JP2013251914A - 無線基地局、無線基地局システム、無線通信システムおよび無線通信方法 - Google Patents

無線基地局、無線基地局システム、無線通信システムおよび無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無線端末の移動速度に応じて、通信処理方式を適切に切替えることができる無線基地局、無線基地局システム、無線通信システムおよび無線通信方法を提供する。
【解決手段】OFDM方式またはOFDMA方式によって、複数の無線端末と通信する無線基地局は、通信中の無線端末の移動速度を識別し、通信中の無線端末から、フレームごとの下りのユーザデータのCINRを受信し、受信したフレームごとのCINRの加重移動平均によって、下りの通信品質を算出しており、所定の速度以上で移動している無線端末については、所定の速度未満で移動している無線端末についてよりも、加重移動平均における過去のフレームの寄与を小さくする。
【選択図】図2

Description

本発明は、無線基地局、無線基地局システム、無線通信システムおよび無線通信方法に関し、特に、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)またはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式を用いて通信を行なう無線基地局、無線基地局システム、無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、次世代PHS(Personal Handy-Phone System)、およびLTE(Long Term Evolution)などの各種無線通信システムにおいて、OFDMA通信が行なわれている(たとえば、非特許文献1を参照)。
OFDMA通信方式は、周波数利用効率が高いこと、フェージングに対する耐性が強いこと、送信側と受信側の双方で複数のアンテナを利用する通信技術であるMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術との親和性がよいことなどの点で、メリットが多いため、その利用が進んでいる。
庄納 崇、WiMAX教科書、2008年7月21日、株式会社インプレスR&D
しかしながら、OFDMA通信において、無線端末が高速に移動する場合には、次のような問題が生じる。
第1に、レンジング周期に関してである。
無線端末が高速移動時に、通常時と同様のレンジング周期を用いた場合には、レンジング周期の時間内で、無線端末と無線地局間の距離が大きく変化するため、レンジングによる調整がうまくいかなくなる。
第2に、ユーザのアップリンクのバースト領域の割当てに関してである。
複数のユーザが同一時間に重複してユーザデータを送信するようにユーザのバースト領域が割当てられる。無線端末が高速移動時には、ドップラーシフトでICI(Inter Carrier Interface)が発生する。したがって、高速移動時にも、複数のユーザが同一時間に重複してユーザデータを送信するようにユーザのバースト領域が割当てられた場合には、ユーザ間の受信電力の差によって、このICIの影響が大きくなり、通信性能がより劣化する。
第3に、チャネル推定に関してである。
パイロット信号が含まれているシンボルでは、そのパイロット信号に基づいてチャネル推定値を算出し、パイロット信号が含まれていないシンボルについては、隣接するシンボルのチャネル推定値を参照する。たとえば、そのままコピーして用いる。無線端末が高速移動時には、1シンボル内で無線端末が移動する距離が長くなるため、隣接するシンボルのチャネル推定値は、誤差が大きくなる。したがって、無線端末が高速移動時には、パイロット信号が含まれていないシンボルについて、隣接するシンボルのチャネル推定値をそのままコピーして用いると、通信性能が劣化してしまう。
第4に、通信品質およびMCSの切替えに関してである。
MCS(変調方式および符号化レート)の切替えを判断するために、通信品質が用いられるが、その精度を高めるために、各フレームのCINR(Carrier to Interference plus Noise Ratio:搬送波レベル対干渉・雑音比)などの測定値を多数のフレームについて平均することによって通信品質が算出される。無線端末が高速移動している場合には、通常時と同様に、このような多数のフレームで平均化処理をすると、現時点での瞬時の変動をとらえることができない。その結果、通信品質の算出精度が劣化し、MCSの切替えもうまくいかなくなる。
上述の問題は、OFDM方式においても同様に生じる。
それゆえに、本発明の目的は、無線端末の移動速度に応じて、通信処理方式を適切に切替えることができる無線基地局、無線基地局システム、無線通信システムおよび無線通信方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、OFDM方式またはOFDMA方式によって、複数の無線端末と通信する無線基地局であって、通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、所定の速度以上で移動している無線端末のレンジング信号の送信周期を、所定の速度未満で移動している無線端末のレンジング信号の送信周期よりも短い送信周期に設定するレンジング制御部と、無線端末に対して、設定したレンジング信号の送信周期を通知する信号を送信する送信部と、通信中の無線端末からのレンジング信号を受信する受信部とを備える。
本発明は、OFDM方式またはOFDMA方式によって、複数の無線端末と通信する無線基地局であって、通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、通信中の無線端末からの上りのユーザデータを受信する受信部と、所定の速度未満で移動している無線端末については、最新に受信した第1のフレーム数のフレームに含まれる上りのユーザデータに基づいて、上りの通信品質を算出し、所定の速度以上で移動している無線端末については、最新に受信した第2のフレーム数のフレームに含まれる上りのユーザデータに基づいて、上りの通信品質を算出する通信品質測定部とを備え、第2のフレーム数は、第1のフレーム数よりも少ない。
本発明は、OFDM方式またはOFDMA方式によって、複数の無線端末と通信する無線基地局であって、通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、通信中の無線端末からの上りのユーザデータを受信する受信部と、複数のフレームのそれぞれにおける上りのユーザデータのCINR(搬送波レベル対干渉・雑音比)を測定し、測定したフレームごとのCINRの加重移動平均によって、上りの通信品質を算出する通信品質測定部とを備え、通信品質測定部は、所定の速度以上で移動している無線端末については、所定の速度未満で移動している無線端末についてよりも、加重移動平均における過去のフレームの寄与を小さくする。
好ましくは、無線基地局は、さらに、算出された上りの通信品質に基づいて、無線端末の上りのユーザデータのMCS(変調方式および符号化レート)を設定するMCS設定部と、無線端末に対して、設定したMCSを通知する信号を送信する送信部とを備える。
また、本発明は、OFDM方式またはOFDMA方式によって、複数の無線端末と通信する無線基地局であって、通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、所定の速度未満で移動している無線端末については、第1のフレーム数のフレームに含まれる下りのユーザデータに基づいて、下りの通信品質を算出し、所定の速度以上で移動している無線端末については、第2のフレーム数のフレームに含まれる下りのユーザデータに基づいて、下りの通信品質を算出する通信品質測定部とを備え、第2のフレーム数は、第1のフレーム数よりも少ない。
また、本発明は、OFDM方式またはOFDMA方式によって、複数の無線端末と通信する無線基地局であって、通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、通信中の無線端末から、フレームごとの下りのユーザデータのCINR(搬送波レベル対干渉・雑音比)を受信する受信部と、受信したフレームごとのCINRの加重移動平均によって、下りの通信品質を算出する通信品質測定部とを備え、通信品質測定部は、所定の速度以上で移動している無線端末については、所定の速度未満で移動している無線端末についてよりも、加重移動平均における過去のフレームの寄与を小さくする。
好ましくは、無線基地局は、さらに、算出された下りの通信品質に基づいて、無線端末の下りのユーザデータのMCS(変調方式および符号化レート)を設定するMCS設定部と、無線端末に対して、設定したMCSを通知する信号を送信する送信部とを備える。
本発明は、OFDM方式またはOFDMA方式によって、複数の無線端末と通信する無線基地局であって、通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、所定の速度以上で移動している無線端末の上りのユーザデータが、同一時間に他の無線端末の上りのユーザデータと重複して送信されないように、各ユーザの上りのデータバースト領域を設定するバースト領域設定部と、無線端末に対して、設定した上りのデータバースト領域を通知する信号を送信する送信部とを備える。
好ましくは、各無線端末が所定の速度以上で移動するか否かを識別する情報を保存するメモリを備え、識別部は、メモリ内の情報に基づいて、通信中の無線端末の移動速度を識別する。
本発明は、OFDM方式またはOFDMA方式によって、無線基地局と通信する無線端末であって、自端末の移動速度を識別する識別部と、無線基地局から下りのユーザデータを受信する受信部と、自端末が所定の速度以上で移動している場合には、自端末が所定の速度未満で移動している場合よりも、高精度な方式で、下りのユーザデータに含まれるパイロット信号からチャネル推定値を算出するチャネル推定部とを備える。
好ましくは、識別部は、無線基地局からの信号に基づいて、自端末の移動速度を識別する。
本発明は、無線基地局と無線端末との間でのデータ通信を中継する無線中継局であって、自局の移動速度を識別する識別部と、無線基地局からOFDM方式またはOFDMA方式で送信される、自局への下りのユーザデータを受信する受信部と、自局が所定の速度以上で移動している場合には、自局が所定の速度未満で移動している場合よりも、高精度な方式で、下りのユーザデータに含まれるパイロット信号からチャネル推定値を算出するチャネル推定部とを備える。
本発明は、複数の無線基地局と、複数の無線基地局を制御する制御局とからなり、OFDM方式またはOFDMA方式によって、複数の無線端末と通信する無線基地局システムであって、いずれかの無線基地局と通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、所定の速度以上で移動している無線端末のレンジング信号の送信周期を、所定の速度未満で移動している無線端末のレンジング信号の送信周期よりも短い送信周期に設定するレンジング制御部と、無線端末に対して、設定したレンジング信号の送信周期を通知する信号を送信する送信部と、通信中の無線端末からのレンジング信号を受信する受信部とを備え、識別部は、制御局に配置され、送信部および受信部は、無線基地局に配置され、レンジング制御部は、制御局または各無線基地局のいずれかに配置される。
本発明は、複数の無線端末と、複数の無線端末とOFDM方式またはOFDMA方式によって通信する無線基地局とからなる無線通信システムであって、通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、所定の速度以上で移動している無線端末のレンジング信号の送信周期を、所定の速度未満で移動している無線端末のレンジング信号の送信周期よりも短い送信周期に設定するレンジング制御部と、無線端末に対して、設定したレンジング信号の送信周期を通知する信号を送信する送信部と、通信中の無線端末からのレンジング信号を受信する受信部とを備え、無線端末は、無線基地局から、設定されたレンジング信号の送信周期を通知する信号を受信する受信部と、通知されたレンジング信号の送信周期に従って、レンジング信号を送信する送信部とを備える。
本発明は、複数の無線端末と、複数の無線端末とOFDM方式またはOFDMA方式によって、通信する無線基地局とからなる無線通信システムにおける無線通信方法であって、無線基地局が、通信中の無線端末の移動速度を識別するステップと、無線基地局が、所定の速度以上で移動している無線端末のレンジング信号の送信周期を、所定の速度未満で移動している無線端末のレンジング信号の送信周期よりも短い送信周期に設定するステップと、無線基地局が、無線端末に対して、設定したレンジング信号の送信周期を通知する信号を送信するステップと、無線端末が、無線基地局から、レンジング信号の送信周期を通知する信号を受信するステップと、無線端末が、通知されたレンジング信号の送信周期に従って、レンジング信号を送信するステップと、無線基地局が、通信中の無線端末からのレンジング信号を受信するステップとを備える。
本発明によれば、無線端末の移動速度に応じて、通信処理方式を適切に切替えることができる。
本発明の第1の実施形態の無線通信システムの構成を表わす図である。 本発明の第1の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。 通常時のOFDMAフレームの構成を表わす図である。 高速移動時のOFDMAフレームの構成を表わす図である。 レンジング周期の例を表わす図である。 フレーム数テーブルの例を表わす図である。 通信レベルテーブルの例を表わす図である。 MCS切替えテーブルの例を表わす図である。 本発明の第1の実施形態の無線端末の構成を表わす図である。 パイロット信号の配置を表わす図である。 通常のチャネル推定処理を説明するための図である。 高速移動用のチャネル推定処理を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の無線端末の動作手順を表わすフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の無線通信システムのチャネルの推定手順を表わすフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の無線通信システムの上りMCSの設定手順を表わすフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の無線通信システムの下りMCSの設定手順を表わすフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の無線通信システムの下りMCSの設定手順を表わすフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の無線通信システムのバースト領域の設定手順を表わすフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の無線通信システムのレンジングの処理手順を表わすフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の無線通信システムの構成を表わす図である。 図21の無線基地局システムの内部構成を表わす図である。 本発明の第3の実施形態の無線通信システムの構成を表わす図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
(無線通信システムの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態の無線通信システムの構成を表わす図である。
図1を参照して、この無線通信システム1は、無線基地局2と、複数個の無線端末3a〜3nとを備える。無線基地局2と、複数個の無線端末3a〜3nとの間は、OFDMA方式によって、無線通信が行なわれている。以下、無線端末3a〜3nのうちのいずれかを表わすときには、無線端末3と記すことにする。
(無線基地局の構成)
図2は、本発明の第1の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。
図2を参照して、この無線基地局2は、第1のアンテナ10と、第2のアンテナ11と、送信部13と、受信部12と、MAC(Media Access Control)層処理部14とを備える。
送信部13は、マルチアンテナ送信信号処理部24と、サブキャリア配置部23と、IFFT部(Inverse First Fourier Transform)22と、CP(Cyclic Prefix)付加部21と、RF(Radio Frequency)部20とを備える。
サブキャリア配置部23は、たとえばPUSC(Partial Usage of Subchannels)に基づいて、サブキャリアを配置する。
マルチアンテナ送信信号処理部24は、たとえば複数のデータストリームを空間多重化する。
IFFT部22は、マルチアンテナ送信信号処理部24から出力される複数のサブキャリア信号(周波数領域の信号)をIFFTによって、時間領域の信号(OFDMAシンボル)に変換する。
CP付加21は、OFDMAシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMAシンボルの先頭に付加する。
RF部20は、無線周波数帯にアップコンバートするアップコンバータ、アップコンバートされた信号を増幅する電力増幅回路、増幅された信号のうち所望帯域の信号成分のみを通過させて第1のアンテナ10および第2のアンテナ11へ出力するバンドパスフィルタなどを含む。
受信部12は、RF部15と、CP除去部16と、FFT部17と、サブキャリア配置部18とを備える。
RF部15は、第1のアンテナ10および第2のアンテナ11から出力される信号のうち所望帯域の信号成分のみを通過させるバンドパスフィルタ、RF信号を増幅する低雑音増幅回路、RF信号をダウンコンバートするダウンコンバータなどを含む。
CP除去部16は、RF部15から出力される信号からCPを除去する。
FFT部17は、CP除去部16から出力される時間領域の信号をFFTによって、周波数領域の信号に変換して、複数のサブキャリアに復調する。
サブキャリア配置部18は、たとえばPUSCに基づいて、FFT部17から出力される各サブキャリアを抽出する。
MAC層処理部14は、ユーザデータ送信管理部35と、符号化部34と、変調部33と、復調部25と、復号部26と、ユーザデータ受信管理部27と、制御部36とを備える。制御部36は、端末速度識別部30と、ユーザ管理部37と、バースト領域設定部31と、レンジング制御部32と、上り通信品質測定部29と、上りMCS設定部28と下りMCS設定部253とを備える。
ユーザデータ送信管理部27は、無線端末3へ送信するユーザデータを管理する。
符号化部34は、下りMCS設定部253で設定されたMCSの符号化レートに従って、無線端末3への下りのユーザデータを符号化する。
変調部33は、下りMCS設定部253で設定されたMCSの変調方式に従って、無線端末3への下りのユーザデータを変調する。
復調部25は、上りMCS設定部28で設定されたMCSの変調方式に従って、無線端末3からの上りのユーザデータを復調する。
復号部26は、上りMCS設定部28で設定されたMCSの符号化レートに従って、復調された上りのユーザデータを復号する。
ユーザデータ受信管理部27は、無線端末3から受信したユーザデータを管理する。
端末速度識別部30は、通信中の各無線端末の受信応答ベクトルを算出する。端末速度識別部30は、各無線端末の時間的に前後する2つ以上の受信応答ベクトルの相関値を算出することによって、各無線端末のドップラー周波数FDを推定する。さらに、端末速度識別部30は、ドップラー周波数に比例する値として各無線端末の移動速度を算出する。より詳細な、移動速度の算出原理については、たとえば、特開2003−32167号公報を参照されたい。
ユーザ管理部37は、無線端末3が高速移動している場合、すなわち、移動速度が所定値以上の場合には、その無線端末3の速度状態を高速移動状態に設定する。ユーザ管理部37は、無線端末3が高速移動していない場合、すなわち、移動速度が所定値未満の場合には、その無線端末3の速度状態を通常状態に設定する。ユーザ管理部37は、送信部12を介して、無線端末3に設定した速度状態を通知する。
図3は、通常時のOFDMAフレームの構成を表わす図である。図4は、高速移動時のOFDMAフレームの構成を表わす図である。
図3、図4を参照して、OFDMAフレームは、下りサブフレームと、上りサブフレームからなる。
下りサブフレームは、プリアンブルと、DL−MAPと、UL−MAPと、ダウンリンクバースト領域とを含む。
プリアンブルは、同期確立などのために既知の信号が配置される。
DL−MAP(Downlink Map)は、下りの無線リソースの割当情報が配置される。たとえば、DL−MAPには、下りのユーザデータのバースト領域、レンジング信号の送信周期(レンジング周期)、下りのユーザデータのMCS、無線端末の速度状態などに関する情報が配置される。
UL−MAP(Uplink Map)は、上りの無線リソースの割当情報が配置される。たとえば、UL−MAPには、上りのユーザデータのバースト領域、上りのユーザデータのMCSなどの情報が配置される。
ダウンリンクバースト領域には、下りのユーザデータが配置される。
上りサブフレームは、レンジング領域と、CQICH領域と、ACKCH領域と、アップリンクバースト領域とを含む。
レンジング領域には、レンジング信号が配置される。
CQICH(channel quality information channel)領域は、チャネル品質を表わす
信号が配置される。
ACKCH(Acknowledgement Channel)領域は、チャネル確認応答を表わす信号が配置される。
アップリンクバースト領域は、上りのユーザデータが配置される。
図3に示すように、全ユーザが通常状態の場合には、バースト領域設定部31は、上りの各ユーザデータを、アップリンクバースト領域内で、時間的に他のユーザデータと重複を許して配置する。これにより、同一時間に、複数のユーザデータが混在して上り送信される。たとえば、バースト領域設定部31は、ユーザ1〜ユーザ10のユーザデータと時間的に重複して配置する。その結果、同一時間にユーザ1〜ユーザ10のユーザデータが混在して上り送信される。
一方、図4に示すように、一部または全部のユーザが高速移動状態の場合には、バースト領域設定部31は、高速移動状態の無線端末の上りユーザデータを、アップリンクバースト領域内で、時間的に他のユーザデータと重複せずに配置する。これにより、高速移動状態のユーザデータは、同一時間に他のユーザデータと混在せずに上り送信される。たとえば、バースト領域設定部31は、ユーザ2、ユーザ5、ユーザ8が高速移動している場合には、ユーザ2、ユーザ5、ユーザ8のユーザデータを他のユーザデータと時間的に重複しないように配置する。その結果、ユーザ2、ユーザ5、ユーザ8のユーザデータは、同一時間に他のユーザデータと混在せずに上り送信される。また、ユーザ2、ユーザ5、ユーザ8以外のユーザは、通常状態にあるので、時間的に他のユーザデータと重複を許して配置される。バースト領域設定部31は、送信部13を介して、無線端末3に設定した上りのユーザデータのバースト領域を通知する。
レンジング制御部32は、各無線端末から送信されているレンジング信号を受信する。レンジング信号は、図3、図4で示される上りサブフレームのレンジング領域に含まれる。レンジング信号が送信される周期をレンジング周期という。図5に示すように、通常時のレンジング周期Toは、たとえば、30フレームとし、高速移動時にレンジング周期Tfは、たとえば、5フレームであるとする。
レンジング制御部32は、無線端末3が高速移動している場合、すなわち、移動速度が所定値以上の場合には、その無線端末3のレンジング周期を高速移動用の周期Tfに設定する。レンジング制御部32は、無線端末3が高速移動していない場合、すなわち、移動速度が所定値未満の場合には、その無線端末3のレンジング周期を通常の周期Toに設定する。レンジング制御部32は、送信部13を介して、無線端末3に設定したレンジング周期を通知する。
レンジング制御部32は、レンジング信号に基づいて、各無線端末に、レンジングが完了したか否かを通知するためのステータス情報と、さらにレンジングが必要な場合には、無線端末3からの信号の送信タイミング、無線端末3からの信号の送信周波数、無線端末3からの信号の送信電力を調整させるためのパラメータと含むレンジング応答を送信する。
上り通信品質測定部29は、図6に示すようなフレーム数テーブルに従って、無線端末3の速度状態に応じて、上り通信品質を算出する際に用いるフレーム数を切替える。すなわち、上り通信品質測定部29は、無線端末3の速度状態が高速移動状態の場合、最新に受信したNf個(=4個)のOFDMAフレームの各々において、ユーザiの上りのユーザデータのCINRを算出する。上り通信品質測定部29は、算出されたNf個のCINRの平均値を上り通信品質QLとして算出する。上り通信品質測定部29は、無線端末3の速度状態が通常状態の場合、最新に受信したNo個(=20個)のOFDMAフレームの各々において、ユーザiの上りのユーザデータのCINRを算出する。上り通信品質測定部29は、算出されたNo個のCINRの平均値を上り通信品質QLとして算出する。算出された上り通信品質QLは、上りのユーザデータのMCSの設定に用いられる。
図7は、通信レベルテーブルの例を表わす図である。
図7を参照して、通信レベルテーブルは、通信レベルと、上りのユーザデータのMCSとの関係を表わす。
たとえば、通信レベルが「1」は、MCSが「QPSK 1/2」であり、データレートが「1」(ビット/シンボル)であることを表わす。「QPSK 1/2」は変調方式がQPSKであり、符号化レートが1/2であることを示す。
図8は、MCS切替えテーブルの例を表わす図である。
図8を参照して、MCS切替えテーブルは、各MCSにおいて、レベルを1段階アップさせるときの通信品質QLの閾値UP_THと、レベルを1段階ダウンさせるときの通信品質の閾値DN_THを表わす。
上りMCS設定部28は、図8のMCS切替えテーブルに基づいて、上り通信品質QLが閾値UP_TH以上であれば、上りのユーザデータのMCS(上りMCS)を1段階アップさせ、上り通信品質QLが閾値DN_TH以下であれば、上りMCSを1段階ダウンさせる。たとえば、現状のMCSが「16QAM 1/2」の場合に、上りMCS設定部28は、上り通信品質QLが閾値a3以上のときには、上りMCSを1段階アップして「16QAM 3/4」に設定し、上り通信品質QLがb2以下のときには、上りMCSを1段階ダウンして「QPSK 3/4」に設定する。上りMCS設定部28は、送信部13を介して、その無線端末3に設定した上りMCSを通知する。
下りMCS設定部253は、図8のMCS切替えテーブルに基づいて、無線端末3から送信されてくる下り通信品質QLが閾値UP_TH以上であれば、下りのユーザデータのMCS(下りMCS)を1段階アップさせ、下り通信品質QLが閾値DN_TH以下であれば、下りMCSを1段階ダウンさせる。下りMCS設定部253は、送信部13を介して、その無線端末3に設定した下りMCSを通知する。
(無線端末の構成)
図9は、本発明の第1の実施形態の無線端末の構成を表わす図である。
図9を参照して、この無線端末3は、第1のアンテナ50と、第2のアンテナ51と、送信部53と、受信部52と、MAC層処理部64とを備える。
送信部53は、サブキャリア配置部63と、IFFT部62と、CP付加部61と、RF部60とを備える。
サブキャリア配置部63は、たとえばPUSCに基づいて、サブキャリアを配置する。
IFFT部62は、サブキャリア配置部63から出力される複数のサブキャリア信号(周波数領域の信号)をIFFTによって、時間領域の信号(OFDMAシンボル)に変換する。
CP付加部61は、OFDMAシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMAシンボルの先頭に付加する。
RF部60は、無線周波数帯にアップコンバートするアップコンバータ、アップコンバートされた信号を増幅する電力増幅回路、増幅された信号のうち所望帯域の信号成分のみを通過させて第1のアンテナ50および第2のアンテナ51へ出力するバンドパスフィルタなどを含む。
受信部52は、RF部55と、CP除去部56と、FFT部57と、サブキャリア配置部58と、マルチアンテナ受信信号処理部59とを備える。
RF部55は、第1のアンテナ50および第2のアンテナ51から出力される信号のうち所望帯域の信号成分のみを通過させるバンドパスフィルタ、RF信号を増幅する低雑音増幅回路、RF信号をダウンコンバートするダウンコンバータなどを含む。
CP除去部56は、RF部55から出力される信号からCPを除去する。
FFT部57は、CP除去部56から出力される時間領域の信号をFFTによって、周波数領域の信号に変換して、複数のサブキャリアに復調する。
サブキャリア配置部58は、たとえばPUSCに基づいて、FFT部57から出力される各サブキャリアを抽出する。
マルチアンテナ受信信号処理部59は、2つのアンテナ50,51から出力される信号を分離して、複数のデータストリームを抽出する。
MAC層処理部64は、ユーザデータ送信管理部72と、符号化部73と、変調部74と、復調部65と、復号部66と、ユーザデータ受信管理部67と、制御部75とを備える。制御部75は、上りMCS管理部71と、下りMCS管理部251と、下り通信品質測定部252と、バースト領域管理部70と、レンジング制御部69と、速度識別部68とを備える。
ユーザデータ送信管理部72は、無線基地局2へ送信するユーザデータを管理する。
符号化部73は、上りMCS管理部71で設定されるMCSの符号化レート従って、無線基地局2への上りのユーザデータを符号化する。
変調部74は、上りMCS管理部71で設定されるMCSの変調方式に従って、符号化された上りのユーザデータを変調する。
復調部65は、下りMCS管理部251で設定されるMCSの変調方式に従って、無線基地局2からの下りのユーザデータを復調する。
復号部66は、下りMCS管理部251で設定されるMCSの符号化レート従って、復調された下りのユーザデータを復号する。
ユーザデータ受信管理部67は、無線基地局2から受信したユーザデータを管理する。
バースト領域管理部70は、無線基地局2から送信されてくる自端末の上りのバースト領域を設定管理する。
速度識別部68は、無線基地局から送信されてくる自端末の速度状態を設定管理する。速度識別部68は、自端末の速度状態に基づいて、チャネル推定部76に対して、高速移動用のチャネル推定処理と通常のチャネル推定処理のいずれを実行するかを指示する。
下り通信品質測定部252は、図6に示すようなフレーム数テーブルに従って、自端末の速度状態に応じて、下り通信品質を算出する際に用いるフレーム数を切替える。すなわち、下り通信品質測定部252は、自端末の速度状態が高速移動状態の場合、最新に受信したNf個(=4個)のOFDMAフレームの各々において、下りのユーザデータのCINRを算出する。下り通信品質測定部252は、算出されたNf個のCINRの平均値を下り通信品質QLとして算出する。下り通信品質測定部252は、自端末の速度状態が通常状態の場合、最新に受信したNo個(=20個)のOFDMAフレームの各々において、下りのユーザデータのCINRを算出する。下り通信品質測定部252は、算出されたNo個のCINRの平均値を下り通信品質QLとして算出する。算出された下り通信品質QLは、無線基地局2側で実行される下りのユーザデータのMCSの設定に用いられる。
上りMCS管理部71は、無線基地局2から送信されてくる自端末の上りのユーザデータのMCSを設定管理する。
下りMCS管理部251は、無線基地局2から送信されてくる自端末の下りのユーザデータのMCSを設定管理する。
レンジング制御部69は、無線基地局2から送信されているレンジング周期に従って、レンジング信号を送信する。レンジング制御部69は、無線基地局2から送信されているレンジング応答を受信する。レンジング制御部69は、レンジング応答のステータスがさらに調整が必要なことを示す場合には、レンジング応答のパラメータに従って、信号の送信タイミング、信号の送信周波数、信号の送信電力を調整する。
チャネル推定部76は、高速移動状態の無線端末については、通常状態の無線端末よりも、高精度な方式で、下りのユーザデータに含まれるパイロット信号からチャネル推定値を算出する。
チャネル推定部76によるチャネルの推定について説明する。
図10は、パイロット信号の配置を表わす図である。
図10を参照して、下りのユーザデータが配置されるダウンリンクのPUSCクラスタを表わす図である。1個のPUSCクラスタは、2個のシンボルと14個のサブキャリアで構成される。1シンボル当たり2個のサブキャリアでパイロット信号が伝送される。
図11は、通常のチャネル推定処理を説明するための図である。
図11(a)に示すように、チャネル推定部76は、第1シンボル、第5サブキャリアに含まれるパイロット信号P1を既知の信号で除算することによって、第1シンボル、第5サブキャリアのチャネル推定値S1を算出する。チャネル推定部76は、同様に、第1シンボル、第9サブキャリのチャネル推定値S2、第2シンボル、第1サブキャリアのチャネル推定値S3、第2シンボル、第13サブキャリアのチャネル推定値S4、第3シンボル、第5サブキャリアのチャネル推定値S5、第3シンボル、第9サブキャリアのチャネル推定値S6、第4シンボル、第1サブキャリアのチャネル推定値S7、第4シンボル、第13サブキャリアのチャネル推定値S8を算出する。
図11(b)に示すように、チャネル推定部76は、第1サブキャリアの第2シンボルのチャネル推定値S3を第1サブキャリアの第1シンボルのチャネル推定値としてコピーする。チャネル推定部76は、第1サブキャリアの第4シンボルのチャネル推定値S7を第1サブキャリアの第3シンボルのチャネル推定値としてコピーする。チャネル推定部76は、第5サブキャリアの第1シンボルのチャネル推定値S1を第5サブキャリアの第2シンボルのチャネル推定値としてコピーする。チャネル推定部76は、第5サブキャリアの第3シンボルのチャネル推定値S5を第5サブキャリアの第4シンボルのチャネル推定値としてコピーする。チャネル推定部76は、第9サブキャリアの第1シンボルのチャネル推定値S2を第9サブキャリアの第2シンボルのチャネル推定値としてコピーする。チャネル推定部76は、第9サブキャリアの第3シンボルのチャネル推定値S6を第9サブキャリアの第4シンボルのチャネル推定値としてコピーする。チャネル推定部76は、第13サブキャリアの第2シンボルのチャネル推定値S4を第13サブキャリアの第1シンボルのチャネル推定値としてコピーする。チャネル推定部76は、第13サブキャリアの第4シンボルのチャネル推定値S8を第13サブキャリアの第3シンボルのチャネル推定値としてコピーする。
図11(c)に示すように、チャネル推定部76は、第1シンボルにおいて、算出されたチャネル推定値S3、S1、S2、S4を用いて、サブキャリアとチャネル推定値との関係を表わす3次式の係数を最小二乗法によって算出し、算出された3次式を用いて、残りのサブキャリアのチャネル推定値を算出する。チャネル推定部76は、第2、第3、第4シンボルにおいても、同様にして、残りのサブキャリアのチャネル推定値を算出する。
図12は、高速移動用のチャネル推定処理を説明するための図である。
図12(a)に示すように、チャネル推定部76は、図11(a)に示す、通常時と同様にして、チャネル推定値S1〜S8を算出する。
図12(b)に示すように、チャネル推定部76は、第1サブキャリアの第2シンボルのチャネル推定値S3と、第4シンボルのチャネル推定値S7を用いて、サブキャリアとチャネル推定値との関係を表わす1次式の係数を最小二乗法によって算出し、算出された1次式を用いて、第1シンボルのチャネル推定値S11、第3シンボルのチャネル推定値S12を算出する。チャネル推定部76は、第5サブキャリアにおいても同様にして、チャネル推定値S13、S14を算出する。チャネル推定部76は、第9サブキャリアにおいても同様にして、チャネル推定値S15、S16を算出する。チャネル推定部76は、第13サブキャリアにおいても同様にして、チャネル推定値S17、S18を算出する。
図12(c)に示すように、チャネル推定部76は、第1シンボルにおいて、算出されたチャネル推定値S11、S1、S2、S17を用いて、サブキャリアとチャネル推定値との関係を表わす3次式の係数を最小二乗法によって算出し、算出された3次式を用いて、残りのサブキャリアのチャネル推定値を算出する。チャネル推定部76は、第2、第3、第4シンボルにおいても、同様にして、残りのサブキャリアのチャネル推定値を算出する。
(無線基地局の動作)
図13は、本発明の第1の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。毎フレームにおいて、このフローチャートに従って処理が行なわれる。
図13を参照して、ユーザ番号が1に設定される(ステップS101)。
端末速度識別部30は、ユーザiの無線端末の時間的に前後する2つ以上の受信応答ベクトルに基づいて、ユーザiの無線端末3の移動速度を識別する(ステップS102)。
次に、ユーザiの無線端末3が高速移動している場合、すなわち、移動速度が所定値以上の場合には(ステップS103でYES)、レンジング制御部32は、ユーザiの無線端末3のレンジング周期を高速移動用の周期Tfに設定する(ステップS104)。また、ユーザ管理部37は、ユーザiの無線端末3の速度状態を高速移動状態に設定する(ステップS105)。また、バースト領域設定部31は、ユーザiの上りのユーザデータのバースト領域を他のユーザのバースト領域と時間的に重複しないように設定する(ステップS106)。また、上り通信品質測定部29は、最新に受信したNf個(=4個)のOFDMAフレームの各々において、ユーザiの無線端末3の上りのユーザデータのCINRを算出する。上り通信品質測定部29は、算出されたNf個のCINRの平均値を上り通信品質QLとして算出する(ステップS107)。
一方、ユーザiの無線端末3が高速移動していない場合、すなわち、移動速度が所定値未満の場合には(ステップS103でNO)、レンジング制御部32は、ユーザiの無線端末3のレンジング周期を通常の周期Toに設定する(ステップS108)。また、ユーザ管理部37は、ユーザiの無線端末3の速度状態を通常状態に設定する(ステップS109)。また、バースト領域設定部31は、ユーザiの上りのユーザデータのバースト領域を他のユーザのバースト領域と時間的に重複を許して設定する(ステップS110)。また、上り通信品質測定部29は、最新に受信したNo個(=20個)のOFDMAフレームの各々において、ユーザiの無線端末3の上りのユーザデータのCINRを算出する。上り通信品質測定部29は、算出されたNo個のCINRの平均値を上り通信品質QLとして算出する(ステップS111)。
次に、上りMCS設定部28は、図8のMCS切替えテーブルを参照して、上り通信品質QLに基づいて上りMCSを設定する。復調部25は、上りMCS設定部28で設定されたMCSの変調方式でユーザデータを復調する。復号部26は、上りMCS設定部28で設定されたMCSの符号化レートでユーザデータを復号化する(ステップS112)。
次に、下りMCS設定部253は、図8のMCS切替えテーブルを参照して、下り通信品質QLに基づいて下りMCSを設定する。符号化部34は、下りMCS設定部253で設定されたMCSの符号化レートでユーザデータを符号化する。変調部33は、下りMCS設定部253で設定されたMCSの変調方式でユーザデータを変調する(ステップS113)。
次に、ユーザ番号iが通信中の全ユーザ数と等しくない場合には(ステップS114でNO)、ユーザ番号が1だけインクリメントされて(ステップS115)、ステップS102に戻る。一方、ユーザ番号iが通信中の全ユーザ数と等しい場合には(ステップS114でYES)、送信部13は、ダウンリンクフレームのDL−MAPおよびUL−MAPを用いて、上記設定した内容を通知する(ステップS116)。
(無線端末の動作)
図14は、本発明の第1の実施形態の無線端末の動作手順を表わすフローチャートである。毎フレームにおいて、このフローチャートに従って処理が行なわれる。
図14を参照して、無線端末3の速度識別部68は、無線基地局2から自端末の速度状態が高速移動状態であることが通知された場合には(ステップS201でYES)、チャネル推定部76に、図12で説明したような高速移動用チャネル推定処理を実行させる(ステップS202)。さらに、下り通信品質測定部252は、最新に受信したNf個(=4個)のOFDMAフレームの各々において、自端末の下りのユーザデータのCINRを算出する。下り通信品質測定部252は、算出されたNf個のCINRの平均値を下り通信品質QLとして算出する(ステップS203)。
一方、速度識別部68は、無線基地局2から自端末の速度状態が通常であることが通知された場合には(ステップS201でNO)、チャネル推定部76に、図11で説明したような通常のチャネル推定処理を実行させる(ステップS204)。さらに、下り通信品質測定部252は、最新に受信したNo個(=20個)のOFDMAフレームの各々において、自端末の下りのユーザデータのCINRを算出する。下り通信品質測定部252は、算出されたNo個のCINRの平均値を下り通信品質QLとして算出する(ステップS205)。
上りMCS管理部71は、無線基地局2から通知された上りMCSを設定する。符号化部73は、上りMCS管理部71で設定されたMCSの符号化レートでユーザデータを符号化する。変調部72は、上りMCS管理部71で設定されたMCSの変調方式でユーザデータを変調する(ステップS206)。
下りMCS管理部251は、無線基地局2から通知された下りMCSを設定する。復調部65は、下りMCS管理部251で設定されたMCSの変調方式でユーザデータを復調する。復号部66は、下りMCS管理部251で設定されたMCSの符号化レートでユーザデータを復号化する(ステップS207)。
バースト領域管理部70は、無線基地局2から通知された上りのユーザデータのバースト領域を設定する。送信部53は、バースト領域管理部70で設定されたバースト領域を用いてユーザデータを送信する(ステップS208)。
次に、レンジング制御部69は、無線基地局2から通知されたレンジング周期でレンジング信号を無線基地局2に送信する(ステップS209)。
次に、上記説明した処理が、無線基地局と、無線端末の間でどのように連携して行なわれるかについて説明する。
(チャネルの推定)
図15は、本発明の第1の実施形態の無線通信システムのチャネルの推定手順を表わすフローチャートである。図15は、ユーザiの無線端末において、チャネルが推定される手順を表わしている。
図15を参照して、まず、無線基地局2の端末速度識別部30は、ユーザiの無線端末の時間的に前後する2つ以上の受信応答ベクトルに基づいて、ユーザiの無線端末3の移動速度を識別する(ステップS301)。
次に、無線基地局2のユーザ管理部37は、ユーザiの無線端末3が高速移動している場合、すなわち、移動速度が所定値以上の場合には(ステップS302でYES)、ユーザiの無線端末3の速度状態を高速移動状態に設定する(ステップS303)。ユーザ管理部37は、ユーザiの無線端末3が高速移動していない場合、すなわち、移動速度が所定値未満の場合には(ステップS302でNO)、ユーザiの無線端末3の速度状態を通常状態に設定する(ステップS304)。
次に、ユーザ管理部37は、送信部13を介してユーザiの無線端末に対して、設定した速度状態を通知する。送信部13は、ユーザiの設定された速度状態を表わすデータをOFDMAのDL−MAPの一部の領域を用いて送信する(ステップS306)。
次に、ユーザiの無線端末3の速度識別部68は、自端末の速度状態が高速移動状態であることが通知された場合には(ステップS307でYES)、チャネル推定部76に、図12で説明したような高速移動用チャネル推定処理を実行させる(ステップS308)。
一方、速度識別部68は、自端末の速度状態が通常であることが通知された場合には(ステップS307でNO)、チャネル推定部76に、図11で説明したような通常のチャネル推定処理を実行させる(ステップS309)。
(上りMCSの推定)
図16は、本発明の第1の実施形態の無線通信システムの上りMCSの設定手順を表わすフローチャートである。図16は、ユーザiの無線端末において、上りMCSが推定される手順を表わしている。
図16を参照して、まず、無線基地局2の端末速度識別部30は、ユーザiの無線端末の時間的に前後する2つ以上の受信応答ベクトルに基づいて、ユーザiの無線端末3の移動速度を識別する(ステップS401)。
次に、無線基地局2の上り通信品質測定部29は、ユーザiの無線端末3が高速移動している場合、すなわち、移動速度が所定値以上の場合には(ステップS402でYES)、最新に受信したNf個(=4個)のOFDMAフレームの各々において、ユーザiの無線端末3の上りのユーザデータのCINRを算出する。上り通信品質測定部29は、算出されたNf個のCINRの平均値を上り通信品質QLとして算出する(ステップS403)。
一方、上り通信品質測定部29は、ユーザiの無線端末3が高速移動していない場合、すなわち、移動速度が所定値未満の場合には(ステップS402でNO)、最新に受信したNo個(=20個)のOFDMAフレームの各々において、ユーザiの無線端末3の上りのユーザデータのCINRを算出する。上り通信品質測定部29は、算出されたNo個のCINRの平均値を上り通信品質QLとして算出する(ステップS404)。
次に、上りMCS設定部28は、図8のMCS切替えテーブルに基づいて、上り通信品質QLが閾値UP_TH以上であれば、ユーザiの無線端末3の上りユーザデータのMCS(上りMCS)を1段階アップさせ、上り通信品質QLが閾値DN_TH以下であれば、ユーザiの上りのユーザデータのMCSを1段階ダウンさせる(ステップS405)。
次に、上りMCS設定部28は、送信部13を介してユーザiの無線端末3に対して、設定された上りのユーザデータのMCSを通知する。送信部13は、ユーザiの無線端末3の設定されたMCSを表わすデータをOFDMAのUL−MAPの一部の領域を用いて送信する(ステップS407)。
次に、ユーザiの無線端末3の上りMCS管理部71は、受信部52を介して上りのユーザデータのMCSの通知を受信すると、設定管理するMCSを通知されたものに設定する(ステップS408)。
符号化部73は、上りMCS管理部71に設定されたMCSの符号化レートでユーザデータを符号化する。変調部72は、上りMCS管理部71に設定されたMCSの変調方式でユーザデータを変調する。ユーザiの無線端末3の送信部53は、符号化および変調されたユーザデータを無線基地局3へ送信する(ステップS409)。
次に、無線基地局の受信部12は、ユーザiの無線端末3から符号化および変調されたユーザデータを受信する(ステップS411)。
次に、無線基地局2の復調部25は、上りMCS設定部28で設定されたMCSの変調方式でユーザデータを復調する。無線基地局2の復号部26は、上りMCS設定部28で設定されたMCSの符号化レートでユーザデータを復号化する(ステップS412)。
(下りMCSの推定)
図17および図18は、本発明の第1の実施形態の無線通信システムの下りMCSの設定手順を表わすフローチャートである。図17および図18は、ユーザiの無線端末において、下りMCSが推定される手順を表わしている。
図17および図18を参照して、まず、無線基地局2の端末速度識別部30は、ユーザiの無線端末の時間的に前後する2つ以上の受信応答ベクトルに基づいて、ユーザiの無線端末3の移動速度を識別する(ステップS701)。
次に、無線基地局2のユーザ管理部37は、ユーザiの無線端末3が高速移動している場合、すなわち、移動速度が所定値以上の場合には(ステップS702でYES)、ユーザiの無線端末3の速度状態を高速移動状態に設定する(ステップS703)。ユーザ管理部37は、ユーザiの無線端末3が高速移動していない場合、すなわち、移動速度が所定値未満の場合には(ステップS702でNO)、ユーザiの無線端末3の速度状態を通常状態に設定する(ステップS704)。
次に、ユーザ管理部37は、送信部13を介してユーザiの無線端末に対して、設定した速度状態を通知する。送信部13は、ユーザiの設定された速度状態を表わすデータをOFDMAのDL−MAPの一部の領域を用いて送信する(ステップS705)。
次に、ユーザiの無線端末3の下り通信品質測定部252は、自端末の速度状態が高速移動状態であることが通知された場合には(ステップS706でYES)、最新に受信したNf個(=4個)のOFDMAフレームの各々において、自端末の下りのユーザデータのCINRを算出する。下り通信品質測定部252は、算出されたNf個のCINRの平均値を下り通信品質QLとして算出する(ステップS707)。
一方、下り通信品質測定部252は、自端末の速度状態が通常状態であることが通知された場合には(ステップS706でNO)、最新に受信したNo個(=20個)のOFDMAフレームの各々において、自端末の下りのユーザデータのCINRを算出する。下り通信品質測定部252は、算出されたNo個のCINRの平均値を下り通信品質QLとして算出する(ステップS708)。
次に、下り通信品質測定部252は、送信部13を介して、下り通信品質QLを表わすデータを無線基地局2へ送信する(ステップS709)。
次に、無線基地局2の下りMCS設定部253は、下り通信品質QLを表わすデータを受信すると、図8のMCS切替えテーブルに基づいて、下り通信品質QLが閾値UP_TH以上であれば、ユーザiの無線端末3の下りユーザデータのMCSを1段階アップさせ、下り通信品質QLが閾値DN_TH以下であれば、ユーザiの下りのユーザデータのMCSを1段階ダウンさせる(ステップS710)。
次に、下りMCS設定部253は、送信部13を介してユーザiの無線端末3に対して、設定された下りのユーザデータのMCSを通知する。送信部13は、ユーザiの無線端末3の下りのMCSを表わすデータをOFDMAのDL−MAPの一部の領域を用いて送信する(ステップS711)。
次に、ユーザiの無線端末3の下りMCS管理部251は、受信部52を介して下りのユーザデータのMCSの通知を受信すると、設定管理するMCSを通知されたものに設定する(ステップS712)。
次に、無線基地局2の符号化部34は、下りMCS設定部253に設定されたMCSの符号化レートでユーザデータを符号化する。変調部33は、下りMCS管理部253に設定されたMCSの変調方式でユーザデータを変調する(ステップS713)。
無線基地局の送信部13は、符号化および変調されたユーザデータをユーザiの無線端末3へ送信する(ステップS714)。
次に、ユーザiの無線端末3の受信部52は、無線基地局2から符号化および変調されたユーザデータを受信する(ステップS715)。
次に、ユーザiの無線端末3の復調部65は、下りMCS管理部251で設定されたMCSの変調方式でユーザデータを復調する。ユーザiの無線端末3の復号部66は、下りMCS管理部251で設定されたMCSの符号化レートでユーザデータを復号化する(ステップS716)。
(バースト領域の設定)
図19は、本発明の第1の実施形態の無線通信システムのバースト領域の設定手順を表わすフローチャートである。図19は、ユーザiの無線端末において、バースト領域が推定される手順を表わしている。
図19を参照して、まず、無線基地局2の端末速度識別部30は、ユーザiの無線端末の時間的に前後する2つ以上の受信応答ベクトルに基づいて、ユーザiの無線端末3の移動速度を識別する(ステップS501)。
次に、ユーザiの無線端末3が高速移動している場合、すなわち、移動速度が所定値以上の場合には(ステップS502でYES)、無線基地局2のバースト領域設定部31は、ユーザiの上りのユーザデータのバースト領域を他のユーザのバースト領域と時間的に重複しないように設定する(ステップS503)。
一方、ユーザiの無線端末3が高速移動していない場合、すなわち、移動速度が所定値未満の場合には(ステップS502でNO)、無線基地局2のバースト領域設定部31は、ユーザiの上りのユーザデータのバースト領域を他のユーザのバースト領域と時間的に重複を許して設定する(ステップS504)。
次に、バースト領域設定部31は、送信部13を介してユーザiの無線端末3に対して、設定した上りのユーザデータのバースト領域を通知する。送信部13は、ユーザiの無線端末3の上りのユーザデータのバースト領域を表わすデータをOFDMAのUL−MAPの一部の領域を用いて送信する(ステップS506)。
次に、ユーザiの無線端末3のバースト領域管理部70は、受信部52を介して上りのユーザデータのバースト領域を通知を受信すると、上りのユーザデータのバースト領域を通知されたものに設定する(ステップS507)。
ユーザiの無線端末3の送信部53は、バースト領域管理部70に設定されたバースト領域のシンボル(時間)において、設定されたバースト領域のサブキャリアを用いてユーザデータを送信する(ステップS508)。
次に、無線基地局2の受信部12は、バースト領域設定部31で設定されたバースト領域のシンボル(時間)において、設定されたサブキャリアで送信されてくるユーザiの無線端末のユーザデータを受信する(ステップS510)。
(レンジング処理)
図20は、本発明の第1の実施形態の無線通信システムのレンジングの処理手順を表わすフローチャートである。図20は、ユーザiの無線端末において、レンジングが行なわれる手順を表わしている。
図20を参照して、まず、無線基地局2の端末速度識別部30は、ユーザiの無線端末の時間的に前後する2つ以上の受信応答ベクトルに基づいて、ユーザiの無線端末3の移動速度を識別する(ステップS601)。
次に、ユーザiの無線端末3が高速移動している場合、すなわち、移動速度が所定値以上の場合には(ステップS602でYES)、無線基地局2のレンジング制御部32は、ユーザiの無線端末3のレンジング周期を高速移動用の周期Tfに設定する(ステップS603)。
一方、ユーザiの無線端末3が高速移動していない場合、すなわち、移動速度が所定値未満の場合には(ステップS602でNO)、無線基地局2のレンジング制御部32は、ユーザiの無線端末3のレンジング周期を通常の周期Toに設定する(ステップS604)。
次に、レンジング制御部32は、送信部13を介してユーザiの無線端末3に対して、設定されたレンジング周期を通知する。送信部13は、設定されたユーザiの無線端末3のレンジング周期を表わすデータをOFDMAのDL−MAPの一部の領域を用いて送信する(ステップS606)。
次に、ユーザiの無線端末3のレンジング制御部69は、レンジング周期が高速移動用の周期Tfであることが通知された場合には(ステップS607でYES)、周期Tfでレンジング信号を無線基地局2に送信する(ステップS608)。
一方、レンジング制御部69は、レンジング周期が通常の周期Toであることが通知された場合には(ステップS607でNO)、周期Toでレンジング信号を無線基地局2に送信する(ステップS609)。
次に、無線基地局2のレンジング制御部32は、受信部12を介してユーザiの無線端末3からレンジング信号を受信する(ステップS610)。
無線基地局2のレンジング制御部32は、受信したレンジング信号に基づいて、ユーザiの無線端末3に、レンジングが完了したか否かを通知するためのステータス情報と、さらにレンジングが必要な場合には、ユーザiの無線端末3からの信号の送信タイミング、ユーザiの無線端末3からの信号の送信周波数、ユーザiの無線端末3からの信号の送信電力を調整させるためのパラメータと含むレンジング応答を送信する(ステップS611)。
無線基地局2のレンジング制御部32は、さらにレンジングによる調整が必要な場合には(ステップS612でYES)、ステップS610に戻り、調整が不要な場合には(ステップS612でNO)、終了する。
ユーザiの無線端末3のレンジング制御部69は、レンジング応答を受信する(ステップS613)。
レンジング制御部69は、レンジング応答が、さらに調整が必要なことを表わす場合には(ステップS614でYES)、レンジング応答のパラーメータに従って、信号の送信タイミング、信号の送信周波数、信号の送信電力を調整し後、ステップS607に戻り、調整が不要なことを表わす場合には(ステップS614でNO)、終了する。
以上のように、本発明の実施形態の無線通信システムによれば、無線端末の移動速度に応じて、通信処理方式を適切に切替えるようにしたので、無線端末が高速移動する場合の問題点を解消することができる。
具体的には、レンジング周期に関して、高速移動状態の無線端末は、通常時よりも十分に短いレンジング周期でレンジング信号を伝送するようにしたので、無線端末と無線地局間の距離が大きく変化する前に、レンジングを再実行することができる。
また、ユーザのアップリンクのバースト領域の割当てに関して、高速移動状態の無線端末の上りのユーザデータは、他のユーザデータと時間的に重複しないように割当てることにしたので、ドップラーシフトによるICIの発生による通信性能の劣化を低減できる。
また、チャネル推定に関して、高速移動状態の無線端末において、パイロット信号が含まれていないシンボルについては、隣接する複数のシンボルのチャネル推定値から補間によってチャネル推定値を求める高精度な方式を用いることとしたので、通信性能の劣化を改善できる。
また、通信品質およびMCSの切替えに関しては、高速移動状態の無線端末については、各フレームのCINRの測定値を平均化するフレーム数を少なくしたので、通信品質の算出精度の劣化、およびMCSの不適切な切替えを解消することができる。
[第2の実施形態]
図21は、本発明の第2の実施形態の無線通信システムの構成を表わす図である。
図21を参照して、この無線通信システム81は、無線基地局システム82と、複数個の無線端末からなる。
無線基地局システム82は、制御局83と、複数個の無線基地局84a〜84nからなる。無線基地局84aは、複数個の無線端末85a〜85nとOFDMA方式で通信する。無線基地局84bは、複数個の無線端末86a〜86nとOFDMA方式で通信する。無線基地局84nは、複数個の無線端末87a〜87nとOFDMA方式で通信する。
図22は、図21の無線基地局システムの内部構成を表わす図である。
図22では、複数個の無線基地局84a〜84nを1つの無線基地局84で代表して表わしている。
図2に示す第1の実施形態における無線基地局2のMAC層処理部14に含まれていた一部の機能が、図22の第2の実施形態では、制御局83に配置されている。すなわち、制御局83は、端末速度識別部89と、ユーザ管理部77とを有する。
端末速度識別部89は、無線基地局84a〜84nのうちのいずれかの無線基地局と通信中の無線端末の移動速度を識別する。
ユーザ管理部77は、無線基地局84a〜84nのうちのいずれかの無線基地局と通信中の無線端末が高速移動状態か、通常状態かを管理する。
制御局83と、無線基地局84との間は、光ファイバなど通信ケーブル90で接続されている。通信ケーブル90を通じて、制御局83と無線基地局84との間で信号が伝送される。
以上のように、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、無線端末が高速移動する場合の問題点を解消することができる。また、第2の実施形態では、制御局が、通信ケーブルで接続される複数の無線基地局と通信する複数の無線端末の速度状態を一括管理することができる。
なお、第2の実施形態では、第1の実施形態の無線基地局2のMAC層処理部14の構成要素のうちの端末速度識別部と、ユーザ管理部のみを制御局83に移したが、MAC層処理部14のその他の構成要素の一部および全部を、制御局83に移すこととしてもよい。さらに、第1の実施形態の無線基地局2の送信部および受信部の一部または全部の構成要素を、制御局に移すこととしてもよい。
[第3の実施形態]
図23は、本発明の第3の実施形態の無線通信システムの構成を表わす図である。
図23を参照して、この無線通信システム91は、無線基地局92と、無線中継局(リピータ)93と、複数個の複数個の無線端末94a〜94n、95a〜95nとを備える。
無線基地局92と、複数個の無線端末94a〜94nとの間で、OFDMA方式による無線通信が行なわれる。
無線中継局93は、無線端末95a〜95nから送信されてくる信号を受信して処理し、処理結果に基づき、無線基地局92へ信号を送信する。
また、無線中継局93は、無線基地局92から送信されてくる信号を受信して処理し、処理結果に基づき、無線端末95a〜95nへ信号を送信する。
無線中継局93と、無線端末95a〜95nは、たとえば高速に移動する新幹線車両などに設置される。
無線中継局93は、無線端末151と、無線基地局152とからなる。
無線基地局92と、無線中継局93内の無線端末151との間で、OFDMA方式による無線通信が行なわれる。無線中継局93内の無線端末151は、第1の実施形態で説明した無線端末と同様の構成および機能を有する。
また、無線中継局93内の無線基地局152と、無線端末95a〜95nとの間で、OFDMA方式による無線通信が行なわれる。
以上のように、第3の実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様に、無線端末(無線中継局内の無線端末)が高速移動する場合の問題点を解消することができる。
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば、以下のような変形例も含む。
(1) 通信品質の測定
本発明の実施形態では、高速移動時と通常時とで、通信品質の測定に用いるフレーム数を変えたが、これに限定するものではない。
たとえば、上り通信品質測定部は、複数のフレームのそれぞれにおける上りのユーザデータのCINRを測定し、測定したフレームごとのCINRの加重移動平均によって、上り通信品質QLを算出する。ここで、上り通信品質測定部は、所定の速度以上で移動している無線端末については、所定の速度未満で移動している無線端末についてよりも、加重移動平均における過去のフレームの寄与を小さくする。
同様に、下り通信品質測定部は、複数のフレームのそれぞれにおける下りのユーザデータのCINRを測定し、測定したフレームごとのCINRの加重移動平均によって、下り通信品質QLを算出する。ここで、下り通信品質測定部は、所定の速度以上で移動している場合には、所定の速度未満で移動している場合よりも、加重移動平均における過去のフレームの寄与を小さくする。
たとえば、現在のフレームのCINRをx(t)とし、1つ前のフレームのCINRをx(t−1)としたときに、下りおよび上り通信品質QLを(1−α)×x(t)+α×x(t−1)の加重移動平均で算出する。ここで、αは忘却係数である。この加重移動平均において、高速移動時にαの値をα1にし、通常時にαの値をα2に設定する。α1<α2である。これによって、高速移動時には、過去のフレームの寄与が小さくなる。
(2) 移動速度
本発明の実施形態では、端末速度識別部は、通信中の各無線端末の受信応答ベクトルに基づいて、移動速度を算出したが、これに限定するものではない。
メモリ内に、各無線端末が所定の速度以上で移動するか否かを識別する情報を保存し、端末速度識別部は、メモリ内の情報に基づいて、通信中の無線端末の移動速度を識別することとしてもよい。
(3) 移動速度の通知および検出
本発明の実施形態では、無線基地局から無線端末へ、DL−MAPを用いて、その無線端末の速度状態(高速移動状態または通常状態)を通知し、無線端末が、通知された速度状態に応じて、チャネルの推定方法(高速移動用チャネル推定方式、通常のチャネル推定方式)、および下り通信品質の測定方法(CINRの平均化のためのフレーム数Nf、No)を切替えたが、これに限定するものではない。
たとえば、チャネルの推定方法に関しては、無線基地局は、無線端末が高速移動していることを検出した場合に、その無線端末に対して、DL−MAPを用いて、高速移動用のチャネル推定方式を実行させる指示情報を送信し、無線端末が通常状態(高速移動していない)であることを検出した場合に、その無線端末に対して、DL−MAPを用いて、通常のチャネル推定方式を実行させる指示情報を送信するものとしてもよい。
下り通信品質の測定方法に関しては、無線端末が、OFDMAフレームの各々において、下りのユーザデータのCINRを算出して無線基地局へ送信し、無線基地局が、無線端末の速度状態に応じて、CINRの平均化のためのフレーム数を切替えることとしてもよい。すなわち、無線基地局の下り通信品質測定部は、無線端末の速度状態が高速移動状態の場合には、最新に受信したNf個のCINRの平均値を下り通信品質QLとして算出する。無線基地局の下り通信品質測定部は、無線端末の速度状態が通常状態の場合には、最新に受信したNo個のCINRの平均値を下り通信品質QLとして算出する。
あるいは、無線基地局は、無線端末が高速移動していることを検出した場合に、その無線端末に対して、DL−MAPを用いて、CINRの平均化のためのフレーム数としてNfを用いて下り通信品質を算出させる指示情報を送信し、無線端末が通常状態(高速移動していない)であることを検出した場合に、その無線端末に対して、かつDL−MAPを用いて、CINRの平均化のためのフレーム数としてNoを用いて下り通信品質を算出させる指示情報を送信するものとしてもよい。
また、無線端末が自ら、自端末の速度状態を検出し、検出した速度状態に基づいて、チャネルの推定方法(高速移動用チャネル推定方式、通常のチャネル推定方式)、および下り通信品質の測定方法(CINRの平均化のためのフレーム数Nf、No)を切替えることとしてもよい。
(4) 無線基地局の構成
たとえば、図2に示す無線基地局の構成のうち、アンテナ10,11およびRF部15,20を、それ以外の構成要素と離れた位置に配置することとしてもよい。あるいは、アンテナ10,11のみを、それ以外の構成要素と離れた位置に配置することとしてもよい。
(5) OFDM
本発明の実施形態では、OFDMAによる通信方式を一例として用いたが、これに限定するものではなく、たとえば、OFDM方式であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,81,91 無線通信システム、82 無線基地局システム、83 制御局、2,84a〜84n,84,92,152 無線基地局、3,3a〜3n,85a〜85n,86a〜86n,87a〜87n,94a〜94n,95a〜95n,151 無線端末、93 無線中継局、10,11,50,51 アンテナ、12,52 受信部、13,53 送信部、14,64 MAC層処理部、15,20,55,60 RF部、16,56 CP除去部、17,57 FFT部、18,23,58,63 サブキャリア配置部、59 マルチアンテナ受信信号処理部、21,61 CP付加部、22,62 IFFT部、24 マルチアンテナ送信信号処理部、33,72 変調部、34,73 符号化部、35,74 ユーザデータ送信管理部、25,65 復調部、26,66 復号部、27,67 ユーザデータ受信管理部、36,75,78 制御部、28 上りMCS設定部、29 上り通信品質測定部、30,89 端末速度識別部、31 バースト領域設定部、32,69 レンジング制御部、27,77 ユーザ管理部、66 速度識別部、70 バースト領域管理部、71 上りMCS管理部、90 通信ケーブル、251 下りMCS管理部、252 下り通信品質測定部、253 下りMCS設定部。

Claims (4)

  1. OFDM方式またはOFDMA方式によって、複数の無線端末と通信する無線基地局であって、
    通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、
    通信中の無線端末から、フレームごとの下りのユーザデータのCINR(搬送波レベル対干渉・雑音比)を受信する受信部と、
    前記受信したフレームごとのCINRの加重移動平均によって、下りの通信品質を算出する通信品質測定部と、を備え、
    前記通信品質測定部は、所定の速度以上で移動している無線端末については、所定の速度未満で移動している無線端末についてよりも、前記加重移動平均における過去のフレームの寄与を小さくする、無線基地局。
  2. 複数の無線基地局と、前記複数の無線基地局を制御する制御局とからなり、OFDM方式またはOFDMA方式によって、複数の無線端末と通信する無線基地局システムであって、
    いずれかの無線基地局と通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、
    通信中の無線端末から、フレームごとの下りのユーザデータのCINR(搬送波レベル対干渉・雑音比)を受信する受信部と、
    前記受信したフレームごとのCINRの加重移動平均によって、下りの通信品質を算出する通信品質測定部と、を備え、
    前記通信品質測定部は、所定の速度以上で移動している無線端末については、所定の速度未満で移動している無線端末についてよりも、前記加重移動平均における過去のフレームの寄与を小さくしており、
    前記識別部は、前記制御局に配置され、
    前記受信部は、前記無線基地局に配置され、
    前記通信品質測定部は、前記制御局または前記各無線基地局のいずれかに配置される、無線基地局システム。
  3. 複数の無線端末と、前記複数の無線端末とOFDM方式またはOFDMA方式によって通信する無線基地局とからなる無線通信システムであって、
    前記無線基地局は、
    通信中の無線端末の移動速度を識別する識別部と、
    通信中の無線端末から、フレームごとの下りのユーザデータのCINR(搬送波レベル対干渉・雑音比)を受信する受信部と、
    前記受信したフレームごとのCINRの加重移動平均によって、下りの通信品質を算出する通信品質測定部と、を備え、
    前記通信品質測定部は、所定の速度以上で移動している無線端末については、所定の速度未満で移動している無線端末についてよりも、前記加重移動平均における過去のフレームの寄与を小さくする、無線通信システム。
  4. 複数の無線端末と、前記複数の無線端末とOFDM方式またはOFDMA方式によって、通信する無線基地局とからなる無線通信システムにおける無線通信方法であって、
    前記無線基地局が、通信中の無線端末の移動速度を識別するステップAと、
    前記無線基地局が、通信中の無線端末から、フレームごとの下りのユーザデータのCINR(搬送波レベル対干渉・雑音比)を受信するステップBと、
    前記受信したフレームごとのCINRの加重移動平均によって、下りの通信品質を算出するステップCと、を備え、
    前記ステップCは、所定の速度以上で移動している無線端末については、所定の速度未満で移動している無線端末についてよりも、前記加重移動平均における過去のフレームの寄与を小さくする、無線通信方法。

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