JP2013142296A - 廃熱利用装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高性能でかつ搭載性に優れた廃熱利用装置を提供する。
【解決手段】廃熱利用装置は、駆動系1に用いられるランキンサイクル3を備えている。このランキンサイクル3は、電動ポンプP1、ボイラ15、膨張機17、分油器19、凝縮器21、配管23〜27及びオイルポンプ装置29を有している。オイルポンプ装置29は、装置本体31、高圧路33、低圧路35、流入路37及び流出路39を有している。装置本体31はハウジングを有している。ハウジングはダイヤフラムによって感圧室とオイル室とに区画されている。この廃熱利用装置では、ボイラ15から流出した作動流体が感圧室に流入又は流出することで、オイル室に潤滑油が流入するとともに、オイル室の潤滑油が流出する。こうして、オイルポンプ装置29は分油器19内の潤滑油を膨張機17に還流させる。
【選択図】図1

Description

本発明は廃熱利用装置に関する。
特許文献1の図3に従来の廃熱利用装置が開示されている。この廃熱利用装置は、作動流体を循環させるランキンサイクルを備えており、駆動系に用いられている。駆動系は内燃機関としてのエンジンを有している。ランキンサイクルは、ポンプ、ボイラ、膨張機、分油器、凝縮器、配管及び潤滑油還流手段を有している。配管は、ポンプ、ボイラ、膨張機、分油器及び凝縮器の順で作動流体を循環させる。
分油器では、膨張機で減圧された作動流体中に含まれる潤滑油を分離可能である。また、潤滑油還流手段は、第2のポンプ、流入路及び流出路を有している。流入路は、分油器と第2のポンプとに接続されている。流出路は、第2のポンプと、ボイラと膨張機との間の配管とに接続されている。
この廃熱利用装置におけるランキンサイクルでは、ボイラで加熱された作動流体が膨張機で膨張及び減圧される際の圧力エネルギーを回収する。また、このランキンサイクルでは、第2のポンプを作動させることにより、分油器で分離された潤滑油を膨張機に還流させることが可能となっている。このため、この廃熱利用装置では、長期間に亘って膨張機を好適に作動させることが可能となっている。
また、特許文献2には従来の発電システムが開示されている。この発電システムは、分油器と潤滑油還流手段とを有している。潤滑油還流手段はタービン、流入路及び流入路を有している。流入路は、ポンプとボイラとの間の配管と、タービンとに接続されている。流出路はタービンと膨張機とに接続されている。
この発電システムでは、ポンプから吐出された作動流体によってタービンが作動する。これにより、この発電システムでは、膨張機から流出した潤滑油について、分油器から膨張機に還流させることが可能となっている。
特開2009−191725号公報 特開2004−340014号公報
しかし、上記の特許文献1記載の廃熱利用装置では、第2のポンプを作動させるための動力源が別途必要となる。このため、構成が複雑化し、廃熱利用装置が大型化することで車両等への搭載性が低下する問題が生じる。
また、上記の特許文献2記載の発電システムでは、タービンを作動させるための動力源を別途に用意する必要はないものの、タービンの動力源として、ポンプから吐出された作動流体、すなわち液相の作動流体を採用している。このため、この発電システムでは、気相の作動流体が流入及び流出する膨張機と、タービンとが遠隔して配置され、流入路や流出路等が長大化することとなる。このため、特許文献1記載の廃熱利用装置と同様、発電システムの大型化が不可避となる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、高性能でかつ搭載性に優れた廃熱利用装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の廃熱利用装置は、作動流体を循環させるランキンサイクルを備え、内燃機関を有する駆動系に用いられる廃熱利用装置であって、
該ランキンサイクルは、ポンプと、ボイラと、膨張機と、分油器と、凝縮器と、該ポンプ、該ボイラ、該膨張機、該分油器及び該凝縮器の順で該作動流体を循環させる配管と、潤滑油還流手段とを有し、
前記駆動系は、冷却液路、過給器及び排気路の少なくとも一つを有し、
該冷却液路は前記内燃機関の冷却を行う冷却液が流通し、
該過給器は、外気を吸入して該内燃機関に対して加圧空気を供給し、
該排気路は該内燃機関で生じた排気が流通し、
前記ボイラでは、該冷却液、該加圧空気及び該排気のいずれか一つと、前記作動流体とで熱交換が可能であり、
前記分油器では、前記膨張機で減圧された該作動流体中に含まれる潤滑油を分離可能であり、
前記潤滑油還流手段は、該ボイラから流出した該作動流体の圧力を用いて、該分油器内の該潤滑油を該膨張機に還流させることを特徴とする(請求項1)。
本発明の車両用廃熱利用装置では、冷却液、加圧空気及び排気の少なくとも一つと作動流体とがボイラで熱交換を行う。そして、ランキンサイクルでは、膨張機における作動流体の膨張及び減圧時の圧力エネルギーを回収する。
また、この廃熱利用装置におけるランキンサイクルは、上記のボイラや膨張機等の他に、分油器と潤滑油還流手段とを有している。このため、このランキンサイクルでは、膨張機から作動流体とともに流出した潤滑油を分油器から膨張機に還流させることが可能となる。このため、この廃熱量装置では、膨張機を好適に作動させることが可能となり、ランキンサイクルにおけるエネルギーの回収を好適に行うことが可能となるとともに、膨張機の耐久性を高くすることが可能となる。
さらに、この潤滑油還流手段は、ボイラから流出した作動流体の圧力を用いて分油器内の潤滑油を膨張機に還流させる。このため、この廃熱利用装置では、潤滑油還流手段を作動、すなわち、分油器内の潤滑油を膨張機に還流させるための専用の動力源が不要となる。また、ボイラから流出した作動流体は気相の状態である。このため、この廃熱利用装置では、気相の作動流体を利用する潤滑油還流手段と、同じく気相の作動流体が流入及び流出する膨張機とを近接させて配置することが可能となる。このため、廃熱利用装置を小型化することが可能となる。また、この廃熱利用装置では、潤滑油還流手段と膨張機とを一体化させることも比較的容易に行うことが可能となる。
したがって、本発明の廃熱利用装置は、高性能でかつ搭載性に優れている。
特に、この廃熱利用装置では、冷却液、作動流体及び排気の少なくとも一つが高温となるため、作動流体を十分に加熱することが可能となる。このため、この廃熱利用装置では、膨張機において作動流体が膨張及び減圧する際の圧力エネルギーが大きくなり、ランキンサイクルで回収可能なエネルギーの量を大きくすることが可能となる。なお、上記の排気には、排気の一部であって内燃機関に還流される還流排気も含まれる。
また、この廃熱利用装置では、ボイラにおいて冷却液を冷却すれば、内燃機関の発熱を好適に抑制可能となり、内燃機関の温度を好適に調整可能となる。また、ボイラにおいて加圧空気を冷却すれば、その密度を大きくさせた状態で内燃機関に供給することが可能となる。これにより、内燃機関の出力を向上させることが可能である。また、ボイラにおいて還流排気を冷却すれば、還流排気の密度が大きくなり、還流排気を好適に内燃機関に還流させることが可能となる。このため、内燃機関から最終的に排出される排気中の窒素酸化物を減少させることが可能となる。これらのように、この廃熱利用装置によれば、内燃機関の性能を向上させることも可能となる。
内燃機関としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の他、種々の形式のエンジンを採用することができる。また、これらのエンジンはモータを組み合わせたハイブリッドエンジンでも良い。さらに、駆動系が上記の冷却液路を有さない場合には、これらのエンジンを空冷式とすることもできる。一方、過給器としては、ターボチャージャやスーパーチャージャ等を採用することができる。なお、内燃機関や過給機は複数であっても良い。
潤滑油還流手段としては、流通する気相の作動流体の圧力等によって作動するポンプやタービン等を採用することができる。
また、潤滑油還流手段は、ボイラから流出した作動流体の圧力と、膨張機で減圧された作動流体の圧力との差圧を用いて、分油器内の潤滑油を膨張機に還流させることが好ましい(請求項2)。
この場合、作動流体同士の差圧によって潤滑油還流手段を作動させることが可能となる。ここで、ボイラから流出した作動流体の圧力は、膨張機で減圧された作動流体の圧力と比較して常に高圧となる。このため、作動流体同士の圧力差を確実に生じさせることが可能となる。これにより、この廃熱利用装置では、潤滑油還流手段が好適に作動し、潤滑油を好適に膨張機に還流させることが可能となる。
潤滑油還流手段は、変位可能な隔壁によって感圧室とオイル室とが区画されたハウジングと、
ボイラと膨張機との間の配管から分岐し、感圧室に連通する高圧路と、
感圧室に連通し、膨張機と前記分油器との間の該配管に合流する低圧路と、
分油器とオイル室とを連通する流入路と、
オイル室と膨張機とを連通する流出路と、
隔壁がオイル室を拡大することによって、流入路を開いて流出路を閉じる流入弁と、
隔壁がオイル室を縮小することによって、流入路を閉じて流出路を開く流出弁と、
高圧路及び低圧路の少なくとも一方に設けられた流量調整手段とを有していることが好ましい(請求項3)。
この場合、潤滑油還流手段の構成を簡略化することが可能となるとともに、小型化も容易となる。このため、廃熱利用装置の搭載性をより向上させつつ、低コスト化も実現可能となる。また、この場合には、潤滑油還流手段と膨張機との一体化も容易となる。
隔壁としては、ダイヤフラム、ベローズ、ピストン等を採用することができる。一方、高圧路や低圧路に設けられる流量調整手段としては、例えば、流量調整弁の他、開閉弁等を採用することができる。また、低圧路に設けられる流量調整手段としては、オリフィスを採用することもできる。ここで、流量調整手段は、高圧路及び低圧路の両方に設けられても良く、高圧路又は低圧路の一方にのみ設けられても良い。
この潤滑油還流手段において、ハウジングは、感圧室とオイル室とを単一の隔壁によって区画し得る(請求項4)。この場合には、潤滑油還流手段の構成をより簡略化しつつ、より小型化させることが可能となる。
また、この潤滑油還流手段において、ハウジングは、感圧室と第1中間室とを隔壁の一つである第1隔壁によって区画している第1ハウジングと、第2中間室とオイル室とを隔壁の一つである第2隔壁によって区画している第2ハウジングとからなり得る。そして、第1隔壁と第2隔壁とがロッドによって連結され得る(請求項5)。
この場合、第1ハウジングと第2ハウジングとで容積に差異を設けたり、第1隔壁と第2隔壁とで受圧面積に差異を設けたりすることが可能となる。このため、感圧室に流入する作動流体の流量と、オイル室に流入し、ひいては膨張機に還流される潤滑油の流量との調整が可能となる。
第1中間室内や第2中間室内には共に大気を流入させることが可能である他、第1中間室内には感圧室と同様、ボイラから流出した作動流体を流入させることが可能である。
また、高圧路及び低圧路にそれぞれ流量調整手段としての開閉弁を設け、感圧室と第1中間室とに作動流体を流入させることが可能である。そして、高圧路に設けられた開閉弁と低圧路に設けられた開閉弁とをそれぞれ交互に開閉させることが可能である。これにより、感圧室内に流入又は流出した作動流体と、第1中間室内に流入又は流出した作動流体との差圧によって、第1隔壁を変位させることが可能となる。この場合、感圧室内の作動流体の圧力と第1中間室内の作動流体の圧力とに確実に差異が生じるため、第1隔壁及び第2隔壁が好適に作動し、オイル室に潤滑油を好適に流入させるとともに、オイル室内の潤滑油を好適に膨張機に還流させることが可能となる。
本発明の廃熱利用装置において、ハウジングは、感圧室から流出する作動流体の圧力が膨張機から流出する作動流体の圧力以下となるように形成されていることが好ましい(請求項6)。
この場合、感圧室から流出する際の作動流体の圧力は、膨張機から流出した作動流体の圧力よりも大きくならない。これにより、この廃熱利用装置では、感圧室から作動流体が好適に流出するとともに、排出路を流通する作動流体が膨張機で減圧された作動流体と好適に合流する。このため、この廃熱利用装置では、感圧室内に作動流体を流入させることが可能となり、ひいては、オイル室内の潤滑油を好適に膨張機に還流させることが可能となる。なお、上記のように、ハウジングが第1ハウジングと第2ハウジングとで構成される場合、第1ハウジングについて、上記のように形成されていることが好ましい。
本発明の廃熱利用装置は、高性能でかつ搭載性に優れている。
実施例1の廃熱利用装置を示す模式構造図である。 実施例1の廃熱利用装置に係り、オイルポンプ装置を示す断面図である。(A)はオイル室が縮小された状態を示しており、(B)はオイル室が拡大された状態を示している。 実施例1の廃熱利用装置における作動中の状態を示す模式構造図である。 実施例2の廃熱利用装置を示す模式構造図である。 実施例2の廃熱利用装置に係り、オイルポンプ装置を示す断面図である。(A)はオイル室が縮小された状態を示しており、(B)はオイル室が拡大された状態を示している。 実施例2の廃熱利用装置における作動中の状態を示す模式構造図である。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
実施例1の廃熱利用装置は、車両に搭載され、図1に示すように、車両の駆動系1に用いられている。この廃熱利用装置は、ランキンサイクル3と、コントローラ59とを備えている。
駆動系1は、エンジン5と、過給器としてのターボチャージャ7と、図示しないラジエータとを有している。エンジン5は、公知の水冷式ガソリンエンジンである。エンジン5の内部には冷却水が流通可能なウォータジャケット(図示略)が形成されている。エンジン5には、このウォータジャケットとそれぞれ連通する流出口と流入口と(いずれも図示を省略する。)が形成されている。また、エンジン5には、排気を排出する排気口5aと、後述する加圧空気を吸入する吸気口5bとが形成されている。
エンジン5とターボチャージャ7とは配管9〜11によって接続されている。また、配管10と配管11とには後述するボイラ15が接続されている。配管9は内部を排気が流通可能となっており、エンジン5の排気口5aとターボチャージャ7とに接続されている。一方、配管10及び配管11は内部を加圧空気が流通可能となっている。配管10はターボチャージャ7と、ボイラ15の第1流入口15aとに接続されている。配管11はボイラ15の第1流出口15bと、エンジン5の吸気口5bとに接続されている。
さらに、ターボチャージャ7には、配管12、13の各一端側が接続されている。配管12の他端側は、図示しないマフラと接続されている。配管13の他端側は図示しない車両のエアインテークに開口している。配管12は、ターボチャージャ7を介して配管9と連通している。同様に、配管13は、ターボチャージャ7を介して配管10と連通している。
ランキンサイクル3は、電動ポンプP1と、ボイラ15と、膨張機17と、分油器19と、凝縮器21と、配管23〜27と、オイルポンプ装置29とを有している。配管23〜27には、作動流体としてのHFC134aが流通可能となっている。また、オイルポンプ装置29が潤滑油還流手段に相当する。
電動ポンプP1には公用品が採用されている。電動ポンプP1には、吐出口101と吸入口102とが形成されている。この電動ポンプP1はコントローラ59に電気的に接続されている。
ボイラ15には、第1流入口15a及び第1流出口15bと、第2流入口15c及び第2流出口15dとが形成されている。また、ボイラ15内には、両端側でそれぞれ第1流入口15a及び第1流出口15bと連通する第1通路15eと、両端側でそれぞれ第2流入口15c及び第2流出口15dと連通する第2通路15fとが設けられている。このボイラ15では、第1通路15e内の加圧空気と、第2通路15f内の作動流体との熱交換により作動流体の加熱を行うとともに、加圧空気の冷却を行う。
膨張機17には、その内部に作動流体を流入させる流入口17aと、作動流体を流出させる流出口17bと、後述する流出路39が接続される還流口17cとが形成されている。膨張機17では、ボイラ15を経て加熱された作動流体を膨張させることにより回転駆動力を発生させる。この膨張機17には図示しない公知の発電機が接続されている。発電機は膨張機17の回転駆動力によって発電を行い、図示しないバッテリに電力を充電する。
分油器19には、その内部に作動流体を流入させる流入口19aと、作動流体を流出させる流出口19bと、潤滑油を流出させる排油口19cとが形成されている。分油器19では、膨張機17内で減圧された作動流体中に含まれる潤滑油を分離させる。そして、分油器19は、潤滑油を分離させた状態で作動流体を流出口19bから流出させるとともに、その内部に分離した潤滑油を貯留する。
凝縮器21には、その内部に作動流体を流入させる流入口21aと、作動流体を流出させる流出口21bとが形成されている。凝縮器21は、その内部を流通する作動流体と車外の空気との間で熱交換を行い、膨張機17での膨張によって減圧された作動流体を冷却して液化させる。凝縮器21の近傍には電動ファン21cが設けられている。この電動ファン21cはコントローラ59に電気的に接続されている。
これらの電動ポンプP1、ボイラ15、膨張機17、分油器19及び凝縮器21は、配管23〜27によって接続されている。具体的には、電動ポンプP1の吐出口101と、ボイラ15の第2流入口15cとが配管23によって接続されている。ボイラ15の第2流出口15dと、膨張機17の流入口17aとが配管24によって接続されている。また、膨張機17の流出口17bと分油器19の流入口19aとが配管25によって接続されている。分油器19の流出口19bと凝縮器21の流入口21aとが配管26によって接続されている。そして、凝縮器21の流出口21bと電動ポンプP1の吸入口102とが配管27によって接続されている。
このランキンサイクル3では、電動ポンプP1を作動させることにより、作動流体が配管23〜27内を循環する(図3参照)。つまり、作動流体は、電動ポンプP1の吐出口101からボイラ15、膨張機17及び分油器19を経て、凝縮器21から電動ポンプP1の吸入口102に至ることとなる。この際、配管23及び配管24を流通する作動流体は高圧の状態となる。一方、配管25〜27を流通する作動流体は、配管23及び配管24を流通する作動流体と比較して低圧の状態となる。
図2に示すように、オイルポンプ装置29は、装置本体31と、高圧路33と、低圧路35と、流入路37と、流出路39とを有している。
装置本体31は、ハウジング310を有している。このハウジング310の内部には、隔壁としてのダイヤフラム41が固定されている。このダイヤフラム41により、ハウジング310の内部は、作動流体が流入可能な感圧室310aと、潤滑油が流入可能なオイル室310bとに区画されている。
ダイヤフラム41は、ハウジング310の内壁に両端が固定された第1樹脂膜43aと、第2樹脂膜43bと、第1樹脂膜43aと第2樹脂膜43bとを連結する連結ロッド44と、第2樹脂膜43bにボルト45を介して固定された座金47と、座金47とハウジング310内壁との間に設けられたコイルばね49とからなる。このコイルばね49は、オイル室310b側となるハウジング310内壁に固定されている。このコイルばね49により、第1樹脂膜43a及び第2樹脂膜43bはハウジング310内で変位可能に付勢されている。この際、連結ロッド44により、第1樹脂膜43a及び第2樹脂膜43bは互いに連動しながら変位する。(同図の(A)及び(B)参照。)。また、第1樹脂膜43aと第2樹脂膜43bとの間には空間44aが形成されている。この空間44a内は、感圧室310aやオイル室310bよりも低圧の状態となっている。なお、この空間44a内を大気圧としても良く、真空としても良い。
また、ハウジング310には、感圧室310aに連通し、感圧室310a内に作動流体を流入させる第1流入口310cと、感圧室310a内の作動流体を流出させる第1流出口310dとが形成されている。さらに、ハウジング310には、オイル室310bに連通し、オイル室310b内に潤滑油を流入させる第2流入口310eと、オイル室310b内の潤滑油を流出させる第2流出口310fとが形成されている。このハウジング310は、第1流出口310dから流出する際、作動流体の圧力が図1に示す配管25内を流通する作動流体の圧力以下となるように形成されている。
図2に示すように、第2流入口310eには、流入弁としての流入リード弁51が設けられている。また、第2流出口310fには、流出弁としての流出リード弁53が設けられている。流入リード弁51は第2流入口310eに対する逆止弁として機能し、また、流出リード弁53は第2流出口310fに対する逆止弁として機能する。具体的には、流入リード弁51は、ハウジング310内で第2樹脂膜43bがオイル室310bを拡大するように変位することで第2流入口310eを開くように作動するとともに、オイル室310b内で第2樹脂膜43bがオイル室310bを縮小するように変位することで第2流入口310eを閉じるように作動する。一方、流出リード弁53は、ハウジング310内で第2樹脂膜43bがオイル室310bを拡大するように変位することで第2流出口310fを閉じるように作動するとともに、オイル室310b内で第2樹脂膜43bがオイル室310bを縮小するように変位することで第2流出口310fを開くように作動する。
図1に示すように、高圧路33の一端側は、配管24に接続されており、配管24を流通する作動流体の一部が流通可能となっている。また、この高圧路33の他端側は、図2に示す第1流入口310cに接続されている。さらに、この高圧路33には、流量調整弁55が設けられている。この流量調整弁55は図1に示すコントローラ59に電気的に接続されている。なお、流量調整弁55に替えて、開閉制御のみ可能な開閉弁を採用することもできる。
また、低圧路35の一端側は、図2に示す第1流出口310dに接続されており、感圧室310aから流出した作動流体が流通可能となっている。この低圧路35の他端側は、図1に示す配管25に接続されている。さらに、この低圧路35にはオリフィス57が設けられている。上記の流量調整弁55及びオリフィス57がそれぞれ流量調整手段に相当する。
図1に示すように、流入路37の一端側は、分油器19の排油口19cに接続されており、分油器19で分離された潤滑油が流通可能となっている。また、この流入路37の他端側は、図2に示す第2流入口310eに接続されている。
流出路39の一端側は、第2流出口310fに接続されており、オイル室310bから流出した潤滑油が流通可能となっている。この流出路39の他端側は、図1に示す膨張機17の還流口17cに接続されている。
コントローラ59は、流量調整弁55の開度を調整するマップを記憶している。コントローラ59は、流量調整弁55の開度を適宜調整して、図2に示す感圧室310a内に流入する作動流体の流量を調整する。
また、コントローラ59は、図1に示す電動ポンプP1の作動制御を行う。さらに、このコントローラ59は電動ファン21cの作動制御を行うことで、作動流体が外気に放熱する熱量の調整を行う。
このように構成された廃熱利用装置では、車両を駆動させることにより以下のように作動する。
図3に示すように、車両が駆動されることにより、駆動系1ではエンジン5が作動する。これにより、排気口5aから排出された排気が配管9、ターボチャージャ7及び配管12を経てマフラから車外に排出される(同図の一点鎖線矢印参照)。この際、排気によってターボチャージャ7が作動される。これにより、車外の空気が配管13よりターボチャージャ7に吸引され、圧縮される。この空気は加圧空気として、配管10、ボイラ15の第1通路15e及び配管11を経てエンジン5の吸気口5bよりエンジン5内へ吸入される(同図の二点鎖線矢印参照)。なお、図示を省略しているものの、エンジン5(流出口及び流入口)とラジエータとの間で冷却水が循環し、エンジン5の冷却も行われる。
また、コントローラ59は、電動ポンプP1及び電動ファン21cをそれぞれ作動させる。これにより、ランキンサイクル3では、同図の実線矢印に示すように、電動ポンプP1の吐出口101から吐出された作動流体が配管23を経て、ボイラ15の第2流入口15cから第2通路15fに至る。そして、作動流体はボイラ15において加圧空気と熱交換される。この際、第1通路15eを流通する加圧空気は約150°C程度の熱を有しているため、第2通路15fを流通する作動流体は、好適に加熱される。一方、第1通路15eを流通する加圧空気は、第2通路15fを流通する作動流体に対して放熱を行うため、加圧空気は冷却された状態で吸気口5bからエンジン5内に至ることとなる。
こうして、ボイラ15によって加熱された作動流体は、高温高圧の状態で第2流出口15dから流出し、配管24を経て膨張機17の流入口17aから膨張機17内へ至る。この際、配管24内を流通する作動流体は気相の状態となっている。また、配管24を流通する作動流体の一部は高圧路33に流入する。
膨張機17内に至った高温高圧の作動流体は、膨張機17内で膨張し、減圧される。この際の圧力エネルギーによって膨張機17に接続された発電機は発電を行う。これにより、この廃熱利用装置におけるランキンサイクル3では、上記の圧力エネルギーを電力として回収する。
膨張機17内で減圧された作動流体は流出口17bから流出し、配管25を流通する。この配管25を流通する作動流体は、膨張機17内で減圧された際に膨張機17内の潤滑油を含んだ状態となっている。
配管25を流通する作動流体は、分油器19の流入口19aから分油器19内に至る。そして、分油器19内において、気相の作動流体と液相の潤滑油とが分離される。潤滑油が分離された作動流体は、流出口19bから流出し、配管26を経て凝縮器21の流入口21aから凝縮器21内に至る。一方、作動流体から分離された潤滑油は、分油器19内に貯留される。
凝縮器21内の作動流体は、凝縮器21の周りの空気に放熱を行い、冷却される。この際、コントローラ59は電動ファン21cの作動量を適宜変更して、作動流体を好適に放熱させて液化させる。冷却された作動流体は流出口21bから流出し、配管27を経て電動ポンプP1の吸入口102に吸入され、再び、電動ポンプP1の吐出口101から吐出されることとなる。
このように、この廃熱利用装置では、ボイラ15における加圧空気と作動流体との熱交換により作動流体を十分に加熱することが可能となる。このため、この廃熱利用装置では、膨張機17で作動流体を膨張及び減圧させた際の圧力エネルギーを大きくすることができる。このため、この廃熱利用装置では、ランキンサイクル3において回収可能なエネルギーの量、すなわち、電力量を大きくすることが可能となっている。
また、この廃熱利用装置では、ボイラ15において加圧空気を冷却することで、加圧空気の密度を大きくさせた状態でエンジン5に供給することが可能となっている。これにより、エンジン5の出力を向上させることが可能となっている。このように、この廃熱利用装置によれば、エンジン5の性能を向上させることも可能となっている。
さらに、この廃熱利用装置では、ランキンサイクル3での電力の回収と同時に、分油器19において分離された潤滑油をオイルポンプ装置29によって膨張機17に還流させることが可能である。具体的には以下の通りである。
潤滑油をオイルポンプ装置29によって膨張機17に還流させるにあたっては、まず、コントローラ59が流量調整弁55の開制御を行う。これにより、配管24を流通する作動流体の一部が高圧路33を経て、図2に示す装置本体31(ハウジング310)の感圧室310aに流入する(図2の(A)に示す実線矢印参照。)。感圧室310aに流入した作動流体は、第1流出口310dから低圧路35に流出することとなる(図2の(B)に示す実線矢印参照。)。上記のように、第1流出口310dから低圧路35に流出する際の作動流体の圧力は配管25を流通する作動流体の圧力よりも小さくなっている。さらに、低圧路35を流通する作動流体は、オリフィス57によって圧損される。これらのため、第1流出口310dから低圧路35を経た作動流体は、配管25を流通する作動流体と好適に合流することとなる。
さらに、コントローラ59は、上記のマップに基づき流量調整弁55の開度を適宜調整する。これにより、感圧室310aに流入する作動流体の流量と、感圧室310aから流出する作動流体の流量との比率が適宜変更され、感圧室310a内の作動流体の密度が適宜変化する。すなわち、同図の(A)に示すように、流量調整弁55の開度が大きくなり、感圧室310aに流入する作動流体の流量が感圧室310aから流出する作動流体の流量よりも大きくなれば、感圧室310a内の作動流体の密度が大きくなる。このため、感圧室310a内の作動流体の圧力により、ダイヤフラム41では、第1樹脂膜43aがコイルばね49の付勢力に抗して変位する。この際、第1樹脂膜43aに連動して第2樹脂膜43bがオイル室310bを縮小するように変位する(同図の(A)に示す白色矢印参照。)。
一方、同図の(B)に示すように、流量調整弁55が閉制御され又はその開度が小さくなることで、感圧室310aに流入する作動流体の流量が感圧室310aから流出する作動流体の流量よりも小さくなれば、感圧室310a内の作動流体の密度が小さくなる。このため、ダイヤフラム41では、第1樹脂膜43aがコイルばね49の付勢力よって変位し、第1樹脂膜43aに連動して第2樹脂膜43bがオイル室310bを拡大するように変位する(同図の(B)に示す白色矢印参照。)。なお、コントローラ59は流量調整弁55の開度調整を繰り返して行うため、上記のようなダイヤフラム41における第1樹脂膜43a及び第2樹脂膜43bの変位は、繰り返されることとなる。
樹脂膜43がオイル室310bを拡大するように変位することにより、オイル室310b内の圧力が低下する。これにより、流入リード弁51が第2流入口310eを開くように作動することで、図1に示す分油器19内の潤滑油が排油口19cから流出し、流入路37を流通してオイル室310b内に吸入される(図2の(B)に示す破線矢印参照。)。
また、樹脂膜43がオイル室310bを縮小するように変位することにより、オイル室310b内の圧力が上昇する。これにより、流出リード弁53が第2流出口310fを開くように作動する。このため、オイル室310b内に吸入された潤滑油が第2流出口310fから吐出される(図2の(A)に示す破線矢印参照。)。第2流出口310fから吐出された潤滑油は流出路39を流通し、図1に示す還流口17cから膨張機17内に流入(還流)することとなる(図3参照)。
このように、この廃熱利用装置におけるオイルポンプ装置29は、ボイラ15から流出した作動流体、すなわち、配管24を流通する作動流体の圧力を用いて分油器19内の潤滑油を膨張機17に還流させる。このため、この廃熱利用装置では、オイルポンプ装置29を作動、すなわち、分油器19内の潤滑油を膨張機17に還流させるための専用の動力源が不要となっている。また、ボイラ15から流出した作動流体は気相の状態である。このため、この廃熱利用装置では、気相の作動流体を利用するオイルポンプ装置29と、同じく気相の作動流体が流入及び流出する膨張機17とを近接させて配置することが可能となっている。このため、廃熱利用装置を小型化することが可能となっている。
したがって、実施例1の廃熱利用装置は、高性能でかつ搭載性に優れている。
また、この廃熱利用装置におけるオイルポンプ装置29は、感圧室310a内を流通する作動流体の圧力、すなわち、ボイラ15から流出した作動流体の圧力(配管24及び高圧路33を流通する作動流体の圧力)と、膨張機17で減圧された作動流体の圧力(配管25を流通する作動流体の圧力)との差圧を用いて、分油器19内の潤滑油を膨張機17に還流させている。ボイラ15から流出した作動流体の圧力は、膨張機17で減圧された作動流体の圧力と比較して常に高圧となる。このため、作動流体同士の圧力差を確実に生じさせることが可能となる。これにより、この廃熱利用装置では、オイルポンプ装置29が好適に作動し、潤滑油を好適に膨張機17に還流させることが可能となっている。
さらに、この廃熱利用装置におけるオイルポンプ装置29は、ハウジング310を有する装置本体31と、高圧路33と、低圧路35と、流入路37と、流出路39とで構成されている。また、ハウジング310内は、感圧室310aとオイル室310bとが単一のダイヤフラム41によって区画されている。このため、オイルポンプ装置29の構成が簡略化されており、また、その小型化も容易となっている。このため、廃熱利用装置の搭載性が向上しているとともに、低コスト化も実現している。
(実施例2)
実施例2の廃熱利用装置は、実施例1の廃熱利用装置におけるオイルポンプ装置29に替えて、図4に示すオイルポンプ装置61を採用している。
図5に示すように、オイルポンプ装置61は、装置本体63と、高圧路65と、低圧路67と、流入路69と、流出路71とを有している。
装置本体63は、第1ハウジング630と第2ハウジング631とを有している。第2ハウジング631は第1ハウジング630よりも小型に形成されている。第1ハウジング630の内部には、第1隔壁としての第1ピストンヘッド73が摺動可能に設けられている。また、第2ハウジング631の内部には、第2隔壁としての第2ピストンヘッド75が摺動可能に設けられている。第2ピストンヘッド75は第1ピストンヘッド73よりも小型に形成されている。これらの第1ピストンヘッド73と第2ピストンヘッド75とは、ロッド77によって連結されている。
第1ピストンヘッド73により、第1ハウジング630の内部は、感圧室630aと、第1中間室630bとに区画されている。感圧室630a及び第1中間室630bには、作動流体が流入可能となっている。一方、第2ピストンヘッド75により、第2ハウジング631の内部は、オイル室631aと、第2中間室631bとに区画されている。オイル室631aには潤滑油が流入可能となっており、第2中間室631bには空気が流入可能となっている。
第1ハウジング630には、第1流入口630cと、第1流出口630dと、第2流入口630eと、第2流出口630fと、挿通孔630gが形成されている。第1流入口630cは、感圧室630aに連通し、感圧室630a内に作動流体を流入させる。第1流出口630dは、感圧室630aに連通し、感圧室630a内の作動流体を流出させる。また、第2流入口630eは、第1中間室630bに連通し、第1中間室630b内に作動流体を流入させる。第2流出口630fは、第1中間室630bに連通し、第1中間室630b内の作動流体を流出させる。挿通孔630gには上記のロッド77が挿通されている。
この第1ハウジング630は、第1流出口630d及び第2流出口630fから流出する際に、作動流体の圧力が図4に示す配管25内を流通する作動流体の圧力以下となるように形成されている。
図5に示すように、第2ハウジング631には、オイル室631aに連通し、オイル室631a内に潤滑油を流入させる第3流入口631cと、オイル室631a内の潤滑油を流出させる第3流出口631dとが形成されている。また、第2ハウジング631には、ロッド77が挿通される挿通孔631eと、第2中間室631bと連通する空気孔631fとが形成されている。
第3流入口631cには、流入リード弁79が設けられている。また、第3流出口631dには、流出リード弁81が設けられている。これらの流入リード弁79及び流出リード弁81は、図2に示す流入リード弁51及び流出リード弁53と同様、逆止弁として機能する。具体的には、図5に示すように、流入リード弁79は、第2ハウジング631内で第2ピストンヘッド75がオイル室631aを拡大するように摺動することで第3流入口631cを開くように作動するとともに、第2ハウジング631内で第2ピストンヘッド77がオイル室631aを縮小するように摺動することで第3流入口631cを閉じるように作動する。一方、流出リード弁81は、第2ハウジング631内で第2ピストンヘッド77がオイル室631aを縮小するように摺動することで第3流出口631dを開くように作動するとともに、オイル室631a内で第2ピストンヘッド77がオイル室631aを拡大するように摺動することで第3流出口631dを閉じるように作動する。
図4に示すように、高圧路65の一端側は、配管24に接続されており、配管24を流通する作動流体の一部が流通可能となっている。また、この高圧路65の他端側は、図5に示す第1高圧枝路65aと第2高圧枝路65bとに分岐している。第1高圧枝路65aは第1流入口630cに接続されている。第2高圧枝路65bは第2流入口630eに接続されている。さらに、これらの第1、2高圧枝路65a、65bには、開閉弁83a、83cがそれぞれ設けられている。これらの開閉弁83a、83cは、図4に示すコントローラ59に電気的に接続されている。
図5に示すように、低圧路67の一端側は、第1低圧枝路67aと第2低圧枝路67bとに分岐している。第1低圧枝路67aは第1流出口630dに接続されている。一方、第2低圧枝路67bは第2流出口630fに接続されている。これらにより、低圧路67には、感圧室630aから流出した作動流体が流通可能となっている。この低圧路67の他端側は、図4に示す配管25に接続されている。また、第1、2低圧枝路67a、67bには、開閉弁83b、83dがそれぞれ設けられている。これらの開閉弁83b、83dは、図4に示すコントローラ59に電気的に接続されている。上記の開閉弁83a、83c及び開閉弁83b、83dが流量調整手段に相当する。
コントローラ59は、開閉弁83a〜83dを個々に開閉させる制御マップを記憶している。コントローラ59は、開閉弁83a〜83dを個々に開閉制御することで、図5に示す感圧室630a及び第1中間室630b内にそれぞれ流入する作動流体の流量を調整する。
この廃熱利用装置における他の構成は実施例1の廃熱利用装置と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
図6に示すように、この廃熱利用装置でも、実施例1の廃熱利用装置と同様、ランキンサイクル3において電力の回収を行うと同時に、分油器19において分離された潤滑油をオイルポンプ装置61によって膨張機17に還流させることが可能である。このオイルポンプ装置61は以下のように作動する。
コントローラ59が各開閉弁83a〜83dを制御することにより、このオイルポンプ装置61では、開閉弁83a及び開閉弁83dが開制御され、開閉弁83b及び開閉弁83cが制御される場合(図5の(A)参照。)と、開閉弁83a及び開閉弁83dが閉制御され、開閉弁83b及び開閉弁83cが開制御される場合(図5の(B)参照。)とが交互に繰り返される。ここで、コントローラ59は、上記の制御マップに基づき、開閉弁83aと開閉弁83dとの間における開閉の時期に一定の時間差を生じさせる。開閉弁83bと開閉弁83cとの間における開閉の時間差についても同様である。
コントローラ59が開閉弁83a及び開閉弁83dを開制御し、開閉弁83b及び開閉弁83cを閉制御することで、第1高圧枝路65a(高圧路65)及び第1流入路630cを経て、図5の(A)に示すように、作動流体が感圧室630a内に流入する。ここで、開閉弁83bは閉制御されているため、感圧室630a内の作動流体の密度が大きくなり、感圧室630a内における圧力が大きくなる。一方、開閉弁83cが閉制御され、開閉弁83dが開制御されることで、第1中間室630b内の作動流体は、第2流出口630fから第2低圧枝路67b(低圧路67)に流出する。このため、感圧室630a内の作動流体の圧力と、第1中間室630b内の作動流体の圧力とに差異が生じ、第1ピストンヘッド73が同図の白色矢印方向に摺動する。ここで、第1ピストンヘッド73と第2ピストンヘッド75とはロッド77によって連結されているため、上記のように、感圧室610a内の作動流体の圧力が大きくなることで、第2ピストンヘッド75は、第2ハウジング631内でオイル室631aを縮小するように摺動する。この際、空気孔631fを介して、第2中間室631b内には空気が流入する。
反対に、コントローラ59が開閉弁83a及び開閉弁83dを閉制御し、開閉弁83b及び開閉弁83cを開制御することで、同図の(B)に示すように、感圧室630a内の作動流体は、第1流出口630dから第1低圧枝路67a(低圧路67)に流出する。このため、感圧室630aの作動流体の密度が小さくなり、感圧室630a内における圧力が小さくなる。一方、第2高圧枝路65b(高圧路65)及び第2流入路630eを経て、作動流体が第1中間室630b内に流入する。ここで、開閉弁83dは閉制御されているため、第1中間室630b内の作動流体の密度が大きくなる。これにより、第1ピストンヘッド73が同図の白色矢印方向に摺動する。このため、第2ピストンヘッド75は、第2ハウジング631内でオイル室631aを拡大するように摺動する。この際、第2中間室631b内の空気は、空気孔631fを介して第2ハウジング631の外に流出する。
第2ピストンヘッド75がオイル室631aを拡大するように摺動することにより、オイル室631a内の圧力が低下する。これにより、流入リード弁79が第3流入口631dを開くように作動することで、分油器19内の潤滑油が排油口19c及び流入路69を流通し、オイル室631a内に吸入される(同図の破線矢印参照。)。
また、図5の(A)に示すように、第2ピストンヘッド75がオイル室631aを縮小するように摺動することにより、オイル室631b内の圧力が上昇する。これにより、流出リード弁81が第3流出口631dを開くように作動することで、オイル室631a内に吸入された潤滑油が第3流出口631dから吐出される(同図に示す破線矢印参照。)。第3流出口631dから吐出された潤滑油は流出路71を流通し、図6に示す還流口17cから膨張機17内に流入(還流)することとなる。
上記のように、コントローラ59が各開閉弁83a〜83dの開閉制御を繰り返して行うため、これらのようなオイル室631aを拡大又は縮小させる第2ピストンヘッド75の摺動は繰り返される。こうして、この廃熱利用装置におけるオイルポンプ装置61では、分油器19において分離された潤滑油を膨張機17に還流させることが可能となっている。また、第1流出口630d及び第2流出口630fから流出した作動流体の圧力は、配管25を流通する作動流体の圧力よりも小さくなっている。このため、第1低圧枝路67a及び第2低圧枝路67bを流通する作動流体は、配管25を流通する作動流体と好適に合流することとなる。この廃熱利用装置における他の作用効果は実施例1の廃熱利用装置と同様である。
特に、このオイルポンプ装置61における装置本体63は、第1ハウジング630と第2ハウジング631とを有している。このため、この装置本体63では、図5に示すように、第1ハウジング630と第2ハウジング631とで容積に差異を設けるとともに、第1ピストンヘッド73と第2ピストンヘッド75とで受圧面積に差異を設けている。このため、この装置本体63では、感圧室630a及び第1中間室630bに流入する作動流体の流量と、膨張機17に還流される潤滑油の流量との調整が可能となっている。
また、この装置本体63では、感圧室630a及び第1中間室630bにそれぞれ作動流体を流入させている。このため、この装置本体63では、感圧室630a内の作動流体の圧力と第1中間室630b内の作動流体の圧力とに確実に差異が生じるため、第1ピストンヘッド73及び第2ピストンヘッド75が好適に摺動し、オイル室631aに潤滑油を好適に流入させるとともに、オイル室631a内の潤滑油を好適に膨張機17に還流させることが可能となっている。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、ボイラ15では、加圧空気と作動流体との熱交換に替えて、冷却水と作動流体との熱交換を行っても良い。また、駆動系1において、エンジン5で生じた排気が流通する排気路を設け、ボイラ15では、この排気路を流通する排気と作動流体との熱交換を行う構成としても良い。さらに、排気路内を流通する排気の一部をエンジン5に還流排気として還流させる排気還流路を設け、ボイラ15では、この排気還流路を流通する還流排気と作動流体との熱交換を行う構成としても良い。なお、排気還流路は排気路に接続される。
また、ボイラ15を複数設けて、加圧空気と作動流体との熱交換と、冷却水と作動流体との熱交換と、排気又は還流排気と作動流体との熱交換とをそれぞれ行う構成としても良い。
さらに、実施例1の廃熱利用装置では、オイルポンプ装置29と膨張機17とを別体としているが、オイルポンプ装置29と膨張機17とを一体化させることも可能である。この際、分油器19も併せて一体化させることが可能である。実施例2の廃熱利用装置におけるオイルポンプ装置61と膨張機17とについても同様である。
本発明は車両等に利用可能である。
1…駆動系
3…ランキンサイクル
5…エンジン(内燃機関)
7…ターボチャージャ(過給器)
15…ボイラ
17…膨張機
19…分油器
21…凝縮器
23〜27…配管
29…オイルポンプ装置(潤滑油還流手段)
33…高圧路
35…低圧路
37…流入路
39…流出路
41…ダイヤフラム(隔壁)
51…流入リード弁(流入弁)
53…流出リード弁(流出弁)
55…流量調整弁(流量調整手段)
57…オリフィス(流量調整手段)
61…オイルポンプ装置(潤滑油還流手段)
65…高圧路
67…低圧路
69…流入路
71…流出路
73…第1ピストンヘッド(第1隔壁)
75…第2ピストンヘッド(第2隔壁)
77…ロッド
79…流入リード弁(流入弁)
81…流出リード弁(流出弁)
83a〜83d…開閉弁(流量調整手段)
310…ハウジング
310a…感圧室
310b…オイル室
630…第1ハウジング
630a…感圧室
630b…第1中間室
631…第2ハウジング
631a…オイル室
631b…第2中間室
P1…電動ポンプ(ポンプ)

Claims (6)

  1. 作動流体を循環させるランキンサイクルを備え、内燃機関を有する駆動系に用いられる廃熱利用装置であって、
    該ランキンサイクルは、ポンプと、ボイラと、膨張機と、分油器と、凝縮器と、該ポンプ、該ボイラ、該膨張機、該分油器及び該凝縮器の順で該作動流体を循環させる配管と、潤滑油還流手段とを有し、
    前記駆動系は、冷却液路、過給器及び排気路の少なくとも一つを有し、
    該冷却液路は前記内燃機関の冷却を行う冷却液が流通し、
    該過給器は、外気を吸入して該内燃機関に対して加圧空気を供給し、
    該排気路は該内燃機関で生じた排気が流通し、
    前記ボイラでは、該冷却液、該加圧空気及び該排気のいずれか一つと、前記作動流体とで熱交換が可能であり、
    前記分油器では、前記膨張機で減圧された該作動流体中に含まれる潤滑油を分離可能であり、
    前記潤滑油還流手段は、該ボイラから流出した該作動流体の圧力を用いて、該分油器内の該潤滑油を該膨張機に還流させることを特徴とする廃熱利用装置。
  2. 前記潤滑油還流手段は、前記ボイラから流出した前記作動流体の圧力と、前記膨張機で減圧された該作動流体の圧力との差圧を用いて、前記分油器内の前記潤滑油を該膨張機に還流させる請求項1記載の廃熱利用装置。
  3. 前記潤滑油還流手段は、変位可能な隔壁によって感圧室とオイル室とが区画されたハウジングと、
    前記ボイラと前記膨張機との間の前記配管から分岐し、該感圧室に連通する高圧路と、
    該感圧室に連通し、該膨張機と前記分油器との間の該配管に合流する低圧路と、
    該分油器と該オイル室とを連通する流入路と、
    該オイル室と該膨張機とを連通する流出路と、
    該隔壁が該オイル室を拡大することによって、該流入路を開いて該流出路を閉じる流入弁と、
    該隔壁が該オイル室を縮小することによって、該流入路を閉じて該流出路を開く流出弁と、
    該高圧路及び該低圧路の少なくとも一方に設けられた流量調整手段とを有している請求項1又は2記載の廃熱利用装置。
  4. 前記ハウジングは、前記感圧室と前記オイル室とを単一の前記隔壁によって区画している請求項3記載の廃熱利用装置。
  5. 前記ハウジングは、前記感圧室と第1中間室とを前記隔壁の一つである第1隔壁によって区画している第1ハウジングと、
    第2中間室と前記オイル室とを該隔壁の一つである第2隔壁によって区画している第2ハウジングとからなり、
    該第1隔壁と該第2隔壁とがロッドによって連結されている請求項3記載の廃熱利用装置。
  6. 前記ハウジングは、前記感圧室から流出する前記作動流体の圧力が前記膨張機から流出する該作動流体の圧力以下となるように形成されている請求項3乃至5のいずれか1項記載の廃熱利用装置。
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