JP2013225067A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

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直子 沖本
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大輔 松浦
Naoki Saso
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Abstract

【課題】本発明は、強誘電性液晶組成物の塗布痕、広がりムラ、空隙の発生を抑制する製造方法を提供する。
【解決手段】2枚の配向処理基板を準備する準備工程と、一方の上記配向処理基板上に、常温で、液晶組成物を直線状に連続的に塗布する液晶塗布工程と、上記2枚の配向処理基板を重ね合わせ液晶セルを組み立てる組み立て工程と、上記液晶セルを加熱する加熱工程と、上記液晶セルを冷却する冷却工程とを有し、上記強誘電性液晶組成物は、等方相を示す温度範囲での粘度が0.01Pa・s〜0.05Pa・sの範囲内であり、上記液晶塗布工程では、上記強誘電性液晶組成物が封入される液晶封入領域の端部と上記強誘電性液晶組成物の塗布開始点との距離、および、上記液晶封入領域の端部と上記強誘電性液晶組成物の塗布終了点との距離が、20mm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶滴下方式による強誘電性液晶を用いた液晶表示素子の製造方法に関するものである。
液晶表示素子は薄型で低消費電力等といった特徴から、大型ディスプレイから携帯情報端末までその用途を広げており、その開発が活発に行われている。これまで液晶表示素子は、TN方式、STNのマルチプレックス駆動、TNに薄層トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動等が開発され実用化されているが、これらはネマチック液晶を用いているために、液晶材料の応答速度が数ms〜数十msと遅く、動画表示に充分対応しているとはいえない。
一方、強誘電性液晶は、応答速度がμsオーダーと極めて短く、高速デバイスに適した液晶であり、視野角が広い等の優位性を有するため、高性能な液晶表示素子が提供できるとして期待されている。
近年、液晶の封入方法として、液晶滴下(One Drop Fill:ODF)方式が注目されている。これは、2枚の基板のうち一方の基板上に液晶封入領域を囲むようにシール材を塗布し、液晶を滴下し、次いで両基板をシール材を介して接着させるという方法である。液晶滴下方式は、従来の真空注入方式に比べて、液晶封入工程に要する時間が大幅に短縮されるという利点を有する。
そこで、強誘電性液晶を用いた液晶表示素子の製造方法にも液晶滴下方式を適用することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−337460号公報
しかしながら、一般に強誘電性液晶組成物は粘度が高いことから、通常の液晶滴下方式のようにワンドロップ、すなわち液晶封入領域の中央に一点滴下するだけでは、強誘電性液晶組成物が液晶封入領域全体に広がらず、液晶封入領域の周囲に空隙が生じるという問題がある。また、強誘電性液晶組成物を液晶封入領域全体に広げるために、複数の点状に滴下することが提案されているが、強誘電性液晶組成物の粘度が高いために、強誘電性液晶組成物が液晶封入領域に広がった際に液滴間に隙間ができ、液晶表示素子内に空隙が生じてしまう場合がある。特に、滴下のピッチが広いと、液滴間に空隙ができやすい。
また、液晶滴下方式では、強誘電性液晶組成物が滴下された滴下痕(以下、塗布痕とも称する)が視認される場合があり、表示ムラが発生するという問題がある。この滴下痕は、液滴量が少ないと視認されやすい傾向がある。そのため、強誘電性液晶組成物を複数の点状に滴下する場合、空隙の発生を抑制するために滴下のピッチを狭くすると、液滴量が少なくなり滴下痕が視認されやすくなるおそれがある。
また、強誘電性液晶組成物を複数の点状に滴下する方法としては、インクジェット法のように連続した点状に滴下する方法も提案されているが、この場合には、上記の滴下痕が視認される場合があるだけでなく、吐出時に強誘電性液晶組成物を加温して粘度を低くする必要があり、熱により強誘電性液晶組成物が劣化するおそれもある。
さらに、液晶滴下方式においては、滴下された強誘電性液晶組成物が液晶封入領域を広がる際に不均一に広がる等の理由から広がりムラが視認される場合があり、これも表示ムラの原因となる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、強誘電性液晶組成物の塗布痕、広がりムラ、および液晶表示素子内の空隙の発生を抑制することが可能な液晶表示素子の製造方法を提供することを主目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、基板上に電極層および配向膜が形成された2枚の配向処理基板を準備する準備工程と、一方の上記配向処理基板上に、常温で、強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布する液晶塗布工程と、上記液晶塗布工程後に、常温で、上記2枚の配向処理基板を重ね合わせ液晶セルを組み立てる組み立て工程と、上記組み立て工程後に、上記液晶セルを加熱する加熱工程と、上記加熱工程後に、上記液晶セルを冷却する冷却工程とを有し、上記強誘電性液晶組成物は、等方相を示す温度範囲での粘度が0.01Pa・s〜0.05Pa・sの範囲内であり、上記液晶塗布工程では、上記強誘電性液晶組成物が封入される液晶封入領域の端部と上記強誘電性液晶組成物の塗布開始点との距離、および、上記液晶封入領域の端部と上記強誘電性液晶組成物の塗布終了点との距離が、20mm以下であることを特徴とする液晶表示素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、常温で強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布することにより、塗布痕を視認しにくくすることができるとともに、液晶表示素子内の空隙の発生を抑制することができる。また、液晶封入領域の端部と強誘電性液晶組成物の塗布開始点および塗布終了点との距離を所定の範囲内とすることにより、広がりムラの発生を抑制することができる。さらには、強誘電性液晶組成物の塗布および液晶セルの組み立てを常温で行うので、熱による強誘電性液晶組成物の劣化を抑制することが可能である。
本発明においては、所定の塗布条件で強誘電性液晶組成物を塗布することにより、塗布痕、空隙および広がりムラのいずれの欠陥も改善することができ、良好な表示品質を得ることができるという効果を奏する。
本発明の液晶表示素子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の液晶表示素子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の液晶表示素子の製造方法における液晶塗布工程の一例を示す概略平面図である。 液晶分子の挙動を示す模式図である。 比較例の液晶表示素子の製造方法の一例を示す工程図である。 実施例の液晶表示素子の写真である。 比較例の液晶表示素子の写真である。
以下、本発明の液晶表示素子の製造方法について詳細に説明する。
本発明の液晶表示素子の製造方法は、基板上に電極層および配向膜が形成された2枚の配向処理基板を準備する準備工程と、一方の上記配向処理基板上に、常温で、強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布する液晶塗布工程と、上記液晶塗布工程後に、常温で、上記2枚の配向処理基板を重ね合わせ液晶セルを組み立てる組み立て工程と、上記組み立て工程後に、上記液晶セルを加熱する加熱工程と、上記加熱工程後に、上記液晶セルを冷却する冷却工程とを有し、上記強誘電性液晶組成物は、等方相を示す温度範囲での粘度が0.01Pa・s〜0.05Pa・sの範囲内であり、上記液晶塗布工程では、上記強誘電性液晶組成物が封入される液晶封入領域の端部と上記強誘電性液晶組成物の塗布開始点との距離、および、上記液晶封入領域の端部と上記強誘電性液晶組成物の塗布終了点との距離が、20mm以下であることを特徴とする。
本発明の液晶表示素子の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(c)および図2(a)〜(d)は、本発明の液晶表示素子の製造方法の一例を示す工程図である。なお、図1(b)〜(c)においては2枚の配向処理基板のうち、一方の配向処理基板10bを省略している。
本発明においては、まず図2(a)に示すように、基板2a、2b上に電極層3a、3bおよび配向膜4a、4bが形成された2枚の配向処理基板10a、10bを準備する(準備工程)。次いで、図1(a)および図2(a)に示すように、一方の配向処理基板10a上に、強誘電性液晶組成物が封入される液晶封入領域12を囲むように、シール材6を塗布する。次に、図1(a)および図2(b)に示すように、一方の配向処理基板10aの配向膜4a上に、常温で、強誘電性液晶組成物5を直線状に連続的に塗布する(液晶塗布工程)。この際、図1(a)に示すように、強誘電性液晶組成物5の塗布方向Pを矢印で示される方向としたとき、液晶封入領域12の端部と強誘電性液晶組成物5の塗布開始点との距離e1、および、液晶封入領域12の端部と強誘電性液晶組成物5の塗布終了点との距離e2がいずれも20mm以下になるように、強誘電性液晶組成物5を直線状に連続的に塗布する。次に、図2(c)に示すように、常温で、2枚の配向処理基板10a、10bを、それぞれの配向膜4a、4bの配向処理方向が略平行になるように対向させ、シール材6を介して貼り合せて、液晶セルを組み立てる(組み立て工程)。この際、2枚の配向処理基板10a、10bには所定の圧力がかかるので、図1(b)に示すように、強誘電性液晶組成物5は2枚の配向処理基板10a、10b間で流動する。次に、図1(c)および図2(d)に示すように、液晶セルを強誘電性液晶組成物5がネマチック相または等方相を示す温度まで加熱し、強誘電性液晶組成物5を液晶セル内でさらに流動させる(加熱工程)。この際、強誘電性液晶組成物5は液晶封入領域12全体に広がる。次いで、図示しないが、液晶セルを常温まで徐冷し、強誘電性液晶組成物5を配向させる(冷却工程)。
なお、「強誘電性液晶組成物を直線状に塗布する」とは、図3に例示するように、塗布方向Pに対して平行方向の長さd1が、塗布方向Pに対して垂直方向の長さd2よりも長くなるように、強誘電性液晶組成物5をまっすぐに塗布することをいう。配向処理基板10a上に塗布された強誘電性液晶組成物5の塗布形状の端部は、例えば、直線であってもよく、曲線であってもよい。
また、「強誘電性液晶組成物を連続的に塗布する」とは、図3に例示するように、塗布方向Pに沿って、配向処理基板10a上に塗布された強誘電性液晶組成物5が連続するように、強誘電性液晶組成物5を塗布することをいう。
本発明においては、強誘電性液晶組成物の塗布および液晶セルの組み立てを常温で行い、強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布することにより、塗布痕を視認しにくくすることができる。この理由は明らかではないが、次のように推量される。
すなわち、強誘電性液晶組成物の塗布および液晶セルの組み立てを常温で行うため、その際には、強誘電性液晶組成物はスメクチック相の状態であり、配向処理基板の配向膜の配向規制力が作用しにくい。そのため、強誘電性液晶組成物を塗布したときの液晶分子の配向状態が固定されにくく、塗布痕が視認されにくくなると考えられる。また、液晶セルを組み立てる際に強誘電性液晶組成物が流動したときの液晶分子の配向状態も固定されにくく、塗布痕が視認されにくいと考えられる。
一方、強誘電性液晶組成物をネマチック相または等方相を示す温度まで加温した状態で塗布する場合、塗布痕が視認されやすくなる。これは、強誘電性液晶組成物を塗布した際には、強誘電性液晶組成物はネマチック相または等方相の状態であり、配向処理基板の配向膜の配向規制力が作用しやすくなるため、強誘電性液晶組成物を塗布したときの液晶分子の配向状態が固定されやすく、塗布痕が残りやすくなると考えられる。
また、本発明者らは塗布痕が発生する要因について鋭意研究を行った結果、液滴量が少ないと塗布痕が発生することを見出した。つまり、強誘電性液晶組成物を点状に塗布する場合であって、液滴量が少ない場合には、塗布痕が発生してしまう。これに対し、本発明においては強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布するため、必然的に液滴量が多くなるので、塗布痕の発生を防ぐことができる。
このように本発明においては、塗布痕が視認されにくくなるので、良好な表示品質を得ることができる。また、強誘電性液晶組成物を塗布したときの液晶分子の配向状態が固定されにくくなるので、均一な液晶配向を得ることができ、コントラストを向上させることが可能である。
また本発明においては、強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布するため、強誘電性液晶組成物を点状に塗布する場合のように液滴間に空隙が生じるおそれがない。したがって、液晶表示素子内の空隙の発生を抑制することが可能である。なお、強誘電性液晶組成物を直線状に塗布する場合であっても、不連続に塗布する場合には、液滴間に空隙が生じるおそれがあるため、直線状かつ連続的に塗布することが重要である。
さらに本発明においては、液晶封入領域の端部と強誘電性液晶組成物の塗布開始点および塗布終了点との距離が所定の範囲内であることにより、強誘電性液晶組成物が液晶封入領域を流動した際に広がりムラが発生するのを抑制することができる。この理由は明らかではないが、強誘電性液晶組成物が流動する距離が長いと、流動方向がランダムになり、広がりムラが発生しやすくなるのに対して、強誘電性液晶組成物が流動する距離が短いと、流動方向が揃いやすく、広がりムラが発生しにくくなるためであると推量される。
また本発明においては、強誘電性液晶組成物の塗布および液晶セルの組み立てを常温で行うので、熱による強誘電性液晶組成物の劣化を抑制することができ、液晶表示素子の特性劣化を抑制することが可能である。
以下、本発明の液晶表示素子の製造方法の各工程について説明する。
1.準備工程
本発明における準備工程は、基板上に電極層および配向膜が形成された2枚の配向処理基板を準備する工程である。
以下、配向処理基板における各構成について説明する。
(1)配向膜
本発明に用いられる配向膜は、強誘電性液晶組成物の配向制御が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、光配向膜、ラビング配向膜、斜方蒸着配向膜等が挙げられる。以下、これらの配向膜について説明する。
(a)光配向膜
光配向膜は、光配向処理が非接触配向処理であることから静電気や塵の発生がなく、定量的な配向処理の制御ができる点で有用である。
光配向膜に用いられる材料としては、大きく、光反応を生じることにより膜に異方性を付与する光反応型材料と、光異性化反応を生じることにより膜に異方性を付与する光異性化型材料とに分けることができる。以下、光反応型材料および光異性化型材料に分けて説明する。
(光反応型材料)
光反応型材料としては、光二量化反応を生じることにより膜に異方性を付与する光二量化型材料または光分解反応を生じることにより膜に異方性を付与する光分解型材料であることが好ましい。中でも、露光感度が高く、材料選択の幅が広いことから、光二量化型材料がより好ましい。
光二量化型材料および光分解型材料としては、例えば、特開2006−350322号公報、特開2006−323214号公報、特開2005−258429号公報、特開2005−258428号公報等に記載のものを用いることができる。
光二量化型材料に用いられる光二量化反応性化合物は、側鎖としてケイ皮酸エステル、クマリンまたはキノリンのいずれかを含む二量化反応性ポリマーであることが好ましい。
光二量化反応性化合物としては、上記化合物の中から、要求特性に応じて光二量化反応部位や置換基を種々選択することができる。また、光二量化反応性化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、光二量化型材料は、上記光二量化反応性化合物のほか、配向膜の光配列性を妨げない範囲内で添加剤を含んでいてもよい。上記添加剤としては、重合開始剤、重合禁止剤などが挙げられる。
(光異性化型材料)
光異性化型材料としては、例えば、特開2006−350322号公報、特開2006−323214号公報、特開2005−258429号公報、特開2005−258428号公報等に記載のものを用いることができる。
光異性化型材料が生じる光異性化反応は、シス−トランス異性化反応であることが好ましい。また、光異性化型材料に用いられる光異性化反応性化合物は、分子内にアゾベンゼン骨格を有する化合物であることが好ましい。
光異性化反応性化合物としては、単分子化合物または重合性モノマーを挙げることができ、中でも、光照射により膜に異方性を付与した後、ポリマー化することにより、その異方性を安定化することができることから、重合性モノマーが好ましい。また、重合性モノマーの中でも、膜に異方性を付与した後、その異方性を良好な状態に維持したまま容易にポリマー化できることから、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマーが好ましい。
このような光異性化反応性化合物の中から、要求特性に応じて、シス−トランス異性化反応性骨格や置換基を種々選択することができる。なお、光異性化反応性化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、光異性化型材料は、上記光異性化反応性化合物のほか、配向膜の光配列性を妨げない範囲内で添加剤を含んでいてもよい。上記光異性化反応性化合物として重合性モノマーを用いる場合には、添加剤としては、重合開始剤、重合禁止剤などが挙げられる。
(光配向膜)
光配向膜に用いられる材料が光励起反応(光二量化、光分解、光異性化)を生じる光の波長領域は、紫外光域の範囲内、すなわち10nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、250nm〜380nmの範囲内であることがより好ましい。
光配向膜の形成方法としては、一般的な方法を用いることができる。
光配向膜の厚みは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3nm〜100nmの範囲内である。光配向膜の厚みが上記範囲より薄いと十分な光配列性を得ることができない可能性があり、逆に光配向膜の厚みが上記範囲より厚いとコスト的に不利になる場合があるからである。
(b)ラビング配向膜
ラビング配向膜は、比較的高いプレチルト角を実現することができる点で有用である。
ラビング配向膜に用いられる材料および形成方法としては、一般的なものを適用することができる。
ラビング配向膜の厚みは、1nm〜1000nm程度で設定され、好ましくは50nm〜100nmの範囲内である。
(c)斜方蒸着配向膜
斜方蒸着配向膜は、斜め蒸着法により形成されるものである。斜方蒸着配向膜は、比較的高いプレチルト角を実現することができる点で有用である。
斜方蒸着配向膜に用いられる材料および形成方法としては、一般的なものを適用することができる。なお、斜方蒸着配向膜については、液晶便覧編集委員会編「液晶便覧」 丸善株式会社 平成12年10月30日 p.229−230を参照することができる。
斜方蒸着配向膜の厚みは、10nm〜500nm程度で設定され、好ましくは30nm〜200nmの範囲内である。
(d)配向膜の構成材料の組成
本発明においては、2枚の配向処理基板のそれぞれの配向膜の構成材料が互いに異なる組成を有することが好ましい。各配向膜を互いに異なる組成を有する材料を用いて形成することにより、それぞれの材料に応じて各配向膜表面の極性を異ならせることができる。これにより、強誘電性液晶組成物および各配向膜の極性表面相互作用が異なるものとなるため、各配向膜の表面極性を考慮して材料を適宜選択することによって、ジグザグ欠陥、ヘアピン欠陥、電圧無印加時の液晶分子の安定状態が異なる2種類のドメイン等の配向欠陥の発生を抑制することができるからである。その結果、コントラストを向上させることができる。
各配向膜の構成材料を互いに異なる組成を有するものとするには、例えば、一方を光配向膜とし、他方をラビング配向膜とすればよい。
また例えば、両方をラビング配向膜として、ラビング配向膜の構成材料の組成を異なるものとする;両方を光配向膜として、光配向膜の構成材料の組成を異なるものとする;両方を斜方蒸着配向膜として、斜方蒸着配向膜の構成材料の組成を異なるものとすればよい。
各配向膜がラビング配向膜である場合、添加剤の添加量を変えることや、添加剤の有無によって、組成を変化させることもできる。
また、各配向膜が光配向膜である場合、例えば一方の光配向膜に光異性化型材料を用い、他方の光配向膜に光反応型材料を用いることにより、光配向膜の構成材料の組成を異なるものとすることができる。
さらに、各配向膜が光異性化型材料を用いた光配向膜である場合、光異性化反応性化合物の中から、要求特性に応じて、シス−トランス異性化反応性骨格や置換基を種々選択することにより、光配向膜の構成材料の組成を異なるものとすることができる。さらに、添加剤の添加量を変えることや、添加剤の有無によって、組成を変化させることもできる。
またさらに、各配向膜が光二量化型材料を用いた光配向膜である場合、光二量化反応性化合物、例えば光二量化反応性ポリマーを種々選択することにより、光配向膜の構成材料の組成を異なるものとすることができる。さらに、添加剤の添加量を変えることや、添加剤の有無によって、組成を変化させることもできる。
(2)電極層
本発明に用いられる電極層は、一般に液晶表示素子の電極として用いられているものであれば特に限定されるものではないが、2枚の配向処理基板のそれぞれの電極層のうち少なくとも一方が透明導電体で形成されることが好ましい。透明導電体材料としては、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)等が好ましく挙げられる。
本発明の液晶表示素子を、TFTを用いたアクティブマトリックス方式で駆動させる場合には、2枚の配向処理基板のうち、一方に上記透明導電体で形成される全面共通電極を設け、他方にはゲート電極とソース電極をマトリックス状に配列し、ゲート電極とソース電極で囲まれた部分にTFT素子および画素電極を設ける。
電極層の形成方法としては、化学蒸着(CVD)法や、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の物理蒸着(PVD)法などが挙げられる。
(3)基板
本発明に用いられる基板は、一般に液晶表示素子の基板として用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス板、プラスチック板等が挙げられる。
(4)その他の構成
本発明においては、一方の配向処理基板の基板上に着色層が形成されていてもよい。着色層が形成されている場合には、着色層によってカラー表示を実現することができるカラーフィルタ方式の液晶表示素子を得ることができる。
着色層の形成方法としては、一般的なカラーフィルタにおける着色層を形成する方法を用いることができ、例えば、顔料分散法(カラーレジスト法、エッチング法)、印刷法、インクジェット法などを用いることができる。
また本発明おいては、一方の配向処理基板の基板上に柱状スペーサが形成されていてもよい。柱状スペーサによりセルギャップを調整することができる。
柱状スペーサとしては、液晶表示素子における一般的な柱状スペーサを適用することができる。
2.液晶塗布工程
本発明における液晶塗布工程は、一方の上記配向処理基板上に、常温で、強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布する工程である。液晶塗布工程では、液晶封入領域の端部と強誘電性液晶組成物の塗布開始点および塗布終了点との距離が20mm以下となるように、強誘電性液晶組成物を塗布する。
強誘電性液晶組成物を塗布する際の温度は、常温である。
なお、「常温」とは、18℃〜32℃の範囲内をいう。
また、「常温で強誘電性液晶組成物を塗布する」とは、強誘電性液晶組成物の温度、強誘電性液晶組成物が塗布される配向処理基板の温度、および雰囲気の温度が常温であることをいう。
強誘電性液晶組成物を塗布するに際しては、図3に例示するように、塗布方向Pに対して平行方向の長さd1が、塗布方向Pに対して垂直方向の長さd2よりも長くなるように、かつ、液晶封入領域12の端部と強誘電性液晶組成物5の塗布開始点および塗布終了点との距離e1、e2が20mm以下となるように、強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布する。
配向処理基板上に塗布された強誘電性液晶組成物の、塗布方向に垂直方向の長さに対する塗布方向に平行方向の長さの比は、1よりも大きく、かつ、上記の距離を満たせばよく、液晶封入領域の大きさ等に応じて適宜選択される。
また、配向処理基板上に塗布された強誘電性液晶組成物の、塗布方向に対して平行方向の長さは、液晶封入領域の大きさ、強誘電性液晶組成物の塗布量、強誘電性液晶組成物の粘度等に応じて適宜調整される。
強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布する際には、配向処理基板上に塗布された強誘電性液晶組成物が連続していればよく、例えば、強誘電性液晶組成物を連続的に吐出してもよく、強誘電性液晶組成物を間欠的に吐出し、連続した複数の点状に塗布してもよい。中でも、強誘電性液晶組成物を連続的に吐出することが好ましい。この場合には、必然的に液滴量が多くなるため、塗布痕の発生を効果的に防ぐことができるからである。また、強誘電性液晶組成物を間欠的に吐出し、連続した複数の点状に塗布する場合には、液滴量を比較的多くすることが好ましい。
強誘電性液晶組成物の塗布方法としては、液晶封入領域の端部と強誘電性液晶組成物の塗布開始点および塗布終了点との距離が20mm以下となるように、強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布することができ、かつ液晶セルに封入可能な所定量を塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、ディスペンサーを用いた吐出法が挙げられる。
強誘電性液晶組成物の塗布方向は、配向処理基板の配向膜の配向処理方向に対して、平行であってもよく、垂直であってもよい。強誘電性液晶組成物の塗布方向が配向膜の配向処理方向に対して平行である場合には、後述の加熱工程の際に、配向膜の配向処理方向に沿って強誘電性液晶組成物を流動させやすくなり、配向欠陥等の発生を効果的に抑制することができると考えられる。
強誘電性液晶組成物を塗布する際には、1本の直線状に塗布してもよく、平行な複数本の直線状に塗布してもよい。
本発明に用いられる強誘電性液晶組成物の等方相を示す温度範囲での粘度は0.01Pa・s〜0.05Pa・sの範囲内である。強誘電性液晶組成物の等方相を示す温度範囲での粘度が上記範囲内である場合には、液晶封入領域の端部と強誘電性液晶組成物の塗布開始点および塗布終了点との距離が所定の範囲内になるように強誘電性液晶組成物を塗布することにより、広がりムラの発生を抑制することが可能である。
なお、粘度は、レオメーター PHYSICA MCR 300(Paar Physica社製)を用いて測定することができる。このときの測定条件は下記の通りである。
・Time Setting:120 Meas. Pts.
Meas. Pt. Duration 0.33333333 min
・Measuring Profile:Shear Rate d(gamma)/dt=101/s
Temperature T=120...20℃ Lin
強誘電性液晶組成物は、カイラルスメクチックC(SmC)相を発現するものであれば特に限定されるものではない。強誘電性液晶組成物の相系列としては、例えば降温過程においてネマチック(N)相−コレステリック(Ch)相−カイラルスメクチックC(SmC)相と相変化するもの、ネマチック(N)相−カイラルスメクチックC(SmC)相と相変化するもの、ネマチック(N)相−スメクチックA(SmA)相−カイラルスメクチックC(SmC)相と相変化するもの、ネマチック(N)相−コレステリック(Ch)相−スメクチックA(SmA)相−カイラルスメクチックC(SmC)相と相変化するもの等を挙げることができる。
また、強誘電性液晶組成物としては、双安定性を示すものおよび単安定性を示すもののいずれも用いることができる。中でも、単安定性を示す強誘電性液晶組成物が好ましい。単安定性を示す強誘電性液晶組成物を用いた場合には、電圧変化により液晶のダイレクタ(分子軸の傾き)を連続的に変化させ、透過光度をアナログ変調することで、階調表示が可能となるからである。特に、液晶表示素子をフィールドシーケンシャルカラー方式により駆動させる場合には、単安定性を示す強誘電性液晶組成物を用いることが好ましい。単安定性を示す強誘電性液晶組成物を用いることにより、TFTを用いたアクティブマトリックス方式による駆動が可能になり、また、電圧変調により階調制御が可能になり、高精細で高品位の表示を実現することができるからである。
なお、「単安定性を示す」とは、電圧無印加時の液晶分子の状態がひとつの状態で安定化している状態をいう。強誘電性液晶組成物は、図4に例示するように、液晶分子25が層法線zから傾いており、層法線zに垂直な底面を有する円錐(コーン)の稜線に沿って回転する。このような円錐(コーン)において、液晶分子25の層法線zに対する傾き角をチルト角θという。このように、液晶分子25は層法線zに対しチルト角±θだけ傾く二つの状態間をコーン上に動作することができる。具体的に説明すると、単安定性を示すとは、電圧無印加時に液晶分子25がコーン上のいずれかひとつの状態で安定化している状態をいう。
また、強誘電性液晶組成物としては、単安定性を示すものであればよく、正負いずれかの電圧を印加したときのみ液晶分子が動作するハーフV字型スイッチング特性を示すもの、正負いずれの電圧に対しても同程度液晶分子が動作するV字型スイッチング特性を示すもの、正負いずれかの電圧に対する液晶分子の動作が他方の極性の電圧に対する液晶分子の動作に比べて大きくなる非対称のスイッチング特性を示すもの、のいずれも使用することができる。
このような強誘電性液晶組成物としては、一般に知られる液晶材料の中から要求特性に応じて種々選択することができる。特に、Ch相からSmA相を経由しないでSmC相を発現する強誘電性液晶組成物は、温度変化に対して、電圧に対する動作特性の変化が少ないことから好ましい。
3.組み立て工程
本発明における組み立て工程は、上記液晶塗布工程後に、常温で、上記2枚の配向処理基板を重ね合わせ液晶セルを組み立てる工程である。組み立て工程では、例えば、一方の配向処理基板上に液晶封入領域を囲むようにシール材を塗布した後、シール材を介して2枚の配向処理基板を貼り合わせる。
液晶セルを組み立てる際の温度は、常温であればよい。
なお、常温については、上述したのでここでの説明は省略する。
また、「常温で2枚の配向処理基板を重ね合わせ液晶セルを組み立てる」とは、配向処理基板の温度および雰囲気の温度が常温であることをいう。
本発明に用いられるシール材としては、液晶表示素子に一般的に用いられるシール材であれば特に限定されるものではなく、例えば熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。
シール材の塗布方法としては、液晶封入領域を囲むようにシール材を塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばディスペンサーを用いた吐出法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
シール材を塗布する際には、シール材を、強誘電性液晶組成物が塗布された配向処理基板上に塗布してもよく、強誘電性液晶組成物が塗布されていない配向処理基板上に塗布してもよい。
また、液晶セルに強誘電液晶組成物を注入するための注入口を形成する必要がないことから、通常、シール材は連続して塗布される。
2枚の配向処理基板を重ね合せる際には、2枚の配向処理基板の配向膜の配向処理方向が略平行になるように対向させる。
また、2枚の配向処理基板を重ね合せる際、セルギャップが均一になるように、圧力を加えてもよい。例えば、2枚の配向処理基板を対向させた後、減圧下で重ね合わせ、所定の圧力を加え、常圧に戻すことにより、セルギャップを均一にすることができる。このようにして2枚の配向処理基板がシール材を介して圧着される。
セルギャップとしては、強誘電性液晶組成物を用いた液晶表示素子において一般的なセルギャップであればよいが、1.2μm〜3.0μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.3μm〜2.5μm、さらに好ましくは1.4μm〜2.0μmの範囲内である。セルギャップが小さすぎるとコントラストが低下するおそれがあり、またセルギャップが大きすぎると強誘電性液晶組成物が配向しにくくなる可能性があるからである。
4.加熱工程
本発明における加熱工程は、上記組み立て工程後に、上記液晶セルを加熱する工程である。
加熱温度としては、強誘電性液晶組成物がネマチック相または等方相を示す温度であればよく、例えばネマチック相−等方相転移温度付近に設定することができる。具体的には強誘電性液晶組成物の種類に応じて適宜選択される。
5.冷却工程
本発明における冷却工程は、上記加熱工程後に、上記液晶セルを冷却する工程である。液晶セルを徐冷することにより、強誘電性液晶組成物を配向させる。
液晶セルを冷却する際の温度としては、強誘電性液晶がカイラルスメクチックC相を示す温度まで冷却すればよいが、通常は常温まで冷却される。
6.その他の工程
本発明においては、配向処理基板の外側に偏光板を形成する偏光板形成工程を行ってもよい。
本発明に用いられる偏光板としては、光の波動のうち特定方向のみを透過させるものであれば特に限定されるものではなく、一般に液晶表示素子の偏光板として用いられているものを使用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
まず、ITOコーティングされたガラス基板1上に、ラビング配向膜材料(SE610:日産化学工業株式会社)を回転数1500rpmで30秒間スピンコーティングした。その後、オーブンで180℃、30分間乾燥後、ラビング処理を行った。
また、ITOコーティングされたガラス基板2上に、光異性化型の光配向膜材料(LIA03:DIC株式会社)の溶液を1500rpmで30秒間スピンコーティングした。その後、オーブンで100℃、3分間乾燥後、偏光露光機で2J偏光露光処理を行った。
次に、一方の基板上に四角い枠状にシール材を塗布した。その基板上に、常温で、強誘電性液晶組成物(商品名:R2301、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を下記表1に示す条件で図1(a)に例示するように直線状に連続的に塗布した。この強誘電性液晶組成物の等方相を示す温度範囲での粘度は0.01〜0.016Pa・sの範囲内である。試験番号1〜6において強誘電性液晶組成物の塗布量は同じである。また、作製する液晶表示素子の画面サイズは3インチ(おおよそ45mm×80mm)である。
続いて、2枚の基板をラビング処理の方向と偏光処理の方向が垂直になるように組み立て、常温で圧着を行った。次いで、液晶セルを、強誘電性液晶組成物の等方相以上の温度である115℃に加熱し、強誘電性液晶組成物を液晶セル内で広がるようにした。その後、液晶セルを徐冷し、強誘電性液晶組成物を配向させた。偏光顕微鏡で強誘電性液晶組成物の配向状態を観察したところ、全体で均一なモノドメイン配向が得られた。
[比較例1]
強誘電性液晶組成物を下記表1に示すように点状に塗布したこと以外は、実施例と同様にして液晶表示素子を作製した。試験番号7〜9において強誘電性液晶組成物の塗布量は試験番号1〜6と同じである。また、試験番号7では、図5(a)に例示するように液晶封入領域の中央に強誘電性液晶組成物を1点の点状に塗布し、試験番号8、9では、図5(b)に例示するように強誘電性液晶組成物を所定のピッチで複数の点状に塗布した。
[評価]
実施例1および比較例1の液晶表示素子について、塗布痕、空隙および広がりムラを評価した。
(1)塗布痕
クロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に液晶表示素子を挟み、カラービュアーを用い目視にて塗布痕の有無を確認した。塗布痕が無いものを「○」、塗布痕が有るものを「×」と評価した。例えば、図6は試験番号5の写真、図7は試験番号9の写真である。図6の写真においては、長さ50mmの直線状に塗布した痕は観察されないため、「○」と評価する。一方、図7の写真においては、複数の点状に塗布した痕が観察されるため、「×」と評価する。
(2)空隙
液晶表示素子について目視にて空隙の有無を確認した。空隙が無いものを「○」、空隙が有るものを「×」と評価した。
(3)広がりムラ
クロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に液晶表示素子を挟み、カラービュアーを用い目視にて広がりムラの有無を確認した。広がりムラが無いものを「○」、広がりムラが有るものを「×」と評価した。
結果を表1に示す。
表1より、本発明に規定する塗布条件で強誘電性液晶組成物を塗布した場合には、塗布痕、空隙および広がりムラがいずれも発生しないことが確認された。
なお、試験番号8、9において塗布痕が発生したのは液滴量が少ないためである。
試験番号1〜3、7においては、強誘電性液晶組成物が液晶封入領域全体に広がらず液晶封入領域の周囲に空隙が生じた。また、試験番号1〜3において広がりムラが発生したのは、強誘電性液晶組成物が液晶封入領域を広がる際に流動する距離が長いためであると考えられる。
[実施例2]
下記表2に示す強誘電性液晶組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。この強誘電性液晶組成物の等方相を示す温度範囲での粘度は0.01〜0.016Pa・sの範囲内である。
[比較例2]
上記表2に示す強誘電性液晶組成物を用いたこと以外は、比較例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
[評価]
実施例2および比較例2の液晶表示素子について、塗布痕、空隙および広がりムラを評価した。結果を表3に示す。
表3より、強誘電性液晶組成物の材料系および粘度を変化させても、本発明に規定する塗布条件で強誘電性液晶組成物を塗布した場合には、塗布痕、空隙および広がりムラがいずれも発生しないことが確認された。
1 … 液晶表示素子
2a、2b … 基板
3a、3b … 電極層
4a、4b … 配向膜
5 … 強誘電性液晶組成物
6 … シール材
10a、10b … 配向処理基板
12 … 液晶封入領域
P … 塗布方向

Claims (1)

  1. 基板上に電極層および配向膜が形成された2枚の配向処理基板を準備する準備工程と、
    一方の前記配向処理基板上に、常温で、強誘電性液晶組成物を直線状に連続的に塗布する液晶塗布工程と、
    前記液晶塗布工程後に、常温で、前記2枚の配向処理基板を重ね合わせ液晶セルを組み立てる組み立て工程と、
    前記組み立て工程後に、前記液晶セルを加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程後に、前記液晶セルを冷却する冷却工程と
    を有し、
    前記強誘電性液晶組成物は、等方相を示す温度範囲での粘度が0.01Pa・s〜0.05Pa・sの範囲内であり、
    前記液晶塗布工程では、前記強誘電性液晶組成物が封入される液晶封入領域の端部と前記強誘電性液晶組成物の塗布開始点との距離、および、前記液晶封入領域の端部と前記強誘電性液晶組成物の塗布終了点との距離が、20mm以下であることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
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