JP2013144967A - 蒸気タービンのグランド蒸気シール装置 - Google Patents

蒸気タービンのグランド蒸気シール装置 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸気タービンからの漏洩蒸気量を最小化し、蒸気タービンの内部効率を向上させることが可能な蒸気タービンのグランド蒸気シール装置を提供する。
【解決手段】タービングランド部103の蒸気タービン内部側の第1の蒸気圧力又蒸気タービン外部側の第2の蒸気圧力を検出する圧力検出器211、グランドシール蒸気配管に設置され第3の蒸気圧力を検出する圧力検出器212、グランドシール蒸気の供給圧力を調節するグランドシール蒸気供給圧力調節弁214、検出された第1の蒸気圧力からグランドシール蒸気の目標圧力を算出し、第3の蒸気圧力が目標圧力と一致するようにグランドシール蒸気供給圧力調節弁214の開度を制御する演算装置213を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気タービンのグランド蒸気シール装置に関する。
一般に、発電プラントにおける蒸気タービンは、高温、高圧蒸気を駆動源とし、蒸気の駆動力によりタービンロータを回転させ、タービンロータに直結された発電機で電力を発生させることを目的とした機器である。
そのため、タービンロータには蒸気の熱エネルギを回転エネルギへと変換させるための動翼が配列されている。この動翼は、出力や規模、駆動用蒸気の蒸気条件等に応じて、複数段落が組み合わされている。
また、蒸気が蒸気タービン外部に漏れ出すのを防止するため、タービンロータ並びに動翼は外部ケーシングで覆われている。さらに、発電用の蒸気タービンは効率を最大化する必要があるため、蒸気条件の異なる複数の蒸気タービンが連結され1つの発電機を駆動する複合構成とされることが多い。
ところで、タービンロータは50Hzあるいは60Hzの回転数で高速回転する。このため、タービンロータと外部ケーシングとの間には、接触を防止するため常に一定の隙間が空いた間隙部が存在するように設計されている。
この間隙部は、タービングランド部と称されている。タービングランド部には、隙間に生じる内外部間の圧力差により蒸気タービン内部から高圧・高温蒸気が流出したり、蒸気タービン内部へ空気が流入したりする。この蒸気の流出量並びに空気の流入量を最小化するため、タービングランド部にはラビリンスパッキンと称される圧力差緩衝機構が設置されている。
ラビリンスパッキンは、タービンロータと外部ケーシングとの間の隙間を多段オリフィス構造で遮蔽し、双方間に発生している圧力差を緩衝させる機構である。
タービングランド部は、蒸気タービンの運転状態により次のような2つの状態をとる。第1の状態とは、蒸気タービンの内部圧力が蒸気タービンの外部圧力(大気圧)を上回り、蒸気タービン内部の蒸気が外部へ漏れ出している状態である。そして第2の状態とは、蒸気タービンの内部圧力よりも蒸気タービンの外部圧力(大気圧)の方が高く、大気が蒸気タービン内部へ流入する可能性が生じている状態である。
一般的には、蒸気タービンが停止している場合や低出力運転中には、蒸気タービン内部を流れる蒸気量がゼロか極少量となる。このため、復水器からの吸引力が勝り、蒸気タービン内部は大気圧比でマイナス側圧力となり、大気が蒸気タービン内部へ流入する可能性のある第2の状態をとる。一方、蒸気タービンがある程度以上の出力で運転している場合は、蒸気タービンへ流入する蒸気量が十分あり、タービン内部圧力の方が大気圧よりも高くなるため、蒸気が外部へ漏洩する第1の状態をとる。
ここで、蒸気タービンにとっては第2の状態は好ましいものではない。大気が蒸気タービン内部へ流入した場合、蒸気タービンの効率低下を引き起こすばかりでなく、腐食や風損の増大による蒸気タービン内部の異常加熱等の問題が生じる虞がある。
そこで、第2の状態、即ちタービングランド部から蒸気タービン内部への空気流入を防止する目的で、蒸気タービンにはグランド蒸気シール装置が設置されている。
グランド蒸気シール装置とは、タービン内部圧力が大気より低くなっている場合に、タービングランド部に圧力が大気圧力+αに制御された外部蒸気を流し込むことで、大気の代わりに外部蒸気をタービン内部に流入させるよう設計された配管系統と器機類の総称である。
従来のグランド蒸気シール装置について、図5を用いて説明する。
蒸気タービンは、流入する蒸気条件に応じて、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービン等、異なる圧力で駆動する複数の蒸気タービンを直列に連結して1つの蒸気タービンとしている場合が多い。ここでは説明の簡略化のため、高圧タービン101と中圧タービン102とが直列に連結された構成を一例として用いる。
図5に示されたように、直列に連結された高圧タービン101と中圧タービン102の動翼の両端部分に、タービングランド部103が設けられている。タービングランド部103には、上述のようにタービンロータ側、外部ケーシング側のそれぞれにフィンが交互に設けられて、ラビリンスパッキン104を構成している。このラビリンスパッキン104が、蒸気タービン内外部の圧力緩衝の役割を果たしている。
タービングランド部103の先端部には、間隙が存在する。この間隙から、大気が蒸気タービン内部へ進入しないようにするため、蒸気供給ライン122からグランドシール蒸気ヘッダ105を経て、タービングランド部103の中間段へ常に蒸気を供給している。
また、蒸気タービン内部が十分に高圧状態である場合は、蒸気タービン内部から外部へ蒸気が漏れ出している。この流出した蒸気を熱回収するため、グランドシール蒸気回収配管106が、タービングランド部103の中間段に設置されている。
尚、図5ではグランドシール蒸気回収配管106がグランド蒸気コンデンサ107に接続されて熱回収を行っている。しかし、蒸気タービンから流出する蒸気のエンタルピにより、熱回収のために接続する機器、配管は異なる場合がある。また、グランドシール蒸気回収配管106は、蒸気の流出量、圧力により複数設けられる場合があるが、図5では簡略化のために1系統のみ設けている。
さらに、蒸気タービン内部から外部へ蒸気が漏れ出している状況においては、グランドシール蒸気ヘッダ105よりもタービングランド部103の方が高圧となる。このため、グランドシール蒸気ヘッダ105から蒸気タービンへ蒸気の供給は行わず、逆に蒸気タービンより流出した余剰蒸気を余剰蒸気回収ライン121経由で熱回収する。
グランドシール蒸気ヘッダ105には、グランドシール蒸気圧力を検出するグランドシール蒸気圧力検出器108が設置されている。このグランドシール蒸気圧力検出器108により検出されたグランドシール蒸気圧力に基づいて、制御装置131により2つの調節弁を制御することにより、グランドシール蒸気ヘッダ105は予め設定された一定圧力に維持される。
その際に、蒸気タービン内部側圧力がグランドシール蒸気ヘッダ105の圧力より低い場合は、グランド蒸気圧力調節弁(供給側)109から蒸気タービンへ蒸気供給が行われる。逆に、蒸気タービン内部側圧力がグランドシール蒸気ヘッダ105の圧力より高い場合には、グランド蒸気圧力調節弁(逃がし側)110が開いて、余剰蒸気を回収する。このようにして、グランドシール蒸気ヘッダ105の圧力が一定圧力に維持される。
特開平9−32512号公報
上述した従来のグランド蒸気シール装置では、タービン内部への大気流入を防止することは可能である。ところが、蒸気タービンが高出力で運転されている際に、蒸気タービン内部からの蒸気流出を防止する、あるいは蒸気流出量を最小化することはできなかった。このため、流出した蒸気が保有するエネルギ分だけ、本来であれば発生可能な回転エネルギを喪失しており、蒸気タービンの効率を低下させていた。
従来においても、蒸気タービンのタービングランド部103から漏洩したリーク蒸気がグランド蒸気コンデンサ107へ集積されて熱回収され、ボイラ給水の昇温等には用いられていた。しかしその熱回収効率は、蒸気タービン内部の蒸気が漏洩しなかった場合、即ち漏洩した分の蒸気が蒸気タービン内部で利用され、運動エネルギへ転換された場合の効率増加分には及ばず、蒸気タービンの性能低下分を補うための十分な方策とはなっていなかった。
本発明は上記事情に鑑み、蒸気タービンからの漏洩蒸気量を最小化し、蒸気タービンの内部効率を向上させることが可能な蒸気タービンのグランド蒸気シール装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様による蒸気タービンのグランド蒸気シール装置は、
蒸気タービンの蒸気流入側と蒸気排出側とにそれぞれ設置されたタービングランド部における蒸気タービン内部側の第1の蒸気圧力、又は前記タービングランド部における蒸気タービン外部の蒸気配管内の第2の蒸気圧力のいずれかをそれぞれ検出する第1の圧力検出器と、
前記タービングランド部へグランドシール蒸気を供給するグランドシール蒸気配管に設置され、前記グランドシール蒸気配管内の第3の蒸気圧力をそれぞれ検出する第2の圧力検出器と、
前記グランドシール蒸気配管にそれぞれ設けられ、前記グランドシール蒸気を供給する圧力を調節するグランドシール蒸気供給圧力調節弁と、
前記第1の圧力検出器により検出された前記第1の蒸気圧力又は前記第2の蒸気圧力と、前記第2の圧力検出器により検出された前記第3の蒸気圧力とを与えられ、前記第1の蒸気圧力から前記グランドシール蒸気の目標圧力を算出し、前記第3の蒸気圧力が前記目標圧力と一致するように、前記グランドシール蒸気供給圧力調節弁のそれぞれの開度を制御する演算装置と、
を備えることを特徴とする。
本発明の蒸気タービンのグランド蒸気シール装置によれば、蒸気タービンからの漏洩蒸気量を最小化し、蒸気タービンの内部効率を向上させることが可能である。
本発明の実施の形態1による蒸気タービンのグランド蒸気シール装置の構成を示した配置図である。 本発明の実施の形態2による蒸気タービンのグランド蒸気シール装置の構成を示した配置図である。 本発明の実施の形態3による蒸気タービンのグランド蒸気シール装置の構成を示した配置図である。 本発明の実施の形態4による蒸気タービンのグランド蒸気シール装置の構成を示した配置図である。 従来の蒸気タービンのグランド蒸気シール装置の構成を示した配置図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(1)実施の形態1
図1に、実施の形態1による蒸気タービンのグランド蒸気シール装置の構成を示す。
図5を用いて説明した従来の装置における、高圧タービン101と中圧タービン102とが直列に連結されたタービンロータ、動翼の前後に配置され、タービンロータ側と外部ケーシング側のそれぞれにフィンを交互に有するラビリンスパッキン104が設けられたタービングランド部103、タービングランド部103の先端部の間隙から大気が蒸気タービン内部へ進入しないように、タービングランド部103に蒸気を供給するグランドシール蒸気ヘッダ105、グランドシール蒸気ヘッダ105に接続された蒸気供給ライン122、グランドシール蒸気圧力検出器108、蒸気タービンから漏れ出した蒸気を熱回収するグランドシール蒸気回収配管106に関する構成は本実施の形態1においても同様であり、それぞれ同一の符号を付して重複する説明を省略する。
本実施の形態1では、図5に示された装置においてグランドシール蒸気ヘッダ105に設けられていたグランド蒸気圧力調節弁(供給側)109と、グランド蒸気圧力調節弁(逃がし側)110とを備えていない。
その一方で、本実施の形態1では、それぞれのタービングランド部103の蒸気タービン内部側圧力を計測する蒸気タービン内部側圧力検出器211と、グランドシール蒸気ヘッダ105からタービングランド部103へ蒸気を供給するそれぞれのグランドシール蒸気配管に設置されグランドシール蒸気圧力を検出する個別グランドシール蒸気圧力検出器212と、蒸気タービン内部側圧力の検出結果と個別グランドシール蒸気圧力の検出結果とを用いて目標圧力を算出する演算装置213と、演算装置213で算出された目標圧力となるようにグランドシール蒸気圧力を維持するためグランド蒸気シールヘッダ105からタービングランド部103へ至る配管に設けられた個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214とを備える点に特徴がある。
このような構成を備えた本実施の形態1における動作について、以下に説明する。
蒸気タービンのそれぞれのタービングランド部103の運転時における圧力は、それぞれに異なっている。そこで、各タービングランド部103の蒸気タービン内部側圧力を、それぞれに設置された蒸気タービン内部側圧力検出器211により計測する。
計測された各タービングランド部103の蒸気タービン内部側圧力が、対応する演算装置213にそれぞれ入力される。演算装置213は、それぞれ対応するタービングランド部103の蒸気タービン内部側圧力に、タービングランド部103で生じる設計圧力損失を加算し、各タービングランド部103へ供給するグランドシール蒸気の目標圧力を計算する。そして、演算装置213は目標圧力と個別グランドシール蒸気圧力検出器212により検出されたグランドシール蒸気圧力とを比較し、両者が一致するように個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214の開度を制御する。
これにより、各タービングランド部103における蒸気タービン内部側圧力とグランドシール蒸気圧力とが一致する。この結果、蒸気タービン内部からの漏洩蒸気量が最小化するように制御され、蒸気タービンの効率が向上する。
その際に、図5を用いて説明した従来の装置によれば、蒸気タービン内部側圧力が十分高い状況下では、蒸気タービン内部の蒸気が外部へ漏洩している。このため、蒸気供給ライン122からグランドシール蒸気ヘッダ105を介してタービングランド部103へ蒸気を供給する必要はなかった。これに対し、本実施の形態1ではこのような状況下においても、グランドシール蒸気ヘッダ105からタービングランド部103へグランドシール蒸気を供給することが必要となる。
しかしながら、このグランドシール蒸気の供給量は、従来の装置における蒸気の漏洩量に比べて僅かである。さらに、グランドシール蒸気の必要温度条件も低い。このため、本実施の形態1においてグランドシール蒸気を供給し続けることによるエネルギ損失の総量は、従来の装置における蒸気の漏洩による蒸気タービンの効率低下分よりも遥かに少ない量となる。
以上説明したように本実施の形態1によれば、蒸気タービン内部からの蒸気の漏洩量が最小化されることにより、発電システム全体のエネルギ効率を向上させることができる。
(2)実施の形態2
図2に、本発明の実施の形態2による蒸気タービンのグランド蒸気シール装置の構成を示す。本実施の形態2は、上記実施の形態1による装置に後述するようなバックアップ系統を付加した構成を備えている。上記実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
上記実施の形態1と同様に、本実施の形態2において各タービングランド部103毎に蒸気タービン内部側圧力検出器211、個別グランドシール蒸気圧力検出器212、演算装置213、個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214を備えている。これらの機器を備えることで、機器の数の増加に伴い装置全体で故障確率が増加する。
そこで本実施の形態2では、これらの機器が故障した場合に備えるバックアップ系統として、グランドシール蒸気ヘッダ105における供給側の蒸気圧力を調節するグランド蒸気圧力バックアップ調節弁(供給側)109a、余剰蒸気を回収するグランド蒸気圧力バックアップ調節弁(逃がし側)110a、グランドシール蒸気ヘッダ105とタービングランド部103とを接続するグランドシール蒸気配管に設けられ、個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214に対して並列に設置された個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁バイパス弁315をさらに有する点に特徴がある。
グランド蒸気圧力バックアップ調節弁(供給側)109a及びグランド蒸気圧力バックアップ調節弁(逃がし側)110aは、図5に示された従来の装置においてグランドシール蒸気ヘッダ105の圧力を調整するため設けられていた。上記実施の形態1では、これらの2つの調節弁109a、110aは不要なものとして排除されている。
これらの2つの調節弁は、通常の動作状態では使用されない。しかし、蒸気タービン内部側圧力検出器211、個別グランドシール蒸気圧力検出器212または演算装置213の故障により個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214が動作しない場合、あるいは個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214自体が故障した場合に、これと並列に設置された個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁バイパス弁315を開く。この後は、図5に示された装置と同様に、グランドシール蒸気圧力を制御する。
即ち、グランドシール蒸気ヘッダ105に設けられたグランドシール蒸気圧力検出器108により検出されたグランドシール蒸気圧力に基づいて、制御装置131によりグランド蒸気圧力バックアップ調整弁(供給側)109a、グランド蒸気圧力バックアップ調整弁(逃がし側)110aの開度をそれぞれ制御することにより、グランドシール蒸気ヘッダ105が予め設定された一定圧力に維持される。
より詳細には、蒸気タービン内部側圧力がグランドシール蒸気ヘッダ105の圧力より低い場合は、グランド蒸気圧力調節弁(供給側)109aから蒸気タービンへ蒸気供給が行われる。蒸気タービン内部側圧力がグランドシール蒸気ヘッダ105の圧力より高い場合は、グランド蒸気圧力調節弁(逃がし側)110が開いて、余剰蒸気が回収される。
本実施の形態2によれば、通常の運転中では上記実施の形態1と同様に、個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214を用いてグランドシール蒸気圧力の制御が行われる。そして、個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214を用いた制御が困難な事態が発生した場合は、個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁バイパス弁315を開き、グランド蒸気圧力バックアップ調節弁(供給側)109aとグランド蒸気圧力バックアップ調節弁(逃がし側)110aとを用いて、図5に示された装置と同様にグランドシール蒸気圧力を制御する。これにより、個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214が動作不良に陥った場合であっても、蒸気タービンの運転を継続することが可能となる。
(3)実施の形態3
本発明の実施の形態3による蒸気タービンのグランド蒸気シール装置について、その構成を示した図3を用いて説明する。
上記実施の形態1では、蒸気タービン内部側圧力を計測する構成として、各タービングランド部103毎に蒸気タービン内部側圧力検出器211を備えている。この蒸気タービン内部側圧力検出器211は、蒸気タービン内部側圧力を直接計測するものである。
しかし、蒸気タービンの形状、寸法、強度制限、設置場所制限等によっては、蒸気タービン内部側圧力検出器211を設置することができない場合が考えられる。本実施の形態3では、そのような場合に蒸気タービン内部側圧力検出器211の代替手段として、それぞれの蒸気タービン外部の蒸気配管内の圧力を計測する蒸気タービン外部蒸気圧力検出器416を設置したものに相当する。上記実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
蒸気配管に設置した蒸気タービン外部蒸気圧力検出器416により計測された蒸気タービン外部蒸気圧力の計測値が、演算装置213に与えられる。
演算装置213は、この蒸気タービン外部蒸気圧力に対し、タービングランド部103で生じる設計圧力損失に加えて、蒸気タービン外部蒸気圧力検出器416からタービングランド部103までの蒸気配管で生じる圧力損失を加算し、各タービングランド部103へ供給するグランドシール蒸気の目標圧力を算出する。
そして演算装置213において、この目標圧力と、個別グランドシール蒸気圧力検出器212が検出したグランドシール蒸気圧力とを比較し、両者が一致するように個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214の開度を制御する。
これにより、蒸気タービン外部の蒸気配管内の圧力を用いて算出された目標圧力とグランドシール蒸気圧力とが一致し、蒸気タービン内部からの漏洩蒸気量が最小化されるように制御されて蒸気タービンの効率が向上する。
(4)実施の形態4
本発明の実施の形態4による蒸気タービンのグランド蒸気シール装置について、その構成を示した図4を用いて説明する。
本実施の形態4は、上記実施の形態3の構成に加えて、さらに蒸気タービンの運転状態が急激に変化した場合の応答性を向上させる構成を備えている点に特徴がある。
1つの蒸気タービン、例えば高圧タービン101における蒸気流入側と蒸気排気側、また中圧タービン102における蒸気流入側と蒸気排気側とは、それぞれ連動して圧力変化が生じる。
即ち、それぞれの蒸気タービンにおいて蒸気流入側の圧力が急激に変化した場合、一定時間経過後に蒸気排気側において圧力変動が生じる。そこで、各蒸気タービン毎に、予め蒸気流入側の圧力変動を検出して蒸気排気側の圧力変動を予測し、グランドシール蒸気圧力を先行的に調整することで、蒸気タービンの急激な運転状況変化が生じた場合の応答性が向上する。上記実施の形態3における構成要素と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態4では、図4に示されたように、それぞれの蒸気タービンの蒸気流入側と蒸気排出側とを統括した1つの演算装置213aが設けられている。蒸気タービン外部蒸気圧力検出器416、個別グランドシール蒸気圧力検出器212、個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214は、上記実施の形態3と同様に、高圧タービン101並びに中圧タービン102における蒸気流入側と蒸気排出側のそれぞれに設けられており、これらが一つに統合された演算装置213aに接続されている。
上記実施の形態3と同様に、各蒸気タービンにおけるタービングランド部103に設けられた蒸気タービン外部蒸気圧力検出器416、個別グランドシール蒸気圧力検出器212がそれぞれ蒸気圧力を検出する。得られた検出結果が、各蒸気タービンに1個設けられた演算装置213aに与えられる。
演算装置213aにおいて、各蒸気タービンの蒸気流入側と蒸気流出側とにおける蒸気タービン外部蒸気圧力検出器416でそれぞれ検出された蒸気流入側圧力と蒸気排出側圧力に対し、蒸気流入側の変動量と同一割合の変動量を蒸気排出側にも加えて、先行的に蒸気排出側の個別グランドシール蒸気圧力を変化させる。
尚、流入側の変動量と同一割合の変動量を排出側に加える際に、変動量が圧力増加方向である場合には、蒸気漏洩量を減少させる方向に作用するためこの変動量の加算を行う。一方、変動量が圧力を低下させる方向である場合は、この変動量は蒸気漏洩を誘発する方向に作用する。このため、このような場合には変動量の加算は行わないことが望ましい。
本実施の形態4によれば、蒸気タービン運転状態において急速な変化が生じた場合であっても、蒸気流入側で生じた圧力変化に基づいて、蒸気排出側における圧力変動を予測し、グランドシール蒸気圧力を先行的に調整する。これにより、蒸気タービンからの漏洩蒸気を最小化し効率を向上させた状態で運転を継続することが可能である。
本発明の幾つかの実施の形態について説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の技術的範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の技術的範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施の形態2が備える、グランド蒸気圧力バックアップ調節弁(供給側)109a、グランド蒸気圧力バックアップ調節弁(逃がし側)110a、個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁バイパス弁315を備えたバックアップ系統は、上記実施の形態3、上記実施の形態4においても同様に備えることが可能である。
また、上記実施の形態4は、各蒸気タービンの蒸気流入側と蒸気流出側とを1つの演算装置で統括して制御する構成を備えているが、上記実施の形態3と同様に蒸気タービン外部蒸気圧力検出器416により蒸気タービン外部の蒸気配管内の圧力の検出を行う構成を備えている。しかしこの場合に限らず、蒸気タービン内部側圧力検出器211により蒸気タービン内部側圧力を検出する上記実施の形態1、2に対して、上記実施の形態4と同様に各蒸気タービンの蒸気流入側と蒸気流出側とを1つの演算装置で統括して制御する構成を加えることもできる。
さらに、上記実施の形態1〜4では、高圧タービンと中圧タービンとを備えた蒸気タービンにおける4個のタービングランド部103に供給するグランドシール蒸気圧力を制御するものであるが、タービングランド部の数には制約がなく複数備えるものであれば本発明を同様に適用することができる。
さらにまた、上記実施の形態4では、高圧タービン101、中圧タービン102におけるそれぞれの蒸気流入側と蒸気排出側とを統括して1個の演算装置213aが設けられている。しかしこの構成には限定されず、上記実施の形態1〜3と同様に、各蒸気タービンにおける蒸気流入側と蒸気排出側とにおいてそれぞれ演算装置213が設けられていてもよい。この場合には、蒸気流入側の演算装置213に、上記実施の形態1〜3と同様に、蒸気流入側における個別グランドシール蒸気圧力検出器212が検出した蒸気圧力が入力されて同様に個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214の開度の制御が行われる。
一方、蒸気排出側の演算装置213には、上記実施の形態4と同様に、蒸気流入側及び蒸気排出側におけるそれぞれの個別グランドシール蒸気圧力検出器212が検出した蒸気圧力が入力される。そして、演算装置213において、各蒸気タービンの蒸気流入側と蒸気流出側とにおける蒸気タービン外部蒸気圧力検出器416でそれぞれ検出された蒸気流入側圧力と蒸気排出側圧力に対し、蒸気流入側の変動量と同一割合の変動量を蒸気排出側にも加えて、先行的に蒸気排出側の蒸気圧力の変動を予測し、排出側の個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁214の開度の制御が行われ、蒸気排出側の個別グランドシール蒸気圧力が変化される。
101 高圧タービン
102 中圧タービン
103 タービングランド部
104 ラビリンスパッキン
105 グランドシール蒸気ヘッダ
106 グランドシール蒸気回収配管
107 グランド蒸気コンデンサ
108 グランドシール蒸気圧力検出器
109 グランド蒸気圧力調節弁(供給側)
109a グランド蒸気圧力バックアップ調節弁(供給側)
110 グランド蒸気圧力調節弁(逃がし側)
110a グランド蒸気圧力バックアップ調節弁(逃がし側)
131 制御装置
211 蒸気タービン内部側圧力検出器
212 個別グランドシール蒸気圧力検出器
213、213a 演算装置
214 個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁
315 個別グランドシール蒸気供給圧力調節弁バイパス弁
416 蒸気タービン外部蒸気圧力検出器

Claims (4)

  1. 蒸気タービンの蒸気流入側と蒸気排出側とにそれぞれ設置されたタービングランド部における蒸気タービン内部側の第1の蒸気圧力、又は前記タービングランド部における蒸気タービン外部の蒸気配管内の第2の蒸気圧力のいずれかをそれぞれ検出する第1の圧力検出器と、
    前記タービングランド部へグランドシール蒸気を供給するグランドシール蒸気配管に設置され、前記グランドシール蒸気配管内の第3の蒸気圧力をそれぞれ検出する第2の圧力検出器と、
    前記グランドシール蒸気配管にそれぞれ設けられ、前記グランドシール蒸気を供給する圧力を調節するグランドシール蒸気供給圧力調節弁と、
    前記第1の圧力検出器により検出された前記第1の蒸気圧力又は前記第2の蒸気圧力と、前記第2の圧力検出器により検出された前記第3の蒸気圧力とを与えられ、前記第1の蒸気圧力から前記グランドシール蒸気の目標圧力を算出し、前記第3の蒸気圧力が前記目標圧力と一致するように、前記グランドシール蒸気供給圧力調節弁のそれぞれの開度を制御する演算装置と、
    を備えることを特徴とする蒸気タービンのグランド蒸気シール装置。
  2. 前記グランドシール蒸気配管と、前記グランドシール蒸気配管にグランドシール蒸気を供給するグランドシール蒸気ヘッダとを、前記グランドシール蒸気供給圧力調節弁をバイパスしてそれぞれ相互に接続するグランドシール蒸気供給圧力調節弁バイパス弁と、
    前記蒸気供給ラインの第4の蒸気圧力を検出する第3の圧力検出器と、
    前記グランドシール蒸気ヘッダと、蒸気を供給する蒸気供給ラインとの間を接続する第1のグランド蒸気圧力バックアップ調節弁と、
    前記グランドシール蒸気ヘッダと、蒸気を回収する余剰蒸気回収ラインとの間を接続する第2のグランド蒸気圧力バックアップ調節弁と、
    前記グランドシール蒸気供給圧力調節弁バイパス弁が開いている間、前記第3の圧力検出器により検出された前記第4の蒸気圧力が所定圧力となるように、前記第1のグランド蒸気圧力バックアップ調節弁と前記第2のグランド蒸気圧力バックアップ調節弁との開度を制御する制御装置と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービンのグランド蒸気シール装置。
  3. 前記演算装置は、前記蒸気タービンのそれぞれの蒸気流入側と蒸気排出側とに1個ずつ設けられ、前記蒸気タービンの蒸気排出側の前記グランドシール蒸気配管に設けられた前記グランドシール蒸気供給圧力調節弁の開度を制御する前記演算装置は、前記蒸気タービンの蒸気流入側の前記第1の圧力検出器により検出された前記第1の蒸気圧力又は前記第2の蒸気圧力と、前記第2の圧力検出器により検出された前記第3の蒸気圧力とを与えられて蒸気流入側の圧力変動量を算出し、蒸気排出側における前記グランドシール蒸気の目標圧力に前記圧力変動量を加算することで蒸気排出側の圧力変動量を予測し、この予測結果に基づいて蒸気排出側の前記グランドシール蒸気配管に設けられた前記グランドシール蒸気供給圧力調節弁の開度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気タービンのグランド蒸気シール装置。
  4. 前記演算装置は、前記蒸気タービンのそれぞれの蒸気流入側と蒸気排出側とを1個で統括するように設けられ、前記演算装置は、前記蒸気タービンの蒸気流入側の前記グランドシール蒸気配管に設けられた前記グランドシール蒸気供給圧力調節弁の開度を制御すると共に、前記蒸気タービンの蒸気排出側の前記グランドシール蒸気配管に設けられた前記グランドシール蒸気供給圧力調節弁の開度を制御する前記演算装置は、前記蒸気タービンの蒸気流入側の前記第1の圧力検出器により検出された前記第1の蒸気圧力又は前記第2の蒸気圧力と、前記第2の圧力検出器により検出された前記第3の蒸気圧力とを与えられて蒸気流入側の圧力変動量を算出し、蒸気排出側における前記グランドシール蒸気の目標圧力に前記圧力変動量を加算することで蒸気排出側の圧力変動量を予測し、この予測結果に基づいて蒸気排出側の前記グランドシール蒸気配管に設けられた前記グランドシール蒸気供給圧力調節弁の開度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気タービンのグランド蒸気シール装置。
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KR102004648B1 (ko) * 2018-02-26 2019-07-26 두산중공업 주식회사 자기장 통신을 이용한 증기터빈 실 패킹 성능 감시 시스템

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