JP2013148138A - 遊星軸受構造 - Google Patents

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【課題】遊星歯車と滑り軸受が相対的に回転移動することを防止することが可能な遊星軸受構造を提供することを目的とする。
【解決手段】遊星軸受構造は、軸線周りに形成された開口部26aと、開口部26aの内周面に軸方向に形成された第1溝26bを有する遊星歯車26と、外周面に軸方向に形成された第2溝36aを有し、外周面が遊星歯車26の開口部26aの内周面に接しつつ遊星歯車26の開口部26a内に設置された滑り軸受24と、第1溝26bと第2溝36aが合わさって形成される穴に挿入されるピン41とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、遊星歯車内部に滑り軸受が設置された遊星軸受構造に関するものである。
風力発電設備には変速機が設けられ、変速機は、翼の回転力を発電機の軸に伝達する際、軸の回転数を発電に適した回転数に変換する。変速機には、例えば遊星歯車機構が用いられている。
遊星歯車機構には、太陽歯車、遊星歯車、内歯などが主に設けられる。また、遊星歯車機構は、翼からの回転力を太陽歯車に伝達する主軸と、主軸に接続され主軸の回転駆動力が伝達されるキャリア及び遊星ピンを更に備える。遊星歯車は、キャリア及び遊星ピンによって太陽歯車の周りを公転及び自転可能に支持されている。そのため、遊星歯車と遊星ピンとの間には軸受構造、例えば、ころ軸受や滑り軸受が設けられている。
展建軍、外3名、「軸受外輪クリープの発生メカニズム」、NSK Technical Journal、日本精工株式会社、2006年3月、680号、p.13-18
特開2010−48301号公報
図9に参考例として、風力発電設備における遊星歯車機構の構成を示す。図9の参考例では、遊星歯車26が、主軸29と一体に回転する太陽歯車28と、ハウジング27Aの内周に設けられる内歯27の両者に噛み合い、太陽歯車28の周囲で公転する。遊星歯車26と遊星ピン22との間には、滑り軸受24が設けられる。滑り軸受24は、軸受部35とバックメタル36からなり、バックメタル36が遊星歯車26の開口部26a内に嵌合される。
ところで、遊星歯車26と滑り軸受24は、通常締め代を持たせて焼き嵌めしている。しかし、風力発電設備では、変速機が稼動して、遊星歯車機構における遊星歯車26が公転及び自転すると、遊星歯車26の歯は、図9に示すように、遊星歯車26の公転方向に対して反対方向に太陽歯車28の歯とハウジング27Aの内歯27から負荷を受ける。
図10は、遊星歯車26と遊星歯車26が受ける負荷を模式的に表した図である。遊星歯車26が太陽歯車28の歯とハウジング27Aの内歯27から負荷を受けると、遊星歯車26は、図10の破線に示すように変形する。その結果、遊星歯車26と滑り軸受24のバックメタル36との嵌合面において、両者が相対的に回転移動する相対滑り(クリープ)が生じる。
そして、嵌合面において相対滑りが生じると、遊星歯車26とバックメタル36との間で磨耗が発生し、遊星歯車26やバックメタル36の割れや欠けの原因となる。また、磨耗粉が軸受転走面や歯車噛み合い面に入ると、圧痕を発生させたり、振動の原因となったりするおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遊星歯車と滑り軸受が相対的に回転移動することを防止することが可能な遊星軸受構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の遊星軸受構造は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る遊星軸受構造は、軸線周りに形成された開口部と、前記開口部の内周面に軸方向に形成された第1溝を有する遊星歯車と、外周面に軸方向に形成された第2溝を有し、前記外周面が前記遊星歯車の前記開口部の内周面に接しつつ前記遊星歯車の前記開口部内に設置された滑り軸受と、前記第1溝と前記第2溝が合わさって形成される穴に挿入されるキーとを備える。
この発明によれば、遊星歯車の軸線周りに形成された開口部内に滑り軸受が設置されることによって、遊星歯車と滑り軸受が組み合わされる。このとき、遊星歯車の開口部の内周面と滑り軸受の外周面とは接触している。そして、遊星歯車の開口部の内周面には、軸方向に第1溝が形成され、滑り軸受の外周面には、軸方向に第2溝が形成される。滑り軸受が遊星歯車の開口部内に設置されて、遊星歯車の開口部の内周面と滑り軸受の外周面とが互いに対向する。このとき、第1溝と第2溝が合わさることによって穴が形成され、該穴にキーが挿入される。その結果、遊星歯車の開口部内に設けられた滑り軸受は、キー及び第1溝と第2溝によって遊星歯車に対して固定される。
また、本発明に係る遊星軸受構造は、軸線周りに形成された開口部と、前記開口部の内周面に軸方向に形成された第1凸部又は第1凹部を有する遊星歯車と、外周面に軸方向に形成された前記第1凸部に係合する第2凹部又は前記第1凹部に係合する第2凸部を有し、前記外周面が前記遊星歯車の前記開口部の内周面に接しつつ前記遊星歯車の前記開口部内に設置された滑り軸受とを備える。
この発明によれば、遊星歯車の軸線周りに形成された開口部内に滑り軸受が設置されることによって、遊星歯車と滑り軸受が組み合わされる。このとき、遊星歯車の開口部の内周面と滑り軸受の外周面とは接触している。そして、遊星歯車の開口部の内周面には、軸方向に第1凸部又は第1凹部が形成され、滑り軸受の外輪の外周面には、第1凸部又は第1凹部に対応して軸方向に第2凹部又は第2凸部が形成される。滑り軸受が遊星歯車の開口部内に設置されて、遊星歯車の開口部の内周面と滑り軸受の外周面とが互いに対向する。このとき、第1凸部と第2凹部、又は第1凹部と第2凸部が係合する。その結果、遊星歯車の開口部内に設けられた滑り軸受は、第1凸部と第2凹部、又は第1凹部と第2凸部によって遊星歯車に対して固定される。
上記発明において、前記滑り軸受は、軸部材を受ける軸受部と、前記軸受部の外周に設けられる裏金部とを有し、前記軸受部は、周方向に分割された複数の分割部材からなり、前記分割部材の内周面に合成樹脂層が形成され、前記裏金部は、外周面に前記第2溝が形成され、隣り合う二つの前記分割部材の境界面と前記第2溝とは異なる半径方向の位置に設けられてもよい。
この発明によれば、滑り軸受の軸受部が分割部材からなり、内周面には合成樹脂層が形成されていることから、軸部材を受ける部分の摩擦係数を低減できる。また、隣り合う分割部材の境界面は、裏金部の外周面に形成された第2溝と異なる半径方向の位置に設けられることから、第2溝にキーが挿入されたとき、裏金部が変形したとしても、軸受部や合成樹脂層が変形しにくい。したがって、第2溝と隣り合う二つの分割部材の境界面とが同一半径方向の位置に設けられる場合に比べて、分割部材の境界面において段差や隙間が生じにくくなる。
本発明によれば、遊星歯車と滑り軸受が相対的に回転移動することを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る遊星軸受構造を示す正面図である。 風力発電装置を示す側面図である。 風力発電装置におけるナセル内部の概略構造例を示す要部断面図である。 本発明の第1実施形態に係る変速機を示す縦断面図である。 同実施形態に係る遊星歯車機構を示す正面図である。 本発明の第2実施形態に係る遊星軸受構造を示す正面図である。 本発明の第3実施形態に係る遊星軸受構造を示す正面図である。 同実施形態に係る遊星軸受構造の変形例を示す正面図である。 参考例の遊星歯車機構を示す正面図である。 参考例の遊星軸受構造を示す模式図である。
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、図2及び図3を参照して、本発明の第1実施形態に係る遊星歯車機構15(図4及び図5参照)が適用される風力発電装置1について説明する。
遊星歯車機構15は、例えば風力発電装置1の増速機10(変速機)に適用される。図2に示す風力発電装置1は、基礎B上に立設されるタワー2と、タワー2の上端に設置されるナセル3と、略水平な軸線周りに回転可能に支持されてナセル3の前端部側に設けられるロータヘッド4とを有している。
ロータヘッド4には、その軸線周りに放射状にして複数枚(たとえば3枚)の風車翼5が取り付けられている。これにより、ロータヘッド4の軸線方向から風車翼5に当たった風の力は、ロータヘッド4を軸線周りに回転させる動力に変換される。
ナセル3の内部には、例えば図3に示すように、ロータヘッド4と主軸9を介して連結された増速機10と、増速機10の出力軸11に連結された発電機12とが設置されている。すなわち、ロータヘッド4の回転数は、主軸9を介して連結された増速機10に伝達されることにより、増速機10の出力軸11側が増速された値となる。そして、発電機12が増速機10を介して増速された出力側の回転数で駆動されることにより、発電機12によって発電された電力が得られる。
さらに、ナセル3の内部には、風力発電装置1の各種運転制御を行う風車制御装置13が設けられている。
上述した増速機10は、通常複数段の増速機構を組み合わせた構成とされ、主軸9の回転数は、複数段階の増速を経て最終的な出力軸11の出力回転数まで増速される。図4及び図5は、本実施形態に係る遊星軸受構造が適用される遊星歯車機構15の一例を示す。遊星歯車機構15は、増速機10の第1段増速を行う。遊星歯車機構15は、キャリア21が入力軸38を介して主軸9に連結されて回転する。
図4及び図5に示す例では、キャリア21に3本の遊星ピン22が固定され、各遊星ピン22には、滑り軸受24を介して遊星歯車26が回転自在に取り付けられている。なお、図5における遊星ピン22と滑り軸受24との関係(内径及び外径の差)は、図示の都合上実際より極端に示されている。
増速機10は、主軸9により伝達された回転駆動力を、発電機12の駆動に適した回転速度にまで増速する。増速機10には、図4に示すように、遊星歯車機構15と、低速段部16と、中速段部17と、高速段部18と、が主に設けられている。
遊星歯車機構15は、主軸9により伝達された回転駆動力を最初に増速し、低速段部16に入力するものである。遊星歯車機構15には、図4及び図5に示すように、入力軸38と、キャリア21と、遊星ピン22と、スリーブ23と、滑り軸受24と、潤滑油供給路(流路)25と、遊星歯車26と、内歯27と、太陽歯車28と、出力軸29と、が主に設けられている。
入力軸38は、主軸9から回転駆動力が入力される部分であるとともに、回転駆動力をキャリア21に伝達する。入力軸38は、円柱状または円筒状に形成された部材であって、中心軸線周りに回転可能に支持される。更に、入力軸38における太陽歯車28側(図4の右側)の端部には、キャリア21が設けられる。
キャリア21は、図4及び図5に示すように、入力軸38から回転駆動力が入力される部分であるとともに、遊星歯車26を太陽歯車28周りに回転(公転)させる。キャリア21は、一端で入力軸38と接続され、他端で遊星軸受構造の遊星ピン22と接続される。
遊星ピン22は、スリーブ23及び滑り軸受24とともに遊星歯車26をキャリア21に取り付け、かつ、遊星ピン22を中心として遊星歯車26を回転可能(自転可能)に支持するものである。遊星ピン22は、円柱状に形成された部材であって、キャリア21の他端に形成された貫通孔に嵌め合わされる。
スリーブ23は、円筒状に形成された部材であって、キャリア21の他端に配置される部材である。さらに、スリーブ23は、内部に遊星ピン22が嵌め込まれる部材であり、遊星ピン22と同じ線膨張係数を有する材料、例えば、遊星ピン22と同じ材料から形成されている。これにより、遊星ピン22及びスリーブ23の温度が変化しても、遊星ピン22とスリーブ23との間に隙間が形成されたり、応力が過大になったりすることを防止できる。
滑り軸受24は、円筒状に形成された部材であって、遊星歯車26に取り付けられる。そのため、スリーブ23と滑り軸受24との接触面が摺動面となる。
潤滑油供給路25は、図4に示すように、スリーブ23と滑り軸受24との接触面に潤滑油を供給する流路である。
遊星歯車26は、太陽歯車28及び内歯27に噛み合わされることにより遊星歯車機構15を構成する。遊星歯車26は、遊星ピン22、スリーブ23及び滑り軸受24によってキャリア21に自転可能に支持され、かつ、太陽歯車28に対して公転可能に支持された円筒の外周面に歯が形成された歯車である。遊星歯車機構が風力発電装置に適用されるとき、遊星歯車26の自転の回転数は48rpmである。
本実施形態では、図5に示すように、三つの遊星歯車26が周方向に等間隔に配置されている例に適用して説明するが、遊星歯車26の数を特に限定するものではない。
内歯27は、ケーシング27Aの内面における遊星歯車26と対向する位置に形成される。ケーシング27Aは、キャリア21、遊星歯車26や太陽歯車28等を覆う。
太陽歯車28は、円柱または円筒の外周面に歯が形成されており、出力軸29と同軸に形成される。また、太陽歯車28及び出力軸29は、入力軸38とほぼ同軸に配置される。
出力軸29は、遊星歯車機構51により回転速度が増速された回転駆動力を低速段部52に伝達する。
低速段部52は、遊星歯車機構51により増速された回転駆動力を更に増速し、増速された回転駆動力を中速段部53に入力する。低速段部52には、低速歯車30が主に設けられている。低速歯車30は、遊星歯車機構51の出力軸29と同軸に設けられた歯車である。低速歯車30は、中速小歯車31と噛み合う歯車であって、中速小歯車31よりも大径の歯車である。
中速段部53は、低速段部52により増速された回転駆動力を更に増速し、増速された回転駆動力を高速段部54に入力する。中速段部53には、中速小歯車31と、中速大歯車32と、が主に設けられている。中速小歯車31及び中速大歯車32は、中速軸33と同軸に設けられた歯車である。中速小歯車31は、低速歯車30と噛み合う歯車であって、低速歯車30よりも小径の歯車である。中速大歯車32は、高速歯車34と噛み合う歯車であって、高速歯車34よりも大径の歯車である。
高速段部54は、中速段部53により増速された回転駆動力を更に増速し、増速された回転駆動力を発電機6に入力する。高速段部54には、高速歯車34が主に設けられている。高速歯車34は、発電機6に回転駆動力を伝達する高速軸35と同軸に設けられた歯車である。高速歯車34は、中速大歯車32と噛み合う歯車であって、中速大歯車32よりも小径の歯車である。
発電機6は、主軸9及び増速機5を介して伝達されたロータヘッド4の回転により回転駆動され、発電を行う。
次に、図1を参照して、本実施形態に係る遊星軸受構造について説明する。
遊星軸受構造は、遊星歯車26と、滑り軸受24と、ピン41からなる。
本実施形態の滑り軸受24は、図1に示すように、軸受部35A,35Bとバックメタル36からなり、バックメタル36が遊星歯車26の開口部26a内に設けられる。
軸受部35A,35B(以下、総称して「軸受部35」ともいう。)は、それぞれ半割り円筒形状を有しており、軸受部35Aと軸受部35Bが合わされて円筒形状となる。なお、軸受部35の分割数は、この例に限定されず、三つ以上でもよい。軸受部35A,35Bの内周面には、合成樹脂層37が形成される。軸受部35が分割されていることによって、合成樹脂層37の形成が容易になる。
合成樹脂層37は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン,polyetheretherketone)からなる。軸受部35A,35Bの内周面は、遊星ピン22との摺動面であり、合成樹脂層37が形成されることによって軸受部35A,35Bや遊星ピン22の磨耗が低減される。
なお、軸受部35は、合成樹脂層37が設けられなくてもよいし、このとき分割されず一つの円筒形状からなってもよい。
バックメタル36は、例えば円筒形状を有しており、軸受部35A,35Bの外周に設けられる。すなわち、バックメタル36の内周面にて、軸受部35A,35Bがバックメタル36に固定されて設置される。バックメタル36の外周面には、第2溝36aが形成される。第2溝36aの長さ方向は、滑り軸受24の軸方向に対して平行でもよいし、斜め方向でもよい。第2溝36aの断面は略半円である。
遊星歯車26は、軸線周りに形成された開口部26aと、開口部26aの内周面に軸方向に形成された第1溝26bを有する。開口部26aは、例えば円形状であり、その内径は、内部に設置される滑り軸受24のバックメタル36の外径とほぼ同寸法である。第1溝26bの長さ方向は、滑り軸受24の軸方向に対して平行でもよいし、斜め方向でもよい。第1溝26bの断面は略半円である。
遊星歯車26内部に滑り軸受24が設置されるとき、第1溝26bと第2溝36aが合わさって断面が円形のピン用穴が形成される。そして、ピン41は、第1溝26bと第2溝36aによって形成されるピン用穴に挿入される。ピン41は、例えば断面が円形状の棒状部材である。
以上、本実施形態によれば、遊星歯車26の軸線周りに形成された開口部26a内に滑り軸受24が設置されることによって、遊星歯車26と滑り軸受24が組み合わされる。そして、遊星歯車26の開口部26aの内周面には、軸方向に第1溝26bが形成され、滑り軸受24のバックメタル36の外周面には、軸方向に第2溝36aが形成される。
そして、滑り軸受24が遊星歯車26の開口部26a内に設置されるとき、遊星歯車26の開口部26aの内周面と滑り軸受24の外周面とが互いに対向し接触する。このとき、第1溝26bと第2溝36aが合わさることによってピン用穴が形成され、該ピン用穴にピン41が挿入可能になる。ピン用穴にピン41が挿入されると、遊星歯車26の開口部26a内に設けられた滑り軸受24は、ピン41及び第1溝26bと第2溝36aによって遊星歯車26に対して固定される。
図9及び図10の参考例に示すように、遊星歯車機構15において、遊星歯車26が太陽歯車28の歯とハウジング27Aの内歯27から負荷を受けると、遊星歯車26及び滑り軸受24は、図10の破線に示すように変形する。その結果、遊星歯車26と滑り軸受24とが相対的に回転移動する相対滑り(クリープ)が生じるおそれがある。
一方、本実施形態では、遊星歯車26と滑り軸受24との間に相対的に回転移動する力が生じた場合でも、ピンによって相対滑りが防止される。その結果、遊星歯車26とバックメタル36との間の磨耗の発生や、遊星歯車26やバックメタル36の割れや欠けを防止できる。また、摩耗粉の発生も抑制できることから、磨耗粉による軸受転走面や歯車噛み合い面における圧痕の発生や振動の原因を防止できる。
次に、ピン41の挿入位置について説明する。
ピン41が挿入される位置、すなわち滑り軸受24のバックメタル36に形成される第2溝36aの位置は、隣り合う二つの軸受部35A,35Bの境界面とは異なる半径方向の位置に設けられる。
軸受部35が図1に示すように例えば二つの分割部材である軸受部35A,35Bからなるとき、軸受部35Aと軸受部35Bとを組み合わせると合わせ面(境界面)が生じる。この境界面は、バックメタル36に形成された第2溝36aと異なる半径方向の位置に設けられる。図1に示す例では、例えば第2溝36aの位置は、境界面を周方向0°としたとき、周方向90°及び270°の位置である。
これにより、滑り軸受24が遊星歯車26の開口部26a内に設置されて、第1溝26bと第2溝36aによってピン用穴が形成されるとき、ピン41の挿入位置も、軸受部35Aと軸受部35Bの境界面と異なる半径方向の位置になる。
以上、本実施形態によれば、第1溝26bと第2溝36aによるピン用穴にピン41が挿入されたとき、バックメタル36が変形したとしても、軸受部35A,35Bや合成樹脂層37が変形しにくい。したがって、本実施形態と異なってピン41と隣り合う二つの軸受部35A,35Bの境界面とが同一半径方向の位置に設けられる場合に比べて、軸受部35A,35Bの境界面において段差や隙間が生じにくくなる。
次に、本発明の第2実施形態に係る遊星軸受構造について説明する。なお、上記第1実施形態と重複する構成については、詳細な説明を省略する。
上記第1実施形態では、遊星歯車26の開口部26aの内周と滑り軸受24の外周との間に断面が円形状の棒状部材であるピン41を挿入する場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。
例えば図6に示すように、断面が四角形状の棒状部材であるキー42でもよい。本実施形態では、滑り軸受24のバックメタル36の外周面には、第2溝36bが形成され、遊星歯車26の開口部26aの内周面には、第1溝26cを有する。第1溝26cと第2溝36bは、いずれも滑り軸受24の軸方向に形成され、断面は角形である。
遊星歯車26内部に滑り軸受24が設置されるとき、第1溝26cと第2溝36bが合わさって断面が四角形のキー用穴が形成される。そして、キー42は、第1溝26cと第2溝36bによって形成されるキー用穴に挿入される。
キー用穴にキー42が挿入された場合でも、遊星歯車26の開口部26a内に設けられた滑り軸受24は、キー42及び第1溝26cと第2溝36bによって遊星歯車26に対して固定される。その結果、遊星歯車26と滑り軸受24との間に相対的に回転移動する力が生じた場合でも、相対滑りを防止できる。
次に、図7及び図8を参照して、本発明の第3実施形態に係る遊星軸受構造について説明する。なお、上記第1実施形態と重複する構成については、詳細な説明を省略する。
上記第1及び第2実施形態に係る遊星軸受構造は、遊星歯車26の開口部26aの内周と滑り軸受24の外周との間にピン41又はキー42を挿入する場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。
例えば、ピン41やキー42を用いずに、遊星歯車26及び滑り軸受24の形状によって互いに係合して、遊星歯車26と滑り軸受24との間に相対的に回転移動する力が生じた場合に、相対滑りが防止されるようにしてもよい。
すなわち、例えば図7に示すように、遊星歯車26の内周面に半径方向に凹み、軸方向に延設された第1凹部26dが形成される。そして、第1凹部26dに対応して、滑り軸受24のバックメタル36の外周面に半径方向に突起し、軸方向に延設された第2凸部43が形成される。
本実施形態によれば、遊星歯車26の軸線周りに形成された開口部26a内に滑り軸受24が設置されることによって、遊星歯車26と滑り軸受24が組み合わされる。このとき、遊星歯車26の開口部26aの内周面と滑り軸受24の外周面とが互いに対向する。そして、第1凹部26dと第2凸部43が係合する。
その結果、遊星歯車26の開口部26a内に設けられた滑り軸受24は、第1凹部26dと第2凸部43によって遊星歯車に対して固定される。したがって、遊星歯車26と滑り軸受24との間に相対的に回転移動する力が生じた場合でも、相対滑りを防止できる。
また、図8に示すように、遊星歯車26に突起した形状を有する第1凸部44が形成され、滑り軸受24のバックメタル36に凹み形状を有する第2凹部36cが形成されてもよい。第1凸部44と第2凹部36cは互いに対応した形状である。この場合も、遊星歯車26と滑り軸受24が組み合わされたとき、遊星歯車26の開口部26aの内周面と滑り軸受24の外周面とが互いに対向する。そして、第1凸部44と第2凹部36cが係合する。
その結果、遊星歯車26の開口部26a内に設けられた滑り軸受24は、第1凸部44と第2凹部36cによって遊星歯車に対して固定される。したがって、遊星歯車26と滑り軸受24との間に相対的に回転移動する力が生じた場合でも、相対滑りを防止できる。
1 風力発電装置
10 増速機
15 遊星歯車機構
24 滑り軸受
26 遊星歯車
26a 開口部
26b,26c 第1溝
26d 第1凹部
35 軸受部
35A,35B 軸受部(分割部材)
36 バックメタル(裏金部)
36a,36b 第2溝
36c 第2凹部
37 合成樹脂層
41 ピン(キー)
42 キー
43 第2凸部
44 第1凸部

Claims (3)

  1. 軸線周りに形成された開口部と、前記開口部の内周面に軸方向に形成された第1溝を有する遊星歯車と、
    外周面に軸方向に形成された第2溝を有し、前記外周面が前記遊星歯車の前記開口部の内周面に接しつつ前記遊星歯車の前記開口部内に設置された滑り軸受と、
    前記第1溝と前記第2溝が合わさって形成される穴に挿入されるキーと、
    を備える遊星軸受構造。
  2. 軸線周りに形成された開口部と、前記開口部の内周面に軸方向に形成された第1凸部又は第1凹部を有する遊星歯車と、
    外周面に軸方向に形成された前記第1凸部に係合する第2凹部又は前記第1凹部に係合する第2凸部を有し、前記外周面が前記遊星歯車の前記開口部の内周面に接しつつ前記遊星歯車の前記開口部内に設置された滑り軸受と、
    を備える遊星軸受構造。
  3. 前記滑り軸受は、軸部材を受ける軸受部と、前記軸受部の外周に設けられる裏金部とを有し、
    前記軸受部は、周方向に分割された複数の分割部材からなり、前記分割部材の内周面に合成樹脂層が形成され、
    前記裏金部は、外周面に前記第2溝が形成され、
    隣り合う二つの前記分割部材の境界面と前記第2溝とは異なる半径方向の位置に設けられる請求項1に記載の遊星軸受構造。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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