JP2013198258A - 回転電機の励磁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転トランスの両コア13、15に生じる周回方向の渦電流を低減でき、且つ、電力伝送性能も犠牲にしない高効率な同期モータ用の励磁装置を提供する。
【解決手段】回転トランスの固定側コア13と回転側コア15は、それぞれ周方向に等分割された複数のセグメント13A、15Aを円環状に組み合わせて構成される。両コア13、15は、互いの分割部が同時に三ヶ所以上対向しないような分割構造を有し、例えば、固定側コア13が8分割、回転側コア15が7分割されている。この構成によれば、周回方向の渦電流を分断できるので、渦電流損失を低減できる。また、互いの分割部が同時に三ヶ所以上対向することはないので、磁束授受の欠損に伴う電力伝送効率の低下を抑制でき、且つ、脈動成分の発生を抑えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、家電、産業用、移動体用の回転電機に係わり、特に、ロータに界磁巻線を備える自動車用の発電電動機として好適な回転電機の励磁装置に関する。
近年の電動機は、ネオジム等の希土類磁石を使用した小型で高性能なブラシレスモータが主流であるが、希土類磁石の偏在性から資源確保のリスク回避が急務である。
これに対し、特許文献1には、ロータに永久磁石を使用しない巻線界磁式の回転電機において、回転トランスにより非接触でロータの界磁巻線に界磁電流を供給する技術が開示されている。
特開2010−166787号公報
ところが、特許文献1に開示された回転トランスは、トランスコアを周回方向に大きな渦電流が発生することにより、いわゆる渦電流損が問題となることが分かった。特に、機器を小型化するために励磁周波数を上げると、渦電流損失の増加が顕著になり、伝送効率の低下が著しくなるという問題がある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたものであり、その目的は、回転トランスのコアに生じる周回方向の渦電流を低減でき、且つ、電力伝送性能も犠牲にしない高効率な回転電機の励磁装置を提供することにある。
請求項1に係る本発明は、回転軸と一体に回転するロータに界磁巻線を備える回転電機に用いられ、非接触で界磁巻線を励磁する励磁装置であって、この励磁装置は、軟磁性材から成る円環状のコアにコイルを巻回して構成される一組のコイルユニットを有し、この一組のコイルユニットが空隙を有して対向配置されると共に、一組のコイルユニットのうち、一方のコイルユニットが固定側に配置され、他方のコイルユニットが回転側に配置される回転トランスを備え、一方のコイルユニットに使用されるコアを固定側コア、他方のコイルユニットに使用されるコアを回転側コアと呼ぶ時に、固定側コアと回転側コアは、それぞれ周方向に三つ以上のセグメントに分割され、且つ、固定側コアの何れか一ヶ所の分割部と回転側コアの何れか一ヶ所の分割部とが対向する位置関係にある時に、固定側コアのその他の分割部と回転側コアのその他の分割部とが周方向にずれた位置関係にあることを特徴とする。
本発明の回転トランスは、固定側コアおよび回転側コアをそれぞれ周方向に分割することで、周回方向の渦電流を分断できるため、渦電流損失を低減できる。また、回転側である他方のコイルユニットが1回転する間に、固定側コアの分割部と回転側コアの分割部とが同時に二ヶ所以上対向することがないので、磁束授受の欠損期間を低減できる。これにより、電力伝送効率の低下を抑制でき、且つ、磁束授受の欠損に起因する脈動成分の発生を抑えることができる。
請求項2に係る本発明は、回転軸と一体に回転するロータに界磁巻線を備える回転電機に用いられ、非接触で界磁巻線を励磁する励磁装置であって、この励磁装置は、軟磁性材から成る円環状のコアにコイルを巻回して構成される一組のコイルユニットを有し、この一組のコイルユニットが空隙を有して対向配置されると共に、一組のコイルユニットのうち、一方のコイルユニットが固定側に配置され、他方のコイルユニットが回転側に配置される回転トランスを備え、一方のコイルユニットに使用されるコアを固定側コア、他方のコイルユニットに使用されるコアを回転側コアと呼ぶ時に、固定側コアと回転側コアは、それぞれ周方向に三つ以上のセグメントに分割され、且つ、固定側コアの何れか二ヶ所の分割部と回転側コアの何れか二ヶ所の分割部とが同時に対向する位置関係にある時に、固定側コアのその他の分割部と回転側コアのその他の分割部とが周方向にずれた位置関係にあることを特徴とする。
本発明の回転トランスは、固定側コアおよび回転側コアをそれぞれ周方向に分割することで、周回方向の渦電流を分断できるため、渦電流損失を低減できる。また、固定側コアの分割部と回転側コアの分割部とが同時に三ヶ所以上対向することがないので、磁束授受の欠損期間を低減できる。これにより、電力伝送効率の低下を抑制でき、且つ、磁束授受の欠損に起因する脈動成分の発生を抑えることができる。
(a)固定側コアと(b)回転側コアの平面図である。 (a)固定側コアと(b)回転側コアの平面図である。 固定側コアの斜視図である。 回転側コアの斜視図である。 同期モータと回転トランスの概略構成図である。 同期モータと励磁装置の回路図である。 周回方向に発生する渦電流を示すトランスコアの斜視図である。 本発明と従来とで発生する渦電流損の大きさを比較した棒グラフである。 両コアの分割部の対向数と電力伝送量比との関係を示すグラフである。 両コアの分割部の対向数と伝送電力の脈動との関係を示すグラフである。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1は、巻線界磁式の同期モータに本発明の励磁装置を適用した一例を説明する。 同期モータ1は、図5に示す様に、ステータコア2に電機子巻線3を巻装したステータ4と、ロータコア5に界磁巻線6を巻装したロータ7とを備え、このロータ7がモータ回転軸8に支持されて、モータ回転軸8と一体に回転可能に構成されている。
ステータ4は、図示しないモータハウジングに固定されている。
ステータコア2は、径方向の内周側に複数のスロットを周方向等間隔に打ち抜いた円環状の電磁鋼板を複数枚積層して構成される。
電機子巻線3は、図6に示す様に、星型結線される三相(U相、V相、W相)の相巻線を有し、この相巻線の各端部Uo、Vo、Woがインバータ9に接続される。
インバータ9は、周知の電力変換装置であり、電池Bから取り出される直流電力を交流電力に変換して電機子巻線3に供給する。なお、電機子巻線3の巻線仕様は、周知の集中巻あるいは分布巻のどちらでも良い。
ロータ7は、図5に示す様に、ステータ4の内径側に所定の空隙を有して対向配置される。ロータコア5は、径方向の外周側に複数のスロットを周方向等間隔に打ち抜いた円環状の電磁鋼板を複数枚積層して構成され、モータ回転軸8の外周にセレーション嵌合等によって固定される。
界磁巻線6は、例えば、特許文献1に記載されたロータ構造と同じ巻線仕様によってロータコア5に巻装され、図6に示す励磁装置10より界磁電流(直流)が供給されて電磁石を形成することにより、ロータ7の磁極を励磁する。
次に、本発明の励磁装置10について説明する。
励磁装置10は、図6に示す様に、一次側から二次側へ非接触で電力を伝送できる回転トランス11と、二次側へ伝送された交流電力を直流電力に変換してロータ7の界磁巻線6に供給する順変換装置12とを備える。
回転トランス11は、図5に示す様に、軸方向(図示左右方向)に所定の空隙を有して対向配置される固定側ユニットUSと回転側ユニットURとで構成され、両ユニットUS、URがモータ回転軸8と同心に配置されている。
固定側ユニットUSは、軟磁性材から成る円環状の固定側コア13に一次コイル14を巻回して構成され、固定側コア13がモータハウジングにボルト等で固定されている。固定側コア13の内周側には、モータ回転軸8との間に空隙が確保されている。
回転側ユニットURは、軟磁性材から成る円環状の回転側コア15に二次コイル16を巻回して構成され、回転側コア15がロータコア5の軸方向端面にボルト等で固定されている。回転側コア15の内周側には、モータ回転軸8との間に空隙が確保されている。
固定側コア13は、図3に示す様に、円環状の平面を形成する基底部13aと、この基底部13aの内径側より基底部13aに対して軸方向(図示上方)に突き出る内周リング部13bと、基底部13aの外径側より基底部13aに対して軸方向に突き出る外周リング部13cとで構成され、内周リング部13bと外周リング部13cとの間に一次コイル14を収容する環状のコイルスペースを形成している。
回転側コア15は、図4に示す様に、固定側コア13と同様に、円環状の平面を形成する基底部15aと、この基底部15aの内径側より基底部15aに対して軸方向に突き出る内周リング部15bと、基底部15aの外径側より基底部15aに対して軸方向に突き出る外周リング部15cとで構成され、内周リング部15bと外周リング部15cとの間に二次コイル16を収容する環状のコイルスペースを形成している。
固定側コア13および回転側コア15は、それぞれ、図1(a)、(b)に示す様に、周方向に等分割された複数のセグメント13A、15Aを円環状に組み合わせて構成され、周方向に隣り合うセグメント13A、15A同士の間に絶縁部材17、18が挟み込まれている。つまり、周方向に隣り合うセグメント13A、15A同士は、それぞれ絶縁部材17、18によって電気的に絶縁されている。
また、固定側コア13および回転側コア15の外周は、セグメント13A、15Aより電気抵抗率が高い補強部材19、20によって全てのセグメント13A、15Aおよび絶縁部材17、18が保持されている。
補強部材19、20は、例えば、ファイバー素材や補強テープなどであり、接着剤を含浸させて固着させることもできる。
固定側コア13および回転側コア15を構成する個々のセグメント13A、15Aは、軸方向から見た平面形状が扇形を有し、例えば、軟磁性粉体を圧縮成型して製造される。なお、固定側コア13および回転側コア15は、共に周方向に等分割されているので、両コア13、15を構成する各セグメント13A、15Aは、それぞれ同一形状に形成されている。
一次コイル14は、固定側コア13のコイルスペースに同心円状に巻回され、接着剤などを含浸させて固着してある。この一次コイル14には、図示しない電源より交流電流が供給される。
二次コイル16は、回転側コア15のコイルスペースに同心円状に巻回され、接着剤などを含浸させて固着してある。この二次コイル16は、図6に示す様に、順変換装置12を介してロータ7の界磁巻線6に接続され、一次コイル14への給電によって二次コイル16に交流電流が誘起されると、順変換装置12で交流から直流に変換されて界磁巻線6に給電される。
順変換装置12は、例えば、図6に示す様に、4個の整流素子(ダイオード12a)をブリッジ状に接続したブリッジ型全波整流回路によって構成される。なお、順変換装置12は、整流回路と平滑回路とを組み合わせて構成することもできる。
上記の固定側コア13と回転側コア15は、それぞれ周方向に三つ以上のセグメント13A、15Aに分割され、且つ、固定側コア13に対して回転側コア15が1回転する間に、固定側コア13の何れか1ヶ所の分割部と回転側コア15の何れか1ヶ所の分割部とが対向する位置関係にある時に、固定側コア13のその他の分割部と回転側コア15のその他の分割部とが周方向にずれた位置関係にある。あるいは、固定側コア13の何れか二ヶ所の分割部と回転側コア15の何れか二ヶ所の分割部とが同時に対向する位置関係にある時に、固定側コア13のその他の分割部と回転側コア15のその他の分割部とが周方向にずれた位置関係にある。
言い換えると、固定側コア13の分割部と回転側コア15の分割部とが同時に三ヶ所以上対向しないような分割構造を有する。また、固定側コア13の分割数の方が回転側コア15の分割数より大きい値に設定される。具体的な例として、図1に示す様に、固定側コア13を8分割、回転側コア15を7分割とする、または、図2に示す様に、固定側コア13を7分割、回転側コア15を5分割とすることができる。
なお、上記の分割部とは、固定側コア13の周方向に隣り合う一方のセグメント13Aと他方のセグメント13Aとの間、つまり、絶縁部材17が挿入されている部分であり、回転側コア15の周方向に隣り合う一方のセグメント15Aと他方のセグメント15Aとの間、つまり、絶縁部材18が挿入されている部分である。
(実施例1の作用および効果)
実施例1に記載した回転トランス11は、固定側コア13および回転側コア15をそれぞれ周方向に分割することにより、周回方向の渦電流(図7参照)を分断できるので、渦電流損失を低減できる。固定側コア13および回転側コア15を周方向に分割していない従来技術と比較すると、図8に示す様に、渦電流損失を約1/8にまで低減できる。
また、図1、図2に示す固定側コア13および回転側コア15は、互いの分割部が同時に二ヶ所以上対向することはない。言い換えると、固定側コア13の何れか1ヶ所の分割部と回転側コア15の何れか1ヶ所の分割部とが対向する位置関係にある時に、固定側コア13のその他の分割部と回転側コア15のその他の分割部とが周方向にずれた位置関係にあるので、磁束授受の欠損に伴う電力伝送効率の低下を抑制できる。
ここで、固定側コア13に対して回転側コア15が1回転する間に、固定側コア13の分割部と回転側コア15の分割部とが対向する数(以下、分割部の対向数と言う)と、固定側ユニットUSから回転側ユニットURへ伝送される電力伝送量との関係を測定したシミュレーション結果を図9に示す。この図9に示すグラフは、両コア13、15の分割部の対向数がゼロの場合、すなわち、固定側コア13と回転側コア15の少なくとも一方が分割されていない時に伝送できる電力量を1.0として、分割部の対向数が1以上の時に伝送できる電力量の大きさを分割部の対向数=0の時に伝送できる電力量(=1.0)に対する比率で表示している。
上記シミュレーション結果によれば、分割部の対向数が増えるに連れて電力伝送量が低下していることが分かる。特に、両コア13、15の分割部の対向数が3を超えると、電力伝送量の落ち込みが急激に大きくなっている。
さらに、両コア13、15の分割部の対向数と伝送電力の脈動との関係を測定したシミュレーション結果を図10に示す。
両コア13、15の分割部の対向数がゼロの時でも、順変換装置12での全波整流に伴う脈動は存在する。この脈動は、励磁周波数の2倍の周波数で発生する。
これに対し、両コア13、15の分割部同士が1ヶ所以上対向する場合は、図10に示す様に、分割部の対向数に依存した周波数の脈動が全波整流に伴う脈動に重畳して、全体の脈動が一様に悪化してゆく。特に、分割部の対向数が多くなると、脈動の周波数が高くなり、耳障りとなる。この脈動の周波数は、回転数に依存し、例えば、分割部の対向数が5の場合は、ロータ7の回転数が1000rpmの時に83Hz、5000rpmの時に416Hzとなり、全波整流に起因する脈動に変調が掛かる様な複雑な周波数構成となる。このため、対策も困難であり、特に自動車用途では、回転数レンジが広いので、極めて複雑な音色となる。
上記の様に、両コア13、15に発生する周回方向の渦電流損失を低減するためには、両コア13、15を周方向に分割することが有効であるが、両コア13、15の分割数を無用に増やすと、弊害が顕著になることが分かる。つまり、両コア13、15の分割部が同時に三ヶ所以上対向する様な分割構造では、電力伝送量が大きく低下し、且つ、脈動成分が大きくなる。
これに対し、本実施例では、固定側コア13に対して回転側コア15が1回転する間に、固定側コア13の分割部と回転側コア15の分割部とが同時に対向する対向数を2以下(図1、図2に示す構成では分割部の対向数=1)に設定しているので、両コア13、15を分割したことによる渦電流損失の低減効果を得ることが出来るだけでなく、磁束授受の欠損に伴う電力伝送効率の低下を抑制でき、且つ、脈動の増加を抑制できるため、耳障りな騒音の発生を低減できる効果がある。
また、両コア13、15は、周方向に等分割されているので、固定側コア13の全てのセグメント13A、および、回転側コア15の全てのセグメント15Aを、それぞれ同一形状にできる。このため、同一規格のセグメント13A、15Aを大量生産することで低コスト化を図ることが出来る。
また、両コア13、15のセグメント13A、15Aの形状を扇形とすることで、分割された複数のセグメント13A、15Aを組み合わせて固定側コア13および回転側コア15を構成した際の収容効率が最も優れるため、経済的でもある。
また、回転側コア15の方が固定側コア13より分割数が少ないので、遠心強度にも配慮できる。さらに、回転側コア15は、全てのセグメント15Aが同一形状であることから、回転バランスが安定し、高速回転にも適応できる。
両コア13、15は、それぞれ、周方向に隣り合うセグメント13A、15A同士が絶縁部材17、18によって電気絶縁されているため、両コア13、15の周回方向に発生する渦電流をより確実に分断できる。なお、周方向に隣り合うセグメント13A、15A同士を電気絶縁する手段として、両コア13、15の分割部に絶縁部材17、18を挿入する代わりに、両コア13、15の分割部に空隙を確保する、つまり、周方向に隣り合うセグメント13Aとセグメント13Aとの間、および、セグメント15Aとセグメント15Aの間に空隙を空けるだけでも良い。
また、複数のセグメント13A、15Aに分割された両コア13、15は、それぞれ電気抵抗率の高い補強部材19、20によって外周が保持されているので、耐遠心強度と渦電流低減とを両立している。
さらに、回転側コア15の内周側には、モータ回転軸8との間に空隙が確保されているので、鉄製のモータ回転軸8へ渦電流が誘起されることを防止できる。なお、回転側コア15の内周側に空隙を設ける代わりに、回転側コア15とモータ回転軸8との間に非磁性部を配置する構成でも良い。
(変形例)
両コア13、15の分割構造は、実施例1で説明した様に、両コア13、15の分割部が同時に三ヶ所以上対向しないような構造であれば良い。この条件(同時に三ヶ所以上の分割部が対向しない分割構造)を満たしていれば、両コア13、15の分割数の少なくとも一方に奇数の素因数が含まれ、且つ、両コア13、15の分割数の公約数に4を含まないような分割数の組み合わせ、あるいは、両コア13、15の分割数に互いに異なる奇数の素因数が含まれ、且つ、両コア13、15の分割数の公約数に4を含まない分割数の組み合わせを採用できる。具体的には、図1、図2に示した組み合わせ以外に、例えば、固定側コア13と回転側コア15を、それぞれ9分割と8分割、8分割と6分割、8分割と5分割、6分割と5分割などの組み合わせも可能である。
なお、両コア13、15の分割数の公約数に4を含む分割構造(例えば、固定側コア13を12分割、回転側コア15を8分割)では、4n次の脈動が発生するので、本発明の構成からは除外される。また、固定側コア13を9分割、回転側コア15を6分割とする組み合わせは、少なくとも一方の分割数に奇数の素因数が含まれ、且つ、両コア13、15の分割数の公約数に4を含まない分割数の組み合わせに当てはまるが、両コア13、15の分割部が同時に3ヶ所対向する(3n次の脈動が発生する)ので、本発明の構成からは除外される。
実施例1では、本発明の励磁装置10を同期モータ1に適用した一例を記載したが、同期発電機に適用することもできる。
また、実施例1に記載した回転トランス11は、固定側ユニットUSと回転側ユニットURとが軸方向に空隙を有して対向配置する構成であるが、固定側ユニットUSと回転側ユニットURとを径方向に空隙を有して対向配置する構成でも良い。
1 同期モータ(回転電機)
6 界磁巻線
7 ロータ
8 モータ回転軸(回転軸)
10 励磁装置
11 回転トランス
12 順変換装置(励磁装置)
13 固定側コア(円環状のコア)
13A 固定側コアのセグメント
14 一次コイル
15 回転側コア(円環状のコア)
15A 回転側コアのセグメント
16 二次コイル
US 固定側ユニット(一方のコイルユニット)
UR 回転側ユニット(他方のコイルユニット)

Claims (9)

  1. 回転軸(8)と一体に回転するロータ(7)に界磁巻線(6)を備える回転電機(1)に用いられ、非接触で前記界磁巻線(6)を励磁する励磁装置(10)であって、
    前記励磁装置(10)は、
    軟磁性材から成る円環状のコア(13、15)にコイル(14、16)を巻回して構成される一組のコイルユニット(US、UR)を有し、この一組のコイルユニット(US、UR)が空隙を有して対向配置されると共に、前記一組のコイルユニット(US、UR)のうち、一方のコイルユニット(US)が固定側に配置され、他方のコイルユニット(UR)が回転側に配置される回転トランス(11)を備え、
    前記一方のコイルユニット(US)に使用される前記コアを固定側コア(13)、前記他方のコイルユニット(UR)に使用される前記コアを回転側コア(15)と呼ぶ時に、 前記固定側コア(13)と前記回転側コア(15)は、それぞれ周方向に三つ以上のセグメント(13A、15A)に分割され、且つ、前記固定側コア(13)の何れか一ヶ所の分割部と前記回転側コア(15)の何れか一ヶ所の分割部とが対向する位置関係にある時に、前記固定側コア(13)のその他の分割部と前記回転側コア(15)のその他の分割部とが周方向にずれた位置関係にあることを特徴とする回転電機の励磁装置。
  2. 回転軸(8)と一体に回転するロータ(7)に界磁巻線(6)を備える回転電機(1)に用いられ、非接触で前記界磁巻線(6)を励磁する励磁装置(10)であって、
    前記励磁装置(10)は、
    軟磁性材から成る円環状のコア(13、15)にコイル(14、16)を巻回して構成される一組のコイルユニット(US、UR)を有し、この一組のコイルユニット(US、UR)が空隙を有して対向配置されると共に、前記一組のコイルユニット(US、UR)のうち、一方のコイルユニット(US)が固定側に配置され、他方のコイルユニット(UR)が回転側に配置される回転トランス(11)を備え、
    前記一方のコイルユニット(US)に使用される前記コアを固定側コア(13)、前記他方のコイルユニット(UR)に使用される前記コアを回転側コア(15)と呼ぶ時に、 前記固定側コア(13)と前記回転側コア(15)は、それぞれ周方向に三つ以上のセグメント(13A、15A)に分割され、且つ、前記固定側コア(13)の何れか二ヶ所の分割部と前記回転側コア(15)の何れか二ヶ所の分割部とが同時に対向する位置関係にある時に、前記固定側コア(13)のその他の分割部と前記回転側コア(15)のその他の分割部とが周方向にずれた位置関係にあることを特徴とする回転電機の励磁装置。
  3. 請求項1または2に記載した回転電機の励磁装置(10)において、
    前記回転側コア(15)の分割数の方が前記固定側コア(13)の分割数より小さい値に設定されていることを特徴とする回転電機の励磁装置。
  4. 請求項1〜3に記載した何れか一つの回転電機の励磁装置(10)において、
    前記固定側コア(13)および前記回転側コア(15)は、共に周方向に等分割されていることを特徴とする回転電機の励磁装置。
  5. 請求項1〜4に記載した何れか一つの回転電機の励磁装置(10)において、
    前記固定側コア(13)および前記回転側コア(15)は、それぞれ前記セグメント(13A、15A)が扇形に分割されていることを特徴とする回転電機の励磁装置。
  6. 請求項1〜5に記載した何れか一つの回転電機の励磁装置(10)において、
    前記固定側コア(13)および前記回転側コア(15)は、それぞれ周方向に隣り合う前記セグメント(13A、15A)同士が電気絶縁されていることを特徴とする回転電機の励磁装置。
  7. 請求項1〜6に記載した何れか一つの回転電機の励磁装置(10)において、
    前記他方のコイルユニット(UR)は、前記回転側コア(15)が、前記ロータ(7)を支持する回転軸(8)との間に非磁性部を有して前記回転軸(8)と同心に配置されていることを特徴とする回転電機の励磁装置。
  8. 請求項1〜7に記載した何れか一つの回転電機の励磁装置(10)において、
    前記固定側コア(13)および前記回転側コア(15)は、それぞれ分割された前記セグメント(13A、15A)が磁性粉体を圧縮成型して形成されることを特徴とする回転電機の励磁装置。
  9. 請求項1〜8に記載した何れか一つの回転電機の励磁装置(10)において、
    前記回転トランス(11)は、前記固定側コア(13)および前記回転側コア(15)の外周が、両コア(13、15)より電気抵抗率の高い補強部材(19、20)によって保持されていることを特徴とする回転電機の励磁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106712386A (zh) * 2017-01-09 2017-05-24 武汉船用电力推进装置研究所(中国船舶重工集团公司第七二研究所) 一种多电制发电机组
EP3968347A1 (en) * 2020-09-09 2022-03-16 Sumida Corporation Power transmission device

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