JP2013137210A - 水性高分子無機化合物を用いた放射線汚染物質の処理方法 - Google Patents

水性高分子無機化合物を用いた放射線汚染物質の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】操作が容易で経済的にも好ましい、放射線汚染物質の除汚方法を提供する。
【解決手段】A)周期表第13族及び14族から選択される1つ以上の金属と、B)無機酸、これらの亜酸、有機酸、並びにこれらの塩から選択される1つ以上と、C)1つ以上のアルカリ金属とを、水和反応させて得られた水性高分子量無機化合物を含む液体組成物を提供する工程と、前記組成物を放射性物質により汚染された物質に接触させる工程とを含む、放射線汚染物質の処理方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は水性高分子量無機化合物を用いた放射線除去方法に関する。
東日本大震災時に起こった福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染対策は、緊急課題である。当該事故由来の放射性物質、特に放射性セシウムが東日本一帯に拡散したと推定されており、農産物及び食品等からの放射性セシウムの検出が相次いでいる。さらに、今だ事故が収束する見込みはなく、汚染は進む一方であると推定される。放射性セシウムである、セシウム135の半減期は200万年、セシウム137の半減期は30年、セシウム134の半減期は2年と長く、長期間に渡り放射線を出し続け、環境汚染の蓄積及び人体への影響が懸念されている。自然減衰10分の1となる、300年、2分の1となる30年を待つ余裕はない。土壌汚染や汚染植物の現実的方法として、ゼオライトや微生物、電解水の使用が提案されているが、今だ、経済的で有効な除去方法は提案されていない。
本願発明者は、特許第3491181号、特許第4291468号、特許第4474102号、及び特許第4555394号において、水性造膜性無機化合物を発明している。これらの文献において、本願発明者は、水中にある金属成分に無機酸及びアルカリ金属を、一定温度以上に加熱しながら添加して、水性造膜性無機化合物を発明した。該化合物は木材、布に、含浸、塗布することにより、防火・対価性を付与することができ、該化合物を脱水して得られる高分子量ポリマー自体も不燃性、耐熱性を有するものである。更には、特願2007−254241号において、低凝固点、不凍結、蓄熱効果を有する組成物を発明している。
本願発明者は、これらに記載の発明に基づいて調製される、水中にある金属成分に所定の無機酸及び有機酸、並びにアルカリ金属を添加して得られた液体組成物を高い空間線量率を示す土壌に噴霧、接触させたところ、驚くべきことに、空間線量率を大幅に低めることを発見し、本願発明に至った。
本願発明者は上記背景技術に鑑み、操作が容易で経済的にも好ましい、放射線の除汚方法を提供する。
発明を解決するための手段
即ち、本願発明は、A)周期表第13族及び14族から選択される1つ以上の金属と、B)無機酸、これらの亜酸、有機酸、並びにこれらの塩から選択される1つ以上と、C)1つ以上のアルカリ金属とを、水和反応させて得られた水性高分子量無機化合物を含む液体組成物を提供する工程と、前記組成物を放射性物質により汚染された物質に接触させる工程とを含む、放射線汚染物質の処理方法を提供する。
他の態様において、前記A)はホウ素、アルミニウム、ケイ素から選択される。
他の態様において、前記B)は硼砂、フッ化水素酸塩、硫酸、リン酸、硝酸、亜硝酸、亜硫酸、亜リン酸、1乃至12の炭素数のカルボン酸、及びイノシットからなる群から選択される。
他の態様において、1乃至12の炭素数のカルボン酸は、ジカルボン酸である。
他の態様において、前記ジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸から選択される。
他の態様において、前記C)が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムから選択される。
他の態様において、前記接触させる工程は、前記放射性物質に前記組成物を噴霧する工程、前記放射性物質を前記組成物を撹拌混合する工程、前記放射性物質と前記組成物とを加熱しながら撹拌混合する工程、前記放射性物質と前記組成物とを混合し煮沸する工程、から選択される。
他の態様において、前記放射性物質汚染物質は土、水、農産物、水産物、損壊した建物、瓦礫、から選択される。
本願発明に用いる水性高分子量無機化合物は、特許第3491181号、特願2007−254241号、特許第4291468号、特許第4474102号、及び特許第4555394号に接した当業者であれは、容易に調製することができる。具体的には、水にA)金属成分、B)酸成分、及びC)アルカリ金属成分を添加し、30℃以上、40℃以上、50℃以上、又は60℃以上の一定温度に維持することにより得られる。必要に応じて緩やかに撹拌してもよい。必要に応じてpHを調製することもできる。pHを調製する場合は、アルカリ金属の添加量により調整することができる。A)の金属成分が、ケイ素及びアルミニウムであれば、11以上、ホウ素である場合には8.5以上のpHが好ましい。組成物の各成分の量は、水1000部に対して、A)50部乃至500部、好ましくは100部乃至150部B)50部500部、好ましくは70部乃至100部、C)5部乃至200部、好ましくは70部乃至100部のそれぞれの範囲内で適宜変更することができる。
本願発明の効果について、原理を限定する意図は無いけれども、以下の実施例で詳述するように、本願発明の方法に用いる組成物は、組成物中でpH変化において独特の電位を示すことに関係があるものと思われる。本願方法に用いる組成物は、以下の実施例に記載のように所定固形分含量において、独特の電荷プロファイルを示す、本発明の方法に用いる組成物は所定のpHにおいて、−100mVより大きい負の電荷を有することが好ましい。更には、本願発明の方法に用いる組成物は−20℃においても氷結しないことを特徴とする。
これらの組成物を放射性物質により汚染された土壌に散布、あるいは散布及び混合、あるいは散布及び混合及び加熱することにより、空間線量率をおよそ10分の1以下まで低めることが可能である。
以下に本願発明に用いた組成物の成分を示す。以下の表に記す組成物は、水1000リットルに対してA)、B)、及びC)の順に添加し、発熱反応を放置し、60℃以上になるよう温度を維持しながら、ゆるやかに撹拌して調製した。
Figure 2013137210
前述の組成物について、三和電流計で測定した電位を示す。
Figure 2013137210
福島飯館村で、地表1cm付近で2.6μsv/hの空間線量率を観測する土壌100gを、SUS製ポール3個に採取した。この土壌にA-100、BN-200、UF-5Mを30g加え、10分間煮沸した、簡易放射能測定器で測定した結果以下の表のようになった。試験及び測定は空間線量率0.08μsv/hの茅ヶ崎市内で行った。
Figure 2013137210
福島県国道117号浪江町入口付近、環境省測定ポイント地表1cm付近で、4.9μsv/hの空間線量率を示した土壌100gをステンレスボウルに採取し、ここにA-100を40g添加して煮沸した。煮沸したものを福島市に移動して2時間後に測定したところ、0.4μsv/hを示した。処理前の10分の1の値になった。翌日には、0.2となり3日目には 0.1μsv/hとなった。
福島市郊外にて採取された1.2μsv/hの空間線量率を示した土壌を250g採取し、BN-200、100gを散布した。20時間後に同様に空間線量率を測定したところ、0.2μsv/hとなった。空間線量率を10分の1に減らすことができた。7日後には、0.1μsv/hと更に低減した。
20リットル缶に実施例4に記載の土壌10kgを入れ3kgのBN-200を加え、撹拌混合し、10分間加熱を行った。これを静置して冷却し、1日後に0.08乃至0.11μsv/hとなった。
福島県いわき市において地表1cmで5〜9μsv/hの空間線量率を示す土壌を600g採取し、A-100、BZ-200、UF-5M、をそれぞれ240g添加して、発熱し蒸気が発生するまで高速混合し、試料とした。この高速混合において、発熱が生じ蒸気が発生することが確認された。この試料を280gに3等分し、更に高速剪断撹拌を5分間行うグループ(グループ1)、更に10分間煮沸するグループ(グループ2)、更にLCを20g加えるグループ(グループ3)に分けて処理を行い、以下の表に示すように所定の時間間隔で試料上部の空間線量率を同様に測定した。結果を以下の表に示す。
Figure 2013137210
試料を高速せん断撹拌混合すれば、加熱撹拌相当の効果を示すことが明らかとなった。
福島市花見山公園入口の土壌の地表から1cm付近で空間線量率を数回測定したところ1.40乃至1.55μsv/hであった。この土壌100gを2セット採取し、雰囲気の影響がない茅ヶ崎市で試験を行った。前記土壌それぞれにBN-200及びUF-5Mを30gずつ添加し、家庭用ジューサーミキサーで5分間混合し、20時間放置後、空間線量率を測定したところ、それぞれ0.088及び0.099μsv/hの空間線量率を示した。
本願発明は高空間線量率を示す物質に適用することによりこれをおよそ10分の1以下に低めることができる。さらには、これ以下にもすることが可能である。更に、本発明は本願発明の液体組成物の調製を行うことが可能な簡単な設備さえあれば、実施可能である。更に、撹拌混合、煮沸等する設備があれば更に有利に実施することができる。この点において、本願発明は経済的にあらゆる規模での放射線汚染物質の処理を可能にするものである。
本願発明は東日本大震災に起因する福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染対策にも非常に有利である。例えば、高空間線量を示す原子力発電所の建屋に本願発明を用いることにより、空間線量を低減させ、福島第一原子力発電所の事故処理にマンパワーを効率的に使用することができる。原子力発電所付近にある高空間線量率を示すが故に処理が困難となっている瓦礫の処理にも非常に有効であると思われる。また、該事故により立ち入り禁止区域になった地域の人々の一時帰宅への一助にもなり得る。さらには、放射線汚染物質により汚染された農地の土壌改善の一助にもなり得る。

Claims (8)

  1. A)周期表第13族及び14族から選択される1つ以上の金属と、
    B)無機酸、これらの亜酸、有機酸、並びにこれらの塩から選択される1つ以上と
    C)1つ以上のアルカリ金属とを、水和反応させて得られた水性高分子量無機化合物を含む液体組成物を提供する工程と、
    前記組成物を放射性物質により汚染された物質に接触させる工程とを含む、
    放射線汚染物質の処理方法。
  2. 前記A)がホウ素、アルミニウム、ケイ素から選択される、請求項1の方法。
  3. 前記B)が硼砂、フッ化水素酸塩、硫酸、リン酸、硝酸、亜硝酸、亜硫酸、亜リン酸、1乃至12の炭素数を有するカルボン酸、及びイノシットから選択される請求項1または2の方法。
  4. 前記カルボン酸がジカルボン酸である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記C)が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムから選択される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記接触させる工程が、
    前記放射性物質に前記組成物を噴霧する工程、
    前記放射性物質を前記組成物を撹拌混合する工程、
    前記放射性物質と前記組成物とを加熱しながら撹拌混合する工程、
    前記放射性物質と前記組成物とを混合し煮沸する工程、から選択される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記放射性物質汚染物質が土、水、農産物、水産物、損壊した建物、瓦礫、から選択される、請求項7に記載の方法。
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