JP2013204644A - 低温液化ガスの冷熱回収方法およびその方法を実現するための構成を含む低温液化ガス気化装置 - Google Patents

低温液化ガスの冷熱回収方法およびその方法を実現するための構成を含む低温液化ガス気化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低温液化ガスを気化させて利用する際に、外部の熱を取り入れて効率的に電気エネルギーを回収する。
【解決手段】液体窒素気化装置100Aは、液体窒素(LN)が貯蔵される貯槽(コールドエバポレータ)1と、その出口弁2と、貯槽1からの液体窒素が供給される、並行して配設された3つの加圧容器3a,3b,3cと、それらの入口にそれぞれ配設された入口弁4a,4b,4cと、それらの出口にそれぞれ配設された出口弁5a,5b,5cと、各加圧容器3a,3b,3cから放出された窒素ガス(GN)を膨張させる膨張機6と、その膨張機6に付随した発電機7と、膨張機6により膨張した窒素ガスを等圧加熱させるための熱交換器8と、窒素ガス生成供給経路の最下流に設けられた送ガス弁9と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、低温液化ガスの冷熱回収方法およびその方法を実現するための構成を含む低温液化ガス気化装置に関するものである。
液体窒素(LN)、液体酸素(LO)、LPガスなどは、貯蔵と輸送の観点から液体の形態で流通しているが、ほとんどの場合、これらの液化ガスは、蒸発器でガス化され利用される。
図10は、液化ガスの生成から貯槽への貯蔵を経て蒸発器でガス化されるまでの概略系統図である。製造拠点において、分離エネルギー、液化エネルギー等が供給されて気体分離装置81を介して製造された液体窒素、液体酸素等の液化ガスは、ローリー82等でユースポイントに運ばれ、一旦、弁83の備わった貯槽(コールドエバポレータ)1に貯蔵される。貯槽1に貯蔵された例えば液体窒素等の液化ガスは、加熱用蒸発器84、調節弁85、弁86を介して加圧されて蒸発器87(典型的には、空温式蒸発器)に送られ、例えば大気の熱により気化され、窒素ガスとして供給される。
しかしながら、図10に示したシステムでは、液化ガスの冷熱は単に大気に放冷されることになる。
かかる観点に関し、そのときの冷熱を回収する装置や方法も開示されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開2007−107733号公報 特開2003−130564号公報
しかしながら、前述の従来の装置や方法では、効率よく冷熱を回収することはできないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、低温液化ガスを気化させて利用する際に、外部の熱を取り入れて効率的に電気エネルギーを回収することができる冷熱回収方法およびその方法を実現するための構成を含む低温液化ガス気化装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の低温液化ガスの冷熱回収方法は、低温液化ガスを気化させて利用する際に、その低温液化ガスから冷熱を回収する方法であって、前記低温液化ガスに外部熱を与えて、高圧ガスを生成する工程と、前記高圧ガスを膨張させ、その遷移で生ずるエネルギーを電気エネルギーとして回収する工程と、を備えたことを要旨とする。ここで、前記膨張したガスに対して外部熱を再び加えて再加熱する工程を更に備えることが一般的である。
また、前記膨張回収工程と前記再加熱工程とを、複数回繰り返すことが好適であり、特に好適には、各膨張回収工程における前記ガスの膨張比は略3である。
また、上記目的を達成するため、本発明の低温液化ガス気化装置は、低温液化ガスを気化させる低温液化ガス気化装置であって、前記低温液化ガスが導入されると共に、外部熱が与えられて前記低温液化ガスが高圧ガスとして密閉される加圧容器と、前記加圧容器から放出された前記高圧ガスを膨張させる膨張機と、前記膨張機による膨張の過程で生ずるエネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、を備えたことを要旨とする。ここで、前記膨張したガスに対して外部熱を再び加えて再加熱するための熱交換器を更に備えることが一般的である。
また、前記膨張機、発電機、および熱交換器は、直列的に接続された3つの膨張機、発電機、および熱交換器からそれぞれなることが好適であり、特に好適には、各膨張機における膨張比は略3である。
また、具体的には、前記加圧容器は、前記低温液化ガスを並列的に導入する3つの加圧容器からなり、各加圧容器は、内部の一部分に前記低温液化ガスを導入する工程と、導入した前記低温液化ガスを加熱して、そのすべてをガス化して高圧化する工程と、前記高圧ガスを放出する工程の3つの工程を、それぞれがずらして巡回的に行う。
あるいは、具体的には、前記加圧容器は、前記低温液化ガスを並列的に導入する2つの加圧容器からなり、また、その2つの加圧容器の後段に加温容器を更に備え、各加圧容器は、内部の一部分に前記低温液化ガスを導入する工程と、導入した前記低温液化ガスを加熱して、高圧ガスを生成する工程の2つの工程を、それぞれが交互に繰り返し、前記加温容器は、各加圧容器から放出された高圧ガスを導入し、加熱して更に高圧なガスを生成する。
本発明の冷熱回収方法および低温液化ガス気化装置によれば、低温液化ガスを気化させて利用する際に、外部の熱を取り入れて効率的に電気エネルギーを回収することができる。
特に、膨張回収・再加熱工程や膨張機・熱交換器を多段とすれば、最適な膨張比(例えば3)で設計できる。
また、加圧容器を並列的に3つ設け、各加圧容器が、内部の一部分に前記低温液化ガスを導入する工程と、導入した前記低温液化ガスを加熱して、そのすべてをガス化して高圧化する工程と、前記高圧ガスを放出する工程の3つの工程を、それぞれがずらして巡回的に行うようにすれば、常時連続的に、高圧ガスを膨張機に供給することができる。
本発明の低温液化ガスの冷熱回収方法を実現するための機能構成が組み込まれた低温液化ガス気化装置の第1実施形態の系統構成図である。 図1に示された液体窒素気化装置における液体窒素気化処理に伴った冷熱回収方法を説明するための図である。 図1に示された液体窒素気化装置における液体窒素気化処理に伴った冷熱回収方法を説明するための図である。 図1に示された液体窒素気化装置における液体窒素気化処理に伴った冷熱回収方法を説明するための図である。 実施例1を説明するための図である。 本発明の低温液化ガスの冷熱回収方法を実現するための機能構成が組み込まれた低温液化ガス気化装置の第2実施形態の系統構成図である。 実施例2に係る具体的なT−S線図を示す図である。 本発明の低温液化ガスの冷熱回収方法を実現するための機能構成が組み込まれた低温液化ガス気化装置の第3実施形態の系統構成図である。 各実施形態の変形例を説明するための図である。 液化ガスの生成から貯槽への貯蔵を経て蒸発器でガス化されるまでの概略系統図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の低温液化ガスの冷熱回収方法を実現するための機能構成が組み込まれた低温液化ガス気化装置の第1実施形態の系統構成図である。
同図に示した液体窒素気化装置100Aは、液体窒素(LN)が貯蔵される貯槽(コールドエバポレータ)1と、その出口弁2と、貯槽1からの液体窒素が供給される、並行して配設された3つの加圧容器3a,3b,3cと、それらの入口にそれぞれ配設された入口弁4a,4b,4cと、それらの出口にそれぞれ配設された出口弁5a,5b,5cと、各加圧容器3a,3b,3cから放出された窒素ガス(GN)を膨張させる膨張機6と、その膨張機6に付随した発電機7と、膨張機6により膨張した窒素ガスを等圧加熱させるための熱交換器8と、窒素ガス生成供給経路の最下流に設けられた送ガス弁9と、液体窒素を従来方式で気化させるためのバイパス経路に設けられた予備蒸発器10と、バイパス経路を遮断するためのバイパス弁11とを備えている。
図2乃至4は、図1に示された液体窒素気化装置における液体窒素気化処理に伴った冷熱回収方法を説明するための図である。
そこで、まず、3つの加圧容器3a,3b,3cにおいては、表1に示すように、それぞれが互いに時間的にシフトして、3つの工程、すなわち後述の「チャージ工程」、「加圧工程」、および「高圧放出工程」、を繰り返し経るように設計されている。これにより、任意の時間において、いずれかの加圧容器3から高圧窒素ガスが膨張機6に供給されることとなる。
Figure 2013204644
図2を参照して、ある1つの加圧容器3に着目して、「チャージ工程」→「加圧工程」→「高圧放出工程」の遷移について説明する。
同図に示すように、入口弁4を開状態、出口弁5を閉状態とすることで、チャージ工程が開始される。なお、貯槽1の出口弁2は、動作中は常に開状態のままでよい。前述のように、いずれかの加圧容器3が必ずチャージ工程にあるからである。
そして、気相を残して、状態ST(圧力P,温度T)となった段階でチャージ工程を終了する。なお、液体窒素で完全に加圧容器3を満たしてしまうと、次述の加圧工程において、その充填した液体窒素を気化できない。従って、次述の加圧工程において、充填した液体窒素のすべてが気化した所定圧力の窒素ガスが得られるためには、このチャージ工程において充填する量は、気相が残る量であって、予め決められた所定量となる。
次に、入口弁4を閉じて、加圧工程(液封加圧工程または気化加圧工程とも称す)を開始する。すなわち、密閉され所定の状態STにある加圧容器3に対し、大気などの外部熱を加えることにより、内部の液体窒素を徐々に気化させる。なお、このときスチームや温水で加熱すると、水分が凍結するおそれがあるため、乾燥ガスにより加熱することが好適である。図3は、加熱による加圧のための具体的構成を示す図である。加圧容器3を加熱ジャケット31で覆い、それに圧送窒素を送る。そして、熱を奪われ冷やされた圧送窒素を加熱部32へ戻してそこで温水等で温度を回復させる。
内部の液体窒素がすべて気化した段階で加圧工程を終了する。このときの状態を状態ST(圧力P,温度T)と表記する。なお、P>P、T>Tである。
次に、出口弁5を開いて、高圧放出工程を開始する。すなわち、出口弁5を開くと、高圧窒素ガスが加圧容器3から放出される。放出が終了すると高圧放出工程が終了し、その後、その加圧容器3は、入口弁4が開状態、出口弁5が閉状態となって、チャージ工程に戻る。そして、各工程を繰り返す。
図4を参照して、いずれかの加圧容器3から放出された高圧窒素ガスは、膨張機6を経て膨張する(膨張工程)。この膨張工程における膨張作用を利用して、膨張機6に付随した発電機7が、その圧力エネルギーを電気エネルギーに変換して、電気エネルギーとして取り出せるようにする。
膨張機6を介した膨張後の窒素ガスの状態を状態ST(圧力P,温度T)とする。ここで、当然P<Pであるが、ここでの膨張は、等エントロピ膨張であるので、温度も低下する。すなわち、T<Tである。
状態STの窒素ガスは、低温ガスとしてこのまま使用することも可能であるが、通常は、熱交換器8により外部熱で加熱して使用される(再加熱工程)。再加熱後の窒素ガスの状態を状態ST(圧力P,温度T)とすると、当該再加熱工程は、等圧工程であるから、P=P、T>Tとなる。そして、送ガス弁9を介して状態ST(圧力P,温度T)の窒素ガスとして送出される。なお、少なくともT=Tとして温度は維持する。
以上のように、本実施形態においては、発電のもとになるエネルギーは大気や廃熱などの外部の熱であり、液化ガス(液体窒素)はヒートポンプの媒体となるが、気化した窒素ガスは供給先で消費されるため元の液化ガスに戻る必要はない。つまり一種の外燃機関であり、そのサイクルは、作動流体は元の位置に戻らないオープンサイクルである。
また、外部から与えられた総熱量より所定の液体窒素の気化に必要な熱を除いた残りが発電に使える最大のエネルギーとなる。
(実施例1)
本発明者は、具体的な条件の下で、上記実施形態を実験により検証した。
すなわち、加圧容器3の容積を1mとし、チャージ工程終了後の状態STを、P=0.5MPa、T=80Kとし、加圧工程後の状態STを、P=10MPa、T=300Kとした。そこで、状態STにおいては、密度は、ρ=117kg/mであることから、液体窒素の量が容積比14%となるような総充填量が必要となる。言い換えれば、温度80Kでの気液に密度比が1:133であることから、重量比においては、液体窒素が95.7%となる。
故に、まとめると、状態ST(P=0.5MPa、T=80K)において、気相部分に関し、気体密度ρ=6kg/m、気体容積V=0.86m、充填量W=5.2kgであり、液体部分に関し、液体密度ρ=800kg/m、液体容積V=0.14m、充填量W=112kgと逆に規定できる。従って、総充填量W=117kg(93.6Nm)が必要となる。また、このとき、エンタルピH=−12500kJであり、更に、気相部分の比エンタルピh=79kJ/kg、液体部分の比エンタルピh=−115kJ/kgである。
内部が状態STにある加圧容器3に対して、熱量Q=75600kJ(21kWh)の熱量を加える加圧工程を経ると、加圧容器3内は状態ST(P=10MPa、T=300K)の高圧窒素ガスとなる(図5参照)。このとき、エンタルピH=63060kJであり、比エンタルピh=539kJ/kgである。
次に、上記状態STにある窒素ガスが、加圧容器3から放出され、膨張機6による膨張工程を経ると、状態ST(P=1MPa、T=120K)のガスとなる(図5参照)。このとき、エンタルピH=42003kJであり、比エンタルピh=359kJ/kgである。一方、このとき、発電機7により6kWhの電気エネルギーが生成される(図5参照)。なお、膨張の過程でガスが供給されないため、入口圧力は徐々に低下する。
次に、上記状態STにある窒素ガスに対して、熱交換器8により、熱量Q=23167kJ(6.4kWh)の熱量を加える再加熱工程を経て、送ガス弁9を介した後は、最終的に状態STの窒素ガス、すなわち、P=0.5MPa、T=300K、エンタルピH=65170kJの窒素ガスとして供給される。
なお、図5において、右側の迂回経路は、従来の工程であり、通常の蒸発器で熱量Q=76700kJ(21.4kWh)を加えて気化する場合を示している。
<第2実施形態>
上述の第1実施形態においては、最も単純な例として、1回(1段)の膨張工程を経て窒素ガスを膨張させ、電気エネルギーを収集するようにしたが、膨張比が10である。しかしながら、一般的には膨張比は3程度が機械装置としては妥当な値であるから、2段以上の膨張工程に分けて行うことが好ましいこととなる。また、膨張が多段になると各段のエンタルピ落差は小さくなるが、途中の再加熱によって受け取るエネルギーが増え、発電量が増すという利点が生ずる。
従って、この実施形態においては、多段の膨張工程を採用した場合を説明する。図6は、本発明の低温液化ガスの冷熱回収方法を実現するための機能構成が組み込まれた低温液化ガス気化装置の第2実施形態の系統構成図である。なお、図1に示した第1実施形態に係る液体窒素気化装置100Aと同一構成部については、同符号を付し、説明を省略する。
そこで、図6に示した液体窒素気化装置100Bは、液体窒素気化装置100Aとは異なり、3段の膨張工程のための構成を備えている。具体的には、3つの膨張機6a〜6cと、3つの発電機7a〜7cと、3つの熱交換器8a〜8cを備えている。
まず、加圧容器3におけるチャージ工程、加圧工程、および高圧放出工程については、第1実施形態と同様である。
次に、3段の膨張工程と再加熱工程について説明する。
図6を参照して、いずれかの加圧容器3から放出された高圧窒素ガスは、膨張機6aを経て膨張する(第1膨張工程)。この膨張工程における膨張作用を利用して、膨張機6aに付随した発電機7aが、その圧力エネルギーを電気エネルギーに変換して、電気エネルギーQe1として取り出せるようにする。膨張機6aを介した膨張後の窒素ガスの状態を状態ST(圧力P,温度T)とする。ここで、当然P<Pであるが、ここでの膨張は、等エントロピ膨張であるので、温度も低下する。すなわち、T<Tである。
続いて、熱交換器8aにより外部熱で加熱する(第1再加熱工程)。この再加熱後の窒素ガスの状態を状態ST(圧力P,温度T)とすると、当該再加熱工程は、等圧工程であるから、P=P、T>Tとなる。
第1再加熱後の窒素ガスを、膨張機6bを経て再び膨張させる(第2膨張工程)。この膨張工程における膨張作用を利用して、膨張機6bに付随した発電機7bが、その圧力エネルギーを電気エネルギーに変換して、電気エネルギーQe2として取り出せるようにする。膨張機6bを介した膨張後の窒素ガスの状態を状態ST(圧力P,温度T)とする。ここで、当然P<Pであるが、ここでの膨張は、等エントロピ膨張であるので、温度も低下する。すなわち、T<Tである。
続いて、熱交換器8bにより外部熱で加熱する(第2再加熱工程)。この再加熱後の窒素ガスの状態を状態ST(圧力P,温度T)とすると、当該再加熱工程は、等圧工程であるから、P=P、T>Tとなる。
第2再加熱後の窒素ガスを、膨張機6cを経て再び膨張させる(第3膨張工程)。この膨張工程における膨張作用を利用して、膨張機6cに付随した発電機7cが、その圧力エネルギーを電気エネルギーに変換して、電気エネルギーQe3として取り出せるようにする。膨張機6cを介した膨張後の窒素ガスの状態を状態ST(圧力P,温度T)とする。ここで、当然P<Pであるが、ここでの膨張は、等エントロピ膨張であるので、温度も低下する。すなわち、T<Tである。
続いて、熱交換器8cにより外部熱で加熱する(第3再加熱工程)。この再加熱後の窒素ガスの状態を状態ST(圧力P,温度T)とすると、当該再加熱工程は、等圧工程であるから、P=P、T>Tとなる。
このように第1実施形態と同様、発電のもとになるエネルギーは大気や廃熱などの外部の熱であり、液化ガス(液体窒素)はヒートポンプの媒体となるが、気化した窒素ガスは供給先で消費されるため元の液化ガスに戻る必要はない。つまり一種の外燃機関であり、そのサイクルは、作動流体は元の位置に戻らないオープンサイクルである。
また、外部から与えられた総熱量より所定の液体窒素の気化に必要な熱を除いた残りが発電に使える最大のエネルギーとなる。
(実施例2)
本発明者は、具体的な条件の下で、上記実施形態を実験により検証した。
図7は、この実施例2に係る具体的なT−S線図を示す図である。また、表2は、各状態STの具体的数値を示す表である。
Figure 2013204644
表2に示すように、状態STは、圧力P=10MPa、温度T=300K、エンタルピh=539kJ/kgである。この状態STから第1膨張工程を経て状態ST(P=3MPa、温度T=195K、エンタルピh=440kJ/kg)に遷移する際に、電気エネルギーQe1=3.4kWhが生成される。また、第1再加熱工程において、状態STに対して外部熱としてQh1=3.9kWhの熱量を加えると、状態ST(P=3MPa、温度T=300K、エンタルピh=552kJ/kg)に遷移する。
また、この状態STから第2膨張工程を経て状態ST(P=1MPa、温度T=225K、エンタルピh=475kJ/kg)に遷移する際に、電気エネルギーQe2=2.7kWhが生成される。また、第2再加熱工程において、状態STに対して外部熱としてQh2=2.8kWhの熱量を加えると、状態ST(P=1MPa、温度T=300K、エンタルピh=557kJ/kg)に遷移する。
更に、この状態STから第3膨張工程を経て状態ST(P=0.5MPa、温度T=246K、エンタルピh=500kJ/kg)に遷移する際に、電気エネルギーQe3=2.0kWhが生成される。また、第3再加熱工程において、状態STに対して外部熱としてQh3=2.0kWhの熱量を加えると、状態ST(P=0.5MPa、温度T=300K、エンタルピh=558kJ/kg)に遷移する。
総じて、総電気エネルギーQ=8.1kWhであり、外部からの総加熱量Q=8.7kWhである。
<第3実施形態>
図8は、本発明の低温液化ガスの冷熱回収方法を実現するための機能構成が組み込まれた低温液化ガス気化装置の第3実施形態の系統構成図である。なお、図1に示した第1実施形態に係る液体窒素気化装置100Aと同一構成部については、同符号を付し、説明を省略する。
図8に示した液体窒素気化装置100Cにおいて、液体窒素気化装置100Aと異なる点は、加圧容器を2つの加圧容器3aおよび3bとし、また、これらの加圧容器3aおよび3bの下流に共通に加温容器12を設けている。また、その加温容器12の下流に調節弁13を設けている。
そこで、2つの加圧容器3aおよび3bで、チャージ工程と加圧工程とを交互に繰り返す。すなわち、各加圧容器3について、入口弁4を開状態、出口弁5を閉状態とすることで、チャージ工程が開始される。そして、気相を残して、状態ST(圧力P,温度T)となった段階でチャージ工程を終了する。
次に、入口弁4を閉じて、加圧工程を開始する。すなわち、密閉され所定の状態STにある加圧容器3に対し、大気などの外部熱を加えることにより、内部の液体窒素を徐々に気化させる。ここで、第1実施形態における液体窒素気化装置100Aと異なる点は、液体窒素のすべてを気化させず、一部が残存した状態(所定圧力)で加圧工程を終了する点にある。
次に、出口弁5を開き、昇圧された窒素ガスを加温装置12に送る。次いで、出口弁5を閉じた後、加温容器12に外部熱を加えることにより更に圧力を上げる。所定の圧力に達した段階で、調節弁13を開き、その高圧窒素ガスを膨張機6に送る。その後の膨張工程および再加熱工程については、第1実施形態と同様である。
なお、この実施形態と第2実施形態を組み合わせた実施形態も実現可能である。
<各実施形態の変形例>
第1および第2実施形態において、各加圧容器3が高圧放出工程からチャージ工程に戻り、再び液体窒素の充填を行う際に、内部の圧力が低下しておらず、充填が困難な場合がある。同様に、第3実施形態において、加圧工程の後、ガスを放出し、チャージ工程に戻り再び液体窒素の充填を行う際に、内部の圧力が低下しておらず、充填が困難な場合がある。かかる場合、図9に示すように、各加圧容器5の気相部分を貯槽1に回収するための流路とその流路を開放・閉塞するための回収弁14とを設けることが好適である。
なお、図9においては、1つの加圧容器5にしか回収弁14は設けられていないが、実際はすべての加圧容器5に対して設けられている。
あるいは、当該問題を解決する別の手段としては、送液ラインに小さな弁を設けてガス溜りが生じないようにすることが考えられる。
なお、上述の各実施形態においては、低温液化ガスとして液体窒素を例に挙げて説明したが、これに限られることはない。
また、上述の第2実施形態においては、複数段の再加熱の例として、3段の再加熱で説明したが、これに限られることはなく、任意の段数を選択できる。
以上のように、本発明の各実施形態によれば、低温の液体窒素を気化させて利用する工程であって、窒素ガスが元の液体窒素に戻ることのないオープンサイクルにおいて、高温ではない、外部の熱を取り入れて効率的に発電を行うことができる。また、大気熱、廃熱、低温度のスチームなど、量は多いが低品位のため有効に利用できなかった低温熱源からエネルギーを取り出すのに向いている。特に、膨張・再加熱工程や膨張機6・熱交換器8を多段とすれば、最適な膨張比(例えば3)で設計できる。また、加圧容器3を並列的に3つ設け、各加圧容器3が、チャージ工程と、加圧工程と、高圧放出工程の3つの工程を、それぞれがずらして巡回的に行うようにすれば、常時連続的に、高圧ガスを膨張機6に供給することができる。
本発明は、液体窒素、液体酸素、液化天然ガス等の液化ガスを利用に際してガス化するための低温液化ガス気化装置に適用可能である。
100・・・液体窒素気化装置
1・・・貯槽
2・・・出口弁
3・・・加圧容器
31・・・加熱ジャケット
32・・・加熱部
4・・・入口弁
5・・・出口弁
6・・・膨張機
7・・・発電機
8・・・熱交換器
9・・・送ガス弁
10・・・予備蒸発器
11・・・バイパス弁
12・・・加温容器
13・・・調節弁
14・・・回収弁

Claims (10)

  1. 低温液化ガスを気化させて利用する際に、その低温液化ガスから冷熱を回収する方法であって、
    前記低温液化ガスに外部熱を与えて、高圧ガスを生成する工程と、
    前記高圧ガスを膨張させ、その遷移で生ずるエネルギーを電気エネルギーとして回収する工程と、を備えたことを特徴とする冷熱回収方法。
  2. 前記膨張したガスに対して外部熱を再び加えて再加熱する工程を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷熱回収方法。
  3. 前記膨張回収工程と前記再加熱工程とを、複数回繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の冷熱回収方法。
  4. 各膨張回収工程における前記ガスの膨張比は略3であることを特徴とする請求項3に記載の冷熱回収方法。
  5. 低温液化ガスを気化させる低温液化ガス気化装置であって、
    前記低温液化ガスが導入されると共に、外部熱が与えられて前記低温液化ガスが高圧ガスとして密閉される加圧容器と、
    前記加圧容器から放出された前記高圧ガスを膨張させる膨張機と、
    前記膨張機による膨張の過程で生ずるエネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、を備えたことを特徴とする低温液化ガス気化装置。
  6. 前記膨張したガスに対して外部熱を再び加えて再加熱するための熱交換器を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の低温液化ガス気化装置。
  7. 前記膨張機、発電機、および熱交換器は、直列的に接続された3つの膨張機、発電機、および熱交換器からそれぞれなることを特徴とする請求項6に記載の低温液化ガス気化装置。
  8. 各膨張機における膨張比は略3であることを特徴とする請求項7に記載の低温液化ガス気化装置。
  9. 前記加圧容器は、前記低温液化ガスを並列的に導入する3つの加圧容器からなり、各加圧容器は、内部の一部分に前記低温液化ガスを導入する工程と、導入した前記低温液化ガスを加熱して、そのすべてをガス化して高圧化する工程と、前記高圧ガスを放出する工程の3つの工程を、それぞれがずらして巡回的に行うことを特徴とする請求項5に記載の低温液化ガス気化装置。
  10. 前記加圧容器は、前記低温液化ガスを並列的に導入する2つの加圧容器からなり、また、その2つの加圧容器の後段に加温容器を更に備え、各加圧容器は、内部の一部分に前記低温液化ガスを導入する工程と、導入した前記低温液化ガスを加熱して、高圧ガスを生成する工程の2つの工程を、それぞれが交互に繰り返し、前記加温容器は、各加圧容器から放出された高圧ガスを導入し、加熱して更に高圧なガスを生成することを特徴とする請求項5に記載の低温液化ガス気化装置。
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