JP2013130936A - アルゴリズム取引マッチングシステム及びそれを備えたアルゴリズム取引統合マッチングシステム - Google Patents

アルゴリズム取引マッチングシステム及びそれを備えたアルゴリズム取引統合マッチングシステム Download PDF

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Abstract

【課題】ダークプール環境下での注文条件が複雑化したアルゴリズム注文の約定率を向上させることができるマッチングシステムの提供。
【解決手段】取引注文システムとダークプールを有するマッチングシステムにおいて、マッチングプロセス部が、所定間隔で定期的に作動し、複数種類のアルゴリズム取引のタイプを有するアルゴリズム取引群に対応したマッチングロジックに基づいて売買注文データ同士のマッチング処理を行う、マッチング処理手段を少なくとも一つ備え、夫々のマッチング処理手段が、当該マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う少なくとも一つのアルゴリズムマッチング処理手段を有する少なくとも一つのマッチング手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、売買注文をダークプール環境下でアルゴリズムロジックに基づいてマッチングさせて約定させるアルゴリズム取引マッチングシステム及びそれを備えたアルゴリズム取引統合マッチングシステムに関する。
株式の売買注文の取引を東証・大証等の取引所において執行する場合、執行価格が広く一般投資家に公表される。このため、ブロック注文などの大量発注を取引所に対して行うと、大きなマーケットインパクトを与えてしまうことになる。
そこで、近年、そのような大量発注の売買注文を取引する場合におけるマーケットインパクトを軽減することを目的として、各証券会社が取引所を介さずに、自社内のダークプール環境下で所定のアルゴリズムに基づいて売注文と買注文とをマッチングさせるマッチングシステムが、導入されるようになってきている(例えば、非特許文献1参照)。
ダークプール環境下では、株式の売買注文の取引の約定に関する価格等の執行情報が公表されないため、マーケットインパクトのリスクを限定的な範囲に留めることができ、また、取引所での執行価格よりも優位な価格で執行できる可能性がある。
視点2011年5月号、広がりゆくトレーディングの世界、三菱UFJ信託銀行、[online]、URL:http://www.tr.mufg.jp/houjin/jutaku/pdf/c201105 2.pdf、検索日:平成23年10月13日
注文条件の複雑化を原因とする約定率向上の困難性
ところで、現在の証券市場は、取引環境を構成するコンピュータシステムの高速処理化と高性能化に伴い、細かいトレードを行うようになってきており、それに伴い、アルゴリズムによる注文が複雑化している。そして、ダークプール環境下での取引システムを導入する大手証券会社ほど、複雑なアルゴリズム注文による取引が中心となっている。ダークプール環境下におけるアルゴリズム注文は非常に高速で処理されており、また、各注文に付随する売り条件や買い条件も複雑である。このため、複雑なアルゴリズム注文を、従来の東証や大証等の既存の取引所や各証券会社の私設取引所(PTS)で行われているような時間・価格優先でマッチングさせるのでは約定率を上げることが難しい。
また、一般に、アルゴリズム注文に対してはアルゴリズム取引のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックを用いたマッチング処理が行われている。しかし、アルゴリズム取引のタイプは非常に複雑で多種多様であるため、特定のアルゴリズムマッチングロジックを用いて約定率を上げることが難しい。
流動性が限定されることを原因とする約定率向上の困難性
また、従来、ダークプール環境下でのマッチングシステムは、あくまでも証券会社の自社内での対当に特化した業務であるため、自社内にプールされる絶対的な注文数が少ない場合、流動性が限られ、約定機会が減少してしまう。ダークプール環境下でのマッチング業務は複数の証券会社で実施されているが、各証券会社間で夫々のダークプール環境が接続されたシステムとして構築されていない。また、ある証券会社のダークプールを他社のダークプールと接続しようとしても、他社のダークプールにおける価格や数量等の注文情報を外部に公表することは、マーケットインパクトのリスクを限定的な範囲に留めることを目的とするダークプール業務の特性上困難である。このため、仮に、各社のダークプール環境間で対当する注文が存在していたとしても、他社のダークプール環境下でのアルゴリズム注文同士をマッチングさせることは実質的に不可能であり、約定率を向上させることが困難である。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、ダークプール環境下での注文条件が複雑化したアルゴリズム注文の約定率を向上させることができ、さらには、証券会社の自社のダークプール環境下においてプールされる注文の数が少なく流動性が限られていても、約定率を向上させることの可能なアルゴリズム取引マッチングシステム及びそれを備えたアルゴリズム取引統合マッチングシステムを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明によるアルゴリズム取引マッチングシステムは、アルゴリズム取引による売買注文を発注するための証券会社の取引注文システムと、前記証券会社の取引注文システムにより発注されたアルゴリズム取引による売買注文同士をマッチングさせ、対当する売買注文同士を約定処理させるための当該証券会社のダークプールを有するアルゴリズム取引マッチングシステムにおいて、前記証券会社の取引注文システムは、発注者が、銘柄ごとに、アルゴリズム取引のタイプを、希望取引価格と最低約定数量を含んでなる少なくとも一組の約定条件と、注文数量とともに設定可能に構成された売買注文データ設定手段と、前記発注者により前記売買注文データ設定手段を介して設定された売買注文データを、前記証券会社のダークプールに送信する売買注文発注手段と、前記ダークプールから送信された前記売買注文データの約定電文を受信する取引注文システム内約定電文受信手段を有し、前記ダークプールは、前記売買注文発注手段から送信された前記売買注文データを記録するための注文管理用データベースと、前記売買注文発注手段から送信された前記売買注文データに対する所定の管理を行う注文管理プロセス部と、所定間隔で定期的に作動し、複数種類のアルゴリズム取引のタイプを有するアルゴリズム取引群に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて前記売買注文データ同士のマッチング処理を行う、マッチング処理手段を少なくとも一つ備えるマッチングプロセス部と、前記マッチング処理手段に対応して設けられていて、前記売買注文発注手段から送信された前記売買注文データのうち、アルゴリズム取引のタイプが当該マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかのタイプに該当する未約定の前記売買注文データを一時的に記録するためのマッチング用メモリテーブルを有し、前記注文管理プロセス部は、前記売買注文発注手段から送信された前記売買注文データを受信する売買注文データ受信手段と、前記売買注文データ受信手段により受信された前記売買注文データを前記注文管理用データベースに記録する売買注文データ記録手段と、前記売買注文データ受信手段により受信された前記売買注文データのうち未約定の売買注文データを、当該売買注文データにおけるアルゴリズム取引のタイプに該当するアルゴリズム取引のタイプを含むアルゴリズム取引群に対応する前記マッチング処理手段に振り分けて送信するマッチング用売買注文データ振り分け送信手段と、前記マッチング処理手段から送信された前記売買注文データの約定電文を受信する注文管理プロセス部内約定電文受信手段と、前記注文管理プロセス部内約定電文受信手段により受信された前記売買注文データの約定電文を前記証券会社の取引注文システムに送信する注文管理プロセス部内約定電文送信手段と、前記注文管理プロセス部内約定電文受信手段が前記売買注文データの約定電文を受信したときに、前記マッチング用メモリテーブル、前記注文管理用データベースに記録されている前記売買注文データのうち、前記約定電文を受信した当該少なくとも一部の前記売買注文データに対し、約定済みの情報を付加して又は当該売買注文データにおける約定分を直前の前記注文数量から差し引いて、当該売買注文データを更新する売買注文データ更新手段を有し、夫々の前記マッチング処理手段は、前記マッチング用売買注文データ振り分け送信手段から送信された、アルゴリズム取引のタイプが当該マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかに該当する未約定の前記売買注文データを当該マッチング処理手段に対応する前記マッチング用メモリテーブルに銘柄ごとに約定条件別に注文数量を付加して記録するマッチング用売買注文データ記録手段と、前記マッチング用売買注文データ記録手段により前記マッチング用メモリテーブルに記録された前記売買注文データを用いて、当該マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類の前記アルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う少なくとも一つのアルゴリズムマッチング処理手段を有する少なくとも一つのマッチング手段と、前記アルゴリズムマッチング処理手段によるマッチング処理において当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の前記売買注文データ同士の約定を確定させるための約定報告電文を所定の取引所時間外取引市場のシステムに送信する約定報告電文送信手段と、所定の取引所時間外取引市場のシステムから送信された約定報告受理通知電文を受信する約定報告受理通知電文受信手段と、前記約定報告受理通知電文受信手段により受信された約定報告受理通知電文に対応する少なくとも一部の前記売買注文データ同士の約定電文を前記注文管理プロセス部に送信するマッチング処理手段内約定電文送信手段を有し、夫々の前記アルゴリズムマッチング処理手段は、前記マッチング用メモリテーブルに記録されている未約定の前記売買注文データを、夫々、異なる所定のソート順で並べ替え、並べ替え後に最上位に位置する未約定の前記売買注文データから順次、互いに同一銘柄であり且つ売買のサイドが反対の未約定の前記売買注文データ同士を当該アルゴリズムマッチングロジックに基づいてマッチングさせることを特徴としている。
また、本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムにおいては、夫々の前記マッチング処理手段は、同一種類のアルゴリズム取引群に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて前記売買注文データ同士のマッチング処理を行い、且つ、前記アルゴリズムマッチング処理手段を、互いに異なる組み合わせ又は作動順で備える、複数の前記マッチング手段を有するとともに、さらに、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記マッチング手段が、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの前記売買注文データの対当数を検出する対当数検出手段と、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記マッチング手段に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行わせるとともに、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応した前記マッチング手段のうち、前記対当数検出手段により検出された対当数が最も多い前記マッチング手段において対当する前記売買注文データ同士の約定報告電文を当該マッチング処理手段において対当する前記売買注文データ同士の約定報告電文として前記約定報告電文送信手段に送信させるマッチング処理作動制御手段を有するのが好ましい。
また、本発明によるアルゴリズム取引統合マッチングシステムは、証券会社ごとに夫々別個に備えられた、複数の上記本発明のいずれかのアルゴリズム取引マッチングシステムと、夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールと接続する統合処理用ダークプールと、を有し、前記統合処理用ダークプールは、夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールから送信された前記売買注文データを記録するための統合注文管理用データベースと、夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールから送信された前記売買注文データに対する所定の管理を行う統合注文管理プロセス部と、所定間隔で定期的に作動し、複数種類のアルゴリズム取引のタイプを有するアルゴリズム取引群に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて前記売買注文データ同士のマッチング処理を行う、統合マッチング処理手段を少なくとも一つ備える統合マッチングプロセス部と、前記統合マッチング処理手段に対応して設けられていて、夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールから送信された前記売買注文データのうち、アルゴリズム取引のタイプが当該統合マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかのタイプに該当する未約定の前記売買注文データを一時的に記録するための統合マッチング用メモリテーブルを有し、前記統合注文管理プロセス部は、夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールから送信された未約定の前記売買注文データを示す残注文報告電文を受信する残注文報告電文受信手段と、前記残注文報告電文受信手段により受信された前記残注文報告電文に示されている未約定の前記売買注文データを前記統合注文管理用データベースに記録する統合売買注文データ記録手段と、前記残注文報告電文受信手段により受信された前記残注文報告電文に示されている未約定の売買注文データを、当該売買注文データにおけるアルゴリズム取引のタイプに該当するアルゴリズム取引のタイプを含むアルゴリズム取引群に対応する前記統合マッチング処理手段に振り分けて送信する統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段と、前記統合マッチング処理手段から送信された前記売買注文データに対する約定可能性通知電文を受信する統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段と、前記統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段により受信された当該売買注文データに対する約定可能性通知電文を、当該未約定の前記売買注文データを示す残注文報告電文を送信した証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールに送信する統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段と、前記統合注文管理プロセス部内約可能性電文受信手段が前記売買注文データに対する約定可能性通知電文を受信したときに、前記統合マッチング用メモリテーブル、前記統合注文管理用データベースに記録されている前記売買注文データのうち、前記約定可能性通知電文を受信した当該少なくとも一部の前記売買注文データに対し、当該売買注文データにおける約定可能性通知分を直前の前記注文数量から差し引いて、当該売買注文データを更新する統合売買注文データ更新手段を有し、夫々の前記統合マッチング処理手段は、前記統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段から送信された、アルゴリズム取引のタイプが当該統合マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかに該当する未約定の前記売買注文データを当該統合マッチング処理手段に対応する前記統合マッチング用メモリテーブルに銘柄ごとに約定条件別に注文数量を付加して記録する統合マッチング用売買注文データ記録手段と、前記統合マッチング用売買注文データ記録手段により前記統合マッチング用メモリテーブルに記録された前記売買注文データを用いて、当該統合マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類の前記アルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う少なくとも一つの統合アルゴリズムマッチング処理手段を有する少なくとも一つの統合マッチング手段と、前記統合アルゴリズムマッチング処理手段によるマッチング処理において当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の前記売買注文データ同士の約定可能性を通知するための約定可能性通知電文を前記統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段に送信する統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段を有し、夫々の前記統合アルゴリズムマッチング処理手段は、前記統合マッチング用メモリテーブルに記録されている未約定の前記売買注文データを、夫々、異なる所定のソート順で並べ替え、並べ替え後に最上位に位置する未約定の前記売買注文データから順次、互いに同一銘柄であり且つ売買のサイドが反対の未約定の前記売買注文データ同士を当該アルゴリズムマッチングロジックに基づいてマッチングさせ、夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムにおける夫々の前記マッチング処理手段は、さらに、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行った後において未約定の前記売買注文データがあるときに、該未約定の前記売買注文データに対応する前記マッチング用メモリテーブルに記録された前記売買注文データを当該マッチング処理手段におけるマッチング処理の対象外として一時的にロックする売買注文データロック手段と、前記売買注文データロック手段により一時的にロックされている未約定の前記売買注文データを示す残注文報告電文を、前記統合処理用ダークプールに送信する残注文報告電文送信手段と、前記統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段から送信された当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の前記売買注文についての約定可能性通知電文を受信するマッチング処理手段内約定可能性通知電文受信手段と、前記マッチング処理手段内約定可能性通知電文受信手段が前記統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段から送信された前記約定可能性通知電文を受信したときに、当該約定可能性通知電文に含まれる当該約定可能な条件を満足する少なくとも一部の未約定の前記売買注文データの発注電文を所定の私設取引システム又は取引所システムに送信するマッチング処理手段内売買注文発注手段と、前記所定の私設取引システム又は取引所システムから送信された前記売買注文データの約定電文を受信するマッチング処理手段内約定電文受信手段と、前記マッチング用メモリテーブル、前記注文管理用データベースに記録され、且つ、前記売買注文データロック手段により当該マッチング処理手段におけるマッチング処理の対象外として一時的にロックされている前記売買注文データを、前記売買注文データ更新手段が更新したときに、前記売買注文データロック手段による前記売買注文データに対するロックを解除する売買注文データロック解除手段を有し、前記マッチング処理手段内約定電文送信手段は、さらに、前記マッチング処理手段内約定電文受信手段により受信された前記売買注文データの約定電文を前記注文管理プロセス部に送信することを特徴としている。
また、本発明のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおいては、夫々の前記統合マッチング処理手段は、同一種類のアルゴリズム取引群に含まれる複数種類の前記アルゴリズム取引のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて前記売買注文データ同士のマッチング処理を行い、且つ、前記統合アルゴリズムマッチング処理手段を、互いに異なる組み合わせ又は作動順で備える、複数の前記統合マッチング手段を有するとともに、さらに、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記統合マッチング手段が、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの前記売買注文データの対当数を検出する統合対当数検出手段と、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記統合マッチング手段に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行わせるとともに、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応した前記統合マッチング手段のうち、前記対当数検出手段により検出された対当数が最も多い前記統合マッチング手段において対当する前記売買注文データ同士の約定可能性通知電文を当該統合マッチング処理手段において対当する前記売買注文データ同士の約定可能性通知電文として前記統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段に送信させる統合マッチング処理作動制御手段を有するのが好ましい。
また、本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムにおいては、前記ダークプールは、さらに、取引所における各銘柄の売買価格をリアルタイムで取得する価格情報取得手段を有し、前記ダークプールに備わる夫々の前記マッチング処理手段は、前記価格情報取得手段によりリアルタイムで取得された当該銘柄の売買価格を基準価格とする所定範囲の価格帯のみの前記売買注文データ同士を対象としてマッチング処理を行うのが好ましい。
また、本発明のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおいては、夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムにおける前記ダークプールは、さらに、取引所における各銘柄の売買価格をリアルタイムで取得する価格情報取得手段を有し、夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムにおける前記ダークプールに備わる夫々の前記マッチング処理手段は、前記価格情報取得手段によりリアルタイムで取得された当該銘柄の売買価格を基準価格とする所定範囲の価格帯のみの前記売買注文データを対象としてマッチング処理を行うとともに、前記統合処理用ダークプールは、さらに、取引所における各銘柄の売買価格をリアルタイムで取得する統合処理用ダークプール内価格情報取得手段を有し、前記統合処理用ダークプールに備わる夫々の前記統合マッチング処理手段は、前記統合処理用ダークプール内価格情報取得手段によりリアルタイムで取得された当該銘柄の売買価格を基準価格とする所定範囲の価格帯のみの前記売買注文データを対象としてマッチング処理を行うのが好ましい。
本発明によれば、ダークプール環境下での注文条件が複雑化したアルゴリズム注文の約定率を向上させることができ、さらには、証券会社の自社のダークプール環境下においてプールされる注文の数が少なく流動性が限られていても、約定率を向上させることの可能なアルゴリズム取引マッチングシステム及びそれを備えたアルゴリズム取引統合マッチングシステムが得られる。
本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムの概念図である。 本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムにおけるマッチング処理手段の一構成例を示す説明図である。 本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムにおけるマッチング処理手段の他の構成例を示す説明図である。 本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムにおけるマッチング処理手段のさらに他の構成例を示す説明図である。 本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムにおけるマッチング処理手段のさらに他の構成例を示す説明図である。 本発明のアルゴリズム取引システムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステムの概略説明図である。 図6のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおけるダークプール業務の概念図である。 本発明のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおけるより好ましい構成の要部を示す説明図である。 本発明の実施例1に係るアルゴリズム取引マッチングシステムの概略構成図である。 図9のアルゴリズム取引マッチングシステムにおける証券会社の取引注文システムの売買注文データ設定手段に備わる設定項目を示す説明図である。 図9のアルゴリズム取引マッチングシステムにおけるマッチング処理手段の構成を示す説明図である。 実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステムにおいて新規の売買注文が発注されたときの電文の処理手順を示すフローチャートである。 実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステムにおいて新規の売買注文が発注されたときの注文管理プロセス部における処理手順を示すフローチャートである。 実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステムにおいて注文管理プロセス部から売買注文データが送信されたときの電文の処理手順を示すフローチャートである。 実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステムにおいて注文管理プロセス部から売買注文データが送信されたときのマッチングプロセス部における処理手順を示すフローチャートである。 実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステムにおいて約定電文が注文管理プロセス部に送信されたときの注文管理プロセス部における処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係るアルゴリズム取引マッチングシステムの要部構成図である。 実施例2のアルゴリズム取引マッチングシステムのマッチング処理手段における処理手順を示すフローチャートである。 実施例2のアルゴリズム取引マッチングシステムのマッチング処理手段に備わる対当数検出手段が検出する、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々のマッチング手段による、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの売買注文データの対当数を示す概念図である。 実施例2のアルゴリズム取引マッチングシステムのマッチング処理手段に備わる各マッチング手段の夫々によるマッチング処理に用いるアルゴリズムマッチングロジックの結合のさせ方によって、売買注文データの対当数、約定率が異なる具体例を示す説明図で、(a)はマッチング用売買注文データ記録手段によりマッチング用メモリテーブルに記録されている売買注文データを示す図、(b)は(a)に示すマッチング用メモリテーブルに記録されている売買注文データに対し第一のマッチング処理のパターンによりマッチング処理を行った場合における注文の第一マッチング処理状況を示す図、(c)は(a)に示すマッチング用メモリテーブルに記録されている売買注文データに対し第一のマッチング処理のパターンによりマッチング処理を行った場合における注文の第二マッチング処理状況を示す図、(d)は(a)に示すマッチング用メモリテーブルに記録されている売買注文データに対し第二のマッチング処理のパターンによりマッチング処理を行った場合における注文の第一マッチング処理状況を示す図、(e)は(a)に示すマッチング用メモリテーブルに記録されている売買注文データに対し第二のマッチング処理のパターンによりマッチング処理を行った場合における注文の第二マッチング処理状況を示す図である。 本発明の実施例3に係るアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステムの概略構成図である。 図21のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおける統合マッチング処理手段の構成例を示す説明図である。 図21のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおけるアルゴリズム取引マッチングシステムの概略構成図である。 図23に示す夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステムにおける夫々のマッチング処理手段の構成例を示す図である。 図23に示す夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステムのマッチングプロセス部における、マッチング処理手段により約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理が行われた後に未約定の売買注文データがあるときの電文の処理手順を説明するためのフローチャートである。 実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおいて夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステムから残注文報告電文が送信されたときの電文の処理手順を示すフローチャートである。 実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおいて残注文報告電文が送信されたときの統合注文管理プロセス部における処理手順を示すフローチャートである。 実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおいて統合注文管理プロセス部から売買注文データが送信されたときの電文の処理手順を示すフローチャートである。 実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおいて統合注文管理プロセス部から売買注文データが送信されたときの統合マッチングプロセス部における処理手順を示すフローチャートである。 実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおいて約定可能性通知電文が統合注文管理プロセス部に送信されたときの統合注文管理プロセス部における処理手順を示すフローチャートである。 実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおいて統合処理用ダークプールから夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステムへ約定可能性通知電文が送信されたときの電文の処理手順を示すフローチャートである。 実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおいて統合処理用ダークプールから約定可能性通知電文が送信されたときの夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステムのマッチングプロセス部における処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例4に係るアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステムの要部構成を示す説明図である。 実施例4のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおける統合マッチング処理手段における処理手順を示すフローチャートである。 従来のアルゴリズム取引マッチングシステムの概念図である。
実施例の説明に先立ち、本発明を想到するに至った経緯を説明する。
注文条件の複雑化を原因とする約定率向上の困難性についての考察
従来のダークプール環境下で行われている、アルゴリズム取引のタイプの異なるアルゴリズム注文を、夫々のタイプに対応した別々のアルゴリズムマッチングロジックに基づいて、別々にマッチングさせる場合の約定率について、アイスバーグ注文、オートショートセル注文を例に用いて考察する。
アイスバーグ(Ice-burg)注文は、取引所に対し親注文(注文全体)における「氷山の一角」となる子注文を分割して発注することにより、取引数量の全体を悟られることなく、マーケットインパクトを低減させながら執行していくタイプのアルゴリズム取引の注文である。アイスバーグ注文では、親注文のうちの分割された子注文のみが発注される。
例えば、アイスバーグ注文全体で50万株の潜在発注があったとしても、市場に表出するのは僅か1万株というような場合が起こり得る。このようにアイスバーグ注文では、即座に親注文の全数量が市場に発注されるわけではなく、市場の価格情報が指定条件を満足したときのみ、予め設定された数量の子注文が自動的に発注される。
その際、親注文のうちの未発注分は、ダークプール環境下に潜在しており、それらの潜在注文に約定可能性があったとしても表出していないため、約定させることができない。
なお、アイスバーグ注文は、子注文の発注方式に応じて、予約執行型注文のリザーブ(Reserve:予め設定された子注文の分割数量に対し、指値注文を順次実施していく手法を用いる注文)、トレンド追従型注文のフロート(Float:発注対象の売買価格の推移によって、注文数量を適宜バランシングする手法を用いる注文)、待ち伏せ型注文の一種であるスナイパー(Sniper:板上に対当候補の最良気配が現れた瞬間に当該注文を取得しに行く手法を用いる注文)、待ち伏せ型注文の他の一種であるゲリラ(Guerrilla:予め指定した執行価格範囲にある反対注文を一度に全て取得しに行く手法を用いる注文)等、タイプが細分化されている。
オートショートセル(Auto Short Sell)注文は、価格規制法令の遵守要件に合致する範囲内において、空売り注文を自動的に組成して発注するタイプのアルゴリズム注文である。
なお、オートショートセル注文も、例えば、空売りの指値注文の分割発注を指値注文の約定後、設定時間の範囲内で繰り返す手法を用いた注文、空売りの指値注文を売り気配の数量に応じて比例発注する手法を用いた注文等、タイプが細分化されている。
ここで、同一証券会社のダークプール環境下に、例えば、銘柄Aを20,000円以下で150株買いたいとするアイスバーグ注文と、銘柄Aを15,000円以上で150株売りたいとするオートショートセル注文が存在していると仮定する。なお、注文時における東証等の基準取引所での価格は20,000円、当該アルゴリズム注文の発注条件は10株/回に設定されているものとする。
例えば、上記銘柄Aに対するアイスバーグ注文に対応するマッチング処理手段は、東証等の基準取引所の注文板に20,000円で10株の売り注文を発見した場合、その20,000円の売り注文数量と同数量の買い注文を発注する。親注文が150株であるのに対し、当該注文板に表出した売り注文が10株である場合、10株のみを子注文として発注し、残りの140株はダークプール環境下において保持し、発注しない。
また、例えば、上記オートショートセル注文に対応するマッチング処理手段は、現在価格が19,990円から20,000円へと推移してアップティック(株価上昇)状態のとき、20,000円で10株の売り注文を発注する。その後、更に、現在価格が20,000円から20,010円へと推移したとき、20,010円で10株の売り注文を発注する。その後、現在価格が20,010円から19,800円へと推移し、さらに19,800円から19,850円へと推移したとき、19,850円で10株の売り注文を発注する。指値価格が事前に設定した15,000円以上である限り、このような発注を繰り返す。
従来のダークプール環境下では、これらのアイスバーグ注文、オートショートセル注文を、アルゴリズム取引のタイプごとに別々に対応した別々のアルゴリズムマッチングロジックに基づいて別々にマッチング処理し、東証等の基準取引所の注文板に乗っている売買注文と対当する売買注文を、その注文板に乗っている売買注文と約定するように公の取引所に発注していた。
しかし、上述したように、アルゴリズム注文は非常に高速で処理されており、また、各注文に付随する売り条件や買い条件も複雑である。このため、複雑なアルゴリズム注文を、従来の東証や大証等の既存の取引所で行われているような時間・価格優先でマッチングさせるのでは約定率を上げることが難しい。また、アルゴリズム取引による注文のタイプは非常に複雑で多種多様であり、特定のアルゴリズムマッチングロジックを用いて約定率を上げることが難しい。
このため、例えば、上記アイスバーグ注文やオートショートセル注文における夫々のマッチング処理では、処理しきれない潜在注文が残り易い。しかも、上述したように、アイスバーグ注文やオートショートセル注文は、実際には、夫々のアルゴリズム取引による注文のタイプがさらに細分化されており、細分化された手法ごとに別々に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいたマッチング処理手段によって別々に処理される。
このため、仮に、上記アイスバーグ注文における潜在注文と上記オートショートセル注文における潜在注文とが15000円〜20000円の範囲において対当しうる関係にあっても、約定させることができない。
そこで、本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムでは、ダークプール環境下に発注されたタイプの異なるアルゴリズム取引の潜伏注文同士をマッチングさせて約定率を上げることができるようにすべく、課題を解決するための手段に記載したように、マッチングプロセス部が、所定間隔で定期的に作動し、複数種類のアルゴリズム取引のタイプを有するアルゴリズム取引群に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて売買注文データ同士のマッチング処理を行う、マッチング処理手段を少なくとも一つ備え、夫々のマッチング処理手段が、当該マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う少なくとも一つのアルゴリズムマッチング処理手段を有する少なくとも一つのマッチング手段を備えて構成した。
図35は従来のアルゴリズム取引マッチングシステムの概念図、図1は本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムの概念図である。
従来のアルゴリズム取引マッチングシステムでは、例えば、図35に示すように、夫々のマッチング処理手段A〜Eが、証券会社の取引注文システムからダークプール環境下に発注された夫々のアルゴリズム注文A〜Eを、特定種類のアルゴリズム取引のタイプに一対一で対応したアルゴリズムマッチング処理手段A〜EのアルゴリズムマッチングロジックA〜Eに基づくマッチング処理を行う。このようなマッチングシステムでは、タイプの異なる複数のアルゴリズム取引同士をマッチング処理させることがないため、タイプの異なる複数のアルゴリズム取引全体におけるアルゴリズム注文の約定率を向上させることができない。
これに対し、本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムでは、注文管理プロセス部の売買注文データ記録手段やマッチング処理手段のマッチング用売買注文データ記録手段により各種DBやメモリ等からなる注文管理用データベースやマッチング用メモリテーブルに記録されるアルゴリズム売買注文データを用いて、当該マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を、排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う少なくとも一つのアルゴリズムマッチング処理手段を有する少なくとも一つのマッチング手段を備えている。
本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムによれば、例えば、図1に示すように、マッチング処理手段(1)に備わるマッチング手段(1)−1における、一種類のアルゴリズム取引のタイプが設定されたアルゴリズム注文A(またはアルゴリズム注文B、またはアルゴリズム注文C)に対し、タイプの異なる複数のアルゴリズム取引に対応したアルゴリズムマッチング処理手段A〜Cが、アルゴリズムマッチングロジックA,B,Cに基づくマッチング処理を行う。また、マッチング処理手段(2)に備わるマッチング手段(2)−1における、一種類のアルゴリズム取引のタイプが設定されたアルゴリズム注文D(またはアルゴリズム注文E)に対し、タイプの異なる複数のアルゴリズム取引に対応したアルゴリズムマッチング処理手段D,Eが、アルゴリズムマッチングロジックD,Eに基づくマッチング処理を行う。
このため、タイプの異なるアルゴリズム取引の売買注文同士を約定させることが可能となり、ダークプールに発注されたタイプの異なる複数のアルゴリズム取引全体におけるアルゴリズム注文の約定率を向上させることができる。
なお、本発明において「排他的に作動させる」とは、マッチング処理手段に備わるマッチング手段において、所定のアルゴリズムマッチング処理手段が作動しているときには、当該マッチング処理手段における他のアルゴリズムマッチング処理手段を作動停止状態にすることをいう。
例えば、図2に示すように、アルゴリズム取引A1とアルゴリズム取引B1を含むアルゴリズム取引群に対応したマッチング処理を行うマッチング処理手段(1)に備わるマッチング手段(1)−1において、アルゴリズム取引A1(例えば、アイスバーク型注文であるリザーブ注文)のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックA1に基づくマッチング処理を行うアルゴリズムマッチング処理手段Aが作動しているときには、アルゴリズム取引B1(例えば、指値注文の約定後に所定時間の範囲内で分割発注を繰り返すタイプのオートショートセル注文)のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックB1に基づくマッチング処理を行うアルゴリズムマッチング処理手段Bを作動停止状態にする。
なお、アルゴリズムマッチング処理手段は、一つのアルゴリズム取引A1に対応した一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を行うように構成する他に、図3に示すように、複数のアルゴリズム取引A1,A2(例えば、アイスバーク型注文であるリザーブ注文とスナイパー注文)のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックA1、A2を結合させたアルゴリズムマッチングロジックA12に基づくマッチング処理を行うように構成してもよい。
また、アルゴリズムマッチング処理手段としては、例えば、図4に示すように、同一のアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を行い、且つ、マッチングさせる際の起点となる売買注文データを決めるための売買注文データのデータ項目のソート順を異ならせた構成のものを複数備えてもよい。
また、本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムにおいては、夫々の前記マッチング処理手段は、同一種類のアルゴリズム取引群に含まれる複数種類の前記アルゴリズム取引のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて前記売買注文データ同士のマッチング処理を行い、且つ、前記アルゴリズムマッチング処理手段を、互いに異なる組み合わせ又は作動順で備える、複数の前記マッチング手段を有するとともに、さらに、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記マッチング手段が、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの前記売買注文データの対当数を検出する対当数検出手段と、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記マッチング手段に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行わせるとともに、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応した前記マッチング手段のうち、前記対当数検出手段により検出された対当数が最も多い前記マッチング手段において対当する前記売買注文データ同士の約定報告電文を前記マッチング処理手段において対当する前記売買注文データ同士の約定報告電文として前記約定報告電文送信手段に送信させるマッチング処理作動制御手段を有するのが好ましい。
図5は上記発明の一構成例の要部を示す説明図である。
図5の例では、マッチング処理手段(1)は、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した3つのマッチング手段(1)−1、(1)−2、(1)−3と、対当数検出手段と、マッチング作動制御手段を有している。
マッチング手段(1)−1は、作動順に、アルゴリズムマッチング処理手段A1とアルゴリズムマッチング処理手段A2と、アルゴリズムマッチング処理手段B1を有している。アルゴリズムマッチング処理手段A1は、アルゴリズムマッチングロジックA1に基づいてマッチング処理を行う。アルゴリズムマッチング処理手段A2は、アルゴリズムマッチングロジックA2に基づいてマッチング処理を行う。アルゴリズムマッチング処理手段B1は、アルゴリズムマッチングロジックB1に基づいてマッチング処理を行う。
マッチング手段(1)−2は、作動順に、アルゴリズムマッチング処理手段B1と、アルゴリズムマッチング処理手段A12を有している。アルゴリズムマッチング処理手段A12は、アルゴリズムマッチングロジックA1とアルゴリズムマッチングロジックA2とを結合させたアルゴリズムマッチングロジックA12に基づいてマッチング処理を行う。
マッチング手段(1)−3は、アルゴリズムマッチング処理手段A21B1を有している。アルゴリズムマッチング処理手段A21B1は、アルゴリズムマッチングロジックA2とアルゴリズムマッチングロジックA1とアルゴリズムマッチングロジックB1を結合させたアルゴリズムマッチングロジックA21B1に基づいてマッチング処理を行う。
対当数検出手段は、マッチング手段(1)−1〜(1)−3が、夫々、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの売買注文データの対当数を検出する。
マッチング処理作動制御手段は、マッチング手段(1)−1〜(1)−3を並行的に、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行わせ、そして、マッチング手段(1)−1〜(1)−3のうち、対当数検出手段により検出された対当数が最も多いマッチング手段において対当する売買注文データ同士の約定報告電文を当該マッチング処理手段において対当する売買注文データ同士の約定報告電文として約定報告電文送信手段に送信させる。
異なる複数のアルゴリズムマッチングロジックA1、A2、B1に基づいてマッチング処理を行う場合、マッチング手段(1)−1〜(1)−3のように、アルゴリズムマッチングロジックA1、A2、B1に基づくマッチング処理の作動順序やアルゴリズムマッチングロジックの結合のさせ方を異ならせることにより、対当数が異なり得る。
しかるに、上記のように、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々のマッチング手段(1)−1〜(1)〜3に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行わせ、対当数検出手段により検出された最も多いマッチング手段において対当する売買注文データ同士の約定報告電文を当該マッチング処理手段において対当する売買注文データ同士の約定報告電文として約定報告電文送信手段に送信させれば、同一種類のアルゴリズム取引群における売買注文に対する約定率を最大限に向上させることができる。
流動性が限定されることを原因とする約定率の向上の困難性についての考察
上述した本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムによれば、子注文から潜伏している親注文にまでマッチング対象の範囲を広げることができる。
しかし、ダークプール環境は、あくまでも所定の証券会社の閉ざされた電子取引環境下でのマッチング処理を前提として構築されている。このため、当該ダークプール内で絶対的な注文量が少なく、流動性が枯渇、或いは限定的である場合、売買注文を対当させることが困難となる。このように、自社内での対当を前提とした場合、対当可能性を探すことには限界があり、流動性が限定される場合、約定率を向上させることが困難となる。
また、ダークプール環境下でのマッチング業務は、複数の証券会社で夫々実施されているが、各社間で対当する注文が仮に存在していたとしても、従来、これらの証券会社間のダークプールは互いに接続する構成となっていない。仮に、複数の証券会社のダークプールを接続したとしても、ダークプール業務の特性上、夫々のダークプール環境下においては、マーケットインパクトを与えないようにするために、価格や数量等の注文状況を外部に公表しない。このため、異なるダークプール環境下の売買注文同士をマッチングさせることは困難である。
そこで、本発明のアルゴリズム取引統合マッチングシステムでは、証券会社ごとに夫々別個に設けられた夫々の本発明のアルゴリズム取引マッチングシステムのダークプールに接続する統合処理用ダークプールを設け、統合処理用ダークプールの統合マッチングプロセス部が、所定間隔で定期的に作動し、複数種類のアルゴリズム取引のタイプを有するアルゴリズム取引群に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて売買注文データ同士のマッチング処理を行う、統合マッチング処理手段を少なくとも一つ備え、夫々の統合マッチング処理手段が、当該統合マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う少なくとも一つの統合アルゴリズムマッチング処理手段を有する少なくとも一つの統合マッチング手段を備えて構成し、夫々のアルゴリズム取引マッチングシステムにおいて未約定の売買注文データ同士を、複数種類のアルゴリズムに対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいてマッチングさせるようにした。
図6は本発明のアルゴリズム取引システムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステムの概略説明図、図7は図6のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおけるダークプール業務の概念図である。
本発明のアルゴリズム取引統合マッチングシステムは、例えば、図6に示すように、統合処理用ダークプールが、夫々の証券会社A〜Cのアルゴリズム取引マッチングシステムのダークプールと接続している。また、例えば、図7に示すように、統合処理用ダークプールの統合マッチングプロセス部が、少なくとも一つの統合マッチング処理手段(1)、(2)を備えている。
夫々の統合マッチング処理手段(1)、(2)は、所定間隔で定期的に作動し、当該マッチング処理手段(1)、(2)に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を、排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う少なくとも一つの統合アルゴリズムマッチング処理手段A〜C、D及びEを有する少なくとも一つの統合マッチング手段(1)−1、(1)−2を備えている。
本発明のアルゴリズム取引統合マッチングシステムによれば、一つの証券会社Aのアルゴリズム取引マッチングシステム内において売買注文の流動性が無い場合であっても、他の証券会社B,Cのアルゴリズム取引マッチングシステム内の売買注文と約定させることのできる可能性が大きくなり、夫々のダークプールにおける売買注文の約定率を向上させることができる。
なお、本発明のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおいても、夫々の前記統合マッチング処理手段は、同一種類のアルゴリズム取引群に含まれる複数種類の前記アルゴリズム取引のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて前記売買注文データ同士のマッチング処理を行い、且つ、前記統合アルゴリズムマッチング処理手段を、互いに異なる組み合わせ又は作動順で備える、複数の前記統合マッチング手段を有するとともに、さらに、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記統合マッチング手段が、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの前記売買注文データの対当数を検出する統合対当数検出手段と、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記統合マッチング手段に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行わせるとともに、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応した前記統合マッチング手段のうち、前記対当数検出手段により検出された対当数が最も多い前記統合マッチング手段において対当する前記売買注文データ同士の約定可能性通知電文を当該統合マッチング処理手段において対当する前記売買注文データ同士の約定可能性通知電文として後述する統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段に送信させる統合マッチング処理作動制御手段を有するのが好ましい。
図8は上記構成の要部を示す説明図である。
統合マッチング処理手段(1)は、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した3つの統合マッチング手段(1)−1、(1)−2、(1)−3と、統合対当数検出手段と、統合マッチング作動制御手段を有している。
統合マッチング手段(1)−1は、作動順に、アルゴリズムマッチング処理手段A1とアルゴリズムマッチング処理手段A2と、アルゴリズムマッチング処理手段B1を有している。アルゴリズムマッチング処理手段A1は、アルゴリズムマッチングロジックA1に基づいてマッチング処理を行う。アルゴリズムマッチング処理手段A2は、アルゴリズムマッチングロジックA2に基づいてマッチング処理を行う。アルゴリズムマッチング処理手段B1は、アルゴリズムマッチングロジックB1に基づいてマッチング処理を行う。
統合マッチング手段(1)−2は、作動順に、アルゴリズムマッチング処理手段B1と、アルゴリズムマッチング処理手段A12を有している。アルゴリズムマッチング処理手段A12は、アルゴリズムマッチングロジックA1とアルゴリズムマッチングロジックA2とを結合させたアルゴリズムマッチングロジックA12に基づいてマッチング処理を行う。
統合マッチング手段(1)−3は、アルゴリズムマッチング処理手段A21B1を有している。アルゴリズムマッチング処理手段A21B1は、アルゴリズムマッチングロジックA2とアルゴリズムマッチングロジックA1とアルゴリズムマッチングロジックB1を結合させたアルゴリズムマッチングロジックA21B1に基づいてマッチング処理を行う。
統合対当数検出手段は、統合マッチング手段(1)−1〜(1)−3が、夫々、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの売買注文データの対当数を検出する。
統合マッチング処理作動制御手段は、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の統合マッチング手段(1)−1〜(1)−3に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行わせるとともに、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応した統合マッチング手段(1)−1〜(1)−3のうち、対当数検出手段により検出された対当数が最も多い統合マッチング手段(1)−1〜(1)−3において対当する売買注文データ同士の約定可能性通知電文を当該統合マッチング処理手段(1)において対当する売買注文データ同士の約定可能性通知電文として後述する統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段に送信させる。
上記のように、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の統合マッチング手段(1)−1〜(1)〜3に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行わせ、対当数検出手段により最も多い統合マッチング手段において対当する売買注文データ同士の約定報告電文を当該統合マッチング処理手段において対当する売買注文データ同士の約定可能性通知電文として統合マッチング処理手段処理約定可能性通知電文送信手段に送信させれば、同一種類のアルゴリズム取引群における売買注文に対する約定可能性を最大限に向上させることができる。
以下、図示した実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。
実施例1
図9は本発明の実施例1に係るアルゴリズム取引マッチングシステムの概略構成図である。図10は図9のアルゴリズム取引マッチングシステムにおける証券会社の取引注文システムの売買注文データ設定手段に備わる設定項目を示す説明図である。
実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステム1は、図9に示すように、証券会社の取引注文システム10と、当該証券会社のダークプール20とを有して構成されている。なお、図9中、30はToSTNeTやJ−NET等、所定の取引所時間外取引市場のシステムである。
取引注文システム10は、アルゴリズム取引による売買注文を発注するためのシステムであって、証券会社が管理する株式の発注、設定及び管理を行うサーバと、インターネット等を介しサーバと接続されている投資家個人が所有するパソコンや証券会社の店頭に設置されているパソコン等の入出力端末により構成されており、売買注文データ設定手段11と、売買注文発注手段12と、約定電文受信手段13を有している。
売買注文データ設定手段11は、パソコン等の入出力端末に、例えば、図10に示すように、銘柄コード11aごとに、アルゴリズム取引のタイプ11bを、希望取引価格11c1と最低約定数量11c2を含んでなる少なくとも一組の約定条件11cと、注文数量11dとともに設定可能に構成されている。
図10において、銘柄コード11aは、株式の銘柄ごとに固有の識別情報の設定項目である。銘柄コード11aは、発注者が入出力端末を介して設定する。アルゴリズム取引のタイプ11bは、当該銘柄の注文におけるアルゴリズム取引の種類を示す識別情報の設定項目である。例えば、TWAPを「11」、VWAPを「12」、オートショートセルを「21」、リザーブを「22」、フロートを「23」、スナイパーを「24」、ゲリラを「25」、ボリュームインライン(Volume In-LINE)を「31」、プライスインライン(Plice In-LINE)を「32」、テックス(TEX)を「33」というように、夫々のアルゴリズム取引の種類ごとに異なる識別情報が設定される。アルゴリズム取引のタイプ11bは、発注者が、入出力端末を介して選択して設定する。
なお、TWAPとは、機関投資家が発注した注文の全体数量を、時間軸をベースとして均等に分割して発注するアルゴリズム取引手法を用いた注文である。VWAPとは、ザラ場中の出来高データの平均値を利用したアルゴリズム取引を用いた注文であって、注文数量もしくは時間軸のいずれかを相場に応じて柔軟に変化させていく注文である。インラインボリュームは、アイエス(IS:Implementation Shortfall)型(自らの発注が市場に与えるであろうマーケットインパクトや発注タイミングに伴うリスクをあらゆる角度から考慮し、執行コストを最小限化しようとするアルゴリズム取引手法に基づく注文)のアルゴリズム注文の一種であって、市場出来高推移をベースとして、執行ペースや数量を適宜バランシングしていく出来高追従型のアルゴリズム取引手法に基づく注文である。プライスインラインは、IS型のアルゴリズム注文の一種であって、市場の価格変動率推移をベースとして、執行ペースや数量を適宜バランシングしていく価格追従型のアルゴリズム取引手法に基づく注文である。テックスは、IS型のアルゴリズム注文の一種であって、出来高及び価格情報の他、指標や同業種の他銘柄、INDENX等、市場のあらゆる情報の動向を総合的に考慮し、対象銘柄のトレンドを予測して執行する総合情報追従型のアルゴリズム取引手法に基づく注文である。
約定条件11cは、当該銘柄の注文において発注者が所望する希望取引価格11c1の最高値11c11と最安値11c2及び最低約定数量11c2の設定項目である。約定条件11cは、発注者が入出力端末Tを介して設定する。注文数量11dは、当該銘柄の注文において発注者が売買を所望する全体数量の設定項目である。注文数量11dは、発注者が入出力端末を介して設定する。
なお、売買注文データ設定手段11は、これらの設定項目の他に、注文キー11eと、売買種別11fを有している。
注文キー11eは、注文内容(新規注文・注文訂正・注文取消)に対応する識別情報の表示項目である。注文キー11eは、一回の新規注文ごとにサーバが自動的に付与して入出力端末Tに表示する。売買種別11fは、当該銘柄の注文における売り又は買いの識別情報の設定項目である。図10の例では、「1」を買い注文、「2」を売り注文としている。売買種別11fは、発注者が入出力端末を介して選択して設定する。
売買注文発注手段12は、発注者により売買注文データ設定手段11を介して設定された売買注文データを、当該証券会社のダークプール20に送信する。
約定電文受信手段13は、当該証券会社のダークプール20から送信された売買注文データの約定電文を受信する。
ダークプール20は、証券会社の取引注文システム10により発注されたアルゴリズム取引による売買注文同士をマッチングさせ、対当する売買注文同士を所定の取引所時間外取引市場のシステムを介して約定処理させるためのコンピュータ内部の処理システムであって、注文管理用データベース21と、注文管理プロセス部22と、マッチング処理手段23a(x)を少なくとも一つ備えるマッチングプロセス部23と、マッチング用メモリテーブル24(x)と、価格情報取得手段25を有している。
注文管理用データベース21は、売買注文発注手段12から送信された売買注文データを記録することができるように構成されている。
注文管理プロセス部22は、売買注文発注手段12から送信された売買注文データに対する所定の管理を行うための処理手段であって、売買注文データ受信手段22aと、売買注文データ記録手段22bと、マッチング用売買注文データ振り分け送信手段22cと、注文管理プロセス部内約定電文受信手段22dと、注文管理プロセス部内約定電文送信手段22eと、売買注文データ更新手段22fを有している。
売買注文データ受信手段22aは、売買注文発注手段12から送信された売買注文データを受信する。
売買注文データ記録手段22bは、売買注文データ受信手段22aにより受信された売買注文データを注文管理用データベース21に記録する。
マッチング用売買注文データ振り分け送信手段22cは、売買注文データ受信手段22aにより受信された売買注文データのうち未約定の売買注文データを、当該売買注文データにおけるアルゴリズム取引のタイプに該当するアルゴリズム取引のタイプを含むアルゴリズム取引群に対応するマッチング処理手段23a(x)に振り分けて送信する。本実施例では、例えば、売買注文データに含まれるアルゴリズム取引のタイプの上一桁が同じもの同士(例えば、オートショートセル「21」、リザーブ「22」、フロート「23」、スナイパー「24」、ゲリラ「25」等、オートショートセル注文、アイスバーグ注文の一種であるリザーブ、フロート、スナイパー、ゲリラの注文は、夫々アルゴリズム取引のタイプが異なるが、これらの注文は、アルゴリズム取引のタイプの上一桁が同じ数値「2」となっている。)を同一のアルゴリズム取引群に対応するマッチング処理手段23a(x)に振り分けている。
注文管理プロセス部内約定電文受信手段22dは、マッチング処理手段23a(x)から送信された売買注文データの約定電文を受信する。
注文管理プロセス部内約定電文送信手段22eは、注文管理プロセス部内約定電文受信手段22dにより受信された売買注文データの約定電文を証券会社の取引注文システム10に送信する。
売買注文データ更新手段22fは、注文管理プロセス部内約定電文受信手段22dが売買注文データの約定電文を受信したときに、マッチング用メモリテーブル24(x)、注文管理用データベース21に記録されている売買注文データのうち、約定電文を受信した当該少なくとも一部の売買注文データに対し、約定済みの情報を付加して又は当該売買注文データにおける約定分を直前の注文数量から差し引いて、当該売買注文データを更新する。
マッチングプロセス部23は、所定間隔で定期的に作動し、複数種類のアルゴリズム取引のタイプを有するアルゴリズム取引群に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて売買注文データ同士のマッチング処理を行う、マッチング処理手段23a(x)を少なくとも一つ備える。
夫々のマッチング処理手段23a(x)は、図11に示すように、マッチング用売買注文データ記録手段23a1(x)と、少なくとも一つのアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)を有する少なくとも一つのマッチング手段23a2(x)-nと、約定報告電文送信手段23a3(x)と、約定報告受理通知電文受信手段23a4(x)と、マッチング処理手段内約定電文送信手段23a5(x)を有している。なお、図11(a)の例では、少なくとも一つのマッチング手段23a2(x)−nに備わる少なくとも一つのアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)として、3つのアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−1(1)〜23a(x)−1(3)が、アルゴリズムマッチングロジックA1、A2,B1を夫々別個に備えた構成を採用している。少なくとも一つのアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)としては、その他、図11(b)に示すような、アルゴリズムマッチングロジックB1を有するアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−1(1)とアルゴリズムマッチングロジックA1とアルゴリズムマッチングロジックA2とを結合したアルゴリズムマッチングロジックを有するアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−1(2)とを備えた構成や、図11(c)に示すような、アルゴリズムマッチングロジックA2とアルゴリズムマッチングロジックA1とアルゴリズムマッチングロジックB1といったアルゴリズム取引群に含まれる全てのアルゴリズムマッチングロジックを結合したアルゴリズムマッチングロジックを有する一つのアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−1(1)で構成してもよい。
マッチング用売買注文データ記録手段23a1(x)は、マッチング用売買注文データ振り分け送信手段22cから送信された、アルゴリズム取引のタイプが当該マッチング処理手段23a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかに該当する未約定の売買注文データを当該マッチング処理手段23a(x)に対応するマッチング用メモリテーブル24(x)に銘柄ごとに約定条件別に注文数量を付加して記録する。
夫々のアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)は、マッチング用売買注文データ記録手段23a1(x)によりマッチング用メモリテーブル24(x)に記録された売買注文データを用いて、当該マッチング処理手段23a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う。
詳しくは、夫々のアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)は、マッチング用メモリテーブル24(x)に記録されている未約定の売買注文データを、夫々、異なる所定のソート順で並べ替え、並べ替え後に最上位に位置する未約定の売買注文データから順次、互いに同一銘柄であり且つ売買のサイドが反対の未約定の売買注文データ同士を当該アルゴリズムマッチングロジックに基づいてマッチングさせる。
なお、マッチング処理手段23a(x)は、価格情報取得手段25によりリアルタイムで取得された当該銘柄の売買価格を基準価格とする所定範囲の価格帯のみの売買注文データ同士を対象としてマッチング処理を行う。
約定報告電文送信手段23a3(x)は、アルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)によるマッチング処理において当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の売買注文データ同士の約定を確定させるための約定報告電文を、例えば、ToSTNeTやJ−NET等、所定の取引所時間外取引市場のシステム30に送信する。
約定報告受理通知電文受信手段23a4(x)は、所定の取引所時間外取引市場のシステム30から送信された約定報告受理通知電文を受信する。
マッチング処理手段内約定電文送信手段23a5(x)は、約定報告受理通知電文受信手段23a4(x)により受信された約定報告受理通知電文に対応する少なくとも一部の売買注文データ同士の約定電文を注文管理プロセス部22に送信する。
マッチング用メモリテーブル24(x)は、マッチング処理手段23a(x)に対応して設けられていて、売買注文発注手段12から送信された売買注文データのうち、アルゴリズム取引のタイプが当該マッチング処理手段23a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかのタイプに該当する未約定の売買注文データを一時的に記録する。
価格情報取得手段25は、取引所(図示省略)における各銘柄の売買価格をリアルタイムで取得する。
このように構成された実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステム1における売買注文の処理の流れについて説明する。
図12は実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステム1において新規の売買注文が発注されたときの電文の処理手順を示すフローチャート、図13は実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステム1において新規の売買注文が発注されたときの注文管理プロセス部における処理手順を示すフローチャートである。
証券会社の取引注文システム10における売買注文発注手段12により売買注文データが当該証券会社のダークプール20に送信されると、売買注文データ受信手段21が、売買注文データを受信する(ステップS11)。次いで、売買注文データ記録手段22bが、売買注文データ受信手段22aにより受信された売買注文データを、注文管理用データベース21に記録する(ステップS12)。また、マッチング用売買注文データ振り分け送信手段22cが、売買注文データ受信手段22aにより受信された売買注文データのうち未約定の売買注文データを、当該売買注文データにおけるアルゴリズム取引のタイプに該当するアルゴリズム取引のタイプを含むアルゴリズム取引群に対応するマッチング処理手段23a(x)に振り分けて送信する(ステップS13)。
なお、マッチングプロセス部23では、注文管理プロセス部22から送信された新規の売買注文データを受信したとき、注文管理プロセス部22に新規注文受付電文を送信する。また、注文管理プロセス部22では、マッチングプロセス部23から送信された新規注文受付電文を受信したとき、証券会社の取引注文システム10に新規注文受付電文を送信する。
図14は実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステム1において注文管理プロセス部から売買注文データが送信されたときの電文の処理手順を示すフローチャート、図15は実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステム1において注文管理プロセス部から売買注文データが送信されたときのマッチングプロセス部における処理手順を示すフローチャートである。
夫々のマッチング処理手段23a(x)では、マッチング用売買注文データ記録手段23a1(x)が、マッチング用売買注文データ振り分け送信手段22cから送信された、アルゴリズム取引のタイプが当該マッチング処理手段23a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかに該当する未約定の売買注文データを、当該マッチング処理手段23a(x)に対応するマッチング用メモリテーブル24(x)に、銘柄ごとに約定条件別に注文数量を付加して記録する(ステップS21)。
次いで、夫々のアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)が、マッチング用売買注文データ記録手段23a1(x)によりマッチング用メモリテーブル24(x)に記録された売買注文データを用いて、当該マッチング処理手段23a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う(ステップS22〜ステップS27)。
詳しくは、夫々のアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)は、マッチング用メモリテーブル24(x)に記録されている未約定の売買注文データを、夫々、異なる所定のソート順で並べ替え、並べ替え後に最上位に位置する未約定の売買注文データから順次、互いに同一銘柄であり且つ売買のサイドが反対の未約定の売買注文データ同士を当該アルゴリズムマッチングロジックに基づいてマッチングさせる。
アルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)によるマッチング処理において少なくとも一部の未約定の売買注文データ同士が当該約定条件を満足するとき、約定報告電文送信手段23a3(x)は、当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の売買注文データ同士の約定を確定させるための約定報告電文を、例えば、ToSTNeTやJ−NET等、所定の取引所時間外取引市場のシステム30に送信する(ステップS23、S24)。
なお、所定の取引所時間外取引市場のシステム30では、約定報告電文送信手段23a3(x)から送信された約定報告電文中の売買注文データ同士について、対当価格が現在の市場価格の一定範囲内であるか否か、対等価格の妥当性をチェックし、対当価格が妥当であるときには当該売買注文データ同士の約定が可能である旨の約定報告受理通知電文を、図示しない送信手段がダークプール20に送信する。
ダークプール20では、約定報告受理通知電文受信手段23a4(x)が、所定の取引所時間外取引市場のシステム30から送信された約定報告受理通知電文を受信したとき、当該売買注文データ同士の約定が確定する(ステップS25)。次いで、マッチング処理手段内約定電文送信手段23a5(x)が、約定報告受理通知電文受信手段23a4(x)により受信された約定報告受理通知電文に対応する少なくとも一部の売買注文データ同士の約定電文を注文管理プロセス部22に送信する(ステップS26)。
図16は実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステム1において約定電文が注文管理プロセス部に送信されたときの注文管理プロセス部における処理手順を示すフローチャートである。
注文管理プロセス部22では、注文管理プロセス部内約定電文受信手段22dが、マッチング処理手段内約定電文送信手段23a5(x)から送信された売買注文データの約定電文を受信する(ステップS31)。
また、注文管理プロセス部内約定電文送信手段22eが、注文管理プロセス部内約定電文受信手段22dにより受信された売買注文データの約定電文を証券会社の取引注文システム10に送信する(ステップS32)。
また、注文管理プロセス部内売買注文データ更新手段22fは、注文管理プロセス部内約定電文受信手段22dが売買注文データの約定電文を受信したときに、マッチング用メモリテーブル24(x)、注文管理用データベース21に記録されている売買注文データのうち、約定電文を受信した当該少なくとも一部の売買注文データに対し、約定済みの情報を付加して又は当該売買注文データにおける約定分を直前の注文数量から差し引いて、当該売買注文データを更新する(ステップS33)。
取引注文システム10では、約定電文受信手段13が、注文管理プロセス部内約定電文送信手段22eから送信された売買注文データの約定電文を受信する。
これにより、実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステム1を用いた、一つの売買注文における発注から約定までの一連の処理が完結する。
このように、実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステム1では、夫々のマッチング処理手段23a(x)に備わるマッチング手段23a2(x)−nにおける少なくとも一つのアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)が、複数種類のアルゴリズム取引のタイプを有するアルゴリズム取引群に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて売買注文データ同士のマッチング処理を行うように構成したので、取引注文システム10において発注した売買注文同士におけるアルゴリズム取引のタイプが異なっていても、同一のアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のタイプの売買注文同士であれば、マッチング処理される。このとき、マッチング処理される注文は、ダークプール環境下で処理され、外部の取引所に公表されないので、マーケットインパクトを与えることがない。
このため、実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステム1によれば、アルゴリズム取引のタイプに対応した売買注文を取引所の売買注文とマッチングさせ、マーケットインパクトが出ないように少量の注文を取引所に発注する従来のダークプール環境下の取引システムに比べて、約定機会が飛躍的に向上する。
実施例2
図17は本発明の実施例2に係るアルゴリズム取引マッチングシステムの要部構成図である。なお、実施例1と同じ構成については同じ符号を付し、説明は省略する。
実施例2のアルゴリズム取引マッチングシステム1’では、マッチング処理手段23a(x)は、複数のマッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−nを有している。
複数のマッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−nは、同一種類のアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて売買注文データ同士のマッチング処理を行い、且つ、アルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−1(y)〜23a2(x)−n(y)を、互いに異なる組み合わせ又は作動順で備える。
また、マッチング処理手段23a(x)は、実施例1において示した構成に加えて、さらに、対当数検出手段23a6(x)と、マッチング処理作動制御手段23a7(x)を有している。
対当数検出手段23a6(x)は、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々のマッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−nが、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの売買注文データの対当数を検出する。
マッチング処理作動制御手段23a7(x)は、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々のマッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−nに対し、並行的に、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行わせるとともに、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応したマッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−nのうち、対当数検出手段23a6(x)により検出された対当数が最も多いマッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−nにおいて対当する売買注文データ同士の約定報告電文を当該マッチング処理手段23a(x)において対当する売買注文データ同士の約定報告電文として約定報告電文送信手段23a3(x)に送信させる。
マッチング処理手段23(x)のその他の構成、及びその他のアルゴリズム取引マッチングシステム1’の構成は、実施例1と略同じである。
このように構成された実施例2のアルゴリズム取引マッチングシステム1’での特徴的な作用について図を用いて説明する。
図18は実施例2のアルゴリズム取引マッチングシステムのマッチング処理手段23a(x)における処理手順を示すフローチャートである。図19は対当数検出手段23a6(x)が検出する、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々のマッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−nによる、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの売買注文データの対当数を示す概念図である。
夫々のマッチング処理手段23a(x)では、マッチング用売買注文データ記録手段23a1(x)が、マッチング用売買注文データ振り分け送信手段22cから送信された、アルゴリズム取引のタイプが当該マッチング処理手段23a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかに該当する未約定の売買注文データを、当該マッチング処理手段23a(x)に対応するマッチング用メモリテーブル24(x)に、銘柄ごとに約定条件別に注文数量を付加して記録する(ステップS21’)。
マッチング処理作動制御手段23a7(x)は、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々のマッチング手段23a(x)−nを、並行的に作動し、売買注文データ同士のマッチング処理を行わせる。
詳しくは、並行的に作動する同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々のマッチング手段23a(x)−nでは、互いに異なる組み合わせ又は作動順で備わる夫々のアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)が、マッチング用売買注文データ記録手段23a1(x)によりマッチング用メモリテーブル24(x)に記録された売買注文データを用いて、当該マッチング処理手段23a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う(ステップS22’〜S25’)。ここで、夫々のアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−n(y)において、少なくとも一部の売買注文データ同士が当該約定条件を満足する場合、当該約定条件を満足する売買注文データ同士を図示しないシステムの作業領域に一時的に記憶する(ステップS23’、S24’)。
次いで、対当数検出手段23a6(x)が、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々のマッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−nによりマッチング処理された売買注文データの対当数を検出する(ステップS26’)。
マッチング処理作動制御手段23a7(x)は、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応したマッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−nのうち、対当数検出手段23a6(x)により検出された対当数が最も多いマッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−n(図19の例では、マッチング手段23a(x)−2)において対当する売買注文データ同士の約定報告電文を、当該マッチング手段23a(x)−1〜23a(x)−nに対応する作業領域に一時的に記憶された売買注文データ同士を用いて、当該マッチング処理手段23a(x)において対当する売買注文データ同士の約定報告電文として約定報告電文送信手段23a3(x)に送信させる(ステップS27’)。以後、図15に示した手順と同様、約定報告受理通知電文受信手段23a4(x)が、所定の取引所時間外取引市場のシステム30から送信された約定報告受理通知電文を受信したとき、当該売買注文データ同士の約定が確定する(ステップS28’)。マッチング処理手段内約定電文送信手段23a5(x)は、約定報告受理通知電文受信手段23a4(x)により受信された約定報告受理通知電文に対応する少なくとも一部の売買注文データ同士の約定電文を注文管理プロセス部22に送信する(ステップS29’)。
その他、注文管理プロセス部22における処理手順は、実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステムと略同じである。
異なる複数のアルゴリズムマッチングロジックA1、A2、B1に基づいてマッチング処理を行う場合、アルゴリズムマッチングロジックA1、A2、B1に基づくマッチング処理の作動順序やアルゴリズムマッチングロジックの結合のさせ方を異ならせることにより、売買注文データの対当数が異なり得る。
ここで、マッチング手段23a2(x)−1〜23a2(x)−nの夫々によるマッチング処理に用いるアルゴリズムマッチングロジックの結合のさせ方によって、売買注文データの対当数、約定率が異なる具体例を、図20を用いて示す。
具体例では、証券会社の取引注文システム10より、アルゴリズム注文A,Bとして、以下の図20(a)に示す順に、アイスバーグ型スナイパー注文とアイスバーグ型フロート注文がダークプール20に送信され、送信された注文が売買注文データ記録手段22bにより注文管理用データベース21に記録されるとともに、マッチング用売買注文データ記録手段23a1(x)によりマッチング用メモリテーブル24(x)に記録されているもの仮定する。また、マッチング手段23a2(x)−1は後述するマッチングパターン1でマッチングを行い、マッチング手段23a2(x)−2は後述するマッチングパターン2でマッチングを行うように構成されているものとする。
図20(a)はマッチング用メモリテーブル24(x)に記録されている売買注文データを示す説明図である。図20(b)、図20(c)は図20(a)に示すマッチング用メモリテーブル24(x)に記録されている売買注文データに対し第一のマッチング処理のパターン(マッチングパターン1)によりマッチング処理を行った場合における注文の処理状況を示す説明図で、(b)は第一マッチング処理状況を示す図、(c)は第二マッチング処理状況を示す図である。図20(d)、図20(e)は図20(a)に示すマッチング用メモリテーブル24(x)に記録されている売買注文データに対し第二のマッチング処理のパターン(マッチングパターン2)によりマッチング処理を行った場合における注文の処理状況を示す説明図で、(d)は第一マッチング処理状況を示す図、(e)は第二マッチング処理状況を示す図である。
なお、本来、図20(a)〜(e)に示すような各種のアルゴリズム注文に付随する発注条件は、この他にも設定されうるが、ここでは説明の便宜上、省略する。
また、図20(b)〜図20(e)においては、説明を簡単化するため、約定価格の記載を省略してある。
マッチングパターン1
マッチングパターン1は、図20(a)に示すマッチング用メモリテーブル24(x)に記録されている売買注文データに対し、マッチング手段23a2(x)−1が、”アルゴリズム種別”を降順でソートし、ソートされた順に売買注文データのマッチング処理を行うアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−1(1)で構成されている場合になされる売買注文データ同士のマッチング処理のパターンの例である。
マッチングパターン1では、図20(b)に示すように、アルゴリズム種別が同じIceBurg-SniperであるNo.1の買い注文35万株とNo.2の売り注文45万株とが、第一マッチング対象となる。その結果、No.1の買い注文は全約定(残数量ゼロ)となり、No.2の売り注文は残数量10万株となる。
次に、図20(c)に示すように、アルゴリズム種別がIceBurg-SniperであるNo.2の残数量10万株の売り注文とアルゴリズム種別がIceBurg-FloatであるNo.3の買い注文30万株とが、第二マッチング対象となる。このとき、No.3の買い注文の注文数量30万株が、No.2の売り注文における最低約定数量35万株を満たさないため、No.2の売り注文とNo.3の買い注文とは約定とならない。
パターン1では、以上にて売買注文データ同士の約定機会がなくなり、マッチング手段23a2(x)−1によるマッチング処理が完了する。その結果、約定数量は70万株、約定率は約64%となる。
マッチングパターン2
マッチングパターン2は、図20(a)に示すマッチング用メモリテーブル24(x)に記録されている売買注文データに対し、マッチング手段23a2(x)−2が、”最低約定数量”を降順でソートし、ソートされた順に売買注文データのマッチング処理を行うアルゴリズムマッチング処理手段23a2(x)−2(1)で構成されている場合になされる売買注文データ同士のマッチング処理のパターンの例である。
マッチングパターン2では、図20(d)に示すように、最低約定数量15万株でアルゴリズム種別がIceBurg-SniperであるNo.2の売り注文45万株と最低約定数量10万株でアルゴリズム種別がIceBurg-FloatであるNo.3の買い注文30万株とが、第一マッチング対象となる。その結果、No.2の売り注文は残数量15万株となり、No.3の買い注文は全約定(残数量ゼロ)となる。
次に、図20(e)に示すように、最低約定数量15万株でアルゴリズム種別がIceBurg-SniperであるNo.2の残数量15万株の売り注文と最低約定数量10万株でアルゴリズム種別がIceBurg-SniperであるNo.1の買い注文35万株とが、第二マッチング対象となる。その結果、No.2の売り注文は全約定(残数量ゼロ)となり、No.1の買い注文は残数量20万株となる。
パターン2では、以上にて売買注文データ同士の約定機会がなくなり、マッチング手段23a2(x)−2によるマッチング処理が完了する。その結果、約定数量は90万株、約定率は約82となる。
このように、マッチング手段23a2(x)−1〜23a2(x)−nの夫々によるマッチング処理に用いるアルゴリズムマッチングロジックの結合のさせ方によって、売買注文データの対当数、約定率が異なってくる。
しかるに、実施例2のアルゴリズム取引マッチングシステム1’では、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々のマッチング手段23a2(1)−1〜23a2(1)−3に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行わせ、対当数検出手段23a6(1)により検出された最も多いマッチング手段23a2(1)−1〜23a2(1)−3において対当する売買注文データ同士の約定報告電文を当該マッチング処理手段23a(1)において対当する売買注文データ同士の約定報告電文として約定報告電文送信手段23a3(1)に送信させる。
このため、実施例2のアルゴリズム取引マッチングシステム1’によれば、アルゴリズム取引のタイプが異なる売買注文同士を約定させて約定率を向上させることができるといった実施例1の効果に加えて、更に、同一種類のアルゴリズム取引群における売買注文に対する約定率を最大限に向上させることができる。
その他の作用効果は、実施例1のアルゴリズム取引マッチングシステムと略同じである。
実施例3
図21は本発明の実施例3に係るアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステムの概略構成図である。図22は図21のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおける統合マッチング処理手段の構成例を示す説明図である。図23は図21のアルゴリズム取引統合マッチングシステムにおけるアルゴリズム取引マッチングシステムの概略構成図である。図24は図23に示す夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステムにおける夫々のマッチング処理手段の構成例を示す図である。
なお、実施例1と同じ構成については同じ符号を付し、説明は省略する。
実施例3のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステム2は、証券会社ごとに夫々別個に備えられた、複数の実施例1(又は実施例2)に示した構成を有するアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))と、夫々のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))のダークプール20(z)と接続する統合処理用ダークプール40と、を有している。
統合処理用ダークプール40は、統合注文管理用データベース41と、統合注文管理プロセス部42と、統合マッチングプロセス部43と、統合マッチング用メモリテーブル44(x)と、統合処理用ダークプール内価格情報取得手段45を有している。
統合注文管理用データベース41は、夫々のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))のダークプール20(z)から送信された売買注文データを記録することができるように構成されている。
統合注文管理プロセス部42は、夫々のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))のダークプール20(z)から送信された売買注文データに対する所定の管理を行うための処理手段であって、残注文報告電文受信手段42aと、統合売買注文データ記録手段42bと、統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段42cと、統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段42dと、統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段42eと、統合売買注文データ更新手段42fを有している。
残注文報告電文受信手段42aは、夫々のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))のダークプール20(z)から送信された未約定の売買注文データを示す残注文報告電文を受信する。
統合売買注文データ記録手段42bは、残注文報告電文受信手段42aにより受信された残注文報告電文に示されている未約定の売買注文データを統合注文管理用データベース41に記録する。
統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段42cは、残注文報告電文受信手段42aにより受信された残注文報告電文に示されている未約定の売買注文データを、当該売買データにおけるアルゴリズム取引のタイプに該当するアルゴリズム取引のタイプを含むアルゴリズム取引群に対応する統合マッチング処理手段43a(x)に振り分けて送信する。本実施例では、例えば、売買注文データに含まれるアルゴリズム取引のタイプの上一桁が同じもの同士を同一のアルゴリズム取引群に対応する統合マッチング処理手段43a(x)に振り分けている。
統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段42dは、統合マッチング処理手段43a(x)から送信された売買注文データに対する約定可能性通知電文を受信する。
統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段42eは、統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段42dにより受信された当該売買注文データに対する約定可能性通知電文を、当該未約定の売買注文データを示す残注文報告電文を送信した証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))のダークプール20(z)に送信する。
統合売買注文データ更新手段42fは、統合注文管理プロセス部内約可能性電文受信手段42dが売買注文データに対する約定可能性通知電文を受信したときに、統合マッチング用メモリテーブル44(x)、統合注文管理用データベース41に記録されている売買注文データのうち、約定可能性通知電文を受信した当該少なくとも一部の売買注文データに対し、当該売買注文データにおける約定可能性通知分を直前の注文数量から差し引いて、当該売買注文データを更新する。
統合マッチングプロセス部43は、所定間隔で定期的に作動し、複数種類のアルゴリズム取引のタイプを有するアルゴリズム取引群に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて売買注文データ同士のマッチング処理を行う、統合マッチング処理手段43a(x)を少なくとも一つ備える。
夫々の統合マッチング処理手段43a(x)は、図22に示すように、統合マッチング用売買注文データ記録手段43a1(x)と、少なくとも一つの統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)を有する少なくとも一つの統合マッチング手段43a2(x)−nと、統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段43a3(x)を有している。なお、図22(a)の例では、少なくとも一つの統合マッチング手段43a2(x)−nに備わる少なくとも一つの統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)として、3つの統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−1(1)〜23a(x)−1(3)が、アルゴリズムマッチングロジックA1、A2、B1を夫々別個に備えた構成を採用している。少なくとも一つの統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)としては、その他、図22(b)に示すような、アルゴリズムマッチングロジックB1を有する統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−1(1)とアルゴリズムマッチングロジックA1とアルゴリズムマッチングロジックA2とを結合したアルゴリズムマッチングロジックを有する統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−1(2)とを備えた構成や、図22(c)に示すような、アルゴリズムマッチングロジックA2とアルゴリズムマッチングロジックA1とアルゴリズムマッチングロジックB1といったアルゴリズム取引群に含まれる全てのアルゴリズムマッチングロジックを結合したアルゴリズムマッチングロジックを有する一つの統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−1(1)で構成してもよい。
統合マッチング用売買注文データ記録手段43a1(x)は、統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段42cから送信された、アルゴリズム取引のタイプが当該統合マッチング処理手段43a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかに該当する未約定の売買注文データを当該統合マッチング処理手段43a(x)に対応する統合マッチング用メモリテーブル44(x)に銘柄ごとに約定条件別に注文数量を付加して記録する。
夫々の統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)は、統合マッチング用売買注文データ記録手段43a1(x)により統合マッチング用メモリテーブル44(x)に記録された売買注文データを用いて、当該統合マッチング処理手段43a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う。
詳しくは、夫々のアルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)は、統合マッチング用メモリテーブル44(x)に記録されている未約定の売買注文データを、夫々、異なる所定のソート順で並べ替え、並べ替え後に最上位に位置する未約定の売買注文データから順次、互いに同一銘柄であり且つ売買のサイドが反対の未約定の売買注文データ同士を当該アルゴリズムマッチングロジックに基づいてマッチングさせる。
なお、マッチング処理手段43a(x)は、統合処理用ダークプール内価格情報取得手段45によりリアルタイムで取得された当該銘柄の売買価格を基準価格とする所定範囲の価格帯のみの売買注文データ同士を対象としてマッチング処理を行う。
統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段43a3(x)は、統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)によるマッチング処理において当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の売買注文データ同士の約定可能性を通知するための約定可能性通知電文を統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段42dに送信する。
統合マッチング用メモリテーブル44(x)は、統合マッチング処理手段43a(x)に対応して設けられていて、夫々のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))のダークプール20(z)から送信された売買注文データのうち、アルゴリズム取引のタイプが当該統合マッチング処理手段43a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかのタイプに該当する未約定の売買注文データを一時的に記録する。
統合処理用ダークプール内価格情報取得手段45は、取引所(図示省略)における各銘柄の売買価格をリアルタイムで取得する。
また、実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステム2では、夫々のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))における夫々のマッチング処理手段23a(x)(z)は、図24に示すように、実施例1におけるアルゴリズム取引マッチングシステム1(又は1’)における夫々のマッチング処理手段23a(x)と同様の構成に加えて、さらに、残注文報告電文送信手段23a8(x)(z)と、マッチング処理手段内約定可能性通知電文受信手段23a9(x)(z)と、売買注文データロック手段23a10(x)(z)と、マッチング処理手段内売買注文発注手段23a11(x)(z)と、マッチング処理手段内約定電文受信手段23a12(x)(z)と、売買注文データロック解除手段23a13(x)(z)を有している。
売買注文データロック手段23a10(x)(z)は、夫々のマッチング処理手段23a(x)(z)が約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行った後において未約定の売買注文データがあるときに、該未約定の売買注文データに対応するマッチング用メモリテーブル24(x)(z)に記録された売買注文データを当該マッチング処理手段23a(x)(z)におけるマッチング処理の対象外として一時的にロックする。
残注文報告電文送信手段23a8(x)(z)は、売買注文データロック手段23a10(x)(z)により一時的にロックされている未約定の売買注文データを示す残注文報告電文を、統合処理用ダークプール40に送信する。
マッチング処理手段内約定可能性通知電文受信手段23a9(x)(z)は、統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段42eから送信された当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の売買注文についての約定可能性通知電文を受信する。
マッチング処理手段内売買注文発注手段23a11(x)(z)は、マッチング処理手段内約定可能性通知電文受信手段23a9(x)(z)が統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段42eから送信された約定可能性通知電文を受信したときに、当該約定可能性通知電文に含まれる当該約定可能な条件を満足する少なくとも一部の未約定の売買注文データの発注電文を所定の私設取引システム50又は取引所システム60に送信する。
マッチング処理手段内約定電文受信手段23a12(x)(z)は、所定の私設取引システム50又は取引所システム60から送信された売買注文データの約定電文を受信する。
売買注文データロック解除手段23a13(x)(z)は、マッチング用メモリテーブル24(x)(z)、注文管理用データベース21(z)に記録され、且つ、売買注文データロック手段23a10(x)(z)により当該マッチング処理手段23a(x)(z)におけるマッチング処理の対象外として一時的にロックされている売買注文データを、売買注文データ更新手段22f(z)が更新したときに、売買注文データロック手段23a10(x)(z)による売買注文データに対するロックを解除する。
また、マッチング処理手段内約定電文送信手段23a5(x)(z)は、実施例1、2において説明した、約定報告受理通知電文受信手段23a4(x)(z)により受信された約定報告受理通知電文に対応する少なくとも一部の売買注文データ同士の約定電文を注文管理プロセス部22(z)に送信する機能に加えて、さらに、マッチング処理手段内約定電文受信手段23a12(x)(z)により受信された売買注文データの約定電文を注文管理プロセス部22(z)に送信する機能を備えている。
このように構成された実施例3のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステム2における売買注文の処理の流れについて説明する。
図25は図23に示す夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステムのマッチングプロセス部における、マッチング処理手段により約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理が行われた後に未約定の売買注文データがあるときの電文の処理手順を説明するためのフローチャートである。
夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(1’(z))では、実施例1又は2において述べたマッチング処理が行われるとともに、さらに、夫々のマッチング処理手段23a(x)(z)により約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理が行われた後において未約定の売買注文データがあるときに、売買注文データロック手段23a10(x)(z)が、未約定の売買注文データに対応するマッチング用メモリテーブル24(x)(z)に記録された売買注文データを当該マッチング処理手段23a(x)(z)におけるマッチング処理の対象外として一時的にロックするとともに、残注文報告電文送信手段23a8(x)(z)が、売買注文データロック手段23a10(x)(z)により一時的にロックされている未約定の売買注文データを示す残注文報告電文を、統合処理用ダークプール40に送信する。
図26は実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステム2において夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(1’(z))から残注文報告電文が送信されたときの電文の処理手順を示すフローチャート、図27は実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステム2において残注文報告電文が送信されたときの統合注文管理プロセス部における処理手順を示すフローチャートである。
統合処理用ダークプール40では、夫々のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))のダークプール20(z)から残注文報告電文が送信されると、残注文報告電文受信手段42aが、残注文報告電文を受信する(ステップS41)。次いで、統合売買注文データ記録手段42bが、残注文報告電文受信手段42aにより受信された残注文報告電文に示されている未約定の売買注文データを統合注文管理用データベース41に記録する(ステップS42)。また、統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段42cが、残注文報告電文受信手段42aにより受信された残注文報告電文に示されている未約定の売買注文データを、当該売買注文データにおけるアルゴリズム取引のタイプに該当するアルゴリズム取引のタイプを含むアルゴリズム取引群に対応する統合マッチング処理手段43a(x)に振り分けて送信する(ステップS43)。
なお、統合マッチングプロセス部43では、統合注文管理プロセス部42から送信された残注文報告電文を受信したとき、統合注文管理プロセス部42に残注文受付電文を送信する。また、統合注文管理プロセス部42では、統合マッチングプロセス部43から送信された残注文受付電文を受信したとき、証券会社の取引注文システム10に残注文受付電文を送信する。
図28は実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステム2において統合注文管理プロセス部から売買注文データが送信されたときの電文の処理手順を示すフローチャート、図29は実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステム2において統合注文管理プロセス部から売買注文データが送信されたときの統合マッチングプロセス部における処理手順を示すフローチャートである。
夫々の統合マッチング処理手段43a(x)では、統合マッチング用売買注文データ記録手段43a1(x)が、統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段42cから送信された、アルゴリズム取引のタイプが当該統合マッチング処理手段43a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかに該当する未約定の売買注文データを当該統合マッチング処理手段43a(x)に対応する統合マッチング用メモリテーブル44(x)に銘柄ごとに約定条件別に注文数量を付加して記録する(ステップS51)。
次いで、夫々の統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)が、統合マッチング用売買注文データ記録手段43a1(x)により統合マッチング用メモリテーブル44(x)に記録された売買注文データを用いて、当該統合マッチング処理手段43a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う(ステップS52〜ステップS55)。
詳しくは、夫々の統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)は、統合マッチング用メモリテーブル44(x)に記録されている未約定の売買注文データを、夫々、異なる所定のソート順で並べ替え、並べ替え後に最上位に位置する未約定の売買注文データから順次、互いに同一銘柄であり且つ売買のサイドが反対の未約定の売買注文データ同士を当該アルゴリズムマッチングロジックに基づいてマッチングさせる。
統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)によるマッチング処理において少なくとも一部の未約定の売買注文データ同士が当該約定条件を満足するとき、統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段43a3(x)は、当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の売買注文データ同士の約定可能性を通知するための約定可能性通知電文を統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段42dに送信する(ステップS53、S54)。
図30は実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステム2おいて約定可能性通知電文が統合注文管理プロセス部に送信されたときの統合注文管理プロセス部における処理手順を示すフローチャートである。
統合注文管理プロセス部42では、統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段42dが、統合マッチング処理手段43a(x)から送信された売買注文データに対する約定可能性通知電文を受信する(ステップS61)。次いで、統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段42eが、統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段42dにより受信された当該売買注文データに対する約定可能性通知電文を、当該未約定の売買注文データを示す残注文報告電文を送信した証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))に送信する(ステップS62)。
また、統合売買注文データ更新手段42fは、統合注文管理プロセス部内約可能性電文受信手段42dが売買注文データの約定可能性通知電文を受信したときに、統合マッチング用メモリテーブル44(x)、統合注文管理用データベース41に記録されている売買注文データのうち、約定可能性通知電文を受信した当該少なくとも一部の売買注文データに対し、当該売買注文データにおける約定可能性通知分を直前の注文数量から差し引いて、当該売買注文データを更新する(ステップS63)。
図31は実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステム2において統合処理用ダークプールから夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))へ約定可能性通知電文が送信されたときの電文の処理手順を示すフローチャート、図32は実施例3のアルゴリズム取引統合マッチングシステム2において統合処理用ダークプールから約定可能性通知電文が送信されたときの夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(又は1’(z))のマッチングプロセス部における処理手順を示すフローチャートである。
夫々の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステム1(z)(1’(z))のマッチングプロセス部23(z)では、夫々のマッチング処理手段23a(x)(z)に備わるマッチング処理手段内約定可能性通知電文受信手段23a9(x)(z)が、統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段42eから送信された当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の売買注文についての約定可能性通知電文を受信する(ステップS71)。
マッチング処理手段内約定可能性通知電文受信手段23a9(x)(z)が統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段42eから送信された約定可能性通知電文を受信したとき、マッチング処理手段内売買注文発注手段23a11(x)(z)が、当該約定可能性通知電文に含まれる当該約定可能な条件を満足する少なくとも一部の未約定の売買注文データの発注電文を所定の私設取引システム50又は取引所システム60に送信する(ステップS72)。
なお、所定の私設取引システム50又は取引所システム60では、マッチング処理手段内売買注文発注手段23a11(x)(z)から送信された売買注文データの発注電文を受信したとき、マッチングプロセス部23に新規注文受付電文を送信する。また、所定の私設取引システム50又は取引所システム60では、マッチング処理手段内売買注文発注手段23a11(x)(z)から発注電文として送信された売買注文データについてマッチングを行い約定したときに、約定した売買注文データの約定電文を、当該約定した売買注文データの発注元の証券会社のダークプール20(z)に送信する。
証券会社のダークプール20(z)のマッチングプロセス部23(z)における夫々のマッチング処理手段23a(x)(z)では、マッチング処理手段内約定電文受信手段23a12(x)(z)が、所定の私設取引システム50又は取引所システム60から送信された売買注文データの約定電文を受信する(ステップS73)。次いで、マッチング処理手段内約定電文送信手段23a5(x)(z)が、マッチング処理手段内約定電文受信手段23a12(x)(z)により受信された売買注文データの約定電文を注文管理プロセス部22(z)に送信する(ステップS74)。
注文管理プロセス部22(z)では、図16に示した手順(ステップS31〜S33)と同様の処理を行う。
即ち、注文管理プロセス部内約定電文受信手段22d(z)が、マッチング処理手段内約定電文送信手段23a5(x)(z)から送信された売買注文データの約定電文を受信する。
また、注文管理プロセス部内約定電文送信手段22e(z)が、注文管理プロセス部内約定電文受信手段22d(z)により受信された売買注文データの約定電文を証券会社の取引注文システム10(z)に送信する。
また、売買注文データ更新手段22f(z)は、注文管理プロセス部内約定電文受信手段22d(z)が売買注文データの約定電文を受信したときに、マッチング用メモリテーブル24(x)(z)、注文管理用データベース21(z)に記録されている売買注文データのうち、約定電文を受信した当該少なくとも一部の売買注文データに対し、約定済みの情報を付加して又は当該売買注文データにおける約定分を直前の注文数量から差し引いて、当該売買注文データを更新する。
また、マッチングプロセス部20(z)におけるマッチング処理手段23a(x)(z)では、売買注文データロック解除手段23a13(x)(z)が、マッチング用メモリテーブル24(x)(z)、注文管理用データベース21(z)に記録され、且つ、売買注文データロック手段23a10(x)(z)により当該マッチング処理手段23a(x)(z)におけるマッチング処理の対象外として一時的にロックされている売買注文データが、売買注文データ更新手段22f(z)により更新されたときに、売買注文データロック手段23a10(x)(z)による売買注文データに対するロックを解除する(ステップS75)。
実施例3のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチンググシステムによれば、夫々の証券会社で独立しているアルゴリズム取引マッチングシステム内における約定しないで残存する売買注文同士を集約してマッチング処理し、約定可能性がある売買注文データに対し、当該売買注文データが発注されているダークプールに約定可能性を通知し、PTSなどの執行市場において当該注文を約定させるようにしたので、夫々の証券会社のダークプールに流動性が無い場合であっても、他の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステム内の売買注文と約定させることのできる可能性が大きくなり、夫々のダークプールにおける売買注文の約定率を向上させることができる。
実施例4
図33は本発明の実施例4に係るアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステム2’の要部構成を示す説明図である。なお、実施例3と同じ構成については同じ符号を付し、説明は省略する。
実施例4のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステム2'では、統合マッチング処理手段43a(x)は、複数の統合マッチング手段43a(x)−1〜43a(x)−nを有している。
複数の統合マッチング手段43a(x)−1〜43a(x)−nは、同一種類のアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて売買注文データ同士のマッチング処理を行い、且つ、統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−1(y)〜43a2(x)−n(y)を、互いに異なる組み合わせ又は作動順で備える。
また、統合マッチング処理手段43a(x)は、実施例3において示した構成に加えて、さらに、統合対当数検出手段43a4(x)と、統合マッチング処理作動制御手段43a5(x)を有している。
統合対当数検出手段43a4(x)は、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の統合マッチング手段43a2(x)−1〜43a2(x)−nが、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの売買注文データの対当数を検出する。
統合マッチング処理作動制御手段43a5(x)は、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の統合マッチング手段43a2(x)−1〜43a2(x)−nに対し、並行的に、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行わせるとともに、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応した統合マッチング手段43a2(x)−1〜43a2(x)−nのうち、対当数検出手段43a4(x)により検出された対当数が最も多い統合マッチング手段43a2(x)−1〜43a2(x)−nにおいて対当する売買注文データ同士の約定可能性通知電文を当該統合マッチング処理手段43a(x)において対当する売買注文データ同士の約定可能性通知電文として統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段43a3(x)に送信させる。
統合マッチング処理手段43(x)のその他の構成、及びその他のアルゴリズム取引統合マッチングシステム2’の構成は、実施例3と略同じである。
このように構成された実施例4のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステム2’での特徴的な作用について図を用いて説明する。
図34は実施例4のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステム2’における統合マッチング処理手段43a(x)における処理手順を示すフローチャートである。
夫々の統合マッチング処理手段43a(x)では、統合マッチング用売買注文データ記録手段43a1(x)が、統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段42cから送信された、アルゴリズム取引のタイプが当該統合マッチング処理手段43a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかに該当する未約定の売買注文データを、当該統合マッチング処理手段43a(x)に対応する統合マッチング用メモリテーブル44(x)に、銘柄ごとに約定条件別に注文数量を付加して記録する(ステップS51’)。
統合マッチング処理作動制御手段43a5(x)は、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の統合マッチング手段43a2(x)−nを、並行的に作動し、売買注文データ同士のマッチング処理を行わせる。
詳しくは、並行的に作動する同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の統合マッチング手段43a2(x)−nでは、互いに異なる組み合わせ又は作動順で備わる夫々の統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)が、統合マッチング用売買注文データ記録手段43a1(x)により統合マッチング用メモリテーブル44(x)に記録された売買注文データを用いて、当該統合マッチング処理手段43a(x)に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類のアルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う(ステップS52’〜S55’)。ここで、夫々の統合アルゴリズムマッチング処理手段43a2(x)−n(y)において、少なくとも一部の売買注文データ同士が当該約定条件を満足する場合、当該約定条件を満足する売買注文データ同士を図示しないシステムの作業領域に一時的に記憶する(ステップS53’、S54’)。
次いで、統合対当数検出手段43a4(x)が、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の統合マッチング手段43a2(x)−1〜43a2(x)−nによりマッチング処理された売買注文データの対当数を検出する(ステップS56’)。
統合マッチング処理作動制御手段43a5(x)は、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応した統合マッチング手段43a2(x)−1〜43a2(x)−nのうち、対当数検出手段43a4(x)により検出された対当数が最も多いマッチング手段43a2(x)−1〜43a2(x)−nにおいて対当する売買注文データ同士の約定可能性通知電文を、当該統合マッチング手段43a2(x)−1〜43a2(x)−nに対応する作業領域に一時的に記憶された売買注文データ同士を用いて、当該統合マッチング処理手段43a(x)において対当する売買注文データ同士の約定可能性通知電文として統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段43a3(x)に統合注文管理プロセス部42へと送信させる(ステップS57’)。
その他、統合注文管理プロセス部42における処理手順は、実施例3のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステムと略同じである。
上述したように、異なる複数のアルゴリズムマッチングロジックA1、A2、B1に基づいてマッチング処理を行う場合、アルゴリズムマッチングロジックA1、A2、B1に基づくマッチング処理の作動順序やアルゴリズムマッチングロジックの結合のさせ方を異ならせることにより、対当数が異なり得る。
しかるに、実施例4のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステム2’では、同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の統合マッチング手段43a2(1)−1〜43a2(1)−3に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで売買注文データ同士のマッチング処理を行わせ、統合対当数検出手段43a4(1)により検出された最も多い統合マッチング手段43a2(1)−1〜43a2(1)−3において対当する売買注文データ同士の約定可能性通知電文を当該マッチング処理手段43a(1)において対当する売買注文データ同士の約定可能性通知電文として統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段43a3(1)に送信させる。
このため、実施例4のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステム2’によれば、夫々の証券会社のダークプールに流動性が無い場合であっても、他の証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステム内の売買注文と約定させることのできる可能性が大きくなり、夫々のダークプールにおけるアルゴリズム取引のタイプが異なる売買注文同士を約定させて約定率を向上させることができるといった実施例3の効果に加えて、更に、同一種類のアルゴリズム取引群における売買注文に対する約定率を最大限に向上させることができる。
その他の作用効果は、実施例3のアルゴリズム取引マッチングシステムを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステムと略同じである。
本発明のアルゴリズム取引マッチングシステム及びそれを用いたアルゴリズム取引統合マッチングシステムは、ダークプール環境下で細分化された株式の取引を行うことが求められる分野に有用である。
1、1’、1(z)、1'(z) アルゴリズム取引マッチングシステム
2、2’ アルゴリズム取引統合マッチングシステム
10、10(z) 証券会社の取引注文システム
11、11(z) 売買注文データ設定手段
11a 銘柄
11b アルゴリズム取引のタイプ
11c 約定条件
11c1 希望取引価格
11c2 最低約定数量
11d 注文数量
11e 注文キー
11f 銘柄コード
11g 売買種別
11h 注文数量
11i 取引タイプ
11j 約定条件
11j1 希望取引価格の最高値
11j2 希望取引価格の最安値
11j3 最低約定数量
12、12(z) 売買注文発注手段
13、13(z) 約定電文受信手段
20、20(z) 証券会社のダークプール
21、21(z) 注文管理用データベース
22、22(z) 注文管理プロセス部
22a、22a(z) 売買注文データ受信手段
22b、22b(z) 売買注文データ記録手段
22c、22c(z) マッチング用売買注文データ振り分け送信手段
22d、22d(z) 注文管理プロセス部内約定電文受信手段
22e、22e(z) 注文管理プロセス部内約定電文送信手段
22f、22f(z) 売買注文データ更新手段
23、23(z) マッチングプロセス部
23a(x)、23a(x)(z) マッチング処理手段
23a1(x)、23a1(x)(z) マッチング用売買注文データ記録手段
23a2(x)−n、23a2(x)−n(z) マッチング手段
23a2(x)−n(y)、23a2(x)−n(y)(z) アルゴリズムマッチング処理手段
23a3(x)、23a3(x)(z) 約定報告電文送信手段
23a4(x)、23a4(x)(z) 約定報告受理通知電文受信手段
23a5(x)、23a5(x)(z) マッチング処理手段内約定電文送信手段
23a6(x) 対当数検出手段
23a7(x) マッチング処理作動制御手段
23a8(x)(z) 残注文報告電文送信手段
23a9(x)(z) マッチング処理手段内約定可能性通知電文受信手段
23a10(x)(z) 売買注文データロック手段
23a11(x)(z) マッチング処理手段内売買注文発注手段
23a12(x)(z) マッチング処理手段内約定電文受信手段
23a13(x)(z) 売買注文データロック解除手段
24(x)、24(x)(z) マッチング用メモリテーブル
25 価格情報取得手段
30 取引所時間外取引市場のシステム
40 統合処理用ダークプール
41 統合注文管理用データベース
42 統合注文管理プロセス部
42a 残注文報告電文受信手段
42b 統合売買注文データ記録手段
42c 統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段
42d 統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段
42e 統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段
42f 統合売買注文データ更新手段
43 統合マッチングプロセス部
43a(x) 統合マッチング処理手段
43a1(x) 統合マッチング用売買注文データ記録手段
43a2(x)−n 統合マッチング手段
43a2(x)−n(y) 統合アルゴリズムマッチング処理手段
43a3(x) 統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段
43a4(x) 統合対当数検出手段
43a5(x) 統合マッチング処理作動制御手段
44(x) 統合マッチング用メモリテーブル
45 統合処理用ダークプール内価格情報取得手段
50 私設取引システム
60 取引所システム

Claims (6)

  1. アルゴリズム取引による売買注文を発注するための証券会社の取引注文システムと、前記証券会社の取引注文システムにより発注されたアルゴリズム取引による売買注文同士をマッチングさせ、対当する売買注文を約定処理させるための当該証券会社のダークプールを有するアルゴリズム取引マッチングシステムにおいて、
    前記証券会社の取引注文システムは、
    発注者が、銘柄ごとに、アルゴリズム取引のタイプを、希望取引価格と最低約定数量を含んでなる少なくとも一組の約定条件と、注文数量とともに設定可能に構成された売買注文データ設定手段と、
    前記発注者により前記売買注文データ設定手段を介して設定された売買注文データを、前記証券会社のダークプールに送信する売買注文発注手段と、
    前記ダークプールから送信された前記売買注文データの約定電文を受信する取引注文システム内約定電文受信手段
    を有し、
    前記ダークプールは、
    前記売買注文発注手段から送信された前記売買注文データを記録するための注文管理用データベースと、
    前記売買注文発注手段から送信された前記売買注文データに対する所定の管理を行う注文管理プロセス部と、
    所定間隔で定期的に作動し、複数種類のアルゴリズム取引のタイプを有するアルゴリズム取引群に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて前記売買注文データ同士のマッチング処理を行う、マッチング処理手段を少なくとも一つ備えるマッチングプロセス部と、
    前記マッチング処理手段に対応して設けられていて、前記売買注文発注手段から送信された前記売買注文データのうち、アルゴリズム取引のタイプが当該マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかのタイプに該当する未約定の前記売買注文データを一時的に記録するためのマッチング用メモリテーブルを有し、
    前記注文管理プロセス部は、
    前記売買注文発注手段から送信された前記売買注文データを受信する売買注文データ受信手段と、
    前記売買注文データ受信手段により受信された前記売買注文データを前記注文管理用データベースに記録する売買注文データ記録手段と、
    前記売買注文データ受信手段により受信された前記売買注文データのうち未約定の売買注文データを、当該売買データにおけるアルゴリズム取引のタイプに該当するアルゴリズム取引のタイプを含むアルゴリズム取引群に対応する前記マッチング処理手段に振り分けて送信するマッチング用売買注文データ振り分け送信手段と、
    前記マッチング処理手段から送信された前記売買注文データの約定電文を受信する注文管理プロセス部内約定電文受信手段と、
    前記注文管理プロセス部内約定電文受信手段により受信された前記売買注文データの約定電文を前記証券会社の取引注文システムに送信する注文管理プロセス部内約定電文送信手段と、
    前記注文管理プロセス部内約定電文受信手段が前記売買注文データの約定電文を受信したときに、前記マッチング用メモリテーブル、前記注文管理用データベースに記録されている前記売買注文データのうち、前記約定電文を受信した当該少なくとも一部の前記売買注文データに対し、約定済みの情報を付加して又は当該売買注文データにおける約定分を直前の前記注文数量から差し引いて、当該売買注文データを更新する売買注文データ更新手段を有し、
    夫々の前記マッチング処理手段は、
    前記マッチング用売買注文データ振り分け送信手段から送信された、アルゴリズム取引のタイプが当該マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかに該当する未約定の前記売買注文データを当該マッチング処理手段に対応する前記マッチング用メモリテーブルに銘柄ごとに約定条件別に注文数量を付加して記録するマッチング用売買注文データ記録手段と、
    前記マッチング用売買注文データ記録手段により前記マッチング用メモリテーブルに記録された前記売買注文データを用いて、当該マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類の前記アルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う少なくとも一つのアルゴリズムマッチング処理手段を有する少なくとも一つのマッチング手段と、
    前記アルゴリズムマッチング処理手段によるマッチング処理において当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の前記売買注文データ同士の約定を確定させるための約定報告電文を所定の取引所時間外取引市場のシステムに送信する約定報告電文送信手段と、
    所定の取引所時間外取引市場のシステムから送信された約定報告受理通知電文を受信する約定報告受理通知電文受信手段と、
    前記約定報告受理通知電文受信手段により受信された約定報告受理通知電文に対応する少なくとも一部の前記売買注文データ同士の約定電文を前記注文管理プロセス部に送信するマッチング処理手段内約定電文送信手段
    を有し、
    夫々の前記アルゴリズムマッチング処理手段は、前記マッチング用メモリテーブルに記録されている未約定の前記売買注文データを、夫々、異なる所定のソート順で並べ替え、並べ替え後に最上位に位置する未約定の前記売買注文データから順次、互いに同一銘柄であり且つ売買のサイドが反対の未約定の前記売買注文データ同士を当該アルゴリズムマッチングロジックに基づいてマッチングさせることを特徴とするアルゴリズム取引マッチングシステム。
  2. 夫々の前記マッチング処理手段は、
    同一種類のアルゴリズム取引群に含まれる複数種類の前記アルゴリズム取引のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて前記売買注文データ同士のマッチング処理を行い、且つ、前記アルゴリズムマッチング処理手段を、互いに異なる組み合わせ又は作動順で備える、複数の前記マッチング手段を有するとともに、さらに、
    同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記マッチング手段が、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの前記売買注文データの対当数を検出する対当数検出手段と、
    同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記マッチング手段に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行わせるとともに、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応した前記マッチング手段のうち、前記対当数検出手段により検出された対当数が最も多い前記マッチング手段において対当する前記売買注文データ同士の約定報告電文を当該マッチング処理手段において対当する前記売買注文データ同士の約定報告電文として前記約定報告電文送信手段に送信させるマッチング処理作動制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載のアルゴリズム取引マッチングシステム。
  3. 証券会社ごとに夫々別個に備えられた、複数の請求項1又は2に記載のアルゴリズム取引マッチングシステムと、
    夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールと接続する統合処理用ダークプールと、を有し、
    前記統合処理用ダークプールは、
    夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールから送信された前記売買注文データを記録するための統合注文管理用データベースと、
    夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールから送信された前記売買注文データに対する所定の管理を行う統合注文管理プロセス部と、
    所定間隔で定期的に作動し、複数種類のアルゴリズム取引のタイプを有するアルゴリズム取引群に対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて前記売買注文データ同士のマッチング処理を行う、統合マッチング処理手段を少なくとも一つ備える統合マッチングプロセス部と、
    前記統合マッチング処理手段に対応して設けられていて、夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールから送信された前記売買注文データのうち、アルゴリズム取引のタイプが当該統合マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかのタイプに該当する未約定の前記売買注文データを一時的に記録するための統合マッチング用メモリテーブルを有し、
    前記統合注文管理プロセス部は、
    夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールから送信された未約定の前記売買注文データを示す残注文報告電文を受信する残注文報告電文受信手段と、
    前記残注文報告電文受信手段により受信された前記残注文報告電文に示されている未約定の前記売買注文データを前記統合注文管理用データベースに記録する統合売買注文データ記録手段と、
    前記残注文報告電文受信手段により受信された前記残注文報告電文に示されている未約定の売買注文データを、当該売買データにおけるアルゴリズム取引のタイプに該当するアルゴリズム取引のタイプを含むアルゴリズム取引群に対応する前記統合マッチング処理手段に振り分けて送信する統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段と、
    前記統合マッチング処理手段から送信された前記売買注文データに対する約定可能性通知電文を受信する統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段と、
    前記統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段により受信された当該売買注文データに対する約定可能性通知電文を、当該未約定の前記売買注文データを示す残注文報告電文を送信した証券会社のアルゴリズム取引マッチングシステムの前記ダークプールに送信する統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段と、
    前記統合注文管理プロセス部内約可能性電文受信手段が前記売買注文データに対する約定可能性通知電文を受信したときに、前記統合マッチング用メモリテーブル、前記統合注文管理用データベースに記録されている前記売買注文データのうち、前記約定可能性通知電文を受信した当該少なくとも一部の前記売買注文データに対し、当該売買注文データにおける約定可能性通知分を直前の前記注文数量から差し引いて、当該売買注文データを更新する統合売買注文データ更新手段を有し、
    夫々の前記統合マッチング処理手段は、
    前記統合マッチング用売買注文データ振り分け送信手段から送信された、アルゴリズム取引のタイプが当該統合マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれるアルゴリズム取引のいずれかに該当する未約定の前記売買注文データを当該統合マッチング処理手段に対応する前記統合マッチング用メモリテーブルに銘柄ごとに約定条件別に注文数量を付加して記録する統合マッチング用売買注文データ記録手段と、
    前記統合マッチング用売買注文データ記録手段により前記統合マッチング用メモリテーブルに記録された前記売買注文データを用いて、当該統合マッチング処理手段に対応するアルゴリズム取引群に含まれる複数種類の前記アルゴリズム取引のタイプに対応した少なくとも一つのアルゴリズムマッチングロジックに基づくマッチング処理を排他的に約定機会がなくなるまで繰り返して行う少なくとも一つの統合アルゴリズムマッチング処理手段を有する少なくとも一つの統合マッチング手段と、
    前記統合アルゴリズムマッチング処理手段によるマッチング処理において当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の前記売買注文データ同士の約定可能性を通知するための約定可能性通知電文を前記統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文受信手段に送信する統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段
    を有し、
    夫々の前記統合アルゴリズムマッチング処理手段は、前記統合マッチング用メモリテーブルに記録されている未約定の前記売買注文データを、夫々、異なる所定のソート順で並べ替え、並べ替え後に最上位に位置する未約定の前記売買注文データから順次、互いに同一銘柄であり且つ売買のサイドが反対の未約定の前記売買注文データ同士を当該アルゴリズムマッチングロジックに基づいてマッチングさせ、
    夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムにおける夫々の前記マッチング処理手段は、さらに、
    約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行った後において未約定の前記売買注文データがあるときに、該未約定の前記売買注文データに対応する前記マッチング用メモリテーブルに記録された前記売買注文データを当該マッチング処理手段におけるマッチング処理の対象外として一時的にロックする売買注文データロック手段と、
    前記売買注文データロック手段により一時的にロックされている未約定の前記売買注文データを示す残注文報告電文を、前記統合処理用ダークプールに送信する残注文報告電文送信手段と、
    前記統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段から送信された当該約定条件を満足する少なくとも一部の未約定の前記売買注文についての約定可能性通知電文を受信するマッチング処理手段内約定可能性通知電文受信手段と、
    前記マッチング処理手段内約定可能性通知電文受信手段が前記統合注文管理プロセス部内約定可能性通知電文送信手段から送信された前記約定可能性通知電文を受信したときに、当該約定可能性通知電文に含まれる当該約定可能な条件を満足する少なくとも一部の未約定の前記売買注文データの発注電文を所定の私設取引システム又は取引所システムに送信するマッチング処理手段内売買注文発注手段と、
    前記所定の私設取引システム又は取引所システムから送信された前記売買注文データの約定電文を受信するマッチング処理手段内約定電文受信手段と、
    前記マッチング用メモリテーブル、前記注文管理用データベースに記録され、且つ、前記売買注文データロック手段により当該マッチング処理手段におけるマッチング処理の対象外として一時的にロックされている前記売買注文データを、前記売買注文データ更新手段が更新したときに、前記売買注文データロック手段による前記売買注文データに対するロックを解除する売買注文データロック解除手段
    を有し、
    前記マッチング処理手段内約定電文送信手段は、さらに、前記マッチング処理手段内約定電文受信手段により受信された前記売買注文データの約定電文を前記注文管理プロセス部に送信することを特徴とするアルゴリズム取引統合マッチングシステム。
  4. 夫々の前記統合マッチング処理手段は、
    同一種類のアルゴリズム取引群に含まれる複数種類の前記アルゴリズム取引のタイプに対応したアルゴリズムマッチングロジックに基づいて前記売買注文データ同士のマッチング処理を行い、且つ、前記統合アルゴリズムマッチング処理手段を、互いに異なる組み合わせ又は作動順で備える、複数の前記統合マッチング手段を有するとともに、さらに、
    同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記統合マッチング手段が、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行ったときの前記売買注文データの対当数を検出する統合対当数検出手段と、
    同一種類のアルゴリズム取引群に対応した夫々の前記統合マッチング手段に対し、並行的に、約定機会がなくなるまで前記売買注文データ同士のマッチング処理を行わせるとともに、それらの同一種類のアルゴリズム取引群に対応した前記統合マッチング手段のうち、前記対当数検出手段により検出された対当数が最も多い前記統合マッチング手段において対当する前記売買注文データ同士の約定可能性通知電文を当該統合マッチング処理手段において対当する前記売買注文データ同士の約定可能性通知電文として前記統合マッチング処理手段内約定可能性通知電文送信手段に送信させる統合マッチング処理作動制御手段を有することを特徴とする請求項3に記載のアルゴリズム取引統合マッチングシステム。
  5. 前記ダークプールは、さらに、取引所における各銘柄の売買価格をリアルタイムで取得する価格情報取得手段を有し、
    前記ダークプールに備わる夫々の前記マッチング処理手段は、前記価格情報取得手段によりリアルタイムで取得された当該銘柄の売買価格を基準価格とする所定範囲の価格帯のみの前記売買注文データ同士を対象としてマッチング処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のアルゴリズム取引マッチングシステム。
  6. 夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムにおける前記ダークプールは、さらに、取引所における各銘柄の売買価格をリアルタイムで取得する価格情報取得手段を有し、
    夫々の前記アルゴリズム取引マッチングシステムにおける前記ダークプールに備わる夫々の前記マッチング処理手段は、前記価格情報取得手段によりリアルタイムで取得された当該銘柄の売買価格を基準価格とする所定範囲の価格帯のみの前記売買注文データを対象としてマッチング処理を行うとともに、
    前記統合処理用ダークプールは、さらに、取引所における各銘柄の売買価格をリアルタイムで取得する統合処理用ダークプール内価格情報取得手段を有し、
    前記統合処理用ダークプールに備わる夫々の前記統合マッチング処理手段は、前記統合処理用ダークプール内価格情報取得手段によりリアルタイムで取得された当該銘柄の売買価格を基準価格とする所定範囲の価格帯のみの前記売買注文データを対象としてマッチング処理を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載のアルゴリズム取引統合マッチングシステム。
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