以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
該遊技領域7には、中央に設けられる演出表示装置9の天辺からみて、左側の左遊技領域7A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域7B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域7Aと、第2遊技領域である右遊技領域7Bは、例えば遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列などにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域7に打ち込まれた遊技球は、左遊技領域7Aへと誘導された場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域7Bへと誘導不可能または誘導困難となり、また右遊技領域7Bへと誘導された場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域7Aへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域7Aには、演出表示装置9の下方に、第1始動入賞口13aが設けられている。右遊技領域7Bには、演出表示装置9の右側にゲート32,第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられ、演出表示装置9の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。
ここで、第1始動入賞口13aは、演出表示装置9の直下に設けられているが、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行った場合に遊技球が入賞し易く、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行った場合には、遊技球の流下経路上に設けられる遊技釘や誘導部材39a〜39cの配置によって遊技球が入賞し難くなっているため、左遊技領域7Aに属する。また、第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15は、第1始動入賞口13aの下方に設けられているが、遊技者が右打ちを行うことで、遊技球がゲート32を通過し、可変入賞球装置15が開放状態となり、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞することを期待できる。そのため、第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15は右遊技領域7Bに属する。なお、可変入賞球装置15は、可動翼片の傾動制御によって開放状態となる。
また、大当り遊技状態中は、特別可変入賞球装置20が開放される。この特別可変入賞球装置20は、可変入賞球装置15の直下に配置されているが、右打ちしたときに誘導部材39bや遊技釘40により誘導された遊技球が入賞しやすい位置にあるため、右遊技領域7Bに属する。
遊技者は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)のときは、特別可変入賞球装置20が開放されず、ゲート32に遊技球を通過させても可変入賞球装置15が高頻度では開放されないため、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行い、該遊技球を第1始動入賞口13aに入賞させる。遊技状態が高確率/高ベース状態又は低確率/高ベース状態のときには、ゲート32に遊技球を通過させると可変入賞球装置15が高頻度で開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を第2始動入賞口13bに入賞させる。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が開放されるため、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行い、該遊技球を特別可変入賞球装置20に入賞させる。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然通常大当りや突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば0.1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば29秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然通常大当りや突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。また、この実施の形態のように、各大当りのラウンド数が同じであっても、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が短く(例えば0.1秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できない大当りと、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が長く(例えば29秒)、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りとがある場合には、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。また、例えば、1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数が異なることによって、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当りと期待できない大当りがある場合にも、実質的に大入賞口への遊技球の入賞を期待できるか否かに応じて表示色を異ならせてもよい。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右下方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右下方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bを通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口13bよりも、第1始動入賞口13aに遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの上方には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。この実施の形態では、第1保留記憶表示部18cが演出表示装置9の表示画面の左下部、第2保留記憶表示部18dが演出表示装置9の表示画面の右下部というように、別領域に設けられている。従って、第1特別図柄表示器18a,第2特別図柄表示器18bの各々における可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数を把握しやすくすることができる。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部を演出表示装置9の表示画面に設けるようにしても良い。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行される。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、上方には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると演出表示装置9の前方に移動する可動部材78が設けられている。例えば、可動部材78は、スーパーリーチが実行されたときに、大当り図柄の停止表示前に動作することにより、遊技者に大当りを予告する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23aで検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、この実施形態では、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い高確率状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数が高められる。また、高確率状態ではない低確率状態でも、所定の大当り遊技状態(4R通常大当り、突然通常大当り)終了後の所定期間(30変動又は次の大当りの発生まで)は普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数が高められる。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや、特別可変入賞球装置20の大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技盤6の外側の左右上下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技盤6の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当り(15R確変大当り、4R確変大当り、突然確変大当り)となった場合には、可変表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となる確率が通常状態よりも高められた遊技状態である高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。一方、通常大当り(4R通常大当り、突然通常大当り)となった場合には、高確率状態には移行しないが、大当り終了後の所定期間(30変動又は次の大当り発生まで)は高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない低ベース状態と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される特別図柄時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態、および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態、および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態、および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
本実施形態では、図1に示すように、右遊技領域7Bにゲート32が設けられていて、右打ち状態で右遊技領域7Bに発射された遊技球の一部は、ゲート32上方に配置された遊技釘により誘導されて、ゲート32を通過する。
右遊技領域7Bに発射された遊技球は、ゲート32の下方に配置された遊技釘に衝突して進路を変えつつ流下するものの、最終的にはゲート32のさらに下方に配置された誘導部材39a又は誘導部材39bの誘導面(上面)に高確率で落下して、誘導部材39a〜39cや、誘導部材39bと可変入賞球装置15との間に配置された遊技釘によって、可変入賞球装置15に誘導される。即ち、右遊技領域7Bに発射された遊技球の大半は可変入賞球装置15に誘導されることになる。従って、可変入賞球装置15が開放状態にあるときには、遊技釘により誘導された遊技球が高確率で第2始動入賞口13bに入賞する。
誘導部材39b,39cや遊技釘によって誘導された遊技球は、可変入賞球装置15が開放されていない状態では、さらに、特別可変入賞球装置20に向けて誘導され、開放状態であれば、特別可変入賞球装置20の大入賞口に入賞するようになっている。よって、大当り遊技状態では、遊技者は右打ちして右遊技領域7Bに遊技球を打ち込めば、遊技球が特別可変入賞球装置20の大入賞口に入賞することを期待できる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、確変フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板(図示せず)を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤の枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、および右枠LED28cの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて天枠LED28a、左枠LED28b、及び右枠LED28cなどの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LEDなどに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(4R通常大当り、突然通常大当り、15R確変大当り、4R確変大当り、突然確変大当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図14参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。この実施の形態では、特別図柄の表示結果を15R確変大当りの図柄とする場合にリーチ演出が実行される場合があるが、4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、又は突然確変大当りの図柄とする場合には、リーチとはならずに大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される。また、特別図柄の表示結果を15R確変大当りの図柄とする場合でも、リーチとはならずに大当り図柄(例えば「777」)が停止表示される場合がある。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および入賞口スイッチ30a,30bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および入賞口スイッチ30a,30bの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23a、および入賞口スイッチ30a,30bのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(7セグメントLEDの点灯させるセグメント)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、点灯させるセグメントを示す値)を切り替える。なお、普通図柄表示器10を7セグメントLEDではなく、例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプで構成した場合には、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「非リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9に大当り図柄となる図柄のうち、15R確変大当り図柄を示す図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、またはリーチ状態とならずに、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、大当り図柄となる所定の演出図柄の組み合わせ(例えば「777」)が停止表示される。15R確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開閉板が、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態である閉鎖状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15R確変大当りでは、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が15となる。15R確変大当りの終了後には、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態に制御される。
第1特別図柄表示器8aに大当り図柄となる図柄のうち、4R確変大当り図柄を示す図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、大当り図柄となる所定の演出図柄の組み合わせ(例えば「135」)が停止表示される。4R確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開閉板が、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。4R確変大当りでは、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が4となる。4R確変大当りの終了後には、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態に制御される。
第1特別図柄表示器8aに大当り図柄となる図柄のうち、4R通常大当り図柄を示す図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、大当り図柄となる所定の演出図柄の組み合わせ(例えば「135」)が停止表示される。4R通常大当りでは、特別可変入賞球装置20の開閉板が、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。4R通常大当りでは、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が4となる。4R通常大当りの終了後から所定期間(30回の変動表示を実行するまで又は次の大当りの発生まで)は、低確率/高ベース状態に制御される。
第2特別図柄表示器8bに大当り図柄となる図柄のうち、突然確変大当り図柄を示す図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、大当り図柄となる所定の演出図柄の組み合わせ(例えば「135」)が停止表示される。突然確変大当りでは、特別可変入賞球装置20の開閉板が、所定期間(例えば0.1秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。突然確変大当りでは、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が2となる。突然確変大当りの終了後には、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態に制御される。
第2特別図柄表示器8bに大当り図柄となる図柄のうち、突然通常大当り図柄を示す図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、大当り図柄となる所定の演出図柄の組み合わせ(例えば「135」)が停止表示される。突然通常大当りでは、特別可変入賞球装置20の開閉板が、所定期間(例えば0.1秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。突然確変大当りでは、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が2となる。突然確変大当りの終了後から所定期間(30回の変動表示を実行するまで又は次の大当りの発生まで)は、低確率/高ベース状態に制御される。
このように、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、および「4R通常大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒であるのに対して、「突然確変大当り」や「突然通常大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間は0.1秒と極めて短く、且つ、大入賞口の開放回数も2回と少ない。そのため、「突然確変大当り」や「突然通常大当り」では、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。
なお、突然確変大当りや突然通常大当りの態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、大入賞口の開放回数は4R確変大当りや4R通常大当りと同じ4回(4ラウンド)とし、大入賞口の開放時間のみ0.1秒と極めて短くするようにしてもよい。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、演出表示装置9などにおける演出態様が異なる複数の演出モードを備えている。図6は、演出モードの移行例を説明するための図である。この実施の形態では、通常モード、バトルモード、チャンスモードという、3つの演出モードが設けられている。これらの演出モードは、図6(A)に示すように、大当り遊技状態が終了したときや、大当り遊技状態終了後から所定回数の変動表示が実行されたときなどに、現在の演出モードや大当り種別等に応じて切り替わる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の演出モードが設けられてもよい。
図6に示すように、通常モードとは低確率/低ベース状態であることを遊技者が認識可能な演出状態であり、演出表示装置9等において当該通常モードに応じた態様の演出が実行されることになり、例えば背景画像に「通常モード」と表示されている。通常モードにおいて可変表示が実行され、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変」となった場合には、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、遊技者が高確率/高ベース状態であることを認識可能な演出状態であるバトルモードに移行する。バトルモードでは、演出表示装置9等において当該バトルモードに応じた態様の演出が実行されることになり、例えば背景画像に「バトルモード」と表示される。
また、通常モードにおいて可変表示が実行され、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「4R通常」または「4R確変」となった場合には、大当り遊技状態(4ラウンド大当り状態)の終了後に、遊技者が、高ベース状態であることは認識可能であるが、高確率状態であるか又は低確率状態であるかを認識困難な演出状態であるチャンスモードに移行する。即ち、この実施の形態では、4通常大当りと4R確変大当りとは、大入賞口の開放パターンが同じであり、且つ、その後の演出態様も共通となる。そのように制御することによって、大入賞口の開放が4回行われると、4R通常大当りであるか4R確変大当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。チャンスモードでは、演出表示装置9等において当該チャンスモードに応じた態様の演出が実行されることになり、例えば背景画像に「チャンスモード」と表示される。
また、通常モードにおいて可変表示が実行され、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突然通常」または「突然確変」となった場合には、大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)の終了後にチャンスモードに移行する。即ち、この実施の形態では、突然通常大当りと突然確変大当りとは、大入賞口の開放パターンが同じであり、且つ、その後の演出態様も共通となる。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然通常大当りであるか突然確変大当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
バトルモードにおいて可変表示が実行され、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変」となった場合には、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後にバトルモードが継続する。また、バトルモードにおいて可変表示が実行され、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「4R通常」または「4R確変」となった場合には、大当り遊技状態(4ラウンド大当り状態)の終了後にチャンスモードに移行する。また、バトルモードにおいて可変表示が実行され、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突然通常」または「突然確変」となった場合には、大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)の終了後にチャンスモードに移行する。
チャンスモードにおいて可変表示が実行され、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R確変」となった場合には、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後にバトルモードに移行する。また、チャンスモードにおいて可変表示が実行され、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「4R通常」または「4R確変」となった場合には、大当り遊技状態(4ラウンド大当り状態)の終了後にチャンスモードが継続する。また、バトルモードにおいて可変表示が実行され、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突然通常」または「突然確変」となった場合には、大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)の終了後にチャンスモードが継続する。
本実施形態では、4R通常大当りや突然通常大当りという通常大当り(非確変大当り)が発生した場合には、大当り遊技状態終了後から30回の変動表示が実行されるまで(30回以内に大当りが発生する場合には当該大当り発生まで)は低確率/高ベース状態に制御される。そして、大当り遊技状態終了後から新たな大当りが発生することなく30回の変動表示が実行されると、高ベース状態が終了して低確率/低ベース状態に制御され、これに伴い、チャンスモードから通常モードに移行する。
本実施形態では、4R確変大当りや突然確変大当りという確変大当りが発生した場合には、大当り遊技状態終了後から次回の大当り発生までは高確率/高ベース状態に制御される。そして、大当り遊技状態終了後から新たな大当りが発生することなく30回の変動表示が実行されると、これに伴い、チャンスモードからバトルモードに移行する。即ち、チャンスモードに突入してから大当りが発生することなく30回の変動表示が実行されると、低確率状態であれば通常モードに移行し、高確率状態であればバトルモードに移行する。これにより、遊技者は高確率状態に制御されているか否か(確変大当りが発生したのか又は通常大当りが発生したのか)を把握することができる。
図7は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPX0−1〜非リーチPX0−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPXN−1〜ノーマルPXN−4、スーパーPXA−1〜スーパーPXA−2、スーパーPXB−1〜スーパーPXB−2の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、特殊PX0−C、特殊PX0−U、および特殊PX0−Dの変動パターンも用意されている。このうち特殊PX0−C、特殊PX0−U、および特殊PX0−Dの変動パターンは、演出状態がチャンスモードであるときにのみ選択される変動パターンであって、当該チャンスモードにおいて実行される特殊演出を伴う変動パターンである。特殊演出は、特定の演出モードで実行されるリーチ演出を伴わない演出であって、大当りが発生するか否かを示唆する演出、特定の大当り種別(例えば15R確変大当り)の大当りが発生するか否かを示唆する演出、モード移行することを示唆する演出が含まれる。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が15R確変大当りの大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPYN−1〜ノーマルPYN−4、スーパーPYA−1〜スーパーPYA−2、スーパーPYB−1〜スーパーPYB−2、特殊PY0−B、および特殊PY0−Cの変動パターンが用意されている。このうち特殊PY0−Bの変動パターンは、演出状態がバトルモードであるときにのみ選択される変動パターンであって、当該バトルモードにおいて実行される特殊演出を伴う変動パターンである。また、特殊PY0−Cの変動パターンは、演出状態がチャンスモードであるときにのみ選択される変動パターンであって、当該チャンスモードにおいて実行される特殊演出を伴う変動パターンである。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が4R確変大当り、4R通常大当り、突然確変大当り、または突然通常大当りの大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、特殊PZ0−N、特殊PZ0−B、および特殊PZ0−Cの変動パターンが用意されている。このうち特殊PZ0−Nの変動パターンは、演出状態が通常モードであるときにのみ選択される変動パターンであって、当該通常モードにおいて実行される特殊演出を伴う変動パターンである。特殊PZ0−Bの変動パターンは、演出状態がバトルモードであるときにのみ選択される変動パターンであって、当該バトルモードにおいて実行される特殊演出を伴う変動パターンである。特殊PZ0−Cの変動パターンは演出状態がチャンスモードであるときにのみ選択される変動パターンであって、当該チャンスモードにおいて実行される特殊演出を伴う変動パターンである。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様や演出態様の特徴に従ってグループ化したものである。本実施の形態では、変動パターンを、リーチを伴わない変動パターンのうち、特殊演出を伴わない変動パターン(図7の「非リーチP…」で示される変動パターン)を含む変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン(図7の「ノーマルP…」で示される変動パターン)を含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン(図7の「スーパーP…」で示される変動パターン)を含む変動パターン種別と、リーチを伴わない変動パターンのうち、特殊演出を伴う変動パターン(図7の「特殊P…」で示される変動パターン)を含む変動パターン種別にグループ化している。
なお、この実施の形態では、後述するように、15R確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCYN−1と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCYS−1と、リーチを伴わない変動パターンのうち、バトルモードで実行される特殊演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CY0−1と、リーチを伴わない変動パターンのうち、チャンスモードで実行される特殊演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CY0−2とに種別分けされている。
また、4R確変大当り、4R通常大当り、突然確変大当り、または突然通常大当りのいずれかである場合には、リーチを伴わない変動パターンのうち、通常モードで実行される特殊演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CZ0−1と、リーチを伴わない変動パターンのうち、バトルモードで実行される特殊演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CZ0−2と、リーチを伴わない変動パターンのうち、チャンスモードで実行される特殊演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CZ0−3とに種別分けされている。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターンのうち、特殊演出を伴わず、短縮変動の変動パターンを含まない変動パターン種別である非リーチCX0−1と、リーチを伴わない変動パターンのうち、特殊演出を伴わず、短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCX0−2と、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCXN−1と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCXS−1と、リーチを伴わない変動パターンのうち、チャンスモードでの変動回数が30変動未満のときに実行される特殊演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CX0−1と、リーチを伴わない変動パターンのうち、チャンスモードでの変動回数が30変動目のときに高確率状態であることを条件として実行される特殊演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CX0−2と、リーチを伴わない変動パターンのうち、チャンスモードでの変動回数が30変動目のときに低確率状態であることを条件として実行される特殊演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CX0−3とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/低ベース状態、低確率/高ベース状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、高確率状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(4R通常大当り、突然通常大当り、15R確変大当り、4R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。この実施の形態では、低確率状態では大当りと判定される割合が1/300であるのに対して、高確率状態では大当りと判定される割合が1/30となる。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図9(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131A,131Bを示す説明図である。このうち、図9(B)は、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131Aである。また、図9(C)は、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131Bである。
大当り種別判定テーブル131A,131Bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。この実施の形態では、図9(B)に示すように、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131Aには、「4R通常大当り」に対して10個の判定値が割り当てられ(40分の10の割合で4R通常大当りと決定され)、「4R確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられ(40分の10の割合で4R確変大当りと決定され)、「15R確変大当り」に対して20個の判定値が割り当てられている(40分の20の割合で15R確変大当りと決定される)。このように、第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131Aには、「突然確変大当り」や「突然通常大当り」のような実質的には大入賞口への入賞を期待できない大当りは割り振られていない。特に「突然通常大当り」のように入賞を期待できず、且つ、高確率状態にも移行しない大当りは除外されているので、少なくとも通常状態(低確率/低ベース状態)で遊技を開始した遊技者にとって、折角大当り(いわゆる初当り)が発生したにもかかわらず、出玉が得られず且つ高確率状態にも移行しないという事態が生じることを防止している。
一方、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131Bには、「突然通常大当り」に対して10個の判定値が割り当てられ(40分の10の割合で突然通常大当りと決定され)、「突然確変大当り」に対して4個の判定値が割り当てられ(40分の4の割合で突然確変大当りと決定され)、「15R確変大当り」に対して26個の判定値が割り当てられている(40分の26の割合で15R確変大当りと決定される)。このように、第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131Bには、「突然確変大当り」や「突然通常大当り」のような実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当りが割り振られている。ここで第2特別図柄の可変表示が実行されるということは、高ベース状態に制御されている可能性が高いため、すでに大当りが発生している可能性(今回発生する大当りが初当たりではない可能性)も高いことになる。このような場合に、出玉が得られない大当りが発生したとしても遊技者にとっては過度な不利益にならないため、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131Bには、「突然通常大当り」が割り振られている。
この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、大当り種別として、「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、「突然確変大当り」、および「15R確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、4ラウンド、および2ラウンドの3種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルにのみ、さらに10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りを割り振る(例えば10R確変大当りと15R確変大当りをいずれも40分の10の割合とする)ようにしても良い。
大当り種別判定テーブル131Aには、ランダム1の値と比較される数値であって、「4R通常大当り」、「4R確変大当り」、「15R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。大当り種別判定テーブル131Bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「突然通常大当り」、「突然確変大当り」、「15R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図10(A1)〜(A2)、(B1)〜(B2)、(C1)〜(C2)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Fを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Fは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Fには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCYN−1、スーパーCYS−1、特殊CY0−1〜特殊CY0−2、特殊CZ0−1〜特殊CZ0−3のいずれかに対応する判定値が設定されている。この実施の形態では遊技モードに応じて、また同じ遊技モードでも大当り種別に応じて選択されうる変動パターン種別が異なっている。
例えば、図10(A1)および(A2)は、いずれも通常モードのときに選択される大当り用変動パターン種別判定テーブルであるが、大当り種別が15R確変大当りのときには、変動パターン種別として、ノーマルCYN−1およびスーパーCYS−1のいずれかが選択され、大当り種別が4R通常大当り、4R確変大当り、突然通常大当り、および突然確変大当りのいずれかであるときには、変動パターン種別として、特殊CZ0−1が選択される。即ち、通常モードにおいては、15R確変大当りの場合には、リーチを伴って大当りとなるが、4R通常大当り、4R確変大当り、突然通常大当り、および突然確変大当りのいずれかであるときには、リーチを伴わない特殊演出が実行される。
例えば、図10(B1)および(B2)は、いずれもバトルモードのときに選択される大当り用変動パターン種別判定テーブルであるが、大当り種別が15R確変大当りのときには、変動パターン種別として、特殊CY0−1が選択され、大当り種別が4R通常大当り、4R確変大当り、突然通常大当り、および突然確変大当りのいずれかであるときには、変動パターン種別として、特殊CZ0−2が選択される。即ち、バトルモードにおいては、すべての大当りで、リーチを伴わない特殊演出が実行される。
例えば、図10(C1)および(C2)は、いずれもチャンスモードのときに選択される大当り用変動パターン種別判定テーブルであるが、大当り種別が15R確変大当りのときには、変動パターン種別として、特殊CY0−2が選択され、大当り種別が4R通常大当り、4R確変大当り、突然通常大当り、および突然確変大当りのいずれかであるときには、変動パターン種別として、特殊CZ0−3が選択される。即ち、チャンスモードにおいては、すべての大当りで、リーチを伴わない特殊演出が実行される。
図11(A3)〜(A4)、(3)、(C3)〜(C5)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Fを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Fは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Fには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCX0−1〜非リーチCX0−2、ノーマルCXN−1、スーパーCXS−1、特殊CX0−1〜特殊CX0−3のいずれかに対応する判定値が設定されている。この実施の形態では遊技モードに応じて、また同じ通常モードでも合算保留記憶数に応じて、また同じチャンスモードでも大当り終了後からの変動回数および高確率状態であるか否かに応じて選択されうる変動パターン種別が異なっている。
例えば、図11(A3)は、遊技状態が通常状態(演出モードが通常モード)であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示しており、変動パターン種別として、非リーチCX0−1、ノーマルCXN−1、スーパーCXS−1のいずれかが選択される。また、図11(A4)は、遊技状態が通常状態(演出モードが通常モード)であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示しており、変動パターン種別として、非リーチCX0−1、非リーチCX0−2、ノーマルCXN−1、スーパーCXS−1のいずれかが選択される。
例えば、図11(B3)は、演出モードがバトルモードである場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示しており、変動パターン種別として、非リーチCX0−2が選択される。
例えば、図11(C3)は、演出モードがチャンスモードであるとともに大当り遊技状態終了後(チャンスモード突入から)の変動回数が30回未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを示しており、変動パターン種別として、非リーチCX0−2、特殊CX0−1のいずれかが選択される。また、図11(C4)は、演出モードがチャンスモードであるとともに大当り遊技状態終了後(チャンスモード突入から)の変動回数が30回目であり、且つ、高確率状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Eを示しており、変動パターン種別として、特殊CX0−2が選択される。また、図11(C5)は、演出モードがチャンスモードであるとともに大当り遊技状態終了後(チャンスモード突入から)の変動回数が30回目であり、且つ、低確率状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Fを示しており、変動パターン種別として、特殊CX0−3が選択される。
なお、図11(A3),(A4)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が240〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図11(A3)、(A4)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチや特殊演出を伴わない通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図11(A3),(A4)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。
図12(A),(B),(C)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Cは、可変表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。本実施形態では演出モードに応じた当り変動パターン判定テーブルが選択される。通常モードのときには図12(A)の当り変動パターン判定テーブル137Aが選択され、バトルモードのときには図12(B)の当り変動パターン判定テーブル137Bが選択され、チャンスモードのときには図12(C)の当り変動パターン判定テーブル137Cが選択される。
すなわち、変動パターン種別をノーマルCYN−1、スーパーCYS−1、特殊CY0−1のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CY0−1、特殊CZ0−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CY0−2、特殊CZ0−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Cが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Fは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図12(A)に示す例では、変動パターン種別として、大当り種別が15R確変大当りである場合に選択されるノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルPYN−1〜ノーマルPYN−4)を含む変動パターン種別であるノーマルCYN−1と、大当り種別が15R確変大当りである場合に選択されるスーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーPYA−1〜スーパーPYA−2、スーパーPYB−1〜スーパーPYB−2)を含む変動パターン種別であるスーパーCYS−1と、大当り種別が4R通常大当り、4R確変大当り、突然通常大当り、および突然確変大当りのいずれかであるときに選択される特殊演出を伴う変動パターン(特殊PZ0−N)を含む変動パターン種別である特殊CZ0−1に種別分けされている場合が示されている。
また、図12(B)に示す例では、変動パターン種別として、大当り種別が15R確変大当りである場合に選択される特殊演出を伴う変動パターン(特殊PY0−B)を含む変動パターン種別である特殊CY0−1と、大当り種別が4R通常大当り、4R確変大当り、突然通常大当り、および突然確変大当りのいずれかであるときに選択される特殊演出を伴う変動パターン(特殊PZ0−B)を含む変動パターン種別である特殊CZ0−2に種別分けされている場合が示されている。
また、図12(C)に示す例では、変動パターン種別として、大当り種別が15R確変大当りである場合に選択される特殊演出を伴う変動パターン(特殊PY0−C)を含む変動パターン種別である特殊CY0−2と、大当り種別が4R通常大当り、4R確変大当り、突然通常大当り、および突然確変大当りのいずれかであるときに選択される特殊演出を伴う変動パターン(特殊PZ0−C)を含む変動パターン種別である特殊CZ0−3に種別分けされている場合が示されている。
図13は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
なお、図13に示す例では、変動パターン種別として、リーチを伴わず特殊演出も伴わない通常変動の変動パターン(非リーチPX0−1、非リーチPX0−3、非リーチPX0−4)を含む変動パターン種別である非リーチCX0−1と、リーチを伴わず特殊演出も伴わない短縮変動の変動パターン(非リーチPX0−2)を含む変動パターン種別である非リーチCX0−2と、ノーマルリーチを伴う変動パターン(ノーマルPXN−1〜ノーマルPXN−4)を含む変動パターン種別であるノーマルCXN−1と、スーパーリーチを伴う変動パターン(スーパーPXA−1〜スーパーPXA−2、スーパーPXB−1〜スーパーPXB−2)を含む変動パターン種別であるスーパーCXS−1と、演出モードがチャンスモードであり大当り終了後の変動回数が30回未満であるときに選択される特殊演出を伴う変動パターン(特殊PX0−C)を含む変動パターン種別である特殊CX0−1と、演出モードがチャンスモードであり大当り終了後の変動回数が30回目のときに高確率状態であることを条件として選択される特殊演出を伴う変動パターン(特殊PX0−U)を含む変動パターン種別である特殊CX0−2と、演出モードがチャンスモードであり大当り終了後の変動回数が30回目のときに低確率状態であることを条件として選択される特殊演出を伴う変動パターン(特殊PX0−D)を含む変動パターン種別である特殊CX0−3とに種別分けされている場合が示されている。
図14および図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14および図15に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図7に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「4R通常大当り」、「4R確変大当り」、「突然通常大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、15R確変大当りの大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、4R通常大当り、4R確変大当り、突然通常大当り、および突然確変大当りのいずれかの大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、演出モードが通常モード(遊技状態が通常状態)であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常モード背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、演出モードがバトルモードであるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(バトルモード背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、演出モードがチャンスモードであるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(チャンスモード背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、大当りの種別の判定結果、および演出モードの判定結果を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図21参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、大当りの種別、演出モードを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに始動入賞時の演出モード、大当りとなるか否か、大当りとなる場合の大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りとなるか否か、および大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別、および演出モードを認識できる。
図16は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示すように、この実施の形態では、大当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「4R通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「4R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
なお、この実施の形態では、始動入賞時に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するコマンドとして、変動カテゴリコマンドがある。変動カテゴリコマンドは、始動入賞時の演出モードが通常モード、バトルモード、チャンスモードのいずれのモードであるか、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図14および図15に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図14および図15に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図17および図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13aへの始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ15aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ15aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図29参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図19は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図19(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図19(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図19(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図20は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図20に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1215A)。セットされていれば、そのままステップS1220Aに移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS1216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態であれば)、CPU56は、そのままステップS1220Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220A)。
なお、ステップS1218A,S1219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13aに始動入賞してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13aへの始動入賞が発生してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
ただし、ステップS1215AまたはステップS1216AでYと判定したことによりステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、ステップS1220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行わない。なお、ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ステップS1215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13aへの始動入賞があった場合には、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)である場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、ステップS1216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13aへの始動入賞があった場合には、大当り遊技状態でない場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305参照)から大当り終了処理(ステップS307参照)までの処理が実行されている状態である。
次に、図19(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ15aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1217B)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220B)。
なお、ステップS1218B,S1219Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口13bに始動入賞してステップS1217Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218B〜S1220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口13bへの始動入賞が発生してステップS1217Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1215Aと同様の処理を行い、高ベース状態であればステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、通常状態である場合にのみステップS1217Bの入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1216Aと同様の処理を行い、大当り遊技中であればステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。
図21は、ステップS1217A,S1217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bに始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、演出モードを確認する。そのようにすることによって、例えば、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果等を予測し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りとなることを予告する先読み予告演出を実行することも可能である。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で高確率状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当り、4R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には低確率状態から高確率状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の演出モードを判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、後述するモードフラグの値を参照し、その値が通常モード、バトルモード、またはチャンスモードのいずれを示す値であるかを判定する。なお、モードフラグは、大当り遊技状態の終了時に、当該大当りの種別に応じた値がセットされる(15R確変大当りの場合はバトルモード、4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、突然確変大当りの場合にはチャンスモードに応じた値がセットされる)。また、大当り遊技状態終了後に演出モードがチャンスモードになる場合には、当該大当り遊技状態終了後から30回目の変動が終了するときに、モードフラグの値が、高確率状態であればバトルモードに応じた値にセットされ、低確率状態でれば通常モードに応じた値にセットされる。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13aへの始動入賞があった場合(ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図9(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131Aを用いて大当り種別が「4R通常大当り」、「4R確変大当り」または「15R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口13bへの始動入賞があった場合(ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図9(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131Bを用いて大当り種別が「突然通常大当り」、「突然確変大当り」または「15R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「4R通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「4R通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然通常大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「4R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「4R確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、後述するモードフラグの値を参照し、その値が通常モード、バトルモード、またはチャンスモードのいずれを示す値であるかを判定する(ステップS231)。
そして、CPU56は、ステップS225、S229、S231の判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、入賞時の判定結果がはずれである場合には、当該判定結果がはずれであること及びステップS225で判定された演出モードに応じた値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行い、入賞時の判定結果が大当りである場合には、ステップS229で判定された大当り種別及びステップS231で判定された演出モードに応じた値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
図22および図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
なお、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図21に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技モードに応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、モードフラグの値を参照し、その値が通常モードであることを示す値である場合には、通常モード背景指定コマンドを送信する制御を行い、その値がバトルモードであることを示す値である場合には、バトルモード背景指定コマンドを送信する制御を行い、その値がチャンスモードであることを示す値である場合には、チャンスモード背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13aを対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口13bを対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が高確率状態の場合には、遊技状態が低確率状態(低確率/低ベース状態や低確率/高ベース状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が高確率状態であるか否かを確認し、遊技状態が高確率状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が低確率状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を高確率状態に移行するときにセットされ、高確率状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、ステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131Aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131Bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図9(B),(C)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、「突然通常大当り」や「突然確変大当り」が選択されず、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、「4R通常大当り」や「4R確変大当り」が選択されない。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「4R通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「突然通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「4R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「4R通常大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「突然通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定し、「4R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「突然確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、変動回数カウンタを1加算する(ステップS90)。変動回数カウンタは、大当りの発生に伴い0にセットされる(後述するステップS132B)ため、直前の大当り遊技状態終了後からの変動回数を示す値である。次いでCPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り種別の決定結果および現在の演出モードに応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132F(図10参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。
具体的には、CPU56は、モードフラグの値が通常モードを示す値であり、大当り種別の決定結果が15R確変大当りである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aを選択し、モードフラグの値が通常モードを示す値であり、大当り種別の決定結果が4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、突然確変大当りのいずれかである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bを選択し、モードフラグの値がバトルモードを示す値であり、大当り種別の決定結果が15R確変大当りである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cを選択し、モードフラグの値がバトルモードを示す値であり、大当り種別の決定結果が4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、突然確変大当りのいずれかである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを選択し、モードフラグの値がチャンスモードを示す値であり、大当り種別の決定結果が15R確変大当りである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Eを選択し、モードフラグの値がチャンスモードを示す値であり、大当り種別の決定結果が4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、突然確変大当りのいずれかである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Fを選択する。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、高ベース状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、時短フラグは、遊技状態を高確率/高ベース状態、低確率/高ベース状態に移行するときにセットされ、高ベース状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「4R通常大当り」または「突然通常大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において時短フラグがセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では30回)の変動表示を終了したときにリセットされる。なお、所定回数の変動表示を終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、時短フラグがリセットされる。また、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、または「突然確変大当り」とすることに決定された場合には、大当り遊技を終了する処理において確変フラグがセットされるとともに時短フラグがセットされる。そして、次の大当りが発生した場合に、確変フラグとともに時短フラグがリセットされる。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図11(A3)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図11(A4)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が高ベース状態であれば(この実施の形態では、高確率状態に移行される場合には必ず高ベース状態にも移行されるので(ステップS169,S170参照)、ステップS95でYと判定された場合には、高確率/高ベース状態と、低確率/高ベース状態に制御されている場合とがある)、CPU56は、モードフラグを参照して、バトルモードの値にセットされているか否かを判定する(ステップS99A)。バトルモードの値にセットされている場合には(ステップS99AでYES)、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図11(B3)参照)を選択する(ステップS99B)。そして、ステップS100に移行する。
ステップS99AでNと判定された場合(モードフラグの値がチャンスモードの値にセットされている場合)には、CPU56は、変動回数カウンタの値が30であるか否かを確認する(ステップS99C)。変動回数カウンタの値が30でなければ(ステップS99CでN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図11(C3)参照)を選択する(ステップS99D)。そして、ステップS100に移行する。
ステップS99CでYと判定された場合(変動回数カウンタの値が30である場合)には、CPU56は、高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS99D)。高確率フラグがセットされている場合には(ステップS99DでY)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135E(図11(C4)参照)を選択する(ステップS99E)。そして、ステップS100に移行する。一方、高確率フラグがセットされていない場合には(ステップS99DでN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135F(図11(C5)参照)を選択する(ステップS99E)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99Fの処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図11(A4)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、演出モードがバトルモードである場合には図11(B3)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。また、演出モードがチャンスモードであり、変動回数カウンタの値が30未満である場合には、図11(C3)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dが選択される。これらの場合には、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として非リーチCX0−2が決定される場合があり、非リーチCX0−2の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPX0−2が決定されるため(図13参照)、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S97、S98、S99B、S99D、S99E、S99Fの処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B、137C(図12参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図13参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図25は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図14参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、即ち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。
大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「4R通常大当り」であるときには、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS112,S113)。なお、「4R通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「突然通常大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114,S115)。なお、「突然通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「4R確変大当り」であるときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118,S119)。なお、「4R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「04」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、および「4R確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS120)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS121)。
図26は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、高確率状態であることを示す確変フラグ、および高ベース状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS132)、時短回数カウンタを0回にセットし(ステップS132A)、変動回数カウンタを0回にセットして(ステップS132B)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「15R確変大当り」である場合には、大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合には、大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「15R確変大当り」の場合には15回。「4R通常大当り」や「4R確変大当り」の場合には4回。「突然通常大当り」や「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然通常大当りや突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、4R通常大当り、4R確変大当り、15R確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、低確率高ベース状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、前回の大当り遊技状態終了後からの変動回数を示す変動回数カウンタの値が30となっているか否かを確認する(ステップS141)。変動回数カウンタの値が30となっている場合には(ステップS141でY)、CPU56は、モードフラグの値がチャンスモードを示す値であるか否かを確認する(ステップS142)。チャンスモードを示す値である場合には、CPU56は、高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS143)。そして、CPU56は、高確率フラグがセットされていれば(ステップS143でY)、モードフラグの値をバトルモードを示す値(例えば2)にセットし(ステップS144)、高確率フラグがセットされていなければ(ステップS143でN)、モードフラグの値を通常モードを示す値(例えば1)にセットする(ステップS145)。
そして、ステップS141でNOと判定されたとき、ステップS142でNOと判定されたとき、またはステップS144,S145の後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図28は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「15R確変大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「4R通常大当り」、「4R確変大当り」、「突然通常大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかであった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当りが通常大当り(「4R通常大当り」及び「突然通常大当り」のいずれか)であるか否かを確認する(ステップS166)。なお、「4R通常大当り」または「突然通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」または「02」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(例えば30回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りでなければ(すなわち、15R確変大当り、4R確変大当り、または突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして高確率状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして高ベース状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、モードフラグに大当り種別に応じた値をセットする。例えば、大当り種別が15R確変大当りであれば、バトルモードを示す値である2をセットし、大当り種別が「4R通常大当り」、「4R確変大当り」、「突然通常大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかであれば、チャンスモードを示す値である3をセットする。なお、例えば、通常モードを示す値は1であり、前述したステップS145でチャンスモードから通常モードにモード移行するときに、モードフラグの値が通常モードを示す値にセットされる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
図29は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図30は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出の実行の有無及び実行する場合の演出態様を決定するための乱数、ブラックアウト予告演出の実行の有無及び実行する場合の演出態様(期間)を決定するための乱数、タイトル予告演出の実行の有無を決定するための乱数、図柄消灯予告演出の実行の有無及び実行する場合の態様を決定するための乱数をRAMに記憶しており、ステップS707において、各乱数を生成するためのカウンタのカウント値も更新している。
図31は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14および図15参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図32〜図35は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。受信した演出制御コマンドが大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS652)。
始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数(第1保留記憶数+第2保留記憶数)の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、図19の始動口スイッチ通過処理のステップS1218A〜S1220A,S1218B〜S1220Bで示したように、第1始動入賞口13aまたは第2始動入賞口13bへの始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定マンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のコマンドがセットで送信される。そのため、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順に格納されていくことになる。なお、以下の説明では、始動入賞時コマンド格納領域に第1保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第1保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第1保留コマンドと総称する場合があり、始動入賞時コマンド格納領域に第2保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第2保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第2保留コマンドと総称する場合がある。
また、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理のステップS8007C,8007Dにおいて、始動入賞時コマンド格納領域のいずれかの格納領域に第2保留コマンドが格納されている場合には、第2保留コマンドが格納されている最初の格納領域に格納されているものから、始動入賞時コマンド格納領域のいずれの格納領域にも第2保留コマンドが格納されていない場合には、第1保留コマンドが格納されている最初の格納領域に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。
図34に戻り、受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS654)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS656A)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS656B)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS658A)。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS658B)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数表示を更新する(ステップS662A)。例えば、第1保留記憶表示部18cの1つ目〜3つ目の保留表示(例えば第1保留記憶に対応する赤色の丸形表示)が点灯表示されていた場合に、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1番目の保留表示(本例では、第1保留記憶表示部18cの1つ目の保留表示)を消去するとともに、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。
また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS662C)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS661D)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1つ消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数表示を更新する(ステップS662E)。例えば、第2保留記憶表示部18dの1つ目〜3つ目の保留表示(例えば第2保留記憶に対応する青色の丸形表示)が点灯表示されていた場合に、第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1番目の保留表示(本例では、第2保留記憶表示部18dの1つ目の保留表示)を消去するとともに、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。
また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS662G)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(ステップS664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数をクリアする(ステップS665)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、合算保留記憶数が0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する第1保留記憶数及び第2保留記憶数をリセットする。ステップS665の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で第1保留記憶数及び第2保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った第1保留記憶数及び第2保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって合算保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが通常モード背景指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常モードに応じた背景画面(例えば、「通常モード」と表示された背景画面)に変更する(ステップS667)。また、演出用CPU101は、背景フラグの値を通常モードを示す値(例えば1)にセットする(ステップS668)。
また、受信した演出制御コマンドがバトルモード背景指定コマンドであれば(ステップS669)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面をバトルモードに応じた背景画面(例えば、「バトルモード」と表示された背景画面)に変更する(ステップS670)。また、演出用CPU101は、背景フラグの値をバトルモードを示す値(例えば2)にセットする(ステップS671)。
また、受信した演出制御コマンドがチャンスモード背景指定コマンドであれば(ステップS673)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面をチャンスモードに応じた背景画面(例えば、「チャンスモード」と表示された背景画面)に変更する(ステップS674)。また、演出用CPU101は、背景フラグの値をチャンスモードを示す値(例えば3)にセットする(ステップS675)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS678)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(ステップS679)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放中指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納する(ステップS680)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中指定コマンド格納領域に格納された大入賞口開放中指定コマンドを確認することによって、大当り遊技中の何ラウンド目であるかを認識することができる。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS681)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(ステップS682)。また、演出制御用CPU101は、受信した大入賞口開放後指定コマンドを、RAMに形成されている大入賞口開放後指定コマンド格納領域に格納する(ステップS683)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS684)。そして、ステップS611に移行する。
図36は、図30に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、保留表示更新処理を実行する(ステップS800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図37は、保留表示更新処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。保留表示更新処理において、演出制御用CPU101は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のセット)を新たに受信したか否かを確認する(ステップS6001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか否かを確認する(ステップS6002)。最新の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部18cにおいて保留表示として、例えば赤色の丸形表示(以下、第1通常保留表示ともいう)を1つ増加させる(ステップS6003)。最新の保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドでなければ(第2保留記憶数加算指定コマンドであれば)、第2保留記憶表示部18dにおいて保留表示として、例えば青色の丸形表示(以下、第2通常保留表示ともいう)を1つ増加させる(ステップS6004)。
図38は、図36に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図38に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図39は、図36に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8001の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8001において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図40は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図40に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、または「突然確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンド、表示結果5指定コマンド、表示結果6指定コマンドのいずれかである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右が「135」となる演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「はずれ」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄や「135」の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9等において実行する予告演出の設定を行う(ステップS8002)。具体的には、後述するように、ステップアップ予告演出の実行の有無及び実行する場合の演出態様、ブラックアウト予告演出の実行の有無及び実行する場合の演出態様(期間)、タイトル予告演出の実行の有無及び実行する場合の演出態様、図柄消灯予告演出の実行の有無及び実行する場合の態様を決定する予告演出設定処理を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび前述した予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8003)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8004)。
図41は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図41に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS8003において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8005)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS8003でセットされたプロセステーブルに従って、決定された予告演出を開始する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8006)。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド)を1つ削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS8007〜S8007D)。
ステップS8007では、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に第2保留コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)が記憶されているか否かを確認する。第2保留コマンドが記憶されている場合には(ステップS8007でYES)、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち、第2始動入賞口13bへの始動入賞時に受信したコマンドが格納されている1番目の格納領域の内容を削除し(例えば、第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されている1番目の格納領域の内容を削除し)、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトする(ステップS8007C)。例えば、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に第1始動入賞口13aへの始動入賞時に受信したコマンドが格納され、2つ目の格納領域に第2始動入賞口13bへの始動入賞時に受信したコマンドが格納されている場合には、2つ目の格納領域の内容を削除し、3つ目以降の格納領域の内容をシフトする。
ステップS8007で、第2保留コマンドが記憶されていない場合(第1保留コマンドのみが記憶されている場合)には(ステップS8007でNO)、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている内容を削除し(この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されることから、第1特別図柄の変動表示が実行されるということは、始動入賞時コマンド格納領域に格納されているコマンドは、全て第1始動入賞口13aへの始動入賞時に受信したコマンドである)、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトする(ステップS8007D)。
なお、ステップS8007Cにおいて、第2図柄変動指定コマンドや第2保留記憶数減算指定コマンドを受信していることを確認した上で、第2保留コマンドが格納されている1番目の格納領域の内容を削除して、以降の格納領域の内容を1つずつシフトするようにしても良い。また、ステップS8007Dにおいて、第1図柄変動指定コマンドや第1保留記憶数減算指定コマンドを受信していることを確認した上で、第1保留コマンドが格納されている1番目の格納領域の内容を削除して、以降の格納領域の内容を1つずつシフトするようにしても良い。
なお、例えば、第1始動入賞時コマンド格納領域と第2始動入賞時格納領域とを別々に設けるように構成する場合には、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行する場合であれば、第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている内容を削除して第1始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトし、第2特別図柄の変動表示に対応して演出図柄の変動表示を実行する場合であれば、第2始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている内容を削除して第2始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトするようにしてもよい。
そして、ステップS8007C又はステップS8007Dの処理を実行後、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図42は、演出図柄変動開始処理における予告演出設定処理(ステップS8002)を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ステップアップ予告決定テーブル(図43(A))に基づいてステップアップ予告の実行の有無およびステップアップ予告を実行する場合の態様を決定する(ステップS6501)。ここで、本実施の形態におけるステップアップ予告とは、図52に示すように、演出図柄の変動開始直後に開始される演出であって、大当りが発生する可能性を示唆する演出である。
図52に示すように、ステップアップ予告は、変動開始直後から、時間経過に応じて段階的に発展するという態様の演出である。演出図柄の変動開始直後の第1段階では、(1)に示すように、キャラ1000が画面中央に小さく表示される態様の演出であり、所定時間経過後(例えば変動開始から0.8秒後)の第2段階では、(2)に示すようにキャラ1000が第1段階よりも大きく表示される態様の演出となり、さらに所定時間経過後(例えば変動開始から1.6秒後)の第3段階では、(3A)に示すようにキャラ1000が第2段階よりもさらに大きく表示され、且つ、そのキャラ1000が武器を持っている態様の演出となる。また、第3段階として、(3B)に示すようにキャラ1000の一部(帽子と武器)が星柄表示である特殊表示態様の演出(第3段階特殊態様の演出)も存在する。
ステップS6501では、図43(A)に示すステップアップ予告決定テーブルに基づいて、ステップアップ予告の実行の有無及びステップアップ予告を実行する場合の態様(ステップアップ予告A〜Dのいずれを実行するか)を決定する。ステップアップ予告の態様として、前述した第1段階のみで演出を終了する態様のステップアップ予告Aと、前述した第1段階及び第2段階のみで演出を終了する態様のステップアップ予告Bと、前述した第1段階から第3段階までの演出をすべて実行し、第3段階は特殊態様としないステップアップ予告Cと、前述した第1段階から第3段階までの演出をすべて実行し、且つ第3段階を特殊態様(帽子と武器を星柄表示)とするステップアップ予告Dとが存在する。
図43(A)に示すように、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「はずれ」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、60%の割合でステップアップ予告演出を実行しないことに決定し、25%の割合でステップアップ予告Aを実行することに決定し、10%の割合でステップアップ予告Bを実行することに決定し、4.5%の割合でステップアップ予告Cを実行することに決定し、0.5%の割合でステップアップ予告Dを実行することに決定する。また、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、または「突然確変大当り」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、20%の割合でステップアップ予告演出を実行しないことに決定し、5%の割合でステップアップ予告Aを実行することに決定し、10%の割合でステップアップ予告Bを実行することに決定し、50%の割合でステップアップ予告Cを実行することに決定し、10%の割合でステップアップ予告Dを実行することに決定する。また、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「15確変大当り」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、20%の割合でステップアップ予告演出を実行しないことに決定し、5%の割合でステップアップ予告Aを実行することに決定し、10%の割合でステップアップ予告Bを実行することに決定し、20%の割合でステップアップ予告Cを実行することに決定し、40%の割合でステップアップ予告Dを実行することに決定する。
このように、ステップアップ予告演出が実行される場合の信頼度は、第1段階まで実行された場合<第2段階まで実行された場合<第3段階まで実行された場合の順に向上するので、遊技者はステップアップ予告演出がより多くの段階まで発展することを期待する。なお、ここでいう予告の「信頼度」とは、その特定の演出態様による予告演出が実行された場合に、当該予告演出を伴う変動表示の表示結果として大当り図柄が出現する出現率(確率)を示している。例えば、ステップアップ予告Cを伴う変動表示が実行される場合の信頼度は、(大当りと決定されている場合にステップアップ予告Cが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にステップアップ予告Cが実行される割合)を計算することによって求められる。
また、ステップアップ予告Cとステップアップ予告Dはいずれも第3段階まで発展する演出であるが、表示結果が15R確変大当りとなる場合(即ち高確率確定の大当りである場合)に40%の割合でステップアップ予告Dが選択されるのに対し、表示結果が4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、または突然確変大当りである場合には10%の割合でしかステップアップ予告Dが選択されない。従って、ステップアップ予告が第3段階まで発展し且つキャラ1000の一部が星柄表示となったときには、遊技者は、出玉が最大で且つ高確率状態が確定する15R確変大当りの発生を期待することになる。このようにステップアップ予告Dは大当りの可能性を示唆すると共に、遊技者にとって最も有利な大当り種別(15R確変大当り)の発生を示唆するものでもあるため、遊技者がその出現を最も期待するステップアップ予告である。
次に、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告Dを実行することに決定したか否かを確認する(ステップS6502)。ステップアップ予告Dを実行することに決定した場合(ステップS6502でY)、ステップS6508に移行する。ステップアップ予告Dを実行しない(ステップアップ予告A、B、Cのいずれかを実行するか又はステップアップ予告自体を実行しない)ことに決定した場合(ステップS6502でN)、演出制御用CPU101は、ブラックアウト予告決定テーブル(図43(B))に基づいてブラックアウト予告の実行の有無およびブラックアウト予告を実行する場合の態様(ブラックアウトの期間)を決定する(ステップS6503)。ここで、本実施の形態におけるブラックアウト予告とは、図53の(3)に示すように、表示画像の視認性を基準状態よりも低い視認困難状態に変化させる演出であり、具体的には演出表示装置9に表示される画像全体の輝度を低下させる演出である。
ステップS6503では、図43(B)に示すブラックアウト予告決定テーブルに基づいて、ブラックアウト予告の実行の有無及びブラックアウト予告を実行する場合の態様(ステップアップ予告A〜Dのいずれを実行するか)を決定する。ブラックアウト予告の態様として、変動開始1秒後から2秒を経過するまでを視認困難状態とするブラックアウト予告Aと、変動開始1秒後から3秒を経過するまでを視認困難状態とするブラックアウト予告Bと、変動開始1秒後から5秒を経過するまでを視認困難状態とするブラックアウト予告Cと、変動開始1秒後から6秒を経過するまでを視認困難状態とするブラックアウト予告Dとが存在する。
図43(B)に示すように、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「はずれ」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、70%の割合でブラックアウト予告演出を実行しないことに決定し、5%の割合でブラックアウト予告Aを実行することに決定し、20%の割合でブラックアウト予告Bを実行することに決定し、4%の割合でブラックアウト予告Cを実行することに決定し、1%の割合でブラックアウト予告Dを実行することに決定する。また、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、または「突然確変大当り」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、45%の割合でブラックアウト予告演出を実行しないことに決定し、10%の割合でブラックアウト予告Aを実行することに決定し、5%の割合でブラックアウト予告Bを実行することに決定し、15%の割合でブラックアウト予告Cを実行することに決定し、25%の割合でブラックアウト予告Dを実行することに決定する。
このように、ブラックアウト予告演出が実行される場合の信頼度は、ブラックアウト予告B<ブラックアウト予告A<ブラックアウト予告C<ブラックアウト予告Dの順に向上する。従来では、このようなブラックアウト予告が実行される場合には、そのブラックアウト期間(視認困難状態とする期間)が長くなるほど、信頼度も向上するものであったが、この実施の形態では、ブラックアウト期間が最も短いブラックアウト予告Aが、これよりもブラックアウト期間が長いブラックアウト予告Bよりも高い信頼度に設定されている。このようにすることで、遊技者はブラックアウト期間に興味を抱くようになり、演出効果が向上する。また、ブラックアウト期間が最短の予告演出であるからといって、信頼度が最低の予告演出であるとは限らないため、短いブラックアウト期間の予告演出が実行された場合でも、遊技者を落胆させず、期待感を持続させることができる。
次に、演出制御用CPU101は、ブラックアウト予告を実行することに決定したか否かを確認する(ステップS6504)。ブラックアウト予告を実行しないことに決定した場合(ステップS6504でN)、ステップS6508に移行する。ブラックアウト予告を実行することに決定した場合(ステップS6504でY)、演出制御用CPU101は、タイトル予告実行決定テーブル(図44(A))に基づいてタイトル予告の実行の有無を決定する(ステップS6505)。ここで、本実施の形態におけるタイトル予告とは、図54の(4)に示すように、ブラックアウト予告終了後に連続して実行される演出であって、例えば、当該変動表示中に実行される演出に関連したタイトル(この例では最終話「○○○」)を表示する演出である。
ステップS6505では、図44(A)に示すタイトル予告実行決定テーブルに基づいて、タイトル予告の実行の有無を決定する。
図44(A)に示すように、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「はずれ」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、95%の割合でタイトル予告演出を実行しないことに決定し、5%の割合でタイトル予告演出を実行することに決定する。また、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、または「突然確変大当り」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、30%の割合でタイトル予告演出を実行しないことに決定し、70%の割合でタイトル予告演出を実行することに決定する。即ち、タイトル予告演出は極めて信頼度の高い予告演出であり、タイトル予告演出が実行されると、遊技者は高い割合で大当りが発生することを認識する。即ち、タイトル予告演出は、遊技者に対して高い割合で大当りが発生することを報知する演出である。
次に、演出制御用CPU101は、タイトル予告を実行することに決定したか否かを確認する(ステップS6506)。タイトル予告を実行することに決定した場合(ステップS6506でY)、演出制御用CPU101は、タイトル予告決定テーブル(図44(B))に基づいて実行するタイトル予告の態様を決定する(ステップS6507)。
ステップS6507では、図44(B)に示すタイトル予告決定テーブルに基づいて、タイトル予告を実行する場合の態様(タイトル予告AまたはBのいずれを実行するか)を決定する。この実施の形態では、タイトル予告はブラックアウト予告演出の終了に伴って実行される演出であり、当該実行されるブラックアウト予告の態様、具体的には、ブラックアウト期間に応じて、実行されるタイトル予告が決定される。ブラックアウト期間が3秒以下のブラックアウト予告Aまたはブラックアウト予告Bが実行される場合には、タイトル予告Aの実行が決定され、ブラックアウト期間が5秒以上のブラックアウト予告Cまたはブラックアウト予告Dが実行される場合には、タイトル予告Bの実行が決定される。なお、タイトル予告Aにおいて表示されるタイトルは、第1話「×××」であり、タイトル予告Bにおいて表示されるタイトルは、最終話「○○○」である。
このようにブラックアウト期間に応じて、タイトル予告の態様を異ならせるようにすることで、ブラックアウト期間に対して遊技者がより興味を抱くようになり、興趣を向上させることができる。
次に、ステップS6508において、演出制御用CPU101は、図柄消灯予告決定テーブル1(図43(C1))に基づいて、図柄消灯予告の実行の有無および図柄消灯予告を実行する場合の態様を決定する。ここで、本実施の形態における図柄消灯予告とは、図52の(4)〜(6)に示すように、演出図柄が停止(仮停止も含む)した直後のタイミングで、当該停止した演出図柄やその周囲の輝度を低下させて、あたかも演出図柄自体が消灯されたかのようにみせる演出である。図柄消灯予告は、ブラックアウト予告が実行される場合には、そのブラックアウト予告終了後に実行される。
ステップS6508では、図43(C1)に示す図柄消灯予告決定テーブルに基づいて、図柄消灯予告の実行の有無及び図柄消灯予告を実行する場合の態様を決定する。図柄消灯予告の態様として、左図柄のみ消灯し右図柄及び中図柄は消灯しない失敗態様の図柄消灯予告Aと、左図柄及び右図柄のみ消灯し中図柄は消灯しない失敗態様の図柄消灯予告B(例えば図55の(4)〜(6))と、左図柄、右図柄、および中図柄のすべての図柄が消灯する成功態様の図柄消灯予告C(例えば図53の(4)〜(6))とが存在する。ここで、失敗態様で終了する図柄消灯予告A及びBについては、最終停止図柄(最終的に導出表示される演出図柄)を対象とした図柄消灯予告が実行され、成功態様で終了する図柄消灯予告Cについては、最終停止図柄の導出表示前の仮停止図柄を対象とした図柄消灯予告が実行される。即ち図柄消灯予告が成功態様で終了するとは、左右中のすべての図柄が消灯状態で仮停止した後に、演出図柄が再変動することを意味する。この仮停止図柄については、あらかじめ定められた大当り図柄以外の演出図柄(例えば119)としても良いし、図柄消灯予告Cの実行決定に伴い乱数を用いて決定するようにしても良い。
図43(C1)に示すように、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「はずれ」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、75%の割合で図柄消灯予告演出を実行しないことに決定し、15%の割合で図柄消灯予告Aを実行することに決定し、8%の割合で図柄消灯予告Bを実行することに決定し、2%の割合で図柄消灯予告Cを実行することに決定する。また、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、または「突然確変大当り」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、60%の割合で図柄消灯予告を実行しないことに決定し、40%の割合で図柄消灯予告Cを実行することに決定する。すなわち大当りが発生する場合には図柄消灯予告AおよびBは実行されず、図柄消灯予告が実行される場合には成功態様で終了する。従って、遊技者は左図柄、右図柄、中図柄の順に図柄消灯演出が行われる過程において、全ての図柄が消灯することを期待する。
ステップS6506で、演出制御用CPU101は、タイトル予告を実行しないことことに決定した場合(ステップS6506でN)、実行すると決定したステップアップ予告とブラックアウト予告の期間が重複しているか否かを確認する(ステップS6509)。具体的には、本実施の形態においてブラックアウト予告の実行開始タイミングは変動開始から1秒後に決定されているので、ステップアップ予告が第2段階(変動開始から0.8秒〜1.6秒の期間)以降まで実行されるステップアップ予告BまたはCが実行される場合には、ブラックアウト期間とステップアップ予告の実行期間が重複することになる。このとき、図54の(2)(3)に示すように第2段階の途中で画面全体の輝度が大きく低下するため、遊技者は第2段階から第3段階までステップアップ予告が発展したか否かを把握することができず、興趣が低下してしまうおそれがある。
ステップS6509で、ステップアップ予告の期間とブラックアウト予告の期間とが重複しない場合には(N)、演出制御用CPU101は、ステップS6508に移行する。一方、ステップアップ予告の期間とブラックアウト予告の期間とが重複する場合には(ステップS6509でY)、演出制御用CPU101は、図柄消灯予告決定テーブル2(図43(C2))に基づいて、図柄消灯予告の実行の有無および図柄消灯予告を実行する場合の態様を決定する(ステップS6510)。
図43(C2)に示すように、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「はずれ」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、30%の割合で図柄消灯予告演出を実行しないことに決定し、35%の割合で図柄消灯予告Aを実行することに決定し、33%の割合で図柄消灯予告Bを実行することに決定し、2%の割合で図柄消灯予告Cを実行することに決定する。また、ステップS8000で読み出された変動パターンコマンドが、「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、または「突然確変大当り」の変動パターンコマンドである場合には(図7を参照)、20%の割合で図柄消灯予告を実行しないことに決定し、80%の割合で図柄消灯予告Cを実行することに決定する。すなわち大当りが発生する場合には図柄消灯予告AおよびBは実行されず、図柄消灯予告が実行される場合には成功態様で終了する。
このように、ステップアップ予告の実行期間とブラックアウト予告の実行期間とが重複する場合には、図柄消灯予告決定テーブル2を選択することで、はずれの場合にも大当りとなる場合にも図柄消灯予告の実行割合を向上させるようにしている。すなわち、図45(A)に示すようにステップアップ予告が第2段階となっている時点でブラックアウト予告が開始されてしまうことにより、ステップアップ予告が第3段階まで発展したのか否かを遊技者が把握できず興趣の低下につながるところを、ブラックアウト予告終了後に実行される図柄消灯予告の実行割合を高めることによって興趣の低下を抑止するようにしている。
なお、この実施の形態では、図45(B)に示すようにステップアップ予告の実行期間とブラックアウト予告の実行期間が重複している場合であっても、タイトル予告が実行される場合には、当該タイトル予告によって興趣の低下を抑止可能であるため、図柄消灯予告決定テーブル1を選択し、図柄消灯予告の実行割合を向上させないようにしている。
また、ステップアップ予告演出は実行されるものの、その実行期間とブラックアウト予告の実行期間とが重複しない場合に、例えば、ステップアップ予告演出Aとブラックアウト予告演出との実行期間が実行される場合には、図柄消灯予告決定テーブル1を選択するようにしている。これにより、図柄消灯予告の実行割合が過度に高められてしまうことを防止するようにしている。
さらに、この実施の形態では、ステップアップ予告において第3段階の画像の一部(帽子と武器)が特殊表示態様(星柄表示)となることにより15R確変大当りの発生を示唆するステップアップ予告Dが実行されるときには、ブラックアウト予告が実行されないようにしている。このように、画像の一部が特殊表示態様のステップアップ予告が実行される場合には、その特殊表示態様の画像が視認困難な状態となることがないようにしているため、遊技者が特殊表示態様での表示が実行されていないにもかかわらず、特殊表示態様での表示が実行されていると誤判断することを防ぐことができる。
図53には、表示結果が大当りとなる場合にステップアップ予告C、ブラックアウト予告、および図柄消灯予告Cが実行される例を示している。この場合には、(1)〜(3)に示すようにステップアップ予告が第2段階まで発展したときにブラックアウト予告が開始されるため、遊技者はステップアップ予告が第3段階まで発展したことを把握できない。この場合には前述したように図柄消灯予告決定テーブル2が選択されることにより、図柄消灯予告が高い割合で実行されるようになる。この例では、大当りとなる例を示しているが、80%の割合で図柄消灯予告Cが実行されることになる。ブラックアウト予告終了後に、左図柄が停止すると、(4)に示すように直ちにその図柄の輝度を低下させる演出が実行され、右図柄が停止すると、(5)に示すように直ちにその図柄の輝度を低下させる演出が実行され、中図柄が停止すると、(6)に示すように直ちにその図柄の輝度を低下させる演出が実行され、仮停止図柄として「119」が表示される。すなわち、図柄消灯予告が成功態様で終了した後、(7)に示すように演出図柄の再変動に伴うスーパーリーチが発生して、(8)に示すように最終停止図柄としての大当り図柄が導出表示される。このように、スーパーリーチが発生する変動パターンにおいては、スーパーリーチの発生直前に図柄消灯予告における仮停止が行われて、演出図柄の再変動に伴ってスーパーリーチが発生するようにすると良い。
図54には、ステップアップ予告C、ブラックアウト予告、およびタイトル予告Bが実行される例を示している。この場合には、(1)〜(3)に示すようにステップアップ予告が第2段階まで発展したときにブラックアウト予告が開始されるため、遊技者はステップアップ予告が第3段階まで発展したことを把握できない。しかし、この例では、(4)に示すようにタイトル予告が実行されることに決定されているため、図柄消灯予告決定テーブル1が選択され、図柄消灯予告の実行割合は高められない。
図55には、表示結果がはずれとなる場合にステップアップ予告C、ブラックアウト予告、および図柄消灯予告Bが実行される例を示している。この場合には、(1)〜(3)に示すようにステップアップ予告が第2段階まで発展したときにブラックアウト予告が開始されるため、遊技者はステップアップ予告が第3段階まで発展したことを把握できない。この場合には前述したように図柄消灯予告決定テーブル2が選択されることにより、図柄消灯予告が高い割合で実行されるようになる。この例では、はずれとなる例を示しているが、35%の割合で図柄消灯予告Aが実行され、33%の割合で図柄消灯予告Bが実行されることになる。ブラックアウト予告終了後に、左図柄が停止すると、(4)に示すように直ちにその図柄の輝度を低下させる演出が実行され、右図柄が停止すると、(5)に示すように直ちにその図柄の輝度を低下させる演出が実行されるが、中図柄が停止しても、(6)に示すようにその図柄の輝度は低下しない。これにより、最終停止図柄(この例では「149」)が導出表示されたことになる。このように、図柄消灯予告が失敗態様で終了する場合には、最終停止図柄のうちの左図柄(図柄消灯予告Aの場合)、または左図柄と右図柄(図柄消灯予告Bの場合)を対象とした図柄消灯演出が実行される。
このように、図柄消灯予告では、最終停止図柄としての演出図柄が導出表示されるより前の時点において停止する図柄を対象とした図柄消灯演出を実行している。このようにすることで、最終停止図柄が導出表示される前であっても、図柄が停止するときに当該図柄に対して図柄消灯予告が実行されることを期待させて遊技者の期待感を煽ることができる。
図46は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。この場合、変動開始時にステップアップ予告、ブラックアウト予告、タイトル予告、および図柄消灯予告のいずれかを実行することに決定されている場合には、プロセステーブルに従って、例えば図53〜図55に示したように、決定された予告演出を実行する。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8120)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8121)。
図47は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8307に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8306で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8307に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。
次いで、ステップS8302の処理で大当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8305のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8313に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8305のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8306)、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、または大当り開始2指定コマンドを受信したことを示す大当り開始2指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8307)。大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS8308)。
そして、演出制御用CPU101は、背景フラグの値および大当り種別に応じたファンファーレ演出を選択する(ステップS8308A)。具体的には、背景フラグの値が、通常モード、バトルモード、チャンスモードのいずれを示す値であるかを確認し、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を参照して、開始される大当り遊技状態の大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれであるかを確認する。そして、背景フラグの値および大当り種別に応じたファンファーレ演出を選択する。
ここで、本実施の形態では、背景フラグの値がバトルモードを示す値である場合には、大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合に、共通のファンファーレ演出が選択されるものとする。また、背景フラグの値がチャンスモードを示す値である場合にも、大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合に、共通のファンファーレ演出が選択されるものとする。このように、バトルモードやチャンスモードに制御されている状態では、大入賞口への入賞を期待できる大当り(例えば4R通常大当り)と、実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当り(例えば突然通常大当り)とで、共通のファンファーレ演出が選択されるので、演出データの容量を抑制して、演出制御を簡素化することができる。
そして、演出制御用CPU101は、選択したファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8309)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8310)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8311)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
大当りとしないことに決定されている場合には(ステップS8305のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8313)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図38のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8314)。
図48は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS1901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS1902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)の制御を実行する(ステップS1903)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS1904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS1905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS1906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS1901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS1907)。
そして、演出制御用CPU101は、背景フラグの値および大当り種別に応じたラウンド中演出を選択する(ステップS1907A)。具体的には、背景フラグの値が、通常モード、バトルモード、チャンスモードのいずれを示す値であるかを確認し、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を参照して、実行される大当り遊技状態の大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれであるかを確認する。そして、背景フラグの値および大当り種別に応じたラウンド中演出を選択する。さらに、ここで選択されるラウンド中演出は大入賞口開放中指定コマンドが指定するラウンド(ここでは第1ラウンド)に応じた演出である。
ここで、本実施の形態では、背景フラグの値がバトルモードを示す値である場合には、大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合に、共通のラウンド中演出が選択されるものとする。また、背景フラグの値がチャンスモードを示す値である場合にも、大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合に、共通のラウンド中演出が選択されるものとする。このように、バトルモードやチャンスモードに制御されている状態では、大入賞口への入賞を期待できる大当り(例えば4R通常大当り)と、実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当り(例えば突然通常大当り)とで、共通のラウンド中演出が選択されるので、演出データの容量を抑制して、演出制御を簡素化することができる。
なお、4R通常大当り(4R確変大当り)と突然通常大当り(突然確変大当り)とでは、1ラウンドあたりの長さが異なるため(最長で29秒と0.1秒)、この実施の形態では、4R通常大当り(4R確変大当り)のラウンド中演出においては、突然通常大当り(突然確変大当り)のラウンド中演出が繰り返し実行されるものとする。そして、演出制御用CPU101は、選択したラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS1908)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS1909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS1910)。
図49は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグ(具体的には、大当り終了1指定コマンド受信フラグ、または大当り終了2指定コマンド受信フラグ(ステップS642参照))がセットされているか否かを確認する(ステップS2901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS2901のN)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2902)。
大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS2902のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS2903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)の制御を実行する(ステップS2904)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
また、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において、遊技者に右遊技領域7Bに向けて遊技球を発射するように促す右打ち示唆表示を実行する。具体的には、大当り種別が15R確変大当り、4R確変大当り、4R通常大当りである場合には、遊技者が右打ちを行うことによって大入賞口への入賞を期待できるため、図58の(5)(6)、および図60の(9)〜(12)に示すように、画面右上に大きく、遊技者が視認し易い態様で「右打ちせよ」の文字と右向きの矢印を表示する。一方、大当り種別が突然確変大当りや突然通常大当りであり、遊技者が右打ちを行っても大入賞口への入賞を期待できないような大当りである場合には、図59の(6)に示すように、画面右上に小さく、遊技者が視認し難い態様で「右打ち」の文字と右向きの矢印を表示する。このように、実質的に大入賞口への遊技球の入賞が困難な突然通常大当り、突然確変大当りに制御されているときには、右打ち示唆表示を視認困難な態様とすることで、無駄な遊技球の発射を抑制することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS2905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS2906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS2907)。
ステップS2902において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS2902のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットする(ステップS2908)。
そして、演出制御用CPU101は、背景フラグの値および大当り種別に応じたインターバル演出を選択する(ステップS2908A)。具体的には、背景フラグの値が、通常モード、バトルモード、チャンスモードのいずれを示す値であるかを確認し、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を参照して、実行される大当り遊技状態の大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれであるかを確認する。そして、背景フラグの値および大当り種別に応じたインターバル演出を選択する。さらに、ここで選択されるインターバル演出は大入賞口開放後指定コマンドが指定するラウンドに応じた演出である。
ここで、本実施の形態では、背景フラグの値がバトルモードを示す値である場合には、大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合に、共通のインターバル演出が選択されるものとする。また、背景フラグの値がチャンスモードを示す値である場合にも、大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合に、共通のインターバル演出が選択されるものとする。このように、バトルモードやチャンスモードに制御されている状態では、大入賞口への入賞を期待できる大当り(例えば4R通常大当り)と、実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当り(例えば突然通常大当り)とで、共通のインターバル演出が選択されるので、演出データの容量を抑制して、演出制御を簡素化することができる。
そして、演出制御用CPU101は、選択したインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)に応じたプロセスデータを選択する(ステップS2909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS2910)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS2911)。例えば、ここで決定するインターバル演出は、前ラウンドで実行していたラウンド中演出及び次ラウンドで実行するラウンド中演出と連続性を持った演出(例えばストーリー性のあるアニメーション等)により構成されていると良い。
ステップS2901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(ステップS2901のY)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS2912)。
そして、演出制御用CPU101は、背景フラグの値および大当り種別に応じたエンディング演出を選択する(ステップS2912A)。具体的には、背景フラグの値が、通常モード、バトルモード、チャンスモードのいずれを示す値であるかを確認し、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を参照して、実行される大当り遊技状態の大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれであるかを確認する。そして、背景フラグの値および大当り種別に応じたエンディング演出を選択する。
ここで、本実施の形態では、背景フラグの値がバトルモードを示す値である場合には、大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合に、共通のエンディング演出が選択されるものとする。また、背景フラグの値がチャンスモードを示す値である場合にも、大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合に、共通のエンディング演出が選択されるものとする。このように、バトルモードやチャンスモードに制御されている状態では、大入賞口への入賞を期待できる大当り(例えば4R通常大当り)と、実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当り(例えば突然通常大当り)とで、共通のエンディング演出が選択されるので、演出データの容量を抑制して、演出制御を簡素化することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、選択したエンディング演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS2913)。また、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS2914)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS2915)。
図50は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS3901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS3901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS3902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)の制御を実行する(ステップS3903)。例えば、演出表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS3904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS3905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS3906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS3901のY)、演出制御用CPU101は、背景フラグの値および大当り種別に応じたラウンド中演出を選択する(ステップS3911)。具体的には、背景フラグの値が、通常モード、バトルモード、チャンスモードのいずれを示す値であるかを確認し、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を参照して、実行される大当り遊技状態の大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「15R確変大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれであるかを確認する。そして、背景フラグの値および大当り種別に応じたラウンド中演出を選択する。さらに、ここで選択されるラウンド中演出は大入賞口開放中指定コマンドが指定するラウンドに応じた演出である。
ここで、本実施の形態では、背景フラグの値がバトルモードを示す値である場合には、大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合に、共通のラウンド中演出が選択されるものとする。また、背景フラグの値がチャンスモードを示す値である場合にも、大当り種別が「4R通常大当り」、「突然通常大当り」、「4R確変大当り」、および「突然確変大当り」のいずれかである場合に、共通のラウンド中演出が選択されるものとする。このように、バトルモードやチャンスモードに制御されている状態では、大入賞口への入賞を期待できる大当り(例えば4R通常大当り)と、実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当り(例えば突然通常大当り)とで、共通のラウンド中演出が選択されるので、演出データの容量を抑制して、演出制御を簡素化することができる。
なお、4R通常大当り(4R確変大当り)と突然通常大当り(突然確変大当り)とでは、1ラウンドあたりの長さが異なるため(最長で29秒と0.1秒)、この実施の形態では、4R通常大当り(4R確変大当り)のラウンド中演出においては、突然通常大当り(突然確変大当り)のラウンド中演出が繰り返し実行されるように設定するものとする。そして、演出制御用CPU101は、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS3912)。演出制御用CPU101は、大入賞口開放中コマンドに示されるラウンド数にもとづいてプロセスデータを選択する。次いで、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットする(ステップS3913)とともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS3914)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS3915)。
図51は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、エンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマを1減算する(ステップS880)。そして、減算後の演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS881)。なお、演出期間計測タイマは、例えば、ラウンド中処理(ステップS805参照)において、大当り終了指定コマンド(大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンド)の受信を確認したことにもとづいてセットされる。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS881のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS882)。また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS883)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS884のN)、処理を終了する。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS884のY)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS885)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS886)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS881のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS888)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS889)。
次に、図56〜図62を用いて本実施形態における遊技機の演出態様を具体的に説明する。
通常モードに制御されている状態で15R確変大当りが発生するときには、変動パターン設定処理(図24)のステップS92において、モードフラグが通常モードの値であり、大当り種別が15R確変大当りであることに基づいて、大当用変動パターン種別判定テーブル132Aが選択され、ステップS100で変動パターン種別(リーチを伴う変動パターン種別またはスーパーリーチを伴う変動パターン種別)が選択され、ステップS102でノーマルリーチまたはスーパーリーチを伴う変動パターンが選択されて、ノーマルリーチまたはスーパーリーチを伴って15R確変大当りが発生する。
この場合に、通常モードでの15R確変大当りに応じたファンファーレ演出、ラウンド中演出、インターバル演出、およびエンディング演出が実行される。このときのエンディング演出では、図56(1)に示すように「バトルモード突入」と表示する。そして、大当り遊技状態の終了に伴い、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り終了処理において、モードフラグにバトルモードを示す値(例えば2)をセットする。これにより、次回の変動表示からは、バトルモードに応じた背景指定コマンドが送信され(特別図柄通常処理のステップS60)、これを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、図56(2)に示すように、バトルモードに応じた背景画面を表示する。
一方、通常モードに制御されている状態で4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、および突然確変大当りのいずれかが発生するときには、変動パターン設定処理(図24)のステップS92において、モードフラグが通常モードの値であり、大当り種別が4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、および突然確変大当りのいずれかであることに基づいて、大当用変動パターン種別判定テーブル132Bが選択され、ステップS100で変動パターン種別(特殊演出を伴う変動パターン種別)が選択され、ステップS102で特殊PZ0−Nの変動パターンが選択されて、通常変動で演出図柄の組み合わせとして「135」が導出表示され、4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、または突然確変大当りが発生する。
この場合に、通常モードでの4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、または突然確変大当りに応じたファンファーレ演出、ラウンド中演出、インターバル演出、およびエンディング演出が実行される。このときのエンディング演出では、図57(1)に示すように「チャンスモード突入」と表示する。そして、大当り遊技状態の終了に伴い、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り終了処理において、モードフラグにチャンスモードを示す値(例えば3)をセットする。これにより、次回の変動表示からは、チャンスモードに応じた背景指定コマンドが送信され(特別図柄通常処理のステップS60)、これを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、図57(2)に示すように、チャンスモードに応じた背景画面を表示する。
図58は、バトルモードに制御されている状態で15R確変大当りが発生する場合の演出例を示している。バトルモードに制御されている状態で15R確変大当りが発生するときには、変動パターン設定処理(図24)のステップS92において、モードフラグがバトルモードの値であり、大当り種別が15R確変大当りであることに基づいて、大当用変動パターン種別判定テーブル132Cが選択され、ステップS100で変動パターン種別(特殊演出を伴う変動パターン種別)が選択され、ステップS102で特殊PY0−Bの変動パターンが選択される。この特殊PY0−Bの変動パターンは、バトル演出で勝利して15R確変大当りの発生を報知する態様の演出である。特殊PY0−Bの変動パターンでは、(1)および(2)に示すように変動表示開始後に、味方キャラ1001と敵キャラ1001がバトルを行うバトル演出が開始される。そして、(3)および(4)に示すように、味方キャラ1001が最終的に勝利したことに伴って、演出図柄の組み合わせとして「777」が導出表示され、15R確変大当りが発生する。
この場合に、バトルモードでの15R確変大当りに応じたファンファーレ演出、図58の(5)や(6)に示すようなラウンド中演出、インターバル演出、およびエンディング演出が実行される。このときのエンディング演出では、(7)に示すように「バトルモード継続」と表示する。そして、大当り遊技状態の終了に伴い、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り終了処理において、モードフラグにバトルモードを示す値(例えば2)をセットする。これにより、次回の変動表示からも、バトルモードに応じた背景指定コマンドが送信され(特別図柄通常処理のステップS60)、これを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、バトルモードに応じた背景画面を表示する。
図59および9は、バトルモードに制御されている状態で4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、および突然確変大当りのいずれかが発生する場合の演出例を示している。バトルモードに制御されている状態で4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、および突然確変大当りのいずれかが発生するときには、変動パターン設定処理(図24)のステップS92において、モードフラグがバトルモードの値であり、大当り種別が4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、および突然確変大当りのいずれかであることに基づいて、大当用変動パターン種別判定テーブル132Dが選択され、ステップS100で変動パターン種別(特殊演出を伴う変動パターン種別)が選択され、ステップS102で特殊PZ0−Bの変動パターンが選択される。この特殊PZ0−Bの変動パターンは、バトル演出で敗北して15R確変大当り以外の大当りの発生を報知する態様の演出である。特殊PZ0−Bの変動パターンでは、図59の(1)および(2)に示すように変動表示開始後に、味方キャラ1001と敵キャラ1001がバトルを行うバトル演出が開始される。そして、図59の(3)および(4)に示すように、味方キャラ1001が最終的に敵キャラ1002に敗北したことに伴って、演出図柄の組み合わせとして15R確変大当り以外の大当り図柄である「135」が導出表示され、4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、および突然確変大当りのいずれかが発生する。
すなわち、高確率状態であることを遊技者が認識可能なバトルモードに制御されている状態において、高確率状態であるか否かを遊技者が認識困難なチャンスモードへの移行を伴う大当りが発生するときには、大入賞口への入賞が可能な4R通常大当り(4R確変大当り)と、大入賞口への入賞が実質的には困難な突然通常大当り(突然確変大当り)とで、共通の演出を実行するようにしている。そのため、演出データの容量を抑制して、演出制御を簡素化することができる。
また、この場合に、バトルモードでの4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、または突然確変大当りに応じたファンファーレ演出、ラウンド中演出、インターバル演出、およびエンディング演出が実行される。ここで大入賞口への入賞が可能な4R通常大当り(4R確変大当り)と、大入賞口への入賞が実質的には困難な突然通常大当り(突然確変大当り)とで、共通の演出を実行するようにしている。
例えば、図59の(5)と、図60の(8)に示すように、4R通常大当り(4R確変大当り)と、突然通常大当り(突然確変大当り)とで、UFO1100が中央に表示される共通のファンファーレ演出を実行する。また、図59の(6)と、図60の(9)〜(12)に示すように、4R通常大当り(4R確変大当り)と、突然通常大当り(突然確変大当り)とで、UFO1100が左右に繰り返し移動する共通のラウンド中演出、インターバル演出を実行する。さらに、図59の(7)と、図60の(13)に示すように、4R通常大当り(4R確変大当り)と、突然通常大当り(突然確変大当り)とで、「チャンスモード突入!!」と画面に表示する共通のエンディング演出を実行する。なお、この実施の形態では、4R通常大当り(4R確変大当り)と、突然通常大当り(突然確変大当り)とでは、1ラウンドあたりの長さが異なるため(29秒と0.1秒)、4R通常大当り(4R確変大当り)のラウンド中演出では、突然通常大当り(突然確変大当り)のラウンド中演出を繰り返し実行するように設定している。
すなわち、高確率状態であることを遊技者が認識可能なバトルモードに制御されている状態において、高確率状態であるか否かを遊技者が認識困難なチャンスモードへの移行を伴う大当りが発生するときには、大入賞口への入賞が可能な4R通常大当り(4R確変大当り)と、大入賞口への入賞が実質的には困難な突然通常大当り(突然確変大当り)とで、大当り遊技状態中は共通の演出を実行するようにしている。そのため、演出データの容量を抑制して、演出制御を簡素化することができる。
そして、大当り遊技状態の終了に伴い、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り終了処理において、モードフラグにチャンスモードを示す値(例えば3)をセットする。これにより、次回の変動表示からは、チャンスモードに応じた背景指定コマンドが送信され(特別図柄通常処理のステップS60)、これを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンスモードに応じた背景画面を表示する。
図61は、チャンスモードに制御されている状態で4R通常大当り、突然通常大当り、15R確変大当り、4R確変大当り、および突然確変大当りのいずれかが発生する場合、またはいずれの大当りも発生しない場合(はずれとなる場合)の演出例を示している。
チャンスモードに制御されている状態で表示結果がはずれとなるときには、変動回数カウンタが30未満であることを条件として、変動パターン設定処理(図24)のステップS99Dにおいて、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dが選択され、ステップS100で変動パターン種別として特殊演出を伴う変動パターン種別(特殊CX0−1)が選択される場合がある。この場合には、ステップS102で特殊PX0−Cの変動パターンが選択される。この特殊PX0−Cの変動パターンは、チャレンジ演出で失敗してそのままはずれ図柄を導出表示する態様の演出である。
図61の(1)および(2)に示すように、変動表示開始後に、ハンマー1201を持ったキャラ1200が出現して、岩1300を割ろうとする演出が実行される。そして「岩が割れればバトルモードへ!」と表示され、岩1300を割る演出が成功すると15R確変大当りが発生する旨が報知される。そして、(5)に示すように、岩1300が割れずにハンマー1201が壊れる演出が実行されて、(8)に示すように最終的にはずれ図柄が表示される。
また、チャンスモードに制御されている状態で15R確変大当りが発生する場合、変動パターン設定処理(図24)のステップS92において、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Eが選択され、ステップS100で変動パターン種別として特殊演出を伴う変動パターン種別(特殊CY0−2)が選択される。この場合には、ステップS102で特殊PY0−Cの変動パターンが選択される。この特殊PY0−Cの変動パターンは、チャレンジ演出で成功して15R確変大当りの大当り図柄を導出表示する態様の演出である。
図61の(1)および(2)に示すように、変動表示開始後に、ハンマー1201を持ったキャラ1200が出現して、岩1300を割ろうとする演出が実行される。そして「岩が割れればバトルモードへ!」と表示され、岩1300を割る演出が成功すると15R確変大当りが発生する旨が報知される。そして、(3)に示すように、岩1300が割れる演出が実行されて、(4)に示すように最終的に15R確変大当りの大当り図柄が表示される。
また、チャンスモードに制御されている状態で4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、および突然確変大当りのいずれかが発生する場合、変動パターン設定処理(図24)のステップS92において、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Fが選択され、ステップS100で変動パターン種別として特殊演出を伴う変動パターン種別(特殊CZ0−3)が選択される。この場合には、ステップS102で特殊PZ0−Cの変動パターンが選択される。この特殊PZ0−Cの変動パターンは、チャレンジ演出で失敗するが救済演出が実行されて4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、または突然確変大当りの大当り図柄を導出表示する態様の演出である。
図61の(1)および(2)に示すように、変動表示開始後に、ハンマー1201を持ったキャラ1200が出現して、岩1300を割ろうとする演出が実行される。そして「岩が割れればバトルモードへ!」と表示され、岩1300を割る演出が成功すると15R確変大当りが発生する旨が報知される。そして、(5)に示すように、岩1300が割れずにハンマー1201が壊れる演出が実行されるものの、その後に、(6)に示すように新たなハンマー1202が出現し、(7)に示すように、その新たなハンマー1202をキャラ1200が入手して、4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、または突然確変大当りの大当り図柄が導出表示されることになる。
すなわち、高確率状態であることを遊技者が認識困難なチャンスモードに制御されている状態において、高確率状態であるか否かを遊技者が認識困難なチャンスモードへの移行を伴う大当りが発生するときには、大入賞口への入賞が可能な4R通常大当り(4R確変大当り)と、大入賞口への入賞が実質的には困難な突然通常大当り(突然確変大当り)とで、共通の演出を実行するようにしている。そのため、演出データの容量を抑制して、演出制御を簡素化することができる。
なお、チャンスモードでの4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、または突然確変大当りに応じたファンファーレ演出、ラウンド中演出、インターバル演出、およびエンディング演出が実行されることになるが、バトルモードにおける場合と同様に、大入賞口への入賞が可能な4R通常大当り(4R確変大当り)と、大入賞口への入賞が実質的には困難な突然通常大当り(突然確変大当り)とで、共通の演出を実行するようにしている。
例えば、図59の(5)と、図60の(8)に示すように、4R通常大当り(4R確変大当り)と、突然通常大当り(突然確変大当り)とで、UFO1100が中央に表示される共通のファンファーレ演出を実行する。また、図59の(6)と、図60の(9)〜(12)に示すように、4R通常大当り(4R確変大当り)と、突然通常大当り(突然確変大当り)とで、UFO1100が左右に繰り返し移動する共通のラウンド中演出、インターバル演出を実行する。さらに、4R通常大当り(4R確変大当り)と、突然通常大当り(突然確変大当り)とで、「チャンスモード継続!!」と画面に表示する共通のエンディング演出を実行する。なお、この実施の形態では、4R通常大当り(4R確変大当り)と、突然通常大当り(突然確変大当り)とでは、1ラウンドあたりの長さが異なるため(29秒と0.1秒)、4R通常大当り(4R確変大当り)のラウンド中演出では、突然通常大当り(突然確変大当り)のラウンド中演出を繰り返し実行するように設定している。
すなわち、高確率状態であるか否かを遊技者が認識困難なチャンスモードに制御されている状態において、チャンスモードの継続を伴う大当りが発生するときには、大入賞口への入賞が可能な4R通常大当り(4R確変大当り)と、大入賞口への入賞が実質的には困難な突然通常大当り(突然確変大当り)とで、大当り遊技状態中は共通の演出を実行するようにしている。そのため、演出データの容量を抑制して、演出制御を簡素化することができる。
また、図59に示したように、バトルモードに制御されている状態では、遊技者は、そのバトルモードが継続するか否か(即ち高確率状態が確定し、且つ、ラウンド数が最も多い15R確変大当りが発生するか否か)について関心を持つため、15R確変大当りが発生するか否かをバトル演出の結果によって示唆するようにしている。バトル演出に敗北したことによって15R確変大当りが発生しないことを遊技者が把握した場合には、既に現状の演出モード(バトルモード)が継続されないことが決定しているため、仮に4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、突然確変大当りが発生することを示唆する演出を行っても、却って興趣を損ねることになってしまう。従って、バトル演出の勝敗のみによって15R確変大当りが発生するか、それとも他の大当りが発生するかを示唆して、興趣を損なわないようにしている。
これに対して、図61に示したように、チャンスモードに制御されている状態では、遊技者は、まずはチャンスモードからバトルモードに昇格するか否かについて関心を持つものの、少なくとも現在のチャンスモードが継続することで高ベース状態が所定期間は継続することになるため、現在のチャンスモードが継続することに対する期待感も存在する。従って、チャレンジ演出によって15R確変大当りが発生するか否かを示唆すると共に、仮にチャレンジ演出に失敗しても(岩1300が割れなくとも)、その後にチャンスモードが継続する大当りが発生する演出(新たなハンマー1202の出現)を期待することになる。従って、チャレンジ演出と、チャレンジ演出に失敗した場合の救済演出(新たなハンマー1202の出現)という2段階の演出を実行することにより、適切に遊技者の期待感を煽るようにしている。
さらに、本実施形態では、4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、または突然確変大当りが発生したときには、その大当り遊技状態の終了に伴って,チャンスモードに制御される。図10の(C1)(C2)、図11の(C3)に示すように、これらの大当り遊技状態の終了から30変動未満の変動については、高確率状態であるか又は低確率状態であるかにかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブル及びはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択されることになる。このようにすることで、遊技者が演出の態様や頻度の相違によって通常確率状態であるか又は高確率状態であるかを把握してしまうことを防止し、興趣の低下を抑止することができる。
一方で、4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、または突然確変大当りの大当り遊技状態の終了後、大当りが発生することなく変動回数が30に達したときには(図24のステップS99CでY)、高確率状態であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Eを選択する、低確率状態であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Fを選択する。その結果、高確率状態の場合にはステップS100では変動パターン種別として特殊演出を伴う変動パターン種別(特殊CX0−2)が選択され、ステップS102で特殊PX0−Uの変動パターンが選択される。この特殊PX0−Uの変動パターンは、チャンスモードからバトルモードに移行する(いわゆるモード昇格する)ことを示唆する演出である。一方、低確率状態の場合にはステップS100では変動パターン種別として特殊演出を伴う変動パターン種別(特殊CX0−3)が選択され、ステップS102で特殊PX0−Uの変動パターンが選択される。この特殊PX0−Dの変動パターンは、チャンスモードから通常モードに移行する(いわゆるモード降格する)ことを示唆する演出である。
図62を用いて具体的な演出態様を説明する。モード昇格演出を伴う特殊PX0−Uの変動パターンが選択された場合、モード降格演出を伴う特殊PX0−Dの変動パターンのいずれが選択された場合でも、図62の(1)および(2)に示すように、変動表示開始後に、「ラストチャンス!!」の文字が画面に表示され、(3)に示すように、バトルモードの表示領域と通常モードの表示領域が上下に分かれて表示される。その後、(4)および(5)に示すように、バトルモードの表示領域と通常モードの表示領域が拡大または縮小して、あたかも両領域がせめぎ合うような態様の演出が実行される。
そして、最終的には、モード昇格演出を伴う特殊PX0−Uの変動パターンが選択された場合には、(6)に示すように、はずれ図柄の導出表示と共に「バトルモード突入!!」の表示が行われて、遊技者にバトルモードへの移行、すなわち高確率状態であることを報知する。一方、モード降格演出を伴う特殊PX0−Dの変動パターンが選択された場合には、(7)に示すように、はずれ図柄の停止表示と共に「通常モードへ」の表示が行われ、遊技者に通常モードへの移行、すなわち低確率/低ベース状態になることを報知する。このように、15R確変大当り以外の大当り(4R通常大当り、突然通常大当り、4R確変大当り、突然確変大当り)が発生し、その大当り遊技状態の終了からの変動回数が30回(低確率/高ベース状態となった場合の高ベース状態における最後の変動)となるときには、当該30回目の変動において、高確率状態であることを条件にモード昇格演出を実行し、低確率状態であることを条件にモード降格演出を実行するので、遊技者は当該30回目の変動表示の演出に注目することになり、興趣を向上させることができる。
最後に本実施形態の変形例について説明する。
上記の実施形態では、所定画像の視認性を基準状態よりも低い視認困難状態に変化させる視認困難演出が、画像全体の輝度を低下させるブラックアウト予告演出である例について説明したが、これに限らず、例えば表示されている画像全体の輝度を向上させることにより、視認性を低下させるようにしても良く、他の方法で視認性を低下させるようにしても良い。
上記の実施形態では、ステップアップ予告演出とブラックアウト予告演出の実行期間が重複していれば、図柄消灯予告の実行割合を向上させる例について説明したが、これに限らず、例えば、ステップアップ予告演出とブラックアウト予告演出の実行期間が重複している期間が所定時間以上であることに基づいて、図柄消灯予告の実行割合を向上させるようにしても良い。
上記の実施形態では、ステップアップ予告演出とブラックアウト予告演出の実行期間が重複する場合に、図柄消灯予告の実行割合を向上させる例について説明したが、これに限らず、例えば、ブラックアウト予告演出の終了後に発生する擬似連の割合を向上させるようにしても良く、ブラックアウト予告演出の終了後に演出図柄が仮停止するときの効果音の出力割合を高めるようにしても良い。
上記の実施形態では、4R確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には、必ず、高確率状態であるか又は低確率状態であるかを遊技者が認識困難なチャンスモードに移行する例について説明したが、これに限らず、4R確変大当りや突然確変大当りが発生した場合に、一定の割合で、高確率状態であることを遊技者が認識可能な演出モード(例えば上記実施形態のバトルモード)に移行するようにしても良い。
上記の実施形態では、高確率状態であるか又は低確率状態であるかを遊技者が認識困難なチャンスモードにおいて、15R確変大当りとなるか否かを示唆する演出(チャレンジ演出)と、高確率状態であることを遊技者が認識可能なバトルモードにおいて、15R確変大当りとなるか否かを示唆する演出(バトル演出)とを異なる態様とする例について説明したが、これに限らず、チャンスモードにおいて15R確変大当りとなるか否かを示唆する演出と、バトルモードにおいて15R確変大当りとなるか否かを示唆する演出とを共通の態様とするようにしても良い。
上記の実施形態において、通常モードに制御されているときには、4R通常大当り(4R確変大当り)のように大入賞口への入賞を期待できる大当りが発生するときと、突然通常大当り(突然確変大当り)のように実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当りが発生するときとで、当該大当りを伴う可変表示中の演出態様を異ならせるようにしても良い。また、通常モードに制御されているときに、4R通常大当り(4R確変大当り)のように大入賞口への入賞を期待できる大当りが発生したときと、突然通常大当り(突然確変大当り)のように実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当りが発生したときとで、大当り遊技状態に係る演出(ファンファーレ演出、ラウンド中演出、インターバル演出、およびエンディング演出)の演出態様を異ならせるようにしても良い。
上記の実施形態では、高確率状態であることを遊技者が認識可能なバトルモードに制御されているときに、4R通常大当り(4R確変大当り)のように大入賞口への入賞を期待できる大当りが発生したときと、突然通常大当り(突然確変大当り)のように実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当りが発生したときとで、ファンファーレ演出、ラウンド中演出、インターバル演出、およびエンディング演出を全て共通の演出態様とする例について説明したが、これらのうちの一部(例えばラウンド中演出とインターバル演出)のみを共通の演出態様とするようにしても良い。例えば、ファンファーレ演出については、4R通常大当りの場合に「スモール大当り」と表示し、突然通常大当りの場合にはチャンスモードに移行することを示唆する演出を実行するようにしても良い。
上記の実施形態では、高確率状態であるか又は低確率状態であるかを遊技者が認識困難なチャンスモードに制御されているときに、4R通常大当り(4R確変大当り)のように大入賞口への入賞を期待できる大当りが発生したときと、突然通常大当り(突然確変大当り)のように実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当りが発生したときとで、ファンファーレ演出、ラウンド中演出、インターバル演出、およびエンディング演出を全て共通の演出態様とする例について説明したが、これらのうちの一部(例えばラウンド中演出、インターバル演出、およびエンディング演出)のみを共通の演出態様とするようにしても良い。例えば、ファンファーレ演出については、4R通常大当り(4R確変大当り)の場合に「スモール大当り」と表示し、突然通常大当りの場合にはチャンスモードが継続することを示唆するというように、演出態様を異ならせるようにしても良い。
上記の実施形態では、高確率状態であることを遊技者が認識可能なバトルモードに制御されているときに、4R通常大当り(4R確変大当り)のように大入賞口への入賞を期待できる大当りが発生したときと、突然通常大当り(突然確変大当り)のように実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当りが発生したときとで、共通のラウンド中演出を実行するにあたり、4R通常大当り(4R確変大当り)のラウンド中演出として、突然通常大当り(突然確変大当り)のラウンド中演出を繰り返す例について説明したが、例えば、以下のようにしても良い。突然通常大当り(突然確変大当り)の1ラウンド目のラウンド中演出と、インターバル演出と、2ラウンド目のラウンド中演出とを繋げた演出を、連続性を持たせた1単位の演出としておく。この1単位の演出の演出時間は、1ラウンドの開放時間が0.1秒で固定されているため一定である。そして、4R通常大当り(4R確変大当り)の1ラウンド目のラウンド中演出開始から4ラウンド目のラウンド中演出終了まで(その間の3つのインターバル演出を含む)の期間は、その1単位の演出を繰り返し実行するようにしても良い。このようにすることで、4R通常大当り(4R確変大当り)が発生したときと、突然通常大当り(突然確変大当り)が発生したときとで、いずれの場合も大当り遊技状態の期間において連続性のある演出を実行することができる。
上記の実施形態では、高確率状態であるか又は低確率状態であるかを遊技者が認識困難なチャンスモードに制御されているときに、4R通常大当り(4R確変大当り)のように大入賞口への入賞を期待できる大当りが発生したときと、突然通常大当り(突然確変大当り)のように実質的に大入賞口への入賞を期待できない大当りが発生したときとで、共通のラウンド中演出を実行するにあたり、4R通常大当り(4R確変大当り)のラウンド中演出として、突然通常大当り(突然確変大当り)のラウンド中演出を繰り返す例について説明したが、例えば、以下のようにしても良い。突然通常大当り(突然確変大当り)の1ラウンド目のラウンド中演出と、インターバル演出と、2ラウンド目のラウンド中演出とを繋げた演出を、連続性を持たせた1単位の演出としておく。この1単位の演出の演出時間は、1ラウンドの開放時間が0.1秒で固定されているため一定である。そして、4R通常大当り(4R確変大当り)の1ラウンド目のラウンド中演出開始から4ラウンド目のラウンド中演出終了まで(その間の3つのインターバル演出を含む)の期間は、その1単位の演出を繰り返し実行するようにしても良い。このようにすることで、4R通常大当り(4R確変大当り)が発生したときと、突然通常大当り(突然確変大当り)が発生したときとで、いずれの場合も大当り遊技状態の期間において連続性のある演出を実行することができる。
また、4R通常大当り(4R確変大当り)の1ラウンド目のラウンド中演出開始から4ラウンド目のラウンド中演出終了まで(その間の3つのインターバル演出を含む)を繋げた演出を、連続性を持たせた1単位の演出としておき、突然通常大当り(突然確変大当り)の1ラウンド目のラウンド中演出と、インターバル演出と、2ラウンド目のラウンド中演出において、その1単位の演出の一部のみを実行するようにしても良い。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。