JP2013181776A - 砒素の価数別分析方法および価数別分離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】3価と5価の砒素を迅速かつ精度よく測定することを可能にする。
【解決手段】本発明は、3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液から、それぞれの価数の砒素を分離する方法において、前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液することを特徴とする方法である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液から、それぞれの価数の砒素を分離する方法において、前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液することを特徴とする方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、砒素の価数別分離方法、および当該方法を用いた砒素の価数別分析方法に関するものである。
溶液中の砒素(As)には3価と5価があり、両者は化学的性質が異なるため、砒素の存在状態を把握することが求められている。
近年、工場廃水等は微量な砒素まで回収する必要性が高まっており、同時に正確かつ迅速な砒素の価数分離方法及び分析方法が要望されている。
近年、工場廃水等は微量な砒素まで回収する必要性が高まっており、同時に正確かつ迅速な砒素の価数分離方法及び分析方法が要望されている。
砒素の価数別の形態分析に関して、特許文献1には、3価、5価の砒素の特定範囲のpH(3〜8)における存在形態の違い、すなわち3価の砒素はH3AsO3という価数を持たない状態、5価の砒素はH2AsO4 -またはHAsO4 2-となることを利用し、pH3〜8に調整した砒素含有サンプルを陰イオン交換樹脂に通して、5価の砒素のみを樹脂に吸着させる技術が記載されている。
また、特許文献2には、砒素(III)と砒素(V)、及び/又はアンチモン(III)とアンチモン(V)を抽出法により価数分離し、さらにその定量分析を誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−OES)または水素化合物分離ICP−OES法にて行う技術に関し、具体的には水相に存在する3価、5価の砒素(および3価、5価のアンチモン)のうち、特定の抽出剤を用いて、3価の砒素およびアンチモンを有機相に移し、硝酸による逆抽出により3価の砒素およびアンチモンをICP−OES分析可能な状態にし、5価の砒素、アンチモンは抽出残液を直接または3価に還元し、同様の操作を行って、ICP−OES分析を行う技術が記載されている。
ところで、特許文献1に記載された方法では、3価と5価の砒素の分離が不十分になりやすく、特に3価と5価の砒素濃度に差があるときは、正確な測定ができなくなることが予想される。また、本法の対象の一つである銅電解液などの電解液は強酸性であることが多く、特許文献1に記載の方法では5価の砒素も電荷を持たない分子として存在する割合が増え、適用が困難となることが考えられる。
特許文献2に記載された方法では、溶媒抽出法による特定価数の砒素を抽出する技術であることから、操作が煩雑であるだけでなく、抽出前処理操作、抽出操作の過程で価数が変化する可能性がある。
これらのことから、液を処理する操作を少なくし、短時間のうちに分離できる測定方法が求められていた。
発明者による鋭意検討の結果、3価と5価の砒素を、取扱いの比較的容易な逆相カラムにて分離するに際して、特定の溶離剤を用いたときに3価と5価の砒素を十分分離でき、さらに5価の砒素のカラム内での保持時間を長くすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液から、それぞれの価数の砒素を分離する方法において、
前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液することを特徴とする方法。
(2)(1)記載の方法において、
前記炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩が、テトラ−n−プロピルアンモニウム塩またはテトラ−n−ブチルアンモニウム塩であることを特徴とする方法。
(3)3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液中のそれぞれの形態の砒素を定量分析する方法において、
前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液する分離工程と、
前記分離工程にて逆相カラムから得られる各形態のフラクションを、定量分析する分析工程と
を含むことを特徴とする方法。
(4)(3)記載の方法において、
前記炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩が、テトラ−n−プロピルアンモニウム塩またはテトラ−n−ブチルアンモニウム塩であることを特徴とする方法。
(5)(3)または(4)記載の方法において、
前記分析工程での定量分析は、原子吸光法、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、ICP質量分析法のいずれかにてなされることを特徴とする方法。
(6)(5)記載の方法において、
前記定量分析では、前記分離工程にて得られる各形態のフラクションのそれぞれの砒素を水素化した後、当該水素化物を定量分析することを特徴とする方法。
(1)3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液から、それぞれの価数の砒素を分離する方法において、
前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液することを特徴とする方法。
(2)(1)記載の方法において、
前記炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩が、テトラ−n−プロピルアンモニウム塩またはテトラ−n−ブチルアンモニウム塩であることを特徴とする方法。
(3)3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液中のそれぞれの形態の砒素を定量分析する方法において、
前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液する分離工程と、
前記分離工程にて逆相カラムから得られる各形態のフラクションを、定量分析する分析工程と
を含むことを特徴とする方法。
(4)(3)記載の方法において、
前記炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩が、テトラ−n−プロピルアンモニウム塩またはテトラ−n−ブチルアンモニウム塩であることを特徴とする方法。
(5)(3)または(4)記載の方法において、
前記分析工程での定量分析は、原子吸光法、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、ICP質量分析法のいずれかにてなされることを特徴とする方法。
(6)(5)記載の方法において、
前記定量分析では、前記分離工程にて得られる各形態のフラクションのそれぞれの砒素を水素化した後、当該水素化物を定量分析することを特徴とする方法。
本発明によれば、3価と5価の砒素を迅速かつ精度よく測定できるため、銅電解液、排水などの砒素含有溶液の処理について有用な操業管理を行うことができる。
本発明による砒素の分離方法の実施形態を以下に説明する。
当該実施形態は、3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液から、それぞれの価数の砒素を分離する方法において、前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液することを特徴とする方法である。
当該実施形態は、3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液から、それぞれの価数の砒素を分離する方法において、前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液することを特徴とする方法である。
発明者は、本実施形態の溶離剤として使用することができる炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩について、アルキル基の種類を変えて検討したところ、炭素数が多くなるほど5価の砒素のカラム中での保持時間が長くなり、特に炭素数4以上、すなわちテトラ−n−ブチルアンモニウムイオンなどを用いると3価と5価の砒素を十分効果的に分離することができることを見出した。一方で、アニオンの影響が強く現れることも見出し、外乱の影響を低減するという観点からさらに検討を行った。
以上の検討結果から、溶離剤として使用することができる炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩は、炭素数3以上のアルキル基が少なくとも一つ窒素(N)に結合した第4級塩、例えばテトラ−n−プロピルアンモニウム塩、テトラ−n−ブチルアンモニウム塩が挙げられる。また、外乱の影響を低減するという観点から、対イオンとしては、硫酸水素イオン、硫酸イオン、塩化物イオンなどが挙げられる。これにより、外乱の影響を低減した分析法に適用することができる。
また、金属水酸化物、例えば銅電解液を用いたときには水酸化銅などの析出を防止するためにクエン酸を添加する。この添加量としては、濃度を高くしすぎると砒素の形態別分離の効率が悪くなるため、5〜100mM、好ましくは10〜50mMとする。
また、溶離剤のpHを2.2〜4.0とすることが好ましい。このようなpHとすることにより、3価、5価の砒素をより効果的に分離することができ、さらに、5価の砒素のカラム中での保持時間を長くすることができるため、妨害を受けにくい分析法に適用することができる。なお、必要に応じて、pHの調整には、水酸化ナトリウムなどの塩基を用いることができる。
シリカゲルの表面を修飾した逆相カラムは耐久性に優れ、本発明が対象とする銅電解液などの電解液、排水などを長期間に渡って安定に測定する目的に適している。
逆相カラムとしては通常よく用いられているODSタイプのものも使用可能であるが、分離を良くするためにはC28或いはC30タイプとして市販されているものが望ましい。カラムの充填剤の粒子径は5〜10μmのものが比較的安価で入手が容易である。しかし、分離を改善するために3μmの粒子径のものを使用してもよい。
本発明による砒素の価数別分析方法の実施形態を以下に説明する。
当該実施形態は、3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液中のそれぞれの形態の砒素を定量分析する方法において、前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液する分離工程と、前記分離工程にて逆相カラムから得られる各形態のフラクションを、定量分析する分析工程とを含むことを特徴とする方法である。
当該実施形態は、3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液中のそれぞれの形態の砒素を定量分析する方法において、前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液する分離工程と、前記分離工程にて逆相カラムから得られる各形態のフラクションを、定量分析する分析工程とを含むことを特徴とする方法である。
分離工程は、溶離剤なども含めて、上述の砒素の分離方法の実施形態で説明したとおりである。
続いて、分析工程では、分離工程にて、砒素含有溶液を溶離剤と一緒に逆相カラムに通液して得られるフラクションを定量分析する。このフラクションは、予備実験などを通じて、逆相カラム中での保持時間から判断してもよいし、逆相カラムからのアウトプットを分析装置に送り、随時分析を行うことによりフラクションを検出してもよい。
この定量分析は、原子吸光法、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、ICP質量分析法などにより行うことができる。また、分離工程にて得られるフラクションのそれぞれを水素化した後、当該水素化物を定量分析してもよい。水素化物として定量するには、常法に従って0.3〜2mol/l程度の濃度の塩酸と混合した後、1〜5%程度の水素化ホウ素ナトリウムと0.2〜0.5%程度の水酸化ナトリウム溶液を混合し、水素化物として気化する。
水素化物を発生させる分析方法では、銅、ニッケルなどの重金属が共存すると強く妨害する。重金属は微量であっても妨害となるため、通常は、予め重金属を20mg/l以下、好ましくは10mg/l以下にするか一定の濃度に揃えて影響を低減させる方法が用いられる。
一方で、本発明の方法では、カラムによる分離を行っているため、重金属をある程度分離可能であり、銅電解液などを希釈してそのままカラムに注入しても妨害を受けにくい。このため、銅などの重金属を含む液に存在する砒素であっても、砒素のみを含む標準液を用いた得られた検量線を適用して測定可能である。
以上、説明したように、本発明の方法によれば、一般的な逆相カラムを用いたHPLC分析であるため、汚染物質に強く、長期間にわたり安定して、砒素の形態別分離ならびに分析を行うことができる。また抽出法による分離とは異なり、共存する重金属の影響を受け難いため、排水や河川水のように比較的妨害成分の少ない試料の分析だけでなく、銅電解液などの妨害成分が高濃度である溶液中の微量砒素の分析を行うことができる。
さらに、このような砒素の形態別分析が可能になることで、以下の点で有利となる。
(1)銅電解液や排水中の砒素の形態は、操業条件やひ素の除去効率に大きく影響するため、3価と5価の砒素が迅速かつ精度良く測定できるため、操業管理に大きく寄与できる。
(2)従来の方法では妨害成分の除去操作が煩雑であり、銅電解液などの測定(分析)に多くの時間と手間を必要とした試料の測定も容易になる。技術的な発展に寄与できる可能性がある。
(1)銅電解液や排水中の砒素の形態は、操業条件やひ素の除去効率に大きく影響するため、3価と5価の砒素が迅速かつ精度良く測定できるため、操業管理に大きく寄与できる。
(2)従来の方法では妨害成分の除去操作が煩雑であり、銅電解液などの測定(分析)に多くの時間と手間を必要とした試料の測定も容易になる。技術的な発展に寄与できる可能性がある。
以下に、本発明について、実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。
図1は、実施例において用いる砒素の価数別分離、分析装置の概要を示す模式図である。
溶離剤タンク1には、各実施例で用いる溶離剤が装入されている。また、HPLCポンプ2による引き取り動作に応じて、溶離剤が抜き取られ、インジェクタ3に送られる。インジェクタ3は、砒素含有溶液の注入口を備えており、注入された砒素含有溶液は溶離剤と混合され、分離カラム4に送られる。
溶離剤タンク1には、各実施例で用いる溶離剤が装入されている。また、HPLCポンプ2による引き取り動作に応じて、溶離剤が抜き取られ、インジェクタ3に送られる。インジェクタ3は、砒素含有溶液の注入口を備えており、注入された砒素含有溶液は溶離剤と混合され、分離カラム4に送られる。
分離カラム4は、逆相カラムから構成され、インジェクタ3から送られる砒素含有溶液と溶離剤とが通液する過程で、砒素の3価または5価を形態別に分離する。具体的には、砒素の3価と、5価とで、分離カラム中の保持時間が異なる条件で通液を行っており、特に5価の砒素の方が、保持時間が長いことから、3価の砒素が先に分離カラム4から排出され、続いて5価の砒素が排出されることになる。
分離カラム4から排出された液はライン21に送られるが、このライン21にはペリスタポンプ7が接続され、一定量にて水素化剤が送られるようになっている。ライン21では、分離カラム4からの液と水素化剤とが混合され、反応コイル8に送られる。なお、ペリスタポンプ7には、塩酸タンク5および水素化剤タンク6が接続され、水素化剤タンク6にはNaBH4およびNaOHが装入されている。
反応コイル8は、ライン21から送られる混合液を加熱するように構成されており、混合液では砒素の水素化が行われる。反応コイル8のアウトプットは気液セパレータ10に接続され、反応コイル8で生じる気液混合流体は気液セパレータ10に送られる。気液セパレータ10では、反応コイル8から送られる反応物のうち、水素化物が、窒素(N2)ボンベから送られる不活性キャリアガスに乗せられ、原子吸光光度計11に送られる。また、水素化物以外の部分は液体であり、廃液タンク12に送られる。
原子吸光光度計11は、気液セパレータ10から送られる水素化物の定量分析を行う。
原子吸光光度計11は、気液セパレータ10から送られる水素化物の定量分析を行う。
(実施例1)
カラム:Wakopak Navi C30−5(6mmφ250mm+150mm)、溶離剤:4mM硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム・20mMクエン酸・pH2.4、流速:1mL/min、注入量:100μLの条件で、砒素濃度50、100、200μg/Lの標準液にそれぞれにおける3価の砒素と5価の砒素とを分離した。
分離後、3.5%塩酸を1mL/minで混合し、続いて1%水素化ホウ素ナトリウム・0.4%水酸化ナトリウム溶液を1mL/minで混合し、砒化水素を発生させた。この気液混合流体を気液セパレータに導き、気相を窒素ガスで原子吸光装置の吸収セルに導き吸光度を測定した。バックグラウンド補正は、偏光ゼーマン法を用いた。
カラム:Wakopak Navi C30−5(6mmφ250mm+150mm)、溶離剤:4mM硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム・20mMクエン酸・pH2.4、流速:1mL/min、注入量:100μLの条件で、砒素濃度50、100、200μg/Lの標準液にそれぞれにおける3価の砒素と5価の砒素とを分離した。
分離後、3.5%塩酸を1mL/minで混合し、続いて1%水素化ホウ素ナトリウム・0.4%水酸化ナトリウム溶液を1mL/minで混合し、砒化水素を発生させた。この気液混合流体を気液セパレータに導き、気相を窒素ガスで原子吸光装置の吸収セルに導き吸光度を測定した。バックグラウンド補正は、偏光ゼーマン法を用いた。
結果を図2に示す。図2において、曲線11は砒素(III)および砒素(V)の濃度がそれぞれ50μg/Lの溶液の原子吸光光度測定で得られるクロマトグラムを示し、曲線12は砒素(III)および砒素(V)の濃度がそれぞれ100μg/Lの溶液のクロマトグラムを示し、曲線13は砒素(III)および砒素(V)の濃度がそれぞれ200μg/Lの溶液のクロマトグラムを示す。
各標準液の砒素濃度が50、100、200μg/Lであることから検量線を作成したところ、直線関係が得られた。結果を図3、図4に示す。図3は、砒素(III)についての検量線を示し、図4は、砒素(V)についての検量線を示す。なお、吸光度は、銅、ニッケルなどの重金属を添加していない溶液における吸光度を1として規格化したものである。
また、バックグランドのノイズからS/N比10としたときの定量下限は5μg/L以下となり(図示せず)、極めて高感度な分析法となった。
各標準液の砒素濃度が50、100、200μg/Lであることから検量線を作成したところ、直線関係が得られた。結果を図3、図4に示す。図3は、砒素(III)についての検量線を示し、図4は、砒素(V)についての検量線を示す。なお、吸光度は、銅、ニッケルなどの重金属を添加していない溶液における吸光度を1として規格化したものである。
また、バックグランドのノイズからS/N比10としたときの定量下限は5μg/L以下となり(図示せず)、極めて高感度な分析法となった。
(実施例2)
銅電解液を1/50000に希釈した液の砒素濃度を測定した。その結果、3価の砒素が12μg/L、5価の砒素が64μg/Lであった。また、この液に各々100μg/Lとなるように3価と5価の砒素を添加し、添加回収率を求めた結果、3価の砒素が96%、5価の砒素が101%であった。
図5は、添加回収率を求める際に得た各液の原子吸光光度測定で得られるクロマトグラムを示す。図5において、曲線21は銅電解液を1/50000希釈液の結果を示し、曲線22は銅電解液を1/50000に希釈し、さらに3価の砒素および5価の砒素を100μg/Lの濃度になるように添加した液の結果を示す。
銅電解液を1/50000に希釈した液の砒素濃度を測定した。その結果、3価の砒素が12μg/L、5価の砒素が64μg/Lであった。また、この液に各々100μg/Lとなるように3価と5価の砒素を添加し、添加回収率を求めた結果、3価の砒素が96%、5価の砒素が101%であった。
図5は、添加回収率を求める際に得た各液の原子吸光光度測定で得られるクロマトグラムを示す。図5において、曲線21は銅電解液を1/50000希釈液の結果を示し、曲線22は銅電解液を1/50000に希釈し、さらに3価の砒素および5価の砒素を100μg/Lの濃度になるように添加した液の結果を示す。
(比較例1)
溶離剤として従来の方法である、5mM 1−ブタンスルホン酸ナトリウム+4mM水酸化テトラメチルアンモニウム+4mMマロン酸+20mM酒石酸アンモニウム+0.1%メタノール(pH2.0)を用い、別の日に採取した電解液を用いた以外は、実施例2と同様に測定を行った。その結果、3価の砒素は検出できず、5価の砒素が122μg/Lであった。また、この液に各々100μg/Lとなるように3価と5価の砒素を添加し、添加回収率を求めた結果、3価の砒素が108%、5価の砒素が92%であった。
溶離剤として従来の方法である、5mM 1−ブタンスルホン酸ナトリウム+4mM水酸化テトラメチルアンモニウム+4mMマロン酸+20mM酒石酸アンモニウム+0.1%メタノール(pH2.0)を用い、別の日に採取した電解液を用いた以外は、実施例2と同様に測定を行った。その結果、3価の砒素は検出できず、5価の砒素が122μg/Lであった。また、この液に各々100μg/Lとなるように3価と5価の砒素を添加し、添加回収率を求めた結果、3価の砒素が108%、5価の砒素が92%であった。
(実施例3)
溶離剤中のクエン酸濃度と硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム濃度を変えた以外は、実施例1と同様にして3価と5価の砒素を分離した。
図6は、クエン酸濃度と3価、5価のそれぞれの砒素の逆相カラム中での保持時間との関係を示すグラフである。また、図7は、硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウムの濃度と3価、5価のそれぞれの砒素の逆相カラム中での保持時間との関係を示すグラフである。
図6、図7によれば、クエン酸濃度は40mM以下、硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウムは2〜10mMの範囲で保持時間の差が2分間以上になり、良好な分離が可能であった。
溶離剤中のクエン酸濃度と硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム濃度を変えた以外は、実施例1と同様にして3価と5価の砒素を分離した。
図6は、クエン酸濃度と3価、5価のそれぞれの砒素の逆相カラム中での保持時間との関係を示すグラフである。また、図7は、硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウムの濃度と3価、5価のそれぞれの砒素の逆相カラム中での保持時間との関係を示すグラフである。
図6、図7によれば、クエン酸濃度は40mM以下、硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウムは2〜10mMの範囲で保持時間の差が2分間以上になり、良好な分離が可能であった。
(実施例4)
溶離剤のpHを変えた以外は、実施例1と同様にして3価と5価の砒素を分離した。
図8、溶離剤のpHと3価、5価のそれぞれの砒素の逆相カラム中での保持時間との関係を示すグラフである。また、図9は、溶離剤のpHと3価、5価のそれぞれの砒素について得られるクロマトグラムのピーク面積比との関係を示すグラフである。
図8によれば、pH2.4〜3.5の範囲で保持時間の差が2分間以上になり、良好な分離が可能であった。
溶離剤のpHを変えた以外は、実施例1と同様にして3価と5価の砒素を分離した。
図8、溶離剤のpHと3価、5価のそれぞれの砒素の逆相カラム中での保持時間との関係を示すグラフである。また、図9は、溶離剤のpHと3価、5価のそれぞれの砒素について得られるクロマトグラムのピーク面積比との関係を示すグラフである。
図8によれば、pH2.4〜3.5の範囲で保持時間の差が2分間以上になり、良好な分離が可能であった。
(実施例5)
気液セパレータで分離した砒化水素をアルゴンガスで原子吸光光度計11に導いた以外は実施例1と同様にして3価と5価の砒素を分離し、測定した。その結果、±1%以内の範囲で測定結果が一致した。
気液セパレータで分離した砒化水素をアルゴンガスで原子吸光光度計11に導いた以外は実施例1と同様にして3価と5価の砒素を分離し、測定した。その結果、±1%以内の範囲で測定結果が一致した。
(実施例6)
試料溶液中の酸濃度の影響を調べた。測定条件は、実施例1と同様であるが、注入量は50μLとした。注入量が50μL以下の場合は、50μLに希釈した濃度として測定した。その結果、硫酸だと0.1M、塩酸だと0.2M程度以下であれば、3価と5価の砒素の保持時間の差が2分間以上になり、良好な分離が可能であった。また、この結果から酸濃度が高い試料の場合は、注入量を減らすことで分離を悪化させずに測定できることが分かった。
試料溶液中の酸濃度の影響を調べた。測定条件は、実施例1と同様であるが、注入量は50μLとした。注入量が50μL以下の場合は、50μLに希釈した濃度として測定した。その結果、硫酸だと0.1M、塩酸だと0.2M程度以下であれば、3価と5価の砒素の保持時間の差が2分間以上になり、良好な分離が可能であった。また、この結果から酸濃度が高い試料の場合は、注入量を減らすことで分離を悪化させずに測定できることが分かった。
(実施例7)
「JISK0102 61.2水素化物発生原子吸光法」の予備還元操作によるAs(V)からAs(III)への還元試料溶液中の酸濃度の影響を調べた。予備還元の条件は、砒素濃度は10mg/L、ヨウ化カリウム濃度は20g/L、塩酸は約1Mであった。測定条件は、実施例1と同様であるが、酸濃度が高いため注入量は10μLとした。
図10は、ヨウ化カリウムで予備還元を行った際の3価、5価の砒素濃度の変化を示すグラフである。また、図11は、予備還元を所定時間行ったときの各反応液の原子吸光光度測定で得られるクロマトグラムを示す。
図10によれば、JIS規格にて特定されている、水素化開始までの待ち時間である30分間では、3価への還元は40%程度であることが分かった。従来の方法では、高濃度のヨウ素、ヨウ化物イオンなどが存在するために測定が難しい液でも、本法を用いれば簡単に測定が可能であることが分かった。
「JISK0102 61.2水素化物発生原子吸光法」の予備還元操作によるAs(V)からAs(III)への還元試料溶液中の酸濃度の影響を調べた。予備還元の条件は、砒素濃度は10mg/L、ヨウ化カリウム濃度は20g/L、塩酸は約1Mであった。測定条件は、実施例1と同様であるが、酸濃度が高いため注入量は10μLとした。
図10は、ヨウ化カリウムで予備還元を行った際の3価、5価の砒素濃度の変化を示すグラフである。また、図11は、予備還元を所定時間行ったときの各反応液の原子吸光光度測定で得られるクロマトグラムを示す。
図10によれば、JIS規格にて特定されている、水素化開始までの待ち時間である30分間では、3価への還元は40%程度であることが分かった。従来の方法では、高濃度のヨウ素、ヨウ化物イオンなどが存在するために測定が難しい液でも、本法を用いれば簡単に測定が可能であることが分かった。
(実施例8)
銅精錬の排水処理工程から、高濃度の銅を含む液を採取した。これに、硫酸第一鉄を鉄として15g/Lとなるように添加し、試料溶液とした。試料液中の銅は2.6g/L、全Asは33mg/Lであった(ICP−OES測定結果)。
この液を本発明によりそのまま測定したところ、As(III)が15mg/L、As(V)が17mg/Lであった。As(III)とAs(V)の合算値はICP−OES法に比較して若干低い値ではあるが、ほぼ同様の値となった。銅による妨害は水素化物発生を大幅に減少させてしまうことが知られているが、この結果から本発明の測定方法は、銅の存在による妨害を殆ど受けずに測定できていることが分かる。
銅精錬の排水処理工程から、高濃度の銅を含む液を採取した。これに、硫酸第一鉄を鉄として15g/Lとなるように添加し、試料溶液とした。試料液中の銅は2.6g/L、全Asは33mg/Lであった(ICP−OES測定結果)。
この液を本発明によりそのまま測定したところ、As(III)が15mg/L、As(V)が17mg/Lであった。As(III)とAs(V)の合算値はICP−OES法に比較して若干低い値ではあるが、ほぼ同様の値となった。銅による妨害は水素化物発生を大幅に減少させてしまうことが知られているが、この結果から本発明の測定方法は、銅の存在による妨害を殆ど受けずに測定できていることが分かる。
(実施例9)
実施例8で用いた試料を20mMクエン酸溶液により1/10に希釈し、本発明の方法で測定した。希釈した液には沈殿の発生などは見られなかった。その結果、As(III)が0.16mg/L、As(V)が0.18mg/Lであった。金属イオンを多量に含む試料をクエン酸溶液で希釈すると、沈殿の発生を防止できるだけでなく、Asの存在形態に影響することなく希釈できることが分かった。
実施例8で用いた試料を20mMクエン酸溶液により1/10に希釈し、本発明の方法で測定した。希釈した液には沈殿の発生などは見られなかった。その結果、As(III)が0.16mg/L、As(V)が0.18mg/Lであった。金属イオンを多量に含む試料をクエン酸溶液で希釈すると、沈殿の発生を防止できるだけでなく、Asの存在形態に影響することなく希釈できることが分かった。
Claims (6)
- 3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液から、それぞれの価数の砒素を分離する方法において、
前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液することを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、
前記炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩が、テトラ−n−プロピルアンモニウム塩またはテトラ−n−ブチルアンモニウム塩であることを特徴とする方法。 - 3価の砒素、および5価の砒素を含む砒素含有溶液中のそれぞれの形態の砒素を定量分析する方法において、
前記砒素含有溶液を、炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩を含む溶離剤を移動相として用いて、逆相カラムに通液する分離工程と、
前記分離工程にて逆相カラムから得られる各形態のフラクションを、定量分析する分析工程とを含むことを特徴とする方法。 - 請求項3記載の方法において、
前記炭素数3以上のアルキル基を有する第4級塩が、テトラ−n−プロピルアンモニウム塩またはテトラ−n−ブチルアンモニウム塩であることを特徴とする方法。 - 請求項3または4記載の方法において、
前記分析工程での定量分析は、原子吸光法、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、ICP質量分析法のいずれかにてなされることを特徴とする方法。 - 請求項5記載の方法において、
前記定量分析では、前記分離工程にて得られる各形態のフラクションのそれぞれの砒素を水素化した後、当該水素化物を定量分析することを特徴とする方法。
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JP2012044172A JP2013181776A (ja) | 2012-02-29 | 2012-02-29 | 砒素の価数別分析方法および価数別分離方法 |
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---|---|---|---|---|
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CN110763776A (zh) * | 2019-10-18 | 2020-02-07 | 桂林理工大学 | 一硫代砷酸盐的lc-hg-afs检测方法 |
CN111707746A (zh) * | 2020-06-16 | 2020-09-25 | 北京宝德仪器有限公司 | 食品中不同砷形态含量的检测方法 |
CN116679033A (zh) * | 2023-06-07 | 2023-09-01 | 生态环境部华南环境科学研究所(生态环境部生态环境应急研究所) | 一种工业污染场地土壤砷环境风险的判定方法及系统 |
-
2012
- 2012-02-29 JP JP2012044172A patent/JP2013181776A/ja active Pending
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