JP2013209023A - 連結車両の運動安定化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トレーラの揺動によるトラクタの振り子運動を誤判定する可能性を低くする。
【解決手段】振り子運動判定手段100は、実ヨーレートYの変動の大きさを表す判定パラメータPAを算出するパラメータ算出部120と、判定パラメータPAに対するしきい値PAthを算出するしきい値設定部140と、判定パラメータPAがしきい値PAthを超えた場合に振り子運動の発生を判定する判定部150とを備えて構成され、規範ヨーレートYsに関連する値に対する横GヨーレートYgに関連する値の相関関係および規範ヨーレートYsに関連する値に対する実ヨーレートYに関連する値の相関関係の少なくとも一方の相関関係に基づき、しきい値PAthおよび判定パラメータPAの少なくとも一方を変更する。
【選択図】図4

Description

本発明は、トレーラを牽引するトラクタの振り子運動を検出可能な連結車両の運動安定化装置に関する。
トラクタに牽引されるトレーラは、トレーラの積み荷の状態が不適切である場合など、いくつか要因が重なると、横方向に揺れることがある。このトレーラの揺れは、トラクタの後部を左右に揺らし、トラクタの走行を不安定にさせる。このようなトレーラの揺れによるトラクタの走行安定性の低下を抑制するため、従来、トラクタの横方向動特性値がしきい値よりも大きいときに危険な走行状態、すなわち、トレーラの揺動によるトラクタの振り子運動が発生していると判定して、ブレーキを作動させる発明が知られている(特許文献1)。
特表2002−503185号公報
しかしながら、特許文献1のように、単に横方向動特性値がしきい値よりも大きい時にトレーラの揺動によるトラクタの振り子運動が発生していると判定すると、トラクタがトレーラを牽引していないとき(以下、「非牽引時」という。)にスラローム走行をしても、大きなヨーレートが繰り返し発生するので振り子運動を誤検出するおそれがあるという問題がある。
そこで、本発明では、トラクタに発生するヨーレートの変化がトレーラの揺動の要因によるか否かを判断して、トレーラの揺動によるトラクタの振り子運動を正確に判定することを目的とする。
前記課題を解決する本発明は、トラクタと、当該トラクタに対し横方向に揺動可能に連結されるトレーラとを備えてなる連結車両の運動安定化装置であって、前記トラクタの実ヨーレートを取得するヨーレート取得手段と、前記トラクタの横加速度を取得する横加速度取得手段と、前記トラクタの舵角を取得する舵角取得手段と、前記トラクタの車体速度を取得する車体速度取得手段と、前記横加速度と前記車体速度に基づいて推定されるヨーレートである横Gヨーレートを算出する横Gヨーレート算出手段と、前記舵角と前記車体速度とから規範ヨーレートを算出する規範ヨーレート算出手段と、前記トラクタに、前記トレーラの揺動による振り子運動が発生しているか否かを判定する振り子運動判定手段とを備える。
前記振り子運動判定手段は、前記実ヨーレートの変動の大きさを表す判定パラメータを算出するパラメータ算出部と、前記判定パラメータに対するしきい値を算出するしきい値設定部と、前記判定パラメータが前記しきい値を超えた場合に振り子運動の発生を判定する判定部とを備えて構成され、前記規範ヨーレートに関連する値に対する前記横Gヨーレートに関連する値の相関関係および前記規範ヨーレートに関連する値に対する前記実ヨーレートに関連する値の相関関係の少なくとも一方の相関関係に基づき、前記しきい値および前記判定パラメータの少なくとも一方を変更することを特徴とする。
トレーラの揺動によりトラクタが振り子運動するときには、ステアリングが左右に切れるが、その運動は受動的であり、位相(タイミング)が横Gヨーレートに対してずれ、逆位相(カウンタステア)となりやすい。また、トレーラの揺動によりトラクタが振り子運動するときには、操舵角の量も小さく、規範ヨーレートは、横Gヨーレートや実ヨーレートに比較して小さくなりやすい。一方で、トレーラ非牽引時のスラローム走行では、実ヨーレートと、規範ヨーレートと、横Gヨーレートとは、同位相で、略同じ値となりやすい。これらのことから、上記の構成によると、規範ヨーレートに関連する値に対する横Gヨーレートに関連する値の相関関係および規範ヨーレートに関連する値に対する実ヨーレートに関連する値の相関関係の少なくとも一方に基づいてトレーラの揺動が影響しているか否かを判別可能であるので、しきい値および判定パラメータの少なくとも一方を変更して、トレーラの揺動によらないトラクタの実ヨーレートの変動を、トレーラの揺動による実ヨーレートの変動と区別することが可能となる。すなわち、トレーラの揺動によるトラクタの振り子運動を誤判定する可能性を低くすることができる。
なお、本明細書において、判定パラメータがしきい値を超えた場合とは、判定パラメータがしきい値以上であるか否かで判定する場合と、判定パラメータがしきい値より大きいか否かで判定する場合との双方を含む意味である。
前記した装置において、前記振り子運動判定手段は、前記トラクタが左旋回しているときのヨーレートの値の符号を第1の符号と規定し、前記トラクタが右旋回しているときのヨーレートの値の符号を第2の符号と規定したとき、前記横Gヨーレートに関連する値と、前記規範ヨーレートに関連する値とが同符号であるという第1条件を満たした場合に、前記振り子運動が発生していることを判定し難くなるように前記しきい値および前記判定パラメータの少なくとも一方を変更することができる。
前記したように、横Gヨーレートと、規範ヨーレートとは、トレーラの揺動によりトラクタが振り子運動するときには逆位相となりやすく、一方、トレーラ非牽引時のスラローム走行の場合には、同位相となりやすい。そのため、横Gヨーレートに関連する値と、規範ヨーレートに関連する値とが同符号であるという第1条件を満たした場合には、トレーラ非牽引時のスラローム走行である可能性が高いので、振り子運動が発生していることを判定し難くなるようにしきい値および判定パラメータの少なくとも一方を変更することで、トレーラの揺動によるトラクタが振り子運動を誤判定する可能性を低くすることができる。
前記した装置において、前記振り子運動判定手段は、前記規範ヨーレートに関連する値と前記横Gヨーレートに関連する値との偏差が第1所定値よりも小さく、かつ前記規範ヨーレートに関連する値と前記実ヨーレートに関連する値との偏差が第2所定値よりも小さいという第2条件を満たした場合に、前記振り子運動が発生していることを判定し難くなるように前記しきい値および前記判定パラメータの少なくとも一方を変更することができる。
前記したように、トレーラの揺動によりトラクタが振り子運動するときには、操舵量(規範ヨーレート)は比較的小さい一方、実ヨーレートや横Gヨーレートは増大していって規範ヨーレートとの差が大きくなるのに対し、トレーラ非牽引時のスラローム走行である場合には、横Gヨーレートまたは実ヨーレートは、規範ヨーレートに近い値となる。そのため、規範ヨーレートに関連する値と横Gヨーレートに関連する値との偏差が第1所定値よりも小さく、かつ規範ヨーレートに関連する値と実ヨーレートに関連する値との偏差が第2所定値よりも小さいという第2条件を満たした場合には、トレーラ非牽引時のスラローム走行である可能性が高いので、振り子運動が発生していることを判定し難くなるようにしきい値および判定パラメータの少なくとも一方を変更することで、トレーラの揺動によるトラクタの振り子運動を誤判定する可能性を低くすることができる。
前記した装置において、前記振り子運動判定手段は、前記規範ヨーレートに関連する値の絶対値が前記横Gヨーレートに関連する値の絶対値よりも大きいという第3条件を満たした場合に、前記振り子運動が発生していることを判定し難くなるように前記しきい値および前記判定パラメータの少なくとも一方を変更することができる。
低μ(路面摩擦係数)路でスラローム走行をした場合においては、操舵量が大きい割には、横加速度は大きくならない。そのため、規範ヨーレートに関連する値の絶対値が横Gヨーレートに関連する値の絶対値よりも大きいという第3条件を満たした場合には、低μ路でスラローム走行している可能性が高いので、振り子運動が発生していることを判定し難くなるようにしきい値および判定パラメータの少なくとも一方を変更することで、トレーラの揺動によるトラクタの振り子運動を誤判定する可能性を低くすることができる。
前記した装置は、具体的な一例として、前記しきい値設定部は、前記トラクタが左旋回しているときのヨーレートの値の符号を第1の符号と規定し、前記トラクタが右旋回しているときのヨーレートの値の符号を第2の符号と規定したとき、前記横Gヨーレートに関連する値と、前記規範ヨーレートに関連する値とが同符号であることを第1条件、前記規範ヨーレートに関連する値と前記横Gヨーレートに関連する値との偏差が第1所定値以内かつ前記規範ヨーレートに関連する値と前記実ヨーレートに関連する値との偏差が第2所定値以内であることを第2条件、前記規範ヨーレートに関連する値の絶対値が前記横Gヨーレートに関連する値の絶対値よりも大きいことを第3条件、として、前記第1条件、前記第2条件および前記第3条件の少なくとも1つの条件が満たされた場合に増大し、前記第1条件、前記第2条件および前記第3条件のすべてを満たさない場合に減少するように変化するトレーラ要因係数を設定し、前記トレーラ要因係数に、所定の係数であるパラメータベース値を乗算して前記しきい値を算出することができる。
この構成において、前記しきい値設定部は、前記第1条件および前記第2条件のうち少なくとも一方の条件が満たされた場合に増大し、前記第1条件および前記第2条件のすべてを満たさない場合に減少する走行安定係数を算出する走行安定係数算出部と、前記走行安定係数が第3所定値以上となった場合または前記第3条件を満たした場合にカウント値をインクリメントし、前記走行安定係数が第3所定値未満で、かつ、前記第3条件を満たさない場合にカウント値をデクリメントする走行安定係数カウンタとを備え、前記トレーラ要因係数を、前記カウント値が大きい程大きい値となるように設定する構成とすることができる。
前記した各発明において、前記横Gヨーレートに関連する値は、横Gヨーレートの微分値であり、前記規範ヨーレートに関連する値は、規範ヨーレートの微分値であり、前記実ヨーレートに関連する値は、実ヨーレートの微分値である構成とすることができる。
この構成によれば、車両が旋回中であったり、センサの値にゼロ点のずれがあったりした場合であっても、各ヨーレートの微分値は、これらの影響を受けないので、トレーラの揺動によるトラクタの振り子運動を適切に判定することができる。
本発明によれば、トレーラの揺動によるトラクタの振り子運動を誤判定する可能性を低くすることができる。
本発明の実施形態に係る連結車両の運動安定化装置を備えた車両を示す構成図である。 運動安定化装置のブレーキ液圧回路を示す構成図である。 運動安定化装置の全体構成を示すブロック図である。 振り子運動判定手段のブロック図である。 評価値算出部のブロック図である。 しきい値設定部のブロック図である。 カウント値TとF(T)の関係を示すマップである。 運動安定化装置の全体動作を示すフローチャートである。 切返し操舵評価値の算出処理を示すフローチャートである。 しきい値の算出処理を示すフローチャートである。 トレーラの揺動に起因する振り子運動が発生しているときの各パラメータの変化を示すタイミングチャートである。 トレーラ非牽引時において、周期的な急操舵がされているときの切返し操舵評価値の変化を説明するタイミングチャートである。 トレーラ非牽引時において、周期的な急操舵がされているときの各パラメータの変化を示すタイミングチャートである。
図1に示すように、運動安定化装置SAはトラクタTRの各車輪Wに付与する制動力(ブレーキ液圧)を適宜制御するためのものであり、油路(液圧路)や各種部品が設けられた液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御部20とを主に備えている。トラクタTRには、連結器CPにより横方向に揺動可能にトレーラTLが連結されている。
制御部20には、車輪Wの車輪速度を検出する車輪速センサ91と、ステアリングSTの舵角を検出する舵角センサ92と、トラクタTRの横方向に働く加速度(横加速度)を検出する横加速度センサ93と、トラクタTRの実ヨーレートを検出するヨーレートセンサ94とが接続されている。各センサ91〜94の検出結果は、制御部20に出力される。
制御部20は、例えば、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、車輪速センサ91、舵角センサ92、横加速度センサ93およびヨーレートセンサ94からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各演算処理を行うことによって制御を実行する。
ホイールシリンダHは、マスタシリンダMCおよび運動安定化装置SAにより発生されたブレーキ液圧を各車輪Wに設けられた車輪ブレーキFR,FL,RR,RLの作動力に変換する液圧装置であり、それぞれ配管を介して運動安定化装置SAの液圧ユニット10に接続されている。
図2に示すように、液圧ユニット10は、運転者がブレーキペダルBPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生する液圧源であるマスタシリンダMCと、車輪ブレーキFR,FL,RR,RLとの間に配置されている。液圧ユニット10は、ブレーキ液が流通する油路を有する基体であるポンプボディ10a、油路上に複数配置された入口弁1、出口弁2などから構成されている。
マスタシリンダMCの二つの出力ポートM1,M2はポンプボディ10aの入口ポート121に接続され、ポンプボディ10aの出口ポート122は各車輪ブレーキFR,FL,RR,RLに接続されている。そして、通常時はポンプボディ10a内の入口ポート121から出口ポート122までが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルBPの踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。
また、出力ポートM1から始まる油路は前輪左側の車輪ブレーキFLと後輪右側の車輪ブレーキRRに通じており、出力ポートM2から始まる油路は前輪右側の車輪ブレーキFRと後輪左側の車輪ブレーキRLに通じている。なお、以下では、出力ポートM1から始まる油路を「第一系統」と称し、出力ポートM2から始まる油路を「第二系統」と称する。
液圧ユニット10には、その第一系統に各車輪ブレーキFL,RRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられており、同様に、その第二系統に各車輪ブレーキRL,FRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられている。また、液圧ユニット10には、第一系統および第二系統のそれぞれに、リザーバ3、ポンプ4、オリフィス5a、調圧弁(レギュレータ)R、吸入弁7が設けられている。さらに、液圧ユニット10には、第一系統のポンプ4と第二系統のポンプ4とを駆動するための共通のモータ9が設けられている。このモータ9は、回転数制御可能なモータである。また、本実施形態では、第二系統にのみ圧力センサ8が設けられている。
なお、以下では、マスタシリンダMCの出力ポートM1,M2から各調圧弁Rに至る油路を「出力液圧路A1」と称し、第一系統の調圧弁Rから車輪ブレーキFL,RRに至る油路および第二系統の調圧弁Rから車輪ブレーキRL,FRに至る油路をそれぞれ「車輪液圧路B」と称する。また、出力液圧路A1からポンプ4に至る油路を「吸入液圧路C」と称し、ポンプ4から車輪液圧路Bに至る油路を「吐出液圧路D」と称し、さらに、車輪液圧路Bから吸入液圧路Cに至る油路を「開放路E」と称する。
制御弁手段Vは、マスタシリンダMCまたはポンプ4側から車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側(詳細には、ホイールシリンダH側)への液圧の行き来を制御する弁であり、ホイールシリンダHの圧力を増加、保持または低下させることができる。そのため、制御弁手段Vは、入口弁1、出口弁2およびチェック弁1aを備えて構成されている。
入口弁1は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとマスタシリンダMCとの間、すなわち車輪液圧路Bに設けられた常開型の電磁弁である。入口弁1は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMCから各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁1は、車輪Wがロックしそうになったときに制御部20により閉塞されることで、ブレーキペダルBPから各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに伝達するブレーキ液圧を遮断する。
出口弁2は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRと各リザーバ3との間、すなわち車輪液圧路Bと開放路Eとの間に介設された常閉型の電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、車輪Wがロックしそうになったときに制御部20により開放されることで、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに作用するブレーキ液圧を各リザーバ3に逃がす。
チェック弁1aは、各入口弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RR側からマスタシリンダMC側へのブレーキ液の流入のみを許容する一方向弁であり、ブレーキペダルBPからの入力が解除された場合に、入口弁1を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RR側からマスタシリンダMC側へのブレーキ液の流入を許容する。
リザーバ3は、開放路Eに設けられており、各出口弁2が開放されることによって逃がされるブレーキ液圧を吸収する機能を有している。また、リザーバ3とポンプ4との間には、リザーバ3側からポンプ4側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁3aが介設されている。
ポンプ4は、出力液圧路A1に通じる吸入液圧路Cと車輪液圧路Bに通じる吐出液圧路Dとの間に介設されており、リザーバ3に貯留されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する機能を有している。これにより、リザーバ3により吸収されたブレーキ液をマスタシリンダMCに戻すことができるとともに、運転者がブレーキペダルBPを操作しない場合でもブレーキ液圧を発生して車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに制動力を発生することができる。
なお、ポンプ4のブレーキ液の吐出量は、モータ9の回転数に依存しており、例えば、モータ9の回転数が大きくなると、ポンプ4によるブレーキ液の吐出量も大きくなる。
オリフィス5aは、ポンプ4から吐出されたブレーキ液の圧力の脈動および後述する調圧弁Rが作動することにより発生する脈動を減衰させている。
調圧弁Rは、通常時に開いていることで、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流れを許容する。また、調圧弁Rは、ポンプ4が発生したブレーキ液圧によりホイールシリンダH側の圧力を増加するときには、ブレーキ液の流れを遮断しつつ、吐出液圧路D、車輪液圧路BおよびホイールシリンダH側の圧力を設定値以下に調節する機能を有している。そのため、調圧弁Rは、切換弁6およびチェック弁6aを備えて構成されている。
切換弁6は、マスタシリンダMCに通じる出力液圧路A1と各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに通じる車輪液圧路Bとの間に介設された常開型のリニアソレノイド弁である。詳細は図示しないが、切換弁6の弁体は、付与される電流に応じた電磁力によって車輪液圧路BおよびホイールシリンダH側へ付勢されており、車輪液圧路Bの圧力が出力液圧路A1の圧力より所定値(この所定値は、付与される電流による)以上高くなった場合には、車輪液圧路Bから出力液圧路A1へ向けてブレーキ液が逃げることで、車輪液圧路B側の圧力が所定圧に調整される。
チェック弁6aは、各切換弁6に並列に接続されている。このチェック弁6aは、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流れを許容する一方向弁である。
吸入弁7は、吸入液圧路Cに設けられた常閉型の電磁弁であり、吸入液圧路Cを開放する状態または遮断する状態に切り換えるものである。吸入弁7は、切換弁6が閉じるとき、すなわち、運転者がブレーキペダルBPを操作しない場合において各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRにブレーキ液圧を作用させるときに制御部20により開放(開弁)される。
圧力センサ8は、第二系統の出力液圧路A1のブレーキ液圧を検出するものであり、その検出結果は制御部20に入力される。
次に、制御部20の詳細について説明する。図3に示すように、制御部20は、舵角取得手段、横加速度取得手段およびヨーレート取得手段として、舵角センサ92、横加速度センサ93、ヨーレートセンサ94の入力インタフェースを有し、車輪速センサ91および他のセンサ92〜94から入力された信号に基づいて、前記した液圧ユニット10内の制御弁手段V、切換弁6(調圧弁R)および吸入弁7の開閉動作ならびにモータ9の動作を制御して、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの動作を制御するものである。制御部20は、車体速度算出部21、規範ヨーレート算出手段22、横Gヨーレート算出手段23、振り子運動判定手段100、TSA制御手段25および図示しない記憶部を備えている。
車体速度算出部21は、車体速度取得手段の一例であり、車輪速センサ91から入力された信号に基づいて、各車輪の周速を計算して車輪速度とし、複数の車輪速度から公知の方法により車体の速度を算出する。
規範ヨーレート算出手段22は、車体速度算出部21が算出した車体速度と、舵角センサ92から入力された舵角の信号に基づいて、運転者の操縦意図を反映した規範ヨーレートYsを算出する手段である。規範ヨーレートYsの算出方法は、公知の方法を用いることができる。算出された規範ヨーレートYsは、振り子運動判定手段100に出力される。
横Gヨーレート算出手段23は、車体速度算出部21が算出した車体速度と、横加速度センサ93から入力された横加速度の信号に基づいて、トラクタTRに発生している横加速度から推測されるヨーレートである横GヨーレートYgを算出する手段である。横GヨーレートYgの算出方法は、公知の方法を用いることができる。算出された横GヨーレートYgは、振り子運動判定手段100に出力される。
振り子運動判定手段100は、トレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動が発生しているか否かを判定する手段であり、その構成の詳細は後述する。振り子運動判定手段の判定結果は、トレーラ安定化制御手段(TSA制御手段25)に出力される。
TSA制御手段25は、振り子運動判定手段100により振り子運動の発生が判定された場合に、前記した液圧ユニット10のモータ9や弁を制御することでトラクタTRの適宜な車輪Wにブレーキ力を与え、トラクタTRおよびトレーラTLの運動を安定化させる手段である。どの車輪Wにどのタイミングでブレーキ力を与えるかは、公知の方法を採用することができ、特に限定されないが、例えば、特開2009−012488号公報に開示されたように、発生しているヨーモーメントに対し逆位相となるヨーモーメントをブレーキ力により発生させるとよい。
図4に示すように、振り子運動判定手段100は、微分値算出部110と、パラメータ算出部120、評価値算出部130、しきい値設定部140および判定部150を備えている。
微分値算出部110は、規範ヨーレートYs、横GヨーレートYgおよび実ヨーレートYが入力され、これらを時間微分した規範ヨーレート微分値Ys′、横Gヨーレート微分値Yg′および実ヨーレート微分値Y′を計算する手段である。横Gヨーレート微分値Yg′は、しきい値設定部140に出力され、規範ヨーレート微分値Ys′および実ヨーレート微分値Y′は、評価値算出部130およびしきい値設定部140に出力される。
パラメータ算出部120は、実ヨーレートYの変動の大きさを表す判定パラメータPAを算出する手段であり、本実施形態においては、実ヨーレートYと規範ヨーレートYsを用いて判定パラメータPAを算出する。判定パラメータPAの算出の仕方は、例えば、規範ヨーレートYsと実ヨーレートYの偏差(ヨーレート偏差)の絶対値をローパスフィルタなどでフィルタ処理して算出することができる。本実施形態では、詳細な説明は省略するが、トレーラ要因係数KがKmaxより小さくなり始めるまでは、判定パラメータPAは0に維持され、トレーラ要因係数Kが所定値K以下になったときに、上記のヨーレート偏差の絶対値をフィルタ処理した値をとるようにする。なお、これに限らず、判定パラメータPAは、特開2009−012488号公報に開示されたような実ヨーレート微分値Y′を位相調整した値を絶対値化した上で変化しにくいようにローパスフィルタなどでフィルタ処理した値や、実ヨーレートYの絶対値をフィルタ処理した値(振幅に相当する)などを用いることができる。算出された判定パラメータPAは、判定部150に出力される。
評価値算出部130は、実ヨーレートYに関連する値および規範ヨーレートに関連する値の少なくとも一方の値に基づいて、周期的な切返し操舵をしている可能性を示す切返し操舵評価値TSを算出する手段である。ここでは、評価値算出部130は、規範ヨーレート微分値Ys′および実ヨーレート微分値Y′に基づいて切返し操舵評価値TSを算出する。切返し操舵評価値TSは、トレーラ非牽引時の、特に高μ路におけるスラローム走行の可能性が高い場合に大きくなる値であり、算出のための詳細な構成は後述する。
しきい値設定部140は、規範ヨーレート微分値Ys′、横Gヨーレート微分値Yg′および実ヨーレート微分値Y′に基づいて判定パラメータPAに対するしきい値PAth、すなわち、判定パラメータPAに基づきトラクタTRの振り子運動が発生しているか否かを判定する基準となる値を算出する手段である。本実施形態においては、しきい値設定部140は、トレーラTLの揺動とは別の要因によりトラクタTRのヨーレートが変動している可能性が高い場合に、しきい値PAthを大きくするように変更するように構成されており、詳細な構成は後述する。
判定部150は、判定パラメータPAがしきい値PAthを超えた場合に振り子運動の発生を判定する手段である。
図5に示すように、評価値算出部130は、規範ヨーレート不安定度算出部131、実ヨーレート不安定度算出部132および乗算部133を備える。
規範ヨーレート不安定度算出部131は、規範ヨーレートYsに関連する値に基づいて規範ヨーレートYsの継続的な変動を表す規範ヨーレート不安定度を算出する手段である。本実施形態においては、規範ヨーレートYsに関連する値である規範ヨーレート微分値Ys′を用いて、規範ヨーレート不安定度を算出する。具体的には、規範ヨーレート微分値Ys′の絶対値|Ys′|を第1計算開始しきい値で除算した値を変化しにくいようにローパスフィルタでフィルタ処理した第1フィルタ処理値DYsが1より大きい場合には当該第1フィルタ処理値DYsを規範ヨーレート不安定度とし、1以下の場合には1を規範ヨーレート不安定度とする。これにより、規範ヨーレート微分値の絶対値|Ys′|が第1計算開始しきい値以下の場合には、規範ヨーレート不安定度は1となり、規範ヨーレート微分値の絶対値|Ys′|が第1計算開始しきい値よりも大きい場合には、1より大きな値となった第1フィルタ処理値DYsが規範ヨーレート不安定度となる。
規範ヨーレート不安定度は、簡単には、ステアリングSTをある程度(規範ヨーレート微分値の絶対値|Ys′|が第1計算開始しきい値よりも大きくなる程度)以上の速度で急操舵しているときに、急操舵の程度に応じて大きくなる値である。算出された規範ヨーレート不安定度は、乗算部133に出力される。
実ヨーレート不安定度算出部132は、実ヨーレートYに関連する値に基づいて実ヨーレートYの継続的な変動を表す実ヨーレート不安定度を算出する手段である。本実施形態においては、実ヨーレートに関連する値である実ヨーレート微分値Y′を用いて、実ヨーレート不安定度を算出する。具体的には、実ヨーレート微分値Y′の絶対値|Y′|を第2計算開始しきい値で除算した値を変化しにくいようにフィルタ処理した第2フィルタ処理値DYが1より大きい場合には当該第2フィルタ処理値DYを実ヨーレート不安定度とし、1以下の場合には1を実ヨーレート不安定度とする。これにより、実ヨーレート微分値の絶対値|Y′|が第2計算開始しきい値以下の場合には、実ヨーレート不安定度は1となり、実ヨーレート微分値の絶対値|Y′|が第2計算開始しきい値よりも大きい場合には、1より大きな値となった第2フィルタ処理値DYが実ヨーレート不安定度となる。
実ヨーレート不安定度は、簡単には、トラクタTRがある程度(実ヨーレート微分値の絶対値|Y′|が第2計算開始しきい値よりも大きくなる程度)以上の速度で旋回(自転)しているときに旋回(自転)の程度に応じて大きくなる値である。算出された実ヨーレート不安定度は、乗算部133に出力される。
なお、上記の第1計算開始しきい値および第2計算開始しきい値は、本実施形態においては同じ値CSとするが、これらは異なる値であってもよい。
乗算部133は、規範ヨーレート不安定度と実ヨーレート不安定度に基づいて切返し操舵評価値TSを算出する手段である。具体的には、乗算部133は、規範ヨーレート不安定度と実ヨーレート不安定度を乗算した値を切返し操舵評価値TSとする。このようにすることで、切返し操舵評価値TSは、規範ヨーレート不安定度と実ヨーレート不安定度の双方に対し、正の相関関係を持つことができる。
なお、ここでは、切返し操舵評価値TSは、規範ヨーレートYsに関連する値および実ヨーレートYに関連する値の双方に基づいて算出しているが、いずれか一方のみによって算出してもよい。例えば、上記の規範ヨーレート不安定度または実ヨーレート不安定度のいずれかのみを切返し操舵評価値TSとしてもよい。また、規範ヨーレートYsに関連する値および実ヨーレートYに関連する値の双方に基づく場合においては、切返し操舵評価値TSが、規範ヨーレート不安定度と実ヨーレート不安定度の双方に対し、正の相関関係を持つように値を決定すればよく、例えば、規範ヨーレート不安定度と実ヨーレート不安定度の和をとって切返し操舵評価値TSとすることも可能である。
図6に示すように、しきい値設定部140は、第1条件判定部141、第2条件判定部142、第3条件判定部143、トレーラ要因係数設定部145およびベース値乗算部146を備える。
第1条件判定部141は、トラクタTRが左旋回しているときのヨーレートの値の符号を第1の符号、例えば、正と規定し、トラクタTRが右旋回しているときのヨーレートの値の符号を第2の符号、例えば、負と規定したとき、横GヨーレートYgに関連する値と、規範ヨーレートYsに関連する値とが同符号であるという第1条件を満たすか否かを判定する手段である。この判定は、具体的には、横GヨーレートYgに関連する値を横Gヨーレート微分値Yg′、規範ヨーレートYsに関連する値を規範ヨーレート微分値Ys′として、
Yg′・Ys′>0
の判定により行うことができる。この判定結果はトレーラ要因係数設定部145に出力される。
この第1条件の意味について説明する。横GヨーレートYgと、規範ヨーレートYsとは、トレーラTLの揺動によりトラクタTRが振り子運動するときには逆位相となりやすく、一方、トレーラ非牽引時のスラローム走行の場合には、同位相となりやすい。そのため、横Gヨーレート微分値Yg′と、規範ヨーレート微分値Ys′とが同符号であるということは、トレーラ非牽引時のスラローム走行である可能性が高いことを意味する。
第2条件判定部142は、規範ヨーレートYsに関連する値と横GヨーレートYgに関連する値との偏差が第1所定値C1よりも小さく、かつ規範ヨーレートYsに関連する値と実ヨーレートYに関連する値との偏差が第2所定値C2よりも小さいという第2条件を満たすか否かを判定する手段である。この判定は、具体的には、横GヨーレートYgに関連する値を横Gヨーレート微分値Yg′、規範ヨーレートYsに関連する値を規範ヨーレート微分値Ys′、実ヨーレートYに関連する値を実ヨーレート微分値Y′として、以下の2つの不等式を共に満たすか否かにより判定することができる。
|Ys′−Yg′|<C1
|Ys′−Y′|<C2
この判定結果はトレーラ要因係数設定部145に出力される。
この第2条件の意味について説明する。トレーラTLの揺動によりトラクタTRが振り子運動するときには、操舵量は比較的小さい一方、実ヨーレートYや横GヨーレートYgは増大していって規範ヨーレートYsとの差が大きくなるのに対し、トレーラ非牽引時のスラローム走行である場合には、横GヨーレートYgまたは実ヨーレートYは、規範ヨーレートYsに近い値となる。そのため、規範ヨーレートYsに関連する値(ここでは、規範ヨーレート微分値Ys′)と横GヨーレートYgに関連する値(ここでは、横Gヨーレート微分値Yg′)との偏差が第1所定値C1よりも小さいということは、トレーラ非牽引時のスラローム走行である可能性が高いことを意味する。同様に、規範ヨーレートYsに関連する値(ここでは、規範ヨーレート微分値Ys′)と実ヨーレートに関連する値(ここでは、実ヨーレート微分値Y′)との偏差が第2所定値C2よりも小さいということは、トレーラ非牽引時のスラローム走行である可能性が高いことを意味する。
第3条件判定部143は、規範ヨーレートYsに関連する値の絶対値が横GヨーレートYgに関連する値の絶対値よりも大きいという第3条件を満たすか否かを判定する手段である。この判定は、具体的には、横GヨーレートYgに関連する値を横Gヨーレート微分値Yg′、規範ヨーレートYsに関連する値を規範ヨーレート微分値Ys′として、これらの絶対値|Yg′|、|Ys′|が低下しにくいように減算フィルタなどによりフィルタ処理した値を比較し、
|Ys′|フィルタ値>|Yg′|フィルタ値
を満たすか否かにより判定することができる。
この第3条件の意味について説明する。低μ路でスラローム走行をした場合においては、操舵量を大きくしても、操舵量ほど車両が旋回しないことがあり、その際には操舵量の大きさの割には、横加速度は大きくならない。そのため、|Ys′|フィルタ値が|Yg′|フィルタ値よりも大きいということは、低μ路でスラローム走行している可能性が高いということを意味する。
トレーラ要因係数設定部145は、第1条件、第2条件および第3条件の判定結果に基づいて、トレーラ要因係数Kを設定する手段であり、走行安定係数設定部145Aおよび走行安定係数カウンタ145Bを有する。
走行安定係数設定部145Aは、トレーラ要因係数Kの設定のため、第1条件および第2条件のいずれか一方が満たされた場合には、走行安定係数A(nは今回の値であることを意味する)に1を代入し、共に満たされない場合には、走行安定係数Aに0を代入する。この走行安定係数Aは、その一時点において、実ヨーレートYの変動が、トレーラTLの揺動に起因する可能性が低い場合には1、トレーラTLの揺動に起因する可能性が高い場合には、0となる値で、時間の経過とともに、走行安定係数Aの数列は、0、0、1、0、1、1、・・・のように変化する。制御部20は、この各時点の走行安定係数An−1,A,An+1・・・を記憶している。
走行安定係数設定部145Aは、走行安定係数AをトレーラTLの揺動に起因する可能性を示す値としての取り扱いを容易にするため、走行安定係数Aを変化しにくいようにフィルタ処理した値、例えば、ローパスフィルタなどによりフィルタ処理した値を走行安定係数Bnとする。走行安定係数Bは、0以上、1以下の値を取るパラメータであり、0に近いほど、実ヨーレートYの変動がトレーラTLの揺動に起因する可能性が高いことを示し、1に近いほど、トレーラTLの揺動に起因する可能性が低いことを示す。
走行安定係数カウンタ145Bは、走行安定係数Bが所定のしきい値C3よりも大きい、または、前記した第3条件を満たしている場合には、カウント値Tをインクリメントし、そうでない場合には、カウント値Tをデクリメントする手段である。なお、カウント値Tには上限値Tmaxを設定し、インクリメントの結果、カウント値Tの値が上限値Tmaxを超える場合には、カウント値TはTmaxとする。
そして、トレーラ要因係数設定部145は、このカウント値Tと、切返し操舵評価値TSにより、トレーラ要因係数Kを算出する。トレーラ要因係数Kは、実ヨーレートYの変化がトレーラの揺動に起因するか否かを表す値で、通常時から変化があったときにトレーラの揺動に起因することを意味する。本実施形態では、トレーラ要因係数Kは、通常時にKmaxをとりトレーラの揺動を要因とする実ヨーレートYの変動がある場合に、小さくなる値である。
トレーラ要因係数Kの設定は、具体的には、まず、図7に示すようなマップ(関数F)に基づいてカウント値TからF(T)を計算し、このF(T)に切返し操舵評価値TSを乗算した値をトレーラ要因係数Kとする。なお、F(T)および切返し操舵評価値TSは、トレーラ要因係数Kを算出するための係数である。F(T)を算出するための図7のマップは、カウント値Tが所定値Tまでは、F(T)は1を取り、TからTまでは、F(T)は一定勾配で大きくなり、TからTmaxまでの間では、F(T)は、最大値Fmaxをとる。
このようにして設定されたトレーラ要因係数Kは、ベース値乗算部146に出力される。
ベース値乗算部146は、トレーラ要因係数Kと、予め記憶されている定数であるパラメータベース値に基づいてしきい値PAthを算出する手段である。具体的には、トレーラ要因係数Kにパラメータベース値を乗算することで、しきい値PAthを算出する。ここでのパラメータベース値は、車種などの違いに基づいて、判定パラメータPAとしきい値PAthを比較する際の最終的な調整のための係数である。このような調整のための係数を用いることで判定パラメータPAを車種毎に変更する必要がなくなる。
このようにしてしきい値PAthが、トレーラ要因係数Kに基づいて設定されるため、第1条件、第2条件または第3条件が(場合によってはすべてが)満たされる場合が多いと、トレーラ要因係数Kが大きくなる結果、しきい値PAthが大きくなるように変更され、トレーラTLの揺動を原因とする振り子運動が発生していることを判定し難くなる。逆に、第1条件、第2条件または第3条件が満たされる場合が少ないと、トレーラ要因係数Kが小さくなる結果、しきい値PAthが小さくなるように変更され、トレーラTLの揺動を原因とする振り子運動が発生していることを判定し易くなる。また、周期的な切返し操舵により切返し操舵評価値TSが大きくなると、トレーラ要因係数Kが大きくなり、しきい値PAthが大きくなって振り子運動が発生していることを判定し難くなり、逆に、切返し操舵評価値TSが小さくなると、トレーラ要因係数Kが小さくなり、しきい値PAthが小さくなって振り子運動が発生していることを判定し易くなる。
以上のように構成された連結車両の運動安定化装置SAの動作について説明する。
図8に示すように、運動安定化装置SAは、車輪速センサ91、舵角センサ92、横加速度センサ93およびヨーレートセンサ94からセンサの値を取得する(S1)。そして、車体速度算出部21は、車輪速センサ91から取得した信号に基づいて車体速度を算出する(S2)。次に、規範ヨーレート算出手段22は、舵角センサ92が検出した舵角と、車体速度算出部21が算出した車体速度とから規範ヨーレートYsを算出する(S3)。さらに、横Gヨーレート算出手段23は、横加速度センサ93が検出した横加速度と、車体速度算出部21が算出した車体速度とから横GヨーレートYgを算出する(S4)。
そして、微分値算出部110は、規範ヨーレートYs、横GヨーレートYgおよび実ヨーレートYの各微分値Ys′、Yg′およびY′を算出する(S5)。
そして、評価値算出部130は、規範ヨーレート微分値Ys′と、実ヨーレート微分値Y′から切返し操舵評価値TSを算出する(S100)。
この切返し操舵評価値TSの算出は、図9に示すように、規範ヨーレート不安定度算出部131が、規範ヨーレート微分値Ys′の絶対値|Ys′|を第1計算開始しきい値で除算した値をローパスフィルタ処理した第1フィルタ処理値DYsを算出し(S101)、実ヨーレート不安定度算出部132が、実ヨーレート微分値Y′の絶対値|Y′|を第2計算開始しきい値で除算した値をローパスフィルタ処理した第2フィルタ処理値DYを算出する(S102)。そして、規範ヨーレート不安定度算出部131は、DYsと1のうち大きい方をDYsとし、実ヨーレート不安定度算出部132は、DYと1のうち大きい方をDYとする(S103)。さらに、乗算部133は、DYsとDYの積を切返し操舵評価値TSとして算出する(S104)。
一方、図8に示すように、しきい値設定部140は、しきい値PAthを設定する(S200)。
このしきい値PAthの設定は、図10に示すように、まず、第1条件判定部141および第2条件判定部142により、
Yg′・Ys′>0
を満たすか、または、
|Ys′−Yg′|<C1
|Ys′−Y′|<C2
の両方を満たすかが判定される(S201)。この条件が満たされる場合(S201,Yes)、走行安定係数設定部145Aは、走行安定係数Aを1とし(S202)、この条件が満たされない場合(S201,No)、走行安定係数Aを0とする(S203)。走行安定係数設定部145Aは、Anをローパスフィルタでフィルタ処理した値を走行安定係数Bnとする(S204)。
そして、第3条件判定部143により、
|Ys′|フィルタ値>|Yg′|フィルタ値
が満たされるか判定され、走行安定係数カウンタ145Bは、この第3条件と、
Bn>C3
のいずれか一方が満たされる場合には(S205,Yes)、カウント値Tをインクリメントし(S206)、共に満たされない場合には(S205,No)、カウント値Tをデクリメントする(S207)。なお、図示は省略するが、カウント値TがTmaxを超えた場合には、Tは、Tmaxとされる。
そして、トレーラ要因係数設定部145は、カウント値Tの値から、図7に示すマップを参照してF(T)を算出するとともに、切返し操舵評価値TSをF(T)に乗算してトレーラ要因係数Kを算出する(S208)。さらに、ベース値乗算部146は、トレーラ要因係数Kに、予め記憶されているパラメータベース値を乗じてしきい値PAthを算出する(S209)。
そして、パラメータ算出部120は、ヨーレート偏差の絶対値|Y−Ys|をフィルタ処理するとともに、トレーラ要因係数Kの値に応じて判定パラメータPAを算出する(S6)。具体的には、トレーラ要因係数KがKmaxである場合には、判定パラメータPAを0とし、トレーラ要因係数KがKmaxからKの間では、トレーラ要因係数KがKに近づく程、判定パラメータPAを|Y−Ys|をフィルタ処理した値に近づけ、トレーラ要因係数KがK以下の場合には、|Y−Ys|をフィルタ処理した値をそのまま判定パラメータPAとする。
このようにして、判定パラメータPAとしきい値PAthが設定されると、図8に示すように、判定部150は、判定パラメータPAとしきい値PAthを比較して(S7)、判定パラメータPAがしきい値PAthを超えていた場合、例えば、判定パラメータPAがしきい値PAthよりも大きい場合には(S7,Yes)、トレーラTLの揺動に起因するトラクタTRの振り子運動が発生していると判定して、TSA制御手段25がTSA制御を行い(S8)、判定パラメータPAがしきい値PAth未満の場合には(S7,No)、TSA制御を行うことなく処理を終了する。
以上のような制御による、トラクタTRの各パラメータの変化を説明する。
図11は、トレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動が発生したときの各パラメータの変化を示すタイミングチャートである。トレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動が発生したとき、図11(a)に示すように、実ヨーレート微分値Y′、横Gヨーレート微分値Yg′、規範ヨーレート微分値Ys′は、いずれも周期的に変化するが、ステアリングの変化は受動的であるので、規範ヨーレート微分値Ys′は、実ヨーレート微分値Y′や横Gヨーレート微分値Yg′に比較すると小さな変動となる。そして、実ヨーレート微分値Y′、規範ヨーレート微分値Ys′および横Gヨーレート微分値Yg′は、互いに位相がかなりずれている。このような状況において、横Gヨーレート微分値Yg′と規範ヨーレート微分値Ys′とが異符号になり、走行安定係数Bを算出すると、横Gヨーレート微分値Yg′の振幅と実ヨーレート微分値Y′の振幅が大きくなり始めたところから((a)のグラフにおけるYs′を第1所定値C1および第2所定値C2に相当する分だけ所定値上下にずらした破線参照)、Bが小さくなり始める((b)参照)。
このときの、|Yg′|フィルタ値と、|Ys′|フィルタ値を示すと、(c)のように、|Yg′|フィルタ値が|Ys′|フィルタ値より大きくなっている。つまり、第3条件が満たされず、実ヨーレートYの変化がトレーラTLの揺動に起因する可能性が高くなっている。
時刻t11において、走行安定係数Bが所定のしきい値C3よりも小さくなり、|Yg′|フィルタ値が|Ys′|フィルタ値以上となると、安定走行係数カウンタのカウント値Tが徐々に小さくなっていく((d)参照)。なお、この状況においては、切返し操舵評価値TSは1のまま変化しない((e)参照)。
そのため、トレーラ要因係数Kは、それまで最大値Kmax(=Fmax)であったのが、カウント値TがTより小さくなる時刻t12から小さくなり始め、カウント値TがTとなる時刻t14では1となる。しきい値PAthは、このトレーラ要因係数Kが小さくなるのに応じて値小さくなるように変化する。
一方、判定パラメータPAは、トレーラ要因係数KがKmaxにある間(〜t12)は、0であり、トレーラ要因係数Kが所定値K以下になったときに、ヨーレート偏差の絶対値|Ys−Y|のフィルタ値を取る。そして、時刻t12の後、トレーラ要因係数Kの変化に倣ってしきい値PAthが小さい方へ変化するとともに、判定パラメータPAが大きい方へ変化する。その後、判定パラメータPAが徐々に大きくなり、時刻t13に判定パラメータPAがしきい値PAthを超えることで、トレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動の発生が判定され、TSA制御が開始される。
そして、TSA制御により、振り子運動が徐々に収まり、走行安定係数Bが大きくなり、時刻t15においてしきい値C3よりも大きくなると、カウント値Tがインクリメントされ始め、トレーラ要因係数Kが大きい方に変化するとともにしきい値PAthが大きい方に変化する。そして、時刻t16になって、判定パラメータPAがしきい値PAthを下回ると、トレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動が発生していない(つまり、終了した)と判定され、TSA制御が終了する。
次に、トラクタTRが、トレーラ非牽引時にスラローム走行をしている場合の各パラメータの変化について図12および図13を参照して説明する。
図13(a)に示すように、トレーラ非牽引時に高μ路でスラローム走行をすると、実ヨーレート微分値Y′、横Gヨーレート微分値Yg′および規範ヨーレート微分値Ys′は、同様の位相で変化し、値としても略同じ値をとる。もっとも、操舵速度が特に速くなると、これらの値には、多少のずれが生じてくる。
このような急操舵の繰り返しが長く続くと、図12(a)に示すように、第1フィルタ処理値DYsおよび第2フィルタ処理値DYが徐々に大きくなってくる。そして、時刻t21で第1計算開始しきい値および第2開始計算しきい値であるCSを超えると、(b)に示すようにヨーレート不安定度と規範ヨーレート不安定度が大きくなり始め、これらの乗算値である切返し操舵評価値TSは、さらに極端に大きくなる。
図13においては、時刻t21以前のグラフを大きく省略している。図13において、時刻t21までのように、通常のスラローム走行においては、第1条件〜第3条件の判定の効果で、トレーラ要因係数Kが小さくなることが抑制され、誤ってトレーラTLの揺動に起因するトラクタTRの振り子運動を判定することが無い。しかし、図13の時刻t22以降に示すように、スラローム走行において、ステアリングSTを非常に急に操作することを継続すると、走行安定係数Bnが小さくなって、カウント値TおよびF(T)が小さくなり、時刻t24〜t25のように判定パラメータPAが大きくなるとともにしきい値PAthが小さくなることがある。しかし、本実施形態においては、トレーラ要因係数Kの計算の際に、周期的な切返し操舵をしている可能性を示す切返し操舵評価値TSを乗算しているため、トレーラ要因係数Kは、1よりも大分大きな値となり、しきい値PAthは、それほど小さくならず、判定パラメータPAがしきい値PAth以上にはならない。そのため、急で、周期的な切返し操舵を繰り返したとしても、誤ってトレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動の発生を判定することが無い。
このようにして、本実施形態によれば、規範ヨーレート微分値Ys′に対する横Gヨーレート微分値Yg′の相関関係および規範ヨーレート微分値Ys′に対する実ヨーレート微分値Y′の相関関係に基づき、トレーラ要因係数Kが算出され、このトレーラ要因係数Kに基づき、しきい値PAthおよび判定パラメータPAが変更されるので、実ヨーレートYの変動が、トレーラTLの揺動に起因するか否かを考慮した上でトラクタTRの振り子運動が判定される。そのため、トレーラ非牽引時のスラローム走行と、トレーラTLの揺動に起因するトラクタTRの振り子運動とを区別して、トレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動を誤判定する可能性を低くすることができる。
また、本実施形態においては、横GヨーレートYgに関連する値として横Gヨーレート微分値Yg′を用い、規範ヨーレートYsに関連する値として規範ヨーレート微分値Ys′を用い、実ヨーレートYに関連する値として実ヨーレート微分値Y′を用いているので、車両が旋回中であったり、センサの値にゼロ点のずれがあったりした場合であっても、各ヨーレートの微分値は、これらの影響を受けることがない。このため、トレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動をより適切に判定することができる。
また、本実施形態においては、切返し操舵評価値TSの算出は、規範ヨーレートYsの継続的な変動と、実ヨーレートYの継続的な変動の両方に基づいているので、スラローム走行のように周期的な切返しの繰り返しを的確に数値化することができる。そして、切返し操舵評価値TSが大きい程、振り子運動が発生していることを判定し難くなるようにしきい値PAthおよび判定パラメータPAの少なくとも一方を変更するので、トレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動を誤判定する可能性を低くすることができる。
また、本実施形態においては、規範ヨーレート微分値Ys′の絶対値が第1計算開始しきい値よりも大きくなった、トレーラ非牽引時の周期的な切返し操舵の可能性が高い場合のみに、規範ヨーレート不安定度が大きくなるようにすることで、トレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動を適切に判定することができる。同様に、実ヨーレート微分値Y′の絶対値が第2計算開始しきい値よりも大きくなった、トレーラ非牽引時の周期的な切返し操舵の可能性が高い場合のみに、実ヨーレート不安定度が大きくなるようにすることで、トレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動を適切に判定することができる。
以上に本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、切返し操舵評価値TS、走行安定係数B、|Ys′|フィルタ値、|Yg′|フィルタ値、カウント値T、トレーラ要因係数Kなどに基づいて、判定パラメータPAとしきい値PAthの両方を変更していたが、いずれか一方のみを変更しても構わない。すなわち、これらの要素により得られた、実ヨーレートYの変動がトレーラTLの揺動に起因するものかどうかの数値を判定パラメータPAとしきい値PAthのいずれに反映させるかは任意に設定することができる。
前記実施形態においては、横GヨーレートYgに関連する値として横Gヨーレート微分値Yg′を用い、規範ヨーレートYsに関連する値として規範ヨーレート微分値Ys′を用い、実ヨーレートYに関連する値として実ヨーレート微分値Y′を用いたが、これに限定されることなく、横GヨーレートYg、規範ヨーレートYs、実ヨーレートYをそのまま用いてもよいし、必要に応じて適宜な係数を掛けて用いてもよい。
20 制御部
21 車体速度算出部
22 規範ヨーレート算出手段
23 横Gヨーレート算出手段
25 TSA制御手段
100 振り子運動判定手段
110 微分値算出部
120 パラメータ算出部
130 評価値算出部
131 規範ヨーレート不安定度算出部
132 実ヨーレート不安定度算出部
133 乗算部
140 しきい値設定部
141 第1条件判定部
142 第2条件判定部
143 第3条件判定部
145 トレーラ要因係数設定部
145A 走行安定係数設定部
145B 走行安定係数カウンタ
146 ベース値乗算部
150 判定部
SA 運動安定化装置
TL トレーラ
TR トラクタ
前記したように、横Gヨーレートと、規範ヨーレートとは、トレーラの揺動によりトラクタが振り子運動するときには逆位相となりやすく、一方、トレーラ非牽引時のスラローム走行の場合には、同位相となりやすい。そのため、横Gヨーレートに関連する値と、規範ヨーレートに関連する値とが同符号であるという第1条件を満たした場合には、トレーラ非牽引時のスラローム走行である可能性が高いので、振り子運動が発生していることを判定し難くなるようにしきい値および判定パラメータの少なくとも一方を変更することで、トレーラの揺動によるトラクタ振り子運動を誤判定する可能性を低くすることができる。
前記した装置は、具体的な一例として、前記しきい値設定部は、前記トラクタが左旋回しているときのヨーレートの値の符号を第1の符号と規定し、前記トラクタが右旋回しているときのヨーレートの値の符号を第2の符号と規定したとき、前記横Gヨーレートに関連する値と、前記規範ヨーレートに関連する値とが同符号であることを第1条件、前記規範ヨーレートに関連する値と前記横Gヨーレートに関連する値との偏差が第1所定値より小さくかつ前記規範ヨーレートに関連する値と前記実ヨーレートに関連する値との偏差が第2所定値より小さいことを第2条件、前記規範ヨーレートに関連する値の絶対値が前記横Gヨーレートに関連する値の絶対値よりも大きいことを第3条件、として、前記第1条件、前記第2条件および前記第3条件の少なくとも1つの条件が満たされた場合に増大し、前記第1条件、前記第2条件および前記第3条件のすべてを満たさない場合に減少するように変化するトレーラ要因係数を設定し、前記トレーラ要因係数に、所定の係数であるパラメータベース値を乗算して前記しきい値を算出することができる。
この構成において、前記しきい値設定部は、前記第1条件および前記第2条件のうち少なくとも一方の条件が満たされた場合に増大し、前記第1条件および前記第2条件のすべてを満たさない場合に減少する走行安定係数を算出する走行安定係数算出部と、前記走行安定係数が第3所定値より大きい場合または前記第3条件を満たした場合にカウント値をインクリメントし、前記走行安定係数が第3所定値以下で、かつ、前記第3条件を満たさない場合にカウント値をデクリメントする走行安定係数カウンタとを備え、前記トレーラ要因係数を、前記カウント値が大きい程大きい値となるように設定する構成とすることができる。
評価値算出部130は、実ヨーレートYに関連する値および規範ヨーレートYsに関連する値の少なくとも一方の値に基づいて、周期的な切返し操舵をしている可能性を示す切返し操舵評価値TSを算出する手段である。ここでは、評価値算出部130は、規範ヨーレート微分値Ys′および実ヨーレート微分値Y′に基づいて切返し操舵評価値TSを算出する。切返し操舵評価値TSは、トレーラ非牽引時の、特に高μ路におけるスラローム走行の可能性が高い場合に大きくなる値であり、算出のための詳細な構成は後述する。
走行安定係数設定部145Aは、トレーラ要因係数Kの設定のため、第1条件および第2条件の少なくとも一方が満たされた場合には、走行安定係数A(nは今回の値であることを意味する)に1を代入し、共に満たされない場合には、走行安定係数Aに0を代入する。この走行安定係数Aは、その一時点において、実ヨーレートYの変動が、トレーラTLの揺動に起因する可能性が低い場合には1、トレーラTLの揺動に起因する可能性が高い場合には、0となる値で、時間の経過とともに、走行安定係数Aの数列は、0、0、1、0、1、1、・・・のように変化する。制御部20は、この各時点の走行安定係数An−1,A,An+1・・・を記憶している。
走行安定係数設定部145Aは、走行安定係数AをトレーラTLの揺動に起因する可能性を示す値としての取り扱いを容易にするため、走行安定係数Aを変化しにくいようにフィルタ処理した値、例えば、ローパスフィルタなどによりフィルタ処理した値を走行安定係数B とする。走行安定係数Bは、0以上、1以下の値を取るパラメータであり、0に近いほど、実ヨーレートYの変動がトレーラTLの揺動に起因する可能性が高いことを示し、1に近いほど、トレーラTLの揺動に起因する可能性が低いことを示す。
一方、図8に示すように、しきい値設定部140は、しきい値PAthを設定する(S200)。
このしきい値PAthの設定は、図10に示すように、まず、第1条件判定部141および第2条件判定部142により、
Yg′・Ys′>0
を満たすか、または、
|Ys′−Yg′|<C1
|Ys′−Y′|<C2
の両方を満たすかが判定される(S201)。この条件が満たされる場合(S201,Yes)、走行安定係数設定部145Aは、走行安定係数Aを1とし(S202)、この条件が満たされない場合(S201,No)、走行安定係数Aを0とする(S203)。走行安定係数設定部145Aは、A をローパスフィルタでフィルタ処理した値を走行安定係数B とする(S204)。
そして、第3条件判定部143により、
|Ys′|フィルタ値>|Yg′|フィルタ値
が満たされるか判定され、走行安定係数カウンタ145Bは、この第3条件と、
>C3
のいずれか一方が満たされる場合には(S205,Yes)、カウント値Tをインクリメントし(S206)、共に満たされない場合には(S205,No)、カウント値Tをデクリメントする(S207)。なお、図示は省略するが、カウント値TがTmaxを超えた場合には、Tは、Tmaxとされる。
時刻t11において、走行安定係数Bが所定のしきい値C3よりも小さくなり、|Yg′|フィルタ値が|Ys′|フィルタ値以上となると、走行安定係数カウンタ145Bのカウント値Tが徐々に小さくなっていく((d)参照)。なお、この状況においては、切返し操舵評価値TSは1のまま変化しない((e)参照)。
そのため、トレーラ要因係数Kは、それまで最大値Kmax(=Fmax)であったのが、カウント値TがTより小さくなる時刻t12から小さくなり始め、カウント値TがTとなる時刻t14では1となる。しきい値PAthは、このトレーラ要因係数Kが小さくなるのに応じて値小さくなるように変化する。
図13においては、時刻t21以前のグラフを大きく省略している。図13において、時刻t21までのように、通常のスラローム走行においては、第1条件〜第3条件の判定の効果で、トレーラ要因係数Kが小さくなることが抑制され、誤ってトレーラTLの揺動に起因するトラクタTRの振り子運動を判定することが無い。しかし、図13の時刻t22以降に示すように、スラローム走行において、ステアリングSTを非常に急に操作することを継続すると、走行安定係数B が小さくなって、カウント値TおよびF(T)が小さくなり、時刻t24〜t25のように判定パラメータPAが大きくなるとともにしきい値PAthが小さくなることがある。しかし、本実施形態においては、トレーラ要因係数Kの計算の際に、周期的な切返し操舵をしている可能性を示す切返し操舵評価値TSを乗算しているため、トレーラ要因係数Kは、1よりも大分大きな値となり、しきい値PAthは、それほど小さくならず、判定パラメータPAがしきい値PAth以上にはならない。そのため、急で、周期的な切返し操舵を繰り返したとしても、誤ってトレーラTLの揺動によるトラクタTRの振り子運動の発生を判定することが無い。

Claims (7)

  1. トラクタと、当該トラクタに対し横方向に揺動可能に連結されるトレーラとを備えてなる連結車両の運動安定化装置であって、
    前記トラクタの実ヨーレートを取得するヨーレート取得手段と、
    前記トラクタの横加速度を取得する横加速度取得手段と、
    前記トラクタの舵角を取得する舵角取得手段と、
    前記トラクタの車体速度を取得する車体速度取得手段と、
    前記横加速度と前記車体速度に基づいて推定されるヨーレートである横Gヨーレートを算出する横Gヨーレート算出手段と、
    前記舵角と前記車体速度とから規範ヨーレートを算出する規範ヨーレート算出手段と、
    前記トラクタに、前記トレーラの揺動による振り子運動が発生しているか否かを判定する振り子運動判定手段とを備え、
    前記振り子運動判定手段は、
    前記実ヨーレートの変動の大きさを表す判定パラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記判定パラメータに対するしきい値を算出するしきい値設定部と、
    前記判定パラメータが前記しきい値を超えた場合に振り子運動の発生を判定する判定部とを備えて構成され、
    前記規範ヨーレートに関連する値に対する前記横Gヨーレートに関連する値の相関関係および前記規範ヨーレートに関連する値に対する前記実ヨーレートに関連する値の相関関係の少なくとも一方の相関関係に基づき、前記しきい値および前記判定パラメータの少なくとも一方を変更することを特徴とする連結車両の運動安定化装置。
  2. 前記振り子運動判定手段は、
    前記トラクタが左旋回しているときのヨーレートの値の符号を第1の符号と規定し、前記トラクタが右旋回しているときのヨーレートの値の符号を第2の符号と規定したとき、
    前記横Gヨーレートに関連する値と、前記規範ヨーレートに関連する値とが同符号であるという第1条件を満たした場合に、前記振り子運動が発生していることを判定し難くなるように前記しきい値および前記判定パラメータの少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1に記載の連結車両の運動安定化装置。
  3. 前記振り子運動判定手段は、
    前記規範ヨーレートに関連する値と前記横Gヨーレートに関連する値との偏差が第1所定値よりも小さく、かつ前記規範ヨーレートに関連する値と前記実ヨーレートに関連する値との偏差が第2所定値よりも小さいという第2条件を満たした場合に、前記振り子運動が発生していることを判定し難くなるように前記しきい値および前記判定パラメータの少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連結車両の運動安定化装置。
  4. 前記振り子運動判定手段は、
    前記規範ヨーレートに関連する値の絶対値が前記横Gヨーレートに関連する値の絶対値よりも大きいという第3条件を満たした場合に、前記振り子運動が発生していることを判定し難くなるように前記しきい値および前記判定パラメータの少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の連結車両の運動安定化装置。
  5. 前記しきい値設定部は、
    前記トラクタが左旋回しているときのヨーレートの値の符号を第1の符号と規定し、前記トラクタが右旋回しているときのヨーレートの値の符号を第2の符号と規定したとき、
    前記横Gヨーレートに関連する値と、前記規範ヨーレートに関連する値とが同符号であることを第1条件、
    前記規範ヨーレートに関連する値と前記横Gヨーレートに関連する値との偏差が第1所定値以内かつ前記規範ヨーレートに関連する値と前記実ヨーレートに関連する値との偏差が第2所定値以内であることを第2条件、
    前記規範ヨーレートに関連する値の絶対値が前記横Gヨーレートに関連する値の絶対値よりも大きいことを第3条件、として、
    前記第1条件、前記第2条件および前記第3条件の少なくとも1つの条件が満たされた場合に増大し、前記第1条件、前記第2条件および前記第3条件のすべてを満たさない場合に減少するように変化するトレーラ要因係数を設定し、前記トレーラ要因係数に、所定の係数であるパラメータベース値を乗算して前記しきい値を算出することを特徴とする請求項1に記載の連結車両の運動安定化装置。
  6. 前記しきい値設定部は、
    前記第1条件および前記第2条件のうち少なくとも一方の条件が満たされた場合に増大し、前記第1条件および前記第2条件のすべてを満たさない場合に減少する走行安定係数を算出する走行安定係数算出部と、
    前記走行安定係数が第3所定値以上となった場合または前記第3条件を満たした場合にカウント値をインクリメントし、前記走行安定係数が第3所定値未満で、かつ、前記第3条件を満たさない場合にカウント値をデクリメントする走行安定係数カウンタとを備え、
    前記トレーラ要因係数を、前記カウント値が大きい程大きい値となるように設定することを特徴とする請求項5に記載の連結車両の運動安定化装置。
  7. 前記横Gヨーレートに関連する値は、横Gヨーレートの微分値であり、前記規範ヨーレートに関連する値は、規範ヨーレートの微分値であり、前記実ヨーレートに関連する値は、実ヨーレートの微分値であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の連結車両の運動安定化装置。
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