JP2013135669A - DHAのポリヌクレオチド及びeIF−5Aのアイソフォーム及びそれらの使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】真核生物開始因子5A(「eIF−5A」)の単離されたアイソフォーム、すなわち老化誘発型eIF−5A;創傷/病原体誘発型eIF−5A;成長eIF−5A;及びストレスeIF−5Aならびにこれらのアイソフォームをコードするポリヌクレオチド。及びeIF−5Aの修飾された発現を有する植物及びその植物部分及び後代に加えて、これらの因子の発現を修飾(増加/アップレギュレーション又は阻害/ダウンレギュレーション)する段階が関与する方法にも関する。
【選択図】なし
Description
老化というのは、植物の一生における生物学的発達の終末過程である。それは死の前兆となり、全植物、器官、花及び果実、組織及び個々の細胞を含めた生物学的組織のさまざまなレベルで発生する。
本発明は、真核生物開始因子5A(「eIF−5A」)の単離されたアイソフォーム、すなわち老化誘発型eIF−5A;創傷/病原体誘発型eIF−5A;成長eIF−5A;及びストレスeIF−5Aならびにこれらのアイソフォームをコードするポリヌクレオチドを提供する。本発明は、eIF−5Aアイソフォームのアンチセンス及びセンスポリヌクレオチドを提供する。該発明は、同様に、eIF−5Aアイソフォームのセンス及びアンチセンスポリヌクレオチドを含む発現ベクターをも提供する。本発明は同様に、eIF−5Aの修飾された発現を有する植物及びその植物部分及び後代に加えて、これらの因子の発現を修飾(増加/アップレギュレーション又は阻害/ダウンレギュレーション)する段階が関与する方法にも関する。さらに、本発明は、eIF−5Aのこれらのアイソフォームのノックダウン突然変異体をも考慮している。
本発明は、eIF−5A(真核生物翻訳開始因子5A)に関する。eIF−5Aは、葉、花及び果実の自然老化におけるプログラミングされた細胞死;ストレス誘発型早期老化;木質化に付随する細胞死及び病原体の進入に付随する細胞死を調節する。eIF−5Aは、2つの酵素デオキシヒプシンシンターゼ(DHS)及びデオキシヒプシンヒドラーゼ(DHH)により翻訳後に活性化される。図111も参照のこと。eIF−5Aは、従来の翻訳開始因子ではなく、むしろシャトルタンパク質として機能する。eIF−5Aの3つ又は4つの全く異なるアイソフォームが同定されてきている。3つの異なるアイソフォームは、翻訳のため核からリポソームまでmRNAの異なる亜集団を選択的に転位させる。1つのアイソフォームは細胞分裂及び成長を制御し、2つ又は3つのアイソフォームが細胞死を制御する。例えば、図1は、Arabidopsisの中で単離されたeIF−5Aの3つの異なるアイソフォームを示している。図8〜10は、eIF−5Aに対するアイソフォーム特異的抗体でプローブ探査されるウェスタンブロットを示している(「At」はarabidopsisを意味する)。これらの図は、Arabidopsis内の3つの異なるアイソフォームの発現レベル及び異なるライフサイクル及び事象を示している。より大きいゲノムを伴う植物、例えば作物植物においては、eIF−5Aの4つのアイソフォームが存在する。1つのアイソフォームが細胞分裂及び細胞成長に関与し、3つのアイソフォームが細胞死に関与する。
老化誘発型eIF−5Aは、老化組織内で発現される。図116を参照のこと。本発明は、Arabidopsisthaliana、トマト、カーネーション、レタス及びアルファルファ植物を含むさまざまな植物の中での老化誘発型eIF−5Aの発見に関係する。老化誘発型eIF−5Aは、老化組織内でアップレギュレートされ、植物及び植物組織内の老化関連形態変化の誘発に関与する。老化誘発型eIF−5Aアイソフォームがダウンレギュレートされた場合、天然の老化が遅延される。老化誘発型eIF−5Aのダウンレギュレーション(老化誘発型eIF−5Aのアンチセンス構成体の使用、同時抑制を達成するためのセンス構成体の使用、老化誘発型eIF−5Aのノックダウン突然変異体、(eIF−5Aを活性化するために必要とされる)DHSの発現の減少、DHSのノックダウン突然変異体、又はDHSの阻害物質の使用のいずれかを通したもの)は、植物バイオマスの増大、果実軟化又は損傷の遅延、切り花又はレタス葉といったような植物組織の褐変の遅延、種子収穫の増大及び種子サイズの増大を含めた、遺伝子導入植物のさまざまな形態変化を結果としてもたらす。図35、36及び117(Arabidopsis内の葉の老化の遅延)、図112及び113A〜D(カーネーションの切り花のより長い保管寿命)、図114A〜C(バナナの褐変の遅延)、図115(トマトの損傷遅延)及び図119(木質部形成の減少)を参照のこと。
本発明は、アルファルファ、トマト及びレタスを含むさまざまな植物の中のストレス誘発型eIF−5Aの発見に関係する。eIF−5Aのストレスアイソフォームをダウンレギュレートすることにより、ストレス誘発型老化は改善される。ストレス−アイソフォームeIF−5Aのダウンレギュレーションは、ストレス耐性の増加を提供し、結果として成長を増強させる。図121−123は、(ストレス誘発型eIF−5Aの発現が減少した)遺伝子導入植物が干ばつ耐性の増大を示す、ということを示している。図124は、(ストレス誘発型eIF−5Aの発現が減少した)遺伝子導入植物が、対照(野生型)植物に比べ種子収穫が増大することを示している。
ベクターはさらに、上述の通り調節配列及びプロモーター調節要素を含む。
創傷/病原体誘発型eIF−5A(eIF−5A3とも呼ばれる)は、創傷組織及び感染組織の中で発現される。本発明は、Arabidopsisthaliana、トマト、アルファルファ及びレタスを含むさまざまな植物の中の創傷/病原体誘発型eIF−5Aの発見に関係する。当該発明人らは、このアイソフォームが植物の創傷事象又は病原体進入中にアップレギュレートされるということを発見した。図125は、創傷/病原体誘発型eIF−5AがP.syringae感染の後でアップレギュレートされるということを表わしている。アップレギュレーションは転写レベルで発生する。さらに、それは、毒性感染の後タンパク質レベルで専らアップレギュレートされ、これが次に細胞死を発生させ、創傷/病原体誘発型eIF−5Aが病原体による進入の場合に細胞死を駆動しているという推論を導く。
本発明は同様に、成長eIF−5Aにも関係する。成長eIF−5Aは、成長する組織内で発現される。eIF−5Aがセンス配向で成長eIF−5Aのポリヌクレオチドでアップレギュレートされた場合、種子サイズの増加、バイオマスの増加及び種子収量の増加という3つの表現型変化が指摘される。図132〜134を参照のこと。
本発明は同様に、成長eIF−5Aのアンチセンスポリヌクレオチドをも提供している。該アンチセンスポリヌクレオチドは、それが発現を阻害できるかぎり、任意の長さのものであり得る。一部の実施形態においては、アンチセンスポリヌクレオチドは全長コーディング配列を含み、その他の特に好ましい実施形態においては、eIF−5Aの異なるアイソフォームが3’UTRにおいてより高い変動度を有することから、アンチセンスポリヌクレオチドは3’UTRで導かれる。一部の実施形態では、アンチセンスポリヌクレオチドは、5’−非コーディング配列で導かれる。主として5’−非コーディング配列に相補的であるアンチセンスポリヌクレオチドは、転写因子をコードする遺伝子の発現の有効な阻害物質であるものとして知られている。Branch,M.A.,Molec.CellBiol.,13:4284−4290(1993年)。
DHSは、eIF−5Aの活性化のために必要であり、老化しつつある組織の中で発現される。本発明は、Arabidopsisthaliana、トマト、カーネーション、カノーラ、レタス、アルファルファ、バナナ、ハコヤナギ、酵母、ペチュニア及びmycosphaerella由来の単離DHSを提供する。
本発明のもう1つの実施形態は、アルファルファ由来の単離されたDHSにある。アミノ酸配列は図017A及びBに提供されており、配列番号である。アミノ酸をコードするポリヌクレオチドは、図107A及びBに提供されており、配列番号 である。
本発明は同様に、以上で列挙した配列番号に対する65〜100%の配列相同性を有し、高ストリンジェンシー条件下で該列挙された配列番号の補体へとハイブリッド形成し、DHSをコードするDHSの単離ポリヌクレオチドをも提供している。
実施例1
メッセンジャーRNA(mRNA)の単離
さまざまな発育段階のトマトの花及びトマトの果実から、及び(未処理の又は低温処理又はソルビトール処理後の)葉から、総RNAを単離した。組織(5g)を液体窒素内で短時間すりつぶした。すりつぶした粉末を30mlのグアニジン緩衝液(4Mのイソチオシアン酸グアニジン、2.5mMのNaOAcpH8.5、0.8%のメルカプトエタノール)と混合した。混合物を4層のチーズクロスを通してろ過し、30分間4℃で10,000×gで遠心分離した。その後、20時間、26000×gで塩化セシウム密度勾配遠心分離に付した。75%のエタノールで、ペレット化したRNAを洗い流し、600μlのDEPC処理済み水の中で再懸濁させ、RNAを0.75mlの95%エタノール及び30μlの3MNaOAcを用いて−70℃で沈殿させた。10μgのRNAを、1.2%の変性ホルムアルデヒドアガロースゲル上で分画し、ナイロン膜に移した。一晩42℃で膜をプローブ探査するために、ランダムプライミングされた32P−dCTP−標識済み全長DHScDNA(配列番号1)を使用した。その後、15分間室温で0.1%のSDSを含有する1×SSCの中で一回、各15分間65℃で0.1%のSDSを含有する0.2×SSC中で3回、膜を洗浄した。膜を−70℃で一晩、X線フィルムに曝露した。
6時間2Mのソルビトールに曝露されたMatch F1ハイブリッドトマトの葉から単離させたmRNAを用いて作られたcDNAライブラリーを、約5×106PFU/mlまで希釈した。32P−標識済みの600bpのRT−PCRフラグメントを用いてcDNAライブラリーをスクリーニングした。3つの陽性cDNAクローンを切除し、メーカーの指示事項の中の方法を用いて、pBK−CMV(登録商標)(Stratagene)ファージミドの中に再循環させた。全長cDNAをpBK−CMVベクター内に挿入した。
Sambrook et al.,(前出)によって記述されたアルカリ溶菌法を用いてプラスミドDNAを単離した。ジデオキシ配列決定方法を用いて全長陽性cDNAクローンを配列決定した。Sanger,etal.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74:5463−5467。BLAST探査(GenBank,Bethesda,MD)を用いて読取り枠をコンパイルし分析し、BCMSearch Launcher:多重配列整列パターン誘発型多重整列方法(F.Corpet,Nuc.Acids Res.,16:10881−10890,(1987年)を参照のこと)を用いて、コードされた遺伝子の誘導されたアミノ酸配列と5つの最も相同性の高いタンパク質の整列を達成した。誘導されたアミノ酸配列の中に存在する機能的モチーフを、MultiFinderにより同定した。
1%の変性ホルムアルデヒドアガロースゲル上で、さまざまな段階(つぼみと花そして広く開いているか又は乾燥しかけている老化花弁)のトマトの花、トマト葉及びさまざまな成熟段階(催色期(すなわち赤色が10%未満の熟していない果実)、桃熟期(すなわち果実全体がオレンジ色又はピンクである)、及び軟質又は硬質の完熟期)にあるトマト果実から単離された10μgの総RNAを分離し、ナイロン膜上で固定化した。フィルター(7×107cpm)をプローブ探査するために、ランダムプライマーキット(Boehringer Mannheim)を用いて32P−dCTPで標識された全長トマトcDNAを用いた。フィルターを、室温で1×SSC、0.1%SDSで1回、そして65℃で0.2×SSC、0.1%SDSで3回洗浄した。フィルターを乾燥させ、−70℃で一晩X線フィルムに曝露した。結果は図50〜52に示されている。
5週齢(レーン1)、6週齢(レーン2)及び7週齢(レーン3)におけるArabidopsis植物の葉からの総RNAを、上述の通りに単離し、1%の変性ホルムアルデヒドアガロースゲル上で分離し、ナイロン膜上で固定化した。フィルター(7×107cpm)をプローブ探査するために、ランダムプライマーキット(BoehringerMannheim)を用いて32P−dCTPで標識された全長Arabidopsis老化誘発型DHScDNAを用いた。フィルターを、室温で1×SSC、0.1%SDSで1回、そして65℃で0.2×SSC、0.1%SDSで3回洗浄した。フィルターを乾燥させ、−70℃で一晩X線フィルムに曝露した。結果は図55に示されている。
花の発達のさまざまな段階、即ち固いつぼみの花(レーン1)、開花し始め(レーン2)完全開花の花(レーン3)、及び花弁が巻き込んだ花(レーン4)にけるカーネーション植物の花弁からの総RNAを、上述の通りに単離し、1%の変性ホルムアルデヒドアガロースゲル上で分離し、ナイロン膜上で固定化した。フィルター(7×107cpm)をプローブ探査するために、ランダムプライマーキット(BoehringerMannheim)を用いて32P−dCTPで標識された全長カーネーション老化誘発型DHScDNAを用いた。フィルターを、室温で1×SSC、0.1%SDSで1回、そして65℃で0.2×SSC、0.1%SDSで3回洗浄した。フィルターを乾燥させ、−70℃で一晩X線フィルムに曝露した。結果は図56に示されている。
トマト老化誘発型DHS遺伝子のソルビトール誘発
密封したチャンバー内で6時間2Mのソルビトールを用いてトマトの葉を処理した。以下のとおりに、ソルビトール処理済の葉からRNAを抽出した。
結果は、図52に示されている。ここでわかるように、DHSの転写がソルビトールにより葉の中で誘発されている。
老化しつつある花におけるトマトDHSの誘発
トマト植物の硬い花のつぼみ及び開いた老化しつつある花を収穫し、実施例2にある通りにRNAを単離した。10μgのRNAを、1.2%の変性ホルムアルデヒドアガロースゲル上で分画し、ナイロン膜に移した。一晩42℃で膜をプローブ探査するために、ランダムプライミングされた32P−dCTP−標識済み全長DHScDNA(配列番号1)を使用した。その後、15分間室温で0.1%のSDSを含有する1×SSCの中で一回膜を洗浄し、各15分間65℃で0.1%のSDSを含有する0.2×SSC中で3回、洗浄した。膜を−70℃で一晩、X線フィルムに曝露した。
結果は図50に示されている。ここでわかるように、DHSの転写が老化しつつある花の中で誘発されている。
成熟中の果実におけるトマトDHSの誘発
実施例2の通りに、催色期、桃熟期及び完熟期の果実からRNAを単離した。10μgのRNAを、1.2%の変性ホルムアルデヒドアガロースゲル上で分画し、ナイロン膜に移した。一晩42℃で膜をプローブ探査するために、ランダムプライミングされた32P−dCTP−標識済み全長DHScDNA(配列番号1)(図45)を使用した。その後、15分間室温で0.1%のSDSを含有する1×SSCの中で一回膜を洗浄し、各15分間65℃で0.1%のSDSを含有する0.2×SSC中で3回、洗浄した。膜を−70℃で一晩、X線フィルムに曝露した。
結果は図50に示されている。ここでわかるように、老化の開始直前の完熟した赤色果実においてDHSの転写が最も強く、損傷へと導いている。
低温によるトマト老化誘発型DHC遺伝子の誘発
鉢植えのトマト植物(7〜8週齢)を、成長チャンバー内で2日、3日又は6日間6℃に曝露した。照明サイクルを、暗所8時間、照明16時間にセットした。植物を温室に戻すことで再度温めた。再度温めなかった植物は、成長チャンバーから取出した直後に収穫した。以下の通り、葉からRNAを抽出した。
未同定のArabidopsisゲノム配列に基づいたプライマーを用いたArabidopsis PCR産物の生成
ArabidopsiscDNA鋳型からの部分長老化誘発型DHC配列を、Arabidopsisゲノム配列から設計された一対のオリゴヌクレオチドプライマーを用いたPCRにより生成した。5’プライマーは、配列5’−GGTGGTGT5TGAGGAAGATC(配列番号7)を有する19−merであり;3’−プライマーは、配列GGTGCACGCCCTGATGAAGC−3’(配列番号8)を有する20merである。鋳型としてのArabidopsis老化葉cDNAライブラリー及びExpandHigh Fidelity PCRシステム(Boehringer Mannheim)を用いるポリメラーゼ連鎖反応が、以下の通りに実施された。
反応成分:
cDNA 1μl(5×107pfu)
dNTP(各10mM) 1μl
MgCl2(5mM)+10倍緩衝液 5μl
プライマー1及び2(各100μM)2μl
Expand High FidelityDNAポリメラーゼ 1.75U
反応体積 50μl
反応パラメータ:
3分間94℃
45サイクル、94℃/1分、58℃/1分、72℃/2分、
15分間72℃
ゲノミックDNAの単離及びサーザン分析
液体窒素下で10グラムのトマト葉組織を細かい粉末へとすりつぶすことにより、トマト葉からゲノミックDNAを抽出した。60℃に予め温められた25mlの均質化緩衝液[100mM Tris−HCl,pH8.0,100mm EDTA,250mM NaCl,1%サルコシル、1%の2−メルカプトエタノール、10μg/mlのRNase、及び12.5mlのフェノール]を含有する混合物37.5mlを、すりつぶした組織に添加した。混合物を15分間振とうさせた。混合物に対し付加的な12.5mlのクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を添加し、さらに15分間振とうさせた。混合物を遠心分離し、水相を25mlのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)及びクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)で再抽出した。室温で15mlのイソプロパノールを用いた沈殿により、核酸を回収した。沈殿物を水1ml中で再懸濁させた。
Arabidopsisからの老化誘発型eIF−5A遺伝子の単離
Arabidopsisの葉の中で発現された全長老化誘発型eIF−5A遺伝子の全長cDNAクローンを、鋳型としてArabidopsisの老化する葉cDNAライブラリーを使用してPCRによって得た。最初に、遺伝子の5’及び3’末端に対応するPCR産物を、T7プライマー<AATACGACTCACTATAG>(配列番号18)と対合された縮重上流側プライマー<AAARRYCGMCCYTGCAAGGT>(配列番号17)及びT3プライマー<ATTAACCCTCACTAAAG>(配列番号20)と対合された縮重下流側プライマー<TCYTTNCCYTCMKCTAAHCC>(配列番号19)を用いて作った。PCR産物を、配列決定のためpBluescript内にサブクローニングした。その後、全長cDNAを、3’−特異的プライマー<AGAAGAAGTATAAAAACCATC>(配列番号22)と対合された5’−特異的プライマー<CTGTTACCAAAAAATCTGTACC>(配列番号21)を用いて獲得し、配列決定のためpBluescript内にサブクローニングした。
トマト果実からの老化誘発型eIF−5A遺伝子の単離
トマト果実の葉の中で発現された全長老化誘発型eIF−5A遺伝子の全長cDNAクローンを、鋳型としてトマト果実cDNAライブラリーを使用してPCRによって得た。最初に、遺伝子の5’及び3’末端に対応するPCR産物を、T7プライマー(配列番号18)と対合された縮重上流側プライマー(配列番号17)及びT3プライマー(配列番号20)と対合された縮重下流側プライマー(配列番号19)を用いて作った。PCR産物を、配列決定のためpBluescript内にサブクローニングした。その後、全長cDNAを、T7プライマー(配列番号18)と対合された5’−特異的プライマー<AAAGAATCCTAGAGAGAGAAAGG>(配列番号23)を用いて獲得し、配列決定のためpBluescript内にサブクローニングした。
カーネーションからの老化誘発型eIF−5A遺伝子の単離
カーネーションの花の中で発現された全長老化誘発型eIF−5A遺伝子の全長cDNAクローンを、鋳型としてカーネーションの老化する花cDNAライブラリーを使用してPCRによって得た。最初に、遺伝子の5’及び3’末端に対応するPCR産物を、T7プライマー(配列番号18)と対合された縮重上流側プライマー(配列番号17)及びT3プライマー(配列番号20)と対合された縮重下流側プライマー(配列番号19)を用いて作った。PCR産物を、配列決定のためpBluescript内にサブクローニングした。その後、全長cDNAを、3’−特異的プライマー<ACCAAAACCTGTGTTATAACTCC>(配列番号25)と対合された5’−特異的プライマー<TTTTACATCAATCGAAAA>(配列番号24)を用いて獲得し、配列決定のためpBluescript内にサブクローニングした。
Arabidopsisからの老化誘発型DHS遺伝子の単離
Arabidopsisの葉の中で発現された老化誘発型DHS遺伝子の全長cDNAクローンを、Arabidopsisの老化する葉cDNAライブラリーをスクリーニングすることによって得た。スクリーニングのために使用したプローブの配列(配列番号26)は、図82に示されている。鋳型としての老化葉cDNAライブラリー及びGenBankで未同定ゲノム配列(AB017060)から設計されたプライマーを用いて、PCRによりプローブを得た。PCR産物を、配列決定のためpBluescript内にサブクローニングした。
カーネーションからの老化誘発型DHS遺伝子の単離
カーネーションの花弁の中で発現された老化誘発型DHS遺伝子の全長cDNAクローンを、カーネーションの老化する花弁cDNAライブラリーをスクリーニングすることによって得た。スクリーニングのために使用したプローブの配列(配列番号27)は、図83に示されている。鋳型としての老化花弁cDNAライブラリー及び縮重プライマー(上流側5’TTG ARG AAG ATY CAT MAA RTG CCT3’)(配列番号28);(下流側5’CCA TCA AAY TCY TGK GCR GTG TT3’)(配列番号29)を用いて、PCRによりプローブを得た。PCR産物を、配列決定のためpBluescript内にサブクローニングした。
アンチセンス配向でのArabidopsis DHSの全長又は3’領域を用いたArabidopsisの形質転換
2重35Sプロモーターの調節の下で、共にアンチセンス構成で発現された全長老化誘発型Arabidopsis DHS cDNA配列又はDHS遺伝子の3’末端(配列番号30)(図80)を含む二成分ベクターpKYLX71を用いて、Agrobacteriaを形質転換させた。Arabidopsis植物を、真空浸潤により、形質転換されたAgrobacteriaを用いて形質転換させ、結果として得られたT0植物からの形質転換された種子をアンピシリン上で選択した。
アンチセンス配向でのトマトDHSの全長又は3’領域を用いたトマト植物を用いた形質転換
2重35Sプロモーターの調節の下で、共にアンチセンス構成で発現された全長老化誘発型トマトDHS cDNA配列又はDHS遺伝子の3’末端(配列番号31)(図81)を含む二成分ベクターpKYLX71を用いて、Agrobacteriaを形質転換させた。トマト葉外植片をこれらのAgrobacteriaで形成し、形質転換されたカルス及び幼植物を標準的な組織培養方法で生成し選択した。形質転換された幼植物を、温室条件下で成熟した果実産生T1植物になるまで成長させた。
アンチセンス配向でのトマトDHSの3’領域を用いたトマト植物の形質転換
2重35Sプロモーターの調節の下で、アンチセンス構成で発現されたDHS遺伝子の3’末端(図81)を含む二成分ベクターpKYLX71を用いてAgrobacteriaを形質転換させた。トマト葉外植片をこれらのAgrobacteriaで形成し、形質転換されたカルス及び幼植物を標準的な組織培養方法で生成し選択した。形質転換された幼植物を、温室条件下で成熟した果実産生T1植物になるまで成長させた。
結果は、DHSの発現を低減させることで、生理病から発生する組織及び細胞死の始まりが妨げられる、ということを表わしている。
野生型Columbia−植物材料中のArabidopsis thaliana翻訳開始因子5A(AteIF−5A)アイソフォームの発現
Arabidopsis thaliana Columbia生態型の種子を、6インチの鉢の中でPromix BX土壌(PremierBrands,Brampton,ON,カナダ)内で生成させた。播種されたばかりの鉢を2日間4℃で維持し、その後、16時間照明/8時間暗所のサイクルで22℃で作動する成長チャンバーに移した。150μmlの放射線m-2・s-1での照明は、白色蛍光電球によって提供された。2週齢から7週齢で1週間の間隔をおいてロゼットを収集し、5週齢に茎出葉を収集し、6週齢に茎、長角果、つぼみ及び花を収集し、吸水した種子(水中24時間)も同様に収集し、液体窒素中で急速冷凍させ、−80℃で保管した。
64個の成長細胞の入った平箱の中でPromix BX土壌(Premier Brands,Brampton,ON,Canada)の上でArabidopsisthaliana Columbia生態型の種子を播いた。播種済み平箱を2日間4℃に維持し、9時間照明/15時間暗所の光周期をもつ成長チャンバーに移した。全ての植物を、4週齢に処理したが、生理学的に光周期が短かくなったことから、これらは発達が比較的緩慢であるように思われる。
通常の照明条件下で成長させた4週齢の植物を、Stotz et al(2000年)に従って中央葉脈(葉面のおよそ60%)に沿った止血鉗子を用いた圧壊により創傷を発生させた。0分、1時間及び9時間の時点で組織を収穫し、液体窒素内で直ちに凍結させ、さらなる分析のため−80℃で保管した。
Davis et al.,(1986年)に従ってArabidopsis thalianaロゼット葉からノーザンブロット分析のための総RNAを単離した。RNAを1%のアガロースゲル上で分画し、ナイロン膜上に移した(Daviset al.,1986年)。固定化したRNAを、老化誘発型AteIF−5A、創傷/病原体誘発型AteIF−5A又は成長AteIF−5Aの放射性標識済み3’UTR部分を用いて42℃で一晩ハイブリッド形成させた。ランダムプライマーキット(BoehringerMannheim)を用いて[α−32P]−dCTPで3’UTRを標識した。ハイブリッド形成された膜を、15分間42℃で0.1%のSDSを含有する2×SSCの中で2回、そして30分間42℃で0.1%のSDSを含有する1×SSC中で2回洗浄した。−80℃で一晩曝露した後、オートラジオグラフィによりハイブリダイゼーションを視覚化した。
Arabidopsis thaliana(At)の真核生物翻訳開始因子5A(eIF−5A)アイソフォームは、アミノ酸レベル、特にタンパク質のN末端領域及び中央領域において高い相同性を有する(図1)。アイソフォーム特異的となる抗体を得るために、互いにユニークであると思われるAteIF−5Aのアイソフォーム内の領域と対照してペプチドを設計した。KLHと接合するためN末端で各ペプチドに対し付加的なシステイン残基を添加した。使用される配列は、老化誘発型AteIF−5AについてはCNDDTLLQQIKS、創傷/病原体誘発型AteIF−5AについてはCTDDGLTAQMRL、そして成長AteIF−5AについてはCTDEALLTQLKNであった。これらの配列がタンパク質BLASTに付された場合(短くほぼ正確な配列;Arabidopsisthalianaにより制限されているもの;予想数20000;ワードサイズ2;マトリクスPAM90;Gapコスト91)、データベース内に見い出される有意な配列は、整合したAteIF−5Aのみであり、その他のものは全くなかった。ペプチドは、ウェスタンオンタリオ大学のペプチド合成施設で合成された。担体タンパク質、キーホールリンペットヘモシアニン(Sigma)を、Drenckhahnet al,(1993年)及びCollawn及びPatterson(1999年)に従ってm−マレイミドベゾイル−N−ヒドロキシスクシニミドエステルを用いて、ペプチドのN末端システインに接合させた。ウサギに2週間の間隔で、連結したペプチドを注射した。最後の注射から2週間後に、ウサギの放血及び収集血の凝固により血液を収集して、抗血清を蓄える。
以上で列挙した組織を、小さい乳棒を伴うエッペンドルフ型試験管内又は大きな乳鉢と乳棒の中で、緩衝液(50mMのEPPS、pH7.4、0.25Mのソルビトール、10mMのEDTA、2mMのEGTA、1mMのDTT、10mMのアミノ−n−カプロン酸、植物組織用プロテアーゼ阻害物質カクテル(Sigma))内で均質化した(最高0.5g/ml)。ホモジネートを最高速度で微小遠心管の中で短時間遠心分離に付し、ペレットを廃棄した。合計タンパク質をGhoshet al(1988年)に従って定量した。Miniタンパク質Dual Slab細胞(Bio Rad,Mississauga,Ontario)上でSDS−PAGEを実施し、ゲル(12%のポリアクリルアミド)をクーマシーブリリアントブルーR250(Fairbankset al.,1971年)で染色するか又は、半乾燥移送方法(半乾燥移送細胞、Bio−Rad,Hercules,CA)を用いてポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜まで移送した。1mg/mlのポリビニルアルコール中で30秒(Mirandaet al.,1993)、0.1%(v/v)のTween 20及び5%(v/v)の粉乳を含むリン酸緩衝生理食塩水PBS中で1時間、ブロットを遮断した。(2回目の注射の後の出血からの)一次抗体を、0.1%(v/v)のTween20及び1%(w/v)の粉乳を含むPBS中で1:50に希釈した。アルカリホスファターゼ(Bioshop,Burlington,Ontario)及びホスファターゼ基質、NBT及びBCIP(BioRad,Mississauga,ON)にカップリングされたウサギに対するヤギの抗体の中で作られた二次抗体を用いて抗原を視覚化した。
3つのeIF−5Aアイソフォームを過剰発現する形質転換されたArabidopsis thaliana植物の産生
プライマーの設計
Arabidopsis thaliana(At)の真核生物翻訳開始因子5A(eIF−5A)は、コーディング領域において高い相同性を有する(図2)。適正な遺伝子の増幅についての問題を回避するため、老化誘発型AteIF−5A、創傷/病原体誘発型eIF−5A及び成長eIF−5Aのためのプライマーを、それぞれ図3、4及び5の中で示されているように、5’UTRのおおよその初めから及び3’UTRの終りで設計した。5’UTR及び3’UTRを、EST情報及びGenBankデータベース内のその他の配列情報に基づいて推定した。pKYLX71二成分ベクター内でセンス配向でライゲーションのためプライマーの末端に対し適切な制限部位を加えた(図6)。老化誘発型AteIF−5Aについては、上流側プライマーは5’AAGCTTGATCGTGGTCAACTTCCTCTGTTACC3’であり、下流側プライマーは5’GAGCTCAGAAGAAGTATAAAAACCATC3’である。創傷/病原体誘発型AteIF−5Aについては、上流側プライマーは5’CTCGAGTGCTCACTTCTCTCTCTTAGG3’であり、下流側プライマーは5’GAGCTCAAGAATAACATCTCATAAGAAAC3’である。成長AteIF−5Aについての上流側プライマーは5’CTCGAGCTAAACTCCATTCGCTGACTTCGC3’であり、下流側プライマーは5’GAGCTCTAGTAAATATAAGAGTGTCTTGC3’である。プライマーに付加された制限部位は、以上に列挙したプライマー内で下線により表わされている通り、老化誘発型AteIF−5AについてはHindIII及びSacIであり、創傷/病原体誘発型AteIF−5AについてはXhoI及びSacIであり、成長eIF−5AについてはXhoI及びSacIであった。
3週齢のロゼット葉からゲノミックDNAを単離した。抽出緩衝液(200mMのトリスpH7.5、250mMのNaCl、25mMのEDTA、0.5%のSDS)の中で組織を均質化させ、結果として得られたホモジネートを15分間ボルテックス処理させた。残りの破片を、1分間最大速度で微小遠心分離機の中での遠心分離により除去した。上清を収集し、1:1の比率でイソプロパノールと混合し、ボルテックス処理し、2分間室温で放置した。5分間最大速度で微小遠心分離機の中での遠心分離によりペレットを収集し、70%のエタノールで洗浄し、2分間真空乾燥させた。乾燥したペレットを水中に再懸濁させ、1:1の体積のクロロホルムで処理し、ボルテックス処理した。2分間最大速度での微小遠心分離機の中での遠心分離の後、最上層を収集し、20μlの塩(3Mの酢酸ナトリウム)と2体積のエタノールで、30分間−20℃で沈殿のため処理した。精製されたゲノミックDNAをその後、微小遠心分離機内で30分間最大温度で遠心分離し、乾燥させ、PCRのため水中に再懸濁させた。
上述のプライマーを用いてPCRを実施した。PCR反応混合物は、1×Tsg又はTaqポリメラーゼ反応緩衝液、1UのTsg又はTaqポリメラーゼ、0.2mMのdNTP、2mMのMgCl2及び15pmolの各々の特異的プライマーをしかるべく含有していた。反応は、10分間の95℃での高温スタートで始まり、第1のサイクルは、1分間の95℃という変性温度、2分間の55℃というアニーリング温度、及び2分間の72℃という拡張温度で構成されていた。後続する29サイクルが、タッチダウンプログラムに先行して行なわれ、このプログラムでは、アニーリング温度が1サイクルあたり0.5℃だけ低下され、最終サイクルのアニーリング温度は40℃であった。72℃という最終拡張は10分間保持された。1%のアガロースゲル電気泳動法によりPCR産物を分離し、切りとり、使用法に従ってアガローススピンカラムからのDNA抽出用のMilliporeUltrafree−DA(Millipore Corporation,Bedford,MA)によって回収した。
精製したPCR産物を、Promegaによって提供された使用法に従って、pGEM(登録商標)−T Easy Vector(図7)内にライゲートした。簡単に言うと、PCR産物を、PromegapGEM(登録商標)−T Easy Vector System(Promega Corporation,Madison WI)内に入って提供される高速ライゲーション緩衝液(30mMのTrisHCl、10mMのMgCl2、10mMのDTT、1mMのATP、及び5%のポリエチレングリコール(MW8000、ACSグレード)pH7.8)中のpGEMT−Easy Vector,3 Weiss Units.T4 DNAリガーゼと3:1の比率で混合した。ライゲーション反応を15℃で一晩インキュベートし、コンピーテントE.coli DH5−α細胞懸濁液(RbCl/CaClを用いてコンピテントにされたもの;Kushner,1978)へと形質転換させた。形質転換混合物をまず最初に30分間氷上でインキュベートし、42℃で90秒間熱ショックを与え、2mlの2×YTブロスの添加後1時間37℃で回収した。形質転換させた細胞をペレット化し、少量の2×YTブロスの中に再度懸濁させ、選択のため50μg/mlのアンピシリンを含有する寒天プレート上で固定した。pGEM(登録商標)−T Easy Vectorは細胞に対しアンピシリン耐性を提供することから、形質転換体のみがアンピシリン含有プレート上で成長することができる。形質転換体を選択し、pGEM(登録商標)−TEasy Vector内にライゲートされたPCR産物インサートについてスクリーニングした。
選択培地上で成長したコロニーを、37℃で一晩50μg/mlのアンピシリンを含む5mlの2×YTブロスの中で成長させた。選択されたコロニーからの組換え型プラスミドを、WizardPrep DNA精製キット(Promega)を用いて精製した。プラスミドDNAを37℃で1時間EcoRIで消化させ、AteIF−5Asインサートサイズが存在したことを確認するために1%のアガロースゲル上で視覚化した。その後陽性プラスミドは、配列がinplantaでの過剰発現に適していることを確認するため、中核分子生物学施設(University of Waterloo,Waterloo,ON)により配列決定された。
pGEM:創傷/病原体誘発型AteIF−5A及びpGEM:成長AteIF−5Aの構成体をXhoI及びSacIで2重消化し、同じくXhoIとSacIで消化された二成分ベクターpKYLX71内にサブクローニングした。これらの酵素消化は、カリフラワーモザイクウイルス2重35Sプロモーターの制御下で二成分ベクターpKYLX71内にセンス配向で創傷/病原体誘発型AteIF−5A及び成長AteIF−5Aが確実に挿入されるようにした。ライゲーション反応では、1μgの二成分ベクターと3μgの創傷/病原体誘発型AteIF−5A又は成長AteIF−5Aのいずれかが用いられた。ライゲーションは、3ワイス単位のT4DNAリガーゼ(Fermentas)を用いて、ライゲーション緩衝液(30mMのTrisHCl、10mMのMgCl2、10mMのDTT、1mMのATP、及び5%のポリエチレングリコール(MW8000、ACSグレード)pH7.8)の中で行なわれた。ライゲーション反応を15℃で一晩インキュベートし、コンピーテントE.coli DH5−α細胞懸濁液(RbCl/CaClを用いてコンピテントにされたもの;Kushner,1978年)へと形質転換させた。形質転換混合物をまず最初に30分間氷上でインキュベートし、42℃で90秒間熱ショックを与え、2mlの2×YTブロスの添加後1時間37℃で回収した。形質転換させた細胞をペレット化し、少量の2×YTブロスの中に再度懸濁させ、選択のため50μg/mlのテトラサイクリンを含有する寒天プレート上で固定した。二成分ベクターpKYLX71は細菌細胞に対しテトラサイクリン耐性を提供することから、形質転換体のみがテトラサイクリン含有プレート上で成長することができる。形質転換体を選択し、PCR及びXhoI及びSacIでの2重消化により創傷/病原体誘発型AteIF−5A又は成長AteIF−5Aインサートについてスクリーニングした。PCR増幅(以上で説明したゲノミックDNAで行なわれたものと同じもの)及び消化の後、適正なサイズのインサートの立体配置のため、1%のアガロース電気泳動法を用いて産物を分離した。
構成体pKYLX71;創傷/病原体誘発型AteIF−5A及びpKYLX71;成長AteIF−5Aを、コンピテントAgrobacteriumtumefaciens GV3010内に電気穿孔した。コンピテントAgrobacterium細胞の調製においては、単一のコロニーを、50μm/mlのリファンピシン及び50μg/mlのゲンタマイシンを含有する5mlの2×YTブロスの中に接種した。これは、280rpmでForma Scientific Orbital Shaker(FisherScientific)内で28℃で一晩成長し、さまざまな希釈度(1:500、1:1000、1:2000)で同じく50μg/mlのリファンピシン及び50μg/mlのゲンタマイシンと共に2倍YTの30mlの培養に接種するのに使用された。新たに接種された培養は、OD600が0.5〜0.8となるまで成長し、その後で冷却され、15分間2000gでSS−34ローター(Sorvall)の中で遠心分離を受けた。50mlの氷冷水の中でペレットを再懸濁させ、15分間2000gで遠心分離した。この洗浄手順を、塩及び死細胞を培養から除去するため合計4回反復した。最終的ペレットを、40mlの氷冷10%(v/v)グリセロール中に再懸濁させ、15分間2000gで遠心分離させ、1回反復した。その後ペレットを100μlの氷冷10%グリセロール中に再懸濁させ、充分混合した。細胞を100μlのアリコートに分割し、氷上に保管した。
pKYLX71:創傷/病原体誘発型AteIF−5A又はpKYLX71:成長AteIF−5Aのいずれかを含有するAgrobacteriumtumefaciens GV3010の陽性コロニーを、野生型Arabidopsis thaliana Columbia生態型の形質転換のために使用した。植物の形質転換に使用される細菌スラリーの調製においては、pKYLX71:創傷/病原体誘発型AteIF−5A又はpKYLX71:成長AteIF−5A構成体について陽性である単一のコロニーを、50μg/mlのテトラサイクリン、50μg/mlのリファンピシン及び50μg/mlのゲンタマイシンを含有する5mlの2倍YTブロスの中に接種した。これを、280rpmでForma ScientificOrbital Shaker(Fisher Scientific)内で28℃で一晩成長させ、同じく50μg/mlのリファンピシン及び50μg/mlのゲンタマイシンと共に35ml(合計)の2×YTに接種するのに使用した。35mlの培養を一晩28℃、280rpmで成長させ、50μg/mlのリファンピシン及び50μg/mlのゲンタマイシンと共に535ml(合計)の2×YTに接種するのに使用した。再び培養を一晩28℃、280rpmで、約2.0のOD600まで成長させた。
一次形質転換体を同定するために、真空浸潤させた植物からの種子を、1%(v/v)の次亜塩素酸ナトリウム及び0.1%(v/v)のTween80の溶液中で20分間、ローター(Barstead/Thermolyne)上にて表面滅菌し、無菌水で4回洗い流し、無菌0.8%寒天中に再度懸濁させた。再懸濁された種子を次に、1%の(w/v)スクロース、0.5g/L2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸(MES)、0.7%(w/v)の細菌学的寒天及び40〜50μg/mlのカナマイシン(Murashige and Shoog,1962)で補足された無菌で半強度のMurashige andSkoog(MS)培地(2.2g/L)上に植えた。二成分ベクターはカナマイシン耐性遺伝子を形質転換体の苗に提供することから、形質転換体のみがカナマイシン含有プレート上で成長することができる(図6)。二成分ベクターを宿していない苗は、カナマイシン耐性遺伝子が全く存在しないことから、黄色くなって死滅する。野生型の苗が対照として用いられ、培地にカナマイシンが添加されることなく、MS培地上にプレート固定され、同様に、空のpKYLX71ベクターを含有するホモ接合性系統からの苗も、カナマイシン含有プレート上に対照としても播種された。空のベクター対照は、カナマイシンが苗の成長に対し及ぼす効果ならびにArabidopsisthalianaのゲノム内への二成分ベクターの無作為組込みの効果を実証する上で有用である。MS培地及び40〜50μg/mlのカナマイシンを含有する各プレートの小さな部域上に、野生型種子を少量プレート固定した。これは、培地が形質転換体について充分な選択性を確実に有しているようにするため、そしてカナマイシンの強度をテストするために行なわれた。
センス創傷/病原体誘発型AteIF−5A及びセンス成長AteIF−5Aの表現型分析
写真記録
センス創傷/病原体誘発型AteIF−5A及びセンス成長AteIF−5A系統の形態学的表現型を、対応する対照野生型植物(Arabidopsisthaliana Columbia生態型)及び空二成分ベクターpKYLX71で形質転換された植物の発現型と同様に、分離の間に写真記録した。
センス成長AteIF−5Aから収集したT3の種子を合計種子収量(重量と体積の両方)、種子サイズ(長さと幅)及び産生された種子の計算上の個々の重量と体積について測定した。重量での合計種子収量を、Sartorius分析デジタル化スケール上で測定し、100μl毎に目盛づけされたガラス製の1ml入りシリンジ中に各植物が生み出した全種子を注ぎ込み詰め込むことにより体積を決定した。長さ、幅及び計算上の体積により種子のサイズを決定するためには、マイクロメータを含むスライド上に種子を置き、オリンパスBX51顕微鏡で検分した。マイクロメータ上の種子の写真を、CompaqEvo D500(Compaq Company Corporation;Intel(登録商標)Pentium(登録商標) 4 CPU 1.7GHz,262 MGRAM,Windows(登録商標) 2000をラン)に取付けられたSpot Insight Color Camera(Diagnostic InstrumentsInc.)で撮影した。Windows(登録商標)用のImage−Pro Expressバージョン4.0を用いた。各々の亜系統内の10個の種子の測定は、サイズ較正用の画像の中でマイクロメータを用いて行なった。測定値をMicrosoftExcelにインポートし、標準誤差及び体積といったような計算を実施した。
センス創傷/病原体誘発型AteIF−5A及びセンス成長AteIF−5Aの生化学分析−タンパク質分画及びウェスタンブロット法
センス成長AteIF−5A植物の各亜系統からの第1茎出葉を収集し、上述の通りにタンパク質を抽出した。系統1A、2Aから16Aまでの総タンパク質を12%のSDS−PAGEにより分画し、PVDF膜に移した。1:50希釈度で成長αAtでブロットをプローブ探査した。対照の総タンパク質を、野生型及び空二成分ベクター対照植物由来の第1茎出葉から抽出した。
野生型Columbia内のArabidopsis thaliana翻訳開始因子5A(AteIF−5A)アイソフォームの発現
異なる発達段階で複数の組織を収集し、これらの組織からの抽出タンパク質をウェスタンブロット法のために使用した。図8のウェスタンブロット法は、老化誘発型AteIF−5Aが2週齢のロゼット葉には存在せず、3週齢のロゼット葉の中でアップレギュレートされ、5週齢までは大量に増加し、大量に下降するものの7週齢でもなお存在している、ということを実証している。PEGで処理された植物又は対照ではいかなる老化AteIF−5Aも検出されなかったが、(老化花を誘発した)花のレーン及び子葉組織の老化を反映する吸水した種子のレーンでは存在した。ブロットを創傷/病原体誘発型αATeIF−5A抗体でプローブ探査した場合、長角果及び吸水した種子及び葉のレーンでかすかなバンドが現われた。長角果及び茎のレーンに見られるバンドは、組織の収集と共に発生した創傷に起因するかもしれない。長角果と茎を収集するのは困難であることから、これらは、直ちに急速冷凍されず、AteIF−5Aの創傷/病原体誘発型アイソフォームの幾分かのアップレギュレーションを可能にした。成長αAT−eIF−5Aでブロットがプローブ探査された場合に現われた唯一のバンドは、吸水種子であり、これが細胞分裂に関与するアイソフォームであるという概念と調和している。
3つのeIF−5Aアイソフォームを過剰発現する形質転換されたArabidopsis thalianaの産生
ゲノミックDNAからPCRによりAteIF−5Aを単離した(図11)。pGEM内で産物をライゲートし(図12)、in plantaでの過剰発現の適切性について配列を確認した。創傷/病原体誘発型AteIF−5A及び成長AteIF−5Aを、XhoI及びSacIでpGEMから2重消化し、pKYLX71内でカリフラワーモザイクウイルス35S2プロモーターの後にセンス配向でライゲートした。消化及びPCRにより、陽性ライゲーションを確認した(図13)。その後、pKYLX71:老化誘発型AteIF−5A及びpKYLX71:成長AteIF−5Aを、Columbia生態型のArabidopsisthaliana野生型の真空浸潤を介した形質転換のためにAgrobacterium tumefaciens GV3010の中に電気穿孔した。植物の形質転換の後、種子を収集し、カナマイシン含有MSプレート上で形質転換体を選択した。
T1世代の植物を、50μg/mlのカナマイシンを含有するMSプレート上に播種し、3日間4℃で、又7日間成長チャンバー内で保管した(図14)。土壌に移植された14の形質転換体が存在していた。これらの14のT1世代の植物の中の一般的表現型が、発育不全であった。系統1、4、6、8、10、11、12、13及び14が著しく成長が妨げられ、6、8、10、13、及び14はいかなる種子も産生しなかった。系統2及び3は、穏やかに発育が妨げられ、一方系統5、7及び9は、野生型植物と類似した形で成長した(図15及び図16)。センス創傷/病原体誘発型AteIF−5A植物のT1世代の中に観察されたいくつかのその他の表現型には、黄色葉、紫色子葉、巻き上った葉、及び花の形状差異、が含まれる。発育不全における外観は、植物が土壌に移植されるまで観察されなかったという点に留意すると興味深い。これに対する考えられる理由は、移植中に根がわずかに損害を受け(不可避的な移植の影響)回復できなかったということにあると思われる。実際、カナマイシン溶液中に種子が浸漬され、土壌に直接播種された予備実験では、移植がなければ根の損害が全く誘導されないと思われることから、発育不全の植物は観察されなかった(一方、以前では70%の植物が幾分かの度合の発育不全を示していた)。
センス成長AteIF−5AのT1世代の種子を、選択的培地上で成長させ、16の形質転換体が成長した(図18)。形質転換体をその一生にわたり写真撮影した。表現型は、野生型に類似したもの(系統1、2、5、6、7、8、10、11、12、13、14、15及び16)から穏やかな発育不全及び黄色(系統2、4及び9;図19)まで変動した。全ての系統は、T2まで存続し、各系統はA〜Hと標識された8つの亜系統を有していた。系統12はT2においていかなる形質転換体も産生せず、野生型であるとみなされた。T2世代の植物は、T1世代の植物のものに比べはるかに誇張された表現型を有していた。T3まで存続させられた系統について以下で詳述する。
Arabidopsis老化誘発型eIF−5Aの特徴づけ
全長Arabidopsis老化誘発型eIF−5Aを得るための方法
Arabidopsisc DNAライブラリーからのeIF−5A遺伝子をPCRするために、ベクタープライマーT3及びT7と組合わせて複数の植物eIF−5A遺伝子に基づく縮重プライマーを使用した。具体的には、T3プライマー(ライブラリーベクター内でF5A遺伝子の上流側に位置する)及び下流側(逆方向配位)縮重プライマーの1つの両方を用いてPCR反応から、eIF−5A遺伝子の5’領域を得た。同様にして、T7プライマー(ライブラリーベクター内のeIF−5A遺伝子の下流側に位置する)と上流側(順方向配向)縮重プライマーの両方を用いてPCR反応から遺伝子の3’領域を得た。遺伝子の5’領域及び3’領域の整列分析から、全長eIF−5A遺伝子を誘導した。
T3:5’−ATT AAC CCT CAC TAA AG−3’
T7:5’−AAT ACG ACT CAC TAT AG−3’
ArabidopsiseIF−5Aのための縮重プライマー
順方向(上流側)プライマー:5’−AAA RRY CGM CCY TGCAAG GT−3’
逆方向(下流側)プライマー:5’−TCY TTN CCY TCM KCTAAH CC−3’
Arabidopsis老化誘発型eIF−5Aアンチセンス全長構成体のための特異的(相同性)プライマー:順方向全長老化誘発型eIF−5Aプライマー(30−mer):5’−CCGAGCTCCTGTTACCAAAAAATCTGTACC−3’(注:下線部分は、pBluescriptのMultipleCloning Site(MCS)内でSacI部位内にPCRフラグメントの5’末端をライゲートするために用いられるSacI認識配列である)。逆方向全長老化誘発型eIF−5Aプライマー(36−mer):5’−ACCTCGAGCGGCCGCAGAAGAAGTATAAAAACCATC−3’(注:下線部分は、pBluescriptのMCS内へのライゲーションのために用いられるNotI認識配列である)。
アンチセンス老化誘発型Arabidopsis全長eIF−5Aを発現するためにSAG12プロモーターが使用された
実験的証拠は、1組の「老化関連遺伝子」つまりSAGの転写が老化の開始の間に増大することを示している(Lohman etal.,1994年;Weaver et al.,1998年)。実際、老化は新しいmRNAの合成そして恐らくはその他のmRNAのダウンレギュレーションと共に始まると思われ、老化には、タンパク質の選択的合成が必要であることを表わしている(Nooden,1988年)。葉の老化プログラムには遺伝子発現の変化が付随するということは、インビトロ翻訳とそれに続く翻訳可能なmRNA集団の中で発生する変化を検出するためのゲル電気泳動を用いてWatanabe及びImaseki(1982年)によって最初に実証された。この初期の研究作業及びインビトロ翻訳されたタンパク質のその後の分析により、大部分の豊富なmRNAが老化の進行中に有意に低減し、一方その他の翻訳可能なmRNAが増大するということが明らかになったWatanabeand Imaseki,1982年;Davies and Grierson,1989年;Becker and Apel,1993年;Buchanan− Wollaston,1994年;Smartet al,1995年。老化葉組織のmRNAから作られたcDNAライブラリーの示差的スクリーニングも同様に、老化中に数多くの遺伝子の発現がダウンレギュレートされ、一方、その他の遺伝子の発現がアップレギュレートされることを実証した。SAGは、Arabidopsis(Henselet al,1993年;Taylor et al,1993年;Lohman et al,1994年;Oh et al,1996年)、アスパラガス(King etal,1995年)、大麦(Becker and Apel,1993年)、Brassica napus(Buchanan− Wollaston,1994年)、トウモロコシ(Smartet al,1995年)、大根(Azumi and Watanabe,1991年))及びトマト(Davies and Grierson,1989年;Drakeet al,1996年)を含めたさまざまな植物種から同定されてきた。
発芽から約21日後に自然の葉の老化の開始時点で活性化される(Noh and Amasino,1994年)ものの、ストレス誘発型老化の場合には活性化されない、SAG12(葉老化特異的)プロモーターの制御下で全長アンチセンス老化誘発型eIF−5Aトランス遺伝子を発現する遺伝子導入Arabidopsis植物が生成された。この時点で、遺伝子導入植物は、制御された全長老化誘発型eIF−5A発現に特徴的である表現型を発現する。ロゼット葉は、3〜8週齢の遺伝子導入Arabidopsisアンチセンス全長老化誘発型eIF−5A植物から収穫された。
pKYLX71内へのSAG12−アンチセンス−全長老化誘発型eIF−5A構成体の挿入
まず最初に、EcoRI及びHindIIIでプラスミドpKYLX71をカットして、その2重35Sプロモーターを除去し、結果として得られた付着末端にクレノウ酵素を充てんして平滑末端を作り出した。このとき、プロモーター無しのpKYLX71をライゲートしてプラスミドを再環状化させた。
pKYLX71−SAG12:アンチセンス−eIF−5A構成体を、E.coli DHα細胞内で増殖させ、単離し、コンピテントAG菌株の中に電気穿孔した。その後細菌を使用して、4、5週齢の野生型Arabidopsis植物を浸潤させ、結果として得られた浸潤植物を「T0」植物と呼称し、これらを次にそのライフサイクルの終りまで成長させた。種子を収穫し、収集し、T1種子と呼称した。T1種子の10枚のプレートを固定し、野生型を対照として、カナマイシン耐性についてスクリーニングした(1/2MS塩及び50μgのカナマイシン/mL)。pKYLX71−SAG12−アンチセンス−eIF−5A構成体を含む種子のみが生存し、カナマイシン(K50)培地上で成長する。これらのプレートから24T1の苗を選び、土壌中に置く。T1遺伝子導入植物から収穫した種子をT2種子として標識した。各々の苗は、1つの植物系統を生成した(#1=1つの植物を含む1つの系統、#2=1つの植物を含む1つの系統など)。
カナマイシン耐性T1種子がひとたび同定されたならば、T2、T3及びT4植物の連続的世代を成長させた。K50培地上で種子をスクリーニングすることによって、遺伝的構成体を受け継ぎその構成体についてホモ接合性であった植物を区別することが可能であった。鉢の中で成長させた場合、1つのT3植物系統内に、発育不全の表現型発現が見られた。しかしながら、同じ一組の種子を同一の条件で再度成長させた場合、表現型は観察されなかった。
酵素産出量の決定
葉を収穫し、秤量の前に面積を測定した。乳鉢及び乳棒で1mLの低温脱気すりつぶし用緩衝液を用いて、葉を細かい粉末にすりつぶした。その後、ホモジネートをエッペドルフ型管に移し、直ちに氷上に置いた。トマト葉については、単離されたホモジネートは、Miracloth片を通してろ過する必要があった。
でんぷんの定量的決定
トマトの茎の中のでんぷん含有量を、Lustinec et al.「ガラス繊維紙を用いた植物組織内のでんぷん、アミロース及びアミロペクチンの定量的決定」、Anal.Biochem.132;265−271(1983年)から適合された方法を用いて決定した。トマト茎組織を、Omnimixer(各5秒ずつ12回反復)とそれに続くPolytronホモジナイザー(30秒)を用いて、3体積の水中で均質化させた。分析の前に−20℃で10mlのアリコートの形でホモジネートを保管した。分析のために、10mlのホモジネートを解凍し、等体積の濃縮過塩素酸(HClO4、70%w/w)と混合し、室温で20分間インキュベートしてでんぷんを溶解させた。同時に、複数のじゃがいもでんぷん溶液(0.1〜1.0mg/mlの範囲内)をトマト茎試料と並行処理して標準曲線を生成した。ホモジネート(又はじゃがいもでんぷん標準溶液)を撹拌し、吸引装置に取付けられた真空フラスコを用いて、WhatmanGF/Aガラス超極細繊維紙(直径9.0cm)を通してろ過した。1mlのろ液を3mlのヨウ素溶液A(8mMのI2、17mMのKI、514mMのNaCl)と混合し、4℃で30分間インキュベートしてでんぷん−ヨウ素沈殿物を形成させた。吸引装置に取付けられた真空フラスコを用いて、WhatmanGF/Aガラス超極細繊維紙(直径9.0cm)上で沈殿物を収集し、その後、ろ液を次の溶液で洗浄した:10mLのヨウ素溶液B(83mMのI2、180mMのKI、8%の過塩素酸[HClO4])で一回;5mLのエタノール−NaCl溶液(67%のエタノール、342mMのNaCl)で一回;3mlのエタノール−NaOH溶液(67%のエタノール、250mMのNaOH)で2回。ひとたびエタノールを蒸発させたならば、極細繊維紙を吸引装置から取出し、ネジ蓋式ガラス管の中に挿入した。管に硫酸[H2SO4](9mLの0.75M溶液)を加え、30分間沸とう水浴中で管をインキュベートした。溶出液の3つの1mLアリコートをガラス試験管内にピペットで取り、1mLの5%フェノールと混合させ、直後に5mLの濃H2SO4と混合した。管をボルテックス処理し、室温で30分間インキュベートして発色させた。同時に、1mLの5%フェノールと1mLの0.75MH2SO4を混合し、5mLの濃H2SO4を添加することにより、分光光度測定のためのブランクを調製した。同様に、30分間室温でブランクをインキュベートした。ブランクを使用して分光光度計を480nmで較正し、全ての試料及びじゃがいもでんぷん標準のO.D.を測定し記録した。じゃがいもでんぷん溶液を用いて標準曲線を作成し、各試料中のでんぷん量を補間するのに使用した。
Arabidopsis thalianaセンス老化誘発型eIF−5A(At−eIF)及びトマトセンス老化誘発型eIF−5A遺伝子により独立してArabidopsisthaliana(Columbia生態型)を形質転換させた。これらの遺伝子を、遺伝子導入植物の全ライフサイクルの中で構成的に発現させた。これらの植物の花序茎は、木質部の発達の有意な増加を示した。図89A〜94を参照のこと。
デオキシヒプシン合成の抑制は、環境大気中での予備包装されたカットレタスの褐変を遅延させる
グルココルチコイド誘発型プロモーターによるトランス遺伝子(アンチセンスDHS)の制御された連続的誘発を得るために理想的であったことから、水耕法によってレタスを成長させた。誘発物質デキサメタゾンを直接水耕溶液に適用した。
カノーラ内のデオキシヒプシンシンターゼ発現の抑制が、種子収量を増加させる
デオキシヒプシンシンターゼ(DHS)は、不活性真核生物翻訳開始因子−5A(eIF−5A)を、翻訳を促進できる活性化形態へと転換させる2つの酵素反応のうちの最初のものを媒介する。カノーラ(Brassicanapus cv Westar)DHSをコードする全長cDNAクローンを老化する葉から調製したcDNA発現ライブラリーから単離した。構成性カリフラワーモザイクウイルス(CaMV−35S)プロモーターの調節下でカノーラDHScDNAのアンチセンス3’UTRを発現させることにより遺伝子導入カノーラ植物内でDHSを抑制させた。DHSタンパク質の発現の減少を示す図158を参照のこと。Arabidopsisのために開発されたプロトコルを修正することにより、カノーラ花序の真空浸潤により、遺伝子導入カノーラ植物を得た。植物を真空浸潤させた後で形成した新しい花を除去することで形質転換の効率を増強させることができ、50〜60%の形質転換率が日常的に得られた。遺伝子導入植物は、低減された葉DHSタンパク質レベルを有し、遅延した自然の葉の老化を示した。DHSの抑制は同様に、1.5〜2倍の(図157を参照のこと)葉のサイズを増大させ、結果として最高65%の種子収量の増大をもたらした(図160参照。これは一部には、系統に応じて野生型長角果よりも平均18%〜26%長いものであった長角果のサイズの増大に起因していた(図159参照)。6インチの鉢で野生型及び遺伝子導入植物を成長させた場合、DHSの抑制の結果生じる種子収量の増加は、植物を12インチの鉢の中で成長させた場合に比べて最高4.5倍大きいものであった。かくして、DHSの抑制は、小さなコンテナ内での成長により生み出される致死下的ストレスの影響を改善するように思われる。遺伝子導入植物のための種子収量の増大は、トリアシルグリセロールの測定に基づく種子油含有量の対応する増加の形を変え、遺伝子導入種子内には油の脂肪酸組成の変化は全く存在しなかった。図161A及びBを参照のこと。
デオキシヒプシンシンターゼの阻害物質を投与すること及びデオキシヒプシンシンターゼのアンチセンス抑制によるカーネーションの花の花瓶寿命の延長
デオキシヒプシンシンターゼ(DHS)をコードする全長cDNAクローン(AF296079)をカーネーションの花弁から単離した。DHSは、不活性真核生物翻訳開始因子−5A(eIF−5A)を、翻訳を促進できる活性化形態へと転換させる2つの酵素反応のうちの最初のものを媒介する。ノーザン分析により、DHS発現がカーネーションの花弁の老化と相関されるということが明らかになった。ジアミノブタン(プトレッシン)、ジアミノプロパン、ジアミノヘキサン、ジアミノオクタン及びスペルミジンを含めたDHS反応の阻害物質でのカーネーションの切り花の処理が、花の花瓶寿命を最高83%延長した。カーネーションの花の老化におけるDHSの役割をより決定的に評価するために、Agrobacterium形質転換を通して構成性カリフラワーモザイクウイルスプロモーターの調節の下でカーネーションDHScDNAのアンチセンス3’−UTRを導入することにより、遺伝子導入植物内でタンパク質の発現を抑制した。削減されたDHS発現を有する遺伝子導入花の3つの系統を分析し、野生型花に比べて長い花びん寿命を有することを発見した。実際、系統の1つは、100%を超える花びん寿命の増大を示した。これらの発見事実は、DHSが花の老化において中心的役割を果たすことを示している。
Arabidopsisにおけるデオキシヒプシンシンターゼの抑制により誘発される抽苔が遅れる表現型は、GA3での処理により救済可能である
デオキシヒプシンシンターゼ(DHS)は、真核生物翻訳開始因子5A(eIF−5A)の翻訳後活性化に必要とされる遍在する酵素である。DHSは、老化特異的SAG12プロモーターの調節下で遺伝子導入植物内で全長アンチセンスArabidopsisDHS cDNAを発現することにより、Arabidopsis内で抑制された。トランス遺伝子を発現する植物は、低減したレベルの葉DHSタンパク質を有し、遅延抽苔及び葉の老化の開始の顕著な遅延(2〜5週間)を示した。花茎は又より短くなったが、その結果バイオマス又は種子収量が減少することはなかった。GA3での遺伝子導入植物の処理は、抽苔が遅れる表現型を逆転させた。デキサメタゾン(DEX)を投与することにより活性化され得るグルカコルチコイド誘発型プロモーターであるGCIの調節下でのDHSのアンチセンス抑制により類似の表現型が得られた。ここでも又、GA3の投与が、この表現型を救済した。すなわち、GA3で処理された遺伝子導入植物は正常に抽苔し、花茎は正常サイズのものであり、葉の老化開始の遅延は全く無かった。これらの結果は集合的に、DHSがArabidopsis内のeIF−5Aの3つのアイソフォームのうちの単数又は複数のものの活性化を通してGA代謝に影響を及ぼすということを表わしている。
4週齢のArabidopsis植物を、pKYLX71−センターポプラ成長eIF−5A3を含有するAgrobacteriumtumefaciens菌株GV3101で浸潤させた。
上述の通りに(ヒプシン化不能な)突然変異体老化eIF−5AでArabidopsis植物を形質転換させた。結果として得た遺伝子導入植物は、最善、最善未満及び超最善濃度の肥料でバイオマスを増大させた。図174及び175を参照のこと。
参考文献
本発明のもう1つの実施形態は、アルファルファ由来の単離されたDHSにある。アミノ酸配列は図017A及びBに提供されており、配列番号73である。アミノ酸をコードするポリヌクレオチドは、図107A及びBに提供されており、配列番号72である。
Arabidopsis thaliana(At)の真核生物翻訳開始因子5A(eIF−5A)アイソフォームは、アミノ酸レベル、特にタンパク質のN末端領域及び中央領域において高い相同性を有する(図1)。アイソフォーム特異的となる抗体を得るために、互いにユニークであると思われるAteIF−5Aのアイソフォーム内の領域と対照してペプチドを設計した。KLHと接合するためN末端で各ペプチドに対し付加的なシステイン残基を添加した。使用される配列は、老化誘発型AteIF−5AについてはCNDDTLLQQIKSS(配列番号35)、創傷/病原体誘発型AteIF−5AについてはCTDDGLTAQMRL(配列番号36)、そして成長AteIF−5AについてはCTDEALLTQLKN(配列番号37)であった。これらの配列がタンパク質BLASTに付された場合(短くほぼ正確な配列;Arabidopsis thalianaにより制限されているもの;予想数20000;ワードサイズ2;マトリクスPAM90;Gapコスト91)、データベース内に見い出される有意な配列は、整合したAteIF−5Aのみであり、その他のものは全くなかった。ペプチドは、ウェスタンオンタリオ大学のペプチド合成施設で合成された。担体タンパク質、キーホールリンペットヘモシアニン(Sigma)を、Drenckhahn et al,(1993年)及びCollawn及びPatterson(1999年)に従ってm−マレイミドベゾイル−N−ヒドロキシスクシニミドエステルを用いて、ペプチドのN末端システインに接合させた。ウサギに2週間の間隔で、連結したペプチドを注射した。最後の注射から2週間後に、ウサギの放血及び収集血の凝固により血液を収集して、抗血清を蓄える。
3つのeIF−5Aアイソフォームを過剰発現する形質転換されたArabidopsis thaliana植物の産生
プライマーの設計
Arabidopsis thaliana(At)の真核生物翻訳開始因子5A(eIF−5A)は、コーディング領域において高い相同性を有する(図2)。適正な遺伝子の増幅についての問題を回避するため、老化誘発型AteIF−5A、創傷/病原体誘発型eIF−5A及び成長eIF−5Aのためのプライマーを、それぞれ図3、4及び5の中で示されているように、5’UTRのおおよその初めから及び3’UTRの終りで設計した。5’UTR及び3’UTRを、EST情報及びGenBankデータベース内のその他の配列情報に基づいて推定した。pKYLX71二成分ベクター内でセンス配向でライゲーションのためプライマーの末端に対し適切な制限部位を加えた(図6)。老化誘発型AteIF−5Aについては、上流側プライマーは5’AAGCTTGATCGTGGTCAACTTCCTCTGTTACC3’(配列番号38)であり、下流側プライマーは5’GAGCTCAGAAGAAGTATAAAAACCATC3’(配列番号39)である。創傷/病原体誘発型AteIF−5Aについては、上流側プライマーは5’CTCGAGTGCTCACTTCTCTCTCTTAGG3’(配列番号40)であり、下流側プライマーは5’GAGCTCAAGAATAACATCTCATAAGAAAC3’(配列番号41)である。成長AteIF−5Aについての上流側プライマーは5’CTCGAGCTAAACTCCATTCGCTGACTTCGC3’(配列番号42)であり、下流側プライマーは5’GAGCTCTAGTAAATATAAGAGTGTCTTGC3’(配列番号43)である。プライマーに付加された制限部位は、以上に列挙したプライマー内で下線により表わされている通り、老化誘発型AteIF−5AについてはHindIII及びSacIであり、創傷/病原体誘発型AteIF−5AについてはXhoI及びSacIであり、成長eIF−5AについてはXhoI及びSacIであった。
T3:5’−ATT AAC CCT CAC TAA AG−3’(配列番号20)
T7:5’−AAT ACG ACT CAC TAT AG−3’(配列番号18)
ArabidopsiseIF−5Aのための縮重プライマー
順方向(上流側)プライマー:5’−AAA RRY CGM CCY TGC AAG GT−3’(配列番号17)
逆方向(下流側)プライマー:5’−TCY TTN CCY TCM KCT AAH CC−3’(配列番号19)
Arabidopsis老化誘発型eIF−5Aアンチセンス全長構成体のための特異的(相同性)プライマー:順方向全長老化誘発型eIF−5Aプライマー(30−mer):5’−CCGAGCTCCTGTTACCAAAAAATCTGTACC−3’(配列番号48)(注:下線部分は、pBluescriptのMultiple Cloning Site(MCS)内でSacI部位内にPCRフラグメントの5’末端をライゲートするために用いられるSacI認識配列である)。逆方向全長老化誘発型eIF−5Aプライマー(36−mer):5’−ACCTCGAGCGGCCGCAGAAGAAGTATAAAAACCATC−3’(配列番号49)(注:下線部分は、pBluescriptのMCS内へのライゲーションのために用いられるNotI認識配列である)。
Claims (2)
- DHSのアンチセンスポリヌクレオチド及び前記アンチセンスポリヌクレオチドの転写を提供するべくアンチセンスポリヌクレオチドに対し作動的に連結された調節配列を含むベクターを、植物の少なくとも1つの細胞のゲノム内に取込む段階を含み、かくして前記アンチセンスポリヌクレオチドの前記転写が該植物内の内因性DHSの発現を減少させ、かくして種子の収量を増大させる、植物内の種子の収量を増大させる方法。
- 成長eIF−5Aのセンスポリヌクレオチド及び前記センスポリヌクレオチドの転写を提供するべくセンスポリヌクレオチドに対し作動的に連結された調節配列を含むベクターを、植物の少なくとも1つの細胞のゲノム内に取込む段階を含み、かくして前記センスポリヌクレオチドの前記転写が該植物内の成長eIF−5Aの発現を増加させ、かくして種子の収量を増大させる、植物内の種子の収量を増大させる方法。
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