JP2013231640A - 加速器によるパルスビーム陽電子寿命計測方法および装置 - Google Patents

加速器によるパルスビーム陽電子寿命計測方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の陽電子寿命測定法では、陽電子発生タイミングの正確な把握が困難で常に測定回路を動作させる必要があり、バックグラウンド放射線の影響を避けられないため、加速器で発生したパルス陽電子ビームを、蓄積やストレッチングなどの陽電子の照射時間を拡げるための制御を行うことなく、そのままの状態で測定部へ導くことを特徴とする陽電子寿命測定法を提供する。
【解決手段】測定対象の試料から得られる陽電子消滅ガンマ線の検出信号の処理方法として、ガンマ線信号を個別にアナログ処理するのではなく、加速器のビーム発生タイミング用の主パルス信号を測定開始のトリガー信号に使って、波形記憶回路で加速器生成パルス一個分に対応する信号波形を基準信号とともに一括して収集し、収集後に基準信号との時間差を計算機上で演算処理して、一組の陽電子消滅ガンマ線信号波形から複数の陽電子消滅時間値を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、加速器によるパルスビーム陽電子寿命計測方法および装置に関する。
陽電子を評価対象の試料に照射すると試料中の電子と陽電子との対消滅によりガンマ線が発生する。陽電子が試料に入射した時間と消滅ガンマ線が発生した時間の時間差を測定すると試料の欠陥評価等を行うことができ、陽電子寿命測定法として知られている。この陽電子ビームの発生方法は、大きく分けて放射性同位元素を使う方法と、加速器を使う方法に分けられる。
図3は放射性同位元素から取り出した陽電子ビームを用いる従来の陽電子寿命測定装置の概念図である。放射性同位元素を用いる方法は、小型かつ安価に装置を作ることができるという長所があるが、加速器を使う方法に比較して、陽電子ビームの強度は低く測定時間が長くなるという短所がある。
一方、加速器を使う方法は、大型かつ高価な装置が必要になるという短所があるが、高強度の陽電子ビームが得られるので測定時間が短くなるという長所があることからいろいろな提案が行われている。
陽電子源から出た陽電子を、一旦減速材を通過させ、その減速材の両面に設けられた電極間に生じる電流の変化を陽電子発生の基準信号として用いる提案がある(特許文献4)。
加速器で生成する陽電子パルスは、一般的に陽電子寿命測定を行うためにはパルス幅が広すぎるため、通常チョッパーを用いてさらに細かくパルス化する必要がある(特許文献2)。そのような方法で実際に陽電子寿命測定装置が製作され実用に供されている(非特許文献1)。
電子直線加速器(電子リニアック)を用いた陽電子ビームを発生させ陽電子寿命測定をする装置において、その陽電子短パルス化装置の信号を使って、加速器の電子銃のパルス時間間隔を制御する提案がある(特許文献1)。
陽電子を発生させる方法として、パルスレーザーを照射し、そのパルスレーザーあるいはパルスX線をトリガーとして、陽電子消滅時間の測定を開始する提案もある(特許文献3)。
またガンマ線信号計測部においては、従来のアナログ回路ではなく、デジタル波形記憶回路を用いる陽電子寿命測定装置の提案がある。アナログ回路の動作をデジタル回路で置き換え、さらにデジタル化した波形を信号処理し、時間分解能を向上することを目的としており、陽電子消滅ガンマ線信号を一個ずつ計測する(特許文献5)。
特許公開平6−188098 特許公開2010−223890 特許公開2002−14061 特許公開平9−68598 特許公開2003−215251
R.Suzuki,T.Ohdairaand T.Mikado,Radiation Physicsand Chemistry 58(2000)603.
従来技術では、高強度の陽電子源として電子直線加速器を用いる方法が開発されているが、電子直線加速器から得られる陽電子は連続ビームではなく、パルスビームとして得られ、そのパルス幅は従来用いられてきたアナログの信号処理系では処理できないほど短い時間である。これまでは、アナログ信号処理系の処理速度に合わせて陽電子パルスを拡げてから測定しており、陽電子パルスを拡げる装置の追加により装置が大型化し、また陽電子パルスを拡げる過程で陽電子の損失があるなど装置の効率に問題がある。
あるいは、原子炉や加速器に使われた部品の測定では、それ自体が放射化により放射線を発して陽電子寿命測定を妨害する。このようなバックグラウンド放射線の影響を避けられない従来技術では、その減衰を待って測定する必要があり、測定までに月単位、年単位の時間が必要なことさえあり、評価試料の短時間の効率的な測定には問題がある。
従来法では、意図的にパルス幅を拡げて、測定時間範囲を広げて測定しており、短時間現象の測定には対応していない。陽電子寿命自体は長くても100ナノ秒程度で、多くの場合、10ナノ秒以下であり、原理的には、陽電子寿命に相当する短時間だけ現象の測定をすればよい。
さらに新しいニーズとして、加速器を用いた陽電子計測装置の小型化、陽電子寿命測定の迅速化(測定までの時間の短縮、測定時間自体の短縮)、測定時間範囲を短縮することが課題となっている。
本発明は、加速器と陽電子ビームラインを備えた陽電子寿命測定装置において陽電子消滅時間値を計測する陽電子寿命測定方法であって、前記陽電子ビームラインは少なくとも陽電子発生部、パルス発生部、チョッパー、バンチャー、検出器、波形記憶回路部と波形演算部を備えて、バンチャーの後方に試料を配置し、加速器において主パルス信号に基づいて電子ビームの発生を制御し、陽電子発生部において前記制御されて発生したパルス電子ビームをパルス陽電子ビームに変換し、パルス発生部においてチョッパー信号を発生させ、チョッパーにおいて前記チョッパー信号で前記パルス陽電子ビームを一定時間間隔にチョップし、前記一定時間間隔でチョップされたパルス陽電子ビームと前記試料の電子とを対消滅させて陽電子消滅ガンマ線を発生させ、検出器において前記発生した陽電子消滅ガンマ線を検出し、波形記憶回路部において前記検出した陽電子消滅ガンマ線信号と前記チョッパー信号とを記憶し、波形演算部において前記記憶された前記一定時間間隔における前記チョッパー信号と陽電子消滅ガンマ線信号のピーク間の時間差から当該試料の陽電子寿命スペクトルを生成する陽電子寿命測定方法において、前記加速器の前記主パルス信号を前記陽電子消滅ガンマ線測定開始用のトリガー信号として測定を開始して前記波形記憶回路部において前記チョップされた一定時間間隔で発生した複数の陽電子から生ずる陽電子消滅ガンマ線信号を前記加速器で発生する1パルス分の陽電子が前記試料と対消滅する時間一括して収集することを特徴とする陽電子寿命測定方法を提供する。
従前、試料の電子との対消滅により発生した陽電子消滅ガンマ線信号を一個ずつ複数回に亘って一パルスずつ測定して、後にスペクトルを合成したところ、本発明によって、測定開始から測定終了に至る装置の運転時間のうち、加速器で発生する1パルス分の陽電子が前記試料と対消滅するごく短時間に一括して信号を捕捉して陽電子寿命測定が可能となり試料の欠陥評価を効率的に行えるようになった。
本発明はまた、前記加速器は、陽電子を発生するために電子ビームまたはイオンビームを使用し、高周波加速方式でパルスビームを出力する加速器、あるいは、静電加速方式でビームのパルス化機能を付加した加速器であることを特徴とする上述の陽電子寿命測定方法を提供する。
また本発明は、前記波形記憶回路に一括して収集された一組の陽電子消滅ガンマ線信号波形の中から複数の陽電子消滅時間値を得ることを特徴とする上述の陽電子寿命測定方法を提供する。
さらに本発明は、前記パルス陽電子ビームに対応して測定回路を動作させ、後の時間は測定回路を止めて、相対的に信号とノイズの比率を減らす事を特徴とする上述の陽電子寿命測定方法を提供する。
また本発明は、加速器と陽電子ビームラインを備え陽電子消滅時間値を計測する陽電子寿命測定装置であって、陽電子ビームラインは少なくとも陽電子発生部、パルス発生部、チョッパー、バンチャー、検出器、波形記憶回路部と波形演算部を備えて、バンチャーの後方に試料を配置し、加速器において主パルス信号に基づいて電子ビームの発生を制御し、陽電子発生部において前記制御されて発生したパルス電子ビームをパルス陽電子ビームに変換し、パルス発生部においてチョッパー信号を発生させ、チョッパーにおいて前記チョッパー信号で前記パルス陽電子ビームを一定時間間隔にチョップし、前記一定時間間隔でチョップされたパルス陽電子ビームと前記試料の電子とを対消滅させて陽電子消滅ガンマ線を発生させ、検出器において前記発生した陽電子消滅ガンマ線を検出し、波形記憶回路部において前記検出した陽電子消滅ガンマ線信号と前記チョッパー信号とを記憶し、波形演算部において前記記憶された前記一定時間間隔における前記チョッパー信号と陽電子消滅ガンマ線信号のピーク間の時間差から当該試料の陽電子寿命スペクトルを生成する際に、前記加速器の前記主パルス信号を前記陽電子消滅ガンマ線測定開始用のトリガー信号として測定を開始して前記波形記憶回路部において前記チョップされた一定時間間隔で発生した複数の陽電子から生じる陽電子消滅ガンマ線信号を前記加速器で発生する1パルス分の陽電子が前記試料と対消滅する時間一括して収集することを特徴とする陽電子寿命測定装置を提供する。
従前、試料の電子との対消滅により発生した陽電子消滅ガンマ線信号を1個ずつ複数回に亘って1パルスずつ測定して、後にスペクトルを合成したところ、本発明によって、測定開始から測定終了に至る装置の運転時間のうち加速器で発生する1パルス分の陽電子が前記試料と対消滅するごく短時間に一括して信号を捕捉して陽電子寿命測定が可能となり試料の欠陥評価を効率的に行えるようになった。
また本発明は、前記加速器は、陽電子を発生するために電子ビームまたはイオンビームを使用し、高周波加速方式でパルスビームを出力する加速器、あるいは、静電加速方式でビームのパルス化機能を付加した加速器であることを特徴とする上述の陽電子寿命測定装置を提供する。
また本発明は、前記波形記憶回路に一括して収集された一組の陽電子消滅ガンマ線信号波形の中から複数の陽電子消滅時間値を得ることを特徴とする上述の陽電子寿命測定装置を提供する。
さらに本発明は、前記パルス陽電子ビームに対応して測定回路を動作させ、後の時間は測定回路を止めて、相対的に信号とノイズの比率を減らす事を特徴とする上述の陽電子寿命測定装置を提供する。
本発明の陽電子消滅ガンマ線の測定方法では、パルス幅を拡げるための制御電極をビームラインに入れないので、装置をより小さく簡略化することができるとともに、陽電子の利用効率を向上できる。
また本方法によれば、1秒のうち、数10マイクロ秒から数ミリ秒の間しか測定回路が作動しないので、バックグラウンドの放射線があったとしても、たまたま測定回路作動中に発生した放射線以外は測定されず、バックグラウンド放射線の影響を受けにくくなる。
さらに本発明では、加速器で発生する陽電子のパルス幅まで測定時間範囲を短くすることができるので、試料に関しミリ秒以下の短時間現象の測定にも対応できる。
図1は本発明を実施する装置の概略図を示している。 図2は電子直線加速器を用いた従来法による装置の概略図を示している。 図3は放射性同位元素を用いた従来法による装置の概略図を示している。 図4は デジタル波形記憶回路で収集した陽電子パルス一個分のガンマ線検出信号の出力を時系列で表わした図である。 図5は高速波形記憶回路で収集したガンマ線検出信号とチョッパー信号の出力を時系列で表わした図であって、図4のAcquisitionの時間中の極小時間を拡大した図にチョッパー信号の出力を重ね合わせた図である。 図6は本方法で得られた陽電子寿命スペクトルの一例であり、縦軸が陽電子消滅ガンマ線の個数、横軸が時間である。
本発明では、加速器で発生したパルス陽電子ビームを、蓄積やストレッチングなどの陽電子の照射時間を拡げるための制御を行うことなく、そのままの状態で測定部へ導いて使用する。
その際、測定対象の試料22から発生する陽電子消滅ガンマ線の検出信号の処理方法として、ガンマ線信号を個別にアナログ処理するのではなく、加速器のビーム発生タイミング用の主パルス信号15を測定開始のトリガー信号7に使って、波形記憶回路部26で加速器生成パルス一個分に対応する信号波形をチョッパー基準信号とともに一括して収集する。収集後にチョッパー基準信号との時間差を計算機上で演算処理して、一括して収集した一組の陽電子消滅ガンマ線信号波形から、複数の陽電子消滅時間値を得ることができる。
本発明の実施のために陽電子源として用いることが可能な加速器は、電子ビームまたはイオンビームを使用し、高周波加速方式でパルスビームを出力する加速器(直線加速器、サイクロトロン加速器、シンクロトロン加速器を含む)、あるいは、静電加速方式の加速器(コッククロフトワルトン加速器、バンデグラーフ加速器を含む)にビームのパルス化機能を付加したものである。陽電子発生原理は、ビーム照射で発生する制動X線による電子対生成を利用する方法、核反応による陽電子放出核の生成を利用する方法のいずれかである。
図1に試作した装置の概要を示す。
図1の実施例では、加速器として電子直線加速器、陽電子発生原理として制動X線方式を用いた。
本発明は、特に測定のための信号のやりとりに関する方法とその構成に特徴がある。
電子直線加速器1には加速に関わる回路のタイミングを取るための主パルス信号15があり、これに従って、電子銃10から電子パルスを出し、加速管11に高周波パルスを印加している。
この主パルス信号15に適切な遅延回路13、遅延回路14および遅延回路25を挿入し、加速器と測定系に同時に導くことにより、電子(3)パルスが陽電子発生部20に当たって発生した陽電子(4)パルスがバンチャー29の後方に配置された試料22上に到達する時刻を事前に知ることが可能である。
このため、電子直線加速器1の主パルス信号15を波形記憶回路部26のトリガー信号7に用いることにより、陽電子(4)パルス到達時に試料22から発生する陽電子消滅ガンマ線信号を波形記憶回路部26に一括して収集することができる。
図2は、比較参考のために、電子加速器を用いた従来の陽電子寿命測定装置の概念図である。
従来法では電子直線加速器1と陽電子ビームライン2は独立して動作している。この場合、試料22に陽電子4が来るタイミングが正確に分からないので、いつも測定装置を動作させて待機させる必要がある点で測定時間が長くなって、バックグラウンドの放射線の影響を受けやすくなるという欠点がある。
また従前、加速器生成パルスのパルス幅は、従来用いられてきたアナログの信号処理系では処理できないほど短いため、アナログの信号処理系で処理しようとすると、加速器生成パルスに同期した陽電子ビームをそのまま使わないで、ストレッチャー30(例えば陽電子をいったん蓄積して少しずつ放出するなどの方法で、パルス幅を拡げる装置)を入れているため陽電子ビームライン2の途中で失われる陽電子4が増え、陽電子4の利用効率が下がる欠点がある。
図4は図1の方法で得たガンマ線信号の波形である。
横軸は計測時間、縦軸はガンマ線検出器23の出力信号を波形記憶回路部26に入力して記憶された電圧値を示す。
Triggerは遅延回路25を通した後の直線加速器の主パルス信号から得られるトリガー信号のタイミング(トリガーエッジ)を示し、トリガーのかかる時間を0としている。
Acquisitionと書かれた時間範囲の信号に対して、処理を行うことで陽電子寿命スペクトルを得ることが可能である。
チョッパー信号は主パルス信号に基づいて発生させても良い。
図5は図4のガンマ線信号波形を時間方向に拡大し、さらに波形記憶回路部26でガンマ線信号と同時に記憶するチョッパー信号を重ねて表示した結果である。
横軸は相対的な計測時間を示し、0時間に特に意味はない。縦軸はガンマ線検出器の出力信号とチョッパーの制御信号を波形記憶回路部26に入力1と入力2にそれぞれ入力して記憶された電圧値を示す。
試料中の陽電子消滅で発生したガンマ線は検出器で電気信号に変換され、波形記憶回路部26の入力1に入れる。
加速器生成パルスに対応して発生したパルス陽電子ビームは、チョッパー信号でチョッパーを駆動して、さらに細かく刻まれて決まった時刻にだけ一定時間間隔、試料に入射する。
波形記憶回路部26に取り込んだ、入力1と入力2の波形データはその都度、コンピュータ波形演算部27へ送って解析を行う。
その際、当該一定時間間隔におけるチョッパー信号とガンマ線信号のピーク間の時間差を計算する。
図5のt1、t2は時間差の計算例を示す。
このようなピーク間の時間差の値を数千個から数百万個収集し、横軸時間差、縦軸検出信号数からなるヒストグラムに積算することで陽電子寿命スペクトルが得られる。
必要な場合には、加速器に複数回、主パルス信号を与えて複数回パルス陽電子ビームを発生させて収集した時間差データを積算することで陽電子寿命スペクトルが得られる。
図6は本方法で得られた陽電子寿命スペクトルの一例を示す。
横軸は陽電子消滅時間で、縦軸は信号のカウント数を示す。
スペクトルは時間分解能の分だけマイナス側にも拡がりを持ち、プラス側の拡がりから、陽電子寿命値が計算できる。
このスペクトルは、鏡面研磨した純鉄試料に5keVのエネルギーで陽電子を入射して得られた。
原子力産業においては、原子炉内外で放射線損傷を受ける構造部品の迅速な評価が可能になる。
半導体産業の半導体ウェハの評価において、陽電子ビームと他のビームとの同時照射を行うことにより、パルスイオンビーム(イオン注入機における走査イオンビーム)、パルスレーザービーム(レーザーアニーリングにおけるレーザー)が当たっている間の結晶状態を評価して、プロセスの最適化を行うことが可能となる。
1 電子直線加速器
2 陽電子ビームライン
3 電子
4 陽電子
5 入力1
6 入力2
7 トリガー入力
10 電子銃
11 加速管
12 高周波発生部
13 遅延回路部
14 遅延回路部
15 直線加速器制御用主パルス信号
16 バンチャー
20 陽電子発生部
21 チョッパー
22 試料
23 検出器
24 パルス発生部
25 遅延回路部
26 波形記憶回路部
27 波形演算部
28 モデレータ
29 バンチャー
30 ストレッチャー
31 チョッパー
32 時間差波高変換器
33 アナログデジタル変換器
34 マルチチャンネルアナライザー
40 放射性同位元素陽電子源

Claims (8)

  1. 加速器と陽電子ビームラインを備えた陽電子寿命測定装置において陽電子消滅時間値を計測する陽電子寿命測定方法であって、
    前記陽電子ビームラインは少なくとも陽電子発生部、パルス発生部、チョッパー、バンチャー、検出器、波形記憶回路部と波形演算部を備えて、
    バンチャーの後方に試料を配置し、
    加速器において主パルス信号に基づいて電子ビームの発生を制御し、
    陽電子発生部において前記制御されて発生したパルス電子ビームをパルス陽電子ビームに変換し、
    パルス発生部においてチョッパー信号を発生させ、
    チョッパーにおいて前記チョッパー信号で前記パルス陽電子ビームを一定時間間隔にチョップし、
    前記一定時間間隔でチョップされたパルス陽電子ビームと前記試料の電子とを対消滅させて陽電子消滅ガンマ線を発生させ、
    検出器において前記発生した陽電子消滅ガンマ線を検出し、
    波形記憶回路部において前記検出した陽電子消滅ガンマ線信号と前記チョッパー信号とを記憶し、
    波形演算部において前記記憶された前記一定時間間隔における前記チョッパー信号と陽電子消滅ガンマ線信号のピーク間の時間差から当該試料の陽電子寿命スペクトルを生成する陽電子寿命測定方法において、
    前記加速器の前記主パルス信号を前記陽電子消滅ガンマ線測定開始用のトリガー信号として測定を開始して前記波形記憶回路部において前記チョップされた一定時間間隔で発生した複数の陽電子から生ずる陽電子消滅ガンマ線信号を前記加速器で発生する1パルス分の陽電子が前記試料と対消滅する時間一括して収集することを特徴とする陽電子寿命測定方法。
  2. 前記加速器は、陽電子を発生するために電子ビームまたはイオンビームを使用し、高周波加速方式でパルスビームを出力する加速器、あるいは、静電加速方式でビームのパルス化機能を付加した加速器であることを特徴とする請求項1に記載する陽電子寿命測定方法。
  3. 前記波形記憶回路部に一括して収集された一組の陽電子消滅ガンマ線信号波形の中から複数の陽電子消滅時間値を得ることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載する陽電子寿命測定方法。
  4. 前記パルス陽電子ビームに対応して測定回路を動作させ、後の時間は測定回路を止めて、相対的に信号とノイズの比率を減らす事を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載する陽電子寿命測定方法。
  5. 加速器と陽電子ビームラインを備え陽電子消滅時間値を計測する陽電子寿命測定装置であって、
    陽電子ビームラインは少なくとも陽電子発生部、パルス発生部、チョッパー、バンチャー、検出器、波形記憶回路部と波形演算部を備えて、
    バンチャーの後方に試料を配置し、
    加速器において主パルス信号に基づいて電子ビームの発生を制御し、
    陽電子発生部において前記制御されて発生したパルス電子ビームをパルス陽電子ビームに変換し、
    パルス発生部においてチョッパー信号を発生させ、
    チョッパーにおいて前記チョッパー信号で前記パルス陽電子ビームを一定時間間隔にチョップし、
    前記一定時間間隔でチョップされたパルス陽電子ビームと前記試料の電子とを対消滅させて陽電子消滅ガンマ線を発生させ、
    検出器において前記発生した陽電子消滅ガンマ線を検出し、
    波形記憶回路部において前記検出した陽電子消滅ガンマ線信号と前記チョッパー信号とを記憶し、
    波形演算部において前記記憶された前記一定時間間隔における前記チョッパー信号と陽電子消滅ガンマ線信号のピーク間の時間差から当該試料の陽電子寿命スペクトルを生成する際に、
    前記加速器の前記主パルス信号を前記陽電子消滅ガンマ線測定開始用のトリガー信号として測定を開始して前記波形記憶回路部において前記チョップされた一定時間間隔で発生した複数の陽電子から生じる陽電子消滅ガンマ線信号を前記加速器で発生する1パルス分の陽電子が前記試料と対消滅する時間一括して収集することを特徴とする陽電子寿命測定装置。
  6. 前記加速器は、陽電子を発生するために電子ビームまたはイオンビームを使用し、高周波加速方式でパルスビームを出力する加速器、あるいは、静電加速方式でビームのパルス化機能を付加した加速器であることを特徴とする請求項5に記載する陽電子寿命測定装置。
  7. 前記波形記憶回路部に一括して収集された一組の陽電子消滅ガンマ線信号波形の中から複数の陽電子消滅時間値を得ることを特徴とする請求項5乃至請求項6のいずれか1項に記載する陽電子寿命測定装置。
  8. 前記パルス陽電子ビームに対応して測定回路を動作させ、後の時間は測定回路を止めて、相対的に信号とノイズの比率を減らす事を特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載する陽電子寿命測定装置。
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