JP2013156695A - 充電スタンド単価策定システムおよび充電スタンド単価策定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 経費や利用者数などから適切な単価を柔軟に策定することが可能な充電スタンド単価策定システムおよび充電スタンド単価策定方法を提供する。
【解決手段】 所定期間の充電スタンド200ごとの利用台数などの利用情報を記憶する利用情報記憶手段12と、充電スタンド200ごとの契約単価や充電電力量などの電気料金情報を記憶する電気料金情報記憶手段13と、充電スタンド200ごとの運営に要する経費情報を記憶する経費情報記憶手段14と、利用情報と、電気料金情報と、経費情報とにもとづいて、充電スタンド200ごとおよびすべての充電スタンド200の利益を算出する利益算出タスク15と、利益算出タスク15で算出した充電スタンド200ごとおよびすべての充電スタンド200の利益が最大となるように共通単価Xを策定する共通単価策定タスク16と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 所定期間の充電スタンド200ごとの利用台数などの利用情報を記憶する利用情報記憶手段12と、充電スタンド200ごとの契約単価や充電電力量などの電気料金情報を記憶する電気料金情報記憶手段13と、充電スタンド200ごとの運営に要する経費情報を記憶する経費情報記憶手段14と、利用情報と、電気料金情報と、経費情報とにもとづいて、充電スタンド200ごとおよびすべての充電スタンド200の利益を算出する利益算出タスク15と、利益算出タスク15で算出した充電スタンド200ごとおよびすべての充電スタンド200の利益が最大となるように共通単価Xを策定する共通単価策定タスク16と、を備える。
【選択図】 図2
Description
この発明は、複数の電気自動車の充電スタンドの共通単価を策定する充電スタンド単価策定システムおよび充電スタンド単価策定方法に関する。
電気自動車の開発や普及促進が進み、電気自動車の登録台数は増加傾向にあり、今後も増加するものと考えられる。このような電気自動車は、自宅や会社などの駐車場に充電器を設置し、帰宅後や外出前にバッテリを充電するようになっている。バッテリでの走行可能距離は限られているため、買い物や通勤などのように走行距離が短い日常的な使用においては、1回の充電で目的地まで往復することが可能であるが、旅行などのように走行距離が長くなる場合においては、1回の充電で目的地まで往復することができない。
このような場合は、高速道路のサービスエリアやショッピングセンターなどに設置された充電器(充電スタンド)でバッテリを充電することにより、長距離を走行可能となる。ところが、このような充電スタンドは、ガソリンスタンドに比べて数が少ないため、電気自動車での長距離走行には利便性上の課題がある。
ところで、家に設置されている充電装置と、スーパーなどに設置された充電装置とから充電を行った場合について、電力会社の料金計算システム内で各世帯に一括して精算できるようなシステムに関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、利用者単位での課金を行う充電サービスシステム、充電サービスステーション及び電気自動車に関する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、住宅や店舗あるいは事務所などに設置されているアウトレットから給電を受ける場合においても移動体の所有者に対して直接課金することができる移動体用電力料金課金システムに関する技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
電力会社は電気の需要場所である充電器設置場所(充電スタンドのサービス提供事業者)と電力供給契約を締結するために、充電スタンドでは1ヶ月分の電力料金を基礎として一律の充電料金(単価)を設定することになる。このため、利用者数に応じて充電料金を変更することが困難であった。また、充電スタンドの設置には、充電器の購入代金をはじめとして土地代、人件費など多額の費用を要する。そこで、ユーザおよび事業者の双方にとって利益を享受できるようなシステムが望まれる。
この発明の目的は、前記の課題を解決し、経費や利用者数などから適切な単価を柔軟に策定することが可能な充電スタンド単価策定システムおよび充電スタンド単価策定方法を提供することにある。
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の電気自動車の充電スタンドの共通単価を策定する充電スタンド単価策定システムであって、所定期間の前記充電スタンドごとの利用台数などの利用情報を記憶する利用情報記憶手段と、前記充電スタンドごとの契約単価や充電電力量などの電気料金情報を記憶する電気料金情報記憶手段と、前記充電スタンドごとの運営に要する経費情報を記憶する経費情報記憶手段と、前記利用情報と、前記電気料金情報と、前記経費情報とにもとづいて、前記充電スタンドごとおよびすべての前記充電スタンドの利益を算出する利益算出手段と、前記利益算出手段で算出した前記充電スタンドごとおよびすべての前記充電スタンドの利益が最大となるように前記共通単価を策定する共通単価策定手段と、を備えることを特徴とする充電スタンド単価策定システムである。
請求項1の発明では、利用情報と、電気料金情報と、経費情報とにもとづいて、充電スタンドごとおよびすべての充電スタンドの利益が算出され、算出した充電スタンドごとおよびすべての充電スタンドの利益が最大となるように共通単価が策定される。
請求項2の発明は、複数の電気自動車の充電スタンドの共通単価を策定する充電スタンド単価策定方法であって、所定期間の前記充電スタンドごとの利用台数などの利用情報を記憶し、前記充電スタンドごとの契約単価や充電電力量などの電気料金情報を記憶し、前記充電スタンドごとの運営に要する経費情報を記憶し、前記利用情報と、前記電気料金情報と、前記経費情報とにもとづいて、前記充電スタンドごとおよびすべての前記充電スタンドの利益を算出し、算出した前記充電スタンドごとおよびすべての前記充電スタンドの利益が最大となるように前記共通単価を策定する、ことを特徴とする充電スタンド単価策定方法である。
請求項1および2に記載の発明によれば、利用情報と、電気料金情報と、経費情報とにもとづいて、充電スタンドごとおよびすべての充電スタンドの利益が算出され、その利益が最大となるように共通単価が策定される。つまり、適切な単価を柔軟に策定することが可能である。
また、経費情報を反映して単価が策定されるので、充電スタンドのサービス提供事業者にとっては、充電スタンドを設置や運営に要する費用を回収し易くなる。ユーザにとっては、利用台数などの利用情報を反映して単価が策定されるので、利用状況に応じて柔軟に単価が定められれば、料金的な恩恵を受け易くなる。
以下、この発明の実施の形態に基づいて説明する。
図1ないし図15は、この発明の実施の形態を示している。充電スタンド単価策定システム1は、図1に示すように、電気自動車充電料金管理センタ(以下、単に「管理センタ」)100に設置され、充電スタンド200と、利用者300と、電力会社400と、通信網NWを介して有線または無線で通信可能に接続されている。
管理センタ100は、充電スタンド200の利用者300へ使用した充電料金を請求したり、充電スタンド200の使用電力料金を電力会社400に支払ったりするものであり、後述する充電スタンド単価策定システム1を処理する機能を有するコンピュータ装置が設置されている。
ここで、この充電スタンド単価策定システム1を利用した充電スタンド200の充電サービスにおいては、利用者300が各充電スタンド200で充電サービスの提供を受けると(充電すると)、例えば1ヶ月ごとに、各充電スタンド200で充電した充電料金をまとめて請求されるようになっている。すなわち、充電スタンド200と利用者300との間で充電料金の収受が直接行われないようになっている。
充電スタンド200は、電気自動車を充電するための充電器を設置し、利用者300に充電サービスを提供するものである。充電スタンド200の各充電器は、利用者300を識別するIDを取得可能な、例えばICカード読み取り装置を備えており、管理センタ100に充電スタンド200を利用した利用者300に関する利用情報などのデータを送信する。ここで、利用情報とは、充電スタンドIDと充電器IDと利用者のIDと充電量と充電日時などのことである。
利用者300は、充電スタンド200の利用者であり、充電スタンド200の充電器にICカードなどの会員証などで利用者を識別するIDを通知して、充電サービスの提供を受ける。そして、利用者300が充電スタンド200で充電を行うと後日管理センタ100からの請求に基づいて充電料金を支払う。
電力会社400は、充電スタンド200に対して契約にもとづいて電力を供給するものである。また、電力会社400は、各充電スタンド200の充電器以外の例えば照明などの使用電力料金を各充電スタンド200に請求し、充電器の使用電力料金をまとめて管理センタ100に請求するようになっている。
充電スタンド単価策定システム1は、図2に示すように、主として通信部11と、利用情報記憶手段としての利用情報データベース12aと、電気料金情報記憶手段としての電気料金情報データベース13aと、経費情報記憶手段としての経費情報データベース14aと、利益算出手段としての利益算出タスク15と、共通単価策定手段としての共通単価策定タスク16と、これらの制御などを行う制御部10とを備えている。
通信部11は、通信網NWを経由したデータ通信を可能にし、充電スタンド200、電力会社400とデータなどの送受信を行うものである。具体的には、充電スタンド200については、共通単価Xを送信し、各充電スタンド200の充電器の利用情報を受信する。また、電力会社400については、各充電スタンド200の充電電力料金を送信する。
記憶部(図示略)は、充電スタンド単価策定システム1に必要な各種データやプログラム、タスクを記憶しており、例えば、各充電スタンド200から送信される利用情報を記憶可能となっている。
また、記憶部には、利用情報記憶手段12として、所定期間の前記充電スタンドごとの利用台数などの利用情報を利用情報データベース12aとして格納している。図3および図8に示すように、利用情報データベース12aには、充電スタンド200を識別する充電スタンドID121ごとに、設置台数122、契約電力123、単価124、基本料金125およびその他126が記憶されている。設置台数122には、その充電スタンド200に設置されている充電器の台数が記憶されており、例えばA店では10台と記憶されている。契約電力123(図8におけるa)には、充電器の台数などに応じて決定された電力会社400との契約電力(kW)が記憶され、例えばA店は300kWと記憶される。単価124(図8におけるb)には、契約電力もとづいた単価が記憶され、例えばA店は1,653.75円と記憶される。基本料金125(図8におけるc)には、その基本料金が記憶され、例えばA店は421,706円と記憶される。ここで、各充電スタンド200と電力会社400との契約は、業務用の高圧契約となっている。そして、電力料金は契約電力ごとの基本料金+使用量に応じた電気料金で算出される。これらの利用情報データベース12aのデータは、各充電スタンド200と電力会社400とが新規に契約した際に登録され、変更した際に更新される。
また、記憶部には、電気料金情報記憶手段13として、充電スタンドごとの契約単価や充電電力量などの電気料金情報を電気料金情報データベース13aに格納している。図4および図8に示すように、電気料金情報データベース13aには、充電スタンド200を識別する充電スタンドID131ごとに、利用台数132、使用量133、単価134、電気料金135、電力料金(請求金額)136、総合単価137が記憶されている。利用台数132(図8におけるd)には、その充電スタンド200の充電器の1台当たりの1日平均利用台数(利用者数)が記憶され、例えばA店の1週間目は6台と記憶される。この利用台数132は、所定期間、すなわち、共通単価を前回策定した日付以降の期間における1日平均利用台数(利用者数)である。使用量133(図8におけるe)には、その充電スタンド200のすべての充電器の使用量、すなわち販売した充電量(kWh)が記憶され、例えばA店の1週間目は45,000kwと記憶される。単価134(図8におけるf)には、共通単価が記憶され、例えばA店の1週間目は12.33円と記憶される。電気料金135(図8におけるg)には、その充電スタンド200の電気料金(使用量133×単価134)が記憶され、例えばA店の1週間目は554,850円と記憶される。電力料金(請求金額)136(図8におけるh)には、その充電スタンド200の電力料金(基本料金125+電気料金135)が記憶され、例えばA店の1週間目は976,556円と記憶される。総合単価137(図8におけるi)には、その充電スタンド200の単価(電力料金136÷使用量133)が記憶され、例えばA店の1週間目は21.7円と記憶される。これらの電気料金情報データベース13aのデータは、充電器で充電されるごとに更新され、後述する共通単価策定タスク16で共通単価を策定するごとにクリアされるようになっている。
さらに、記憶部には、経費情報記憶手段14として、充電スタンドごとの運営に要する経費情報を経費情報データベース14aに格納している。図5および図8に示すように、経費情報データベース14aには、充電スタンド200を識別する充電スタンドID141ごとに、電力料金(請求金額)142、人件費143、敷地料144、光熱費145、減価償却費146、経費合計147が記憶されている。電力料金(請求金額)142(図8におけるl)には、電気料金情報データベース13aの電力料金(請求金額)136(図8におけるh)が記憶されると同時に同じ値が記憶され、例えばA店の1週間目は976,556円と記憶される。つまり、所定期間ごとに電力料金が算出されたタイミングで記憶される。人件費143(図8におけるm)には、その充電スタンド200の運営に要する人件費が記憶され、例えばA店は30,000円と記憶される。敷地料144(図8におけるn)には、借地料などその充電スタンド200の使用に要する費用が記憶され例えばA店は100,000円と記憶される。光熱費145(図8におけるo)には、水道代金などの光熱費が記憶され、例えばA店は5,000円と記憶される。減価償却費146(図8におけるp)には、その充電スタンド200に設置されているすべての充電器の減価償却費の合計額が記憶され、例えばA店は42,000円と記憶される。ここで、急速充電タイプの充電器の償却期間は12年である。これらの人件費143および敷地料144、光熱費145、減価償却費146は、予め設定されている定数であり、変更がない限り更新されることがない。経費合計147(図8におけるq)は、これらの経費142〜146の合計額が記憶され、例えばA店は1,153,556円と記憶される。これらの経費情報データベース14aのデータは、経費が更新されるごとに更新され、後述する利益算出タスク15で利益を算出するごとにクリアされるようになっている。
さらに、記憶部には、共通単価X(図8におけるX)を記憶している。この共通単価Xは、後述する共通単価策定タスク16で策定され、記憶されたものであり、初回は国内販売の予想価格や、近隣の他の充電スタンド200の料金などにもとづいて設定されるようになっている。
さらにまた、記憶部には、充電スタンド200ごとの売上(図8におけるj)と電気代のみの収支(図8におけるk)、店舗別経常利益(図8におけるr)やすべての充電スタンド200の全店総合利益(図8におけるY)などが記憶されている。売上には、電気料金情報データベース13aの使用量133×共通単価Xで算出された金額が記憶されている。電気代のみの収支は、売上−電気料金情報データベース13aの電力料金(請求金額)136で算出された金額が記憶されている。すなわち、電気代のみの収支は、経費などを考慮せずに電気代のみで収支を算出したものである。
制御部10には、所定期間ごと、例えば1ヶ月ごとに、図6に示すような処理を行うタスクを起動するように設定されている。
利益算出タスク15は、利用情報データベース12aの利用情報と、電気料金情報データベース13aの電気料金情報と、経費情報データベース14aの経費情報とにもとづいて、充電スタンド200ごとおよびすべての充電スタンド200の利益を算出する機能を有するプログラム、タスクである。
利益算出タスク15は、具体的には、まず、充電スタンド200ごとに、電気料金情報データベース13aの使用量133と、この期間の共通単価Xとから売上を算出して、算出した売上と電力料金(請求金額)136とから電気代のみの収支を算出し、これらを記憶部に記憶する。
そして、経費情報データベース14aの経費142〜146から合計額を算出して、経費合計147に記憶する。そして、充電スタンド200ごとの経常利益(店舗別経常利益)を算出する。この店舗別経常利益は、充電スタンド200ごとに売上−経費合計147によって算出する。さらに、算出した店舗別経常利益にもとづいて、例えば「◎」、「〇」、「△」、「×」などと判定して店舗別経常利益の数値とともに記憶部に記憶する。具体的には、店舗別経常利益がプラス(黒字)の場合は「○」とし、特に電気代のみの収支に対する割合が所定値以上の場合は「◎」とし、電気代のみの収支に対する割合が所定値以下の場合は「△」とし、マイナス(赤字)の場合は「×」とする。
次に、店舗別経常利益にもとづいて全店(すべての充電スタンド200)の総合利益(全店総合利益)を算出する。この全店総合利益は、記憶部に記憶しているすべての充電スタンド200の売上−すべての充電スタンド200の経費合計147によって算出する。さらに、算出した全店総合利益にもとづいて、例えば「◎」、「〇」、「△」、「×」などと判定して全店総合利益の数値とともに記憶部に記憶する。具体的には、全店総合利益がプラス(黒字)の場合は「○」とし、特に電気代のみの収支に対する割合が所定値以上の場合は「◎」とし、電気代のみの収支に対する割合が所定値以下の場合は「△」とし、マイナス(赤字)の場合は「×」とする。
共通単価策定タスク16は、利益算出タスク15で算出した充電スタンド200ごとの店舗別経常利益およびすべての充電スタンド200の全店総合利益が最大(適正)となるように共通単価Xを策定する機能を有するプログラム、タスクである。
共通単価策定タスク16は、具体的には、例えばすべての充電スタンド200の全店総合利益が「△」または「×」の場合は、利用台数が増えるようにするために共通単価Xを下げて集客力の向上を図る。また、すべての充電スタンド200の全店総合利益が「◎」の場合は、さらに利益が増えるように共通単価Xを上げる。このとき、電気料金情報データベース13aの総合単価137を下回らないようにするとともに、店舗別経常利益がマイナスとならないようにする。具体的には以下のような条件にもとづいて単価を策定する。
共通単価Xを下げるか否かの判定基準は、(A1)店舗別経常利益が「×」の店舗がある、(A2)店舗別経常利益が「〇」、「◎」の店舗がある、これらのいずれをも満たしている場合に、共通単価Xを下げると判断する。つまり、店舗別経常利益が「×」の店舗の利用台数を増やして黒字化を図る必要がある場合である。その他、(A1)に替えて、例えば記憶部に1日平均充電器1台利用台数の目標値が設定されており、その目標値を達成するために1日平均充電器1台利用台数を増やしたい場合や、利用者300に利益を還元したい場合には共通単価Xを下げると判断する。そして、共通単価Xを下げると判断した場合は、新しい単価を策定する。
ここで、新しい共通単価Xの策定は、過去の共通単価Xの変動と、店舗別経常利益の変動および全店総合利益の変動などの履歴から、単価変更後の店舗別経常利益が適切になるように策定する。すなわち、例えば、店舗別経常利益が「×」の店舗の店舗別経常利益がプラスとなり、他の店舗の店舗別経常利益の下げ幅が小さくなるように共通単価Xを策定する。
また、(A1)と(A2)とを両方満たしていない場合は、共通単価Xを下げられないと判断し、共通単価Xを据え置く。
共通単価Xを上げるか否かの判断基準は、(B1)全店総合利益が「〇」、「◎」である、(B2)店舗別経常利益が「×」、「△」の店舗がない、これらのいずれをも満たしている場合に、共通単価Xを上げると判断する。つまり、全店総合利益が「〇」、「◎」であり、価格競争力があり共通単価Xを上げても支障がないと判断できる場合である。また、(B1)と(B2)とを両方満たしていない場合は、共通単価Xを下げられないと判断し、共通単価Xを据え置く。
このようにして、利益算出タスク15で算出した充電スタンド200ごとの店舗別経常利益およびすべての充電スタンドの全店総合利益にもとづいて共通単価Xを策定して、各充電スタンド200に通知し、このタスクの処理を終了する。この利益算出タスク15および共通単価策定タスク16は、制御部10によって図6に示すフローの処理において起動されるように制御されている。この処理は所定期間ごとなどの設定されたタイミングで、ここでは、1週間ごとに起動するように設定されている。
すなわち、制御部10によって図6に示すフローの処理が起動されると、まず、利用情報データベース12aから利用者情報を取得し(ステップS1)、電気料金情報データベース13aから電気料金情報を取得し(ステップS2)、経費情報データベース14aから経費情報を取得する(ステップS3)。そして、利益算出タスク15を起動し(ステップS4)、共通単価策定タスク16を起動する(ステップS5)。
このようにして、1週間ごとに共通単価Xが策定される。
次に、このような構成の充電スタンド単価策定システム1における充電スタンドの共通単価Xの策定方法および作用について図7〜図15にもとづいて説明する。
充電スタンド単価策定システム1の導入時は、全国の販売予想単価や近隣地域の販売予想単価にもとづいて共通単価Xが策定されて、管理センタ100から充電スタンド200に通知される。ここでは、初回の共通単価Xは25円/kWとされる。
利用者300が充電スタンド200で充電を行う際は、図7に示すように、ICカードの会員証などで利用者を識別するIDが通知されて、充電が行われる。充電が終了すると、充電スタンド200から利用者300に充電量が通知されるとともに、管理センタ100に利用情報が送信される。このとき、電気料金情報データベース13aは利用情報にもとづいてリアルタイムに更新されている。
そして、所定期間ごとなどの設定されたタイミングで、ここでは、1週間ごとに、図6に示すフローの処理を行うように制御部10に設定されており、利益算出タスク15および共通単価策定タスク16が起動される。つまり、1週間ごとに処理が行われて、共通単価Xが変更されるものとする。
まず、ステップS1〜S3において、利用者情報と、電気料金情報と、経費情報とが取得される。
次に、ステップS4において、利益算出タスク15で店舗別経常利益と全店総合利益が算出され、ステップS5において、共通単価策定タスク16で共通単価Xが策定される。ここで、利益算出タスク15と共通単価策定タスク16における共通単価Xの策定について具体的に説明する。
図8および図15に示すように充電スタンド単価策定システム1の導入時(初回)は、全国の販売予想単価や近隣地域の販売予想単価にもとづいて共通単価Xが25円/1kWhと策定される。ここでは、充電器の設置台数は、A店が10台、B店が7台、C店が4台、D店が2台とする。また、業務用の特別高圧契約の契約電力aおよび基本料金cは、A店が300kw、421,706円、B店が200kW、281,138円、C店が100kW、140,569円、D店が50kW、70,284円であるものとする。また、単価bは全店共通で1653.75円である。さらに、経費の人件費m、敷地料n、光熱費oは全店共通で、30,000円、100,000円、5,000円であり、減価償却費pは、A店が42,000円、B店が29,000円、C店が17,000円、D店が8,300円とする。
最初の1週間における1日平均充電器1台利用台数dは、A店が6台、B店が12台、C店が6台、D店が12台である。そして、各充電スタンド200において充電器で充電されるごとに、使用量eと単価fから電気料金gが算出され、電気料金gと基本料金cとから電気料金(請求金額)hが算出される。さらに、電気料金(請求金額)hと使用量eから充電スタンドごとの総合単価iが算出される。総合単価iは、A店が21.7円、B店が16.8円、C店が20.1円、D店が16.2円と算出される。
さらに、利益算出タスク15によって、使用量eと共通単価Xから売上jが算出され、売上jと電気料金(請求金額)hから電気代のみの収支kが算出される。そして、電気料金(請求金額)h、人件費m、敷地料n、光熱費o、減価償却費pから経費合計qが算出される。そして、売上jと経費合計qから店舗別経常利益rが算出されて、全店総合利益Yが算出される。すなわち、店舗別経常利益rは、A店が−28,556円(「×」)、B店が353,073円(「〇」)、C店が−64,509円(「×」)、D店が14,476円(「〇」)と算出され、全店総合利益Yが274,483円(「△」)と算出される。
つづいて、共通単価策定タスク16によって、共通単価Xが策定される。この場合は、店舗別経常利益rは、A店、C店がマイナス(「×」)であり、B店、D店がプラス(「〇」)であり、(A1)および(A2)の両方を満たすので共通単価Xを下げて24円と策定される。
このようにして策定された共通単価Xは、図7に示すように管理センタ100から充電スタンド200に通知される。
図9および図15に示すように2週目(2回目)は、初回で策定された共通単価X24円/1kWhで、各充電スタンド200において充電サービスが提供される。2週間目における1日平均充電器1台利用台数dは、A店が6台、B店が12台、C店が6台、D店が12台であった。そして、利益算出タスク15によって、店舗別経常利益rは、A店が−73,556円(「×」)、B店が290,073円(「△」)、C店が−82,509円(「×」)、D店が−3,524円(「×」)と算出され、全店総合利益Yが130,483円(「×」)と算出される。
つづいて、共通単価策定タスク16によって、店舗別経常利益rは、B店を除く、A店、C店、D店がマイナス(「×」)であり、(A1)および(A2)の両方を満たさないので共通単価Xは下げずに24円(据え置き)と策定されて、充電スタンド200に通知される。
図10および図15に示すように3週目(3回目)は、2週目(2回目)で策定された共通単価X24円/1kWhで、各充電スタンド200において充電サービスが提供され、3週間目における1日平均充電器1台利用台数dは、A店が10台、B店が16台、C店が10台、D店が16台であった。そして、利益算出タスク15によって、店舗別経常利益rは、A店が276,544円(「〇」)、B店が535,143円(「〇」)、C店が57,531円(「〇」)、D店が66,496円(「〇」)と算出され、全店総合利益Yが935,713円(「〇」)と算出される。
つづいて、共通単価策定タスク16によって、店舗別経常利益rは、全店がプラス(「〇」)であり、(A1)および(A2)の両方を満たしていないが、1日平均充電器1台利用台数を増やすために共通単価Xが下げられて23円と策定されて、充電スタンド200に通知される。
図11および図15に示すように4週目(4回目)は、3週目(3回目)で策定された共通単価X23円/1kWhで、各充電スタンド200において充電サービスが提供される。4週間目における1日平均充電器1台利用台数dは、A店が10台、B店が16台、C店が10台、D店が16台であった。そして、利益算出タスク15によって、店舗別経常利益rは、A店が201,544円(「△」)、B店が451,143円(「△」)、C店が27,531円(「△」)、D店が42,496円(「△」)と算出され、全店総合利益Yが722,713円(「△」)と算出される。
つづいて、共通単価策定タスク16によって、店がプラスマイナス0(「△」)であり、(A1)および(A2)の両方を満たさないので共通単価Xは下げずに23円(据え置き)と策定されて、充電スタンド200に通知される。
図12および図15に示すように5週目(5回目)は、4週目(4回目)で策定された共通単価X23円/1kWhで、各充電スタンド200において充電サービスが提供され、5週間目における1日平均充電器1台利用台数dは、A店が14台、B店が20台、C店が14台、D店が20台であった。そして、利益算出タスク15によって、店舗別経常利益rは、A店が521,644円(「〇」)、B店が675,213円(「〇」)、C店が155,571円(「〇」)、D店が106,516円(「〇」)と算出され、全店総合利益Yが1,458,943円(「〇」)と算出される。
つづいて、共通単価策定タスク16によって、店舗別経常利益rは、全店がプラス(「〇」)であり、(A1)および(A2)の両方を満たさないので共通単価Xは下げずに23円(据え置き)と策定されて、充電スタンド200に通知される。
図13および図15に示すように6週目(6回目)は、5週目(5回目)で策定された共通単価X23円/1kWhで、各充電スタンド200において充電サービスが提供される。6週間目における1日平均充電器1台利用台数dは、全店で20台であった。そして、利益算出タスク15によって、店舗別経常利益rは、A店が1,001,794円(「〇」)、B店が675,213円(「〇」)、C店が347,631円(「〇」)、D店が106,516円(「〇」)と算出され、全店総合利益Yが2,131,153円(「◎」)と算出される。
つづいて、共通単価策定タスク16によって、店舗別経常利益rは、全店がプラス(「〇」)であり、(B1)および(B2)の両方を満たすので共通単価Xが上げられて24円と策定されて、充電スタンド200に通知される。
図14および図15に示すように7週目(7回目)は、6週目(6回目)で策定された共通単価X24円/1kWhで、各充電スタンド200において充電サービスが提供され、7週間目における1日平均充電器1台利用台数dは、全店で20台であった。そして、利益算出タスク15によって、店舗別経常利益rは、A店が1,151,794円(「◎」)、B店が780,213円(「◎」)、C店が407,631円(「◎」)、D店が136,516円(「◎」)と算出され、全店総合利益Yが2,476,153円(「◎」)と算出される。
つづいて、共通単価策定タスク16によって、店舗別経常利益rは、全店がプラス(「◎」)であり、(A1)および(A2)の両方を満たすので共通単価Xが下げられて23円と策定されて、充電スタンド200に通知される。
1週間ごとにこのような処理を繰り返して、充電スタンド200の共通単価Xが策定される。
そして、図7に示すように、例えば1ヶ月に1回、充電スタンド200における充電電力料金が管理センタ100から利用者300に請求され、利用者300から管理センタ100に充電電力料金が支払われる。このとき、利用者300への充電電力料金の請求は、自宅の電力料金の請求と合わせて請求するようになっている。
さらに、管理センタ100から電力会社400にすべての充電スタンド200の充電電力料金がまとめて支払われる。
以上のように、この充電スタンド単価策定システム1によれば、利用情報データベース12aの利用情報と、電気料金情報データベース13aの電気料金情報と、経費情報データベース14aの経費情報とにもとづいて、充電スタンド200ごとの店舗別経常利益およびすべての充電スタンド200の全店総合利益が算出され、その利益が最大となるように共通単価Xが策定される。つまり、適切な共通単価Xを柔軟に策定することが可能である。
また、すべての充電スタンド200の利益が最大となるように共通単価Xを策定するので、各充電スタンド200の利益を上げることができる。つまり、各充電スタンド200でそれぞれ単価を策定する場合に比べても、各充電スタンド200の立地や営業規模などによる集客力の差による利益のバラツキをなくすことができるので、充電スタンド200のサービス提供事業者にとっては、充電スタンド200を設置や運営に要する費用を回収し易くなる。そして、充電スタンド200の設置を促進することが可能となる。
さらに、経費情報データベース14aの経費情報を反映して単価が策定されるので、充電スタンド200のサービス提供事業者にとっては、充電スタンド200を設置や運営に要する費用を回収し易くなる。利用者300にとっては、利用状況に応じて柔軟に共通単価Xが定められることによって、料金的な恩恵を受け易くなる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、1週間ごとに共通単価Xを策定するようにして説明したが、所定期間ごとではなく、例えば各充電スタンド200の1日平均充電器1台利用台数の増減がしきい値を超えた場合、すなわち、利用台数の増減の変動が大きい場合に共通単価Xを策定するために、図6に示すフローの処理を行うように制御部10に設定してもよい。
また、電気料金情報データベース13aを期間ごとに保持し、履歴を残すようにしてもよい。履歴を残すことにより、共通単価Xの変動にともなう電気料金情報データベース13aの傾向を把握することが可能となる。
1 充電スタンド単価策定システム
12 利用情報記憶手段
13 電気料金情報記憶手段
14 経費情報記憶手段
15 利益算出タスク(利益算出手段)
16 共通単価策定タスク(共通単価策定手段)
100 管理センタ
200 充電スタンド
300 利用者
400 電力会社
X 共通単価
12 利用情報記憶手段
13 電気料金情報記憶手段
14 経費情報記憶手段
15 利益算出タスク(利益算出手段)
16 共通単価策定タスク(共通単価策定手段)
100 管理センタ
200 充電スタンド
300 利用者
400 電力会社
X 共通単価
Claims (2)
- 複数の電気自動車の充電スタンドの共通単価を策定する充電スタンド単価策定システムであって、
所定期間の前記充電スタンドごとの利用台数などの利用情報を記憶する利用情報記憶手段と、
前記充電スタンドごとの契約単価や充電電力量などの電気料金情報を記憶する電気料金情報記憶手段と、
前記充電スタンドごとの運営に要する経費情報を記憶する経費情報記憶手段と、
前記利用情報と、前記電気料金情報と、前記経費情報とにもとづいて、前記充電スタンドごとおよびすべての前記充電スタンドの利益を算出する利益算出手段と、
前記利益算出手段で算出した前記充電スタンドごとおよびすべての前記充電スタンドの利益が最大となるように前記共通単価を策定する共通単価策定手段と、
を備えることを特徴とする充電スタンド単価策定システム。 - 複数の電気自動車の充電スタンドの共通単価を策定する充電スタンド単価策定方法であって、
所定期間の前記充電スタンドごとの利用台数などの利用情報を記憶し、
前記充電スタンドごとの契約単価や充電電力量などの電気料金情報を記憶し、
前記充電スタンドごとの運営に要する経費情報を記憶し、
前記利用情報と、前記電気料金情報と、前記経費情報とにもとづいて、前記充電スタンドごとおよびすべての前記充電スタンドの利益を算出し、
算出した前記充電スタンドごとおよびすべての前記充電スタンドの利益が最大となるように前記共通単価を策定する、
ことを特徴とする充電スタンド単価策定方法。
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JP2012014487A JP2013156695A (ja) | 2012-01-26 | 2012-01-26 | 充電スタンド単価策定システムおよび充電スタンド単価策定方法 |
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