JP2013177940A - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾式摩擦クラッチを通流する空気の流れを強化して、摩耗粉等のダストの排出性能の向上を図る。
【解決手段】乾式摩擦クラッチの内部を径方向外方へ通流する空気の流れK1〜K3によって、摩耗粉等のダストを外部へ排出する。この乾式摩擦クラッチとダンパー3との軸方向間隙に介在するクラッチハウジング11のハウジングカバー13に、吸気ダクト45を設ける。ダンパー3の回転によって圧力が高められたダンパー3外周部の近傍を流れる空気を、吸気ダクト45によって、乾式摩擦クラッチのクラッチハブ22とハブ側摩擦板25との係合部分の近傍へ送り込み、上記空気の流れK1〜K3を強化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、乾式摩擦クラッチが設けられた車両の動力伝達装置に関し、特に、この乾式摩擦クラッチのダスト排出構造に関する。
近年、ハイブリッド車両における内燃機関とモータとの接続と遮断を切り換えるクラッチとして、乾式摩擦クラッチが採用されている。このような乾式摩擦クラッチは、粘性の高い作動油を用いる湿式摩擦クラッチに比して、クラッチ解放時の引きずり抵抗が小さいため、エンジンを切り離すモータ走行時における摩擦損失を軽減することができる。
このような乾式摩擦クラッチでは、グリースの飛沫や摩擦材(フェーシング・ライニング)の摩耗粉等のダストを外部へ排出する必要がある。このようなダスト排出構造として、例えば特許文献1に記載のものでは、乾式摩擦クラッチ自身の回転に伴う遠心ファンの作用によって乾式摩擦クラッチの内周側と外周側との間に生じる圧力差を利用して、乾式摩擦クラッチ内のダストを径方向外方へ案内し、外部へと排出するようになっている。
特開2010−242824号公報
しかしながら、このように乾式摩擦クラッチ自身の回転による遠心作用を利用したダスト排出構造にあっては、クラッチのフェーシング部分の径方向寸法が比較的短い場合や、摩擦材の材質や運転パターン等によっては、ダストを排出するための十分な空気の流れを得ることができず、所期のダスト排出性能が得られないことがあり、更なる改善が望まれていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、乾式摩擦クラッチを通流する空気の流れを強化し、ダスト排出性能を改善することができる新規な車両の動力伝達装置を提供することを目的としている。
そこで本発明では、乾式摩擦クラッチの軸方向に離間して同軸上に配置され、軸周りに回転するダンパーやフライホイール等の回転体を利用して、乾式摩擦クラッチを通流する空気の流れを強化するようにした。具体的には、上記回転体の回転により上記回転体の外周部の近傍を流れる空気を、乾式摩擦クラッチにおけるクラッチハブとハブ側摩擦板との係合部分の近傍へ送るように構成した。
回転体の近傍では、回転体の回転に伴う遠心ファンの作用によって、径方向に圧力差を生じ、内周部に比して外周部の圧力が高くなる。この回転体の外周部の近傍を流れる高い圧力の空気を、乾式摩擦クラッチにおけるクラッチハブとハブ側摩擦板との係合部分の近傍に送り込むことで、乾式摩擦クラッチ内を通流する空気の流れ、特に、乾式摩擦クラッチにおける内周側のクラッチハブとハブ側摩擦板との係合部分から外周側のクラッチドラムとドラム側摩擦板との係合部分へ向かって径方向外方へ流れる空気の流れを強化し、ダストの排出性能を向上することができる。
本発明の一実施例が適用された動力伝達装置の要部を示す図3の領域αに相当する部分の断面図。 ハウジングカバーに取り付けられた吸気ダクト部材及び排気ダクト部材を模式的に示す説明図。 上記実施例が適用されるハイブリッド車両の動力伝達装置を簡略的に示す構成図。
以下、図示実施例により本発明を説明する。図3は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置が適用されるハイブリッド車両のパワートレインを簡略的に示している。この車両は、前輪駆動式の1モータ2クラッチ方式のパラレルハイブリッド車両であり、車両駆動源としてエンジン1とモータジェネレータ2とが併用されている。エンジン1は、周知の火花点火式ガソリンエンジンや圧縮自己着火式ディーゼルエンジンである。モータジェネレータ2は、図外のバッテリからの電力の供給を受けて回転駆動する電動機としての機能と、回転動力を回生してバッテリを充填する発電機としての機能を兼ね備えている。
エンジン1とモータジェネレータ2との間には、エンジン1の振動を吸収する動力伝達緩衝部材としてのダンパー3が設けられるとともに、エンジン1とモータジェネレータ2との動力伝達の接続と遮断を切り換える第1クラッチ4が設けられている。モータジェネレータ2はベルト式無段変速機からなる自動変速機5とディファレンシャルギヤ6を介して一対の駆動輪7に接続されており、モータジェネレータ2と自動変速機5との間には第2クラッチ8が介装されている。なお、第2クラッチ8を自動変速機5とディファレンシャルギヤ6との間に介装しても良く、また、自動変速機5が有段式のものである場合には、自動変速機5内のクラッチが第2クラッチ8を兼用するようにしても良い。
第1クラッチ4は、ダンパー3に接続するクラッチ入力軸4Aとモータジェネレータ2に接続するクラッチ出力軸4Bとの間に介装され、両者の遮断・接続を切り換えるものである。例えば、モータジェネレータ2のみを駆動源とする「電気自動車走行モード」では、第1クラッチ4を開放してエンジン1が切り離される一方、駆動源としてエンジン1とモータジェネレータ2とを併用する「ハイブリッド車走行モード」では、第1クラッチ4を締結してエンジン1とモータジェネレータ2とが接続される。第2クラッチ8は、走行時には締結又は半締結状態とされ、変速レンジがN(ニュートラル)レンジやP(パーキング)レンジの場合には開放される。
図1は、図3の領域αに対応する部分の断面図である。ダンパー3は、クラッチ入力軸4Aと同軸上に配置された略円板状をなし、振動吸収用の複数のダンパースプリング3Aが周方向に沿って設けられ、このダンパースプリング3Aを介してエンジン1の回転動力がクラッチ入力軸4Aへと伝達される。このダンパー3のクラッチ側プレート3Bはクラッチ入力軸4Aと結合されており、このクラッチ入力軸4Aと一体的に軸周りに回転する。
このダンパー3と軸方向に所定間隙を介して隣接する金属製の鋳物部品からなるクラッチハウジング11の内部に、上記のモータジェネレータ2及び第1クラッチ4が収容配置されている。このクラッチハウジング11は、ハウジング本体12と、このハウジング本体12のダンパー3側の開口部に取り付けられて、この開口部を閉塞するハウジングカバー13と、により大略構成されており、車体外に支持されるエンジンブロック10にシール部材14等を介して固定されている。このクラッチハウジング11には、上記のクラッチ入力軸4A及びクラッチ出力軸4Bが軸受15,16を介して回転可能に貫通・支持されている。
モータジェネレータ2は、同期型交流電動機であり、永久磁石17が埋め込まれたロータ18と、このロータ18にエアギャップ19を介して配置されたステータ20と、このステータ20に巻き付けられたステータコイル21と、を有している。ステータ20は、上記のハウジング本体12に固定されている。ロータ18は、後述するクラッチドラム23及びリング部材24を介してクラッチ出力軸4Bと連結されており、このクラッチ出力軸4Bと一体的に軸周りに回転する。このモータジェネレータ2の内周側、具体的にはモータジェネレータ2のロータ18とクラッチ入力軸4Aとの径方向間隙に、上記の第1クラッチ4が収容配置されている。
この第1クラッチ4は、本実施例の要部をなすノーマルオープン型の乾式多板摩擦クラッチであり、以下、乾式クラッチ4と呼ぶ。この乾式クラッチ4は、クラッチ入力軸4Aの外周に固定され、このクラッチ入力軸4Aと一体的に回転するクラッチハブ22と、このクラッチハブ22の外周側に同軸上かつ相対回転可能に設けられ、リング部材24を介してクラッチ出力軸4Bに固定され、このクラッチ出力軸4Bと一体的に回転するクラッチドラム23と、を有している。このクラッチドラム23の外周側に、上述したモータジェネレータ2のロータ18が固定されている。
クラッチハブ22の外周側には、径方向外方へ延在する複数のリング状のハブ側摩擦板25が軸方向に移動可能に取り付けられている。詳しくは、クラッチハブ22の外周には軸方向に延びる複数のスプライン溝22Aが形成されており、このスプライン溝22Aに、各ハブ側摩擦板25の内周に形成された複数のスプライン歯がスプライン係合することによって、各ハブ側摩擦板25がクラッチハブ22に対して軸方向に移動可能かつ周方向の移動が規制された状態で支持されている。
クラッチドラム23の内周側には、径方向内方へ延在する複数のリング状のドラム側摩擦板26が軸方向に移動可能に取り付けられている。詳しくは、クラッチドラム23の内周には軸方向に延びるスプライン溝23Aが形成されており、このスプライン溝23Aにドラム側摩擦板26の外周に形成されたスプライン歯がスプライン係合することによって、各ドラム側摩擦板26がクラッチドラム23に対して軸方向に移動可能かつ周方向の移動が規制された状態で支持されている。
これらのハブ側摩擦板25とドラム側摩擦板26とは軸方向に交互に配置されており、その対向面間にはフェーシング・ライニングとしてのリング状の摩擦材27が介装されている。これらのハブ側摩擦板25とドラム側摩擦板26とを油圧アクチュエータにより軸方向に駆動して互いに開放又は締結させることによって、クラッチ入力軸4Aとクラッチ出力軸4Bとの動力伝達の遮断と接続が切り換えられる。この油圧アクチュエータは、図示せぬ油圧回路から供給される油圧により作動する油圧ピストン28を備えている。この油圧ピストン28へ油圧を供給することにより、油圧ピストン28がリターンスプリング29のバネ力に抗して図1の右方向に作動し、摩擦材27を介してハブ側摩擦板25とドラム側摩擦板26とが圧接して、クラッチ締結状態となる。一方、油圧を抜いたときには、リターンスプリング29のバネ力により油圧ピストン28が図の左方向にスライドして、ハブ側摩擦板25とドラム側摩擦板26とが離間し、クラッチ開放状態となる。
クラッチハウジング11の内部には、乾式クラッチ4が収容されるクラッチ室30と、油圧制御用の作動油が供給される湿室31と、モータジェネレータ2を収容するモータ室32と、が形成されており、これらの室30〜32の間を作動油やダスト等が侵入・移動することのないように、複数のシール部材33〜37が設けられている。特に、クラッチ室30は、2つのオイルシール33,34によって湿室31と仕切られるとともに、シール部材35によってモータ室32と仕切られた密閉空間となっている。
次に、乾式クラッチ4の基本的なダスト排出構造について、図1を参照して説明する。軸周りに回転するダンパー3と乾式クラッチ4との軸方向の間隙40には、クラッチハウジング11の一方の壁部を構成する略円盤状のハウジングカバー13が介在しており、このハウジングカバー13には、一端がクラッチ室30に通じる吸気孔41と排気孔42とが軸方向に貫通形成されている。吸気孔41は、クラッチハブ22のスプライン溝22Aとハブ側摩擦板25との係合部分、つまり摩擦材27よりも内周側の部分の近傍に開口しており、排気孔42は、上記の吸気孔41よりも径方向外方であって、クラッチドラム23のスプライン溝23Aとドラム側摩擦板26の係合部分、つまり摩擦材27の外周側の部分の近傍に開口している。
乾式クラッチ4の回転に伴う遠心ファンの作用により、クラッチ室30内では径方向に圧力差を生じ、つまり吸気孔41が形成された径方向内側の圧力が大気圧に比してやや低い弱負圧となる一方、排気孔42が形成された径方向外側の圧力が大気圧に比してやや高い弱正圧となり、この径方向の圧力差によって、図1の矢印K1〜K3に示すように、空気が吸気孔41を通してクラッチ室30内へ導入され(K1)、乾式クラッチ4内を径方向外方へ向かって流れた後(K2)、排気孔42よりクラッチ室30の外部へと排出される(K3)。詳しくは、吸気孔41を通ってクラッチ室30内へ供給された空気がクラッチハブ22とハブ側摩擦板25とのスプライン係合部分の隙間等を通して軸方向に沿って図1の左側へ流れた後、摩擦材27が介装されるハブ側摩擦板25とドラム側摩擦板26との隙間を径方向に沿って矢印K2に示すように図1の上側に流れ、クラッチドラム23とドラム側摩擦板26とのスプライン係合部分の隙間等を軸方向に沿って図1の右側に流れた後、排気孔42を通して外部へ排出される。このように乾式クラッチ4を空気が通流する際に、この乾式クラッチ4内の摩耗粉等のダストがともに流し出され、この空気の流れに乗って排気孔42から外部へと排出される。
なお、乾式クラッチ4内における空気及びダストの流れを促進するように、上記の特開2010−242824号公報にも記載のように、摩擦材27や摩擦板25,26に径方向に延びるガイド溝を設けても良く、また、摩擦板25,26のスプライン係合部分の近傍に軸方向に貫通するガイド孔を設けるようにしても良い。
しかしながら、乾式クラッチ4の摩擦材27の材質や運転パターン等によっては、クラッチ室30内の空気の流れK1〜K3を十分に得ることができず、所期のダスト排出性能を得られないおそれがある。特に、図1に示すようにモータジェネレータ2の径方向内側の狭いスペースに乾式クラッチ4を配置した構造では、この乾式クラッチ4のフェーシング部分の径方向寸法が必然的に短いものとなるために、径方向の圧力差を十分に確保することが困難であり、空気の流れK1〜K3が弱いものとなり易い。
そこで本実施例では、上述したクラッチ室30内の空気の流れK1〜K3を強化するために、ハウジングカバー13のダンパー3側の側面に、管状の吸気ダクト部材43と排気ダクト部材44とが取り付けられている。これらの吸気ダクト部材43と排気ダクト部材44とは、図1及び図2に示す車載状態で、クラッチ入力軸4Aが貫通するハウジングカバー13の軸中央部の孔13Aよりも鉛直方向で上側の位置で、ボルト等の固定具あるいは接着剤等を用いてハウジングカバー13に固定されている。
吸気ダクト部材43の内部通路は、一端でハウジングカバー13の吸気孔41に連通しており、この吸気孔41とともに空気が通流する一連の管状の吸気ダクト45を構成している。この吸気ダクト45は、吸気孔41の部分でハウジングカバー13を軸方向に貫通しつつ、ハウジングカバー13に沿って径方向に延在しており、その径方向外側の端部である吸気ダクト入口46が、回転体としてのダンパー3の外周部の近傍に開口している。詳しくは、吸気ダクト入口46は、乾式クラッチ4やモータジェネレータ2のステータ20よりも更に径方向外側の、エンジンブロック10の内壁面に近接するダンパー3の最外径部の近傍に配置されている。また、吸気ダクト入口46は、ダンパー3の回転方向βに対して対向するように側方へ開口している。つまり、吸気ダクト45のうち、吸気ダクト入口46の近傍の部分47は、吸気ダクト入口46をダンパー回転方向βの上流側として、周方向に延在している。一方、吸気ダクト45の径方向内側の端部である吸気孔41は、クラッチハブ22とハブ側摩擦板25との係合部分の近傍に開口している。従って、吸気ダクト45の径方向寸法は、乾式クラッチ4のフェーシング部分の径方向寸法よりも遥かに長いものとなっている。
排気ダクト部材44の内部通路は、一端でハウジングカバー13の排気孔42に連通しており、この排気孔42とともに空気が通流する一連の管状の排気ダクト48を構成している。この排気ダクト48は、排気孔42の部分でハウジングカバー13を軸方向に貫通しつつ、このハウジングカバー13に沿って径方向に延在しており、その径方向外側の端部である排気孔42は、上述したように、クラッチドラム23のスプライン溝23Aとドラム側摩擦板26とのスプライン係合部分に近接して配置されている。一方、排気ダクト48の径方向内側の端部である排気ダクト出口49は、少なくとも排気孔42よりも径方向内側に位置しており、ダンパー3の軸中央部の近傍に開口している。また、排気ダクト出口49では、その開口方向がダンパー3の回転方向βに沿うように下方へ向けて開口している。つまり、排気ダクト48のうち、排気ダクト出口49の近傍の部分50は、排気ダクト出口49をダンパー回転方向βの下流側として、周方向に延在している。
図2に示すように、軸周りに回転するダンパー3による遠心ファンの作用によって、上記の乾式クラッチ4と同様に、ダンパー3の近傍では径方向に圧力差が生じており、吸気ダクト45の一端の入口46が開口するダンパー外周部の近傍の圧力が大気圧よりも高くなっている。特に、この実施例ではダンパー3が乾式クラッチ4よりも径方向寸法が遥かに大きい大型の回転体であるために、このダンパー3の外周部の正圧は乾式クラッチ4の外周部の弱正圧よりも遥かに大きい。一方、吸気ダクト45の他端の吸気孔41は、クラッチハブ22とハブ側摩擦板25との係合部分、つまりクラッチ室30内における弱負圧の内周部に連通・開口している。従って、吸気ダクト45の両端に生じる大きな圧力差によって、入口46から吸気孔41へ向かう吸気ダクト45内の空気の流れK4が強化され、その流量・流速が増大する。この結果、吸気ダクト45を介してクラッチ室30内へ送り込まれる空気の流れK1、ひいては乾式クラッチ4内を径方向に通流する空気の流れK2を大幅に強化して、ダスト排出性能を向上することができる。
また、軸周りに回転するダンパー3による遠心ファンの作用によって、排気ダクト48の出口49が開口するダンパー3の軸中央部の近傍は大気圧よりも低い負圧となっている。一方、排気ダクト48の一端である排気孔42は、クラッチドラム23とドラム側摩擦板26との係合部分、つまりクラッチ室30内における弱正圧の外周部分に連通・開口している。従って、排気ダクト48の両端に生じる大きな圧力差によって、排気孔42から出口49へ向かう排気ダクト48内の空気の流れK5が強化されて、その流量及び流速が増大する。この結果、クラッチ室30から排気孔42を通して排出される空気の流れK3、ひいては乾式クラッチ4内を径方向に通流する空気の流れK2を強化して、ダスト排出性能を更に向上することができる。
更に、上述したように吸気ダクト入口46がダンパ回転方向βに対向するように開口しており、つまり、吸気ダクト45の入口近傍の部分47が、入口46をダンパ回転方向βの上流側として周方向に延びる通路形状をなしている。このため、ダンパー3の回転に伴って回転方向βに旋回する空気が入口46から吸気ダクト45の内部へスムーズに押し込まる形となり、吸気ダクト45へ流れ込む空気の流れK4を更に強化することができる。
また、排気ダクト出口49がダンパ回転方向βに沿うように開口しており、つまり排気ダクト48の出口近傍の部分50が、出口49をダンパ回転方向βの下流側として周方向に延びる通路形状をなしている。このために、ダンパー3の回転に伴って回転方向βに旋回する空気の流れによって排気ダクト48から出口49を介して空気がスムーズに吸い出される形となり、排気ダクト48から排出される空気の流れK5を更に強化することができる。
加えて、車載状態で吸気ダクト45及び排気ダクト48がクラッチ入力軸4Aやクラッチ出力軸4Bよりも鉛直上方に配置されているために、仮に車両が浸水しても高い水位となるまで吸気ダクト45及び排気ダクト48が浸水することがなく、これらの吸気ダクト45や排気ダクト48を経由してクラッチハウジング11のクラッチ室30内へ雨水等が侵入することを抑制することができる。
また、吸気ダクト入口46が側方へ向けて開口するとともに、排気ダクト出口49が下方へ向けて開口しており、つまり、これらの吸気ダクト入口46や排気ダクト出口49が上方へ向けて開口していないために、吸気ダクト45や排気ダクト48への雨水等の侵入をより確実に抑制することができる。
しかも、本実施例では、動力伝達緩衝機能を有するダンパー3を回転体として利用し、かつ、乾式クラッチ4やモータジェネレータ2を収容するクラッチハウジング11を利用して吸気ダクト45や排気ダクト48を設けているために、新たな部品の追加を抑制し、簡素な構成で空気流れを強化することができる。
特に上記実施例においては、クラッチハウジング11のハウジングカバー13とは別部品である吸気ダクト部材43や排気ダクト部材44を用いて吸気ダクト45や排気ダクト48を形成しているために、金属材料により鋳造されるハウジングカバー13の形状を変更することなく、ハウジングカバー13に対して容易に吸気ダクト45や排気ダクト48を設けることができる。また、これらの吸気ダクト部材43や排気ダクト部材44は、特に高い強度や剛性が要求されるものではないために、例えば合成樹脂材料により型形成することで、複雑な管形状であっても容易に形成することが可能であり、かつ、軽量化や低コスト化を図ることができる。
但し、ハウジングカバーに管状の吸気ダクトや排気ダクトを一体的に形成するようにしても良い。この場合、ハウジングカバーの形状が複雑化するものの、部品点数や組立工数が削減されるといったメリットがある。
また、上記実施例では、前輪駆動型のハイブリッド車両の動力伝達装置に適用しているが、これに限らず、動力伝達経路に乾式摩擦クラッチが設けられる様々な車両、例えば後輪駆動型のハイブリッド車両,エンジンを具備しない電気自動車,及びエンジンのみを駆動源とする車両等にも本発明を適用することができる。
更に、上記実施例では、乾式摩擦クラッチと軸方向に離間して同軸上に配置される回転体として、ダンパー3が用いられているが、これに限らず、軸周りに回転するフライホイール等の他の回転体であっても良い。
また、乾式摩擦クラッチとしては、上記実施例のような多板式のものに限らず、単板式のものであっても良い。
3…ダンパー(回転体)
4…第1クラッチ(乾式摩擦クラッチ)
4A…クラッチ入力軸
4B…クラッチ出力軸
11…クラッチハウジング
13…ハウジングカバー
22…クラッチハブ
23…クラッチドラム
25…ハブ側摩擦板
26…ドラム側摩擦板
27…摩擦材
28…油圧ピストン(アクチュエータ)
30…クラッチ室
41…吸気孔
42…排気孔
43…吸気ダクト部材
44…排気ダクト部材
45…吸気ダクト(気流案内手段)
46…吸気ダクト入口
48…排気ダクト(気流案内手段)
49…排気ダクト出口
K1〜K5…空気流れ

Claims (6)

  1. クラッチ入力軸とクラッチ出力軸との間に介装され、両者の動力伝達の遮断と接続を切り換える乾式摩擦クラッチを備え、
    この乾式摩擦クラッチは、
    上記クラッチ入力軸と上記クラッチ出力軸の一方とともに回転するクラッチハブと、
    このクラッチハブの外周側に相対回転可能に設けられ、上記クラッチ入力軸と上記クラッチ出力軸の他方とともに回転するクラッチドラムと、
    上記クラッチハブから径方向外方へ延在し、このクラッチハブに対して軸方向に移動可能に係合するハブ側摩擦板と、
    上記クラッチドラムから径方向内方へ延在し、このクラッチドラムに対して軸方向に移動可能に係合し、かつ、上記ハブ側摩擦板に対して軸方向に接離可能に対向配置されたドラム側摩擦板と、
    上記ハブ側摩擦板と上記クラッチ側摩擦板とを軸方向に駆動して互いに開放又は締結させることによって、上記動力伝達の遮断と接続を切り換えるアクチュエータと、を有し、
    かつ、上記乾式摩擦クラッチと軸方向に離間して同軸上に配置され、軸周りに回転する回転体と、
    上記回転体の回転により上記回転体の外周部の近傍を流れる空気を、上記クラッチハブと上記ハブ側摩擦板との係合部分の近傍へ送る気流案内手段と、を有することを特徴とする車両の動力伝達装置。
  2. 上記乾式摩擦クラッチを囲うように車体側に支持され、上記クラッチ入力軸及び上記クラッチ出力軸が回転可能に挿通するクラッチハウジングを有し、
    上記気流案内手段が、管状の吸気ダクトを有し、
    この吸気ダクトは、上記乾式摩擦クラッチと上記回転体との軸方向間隙に配置された上記クラッチハウジングの壁部を軸方向に貫通しつつ、このクラッチハウジングの壁部に沿って径方向に延在しており、
    この吸気ダクトの径方向外側の一端が、上記回転体の外周部の近傍に開口とともに、上記吸気ダクトの径方向内側の他端が、上記クラッチハブと上記ハブ側摩擦板との係合部分の近傍に開口していることを特徴とする請求項1に記載の車両の動力伝達装置。
  3. 上記吸気ダクトが、上記クラッチ入力軸及び上記クラッチ出力軸よりも鉛直方向で上側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両の動力伝達装置。
  4. 上記吸気ダクトの一端は、上記回転体の回転方向と対向するように開口していることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の動力伝達装置。
  5. 上記気流案内手段が、管状の排気ダクトを有し、
    この排気ダクトは、上記乾式摩擦クラッチと上記回転体との軸方向間隙に配置された上記クラッチハウジングの壁部を軸方向に貫通しつつ、このクラッチハウジングの壁部に沿って径方向に延在しており、この排気ダクトの径方向外側の一端が、上記クラッチドラムと上記ドラム側摩擦板との係合部分の近傍に開口するとともに、この排気ダクトの径方向内側の他端が、上記回転体の軸中央部の近傍に開口していることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の車両の動力伝達装置。
  6. 上記排気ダクトの他端の開口方向を、上記回転体の回転方向と同方向に設定したことを特徴とする請求項5に記載の車両の動力伝達装置。
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