JP2013201328A - ファイバ増幅装置とそのスペクトル幅を調整する方法及び該ファイバ増幅装置を備えるレーザ加工システムとその光損失を低減する方法 - Google Patents

ファイバ増幅装置とそのスペクトル幅を調整する方法及び該ファイバ増幅装置を備えるレーザ加工システムとその光損失を低減する方法 Download PDF

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【課題】ファイバ増幅器での誘導ブリルアン散乱の発生を低減させるとともに、波長変換素子の変換可能スペクトル幅に対応する適切なスペクトル幅のパルスレーザ光を生成するファイバ増幅装置と、そのスペクトル幅を調整する方法、及び該ファイバ増幅装置を備えるレーザ加工システムと、その光損失を低減する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】レーザ発振器と、レーザ発振器で生成されたレーザ光を増幅するファイバ増幅器と、レーザ発振器から出射されたレーザ光が入射されるようにレーザ発振器とファイバ増幅器との間の光路に配置されたスペクトル幅調整ファイバと、を備え、スペクトル幅調整ファイバのコア径は、ファイバ増幅器を構成するファイバのコア径以下であるファイバ増幅装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ファイバ増幅装置とファイバ増幅装置から出射するレーザ光のスペクトル幅を調整する方法、及び、該ファイバ増幅装置を備えるレーザ加工システムと該レーザ加工システムの光損失を低減する方法に関する。
従来、光ファイバを利用するレーザ光照射装置やレーザ光制御装置、レーザ加工システムは、アモルファスシリコンや多結晶シリコンから大粒径の結晶化シリコンを生成する半導体結晶化装置や、各種アニーリング装置、レーザアブレーション装置、レジスト露光装置、金属加工・溶接・切断装置等種々の微細加工に幅広く用いられている。
例えば、下記特許文献1には、可視光を生成するためのファイバ増幅システムに関する発明が記載されている。特許文献1において、光源は、パルスレーザと、該パルスレーザに光学的に接続されたファイバ増幅器と、該ファイバ増幅器に光学的に接続された非線形周波数変換素子とを備えることが開示されている。
また、パルスレーザ、例えばパッシブQスイッチレーザーは、約1.7nsec未満の短いパルス長さであることを特徴とするパルス状のレーザ光を、十分な大きさで生成するように構成され、ファイバ増幅器から出射した後の光パルスの周波数帯域幅は、非線形周波数変換素子の変換可能な帯域幅未満であることが記載されている。
また、レーザ光は十分に大きなパルス数となるようにパルス化され、ファイバ増幅器はパルス間において自然放出光を放射しないこと、及び、そのような光の出射環境下では、ファイバ増幅器は、誘導ブリルアン散乱(SBS:Stimulated Brillouin Scattering)が本質的には生じないことが記載されている。
また、上記のような出射環境下では自己位相変調(SPM:Self-phase Modulation)は、赤外線から可視光線への波長変換効率を低減しない。そのような光源は、画像投影システムでのイメージ・ジェネレーターおよびスキャナと結合できることが開示されている。
図8は、特許文献1の発明の実施例として開示される従来のファイバ増幅器システム10を説明する図である。図8に示すように、ファイバ増幅器システム10は、パッシブQスイッチレーザー(PQSL)12、ファイバ増幅器14および非線形周波数変換素子60を備える。
また、パッシブQスイッチレーザー(PQSL)12は、メインパルス36の一次ビーム34を生成する。メインパルス36は約1.7nsec未満のパルス幅であり、かつ、非線形周波数変換素子60において周波数変換を遂行するために十分な大きさの、典型的には約100ピコセカンドより大きな、パルス幅を有する。
また、パッシブQスイッチレーザー(PQSL)12は、好ましくは十分に大きな繰返しレート(例えば約100kHz以上)でパルスを生成する。また、ファイバ増幅器システム10は、パッシブQスイッチレーザー(PQSL)12をポンプするためのPQSLポンプ光20を生成するPQSLポンプソース16を備える。
図8に示す特許文献1の実施例では、PQSLポンプソース16は波長調整機構18を装備したレーザとして示されている。このようなレーザは、連続(CW:Continuous Wave)光ビームの形をしているPQSLポンプ光20を伝達することを企図するものであることが示されている。
また、多様な種類のレーザが、PQSLポンプソース16として適用可能である。例えば、750nmから1100nmの範囲内のPQSLポンプ光20を放出するダイオード・レーザーを使用することができる。また、これらのダイオード・レーザーのパワーレベルは、100mWから4000mWの間とすることができることが記載されている。
図8に示すように、レンズ22を介したレーザ光は、入射カプラ24とパッシブQスイッチ32とゲインメディアム(Gain Medium)30と出射カプラ28とからなるキャビティ26を有するパッシブQスイッチレーザー(PQSL)12を経由し、さらにレンズ48を介してビームコンバイナ44に到達する。
また、ビームコンバイナ44においては、ファイバーポンプソース38から出射されたファイバーポンプ光40が、レンズ42を介してパルス状の一次ビーム34と併合される。また、短い長さ”D”を有するファイバ増幅器14のクラッド46にファイバーポンプ光40が入射(in-coupled)され、ファイバ増幅器14のコア50に一次ビーム34が入射(in-coupled)される。
さらに、レンズ56でパルス状の中間ビーム52に調整されたレーザ光は、この実施例ではミラーであるビームガイドエレメント58により、中間パルス光54として非線形周波数変換素子60へ入射されるようにガイドされる。なお、非線形周波数変換素子60からの出力ビーム62を構成する一パルスは、符号64として図8に示されている。
米国特許7039076(B2)号公報
近年、レーザ光を用いたアプリケーションの拡大に伴い、さらなる極短パルス化かつ高出力化(高ピークパワー化)が求められている。このため、レーザの高出力化等に伴うファイバ増幅器での誘導ブリルアン散乱が生じる懸念はさらに増大している。一方、誘導ブリルアン散乱を低減するためにファイバ増幅器のコア径を増大させると増幅率が低減されることとなるので、所望の利得を得るためには比較的小さなコア径を維持せざるを得ず、誘導ブリルアン散乱を低減させるための従来のアプローチには限界が生じていた。
また、レーザ光の高出力化の一環として波長変換素子での変換効率を向上させるためには、波長変換素子での変換可能スペクトル幅の範囲内に収まるような狭スペクトル幅のレーザ光であることが好ましい。しかし、所望の光エネルギーを確保する観点から、スペクトル幅を狭くすればピーク光強度が増大し、これに起因してファイバ増幅器での誘導ブリルアン散乱が生じる懸念が増大することとなる。ここで、特許文献1は、パルスレーザ光のパルス幅をファイバ材料のフォノン寿命である10nsより十分短くすることで、誘導ブリルアン散乱を抑制している。
本発明は、上述した問題点に鑑み為された発明であって、パルスレーザ光のパルス幅に制限を設けることなくファイバ増幅器での誘導ブリルアン散乱の発生を低減させるとともに、波長変換素子の変換可能スペクトル幅に対応する適切なスペクトル幅のパルスレーザ光を生成するファイバ増幅装置と、そのスペクトル幅を調整する方法、及び該ファイバ増幅装置を備えるレーザ加工システムと、その光損失を低減する方法を提供することを目的とする。
本発明のファイバ増幅装置は、レーザ発振器と、レーザ発振器で生成されたレーザ光を増幅するファイバ増幅器と、レーザ発振器から出射されたレーザ光が入射されるようにレーザ発振器とファイバ増幅器との間の光路に配置されたスペクトル幅調整ファイバと、を備え、スペクトル幅調整ファイバのコア径は、ファイバ増幅器を構成するファイバのコア径以下であることを特徴とする。
また、前記スペクトル幅の調整を行うためにコア径を所定の値とする。前記スペクトル幅を調整するために能動素子や電子回路を用いない受動素子のみで構成する。スペクトル幅を広げるためにコア径を小さくする。スペクトル幅を調整するために帰還制御を行わない。
また、本発明のファイバ増幅装置は、好ましくはレーザ発振器から出射されてスペクトル幅調整ファイバに入射されるレーザ光が、縦シングルモード光であることを特徴とする。
また、本発明のファイバ増幅装置は、さらに好ましくはレーザ発振器が、NdがドープされたYVOを含むレーザ媒質を備えることを特徴とする。
また、本発明のファイバ増幅装置は、さらに好ましくはレーザ発振器が、マイクロチップレーザとして構成されることを特徴とする。
また、本発明のファイバ増幅装置は、さらに好ましくはスペクトル幅調整ファイバが、自己位相変調により、入射されたレーザ光のスペクトル幅を広げることを特徴とする。
また、自己位相変調はスペクトル幅調整ファイバのコア径が小さくなるに従い強く発生する傾向にある。自己位相変調のように電子回路などの能動素子を用いず、帰還制御を必要としない構成でのスペクトル幅調整方法である。
また、本発明のファイバ増幅装置は、さらに好ましくはスペクトル幅調整ファイバが、シングルモードファイバであることを特徴とする。
また、本発明のファイバ増幅装置は、さらに好ましくはスペクトル幅調整ファイバが、マルチモードファイバであることを特徴とする。
また、本発明のファイバ増幅装置は、さらに好ましくはマルチモードファイバが、コイル状に巻回されることを特徴とする。
また、本発明のファイバ増幅装置は、さらに好ましくはスペクトル幅調整ファイバが、直線偏光を出射する偏波面保持ファイバであることを特徴とする。
また、本発明のファイバ増幅装置は、さらに好ましくは偏波面保持ファイバが、コイル状に巻回されることを特徴とする。
また、本発明のファイバ増幅装置は、さらに好ましくはスペクトル幅調整ファイバが希土類イオンを含有することを特徴とする。
また、本発明のファイバ増幅装置は、さらに好ましくは希土類イオンが、Nd、Yb、Er、Tm、Sm、Hoの少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
また、本発明のレーザ加工システムは、上述のいずれかに記載のファイバ増幅装置と、ファイバ増幅装置の出射光を波長変換する波長変換素子とを備えることを特徴とする。
また、本発明のレーザ加工システムは、好ましくは波長変換素子が、KTP結晶、BBO結晶、LBO結晶、CLBO結晶、KDP結晶、BiBO結晶、LiNbO結晶、LiTaO結晶のいずれか一つを含むことを特徴とする。
また、本発明のレーザ加工システムは、さらに好ましくは波長変換素子から出射される可視光または紫外光を加工に用いることを特徴とする。
また、本発明のレーザ加工システムは、さらに好ましくはスペクトル幅調整ファイバからファイバ増幅器へ入射される入射光が、ファイバ増幅器における誘導ブリルアン散乱の発生が抑制されるような入射光であることを特徴とする。
また、本発明のレーザ加工システムは、さらに好ましくはスペクトル幅調整ファイバが、波長変換素子における波長変換効率が、スペクトル幅調整ファイバを介さない場合に比較して、低下しないようなレーザ光のスペクトル幅とする、長さであることを特徴とする。
また、本発明のレーザ加工システムは、さらに好ましくはスペクトル幅調整ファイバが、波長変換素子に入射されるレーザ光のスペクトルの半値幅を波長変換素子の変換可能スペクトル幅以下とするような、長さであることを特徴とする。
また、本発明のスペクトル幅を調整する方法は、上述のいずれかに記載のファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を調整する方法であって、ファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を広げる場合に、スペクトル幅調整ファイバの長さをより長いものとする工程と、ファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を狭める場合に、スペクトル幅調整ファイバの長さをより短いものとする工程と、を有することを特徴とする。
本発明のファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を調整する方法は、上述のいずれかに記載のファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を調整する方法であって、ファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を広げる場合に、スペクトル幅調整ファイバのコア径をより小さくする工程と、ファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を狭める場合に、スペクトル幅調整ファイバのコア径をより大きくする工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明のレーザ加工システムの光損失を低減する方法は、上述のいずれかに記載のレーザ加工システムの光損失を低減する方法であって、スペクトル幅調整ファイバの長さをより長いものとしてファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を広げることにより、または、スペクトル幅調整ファイバの長さをより短いものとしてファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を狭めることにより、波長変換素子に入射されるレーザ光のスペクトルの半値全幅(FWHM)を、波長変換素子の変換可能スペクトル幅以下とする工程を有することを特徴とする。
ファイバ増幅器での誘導ブリルアン散乱の発生を低減させつつ波長変換素子に対応する適切なスペクトル幅のパルスレーザ光を生成するファイバ増幅装置と、そのスペクトル幅を調整する方法、及び、該ファイバ増幅装置を備えるレーザ加工システムと、その光損失を低減する方法を提供できる。
本実施形態で説明するレーザ加工システムの構成概要を説明するブロック図である。 波長変換素子における入射レーザ光のスペクトル形状と変換可能スペクトル幅Δλとの関係を説明する図であり、(a)が入射レーザ光のスペクトル幅が波長変換素子の変換可能スペクトル幅Δλの範囲内に全て含まれる場合を説明する図であり、(b)が入射レーザ光のスペクトル幅が波長変換素子の変換可能スペクトル幅Δλからある程度逸脱する場合を説明する図であり、(c)が入射レーザ光のスペクトル幅が波長変換素子の変換可能スペクトル幅Δλの範囲内から相当大きく逸脱する場合について説明する図である。 波長変換素子に入射される最も好ましいスペクトル幅のレーザ光について、半値全幅(FWHM)と変換可能スペクトル幅Δλとの関係を説明する図である。 本実施形態で説明するレーザ加工システムのスペクトル幅調整について説明するフローチャート図である。 第二の実施形態にかかるレーザ加工装置2000について構成概要を説明するブロック図である。 レーザ加工システムの全体構成の概要を説明するブロック図である。 ファイバ増幅器のみでスペクトル幅調整ファイバを設けない場合と、比較的短いスペクトル幅調整ファイバを設けた場合と、中程度の長さのスペクトル幅調整ファイバを設けた場合と、比較的長いスペクトル幅調整ファイバを設けた場合と、の各々について、横軸に増幅出力をとり縦軸に誘導ブリルアン散乱をとったグラフで説明する図である。 特許文献1の発明の実施例として開示される従来のファイバ増幅器システムを説明する図である。
本実施形態で説明するレーザ加工装置は、ファイバ増幅器における光増幅時に誘導ブリルアン散乱が生じないように、スペクトル幅を所望程度広げるスペクトル幅調整ファイバを設ける。
また、本実施形態で説明するレーザ加工装置は、レーザ光を生成する出射側のミラーとしてグレーティングミラー(回折格子)を用いて、スペクトル幅調整ファイバに入射されるレーザ光を縦シングルモードとする。
スペクトル幅調整ファイバは、その長さが比較的長ければレーザ光のスペクトル幅はより広げられることとなり、その長さが比較的短ければレーザ光のスペクトル幅はあまり広げられない。
すなわち、スペクトル幅調整ファイバの長さを適切に選択・変更し、また適切に設計することにより、その後のファイバ増幅器で誘導ブリルアン散乱が生じない程度にまで、レーザ光のスペクトル幅を適宜拡大させることが可能となる。また、本実施形態ではスペクトル幅調整ファイバのコア径は、ファイバ増幅器のコア径よりも小さいものを用いた。
また、仮に、スペクトル幅調整ファイバの長さを長くしすぎてスペクトル幅が過度に拡大されると、波長変換素子における変換可能スペクトル幅、すなわち有効に波長変換が遂行される帯域幅から逸脱する光が増大する。このような光エネルギーは、レーザ加工に利用されることはなく波長変換素子で廃棄等されることとなり、高効率化の観点及び省エネルギーの観点からは好ましくない。
このため、スペクトル幅調整ファイバの長さは、ファイバ増幅器で誘導ブリルアン散乱が生じない程度にまで長くするとともに、波長変換素子における変換可能スペクトル幅と整合する程度にまで短くするものとする。また、仮に、両条件を満足する最適長さが存在しない場合には、スペクトル幅調整ファイバの長さを両条件のバランスをとって中間値としてもよい。
また、波長変換素子における変換可能スペクトル幅と整合する程度のレーザ光とは、好ましくは波長変換素子に入射されるレーザ光の半値全幅の値が、当該波長変換素子の変換可能スペクトル幅以下となるものであって、典型的には両幅が一致する場合をいうものとする。
(第一の実施形態)
図1は、本実施形態で説明するレーザ加工システム1000の構成概要を説明するブロック図である。図1に示すように、レーザ加工システム1000は、ファイバ増幅装置1100と波長変換素子1200とを備え、波長変換素子1200から出射される第2高調波(SHG)、第3高調波(THG)または第4高調波(FHG)等の短波長化されたパルスレーザ光が、加工対象物に照射されて任意の加工が遂行される。
また、ファイバ増幅装置1100はレーザ発振器1135を備え、レーザ発振器1135は、第一のミラー1110とレーザ媒質1120とQスイッチ1125とグレーティングミラー1130と、を備える。また、ファイバ増幅装置1100は、レーザ発振器1135から出射された縦シングルモードのレーザ光が入射されるスペクトル幅調整ファイバ1140と、ファイバ増幅器1150とを備える。
図1において、レーザ発振器1135は、マイクロチップレーザ(MCL)として構成されてもよい。また、スペクトル幅調整ファイバ1140のコア径は、ファイバ増幅器1150のコア径よりも小さいものとする。例えば、スペクトル幅調整ファイバ1140のコア径は10ミクロンとし、ファイバ増幅器1150のコア径は25ミクロンとしてもよい。
スペクトル幅調整ファイバ1140は、シングルモードファイバを用いてもよくマルチモードファイバを用いてもよく偏波面保持ファイバを用いてもよいが、使用するレーザ光に対応して適切なファイバを用いるものとする。また、いわゆるヒューモードファイバを用いてもよい。ヒューモードファイバは、少ないモード数の光を出射するのでその後の光制御が安定し好ましい。
また、スペクトル幅調整ファイバ1140としてマルチモードファイバ、または偏波面保持ファイバを用いる場合には、高次モードを低減させるために巻回することが好ましい。また、スペクトル幅調整ファイバ1140として偏波面保持ファイバを用いる場合には、これにより直線偏光を得ることができるので、その後波長変換素子1200における波長変換を効率的に遂行できる観点から好ましい。仮に、ランダム偏光を用いる場合には、波長変換素子1200での波長変換効率が向上される程度は直線偏光の場合に比較して大きくない。
また、スペクトル幅調整ファイバ1140には、希土類イオン、例えばNd(ネオジウム)、Yb(イッテルビウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Sm(サマリウム)、Ho(ホルミウム)等を含有していても良い。
また、波長変換素子1200は、例えばLBO結晶から構成される場合には、1064nmの波長を有するレーザ光を、533nmや355nmへと短波長化することが可能である。
ファイバ増幅器1150を構成するファイバは、一般にコア径が大きいほど誘導ブリルアン散乱が生じ難くなる一方、コア径が大きければ増幅率が低下する。このため、所望の増幅利得を実現するために、ファイバ増幅器1150のコア径は一定程度以下のコア径とせざるを得ないという制約が生じるので、誘導ブリルアン散乱の低減とのトレードオフの関係となる。
本実施形態のレーザ加工システム1000は、上述のように所望の増幅利得を実現するために一定程度以下のコア径とされたファイバ増幅器1150である場合においても、増幅されるレーザ光のスペクトル幅を、スペクトル幅調整ファイバ1140で誘導ブリルアン散乱の発生を低減させるように拡大させることができる。
また、増幅されたレーザ光のスペクトル幅を、スペクトル幅調整ファイバ1140で、波長変換素子1200での変換可能スペクトル幅に適合するように調整する。このため、本実施形態のレーザ加工システム1000は、誘導ブリルアン散乱の発生を低廉に抑制することと、高い波長変換効率を実現することとのバランスを高い次元で適切にとることができるので、極めて有用かつ現実的なシステムとなる。
また、レーザ媒質1120は、例えばNdがドープされたYVOから構成してもよい。また、波長変換素子1200から出射される高調波のレーザ光平均出力は、例えば数十乃至100W程度であってもよく、このような光出力パルスレーザ光により、加工対象物を熱加工し、またはアブレーション等の非加熱加工としてもよい。
図2は、波長変換素子1200における入射レーザ光のスペクトル形状と変換可能スペクトル幅Δλとの関係を説明する図であり、(a)が入射レーザ光のスペクトル幅が波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅Δλの範囲内に全て含まれる場合を説明する図であり、(b)が入射レーザ光のスペクトル幅が波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅Δλからある程度逸脱する場合を説明する図であり、(c)が入射レーザ光のスペクトル幅が波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅Δλの範囲内から相当大きく逸脱する場合について説明する図である。
図2においてハッチングで示す部分が、波長変換素子1200で現実に波長変換される光であり、ハッチングされない逸脱部分については波長変換素子1200で波長変換されることはなく、従ってレーザ加工に寄与することなく廃棄される光である。
図2から理解できるように、ハッチング部分の比率を可能な限り大きくする(a)のようなスペクトル形状のレーザ光を生成して波長変換素子1200に入射させることが、変換効率を増大させる観点からは好ましい。
一方、過度に狭いスペクトル幅のレーザ光は、レーザ増幅器1150での誘導ブリルアン散乱を招来することとなる。このため、両者のバランスの観点から大凡図2(b)で示す程度のスペクトル幅を生成し入射させることが、現実には好ましい。
この点において、本実施形態で示すファイバ増幅装置1100は、適切なスペクトル幅を生成することができるスペクトル幅調整ファイバ1140を備えるので、好ましい。
図3は、波長変換素子1200に入射される最も好ましいスペクトル幅のレーザ光について、半値全幅(FWHM)と変換可能スペクトル幅Δλとの関係を説明する図である。
図3に説明するように、波長変換素子1200に入射されるレーザ光のスペクトル幅は、その半値全幅(FWHM)が変換可能スペクトル幅Δλ以下となるように、スペクトル幅調整ファイバ1140により調整されることが好ましい。変換可能スペクトル幅Δλは、例えば0.1nm程度である。
図4は、本実施形態で説明するレーザ加工システム1000のスペクトル幅調整について説明するフローチャート図である。以下、図4に示す各ステップに基づいて、レーザ加工システム1000のスペクトル幅調整工程について順次説明する。
(ステップS410)
オペレータは、ファイバ増幅器1150で誘導ブリルアン散乱が生じているか否かについて確認する。ファイバ増幅器1150で誘導ブリルアン散乱が生じている場合にはステップS420へと進み、ファイバ増幅器1150で誘導ブリルアン散乱が生じていない場合にはステップS430へと進む。
ここで、図1には示していないが、ファイバ増幅器1150で誘導ブリルアン散乱が生じているか否かを確認するためのモニター機器を、ファイバ増幅器1150の出射コネクタ付近に設けてもよい。また、該モニター機器は、例えば画像解析ソフトを利用して、誘導ブリルアン散乱の発生有無を自動的に判定し、オペレータに通知する構成としてもよい。また、該モニター機器は、ファイバ増幅装置1100に設けることができる。
(ステップS420)
オペレータは、スペクトル幅調整ファイバ1140の長さを長いものと交換する。ここで、スペクトル幅調整ファイバ1140は、そのコア径や長さやモード等種々のものを交換可能なカートリッジ方式とし、このようなカートリッジ方式のファイバ増幅装置1100を構成してもよい。スペクトル幅調整ファイバ1140をカートリッジ方式としておけば、コネクタの着脱が容易となり、該カートリッジの着脱・差し替えのみで比較的容易に短時間でスペクトル幅調整ファイバ1140を所望の長さ等のものに交換可能となるので好ましい。このステップが終了すれば、ステップS410へと戻り、ファイバ増幅器1150で誘導ブリルアン散乱が生じなくなるまで継続する。
(ステップS430)
オペレータは、波長変換素子1200への入射光のスペクトルの半値全幅が、該波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅以下であるか否かを確認する。波長変換素子1200への入射光のスペクトルの半値全幅が該波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅以下である場合には、このフローを終了する。また、波長変換素子1200への入射光のスペクトルの半値全幅が、該波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅以下でなければステップS440へと進む。
ここで、波長変換素子1200への入射光のスペクトルの半値全幅が、該波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅以下であるか否かの判断は、上述したモニター機器が、所定の判別プログラムに基づいて判断してもよい。また、該モニター機器が、波長変換素子1200への入射光のスペクトルの半値全幅が、該波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅以下ではないと判断した場合には、オペレータに通知する構成としてもよい。
(ステップS440)
オペレータは、スペクトル幅調整ファイバ1140の長さを短いものと交換する。ここで、スペクトル幅調整ファイバ1140は、上述したように、そのコア径や長さやモード等種々のものを交換可能なカートリッジ方式とし、カートリッジ方式のファイバ増幅装置1100を構成してもよい。
スペクトル幅調整ファイバ1140をカートリッジ方式としておけば、コネクタの着脱が容易となり、該カートリッジの着脱・差し替えのみで比較的容易に短時間でスペクトル幅調整ファイバ1140を所望のより短いものに交換可能となるので好ましい。このステップが終了すれば、ステップS430へと戻り、波長変換素子1200への入射光のスペクトルの半値全幅が、該波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅以下になるまで継続する。
また、図4においては、「ファイバ増幅器1150で誘導ブリルアン散乱が生じないスペクトル幅調整ファイバ1140の長さ」が「波長変換素子1200への入射光のスペクトルの半値全幅が、該波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅以下となるスペクトル幅調整ファイバ1140の長さ」より小さい場合、すなわち二つの条件を共に充足する長さが存在する場合について説明した。
しかし、例えば、「ファイバ増幅器1150で誘導ブリルアン散乱が生じないスペクトル幅調整ファイバ1140の長さ」が「波長変換素子1200への入射光のスペクトルの半値全幅が、該波長変換素子1200の変換可能スペクトル幅以下となるスペクトル幅調整ファイバ1140の長さ」より大きい場合、すなわち二つの条件を共に充足する長さが存在しない場合には、その間の中間値をスペクトル幅調整ファイバ1140の長さとして採用してもよい。さらに、この場合には、コア径やモード種類等が異なる他のスペクトル幅調整ファイバ1140へとカートリッジ交換し、より適切なスペクトル幅となるように調整してもよい。
(第二の実施形態)
図5は、第二の実施形態にかかるレーザ加工装置2000について構成概要を説明するブロック図である。図5から理解できるように、レーザ加工システム2000は、ファイバ増幅装置2100と波長変換素子2200とを備え、波長変換素子2200から出射される第3高調波(THG)または第4高調波(FHG)等の短波長化された高調波パルスレーザ光が、加工対象物に照射されて加工が遂行される。
また、ファイバ増幅装置2100はレーザ発振器2135を備え、レーザ発振器2135は、第一のミラー2110とレーザ媒質2120とQスイッチ2125とグレーティングミラー2130と、を備える。また、ファイバ増幅装置2100は、レーザ発振器2135から出射された縦シングルモードのレーザ光を増幅するアンプ群2160と、スペクトル幅調整ファイバ2140と、ファイバ増幅器2150とを備える。
図5において、第一のミラー2110とレーザ媒質2120とQスイッチ2125とグレーティングミラー2130とは、マイクロチップレーザ(MCL)として構成されてもよい。また、その平均出力は、例えば数ミリワット乃至数ワット程度であってもよい。
また、スペクトル幅調整ファイバ2140のコア径は、ファイバ増幅器2150のコア径よりも小さいものが望ましい。典型例として、スペクトル幅調整ファイバ2140のコア径は10ミクロンとし、ファイバ増幅器2150のコア径は25ミクロンとしてもよい。
スペクトル幅調整ファイバ2140は、シングルモードファイバを用いてもよくマルチモードファイバを用いてもよく偏波面保持ファイバを用いてもよいが、使用するレーザ光に対応して適切なファイバを用いるものとする。また、いわゆるヒューモードファイバを用いてもよい。
また、スペクトル幅調整ファイバ2140としてマルチモードファイバ、または偏波面保持ファイバを用いる場合には、高次モードを低減させるために巻回することが好ましい。また、スペクトル幅調整ファイバ2140として偏波面保持ファイバを用いる場合には、これにより直線偏光を得ることができるので、その後波長変換素子2200における波長変換を効率的に遂行できる観点から好ましい。仮に、ランダム偏光を用いる場合には、波長変換素子2200における波長変換効率の向上は、直線偏光に比較して劣るものとなる。
また、スペクトル幅調整ファイバ1140には、希土類イオンがドープされることが好ましく、例えばNd(ネオジウム)、Yb(イッテルビウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Sm(サマリウム)、Ho(ホルミウム)等を含有することが好ましい。
また、波長変換素子1200は、例えばLBO結晶から構成されてもよく、この場合には1064nmの波長を有するレーザ光を、533nmや355nmへと短波長化することが可能である。
ファイバ増幅器2150を構成するファイバは、一般にコア径が大きいほど誘導ブリルアン散乱が生じ難くなる一方、コア径が大きければ増幅率が低下する。このため、所望の増幅利得を確保するためには、ファイバ増幅器2150のコア径は一定程度以下のコア径とせざるを得ないという制約が生じる。
本実施形態のレーザ加工システム2000は、上述のように所望の増幅利得を実現するために一定程度以下のコア径とされたファイバ増幅器2150である場合においても、励起されたレーザ光のスペクトル幅を、スペクトル幅調整ファイバ2140で誘導ブリルアン散乱の発生を低減させるように拡大させることができる。
また、励起されたレーザ光のスペクトル幅を、スペクトル幅調整ファイバ2140で、波長変換素子2200での変換可能スペクトル幅に適合するように調整する。このため、本実施形態のレーザ加工システム2000は、誘導ブリルアン散乱の発生を低廉に抑制することと、高い波長変換効率を実現することとのバランスを高い次元で適切にとることができ、極めて有用かつ現実的なシステムとなる。
また、レーザ媒質2120は、例えばNdがドープされたYVOから構成してもよい。また、波長変換素子2200から出射される高調波のレーザ光出力は、例えば数十乃至100W程度であってもよく、このような光出力パルスレーザ光により、加工対象物を熱加工し、またはアブレーション等の非加熱加工してもよい。
第二の実施形態で示すレーザ加工システム2000は、アンプ群2160で光を増幅させるので、例えばマイクロチップ化されたレーザ媒質2120とQスイッチ2125及び一対のミラー2110,2130等の光出力を小さくすることができ、該マイクロチップを小型化・軽量化できる点で好ましい。
また、レーザ加工システム2000は、アンプ群2160で増幅されて光ピーク強度が増大する等により、比較的誘導ブリルアン散乱が生じやすくなったレーザ光についても、適切にスペクトル幅を調整可能なスペクトル幅調整ファイバ2140を備えるので、該散乱を低減させかつ変換効率を高く維持するような適切なスペクトルを生成して利用することが可能である。
ここで、スペクトル幅調整ファイバ1140,2140の効果についてデータを示して説明する。図7は、ファイバ増幅器のみでスペクトル幅調整ファイバを設けない場合と、比較的短いスペクトル幅調整ファイバを設けた場合と、中程度の長さのスペクトル幅調整ファイバを設けた場合と、比較的長いスペクトル幅調整ファイバを設けた場合と、の各々について、横軸に増幅出力をとり縦軸に誘導ブリルアン散乱をとったグラフで説明する図である。
図7から理解できるように、スペクトル幅調整ファイバを設けた場合には、設けない場合よりも、同一の増幅出力の場合でも誘導ブリルアン散乱が生じ難く、また、より長いスペクトル幅調整ファイバを設けたほうが、より誘導ブリルアン散乱がより生じ難くなっていることが理解できる。
図6は、レーザ加工システム6000の全体構成の概要を説明するブロック図である。図6に示すようにレーザ加工システム6000は、商用電源6010から電力供給を受けてレーザ光を生成して増幅した上で出力する上述した実施形態のファイバ増幅装置1100と、ファイバ増幅装置1100で生成されたレーザ光を所望の加工位置近傍まで伝達する光ファイバ6030と、光ファイバ6030から伝達されたレーザ光を、被加工物の加工に適した光へと調整する光制御装置6040と、光制御装置6040から出射された光によりスクライブや溶接等所望の加工をされる被加工物6050を搭載するX−Yステージ6060とを備える。
ファイバ増幅装置1100は、気体レーザ発振器であってもよく、半導体レーザ等の固体レーザ発振器であってもよく任意のレーザ光源で構成することができる。光制御装置6040は、被加工物6050の材質や形状・厚み・加工内容等に応じて、適切な加工が可能となるように出射する光の照射パターンを変更し、または照射パターン内の各光束の光強度を任意に調整して出力することが可能である。また好ましくは光制御装置6040が、光の照射パターンの変更と該照射パターン内の各光束の相対的な光強度とを共に任意に変更しまたは制御することが可能である。
上述の実施形態で説明したファイバ増幅装置1100等は、実施形態での例示に限定されるものではなく、自明な範囲で適宜その構成や材料を変更し、自明な範囲で適宜その方法を変更することが可能である。
本実施形態で説明するファイバ増幅装置と該ファイバ増幅装置を備えるレーザ加工システムとは、種々のレーザ光装置やレーザ光装置を構成する各種光デバイス、光変調装置等に適用でき、光ファイバを用いる多様なアプリケーションに広く応用展開することができる。
1000・・レーザ加工システム、1100・・ファイバ増幅装置、1110・・第一のミラー、1120・・レーザ媒質、1130・・グレーティングミラー、1140・・スペクトル幅調整ファイバ、1150・・ファイバ増幅器、1200・・波長変換素子。

Claims (20)

  1. レーザ発振器と、前記レーザ発振器で生成されたレーザ光を増幅するファイバ増幅器と、前記レーザ発振器から出射されたレーザ光が入射されるように前記レーザ発振器と前記ファイバ増幅器との間の光路に配置されたスペクトル幅調整ファイバと、を備え、
    前記スペクトル幅調整ファイバのコア径は、前記ファイバ増幅器を構成するファイバのコア径以下である
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  2. 請求項1に記載のファイバ増幅装置において、
    前記レーザ発振器から出射されて前記スペクトル幅調整ファイバに入射されるレーザ光は、縦シングルモード光である
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のファイバ増幅装置において、
    前記レーザ発振器は、NdがドープされたYVOを含むレーザ媒質を備える
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のファイバ増幅装置において、
    前記レーザ発振器は、マイクロチップレーザとして構成される
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のファイバ増幅装置において、
    前記スペクトル幅調整ファイバは、自己位相変調により、入射された前記レーザ光のスペクトル幅を広げる
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のファイバ増幅装置において、
    前記スペクトル幅調整ファイバは、シングルモードファイバである
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のファイバ増幅装置において、
    前記スペクトル幅調整ファイバは、マルチモードファイバである
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  8. 請求項7に記載のファイバ増幅装置において、
    前記マルチモードファイバは、コイル状に巻回される
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  9. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のファイバ増幅装置において、
    前記スペクトル幅調整ファイバは、直線偏光を出射する偏波面保持ファイバである
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  10. 請求項9に記載のファイバ増幅装置において、
    前記偏波面保持ファイバは、コイル状に巻回される
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のファイバ増幅装置において、
    前記スペクトル幅調整ファイバは希土類イオンを含有する
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  12. 請求項11に記載のファイバ増幅装置において、
    前記希土類イオンは、Nd、Yb、Er、Tm、Sm、Hoの少なくともいずれか一つである
    ことを特徴とするファイバ増幅装置。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載のファイバ増幅装置と、前記ファイバ増幅装置の出射光を波長変換する波長変換素子と、を備える
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  14. 請求項13に記載のレーザ加工システムにおいて、
    前記波長変換素子は、KTP結晶、BBO結晶、LBO結晶、CLBO結晶、KDP結晶、BiBO結晶、LiNbO結晶、LiTaO結晶のいずれか一つを含む
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  15. 請求項13または請求項14に記載のレーザ加工システムにおいて、
    前記波長変換素子から出射される可視光または紫外光を加工に用いる
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  16. 請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載のレーザ加工システムにおいて、
    前記スペクトル幅調整ファイバから前記ファイバ増幅器へ入射される入射光は、前記ファイバ増幅器における誘導ブリルアン散乱の発生が抑制されるような入射光である
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  17. 請求項13乃至請求項16のいずれか一項に記載のレーザ加工システムにおいて、
    前記スペクトル幅調整ファイバは、前記波長変換素子における波長変換効率が、前記前記スペクトル幅調整ファイバを介さない場合に比較して、低下しないような前記レーザ光のスペクトル幅とする、長さである
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  18. 請求項17に記載のレーザ加工システムにおいて、
    前記スペクトル幅調整ファイバは、前記波長変換素子に入射されるレーザ光のスペクトルの半値幅を前記波長変換素子の変換可能スペクトル幅以下とするような、長さである
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  19. 請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載のファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を調整する方法であって、
    前記ファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を広げる場合に、前記スペクトル幅調整ファイバの長さをより長いものとする工程と、
    前記ファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を狭める場合に、前記スペクトル幅調整ファイバの長さをより短いものとする工程と、を有する
    ことを特徴とするファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を調整する方法。
  20. 請求項13乃至請求項18のいずれか一項に記載のレーザ加工システムの光損失を低減する方法であって、
    前記スペクトル幅調整ファイバの長さをより長いものとして前記ファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を広げることにより、または、前記スペクトル幅調整ファイバの長さをより短いものとして前記ファイバ増幅装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を狭めることにより、
    前記波長変換素子に入射されるレーザ光のスペクトルの半値全幅(FWHM)を、前記波長変換素子の変換可能スペクトル幅以下とする工程を有する
    ことを特徴とするレーザ加工システムの光損失を低減する方法。

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