JP2013189405A - 補体阻害剤を受けている患者に補体阻害薬剤を分配する方法 - Google Patents

補体阻害剤を受けている患者に補体阻害薬剤を分配する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】補体阻害剤を受けている患者に補体阻害薬剤を分配する方法を提供すること。
【解決手段】本開示は、一般に、発作性夜間血色素尿症(PNH)または非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の患者を処置するために使用される特定の薬物(例えば、補体阻害剤(すなわち、エクリズマブ(Soliris(登録商標)))の使用を中止した後の有害な臨床事象(重篤な有害作用が挙げられる)の予測外の発見に関する。一局面において、本開示は、上記患者または上記患者の代理人が、薬物の副作用のリスク、上記薬物の中止のリスク、またはその両方のリスクを確認しているという条件に基づいて、上記薬物の分配を許可することによって、必要な患者に上記薬物を分配するための方法を提供する。
【選択図】なし

Description

(背景)
補体は、免疫系の必須の成分であり、侵入する微生物の破壊および組織ホメオスタシスの維持(自己免疫疾患に対する防御が挙げられる)に実質的に関連している。しかし、過剰なまたは制御されない補体活性化は、顕著に、望ましくない組織損傷を与える。補体活性化は、炎症性組織破壊を直接的におよび間接的に媒介することによって、宿主に害を与えるかなりのリスクを示す。臨床的および実験的な証拠により、多くの炎症性疾患の病因における補体の顕著な役割が強められる。
近年、補体関連疾患に対する可能性のある治療に関し、補体活性化を阻害するということにおいて、大きな進歩があった。ある程度の補体活性化の阻害は、その有害作用を軽減するに十分であり得るが、侵入する病原体に対する防御機構をなお保っている。3つの補体活性化経路が重複してあることから、ただ1つの経路が選択的にブロックされた場合に感染のリスクが軽減され得る。さらに、感染性の合併症のリスクは、比較的上流にある補体成分C3をブロックする場合に、おそらく最もその可能性が高い。一部の補体阻害剤(下流の補体成分C5を特異的に認識しそして拮抗する抗体または抗原結合フラグメント(例えば、エクリズマブ(Soliris(登録商標))およびペキセリズマブが挙げられる)が、調製され、そして/または臨床試験において試験されてきた。C5切断および終末C5b−9複合体形成に対するそれらの阻害に起因して、これら阻害剤は、特定の病原体(例えば、Neisseriae)に対する感受性の増大をもたらし得る。しかし、これら補体阻害剤が、上市または臨床試験のためですら、FDAによって承認されたものはほとんどないという事実に起因して、これら阻害剤についてのより多くの情報が、いかなる代表的な有害作用、特に、これら補体阻害剤の長期間の使用または使用の中止後のいかなる潜在的な有害作用についても、必要である。
(開示の概要)
本開示は、一般に、発作性夜間血色素尿症(PNH)または非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の患者を処置するために使用される特定の薬物(例えば、補体阻害剤(すなわち、エクリズマブ(Soliris(登録商標)))の使用を中止した後の有害な臨床事象(重篤な有害作用が挙げられる)の予測外の発見に関する。一局面において、本開示は、上記患者または上記患者の代理人が、薬物の副作用のリスク、上記薬物の中止のリスク、またはその両方のリスクを確認しているという条件に基づいて、上記薬物の分配を許可する(authorizing distribution)ことによって、必要な患者に上記薬物を分配するための方法を提供する。このようなリスクに関する警告の受領を確認した後、上記確認は、データベースに、例えば、このようなリスクおよび副作用の同定とともに、後の患者コンプライアンス、ならびに臨床的成功および失敗を評価する一助とするために、登録される。特定の例示的実行において、本開示は、(i)補体関連障害に罹患したか、補体関連障害を有すると疑われているか、または補体関連障害を発症するリスクがあり、(ii)補体阻害剤(CI1)での処置が必要な患者の処置に使用するための上記補体阻害剤を分配するための方法を提供し、上記方法は、
i)以下の:
(a)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人は、情報を理解しそして評価し、そして決定することにおいて適格である;
(b)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人は、上記障害を処置するための補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および書面による警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
(c)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人は、上記警告の確認および上記処置に対する合意を既に表明した;
という認証(certification)に基づいて、上記患者を処置するための補体阻害剤の分配を許可する(authorizing)工程、
ii)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人が、上記警告を既に受けて確認し、上記処置に合意したという情報を含むデータベースを登録する工程;ならびに
iii)(i)および(ii)の後に、上記患者の処置に使用するための上記補体阻害剤を分配する工程、
を含む。
別の局面において、本開示は、補体阻害剤(CI1)での補体関連障害の医学的処置に対して患者のコンプライアンスを促進するための方法を提供し、上記方法は、
i)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人に、上記障害を処置するための上記補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および書面による警告のうちの一方または両方を介して助言する工程;
ii)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人からの、上記警告の確認および上記処置に対する合意を得る工程;
iii)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、患者情報を含むデータベースを登録する工程であって、ここで上記患者情報は、上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人が、上記警告を既に提供され、上記警告を確認し、そして上記処置に同意したことを含む、工程;ならびに
iv)上記患者を処置するための上記補体阻害剤の分配を許可する工程、
を含む。
いくつかの実施形態において、上記補体関連障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、上記患者は、上記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の有害な臨床事象についてモニターされる。一実施形態において、上記患者は、上記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または上記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、上記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置される。別の実施形態において、上記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置する工程を含む。さらに別の実施形態において、上記代わりの治療は、血漿療法、または臓器特異的支持処置(organ−specific supportive measure)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。一実施形態において、上記血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、上記補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である。一実施形態において、上記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである。好ましい一実施形態において、上記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物(biosimilar equivalent)である。一実施形態において、上記中止と関連した有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む。好ましい一実施形態において、上記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される。別の好ましい実施形態において、上記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニンレベル、および血清LDHレベルからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定され得る。一実施形態において、TMA関連合併症は、
i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
ii)ベースラインまたは処置の間の最下点(nadir)レベルと比較して、血清クレアチニンレベルが25%以上増加すること;または
iii)ベースラインまたは処置の間の最下点レベルと比較して、血清LDHレベルが25%以上増加すること、
によって示される。
別の局面において、本開示は、補体関連障害を有する患者のデータベースを構築するための方法を提供し、ここで上記方法は、コンピューター読み取り可能な媒体を介して、上記患者の情報を含むデータベースを登録する工程を含み、ここで上記情報は、上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人が、上記障害を処置するための補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および書面による警告のうちの一方または両方を受けたことを含む。いくつかの実施形態において、上記補体関連障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、上記情報は、上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人が、上記補体阻害剤処置に対する警告および同意を確認したことをさらに含む。好ましい一実施形態において、上記患者は、上記補体阻害剤の分配の前に上記警告を受ける。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される補体阻害剤は、補体タンパク質C5の阻害剤である。一実施形態において、上記補体阻害剤は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである。好ましい一実施形態において、上記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である。
別の局面において、本開示はまた、本明細書に記載される方法によって構築される患者のデータベースを提供する。
別の局面において、本開示は、少なくとも1つの有害事象を政府規制当局に報告するための方法を提供し、上記方法は、本明細書で開示されるデータベースを検索して、補体関連障害を有し、補体阻害剤(CI1)での治療の中止の際に少なくとも1つの有害な臨床事象を経験した患者についての情報を決定する工程、ならびに政府規制当局に上記情報を連絡する工程を含む。
別の局面において、本開示は、補体関連障害を処置するための補体阻害剤(CI1)を分配するための方法を提供し、ここで少なくとも1つの有害な臨床事象は、上記補体阻害剤での処置を中止した際に起こり得、上記方法は、
i)上記補体阻害剤を分配するために政府規制当局から承認を得る工程であって、ここで上記政府規制当局は、上記少なくとも1つの潜在的な有害な臨床事象を既に事前に通知している、工程;および
ii)上記少なくとも1つの潜在的な有害な臨床事象の情報を含む警告を、分配者、処方者、許可を受けた調剤者、または上記障害を有する患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人に提供する文書とともに、上記補体阻害剤を提供する工程、
を含む。
別の局面において、本開示は、補体阻害剤で患者を処置するための方法を提供し、ここで上記患者は、(i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われているか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)上記補体阻害剤での処置が必要であり、上記方法は、
(a)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人に、上記障害を処置するための補体阻害剤(CI1)の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および書面による警告のうちの一方または両方を提供する工程;
(b)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人が、上記警告を受け、そして明示的に確認したという情報を登録する工程;ならびに
(c)(a)および(b)の後に、上記補体阻害剤を、上記障害を処置するに有効な量および頻度で上記患者に投与する工程、
を含む。
別の局面において、本開示は、補体関連障害を有し、補体阻害剤(CI1)での治療を中止した患者を処置するための方法を提供し、上記方法は、
(a)補体阻害剤治療の中止後、中止と関連した少なくとも1つの有害な臨床事象の存在について上記患者をモニターする工程;および
(b)上記有害な臨床事象の提示に際して、(i)治療上有効な量の上記補体阻害剤(CI1)を上記患者に投与する工程;(ii)治療上有効な量の異なる補体阻害剤(CI2)を上記患者に投与する工程;(iii)血漿療法を上記患者に施す工程;(iv)臓器特異的支持処置を施す工程;または(v)該(i)〜(iv)の任意の組み合わせ
を含む。
別の局面において、本開示は、補体関連障害を有し、補体阻害剤(CI1)を処方されており、上記患者が上記補体阻害剤での処置を中止する場合に有害な臨床事象のリスクがある患者に警告を与える方法を提供し、上記方法は、上記補体阻害剤のパッケージラベルまたはパッケージ挿入物に書面による警告を入れる工程を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される補体関連障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、上記患者は、上記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、上記有害な臨床事象についてモニターされる。
いくつかの実施形態において、上記患者は、上記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または上記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、上記有害な臨床事象についての代わりの治療で処置される。一実施形態において、上記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置する工程を含む。好ましい一実施形態において、上記代わりの治療は、血漿療法、または臓器特異的支持処置、またはこれらの任意の組み合わせを含む。さらに好ましい一実施形態において、上記血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、本開示の補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である。一実施形態において、上記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである。好ましい一実施形態において、上記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である。一実施形態において、上記抗体またはその抗原結合フラグメントは、C5の切断部位に結合し、それによって、C5の切断を、C5コンベルターゼがC5における切断部位に接近することを妨げることによって阻害する。一実施形態において、上記中止と関連した有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む。好ましい一実施形態において、上記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される。別の好ましい実施形態において、上記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニンレベル、および血清LDHレベルからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定され得る。一実施形態において、TMA関連合併症は、
i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
ii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清クレアチニンレベルが25%以上増加すること;または
iii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清LDHレベルが25%以上増加すること、
によって示される。
別の局面において、本開示は、(i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)上記補体阻害剤での処置が必要な患者を処置するに当たって使用するための補体阻害剤(CI1)を分配するための方法を提供し、上記方法は、
i)以下の医師または薬局からの認証:
(a)上記医師または薬局は、上記障害を処置するための上記補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および書面による警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
(b)上記医師または薬局は、上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人に上記警告を分配する;
に基づいて、上記患者に上記阻害剤をさらに分配する医師または薬局に、補体阻害剤の分配を許可する工程、
ii)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、上記医師または薬局が、上記警告を受けて確認し、上記警告を、上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人に分配することに同意したという情報を含むデータベースを登録する工程;ならびに
iii)(i)および(ii)の後に、上記補体阻害剤を、上記患者の処置に使用するために上記医師または薬局に分配する工程、
を含む。
別の局面において、本開示は、補体関連障害の処置に使用するための補体阻害剤(CI1)を分配する医師または薬局のデータベースを構築する(creating)方法を提供し、上記方法は、コンピューター読み取り可能な媒体を介して、上記医師または薬局が、上記障害を処置するための補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および書面による警告のうちの一方または両方を既に受けて確認し、上記障害を有する上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人に上記警告を分配することに同意したという情報を含むデータベースを登録する工程を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される補体関連障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される。
別の局面において、本開示は、本明細書で開示される方法によって構築された医師または薬局のデータベースを提供する。
別の局面において、本開示は、(i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤(CI1)での処置が必要な患者の処置に使用するための該補体阻害剤を分配するためのシステムを提供し、上記システムは、
上記患者について、および上記補体阻害剤を分配するための指示が実行されるかどうかについての情報を保存するための、メモリまたは記憶デバイス;ならびに
上記指示を実行するように構成されたプロセッサ、
を含み、ここで上記指示は、上記プロセッサに、
i)以下の認証:
(a)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人が、情報を把握しそして評価し、そして決定することにおいて適格である;
(b)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人は、上記障害を処置するための上記補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および書面による警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
(c)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人は、上記警告の確認および上記処置に対する合意を既に表明した;
について、メモリまたは記憶デバイスを検索する工程;
ii)工程i)の認証の同定に基づいて、上記患者を処置するための上記補体阻害剤の分配を許可する工程;ならびに
iii)上記メモリまたは記憶デバイスを介して、上記補体阻害剤の分配を登録する工程
を含む工程を行わせる。
いくつかの実施形態において、上記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるメモリまたは記憶デバイスに保存される情報は、上記患者が上記補体阻害剤(CI1)の使用を中止していることおよび上記患者が上記中止の後に、有害な臨床事象についてモニターされることに関する情報をさらに含む。その他の実施形態において、本明細書で開示されるメモリまたは記憶デバイスに保存される情報は、上記患者が上記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または上記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、上記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置されることをさらに含む。一実施形態において、上記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置することを含む。別の実施形態において、上記代わりの治療は、血漿療法、または臓器特異的支持処置、またはこれらの組み合わせを含む。例えば、本明細書で開示される血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である。一実施形態において、上記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである。例えば、上記抗体またはその抗原結合フラグメントは、少なくともエクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー(biosimilar)等価物を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示される中止と関連した有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む。一実施形態において、上記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される。別の実施形態において、上記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニン、および血清LDHからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定される。例えば、TMA関連合併症は、
i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
ii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清クレアチニンが25%以上増加すること;または
iii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清LDHが25%以上増加すること、
によって示される。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるメモリまたは記憶デバイスに保存される情報は、データベースへと構築される。いくつかの実施形態において、上記メモリまたは記憶デバイスに保存される情報は、政府規制当局へ報告されるべきものである。一実施形態において、上記補体阻害剤は、上記政府規制当局から承認を得た後に分配される。
いくつかの実施形態において、上記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、上記補体阻害剤が、上記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の少なくとも1つの潜在的な有害な臨床事象についての警告を提供する文書とともに分配されることをさらに含む。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
(i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤(CI1)での処置が必要な患者の処置に使用するための該補体阻害剤(CI1)を分配するための方法であって、該方法は、
i)以下の、
(a)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、情報を把握しそして評価し、そして決定することにおいて適格である;
(b)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、該障害を処置するための該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
(c)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、該警告および該処置に対する合意を既に確認した;
という患者認証に基づいて、該患者を処置するための補体阻害剤の分配を許可する工程、
ii)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該警告を既に受けて確認し、該処置に合意したという情報を含むデータベースを登録する工程;ならびに
iii)(i)および(ii)の後に、該患者の処置に使用するための該補体阻害剤を分配する工程、
を含む、方法。
(項目2)
補体阻害剤(CI1)での補体関連障害の医学的処置に対して患者のコンプライアンスを促進する方法であって、該方法は、
i)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に、該障害を処置するための該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を介して助言する工程;
ii)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人からの、該警告の確認および該処置に対する合意を得る工程;
iii)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、患者情報を含むデータベースを登録する工程であって、ここで該患者情報は、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該警告を既に提供され、該警告を確認し、そして該処置に対して同意したことを含む、工程;ならびに
iv)該患者を処置するための該補体阻害剤の分配を許可する工程、
を含む、方法。
(項目3)
前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群 (aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目4)
前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の有害な臨床事象についてモニターされる、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または該補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
前記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または前記同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置する工程を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記代わりの治療は、血漿療法、または臓器特異的支持処置、またはこれらの組み合わせを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
中止と関連した前記有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニン、および血清LDHからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
TMA関連合併症は、
i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
ii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清クレアチニンが25%以上増加すること;または
iii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清LDHが25%以上増加すること、
によって示される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
補体関連障害を有する患者のデータベースを構築するための方法であって、該方法は、コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該患者の情報を含むデータベースを登録する工程を含み、ここで該情報は、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該障害を処置するための補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けたことを含む、方法。
(項目17)
前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記情報は、前記患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、前記補体阻害剤処置に対する警告および同意を既に確認したことをさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記患者は、前記補体阻害剤の分配の前に前記警告を受ける、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記補体阻害剤は、補体タンパク質C5の阻害剤である、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記補体阻害剤は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記抗体または抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法によって構築された、補体関連障害を有する患者のデータベース。
(項目24)
少なくとも1つの有害事象を政府規制当局に報告するための方法であって、該方法は、上記項目のうちのいずれか1項に記載のデータベースを検索して、補体関連障害を有し、補体阻害剤(CI1)での治療の中止の際に少なくとも1つの有害な臨床事象を経験した患者についての情報を決定する工程、ならびに、政府規制当局に該情報を連絡する工程を含む、方法。
(項目25)
補体関連障害を処置するための補体阻害剤(CI1)を分配するための方法であって、ここで少なくとも1つの有害な臨床事象は、該補体阻害剤での処置を中止した際に起こり得る、該分配するための方法は、
i)該補体阻害剤を分配するために、政府規制当局から承認を得る工程であって、ここで該政府規制当局は、該少なくとも1つの潜在的な有害な臨床事象を既に事前に通知している、工程;および
ii)該少なくとも1つの潜在的な有害な臨床事象の情報を含む警告を、分配者、処方者、許可を受けた調剤者、または該障害を有する患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に提供する文書とともに、該補体阻害剤を提供する工程、
を含む、方法。
(項目26)
(i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われているか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤での処置が必要である患者を補体阻害剤で処置するための方法であって、該方法は、
(a)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に、該障害を処置するための補体阻害剤(CI1)の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を提供する工程;
(b)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該警告を既に受け、そして明示的に確認したという情報を登録する工程;ならびに
(c)(a)および(b)の後に、該補体阻害剤を、該障害を処置するのに有効な量および頻度で該患者に投与する工程、
を含む、方法。
(項目27)
前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象についてモニターされる、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または該補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または前記同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置する工程を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
前記代わりの治療は、血漿療法、臓器特異的支持処置、またはこれらの任意の組み合わせを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
補体関連障害を有し、補体阻害剤(CI1)での治療を中止した患者を処置するための方法であって、該方法は、
(a)補体阻害剤治療の中止後、中止と関連した少なくとも1つの有害な臨床事象の存在について該患者をモニターする工程;および
(b)該有害な臨床事象の提示に際して:(i)治療上有効な量の該補体阻害剤(CI1)を該患者に投与する工程;(ii)治療上有効な量の異なる補体阻害剤(CI2)を該患者に投与する工程;(iii)血漿療法を該患者に施す工程;(iv)臓器特異的支持処置を施す工程;または(v)該(i)〜(iv)の任意の組み合わせ、
を含む、方法。
(項目34)
補体関連障害を有し、補体阻害剤(CI1)を処方されており、該補体阻害剤での処置が中止される場合に有害な臨床事象のリスクがある患者に警告を与えるための方法であって、該方法は、該補体阻害剤のパッケージラベルまたはパッケージ挿入物に文書での警告を入れる工程を含む、方法。
(項目35)
前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目36)
前記補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
中止と関連した前記有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
前記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目41)
前記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニン、および血清LDHからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目42)
TMA関連合併症は、
i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
ii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清クレアチニンが25%以上増加すること;または
iii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清LDHが25%以上増加すること、
によって示される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目43)
(i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤(CI1)での処置が必要な患者の処置に使用するための該補体阻害剤を分配するための方法であって、該方法は、
i)医師または薬局からの、
(a)該医師または薬局は、該障害を処置するための該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
(b)該医師または薬局は、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に該警告を分配する;
という認証に基づいて、該患者に該阻害剤をさらに分配する該医師または薬局に、該補体阻害剤の分配を許可する工程、
ii)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該医師または薬局が、該警告を既に受けて確認し、該警告を該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に分配することに同意したという情報を含むデータベースを登録する工程;ならびに
iii)(i)および(ii)の後に、該補体阻害剤を、該患者の処置に使用するために該医師または薬局に分配する工程、
を含む、方法。
(項目44)
補体関連障害の処置に使用するための補体阻害剤(CI1)を分配する医師または薬局のデータベースを構築する方法であって、該方法は、コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該医師または薬局が、該障害を処置するための補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けて確認し、該障害を有する患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に該警告を分配することに同意したという情報を含むデータベースを登録する工程を含む、方法。
(項目45)
前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目46)
上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法によって構築された、医師または薬局のデータベース。
(項目47)
(i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤(CI1)での処置が必要な患者の処置に使用するための該補体阻害剤を分配するためのシステムであって、該システムは、
該患者について、および該補体阻害剤を分配するための指示が実行されるか否かについての情報を保存するための、メモリまたは記憶デバイス;ならびに
該指示を実行するように構成されたプロセッサ、
を含み、ここで該指示は、該プロセッサに、
i)以下の、
(a)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、情報を把握しそして評価し、そして決定することにおいて適格である;
(b)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、該障害を処置するための該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
(c)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、該警告の確認および該処置に対する合意を既に表明した;
という認証について、該メモリまたは記憶デバイスを検索する工程;ならびに
ii)工程i)における認証の同定に基づいて、該患者を処置するための該補体阻害剤の分配を許可する工程、
を含む工程を行わせる、システム。
(項目48)
iii)前記メモリまたは記憶デバイスを介して、前記補体阻害剤の前記分配を登録する工程、
をさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目49)
前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目50)
前記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、前記補体阻害剤(CI1)の使用を前記患者が中止したこと、および該患者が、該中止の後に有害な臨床事象についてモニターされることをさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目51)
前記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、前記患者が、前記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または該補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置されることをさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目52)
前記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または前記同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置する工程を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目53)
前記代わりの治療は、血漿療法、臓器特異的支持処置、またはこれらの組み合わせを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目54)
前記血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目55)
前記補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目56)
前記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目57)
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目58)
中止と関連した前記有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目59)
前記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目60)
前記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニン、および血清LDHからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目61)
TMA関連合併症は、
i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
ii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清クレアチニンが25%以上増加すること;または
iii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清LDHが25%以上増加すること、
によって示される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目62)
前記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、データベースへと構築される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目63)
前記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、政府規制当局へ報告されるべきものである、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目64)
前記補体阻害剤は、前記政府規制当局から承認を得た後に分配される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目65)
前記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、前記補体阻害剤が、前記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の少なくとも1つの潜在的な有害な臨床事象についての警告を提供する文書とともに分配される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目66)
障害に罹患しているか、障害を有すると疑われているか、または障害を発症させるリスクがあり、そして補体阻害剤での処置が必要な患者の処置に使用するための該補体阻害剤の分配を許可するための方法であって、該方法は、
該患者の代理人が、該補体阻害剤の使用と関連した有害な臨床事象のリスクの警告の受領を既に認め、および該患者の代理人が、該患者の処置における該補体阻害剤の使用に同意したという認証を、プロセッサによって受ける工程;
電子データベースの中に該認証を示すデータを保存する工程;ならびに
該患者の処置に使用するための該補体阻害剤の分配の許可を示すシグナルを送る工程、
を含む、方法。
(項目67)
前記有害な臨床事象は、補体阻害剤の使用の中止と関連している、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目68)
前記電子データベースの中に、前記有害な臨床事象を示す第1の電子変数を保存する工程をさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目69)
前記電子データベースの中に、前記患者によって発現された症状を示す第2の電子変数を受け、保存する工程をさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目70)
前記プロセッサによって、前記第1のおよび第2の電子変数を比較する工程;
前記同定された有害な臨床事象と前記発現した症状との間の一致を同定する工程;
前記補体阻害剤の使用を、前記患者が該症状を発現する前に中止したか否かを評価する工程;および
前記電子データベースにおいて該同定された一致を示すデータを保存する工程、
をさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目71)
前記電子データベースの中に、前記補体阻害剤が、前記患者に投与された時間および量を示すデータを受け、保存する工程をさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目72)
障害に罹患しているか、障害を有すると疑われているか、または障害を発症させるリスクがあり、そして補体阻害剤での処置が必要な患者の処置に使用するための補体阻害剤の分配の許可を得るための方法であって、該方法は、
プロセッサによって、該患者の代理人が、該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクの警告の受領を既に認め、該患者の代理人が、該患者を処置することにおいて該補体阻害剤の使用に同意したという認証を提供する工程;
該患者の処置に使用するための該補体阻害剤の分配の許可を示すシグナルを受ける工程、
を含む、方法。
(項目73)
前記有害な臨床事象は、補体阻害剤の使用の中止と関連している、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目74)
前記プロセッサによって、前記患者が発現した症状を示すデータを送る工程をさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目75)
前記補体阻害剤が前記患者に投与された時間および量を示すデータを、前記プロセッサによって送る工程をさらに含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
(項目76)
障害に罹患しているか、障害を有すると疑われているか、または障害を発症させるリスクがあり、そして補体阻害剤での処置が必要な患者の処置に使用するための補体阻害剤の分配を許可するためのシステムであって、該システムは、
プロセッサ;
コンピューター実行可能な指示を保存するメモリであって、該指示は、該プロセッサによって実行される場合、該プロセッサに、
該患者の代理人が、該補体阻害剤の使用と関連した有害な臨床事象のリスクに関する、警告の受領を既に認め、該患者の代理人が、該患者を処置することにおいて該補体阻害剤の使用に同意したという認証を受け;
電子データベースの中に、該認証を示すデータを保存し;そして
該患者の処置に使用するための該補体阻害剤の分配の許可を示すシグナルを送る、
ようにさせる、メモリ、
を含む、システム。
(項目77)
前記有害な臨床事象は、補体阻害剤の使用の中止と関連している、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目78)
前記プロセッサは、前記電子データベースに、前記有害な臨床事象を示す第1の電子変数を保存するようにさらに構成されている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目79)
前記プロセッサは、前記電子データベースに、前記患者が発現した症状を示す第2の電子変数を受け、保存するようにさらに構成されている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目80)
前記プロセッサは、
前記第1のおよび第2の電子変数を比較し;
前記同定された有害な臨床事象と、前記発現した症状との間の一致を同定し;
前記補体阻害剤の使用が、前記患者が該症状を発現する前に中止したか否かを評価し;そして
前記電子データベースに、該同定された一致を示すデータを保存する
ようにさらに構成されている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目81)
前記プロセッサは、前記電子データベースに、前記補体阻害剤が前記患者に投与された時間および量を示すデータを、受け、保存するようにさらに構成されている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目82)
障害に罹患しているか、障害を有すると疑われているか、または障害を発症させるリスクがあり、そして補体阻害剤での処置が必要な患者の処置に使用するための補体阻害剤の分配の許可を得るためのシステムであって、該システムは、
プロセッサ;
コンピューター実行可能な指示を保存するメモリであって、該指示は、該プロセッサによって実行される場合に、該プロセッサに、
該患者の代理人が、該補体阻害剤の使用と関連した有害な臨床事象のリスクの警告の受領を既に認め、該患者の代理人が、該患者を処置することにおいて該補体阻害剤の使用に同意したという認証を提供し;
該患者の処置に使用するための該補体阻害剤の分配の許可を示すシグナルを受ける、
ようにさせる、メモリ
を含む、システム。
(項目83)
前記有害な臨床事象は、補体阻害剤の使用の中止と関連している、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目84)
前記プロセッサは、前記患者が発現した症状を示すデータを送るようにさらに構成されている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目85)
前記プロセッサは、前記補体阻害剤が前記患者に投与された時間および量を示すデータを送るようにさらに構成されている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目86)
(i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤(CI1)での処置が必要な患者の処置に使用するための該補体阻害剤(CI1)を分配するためのシステムであって、該システムは、
i)以下の、
(a)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、情報を把握しそして評価し、そして決定することにおいて適格である;
(b)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、該障害を処置するための該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
(c)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、該警告および該処置に対する合意を既に確認した;
という患者認証に基づいて、該患者を処置するための補体阻害剤の分配を許可するための手段、
ii)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該警告を既に受けて確認し、該処置に合意したという情報を含むデータベースを、コンピューター読み取り可能な媒体を介して登録するための手段;ならびに
iii)(i)および(ii)の後に、該患者の処置に使用するための該補体阻害剤を分配するための手段、
を含む、システム。
(項目87)
補体阻害剤(CI1)での補体関連障害の医学的処置に対して患者のコンプライアンスを促進するためのシステムであって、該システムは、
i)該障害を処置するための該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人へ忠告するための、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方;
ii)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人からの、該警告の確認および該処置に対する合意を得るための手段;
iii)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、患者情報を含むデータベースを登録するための手段であって、ここで該患者情報は、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該警告を既に提供され、該警告を確認し、そして該処置に対して同意したことを含む、手段;ならびに
iv)該患者を処置するための該補体阻害剤の分配を許可するための手段、
を含む、システム。
(項目88)
前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群 (aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目89)
前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の有害な臨床事象についてモニターされる、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目90)
前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または該補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目91)
前記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または前記同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置する工程を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目92)
前記代わりの治療は、血漿療法、または臓器特異的支持処置、またはこれらの組み合わせを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目93)
前記血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目94)
前記補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目95)
前記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目96)
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目97)
中止と関連した前記有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目98)
前記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目99)
前記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニン、および血清LDHからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目100)
TMA関連合併症は、
i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
ii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清クレアチニンが25%以上増加すること;または
iii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清LDHが25%以上増加すること、
によって示される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
(項目101)
(i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われているか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤での処置が必要である患者を処置するための医薬であって、該医薬は補体阻害剤を含み、
(a)該障害を処置するための補体阻害剤(CI1)の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関する、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方が、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に提供され;
(b)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該警告を既に受け、そして明示的に確認したという情報が登録され;そして
(c)(a)および(b)の後に、該補体阻害剤が、該障害を処置するのに有効な量および頻度で該患者に投与される、
ことを特徴とする、医薬。
(項目102)
前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目103)
前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象についてモニターされる、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目104)
前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または該補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目105)
前記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または前記同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置する工程を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目106)
前記代わりの治療は、血漿療法、臓器特異的支持処置、またはこれらの任意の組み合わせを含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目107)
前記血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目108)
補体関連障害を有し、補体阻害剤(CI1)での治療を中止した患者を処置するための医薬であって、
(a)補体阻害剤治療の中止後、中止と関連した少なくとも1つの有害な臨床事象の存在について該患者がモニターされ;そして
(b)該有害な臨床事象の提示に際して:(i)治療上有効な量の該補体阻害剤(CI1)が該患者に投与され;(ii)治療上有効な量の異なる補体阻害剤(CI2)が該患者に投与され;(iii)血漿療法が該患者に施され;(iv)臓器特異的支持処置が施され;または(v)該(i)〜(iv)の任意の組み合わせが行われる、
ことを特徴とする、医薬。
(項目109)
前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目110)
前記補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目111)
前記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目112)
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目113)
中止と関連した前記有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目114)
前記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目115)
前記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニン、および血清LDHからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
(項目116)
TMA関連合併症は、
i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
ii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清クレアチニンが25%以上増加すること;または
iii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清LDHが25%以上増加すること、
によって示される、上記項目のうちのいずれか1項に記載の医薬。
本開示の摘要
本開示は、補体関連障害を有する患者への補体阻害薬物の分配を、上記薬物での処置を中止するという考えられる危険性に上記患者が認識することを確実にする様式で、許可する方法に関する。データベースが作製され、上記データベースは、上記薬物処置を中止した後の、有害な臨床事象を経験することを含む患者情報を含む。上記データベースにおける情報は集められ、報告され得る。上記患者は、上記補体阻害薬物での処置が中止される場合に起こり得る有害事象に関する警告が与えられる。
図1Aおよび図1Bは、本明細書で開示されるシステムおよび方法を実行するために使用され得る例示的ネットワークおよびデータベースの構造を示す。 図1Aおよび図1Bは、本明細書で開示されるシステムおよび方法を実行するために使用され得る例示的ネットワークおよびデータベースの構造を示す。 図2は、患者データベースにおける記録についてのデータ構造200を示し、上記患者データベースは、上記電子データベース106に保存され得る。 図3は、患者の処置に使用するための薬物の分配を許可するために、上記サーバー104によって実行され得る方法300のフローチャートである。 図4は、患者関連データを受け、保存するために、上記サーバー104によって実行され得る方法400のフローチャートである。 図5は、有害な臨床事象(例えば、上記患者または上記患者の代理人によって以前に認証されたリスクに対応する有害事象)を有する患者によって発現された症状を比較するために、上記サーバー104によって実行され得る方法500のフローチャートである(例えば、図3)。 図6は、ユーザーに薬物へのアクセスを許可するか否かを決定するために、上記サーバー104によって実行され得る方法600のフローチャートである。 図7は、患者を登録するために上記サーバー104によって実行され得る方法700のフローチャートである。 図8は、本明細書に記載されるプロセスのうちのいずれかを行うためのコンピューティングデバイス(例えば、上記図1A〜1Bのシステムの構成要素のうちのいずれか)のブロック図である。
(本開示の詳細な説明)
本開示は、一般に、薬物(特に、補体活性化経路を阻害する薬物)を患者に送達するための方法に関する。用語「薬物」とは、本明細書で使用される場合、疾患の診断、治癒、軽減、処置または予防における使用が意図される任意の物質、または身体の構造または機能に影響を与える任意の物質をいう。概して、本開示の方法は、望ましくは、および有利なことには、上記薬物を摂取している患者、ならびに上記薬物を処方する処方者および上記薬物を調剤する薬局の活動および行動を教育および強化するために使用され得る。活動および行動のこのような教育および強化は、しばしば、上記薬物の適切な処方および調剤、ならびに上記薬物を摂取している患者コンプライアンスを確実にするために必要である。特定の場合において、上記薬物の中止に関して患者および処方者を教育することもまた、必要である。薬物の中止は、有害作用をもたらし得、上記患者および処方者は、これら有害作用がどのようなものであり得るか、どのようにして、有害作用についてモニターするか、および中止に際して有害作用が認められる場合にどのようにして上記患者を処置するかに関して、教育される必要がある。多種多様な教育資料が、本明細書に記載される方法に従って、適切な処方、調剤、患者コンプライアンス、および追跡観察を確実にするために使用され得る(例えば、上記特定の薬物を摂取することおよび/または中止することと関連したリスクおよび利益を記載し得る種々の文献およびその他の資料(例えば、製品情報、パッケージ挿入物、教育パンフレット、連続的な教育モノグラフ、ビデオテープなど)が挙げられる)。
本明細書に記載される方法は、有利なことには、患者への補体阻害剤の分配のために使用され得る。本明細書で使用される場合、用語「補体阻害剤」とは、補体活性化経路(例えば、古典経路、第2経路、およびレクチン経路)の活性化を少なくとも部分的に軽減、中和、拮抗、または完全に阻害し得る任意の因子(例えば、任意の核酸、アミノ酸、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、タンパク質、化合物など)をいう。従って、本願における上記補体阻害剤は、補体活性化経路中の任意の成分と拮抗し、下流の補体活性化生成物のレベルの低下を生じる任意の阻害剤であり得る。例えば、補体阻害剤は、一般に、C1エステラーゼであるC3のレベルにおいて上記補体活性化を広く阻害し得るか、またはC5aおよびC5b−9(TCC)形成のその後の阻害を伴うC5活性化を選択的にブロックし得る。このような阻害剤の1つの非限定的例は、C5の切断部位に結合し、それによってC5コンベルターゼがC5における切断部位に接近しないように妨げることによって、C5の切断を阻害する、抗体またはその抗原結合フラグメントまたは抗原結合ポリペプチドである。このような阻害剤としてはまた、C5aフラグメントまたはC5bフラグメントに結合し、それらの活性を阻害する、抗体またはその抗原結合フラグメントまたは抗原結合ポリペプチドが挙げられる。別の非限定的例は、上記切断部位以外の部位においてC5に結合するが、C5の切断を妨げる、抗体またはその抗原結合フラグメントである。上記抗体、エクリズマブおよびペキセリズマブは、このような抗体の例である。その他の補体阻害剤は、補体系路の活性化因子と拮抗または阻害し得る。このような阻害剤の1つの非限定的例は、抗体、抗原結合フラグメント、抗原結合ポリペプチド、または因子Bまたは因子Dを認識しそして阻害する因子である。いくつかの天然に存在する調節因子としては、例えば、C1阻害剤、補体レセプター1(CR1/CD35)、補体レセプター2(CR2/CD21)、膜補因子タンパク質(MCP/CD46)、崩壊促進因子(DAF/CD55)、因子I、因子H、C4BP、補体レセプター1関連遺伝子/タンパク質(Crry)、CD59、微生物タンパク質などが挙げられる。組換え調節因子はまた、上記天然の調節因子に基づいて設計され得る。例えば、可溶性タンパク質(例えば、可溶性のCR1、DAF、CD59など)、タグ化タンパク質(例えば、細胞表面への特異的標的化のためのグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーとともに)、または少なくとも1種の調節因子を含む融合タンパク質は、当該分野で周知の方法を使用して構築および調製され得る。天然の調節因子のドミナントネガティブタンパク質(例えば、ドミナントネガティブ変異または短縮(truncation)を含む)はまた、その対応する内因性タンパク質の阻害剤として使用され得る。さらに、少なくとも1種の阻害剤および少なくとも1種のその他の因子(例えば、特異的細胞/組織タイプに対する標的化部分としての、または上記キメラタンパク質の安定性または効力を増大させるための因子)を含むキメラタンパク質が、構築され得る。いくつかの実施形態において、上記組換え補体阻害剤は、少なくとも1種の補体経路成分(例えば、マンノース結合レクチン(MBL)、C1、C3、C3コンベルターゼ、C5、C5コンベルターゼ、C5a、C5b−9(TCC)、因子D、因子Bなどのような)を特異的に認識する、抗体またはその抗原結合フラグメントである。補体阻害剤によるこのような特異的認識および結合は、特定の補体経路成分の活性化または種々の種(例えば、特定のタンパク質複合体)の形成の阻害をもたらし得る。本願の上記補体阻害剤はまた、低分子阻害剤(例えば、C1結合ペプチド、コンプスタチン、C3aRアンタゴニスト、C5aRアンタゴニスト、補体成分のその他の低分子阻害剤など)を含む。潜在的な補体阻害剤の詳細な考察については、Mollnes and Kirschfink,2006. Strategies of therapeutic complement inhibition. Molecular Immunology 43:107−121(その内容全体は、本明細書に参考として援用される)を参照のこと。
いくつかの好ましい実施形態において、上記補体阻害剤は、C5を特異的に認識する、抗体またはその抗原結合フラグメントである。一実施形態において、上記抗体またはその抗原結合フラグメントは、マウス抗C5モノクローナル抗体BB5.1(Freiら,1987. Generation of a monoclonal antibody to mouse C5 application in an ELISA assay for detection of anti−C5 antibodies. Mol.Cell.Probes :141−149)、ヒト化抗C5単鎖フラグメントh5G1.1−scFv(すなわち、ペキセリズマブ,Alexion Pharmaceuticals,Cheshire,CT)、またはヒト化抗C5モノクローナル抗体エクリズマブ(商品名Soliris(登録商標)で、Alexion Pharmaceuticals,Inc.)、またはこれらの抗原結合フラグメントである。本開示の補体阻害剤として有用なその他のC5結合分子および抗C5抗体としては、例えば、米国特許出願公開第20100034809号および同第20100166748号、ならびに米国特許第7,999,081号、ならびにWuerznerら((1991). Inhibition of terminal complement complex formation and cell lysis by monoclonal antibodies. Complement Inflamm.:328−340)に記載される、C5結合分子および抗C5抗体が挙げられる。好ましい一実施形態において、上記補体阻害剤は、本明細書で開示される抗体またはその抗原結合フラグメント、または抗原結合ポリペプチド(例えば、エクリズマブまたはペキセリズマブ)のアミノ酸配列と少なくとも約50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または95%超)の相同性(類似性)または同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。別の好ましい実施形態において、上記補体阻害剤は、上記本明細書で開示される抗体またはその抗原結合フラグメント、または抗原結合ポリペプチド(例えば、エクリズマブまたはペキセリズマブ)のアミノ酸配列と少なくとも約75%相同性または同一性を有するアミノ酸配列を含む。上記補体阻害剤は、その他の場合には、上記本明細書で開示される抗体またはその抗原結合フラグメント、または抗原結合ポリペプチド(例えば、エクリズマブまたはペキセリズマブ)のアミノ酸配列と少なくとも約80%の相同性または同一性を有するアミノ酸配列を含み得、その他の実施形態においては、上記本明細書で開示される抗体またはその抗原結合フラグメント、または抗原結合ポリペプチド(例えば、エクリズマブまたはペキセリズマブ)のアミノ酸配列と少なくとも約85%、90%または95%の相同性または同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。用語「補体活性化」または本明細書で一般に使用される類似の用語は、上記補体経路のうちの少なくとも1つおよび上記下流の補体成分のうちの少なくとも1つの活性化に言及するが、用語「C5と拮抗することによって補体活性化を阻害する」または本明細書で使用される類似の用語は、C5コンベルターゼによってC5をC5aおよびC5bへ切断することを阻害すること、ならびに下流のC5b−9複合体形成を阻害すること、またはC5aの形成またはC5aの活性を阻害することに、具体的に言及する。
本開示において特徴とされる上記補体阻害剤は、補体関連障害を処置または予防するために設計される。上記方法は、投与が必要な被験体(例えば、ヒト)に、上記被験体が罹患している補体関連障害を処置するのに十分な量で、本明細書で記載される治療的補体阻害剤(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント)を投与する工程を包含する。上記補体関連障害は、例えば、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、または敗血症であり得る。いくつかの実施形態において、上記補体関連障害は、補体関連肺障害である。例えば、上記補体関連肺障害は、例えば、喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)であり得る。処置または予防に反応しやすいその他の補体関連障害は、本明細書に記載される。投与様式は、処置されるべき補体関連障害のタイプに依存して変動し得、例えば、静脈内投与、肺内投与、眼内投与、皮下投与、または関節内投与であり得る。
いくつかの実施形態において、本開示において特徴とされる上記補体阻害剤は、補体関連障害のためのその他の治療とともに行われ得る。例えば、上記組成物は、プラズマフェレシス、IVIG治療、または血漿交換と同時、その前、またはその後に、被験体に投与され得る。例えば、Appelら(2005) J Am Soc Nephrol 16:1392−1404を参照のこと。いくつかの実施形態において、上記補体阻害剤は、腎移植と同時、その前、またはその後に被験体に投与され得る。
「被験体」とは、本明細書で使用される場合、ヒトである。いくつかの実施形態において、上記被験体は、幼児、青年、または成人である。
本明細書で使用される場合、「予防が必要な」、「処置が必要な」、または「それが必要な」被験体とは、適切な医療従事者(例えば、ヒトの場合には、医師、看護師、またはナース・開業医;非ヒト哺乳動物の場合には、獣医師)の判断によって、所定の処置(例えば、抗C5抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組成物での処置)から合理的に利益を得る者に言及する。
用語「予防する」とは、当該分野で認識され、状態に関連して使用される場合、当該分野で十分に理解されており、上記組成物を受けない被験体と比較して、ある被験体における医学的状態の頻度、またはその始まりの遅延、またはその症状を軽減する組成物の投与を含む。従って、補体関連障害(例えば、喘息)の予防は、例えば、統計的におよび/または臨床的に有意な量だけ、例えば、処置していないコントロール集団と比較して、予防的処置を受けている患者の集団において、咳嗽、喘鳴、または胸痛の程度または頻度が低下すること、および/または処置を受けていないコントロール集団に対して、処置を受けた集団において咳嗽または喘鳴の発生が遅れることを含む。
用語「治療上有効な量」または「治療上有効な用量」、または本明細書で使用される類似の用語は、所望の生物学的応答または医学的応答(例えば、補体関連障害の1つ以上の症状における改善)を誘発する因子(例えば、補体阻害剤)の量を意味することが意図される。
用語「患者認証」とは、(a)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人が、情報を把握しそして評価し、そして決定することにおいて適格であること;(b)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人は、上記障害を処置するための上記補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および書面による警告のうちの一方または両方を既に受けたこと;および(c)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人は、上記警告および上記処置に対する合意を既に確認したことを意味することが意図される。
本開示全体を通じて使用される場合、用語「抗体」とは、当該分野で公知であり、本明細書に記載される種々の方法のうちのいずれか1つによって生成される、完全な抗体またはインタクトな抗体(例えば、IgM、IgG、IgA、IgD、またはIgE)分子に言及する。用語「抗体」は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ化抗体またはキメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫化(deimmunized)ヒト抗体、および完全ヒト抗体を含む。上記抗体は、種々の種(例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル、ヒヒ、またはチンパンジー)、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、アレチネズミ、ハムスター、ラット、およびマウス))のうちのいずれかにおいて作製され得るかまたはこれらに由来し得る。上記抗体は、精製された抗体または組換え抗体であり得る。
本明細書で使用される場合、用語「抗体フラグメント」、「抗原結合フラグメント」、または類似の用語は、抗原に結合する能力を保持している抗体のフラグメント(例えば、単鎖抗体(scFv)、Fdフラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、またはF(ab’)フラグメント)に言及する。scFvは、このscFvが由来する抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の両方を含む単一ポリペプチド鎖である。さらに、ダイアボディー(Poljak(1994) Structure (12):1121−1123;Hudsonら(1999) J Immunol Methods 23(1−2):177−189(これら両方の開示は、それら全体が本明細書に参考として援用される))、ミニボディー、トリボディー(Schoonoogheら(2009) BMC Biotechnol :70)、ドメイン抗体(「重鎖免疫グロブリン」またはcamelidとしても公知;Holtら(2003) Trends Biotechnol 21(11):484−490));およびイントラボディー(Hustonら(2001) Hum Antibodies 10(3−4):127−142;Wheelerら(2003) Mol Ther (3):355−366;Stocks(2004) Drug Discov Today (22):960−966(これら各々の開示は、それら全体が本明細書に参考として援用される)は、抗体フラグメントの定義に含められ、本明細書で記載される組成物の中に組み込まれ得、本明細書に記載される方法において使用され得る。
本明細書で同定される抗体およびそのフラグメントは、「キメラ」であり得るか、または「キメラ」にされ得る。キメラ抗体およびその抗原結合フラグメントは、2種以上の異なる種(例えば、マウスおよびヒト)に由来する部分を含む。キメラ抗体が作製され得、所望の特異性のマウス可変領域がヒト定常ドメインに融合される(例えば、米国特許第4,816,567号)。この様式において、非ヒト抗体は、ヒト臨床適用(例えば、被験体における補体媒介性障害を処置または予防するための方法)に適したものにするように改変され得る。
本開示のモノクローナル抗体は、上記非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態を含む。ヒト化mAbまたはCDRグラフト化mAbは、ヒトのための治療剤として特に有用である。なぜなら、それらは、マウス抗体ほど迅速には循環から除去されず、代表的には、有害な免疫反応を引き起こさないからである。一般に、ヒト化抗体は、非ヒト供給源からそれに導入される1個以上のアミノ酸残基を有する。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば「移入」残基と言われ、これらは、代表的には、「移入」可変ドメインから得られる。ヒト化抗体を調製する方法は、一般に、当該分野で周知である。
上記のように、本明細書に記載される抗体および生物学的に活性なフラグメントは、種々の補体関連障害(例えば、関節リウマチ(RA);ループス腎炎;虚血再灌流傷害;発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS);定型または感染性溶血性尿毒症性症候群(tHUS);重症筋無力症(MG);視神経脊髄炎(NMO);抗リン脂質抗体症候群(APS);ドゴー病;劇症型APS(CAPS);デンスデポジット病(dense deposit disease)(DDD);強皮症;多発性硬化症(MS);黄斑変性(例えば、加齢黄斑変性(AMD));溶血、肝酵素上昇、および低血小板(HELLP)症候群;敗血症;皮膚筋炎;糖尿病性網膜症;血栓性血小板減少性紫斑病(TTP);自然流産(spontaneous fetal loss);Pauci−immune型脈管炎(Pauci−immune vasculitis);表皮水疱症;習慣性流産(recurrent fetal loss);多発性硬化症(MS);および外傷性脳傷害が挙げられるが、これらに限定されない)を処置するために使用され得る。例えば、Holers(2008) Immunological Reviews 223:300−316およびHolers and Thurman(2004) Molecular Immunology 41:147−152を参照のこと。また、PCT公開番号WO2010/054403を参照のこと。いくつかの実施形態において、上記補体媒介性障害は、補体媒介性脈管障害(例えば、心血管障害、心筋炎、脳血管障害、末梢(例えば、筋骨格系)血管障害、腎血管障害、腸間膜/腸血管障害、移植片および/または再移植片への脈管再生、脈管炎、ヘノッホシェーンライン紫斑病性腎炎、全身エリテマトーデス関連脈管炎、関節リウマチと関連した脈管炎、免疫複合体脈管炎(immune complex vasculitis)、高安病、毛細管漏出症候群、拡張型心筋症、糖尿病性血管障害、胸腹部大動脈瘤、川崎病(動脈炎)、静脈ガス塞栓症(VGE)、およびステント留置後の再狭窄、回転式粥腫切除術、および経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)が挙げられるが、これらに限定されない)である(例えば、米国特許第7,919,094号を参照のこと)。いくつかの実施形態において、上記補体関連障害は、重症筋無力症、寒冷凝集素症(CAD)、発作性寒冷血色素尿症(PCH)、皮膚筋炎、強皮症、温暖自己免疫性溶血性貧血、グレーブス病、橋本甲状腺炎、I型糖尿病、乾癬、天疱瘡、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、ドゴー病、および劇症型APS(CAPS)である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される補体阻害剤は、単独で、または第2の抗炎症剤と組み合わせて、炎症性障害(例えば、RA(上記)、炎症性腸疾患、敗血症(上記)、敗血症性ショック、急性肺傷害、播種性血管内凝固(DIC)、またはクローン病が挙げられるが、これらに限定されない)を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態において、上記第2の抗炎症剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、コルチコステロイド、メトトレキサート、ヒドロキシクロロキン、抗TNF薬剤(例えば、エタネルセプトおよびインフリキシマブ)、B細胞除去剤(例えば、リツキシマブ)、インターロイキン−1アンタゴニスト、またはT細胞共刺激遮断剤(例えば、アバタセプト(Bristol−Myers Squibb,New York,NYによってOrencia(登録商標)として市場に出ている)からなる群より選択されるものであり得る。
いくつかの実施形態において、上記補体関連障害は、補体関連神経障害(例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脳傷害、アルツハイマー病、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、および慢性炎症性脱髄性神経炎が挙げられるが、これらに限定されない)である。
補体関連障害はまた、補体関連肺障害(例えば、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患、α−1アンチトリプシン欠損症、気腫、気管支拡張症、閉塞性細気管支炎、びまん性間質性肺疾患、肺胞炎、サルコイドーシス、肺線維症、および膠原血管障害(collagen vascular disorder)が挙げられるが、これらに限定されない)を含む。
一局面において、本開示は、本明細書に記載される補体阻害剤(例えば、抗C5抗体またはその抗原結合フラグメント)で患者を処置することを特徴とし、ここで上記患者は、(i)補体関連障害(例えば、PNHまたはaHUS)に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)処置が必要である。
補体関連障害(例えば、PNHまたはaHUS)を有すると疑われるかまたは上記補体関連障害を発症させるリスクがある患者は、上記障害の対応するリスク因子を分析することによって決定され得る。例えば、PNHは、造血幹細胞における遺伝子変異によって特徴付けられ、慢性の血管内溶血および炎症性血栓形成促進状態(prothrombotic state)を引き起こす、制御されない補体活性化をもたらす、消耗性の生命を脅かす障害である。PNHは、体細胞変異を有する造血幹細胞のクローン性の拡大から判明し、上記体細胞変異は、造血細胞の表面から上記GPIに結合した終末補体阻害剤DAF/CD55およびCD59の完全なまたは顕著な喪失を引き起こし、赤血球(RBC)を制御されない終末補体媒介性溶血に、白血球および血小板を制御されない補体媒介性細胞活性化に非常に影響され易くする。これら異常なRBCの破壊および喪失(血管内溶血)は、低RBC含有量(貧血)、および同様に疲労、機能性における困難、疼痛、濃い色の尿(dark urine)、息切れ、および血塊を生じる。同様に、aHUSは、制御されない補体活性化によって特徴付けられる補体阻害剤欠損障害であり、血小板活性化および内皮細胞損傷を生じる。非常にまれな、重篤な生命を脅かす障害として、aHUSは、血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathic disease)(TMA)として特徴付けられ、これは、血栓性血小板減少症、微小血管症性溶血および損なわれた腎機能、ならびにその他の虚血性合併症の3要素(triad)を含む。aHUSを有する患者において、彼らの腎臓および血球(血小板を含む)は、炎症を起こしている可能性があり、低い血球数(血小板減少症および貧血)、腎機能の低下または喪失、血塊、疲労および機能性における困難をもたらし得る。aHUSの大部分の症例は、上記補体カスケードの第2経路の成分をコードする遺伝子の変異に二次的なものである。PNHにおける観察と同様に、制御されない補体活性化は、炎症および血栓形成促進活性を引き起こすことによって、aHUSにおけるTMAプロセスに寄与し得る。aHUSを有する患者は非常に不良な予後に現在直面しており、補体阻害剤(例えば、Soliris(登録商標))で処置しなければ、診断のときから1年以内に、腎不全、透析および/または死亡する可能性が非常に高い。aHUSは、非常にまれな障害であるものの、aHUSの発生率は、不十分にしか特徴付けられていない。文献中の乏しい疫学的データから、報告によると、大部分の患者は、10歳齢より前に上記疾患を発症することが示されている。Loiratら(Complement and the atypical hemolytic uremic syndrome in children. Pediatr Nephrol 2008,23(11):1957−72を参照のこと)。欧州HUS登録機関(European HUS registry)から得たデータは、167名の患者が、欧州全体で同定されているに過ぎず、有病率を、18歳齢未満の小児において100万人あたり約3人と概算したことを示す。Zimmerhacklら(Epidemiology,clinical presentation,and pathophysiology of atypical and recurrent hemolytic uremic syndrome. Semin.Thromb.Hemost.2006,32(2):113−20)を参照のこと。成人における有病率は、より低いと予測される。aHUSの症例のうちの約半数において、変異が、上記補体カスケードの第2経路において同定された(補体調節タンパク質(例えば、因子H(FH)、MCP、因子I、因子Bおよび因子C3など)をコードする遺伝子、および/またはこれらタンパク質に対する中和抗体が存在する患者における変異を含む)。変異は、現在までのところ、少なくとも10種の異なる遺伝子において同定された。臨床的に重篤なaHUSに寄与する、異なる補体欠損症の不均一性が原因で、およびaHUS患者のうちの約50%に変異が観察されたに過ぎないので、具体的変異の同定は、aHUS診断に必要とされない。Noris and Remuzzi(Atypical hemolytic−uremic syndrome. N Engl J Med 2009,361:1676−87)を参照のこと。例えば、因子Hの異常は、遺伝子変異を有する患者のうちの約30%において見いだされた最も頻度の高い変異である。因子Hの変異を有する大部分の患者は、末期腎不全(ESRF)および約80%の移植後再発率を現す。Kavanaghら(Atypical haemolytic uraemic syndrome. Br Med Bull 2006,77:1−18)およびZimmerhacklら(Renal transplantation in HUS patients with disorders of complement regulation. Pediatr Nephrol 2007,22:10−16)を参照のこと。
多くのaHUS患者が、気分がすぐれないという前兆(発熱、倦怠感、下痢、腹痛、悪心、嘔吐、または神経症状が挙げられる)を報告する一方で、aHUS患者は、一般に、徴候および症状の突然の始まりを有して存在する場合に、臨床的に同定されるのみである。彼らは、この最初の疾患提示から生き残る場合、彼らは、代表的には、突然の血塊形成、透析が確実な腎機能不全、およびTMAのその他の重篤な合併症という長期のリスク上昇を有する、血小板および内皮細胞活性化によって特徴付けられる慢性の血栓状態および炎症状態に悩ませられる。aHUS患者における重篤なTMA合併症としては、腎臓のTMA合併症に加えて、発作、CNS梗塞、昏睡、心筋症、心筋梗塞、膵炎、肺の窮迫(pulmonary distress)、びまん性の脈管障害、および多臓器TMAが挙げられる。これら合併症は、頻繁に、aHUSでの若年性の死亡発生(premature mortality)をもたらす。
近年まで、aHUS患者の処置選択肢は非常に限られていた。治療は、経験的で、主に、上記患者を安定化すること、および血漿療法(PT)を主に使用することを介して、不可逆的な腎損傷を軽減することを目的とし、免疫抑制薬および支持療法の使用を含む場合があった。aHUS患者におけるPTの使用の論理的根拠は、血漿(この血漿は、変異した補体調節タンパク質または補体調節タンパク質に対する自己抗体を含む)を除去すること、および補体活性の制御を一時的に回復させようとする試みにおいて、上記血漿を健康なドナーに由来する新鮮凍結血漿で置換することである。しかし、上記PTの長期の利益を裏付けるデータは限られており、aHUS患者においてその安全性または効力を確立するために行われてきた対照群をおいた臨床試験は全くない。さらに、PTは、これを受容する患者に不十分なクオリティーオブライフをもたらす、骨の折れる手順である。これはまた、感染、アレルギー反応、血栓症、および血管へのアクセスの喪失のリスクと関連し、TMAの不完全な逆転(reversal)を提供する。腎移植が、aHUS患者において試みられてきた;しかし、最良の支持療法にも拘わらず、aHUSの再発は、患者のうちの最大約60〜90%において、腎移植片の機能不全を引き起こす。
近年、エクリズマブ(Soliris(登録商標),Alexion Pharmaceuticals,Inc.)(ヒト補体タンパク質C5を特異的に認識し、C5の切断およびC5aとC5b−9の終末複合体の形成を妨げるヒト化モノクローナル抗体)は、PNHおよびaHUS患者の処置において有効であることが実証された。現在までのところ、エクリズマブにより、aHUS患者を処置することが米国および欧州の両方で認可された。
補体阻害から生じる有害作用は、損なわれたオプソニン作用、適応免疫反応、免疫複合体の寛容または除去から生じる補体の機能に直接関連し得る(すなわち、感染、ならびに自己免疫疾患および免疫複合体疾患への罹りやすさの増大)。感染性合併症のリスクは、C3をブロックする場合に最も可能性が高い。しかし、C5b−9形成のブロックは、特定の病原体(例えば、Neisseriae)への感受性の増大をもたらし得る。さらに、抗生物質での処置が短期間の補体阻害を補償する一方で、グラム陰性敗血症性ショックは補体阻害から生じ得る。
Soliris(登録商標)に関しては、髄膜炎菌感染症は、上記薬物を常用している間に患者が経験した最も重要な有害反応である。PNH臨床研究において、Soliris(登録商標)の使用は、重篤な髄膜炎菌感染症(敗血症および/または髄膜炎)への患者の感受性を増大させる。そのリスク群または最も知られているリスク因子としては、以下が挙げられる:1)終末補体の遺伝子欠損または治療的阻害(例えば、Soliris(登録商標)治療);2)髄膜炎菌血清群Bに対する市販のワクチンがないこと;および3)第1の症状の出現のときに適切な医療上の診察が遅れるまたはないこと。髄膜炎菌感染の発生は、髄膜炎菌ワクチンによって、いくらかの症例においては予防され得る。例えば、髄膜炎菌ワクチン接種の履歴がない患者は、Solirisまたはその他の補体阻害剤の最初の投薬を受ける少なくとも2週間前にワクチン接種され得る。緊急のSoliris(登録商標)治療がワクチン接種していない患者にいて示される場合、上記髄膜炎菌ワクチンは、可能な限り早く投与されるべきである。髄膜炎菌ワクチンを受けることができない患者(2歳齢未満の小児を含む)において、抗生物質予防投与が髄膜炎菌感染を予防し得る。しかし、髄膜炎菌ワクチン接種は、上記髄膜炎菌感染症のリスクを低減するが、排除はしない。さらに、利用可能な髄膜炎菌ワクチンは、全ての血清群(注目すべきは、血清群B)を網羅してはいない。臨床研究において、196名のPNH患者のうちの2名は、両名ともワクチン接種を受けていたが、Soliris(登録商標)での処置を受けている間に重篤な髄膜炎菌感染症を発症した。非PNH患者の中での臨床研究において、髄膜炎菌性髄膜炎は、1名のワクチン接種を受けていない患者において起こった。さらに、aHUSを有する以前にワクチン接種を受けた患者は、研究後追跡期間に髄膜炎菌性敗血症を発症した。
抗C5抗体または抗原結合フラグメント(例えば、エクリズマブおよびペキセリズマブ)は、終末補体活性化をブロックするので、これらの薬剤(例えば、エクリズマブ/Soliris(登録商標))で処置した患者は、髄膜炎菌感染症に加えて、特に、莢膜で包まれた(encapsulated)細菌による感染に対する感受性を増大させ得る。例えば、小児または青年期の患者は、Streptococcus pneumoniaおよびHaemophilus influenzaタイプb(Hib)に起因する重篤な感染症を発症させるリスクの増大があり得る。臨床研究において、195名のPNH患者のうちの合計11名は、エクリズマブ処置による感染に関連した重篤な有害事象(SAE)を経験した(蜂巣炎(1名の患者)、Haemophilus感染(1名の患者)、その他の感染症(1名の患者)、髄膜炎菌性敗血症(2名の患者)、壊死性筋膜炎(1名の患者)、気道感染症(1名の患者)、尿路感染症(1名の患者)、ウイルス感染(2名の患者)、およびウイルスによる上気道感染(1名の患者)を含む)。エクリズマブで処置した37名のaHUS患者のうちの1名は、腹膜炎を有することが分かった。応じて、これら感染症の予防のためのワクチン接種は、終末補体C5阻害による処置の前に投与されるべきである。
上記Soliris(登録商標)治療は、PNH細胞数を増大させることが分かった。実際に、PNH RBCの割合は、ベースラインから28%のメジアンだけ(−25%〜69%の範囲)Soliris(登録商標)処置したPNH患者の中で増大した。従って、Soliris(登録商標)での処置を中止するPNH患者は、重篤な溶血リスクの増大があり得る。重篤な溶血は、以下のうちのいずれかとともに、処置前レベルより高い血清乳酸脱水素酵素(LDH)レベルによって同定される:1週間以下でPNHクローンサイズにおける25%より高い絶対減少(absolute decrease)(輸液に起因する希釈の非存在下で);<5gm/dLのヘモグロビンレベルまたは1週間以下で>4gm/dLの減少;アンギナ;精神状態の変化;血清クレアチニンレベルの50%増加;または血栓症。従って、Soliris(登録商標)を中止する任意のPNH患者は、重篤な溶血およびその他の反応を検出するために、少なくとも8週間にわたってモニターされるべきである。重篤な溶血がSoliris(登録商標)中止後に起こった場合、以下の手順/処置を考慮のこと:輸血(濃縮(packed)RBC)、またはフローサイトメトリーによる交換輸血(上記PNH RBCが、全RBCのうちの>50%である場合);抗凝固;コルチコステロイド;またはSoliris(登録商標)の再設定(reinstitution)。臨床研究において、196名のPNH患者のうちの16名は、Soliris(登録商標)での処置を中止した。患者を、溶血の悪化という証拠について追跡したところ、重篤な溶血は認められなかった。
有害反応のいくつかのタイプ(いくつかの重篤なものを含む)が、終末補体C5を阻害することによるaHUS患者の処置の中止後に起こるという予測外の発見が、本明細書で開示される。例えば、重篤な血栓性微小血管障害(TMA)合併症は、aHUS臨床研究においてSoliris(登録商標)中止後に認められた。薬物中止後の報告された重篤なTMA合併症としては、以下が挙げられた:1)透析を要する移植片機能不全;2)腎機能不全;3)末期腎疾患;4)挿管を要する呼吸窮迫;5)下痢および腎機能不全の増大;ならびに6)ネフローゼ症候群および腎機能不全。中止後の重篤なTMA合併症を、以下によって同定した:(i)エクリズマブ処置の間のベースライン血小板数またはピーク血小板数のいずれかと比較して、血小板数が25%以上減少;エクリズマブ処置の間のベースラインまたは最下点と比較して、血清クレアチニンが25%以上増加;またはエクリズマブ処置の間のベースラインまたは最下点と比較して、血清LDHが25%以上増加のうちのいずれか1つの任意の2回以上の測定値;あるいは(ii)精神状態の変化または発作;アンギナまたは呼吸困難;または血栓症のうちのいずれか1つ。aHUS臨床研究において、18名の患者(予測研究において5名)は、Soliris(登録商標)処置を中止した。7種の重篤なTMA合併症は、最後の投与の後の33日間というメジアン(27〜80日の範囲)において、5名の患者でSoliris(登録商標)の中止後に観察された。Soliris(登録商標)処置は、これら5名の患者のうちの4名において再開した。しかし、重篤なTMA合併症の結果として、上記aHUS臨床試験において死亡は報告されなかった。
さらに、中止後の類似のTMA合併症は、次に、NMOまたはMGを有する患者を処置するためのSoliris(登録商標)の使用を評価する臨床試験に登録した患者において認められた。
本開示において使用される種々の実験室パラメーターについての用語「ベースライン」は、処置の開始前の、上記患者について入手できる最新の値(the last value)である。
いくつかの臨床パラメーターは、Soliris(登録商標)処置ありまたはなしのPNHおよびaHUSの実験室モニタリングに有用であり得る。例えば、PNHに関しては、血清LDHレベルは、溶血の間に増大し、Soliris(登録商標)効果(治療の中止に対する応答を含む)のモニタリングを補助し得る。臨床研究において、6名の患者は、14〜12日のSoliris(登録商標)投与間隔での減少の後のみに、血清LDHレベルの減少を達成した。全てのその他の患者は、14日投与間隔で血清LDHレベルの減少を達成した。aHUSに関しては、血栓性微小血管障害(TMA)の初期の徴候は、血小板数の減少、ならびに血清LDHおよびクレアチンレベルの増加を含む。従って、患者は、Soliris(登録商標)治療および/または治療中止の間の上記実験室パラメーターをモニターすることによって、TMAの徴候が追跡されるべきである。
TMA合併症がSoliris(登録商標)中止後に起こる場合、同じレジメンまたは異なるレジメン(例えば、投与量、注射法および頻度など)での上記薬物の再開は、考慮されるべきである。さらに、その他の利用可能な治療としては、例えば、血漿療法(例えば、プラズマフェレシス、血漿交換、新鮮凍結血漿注入など)または適切な臓器特異的支持処置が挙げられる。
安全性の懸念に関しては、ファーマコビジランスが、aHUS患者について維持されなければならない。例えば、aHUS患者は、彼らのリスク因子に関するデータベースおよび情報へと登録され、上記彼らのリスク因子(例えば、aHUS症状、関連疾患、治療の間または治療中止後の有害反応、治療レジメン、有害事象または健康の状態に関する実験室パラメーター)が集められ得る。上記データベースにおける情報は、必要であれば更新され得、必要であれば、任意の薬物製造業者、供給業者、処方者、aHUS患者(または上記患者の法定後見人、代理人、または監督する開業医)ならびに規制当局に提供される。
本開示の薬物分配法は、好ましくは、特に、コンピューター読み取り可能な記憶媒体に、必要とされる補体阻害剤薬物(例えば、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、エクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物、その他のC5−結合分子および抗C5抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、米国特許出願公開第20100034809号および同第20100166748号において、米国特許第7,999,081号において、またはWuerznerら(Complement Inflamm.:328−340(1991))において開示されるもの)を含む)を処方する資格のある処方者を登録する工程を含む。上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体に一旦登録されると、上記処方者は、上記薬物を、上記薬物が必要な患者に処方するのに適格であり得る。概して、上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体に登録されるようになるために、上記処方者は、本明細書に記載される方法(例えば、以下に詳細に記載されるように、患者教育および助言を提供することなどを含む)の種々の局面に従うことが必要とされ得る。上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体における上記処方者の登録は、上記処方者に、例えば、手渡しで、メール、ファックス送信、またはオンライン送信によって、登録カードまたは登録フォームを提供する(好ましくは、例えば、上記処方者が処方するために登録されている特定の薬物、ならびに上記患者へ上記薬物を送達するための適切な方法(本明細書に記載される薬物送達法を含む)に関する適切な教育資料とともに)ことによって、達成され得る。上記処方者は、好ましくは、上記登録カードまたはフォームの中で要求される情報を提供することによって上記登録カードまたはフォームを完成させ、上記登録カードまたはフォームは、好ましくは、上記薬物の製造業者または分配者、または例えば、手渡しで、メール、ファックス送信またはオンライン送信によって上記登録資料についてのその他の許可を受けたレシピエントに戻される。上記登録カードまたはフォームにおいて上記処方者に要求され得る情報としては、1つ以上のヘルスケア機関とともに、例えば、上記処方者の氏名、住所、および所属(あるとすれば)が挙げられ得る。次いで、上記登録カードまたはフォームにおける上記処方者の情報は、上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体へ入力される。上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体への上記処方者の登録がまた、例えば、電話によって達成され得ることが企図される。上記処方者、ならびに本明細書で考察されるように、上記薬局および患者の登録のために使用され得る適切なコンピューター読み取り可能な記憶媒体は、本願の教示が一旦整えられると、当業者に明らかである。
本明細書に記載される方法に従って、本明細書において処方されている上記特定の薬物の処方箋(prescription)に応じ得る薬局はまた、好ましくは、コンピューター読み取り可能な記憶媒体において登録される。上記薬局が登録される上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体は、上記処方者が登録される上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体と同じであってもよいし、この媒体とは異なっていてもよい。上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体に一旦登録されると、上記薬局は、上記薬物が必要な患者へ必要とされる薬物を調剤するのに適格であり得る。概して、上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体に登録されるようになるために、上記薬局は、例えば、上記患者を登録する工程(好ましくは、コンピューター読み取り可能な記憶媒体にも)を含む本明細書に記載される方法の種々の局面、ならびに以下に詳細に記載されるように、本発明の方法のその他の局面に従うことが必要とされ得る。上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体に上記処方者の登録と同様に、上記薬局の登録は、上記薬局に、例えば、手渡しで、メール、ファックス送信、またはオンライン送信によって、登録カードまたはフォームを提供する(好ましくは、例えば、上記薬局が調剤するために登録されている特定の薬物、ならびに上記薬物を上記患者に送達するための適切な方法(本明細書に記載される薬物送達法を含む)に関する適切な教育資料とともに)ことによって達成され得る。次いで、上記薬局は、上記登録カードまたはフォーム中で要求された情報を提供することによって完成された上記登録カードまたはフォームを有し得る。これは、その後、上記薬物の製造業者または分配者、または上記登録カードまたはフォームについてのその他の許可を受けた(authorized)レシピエントに、例えば、手渡しで、メール、FAX送信、またはオンライン送信によって戻され得る。上記登録カードまたはフォームの中で上記薬局に要求され得る情報としては、任意のヘルスケア機関(例えば、病院、健康管理機構などのような)とともに、例えば、上記薬局の名称、住所、および所属(あるとすれば)が挙げられ得る。次いで、上記登録カードまたはフォームの中の上記薬局の情報は、好ましくは、上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体に入力される。上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体への上記薬局の登録は、例えば、電話によって達成され得ることが企図される。
上記のように、本明細書に記載される薬物分配方法はまた、好ましくは、コンピューター読み取り可能な記憶媒体への上記患者の登録を含む。以下で考察されるように、上記患者の登録は、好ましくは、上記登録された薬局への上記患者の最初の訪問のときに上記登録された薬局によって行われるか、または上記処方者が上記薬物を得、上記患者へこれを投与する場合に、上記処方者によって行われる。上記患者が登録される上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体は、上記処方者および/または薬局が登録される上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体と同じであってもよいし、異なっていてもよい。上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体に一旦登録されると、特定の補体阻害剤薬物(例えば、特定の抗C5抗体またはその抗原結合フラグメントが挙げられる)が必要な上記患者は、上記薬物を受けるのに適し得る。概して、上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体に登録されるようになるために、上記患者は、本明細書に記載される方法の種々の局面に従うことが要求され得る。好ましい形態において、上記薬局または処方者は、代表的には、上記患者について書き入れられた登録フォームを有し、上記登録フォームは、上記患者に関する情報(例えば、上記患者の氏名、メールアドレス、生年月日など)を含む。上記処方者または調剤する薬局に関する情報(例えば、その登録のための上記の情報)はまた、望ましくは、上記患者登録フォームに関して入力され得る。次いで、上記完成されたフォームは、上記薬物の製造業者または分配者、または上記登録フォームについてのその他の許可を受けたレシピエントに、例えば、手渡しで、メール、ファックス送信またはオンライン送信によって、送付され得る。上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体への上記患者の登録はまた、例えば、電話によって達成され得ることが意図される。
本開示の方法に従って、上記患者への上記薬物の送達は、以下の工程を包含し得る。上記薬物を、上記患者に処方および調剤する前処置として、上記処方者および/または上記薬局は、1つ以上の適切なコンピューター読み取り可能な記憶媒体に登録される。登録のために使用され得る本明細書に記載される適切なコンピューター読み取り可能な記憶媒体は、本願の教示が一旦整えられると、当業者に明らかである。上記処方者が、上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体に登録されなければ、上記処方者は、上記薬物を処方するのに不適格である。同様に、上記薬局が、上記コンピューター読み取り可能な記憶媒体に登録されなければ、上記薬局は、上記薬物を調剤するのに不適格である。
患者(補体活性化に関連する1つ以上の疾患および/または障害(例えば、PNHまたはaHUS)に罹患している患者を含む)の検査の過程において、上記処方者は、上記患者の状態が、本明細書に記載される薬物(エクリズマブ(Soliris(登録商標))が挙げられる)の投与によって改善されることを決定し得る。上記薬物を処方する前に、上記処方者は、好ましくは、上記患者に、例えば、上記薬物と関連した種々のリスクおよび利益に関して助言する。例えば、上記処方者は、好ましくは、上記患者に、上記薬物と関連した種々の副作用を助言する一方で、上記薬物の摂取と関連した利益をも考察する。従って、上記薬物が禁忌である状態または疾患を獲得または告げられ得る患者は、好ましくは、上記処方者により上記薬物と関連した危険性に関して助言を与えられる。例えば、C5と拮抗する補体阻害剤(例えば、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、または本明細書に記載されるその他の抗C5抗体)の場合に、上記処方者は、好ましくは、種々の細菌誘導性感染(例えば、髄膜炎菌感染)に対するワクチン接種なしで上記薬物を投与される危険性、および処置中止後の潜在的な重篤な溶血または重篤なTMA合併症の危険性に関して、上記患者に助言を与える。このような助言は、口頭で、および文書による形態で提供され得る。好ましい実施形態において、上記処方者は、上記患者に、処方が企図される上記薬物に関する文書資料(例えば、製品情報、パッケージ挿入物、教育パンフレット、患者教育ビデオなど)を提供する。従って、補体阻害剤を伴う方法の場合に、上記処方者は、好ましくは、患者に、上記処置の間および/または上記阻害剤の処置中止後の効果およびまたは有害作用を上記患者に警告する文書情報を、例えば、前述の製品情報、パッケージ挿入物、教育パンフレット、患者教育ビデオなどの形態で、提供する。
上記補体阻害剤薬物(例えば、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、エクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物、または本明細書に記載されるその他の抗C5抗体またはその抗原結合フラグメント)とともに提供される助言に特に言及すると、上記処方者は、好ましくは、阻害剤処置を既に中止したか、または将来的に上記処置を中止するaHUS患者に助言を与える。上記患者が既に上記阻害剤処置を中止してしまったか、またはまもなく上記処置を中止する(例えば、上記患者が上記処置を、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、または7日より多い日数、または1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、または6週間より多い週数で中止すると合理的に考えられる)場合、上記処方者は、好ましくは、上記予測される中止日が近づくにつれて、または実際の中止日の後に、より頻繁に上記患者に助言を与え、そして/または気づかせる。さらに、上記患者は、好ましくは、彼自身/彼女自身、専門の職員、または機関、または上記薬物供給業者によって許可を受けた施設、上記処方者、または上記分配者(例えば、看護師、医師、病院、医学実験室、または薬局)によって測定される中止後の有害作用(例えば、本明細書に記載される種々の実験室パラメーター)について、彼または彼女がリスク因子を有することを助言される。上記患者は、好ましくは、彼の/彼女のリスク因子を、より好ましくは、複数回にわたってまたは妥当な期間にわたって連続して、中止後の潜在的な有害反応の同定のために試験するように、助言される。上記薬物供給業者、上記処方者、および/または上記分配者は、好ましくは、指示、または上記患者のリスク因子を、好ましくは、定期的に測定するために、このような専門職員または機関を提供するよう援助する。
処置の中止後に有害作用または有害反応を(例えば、種々のリスク因子または本明細書に記載される実験室パラメーターに基づいて)少なくとも有すると、患者が一旦診断されるか、または有すると合理的に推定されると、上記診断または上記合理的な推定(このような診断または推定の助けに、それらの測定されたリスク因子または実験室パラメーター(あるとすれば)をさらに含む)は、適切なコンピューター読み取り可能な記憶媒体に、好ましくは、彼または彼女の以前の臨床情報を含む上記患者の同じレジストリに、登録され得る。上記患者は、好ましくは、上記診断結果または上記合理的な推定(このような診断または推定の助けに、これらの測定されるリスク因子または実験室パラメーター(もしあるとすれば)をさらに含む)について知らされる。上記診断または上記合理的な推定のレジストリに基づいて、上記患者は、好ましくは、上記有害反応に対する考えられる処置または治療について助言が与えられる。このような考えられる処置または治療としては、例えば、同じ補体阻害剤処置または治療の再開、少なくとも1種の異なる補体阻害剤での代わりの処置または治療、または同じ阻害剤の異なるレジメン(例えば、異なる投与量、注射法または頻度など)での代わりの処置または治療、または上記疾患または上記有害反応を引き起こす異なる機構または標的分子を伴う代わりの処置または治療が挙げられる。例えば、Soliris(登録商標)処置を中止しているaHUS患者が(合理的な推定に基づいて)経験するかまたは経験することとなる任意の有害反応について、上記考えられる処置または治療としては、例えば、同じSoliris(登録商標)処置の再開、異なるレジメンでのSoliris(登録商標)処置、ペキセリズマブまたは異なる抗C5抗体またはその抗原結合フラグメント、または異なる補体阻害剤での代わりの処置、あるいは例えば、血漿療法(例えば、プラズマフェレシス、血漿交換、新鮮凍結血漿注入など)または適切な臓器特異的支持処置を含む代わりの治療が挙げられる。必要であれば、上記種々の処置または治療の組み合わせは、考慮され得、上記患者に施され得る。
当業者に明らかであるように、本願の教示が一旦整えられると、上記の助言の1以上の局面は、特定の状況において、Soliris(登録商標)またはその他の抗C5抗体またはその抗原結合フラグメント以外の補体阻害薬物に当てはまり得る。
患者に助言を与えることに言及する本願に記載される状況において、これは、上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)(もしいるとすれば)に助言を与えることを等しく意味する。全ての上記助言を与える状況に関して、上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)は、正常な個人があるべき上記助言を間違いなくそして正確に理解し得る年齢、ならびに肉体的状態および精神的状態にあるべきであり、さらに、彼自身または彼女自身の行動に法的に責任を負うべきである。処方されている上記薬物に対する助言を受けること(例えば、処置中止後の有害反応に関する、および上記薬物の処方(prescription)を受ける前の助言を含む)に加えて、本開示の方法は、好ましくは、上記患者に、あるいは上記患者が若すぎるか、あるいは一定の肉体的状態または精神的状態にない場合に、上記患者の法定後見人(複数可)または代理人(複数可)に、1)正常な個人があるべきように、上記情報を間違いなくそして正確に理解する;または2)彼自身もしくは彼女自身の行動に法的に責任を負って、上記助言、および上記薬物を使用する間、または上記薬物の使用を中止する間の上記有害反応の警告の確認を表明することを要求する工程を包含する。上記助言自体および上記確認の両方が、口頭によるおよび/または書面による形式にあり得る。上記助言は、現場での助言、電話、メール、ファックス送信、またはオンライン送信を介してであり得る。上記助言としては、例えば、患者が健康の専門家および/または上記処方者によって直接監督されない場合、処方が企図される上記薬物に関する文書資料(例えば、製品情報、パッケージ挿入物、教育パンフレット、連続的な教育モノグラフなど)が挙げられ得る。好ましい一実施形態において、上記助言の内容は、上記薬物の上記患者ラベル表示に提供され、上記薬物とともに分配される。上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)は、現場での確認、電話、メール、ファックス送信、またはオンライン送信を介して、助言の確認を表明するように求められる一方で、少なくとも1つの法的に許容されるフォームの確認(例えば、本人の署名、電子署名、宣誓または公証人の前での宣誓など)が提出される。例えば、上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)は、上記処方者、ならびに上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)によって署名がされたインフォームド・コンセントのフォームに記入することが求められる。上記処方者は、彼/彼女の記録のために、上記インフォームド・コンセントのフォームのコピーを保持するべきである。インフォームド・コンセントのフォームに記入し、サインすることによって、上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)は、彼/彼女が上記薬物を摂取することまたは上記薬物を中止することと関連したリスクを理解していることを確認する。上記インフォームド・コンセントのフォームにおいて、上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)は、好ましくは、上記処方者の助言と一致した様式で上記患者が振る舞うか、またはそのように上記患者が振る舞うように助けることに同意する。例えば、例えば、抗C5抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、Soliris(登録商標)およびペキセリズマブ)を伴う場合に、上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)は、以下: i)薬物処置中止後の有害反応について、少なくとも1つのリスク因子または実験室パラメーターをモニターする;2)上記薬物処方者(必要であれば、上記薬物供給業者および上記薬物分配者を含む)に、上記リスク因子または実験室パラメーター測定値、および上記処置を中止した時刻または上記処置が中止される時刻を報告する;ならびに3)処置中止後の少なくとも1つの有害反応を(合理的な推定に基づいて)経験しているまたは経験すると予測している場合に、同じ処置、または本明細書に記載される代わりの処置または治療を考慮し、必要であれば、その再開に同意する、のうちの少なくとも1つを行うことの同意、または上記患者がそれを行うことを助けることの同意を表明し得る。
本明細書に記載される助言は、好ましくは、新しい処方箋調剤および任意の将来の補充処方箋調剤(refill prescription)の両方に先んじて、上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)に伝えられる。任意の薬物処方者、分配者、荷造り業者、または許可を受けた調剤者は、好ましくは、新しい処方箋調剤または補充処方箋調剤が調剤される(dispensed)場合、口頭による形式および書面による形式のうちの一方または両方において(例えば、上記患者ラベル表示において)このような助言を、上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)に提供することが要求される。任意の薬物製造業者または供給業者は、好ましくは、1)上記薬物とともに提供される助言のために、上記薬物規制当局(例えば、米国食品医薬品局、または上記薬物が流通している国または地域の対応する政府当局)から承認を得る;および2)上記助言情報が十分な回数で提供されるか、あるいは上記助言情報を十分な回数で提示する手段を、分配者、荷造り業者、およびその他の許可を受けた調剤者に提供して、これら許可を受けた調剤者が各処方者に、および薬物の処方箋調剤(drug prescription)を受けている各患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)に上記助言情報を提供することを可能にすることを確実にする、ことがさらに要求される。
本明細書に記載される助言情報または警告(例えば、上記補体阻害剤処置を中止した後の有害作用の潜在的なリスクを含む)が、任意の薬物製造業者、供給者、分配者、処方者、許可を受けた調剤者、または監督する開業医(practitioner)(例えば、免許を受けた医師または看護師またはその他の開業医)によって、任意の薬物製造業者、供給者、分配者、処方者、許可を受けた調剤者、監督する専門職員、またはこのような薬物を摂取しているか、またはこのような薬物を摂取する可能性を有する患者に提供され得る。
本明細書で使用される場合、用語「処方者」とは、薬物を処方し得る任意の個人(例えば、医師(medical doctor)または医師(physician)または薬局を含む)に言及する。本明細書で使用される用語「許可を受けた調剤者」とは、免許を受けているか、登録されているか、または別の方法でその管轄権(jurisdiction)によって許容されている個人、施設、または機関を意味することが意図され、ここで上記個人、施設、または機関は、専門的実務の過程において、処方箋の薬物製品を提供することを業としている。関連する規制当局が一旦上記補体阻害剤の上市を承認すると、許可を受けた調剤者は、上記補体阻害剤について許可を受けた分配をおこなうことができる。用語「患者へ調剤する」または「処方箋調剤が調剤される」、または本明細書で使用される類似の用語は、i)直接的にまたは間接的に、上記患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)によるか、あるいは免許を受けている開業医の直接監督の外での自己投与について、上記免許を受けている開業医または上記免許を受けている開業医の代理人によってか;あるいはii)免許を受けている開業医の適法の処方箋の下で、許可を受けた調剤者または許可を受けた調剤者の代理人によってかのいずれかで、処方箋薬物を、患者、または上記患者の法定後見人(複数可)もしくは代理人(複数可)に送達するという行為を意味することが意図される。
好ましい一実施形態において、このような助言情報または警告は、上記補体阻害剤の薬物ラベル情報中に提供される。具体的には、上記処方箋薬物ラベル情報はまた、処方情報(prescribing information)、パッケージ挿入物、専門的ラベル表示(professional labeling)、直接回状、パッケージ回状などとしても公知である。用語「ラベル」または本明細書で使用される類似の用語は、任意の物品の直の容器上に書面によるか、印刷によるか、または図表によるものの提示を意味することが意図されるか、またはパッケージ挿入物、および上記ラベル上に現れるいかなる文言、記述、またはその他の情報も、このような文言、記述、その他の情報が同様に、このような物品の小売りパッケージの容器または包装の外側に現れていなければ、または上記容器または包装の外側を介して容易に読み取れなければ、遵守されているとはみなされるべきではないとする米国連邦規則集および米国連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)の権限によって、またはその権限の下でなされる要件を含むことが意味される。用語「ラベル表示」または本明細書で使用される類似の用語は、(1)任意の物品、またはその容器または包装のうちのいずれかの上に、あるいは(2)このような物品(例えばa パッケージ挿入物)に付随して、全てのラベル、ならびにその他の書面による、印刷による、または図表によるものを意味することが意図される。
別の好ましい実施形態において、患者情報(例えば、関係項目情報(bibliographic information)、臨床記録、個人および/または家族の疾患、ならびに/または治療記録、診断されているおよび/またはモニターされている疾患についてのリスク因子および/または実験室パラメーターなど)ならびに/または上記助言または警告の確認、ならびに上記患者からの上記補体阻害剤処置に対する同意のありまたはなしのこのような助言情報または警告は、コンピューター読み取り可能な媒体を介して、好ましくは、データベースに集められ、保存される。さらに別の好ましい実施形態において、このような集められた情報は、任意の薬物製造業者、供給業者、分配者、処方者、監督する専門職員、このような薬物を摂取しているか、またはこのような薬物を摂取する可能性を有する患者、および/または任意の規制当局(例えば、米国FDAまたは上記補体阻害剤が流通している国における対応する政府当局)に、完全にまたは部分的に報告される。別の好ましい実施形態において、このような集められた情報は、好ましくは、定期的様式において(例えば、更新された患者情報ならびに/または上記患者からの確認および同意における任意の変化で、または市販後研究または調査に基づいた更新された助言情報または警告で)更新および/または改変され、本明細書に記載されるように報告される。
本開示はまた、本明細書で開示される方法によって、好ましくは、登録された患者の情報を含むコンピューター読み取り可能な媒体を介して調製されるデータベースを特徴とする。このような患者情報は、患者の個人情報(例えば、関係項目情報、個人または家族の疾患、および/または処置記録、ならびに上記補体阻害薬物の使用を中止した後の有害な臨床事象のうちの少なくとも1つを有する事実またはその可能性)、ならびに薬物中止後の潜在的な有害反応の上記患者の確認、および本明細書に記載される薬物処置の同意を含み得る。このような患者情報は、好ましくは、定期的に更新され得、本明細書に記載されるように、任意の関連する職員、施設、機関、または当局に提供される。
本開示はまた、本明細書で開示される補体阻害剤を、本明細書で開示される補体関連障害を有する患者に、上記障害の処置のために、上記阻害剤を分配する医師または薬局にさらに分配するための方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、上記阻害剤は、上記医師または薬局からの以下の、
i)上記医師または薬局が、上記障害を処置するための上記補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および書面による警告のうちの一方または両方を既に受けた;および
ii)上記医師または薬局が、上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人に上記警告を分配する、
という認証に基づいてのみ、上記医師または薬局への分配が正当と認められる。
好ましくは、上記認証および上記医師または薬局の上記情報は、コンピューター読み取り可能な媒体を介して、データベースへ登録される。上記医師または薬局は、本明細書で開示される警告の受領および理解の認証または確認、ならびに/または本明細書で開示される補体阻害薬物を上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人に分配する前にまたは同時に、上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人からの上記処置の同意を要求し得る。このような認証または確認、および/または同意は、このような情報をコンピューター読み取り可能な媒体を介してデータベースに記録し得る上記薬物分配者、製造業者、および/または規制当局にさらに提出され得る。好ましくは、このような情報(上記医師(または薬局)または上記患者(または上記患者の法定後見人もしくは代理人)またはその両者からの上記認証または確認および/または同意を含む)は、上記補体阻害薬物を上記医師または薬局に分配する前に、分配と同時に、または分配の後の合理的な時間枠で、受けられるべきである。一実施形態において、上記認証は、上記医師または薬局への上記阻害剤の分配後であるが、上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人への上記阻害剤の分配前に受けられるべきである。
本開示はまた、補体関連障害を処置するに当たって使用するための本願で開示される補体阻害剤を分配することを可能にされる医師または薬局のデータベースを構築するための方法を特徴とする。いくつかの実施形態において、上記データベースは、上記医師または薬局が、上記障害を処置するための補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受け、確認し、上記障害を有する上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人に上記警告を分配することに同意したという情報を含むコンピューター読み取り可能な媒体を介して記録される。
非限定的な例において、上記本明細書で開示される補体関連障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される。
本開示はまた、本明細書で開示される方法によって構築される医師または薬局のデータベースを特徴とする。
本開示はまた、本明細書に記載される補体阻害剤を製造するための方法を特徴とする。上記潜在的な製造業者は、上記特定の疾患または適応症のための上記特定の薬物の販売に向けて製造することについて関連する政府規制当局から承認を得るべきである。上記規制当局(例えば、米国FDA、ならびに上記薬物が製造および/または販売される国または地域におけるその他の対応する当局を含む)は、以前に提出した薬物情報(例えば、薬物中止後の実際の事象を含む、薬物中止後の有害な臨床事象および患者情報)に基づいて、この申請(request)を承認するか否かの決定を行う。承認の際に、上記潜在的な製造業者は、上記承認された国または地域において上記補体阻害薬物を製造し得る。さらに、上記製造業者は、上記規制当局に提出された情報(例えば、上記薬物中止後の有害な臨床事象)の全体または一部を含む警告または注意を提供する文書を作成するかまたはその作成を確実にすることをさらに要求され得る。上記製造業者は、任意の関連する職員、施設、機関、または当局(必要であれば)に上記作成された文書とともに、上記製造される薬物を提供することをさらに要求され得る。
本開示はまた、本明細書に記載される補体阻害剤を分配する方法を特徴とする。上記潜在的な分配者は、上記特定の疾患または適応症のための上記特定の薬物を分配することについて関連する政府規制当局からの承認を得るべきである。上記規制当局(例えば、米国FDA、または上記薬物が流通される国または地域のその他の対応する当局を含む)は、以前に提出された薬物情報(例えば、上記薬物中止後の有害な臨床事象および上記薬物中止後の実際の事象を含む患者情報を含む)に基づいて、この申請を承認するか否かの決定を行う。承認の際に、上記潜在的な分配者は、上記承認された国または地域において上記補体阻害薬物を分配し得る。さらに、上記分配者は、上記規制当局に提出された情報(例えば、上記薬物中止後の有害な臨床事象)の全部または一部を含む警告または注意を提供する文書を作成するかまたはその作成を確実にすることをさらに要求され得る。あるいは、上記分配者は、上記関連する製造業者または上記当局から文書を受け得る。上記分配者は、任意の関連する職員、施設、機関、または当局(必要であれば)に上記作成した文書とともに、上記製造される薬物を提供することがさらに要求され得る。
本明細書で使用される場合、「メモリ」とは、コンピューターまたはその他のデジタル電子デバイスに使用するための、一時的または永久的なベースで、プログラムまたはデータを保存するために使用される物理的デバイスに言及する。「コンピューター読み取り可能な媒体」とは、コンピューターまたはコンピューター関連機械式デバイスによって読み取り可能なフォーマットでデータを保存し得る媒体に言及する。このようなコンピューター読み取り可能な媒体の例としては、磁気媒体(例えば、磁気ディスク、カード、テープ、およびドラム)、パンチカードおよび紙テープ、光学式ディスク(例えば、CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVDなど)、ならびに当該分野で周知のその他の媒体が挙げられる。
本開示はまた、(i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)上記補体阻害剤での処置が必要な患者の処置に使用するための、上記開示された補体阻害剤(CI1)を分配するためのシステムを特徴とする。非限定的例として、上記システムは、上記患者についての情報および上記補体阻害剤を分配するための指示が実行されているか否かについての情報を保存するための、メモリまたは記憶デバイス;および上記指示を実行するように構成されたプロセッサを含む。いくつかの実施形態において、上記指示は、上記プロセッサに、
i)以下の、
(a)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人は、情報を把握しそして評価し、そして決定することにおいて適格である;
(b)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人は、上記障害を処置するための上記補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
(c)上記患者、または上記患者の法定後見人もしくは代理人は、上記警告の確認および上記処置に対する合意を表明した;
という認証について、上記メモリまたは記憶デバイスを検索する工程、
ii)工程i)における認証の同定に基づいて、上記患者を処置するための上記補体阻害剤の分配を許可する工程;および
iii)上記メモリまたは記憶デバイスを介して、上記補体阻害剤の分配を記録する工程、
を含む工程を行わせる。
本明細書で開示されるシステムおよび方法は、情報を保存するかまたは情報を処理し得る、コンピューターシステム、サーバー、またはその他の電子デバイス上で実行され得る。いくつかの実施形態において、上記システムは、情報を保存するかまたは情報を処理し得る、1つ以上のコンピューターシステム、サーバー、またはその他の電子デバイスを含む。
上記システムは、情報を、紙またはコンピューター読み取り可能な媒体に保存する。上記保存された情報としては、例えば、上記患者の基本的情報および臨床記録、上記補体阻害剤を製造する上記製造業者(複数可)についての情報、上記補体阻害剤を上記患者に分配する上記薬局(複数可)または上記医師(複数可)についての情報、上記患者、上記患者の法定後見人もしくは代理人、ならびに/あるいは上記薬局(複数可)または上記医師(複数可)への上記開示される有害な臨床事象に関する警告の分配についての情報、およびこのような情報の受け取りの確認ならびに/あるいは上記患者、その法定後見人または代理人、および/または上記薬局(複数可)もしくは上記医師(複数可)による上記処置に対する同意が挙げられ得る。本明細書で開示されるシステムは、情報(例えば、上記患者による上記補体阻害剤の使用を中止することについての情報、上記患者が、上記中止前に、中止と同時に、または中止後に有害な臨床事象についてモニターされるという情報、および上記患者が、上記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または上記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の上記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置されるという情報を含む)をさらに保存し得る。
本明細書で開示されるシステムに保存される情報は、上記対応する患者(または彼もしくは彼女の法定後見人または代理人)、上記補体阻害剤の上記製造業者または分配者、および/または上記補体阻害剤を上記患者に分配する上記薬局または上記医師から、自発的なまたは義務的な様式で集められ得る。上記情報は、例えば、データベースに保存され、データベースへと構築され得る。上記情報は、自発的または義務的様式において、政府規制当局に報告され得る。いくつかの実施形態において、このような報告された情報の精査、続いて、上記政府規制当局からの承認は、上記補体阻害剤の分配の前に要求される。本明細書で開示される情報の収集および/または提出は、手渡しで、メール、電話、ファックス送信、またはオンライン送信によって、実行され得る。
図1Aおよび図1Bは、本明細書で開示されるシステムおよび方法を実行するために使用され得る例示的ネットワークおよびデータベースの構造を示す。特に、図1Aは、例示的実行に従う、患者への薬物の分配を許可するためのコンピューター化システム100のブロック図である。上記システム100は、サーバー104および上記サーバー104にネットワーク102を通じて接続された3個のユーザーデバイス110A〜110C(一般に、ユーザーデバイス110)を含む。上記サーバー104は、プロセッサ105および電子データベース106を含み、各ユーザーデバイス110は、プロセッサ112およびユーザーインターフェイス114を含む。本明細書で使用される場合、用語「プロセッサ」または「コンピューティングデバイス」とは、1個以上のコンピューター、マイクロプロセッサ、ロジックデバイス、サーバー、またはその他のデバイス(これらは、ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアとともに、本明細書に記載されるコンピューター化技術のうちの1個以上を実施するように構成される)に言及する。プロセッサおよび処理デバイスはまた、入力、出力、および現在処理しているデータを保存するための1個以上のメモリデバイスを含み得る。例示的なコンピューティングデバイス800(これは、本明細書に記載されるプロセッサおよびサーバーのうちのいずれかを実行するために使用され得る)は、図8を参照しながら以下に詳細に記載される。本明細書で使用される場合、「ユーザーインターフェイス」とは、1個以上の入力デバイス(例えば、キーパッド、タッチスクリーン、トラックボール、音声認識システムなど)および/または1個以上の出力デバイス(例えば、視覚ディスプレイ、スピーカー、触覚ディスプレイ、印刷デバイスなど)の任意の適切な組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「ユーザーデバイス」とは、ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアとともに、本明細書に記載されるコンピューター化技術のうちの1つ以上を実行するように構成された1個以上のデバイスの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。ユーザーデバイスの例としては、パーソナルコンピューター、ラップトップ、およびモバイルデバイス(例えば、スマートフォン、ブラックベリー、PDA、タブレット型コンピューターなど)が挙げられるが、これらに限定されない。1個のサーバーおよび3個のユーザーデバイスが、図1Aに示される。しかし、図1Aに示される構成要素の配列および数は、例示に過ぎず、上記システム100は、複数のサーバーおよび任意の適切な構成において任意の数のユーザーデバイスを支援し得る。
図1Aのシステム100の構成要素は、任意の数の方法で配列され得、分散され(distributed)得、および組み合わされ得る。例えば、 上記システム100の構成要素は、上記ネットワーク102を通じて接続された多重処理デバイスおよび記憶デバイスを通じて分散され得る。このような実行は、共通ネットワークリソースへのアクセスを共有する無線および有線のコミュニケーションシステムを含む多重コミュニケーションシステムを通じた分散型コンピューティングのために適切であり得る。いくつかの実行において、システム100は、上記構成要素のうちの1個以上がインターネットまたはその他のコミュニケーションシステムを通じて接続された異なる処理サービスおよび記憶サービスによって提供される、クラウドコンピューティング環境において実行される。例えば、上記サーバー104は、クラウドコンピューティング環境において例示される(instantiated)バーチャルサーバーとして実行され得る。上記電子データベース106は、患者情報(例えば、患者の人口統計学的特徴(例えば、生年月日、性別、身長、体重、または任意のその他の人口統計学的特徴)、診断、予後、投与された医薬、症状、医師、薬剤師、地理的位置、または患者に関する任意のその他の適切なデータ)に関するデータを含むデータベースの分散型システムであり得る。分散型アーキテクチャの使用と関連した上記改善された利用可能性は、有利なことには、種々の患者、医師、薬剤師、または任意のその他の適切な患者の代理人からの入力の連続追跡およびロギング(logging)を促進する。
図1Aの構成要素は、ユーザーデバイス110とともに含まれるか、またはユーザーデバイス110にローカルな1個以上の構成要素として実行され得る。例えば、図1Aは、プロセッサ112およびユーザーインターフェイス114を含むユーザーデバイス110を示す。上記プロセッサ112は、上記ユーザーインターフェイス114について本明細書に記載される機能のうちのいずれかを実行するように構成され得る。さらに、上記システム100における構成要素の各々によって実行される機能は、再構成され得る。いくつかの実行において、上記プロセッサ112は、本明細書に記載されるプロセッサ105の機能のうちのいくらかまたは全てを実行し得る。このシステムの任意の適切なバリエーションが、使用され得る。
ユーザーは、上記ユーザーインターフェイス114を通じてユーザー入力を提供する。上記ユーザーは、上記患者または上記患者の代理人(例えば、法定後見人、医師、薬剤師、または看護師)であり得る。上記ユーザー入力は、患者に関連する任意のデータを含み得る。特に、上記ユーザー入力は、上記患者の個性(identity)(例えば、上記患者の氏名または上記患者と関連した識別番号(例えば、社会保障番号、健康保険番号)を示すデータを含む。上記プロセッサ112は、上記ネットワーク102を通じて上記サーバー104にこのデータを送り、上記プロセッサ105は、上記患者の以前の登録について上記電子データベース106を解剖する(parse)。
上記患者が以前に登録されていた場合、上記ユーザーは、上記患者のケアにおける事象を示すデータを提供する。例えば、ある事象は、薬物の投与、上記患者によって発現された症状、上記患者に関連する生理学的パラメーターのレベルの測定値、または上記患者のケアに関連した任意のその他の適切な事象(例えば、有害な臨床事象)を含み得る。次いで、上記事象データは、上記ネットワーク102を通じて送られ、上記プロセッサ105によって受け取られ、上記電子データベース106に保存される。
あるいは、上記患者が以前に登録されていなかった場合、上記ユーザーデバイス110は、上記ユーザーに上記患者を登録させるように構成される。患者の登録は、上記ユーザーインターフェイス114を通じて、いくつかの電子認証(上記患者の代理人が適任であり、上記患者の処置に関して決定できるという認証を含む)を要求し得る。さらに、上記代理人は、上記患者を処置するための薬物の使用と関連した有害な臨床事象のリスクに関して、警告を受ける。上記患者の登録のために別の潜在的な要求される認証は、上記代理人が、上記警告の受領を確認したというものである。第3の潜在的な認証は、上記代理人が、上記患者のための処置において上記薬物を使用することに同意することを要求する。
上記ユーザーインターフェイス114において登録が完了している場合、上記プロセッサ112は、上記新たな患者のデータを、上記ネットワーク102を通じて上記サーバー104へと送り、ここで上記データは、登録された患者として上記電子データベース106に保存される。次いで、上記プロセッサ105は、上記登録された患者と関連した電子承認変数(electronic authorization variable)を更新し、それによって、上記患者を処置するに当たって使用するための上記薬物の分配を許可する。同じユーザーデバイス110は、異なる患者を登録するために使用され得る。同様に、所定の患者に関するデータは、上記患者の処置の過程にわたって、複数のユーザーデバイス110を通じて提供され得る。このようにして、システム100は、上記薬物と関連した有害な臨床事象のリスクを確認する代理人とともに患者への薬物の分配を許可する安全な方法を提供する。
図1Bの構成要素は、図1Bが、プロセッサ118および電子データベース120を含むヘルスケアサービス提供者システム116をさらに含むことを除いて、図1Aのものと類似している。いくつかの実行において、上記ヘルスケアサービス提供者システム116は、上記電子データベース120に保存された患者関連データを上記サーバー104と共有するように構成される。特に、上記ヘルスケアサービス提供者システム116は、ユーザーデバイス110によって直接提供されてこなかった登録された患者に関するさらなるデータを有し得る。例えば、上記ユーザーデバイス110は、特定の障害について患者を登録するために使用されてきていてもよい。後に、同じ患者が、異なる障害について病院で処置され得、上記病院は、患者処置および症状をモニターし得る。上記病院スタッフは、上記患者の処置および/または症状を示すデータを、上記ヘルスケアサービス提供者システム116に提供していてもよく、上記システム116は、上記電子データベース120に上記データを保存する。次いで、上記電子データベース120上のデータは、上記サーバー104と共有される。異なるソースにわたって患者関連データを統合することによって、上記サーバー104は、更新された患者履歴をより維持するようであり、より正確な患者プロフィールを達成する。
上記電子データベース106および120に保存された上記患者データは、個人情報および分類された情報を含み得、機密度を維持することは望ましい。上記システム100および130、ならびに本明細書で開示されるあらゆるシステムは、上記システムがインストールされる管轄権において存在し得る任意の個人保護法または機密情報保護法に従うように構成される。いくつかの実行において、全ての患者に関連する全てのデータは、上記ネットワーク102を通じて安全なデータ送信を確実にするために暗号アルゴリズムおよび解読(decryption)アルゴリズムを使用して処理される。
図2は、患者データベースにおける記録についてのデータ構造200を示し、上記患者データベースは、上記電子データベース106に保存され得る。上記データ構造200は、患者識別番号、代理人識別番号、および患者関連データのリストを含む。登録の際に、各患者は、患者識別番号とともに表示され得、さらに、各患者の上記代理人はまた、代理人識別番号とともに表示され得る。例えば、上記患者1254および574の上記代理人は、法定後見人、医師、薬剤師、または任意のその他の適切な代理人であり得る。さらに、患者は、患者1345での場合と同様に、彼/彼女自身の代理人であり得る。
上記データ構造200は、上記患者の年齢および性別、ならびに上記患者が登録されるか否かを現すフラグ変数をさらに含む。登録された患者に関して、上記薬物の投与の開始を示す日付および上記薬物投与の中止を示す日付もまた、(適用可能であれば)記録される。例えば、上記患者1254および1345は、中止前の時間量にわたって(for an amount of time)上記薬物を投与された。そして患者576の処置は、上記薬物の使用をなお含む。上記患者687は、まだ登録されていなかったので、対応する代理人識別番号または薬物投与の開始および中止の日付がない。
上記データ構造200はまた、さらなる患者関連情報(例えば、上記薬物の実際の投与の日付、上記投与された薬物の用量、患者の症状、または任意のその他の適切な患者関連情報)を含み得る。特に、上記データ構造200は、上記患者または上記患者の代理人によって準備され得る患者報告から生成されたデータで定期的に更新され得る。このようにして、上記データ構造200は、上記患者の処置全体を通じて患者の経過を追跡し得る。このようにして患者関連データを保存することによって、上記システム100は、処置の間の患者の経過をモニターするための方法を提供し、同様に、豊富なデータベースに、同じ患者または類似の特徴を有する患者に関するさらなる決定のための洞察を提供し得る情報を提供する。
図3は、患者の処置に使用するための薬物の分配を許可するために、上記サーバー104によって実行され得る方法300のフローチャートである。上記方法300は、患者代理人が、補体阻害剤(または薬物)の使用と関連したリスクの警告を既に受け、上記代理人が、上記患者のために上記補体阻害剤の使用に同意したという認証を受ける工程(工程350)、電子データベースに上記認証を示すデータを保存する工程(工程352)、上記補体阻害剤の分配のための許可を示すシグナルを送信する工程(工程354)を含む。
工程350において、上記サーバー104は、患者の代理人が、補体阻害剤の使用と関連したリスクに関して警告を受けたという、ユーザーデバイス110からの認証を受ける。さらに、上記サーバー104はまた、上記代理人が、上記患者のための処置において上記補体阻害剤の使用に同意したという認証を受ける。特に、上記代理人は、上記警告の受領の確認およびサインの形態または任意のその他の適切な認証の形態での上記補体阻害剤の使用に対する同意を提供することが要求され得る。次いで、この認証は、ユーザーインターフェイス114において電子的に確認され得、そして上記認証を表すシグナルは、上記ネットワーク102を通じて送られ得、上記サーバー104によって受け取られる。
上記認証を受けた後に、工程352において、上記サーバー104は、電子データベース106に上記認証を示すデータを保存する。例えば、データ構造(例えば、データ構造200または任意のその他の適切なデータ構造)は、患者の登録状態を追跡するために、上記電子データベース106に保存され得る。
工程354において、上記サーバー104は、上記ネットワーク104を通じて上記ユーザーデバイス110にシグナルを送ることによって、上記補体阻害剤の分配を許可する。上記シグナルは、上記登録された患者の処置に上記補体阻害剤を使用するための許可を示す。
図4は、患者関連データを受け、保存するために、上記サーバー104によって実行され得る方法400のフローチャートである。上記方法400は、登録されそして許可を得た(authorized)患者データを受ける工程(工程450)、患者処置の報告を受ける工程(工程452)、上記患者処置をデータベースに保存する工程(工程454)、患者の症状の報告を受ける工程(工程456)、および上記患者の症状を上記データベースに保存する工程(工程458)を含む。
工程450において、上記サーバー104は、ユーザーデバイス110から、登録された患者に関連したデータを受ける。例えば、上記ユーザーデバイス110におけるユーザーは、患者関連データを上記電子データベース106に入力するように望み得、第1に、上記患者を識別するいくらかのデータを提供する。上記受け取られたデータは、上記患者の識別番号(例えば、データ構造200の第1列に示される)、または患者を識別する任意のその他の適切なデータを含み得る。
工程452において、上記サーバー104は、患者の処置の特徴の電子報告を受ける。上記報告は、情報(例えば、上記患者に投与された薬物、投与の時間および日付、および上記投与された薬物の量)を含み得る。上記報告は、上記薬物を投与した個人の個性、上記投与が行われた場所、または上記患者の処置に関連した任意のその他の情報をさらに含み得る。
工程454において、上記サーバー104は、上記電子データベース106において患者処置の上記受けた報告に対応するデータを保存する。いくつかの実行において、上記プロセッサ105は、保存前に、上記受けた報告を処理するように構成される。例えば、上記受けた報告における情報は、上記データの効率的な将来の検索を容易にするために、ソートまたは分類され得る。
工程456において、上記サーバー104は、1つ以上のその後の処理期間の間に決定される患者の症状の報告、および同じまたは異なるヘルスケア施設における上記患者の評価を受ける。上記報告は、定量的尺度(例えば、上記患者の体温、血圧、または患者の全体的な健康状態をモニターするために使用される任意のその他の適切な生理学的測定基準)を含み得る。さらに、上記報告はまた、情報(例えば、その後の期間の間に同定される疼痛、炎症、刺激、変色(discoloration)、または任意のその他の適切な症状)を含み得る。上記症状の報告はまた、各症状に対応する時間または時間間隔を含み得る。
工程458において、上記患者の症状は、上記電子データベース106に保存される。いくつかの実行において、上記プロセッサ105は、保存前に、上記受けた患者の症状を処理するように構成される。例として、上記受けた患者の症状報告における情報は、上記データの効率的なさらなる検索を容易にし、類似の症状を示す多数の患者を一緒に効率的に分類するように処理され得る。特に、定量的尺度(例えば、上記患者の体温)は、例えば、非常に高い、高い、通常、低い、または非常に低いとして分類され得る。
図5は、有害な臨床事象(例えば、上記患者または上記患者の代理人によって以前に認証されたリスクに対応する有害事象)を有する患者によって発現された症状を比較するために、上記サーバー104によって実行され得る方法500のフローチャートである(例えば、図3)。上記方法500は、確認された有害な臨床事象を示す第1の電子変数を保存する工程(工程550)および上記患者によって発現される症状を示す第2の電子変数を保存する工程(工程552)を含む。上記第1および第2の電子変数は、比較され(工程554)、上記プロセッサ105は、上記2つの変数の間に一致(match)があるか否かを決定する(工程556)。一致が同定される場合、上記一致を示すデータは、上記電子データベース106に保存され(工程558)、警告またはその他の指標が提供され得る。有害な臨床事象として含まれない症状を発現する患者数を追跡するカウンター変数(counter variable)が、増大し得る(工程560)。
工程550において、上記サーバー104は、患者登録の間に上記患者の代理人によって確認された有害な臨床事象を示す第1の電子変数を保存する。上記第1の電子変数は、上記臨床事象に対応する識別番号であってもよいし、単に、上記有害な臨床事象が上記患者の代理人によって確認されたことを示すフラグ変数であってもよい。
工程552において、上記サーバー104は、上記患者によって発現される症状を示す第2の電子変数を保存する。上記第2の電子変数は、上記症状に対応する識別番号であり得、図4に関連して記載されるように、上記患者の症状の報告とともに受けられ得る。例において、上記患者の症状報告は、上記第2の電子変数についての値を決定するために処理されていてもよい。
工程554において、上記第1および第2の電子変数は、比較される。上記プロセッサ105は、上記変数を比較のため適切な形態にするために、上記電子変数のうちの一方または両方に対していくらかの処理を行い得る。
工程556において、上記サーバー104は、上記2つの電子変数の間に一致があるか否かを決定する。特に、一致は、上記発現された症状が、上記有害な臨床事象に何らかの方法で対応することを必要とする。さらに、一致は、一致強度値(match strength value)と関連し得る。例えば、薬物と関連した有害な臨床事象は、上記患者が、少なくとも5度までの体温上昇に影響されやすいということであり得る。上記患者が、上記薬物を投与した後に6度の体温上昇を示す場合、上記サーバー104は、1つの一致強度値を上記患者と関連づけ得る。別の患者が、上記薬物を投与した後に10度の体温上昇を示す場合、上記サーバー104は、より強い一致強度値を上記その他の患者と関連づけ得る。これらの一致強度値はまた、上記患者の情報を更新する場合に、上記電子データベース106に保存され得る。
上記サーバー104が、一致が起こったことを決定する場合、工程557において、上記サーバー104は、上記患者が上記症状を発現する前に上記薬物が中止されたか否かを決定する。特に、上記薬物が、上記症状が発現する前に中止された場合、工程558において、上記サーバー104は、ユーザーに警報を提供する。上記警報は、上記患者の代理人によって確認されそして上記薬物の中止と関連した副作用のリスクと、上記患者が発現した症状との間の一致が起こったことを示す情報を含み得る。工程559において、上記サーバー104は、上記一致を示すデータ(例えば、上記一致強度値)を保存し得るか、または上記一致を示すフラグ変数は、工程558において上記電子データベース106に保存される。
上記サーバー104が、上記第1の電子変数と上記第2の電子変数との間に一致がないことを決定する場合、工程560において、上記サーバー104は、カウンター変数を増大させ得る。上記カウンター変数は、上記発現された症状に対応し、上記薬物の投与後の所定の時間間隔の間に上記症状を発現した登録患者の数を表す。上記時間間隔は、分、時間、日、週、または薬物投与後の症状の発現に対応する任意のその他の適切な時間間隔であり得る。上記サーバー104は、上記薬物とは通常関連しない多くの種々の症状についてのカウンター変数を保存し得る。上記サーバー104はまた、患者の年齢、性別、または患者の任意の適切な分類によってソートされた患者の分類についての別個のカウンター変数を保存し得る。これらカウンター変数を増大させることによって、上記サーバー104は、特定の症状を発現する多くの患者の追跡を続け、患者数がある閾値を超える場合に、許可を受けたユーザーに警報を送り得る。このようにして、上記サーバー104は、特定の分類において患者がしばしば発現する症状(ここで上記症状は、以前に上記薬物と関連していなかった)を検出し得る。
次いで、受けた症状報告から検索した各症状について、有害な臨床事象に対して比較するために、工程552〜560が反復され得る。さらに、上記患者の代理人が受けた上記警告に列挙される各有害な臨床事象について、上記患者が発現した各記録された症状に対して比較するために、方法500が反復され得る。
図6は、ユーザーに薬物へのアクセスを許可するか否かを決定するために、上記サーバー104によって実行され得る方法600のフローチャートである。上記方法600は、患者のための薬物へのアクセスを得ようとするユーザーの試みを受ける工程(工程650)および上記患者が登録されるか否かを決定する工程(工程652)を含む。上記患者が登録されている場合、上記サーバー104は、上記ユーザーが上記薬物へのアクセスを得ることを許可する(工程658)。さもなければ、上記ユーザーは、上記患者を上記データベースに登録するように促される(工程656)。上記患者は、図7に記載される方法によって登録され得る。
図7は、患者を登録するために上記サーバー104によって実行され得る方法700のフローチャートである。上記方法700は、上記患者の代理人の個性および適格性を確認する工程(工程750)、上記患者代理人に上記薬物と関連したリスクの警告を送る工程(工程752)、上記代理人から上記警告の確認を受ける工程(工程754)、上記代理人が、上記患者の処置に上記薬物を使用することに同意するという認証を受ける工程(工程756)、上記患者を上記データベースに保存する工程(工程758)、ならびに上記患者を処置するために上記薬物の分配を許可する工程(工程760)を含む。
図8は、本明細書に記載されるプロセスのうちのいずれかを行うためのコンピューティングデバイス(例えば、上記図1A〜1Bのシステムの構成要素のうちのいずれか)のブロック図である。これらシステムの上記構成要素の各々は、1個以上のコンピューティングデバイス800上で実行され得る。特定の局面において、これらシステムの複数の上記構成要素は、1個のコンピューティングデバイス800内に含まれ得る。特定の実行において、構成要素および記憶デバイスが、いくつかのコンピューティングデバイス800にわたって実行され得る。
上記コンピューティングデバイス800は、少なくとも1個のコミュニケーションインターフェイスユニット、入力/出力コントローラ810、システムメモリ、および1個以上のデータ記憶デバイスを含む。上記システムメモリは、少なくとも1個のランダムアクセスメモリ(RAM802)および少なくとも1個のリードオンリーメモリ(ROM804)を含む。これら要素の全ては、上記コンピューティングデバイス800の操作を容易にするために、中央処理装置(CPU806)と連絡した状態にある。上記コンピューティングデバイス800は、多くの異なる方法で構成され得る。例えば、上記コンピューティングデバイス800は、従来の独立型コンピューターであってもよいし、または代わりに、コンピューティングデバイス800の機能は、複数のコンピューターシステムおよびアーキテクチャにわたって分散していてもよい。図8において、上記コンピューティングデバイス800は、ネットワークまたはローカルネットワークを介して、その他のサーバーまたはシステムにリンクされる。
上記コンピューティングデバイス800は、分散型アーキテクチャの中に構成され得る。ここでデータベースおよびプロセッサは、別個のユニットまたは位置に収容される。いくつかのユニットは、一次処理機能を実行し、最低でも、汎用コントローラ(general controller)またはプロセッサおよびシステムメモリを含む。分散型アーキテクチャ実行において、これらユニットの各々は、上記コミュニケーションインターフェイスユニット808を介して、その他のサーバー、クライアントまたはユーザーコンピューターおよびその他の関連デバイスとの一次コミュニケーションリンクとして働くコミュニケーションハブまたはポート(示さず)に結合され得る。上記コミュニケーションハブまたはポートは、それ自体最小の処置能力を有し得、コミュニケーションルーターとして主に働く。種々のコミュニケーションプロトコルが、上記システムの一部であってもよく、これらとしては、Ethernet(登録商標)、SAP、SASTM、ATP、BLUETOOTHTM、GSM(登録商標)およびTCP/IPが挙げられるが、これらに限定されない。
上記CPU806は、プロセッサ(例えば、1個以上の従来のマイクロプロセッサ)および1個以上の補助的コプロセッサ(例えば、上記CPU806からの作業負荷をオフロードするための数値演算コプロセッサ)を含む。上記CPU806は、上記コミュニケーションインターフェイスユニット808および上記入力/出力コントローラ810と連絡した状態にある。これらを通じて、上記CPU806は、その他のデバイス(例えば、その他のサーバー、ユーザー端末またはデバイス)と連絡する。上記コミュニケーションインターフェイスユニット808および上記入力/出力コントローラ810は、例えば、その他のプロセッサ、サーバーまたはクライアント端末と同時にコミュニケーションをとるためのマルチコミュニケーションチャネル(multiple communication channel)を含み得る。
上記CPU806はまた、上記データ記憶デバイスと連絡した状態にある。上記データ記憶デバイスは、磁気メモリ、光学式メモリまたは半導体メモリの適切な組み合わせを含み得、例えば、RAM802、ROM804、フラッシュドライブ、光学式ディスク(例えば、コンパクトディスクまたはハードディスクまたはドライブ)を含み得る。上記CPU806および上記データ記憶デバイスは各々、例えば、完全に単一のコンピューターまたはその他のコンピューティングデバイス内に位置していてもよいし;コミュニケーション媒体(例えば、USBポート、シリアルポートケーブル、同軸ケーブル、Ethernet(登録商標)ケーブル、電話線、高周波トランシーバー、またはその他の類似の無線または有線の媒体、あるいは前述のものの組み合わせによって互いに接続されていてもよい。例えば、上記CPU806は、上記データ記憶デバイスに、上記コミュニケーションインターフェイスユニット808を介して接続され得る。上記CPU806は、1個以上の特定の処理機能を行うように構成され得る。
上記データ記憶デバイスは、例えば、(i)上記コンピューティングデバイス800のためのオペレーティングシステム812;(ii)上記CPU806を、本明細書に記載されるシステムおよび方法に従って、および特に、上記CPU806に関して詳細に記載されるプロセスに従って指示するように適合された、1個以上のアプリケーション814(例えば、コンピュータープログラムコードまたはコンピュータープログラム製品);または(iii)上記プログラムによって要求される情報を保存するために利用され得る情報を保存するように適合されたデータベース816、を保存し得る。
上記オペレーティングシステム812およびアプリケーション814は、例えば、圧縮されたフォーマット、コンパイルされていないフォーマット、および暗号化されたフォーマットで保存され得、コンピュータープログラムコードを含み得る。上記プログラムの指示は、上記データ記憶デバイス以外のコンピューター読み取り可能な媒体から(例えば、上記ROM804から、または上記RAM802から)、上記プロセッサのメインメモリへと読み込まれ得る。上記プログラムにおける指示のシーケンスの実行が、上記CPU806に、本明細書に記載されるプロセス工程を行わせる一方で、ハードワイヤードサーキットリー(hard−wired circuitry)は、本開示のプロセスの実行のためのソフトウェア指示の代わりに使用されてもよいし、上記ソフトウェア指示と組み合わせて使用されてもよい。従って、記載されるシステムおよび方法は、ハードウェアおよびソフトウェアのいかなる特定の組み合わせに限定されない。
適切なコンピュータープログラムコードは、本明細書中に記載されるように、食行動を調整すること(aligning dietary behavior)に関連して1個以上の機能を行うために提供され得る。上記プログラムはまた、上記プロセッサを上記入力/出力コントローラ810を介して、コンピューター周辺デバイス(例えば、ビデオディスプレイ、キーボード、コンピューターマウスなど)とインターフェイスで連結することを可能にするプログラム要素(例えば、オペレーティングシステム812、データベース管理システムおよび「デバイスドライバ」)を含み得る。
用語「コンピューター読み取り可能な媒体」は、本明細書で使用される場合、実行のために、上記コンピューティングデバイス800の上記プロセッサ(または本明細書に記載されるデバイスの任意のその他のプロセッサ)へ指示を提供するか、または上記指示の提供に関与する任意の非一時的媒体(non−transitory medium)に言及する。このような媒体は、多くの形態をとり得、このような形態としては、不揮発性媒体および揮発性媒体が挙げられるが、これらに限定されない。不揮発性媒体としては、例えば、光学式ディスク、磁気ディスク、または光磁気ディスク、または集積回路メモリ(例えば、フラッシュメモリ)が挙げられる。揮発性媒体としては、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)が挙げられ、これは、代表的には、メインメモリを構成する。コンピューター読み取り可能な媒体の一般的形態としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意のその他の磁気媒体、CD−ROM、DVD、任意のその他の光学式媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意のその他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROMまたはEEPROM(電気消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(electronically erasable programmable read−only memory))、FLASH−EEPROM、任意のその他のメモリチップまたはカートリッジ、またはコンピューターが読み取りできる任意のその他の非一時的媒体が挙げられる。
種々の形態のコンピューター読み取り可能な媒体は、実行のために、上記CPU806(または本明細書に記載されるデバイスの任意のその他のプロセッサ)に1個以上の指示の1個以上のシーケンスを実行することに関与し得る。例えば、上記指示は、遠隔コンピューター(示さず)の磁気ディスク上に最初に運ばれ得る。上記遠隔コンピューターは、上記指示をそのダイナミックメモリへとロードし得、Ethernet(登録商標)接続、ケーブルライン、またはさらにモデムを使用して電話線を通じて、上記指示を送り得る。コンピューティングデバイス800(例えば、サーバー)にローカルなコミュニケーションデバイスは、上記それぞれのコミュニケーションライン上で上記データを受けて、上記プロセッサのためのシステムバスにデータを置き得る。上記システムバスは、上記プロセッサが上記指示を検索しそして実行するメインメモリへと上記データを運ぶ。メインメモリによって受け取られた上記指示は、必要に応じて、上記プロセッサによる実行の前またはその後のいずれかに、メモリ中に保存され得る。さらに、指示は、電子シグナル、電磁シグナル、または光学シグナルとしてコミュニケーションポートを介して受け取られ得、これらは、種々のタイプの情報を運ぶ無線コミュニケーションまたはデータストリームの例示的形態である。
本明細書に引用される全ての参考文献(特許出願および公開公報を含む)は、それら全体が本明細書に参考として援用される。本開示の種々の改変は、本明細書に記載されるものに加えて、前述の記載から当業者に明らかである。このような改変はまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。

Claims (85)

  1. (i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤(CI1)での処置が必要な患者の処置に使用するための該補体阻害剤(CI1)を分配するための方法であって、該方法は、
    i)以下の、
    (a)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、情報を把握しそして評価し、そして決定することにおいて適格である;
    (b)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、該障害を処置するための該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
    (c)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、該警告および該処置に対する合意を既に確認した;
    という患者認証に基づいて、該患者を処置するための補体阻害剤の分配を許可する工程、
    ii)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該警告を既に受けて確認し、該処置に合意したという情報を含むデータベースを登録する工程;ならびに
    iii)(i)および(ii)の後に、該患者の処置に使用するための該補体阻害剤を分配する工程、
    を含む、方法。
  2. 補体阻害剤(CI1)での補体関連障害の医学的処置に対して患者のコンプライアンスを促進する方法であって、該方法は、
    i)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に、該障害を処置するための該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を介して助言する工程;
    ii)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人からの、該警告の確認および該処置に対する合意を得る工程;
    iii)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、患者情報を含むデータベースを登録する工程であって、ここで該患者情報は、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該警告を既に提供され、該警告を確認し、そして該処置に対して同意したことを含む、工程;ならびに
    iv)該患者を処置するための該補体阻害剤の分配を許可する工程、
    を含む、方法。
  3. 前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群 (aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の有害な臨床事象についてモニターされる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または該補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または前記同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置する工程を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記代わりの治療は、血漿療法、または臓器特異的支持処置、またはこれらの組み合わせを含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である、請求項10に記載の方法。
  12. 中止と関連した前記有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む、請求項9に記載の方法。
  13. 前記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニン、および血清LDHからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定される、請求項12に記載の方法。
  15. TMA関連合併症は、
    i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
    ii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清クレアチニンが25%以上増加すること;または
    iii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清LDHが25%以上増加すること、
    によって示される、請求項14に記載の方法。
  16. 補体関連障害を有する患者のデータベースを構築するための方法であって、該方法は、コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該患者の情報を含むデータベースを登録する工程を含み、ここで該情報は、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該障害を処置するための補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けたことを含む、方法。
  17. 前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記情報は、前記患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、前記補体阻害剤処置に対する警告および同意を既に確認したことをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記患者は、前記補体阻害剤の分配の前に前記警告を受ける、請求項18に記載の方法。
  20. 前記補体阻害剤は、補体タンパク質C5の阻害剤である、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記補体阻害剤は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記抗体または抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である、請求項21に記載の方法。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法によって構築された、補体関連障害を有する患者のデータベース。
  24. 少なくとも1つの有害事象を政府規制当局に報告するための方法であって、該方法は、請求項23に記載のデータベースを検索して、補体関連障害を有し、補体阻害剤(CI1)での治療の中止の際に少なくとも1つの有害な臨床事象を経験した患者についての情報を決定する工程、ならびに、政府規制当局に該情報を連絡する工程を含む、方法。
  25. 補体関連障害を処置するための補体阻害剤(CI1)を分配するための方法であって、ここで少なくとも1つの有害な臨床事象は、該補体阻害剤での処置を中止した際に起こり得る、該分配するための方法は、
    i)該補体阻害剤を分配するために、政府規制当局から承認を得る工程であって、ここで該政府規制当局は、該少なくとも1つの潜在的な有害な臨床事象を既に事前に通知している、工程;および
    ii)該少なくとも1つの潜在的な有害な臨床事象の情報を含む警告を、分配者、処方者、許可を受けた調剤者、または該障害を有する患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に提供する文書とともに、該補体阻害剤を提供する工程、
    を含む、方法。
  26. (i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われているか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤での処置が必要である患者を補体阻害剤で処置するための方法であって、該方法は、
    (a)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に、該障害を処置するための補体阻害剤(CI1)の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を提供する工程;
    (b)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、該警告を既に受け、そして明示的に確認したという情報を登録する工程;ならびに
    (c)(a)および(b)の後に、該補体阻害剤を、該障害を処置するのに有効な量および頻度で該患者に投与する工程、
    を含む、方法。
  27. 前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、請求項24〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象についてモニターされる、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記患者は、前記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または該補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置される、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または前記同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置する工程を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記代わりの治療は、血漿療法、臓器特異的支持処置、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項29に記載の方法。
  32. 前記血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される、請求項31に記載の方法。
  33. 補体関連障害を有し、補体阻害剤(CI1)での治療を中止した患者を処置するための方法であって、該方法は、
    (a)補体阻害剤治療の中止後、中止と関連した少なくとも1つの有害な臨床事象の存在について該患者をモニターする工程;および
    (b)該有害な臨床事象の提示に際して:(i)治療上有効な量の該補体阻害剤(CI1)を該患者に投与する工程;(ii)治療上有効な量の異なる補体阻害剤(CI2)を該患者に投与する工程;(iii)血漿療法を該患者に施す工程;(iv)臓器特異的支持処置を施す工程;または(v)該(i)〜(iv)の任意の組み合わせ、
    を含む、方法。
  34. 補体関連障害を有し、補体阻害剤(CI1)を処方されており、該補体阻害剤での処置が中止される場合に有害な臨床事象のリスクがある患者に警告を与えるための方法であって、該方法は、該補体阻害剤のパッケージラベルまたはパッケージ挿入物に文書での警告を入れる工程を含む、方法。
  35. 前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、請求項33〜34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である、請求項24〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項36に記載の方法。
  38. 前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である、請求項37に記載の方法。
  39. 中止と関連した前記有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む、請求項36に記載の方法。
  40. 前記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される、請求項39に記載の方法。
  41. 前記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニン、および血清LDHからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定される、請求項39に記載の方法。
  42. TMA関連合併症は、
    i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
    ii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清クレアチニンが25%以上増加すること;または
    iii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清LDHが25%以上増加すること、
    によって示される、請求項41に記載の方法。
  43. (i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤(CI1)での処置が必要な患者の処置に使用するための該補体阻害剤を分配するための方法であって、該方法は、
    i)医師または薬局からの、
    (a)該医師または薬局は、該障害を処置するための該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
    (b)該医師または薬局は、該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に該警告を分配する;
    という認証に基づいて、該患者に該阻害剤をさらに分配する該医師または薬局に、該補体阻害剤の分配を許可する工程、
    ii)コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該医師または薬局が、該警告を既に受けて確認し、該警告を該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に分配することに同意したという情報を含むデータベースを登録する工程;ならびに
    iii)(i)および(ii)の後に、該補体阻害剤を、該患者の処置に使用するために該医師または薬局に分配する工程、
    を含む、方法。
  44. 補体関連障害の処置に使用するための補体阻害剤(CI1)を分配する医師または薬局のデータベースを構築する方法であって、該方法は、コンピューター読み取り可能な媒体を介して、該医師または薬局が、該障害を処置するための補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けて確認し、該障害を有する患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人に該警告を分配することに同意したという情報を含むデータベースを登録する工程を含む、方法。
  45. 前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、請求項43〜44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 請求項44に記載の方法によって構築された、医師または薬局のデータベース。
  47. (i)補体関連障害に罹患しているか、補体関連障害を有すると疑われるか、または補体関連障害を発症させるリスクがあり、そして(ii)補体阻害剤(CI1)での処置が必要な患者の処置に使用するための該補体阻害剤を分配するためのシステムであって、該システムは、
    該患者について、および該補体阻害剤を分配するための指示が実行されるか否かについての情報を保存するための、メモリまたは記憶デバイス;ならびに
    該指示を実行するように構成されたプロセッサ、
    を含み、ここで該指示は、該プロセッサに、
    i)以下の、
    (a)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人が、情報を把握しそして評価し、そして決定することにおいて適格である;
    (b)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、該障害を処置するための該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクに関して、口頭による警告および文書での警告のうちの一方または両方を既に受けた;ならびに
    (c)該患者、または該患者の法定後見人もしくは代理人は、該警告の確認および該処置に対する合意を既に表明した;
    という認証について、該メモリまたは記憶デバイスを検索する工程;ならびに
    ii)工程i)における認証の同定に基づいて、該患者を処置するための該補体阻害剤の分配を許可する工程、
    を含む工程を行わせる、システム。
  48. iii)前記メモリまたは記憶デバイスを介して、前記補体阻害剤の前記分配を登録する工程、
    をさらに含む、請求項47に記載のシステム。
  49. 前記障害は、補体関連炎症性障害、発作性夜間血色素尿症(PNH)、非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、加齢黄斑変性(AMD)、関節リウマチ(RA)、重症筋無力症(MG)、視神経脊髄炎(NMO)、劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、敗血症、補体関連肺障害、喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)からなる群より選択される、請求項47に記載のシステム。
  50. 前記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、前記補体阻害剤(CI1)の使用を前記患者が中止したこと、および該患者が、該中止の後に有害な臨床事象についてモニターされることをさらに含む、請求項47に記載のシステム。
  51. 前記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、前記患者が、前記補体阻害剤(CI1)処置の再開によって処置されるか、または該補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の、前記有害な臨床事象を処置するための代わりの治療で処置されることをさらに含む、請求項47に記載のシステム。
  52. 前記代わりの治療は、異なる補体阻害剤(CI2)で処置するか、または前記同じ補体阻害剤(CI1)の異なるレジメンで処置する工程を含む、請求項51に記載のシステム。
  53. 前記代わりの治療は、血漿療法、臓器特異的支持処置、またはこれらの組み合わせを含む、請求項51に記載のシステム。
  54. 前記血漿療法は、プラズマフェレシス、血漿交換、および新鮮凍結血漿注入からなる群より選択される、請求項53に記載のシステム。
  55. 前記補体阻害剤(CI1)は、補体タンパク質C5の阻害剤である、請求項47〜54のいずれか1項に記載のシステム。
  56. 前記補体阻害剤(CI1)は、C5を認識する抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項55に記載のシステム。
  57. 前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクリズマブ(Soliris(登録商標))、ペキセリズマブ、またはエクリズマブまたはペキセリズマブのバイオシミラー等価物である、請求項56に記載のシステム。
  58. 中止と関連した前記有害な臨床事象は、血栓性微小血管障害(TMA)またはTMA関連合併症を含む、請求項55に記載のシステム。
  59. 前記TMA関連合併症は、精神状態の変化、発作、アンギナ、呼吸困難、および血栓症からなる群より選択される、請求項58に記載のシステム。
  60. 前記TMA関連合併症は、血小板数、血清クレアチニン、および血清LDHからなる群より選択される実験室パラメーターの2つ以上の測定値を比較することによって同定される、請求項58に記載のシステム。
  61. TMA関連合併症は、
    i)ベースライン血小板数または処置の間のピーク血小板数と比較して、血小板数が25%以上減少すること;
    ii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清クレアチニンが25%以上増加すること;または
    iii)ベースラインまたは処置の間の最下点と比較して、血清LDHが25%以上増加すること、
    によって示される、請求項60に記載のシステム。
  62. 前記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、データベースへと構築される、請求項47に記載のシステム。
  63. 前記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、政府規制当局へ報告されるべきものである、請求項47に記載のシステム。
  64. 前記補体阻害剤は、前記政府規制当局から承認を得た後に分配される、請求項63に記載のシステム。
  65. 前記メモリまたは記憶デバイスに保存された情報は、前記補体阻害剤が、前記補体阻害剤(CI1)の使用を中止した後の少なくとも1つの潜在的な有害な臨床事象についての警告を提供する文書とともに分配される、請求項47に記載のシステム。
  66. 障害に罹患しているか、障害を有すると疑われているか、または障害を発症させるリスクがあり、そして補体阻害剤での処置が必要な患者の処置に使用するための該補体阻害剤の分配を許可するための方法であって、該方法は、
    該患者の代理人が、該補体阻害剤の使用と関連した有害な臨床事象のリスクの警告の受領を既に認め、および該患者の代理人が、該患者の処置における該補体阻害剤の使用に同意したという認証を、プロセッサによって受ける工程;
    電子データベースの中に該認証を示すデータを保存する工程;ならびに
    該患者の処置に使用するための該補体阻害剤の分配の許可を示すシグナルを送る工程、
    を含む、方法。
  67. 前記有害な臨床事象は、補体阻害剤の使用の中止と関連している、請求項66に記載の方法。
  68. 前記電子データベースの中に、前記有害な臨床事象を示す第1の電子変数を保存する工程をさらに含む、請求項66に記載の方法。
  69. 前記電子データベースの中に、前記患者によって発現された症状を示す第2の電子変数を受け、保存する工程をさらに含む、請求項68に記載の方法。
  70. 前記プロセッサによって、前記第1のおよび第2の電子変数を比較する工程;
    前記同定された有害な臨床事象と前記発現した症状との間の一致を同定する工程;
    前記補体阻害剤の使用を、前記患者が該症状を発現する前に中止したか否かを評価する工程;および
    前記電子データベースにおいて該同定された一致を示すデータを保存する工程、
    をさらに含む、請求項69に記載の方法。
  71. 前記電子データベースの中に、前記補体阻害剤が、前記患者に投与された時間および量を示すデータを受け、保存する工程をさらに含む、請求項66に記載の方法。
  72. 障害に罹患しているか、障害を有すると疑われているか、または障害を発症させるリスクがあり、そして補体阻害剤での処置が必要な患者の処置に使用するための補体阻害剤の分配の許可を得るための方法であって、該方法は、
    プロセッサによって、該患者の代理人が、該補体阻害剤の使用を中止することと関連した有害な臨床事象のリスクの警告の受領を既に認め、該患者の代理人が、該患者を処置することにおいて該補体阻害剤の使用に同意したという認証を提供する工程;
    該患者の処置に使用するための該補体阻害剤の分配の許可を示すシグナルを受ける工程、
    を含む、方法。
  73. 前記有害な臨床事象は、補体阻害剤の使用の中止と関連している、請求項72に記載の方法。
  74. 前記プロセッサによって、前記患者が発現した症状を示すデータを送る工程をさらに含む、請求項72に記載の方法。
  75. 前記補体阻害剤が前記患者に投与された時間および量を示すデータを、前記プロセッサによって送る工程をさらに含む、請求項72に記載の方法。
  76. 障害に罹患しているか、障害を有すると疑われているか、または障害を発症させるリスクがあり、そして補体阻害剤での処置が必要な患者の処置に使用するための補体阻害剤の分配を許可するためのシステムであって、該システムは、
    プロセッサ;
    コンピューター実行可能な指示を保存するメモリであって、該指示は、該プロセッサによって実行される場合、該プロセッサに、
    該患者の代理人が、該補体阻害剤の使用と関連した有害な臨床事象のリスクに関する、警告の受領を既に認め、該患者の代理人が、該患者を処置することにおいて該補体阻害剤の使用に同意したという認証を受け;
    電子データベースの中に、該認証を示すデータを保存し;そして
    該患者の処置に使用するための該補体阻害剤の分配の許可を示すシグナルを送る、
    ようにさせる、メモリ、
    を含む、システム。
  77. 前記有害な臨床事象は、補体阻害剤の使用の中止と関連している、請求項76に記載のシステム。
  78. 前記プロセッサは、前記電子データベースに、前記有害な臨床事象を示す第1の電子変数を保存するようにさらに構成されている、請求項76に記載のシステム。
  79. 前記プロセッサは、前記電子データベースに、前記患者が発現した症状を示す第2の電子変数を受け、保存するようにさらに構成されている、請求項78に記載のシステム。
  80. 前記プロセッサは、
    前記第1のおよび第2の電子変数を比較し;
    前記同定された有害な臨床事象と、前記発現した症状との間の一致を同定し;
    前記補体阻害剤の使用が、前記患者が該症状を発現する前に中止したか否かを評価し;そして
    前記電子データベースに、該同定された一致を示すデータを保存する
    ようにさらに構成されている、請求項79に記載のシステム。
  81. 前記プロセッサは、前記電子データベースに、前記補体阻害剤が前記患者に投与された時間および量を示すデータを、受け、保存するようにさらに構成されている、請求項76に記載のシステム。
  82. 障害に罹患しているか、障害を有すると疑われているか、または障害を発症させるリスクがあり、そして補体阻害剤での処置が必要な患者の処置に使用するための補体阻害剤の分配の許可を得るためのシステムであって、該システムは、
    プロセッサ;
    コンピューター実行可能な指示を保存するメモリであって、該指示は、該プロセッサによって実行される場合に、該プロセッサに、
    該患者の代理人が、該補体阻害剤の使用と関連した有害な臨床事象のリスクの警告の受領を既に認め、該患者の代理人が、該患者を処置することにおいて該補体阻害剤の使用に同意したという認証を提供し;
    該患者の処置に使用するための該補体阻害剤の分配の許可を示すシグナルを受ける、
    ようにさせる、メモリ
    を含む、システム。
  83. 前記有害な臨床事象は、補体阻害剤の使用の中止と関連している、請求項82に記載のシステム。
  84. 前記プロセッサは、前記患者が発現した症状を示すデータを送るようにさらに構成されている、請求項82に記載のシステム。
  85. 前記プロセッサは、前記補体阻害剤が前記患者に投与された時間および量を示すデータを送るようにさらに構成されている、請求項82に記載のシステム。
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