JP2013157463A - 光起電装置及び光利用装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも波長変換層の機能を活用することが可能な光起電装置及び光利用装置を提供する。
【解決手段】入射光の進行方向上流側から順に波長変換部及び光起電部を備え、波長変換部は、入射光の進行方向上流側から順に半導体量子ドット含有層及び希土類蛍光体含有層を備え、半導体量子ドット含有層は半導体量子ドットと該半導体量子ドットを保持するドット保持材料とを含み、希土類蛍光体含有層は希土類蛍光体と該希土類蛍光体を保持する蛍光体保持材料とを含み、光起電部は、入射光及び波長変換部で波長を変換された光を光電変換する半導体材料を有し、蛍光体保持材料の屈折率は、ドット保持材料の屈折率よりも大きく、且つ、半導体材料の屈折率よりも小さい光起電装置とし、該光起電装置の光起電部を、発光材料を含む光利用部に置き換え、蛍光体保持材料の屈折率が、ドット保持材料の屈折率よりも大きく、且つ、発光材料の屈折率よりも小さい光利用装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光を当てて生じさせた電力を取り出す光起電装置、及び、光を当ててその物自体を光らせる光利用装置に関する。
太陽電池は、発電量当たりの二酸化炭素排出量が少なく、発電用の燃料が不要であるため、地球温暖化防止等に寄与することが期待されている。現在、実用化されている太陽電池の中では、単結晶シリコン又は多結晶シリコンを用いた、一組のpn接合を有する単接合太陽電池が主流となっており、太陽電池の高性能化を図るために、様々な形態の太陽電池に関する研究開発が進められてきている。
高エネルギーの短波長光を、太陽電池材料のバンドギャップに適した波長へと変換する波長変換部を用いて、熱損失を低減するダウンコンバージョン型の太陽電池や、エネルギーが小さく光透過損失となる長波長光を、太陽電池材料のバンドギャップに適した波長へと変換する波長変換部を備えたアップコンバージョン型太陽電池についても、研究開発が進められている。これらの太陽電池では、波長を変換する物質として、希土類元素を用いた蛍光材料が使用されている。
このような太陽電池に関する技術として、例えば特許文献1には、希土類元素とアルカリ金属元素とを含む半導体粒子と、該半導体粒子とは組成の異なる無機化合物の粒子とを含む複合粒子が開示されている。このほか、特許文献1には、複合粒子と硬化性樹脂とを含む樹脂組成物で構成された層を硬化させてなる波長変換層や、この波長変換層を有する光起電装置に関する技術も開示されている。
特開2011−116594号公報
特許文献1に開示されている技術のような、従来技術を用いて作製された波長変換層を備えた光起電装置の実施例では、波長変換層を用いることによる発電効率の向上は2%程度に留まり、十分な効率向上が実現できていない。これは、波長変換層の機能が十分に活かされていないこと等が原因であり、その問題点は以下に示す3つに細分化することができる。
問題点1:半導体量子ドットへドープされた希土類元素イオンによる波長変換効率が低い。
問題点2:波長変換された光が効率的に光起電装置の光吸収層に到達していない。
問題点3:波長変換された光が半導体量子ドットに再吸収されてしまう。
上記問題点1の理由として、希土類蛍光体は、添加先の母材(構成材料・結晶構造)に影響され、最適な母材でない場合は波長変換効率が低いことが考えられる。しかし、従来技術では、発光・吸収エネルギーを制御するために、限られた種類の半導体量子ドットのみを母材として選択する必要があり、波長変換効率を向上させることが難しい。また、希土類元素イオンを半導体量子ドットに添加するために製造条件が限定され、作製プロセスが複雑になりやすかった。
上記問題点2の理由として、波長変換層の量子ドット、希土類蛍光体、又は、複合粒子からの発光は拡散光であり、四方八方に広がるため、所望の方向へ伝播させ難いことが考えられる。その結果、光起電装置に入射できる光量が限定され、発電効率の向上効果が限られる。
上記問題点3の理由として、特に、希土類蛍光体によって光エネルギーが高められる波長変換(アップコンバージョン)をされた光は、半導体量子ドットの吸収端エネルギー以上のエネルギーを有するため、半導体量子ドットに再吸収されてしまうことが考えられる。
そこで本発明は、従来よりも波長変換層の機能を活用することが可能な光起電装置及び光利用装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、半導体量子ドットと希土類蛍光体とを用いる波長変換層を、半導体量子ドットを含む層と希土類蛍光体を含む層とが別々に備えられる形態とすることで、上記問題点1を解消できることを知見した。また、波長変換層及び光起電装置の屈折率を調整することにより、上記問題点2及び上記問題点3を改善できることを知見した。本発明は、これらの知見に基づいて完成させた。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
本発明の第1の態様は、入射光の進行方向上流側から順に、波長変換部及び光起電部を備え、波長変換部は、入射光の進行方向上流側から順に、半導体量子ドット含有層及び希土類蛍光体含有層を備え、半導体量子ドット含有層は、半導体量子ドットと、該半導体量子ドットを保持するドット保持材料とを含み、希土類蛍光体含有層は、希土類蛍光体と、該希土類蛍光体を保持する蛍光体保持材料とを含み、光起電部は、入射光及び上記波長変換部で波長を変換された光を光電変換する半導体材料を有し、蛍光体保持材料の屈折率が、ドット保持材料の屈折率よりも大きく、且つ、半導体材料の屈折率よりも小さいことを特徴とする、光起電装置である。
ここに、本発明の第1の態様及び以下に示す本発明の他の態様において、「光起電装置」とは、光を当てて生じさせた電力を取り出す装置をいい、例えば、太陽電池等が光起電装置に含まれる。本発明の第1の態様は、光起電部において少ない損失で吸収することが困難な高エネルギーの光を、光起電部において少ない損失で吸収可能な波長の光へと変換する波長変換部を有し、該波長変換部は、半導体量子ドット含有層及び希土類蛍光体含有層を備えている。波長変換部に半導体量子ドットを用いることにより、光起電部の半導体材料で光電変換されると熱損失を生じやすい様々な波長の光を連続的に吸収して、希土類蛍光体によって変換させることが可能な波長の光を発生させることが可能になる。ここで、半導体量子ドット及び希土類蛍光体を用いることにより、様々な波長の光を連続的に吸収可能という半導体量子ドットの長所、及び、波長変換効率が高いという希土類蛍光体の長所を活かすことが可能になる。また、半導体量子ドット含有層と希土類蛍光体含有層とを別々の層にすることで、波長変換効率を向上させやすくなり、製造プロセスを簡素化しやすくなる。さらに、波長変換部で生成された光は、四方八方に拡散するが、蛍光体保持材料の屈折率をドット保持材料の屈折率よりも大きくすることにより、量子ドットによって発生させた光の多くを希土類蛍光体含有層へ入射させることが可能になり、半導体材料の屈折率を蛍光体保持材料の屈折率よりも大きくすることにより、希土類蛍光体によって発生させた光の多くを光起電部に入射させることが可能になる。したがって、本発明の第1の態様によれば、波長変換材料によって変換された光も半導体材料で吸収しやすくなるので、波長変換部で波長を変換した光を用いて発電効率を高めることが可能なダウンコンバージョン型の光起電装置を得ることができる。
また、上記本発明の第1の態様において、半導体量子ドットで発生させる光のエネルギーをEQD、希土類蛍光体で発生させる光のエネルギーをERP、半導体材料のバンドギャップエネルギーをE、とするとき、EQD≧ERP>Eであることが好ましい。かかる形態とすることにより、発電効率を高めやすいダウンコンバージョン型の光起電装置を得ることができる。
本発明の第2の態様は、入射光の進行方向上流側から順に、光起電部、波長変換部、及び、光反射部を備え、波長変換部は、入射光の進行方向上流側から順に、希土類蛍光体含有層及び半導体量子ドット含有層を備え、希土類蛍光体含有層は、希土類蛍光体と、該希土類蛍光体を保持する蛍光体保持材料とを含み、半導体量子ドット含有層は、半導体量子ドットと、該半導体量子ドットを保持するドット保持材料とを含み、光起電部は、入射光及び上記波長変換部で波長を変換された光を光電変換する半導体材料を有し、蛍光体保持材料の屈折率が、ドット保持材料の屈折率よりも大きく、且つ、半導体材料の屈折率よりも小さいことを特徴とする、光起電装置である。
本発明の第2の態様は、光起電部で吸収されなかった低エネルギーの光を、光起電部で吸収可能な波長の光へと変換する波長変換部を有し、該波長変換部は、半導体量子ドット含有層及び希土類蛍光体含有層を備えている。波長変換部に半導体量子ドットを用いることにより、光起電部の半導体材料によって光電変換されない様々な波長の光を連続的に吸収して、希土類蛍光体によって変換させることが可能な波長の光を発生させることが可能になる。ここで、半導体量子ドット及び希土類蛍光体を用いることにより、様々な波長の光を連続的に吸収可能という半導体量子ドットの長所、及び、波長変換効率が高いという希土類蛍光体の長所を活かすことが可能になる。また、半導体量子ドット含有層と希土類蛍光体含有層とを別々の層にすることで、波長変換効率を向上させやすくなり、製造プロセスを簡素化しやすくなる。さらに、波長変換部で生成された光は、四方八方に拡散するが、光起電部から遠ざかる側へと進む光は、光反射部によって反射されて光起電部へと向かう。さらに、蛍光体保持材料の屈折率をドット保持材料の屈折率よりも大きくすることにより、量子ドットによって発生させた光の多くを希土類蛍光体含有層へ入射させることが可能になり、半導体材料の屈折率を蛍光体保持材料の屈折率よりも大きくすることにより、希土類蛍光体によって発生させた光の多くを光起電部に入射させることが可能になる。したがって、本発明の第2の態様によれば、波長変換材料によって変換された光も半導体材料で吸収しやすくなるので、波長変換部で波長を変換した光を用いて発電効率を高めることが可能なアップコンバージョン型の光起電装置を得ることができる。
また、上記本発明の第2の態様において、半導体量子ドットで発生させる光のエネルギーをEQD、希土類蛍光体で発生させる光のエネルギーをERP、半導体材料のバンドギャップエネルギーをE、とするとき、EQD<E≦ERPであることが好ましい。かかる形態とすることにより、発電効率を高めやすいアップコンバージョン型の光起電装置を得ることができる。
本発明の第3の態様は、入射光の進行方向上流側から順に、波長変換部及び光利用部を備え、波長変換部は、入射光の進行方向上流側から順に、半導体量子ドット含有層及び希土類蛍光体含有層を備え、半導体量子ドット含有層は、半導体量子ドットと、該半導体量子ドットを保持するドット保持材料とを含み、希土類蛍光体含有層は、希土類蛍光体と、該希土類蛍光体を保持する蛍光体保持材料とを含み、光利用部は、入射光及び上記波長変換部で波長を変換された光を集め放出するレンズを有し、蛍光体保持材料の屈折率が、ドット保持材料の屈折率よりも大きく、且つ、レンズの屈折率よりも小さいことを特徴とする、光利用装置である。
ここに、本発明の第3の態様及び以下に示す本発明の他の態様において、「光利用装置」とは、光を当ててその物自体を光らせる物質を備えた装置をいい、例えば、照明や電光掲示板等が光利用装置に含まれる。本発明の第3の態様は、光利用部で活用すると大きな熱損失を生じやすい高エネルギーの光を、光利用部において低損失で活用可能な波長の光へと変換する波長変換部を有し、該波長変換部は、半導体量子ドット含有層及び希土類蛍光体含有層を備えている。波長変換部に半導体量子ドットを用いることにより、光利用部で大きな熱損失を生じやすい様々な波長の光を連続的に吸収して、希土類蛍光体によって変換させることが可能な波長の光を発生させることが可能になる。ここで、半導体量子ドット及び希土類蛍光体を用いることにより、様々な波長の光を連続的に吸収可能という半導体量子ドットの長所、及び、波長変換効率が高いという希土類蛍光体の長所を活かすことが可能になる。また、半導体量子ドット含有層と希土類蛍光体含有層とを別々の層にすることで、波長変換効率を向上させやすくなり、製造プロセスを簡素化しやすくなる。さらに、波長変換部で生成された光は、四方八方に拡散するが、蛍光体保持材料の屈折率をドット保持材料の屈折率よりも大きくすることにより、量子ドットによって発生させた光の多くを希土類蛍光体含有層へ入射させることが可能になり、レンズの屈折率を蛍光体保持材料の屈折率よりも大きくすることにより、希土類蛍光体によって発生させた光の多くを光利用部に入射させることが可能になる。したがって、本発明の第3の態様によれば、波長変換材料によって変換された光も利用されやすくなるので、波長変換部で波長を変換した光を用いて発光効率を高めることが可能なダウンコンバージョン型の光利用装置を得ることができる。
本発明の第4の態様は、入射光の進行方向上流側から順に、光利用部、波長変換部、及び、光反射部を備え、波長変換部は、入射光の進行方向上流側から順に、希土類蛍光体含有層及び半導体量子ドット含有層を備え、希土類蛍光体含有層は、希土類蛍光体と、該希土類蛍光体を保持する蛍光体保持材料とを含み、半導体量子ドット含有層は、半導体量子ドットと、該半導体量子ドットを保持するドット保持材料とを含み、光利用部は、入射光及び上記波長変換部で波長を変換された光を集め放出するレンズを有し、蛍光体保持材料の屈折率が、ドット保持材料の屈折率よりも大きく、且つ、レンズの屈折率よりも小さいことを特徴とする、光利用装置である。
本発明の第4の態様は、光利用部で利用されなかった低エネルギーの光を、光利用部で活用可能な波長の光へと変換する波長変換部を有し、該波長変換部は、半導体量子ドット含有層及び希土類蛍光体含有層を備えている。波長変換部に半導体量子ドットを用いることにより、光利用部によって利用されない様々な波長の光を連続的に吸収して、希土類蛍光体によって変換させることが可能な波長の光を発生させることが可能になる。ここで、半導体量子ドット及び希土類蛍光体を用いることにより、様々な波長の光を連続的に吸収可能という半導体量子ドットの長所、及び、波長変換効率が高いという希土類蛍光体の長所を活かすことが可能になる。また、半導体量子ドット含有層と希土類蛍光体含有層とを別々の層にすることで、波長変換効率を向上させやすくなり、製造プロセスを簡素化しやすくなる。さらに、波長変換部で生成された光は、四方八方に拡散するが、光利用部から遠ざかる側へと進む光は、光反射部によって反射されて光利用部へと向かう。さらに、蛍光体保持材料の屈折率をドット保持材料の屈折率よりも大きくすることにより、量子ドットによって発生させた光の多くを希土類蛍光体含有層へ入射させることが可能になり、レンズの屈折率を蛍光体保持材料の屈折率よりも大きくすることにより、希土類蛍光体によって発生させた光の多くを光利用部に入射させることが可能になる。したがって、本発明の第4の態様によれば、波長変換材料によって変換された光も利用されやすくなるので、波長変換部で波長を変換した光を用いて発光効率を高めることが可能なアップコンバージョン型の光利用装置を得ることができる。
本発明によれば、従来よりも波長変換層の機能を活用することが可能な、光起電装置及び光利用装置を提供することができる。
光起電装置10を説明する図である。 QD11、ERP11、及び、E12の例を説明する図である。 半導体量子ドット及び希土類蛍光体微粒子からの発光及び光の進行方向の概念を説明する図である。 界面における入射角θと光の進行方向を説明する図である。 界面における反射率と入射角との関係を説明する図である。 光起電装置20を説明する図である。 QD22、ERP22、及び、E21の例を説明する図である。 光利用装置30を説明する図である。 光利用装置40を説明する図である。 透過率の計算モデルを説明する図である。 半導体量子ドット含有層11xから各層への光の透過率の計算結果を示す図である。 希土類蛍光体含有層11yから各層への光の透過率の計算結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明する。以下の図面では、繰り返される符号の一部を省略することがある。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態にかかる本発明の光起電装置10を説明する図である。図1において、光起電装置10へと入射する光は、紙面上側から下側へ向かって進む。図1に示したように、光起電装置10は、入射光の進行方向上流側から順に、波長変換部11及び光起電部12を備えている。波長変換部11は、入射光の進行方向上流側から順に、半導体量子ドット含有層11x及び希土類蛍光体含有層11yを備え、光起電部12は光を光電変換する半導体材料を有している。半導体量子ドット含有層11xは、複数の半導体量子ドット11xd、11xd、…(以下において、単に「半導体量子ドット11xd」ということがある。)と、該半導体量子ドット11xdを保持するドット保持材料11xaとを有しており、希土類蛍光体含有層11yは、複数の希土類蛍光体微粒子11yr、11yr、…(以下において、単に「希土類蛍光体微粒子11yr」ということがある。)と、該希土類蛍光体微粒子11yrを保持する蛍光体保持材料11yaとを有している。ドット保持材料11xa及び蛍光体保持材料11yaには、光起電装置10へと入射した光が光起電部12へと到達可能なように、透明な樹脂やガラス等が用いられており、ドット保持材料11xaの屈折率をn11、蛍光体保持材料11yaの屈折率をn12、及び、光起電部12において光電変換する半導体材料の屈折率をn13とするとき、n11<n12<n13となるように構成されている。
光起電装置10へと入射した入射光は、波長変換部11を通過して光起電部12へと達する。波長変換部11を通過する際に、一部の光は半導体量子ドット11xdによって吸収され、半導体量子ドット11xdによって吸収されなかった光の一部が、希土類蛍光体微粒子11yrによって吸収される。そして、半導体量子ドット11xd及び希土類蛍光体微粒子11yrによって吸収されなかった光が光起電部12へと達し、光起電部12に含まれる半導体材料のバンドギャップエネルギーE12以上のエネルギーを有する光が、光起電部12で吸収されて電力へと変換される。入射光のエネルギーEがE≧E12であれば、光起電部12で吸収され得るが、ΔE=E−E12が大き過ぎると、ΔEに相当するエネルギーは熱損失となり、効率良く光電変換に利用されない。そこで、光起電装置10は、半導体量子ドット11xdで発生させる光のエネルギーをEQD11、希土類蛍光体微粒子11yrで発生させる光のエネルギーをERP11とするとき、EQD11≧ERP11>E12となるように構成されている。EQD11、ERP11、及び、E12の例を、図2に示す。
図2に示した例では、EQD11=2×ERP11、且つ、ERP11>E12とされている。EQD11は、半導体量子ドット11xdの基底準位間エネルギー(伝導帯の基底準位と価電子帯の基底準位とのエネルギー差。以下において同じ。)である。半導体量子ドット11xdは、EQD11以上のエネルギーを有する光を吸収することができる。半導体量子ドット11xdには、量子効果によって離散準位ができ、EQD11の大きさは半導体量子ドットの大きさや半導体の組成に応じて決まる。半導体量子ドット11xdの大きさを厳密に揃えようとしても、実際には大きさにばらつきが生じるため、このばらつきを考慮すると、半導体量子ドット11xdにより、EQD11以上のエネルギーを有する光を連続的に吸収することができる。そして、半導体量子ドット11xdは、吸収した光エネルギーによって励起された電子を、基底準位まで緩和してEQD11のエネルギーを有する光として放出することができる。加えて、図2に示した例では、EQD11=2×ERP11とされている。そのため、半導体量子ドット11xdによって生成(放出)された光を希土類蛍光体微粒子11yrへと入射させることにより、希土類蛍光体微粒子11yrへ入射したエネルギーEQD11の1つの光子から、エネルギーERP11の2つの光子を放出すること(ダウンコンバージョン、量子カッティング)ができる。こうして生成(放出)された光のエネルギーERP11は、半導体材料のバンドギャップエネルギーE12に近い。光起電装置10では、例えば、エネルギーERP11が光起電部12の半導体材料によって吸収されやすいエネルギーとなるように、希土類蛍光体微粒子11yrの材料及び半導体材料を選択することにより、光起電部12の半導体材料で吸収すると熱損失が生じやすかった光も、熱損失を低減しながら光電変換に利用することが可能になる。なお、図2には、1つの光子を吸収して2つの光子を発生させる形態を例示したが、光起電装置10は当該形態に限定されない。波長変換部11は、入射した1つの光子から、エネルギーの異なる1つの光子(希土類蛍光体微粒子11yrへと入射した光子よりも、光起電部12に吸収されやすいエネルギーの1つの光子)へと変換する希土類蛍光体微粒子11yrが備えられる形態とすることも可能である。
光起電装置10では、半導体量子ドット11xdを含む半導体量子ドット含有層11xと、希土類蛍光体微粒子11yrを含む希土類蛍光体含有層11yとを別々の層で構成している。これは、次の理由による。すなわち、一般的に、希土類元素イオンによる波長変換効率は、希土類元素イオンが添加される母材の種類や製造プロセスによって大きく左右される。特許文献1に開示された技術で高効率な波長変換を行うためには、母材(半導体量子ドット)にフォノンエネルギーの小さい材料(例えば、フッ化物、酸化物、硫酸化物等)を選択する必要がある。一般に、波長変換効率を向上させるためには、900℃以上等の高温における熱処理が必要になることが多いが、熱に弱い半導体量子ドットでは熱処理が困難である。つまり、特許文献1に開示されている技術では、希土類元素イオンによる波長変換効率を高め難かった。そこで、光起電装置10では、この問題を解決するために、半導体量子ドット含有層11xと希土類蛍光体含有層11yとを別々の層にすることで、それぞれの層において最適な材料・製造プロセスを適用可能な形態としている。
加えて、光起電装置10では、ドット保持材料11xaの屈折率n11、蛍光体保持材料11yaの屈折率n12、及び、光起電部12において光電変換する半導体材料の屈折率n13が、n11<n12<n13を満たすように、それぞれの材料を選択している。光起電装置10において、半導体量子ドット11xdや希土類蛍光体微粒子11yrに吸収されない光は、入射時の方向性を保ったまま光起電部12に入射できるが、半導体量子ドット11xdや希土類蛍光体微粒子11yrによって一旦吸収されて再び放出される光は、四方八方に向かった無指向性の光となり、光起電部12へ向かって進む光の量が大きく減少してしまう。半導体量子ドット及び希土類蛍光体微粒子からの発光及び光の進行方向の概念を図3に示す。図3にも示したように、隣接する層の界面(半導体量子ドット含有層11x及び希土類蛍光体含有層11yの界面や希土類蛍光体含有層11y及び光起電部12の界面)によって反射されたり光起電部12がある側とは反対側へと向かったりする光は、そのままでは光電変換に利用できないため、光起電装置10に備えられている波長変換部11の機能を十分に活かすために、波長変換部11で吸収されて放出された光の多くが光起電部12へと入射する構成にすることが望まれる。そこで、光起電装置10では、n11<n12<n13となるように、ドット保持材料11xa、蛍光体保持材料11ya、及び、光起電部12の半導体材料を選択している。
n11<n12<n13とすることによる効果について、以下に説明する。
図4は、界面における入射角θと光の進行方向を説明する図であり、媒質1は屈折率が1の物質、媒質2は屈折率が1.5の物質、θは入射角である。また、図5は、図4に示した媒質1と媒質2との界面における反射率と入射角θとの関係を説明する図であり、縦軸は反射率、横軸は入射角θ[°]である。
図5に示したように、相対的に屈折率が小さい媒質1から相対的に屈折率が大きい媒質2に光が入射する場合は、入射角θが大きくなっても反射率が小さいため、多くの光が媒質1から媒質2へと入射することができる。これに対し、相対的に屈折率が大きい媒質2から相対的に屈折率が小さい媒質1に光が入射する場合は、入射角θが所定の角度(臨界角。図5の例では40°程度。)以上になると、全反射を起こし、すべての光が反射される。そのため、入射光の進行方向上流側に位置する半導体量子ドット含有層11xで生じさせた光の多くを希土類蛍光体含有層11yへと入射させるためには、n11<n12とすることが有効であり、希土類蛍光体含有層11yで生じさせた光の多くを光起電部12へと入射させるためには、n12<n13とすることが有効である。なお、光起電装置10において、半導体量子ドット含有層11xで生じさせた光のうち、希土類蛍光体含有層11yとは反対側へと向かう光の多くは、半導体量子ドット含有層11xよりも屈折率が小さい空気層との界面で全反射し、向きを変えて希土類蛍光体含有層11yへ向かって進むことが可能になる。同様に、希土類蛍光体含有層11yで生じさせた光のうち、半導体量子ドット含有層11x側へと向かう光の多くは、希土類蛍光体含有層11yよりも屈折率が小さい半導体量子ドット含有層11xとの界面で全反射し、向きを変えて光起電部12へ向かって進むことが可能になる。波長変換部の屈折率と光起電部の屈折率との関係を考慮していない従来技術では、波長変換部で生じさせた光を効率良く光起電部へ入射させることは困難になりやすく、また、希土類蛍光体を用いて生じさせた光が半導体量子ドットによって再吸収されることによる損失が生じる虞がある。ところが、光起電装置10では、n11<n12<n13としているので、波長変換部11で生じさせた光の多くを光起電部12へと入射させることができる。また、光起電装置10では、n11<n12としているので、希土類蛍光体含有層11yで生じさせた光のうち、半導体量子ドット含有層11x側へと向かう光の多くは、希土類蛍光体含有層11yよりも屈折率が小さい半導体量子ドット含有層11xとの界面で全反射し、向きを変えて光起電部12へ向かって進む。その結果、半導体量子ドット11xdによって再吸収されることによる損失を低減することが可能になる。したがって、光起電装置10によれば、波長変換部11を用いることによる変換効率の向上効果を高めること(波長変換部の機能を従来よりも活かすこと)が可能になる。
光起電装置10において、半導体量子ドット11xdは、所望の光吸収特性及び発光特性を得るために、適切な材料・粒径の一種類、又は複数種類を組み合わせて用いることができる。半導体量子ドット11xdに使用可能な半導体材料としては、ZnO、InP、InN、PbS、CdS、CdSe等を例示することができる。
半導体量子ドット11xdは、公知技術であるホットインジェクション法、共沈法、熱分解法、ソルボサーマル法、ゾルゲル法、その他の気相合成法等によって作製することができる。一例として、共沈法による酸化亜鉛(ZnO)量子ドットの作製方法について説明する。
原料には酢酸亜鉛Zn(CHCOO)を用い、必要に応じて、バンドギャップエネルギーを制御する酢酸マンガンMn(CHCOO)等の添加物を原料に加えることができる。溶媒には、エタノール・プロパノール、エチレングリコール等を用いることができる。また、溶媒中には、量子ドットの大きさを制御するために、ジエタノールアミン等を加えることができる。これらを混合して作製した混合液を0℃に冷却する。
次に、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカリ金属水酸化物をエタノール中に溶解させる。この溶液を上記混合液に加えることで、ZnOを合成することができる。温度、時間、原料組成を変えることで、半導体量子ドットの大きさや発光特性・吸収特性を制御することができる。
また、ドット保持材料11xaは、半導体量子ドット11xdを分散させた形態で保持可能であり、且つ、半導体量子ドット11xdに吸収させる光や半導体量子ドット11xdから放出された光を通過させることができ、且つ、n11<n12<n13を満たす屈折率n11の材料を適宜用いることができる。そのような材料としては、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの樹脂のほか、ガラスや半導体材料等を例示することができる。ドット保持材料11xaの屈折率n11は、例えば、1.3以上1.6以下程度とすることができる。
半導体量子ドット含有層11xは、上記方法等によって作製した半導体量子ドット11xdを、ドット保持材料11xaに埋め込むことによって作製することができる。光起電装置10において、半導体量子ドット含有層11xは、既に形成された希土類蛍光体含有層11yの上面に、半導体量子ドット11xdを含む溶液をスピンコート法、ディップコート法、噴霧乾燥法、Layer−by−Layer法等の公知技術によって塗布した後、乾燥して硬化させる過程を経て作製することができる。
また、希土類蛍光体微粒子11yrには、希土類元素として、原子番号57〜71のランタノイド元素(以下において、「La」と言うことがある。)に加えて、スカンジウムやイットリウム等を1種類又は組み合わせて用いることができる。希土類蛍光体微粒子11yrにおいて、希土類元素は、微粒子状の母材に添加されている。母材には、例えば、フッ化物、酸化物、半導体等を用いることができる。
希土類蛍光体微粒子11yrは、公知技術である共沈法、熱分解法、ソルボサーマル法、ゾルゲル法等によって作製することができる。一例として、共沈法による希土類蛍光体微粒子の作製方法について説明する。
原料には、ランタノイド硝酸塩La(NO、イットリウム硝酸塩Y(NO等を用意し、水、エタノール、エチレングリコール等の溶媒中に溶解させた溶液を得る。
次に、上記溶液中に、炭酸ナトリウム水溶液等を滴下してpHを調整することにより、所望の微粒子を沈殿させることができる。この微粒子を乾燥し焼成することにより、希土類蛍光体微粒子を得ることができる。
また、蛍光体保持材料11yaは、希土類蛍光体微粒子11yrを分散させた形態で保持可能であり、且つ、入射光や希土類蛍光体微粒子11yrから放出された光を光起電部12へと到達させることができ、且つ、n11<n12<n13を満たす屈折率n12の材料を適宜用いることができる。そのような材料としては、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの樹脂のほか、ガラスや半導体材料等を例示することができる。蛍光体保持材料11yaの屈折率n12は、例えば、1.3以上1.6以下程度(1.3≦n11<n12≦1.6)とすることができる。
希土類蛍光体含有層11yは、上記方法等によって作製した希土類蛍光体微粒子11yrを、蛍光体保持材料11yaに埋め込むことによって作製することができる。光起電装置10において、希土類蛍光体含有層11yは、既に形成された光起電部12の上面に、希土類蛍光体微粒子11yrを含む溶液をスピンコート法、ディップコート法、噴霧乾燥法等の公知技術によって塗布した後、乾燥して硬化させる過程を経て作製することができる。
このほか、ガラス原料(SiO、MgF、B等)及びランタノイド酸化物等を原料とし、溶融法等の方法によりガラスを作製し、適正な熱処理等を行って希土類元素イオンを含むフッ化物系微粒子を析出させることにより、希土類蛍光体含有層11yを作製することも可能である。かかる方法で作製する場合、蛍光体保持材料11yaに相当するガラスの屈折率は1.5以上1.8以下程度とすることができる。なお、この形態の希土類蛍光体含有層には、一例として、ガラス中に希土類蛍光体微粒子を析出させて作製された株式会社住田光学ガラス製のYAGLASS等を用いることができる。YAGLASSを用いる場合には、例えば、光起電部の上面に、希土類蛍光体微粒子を保持しているYAGLASSのガラスと屈折率が等しい光学用接着剤等を用いてYAGLASSを貼り付けることにより、希土類蛍光体含有層を形成することができる。
また、光起電部12としては、例えば、単結晶Si、アモルファスSi、CIGS、有機太陽電池、色素増感太陽電池、化合物太陽電池等、光を当てて生じさせた電力を取り出す公知の光起電装置を適宜用いることができる。光起電装置10において、変換効率を高めやすい形態にする等の観点からは、バンドギャップエネルギーが0.8eV以上1.4eV程度である半導体材料を、光起電部12に用いることが好ましい。このように構成される光起電部12は、公知の方法によって作製することができる。
光起電装置10に備えられる各層の構成材料の組み合わせ例を以下に示す。半導体量子ドット11xdの構成材料をA1、ドット保持材料11xaをA2、希土類蛍光体微粒子11yrの希土類元素をA3、当該希土類元素が添加される母材をA4、蛍光体保持材料11yaをA5、光起電部12で光電変換する半導体材料をA6とするとき、光起電装置10に備えられる各層には、例えば、A1としてZnO、A2としてフッ素樹脂、A3としてEr、Tb、Pr、及びYb等、A4としてLiGdF等のフッ化物又は酸化物、A5としてアクリル樹脂、A6としてSiやCIGSを用いることができる。
2.第2実施形態
図6は、第2実施形態にかかる本発明の光起電装置20を説明する図である。図6において、光起電装置20へと入射する光は、紙面上側から下側へ向かって進む。図6に示したように、光起電装置20は、入射光の進行方向上流側から順に、光起電部21と、波長変換部22と、光反射部23と、を備えている。光起電部21は光を光電変換する半導体材料を有しており、波長変換部22は、入射光の進行方向上流側から順に、希土類蛍光体含有層22y及び半導体量子ドット含有層22xを備えている。半導体量子ドット含有層22xは、複数の半導体量子ドット22xd、22xd、…(以下において、単に「半導体量子ドット22xd」ということがある。)と、該半導体量子ドット22xdを保持するドット保持材料22xaとを有しており、希土類蛍光体含有層22yは、複数の希土類蛍光体微粒子22yr、22yr、…(以下において、単に「希土類蛍光体微粒子22yr」ということがある。)と、該希土類蛍光体微粒子22yrを保持する蛍光体保持材料22yaとを有している。ドット保持材料22xa及び蛍光体保持材料22yaには、光起電装置20へと入射して光起電部21を通過した光が半導体量子ドット22xdや希土類蛍光体微粒子22yrへと到達可能なように、透明な樹脂やガラス等が用いられており、ドット保持材料22xaの屈折率をn21、蛍光体保持材料22yaの屈折率をn22、及び、光起電部21において光電変換する半導体材料の屈折率をn23とするとき、n21<n22<n23となるように構成されている。
光起電装置20へと入射した光は、入射光の進行方向上流側に配置されている光起電部21へと達し、光起電部21に含まれる半導体材料のバンドギャップエネルギーE21以上のエネルギーを有する光が、光起電部21で吸収されて電力へと変換される。これに対し、バンドギャップエネルギーE21未満のエネルギーを有する光は、光起電部21で吸収されず、光起電部21を通過して希土類蛍光体含有層22yへと達し、その一部が希土類蛍光体微粒子22yrによって吸収される。そして、光起電部21及び希土類蛍光体微粒子22yrによって吸収されなかった光が半導体量子ドット含有層22xへと達し、その一部が半導体量子ドット22xdによって吸収される。光起電装置20において、半導体量子ドット含有層22xよりも光反射部23側へと向かう光は、光反射部23によって反射され、光起電部21側へと進む。このように、光起電装置20では、光起電部21の半導体材料によって吸収されなかった光が希土類蛍光体微粒子22yrや半導体量子ドット22xdによって吸収され、これらによってE21以上のエネルギーを有するように波長を変換された光が、光起電部21に吸収されて光電変換される。すなわち、光起電装置20は、アップコンバージョン型の光起電装置である。半導体量子ドット22xdで発生させる光のエネルギーをEQD22、希土類蛍光体微粒子22yrで発生させる光のエネルギーをERP22とするとき、光起電装置20では、EQD22<E21≦ERP22となるように構成されている。EQD22、ERP22、及び、E21の例を、図7に示す。
図7に示した例では、2×EQD22=ERP22、且つ、ERP22≧E21とされている。EQD22は、半導体量子ドット22xdの基底準位間エネルギーである。半導体量子ドット22xdは、半導体量子ドット11xdと同様の理由で、E21よりも小さいEQD22以上のエネルギーを有する光を連続的に吸収することができ、半導体量子ドット22xdは、吸収した光エネルギーによって励起された電子を、基底準位まで緩和してEQD22のエネルギーを有する光として放出することができる。加えて、図7に示した例では、2×EQD22=ERP22とされている。そのため、半導体量子ドット22xdによって生成(放出)された光を希土類蛍光体微粒子22yrへと入射させることにより、希土類蛍光体微粒子22yrへ入射させたエネルギーEQD22の2つの光子から、エネルギーERP22の1つの光子を放出すること(アップコンバージョン)ができる。こうして生成(放出)された光のエネルギーERP22は、半導体材料のバンドギャップエネルギーE21以上である。そのため、光起電装置20では、波長変換部22で生成したエネルギーERP22の光が、光起電部21の半導体材料によって吸収されて光電変換される。なお、図7には、2つの光子を吸収して1つの光子を発生させる形態を例示したが、光起電装置20は当該形態に限定されない。波長変換部22は、半導体量子ドット22xdから放出された3つの光子を吸収して2つの光子を発生させる希土類蛍光体微粒子22yrが備えられる形態等、他の形態とすることも可能である。
図6に示したように、光起電装置20も光起電装置10と同様に、半導体量子ドット22xdを含む半導体量子ドット含有層22xと、希土類蛍光体微粒子22yrを含む希土類蛍光体含有層22yとを別々の層で構成している。そのため、光起電装置20によれば、半導体量子ドット含有層22x及び希土類蛍光体含有層22yのそれぞれにおいて最適な材料・製造プロセスを適用することができる。
加えて、光起電装置20では、ドット保持材料22xaの屈折率n21、蛍光体保持材料22yaの屈折率n22、及び、光起電部21において光電変換する半導体材料の屈折率n23が、n21<n22<n23を満たすように、それぞれの材料を選択している。光起電装置20には光反射部23が備えられているため、光起電部21から遠ざかる方向へと向かう光は、光反射部23によって反射されることにより光起電部21へと向かう。半導体量子ドット22xdや希土類蛍光体微粒子22yrから放出された光は四方八方に向かう無指向性の光となるため、波長変換部22から光起電部21へと向かう光は、波長変換部22で生成された光の一部に留まる。また、波長変換部22による変換効率向上効果を高めるためには、波長変換部22で生成された光の多くを光起電部21へと入射可能な形態とすることが望ましい。そこで、光起電装置20では、n21<n22<n23となるように、ドット保持材料22xa、蛍光体保持材料22ya、及び、光起電部21の半導体材料を選択している。このように構成することで、半導体量子ドット22xdから放出された光の多くを希土類蛍光体微粒子22yrへと到達させることが可能になる。
また、光起電装置20では、変換効率を向上させるために、光起電部21の半導体材料が吸収し得るエネルギーの光を、希土類蛍光体微粒子22yrから放出させる。上述のように、EQD22<E21であるため、希土類蛍光体微粒子22yrから放出された光は、半導体量子ドット22xdによっても吸収され得る。希土類蛍光体微粒子22yrから放出された光の多くが半導体量子ドット22xdによって吸収されると、光起電部21の変換効率を向上させ難くなる。それゆえ、光起電部21の変換効率を向上しやすい形態にするためには、希土類蛍光体微粒子22yrから放出された光が半導体量子ドット22xdへ到達し難い形態にすることが望まれる。かかる観点から、光起電装置20では、n21<n22<n23としている。このように構成することで、希土類蛍光体微粒子22yrから放出された光のうち、光起電部21側へと向かう光を光起電部21へと入射させやすくなり、且つ、半導体量子ドット含有層22x側へと向かう光の多くを全反射させやすくなるので、希土類蛍光体微粒子22yrから放出された光の多くを光起電部21へと入射させやすくなる。したがって、n21<n22<n23となるように構成した光起電装置20によれば、波長変換部22を用いることによる変換効率の向上効果を高めること(波長変換部の機能を従来よりも活かすこと)が可能になる。
光起電装置20において、光起電部21としては、例えば、単結晶Si、アモルファスSi、CIGS、有機太陽電池、色素増感太陽電池、化合物太陽電池等、光を当てて生じさせた電力を取り出す公知の両面受光型の光起電装置を適宜用いることができる。光起電装置20において、変換効率を高めやすい形態にする等の観点からは、バンドギャップエネルギーが1.5eV以上2.4eV程度である半導体材料を、光起電部21に用いることが好ましい。このように構成される光起電部21は、公知の方法によって作製することができる。なお、光起電装置20において、光起電部21は、入射光のみならず、波長変換部22から放出された光も吸収可能な形態とするために、両面受光型であることが必要である。両面受光型の光起電部21は、公知技術で作製した単結晶Si、アモルファスSi、CIGS、有機太陽電池、色素増感太陽電池、化合物太陽電池等を改良して製造することができる。より具体的には、単結晶Si、HIT太陽電池、及び、化合物太陽電池等で公知の、基板剥離、及び、ITO等の透明電極の加工が施されたもの等を用いることができる。
また、半導体量子ドット22xdは、所望の光吸収特性及び発光特性を得るために、適切な材料・粒径の一種類、又は複数種類を組み合わせて用いることができる。半導体量子ドット22xdには、半導体量子ドット11xdに使用可能な半導体材料と同様の半導体材料を用いることができる。半導体量子ドット22xdの粒径は、例えば2nm以上10nm程度とすることができる。
半導体量子ドット22xdは、公知技術であるホットインジェクション法、共沈法、熱分解法、ソルボサーマル法、ゾルゲル法、その他の気相合成法等によって作製することができる。一例として、ホットインジェクション法によるPbS量子ドットの作製方法について説明する。
原料には酸化鉛PbO、ビストリメチルシリルスルフィド(Si(CHS、及び、オレイン酸を用い、溶媒には、オクタデセンを用いることができる。また、溶媒中には、量子ドットの大きさを制御するために、トリオクチルフォスフィン等を加えることができる。オクタデセン中に酸化鉛及びオレイン酸を溶解させ、アルゴンガス置換雰囲気中で例えば150℃で2時間程度加熱する。その後、合成温度(例えば、70℃以上120℃以下程度)に温度を調整して、ビストリメチルシリルスルフィドを注入すると、数秒程度で溶液の色が黄→茶→黒と変化し、PbS量子ドットの合成が進行する。温度、時間、原料組成を変えることで、半導体量子ドットの大きさや発光特性・吸収特性を制御することができる。
また、ドット保持材料22xaは、半導体量子ドット22xdを分散させた形態で保持可能であり、且つ、半導体量子ドット22xdに吸収させる光や半導体量子ドット22xdから放出された光を通過させることができ、且つ、n21<n22<n23を満たす屈折率n21の材料を適宜用いることができる。ドット保持材料22xaには、ドット保持材料11xaに使用可能な材料と同様の材料を用いることができ、ドット保持材料22xaの屈折率n21は、例えば、1.3以上1.6以下とすることができる。
半導体量子ドット含有層22xは、上記方法等によって作製した半導体量子ドット22xdを、ドット保持材料22xaに埋め込むことによって作製することができる。光起電装置20において、半導体量子ドット含有層22xは、反射部23の上に、半導体量子ドット22xdを含む溶液をスピンコート法、ディップコート法、噴霧乾燥法等の公知技術によって塗布した後、乾燥して硬化させる過程を経て作製することができる。
また、希土類蛍光体微粒子22yrには、希土類元素として、Laに加えて、スカンジウムやイットリウム等を1種類又は組み合わせて用いることができる。希土類蛍光体微粒子22yrにおいて、希土類元素は、微粒子状の母材に添加されている。母材には、例えば、フッ化物、酸化物、半導体等を用いることができる。希土類蛍光体微粒子22yrは、希土類蛍光体微粒子11yrと同様の方法によって作製することができる。
また、蛍光体保持材料22yaは、希土類蛍光体微粒子22yrを分散させた形態で保持可能であり、且つ、入射光を希土類蛍光体微粒子22yrへと到達させ希土類蛍光体微粒子22yrから放出された光を光起電部21へと到達させることができ、且つ、n21<n22<n23を満たす屈折率n22の材料を適宜用いることができる。蛍光体保持材料22yaには、蛍光体保持材料11yaに使用可能な材料と同様の材料を用いることができ、蛍光体保持材料22yaの屈折率n22は、例えば、1.3以上1.6以下程度(1.3≦n21<n22≦1.6)とすることができる。
希土類蛍光体含有層22yは、希土類蛍光体微粒子22yrを、蛍光体保持材料22yaに埋め込むことによって作製することができる。光起電装置20において、希土類蛍光体含有層22yは、既に形成された半導体量子ドット含有層22xの上面に、希土類蛍光体微粒子22yrを含む溶液をスピンコート法、ディップコート法、噴霧乾燥法等の公知技術によって塗布した後、乾燥して硬化させる過程を経て作製することができる。
このほか、ガラス原料(SiO、MgF、B等)及びランタノイド酸化物等を原料とし、溶融法等の方法によりガラスを作製し、適正な熱処理等を行って希土類元素イオンを含むフッ化物系微粒子を析出させることにより、希土類蛍光体含有層22yを作製することも可能である。かかる方法で作製する場合、蛍光体保持材料22yaに相当するガラスの屈折率は1.5以上1.8以下程度とすることができる。なお、この形態の希土類蛍光体含有層には、一例として、ガラス中に希土類蛍光体微粒子を析出させて作製された株式会社住田光学ガラス製のYAGLASS等を用いることができる。YAGLASSを用いる場合には、例えば、光起電部の裏面側に、希土類蛍光体微粒子を保持しているYAGLASSのガラスと屈折率が等しい光学用接着剤等を用いてYAGLASSを貼り付けることにより、希土類蛍光体含有層を形成することができる。
光起電装置20に備えられる各層の構成材料の組み合わせ例を以下に示す。半導体量子ドット22xdの構成材料をB1、ドット保持材料22xaをB2、希土類蛍光体微粒子22yrの希土類元素をB3、当該希土類元素が添加される母材をB4、蛍光体保持材料22yaをB5、光起電部21で光電変換する半導体材料をB6とするとき、光起電装置20に備えられる各層には、例えば、(B1、B2、B3、B4、B5、B6)=(PbS、フッ素樹脂、Er及びYb、PbF、シリケートガラス、InGaP)、(銅系化合物量子ドット、フッ素樹脂、Er及びYb、Y、アクリル樹脂、ZnOS)を用いることができる。
3.第3実施形態
図8は、第3実施形態にかかる本発明の光利用装置30を説明する図である。図8において、光利用装置30へと入射する光は、紙面上側から下側へ向かって進む。また、図8において、光起電装置10と同様の構成には、図1で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
図8に示したように、光利用装置30は、入射光の進行方向上流側から順に、波長変換部11及び光利用部31を備え、光利用部31には、入射光及び波長変換部11で波長を変換された光を集め放出するレンズが含まれている。すなわち、光利用装置30は、光起電装置10の光起電部12に代えて光利用部31を配置した構成となっている。光利用装置30は、半導体量子ドット含有層11x及び希土類蛍光体含有層11yを有する波長変換部11を備えているので、半導体量子ドット含有層11x及び希土類蛍光体含有層11yのそれぞれにおいて最適な材料・製造プロセスを適用することが可能である。また、光利用装置30では、蛍光体保持材料11yaの屈折率が、ドット保持材料11xaの屈折率よりも大きく、且つ、光利用部31のレンズの屈折率よりも小さくなるように、材料を選択している。それゆえ、波長変換部11から放出された光の多くを光利用部31へと入射させることができ、その結果、波長変換部11の機能を十分に活かすことが可能になる。
光利用装置30において、光利用部31は、希土類蛍光体含有層11yから発光された光を集めた後放出することで、光源として利用することができる。そのような物としては、高屈折率樹脂又はガラスによるレンズ体等が利用できる。
4.第4実施形態
図9は、第4実施形態にかかる本発明の光利用装置40を説明する図である。図9において、光利用装置40へと入射する光は、紙面上側から下側へ向かって進む。また、図9において、光起電装置20と同様の構成には、図6で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
図9に示したように、光利用装置40は、入射光の進行方向上流側から順に、光利用部41と、波長変換部22と、光反射部23と、を備え、光利用部41には、入射光及び波長変換部22で波長を変換された光を集め放出するレンズが含まれている。すなわち、光利用装置40は、光起電装置20の光起電部21に代えて光利用部41を配置した構成となっている。光利用装置40は、半導体量子ドット含有層22x及び希土類蛍光体含有層22yを有する波長変換部22を備えているので、半導体量子ドット含有層22x及び希土類蛍光体含有層22yのそれぞれにおいて最適な材料・製造プロセスを適用することが可能である。また、光利用装置40では、蛍光体保持材料22yaの屈折率が、ドット保持材料22xaの屈折率よりも大きく、且つ、光利用部41のレンズの屈折率よりも小さくなるように、材料を選択している。それゆえ、波長変換部22から放出された光の多くを光利用部41へと入射させることができ、その結果、波長変換部22の機能を十分に活かすことが可能になる。
光利用装置40において、光利用部41は、希土類蛍光体含有層22yから発光された光を集めた後放出することで、光源として利用することができる。そのような物としては、高屈折率樹脂又はガラスによるレンズ体等が利用できる。
また、本発明に関する上記説明では、複数の希土類蛍光体微粒子が蛍光体保持材料に埋め込まれている希土類蛍光体含有層が用いられる形態を例示したが、本発明は当該形態に限定されない。本発明で用いられる希土類蛍光体含有層は、希土類元素が膜状の母材に添加された形態(母材の一部が希土類元素イオンによって置換された形態)であっても良い。このような希土類蛍光体含有層は、希土類元素を含む母材自体が希土類蛍光体含有層として機能することができ、例えば、MOD(Metal Organic Decomposition)法等によって作製することができる。当該形態の希土類蛍光体含有層を作製する際には、例えば、母材の有機物(例えば、Y)と希土類元素イオンの発生源(例えば、Er及びYb)とを、質量比で、Y:Er:Yb=89:1:10となるように秤量する。そして、これらを溶媒に入れて混合することにより作製した混合液体を基材上に滴下して、スピンコート法等によって膜状に形成した後、焼成することにより、希土類蛍光体含有層を作製することができる。
本発明の効果を確認するため、半導体量子ドット含有層11x及び希土類蛍光体含有層11yで発生した散乱光の反射率及び透過率を計算した。計算モデルを図10に示す。図10に示したように、空気の屈折率=1、ドット保持材料11xaの屈折率=1.3、蛍光体保持材料11yaの屈折率=1.6とし、半導体量子ドット11xdから、強度I0の光が、入射光とのなす角θで放出されたと仮定して、計算を行った。
以下に、半導体量子ドット11xdから放出された光に関する具体的な計算方法を示す。散乱光の反射率及び透過率は、光学薄膜設計等における一般的な多重反射の計算を用いて算出することができる。なお、半導体量子ドット11xdから放出された光は、図10に定義した角度θの方向へと進行し、半導体量子ドット含有層11xと希土類蛍光体含有層11yとの界面や、半導体量子ドット含有層11xと空気層との界面で、透過又は反射する。今回の計算では、各層内や界面での損失等はなく、多重反射を繰り返すと仮定した。また、扱う光は無偏光とし、多重反射による位相ずれ等は無視できるとした。
半導体量子ドット含有層11xから希土類蛍光体含有層11yへと向かう光の反射率をR(θ)、半導体量子ドット含有層11xから空気層へと向かう光の反射率をR’(θ)、i回目に半導体量子ドット含有層11xから希土類蛍光体含有層11yに入射して透過する光をTi、量子ドット含有層11xから空気層に透過する光をTi’とするとき、0°≦θ<90°の場合に、半導体量子ドット含有層11xから希土類蛍光体含有層11yへと透過する光の合計TQD→REは、無限級数を用いて次のように表せる。
Figure 2013157463
同様にして、0°≦θ<90°の場合に、半導体量子ドット含有層11xから空気層へと透過する光の合計TQD→airは、次のように表せる。
Figure 2013157463
また、90°<θ≦180°の場合においても、同様の計算から、TQD→RE及びTQD→airは、次のように表せる。
Figure 2013157463
以上の計算から算出した、TQD→RE及びTQD→airの結果を図11に示す。図11の縦軸は透過率、横軸はθ[°]である。図11に示したように、0°≦θ<130°の範囲では、半導体量子ドット11xdで発生させた光を、半導体量子ドット含有層11xから希土類蛍光体含有層11yへ透過させることが可能であることが分かる。また、半導体量子ドット11xdに吸収されない光は、θが90°以上になることは有り得ないため、波長変換部11は、希土類蛍光体含有層11yへの十分な透過率を確保できていると考えられる。
以下同様にして、希土類蛍光体微粒子11yrから放出された光のうち、希土類蛍光体含有層11yから半導体量子ドット含有層11xへと透過する光の合計TRE→QD、及び、希土類蛍光体含有層11yから光起電部12へと透過する光の合計TRE→SCを計算した。結果を図12に示す。図12の縦軸は透過率、横軸はθ[°]である。
図11及び図12を、全角度にわたって積分し、規格化した。その結果、半導体量子ドット含有層11xから希土類蛍光体含有層11yには、半導体量子ドット11xdから放出された光量の73%を透過させることができ、希土類蛍光体含有層11yから光起電部12には、希土類蛍光体微粒子11yrから放出された光量の67%を透過させることができることが分かった。以下に、計算結果を示す。
<半導体量子ドット含有層11xからの透過率>
∫(TQD→air/I)dθ=27% :空気層への逆流
∫(TQD→RE/I)dθ=73% :希土類蛍光体含有層11yへの入射
<希土類蛍光体含有層11yからの透過率>
∫(TRE→QD/I)dθ=33% :半導体量子ドット含有層11xへの逆流
∫(TRE→SC/I)dθ=67% :光起電部12への入射
10、20…光起電装置
11、22…波長変換部
11x、22x…半導体量子ドット含有層
11xa、22xa…ドット保持材料
11xd、22xd…半導体量子ドット
11y、22y…希土類蛍光体含有層
11ya、22ya…蛍光体保持材料
11yr、22yr…希土類蛍光体微粒子
12、21…光起電部
30、40…光利用装置
31、41…光利用部

Claims (6)

  1. 入射光の進行方向上流側から順に、波長変換部及び光起電部を備え、
    前記波長変換部は、前記入射光の進行方向上流側から順に、半導体量子ドット含有層及び希土類蛍光体含有層を備え、
    前記半導体量子ドット含有層は、半導体量子ドットと、該半導体量子ドットを保持するドット保持材料と、を含み、
    前記希土類蛍光体含有層は、希土類蛍光体と、該希土類蛍光体を保持する蛍光体保持材料と、を含み、
    前記光起電部は、前記入射光及び前記波長変換部で波長を変換された光を光電変換する半導体材料を有し、
    前記蛍光体保持材料の屈折率が、前記ドット保持材料の屈折率よりも大きく、且つ、前記半導体材料の屈折率よりも小さいことを特徴とする、光起電装置。
  2. 前記半導体量子ドットで発生させる光のエネルギーをEQD、前記希土類蛍光体で発生させる光のエネルギーをERP、前記半導体材料のバンドギャップエネルギーをEG、とするとき、EQD≧ERP>EGである、請求項1に記載の光起電装置。
  3. 入射光の進行方向上流側から順に、光起電部、波長変換部、及び、光反射部を備え、
    前記波長変換部は、前記入射光の進行方向上流側から順に、希土類蛍光体含有層及び半導体量子ドット含有層を備え、
    前記希土類蛍光体含有層は、希土類蛍光体と、該希土類蛍光体を保持する蛍光体保持材料と、を含み、
    前記半導体量子ドット含有層は、半導体量子ドットと、該半導体量子ドットを保持するドット保持材料と、を含み、
    前記光起電部は、前記入射光及び前記波長変換部で波長を変換された光を光電変換する半導体材料を有し、
    前記蛍光体保持材料の屈折率が、前記ドット保持材料の屈折率よりも大きく、且つ、前記半導体材料の屈折率よりも小さいことを特徴とする、光起電装置。
  4. 前記半導体量子ドットで発生させる光のエネルギーをEQD、前記希土類蛍光体で発生させる光のエネルギーをERP、前記半導体材料のバンドギャップエネルギーをEG、とするとき、EQD<EG≦ERPである、請求項3に記載の光起電装置。
  5. 入射光の進行方向上流側から順に、波長変換部及び光利用部を備え、
    前記波長変換部は、前記入射光の進行方向上流側から順に、半導体量子ドット含有層及び希土類蛍光体含有層を備え、
    前記半導体量子ドット含有層は、半導体量子ドットと、該半導体量子ドットを保持するドット保持材料と、を含み、
    前記希土類蛍光体含有層は、希土類蛍光体と、該希土類蛍光体を保持する蛍光体保持材料と、を含み、
    前記光利用部は、前記入射光及び前記波長変換部で波長を変換された光を集め放出するレンズを有し、
    前記蛍光体保持材料の屈折率が、前記ドット保持材料の屈折率よりも大きく、且つ、前記レンズの屈折率よりも小さいことを特徴とする、光利用装置。
  6. 入射光の進行方向上流側から順に、光利用部、波長変換部、及び、光反射部を備え、
    前記波長変換部は、前記入射光の進行方向上流側から順に、希土類蛍光体含有層及び半導体量子ドット含有層を備え、
    前記希土類蛍光体含有層は、希土類蛍光体と、該希土類蛍光体を保持する蛍光体保持材料と、を含み、
    前記半導体量子ドット含有層は、半導体量子ドットと、該半導体量子ドットを保持するドット保持材料と、を含み、
    前記光利用部は、前記入射光及び前記波長変換部で波長を変換された光を集め放出するレンズを有し、
    前記蛍光体保持材料の屈折率が、前記ドット保持材料の屈折率よりも大きく、且つ、前記レンズの屈折率よりも小さいことを特徴とする、光利用装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN115448613A (zh) * 2022-09-16 2022-12-09 常州亚玛顿股份有限公司 一种高透高稳定性光转换镀膜玻璃及其制备方法

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