(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。本第1の実施形態における通信システムは、基地局(送信装置、セル、送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、コンポーネントキャリア、eNodeB)として、プライマリー基地局(第1の基地局、第1の通信装置、サービング基地局、アンカー基地局、第1のコンポーネントキャリア)およびセカンダリー基地局(第2の基地局装置、協調基地局群、協調基地局セット、第2の通信装置、協調基地局、第2のコンポーネントキャリア)、端末(端末装置、移動端末、受信点、受信端末、受信装置、第3の通信装置、受信アンテナ群、受信アンテナポート群、UE)を備える。なお、セカンダリー基地局は複数であってもよい。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマルチセル通信においてデータ伝送を行なう下りリンクを考えた場合の適応制御を行なう一例を示す概略図である。図1では、端末103がプライマリー基地局101とセカンダリー基地局102におけるそれぞれのセル端領域(境界領域)に位置しており、プライマリー基地局101およびセカンダリー基地局102からのマルチセル通信を行う。端末103は、プライマリー基地局101と端末103との間の下りリンク104を通じて送信されるプライマリー基地局101における伝送路状況測定用参照信号を受信する。また、端末103は、セカンダリー基地局102と端末103との間の下りリンク105を通じて送信されるセカンダリー基地局102における伝送路状況測定用参照信号を受信する。端末103は、プライマリー基地局101およびセカンダリー基地局102における伝送路状況測定用参照信号を用いることによって、下りリンク104および下りリンク105の伝送路状況を推定する。端末103は、推定した伝送路状況に基づいて、適応制御を行なうための情報(フィードバック情報)を生成する。端末103は、上りリンク1606を用いて、そのフィードバック情報をプライマリー基地局101に送信する。プライマリー基地局101は、フィードバック情報に基づいて、端末103に対するデータ信号の適応制御やスケジューリングを行い、光ファイバやリレー技術等を用いた回線(X2インターフェース)107を通じて、プライマリー基地局102とマルチセル通信するための制御情報を送信する。プライマリー基地局101およびセカンダリー基地局102は、下りリンク104および下りリンク105を用いて、協調して端末103に向けたデータ信号を送信する。
なお、プライマリー基地局101およびセカンダリー基地局102のマルチセル通信によりデータ信号が送信される場合でも、端末103は、セカンダリー基地局102が協調通信していることを認識しなくても、データ信号の受信処理を行うことができる。つまり、プライマリー基地局101は、端末103に対して、マルチセル通信を行なっている場合でも、シングルセル通信を行うときに用いる制御情報を用いることができる。具体的には、プライマリー基地局101およびセカンダリー基地局102が端末103に対して同一のデータ信号を送信する場合、端末103はプライマリー基地局から通知される制御情報をシングルセル通信の場合と同様の処理を行うことにより、特別な処理を行うことなく受信処理ができる。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るプライマリー基地局101の構成を示す概略ブロック図である。ここでプライマリー基地局101は、端末103からのフィードバック情報を受信する基地局、端末103に対する制御情報(例えばPDCCH(Physical Downlink Control Channel)などで送信する情報)を送信する基地局などであり、端末103に対する協調通信を行う基地局の一つである。図2において、プライマリー基地局101は、送信信号生成部201、第1の伝送路状況測定用参照信号多重部202、送信部203、受信部204、フィードバック情報処理部205、上位レイヤー206を備えている。
受信部204には、端末103から送信されたフィードバック情報を含むデータ信号が上りリンク(例えばPUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)など)106を通して受信される。
受信部204では、受信アンテナが受信した信号に対して、OFDM復調処理、復調処理、復号処理など、端末103が信号送信のために行った送信処理に対する受信処理を行い、受信した信号の中から、フィードバック情報を識別し、フィードバック情報205に出力する。
なお、プライマリー基地局101と通信を行う端末103が複数存在する場合は、上りリンク106に対して、SC−FDMA(Single carrier−frequency division multiple access)、Clustered DFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform−Spread−OFDM)、OFDMA、時間分割多元接続、符号分割多元接続など様々な多元接続方式を用いて、端末103のデータ信号を多重できる。また、プライマリー基地局101において、端末103毎のフィードバック情報を識別する方法として、様々な方法を用いることができる。例えば、プライマリー基地局101は、各端末103がフィードバック情報を送信するリソース(時間、周波数、符号、空間領域などで分割された信号伝送するための要素)を指定し、端末103はその指定されたリソースでフィードバック情報を送信することで、プライマリー基地局101は識別できる。また、それぞれのフィードバック情報には端末103毎に固有の識別情報などを付加することでも実現できる。
フィードバック情報処理部205では、入力されたフィードバック情報に基づいて、端末103へ送信するデータ信号に対する適応制御を行うための適応制御情報を生成する。プライマリー基地局101に対するフィードバック情報が含まれる場合、プライマリー基地局101における適応制御情報を生成し、送信信号生成部201に出力する。
送信信号生成部201は、適応制御情報に基づいて、プライマリー基地局101における符号化処理、変調処理、レイヤーマッピング処理、プレコーディング処理、リソースエレメントマッピング処理などを適応制御できる。また、適応制御情報は図示しない上位層に出力してもよい。
さらに、セカンダリー基地局102に対するフィードバック情報が含まれる場合、後述するセカンダリー基地局102における符号化処理、変調処理、レイヤーマッピング処理、プレコーディング処理、リソースエレメントマッピング処理などに対する適応制御情報を生成し、X2インターフェースなどの回線(好ましくは光ファイバなどの有線回線やリレー技術等を用いた固有の無線回線)を通じて、セカンダリー基地局102へ出力する。なお、基地局同士を接続する回線は、プライマリー基地局101からセカンダリー基地局102への適応制御情報を通信する場合以外にも様々な用途で用いることができ、例えば、セカンダリー基地局102からプライマリー基地局101へ協調通信を行うための基地局情報や制御情報などを通信することもできる。なお、各基地局に対するフィードバック情報が含まれない場合は、その制御に対しては、予め規定された方法で制御してもよい。
ここで、フィードバック情報に基づいた適応制御の方法が説明される。フィードバック情報は様々な方法を用いることができるが、以下では、基地局に対する推奨送信フォーマット情報(インプリシット伝送路状況情報)と、伝送路状況(伝送路状態、伝送チャネル)を示す情報(エクスプリシット伝送路状況情報)を用いる場合が説明される。
まず、フィードバック情報として、基地局に対する推奨送信フォーマット情報の場合、基地局および端末共に既知の送信フォーマットが予めインデックス化されているものとし、端末はその送信フォーマットを用いた情報をフィードバックし、基地局はその情報を用いて適応制御する。具体的には、CQI(Channel Quality Indicator)は符号化率および変調方式を示す情報のため、それぞれ符号化処理および変調処理を制御できる。PMI(Precoding Matrix Index)はプレコーディング行列を示す情報のため、プレコーディング処理を制御できる。RI(Rank
Indicator)はレイヤー数を示す情報のため、レイヤーマッピング処理やコードワードを生成する上位層に対して制御できる。また、リソースへのマッピングに関するフィードバック情報も含まれる場合、リソースエレメントマッピング処理に対して制御することもできる。ここで、PMIはデータ伝送の方法、目的、用途などに応じて、複数種類に分けることもでき、その詳細は後述する。
次に、フィードバック情報として、伝送路状況を示す情報の場合、端末は、基地局からの伝送路状況測定用参照信号を用いて、基地局との伝送路状況の情報をフィードバックする。その際、伝送路状況を示す情報は、固有値分解や量子化などの様々な方法を用いて、情報量を削減してもよい。基地局では、フィードバックされた伝送路状況の情報を用いて、端末に対する制御を行う。例えば、基地局では、フィードバックされた情報に基づいて、端末が受信したときの最適な受信ができるように符号化率及び変調方式、レイヤー数、プレコーディング行列を決定でき、その方法は様々なものを用いることができる。
上位レイヤー206は、端末103に対するデータ信号を生成し、送信信号生成部201に出力する。
送信信号生成部201は、上位レイヤー206が出力したデータ信号に対して、フィードバック情報205が出力した適応制御情報に基づいた適応制御を行い、端末103に対する送信信号を生成する。具体的には、送信信号生成部201は、誤り訂正符号化を行うための符号化処理、端末103に固有のスクランブル符号を施すためのスクランブル処理、多値変調方式などを用いるための変調処理、MIMOなどの空間多重を行うためのレイヤーマッピング処理、位相回転やビームフォーミングなどを行うためのプレコーディング処理などを行う。
ここで、プレコーディング処理は、端末103が効率よく受信できるように(例えば、受信電力が最大になるように、または隣接セルからの干渉が小さくなるように、または隣接セルへの干渉が小さくなるように)、生成する信号に対して位相回転などを行うことが好ましい。また、予め決められたプレコーディング行列による処理、CDD(Cyclic Delay Diversity)、送信ダイバーシチ(SFBC(Spatial
Frequency Block Code)、STBC(Spatial Time
Block Code)、TSTD (Time Switched Transmission Diversity)、FSTD(Frequency Switched
Transmission Diversity)など)を用いることができるがこれに限るものではない。ここで、PMIが複数種類に分けられたものがフィードバックされた場合、その複数のPMIを乗算などによる演算を行い、プレコーディング処理を行うことができる。
ここで、送信信号に対して、プレコーディング処理を行う前に、端末103が送信信号を復調するためのデータ信号復調用参照信号(DM−RS(Demodulation Reference Signal)、DRS (Dedicated Reference Signal)、Precoded RS、ユーザ固有参照信号、UE−specific RS)を多重することができる。データ信号復調用参照信号は、端末103に対する送信信号と共にプレコーディング処理が行われる。また、各レイヤーのデータ信号復調用参照信号は、Walsh符号などの直交符号による符号分割多重(CDM;Code Division Multiplexing)と周波数分割多重(FDM;Frequency Division Multiplexing)のいずれか用いて、またはそれらを併用して、直交させる。
第1の伝送路状況測定用参照信号多重部202は、プライマリー基地局101と端末103との間の下りリンク104の伝送路状況(第1の伝送路状況)を測定するために、プライマリー基地局101および端末103で互いに既知の第1の伝送路状況測定用参照信号(セル固有参照信号、CRS(Common RS)、Cell−specific RS、Non−precoded RS)を生成し、入力された送信信号に対して多重する。このとき、第1の伝送路状況測定用参照信号は、プライマリー基地局101および端末103が共に既知の信号であれば、任意の信号(系列)を用いることができる。例えば、プライマリー基地局101に固有の番号(セルID)などの予め割り当てられているパラメータに基づいた乱数や疑似雑音系列を用いることができる。また、アンテナポート間で直交させる方法として、第1の伝送路状況測定用参照信号をマッピングするリソースエレメントをアンテナポート間で互いにヌル(ゼロ)とする方法、疑似雑音系列を用いた符号分割多重する方法、またはそれらを組み合わせた方法などを用いることができる。なお、伝送路状況測定用参照信号は、全てのサブフレームに多重しなくてもよく、一部のサブフレームのみに多重してもよい。
送信部203は、第1の伝送路状況測定用参照信号多重部202が出力した送信信号を、それぞれのアンテナポートのリソースエレメントにマッピング処理を行い、送信アンテナから送信処理を行う。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るセカンダリー基地局102の構成を示す概略ブロック図である。ここで、セカンダリー基地局102は、端末103に対する協調通信を行う基地局のうち、図1で説明したプライマリー基地局101を除いた基地局である。図3において、セカンダリー基地局102は、送信信号生成部301、第2の伝送路状況測定用参照信号多重部302、送信部303、上位レイヤー304を備えている。
送信信号生成部301は、プライマリー基地局から出力された端末103に対する適応制御情報に基づいて、符号化処理、変調処理、レイヤーマッピング処理、プレコーディング処理、リソースエレメントマッピング処理のそれぞれを適応制御する。その適応制御情報は、プライマリー基地局101からX2インターフェースなどの回線を通じて入力される。また、セカンダリー基地局102からも端末103に対する情報データ信号を送信する協調通信方式(例えば、Joint Transmission、Dynamic Cell Selectionなど)では、プライマリー基地局101から端末103に対する情報データ信号もX2インターフェースなどの回線を通じて入力される。
以下では、セカンダリー基地局102の動作に関して、図2で説明したプライマリー基地局101と異なる部分を中心に説明する。
送信信号生成部301におけるプレコーディング処理は、端末103に対する協調通信方式によって、動作を変えることができる。まず、ジョイント送信(Joint Transmission)やジョイントプロセッシング(Joint Processing)や動的セル選択(Dynamic Cell Selection)送信などのようなセカンダリー基地局102からも端末103に対する情報データ信号を送信する協調通信方式では、プライマリー基地局101と協調して端末103が最適な受信ができるようにプレコーディング処理を行うことが好ましい。また、協調スケジューリング(Coordinated Scheduling)や協調ビームフォーミング(Coordinated Beamforming)などのような協調通信方式では、端末103に対するセカンダリー基地局102からの干渉を低減させるように、他の移動端末の情報データ信号に対してプレコーディング処理(送信電力制御も含む)を行うことが好ましい。
第2の伝送路状況測定用参照信号生成部302は、セカンダリー基地局102と端末103との間の下りリンク105の伝送路状況(第2の伝送路状況)を測定するために、セカンダリー基地局102および端末103で互いに既知の第2の伝送路状況測定用参照信号を生成し、送信信号生成部301が生成する送信信号に多重する。このとき、第2の伝送路状況測定用参照信号は、セカンダリー基地局102および端末103が共に既知の信号であれば、任意の信号(系列)を用いることができる。例えば、セカンダリー基地局102に固有の番号(セルID)などの予め割り当てられているパラメータに基づいた乱数や疑似雑音系列を用いることができる。また、アンテナポート間で直交させる方法として、第2の伝送路状況測定用参照信号をマッピングするリソースエレメントをアンテナポート間で互いにヌル(ゼロ)とする方法、疑似雑音系列を用いた符号分割多重する方法などを用いることができる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る端末103の構成を示す概略ブロック図である。図4において、端末103は、受信部401、受信信号処理部402、制御部403、フィードバック情報生成部404、送信部405、上位レイヤー406を備えている。
受信部401は、少なくとも1つの受信アンテナ数(受信アンテナポート数)の受信アンテナにより、プライマリー基地局101およびセカンダリー基地局102が送信した信号を受信し、無線周波数からベースバンド信号への変換処理などを行う。受信信号処理部402は、付加されたガードインターバルを除去し、高速フーリエ変換(FFT; Fast Fourier Transform)などにより時間周波数変換処理を行い、周波数領域の信号に変換する。また、受信信号処理部402は、プライマリー基地局101およびセカンダリー基地局102でマッピングした信号をデマッピング(分離)する。受信信号処理部402は、デマッピングされた信号に端末103宛のデータ信号が含まれる場合、そのデータ信号をデータ信号処理部403に出力する。受信信号処理部402は、デマッピングされた信号に第1の伝送路状況測定用参照信号および/または第2の伝送路状況測定用参照信号が含まれる場合、それらの伝送路状況測定用参照信号をフィードバック情報生成部404に出力する。また、制御情報信号は、端末103全体(上位層も含む)で共有され、データ信号の復調など、端末103における様々な制御に用いる(図示しない)。
データ信号処理部403は、入力されたデータ信号に対して、伝搬路推定処理、伝搬路補償処理(フィルタ処理)、レイヤーデマッピング処理、復調処理、デスクランブル処理、復号処理などを行い、上位レイヤー406に出力する。伝搬路推定処理では、入力されたデータ信号に多重されたデータ信号復調用参照信号に基づいて、各レイヤー(ランク、空間多重)に対する、それぞれのリソースエレメントにおける振幅と位相の変動(周波数応答、伝達関数)を推定(伝搬路推定)し、伝搬路推定値を求める。なお、データ信号復調用参照信号がマッピングされていないリソースエレメントは、データ信号復調用参照信号がマッピングされたリソースエレメントに基づいて、周波数方向および時間方向に補間し、伝搬路推定を行う。伝搬路補償処理では、入力されたデータ信号に対して、推定された伝搬路推定値を用いて、伝搬路補償を行い、レイヤー毎のデータ信号を検出(復元)する。その検出方法としては、ZF(Zero Forcing)基準やMMSE(Minimum Mean Square Error)基準の等化、干渉除去などを用いることができる。レイヤーデマッピング処理では、レイヤー毎の信号をそれぞれのコードワードにデマッピング処理を行う。以降、コードワード毎に処理を行う。復調処理では、用いた変調方式に基づいて復調を行う。デスクランブル処理では、用いたスクランブル符号に基づいて、デスクランブル処理を行う。復号処理では、施した符号化方法に基づいて、誤り訂正復号処理を行う。
一方、フィードバック情報生成部404は、入力された伝送路状況測定用参照信号に基づいて、フィードバック情報を生成する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るフィードバック情報生成部404の構成を示す概略ブロック図である。図5において、フィードバック情報生成部404は、伝送路状況測定部501、フィードバック情報演算部502を備えている。
伝送路状況測定部501は、受信した伝送路状況測定用参照信号を用いて、各基地局における送信アンテナの端末103における受信アンテナに対する伝送路状況を基地局毎に測定し、基地局毎の伝送路状況測定値を生成する。次に、フィードバック情報演算部502は、生成した伝送路状況推定値に基づいて、フィードバック情報を演算する。このとき、フィードバック情報演算部502は、制御情報信号などに含まれるコードブックサブセット制限情報も入力され、フィードバック情報の演算の際に考慮される。詳細は後述する。
また、フィードバック情報を生成する単位は、周波数方向(例えば、サブキャリア毎、リソースエレメント毎、リソースブロック毎、複数のリソースブロックで構成されるサブバンド毎など)、時間方向(例えば、OFDMシンボル毎、サブフレーム毎、スロット毎、無線フレーム毎など)、空間方向(例えば、アンテナポート毎、送信アンテナ毎、受信アンテナ毎など)などを用いることができ、さらにそれらを組み合わせることもできる。
また、フィードバック情報として、基地局に対する推奨送信フォーマット情報を生成する場合、その生成には様々な方法を用いることができる。例えば、まず、生成した伝送路状況推定値に基づいて、固有値分解などを用いて、空間多重できる最大レイヤー数を求め、RIを生成する。生成したRIおよび伝送路状況推定値に基づいて、最適な受信ができるようなプレコーディング行列などを推定し、PMIを生成する。PMIの生成には、例えば、候補となるプレコーディング行列を生成した伝送路状況推定値に乗算し、協調通信をしたときに最適となるプレコーディング行列を選択してもよい。また、固有値分解などを用いて、候補となるプレコーディング行列の中から最適なプレコーディング行列を選択してもよい。このとき、候補となるプレコーディング行列は、入力されたコードブックサブセット制限情報に基づいて、決定される。次に、生成したRI、PMIおよび伝送路状況推定値に基づいて、情報データ信号に対する変調方式および符号化率を選択し、CQIを生成する。CQIの生成には、例えば、受信信号電力対干渉・雑音電力比(SINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio))、受信信号電力対干渉電力比(SIR(Signal to Interference power Ratio))、受信信号電力対雑音電力比(SNR(Signal to Noise power Ratio))、パスロスなどを測定し、それらの測定値に対して所要品質を満たすCQIのルックアップテーブルを予め設定しておき、協調通信を行う時のSINRを求め、ルックアップテーブルからCQIを決定してもよい。
生成されたフィードバック情報は、送信部405に入力される。送信部405は、フィードバック情報生成部404が出力したフィードバック情報をプライマリー基地局101に送信(フィードバック)するために、符号化処理、変調処理、OFDM信号生成処理、ガードインターバル挿入処理、周波数変換処理などを行い、上り送信信号を生成する。さらに、送信部405は、生成した上り送信信号を上り回線(PUCCHまたはPUSCH)を通じて、プライマリー基地局101に送信する。なお、上り送信信号は、プライマリー基地局101だけでなく、セカンダリー基地局102に送信してもよい。
また、以上のような生成したフィードバック情報を含む上り送信信号をプライマリー基地局101にフィードバックする方法としては、例えば、プライマリー基地局101が指定したPUCCHを通じて、複数のサブフレームに分けて、送信することができる。また、プライマリー基地局101が指定したPUSCHを通じて、生成したフィードバック情報の全てまたはその一部を1つのサブフレームで送信することもできる。その際、端末103からの情報データ信号と共に送信してもよい。
図6は、プライマリー基地局101がマッピングする第1の伝送路状況測定用参照信号、データ信号または制御情報信号、ミューティングしたリソースエレメントの一例を示す図である。図6はプライマリー基地局101のアンテナポート数が8のときに、それぞれの信号をマッピングした場合を示している。また、図6は、1つのサブフレーム内の2つのリソースブロックを表しており、1つのリソースブロックは周波数方向に12のサブキャリアと時間方向に7のOFDMシンボルで構成される。1つのOFDMシンボルのうち、それぞれのサブキャリアをリソースエレメントと呼ぶ。それぞれのサブフレームのうち、時間方向に前後の7つのOFDMシンボルをそれぞれスロットとも呼ぶ。
網掛けしたリソースエレメントは、アンテナポート1〜8の第1の伝送路状況測定用参照信号をそれぞれC1〜C8と表している。黒く塗りつぶしたリソースエレメントは、ミューティングしたリソースエレメントを表わしており、そのリソースエレメントはヌル(ゼロ)とする。この例では、ミューティングしたリソースエレメントは、後述する図7に示すセカンダリー基地局102の第2の伝送路状況測定用参照信号がマッピングされるリソースエレメントに相当する。また、白く塗りつぶしたリソースエレメントは、データ信号または制御情報信号をマッピングする。なお、データ信号または制御情報信号のレイヤー数(ランク数)は最大8とすることができ、例えば、データ信号のレイヤー数を2、制御情報信号のレイヤー数を1とすることができる。
ここで、リソースブロックは、通信システムが用いる周波数帯域幅(システム帯域幅)に応じて、その数を変えることができる。例えば、6〜110個のリソースブロックを用いることができ、さらに、周波数アグリゲーションにより、全システム帯域幅を110個以上にすることも可能である。通常コンポーネントキャリアは100物理リソースブロックで構成し、コンポーネントキャリア間にガードバンドをはさんで、5個のコンポーネントキャリアで、全システム帯域幅を500物理リソースブロックにすることができる。これを、帯域幅で表現すると、例えば、コンポーネントキャリアは20MHzで構成し、コンポーネントキャリア間にガードバンドをはさんで、5個のコンポーネントキャリアで、全システム帯域幅を100MHzにすることができる。
図7は、セカンダリー基地局102がマッピングする第2の伝送路状況測定用参照信号、データ信号または制御情報信号、ミューティングしたリソースエレメントの一例を示す図である。ここで、第2の伝送路状況測定用参照信号は、図6で説明した第1の伝送路状況測定用参照信号に対してFDMするようにマッピングされる。図7の例では、図6の例に対して、1サブキャリア分の周波数方向シフトしている。また、ミューティングしたリソースエレメントは、図6に示すプライマリー基地局101の第1の伝送路状況測定用参照信号がマッピングされるリソースエレメントに相当する。
各伝送路状況測定用参照信号がマッピングされる位置および信号系列は、制御情報(RRC(Radio Resource Control)シグナリングも含む)として端末103に通知または報知してもよく、セルIDなどの他の制御情報に基づいて端末103が識別できるようにしてもよい。また、複数のアンテナポートのうち、1つのアンテナポートに対する伝送路状況測定用参照信号がマッピングする位置および信号系列のみを通知または報知または識別できるようにし、その位置および信号系列に基づいて、他のアンテナポートに関しても識別できるようにすることもできる。
図6および図7に示す例では、プライマリー基地局101およびセカンダリー基地局102は、マッピングするデータ信号または制御情報信号のうち、互いの伝送路状況測定用参照信号がマッピングされるリソースエレメントを、それぞれミューティングする。すなわち、プライマリー基地局101がマッピングする情報データ信号または制御情報信号のうち、セカンダリー基地局102がマッピングする第2の伝送路状況測定用参照信号のリソースエレメントをミューティングする。また、セカンダリー基地局102がマッピングする情報データ信号または制御情報信号のうち、プライマリー基地局101がマッピングする第1の伝送路状況測定用参照信号のリソースエレメントをミューティングする。なお、ミューティングするリソースエレメントは全部またはその一部でもよい。ミューティングすることにより、端末103は、協調通信をする場合の伝送路状況を効率よく推定することができる。また、ミューティングの方法としては、まずデータ信号または制御情報信号をマッピングした後、協調する他の基地局の伝送路状況測定用参照信号がマッピングするリソースエレメントの信号を間引いてもよい(パンクチャリング)。また、協調する他の基地局の伝送路状況測定用参照信号がマッピングするリソースエレメントを避けるようにデータ信号または制御情報信号をマッピングしてもよい(レートマッチング)。
以下では、本第1の実施形態で用いるコードブックサブセット制限情報およびPMIのフィードバック情報について説明する。また、以下では、コードブックは、プライマリー基地局101、セカンダリー基地局102、端末103で共に既知のコードブック化されたプレコーディング重みである。コードブックサブセットは、そのようなコードブックの小集団である。
図8は、アンテナポート数が2のときのコードブックサブセットの一例を示す図である。図8では、ランク数が1の場合における4つのコードブック(W10、W11、W12、W13)と、ランク数が2の場合における2つのコードブック(W21、W22)を示している。すなわち、アンテナポート数が2の場合、コードブックの数は6となる。
端末103は、各基地局の伝送路状況測定用参照信号を用いて、コードブックサブセットの中から好適なコードブックを選択し、PMIとしてプライマリー基地局101にフィードバックする。このとき、各基地局は、端末103に対して、PMIとして選択できるコードブックサブセットの一部または全部を制限させることができる。そのような制限を実現するために、プライマリー101は、端末103に対する制御情報として、コードブックサブセット制限情報を端末103に通知する。
コードブックサブセット制限情報は、コードブックのそれぞれに対応するビットマップ形式の制御情報である。具体的には、各コードブックに対して1ビットの制御情報を設定し、PMIとして選択することを制限する場合は「0」とし、制限しない場合は「1」とする。すなわち、図8に示す例では、アンテナポート数が2のときのコードブックサブセット制限情報は、6ビットのビットマップ形式の情報となる。例えば、2のランク数が制限される場合、W21およびW22に対応するコードブックのコードブックサブセット制限情報はそれぞれ「0」にすればよい。
図9は、アンテナポート数に対するコードブック数の一例を示す図である。図9では、図8で示したアンテナポート数が2の場合に加えて、アンテナポート数が4および8の場合におけるランク毎のコードブック数も示している。アンテナポート数が4の場合は、ランク数が4までの各ランクに対して、それぞれ16のコードブック数がある。このときのコードブックサブセット制限情報は、64ビットのビットマップ形式の情報である。アンテナポート数が8の場合において、プレコーディング重みを指定するために2つの部分プレコーディング重みは用いられることができる。このとき、それぞれの部分プレコーディング重みがW1、W2であるとすると、プレコーディング重みはW1とW2を演算(四則演算、重み付け乗算など)により示すことができる。また、W1およびW2の部分プレコーディング重みに対して、それぞれコードブックを設定する。図9に示す例では、W1とW2に対するコードブック数はそれぞれランク数に依存して設定する。このときのコードブックサブセット制限情報は、109ビットのビットマップ形式の情報である。
ここで、コードブックサブセットは、各基地局と端末103との間で予め既知の情報であり、基地局のアンテナポート数に依存した情報である。すなわち、端末103は、各基地局が報知する制御情報により、その基地局のアンテナポート数を識別し、その基地局が用いるコードブックサブセットを認識することができる。
また、コードブックサブセット制限情報は、端末103に固有の制御情報であり、プライマリー基地局101から通知される情報である。その通知方法として、プライマリー基地局101は、端末103宛の制御情報(PDCCHやRRCシグナリングなど)に含めることができる。
本発明の第1の実施形態における一例では、プライマリー基地局101は、シングルセル通信(第1の通信)のためのコードブックサブセット制限情報に加えて、マルチセル通信(第2の通信)のためのコードブックサブセット制限情報も通知することができる。この例では、シングルセル通信とマルチセル通信で共用のコードブックサブセットを用いる。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る制御情報の通知手順の一例を示す図である。プライマリー基地局101は、端末103に対して、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報をそれぞれ通知する。端末103は、それらの制限情報に基づいて、予め規定したシングルセル通信/マルチセル通信共用コードブックサブセットの中から、シングルセル通信のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットおよびマルチセル通信のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットを設定する。プライマリー基地局101は第1の伝送路状況測定用参照信号を送信し、セカンダリー基地局102は第2の伝送路状況測定用参照信号を送信する。端末103は、それらの伝送路状況測定用参照信号を用いて、それぞれの伝送路状況を測定し、設定したPMIとして選択可能なコードブックサブセットの中から、シングルセル通信に好適なPMIおよびマルチセル通信に好適なPMIをそれぞれ選択する。端末103は、選択したシングルセル通信に好適なPMIおよびマルチセル通信に好適なPMIをそれぞれ通知する。プライマリー基地局101は、通知されたそれぞれのPMIに基づいて、端末103に対するデータ伝送のスケジューリングを行う。
以上で説明した方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、シングルセル通信に好適なPMIとマルチセル通信に好適なPMIを用いてスケジューリングできるため、伝送特性が向上できる。また、シングルセル通信用のコードブックサブセットとマルチセル通信用のコードブックサブセットをそれぞれ規定する必要がなく、シングルセル通信およびマルチセル通信のプレコーディング処理への最適化が実現できる。
本発明の第1の実施形態における別の一例では、シングルセル通信用コードブックサブセットおよびマルチセル通信用コードブックサブセットをそれぞれ独立したコードブックサブセットとして、予め規定しておき、シングルセル通信およびマルチセル通信で共用のコードブックサブセット制限情報を通知することができる。この例では、シングルセル通信用のコードブック数およびマルチセル通信用のコードブック数を同じにすることが好ましい。
図11は、本発明の第1の実施形態に係る制御情報の通知手順の一例を示す図である。プライマリー基地局101は、端末103に対して、シングルセル通信/マルチセル通信共用コードブックサブセット制限情報を通知する。端末103は、その制限情報に基づいて、予め規定したシングルセル通信用コードブックサブセットおよびマルチセル通信用コードブックサブセットの中から、シングルセル通信のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットおよびマルチセル通信のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットをそれぞれ設定する。プライマリー基地局101は第1の伝送路状況測定用参照信号を送信し、セカンダリー基地局102は第2の伝送路状況測定用参照信号を送信する。端末103は、それらの伝送路状況測定用参照信号を用いて、それぞれの伝送路状況を測定し、設定したPMIとして選択可能なコードブックサブセットの中から、シングルセル通信に好適なPMIおよびマルチセル通信に好適なPMIをそれぞれ選択する。端末103は、選択したシングルセル通信に好適なPMIおよびマルチセル通信に好適なPMIをそれぞれ通知する。プライマリー基地局101は、通知されたそれぞれのPMIに基づいて、端末103に対するデータ伝送のスケジューリングを行う。
以上で説明した方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、シングルセル通信に好適なPMIとマルチセル通信に好適なPMIを用いてスケジューリングできるため、伝送特性が向上できる。また、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報とマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報を共用するため、制御情報のオーバーヘッドを増大することなく、シングルセル通信およびマルチセル通信のプレコーディング処理への最適化が実現できる。
本発明の第1の実施形態における別の一例では、プライマリー基地局101は、プライマリー基地局との通信(第1の通信)のためのコードブックサブセット制限情報に加えて、セカンダリー基地局との通信(第2の通信)のためのコードブックサブセット制限情報も通知することができる。この例では、プライマリー基地局とセカンダリー基地局で共用のコードブックサブセットを用いる。
図12は、本発明の第1の実施形態に係る制御情報の通知手順の一例を示す図である。プライマリー基地局101は、端末103に対して、プライマリー基地局用コードブックサブセット制限情報およびセカンダリー基地局用コードブックサブセット制限情報をそれぞれ通知する。端末103は、それらの制限情報に基づいて、予め規定したプライマリー基地局/セカンダリー基地局共用コードブックサブセットの中から、プライマリー基地局のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットおよびセカンダリー基地局のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットを設定する。プライマリー基地局101は第1の伝送路状況測定用参照信号を送信し、セカンダリー基地局102は第2の伝送路状況測定用参照信号を送信する。端末103は、それらの伝送路状況測定用参照信号を用いて、それぞれの伝送路状況を測定し、設定したPMIとして選択可能なコードブックサブセットの中から、プライマリー基地局に好適なPMIおよびセカンダリー基地局に好適なPMIをそれぞれ選択する。端末103は、選択したプライマリー基地局に好適なPMIおよびセカンダリー基地局に好適なPMIをそれぞれ通知する。プライマリー基地局101は、通知されたそれぞれのPMIに基づいて、端末103に対するデータ伝送のスケジューリングを行う。
以上で説明した方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、プライマリー基地局に好適なPMIとセカンダリー基地局に好適なPMIを用いてスケジューリングできるため、伝送特性が向上できる。また、プライマリー基地局用のコードブックサブセットとセカンダリー基地局用のコードブックサブセットをそれぞれ規定する必要がなく、プライマリー基地局およびセカンダリー基地局のプレコーディング処理への最適化が実現できる。
本発明の第1の実施形態における別の一例では、プライマリー基地局用コードブックサブセットおよびセカンダリー基地局用コードブックサブセットをそれぞれ独立したコードブックサブセットとして、予め規定しておき、プライマリー基地局およびセカンダリー基地局で共用のコードブックサブセット制限情報を通知することができる。この例では、プライマリー基地局用のコードブック数およびセカンダリー基地局用のコードブック数を同じにすることが好ましい。
プライマリー基地局101は、端末103に対して、プライマリー基地局/セカンダリー基地局共用コードブックサブセット制限情報を通知する。端末103は、その制限情報に基づいて、予め規定したプライマリー基地局用コードブックサブセットおよびセカンダリー基地局用コードブックサブセットの中から、プライマリー基地局のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットおよびセカンダリー基地局のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットをそれぞれ設定する。プライマリー基地局101は第1の伝送路状況測定用参照信号を送信し、セカンダリー基地局102は第2の伝送路状況測定用参照信号を送信する。端末103は、それらの伝送路状況測定用参照信号を用いて、それぞれの伝送路状況を測定し、設定したPMIとして選択可能なコードブックサブセットの中から、プライマリー基地局に好適なPMIおよびセカンダリー基地局に好適なPMIをそれぞれ選択する。端末103は、選択したプライマリー基地局に好適なPMIおよびセカンダリー基地局に好適なPMIをそれぞれ通知する。プライマリー基地局101は、通知されたそれぞれのPMIに基づいて、端末103に対するデータ伝送のスケジューリングを行う。
以上で説明した方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、プライマリー基地局に好適なPMIとセカンダリー基地局に好適なPMIを用いてスケジューリングできるため、伝送特性が向上できる。また、プライマリー基地局用コードブックサブセット制限情報とセカンダリー基地局用コードブックサブセット制限情報を共用するため、制御情報のオーバーヘッドを増大することなく、プライマリー基地局およびセカンダリー基地局のプレコーディング処理への最適化が実現できる。
なお、コードブックサブセット制限情報は、各基地局に固有の制御情報であり、プライマリー基地局101から報知される情報であってもよい。その報知方法として、プライマリー基地局101は、報知情報(BCH(Broadcast Channel)、MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)など)に含めることができる。
なお、コードブックサブセット制限情報は、コードブック毎に設定する情報であったが、複数のコードブックをグルーピングしたものに対して設定する情報としてもよい。具体的には、コードブックサブセット制限情報は、ランク毎のコードブックの一部または全部をグルーピングしたものに対して設定する情報としてもよい。例えば、図8で説明したW10とW12がグルーピングされ、W11とW13がグルーピングされることができる。また、コードブックサブセット制限情報は、複数のランクに渡ってコードブックインデックス毎のコードブックの一部または全部をグルーピングしたものに対して設定する情報としてもよい。例えば、図8で説明したW11とW21がグルーピングされ、W12とW22がグルーピングされることができる。このように、複数のコードブックがグルーピングされることによって、コードブックサブセット制限情報のオーバーヘッドが削減されることができる。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、複数のコードブックサブセットに基づいて、複数のPMIを通知する場合が説明された。本発明の第2の実施形態では、複数のコードブックサブセットに基づいて、選択されたPMIを通知する場合が説明される。以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態に係るフィードバック情報生成部404の構成を示す概略ブロック図である。図13において、フィードバック情報生成部404は、伝送路状況測定部1301、フィードバック情報演算部1302、選択部1303を備えている。
伝送路状況測定部1301は、受信した伝送路状況測定用参照信号を用いて、各基地局における送信アンテナの端末103における受信アンテナに対する伝送路状況を基地局毎に測定し、基地局毎の伝送路状況測定値を生成する。次に、フィードバック情報演算部1302は、生成した伝送路状況推定値に基づいて、フィードバック情報を演算する。このとき、フィードバック情報演算部1302は、制御情報信号などに含まれるコードブックサブセット制限情報も入力され、フィードバック情報の演算の際に考慮される。
本発明の第2の実施形態における一例では、プライマリー基地局101は、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報に加えて、マルチセル通信用コードブックサブセット制限情報も通知することができる。この例では、シングルセル通信とマルチセル通信で共用のコードブックサブセットを用いる。さらに、プライマリー基地局101は、通知したシングルセル通信用コードブックサブセット制限情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報のいずれかを指定する切替情報を明示的に(エクスプリシットに)通知することができる。
図14は、本発明の第2の実施形態に係る制御情報の通知手順の一例を示す図である。プライマリー基地局101は、端末103に対して、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報をそれぞれ通知する。さらに、プライマリー基地局101は、端末103に対して、コードブックサブセット制限情報に対する切替情報を通知する。この切替情報は、端末103が用いるコードブックサブセット制限情報を指定するための情報である。端末103は、それらの制限情報とその切替情報に基づいて、予め規定したシングルセル通信/マルチセル通信共用コードブックサブセットの中から、シングルセル通信のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットまたはマルチセル通信のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットを設定する。プライマリー基地局101は第1の伝送路状況測定用参照信号を送信し、セカンダリー基地局102は第2の伝送路状況測定用参照信号を送信する。端末103は、それらの伝送路状況測定用参照信号を用いて、それぞれの伝送路状況を測定し、設定したPMIとして選択可能なコードブックサブセットの中から、シングルセル通信に好適なPMIまたはマルチセル通信に好適なPMIをそれぞれ選択する。端末103は、選択したシングルセル通信に好適なPMIまたはマルチセル通信に好適なPMIをそれぞれ通知する。プライマリー基地局101は、通知されたPMIに基づいて、端末103に対するデータ伝送のスケジューリングを行う。
以上で説明した方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、端末103からのフィードバック情報のオーバーヘッドを増大することなく、シングルセル通信に好適なPMIまたはマルチセル通信に好適なPMIをフィードバックさせることができ、効率的なスケジューリングできるため、伝送特性が向上できる。また、シングルセル通信用のコードブックサブセットとマルチセル通信用のコードブックサブセットをそれぞれ規定する必要がなく、シングルセル通信およびマルチセル通信のプレコーディング処理への最適化が実現できる。
本発明の第2の実施形態における別の一例では、プライマリー基地局101は、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報に加えて、マルチセル通信用コードブックサブセット制限情報も通知することができる。この例では、シングルセル通信とマルチセル通信で共用のコードブックサブセットを用いる。さらに、プライマリー基地局101は、他の制御情報に関連付けることによって、通知したシングルセル通信用コードブックサブセット制限情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報のいずれかを黙示的に(インプリシットに)指定することができる。
図15は、本発明の第2の実施形態に係る制御情報の通知手順の一例を示す図である。プライマリー基地局101は、端末103に対して、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報をそれぞれ通知する。さらに、プライマリー基地局101は、端末103に対して、フィードバックモードを通知する。このとき、フィードバックモードに対応して、用いるコードブックサブセット制限情報を予め規定しておく。例えば、端末103は、シングルセル通信に好適なフィードバックモードが通知される場合、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報を用いる。また、端末103は、マルチセル通信に好適なフィードバックモードが通知される場合、マルチセル通信用コードブックサブセット制限情報を用いる。すなわち、他の制御情報に関連付けることによって、通知したシングルセル通信用コードブックサブセット制限情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報のいずれかが指定されることができる。端末103は、それらの制限情報と指定されたコードブックサブセット制限情報に基づいて、予め規定したシングルセル通信/マルチセル通信共用コードブックサブセットの中から、シングルセル通信のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットまたはマルチセル通信のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットを設定する。プライマリー基地局101は第1の伝送路状況測定用参照信号を送信し、セカンダリー基地局102は第2の伝送路状況測定用参照信号を送信する。端末103は、それらの伝送路状況測定用参照信号を用いて、それぞれの伝送路状況を測定し、設定したPMIとして選択可能なコードブックサブセットの中から、シングルセル通信に好適なPMIまたはマルチセル通信に好適なPMIをそれぞれ選択する。端末103は、選択したシングルセル通信に好適なPMIまたはマルチセル通信に好適なPMIをそれぞれ通知する。プライマリー基地局101は、通知されたPMIに基づいて、端末103に対するデータ伝送のスケジューリングを行う。
なお、端末103が用いるコードブックサブセット制限情報を対応付ける制御情報は、フィードバックモードだけでなく、送信モード、送信電力制御情報、再送制御情報、適応変調情報などを用いることができる。また、端末103が用いるコードブックサブセット制限情報は、プライマリー基地局101が通知する制御情報に対応付けることだけでなく、端末103の端末カテゴリー情報(UE category)や端末ケイパビリティ情報(UE capability)に含まれる制御情報、基地局(セル)の制御情報や種類(属性、状態)に対応付けることもできる。
以上で説明した方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、端末103からのフィードバック情報のオーバーヘッドを増大することなく、シングルセル通信に好適なPMIまたはマルチセル通信に好適なPMIをフィードバックさせることができ、効率的なスケジューリングできるため、伝送特性が向上できる。また、シングルセル通信用のコードブックサブセットとマルチセル通信用のコードブックサブセットをそれぞれ規定する必要がなく、シングルセル通信およびマルチセル通信のプレコーディング処理への最適化が実現できる。
本発明の第2の実施形態における別の一例では、プライマリー基地局101は、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報に加えて、マルチセル通信用コードブックサブセット制限情報も通知することができる。この例では、シングルセル通信とマルチセル通信で共用のコードブックサブセットを用いる。さらに、プライマリー基地局101は、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報を用いるサブフレームを指定する識別情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報を用いるサブフレームを指定する識別情報を通知することができる。
図16は、本発明の第2の実施形態に係る測定サブフレーム識別情報の一例を示す図である。測定サブフレーム識別情報は、コードブックサブセット制限情報を用いるサブフレームを指定するための制御情報である。具体的には、測定サブフレーム識別情報は、サブフレーム毎に1ビットが対応するビットマップ形式の情報である。すなわち、測定サブフレーム識別情報が「1」の場合、そのサブフレームでは、対応するコードブックサブセット制限情報を用いられることを示す。また、測定サブフレーム識別情報が「0」の場合、そのサブフレームでは、対応するコードブックサブセット制限情報を用いられないことを示す。図16では、サブフレームインデックス0〜9に対するシングルセル通信用測定サブフレーム識別情報およびマルチセル通信用測定サブフレーム識別情報をそれぞれ示している。つまり、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報は、サブフレームインデックスが0、3、7の場合に用いられる。マルチセル通信用コードブックサブセット制限情報は、サブフレームインデックスが2、4、5、9の場合に用いられる。この例では、測定サブフレーム識別情報は、10のサブフレームを単位として、繰返し適用される。なお、測定サブフレーム識別情報は1種類のみ設定され、その識別情報は、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報とマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報のいずれかを指定するようにしてもよい。
図17は、本発明の第2の実施形態に係る制御情報の通知手順の一例を示す図である。プライマリー基地局101は、端末103に対して、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報をそれぞれ通知する。さらに、プライマリー基地局101は、端末103に対して、シングルセル通信用測定サブフレーム識別情報およびマルチセル通信用測定サブフレーム識別情報をそれぞれ通知する。端末103は、それらの制限情報とそれらの識別情報と対応するサブフレームインデックスに基づいて、予め規定したシングルセル通信/マルチセル通信共用コードブックサブセットの中から、シングルセル通信のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットまたはマルチセル通信のためのPMIとして選択可能なコードブックサブセットを設定する。ここで、対応するサブフレームは、端末103がプライマリー基地局101にフィードバックすることを指示されたサブフレームとしてもよい。また、対応するサブフレームは、端末103がプライマリー基地局101にフィードバックするサブフレームとしてもよい。また、対応するサブフレームは、プライマリー基地局101が送信する第1の伝送路状況測定用参照信号やセカンダリー基地局102が送信する第2の伝送路状況測定用参照信号が含まれるサブフレームとしてもよい。プライマリー基地局101は第1の伝送路状況測定用参照信号を送信し、セカンダリー基地局102は第2の伝送路状況測定用参照信号を送信する。端末103は、それらの伝送路状況測定用参照信号を用いて、それぞれの伝送路状況を測定し、設定したPMIとして選択可能なコードブックサブセットの中から、シングルセル通信に好適なPMIまたはマルチセル通信に好適なPMIをそれぞれ選択する。端末103は、選択したシングルセル通信に好適なPMIまたはマルチセル通信に好適なPMIをそれぞれ通知する。プライマリー基地局101は、通知されたPMIに基づいて、端末103に対するデータ伝送のスケジューリングを行う。
以上で説明した方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、端末103からのフィードバック情報のオーバーヘッドを増大することなく、シングルセル通信に好適なPMIまたはマルチセル通信に好適なPMIをフィードバックさせることができ、効率的なスケジューリングできるため、伝送特性が向上できる。また、シングルセル通信用のコードブックサブセットとマルチセル通信用のコードブックサブセットをそれぞれ規定する必要がなく、シングルセル通信およびマルチセル通信のプレコーディング処理への最適化が実現できる。
なお、以上で説明した例では、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報を通知し、予め規定したシングルセル通信/マルチセル通信共用コードブックサブセットに対して適用する場合を説明したが、これに限るものではない。例えば、シングルセル通信用コードブックサブセットおよびマルチセル通信用コードブックサブセットを予め規定しておき、シングルセル通信/マルチセル通信共用コードブックサブセット制限情報を通知し、適用することもできる。
このような方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、端末103からのフィードバック情報のオーバーヘッドを増大することなく、シングルセル通信に好適なPMIまたはマルチセル通信に好適なPMIをフィードバックさせることができ、効率的なスケジューリングできるため、伝送特性が向上できる。また、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報とマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報を共用するため、制御情報のオーバーヘッドを増大することなく、シングルセル通信およびマルチセル通信のプレコーディング処理への最適化が実現できる。
なお、以上で説明した例では、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報を通知し、予め規定したシングルセル通信/マルチセル通信共用コードブックサブセットに対して適用する場合を説明したが、これに限るものではない。例えば、プライマリー基地局用コードブックサブセット制限情報およびセカンダリー基地局用コードブックサブセット制限情報を通知し、予め規定したプライマリー基地局/セカンダリー基地局共用コードブックサブセットに対して適用することもできる。
このような方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、端末103からのフィードバック情報のオーバーヘッドを増大することなく、プライマリー基地局に好適なPMIまたはセカンダリー基地局に好適なPMIをフィードバックさせることができ、効率的なスケジューリングできるため、伝送特性が向上できる。また、プライマリー基地局用のコードブックサブセットとセカンダリー基地局用のコードブックサブセットをそれぞれ規定する必要がなく、プライマリー基地局およびセカンダリー基地局のプレコーディング処理への最適化が実現できる。
なお、以上で説明した例では、シングルセル通信用コードブックサブセット制限情報およびマルチセル通信用コードブックサブセット制限情報を通知し、予め規定したシングルセル通信/マルチセル通信共用コードブックサブセットに対して適用する場合を説明したが、これに限るものではない。例えば、プライマリー基地局用コードブックサブセットおよびセカンダリー基地局用コードブックサブセットを予め規定しておき、プライマリー基地局/セカンダリー基地局共用コードブックサブセット制限情報を通知し、適用することもできる。
このような方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、端末103からのフィードバック情報のオーバーヘッドを増大することなく、プライマリー基地局に好適なPMIまたはセカンダリー基地局に好適なPMIをフィードバックさせることができ、効率的なスケジューリングできるため、伝送特性が向上できる。また、プライマリー基地局用コードブックサブセット制限情報とセカンダリー基地局用コードブックサブセット制限情報を共用するため、制御情報のオーバーヘッドを増大することなく、プライマリー基地局およびセカンダリー基地局のプレコーディング処理への最適化が実現できる。
(第3の実施形態)
上記第1の実施形態では、コードブックサブセット制限情報を用いることによって、適用するコードブックサブセットの一部または全部を制限することができる場合が説明された。本発明の第3の実施形態では、コードブックサブセット電力オフセット情報を用いて、適用するコードブックサブセットの一部または全部に対して、PMIとして選択する確率を制御する方法が説明される。
本発明の第3の実施形態では、プライマリー基地局101は、端末103に対して、制御情報の一部として、コードブックサブセット電力オフセット情報を通知する。
図18は、本発明の第3の実施形態に係るコードブックサブセット電力オフセット情報の一例を示す図である。図18では、コードブックサブセット電力オフセット情報は、2ビットにより4種類の電力オフセット値を表している。プライマリー基地局101は、端末103に対してコードブック毎に電力オフセット値を設定し、コードブック毎に端末103がPMIとして選択する確率を制御することができる。例えば、対象とするコードブックの選択確率を上げる場合には、プライマリー基地局101は、そのコードブックに対する電力オフセット値を高く設定する。また、対象とするコードブックの選択確率を下げる場合には、プライマリー基地局101は、そのコードブックに対する電力オフセット値を低く設定する。さらに、対象とするコードブックを選択させないようにする場合には、プライマリー基地局101は、そのコードブックに対する電力オフセット値を最低に設定する。
図19は、本発明の第3の実施形態に係るフィードバック情報生成部404の構成を示す概略ブロック図である。図19において、フィードバック情報生成部404は、伝送路状況測定部1901、フィードバック情報演算部1902を備えている。
伝送路状況測定部1901は、受信した伝送路状況測定用参照信号を用いて、各基地局における送信アンテナの端末103における受信アンテナに対する伝送路状況を基地局毎に測定し、基地局毎の伝送路状況測定値を生成する。次に、フィードバック情報演算部1902は、生成した伝送路状況推定値に基づいて、フィードバック情報を演算する。このとき、フィードバック情報演算部1902は、制御情報信号などに含まれるコードブックサブセット電力オフセット情報も入力され、フィードバック情報の演算の際に考慮される。
フィードバック情報演算部1902は、対象とするコードブックに対する演算を行う場合、そのコードブックに対する電力オフセット値を用いて、伝送路状況測定部が測定した伝送路状況推定値に対する電力オフセット制御を行う。例えば、電力オフセット値が3dBである場合、オフセット後の伝送路状況測定値の電力は3dB増加される。また、電力オフセット値が−3dBである場合、オフセット後の伝送路状況測定値の電力は3dB減少される。また、電力オフセット値が0(真値)である場合、オフセット後の伝送路状況測定値の電力は0となり、そのコードブックは選択されなくなる。
本発明の第3の実施形態の方法を用いることにより、プライマリー基地局101は、端末103に対して、適用するコードブックサブセットの一部または全部に対して、PMIとして選択する確率を制御することができる。そのため、プライマリー基地局101は、端末103に対するスケジューリングの自由度を高めることができるため、伝送効率を向上させることができる。
なお、本発明の第3の実施形態の方法は、本発明の第1の実施形態および第2の実施形態で説明したように、複数のコードブックサブセット、すなわちシングルセル通信用/マルチセル通信用コードブックサブセット、プライマリー基地局用/セカンダリー基地局用コードブックサブセットがある場合にも、同様に適用することができる。
なお、コードブックサブセット電力オフセット情報は、コードブック毎に設定する情報であったが、複数のコードブックをグルーピングしたものに対して設定する情報としてもよい。具体的には、コードブックサブセット電力オフセット情報は、ランク毎のコードブックの一部または全部をグルーピングしたものに対して設定する情報としてもよい。例えば、図8で説明したW10とW12がグルーピングされ、W11とW13がグルーピングされることができる。また、コードブックサブセット電力オフセット情報は、複数のランクに渡ってコードブックインデックス毎のコードブックの一部または全部をグルーピングしたものに対して設定する情報としてもよい。例えば、図8で説明したW11とW21がグルーピングされ、W12とW22がグルーピングされることができる。このように、複数のコードブックがグルーピングされることによって、コードブックサブセット電力オフセット情報のオーバーヘッドが削減されることができる。
なお、上記各実施形態では、プライマリー基地局101とセカンダリー基地局102とが協調して通信を行う場合について説明した。ここで言う基地局は、セルラーシステムにおける物理的な基地局装置であってもよいのは勿論であるが、この他にもそれぞれにセルを張りながら協調する送信装置(中継装置を含む)の組(第1の送信装置と第2の送信装置)、あるいは互いに異なるアンテナポート(第1のポートと第2のポート)で伝送路状況測定用参照信号を送信しながら協調する送信装置の組であれば、プライマリー基地局101とセカンダリー基地局102とすることができ、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、プライマリー基地局101はセルラーシステムにおける基地局装置であり、セカンダリー基地局101はプライマリー基地局102により制御され動作する送信装置(例えば、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)、Distributed antenna)とすることもできるし、逆にセカンダリー基地局102がセルラーシステムにおける基地局装置であり、プライマリー基地局101はセカンダリー基地局102により制御され動作する送信装置とすることもできる。または、プライマリー基地局101とセカンダリー基地局102ともに、セルラーシステムにおける物理的な基地局装置により制御され動作する送信装置であってもよい。
なお、上記各実施形態では、プライマリー基地局101とセカンダリー基地局102との協調通信について、主にセカンダリー基地局102がプライマリー基地局101に隣接する場合を説明したが、これに限るものではない。例えば、ヘテロジニアスネットワークのようにプライマリー基地局101の通信エリアとセカンダリー基地局102の通信エリアが全部または一部がオーバーラップしている場合でも、上記各実施形態で説明した同様の効果が得られる。その際、それぞれの基地局のコンポーネントキャリア(キャリア周波数)は全部または一部がオーバーラップしてもよい。具体的には、プライマリー基地局101をマクロセルとし、セカンダリー基地局102をピコセルやフェムトセル(Home
eNodeB)などのマクロセルの通信エリアよりも小さい通信エリアが、プライマリー基地局101の通信エリア内にオーバーラップする場合でも適用できる。
なお、上記各実施形態では、情報データ信号、制御情報信号、PDSCH、PDCCHおよび参照信号のマッピング単位としてリソースエレメントやリソースブロックを用い、時間方向の送信単位としてサブフレームや無線フレームを用いて説明したが、これに限るものではない。任意の周波数と時間で構成される領域および時間単位をこれらに代えて用いても、同様の効果を得ることができる。なお、上記各実施形態では、プレコーディング処理されたRSを用いて復調する場合について説明し、プレコーディング処理されたRSに対応するポートとして、MIMOのレイヤーと等価であるポートを用いて説明したが、これに限るものではない。この他にも、互いに異なる参照信号に対応するポートに対して、本発明を適用することにより、同様の効果を得ることができる。例えば、Precoded RSではなくUnprecoded RSを用い、ポートとしては、プリコーディング処理後の出力端と等価であるポートあるいは物理アンテナ(あるいは物理アンテナの組み合わせ)と等価であるポートを用いることができる。
本発明に関わるプライマリー基地局101、セカンダリー基地局102および端末103で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態におけるプライマリー基地局101、セカンダリー基地局102および端末103の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。プライマリー基地局101、セカンダリー基地局102および端末103の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。