならば、フェノール樹
脂と繊維の抄造体を加熱加圧成形した樹脂歯車の寸法安定性を向上した自動車内燃機関
バランスシャフト用樹脂歯車に関する。
樹脂歯車に関しては、非特許文献1、トライボロジスト、Vol.57/No.1/2012、第36
−41頁、「エンジニアリングプラスチックの歯車への適用事例」に解説されており、
パワーウィンドウ用ギヤードモータ(POM)、プリンター用ギヤトレイン(POM)、ス
モールエンジン用カムシャフトギヤ(PA)、スタータモータギヤ(PA)、カムシャフトギヤ(PA)、定着ロール用駆動歯車(フェノール樹脂)、乗用車エンジンのバランスシャフト歯車(PEEK)などが紹介されている。バランスシャフトに樹脂歯車を用いることの一つの利点は静音性にすぐれていることである。
特許文献1、特開平7−113458号公報は、歯部構成体の補強基材が、例えば長さ51mmにカットしたメタ系芳香族ポリアミド繊維30〜95重量%とパラ系芳香族ポリアミド繊維70〜5重量%を混合・複合したアラミド不織布であることを特徴とするフェノール樹脂歯車を提案している。ここで、パラ系芳香族ポリアミド繊維は高強度を有し、メタ系芳香族ポリアミド繊維歯切り加工性がすぐれているために、これらの繊維を併用することにより、これらの特性をバランスさせている。また、製造方法としてはフェノール樹脂を含浸させた不織布を裁断し、これを円環状に加熱加圧成形している。
特許文献2、特開2008−260922号公報には、パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維の混紡糸を編んだリング状補強繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸する従来技術が紹介されており、疲労強度向上のために次のような製法を提案している。ポリフェニレンテレフタルアミド短繊維とメタアラミド短繊維を抄造によりリング状に成形して基材を得、さらにリング状基材の中央に金属製ブッシュを配置し金型成形し、その後、架橋ポリアミノアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの液状樹脂をリング状基材に注入し、熱硬化し、次に切削加工により歯車の歯先を加工する。
特許文献3、特開2001−123386号公報が開示する一連の抄造シート製造工程は次のようなものである。(イ)計量・混合、(ロ)一時貯留、(ハ)放出、(ニ)貯蔵・静置、(ホ)水抜き、(へ)抄造、(ト)脱水プレス、(チ)1次加熱、(リ)2次加熱。これらの工程のうち、(イ)計量・混合工程では、水、フェノール樹脂粉末、耐熱繊維、非イオン界面活性剤などを攪拌機で混合する。次に、分散ノズルを介して混合物を一時貯水槽に噴出させ、一旦貯蔵する(工程(ロ))。貯水槽の底面にはエアシリンダーなどにより水平移動される可動板と固定板が設けられており、それぞれに形成された抜水孔が連通すると、上記の混合物は抄網が張り渡された抄造槽に放出される(工程(ハ))。工程(ニ)、(ホ)を経て含水率が約85%程度の繊維成型品が抄網とともに抄造機から取り出される(工程(へ))。その後、複数枚の繊維成型品を重ね合わせ脱水プレスにより含水率が約35%に低下するまで圧縮する(工程(ト))。積層・脱水され成型品を110℃程度で1次加熱し(工程(チ))、次に200℃程度で樹脂の硬化を行う(工程(リ))。
ところで、本発明が着目している樹脂の吸水性は、樹脂の種類により異なり、例えば、ポリアミドは4%と高くABSは0.09%と低い(非特許文献2、「プラスチック活用ノート」素材選択と新製品開発、株式会社工業調査会1986年6月20日発行8版)。樹脂歯車の吸水性に着目した従来技術としては、特許文献4、特開2004−218712号公報があり、ポリアミド樹脂歯車の吸水による寸法変化を抑制するために、ウォームホイールの樹脂部には吸水処理を施し、芯金42の外周部と樹脂部43の内周部の間にシランカップリング剤の接着層を設けることを提案している。
特開平7−113458号公報 特開2008−260922号公報 特開2001−123386号公報 特開2004−218712号公報
トライボロジスト、Vol. 57/No. 1/2012. 第36−41頁、 「エンジニアリングプラスチックの歯車への適用事例」 「プラスチック活用ノート」素材選択と新製品開発、株式会社工業調査会1986年6月20日発行8版 基礎合成樹脂の化学(新版)、技報堂、1987年6月15日発行、5刷、第106頁、242頁
従来より、アラミド繊維によりレゾール型フェノール樹脂を補強した樹脂歯車は低価格でありかつ高強度を有することが知られている。ところで、フェノール樹脂の吸水性はABSとポリアミドの中間レベルであり、樹脂としては吸水性不良とはいえないが、金属と比較すると吸水性は劣っている。このような背景があるために、寸法安定性については、バランスシャフト用樹脂歯車にPEEKを使用した例にも見られるように(非特許文献1)、樹脂の種類を選択することにより対応してきたといえる。その他の対応策としては、特許文献4が提案しているように、ポリアミド樹脂に水分を飽和させる処理を行い、使用中の寸法変化を小さくする方法があるが、使用温度が100℃近くになる例えばバンラスシャフト用歯車にこの方法を採用することは難しい。
フェノール樹脂とアラミド繊維を加熱加圧成形した樹脂歯車は緻密構造になっているが、繊維と樹脂の間の微小間隙が存在し、さらに樹脂内に微小空孔が存在すると、歯車使用中に水分がこれら間隙、空孔などに侵入して、歯車を膨潤させ寸法安定性を損ない、この結果、バランスシャフトとして重要な静音性が劣化することが分かった。よって、本発明は、フェノール樹脂とアラミド繊維を加熱加圧成形した樹脂歯車の寸法安定性を向上することを目的とする。
フェノール樹脂については一般に次のようなことが知られている。(イ)機械的性質:比重―1.24〜1.32;引張強さ−34〜62MPa;硬度ロックウェルM93〜120が基本的な特性であり、このフェノール樹脂に一般的な充填材を添加して使用される。(ロ)ノボラック樹脂について、分子量200の2量体と分子量1300の10量体の混合物であり、7量体が大部分を占める(非特許文献3「基礎合成樹脂の化学(新版)」技報堂1987年6月15日発行、5刷、第242頁)。(ハ)レゾール型フェノール樹脂の反応は、フェノール類とホルムアルデヒドの反応によりプレポリマーが生成し、このプレポリマーの反応性メチロール基(-CH2-OH)が相互に反応して、図1に示す単量体フェノール化合物が生成する。この単量体化合物がさらに架橋反応する。レゾール型フェノール樹脂の分子量は700〜1000である。
本発明者らは、レゾール型フェノール樹脂に着目して、上記した特性(イ)、反応(ハ)は基本的に維持すること、即ちこれら(イ)、(ハ)を調節することによっては、樹脂の吸水性を改良することはできず、また、樹脂歯車の強度を維持するためには、特性(イ)を変えることができない。驚くべきことには、従来技術において達成されている緻密構造を僅かに改良すると、樹脂歯車の吸水性及び寸法安定性が大幅に向上することを見出した。このためには、上記したレゾール型フェノール樹脂の反応(ハ)において、未反応フェノール単量体が僅かに残っていると、未反応フェノール単量体がフェノール樹脂の流動性を助け、アラミド繊維とフェノール樹脂の絡み性が向上し、さらにアラミド繊維とフェノール樹脂の密着性も向上することを見出した。
上記知見により完成した本発明は、レゾール型フェノール樹脂とアラミド繊維の加熱加圧成形体からなる樹脂歯車において、さらに、フェノール単量体を含むことを特徴とする。以下、本発明をレゾール型フェノール樹脂、アラミド繊維、製造方法の順序で詳しく説明する。
フェノール樹脂は、モールディングパウダー、半導体封止、塗料などの各種用途のものが樹脂メーカーから販売されているが、強度、耐摩耗性などが要求されるバランスシャフト用としては機械部品用、自動車部品用などの製品を使用することが好ましい。
本発明に使用されるレゾール型フェノール樹脂は好ましい平均分子量が700〜1000である。フェノール樹脂の割合が30〜65重量%が好ましく、より好ましくは40〜60重量%がより好ましい。
本発明の樹脂歯車に含まれるフェノール単量体はフェノール樹脂の溶融温度以下でも流動性にすぐれており、また、樹脂歯車の加熱加圧成形中に溶融樹脂の粘度を低下し、アラミド繊維と樹脂と絡み合い、緻密性を高める。したがって、歯車使用中に、水分が歯車内部に侵入し難くなり、寸法安定が向上する。
本発明においては、少量のノボラック樹脂を添加すると、耐熱性を向上することができる。
本発明においては、フェノール単量体とレゾール型フェノール樹脂を混合することも可能であるが、この混合法では混合技術によりこれら成分の均一性が決まり、フェノール単量体を全体に均一に分布させることは困難である。これに対して、フェノール単量体がレゾール型フェノール樹脂の未反応生成物として該フェノール樹脂に含まれる請求項2の樹脂歯車では、上記した溶融前樹脂の流動性及び溶融樹脂の粘度低下が樹脂全体で均一に起こるために、緻密性がさらに高められる。このフェノール樹脂は、少量の未反応フェノール単量体を含むために、分子量の最小値が従来のフェノール樹脂より低くなっているが、全体としての平均分子量は上記のとおりである。上述の添加したフェノール単量体も未反応フェノール単量体も、程度の差はあるが、同様に溶融フェノール樹脂の流動性に寄与し、後者は非特許文献3、第107頁の図7−13のように樹脂生成反応に起因する特有の存在形態を呈し、一方添加したフェノール単量体にはこのような存在形態は見られない。
フェノール単量体は樹脂全体に対して好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。フェノール単量体の割合がこれより多いと、レゾール型フェノール樹脂の機械的性質が不良になるのみならず、フェノール単量体が樹脂歯車外に浸出し易くなる。本発明の樹脂歯車においては、フェノール単量体の最小量は3重量%が好ましく、より好ましくは1.5重量%である。
本発明の樹脂歯車の他の成分であるアラミド繊維は、フェノール樹脂を補強するものであり、好ましくは、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、アラミドパルプなどを使用することができる。アラミド繊維は5mm以下の短繊維であることが好ましい。繊維は単独でも良いが、強度の高いパラ系ポリアミド繊維、加工性の良いメタ系アラミド繊維、アラミドパルプを混合するとよく、本発明のアラミド繊維以外にカーボン繊維等の他の繊維を追加しても良い。また、他の添加材として、カーボン、セラミック、金属等の強度を補強する粉末、グラファイト、二硫化モリブデン、ウィスカー等の低摩擦粉末等を添加しても良い。
本発明の加熱加圧成形体は、フェノール単量体を含むもしくは含まないフェノール樹脂とアラミド繊維を常法により混合し、フェノール樹脂が未反応生成物であるフェノール単量体を含まない場合は、さらにフェノール単量体を添加して十分に混合し、繊維―樹脂混合物を歯車粗形品に成形し、その後加熱を行なって得たものである。しかしながら、本発明の好ましい実施態様によると、未反応フェノール単量体を含むレゾール型フェノール樹脂とアラミド繊維を抄造体とすると、これらの成分が均一に分散し、これを加熱加圧成形すると、より一層緻密な構造が得られる。以下、この好ましい製造方法をにつき詳しく説明する。
配合原料
本発明において、抄造シートの一成分であるレゾール型フェノール樹脂(以下でいう「フェノール樹脂」とはレゾール型フェノール樹脂を指す)は、大きさが平均で20から30μmの粉末状であって、樹脂中に含まれるメチロール基によって加熱硬化時に架橋剤が存在しなくても架橋反応が進行する熱硬化性樹脂である。このフェノール樹脂は、徐々に昇温に伴って架橋反応が進行して硬化する。その際、架橋反応は120〜130℃から急速に進行する。
フェノール樹脂粉末は、水分を除く抄造シートの全重量に対して30〜65重量%であることが好ましく、より好ましくは40〜60重量%である。
抄造シートの他の成分は水であり、フェノール樹脂粉末を前記繊維に絡ませるために若干の高分子凝集剤の添加をするが、この場合ノニオン系、カチオン系高分子凝集剤が好ましく添加され、ノニオン系、カチオン系凝集剤を同時に添加しても良い。また、フェノール樹脂粉末の水への分散性を良くするために、あらかじめフェノール樹脂粉末を親水化処理するか事前に少量の水で予備分散を行っておくことが望ましい。また、フェノール樹脂が凝集を起こさせずに得られた水系ディスパージョンタイプのフェノール樹脂を使用してもよい。他の主成分である繊維も同様に親水化処理しておくことが望ましい。
製造工程
フェノール樹脂と繊維を主成分とする抄造シートは特許文献3に記載された方法により製造することができる。即ち、工程(イ)から工程(ト)の脱水プレスを行い、脱水された、厚さが通常8〜12mmの抄造シートを得る。その後、中心孔を有し、外周形状が歯車形状の素形品を歯車形状の金型で打ち抜くことにより製造する。この素形品の打ち抜きは、1枚もしくは重ねられた多数枚の抄造シートを常温で行う。打ち抜いた抄造シートの余剰部分は、架橋反応が進行していないためリサイクル材として使用が可能である。
上述の方法により得られた素形品を複数枚、好ましくは3〜5枚重ね、歯車形状の金型内に配置し、重ね合わせた素形品がプレス機に搬送するまでに分離しない程度の密度が得られるように圧縮して予備成形品であるタブレットを得る。なお、予備成形品であるタブレットに少量の水分が残存することが好ましい。その後、ヒーターを内蔵した上型及び下型を備えたプレス機を用いて、800〜1200MPaの圧力及び170〜200℃の温度で加熱加圧することにより、一般には厚さが11〜13mm、密度が1.315〜1.325g/cmの樹脂歯車成形品を得る。
フェノール樹脂粉末は、融点が一般に50〜90℃であり、架橋温度(Tc)は一般に130℃以上で急速に進行し、昇温に伴って架橋反応も徐々に進行していく。本発明の場合の加熱加圧成形は170〜200℃である。加熱加圧処理により歯車の厚さに加工された成形品は架橋温度でアニールすることにより、特性を安定させることが好ましい。その後、必要により、バリ取り、最終歯先加工などを行い、樹脂歯車を完成させる。
本発明の効果を請求項順に説明する。
フェノール単量体は溶融前樹脂の良好な流動性及び溶融フェノール樹脂の粘度を下げるために、アラミド繊維とフェノール樹脂が十分に絡み合い、その密着強度が高められる。この効果を得るためには、フェノール単量体は架橋した樹脂中にも残っている必要がある(請求項1)。フェノール単量体は未反応生成物としてフェノール樹脂中に存在する請求項2の態様が好ましいが、別途添加したフェノール単量体であっても、十分に各成分を混合した後に加熱加圧成形をすると、緻密性は向上する。
フェノール単量体が未反応生成物として残存するフェノール樹脂とアラミド繊維の抄造体(請求項3)においては、これらの成分が均一に分散しているのみならず、フェノール樹脂粉末自身がフェノール単量体を含むために、フェノール単量体は超微細に抄造体中に分散している。この抄造体を常法により加熱加圧成形すると、樹脂流体は繊維間の微細間隙に流れ、かつ、樹脂流体中に存在する空隙も埋める。この際、フェノール単量体は、繊維間に流れる微細な樹脂流の流動性を高める。さらに、樹脂中に流動性が良い部分と悪い部分があると空隙が発生し易いが、樹脂の流動性が良好であるために、このような空隙も発生し難い。
フェノール樹脂の量が30〜65重量%の範囲であると、樹脂歯車の機械的特性がすぐれている(請求項4)。
フェノール単量体の量が2〜5重量%であると、樹脂歯車の強度低下がほとんどなく、かつフェノール単量体も溶出しない(請求項5)。アラミド繊維とパルプの混合物を使用した樹脂歯車は強度がすぐれる(請求項6)。アラミド繊維自体は吸水性をもっておらず、かつ単繊維であると、繊維自体の連続性がないため、水分が歯車内部に浸入することを阻止する(請求項7)。
本発明の樹脂歯車は寸法安定性にすぐれているために、静音性が要求される自動車内燃機関のバランスシャフトの樹脂歯車として適している(請求項7)。
フェノール樹脂(群栄化学社製品PGAシリーズ、50重量%)、パラ系アラミドパルプ(帝人社製品トワロンパルプ、5重量%)、パラ系アラミド繊維(帝人社製品テクノーラ、40重量%)、メタ系アラミド繊維(帝人社製品コーネックス、5重量%)を水に混合し、その後ノニオン系界面活性剤を添加し、抄造を行った後にプレスにより脱水を行い、厚さが10mmの抄造シートを作製した。4枚の抄造シートを重ね、110℃、5MPa、5分の条件で圧縮してタブレットを得た。このタブレットを180℃、80MPaでプレスし、加熱加圧処理を行い、歯車成形品を得た。この成形品の表面を除去した内面の材料を粉砕した微細粉末をガスクロマトグラフで分析したところ、フェノール樹脂に対して1.5重量%のフェノール単量体が検出された。この結果から、上記フェノール樹脂中の未反応フェノール単量体は約3重量%であり、一部が加熱加圧成形中に架橋しないで残存したことが分かった。
歯車素形品の100時間水中浸漬試験の結果をフェノール樹脂の結果とともに図2に示す。
この結果から、本発明実施例の歯車粗形体は吸水性が少なくなっていることが分かる。
以上説明したように、本発明は、フェノール樹脂とアラミド繊維を主成分とする樹脂歯車の吸水性を抑え、寸法安定性を高めるために、樹脂歯車の信頼性向上に大きく寄与する。さらに、耐摩耗性が優れているために、摩擦材としての用途も期待される。
レゾール型フェノール樹脂のフェノール単量体の化学構造を示す図である。 水中浸漬試験の結果を示すグラフである。

Claims (8)

  1. レゾール型フェノール樹脂とアラミド繊維の加熱加圧成形体からなる樹脂歯車において、さらにフェノール単量体を含むことを特徴とする樹脂歯車。
  2. 前記レゾール型フェノール樹脂が未反応生成物として前記フェノール単量体を含むことを特徴とする請求項1記載の樹脂歯車。
  3. 前記未反応生成物としてフェノール単量体を含むレゾール型フェノール樹脂と前記アラミド繊維の抄造体を加熱加圧成形したことを特徴とする請求項2記載の樹脂歯車。
  4. 前記レゾール型フェノール樹脂が30〜65重量%であり、残部が前記アラミド繊維である請求項1から3までの何れか1項記載の樹脂歯車。
  5. 前記フェノール単量体が前記レゾール型フェノール樹脂に対して2〜5重量%存在することを特徴とする請求項1から4までの何れか1項記載の樹脂歯車。
  6. 前記アラミド繊維がアラミドパルプを含む請求項1から5までの何れか1項記載の樹脂歯車。
  7. 前記アラミド繊維が5mm以下の短繊維である請求項1から6までの何れか1項記載の樹脂歯車。
  8. 請求項1から7までの何れか1項記載の樹脂歯車を使用した自動車内燃機関のバランスシャフト用樹脂歯車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016023737A (ja) * 2014-07-22 2016-02-08 日本ガスケット株式会社 樹脂歯車とその製造方法

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