JP2013131808A - リフレクタ及びリフレクタを用いた室内での放送波受信方法 - Google Patents

リフレクタ及びリフレクタを用いた室内での放送波受信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】構造的に小型・簡易化が可能であり、かつ取扱いが容易なリフレクタ及びリフレクタを用いた室内での放送波受信方法を提供する。
【解決手段】室内の壁面に地上デジタル放送波を反射するリフレクタ11を設け、その前面側に所定の間隔で室内アンテナを配置し、該室内アンテナの受信信号をTV受像機に入力する。リフレクタ11は、プリント板21の前面に複数の共振器22(22a、22b、…、22n)を所定の間隔で略格子状に設ける。各共振器22は、半波長ダイポール素子24、25の先端にそれぞれ可変リアクタンス回路26a、26b、28a、28bを設け、同調用コントロール部から供給する同調電圧によって可変リアクタンス回路の容量を可変し、各共振器22の共振周波数を選択されたチャンネルに合わせ、共振器22を起点にした再放射を生じさせ、壁面反射の際に生じる反射のランダム性を軽減して受信率を改善する。
【選択図】図2

Description

本発明は、室内において放送波を効率的に受信するリフレクタ及びリフレクタを用いた室内での放送波受信方法に関する。
ビル内や一般家庭の室内等において、テレビ放送例えば地上デジタル放送波を室内で直接受信するために、従来から単体のアンテナ製品やダイバーシチ・アンテナなどの室内アンテナが多種製品化されている。
上記のように地上デジタル放送波を室内にて受信するとき、電場環境は微小かつ似通ったレベルの電波が全方向から多数到来するレイリーフェージング環境になることが知られている。
図9(a)、(b)は、地上デジタル放送を屋外に設置した受信アンテナで受信する場合と、室内に設置した受信アンテナで受信する場合の電場環境を比較して示したものである。
まず、図9(a)に示すように鉄塔1に設けられた送信アンテナから送信される地上デジタル放送波2を屋外に設置した受信アンテナ3で受信する場合には、送信点は受信点から見て十分遠方にあり、受信点においては信号レベルが大きく到来方向が限定される特定の一波が存在する電場環境となる。このような電場環境において、受信点に配置する受信アンテナ3の設計では、指向性を鋭くするアプローチにより、特定の1波に対して大きな利得を得る方法が従来から取られている。
一方、図9(b)に示すように送信アンテナから送信される地上デジタル放送波2を室内5に設置した受信アンテナ4で受信する場合、電波が屋外から室内5内に進入する際に生じる透過損失に加えて、周囲を取り囲む壁面などの影響によって、屋外受信においては到来方向が限定される振幅の大きな1波だったところが、室内5では拡散して、その振幅が微小かつ似通ったレベルで位相が0°〜360°で一様分布するパス群が全方向から受信点に到来するような電場環境(レイリーフェージング環境)に変換されてしまう。このようなレイリーフェージング環境では、屋外にて受信する場合のように指向性を鋭くして特定の1波に対して利得を得るという方法で受信アンテナ4を設えたとしても、殆ど利得が得られなくなってしまう。
図10は、周囲を壁面に囲まれた室内で実測した地上デジタル放送波の受信点への到来パス解析例を示している。
図10(a)は室内に設置される受信アンテナの位置を受信点6とし、この受信点6におけるパス番号P1〜P11の到来角θと受信レベル(ベクトル量)を示し、図10(b)は上記受信点6におけるパス番号P1〜P11の到来角θと受信レベル(ベクトル量)(振幅r[dBm]、位相φ[°])を具体的な数値で示している。上記受信点6における最大受信可能レベル(ポテンシャルエネルギー:到来パスを全て同相合成して得られる受信レベル)は[−66dBm]である。
室内にアンテナを配置して地上デジタル放送波を受信する場合、上記図10から振幅が微小かつ似通ったレベルで位相が0°〜360°で一様分布するパス群が全方向から受信点6に到来する電場環境(レイリーフェージング環境)の特徴を有することが確認できる。
また、図11は、上記図10に示した電場環境におけるアンテナ配置を、(a)無指向性アンテナ、(b)ビーム指向アンテナ、(c)4ブランチダイバーシチとした場合におけるアンテナ利得、受信電力値、アンテナ実利得(対ポテンシャル比)を比較して示したものである。なお、上記(c)4ブランチダイバーシチによるアンテナ配置は、4つのアンテナの間隔Dを約0.2λとし、最大比合成によるイバーシチ受信を行った場合を例として示している。
また、図11から明らかなようにビーム指向性アンテナの受信レベルは、無指向性アンテナの受信レベルと殆ど変わらず、一般的な仕様上のアンテナ利得の値は全く奏功しない結果になることが確認できる。なお、図11では最大受信可能レベル(ポテンシャルエネルギー)を基準とした実利得を記載している。
上記図11に示されているように無指向性アンテナ単体では、ポテンシャルに対する受信時の損失が[−11.4dB]であるのに対して、4ブランチダイバーシチによる最大比合成では、[−3.4dB]にとどまっており、効率的に受信できていることが確認される。また、ビーム指向アンテナによる受信時の損失は[−11.7dB]であり、無指向性アンテナと略同様の値となっている。
上記のようなレイリーフェージング環境において利用される従来の室内アンテナは、以下に記すように、受信率向上と家庭内利用を考慮したデザインの両立が難しいという問題がある。
すなわち、無指向性アンテナやビーム指向アンテナ等の単アンテナ製品においては、室内受信での受信率向上の設えが困難であるので、構造的に小型・簡易化できることで取扱いやインテリアとしての優位性が得られることに主眼を置いている。
一方、受信率の向上に有効なアレーアンテナによるダイバーシチ受信では、単体の受信アンテナと比較して多数のアンテナ素子を必要とし、また、TVやチューナの筐体と一体化するなど、取扱いやインテリアとしての優位性を得る上で種々の条件が付きまとうという不利な点を持っている。
また、本発明に関連する公知技術として、複数の共振素子を配列するとともに、該共振素子の共振周波数を制御する回路を設けた共振素子アレイと、前記共振素子アレイに対して励振用の電磁波を放射する、または前記共振素子から放射された電磁波を受ける1次放射器と、前記共振素子アレイの位置が略焦点面となるように配置したレンズまたはレフレクタによるコリメート手段とを備えたアンテナ装置や(例えば、特許文献1参照。)、寄生ドライバブルアンテナ素子のアレイを規定する複数のループ状導電体を含む平坦なリフレクタを用いたアンテナが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−201274号公報 特表2011−519251号公報
上記のように微小かつ似通ったレベルの電磁波が全方向から多数到来する電場環境下において利用される室内アンテナにおいて、単アンテナ製品では受信効率の向上が困難であり、また、アレーアンテナによるダイバーシチ受信では、構造的に小型・簡易化が難しく、取扱いが面倒であると共にインテリアとしても利用し難いという問題があった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、室内の微小かつ似通ったレベルの電磁波が全方向から多数到来する電場環境下において、室内アンテナにより放送波を受信する場合、構造的に小型・簡易化が可能であり、かつ取扱いが容易でインテリアとしての優位性が得られるリフレクタ及びリフレクタを用いた室内での放送波受信方法を提供することを目的とする。
第1の発明に係るリフレクタは、絶縁部材を用いて構成される平面状部材と、前記平面状部材の前面に略等間隔で平面状に配設され地上デジタル放送波を受信して再放射する複数の共振器と、前記複数の共振器に接続される可変リアクタンス回路と、前記可変リアクタンス回路に同調電圧を供給し該可変リアクタンス回路のリアクタンスを可変して前記共振器の共振周波数を地上デジタル放送波の任意チャンネルに同調させる同調用コントロール部とを具備することを特徴とする。
第2の発明は、室内に設置される受信アンテナにより地上デジタル放送波を受信してテレビ受像機にて視聴する室内での放送波受信方法において、前記室内に設置され地上デジタル放送波を受信して再放射する平面状のリフレクタを備え、前記リフレクタは、絶縁部材を用いて構成される平面状部材と、前記平面状部材の前面に略等間隔で平面状に配設されて入射波を反射する複数の共振器と、前記複数の共振器にそれぞれ接続される複数の可変リアクタンス回路と、前記可変リアクタンス回路に同調電圧を供給して該可変リアクタンス回路のリアクタンスを可変して前記共振器の共振周波数を選択されたチャンネルに同調させる同調用コントロール部とを具備することを特徴とする。
第3の発明は、前記第2の発明に係るリフレクタを用いた室内での放送波受信方法において、前記同調用コントロール部は、所定の直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源の出力電圧を分圧して同調電圧を得る可変抵抗器と、前記可変抵抗器により分圧して得られた同調電圧を前記共振器の可変リアクタンス回路に供給し、該共振器の共振周波数を選択されたチャンネルに同調させる同調電圧出力手段とを具備することを特徴とする。
第4の発明は、前記第2の発明に係るリフレクタを用いた室内での放送波受信方法において、前記同調用コントロール部は、前記テレビ受像機の赤外線リモコンから送出されるチャンネル情報を検知する赤外線センサと、予め前記地上デジタル放送波の各チャンネル情報に対応する同調電圧値を記憶してなるメモリを備え、前記赤外線センサにより検知したチャンネル情報に基づいて前記メモリを検索し該チャンネル情報に対応する同調電圧値を得る情報処理手段と、前記情報処理手段により得られた同調電圧値をアナログの同調電圧値に変換し、前記共振器の可変リアクタンス回路に供給して該共振器の共振周波数を選択されたチャンネルに自動的に同調させる同調電圧出力手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、室内の微小かつ似通ったレベルの電磁波が全方向から多数到来する電場環境下において、無指向性アンテナやビーム指向アンテナ等の単アンテナ製品を使用して受信率を改善でき、アンテナの小型化並びに簡易化が可能であり、かつ取扱いが容易でインテリアとしての優位性を得ることができる。
本発明の実施例1に係るリフレクタを用いた室内での放送波受信方法を示す概略構成図である。 (a)は同実施例1に係るリフレクタの構成を示す正面図、(b)はリフレクタを構成する共振器の詳細を示す正面図である。 同実施例1において、周囲を壁面に囲まれた室内の壁面等にリフレクタを設け、このリフレクタの前方位置に受信アンテナを配置し受信点として実測した地上デジタル放送波の到来パス解析例を示す図である。 図3に示した電場環境におけるアンテナ配置を、(a)無指向性アンテナ、(b)ビーム指向アンテナ、(c)4ブランチダイバーシチとした場合におけるアンテナ利得、受信電力値、アンテナ実利得(対ポテンシャル比)を比較して示す図である。 (a)は半波長ダイポール素子の両端に金属板を取付けてコンデンサ効果により電気的長さを短縮する場合の説明図、(b)は共振器の第1の半波長ダイポール素子に接続される可変リアクタンス回路を可変容量ダイオードにより構成した場合の基本的な構成図である。 同実施例1における同調用コントロール部の構成図である。 同実施例1に係るリフレクタに設けられた共振器のS11特性(実測値)を示す図である。 本発明の実施例2に係る同調用コントロール部の構成を示すブロック図である。 (a)は鉄塔に設けられた送信アンテナから送信される地上デジタル放送波を屋外に設置した受信アンテナで受信する場合の電場環境を示す図、(b)は鉄塔に設けられた送信アンテナから送信される地上デジタル放送波を室内に設置した受信アンテナで受信する場合の電場環境を示す図である。 従来の周囲を壁面に囲まれた室内の壁面等にリフレクタを設け、このリフレクタの前方位置に受信アンテナを配置し受信点として実測した地上デジタル放送波の到来パス解析例を示す図である。 図10に示した電場環境におけるアンテナ配置を、(a)無指向性アンテナ、(b)ビーム指向アンテナ、(c)4ブランチダイバーシチとした場合におけるアンテナ利得、受信電力値、アンテナ実利得(対ポテンシャル比)を比較して示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係るリフレクタを用いた室内での放送波受信方法を示す概略構成図である。
図1において、11は室内10の例えば壁面(図示せず)等に設置される平面状のリフレクタで、地上デジタル放送波を反射するために設けられる。このリフレクタ11は、平面状に形成した絶縁部材例えばプリント板21の前面に複数の共振器22a、22b、…、22nを設けたもので、その詳細については後述する。上記リフレクタ11の前面に所定の間隔例えば例えば0〜2λの間隔で対向するように地上デジタル放送波を受信する室内用受信アンテナ12が配置される。この場合、受信アンテナ12は、好ましくはリフレクタ11の前面中央位置に対向するように所定の高さに配置する。上記λは使用周波数における波長を示している。上記受信アンテナ12は、室内10に設置されているテレビ受像機14のアンテナ端子に同軸ケーブル13を介して接続される。
次に上記リフレクタ11の詳細について図2を参照して説明する。図2(a)はリフレクタ11の正面図、図2(b)はリフレクタ11を構成する共振器22(22a、22b、…、22n)の詳細を示す正面図である。リフレクタ11は、例えば発泡スチロール等の絶縁材を用いて略4角形状に形成したプリント板21上に複数の共振器22a、22b、…、22nを例えば格子状に等間隔に設けている。なお、図2(a)は、共振器22a、22b、…、22nを4行4列に配列した場合を例として示している。上記絶縁シート23の一辺の長さLaは約0.42λに設定され、上記各共振器22a、22b、…、22nの行間隔(中心間隔)d1及び列間隔(中心間隔)d2は、それぞれ約0.4λに設定される。
上記各共振器22(22a、22b、…、22n)は、同様の構成であり、図2(b)に示すように例えば正方形の絶縁シート23上に折曲げ型の第1の半波長ダイポール素子24及び第2の半波長ダイポール素子25を略正方形となるように対向配置した構成となっている。上記半波長ダイポール素子24、25のパターン幅Wは、例えば約0.01λに設定される。また、上記絶縁シート23としては、例えばPET(Polyethylene Terephthalate)樹脂等が用いられる。
上記第1の半波長ダイポール素子24は、1対のダイポール素子24a、24bからなり、素子先端に可変リアクタンス回路26a、26bが設けられると共に、他方側すなわち素子が相対向して近接配置される端部間に数pF例えば約3pFのコンデンサ27が設けられる。また、第2の半波長ダイポール素子25は、第1の半波長ダイポール素子24と同様に1対のダイポール素子25a、25bからなり、素子先端に可変リアクタンス回路28a、28bが設けられると共に、素子が相対向して近接配置される端部間に例えば約3pFのコンデンサ29が設けられる。上記ダイポール素子24a、24b、25a、25bの始端(コンデンサ27、29側)から折曲げ部までの長さL1及び折曲げ部から先端までの長さL2は、それぞれ約0.12λに設定される。また、上記絶縁シート23には、複数の取付穴30が設けられている。
図3(a)、(b)は、周囲を壁面に囲まれた室内において、図1に示したように壁面等にリフレクタ11を設け、このリフレクタ11の前方約80cmの位置に受信アンテナ12を配置し受信点31として実測した地上デジタル放送波の到来パス解析例を示している。なお、図3は受信点31の図示右側、すなわち270°方向にリフレクタ11を配置した場合の状態を示している。
図3(a)は上記のようにリフレクタ11を使用した場合の受信点31におけるパスP1〜P11の到来角θと受信レベル(ベクトル量)を示し、図3(b)は上記受信点31におけるパスP1〜P11の到来角θと受信レベル(ベクトル量)(振幅r[dBm]、位相φ[°])を具体的な数値で示している。上記受信点31における最大受信可能レベル(ポテンシャルエネルギー:到来パスを全て同相合成して得られる受信レベル)は[−66dBm]である。
上記のようにリフレクタ11の前面に複数の半波長ダイポール素子を設けて共振器22a、22b、…、22nとして機能させ、これを起点にした再放射を生じさせることで、壁面反射の際に生じる反射のランダム性を軽減し、受信点31からみてリフレクタ11側から到来するパスについて、特定の到来方向からのパスレベルが大きくなるように状態を作り出している。図3ではパス番号P7の方向からのパスレベルが「−71[dBm]」で、一番大きな値となっている。
また、受信点31に収束される電波のポテンシャルエネルギーは、リフレクタ無しの場合の値に対して、リフレクタ11を設けた場合であっても「−66[dBm]」のままとなっており、リフレクタ11自体は電波エネルギーの損失にならず、ただ、到来パスの分布状態が変更されるという機能を確認できる。
また、図4は、上記図3に示した電場環境におけるアンテナ配置を、(a)無指向性アンテナ、(b)ビーム指向アンテナ、(c)4ブランチダイバーシチとした場合におけるアンテナ利得、受信電力値、アンテナ実利得(対ポテンシャル比)を比較して示したものである。なお、上記(c)4ブランチダイバーシチによるアンテナ配置は、4つのアンテナの各間隔Dを約0.2λとし、最大比合成によるイバーシチ受信を行った場合を例として示している。
上記図4に示すアンテナの受信電力値と図11に示す従来におけるアンテナの受信電力値との比較から明らかなように、本実施例1に係るリフレクタ11を併用することにより、条件によっても異なるが約1.5〜5[dB]の受信率改善に寄与することができる。また、上記リフレクタ11を設けることによって好適な到来パス分布となり、主たる受信装置である受信アンテナ12(図1参照)にて、より高い受信利得が得られるようになる。
次に、上記図2に示した共振器22a、22b、…、22nを構成する半波長ダイポール素子24、25及び可変リアクタンス回路26a、26b、28a、28bの詳細について説明する。
半波長ダイポール素子24、25により共振器22a、22b、…、22nを構成した場合、共振周波数のカバーする帯域を余り広く取ることができない。例えば地上デジタル放送1チャンネルの帯域幅[6MHz]に対して1から2チャンネル分程度しか取ることができないない。このため本実施形態では、半波長ダイポール素子24、25の両端部に可変リアクタンス回路26a、26b、28a、28bを設け、共振周波数を変化できるようにして帯域の狭さを補っている。
これは図5(a)に示すように半波長ダイポール素子41の両端に金属板42a、42bを取付け、コンデンサ効果により電気的長さが短縮されることを利用し、図5(b)に示すように上記金属板42a、42bを例えば可変容量ダイオードからなる可変リアクタンス回路26a、26bに置き換えることで、可変容量ダイオードの逆バイアスの調整によりコンデンサの容量を変化させ、半波長ダイポール素子24の共振周波数を選択されたチャンネルに合わせて同調できるようにしたものである。図5(a)は半波長ダイポール素子41の両端に金属板42a、42bを取付けてコンデンサ効果により電気的長さを短縮する場合の説明図、図5(b)は共振器22の第1の半波長ダイポール素子24に接続される可変リアクタンス回路26a、26bの可変リアクタンスを可変容量ダイオード45a、45bにより構成した場合の基本的な構成図である。なお、図5(b)は第1の半波長ダイポール素子24について示したが、第2の半波長ダイポール素子25における可変リアクタンス回路28a、28bも同様の構成であるので詳細な説明は省略する。
上記可変リアクタンス回路26aは、可変容量ダイオード45a、(+)電源供給端子46a及び(−)電源供給端子46bからなり、可変容量ダイオード45aのカソードが(+)電源供給端子46aと共にダイポール素子24aの先端に接続され、可変容量ダイオード45aのアノードが(−)電源供給端子46bと共に接地される。
また、上記可変リアクタンス回路26bは、可変容量ダイオード45b、(+)電源供給端子47a及び(−)電源供給端子47bからなり、可変容量ダイオード45bのカソードが(+)電源供給端子47aと共にダイポール素子24bの先端に接続され、可変容量ダイオード45bのアノードが(−)電源供給端子47bと共に接地される。
そして、上記可変リアクタンス回路26aの(+)電源供給端子46aと(−)電源供給端子46b間、及び上記可変リアクタンス回路26bの(+)電源供給端子47aと(−)電源供給端子47b間に図6に示す同調用コントロール部51から同調用可変電圧Vr(V)が供給される。
上記同調用コントロール部51は、図6に示すように可変抵抗器52、電池53、同調電圧出力端子54からなり、電池53が可変抵抗器52の両端に並列に接続される。同調電圧出力端子54は、(+)側出力端子54a及び(−)側出力端子54bを備え、(+)側出力端子54aが可変抵抗器52の摺動端子に接続され、(−)側出力端子54bが可変抵抗器52及び電池53の(−)電位側と共に接地される。上記同調電圧出力端子54から出力される同調電圧は、同調電圧供給ライン55a、55bにより図5(b)に示した可変リアクタンス回路26aの(+)電源供給端子46aと(−)電源供給端子46bとの間、及び可変リアクタンス回路26bの(+)電源供給端子47aと(−)電源供給端子47bとの間に供給される。なお、上記電池53は、商用交流電源を整流して所定の直流電圧を得るように構成した直流電源を用いても良い。
上記同調用コントロール部51の可変抵抗器52を手動操作して同調電圧を調整することにより、上記可変リアクタンス回路26a、26bの可変容量ダイオード45a、45bの逆バイアス電圧が変化し、それに伴い可変容量ダイオード45a、45bの容量が変化して図2に示した共振器22a、22b、…、22nの共振周波数が変化する。
上記同調用コントロール部51の可変抵抗器52を手動操作して同調電圧を調整する際は、テレビ受像機14(図1参照)の画像を目視して、良好になるポイントに合わせて同調を確認する。
図7は、上記リフレクタ11に設けられた共振器22a、22b、…、22nのS11特性(実測値)を示したもので、共振周波数の調整を行わない状態では、帯域的には地上デジタル放送1チャンネルの帯域幅、約6[MHz]に対して1から2チャンネル分程度しかないが、同調用コントロール部51により共振周波数の調整を行うことで帯域の狭さを補い、共振周波数をa、b、c、d、e、…の特性に示すように選択されたチャンネルに合わせて確実に同調させることができる。
上記実施例1によれば、室内の微小かつ似通ったレベルの電磁波が全方向から多数到来する電場環境下において、無指向性アンテナ等の簡易な単アンテナ製品を使用して受信率を改善することができる。このためアンテナの小型化並びに簡易化が可能であり、かつ取扱いが容易でインテリアとしての優位性を得ることができる。
なお、本発明において使用する受信アンテナは、無指向性アンテナに限定されるものではなく、無指向性アンテナに代えてビーム指向アンテナを使用してもよく、更にはアレーアンテナによるダイバーシチ受信を行う場合であっても実施することが可能である。
また、上記実施例1では、図1及び図2に示したようにプリント板21の前面に共振器22a、22b、…、22nを4行4列に配列してリフレクタ11を構成した場合について示したが、その他の形状に共振器を配列しても良く、また、更に多数の共振器を設けても良いことは勿論である。
次に本発明に係るリフレクタを用いた室内での放送波受信方法の実施例2について説明する。
上記実施例1では同調用コントロール部51を手動操作して共振器22a、22b、…、22nの共振周波数を調整する場合について示したが、この実施例2は共振器22a、22b、…、22nの共振周波数を選択されたチャンネルに合わせて自動的に同調させることができるように同調用コントロール部を構成したものである。
図8は本発明の実施例2に係る同調用コントロール部61の構成を示すブロック図である。
上記同調用コントロール部61は、テレビ受像機14の赤外線リモコン(リモートコントローラ)71から送出される赤外線のチャンネル情報72を検知して共振器22a、22b、…、22nの共振周波数を調整するように構成される。すなわち、同調用コントロール部61は、赤外線センサ62、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略称する)63、D/Aコンバータ65、増幅器66、同調電圧出力端子67からなり、赤外線リモコン71から送出されるチャンネル情報72を赤外線センサ62により常に検知している。
上記赤外線センサ62は、赤外線リモコン71から送出されるチャンネル情報72の検知動作を常に行っており、チャンネル情報72を検知すると、その検知情報をマイコン63へ出力する。マイコン63は、予めテレビ受像機14の各チャンネルと上記共振器22a、22b、…、22nの同調用電圧値とを対応させたテーブルを内部メモリ64に記憶させており、赤外線リモコン71からテレビ受像機14へ送出されるチャンネル情報72を赤外線センサ62により検知すると、そのチャンネル情報に基づいて内部メモリ64を検索して選択チャンネルに対応する同調用電圧値を読出し、D/Aコンバータ65へ出力する。この場合、マイコン63は、赤外線センサ62により次のチャンネル情報72が検知されるまで、上記選択チャンネルに対応する同調用電圧値を継続して出力している。
D/Aコンバータ65は、マイコン63から出力される同調用電圧値(デジタル値)をアナログ電圧値に変換して増幅器66へ出力する。増幅器66は、D/Aコンバータ65から出力されるアナログ電圧値に基づく同調用電圧を同調電圧出力端子67より出力し、同調電圧供給ライン68a、68bを介して図2に示す各共振器22a、22b、…、22nの可変リアクタンス回路26a、26b、28a、28bに供給する。具体的には、同調用コントロール部61の同調電圧出力端子67から同調電圧供給ライン68a、68bに出力される同調用電圧を、例えば図5(b)に示す共振器22の可変リアクタンス回路26aの(+)電源供給端子46aと(−)電源供給端子46bとの間、及び可変リアクタンス回路26bの(+)電源供給端子47aと(−)電源供給端子47bとの間に供給する。これにより共振器22は、可変リアクタンス回路26a、26bの可変容量ダイオード45a、45bの容量が同調用電圧に応じて変化し、共振周波数を選択されたチャンネルに同調させる。この結果、リフレクタ11は、選択されたチャンネルの放送波を共振器22a、22b、…、22nにより受信して再放射する。このリフレクタ11から再放射された放送波は、受信アンテナ12(図1参照)により受信され、テレビ受像機14のアンテナ端子に入力される。
上記のように同調用コントロール部61は、赤外線リモコン71からテレビ受像機14に送出されるチャンネル情報72に基づいて共振器22a、22b、…、22nの共振周波数を選択チャンネルに自動的に同調させ、選択チャンネルの放送波が受信アンテナ12にて確実に受信されるように制御する。従って、テレビ受像機14の受信チャンネルを赤外線リモコン71により切替えた際に同調操作を行う必要はなく、リフレクタ11の共振器22a、22b、…、22nを自動的に選択チャンネルに同調させて最良の受信状態に設定することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
10…室内、11…リフレクタ、12…受信アンテナ、13…同軸ケーブル、14…テレビ受像機、21…プリント板、22、22a、22b…共振器、23…絶縁シート、24…第1の半波長ダイポール素子、24a、24b…ダイポール素子、25…第2の半波長ダイポール素子、25a、25b…ダイポール素子、26a、26b、28a、28b…可変リアクタンス回路、27、29…コンデンサ、30…取付穴、31…受信点、41…半波長ダイポール素子、42a、42b…金属板、45a、45b…可変容量ダイオード、46a、46b、47a、47b…電源供給端子、51…同調用コントロール部、52…可変抵抗器、53…電池、54…同調電圧出力端子、55a、55b…同調電圧供給ライン、61…同調用コントロール部、62…赤外線センサ、63…マイコン(マイクロコンピュータ)、64…内部メモリ、65…D/Aコンバータ、66…増幅器、67…同調電圧出力端子、68a、68b…同調電圧供給ライン、71…赤外線リモコン、72…チャンネル情報。

Claims (4)

  1. 絶縁部材を用いて構成される平面状部材と、前記平面状部材の前面に略等間隔で平面状に配設され地上デジタル放送波を受信して再放射する複数の共振器と、前記複数の共振器に接続される可変リアクタンス回路と、前記可変リアクタンス回路に同調電圧を供給し該可変リアクタンス回路のリアクタンスを可変して前記共振器の共振周波数を地上デジタル放送波の任意チャンネルに同調させる同調用コントロール部とを具備することを特徴とするリフレクタ。
  2. 室内に設置される受信アンテナにより地上デジタル放送波を受信してテレビ受像機にて視聴する室内での放送波受信方法において、
    前記室内に設置され地上デジタル放送波を受信して再放射する平面状のリフレクタを備え、前記リフレクタは、
    絶縁部材を用いて構成される平面状部材と、前記平面状部材の前面に略等間隔で平面状に配設されて入射波を反射する複数の共振器と、前記複数の共振器にそれぞれ接続される複数の可変リアクタンス回路と、前記可変リアクタンス回路に同調電圧を供給して該可変リアクタンス回路のリアクタンスを可変して前記共振器の共振周波数を選択されたチャンネルに同調させる同調用コントロール部と、
    を具備することを特徴とするリフレクタを用いた室内での放送波受信方法。
  3. 前記同調用コントロール部は、
    所定の直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源の出力電圧を分圧して同調電圧を得る可変抵抗器と、前記可変抵抗器により分圧して得られた同調電圧を前記共振器の可変リアクタンス回路に供給し、該共振器の共振周波数を選択されたチャンネルに同調させる同調電圧出力手段と、
    を具備することを特徴とする請求項2に記載のリフレクタを用いた室内での放送波受信方法。
  4. 前記同調用コントロール部は、
    前記テレビ受像機の赤外線リモコンから送出されるチャンネル情報を検知する赤外線センサと、予め前記地上デジタル放送波の各チャンネル情報に対応する同調電圧値を記憶してなるメモリを備え、前記赤外線センサにより検知したチャンネル情報に基づいて前記メモリを検索し該チャンネル情報に対応する同調電圧値を得る情報処理手段と、前記情報処理手段により得られた同調電圧値をアナログの同調電圧値に変換し、前記共振器の可変リアクタンス回路に供給して該共振器の共振周波数を選択されたチャンネルに自動的に同調させる同調電圧出力手段と、
    を具備することを特徴とする請求項2に記載のリフレクタを用いた室内での放送波受信方法。
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