JP2013186016A - 放射線データの三次元空間分布算出方法 - Google Patents

放射線データの三次元空間分布算出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013186016A
JP2013186016A JP2012052419A JP2012052419A JP2013186016A JP 2013186016 A JP2013186016 A JP 2013186016A JP 2012052419 A JP2012052419 A JP 2012052419A JP 2012052419 A JP2012052419 A JP 2012052419A JP 2013186016 A JP2013186016 A JP 2013186016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
data
library
coordinate system
coordinate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012052419A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Nakano
秀生 中野
Hiroyuki Handa
博之 半田
Yutaka Hara
裕 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2012052419A priority Critical patent/JP2013186016A/ja
Publication of JP2013186016A publication Critical patent/JP2013186016A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

【課題】二次元離散座標Sn計算コードを用いて、発電用沸騰水型原子炉の原子炉周りの構造物の放射線データを精度良く算出する。
【解決手段】ステップS06Aでは、R−Z体系での(r,z)座標依存の中性子束及びガンマ線束に基づき、着目メッシュの(r,z)座標依存の放射線データを算出する。ステップS06Bでは、R−θ体系での(r,θ)座標依存の中性子束及びガンマ線束に基づき、着目メッシュの(r,θ)座標依存の放射線データを算出する。ステップS07では、着目メッシュの(r,θ)座標依存の放射線データを、θ方向に積分して放射線データの平均値を算出し、ステップS08Aで、補正係数Θ(r,θ)を算出する。ステップS09では、ステップS06Aで算出された着目メッシュの(r,z)座標依存の放射線データに補正係数Θ(r,θ)を乗じて、着目メッシュの(r,θ,z)座標依存の放射線データを算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射線データの三次元空間分布算出方法に関するものであり、特に、発電用沸騰水型原子炉における原子炉周りの空間領域における中性子束、ガンマ線束を二次元輸送計算コードにより求め、所定の換算係数を乗じることで、必要とする放射線の被照射に係る放射線データを求める放射線データの三次元空間分布算出方法に関する。
原子力発電プラントの高経年化や出力増大に より影響を受ける原子炉材料の健全性、被曝低減に関係する水質改善、原子力発電プラントの予防保全等の評価の観点から、原子炉圧力容器を含む原子炉圧力容器内に含まれる材料の中性子照射量やされる中性子のエネルギスペクトルや発熱量等の放射線データが用いられる。例えば、炉内構造物のIASCC(Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking、照射誘起応力腐食割れ)に関しては、炉心シュラウド等の炉内構造物への中性子照射量の放射線データが必要となる。
近年、材料の健全性評価に用いる放射線データの精度が、材料の耐用年数に大きな影響を与えることが認識され、中性子照射量や中性子のエネルギスペクトル等の放射線データに関する高精度化の要求が高まってきた。
また、原子炉圧力容器の外側の原子炉遮蔽壁は、原子炉からの放射線、主にガンマ線による発熱によりコンクリートに含まれる水分の蒸発等の悪影響が懸念されるため、放射線(中性子やガンマ線)の遮蔽評価と相俟って、発熱量評価も必要になってきた。
原子炉圧力容器内の任意の位置の中性子照射量や中性子のエネルギスペクトル、原子炉遮蔽壁の発熱量は直接的に測定できないため、遮蔽解析コードを用いて、中性子束やガンマ線束を評価する。
発電用沸騰水型原子炉の炉心は、原子炉圧力容器内の炉心シュラウドと呼ばれる円筒形状の構造物に囲まれた領域にあり、燃料集合体を円形に近い形になるように林立配置している。更に、炉心シュラウドより外側の原子炉圧力容器、その外側の原子炉遮蔽壁は円筒形状をしており、原子炉周りの形状は概ね円筒形で近似できる。
しかしながら、炉心の炉心シュラウド近傍や、原子炉圧力容器のすぐ内側の比較的炉心外周部に近い領域では、炉心の軸方向高さは同じで、炉心中心軸からの径方向距離が同じであっても、周方向の位置が異なる領域では、最も近い位置に配置された燃料集合体からの距離が異なるため、中性子束やガンマ線束は周方向に変動が生じる。
このため、要求される精度を満たす放射線データを評価するためには、炉心の特に外周部分についての燃料集合体横断面の矩形状を反映した中性子束やガンマ線束の三次元空間分布の精度の良い評価が必要になる。
特許文献1には、沸騰水型原子炉におけるステンレス鋼構成部材のヘリウム含有量を計算するための方法として、原子炉の所定の領域についての中性子フルエンスを求める工程、及び所定の方程式を用いて、原子炉の所定の領域におけるステンレス鋼構成部材のヘリウム含有量を計算する工程とを含むものが開示されている。
この特許文献1に記載の技術においては、中性子フルエンスは、三次元モンテカルロ放射線輸送計算によって算出されている。
特開2004−69701号公報
原子炉周りの空間領域における中性子束、ガンマ線束の空間分布、及びそれらのエネルギスペクトルを精度良く求めるためには、放射線輸送計算コードを用いるのが一般的である。放射線輸送計算コードには、離散座標Sn法計算コードやモンテカルロ計算コードがあるが、放射線の深層透過計算における広範囲の放射線データ分布やエネルギスペクトルを合理的な計算時間で得るには、三次元モンテカルロ計算コードは不向きである。
また、三次元離散座標Sn法計算コードにより原子炉周りの空間領域における中性子束、ガンマ線束の空間分布、及びそれらのエネルギスペクトルを精度良く求める方法もあるが、三次元離散座標Sn法計算コードの計算体系のモデル作製に要する時間は、二次元離散座標Sn法計算コードの計算体系のモデル作製に要する時間と比較して、数倍掛かること、更に、計算時間も三次元モンテカルロ計算コードよりは相対的に短いが、二次元離散座標Sn法計算コードに比べれば膨大となる。その結果、原子炉圧力容器内部の材料の放射線データの要求に対して、短時間に計算結果を提供できないという課題があった。
そのため、発電用沸騰水型原子炉の原子炉周りの構造物の形状は、概ね円筒で近似できることから、R−Z体系((r,z)座標系)による二次元離散座標Sn計算コードが従来から用いられてきた。この計算方法では、炉心中心軸をZ軸とし、Z軸を通る縦断面をR方向、Z方向にメッシュ分割してモデル化し、計算メッシュ毎に中性子束、ガンマ線束の空間分布と、エネルギスペクトルを計算する二次元多群輸送計算を行う。
しかしながら、前記した二次元離散座標Sn計算コードによるR−Z体系の計算では、周方向に均一化したモデルであり、例えば、炉心シュラウドにおいて、炉心中心軸からの径方向距離が同じであっても、周方向の位置が異なる領域では、最も近い位置に配置された燃料集合体からの距離が異なるため、中性子束やガンマ線束は周方向に変動が生じることが考慮できないという問題があった。特に、炉心の径方向最外周の燃料集合体に最も近い炉心シュラウドの部位では、中性子束やガンマ線束が実際より小さく評価されるという課題があった。
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、簡単な二次元離散座標Sn計算コードを用いて、発電用沸騰水型原子炉の原子炉周りの構造物の放射線データをより精度良く算出できる放射線データの三次元空間分布算出方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、所定の容積内の沸騰水型原子炉及び複数の部品、並びに沸騰水型原子炉の周囲に設けられた少なくとも原子炉遮蔽壁を含む構造物についての、材料と(r,z)座標系及び(r,θ)座標系の幾何学的形状データとを含む入力データである第1ライブラリと、材料の放射線反応データを含む入力データである第2ライブラリとを用いて、沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の周囲の空間を含む所定の容積内の(r,z)座標系の放射線束を(r,z)座標系の二次元離散座標Sn計算コードを用いた二次元輸送解析により算出する第1の二次元輸送解析工程と、
材料に対する放射線線量率、放射線照射量、発熱量及び中性子損傷率のうちのいずれか1つを少なくとも含む記放射線の被照射に係る放射線データを算出するための換算係数データの入力データである第3ライブラリと、第2の二次元輸送解析工程により算出された容積内の(r,z)座標系の放射線束とを用いて、前記容積内の(r,z)座標系の放射線の被照射に係る放射線データを第1の放射線データとして算出する第1の放射線データ算出工程と、
入力データの前記第1ライブラリと前記第2ライブラリとを用いて、前記所定の容積内の所定の軸方向高さにおける水平面内の(r,θ)座標系の放射線束を(r,θ)座標系の二次元離散座標Sn計算コードを用いた二次元輸送解析により算出する第2の二次元輸送解析工程と、
入力データの前記第3ライブラリと、第2の二次元輸送解析工程により算出された水平面内の(r,θ)座標系の放射線束とを用いて、前記容積内の所定の軸方向高さにおける水平面内の(r,θ)座標系の放射線の被照射に係る放射線データを第2の放射線データとして算出する第2の放射線データ算出工程と、を含み、
更に、第2の放射線データ算出工程で算出された第2の放射線データを、θ座標について積算平均化処理し、前記容積内の所定の軸方向高さにおける水平面内の(r,θ)座標系のr座標にのみ依存する第3の放射線データを算出する第3の放射線データ算出工程と、
第2の放射線データ算出工程において算出された(r,θ)座標依存の第2の放射線データを、第3の放射線データ算出工程において算出されたr座標のみに依存する第3の放射線データで除して、(r,θ)座標系依存の補正係数を算出する補正係数算出工程と、
補正係数算出工程において算出された(r,θ)座標系依存の補正係数を、第1の放射線データ算出工程において算出された(r,z)座標系依存の第1の放射線データに乗じて、前記容積内の(r,θ,z)座標系の放射線の被照射に係る放射線データを第4の放射線データとして算出する第4の放射線データ算出工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の周囲の空間を含む所定の容積内の所定の軸方向高さにおける水平面内の(r,θ)座標系の放射線束を(r,θ)座標系の二次元離散座標Sn計算コードを用いた二次元輸送解析により算出し、それに第3ライブラリを用いて、前記所定の容積内の所定の軸方向高さにおける水平面内の(r,θ)座標系の第2の放射線データを算出できる。そして、補正係数算出工程で得られた(r,θ)座標系依存の補正係数を得る。
また、発電用沸騰水型原子炉では、炉心外周部以外の原子炉周りの形状を円筒形状でモデル化できる特徴を利用し、第2の二次元輸送解析工程で得られた前記容積内の(r,z)座標系の放射線束に第3ライブラリを用いて、前記容積内の(r,z)座標系の第2の放射線データを算出できる。
最後に、前記容積内の(r,θ)座標系依存の第1の放射線データに、(r,θ)座標系依存の補正係数と、(r,z)座標系の第2の放射線データと、を乗じて前記容積内の(r,z,θ)座標系における第4の放射線データを算出することができる。
その結果、炉心中心軸からの径方向距離が同じであっても、周方向の位置が異なる領域では、最も近い位置に配置された燃料集合体からの距離が異なるため、中性子束やガンマ線束は周方向に変動が生じることによる第4の放射線データの周方向の変化を考慮することができ、精度の良い第4の放射線データを得ることができる。
また、二次元離散座標Sn計算コードによる放射線束の計算は、三次元離散座標Sn計算コードによる放射線束の計算よりも次元数が少ないので、より簡便であり、領域の寸法入力やメッシュ分割等の計算モデルの作成に要する時間を削減することができる。
更に、二次元離散座標Sn計算コードによる放射線束の計算は、三次元離散座標Sn計算コードによる放射線束の計算よりも収束が早く、(r,θ)座標系と(r,z)座標系の二次元離散座標Sn計算コードによる放射線束の計算を2つ行っても、三次元離散座標Sn計算コードによる放射線束の計算よりも計算時間が少なくてすむ。つまり、計算モデルの作成に要する時間、計算時間を三次元離散座標Sn計算コードによる放射線束の計算の場合と比較して約半分に低減でき、最終的に計算コストを低減できる。
本発明によれば、簡単な二次元離散座標Sn計算コードを用いて、発電用沸騰水型原子炉の原子炉周りの構造物の放射線データをより精度良く算出できる放射線データの三次元空間分布算出方法を提供することができる。
第1の実施形態に係る原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法のフローチャートである。 図1の続きのフローチャートである。 原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法におけるR−θ体系の概略説明図である。 原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法におけるR−Z体系の概略説明図である。 第1の実施形態の変形例において用いる原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法におけるR−Z体系で用いる炉心の外周部分の内接円と外接円による領域分けの説明図である。 第1の実施形態の変形例において用いる原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法におけるR−Z体系の概略説明図である。 第2の実施形態に係る原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法のフローチャートである。 図7の続きのフローチャートである。 第2の実施形態において、(r,θ)座標依存の補正係数を求めるための規格化放射線データ算出に用いるR−θ体系の概略説明図である。
《第1の実施形態》
図1から図4を参照して第1の実施形態に係る沸騰水型原子炉周りの放射線データ(被照射に係る放射線データ)の三次元空間分布算出方法について説明する。
図1、図2は、本実施形態に係る原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法のフローチャートである。図3は、原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法におけるR−θ体系の概略説明図、図4は、原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法におけるR−Z体系の概略説明図である。
本実施形態における沸騰水型原子炉、後記する原子炉遮蔽壁を含むR−Z体系又はR−θ体系の材料・幾何学的モデルが、特許請求の範囲に記載の「内部に複数の部品が配置された所定の容積」に対応し、ここで、原子炉遮蔽壁等が特許請求の範囲に記載の「沸騰水型原子炉の周囲に設けられた少なくとも原子炉遮蔽壁を含む構造物」に対応する。
この計算は、エンジニアリングワークステーションや、スーパーコンピュータ等の高速演算ができる計算機を用いて行う。
本実施形態では、二次元離散座標Sn計算コードの1例として、原子力産業界や原子力研究分野等で広く一般に用いられているDORTコードを前提に説明する。
DORTは、離散型座標法を用いて線形ボルツマン輸送方程式を解く計算コードであり、二次元体系(板状:(x,y)座標、円柱状:(r,θ)座標、円盤形状:(r,θ)座標)の中性子束、ガンマ線束の輸送問題を解くことができる。
本実施形態では、DORTコードで出力するデータのうち、中性子束、ガンマ線束を使用する。中性子束、ガンマ線束は、計算メッシュ毎、中性子及びガンマ線の有するエネルギ群毎に出力される。
原子炉周りの空間領域の中性子束及びガンマ線束に基づく放射線データ(被照射に係る放射線データ)、例えば、線量率、照射量、発熱量、中性子損傷量等の三次元空間分布は、DORTコードによる2種類の解析結果、つまり、R−Z体系((r,z)座標系)における解析結果と、R−θ体系((r,θ)座標系)における解析結果と、を組み合わせて用いる。
ステップS00Aでは、放射線データの三次元空間分布を算出する技術者(以下「単に技術者」と称する)は、材料の放射線反応データを含むベース核ライブラリを準備する。この材料の放射線反応データを含むベース核ライブラリは、基本的に核計算の専門家により予め容易された核定数ライブラリである。この核定数ライブラリには、中性子に対する本発明の目的に適合したエネルギ群に分けられ、核種毎の(同位体がある場合は、同位体毎に区別される)反応生成物のエネルギ及び角度分布、核反応により生成される様々な核種、中性子、光子及びその収率、核反応後に元の中性子が存在する場合は、その核反応後の中性子のエネルギ及び角度分布、放射性核種の崩壊の結果として生じる核崩壊の様式及び生成物のエネルギスペクトル等の数値データ、及びこれらの数値データにおける推定誤差のデータが含まれている。
前記した中性子の核反応断面積には、例えば、散乱断面積(弾性散乱断面積、非弾性散乱断面積)、吸収断面積、核分裂断面積を含んでいる。
ガンマ線に対しても同様に多群のエネルギ群に分けられ、核種毎の(同位体がある場合は、同位体毎に区別される)反応生成物のエネルギ及び角度分布、核反応により生成される様々な粒子及びその収率、核反応後に元のガンマ線が存在する場合は、その核反応後のガンマ線のエネルギ及び角度分布等の数値データ、及びこれらの数値データにおける推定誤差のデータが含まれている。
前記したガンマ線の核反応断面積には、例えば、コンプトン散乱の散乱断面積、電子対生成、光電効果等の吸収断面積を含んでいる。
なお、この材料の放射線データを含むベースライブラリは、計算機の例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納されて用いられる。
ステップS00Bでは、技術者は、換算係数データのベースライブラリを準備する。換算係数データのベースライブラリについては、例えば、AESJ−SC−R002:2004(日本原子力学会標準「放射線遮へい計算のための線量換算係数:2004」、2004年12月、社団法人 日本原子力学会)や、「軽水炉圧力容器監視試験に関連するASTM規格の翻訳資料集」等の公開試料がある。
この換算係数データは、着目メッシュにおける算出されたエネルギ群毎の中性子束、算出されたエネルギ群毎のガンマ線束、及びエネルギ群毎の中性子束、算出されたエネルギ群毎のガンマ線束に、それぞれに対して設定された換算係数を乗じ、エネルギ積分して、その着目メッシュにおける線量率、照射量、発熱量、中性子損傷等を算出するためのものである。
なお、この換算係数データのベースライブラリは、計算機の、例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納されて用いられる。
ステップS01Aでは、技術者は、原子炉周りの空間領域における炉心の垂直方向の中心軸をZ軸、平面方向のZ軸からの距離をrとした円柱形状のR−Z体系で、原子炉の炉心及び周囲の構成部材の材料(材料の種類、密度のデータを含む)・幾何学的モデル(R−Z体系)の作成をする(「原子炉の炉心及び周囲の構成部材の材料・幾何学モデル(R−Z体系)の作成(第1ライブラリ1Aの作成)」)。具体的には、円柱形状のR−Z体系を図4に示すような体系に均質な領域毎に材料の領域を設定し、その各領域を更に細かく所要のメッシュに区切る。このメッシュの区切り方は、均質な領域における中性子線、ガンマ線の散乱等の核反応の発生する確率が大きいほど細かく設定されるが、DORTコードの計算に熟練した技術者であるならば適宜、経験的に設定できるものである。
この作業は、DORTコードの入力作成支援のための公知のアプリケーションプログラムを用いて行うことができ、作成された幾何学的モデル(R−Z体系)は、計算機の、例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納されて用いられる。
ステップS02Aでは、技術者は、放射線反応データ編集用のアプリケーションプログラムを用いて、前記したステップS00Aにおけるベース核ライブラリを用いて、R−Z体系の各メッシュに含まれる核種、核種の数密度の算出と、それに対応する放射線反応データの編集をする(第2ライブラリ2Aの作成)。ちなみに、複数のメッシュで1つの均一の領域を構成している場合には、その均一の領域に対して1つの放射線反応データを編集すれば良く、例えば、その編集された放射線反応データにID番号を付し、メッシュ毎に放射線反応データのID番号を割り振るようにすれば良い。ここで、編集された放射線反応データは、計算機の、例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納されて用いられる。
図3は、原子炉周りの空間領域における、炉心の垂直方向の、例えば、炉心軸方向の中央位置における炉心中心から90°の開き角の1/4横断面図であり、炉心101から径方向外側に向かって順に、水領域である反射体106、ステンレス鋼製の円筒状の炉心シュラウド107、主に水領域であるダウンカマ108、原子炉圧力容器109、空気層110、原子炉遮蔽壁の内側鋼板111、原子炉遮蔽壁のコンクリートモルタル112、原子炉遮蔽壁の外側鋼板113を示している。原子炉周りの空間領域は、ほぼ90°対称なので、このような1/4横断面図のR-θ体系とすることができる。
炉心101は、中心側から中央炉心領域102、内側炉心領域103、外側炉心領域104A(図3中、斜線で示す)、最外側炉心領域105Aの4つの領域に径方向に区分されている。
ここで、図3において中央炉心領域102、内側炉心領域103、外側炉心領域104A、最外側炉心領域105Aが、円形に近い矩形状の折れ線で区切られているが、これは、燃料集合体を多数林立させて炉心101を構成するときの、1体の燃料集合体の外側の水の層を含む横断面が正方形の単位セルで炉心101を表示しているためである。
ここで、燃料集合体は、特許請求の範囲に記載の「内部に複数の部品が配置された所定の容積」との記載の「複数の部品」に対応する。
図4は、原子炉周りの空間領域における、炉心の垂直断面の、例えば、炉心軸方向の炉心下端から炉心上部プレナム116までの縦断面図であり、炉心101から径方向外側に向かって順に、水領域である反射体106、ステンレス鋼製の円筒状の炉心シュラウド107、主に水領域であるダウンカマ108、原子炉圧力容器109、空気層110、原子炉遮蔽壁の内側鋼板111、原子炉遮蔽壁のコンクリートモルタル112、原子炉遮蔽壁の外側鋼板113を示している。
炉心101の上には、燃料集合体の燃料ペレットが燃料棒内に充填されていないガスプレナム領域である、燃料集合体上端領域114、その上に上部格子板115、その上に上部プレナム116のそれぞれの領域が配置されている。
図4において炉心101は、中心側から中央炉心領域102、内側炉心領域103、外側炉心領域104A、最外側炉心領域105Aの順に構成されている。中央炉心領域102と内側炉心領域103との境界を示す境界線201は、図3における中央炉心領域102の面積と同じ面積の等価円を示し、内側炉心領域103と外側炉心領域104Aとの境界を示す境界線202は、図3における中央炉心領域102及び内側炉心領域103を併せた面積と同じ面積の等価円を示し、外側炉心領域104Aと最外側炉心領域105Aとの境界を示す境界線203は、図3における中央炉心領域102、内側炉心領域103及び外側炉心領域104Aを併せた面積と同じ面積の等価円を示し、最外側炉心領域105Aの外側境界の境界線204は、図3における最外側炉心領域105Aを含む内側の炉心101の面積と同じ面積の等価円を示している。
炉心101の中央炉心領域102、内側炉心領域103、外側炉心領域104A、最外側炉心領域105Aそれぞれは、軸方向に複数の領域に区分されている。例示的に、中央炉心領域102に対して下から領域102a〜102i、内側炉心領域103に対して下から領域103a〜103iと、軸方向に9領域に分けて例示したが、外側炉心領域104A、最外側炉心領域105Aについても同様である。
なお、図4に示した炉心101の軸方向区分は、燃料集合体の燃料ペレットが燃料棒内に充填されている燃料有効部に対して行っている。
実際には、炉心101の下部には、後記する燃料集合体の燃料ペレットが燃料棒内に充填されていない、燃料端栓や下部タイプレートの領域があり、更に、下部格子板の領域、上部に燃料支持金具を嵌め込まれた制御棒案内管が林立する下部プレナムの領域があるが、図4では省略してある。
ちなみに、炉心101を軸方向に9つの領域に分けているが、それは、BWR(Boiling Water Reactor)型原子炉では、炉心101の軸方向における冷却材のボイド率が異なり、それにより軸方向の核定数等の放射線反応データの値も変える必要があることと、上下方向への中性子の洩れにより、軸方向に中性子束分布が異なり、それらを反映して軸方向の燃焼度分布も生じ、軸方向の燃焼度分布を考慮した核種の数密度の変化を考慮する必要があるためである。この炉心101の軸方向の領域分けの数は、9に限定されるものではなく、適宜設定される。
また、図3のR−θ体系は、例えば、図4で102e,103eで示したZ軸高さに対応している。
図1に戻り、ステップS03Aでは、技術者は、ステップS01Aで作成された第1ライブラリ1AとステップS02Aで編集された放射線反応データとを用いて、計算機で二次元離散座標Sn計算コードを用いたR−Z体系での中性子束、ガンマ線束の二次元輸送解析を行う。そして、ステップS03Aの後、結合子(A)に従って、図2のステップS04Aに進み、算出された各メッシュのエネルギ群毎の中性子束、ガンマ線束の値は、計算機の、例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納される(「(r,z)座標依存の中性子束及びガンマ線束の格納」)。
ステップS05Aでは、技術者は、ステップS00Bで作成された換算係数データのライブラリを用いて、図4に示したR-Z体系の着目メッシュの換算係数データの編集を行う(第3ライブラリ3Aの作成)。編集された換算係数データは計算機の記憶装置に格納される。
R-Z体系の着目メッシュとは、例えば、炉心シュラウド107の領域に対応する計算メッシュであり、例えば、高速中性子による照射量を計算するために各エネルギ群の中性子束の照射量に寄与する換算係数データの編集を行うためのものである。炉心シュラウド107の高速中性子による照射量の評価は、IASCC(照射誘起応力腐食割れ)のリスク評価に用いられる。
また、別のR-Z体系の着目メッシュとは、例えば、原子炉圧力容器109の領域に対応する計算メッシュであり、例えば、高速中性子による中性子損傷量を計算するために各エネルギ群の中性子束の中性子損傷量に寄与する換算係数データの編集を行う。原子炉圧力容器109の高速中性子による中性子損傷量の評価は、延性脆性遷移温度の上昇評価に用いられる。
更に、技術者は、計算機で例えば、R-Z体系の着目メッシュとして、原子炉遮蔽壁のコンクリートモルタル112の含水率を評価する目的のために、内側鋼板111、コンクリートモルタル112、外側鋼板113の発熱量を計算する。そのために、技術者は、各エネルギ群の中性子束、ガンマ線束の発熱量に寄与する換算係数データの編集を行う。内側鋼板111、コンクリートモルタル112、外側鋼板113の発熱量の評価は、コンクリートモルタル112の経年劣化としての含水率の低下の評価に用いられる。これは、最終的に含水率の低下により原子炉遮蔽壁の中性子遮蔽効果が低下したり、コンクリートモルタル112の強度が低下したりしている度合いを評価するのに用いられる。
ステップS06Aでは、計算機は、ステップS05Aで作成された着目メッシュの換算係数データを用いて、ステップS04Aにおいて記憶装置に格納された当該の着目メッシュの中性子束、ガンマ線束を読み出し、換算係数データをその評価目的(高速中性子の照射量、中性子損傷量、発熱量)に応じて、所要のエネルギ群の中性子束、ガンマ線束に乗じて、高速中性子の照射量、中性子損傷量、発熱量等の所要の放射線データXRZ(r,z)をメッシュ毎に算出する(「着目メッシュの(r,z)座標依存の放射線データの算出」)。この放射線データXRZ(r,z)の算出に当たり、ステップS02Aで算出された着目メッシュの核種、核種の数密度も必要に応じて用いられる。算出された着目メッシュの(r,z)座標依存の放射線データXRZ(r,z)は、計算機の記憶装置に格納される。
図1に戻ってステップS01Bでは、技術者は、原子炉周りの空間領域における炉心の垂直方向の代表的横断面(例えば、図4の炉心101の符号102e,103eで示した高さ方向位置)において、中心を原点とし、径方向の距離をrとした所定の開き角のR−θ体系で、原子炉の炉心及び周囲の構成部材の材料(材料の種類、密度のデータを含む)・幾何学的モデル(R−θ体系)の作成をする(「原子炉の炉心及び周囲の構成部材の材料・幾何学モデル(R−θ体系)の作成(第1ライブラリ1Bの作成)」)。具体的には、例えば、90°のR−θ体系を図3に示すような体系に均質な領域毎に材料の領域を設定し、その各領域を更に細かく所要のメッシュに区切る。このメッシュの区切り方は、均質な領域における中性子線、ガンマ線の散乱等の核反応の発生する確率が大きいほど細かく設定するが、DORTコードの計算に熟練した技術者であるならば適宜、経験的に設定できるものである。
この作業は、DORTコードの入力作成支援のための公知のアプリケーションプログラムを用いて行うことができ、作成された幾何学的モデル(R−θ体系)は、計算機の、例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納されて用いられる。
ステップS02Bでは、技術者は、放射線反応データ編集用のアプリケーションプログラムを用いて、前記したステップS00Aにおけるベース核ライブラリを用いて、R−θ体系の各メッシュに含まれる核種、核種の数密度の算出と、それに対応する放射線反応データの編集をする(第2ライブラリ2Bの作成)。ちなみに、複数のメッシュで1つの均一の領域を構成している場合には、その均一の領域に対して1つの放射線反応データを編集すれば良く、例えば、その編集された放射線反応データにID番号を付し、メッシュ毎に放射線反応データのID番号を割り振るようにすれば良い。ここで、編集された放射線反応データは、計算機の、例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納されて用いられる。

そして、図3に示した1/4横断面図における周方向の境界条件は、例えば、完全反射(アルベド=1.0)とし、原子炉遮蔽壁の外側鋼板113の外側は真空(アルベド=0.0)とし、炉心軸方向に対しての境界条件は、一様で無限としている。
ちなみに、周方向の境界条件は、完全反射(アルベド=1.0)の代わりに、90°の周期境界でも良い。
ステップS03Bでは、計算機は、ステップS01Bで作成され第1ライブラリ1BとステップS02Bで編集された放射線反応データとを用いて、計算機で二次元離散座標Sn計算コードを用いたR−θ体系での中性子束、ガンマ線束の二次元輸送解析を行う。そして、ステップS03Bの後、結合子(C)に従って、図2のステップS04Bに進み、算出された各メッシュのエネルギ群毎の中性子束、ガンマ線束の値は、計算機の、例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納される(「(r,θ)座標依存の中性子束及びガンマ線束の格納」)。
ステップS05Bでは、技術者は、ステップS00Bで作成された換算係数データのライブラリを用いて、図3に示したR-θ体系の着目メッシュの換算係数データの編集を行う(第3ライブラリ3Bの作成)。編集された換算係数データは計算機の記憶装置に格納される。
R-θ体系の着目メッシュも、R−Z体系の着目メッシュとしてステップS05Aの説明の中で記載した、例えば、炉心シュラウド107の領域、原子炉圧力容器109の領域、原子炉遮蔽壁の内側鋼板111、コンクリートモルタル112、外側鋼板113の領域のメッシュである。
ステップS06Bでは、計算機は、ステップS05Bで作成された着目メッシュの換算係数データを用いて、ステップS04Bにおいて記憶装置に格納された当該の着目メッシュの中性子束、ガンマ線束を読み出し、換算係数データをその評価目的である放射線データ(線量率、高速中性子の照射量、中性子損傷量、発熱量)の種類に応じて、所要のエネルギ群の中性子束、ガンマ線束に乗じて、高速中性子の照射量、中性子損傷量、発熱量、線量率等の所要の放射線データXRθ(r,θ)をメッシュ毎に算出する(「着目メッシュの(r,θ)座標依存の放射線データの算出」)。この放射線データXRθ(r,θ)の算出に当たり、ステップS02Bで算出された着目メッシュの核種、核種の数密度も必要に応じて用いられる。算出された着目メッシュの(r,θ)座標依存の放射線データXRθ(r,θ)は、計算機の記憶装置に格納される。
ステップS07では、計算機は、ステップS06Bで算出された着目メッシュの(r,θ)座標依存の放射線データを用いて、座標rを固定して周方向(θ方向)に積分して放射線データの平均値を算出する(「着目メッシュの(r)座標依存の放射線データの算出」)。
ステップS08Aでは、計算機は、ステップS06Bで算出された着目メッシュの(r,θ)座標依存の放射線データをステップS07で算出された着目メッシュの(r)座標依存の放射線データで除することにより、θ方向の補正係数Θ(r,θ)を算出する。算出されたθ方向の補正係数Θ(r,θ)は、計算機の記憶装置に格納される。
Figure 2013186016
そして、ステップS09では、計算機は、ステップS06Aで算出されたR−Z体系による着目メッシュの(r,z)座標依存の放射線データにステップS08Aで算出されたθ方向の補正係数Θ(r,θ)を乗じて、着目メッシュの(r,θ,z)座標依存の放射線データを算出し、計算機の記憶装置に格納する。
ここで、原子炉周りの空間領域の任意の三次元座標(r,θ,z)における放射線データX(r,θ,z)は、R−Z体系で得られた(ステップS06Aで算出された)放射線データと、式(1)で得られた(ステップS08Aで算出された)θ方向の補正係数Θ(r,θ)を用いて次式(2)で近似できる。
Figure 2013186016
ステップS10では、計算機は、ステップS09で得られた着目メッシュの放射線データX(r,θ,z)を時間積分し、照射量や中性子損傷量、発熱量等の時間積分された放射線データを算出する(「放射線データの時間積分」)。
ちなみに、この時間積分は、所定の原子炉の運転時間に対して行うものであり、前記したステップS02A,S02Bで編集された第2ライブラリ2A,2Bが放射線データの時間積分として妥当な時間に対して行う。例えば、1つの運転サイクルに対し、サイクル初期、サイクル中期、サイクル後期の3つの期間に対して、第2ライブラリ2A,2Bをそれぞれ用意するようにし、ステップS02A〜S04A,S06A、ステップS02B〜S04B,S06B、ステップS07〜S010を繰り返し、更に引続く次のサイクルに対しても同様に繰り返し、原子炉の最初の運転開始から現在までの放射線データを算出する。
また、別の時間積分の仕方として、初装荷炉心の運転サイクル(第1サイクル)を1つの代表的な第2ライブラリ2A,2Bとして編集し、以後のサイクルについては、第1サイクルとは異なる取替え炉心としての代表的な第2ライブラリ2A,2Bとして編集して、原子炉の最初の運転開始から現在までの放射線データを算出するようにしても良い。
本実施形態におけるステップS01A,S01Bが、特許請求の範囲に記載の「第1ライブラリ編集工程」に対応し、ステップS00A,S02A,S02Bが、特許請求の範囲に記載の「第2ライブラリ編集工程」に対応し、ステップS03Aが、特許請求の範囲に記載の「第1の二次元輸送解析工程」に対応し、ステップS03Bが、特許請求の範囲に記載の「第2の二次元輸送解析工程」に対応する。
また、本実施形態におけるステップS00B,S05A,S05Bが、特許請求の範囲に記載の「第3ライブラリ編集工程」に対応し、ステップS06Aが、特許請求の範囲に記載の「第1の放射線データ算出工程」に対応し、ステップS06Bが、特許請求の範囲に記載の「第2の放射線データ算出工程」に対応する。
本実施形態におけるステップS07が、特許請求の範囲に記載の「第3の放射線データ算出工程」に対応し、ステップS08Aが、特許請求の範囲に記載の「補正係数算出工程」に対応し、ステップS09が特許請求の範囲に記載の「第4の放射線データ算出工程」に対応する。
本実施形態によれば、発電用沸騰水型原子炉の原子炉周りの構造物の形状に対して、二次元離散座標Sn計算コードを用いてR−Z体系((r,z)座標系)で得られた中性子束やガンマ線束に基づいて算出された放射線データにθ方向の補正係数Θ(r,θ)を乗じている。その結果、例えば、炉心シュラウドにおいて、炉心中心軸からの径方向距離が同じであっても、周方向の位置が異なる領域では、最も近い位置に配置された燃料集合体からの距離が異なるため、中性子束やガンマ線束は周方向に変動が生じることが精度良く考慮できる。
従って、炉心の最外周の燃料集合体の領域(図3の最外側炉心領域105A)が、矩形状に径方向外方側に凸凹した形状であることによる、炉心シュラウド107、原子炉圧力容器109、原子炉遮蔽壁(111,112,113)への中性子束、ガンマ線束及びそのエネルギスペクトルの変化の放射線データへの影響を精度良く反映することができる。しかも、二次元離散座標Sn計算コードを用いたR−Z体系及びR−θ体系の中性子束、ガンマ線束の輸送計算であることから計算体系のメッシュ入力の作業時間、輸送計算の計算時間も短くでき、計算機の負荷も小さくて済む。
《第1の実施形態の変形例》
次に図5、図6を参照しながら第1の実施形態の変形例について説明する。図5は、第1の実施形態の変形例において用いる原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法におけるR−Z体系で用いる炉心の外周部分の内接円と外接円による領域分けの説明図である。図6は、第1の実施形態の変形例において用いる原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法におけるR−Z体系の概略説明図である。
第1の実施形態におけるR−Z体系は図4に示したように境界線203,204を面積が同じ等価円の半径としたが、その場合、境界線204は図3の最外側炉心領域105Aの径方向外方側境界を必ずしも示しておらず、R−Z体系における炉心シュラウド107への中性子照射の評価上、反射体106による中性子の減速を大きく評価し過ぎて、エネルギスペクトルを軟らかくする方向である。
本変形例では、それを補正するため、ステップS01Aで作成する原子炉の炉心及び周囲の構成部材の材料・幾何学的モデル(R−Z体系)の作成(第1ライブラリ1Aの作成)を図5、図6に示すように変形する。
すなわち、図5に示す点線で示した最外側炉心領域(図3の最外側炉心領域105A参照)に内接する円を境界線205とし、最外側炉心領域(図3の最外側炉心領域105A参照)に外接する円を境界線206とする。そして、境界線205と境界線206とで囲まれた環状の領域を本変形例における最外側炉心領域105Bとする。この領域は、周方向に見れば、反射体106と燃料集合体セルとを含む混合領域である。
そして、境界線206より内側の図3における外側炉心領域104Aに含まれる斜線の領域を本変形例における外側炉心領域104Bとする。この領域は、燃料集合体セルが一部分しか含まれない部分も含んでいる。
このようにして設定した境界線205,206を反映した第1ライブラリ1AのR−Z体系が図6である。
本変形例によれば、最外側炉心領域105Bが炉心シュラウド107により接近したR−Z体系でステップS03Aにおける二次元離散座標Sn計算コードを用いたR−Z体系での中性子束、ガンマ線束の二次元輸送解析がなされる。その結果、炉心シュラウド107における中性子束、ガンマ線束のエネルギスペクトルがより精度の良いものとなる。その結果、ステップS08Aで算出されたθ方向の補正係数を用いたステップS09における着目メッシュの(r,θ,z)座標依存の放射線データの精度も向上する。
《第2の実施形態》
次に、図3、図4及び図7から図9を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。
図7、図8は、第2の実施形態に係る原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法のフローチャートである。図9は、第2の実施形態において、(r,θ)座標依存の補正係数を求めるための規格化放射線データ算出に用いるR−θ体系の概略説明図である。
第1の実施形態における図2、図3に示した原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法のフローチャートと、本実施形態における図7、図8に示す原子炉周りの放射線データの三次元空間分布算出方法のフローチャートの異なる点は、図7、図8において、ステップS01C,S02C,S03C,S04C,S05C,S06Cが追加され、ステップS07が削除され、ステップS06Bにおける着目メッシュの(r,θ)座標依存の放射線データの算出結果と、ステップS06Cにおける着目メッシュの(r)座標依存の放射線データの算出結果とからステップS08Bにおけるθ方向の補正係数の算出を行う点である。第1の実施形態と同じステップについては、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。図9は、第2の実施形態において、(r,θ)座標依存の補正係数を求めるための規格化放射線データ算出に用いるR−θ体系(ただし、θ方向均一)の概略説明図である。
図7に示すようにステップS01Cでは、技術者は、原子炉周りの空間領域における炉心の垂直方向の代表的横断面(例えば、図4の炉心101の符号102e,103eで示した高さ方向位置)において、中心を原点とし、径方向の距離をrとした所定の開き角のR−θ体系で、原子炉の炉心及び周囲の構成部材の材料(材料の種類、密度のデータを含む)・幾何学的モデル(R体系)の作成をする(「原子炉の炉心及び周囲の構成部材の材料・幾何学モデル(R体系)の作成(第1ライブラリ1Cの作成)」)。具体的には、技術者は、例えば、90°のR−θ体系を図9に示すような体系に均質な領域毎に材料の領域を設定し、その各領域を更に細かく所要のメッシュに区切る。このメッシュの区切り方は、均質な領域における中性子線、ガンマ線の散乱等の核反応の発生する確率が大きいほど細かく設定するが、DORTコードの計算に熟練した技術者であるならば適宜、経験的に設定できるものである。
ただし、ここでは、形式的にはR−θ体系の材料・幾何学的モデルであるが、θ方向に、材料の領域は均質であり、二次元離散座標Sn計算コードを用いたR−θ体系の計算の準備のために第1ライブラリ1Cを作成するが、実質的には円柱状のR体系の計算をするための準備である。そのためここでは、敢えて「原子炉の炉心及び周囲の構成部材の材料・幾何学モデル(R体系)の作成(第1ライブラリ1Cの作成)」と称する。
なお、図9に示す中央炉心領域102と内側炉心領域103との境界を示す境界線201は、図3における中央炉心領域102の面積と同じ面積の等価円を示し、内側炉心領域103と外側炉心領域104Aとの境界を示す境界線202は、図3における中央炉心領域102及び内側炉心領域103を併せた面積と同じ面積の等価円を示し、外側炉心領域104Aと最外側炉心領域105Aとの境界を示す境界線203は、図3における中央炉心領域102、内側炉心領域103及び外側炉心領域104Aを併せた面積と同じ面積の等価円を示し、最外側炉心領域105Aの外側境界の境界線204は、図3における最外側炉心領域105Aを含む内側の炉心101の面積と同じ面積の等価円を示している。
この作業は、DORTコードの入力作成支援のための公知のアプリケーションプログラムを用いて行うことができ、作成された幾何学的モデル(R−θ体系)は、計算機の、例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納されて用いられる。
ステップS02Cでは、技術者は、放射線反応データ編集用のアプリケーションプログラムを用いて、前記したステップS00Aにおけるベース核ライブラリを用いて、R−θ体系の各メッシュに含まれる核種、核種の数密度の算出と、それに対応する放射線反応データの編集をする(第2ライブラリ2Cの作成)。ちなみに、複数のメッシュで1つの均一の領域を構成している場合には、その均一の領域に対して1つの放射線反応データを編集すれば良く、例えば、その編集された放射線反応データにID番号を付し、メッシュ毎に放射線反応データのID番号を割り振るようにすれば良い。ここで、編集された放射線反応データは、計算機の、例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納されて用いられる。
そして、図9に示した1/4横断面図における周方向の境界条件は、例えば、完全反射(アルベド=1.0)とし、原子炉遮蔽壁の外側鋼板113の外側は真空(アルベド=0.0)とし、炉心軸方向に対しての境界条件は、一様で無限としている。
ステップS03Cでは、計算機は、ステップS01Cで作成され第1ライブラリ1CとステップS02Cで編集された放射線反応データとを用いて、計算機で二次元離散座標Sn計算コードを用いた円柱状R体系での中性子束、ガンマ線束の二次元輸送解析を行う。そして、ステップS03Cの後、結合子(I)に従って、図8のステップS04Cに進み、算出された各メッシュのエネルギ群毎の中性子束、ガンマ線束の値は、計算機の、例えば、ハードディスク等の記憶装置に格納される(「(r)座標依存の中性子束及びガンマ線束の格納」)。
ステップS05Cでは、技術者は、ステップS00Bで作成された換算係数データのライブラリを用いて、図9に示したR-θ体系(θ方向均質)の(r)座標の着目メッシュの換算係数データの編集を行う(「円柱状R体系の着目メッシュの換算係数データの編集(第3ライブラリ3Cの作成)」)。編集された換算係数データは計算機の記憶装置に格納される。
円柱状のR体系の着目メッシュも、R−Z体系の着目メッシュとしてステップS05Aの説明の中で記載した、例えば、炉心シュラウド107の領域、原子炉圧力容器109の領域、原子炉遮蔽壁の内側鋼板111、コンクリートモルタル112、外側鋼板113の領域のメッシュである。
ステップS06Cでは、計算機は、ステップS05Cで作成された円柱状R体系の着目メッシュの換算係数データを用いて、ステップS04Cにおいて記憶装置に格納された当該の着目メッシュの中性子束、ガンマ線束を読み出し、換算係数データをその評価目的である放射線データ(線量率、高速中性子の照射量、中性子損傷量、発熱量)の種類に応じて、所要のエネルギ群の中性子束、ガンマ線束に乗じて、高速中性子の照射量、中性子損傷量、発熱量、線量率等の所要の放射線データXR(r)をメッシュ毎に算出する(「着目メッシュの(r)座標依存の放射線データの算出」)。この放射線データXR(r)の算出に当たり、ステップS02Cで算出された着目メッシュの核種、核種の数密度も必要に応じて用いられる。算出された円柱状R体系の着目メッシュの(r)座標依存の放射線データXR(r)は、計算機の記憶装置に格納される。
ステップS08Bでは、計算機は、ステップS06Bで算出された着目メッシュの(r,θ)座標依存の放射線データをステップS06Cで算出された円柱状R体系の着目メッシュの(r)座標依存の放射線データで除することにより、次式(3)に示すようにθ方向の補正係数Θ(r,θ)を算出する。算出されたθ方向の補正係数Θ(r,θ)は、計算機の記憶装置に格納される。
Figure 2013186016
そして、ステップS09では、計算機は、ステップS06Aで算出されたR−Z体系による着目メッシュの(r,z)座標依存の放射線データにステップS08Bで算出されたθ方向の補正係数Θ(r,θ)を乗じて、着目メッシュの(r,θ,z)座標依存の放射線データを算出し、計算機の記憶装置に格納する。
ここで、原子炉周りの空間領域の任意の三次元座標(r,θ,z)における放射線データX(r,θ,z)は、R−Z体系で得られた(ステップS06Aで算出された)放射線データと、式(3)で得られた(ステップS08Bで算出された)θ方向の補正係数Θ(r,θ)を用いて式(2)で近似できる。
ステップS10では、計算機は、ステップS09で得られた着目メッシュの放射線データX(r,θ,z)を時間積分し、照射量や中性子損傷量、発熱量等の時間積分された放射線データを算出する(「放射線データの時間積分」)。
ちなみに、この時間積分は、所定の原子炉の運転時間に対して行うものであり、前記したステップS02A,S02B,S02Cで編集された第2ライブラリ2A,2B,2Cが放射線データの時間積分として妥当な時間に対して行う。例えば、1つの運転サイクルに対し、サイクル初期、サイクル中期、サイクル後期の3つの期間に対して、第2ライブラリ2A,2Bをそれぞれ用意するようにし、ステップS02A〜S04A,S06A、ステップS02B〜S04B,S06B、ステップS02C〜S04C,S06C、ステップS07〜S010を繰り返し、更に引続く次のサイクルに対しても同様に繰り返し、原子炉の最初の運転開始から現在までの放射線データを算出する。
本実施形態におけるステップS01A,S01B,S01Cが、特許請求の範囲に記載の「第1ライブラリ編集工程」に対応し、ステップS00A,S02A,S02B,S02Cが、特許請求の範囲に記載の「第2ライブラリ編集工程」に対応し、ステップS03Aが、特許請求の範囲に記載の「第1の二次元輸送解析工程」に対応し、ステップS03Bが、特許請求の範囲に記載の「第2の二次元輸送解析工程」に対応し、ステップS03Cが、特許請求の範囲に記載の「水平面内規格化輸送解析工程」に対応する。
また、本実施形態におけるステップS00B,S05A,S05B,S05Cが、特許請求の範囲に記載の「第3ライブラリ編集工程」に対応し、ステップS06Aが、特許請求の範囲に記載の「第1の放射線データ算出工程」に対応し、ステップS06Bが、特許請求の範囲に記載の「第2の放射線データ算出工程」に対応し、ステップS06Cが、特許請求の範囲に記載の「規格化放射線データ算出工程」する。
本実施形態におけるステップS08Bが、特許請求の範囲に記載の「補正係数算出工程」に対応し、ステップS09が特許請求の範囲に記載の「第4の放射線データ算出工程」に対応する。
また、別の時間積分の仕方として、初装荷炉心の運転サイクル(第1サイクル)を1つの代表的な第2ライブラリ2A,2Bを編集し、以後のサイクルについては、第1サイクルとは異なる取替え炉心としての代表的な第2ライブラリ2A,2Bを編集して、原子炉の最初の運転開始から現在までの放射線データを算出するようにしても良い。
本実施形態によれば、発電用沸騰水型原子炉の原子炉周りの構造物の形状に対して、二次元離散座標Sn計算コードを用いてR−Z体系((r,z)座標系)で得られた中性子束やガンマ線束に基づいて算出された放射線データにθ方向の補正係数Θ(r,θ)を乗じている。その結果、例えば、炉心シュラウドにおいて、炉心中心軸からの径方向距離が同じであっても、周方向の位置が異なる領域では、最も近い位置に配置された燃料集合体からの距離が異なるため、中性子束やガンマ線束は周方向に変動が生じることが精度良く考慮できる。
従って、炉心の最外周の燃料集合体の領域(図3の最外側炉心領域105A)が、矩形状に径方向外方側に凸凹した形状であることによる、炉心シュラウド107、原子炉圧力容器109、原子炉遮蔽壁(111,112,113)への中性子束、ガンマ線束及びそのエネルギスペクトルの変化の放射線データへの影響を精度良く反映することができる。しかも、二次元離散座標Sn計算コードを用いたR−Z体系及びR−θ体系の中性子束、ガンマ線束の輸送計算であることから計算体系のメッシュ入力の作業時間、輸送計算の計算時間も短くでき、計算機の負荷も小さくて済む。
なお、本実施形態に対しても、第1の実施形態の変形例のように図4のR−Z体系の代わりに、図6に示したR−Z体系を適用することができるし、図9におけるR−θ体系(θ方向均一)の第1ライブラリ1Cの作成において、境界線201,202,203,204の組み合わせの代わりに、境界線201,202,205,206の組み合わせを用いても良い。
そうすれば、第1の実施形態の変形例と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、ステップS03Cにおいて二次元離散座標Sn計算コードを用いた円柱状R体系での中性子束、ガンマ線束の二次元輸送解析を行うとしたがそれに限定されるものではなく、ANISN等の一次元離散座標Sn計算コードを用いた円柱状R体系での中性子束、ガンマ線束の二次元輸送解析を行うこととしても良い。
その場合、ステップ01Cでは、一次元の円柱状R体系の領域とメッシュの第1ライブラリ1Cを作成し、ステップ02Cでは、「円柱状のR体系の各メッシュに含まれる核種、核種の数密度の算出と、それに対応する放射線反応データの編集をする(第2ライブラリ2Cの作成)」と変更する。
このように、ステップS03Cにおい一次元離散座標Sn計算コードを用いた円柱状R体系での中性子束、ガンマ線束の二次元輸送解析を行うことで、この計算の計算時間を短縮することができる。
101 炉心
102 中央炉心領域
103 内側炉心領域
104A,104B 外側炉心領域
105A,105B 最外側炉心領域
106 反射体
107 炉心シュラウド
108 ダウンカマ
109 原子炉圧力容器
110 空気層
111 内側鋼板
112 コンクリートモルタル
113 外側鋼板
116 炉心上部プレナム
201,202,203,204,205,206 境界線

Claims (2)

  1. 内部に複数の部品が配置された所定の容積内の放射線の被照射に係る放射線データの三次元空間分布算出方法であって、
    前記所定の容積内には、沸騰水型原子炉及び該沸騰水型原子炉の周囲の空間を含み、
    前記所定の容積内の前記沸騰水型原子炉及び前記複数の部品、並びに前記沸騰水型原子炉の周囲に設けられた少なくとも原子炉遮蔽壁を含む構造物についての、材料と(r,z)座標系及び(r,θ)座標系の幾何学的形状データとを含む入力データである第1ライブラリを準備する第1ライブラリ編集工程と、
    前記所定の容積内の前記沸騰水型原子炉及び前記複数の部品、並びに前記沸騰水型原子炉の周囲に設けられた前記構造物についての前記材料の放射線反応データを含む入力データである第2ライブラリを準備する第2ライブラリ編集工程と、
    前記所定の容積内の前記沸騰水型原子炉及び前記複数の部品、並びに前記沸騰水型原子炉の周囲に設けられた前記構造物についての前記材料に対する放射線線量率、放射線照射量、発熱量及び中性子損傷率のうちのいずれか1つを少なくとも含む前記放射線の被照射に係る放射線データを算出するための換算係数データの入力データである第3ライブラリを準備する第3ライブラリ編集工程と、
    前記入力データの前記第1ライブラリと前記第2ライブラリとを用いて、前記容積内の(r,z)座標系の放射線束を前記(r,z)座標系の二次元離散座標Sn計算コードを用いた二次元輸送解析により算出する第1の二次元輸送解析工程と、
    前記入力データの前記第3ライブラリと、前記第1の二次元輸送解析工程により算出された前記容積内の(r,z)座標系の放射線束とを用いて、前記容積内の前記(r,z)座標系の前記放射線の被照射に係る放射線データを第1の放射線データとして算出する第1の放射線データ算出工程と、
    前記入力データの前記第1ライブラリと前記第2ライブラリとを用いて、前記容積内の所定の軸方向高さにおける水平面内の(r,θ)座標系の放射線束を前記(r,θ)座標系の二次元離散座標Sn計算コードを用いた輸送解析により算出する第2の二次元輸送解析工程と、
    前記入力データの前記第3ライブラリと、前記第2の二次元輸送解析工程により算出された前記水平面内の(r,θ)座標系の放射線束とを用いて、前記容積内の前記所定の軸方向高さにおける水平面内の前記(r,θ)座標系の前記放射線の被照射に係る放射線データを第2の放射線データとして算出する第2の放射線データ算出工程と、
    を含み、
    更に、前記第2の放射線データ算出工程で算出された前記第2の放射線データを、θ座標について積算平均化処理し、前記容積内の前記所定の軸方向高さにおける水平面内の前記(r,θ)座標系のr座標にのみ依存する第3の放射線データを算出する第3の放射線データ算出工程と、
    前記第2の放射線データ算出工程において算出された前記(r,θ)座標依存の前記第2の放射線データを、前記第3の放射線データ算出工程において算出された前記r座標のみに依存する前記第3の放射線データで除して、前記(r,θ)座標系依存の補正係数を算出する補正係数算出工程と、
    前記補正係数算出工程において算出された前記(r,θ)座標系依存の補正係数を、前記第1の放射線データ算出工程において算出された前記(r,z)座標系依存の前記第1の放射線データに乗じて、前記容積内の(r,θ,z)座標系の前記放射線の被照射に係る放射線データを第4の放射線データとして算出する第4の放射線データ算出工程と、を含むことを特徴とする放射線データの三次元空間分布算出方法
  2. 内部に複数の部品が配置された所定の容積内の放射線の被照射に係る放射線データの三次元空間分布算出方法であって、
    前記所定の容積内には、沸騰水型原子炉及び該沸騰水型原子炉の周囲の空間を含み、
    前記所定の容積内の前記沸騰水型原子炉及び前記複数の部品、並びに前記沸騰水型原子炉の周囲に設けられた少なくとも原子炉遮蔽壁を含む構造物についての材料、幾何学的形状データを含む入力データである第1ライブラリを準備する第1ライブラリ編集工程と、
    前記所定の容積内の前記沸騰水型原子炉及び前記複数の部品、並びに前記沸騰水型原子炉の周囲に設けられた前記構造物についての前記材料の放射線反応データを含む入力データである第2ライブラリを準備する第2ライブラリ編集工程と、
    前記所定の容積内の前記沸騰水型原子炉及び前記複数の部品、並びに前記沸騰水型原子炉の周囲に設けられた前記構造物についての前記材料に対する放射線線量率、放射線照射量、発熱量及び中性子損傷率のうちのいずれかを少なくとも含む前記放射線の被照射に係る放射線データを算出するための換算係数データの入力データである第3ライブラリを準備する第3ライブラリ編集工程と、
    前記入力データの前記第1ライブラリと前記第2ライブラリとを用いて、前記容積内の(r,z)座標系の放射線束を前記(r,z)座標系の二次元離散座標Sn計算コードを用いた二次元輸送解析により算出する第1の二次元輸送解析工程と、
    前記入力データの前記第3ライブラリと、前記第1の二次元輸送解析工程により算出された前記容積内の(r,z)座標系の放射線束とを用いて、前記容積内の前記(r,z)座標系の前記放射線の被照射に係る放射線データを第1の放射線データとして算出する第1の放射線データ算出工程と、
    前記入力データの前記第1ライブラリと前記第2ライブラリとを用いて、前記容積内の所定の軸方向高さにおける水平面内の(r,θ)座標系の放射線束を前記(r,θ)座標系の二次元離散座標Sn計算コードを用いた二次元輸送解析により算出する第2の二次元輸送解析工程と、
    前記入力データの前記第3ライブラリと、前記第2の二次元輸送解析工程により算出された前記水平面内の(r,θ)座標系の放射線束とを用いて、前記容積内の前記所定の軸方向高さにおける水平面内の前記(r,θ)座標系の前記放射線の被照射に係る放射線データを第2の放射線データとして算出する第2の放射線データ算出工程と、
    前記入力データの前記第1ライブラリと前記第2ライブラリとを用いて、前記容積内の前記所定の軸方向高さにおける水平面内の(r,θ)座標系に対して周方向に均一化されて(r)座標にのみ依存する規格化された規格化放射線束を前記(r,θ)座標系の二次元離散座標Sn計算コードを用いた二次元輸送解析により算出する、もしくは(r)座標系の一次元離散座標Sn計算コードを用いた一次元輸送解析により算出する水平面内規格化輸送解析工程と、
    前記入力データの前記第3ライブラリと、前記水平面内規格化輸送解析工程により算出された規格化放射線束とを用いて、前記容積内の前記所定の軸方向高さにおける水平面内の前記(r,θ)座標系に対して周方向に均一化されてr座標にのみ依存する前記放射線の被照射に係る放射線データを規格化放射線データとして算出する規格化放射線データ算出工程と、
    を含み、
    更に、前記第2の放射線データ算出工程で算出された前記第2の放射線データを、前記水平面内規格化放射線データ算出工程において算出された前記r座標のみに依存する前記規格化放射線データで除して、前記(r,θ)座標系依存の補正係数を算出する補正係数算出工程と、
    前記補正係数算出工程において算出された前記(r,θ)座標系依存の補正係数を、前記第1の放射線データ算出工程において算出された前記(r,z)座標系依存の前記第1の放射線データに乗じて、前記容積内の(r,θ,z)座標系の前記放射線の被照射に係る放射線データを第4の放射線データとして算出する第4の放射線データ算出工程と、を含むことを特徴とする放射線データの三次元空間分布算出方法
JP2012052419A 2012-03-09 2012-03-09 放射線データの三次元空間分布算出方法 Pending JP2013186016A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012052419A JP2013186016A (ja) 2012-03-09 2012-03-09 放射線データの三次元空間分布算出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012052419A JP2013186016A (ja) 2012-03-09 2012-03-09 放射線データの三次元空間分布算出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013186016A true JP2013186016A (ja) 2013-09-19

Family

ID=49387557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012052419A Pending JP2013186016A (ja) 2012-03-09 2012-03-09 放射線データの三次元空間分布算出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013186016A (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1184060A (ja) * 1997-09-01 1999-03-26 Toshiba Corp 高速炉の出力分布計算方法及び計算装置
JP2001027683A (ja) * 1994-03-18 2001-01-30 Hitachi Ltd 軽水炉用燃料集合体とそれに用いられる部品及び合金並びに製造法
JP2002148383A (ja) * 2000-11-08 2002-05-22 Toshiba Corp 照射劣化診断装置およびシステム
JP2003066179A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Genshiryoku Engineering:Kk 原子炉の炉心計算方法
JP2004069701A (ja) * 2002-07-31 2004-03-04 General Electric Co <Ge> 原子炉のステンレス鋼構成部材におけるヘリウム生成量を計算するためのシステム及び方法
JP2004132970A (ja) * 2002-09-03 2004-04-30 General Electric Co <Ge> 原子炉における中性子束を求める方法及び装置
JP2007192550A (ja) * 2006-01-17 2007-08-02 Toshiba Corp 粒子輸送の計算方法、計算装置およびプログラム、核定数の計算方法、計算装置およびプログラム、ならびに、原子炉シミュレーション方法、原子炉シミュレータおよび原子炉シミュレーションプログラム
JP2008051509A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Shikoku Electric Power Co Inc 3次元炉心解析方法及び3次元炉心解析プログラム
JP2008122094A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Toshiba Corp 原子炉出力制御装置、原子炉システム、および、原子炉出力制御方法
JP2010540936A (ja) * 2007-09-27 2010-12-24 ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー パラレル3次元放射線輸送コードを利用する原子炉線量測定アプリケーション

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001027683A (ja) * 1994-03-18 2001-01-30 Hitachi Ltd 軽水炉用燃料集合体とそれに用いられる部品及び合金並びに製造法
JPH1184060A (ja) * 1997-09-01 1999-03-26 Toshiba Corp 高速炉の出力分布計算方法及び計算装置
JP2002148383A (ja) * 2000-11-08 2002-05-22 Toshiba Corp 照射劣化診断装置およびシステム
JP2003066179A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Genshiryoku Engineering:Kk 原子炉の炉心計算方法
JP2004069701A (ja) * 2002-07-31 2004-03-04 General Electric Co <Ge> 原子炉のステンレス鋼構成部材におけるヘリウム生成量を計算するためのシステム及び方法
JP2004132970A (ja) * 2002-09-03 2004-04-30 General Electric Co <Ge> 原子炉における中性子束を求める方法及び装置
JP2007192550A (ja) * 2006-01-17 2007-08-02 Toshiba Corp 粒子輸送の計算方法、計算装置およびプログラム、核定数の計算方法、計算装置およびプログラム、ならびに、原子炉シミュレーション方法、原子炉シミュレータおよび原子炉シミュレーションプログラム
JP2008051509A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Shikoku Electric Power Co Inc 3次元炉心解析方法及び3次元炉心解析プログラム
JP2008122094A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Toshiba Corp 原子炉出力制御装置、原子炉システム、および、原子炉出力制御方法
JP2010540936A (ja) * 2007-09-27 2010-12-24 ウエスチングハウス・エレクトリック・カンパニー・エルエルシー パラレル3次元放射線輸送コードを利用する原子炉線量測定アプリケーション

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Alekseev et al. MCU-PTR program for high-precision calculations of pool and tank type research reactors
Rearden et al. Monte Carlo capabilities of the SCALE code system
Gao et al. Radiation dose rate distributions of spent fuel dry casks estimated with MAVRIC based on detailed geometry and continuous-energy models
Bostelmann et al. Key nuclear data impacting reactivity in advanced reactors
Lafleur Development of self-interrogation neutron resonance densitometry (SINRD) to measure the fissile content in nuclear fuel
JP5752467B2 (ja) 原子炉燃料非破壊燃焼度評価方法およびその装置
Thiollay et al. FLUOLE-2: An experiment for PWR pressure vessel surveillance
Blakeman et al. PWR facility dose modeling using MCNP5 and the CADIS/ADVANTG variance-reduction methodology
Shaw et al. SCALE Modeling of the Sodium Cooled Fast-Spectrum Advanced Burner Test Reactor
Choi et al. Benchmarking DRAGON/PARCS Against KRITZ and FFTF Measurements
Hu et al. Developing Spent Fuel Assembly Standards for Advanced NDA Instrument Calibration–NGSI Spent Fuel Project
Caruso Characterisation of high-burnup LWR fuel rods through gamma tomography
JP2013186016A (ja) 放射線データの三次元空間分布算出方法
Costa et al. Safety studies and general simulations of research reactors using nuclear codes
Vrban et al. Determination of the computational bias in criticality safety validation of VVER-440/V213
JP2006138795A (ja) 中性子検出器感度校正方法および燃料収納体系の未臨界度評価方法
Bolobov et al. Development of the code package KASKAD for calculations of WWERs
Caron et al. Assessment of a cross section adjustment formalism using experimental data from the TAPIRO reactor
Tomchik et al. Benchmark Specifications for TREAT Tests M5, M6, and M7
Bereznev et al. New neutronic calculation codes based on discrete ordinates method using methods of finite differences and finite elements
Luciano Sensitivity of VVER-1000 Spent Fuel Pin Nuclide Inventory to Operational Parameters
Mulasi Criticality study of a spent fuel pool using SCALE 6.2. 3 and MCNP6. 2
Ortego et al. Evaluation Guide for the Evaluated Spent Nuclear Fuel Assay Database (SFCOMPO)
Cao et al. Validation of Gamma Dose Rate Calculation Methodology using the Morris and Turkey Point Measurements
Koleška et al. Validation of the Onsite Used Operational Code Against Burnup Measurement

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150113

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150616