JP2013141654A - 除染用材料及び除染方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 土壌などの環境から、金属汚染物質や放射性汚染物から金属や放射性核種を容易に除去できる除染用材料を提供する。
【解決手段】
金属の吸着剤としてリグニンを含む除染用材料、更には、前記除染用材料は、前記リグニンと熱可塑性樹脂を含む複合材からなる除染用材料。また、前記除染用材料を、金属汚染部に接触させることを特徴とする除染方法。
【選択図】 なし
【解決手段】
金属の吸着剤としてリグニンを含む除染用材料、更には、前記除染用材料は、前記リグニンと熱可塑性樹脂を含む複合材からなる除染用材料。また、前記除染用材料を、金属汚染部に接触させることを特徴とする除染方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、除染用材料及び除染方法に関するものである。
近年、放射性核種による環境問題や食品の安全性の問題などから、環境中や土壌中の放射性核種となる重金属について関心が高まっている。これら重金属の多くは有害なものが多く、セシウムとストロンチウムなどは半減期が長く、環境中や土壌中等から除染する必要がある。
これまで放射性核種の対処方法として、一般的に客土という他の土壌を汚染土壌の上からかぶせる方法があるが、除染ではないことと客土材の確保が困難であり、実施にコストがかかるという問題があった。
また、放射性汚染物質を植物に吸収させる所謂ファイトレメディエーションと呼ばれる方法などがある(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法は農作物生産のための年数が必要であることと植物の吸着能力が低いという問題があり実用化には難点があった。
また、放射性汚染物質を植物に吸収させる所謂ファイトレメディエーションと呼ばれる方法などがある(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法は農作物生産のための年数が必要であることと植物の吸着能力が低いという問題があり実用化には難点があった。
本発明は上記の様な状況に鑑み、土壌などの環境から、金属汚染物質や放射性汚染物から金属や放射性核種を容易に除去できる除染用材料を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明第(1)項〜第(7)項により達成される。
(1) 金属の吸着剤としてリグニンを含む除染用材料。
(2) 前記除染用材料は、前記リグニンと熱可塑性樹脂を含む複合材からなる(1)に記載の除染用材料。
(3) 前記除染用材料は、放射性核種を吸着するものである(1)又は(2)に記載の除染用材料。
(4) 前記除染用材料は、放射性核種としてのセシウムまたはストロンチウムである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の除染用材料。
(5)前記除染用材料は、シート状に形成されたものである(1)〜(4)のいずれか1項に記載の除染用材料。
(6) 前記複合材は、熱可塑性樹脂を水性エマルジョンとして得られたものである(2)〜(5)のいずれか1項に記載の除染用材料。
(7) (1)〜(6)いずれか1項に記載の除染用材料を、金属汚染部に接触させることを特徴とする除染方法。
(1) 金属の吸着剤としてリグニンを含む除染用材料。
(2) 前記除染用材料は、前記リグニンと熱可塑性樹脂を含む複合材からなる(1)に記載の除染用材料。
(3) 前記除染用材料は、放射性核種を吸着するものである(1)又は(2)に記載の除染用材料。
(4) 前記除染用材料は、放射性核種としてのセシウムまたはストロンチウムである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の除染用材料。
(5)前記除染用材料は、シート状に形成されたものである(1)〜(4)のいずれか1項に記載の除染用材料。
(6) 前記複合材は、熱可塑性樹脂を水性エマルジョンとして得られたものである(2)〜(5)のいずれか1項に記載の除染用材料。
(7) (1)〜(6)いずれか1項に記載の除染用材料を、金属汚染部に接触させることを特徴とする除染方法。
本発明の除染用材料によれば、土壌などの環境から、金属汚染物質や放射性汚染物から金属や放射性核種を容易に除去できる。
本発明は、金属の吸着剤としてリグニンを含む除染用材料であり、リグニンを吸着剤として含むことにより、金属汚染物質や放射性汚染物から金属や放射性核種を吸収、除去することができるものである。なお、本発明における放射性核種とは、元素記号が同じ原子であっても中性子数が違う核種(または同位体)であり、放射線を放出するものである。これら放射性核種の中でも、半減期の長い、セシウムとストロンチウムなどに効果を得るものである。
本発明に用いるリグニンは、セルロース及びヘミセルロースと共に、植物体の骨格を形成する主要成分であり、自然界に最も豊富に存在する物質の一つである。このリグニンには、植物として、針葉樹、広葉樹及び草本を由来とする、3種類のリグニンがある。これらのリグニンは、針葉樹、広葉樹及び草本を酸化分解することにより得ることができる。また、その構造は、それぞれの原料から生成する分解生成物によって区別され、針葉樹リグニンは、主にグアイアシルプロパン構造から、広葉樹リグニンは、主に前記グアイアシルプロパン構造及びシリンギルプロパン構造から、又、草本類リグニンは、主に前記グアイアシルプロパン構造、前記シリンギルプロパン構造、及び4−ヒドロキシフェニルプロパン構造から成る。
本発明に用いるリグニンの製造方法としては、高温、高圧の有機溶媒を使用して、リグニンを溶媒和させる有機溶媒法を挙げることができる。例えば、上記植物を、水などを溶媒として、温度180℃〜350℃、圧力1.0〜16MPa程度の亜臨界条件でヘミセルロースやセルロースを除去する方法であり、具体的には温度230℃、圧力2.8MPaで亜臨界処理を行い、処理物からろ過して固形分のリグニンを取り出すことができる。
このようにして得られるリグニンの末端にカルボキシル基を有することで、上記放射性核種などの金属を吸着できる。
このようにして得られるリグニンの末端にカルボキシル基を有することで、上記放射性核種などの金属を吸着できる。
本発明の除染用材料は、金属汚染物質や放射性汚染物から金属や放射性核種などの金属の吸着剤としてリグニンを含むものであれば良いが、除染用材料として、金属汚染物質や放射性汚染物から金属や放射性核種などの金属を吸収、除去する際に、作業性の上で、シート状または粒状などの形状に形成されていることが好ましく、シート状であることがより好ましい。
本発明の除染用材料として、シート状または粒状にする際には、リグニンはバインダーなどともに複合化して用いると良い。このようなバインダーとしては、熱可塑性樹脂であることが作業性の上で好ましい。
本発明の除染用材料として、シート状または粒状にする際には、リグニンはバインダーなどともに複合化して用いると良い。このようなバインダーとしては、熱可塑性樹脂であることが作業性の上で好ましい。
本発明に用いる熱可塑性樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂及び酢酸ビニル樹脂、変性アクリル酸エステル共重合体などが挙げられ、これらの中でも、リグニンと複合化する上で、ウレタン樹脂、変性アクリル酸エステル共重合体、アクリル樹脂及びアクリル変性ウレタン樹脂などが好ましく、変性アクリル酸エステル共重合体などがより好ましい。
また、熱可塑性樹脂を水性エマルジョンとして用いることにより、リグニンが分散し、除染用材料中のリグニンの含有量を向上させることができ、良好な除染用材料を作製することができる。
また、熱可塑性樹脂を水性エマルジョンとして用いることにより、リグニンが分散し、除染用材料中のリグニンの含有量を向上させることができ、良好な除染用材料を作製することができる。
上記水性エマルジョンは、熱可塑性樹脂が、小さな粒子状になって、水中で分散している分散系溶液のことである。熱可塑性樹脂の粒子径としては数十nmのものから数μmのものまで好適に用いられる。粒子径はレーザー回折散乱法の粒度分布計や動的光散乱法の粒度分布計を用いて測定することができる。
本発明の除染用材料において複合化に用いる水性エマルジョンの濃度としては、リグニンが分散し、除染材料中のリグニン含有量を向上させることができる濃度であれば良いが、一般的に30質量%以上50質量%程度のものを用いることができる。
本発明の除染用材料の複合化において、水性エマルジョンンの溶液中でリグニンを凝集させ、凝集物の乾燥をしやすくするなど、より作業性を向上させる上で凝集剤を用いることが好ましい。
本発明に用いる凝集剤としては、リグニンを凝集させ、水性エマルジョンの溶液から取り出せる程度に、リグニン凝集物を生成することができるものであればよい。このような凝集剤としては、一般的に、上下水道、し尿処理、工場廃水などの浄水剤として使われるものを用いることができ、例えば、高分子凝集剤(ポリアクリルアミド(ノニオン系高分子凝集剤)、ポリアクリル酸、アクリルアミド・アクリル酸共重合体、アクリルアミド・アクリル酸ナトリウム共重合物(アニオン系高分子凝集剤)、ポリアクリルアミド系高分子凝集剤、ジメチルアミノエチルアクリレート系高分子凝集剤、アクリルアミド・ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド4級塩の共重合物(カチオン系高分子凝集剤))、鉄系凝集剤(ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄)、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、PAC(ポリ塩化アルミニウム)などを挙げることができる。更に、前記凝集剤は、リグニン同士のバインダーとしても機能するものであり、前記凝集剤の中でも費用の点から鉄系凝集剤などが好ましい。鉄系凝集剤の種類は特に限定しないが、塩化第二鉄系のものが好ましい。なお、本発明で用いる凝集剤は、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の除染用材料シートの製造方法について説明するが、その一例として、バインダーとして熱可塑性樹脂を用いて複合化した例を説明する。
まず、リグニンを、リグニンに対して10〜100質量倍程度の水の中に入れて撹拌し、リグニンを水中に分散させ、リグニン分散水溶液を作製する。次に、リグニン分散水溶液を撹拌しながら、熱可塑性樹脂の水性エマルジョン溶液を添加し、しばらく撹拌した後、必要に応じて、凝集剤を添加し、撹拌する。このとき、リグニンが水性エマルジョンの熱可塑性樹脂成分に絡みついた状態で、リグニンと熱可塑性樹脂とが複合化し、水溶液中に凝集するため、凝集物を得ることができる。次に、凝集物を水溶液より取り出し、好ましくはシート状に薄くのばして、エバポレータや乾燥機などで乾燥して凝集物中の水分を除去し、最後に加熱加圧プレスを用いて、任意の厚みに加熱、加圧することにより、全体の厚みを均一にしてリ、除染用材料シートを得ることができる。
まず、リグニンを、リグニンに対して10〜100質量倍程度の水の中に入れて撹拌し、リグニンを水中に分散させ、リグニン分散水溶液を作製する。次に、リグニン分散水溶液を撹拌しながら、熱可塑性樹脂の水性エマルジョン溶液を添加し、しばらく撹拌した後、必要に応じて、凝集剤を添加し、撹拌する。このとき、リグニンが水性エマルジョンの熱可塑性樹脂成分に絡みついた状態で、リグニンと熱可塑性樹脂とが複合化し、水溶液中に凝集するため、凝集物を得ることができる。次に、凝集物を水溶液より取り出し、好ましくはシート状に薄くのばして、エバポレータや乾燥機などで乾燥して凝集物中の水分を除去し、最後に加熱加圧プレスを用いて、任意の厚みに加熱、加圧することにより、全体の厚みを均一にしてリ、除染用材料シートを得ることができる。
上記のようにして得られる除染用材料シート中におけるリグニン含有量としては、一般的に熱可塑性樹脂とリグニンの合計量に対して、好ましい下限値として、除染の効果を得る上で30質量%以上であることが好ましい。また、上限値としては放射性核種を吸着する上で高い方が好ましいが、除染用材料を作製する上で、70質量%程度であっても良い。
前記の例以外にもパーティクルボードと同じような作り方で、具体的には、合成樹脂接着剤を、リグニンに塗布後、熱圧成形して得られたものを用いても構わない。
また、本発明の除染用材料はブロック形状で用いられてもよい。ブロック形状とする上で、上記で得た除染用材料シートを重ね合わせて加圧成形してもよく、上記リグニンと熱可塑性樹脂とが複合化された凝集物をブロック形状に成形してもよい。
また、本発明の除染用材料はブロック形状で用いられてもよい。ブロック形状とする上で、上記で得た除染用材料シートを重ね合わせて加圧成形してもよく、上記リグニンと熱可塑性樹脂とが複合化された凝集物をブロック形状に成形してもよい。
また、本発明の除染用材料は上記放射性核種だけでなく、カドミウムや鉛などの重金属類に対する吸着能力もあり、重金属類の吸着を必要とする分野にも適用することができる。
本発明の除染用材料の使用方法については、除染用材料を金属汚染部に接触させることにより使用すればよいが、例えば、金属汚染の土壌表面に、除染用材料シートを置くだけの施用でも土壌中の放射性核種などの金属を吸着し、容易に除去することができる。このとき、酢酸等で調整したpH4程度の溶液を土壌に撒いた後で、除染用材料シートを施用すると、よりいっそうの吸着効果を得ることができる。
また汚染水中に、除染用材料を浸漬し、水中の放射性核種などの金属を除去させて水を浄化することもできる。
また汚染水中に、除染用材料を浸漬し、水中の放射性核種などの金属を除去させて水を浄化することもできる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。ここで、「%」、「部」、「倍」は、すべて「質量%」、「質量部」、「質量倍」である。
実施例1
(リグニンの製造)
杉オガ粉と水を固形分10質量%になるように、10L容量のオートクレーブの中に入れ、230℃、2.8MPaの亜臨界処理を行った後、加圧ろ過を行い、不溶分を取り出した。不溶分をアセトン浸漬し、ろ過後、アセトンをエバポレーションすることにより、有機溶媒法のリグニン350gを準備した。
(リグニンの製造)
杉オガ粉と水を固形分10質量%になるように、10L容量のオートクレーブの中に入れ、230℃、2.8MPaの亜臨界処理を行った後、加圧ろ過を行い、不溶分を取り出した。不溶分をアセトン浸漬し、ろ過後、アセトンをエバポレーションすることにより、有機溶媒法のリグニン350gを準備した。
(除染用材料シートの作製)
上記で得たリグニン350gを、7kgの水中にいれて撹拌し、さらに、アクリル変性ウレタン樹脂水性エマルジョン(中央理化工業株式会社製水性エマルジョンSU−100、樹脂固形分33%)溶液を700g入れて、10分間撹拌を行った。
撹拌後、撹拌された溶液に、更に塩化第二鉄系凝集剤(やよい産業株式会社製、塩化第二鉄液38%水溶液)を、凝集剤の濃度が10質量%になるまで、水で希釈した水溶液を、880g添加して、10分間撹拌した。このとき、凝集剤を入れた瞬間に、液中のリグニンどうしが凝集した。溶液中に凝集したものを取り出し、薄く伸ばした後に、60℃で24時間乾燥後、更に加熱加圧装置を用いて、装置の加圧部に凝集物を載置し、厚み0.3mmのスペーサーを用いて、150℃で30分間加圧することにより、除染用材料シート(シートの大きさ約8300cm2、厚み約0.5mm)約550gを得た。シート中におけるリグニン含有濃度は約60質量%となる様配合した。
上記で得たリグニン350gを、7kgの水中にいれて撹拌し、さらに、アクリル変性ウレタン樹脂水性エマルジョン(中央理化工業株式会社製水性エマルジョンSU−100、樹脂固形分33%)溶液を700g入れて、10分間撹拌を行った。
撹拌後、撹拌された溶液に、更に塩化第二鉄系凝集剤(やよい産業株式会社製、塩化第二鉄液38%水溶液)を、凝集剤の濃度が10質量%になるまで、水で希釈した水溶液を、880g添加して、10分間撹拌した。このとき、凝集剤を入れた瞬間に、液中のリグニンどうしが凝集した。溶液中に凝集したものを取り出し、薄く伸ばした後に、60℃で24時間乾燥後、更に加熱加圧装置を用いて、装置の加圧部に凝集物を載置し、厚み0.3mmのスペーサーを用いて、150℃で30分間加圧することにより、除染用材料シート(シートの大きさ約8300cm2、厚み約0.5mm)約550gを得た。シート中におけるリグニン含有濃度は約60質量%となる様配合した。
200mLのビーカー内に、土壌を125g敷き詰めたものを3ヶ用意した。各々土壌の上に、除染用材料シート(1g、約10cm2)を1枚ずつ載置した。上記の土壌は、予め塩化セシウム0.45mgに水を45mL添加してセシウム濃度が10mg/Lとなるように調整した溶液を添加したものを用いた。
続いて、ビーカーに、蓋を取付け、48時間放置したところで1ヶ目の除染用材料シートを取り出した(試験No.1)。2ヶ目は除染用材料シートを96時間放置したところで取り出した(試験No.2)。残りの1ヶは“試験前のセシウム濃度”測定用とした。上記で残った溶液入りの土壌を孔径0.45μmのメンブレンフィルターを通してろ過を行い、取り出した溶液成分の放射性セシウム濃度を測定した。セシウムの分析はICP(高周波誘導結合プラズマ発光分析装置)を用いて定量分析を行った。試験温度は20〜25℃(室温)、試験時のpHは中性付近(5〜9)とした。セシウム吸着試験結果を表1に示す。
続いて、ビーカーに、蓋を取付け、48時間放置したところで1ヶ目の除染用材料シートを取り出した(試験No.1)。2ヶ目は除染用材料シートを96時間放置したところで取り出した(試験No.2)。残りの1ヶは“試験前のセシウム濃度”測定用とした。上記で残った溶液入りの土壌を孔径0.45μmのメンブレンフィルターを通してろ過を行い、取り出した溶液成分の放射性セシウム濃度を測定した。セシウムの分析はICP(高周波誘導結合プラズマ発光分析装置)を用いて定量分析を行った。試験温度は20〜25℃(室温)、試験時のpHは中性付近(5〜9)とした。セシウム吸着試験結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様にして得た除染用材料シートを用い、実施例1と同様の条件で、200mLのビーカーに土壌を125g敷き詰めたものを3ヶ用意した。各々その上に、除染用材料シート(1g、約10cm2)を各1枚ずつ載置した。ビーカー内に、塩化ストロンチウムを0.45mg入れ更に水を45mL添加してストロンチウム濃度が10mg/Lとなるように調整した。ビーカーに蓋を取付け、1ヶ目は48時間放置したところで除染用材料シートを取り出した(試験No.3)。2ヶ目は除染用材料シートを96時間放置したところで取り出した。残りの1ヶは“試験前のストロンチウム濃度”測定用とした。上記で残った溶液入りの土壌を孔径0.45μmのメンブレンフィルターを通してろ過を行い、取り出した溶液成分のストロンチウム濃度を測定した。そのストロンチウム(Sr)吸着試験結果を表2に示す。
実施例1と同様にして得た除染用材料シートを用い、実施例1と同様の条件で、200mLのビーカーに土壌を125g敷き詰めたものを3ヶ用意した。各々その上に、除染用材料シート(1g、約10cm2)を各1枚ずつ載置した。ビーカー内に、塩化ストロンチウムを0.45mg入れ更に水を45mL添加してストロンチウム濃度が10mg/Lとなるように調整した。ビーカーに蓋を取付け、1ヶ目は48時間放置したところで除染用材料シートを取り出した(試験No.3)。2ヶ目は除染用材料シートを96時間放置したところで取り出した。残りの1ヶは“試験前のストロンチウム濃度”測定用とした。上記で残った溶液入りの土壌を孔径0.45μmのメンブレンフィルターを通してろ過を行い、取り出した溶液成分のストロンチウム濃度を測定した。そのストロンチウム(Sr)吸着試験結果を表2に示す。
結果から明らかなように、本発明の除染用材料を土壌に施用することにより、セシウムとストロンチウムといった放射性核種が土壌より吸着され、更に吸着後にシート状の除染用材料を土壌から除去することで、土壌を除染することができる。
本発明による土壌の除染方法を行うことにより、土壌の放射性核種の濃度を低下させることができる。土壌の除染法として利用することができる。
Claims (7)
- 金属の吸着剤としてリグニンを含む除染用材料。
- 前記除染用材料は、前記リグニンと熱可塑性樹脂を含む複合材からなる請求項1に記載の除染用材料。
- 前記除染用材料は、放射性核種を吸着するものである請求項1又は2に記載の除染用材料。
- 前記除染用材料は、放射性核種としてのセシウムまたはストロンチウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の除染用材料。
- 前記除染用材料は、シート状に形成されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の除染用材料。
- 前記複合材は、熱可塑性樹脂を水性エマルジョンとして得られたものである請求項2〜5のいずれか1項に記載の除染用材料。
- 請求項1〜6いずれか1項に記載の除染用材料を、金属汚染部に接触させることを特徴とする除染方法。
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Cited By (1)
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CN104801288A (zh) * | 2015-04-13 | 2015-07-29 | 湖北硅金凝健康石材有限公司 | 一种用以移除重金属新型吸附柱及其制备方法 |
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2012
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Cited By (2)
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