JP2013158098A - 発電システム及びその制御方法並びに制御プログラム - Google Patents

発電システム及びその制御方法並びに制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】停電時であっても出力制限なく自立運転すること。
【解決手段】太陽光発電装置6で発電された直流電力を交流電力に変換して電力系統40側に出力するパワーコンディショナ2と、太陽光発電装置6で発電された直流電力を蓄電する蓄電池3と、パワーコンディショナ2から出力された無効電力を吸収するように制御される無効電力吸収部12と、電力系統40の電圧が第1閾値より小さくなる低電圧事象が発生した場合に電力系統40側と切り離させ、低電圧事象が発生していない場合に電力系統40側と接続させる第1切替部41とを備え、第1切替部41が切り離される場合に第1接続点Xにおいて、インバータを介して蓄電池3とパワーコンディショナ2とを接続させ、第2接続点Yにおいて、無効電力吸収部12とパワーコンディショナ2とを接続させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電システム及びその制御方法並びに制御プログラムに関するものである。
太陽光発電システムや風力発電システム等の発電システムでは、一般的に、系統連系運転方式と自立運転方式との2つの運転方式がある。系統連系運転方式は、発電装置により発電した直流電力を交流電力に変換し、電力会社等の電力系統に接続し、負荷系統に供給する電力に余剰が生じた場合に、電力会社等の電力系統へ電力を供給する運転方式である。自立運転方式は、蓄電装置が蓄電している直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する運転方式であり、パワーコンディショナに連結される負荷設備に対して安定した電力供給を行う運転方式である。
停電時など電力系統が使用できない場合には、パワーコンディショナを自立運転させることで負荷に電力を供給する場合がある。
また、パワーコンディショナは、電力系統及び負荷設備に対して直流を交流に変換するとともに電力供給を安定して行うための装置であり、直流の発電装置と電力系統との間に設置され、一般的に、発電装置から出力された直流電力を昇圧する昇圧回路、昇圧回路で昇圧された直流電力を電力系統側の交流電力に変換するインバータ、インバータで変換された交流電力にフィルタ処理を施すフィルタ回路等から構成される。
下記特許文献1では、電力系統が使用できない場合にはパワーコンディショナを自立運転させ、停電時の電源には太陽電池や自家発電機や蓄電池を用い、負荷に電力を供給する技術が提案されている。
特開2010−178611号公報
しかしながら、従来の方法では、停電時などの自立運転におけるパワーコンディショナの最大出力値は、系統連系運転の場合のパワーコンディショナの出力容量に対して低い値に制限されている場合がある。このため、自立運転時には、太陽光発電システムなどの発電装置がパワーコンディショナの最大出力容量値相当の大きさの電力を出力していてもパワーコンディショナで最大出力容量より低い値に出力制限され、せっかく発電装置で発電された電力が有効利用できないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、停電時であっても出力制限なく自立運転できる発電システム及びその制御方法並びに制御プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、電力系統と連系して負荷設備へ電力供給する発電システムであって、前記電力系統に連系される発電装置と、前記発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換し、変換後の該交流電力を前記電力系統側に出力するパワーコンディショナと、前記発電装置と接続され、前記発電装置で発電された直流電力を蓄電する蓄電手段と、前記パワーコンディショナから出力された無効電力を吸収するように制御される無効電力吸収手段と、前記無効電力吸収手段を制御する第1制御手段と、前記電力系統の電圧が第1閾値より小さくなる低電圧事象が発生したと判定された場合に、前記電力系統側と切り離し、前記低電圧事象が発生していないと判定された場合には、前記電力系統側と接続させる第1切替手段と、前記第1切替手段が切り離される場合に、前記電力系統と前記パワーコンディショナとの間の第1接続点において、インバータを介して前記蓄電手段と前記パワーコンディショナとを接続させ、前記第1接続点と前記パワーコンディショナとの間の第2接続点において、前記無効電力吸収手段と前記パワーコンディショナとを接続させる第2制御手段とを具備する発電システムを提供する。
このような構成によれば、電力系統側に低電圧事象が発生しておらず電圧が正常な時は、発電される直流電力が、パワーコンディショナによって交流電力に変換されて電力系統側に出力され、また発電装置と接続された蓄電手段によって蓄電される。発電された電力または蓄電された電力は、発電システムに連系している負荷設備で利用することもできる。電力系統の電圧が第1閾値より小さくなる低電圧事象が発生したと判定される場合には、電力系統側と第1切替手段によって切り離され、電力系統とパワーコンディショナとの間の第1接続点でインバータを介して蓄電手段とパワーコンディショナの出力とが接続される。第1接続点とパワーコンディショナとの間の第2接続点において、無効電力吸収手段と、パワーコンディショナの出力とが接続され、パワーコンディショナから出力される無効電力が吸収されるように制御される。
このようなシステムにおいて、停電等の低電圧事象が発生した場合には、電力系統側から切り離しされるに際して、パワーコンディショナは、系統連系保護機能と、能動的方式の無効電力変動方式を利用した単独運転を防止する機能のいずれかが発生した場合に、パワーコンディショナの保護機能が作動しパワーコンディショナの運転が停止する。
本発明は、電力系統側から切り離しされるので、蓄電手段で蓄電された電力が電力系統へと逆潮流されず、発電装置で発電された直流電力は、パワーコンディショナ側に供給される。これにより、パワーコンディショナはパワーコンディショナの出力電力の電圧、周波数が所定範囲内の値で検出されるので、パワーコンディショナの系統連系保護機能は働かず、パワーコンディショナの運転が停止されることがない。
また、蓄電手段から供給される電力が、電力系統側から供給される場合の電力と比較して小さい場合であっても、パワーコンディショナの電力系統側には、パワーコンディショナが与える無効電力を吸収するように第1制御手段で制御される無効電力吸収手段が接続されているので、能動的方式の無効電力変動方式を利用した単独運転を防止する機能は働かず、パワーコンディショナの運転が停止されることがない。
これにより、自立運転をする場合の出力が最大出力容量よりも低い容量に制限されるような制御機能を保有するパワーコンディショナを利用している場合であっても、停電時には、パワーコンディショナの出力電力は系統電力側の電力が蓄電手段から供給される電力に置き換えられるので、パワーコンディショナは系統連系している場合のように運転され、パワーコンディショナの出力が制限されずに自立運転でき、発電装置で発電された電力を蓄電手段または発電システムに連系した負荷設備に有効利用することができる。
また、発電装置と蓄電手段とを併用するので、発電装置の出力変動がある場合であっても、蓄電手段から負荷設備側に対しても電力供給されることにより、出力変動分を吸収して負荷に電力供給することとなり、負荷設備への電力供給を略一定に保つことができる。
さらに、発電装置で発電された直流電力が直接蓄電手段に蓄電されるので、蓄電手段の過放電を防ぐ。
上記発電システムの前記無効電力吸収手段は、前記パワーコンディショナから出力される無効電力と、前記パワーコンディショナが出力する無効電力を所定間隔で周期的に変動させる信号である無効電力変動信号とに基づいて決定される制御量を用いて、前記パワーコンディショナから出力された無効電力を吸収するように制御されることとしてもよい。
これにより、パワーコンディショナから出力された無効電力を確実に吸収することができる。
上記発電システムにおいて、前記第1接続点と前記インバータとの間に設けられ、前記低電圧事象が発生したと判定された場合に接続され、前記低電圧事象が発生していないと判定された場合には切り離しされる第2切替手段と、前記第2接続点と前記無効電力吸収手段との間に設けられ、前記低電圧事象が発生したと判定された場合に接続され、前記低電圧事象が発生していないと判定された場合には切り離しされる第3切替手段とを具備し、前記第2制御手段は、前記低電圧事象が発生したか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記第1切替手段、前記第2切替手段、及び前記第3切替手段の接続と切り離しを制御することとしてもよい。
このように、パワーコンディショナと蓄電手段との接続と切り離しを第2切替手段によって、及びパワーコンディショナと無効電力吸収手段との接続と切り離しを第3切替手段によって、第2制御手段の制御にて簡便に切り替えられる。
上記発電システムの前記第1制御手段は、前記パワーコンディショナから出力される電圧と電流の位相差を測定し、該位相差と前記無効電力変動信号とに基づいて、吸収する無効電力量を決定する調整量決定手段と、コイル及びコンデンサを備え、前記調整量決定手段において決定された前記無効電力量の無効電力を吸収する前記無効電力吸収手段とを具備することとしてもよい。
コイル及びコンデンサによって、吸収する無効電力量を簡便に調整できる。
上記発電システムにおいて、前記発電装置と前記蓄電手段との間に設けられ、前記発電装置と前記蓄電手段とを接続または切り離しする第4切替手段を具備し、前記蓄電手段の蓄電量が第2閾値以上となった場合には、前記第4切替手段を切り離す第3制御手段を具備することとしてもよい。
蓄電手段の蓄電量が第2閾値以上になった場合には、第4切替手段を切り離すことにより、蓄電手段の過充電を防ぐ。
上記発電システムの前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、前記発電装置及び前記蓄電手段から供給される直流電力のうち、少なくともどちらか一方から直流電力を取得することとしてもよい。
第1制御手段及び第2制御手段の電力を電力系統側から取得する場合には、停電時などの低電力事象が発生した場合には電力供給されなくなる虞があるが、発電装置或いは蓄電手段側から供給される直流電力を取得することにより、安定した電力供給がなされ、自立運転をする場合の第1切替手段から第3切替手段の切り替え制御の安全性を向上させることができる。
上記発電システムの前記蓄電手段から、前記パワーコンディショナに放出される電力は、前記パワーコンディショナの出力最大電力容量の1割以下とすることとしてもよい。
これにより、小さい容量の蓄電手段と簡素なインバータとによる安価なシステムによって発電システムを構築することができる。
本発明は、電力系統と連系して負荷設備へ電力供給する発電システムの制御方法であって、電力系統の電圧が第1閾値より小さくなる低電圧事象が発生したと判定された場合に、前記電力系統側と第1切替手段によって切り離し、前記低電圧事象が発生していないと判定された場合には、前記電力系統側と前記第1切替手段によって接続させる過程と、前記第1切替手段が切り離される場合に、前記電力系統に連系される発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換し、変換後の該交流電力を前記電力系統側に出力する前記パワーコンディショナと、前記電力系統との間の第1接続点において、インバータを介して、前記発電装置と接続され前記発電装置で発電された直流電力を蓄電する蓄電手段と前記パワーコンディショナとを接続させる過程と、前記第1接続点と前記パワーコンディショナとの間の第2接続点において、第1制御手段の制御によりパワーコンディショナから出力された無効電力を吸収させる前記無効電力吸収手段と前記パワーコンディショナとを接続させる過程とを有する発電システムの制御方法を提供する。
本発明は、電力系統と連系して負荷設備へ電力供給する発電システムの制御プログラムであって、電力系統の電圧が第1閾値より小さくなる低電圧事象が発生したと判定された場合に、前記電力系統側と第1切替手段によって切り離し、前記低電圧事象が発生していないと判定された場合には、前記電力系統側と前記第1切替手段によって接続させる処理と、前記第1切替手段が切り離される場合に、前記電力系統に連系される発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換し、変換後の該交流電力を前記電力系統側に出力する前記パワーコンディショナと、前記電力系統との間の第1接続点において、インバータを介して、前記発電装置と接続され前記発電装置で発電された直流電力を蓄電する蓄電手段と前記パワーコンディショナとを接続させる処理と、前記第1接続点と前記パワーコンディショナとの間の第2接続点において、第1制御手段の制御によりパワーコンディショナから出力された無効電力を吸収させる前記無効電力吸収手段と前記パワーコンディショナとを接続させる処理とをコンピュータに実行させるための発電システムの制御プログラムを提供する。
本発明は、停電時であってもパワーコンディショナによる出力制限なく自立運転できるので、発電された電力を有効利用できるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る発電システムの系統連系時の概略構成を示した図である。 本発明の第1の実施形態に係る発電システムの停電時の概略構成を示した図である。
〔第1の実施形態〕
以下に、本発明に係る発電システム及びその制御方法並びに制御プログラムの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る発電システム1の概略構成を示した図である。図1に示されるように、発電システム1は、パワーコンディショナ(以下「PCS」という)2、蓄電池(蓄電手段)3、負荷設備4、インバータ5、太陽光発電装置(発電装置)6、接続箱7、無効電力計測部8、電圧計測部9a,9b、第1制御部(第1制御手段)10、第2制御部(第2制御手段)20、第3制御部(第3制御手段)30、第1切替部(第1切替手段)41、第2切替部(第2切替手段)42、第3切替部(第3切替手段)43、第4切替部(第4切替手段)44、及び第5切替部45を備えている。また、発電システム1は、電力系統40と接続(連系)している。
本実施形態においては、発電装置は、直流で出力されるものであり、太陽光発電装置である場合を例に挙げて説明するが、これに限定されず、例えば、風力発電装置、燃料電池装置、熱電発電装置等の系統連系用パワーコンディショナを用いた発電装置であればよい。また、発電装置の規模も特に限定されない。
太陽光発電装置6は、屋根の上などの太陽光が照射される位置に備えられ、太陽光によって発電し、自然エネルギーを利用して発電された発電電力をケーブル等を介して、出力する。
接続箱7は、太陽光発電装置6と、PCS2及び蓄電池3が接続される。太陽光発電装置6で発電された直流電力は、接続箱7を介してPCS2側に出力されるとともに、蓄電池3側に出力される。
蓄電池3は、太陽光発電装置6と接続されると太陽光発電装置6で発電された直流電力を蓄電する。また、蓄電池3は、インバータ5を介してPCS2の出力側と接続されると上流側(負荷設備4または電力系統40へと出力する方向)に放電する。なお、蓄電池3としては、鉛蓄電池、ニッケル−MH蓄電池、リチウム蓄電池などが利用できるが、特に蓄電池の種類を限定するものではない。
電圧計測部9aは、蓄電池3の上流側に設けられ、蓄電池の充電された容量を示す電圧状態を計測し、計測結果を第3制御部30に出力する。
電圧計測部9bは、電力系統40の電力を計測し、計測結果を第2制御部20に出力する。
インバータ5は、蓄電池3に蓄電された直流電力を交流電力に変換して上流側に出力する。具体的には、第2切替部42が接続状態とされた場合に、インバータ5は、蓄電池3に蓄電された直流電力を交流電力に変換して、PCS2と電力系統40との間に設けられる第1接続点X側に変換後の交流電力を出力する。また、インバータ5は双方向インバータを用いることにすることで蓄電池3の充電容量が少ない場合に、電力系統40の交流電力を直流に変換して蓄電池3の充電を行っても良い。ただし双方向インバータを用いる場合はコストアップ要因になるので、発電システム1の容量、とくに太陽光発電装置6の発電量に対して蓄電池3の容量の割合が大きなものに、特に効果的である。
PCS2は、図示しない昇圧装置、インバータ、ノイズフィルタ等を備えており、太陽光発電装置6によって発電された直流電力を交流電力に変換し、変換後の交流電力を電力系統40側に出力する。つまり、PCS2は、直流電力を交流電力に変換する片方向変換(単一方向変換)のパワーコンディショナである。
無効電力計測部8は、PCS2から電力系統40側に出力される無効電力を計測し、計測結果を第1制御部10に出力する。
第1制御部10は、無効電力吸収部12を制御する。具体的には、第1制御部10は、調整量決定部(調整量決定手段)11、及び無効電力吸収部(無効電力吸収手段)12を備えている。
調整量決定部11は、PCS2から出力される無効電力の値、及びPCS2が出力する無効電力を所定間隔で周期的に変動させる信号である無効電力変動信号を取得し、PCS2から出力される電圧と電流の位相差を測定し、該位相差と無効電力変動信号とに基づいて、第2接続点Yを介して吸収する無効電力量を決定する。
無効電力吸収部12は、PCS2から出力される無効電力を吸収するように制御される。また、無効電力吸収部12は、PCS2から出力される無効電力と、PCS2が出力する無効電力を所定間隔で周期的に変動させる信号である無効電力変動信号とに基づいて決定される制御量を用いて、PCS2から出力された無効電力を吸収するように第1制御部10により制御される。
無効電力吸収部12は、図示しないコイル及びコンデンサ備えて構成されており、調整量決定部11によって決定された無効電力量の無効電力を吸収し、位相差をなくす。
第2制御部20は、低電圧事象が発生したか否かを判定し、判定結果に基づいて、第1切替部41、第2切替部42、及び第3切替部43の接続と切り離しを制御する。具体的には、第2制御部20は、電力系統40の電圧が第1閾値より小さくなる低電圧事象が発生したと判定した場合に、電力系統40側と第1切替部41で切り離し、低電圧事象が発生していないと判定した場合に、電力系統40側と第1切替部41で接続する。
また第2制御部20は、第1切替手段を切り離す場合に、電力系統40とPCS2との間の第1接続点Xにおいて、インバータ5を介して蓄電池3とPCS2とを接続させ、第1接続点XとPCS2との間の第2接続点Yにおいて、無効電力吸収部12とPCS2とを接続させる。換言すると、第2制御部20は、低電圧事象が発生したと判定した場合に、第1接続点Xとインバータ5との間に設けられる第2切替部42を接続させ、低電圧事象が発生していないと判定した場合には第2切替部42を切り離す。また、第2制御部20は、低電圧事象が発生したと判定した場合に、第2接続点Yと無効電力吸収部12との間に設けられる第3切替部43を接続させ、低電圧事象が発生していないと判定した場合に第3切替部43を切り離す。
より具体的には、第2制御部20は、判定部21と切替制御部22を備えている。また、第1制御部10と第2制御部20の電源は、通常は電力系統40側から取得し、電力系統40が停電した場合には独立に電源を保有するバックアップ電源(UPS)を保有してもよい。
判定部21は、電圧計測部9bから電力系統40の電圧の情報を取得し、第1閾値より小さいか否かを判定し、第1閾値より小さい場合に電圧系統40側で低電圧事象が発生したと判定して、低電圧事象が発生したことを切替制御部22に通知する。例えば、PCS2の交流不足電圧を検出する電圧設定の下限値が80V、動作時限の上限値を2秒とする場合には、第2制御部20は、第1閾値を70Vと設定し、第1閾値より小さい状態が3秒以上継続した場合に停電が発生したと判定する。
切替制御部22は、低電圧事象の発生が通知されると、図2に示されるように、第1切替部41を切り離し状態とする制御をし、さらに第2切替部42及び第2切替部43を接続状態に切り替える制御をする。
また、PCS2の保護機能が作動しPCS2の運転が停止する場合には、第2制御部20は、第5切替部45を切り離し状態にする。
第3制御部30は、蓄電池3の蓄電量(充電状態)に応じて、第4切替部44の接続と切り離しを切り替え、太陽光発電装置6からの直流電力の充電を制御する。具体的には、第3制御部30は、蓄電池3の蓄電量が、第2閾値以上である場合に、第4切替部44を切り離し状態にし、蓄電池3の蓄電量が、第2閾値より小さい場合には、第4切替部44を接続状態にする。このように、蓄電池3の蓄電量に応じて充電の停止と開始を切り替え、過充電を防ぐことができる。
蓄電池3の蓄電量(充電状態)は、蓄電池3の出力側にある電圧測定部9aにより換算することができる。またこの場合は第2閾値も電圧値により設定される。
負荷設備4は、PCS2と第1切替部41との間に接続される。また、負荷設備4は、第1切替部41、第2切替部42、第3切替部43、第4切替部44、及び第5切替部45の接続状態に基づいて、電力系統40、太陽光発電装置6及び蓄電池3のうち、少なくともいずれか1つから電力が供給される。例えば、電力系統40に異常がなく、第1切替部41は接続状態とされ、第2切替部42及び第3切替部43は切り離し状態(非接続状態)とされる場合には、負荷設備4は、電力系統40及び太陽光発電装置6のうち少なくともどちらか一方から電力が供給される。また、電力系統40において低電圧事象が発生し、第1切替部41が切り離し状態とされ、第2切替部42及び第3切替部43は接続状態とされる場合には、負荷設備4は、蓄電池3及び太陽光発電装置6のうち少なくともどちらか一方から電力が供給される。
以下に、本実施形態に係る発電システム1の制御方法について説明する。
電力系統40の電圧値を計測しており、電力系統40の電圧値が第1閾値以上である場合には、電力系統40は正常と判断される。この場合、図1に示されるように、制御部20によって第1切替部41は接続状態とされ、第2切替部42及び第3切替部43は切り離し状態とされ、発電システム1は連系運転している。負荷設備4には、電力系統40及び太陽光発電装置6の少なくともいずれか1つから電力が供給されている。また、第4切替部44が接続状態になっている場合には、太陽光発電装置6で発電された電力は、第4切替部44によって接続される経路を通じて蓄電池3に蓄電される。電圧計測部9aによって蓄電池3の充電状態を電圧状態で監視され、第2閾値以上の電圧値となった場合には、第3制御部によって第4切替部44が切り離され、蓄電池3の過充電が防止されるようになっている。
電力系統40の電圧値が第1閾値より小さくなった(例えば、停電した)場合には、図2に示されるように、第2制御部20において電力系統40側に低電圧事象が発生したと判定され、第1切替部41は切り離され、第2切替部42及び第3切替部43は接続状態とされる。第2切替部42が切り離し状態から接続状態にされると、インバータ5を介して蓄電池3がPCS2と接続され、蓄電池3から放電され、蓄電池3から供給される電力は、第1接続点X側に供給される。
PCS2は、電力系統40側の経路から蓄電池3から供給される電力が検出されるので、電力系統40が連系状態と同等であると認識し、系統連系保護機能が働かず、PCS2の運転は継続される。
また、第1制御部10は、第3切替部43が接続状態にされることによりPCS2の出力側と接続されるので、PCS2から出力される無効電力の値を無効電力測定器8で測定し、無効電力変動信号とに基づいて、PCS2の出力側から吸収する無効電力量を決定し、決定された無効電力量の無効電力を吸収するように無効電力吸収部12を制御する。
さらに具体的には、第1制御部10は、PCS2に周期的な無効電力変動を与えた際のPCS2から出力される電圧と電流の位相差を無効電力測定器8で測定することで、無効電力変動信号を調整量決定部11に送信し、吸収する無効電力量を決定する。調整量決定部11において決定された無効電力量の無効電力は、無効電力吸収部12のコイル及びコンデンサによって簡便に調整しながら吸収できる。
このため、PCS2は、能動的方式の無効電力変動方式を利用した単独運転を防止する機能は働かず、PCS2の運転を継続する。
このように、停電が発生し、発電システム1を電力系統40から切り離した場合であっても、PCS2は蓄電池3と接続されるため電力が供給され、PCS2における周波数、電圧値等が所定範囲内に保たれるので、PCS2は系統連系しているものと同等とみなして、系統連系保護機能が働かない。
また、PCS2の無効電力を吸収するように無効電力吸収部12を制御するので、能動的方式の無効電力変動方式を利用した単独運転を防止する機能は働かない。
このため、電力系統側から切り離されるに際して、PCS2は、系統連系保護機能と、能動的方式の無効電力変動方式を利用した単独運転を防止する機能のいずれも発生しないので、PCS2の保護機能は作動することなく運転が継続される。
これにより、太陽光発電装置6から発電される電力は、停電が発生している場合であってもPCS2は系統連系している場合のように運転され、PCS2の出力が制限されることなく自立運転ができ、太陽光発電装置6で発電された電力を蓄電池3、または負荷設備4側に出力され有効利用することができる。また、このように蓄電池3を設けることにより、太陽光発電装置6から供給される電力に不足がある場合には、蓄電池3から電力を供給して補うことができるので、太陽光発電装置6の出力変動を吸収して、負荷設備4に供給する電力を一定に保つことができる。
上述した実施形態に係る発電システム1においては、上記処理の全て或いは一部を別途ソフトウェアを用いて処理する構成としてもよい。この場合、第1制御部10、第2制御部20、及び第3制御部30のうち少なくとも1つは、CPU、RAM等の主記憶装置、及び上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、CPUが上記記憶媒体に記録されているプログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述の第1制御部10,第2制御部20,第3制御部30のそれぞれと同様の処理を実現させる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
以上説明してきたように、本実施形態に係る発電システム1及びその制御方法並びにプログラムによれば、停電等の低電圧事象が発生した場合には、電力系統40側から切り離しされるので、蓄電池3で蓄電された電力が電力系統40へ逆潮流されず、PCS2側に供給される。PCS2の出力側には電力系統40側からの電力が検出されるので、PCS2の系統連系保護機能は働かず、PCS2の運転が停止することがない。また、蓄電池3から供給される電力が、電力系統40側から供給される場合の電力と比較して小さい場合であっても、PCS2の電力系統40側には、PCS2が与える無効電力を吸収するように制御される第1制御部10により制御される無効電力吸収部12が接続されているので、能動的方式の無効電力変動方式を利用した単独運転を防止する機能は働かず、PCS2の運転が停止されることがない。
これにより、自立運転をする場合の出力が最大出力容量よりも低い容量に制限されるPCS2を利用している場合であっても、停電時には、PSC2の出力の系統電力40側の電力が蓄電池3から供給される電力に置き換えられるので、PCS2は系統連系している場合と同等のように運転され、PCS2の出力が制限されずに自立運転でき、太陽光発電装置6で発電された電力を有効利用することができる。
また、太陽光発電装置6と蓄電池3とを併用するので、太陽光発電装置6の出力変動がある場合であっても、蓄電池3から負荷設備4側に対しても電力供給されることにより、出力変動分を吸収して負荷に電力供給することとなり、負荷設備への電力供給を略一定に保つことができる。さらに、太陽光発電装置6で発電された直流電力が直接、蓄電池3に蓄電されるので、蓄電池3の過放電を防ぐことができる。
〔変形例1〕
なお、上記第1の実施形態においては、第1制御部10と第2制御部20の電源は、電力系統40側から取得することとして説明していたが、これに限定されない。例えば、太陽光発電装置6の直流電力を用いても良いし、蓄電池3の直流電力を用いても良いし、太陽光発電装置6及び蓄電池3の直流電力を両方合わせて用いてもよい。このように、直流電源を使用することにより、停電時用に容量の大きなバックアップ電源(UPS)を別途保有しなくても、自立運転時における、第1切替部41、第2切替部42、及び第3切替部43の安全性を向上させることができる。
〔変形例2〕
また、上記第1の実施形態においては、電力系統40に停電が発生している場合に、PCS2が電力系統40側の経路から蓄電池3から供給される電力が検出するように蓄電池3を配置することで、PCS2の出力側電圧が安定し、電力系統40が連系状態と同等であると認識でき、系統連系保護機能が働かず、PCS2の運転を継続することができる。すなわち蓄電池3は、系統連系保護機能が働かずにPPCS2の運転を継続させることに寄与している。このとき、蓄電池3からPCS2に放出させる電力は、PCS2の出力最大電力容量の1割以下とすることとしてもよい。
これにより、太陽電池出力の出力変動の吸収は少なくなるが、小さい容量の蓄電池3と簡素なインバータとによる安価なシステムによって発電システム1を構築することができる。
1 発電システム
2 パワーコンディショナ(PCS)
3 蓄電池
4 負荷設備
6 太陽光発電装置
10 第1制御部
12 無効電力吸収部
20 第2制御部
30 第3制御部
40 電力系統
41 第1切替部
42 第2切替部
43 第3切替部
44 第4切替部

Claims (9)

  1. 電力系統と連系して負荷設備へ電力供給する発電システムであって、
    前記電力系統に連系される発電装置と、
    前記発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換し、変換後の該交流電力を前記電力系統側に出力するパワーコンディショナと、
    前記発電装置と接続され、前記発電装置で発電された直流電力を蓄電する蓄電手段と、
    前記パワーコンディショナから出力された無効電力を吸収するように制御される無効電力吸収手段と、
    前記無効電力吸収手段を制御する第1制御手段と、
    前記電力系統の電圧が第1閾値より小さくなる低電圧事象が発生したと判定された場合に、前記電力系統側と切り離し、前記低電圧事象が発生していないと判定された場合には、前記電力系統側と接続させる第1切替手段と、
    前記第1切替手段が切り離される場合に、前記電力系統と前記パワーコンディショナとの間の第1接続点において、インバータを介して前記蓄電手段と前記パワーコンディショナとを接続させ、前記第1接続点と前記パワーコンディショナとの間の第2接続点において、前記無効電力吸収手段と前記パワーコンディショナとを接続させる第2制御手段と
    を具備する発電システム。
  2. 前記無効電力吸収手段は、前記パワーコンディショナから出力される無効電力と、前記パワーコンディショナが出力する無効電力を所定間隔で周期的に変動させる信号である無効電力変動信号とに基づいて決定される制御量を用いて、前記パワーコンディショナから出力された無効電力を吸収するように制御される請求項1に記載の発電システム。
  3. 前記第1接続点と前記インバータとの間に設けられ、前記低電圧事象が発生したと判定された場合に接続され、前記低電圧事象が発生していないと判定された場合には切り離しされる第2切替手段と、
    前記第2接続点と前記無効電力吸収手段との間に設けられ、前記低電圧事象が発生したと判定された場合に接続され、前記低電圧事象が発生していないと判定された場合には切り離しされる第3切替手段と
    を具備し、
    前記第2制御手段は、前記低電圧事象が発生したか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記第1切替手段、前記第2切替手段、及び前記第3切替手段の接続と切り離しを制御する請求項1または請求項2に記載の発電システム。
  4. 前記第1制御手段は、
    前記パワーコンディショナから出力される電圧と電流の位相差を測定し、該位相差と前記無効電力変動信号とに基づいて、吸収する無効電力量を決定する調整量決定手段と、
    コイル及びコンデンサを備え、前記調整量決定手段において決定された前記無効電力量の無効電力を吸収する前記無効電力吸収手段と
    を具備する請求項2または請求項3に記載の発電システム。
  5. 前記発電装置と前記蓄電手段との間に設けられ、前記発電装置と前記蓄電手段とを接続または切り離しする第4切替手段を具備し、
    前記蓄電手段の蓄電量が第2閾値以上となった場合には、前記第4切替手段を切り離す第3制御手段を具備する請求項1から請求項4のいずれかに記載の発電システム。
  6. 前記第1制御手段と前記第2制御手段とは、前記発電装置及び前記蓄電手段から供給される直流電力のうち、少なくともどちらか一方から直流電力を取得する請求項1から請求項5のいずれかに記載の発電システム。
  7. 前記蓄電手段から、前記パワーコンディショナに放出される電力は、前記パワーコンディショナの出力最大電力容量の1割以下とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の発電システム。
  8. 電力系統と連系して負荷設備へ電力供給する発電システムの制御方法であって、
    電力系統の電圧が第1閾値より小さくなる低電圧事象が発生したと判定された場合に、前記電力系統側と第1切替手段によって切り離し、前記低電圧事象が発生していないと判定された場合には、前記電力系統側と前記第1切替手段によって接続させる過程と、
    前記第1切替手段が切り離される場合に、前記電力系統に連系される発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換し、変換後の該交流電力を前記電力系統側に出力する前記パワーコンディショナと、前記電力系統との間の第1接続点において、インバータを介して、前記発電装置と接続され前記発電装置で発電された直流電力を蓄電する蓄電手段と前記パワーコンディショナとを接続させる過程と、
    前記第1接続点と前記パワーコンディショナとの間の第2接続点において、第1制御手段の制御によりパワーコンディショナから出力された無効電力を吸収させる前記無効電力吸収手段と前記パワーコンディショナとを接続させる過程と
    を有する発電システムの制御方法。
  9. 電力系統と連系して負荷設備へ電力供給する発電システムの制御プログラムであって、
    電力系統の電圧が第1閾値より小さくなる低電圧事象が発生したと判定された場合に、前記電力系統側と第1切替手段によって切り離し、前記低電圧事象が発生していないと判定された場合には、前記電力系統側と前記第1切替手段によって接続させる処理と、
    前記第1切替手段が切り離される場合に、前記電力系統に連系される発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換し、変換後の該交流電力を前記電力系統側に出力する前記パワーコンディショナと、前記電力系統との間の第1接続点において、インバータを介して、前記発電装置と接続され前記発電装置で発電された直流電力を蓄電する蓄電手段と前記パワーコンディショナとを接続させる処理と、
    前記第1接続点と前記パワーコンディショナとの間の第2接続点において、第1制御手段の制御によりパワーコンディショナから出力された無効電力を吸収させる前記無効電力吸収手段と前記パワーコンディショナとを接続させる処理と
    をコンピュータに実行させるための発電システムの制御プログラム。

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