JP2013130475A - アンテナ配置算出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドローブレベルが最小になるアンテナ配置を効率よく求めることができるアンテナ配置算出装置を得ることを目的とする。
【解決手段】アンテナ配置評価部4によりアンテナ配置が良好であると評価された場合、そのアンテナ配置の一部を修正するアンテナ配置修正部5のほかに、主要サイドローブピーク以外で利得が高いサイドローブピークに対応する電波の到来方向を低利得方向とし、その低利得方向の利得が増加する方向にアンテナ配置を調整して、調整後のアンテナ配置をアンテナ配置記憶部2に記憶させるアンテナ配置調整部9を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、電波を用いて目標を探知、追尾又は標定するレーダ装置のアンテナ配置を算出するアンテナ配置算出装置に関するものである。
一般に、レーダ装置の探知性能を向上するために、アンテナの大型化や、送信電力の増大を図ることが行われる。
しかし、アンテナの大型化や、送信電力の増大を図る方法では、装置規模が増大して、費用対効果の低下や抗たん性の劣化などの問題が生じる。
このような問題の発生を避けるため、小規模のアンテナを複数個分散して配置し、各アンテナの出力を合成することで、全体の探知性能を高める方式が開発されている(例えば、非特許文献1を参照)。以下、この方式を採用するレーダ装置を「分散型レーダ」と称する。
分散型レーダの設計においては、サイドローブと呼ばれる不要な放射パターンを低減することが重要であり、非特許文献1には、アンテナをランダムに配置することによって、サイドローブを低減する方法が開示されている。
レーダ装置では、最大サイドローブに関するサイドローブレベル(メインローブに対するサイドローブの利得の比)は重要な指標であり、以下の非特許文献2,3には、最大サイドローブに関するサイドローブレベルが小さいアンテナ配置を導出するために、最適化技術を適用する方法が開示されている。
非特許文献2,3では、1次元のアンテナ配置において、アンテナを配置することが可能な位置を最小ステップ幅の間隔で離散化して、可能なアンテナ配置数を有限個としている。
非特許文献2では、可能な全てのアンテナ配置について、サイドローブレベルを評価し、最良のアンテナ配置を抽出する方式について述べている。
また、非特許文献3では、局所探索法(現在解を初期化した後、現在解を近傍解で置き換える処理(現在解に基づいて近傍解を生成し、条件を満たす場合に、その現在解を近傍解で置き換える処理)を反復する最適化アルゴリズム)を利用して、アンテナ配置の最適化を図る方式について述べている。
なお、非特許文献3では、現在解のアンテナ配置において、1つのアンテナを最小ステップ幅だけ移動して得られるアンテナ配置を全て評価し、全てのアンテナ配置の中で評価が最良のアンテナ配置を選択して、近傍解としている。
R.C. Heimiller、J.E. Belyea and P.G. Tomlinson著、"Distributed array radar"、IEEE Transaction on Aerospace and Electronics systems, vol.19, no.6, pp.831-839, Nov. 1983 Darren Leigh、Kathy Ryall、Tom Lanning、Neal Lesh、Hiroaki Miyashita、Kazufumi Hirata、Yoshihisa Hara and Takeshi Sakura著、"Sidelobe Minimization of Uniformly-Excited Sparse Linear Arrays using Exhaustive Search and Visual Browsing"、IEEE Antennas and Propagation Society International Symposium (AP-S International Symposium), Vol. 1B, pp. 763-766, July 2005 Christopher Lee、Darren Leigh、Kathy Ryall、Hiroaki Miyashita and Kazufumi Hirata著、"Very Fast Subarray Position Calculation for Minimizing Sidelobes in Sparse Linear Phased Arrays"、European Conference on Antennas and Propagation (EuCAP), November 2006
従来のアンテナ配置算出装置は以上のように構成されているので、アンテナをランダムに配置する場合(非特許文献1)、サイドローブを低減することはできるが、サイドローブレベルの最適化を図るものではないため、サイドローブレベルが最小となるアンテナ配置を得ることができない課題があった。
また、可能な全てのアンテナ配置についてサイドローブレベルを評価する場合(非特許文献2)、アンテナ位置を離散化して得られるアンテナ配置において、サイドローブレベルが最小になるアンテナ配置を得ることができるが、サイドローブレベルを評価する処理量が膨大になってしまう課題があった。
また、局所探索法を利用して、アンテナ配置の最適化を図る場合(非特許文献3)、局所探索法の1回の試行で得られるアンテナ配置は局所最適解であり、そのサイドローブレベルは初期配置に依存している。そのため、初期配置によっては、サイドローブレベルが最小に近いアンテナ配置が得られるとは限らない。したがって、サイドローブレベルが最小に近いアンテナ配置を得るには、多くの初期配置に対して局所探索法を適用する必要があり、効率が悪くなってしまう課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、サイドローブレベルが最小に近いアンテナ配置を効率よく求めることができるアンテナ配置算出装置を得ることを目的とする。
この発明に係るアンテナ配置算出装置は、複数のアンテナから構成されている分散型レーダのアンテナ配置を記憶するアンテナ配置記憶手段と、想定される電波の到来方向毎に、アンテナ配置記憶手段に記憶されているアンテナ配置にしたがって上記分散型レーダの利得を算出して、電波の到来方向と利得の関係を示すアンテナパターンを算出するアンテナパターン算出手段と、アンテナパターン算出手段により算出されたアンテナパターンの中で最大のサイドローブを特定し、そのサイドローブのレベルから上記アンテナ配置の良否を評価するアンテナ配置評価手段と、アンテナ配置評価手段により上記アンテナ配置が良好であると評価された場合、上記アンテナ配置の一部を修正して、修正後のアンテナ配置をアンテナ配置記憶手段に記憶させるアンテナ配置修正手段と、アンテナパターン算出手段により算出されたアンテナパターンからサイドローブピークを抽出するサイドローブピーク抽出手段と、サイドローブピーク抽出手段により抽出されたサイドローブピークの中から、最大のサイドローブのレベルとの利得差が所定の閾値より小さい主要なサイドローブピーク以外で利得が高いサイドローブピークを選択し、そのサイドローブピークに対応する電波の到来方向を低利得方向として出力する低利得方向出力手段と、低利得方向出力手段から出力された低利得方向の利得が増加する方向に上記アンテナ配置を調整して、調整後のアンテナ配置を上記アンテナ配置記憶手段に記憶させるアンテナ配置調整手段とを備えるようにしたものである。
この発明によれば、アンテナ配置評価手段によりアンテナ配置が良好であると評価された場合、そのアンテナ配置の一部を修正して、修正後のアンテナ配置をアンテナ配置記憶手段に記憶させるアンテナ配置修正手段を設けるとともに、アンテナパターン算出手段により算出されたアンテナパターンからサイドローブピークを抽出するサイドローブピーク抽出手段と、サイドローブピーク抽出手段により抽出されたサイドローブピークの中から、最大のサイドローブのレベルとの利得差が所定の閾値より小さい主要なサイドローブピーク以外で利得が高いサイドローブピークを選択し、そのサイドローブピークに対応する電波の到来方向を低利得方向として出力する低利得方向出力手段と、低利得方向出力手段から出力された低利得方向の利得が増加する方向に上記アンテナ配置を調整して、調整後のアンテナ配置を上記アンテナ配置記憶手段に記憶させるアンテナ配置調整手段とを設けるように構成したので、サイドローブレベルが最小になるアンテナ配置を効率よく求めることができる効果がある。
この発明の実施の形態1によるアンテナ配置算出装置を示す構成図である。 分散型レーダの構成例を示す説明図である。 2つのアンテナ間の経路長差を示す説明図である。 分散型レーダの正面方向にビームを形成する場合のアンテナパターンの一例を示す説明図である。 メインローブ近傍のアンテナパターンの一例を示す説明図である。 各電波到来方向θについての分散型レーダの振幅利得が、各アンテナの位相回転複素数の総和となる複素数の大きさである旨を示す説明図である。 アンテナm以外のアンテナ群の位相回転複素数の総和の位相と、アンテナmの位相回転複素数の位相の一例を示す説明図である。 アンテナmの許容位相範囲を示す説明図である。 平均化されたアンテナパターンを示す説明図である。 アンテナパターンから抽出されるサイドローブピークの一例を示す説明図である。 低利得サイドローブピーク選択部8により選択されるサイドローブピークの候補を示す説明図である。 アンテナmの許容位相範囲を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるアンテナ配置算出装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3によるアンテナ配置算出装置を示す構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ配置算出装置を示す構成図である。
図1において、アンテナ配置初期設定部1は例えばキーボードやマウスなどのマンマシンインタフェース、あるいは、外部から情報を入力するUSBポートなどの入力インタフェースなどから構成されており、複数のアンテナから構成されている分散型レーダにおけるアンテナ配置の初期設定を受け付ける処理部である。
アンテナ配置記憶部2は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、アンテナ配置初期設定部1により初期設定されたアンテナ配置、アンテナ配置修正部5により修正されたアンテナ配置及びアンテナ配置調整部9により調整されたアンテナ配置を記憶する。なお、アンテナ配置記憶部2はアンテナ配置記憶手段を構成している。
アンテナパターン算出部3は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、想定される電波の到来方向毎に、アンテナ配置記憶部2に記憶されているアンテナ配置にしたがって分散型レーダの利得を算出して、電波の到来方向と利得の関係を示すアンテナパターンを算出する処理を実施する。なお、アンテナパターン算出部3はアンテナパターン算出手段を構成している。
アンテナ配置評価部4は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、アンテナパターン算出部3により算出されたアンテナパターンの中で最大のサイドローブである最大サイドローブを特定し、最大サイドローブのサイドローブレベルから上記アンテナ配置の良否を評価し、その評価結果を示す評価値をアンテナ配置記憶部2に記憶させる処理を実施する。なお、アンテナ配置評価部4はアンテナ配置評価手段を構成している。
アンテナ配置修正部5は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、制御部11の指示の下、アンテナ配置評価部4によりアンテナ配置が良好であると評価された場合、そのアンテナ配置の一部を修正して、修正後のアンテナ配置をアンテナ配置記憶部2に記憶させる一方、そのアンテナ配置が良好でないと評価された場合、アンテナ配置記憶部2から上記アンテナ配置と異なるアンテナ配置を入手し、そのアンテナ配置の一部を修正して、修正後のアンテナ配置をアンテナ配置記憶部2に記憶させる処理を実施する。
局所探索での修正処理において、全く新たなアンテナ配置を利用するのが適切な場合として考えられるケースは、以下の2通りである。
(1)修正処理の反復の結果、収束した場合(例えば、予め決められた回数だけアンテナ配置の修正処理が繰り返される。あるいは、アンテナ配置を修正しても、これ以上、評価値が小さくならなくなるまで繰り返されるなど)
(2)「実施の形態2」に記載しているように、修正処理を適用しても、良好なアンテナ配置に到達することが難しいと判定された場合
なお、アンテナ配置修正部5はアンテナ配置修正手段を構成している。
低利得方向抽出部6は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、制御部11の指示の下、低利得方向を抽出する処理を実施する。
低利得方向抽出部6のサイドローブピーク抽出部7はアンテナパターン算出部3により算出されたアンテナパターンからサイドローブピークを抽出する処理を実施する。なお、サイドローブピーク抽出部7はサイドローブピーク抽出手段を構成している。
低利得方向抽出部6の低利得サイドローブピーク選択部8はサイドローブピーク抽出部7により抽出されたサイドローブピークの中から、最大サイドローブのサイドローブレベルとの利得差が所定の閾値より小さい主要サイドローブピーク以外で利得が高いサイドローブピークを選択し、そのサイドローブピークに対応する電波の到来方向を低利得方向として出力する処理を実施する。なお、低利得サイドローブピーク選択部8は低利得方向出力手段を構成している。
アンテナ配置調整部9は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、低利得サイドローブピーク選択部8から出力された低利得方向の利得が増加する方向に上記アンテナ配置を調整して、調整後のアンテナ配置をアンテナ配置記憶部2に記憶させる処理を実施する。なお、アンテナ配置調整部9はアンテナ配置調整手段を構成している。
アンテナ配置制約保持部10は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、アンテナ配置の制約を保持している。アンテナ配置制約保持部10により保持されているアンテナ配置の制約は、アンテナ配置修正部5によりアンテナ配置が修正される際や、アンテナ配置調整部9によりアンテナ配置が調整される際に参照される。
制御部11は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、アンテナ配置修正部5によるアンテナ配置の修正処理及びアンテナ配置調整部9によるアンテナ配置の調整処理を制御する。
即ち、制御部11はアンテナ配置修正部5によるアンテナ配置の修正処理、または、アンテナ配置調整部9によるアンテナ配置の調整処理のいずれか一方をアクティブにするものであり、原則としては、アンテナ配置の調整処理をアンテナ配置調整部9に実施させてから、アンテナ配置の修正処理をアンテナ配置修正部5に実施させるように制御する。
なお、制御部11は制御手段を構成している。
図1の例では、アンテナ配置算出装置の構成要素であるアンテナ配置初期設定部1、アンテナ配置記憶部2、アンテナパターン算出部3、アンテナ配置評価部4、アンテナ配置修正部5、低利得方向抽出部6、アンテナ配置調整部9、アンテナ配置制約保持部10及び制御部11のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、アンテナ配置算出装置の全部又は一部がコンピュータで構成されていてもよい。
アンテナ配置算出装置がコンピュータで構成されている場合、アンテナ配置記憶部2及びアンテナ配置制約保持部10の記憶内容と、アンテナ配置初期設定部1、アンテナパターン算出部3、アンテナ配置評価部4、アンテナ配置修正部5、低利得方向抽出部6、アンテナ配置調整部9及び制御部11の処理内容を記述しているプログラムとをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
最初に、この実施の形態1で想定する前提について説明する。
この実施の形態1では、分散型レーダを構成している複数のアンテナが受信する信号は十分に狭帯域であり、平面波として到来することを前提とする。
以下、受信信号の波長をλとし、分散型レーダを構成している複数のアンテナは同じ特性を有しているものとする。
各アンテナは、無指向性のアンテナでも、指向性のアンテナでもよいが、以下では説明を分かり易くするため、無指向性アンテナであるものとして説明する。また、アンテナ配置の制約として、各アンテナは、予め定めた1次元の線分上にのみ配置することが可能であるものとする。
図2は分散型レーダの構成例を示す説明図である。
図2において、W1,W2,・・・,WMは、各アンテナの重み(一般に複素数)を表している。
図2に示すように、複数のアンテナの受信信号に対して、重みW1,W2,・・・,WMが乗算され、その乗算結果の総和が分散型レーダの出力となる。
分散型レーダにおいて、ビームを形成する方向が決まると、そのビーム形成方向に応じて各アンテナの重みW1,W2,・・・,WMを適切に設定する必要がある。
例えば、ビームを分散型レーダの正面方向(図2の場合、入射角θが0度の方向)に形成する場合には、各アンテナの重みW1,W2,・・・,WMを全て1に設定すればよい。
一方、正面方向以外の方向にビームを形成する場合には、各アンテナで受信する信号の位相差を補償するような複素数を、各アンテナの重みW1,W2,・・・,WMとして設定するようにする。
以下、説明の簡単化のため、分散型レーダの正面方向にビームを形成する場合(各アンテナの重みを全て1に設定する場合)について説明する。
まず、アンテナ配置初期設定部1は、複数のアンテナから構成されている分散型レーダにおけるアンテナ配置の初期設定を受け付け、そのアンテナ配置をアンテナ配置記憶部2に記憶させる。
アンテナの初期配置はユーザの操作の下で設定することができるが、例えば、アンテナ配置制約保持部10により保持されているアンテナ配置の制約を満たす範囲内で、アンテナをランダムに配置するなどによって自動的に設定するようにしてもよい。
これにより、アンテナ配置記憶部2には、初期設定されたアンテナ配置が記憶されるが、この実施の形態1では、アンテナ設置の可能領域として1次元線分を想定しているので、個々のアンテナの位置情報は1次元で表現される。
また、アンテナ配置記憶部2には、初期設定されたアンテナ配置と一緒に、各アンテナの特性に関する情報等が記憶される。
アンテナ特性は、分散型レーダのアンテナパターンの算出において考慮すべき、アンテナ独自の特性のことであり、具体的には、個々のアンテナに関するアンテナパターンを表すものである。
アンテナパターン算出部3は、アンテナ配置記憶部2に記憶されているアンテナ配置を入手する。
初期段階では、アンテナ配置初期設定部1により初期設定されたアンテナ配置だけがアンテナ配置記憶部2に記憶されているので、その初期設定されたアンテナ配置を入手するが、後述するアンテナ配置修正部5やアンテナ配置調整部9の処理によって新たなアンテナ配置がアンテナ配置記憶部2に記憶されると、新たなアンテナ配置を入手する。
アンテナパターン算出部3は、アンテナ配置記憶部2からアンテナ配置を入手すると、想定される電波の到来方向毎に、そのアンテナ配置にしたがって分散型レーダの利得を算出して、電波の到来方向と利得の関係を示すアンテナパターンを算出する。
以下、アンテナパターン算出部3によるアンテナパターンの算出処理を具体的に説明する。
アンテナパターン算出部3は、想定される電波到来方向(=入射角)θ毎に、分散型レーダの利得を算出するが、各アンテナでは、経路長及び波長λから定まる位相分だけ、位相が回転している信号が受信される。
また、各アンテナの受信信号には、上述したように、重みW1,W2,・・・,WMが乗算されるので、さらに位相が回転する。
具体的には、ある基準点に対して、あるアンテナの経路長差がDである場合、基準点との信号の位相差は(2π/λ)・Dとなる。この位相回転は、複素数exp(j・(2π/λ)・D)として表現される。この複素数に対して、アンテナの重みを掛けた値を「位相回転複素数」と称する。
アンテナの重みを一律に1に設定している場合、位相回転複素数の大きさは1で一定である。
ここで、図3は2つのアンテナ間の経路長差を示す説明図である。
図3の例では、2つのアンテナA、アンテナBを想定し、アンテナAの位置を基準点としている。
この場合、破線で示す入射角θの波面に関するアンテナAとアンテナBの経路長差は図3に示すものとなり、この長さ分だけ、アンテナA及びアンテナBにおける受信信号の位相が異なる。
電波到来方向θについての分散型レーダの振幅利得は、各アンテナの位相回転複素数の総和となる複素数の大きさであるため、アンテナパターン算出部3は、各アンテナの位相回転複素数の総和となる複素数の大きさを求める。
また、アンテナパターン算出部3は、複素数の大きさを2乗したものが電力利得となるため、複素数の大きさを2乗したものを求める。
アンテナパターン算出部3は、想定される電波到来方向(入射角)θ毎に、分散型レーダの利得を算出すると、電波の到来方向θと利得の関係を示すアンテナパターンが求まる。
ここで、図4は分散型レーダの正面方向にビームを形成する場合のアンテナパターンの一例を示す説明図である。図4では、各入射角における利得を、正面方向(入射角θが0度の方向)の利得を基準として、デシベルで表現している。
以下、分散型レーダのアンテナパターンにおいて、利得が極大となるメインローブ以外の箇所及びその近傍を「サイドローブ」と称する。
また、利得が極大となるメインローブ以外の箇所を「サイドローブピーク」と称する。
また、メインローブに対するサイドローブピークの利得の比を「サイドローブレベル」と称する。以下、単に「サイドローブレベル」と述べた場合、最大サイドローブに関するサイドローブレベルを表すものとする。
図5はメインローブ近傍のアンテナパターンの一例を示す説明図である。
メインローブのビームの太さのことを「ビーム幅」と称し、ビーム幅は小さい方が良好である。
そのため、一般に分散型レーダの設計においては、ビーム幅の上限が定められることが多い。このような制約を「ビーム幅制約」と称する。
この実施の形態1では、ビーム幅制約が存在することを前提とする。
例えば、ビーム幅は、利得が所与の値(図5では、「ビーム幅利得上限」と記載)となる入射角(図5では「ビーム幅制約方向」と記載)の間の幅で定義される。
この実施の形態1では、個々のアンテナが無指向性である場合を想定しており、個々のアンテナのアンテナパターンにおいては、電波到来方向に関わらず利得が一定である。そのため、上述したように、分散型レーダのアンテナパターンを算出する際、利得を各アンテナの位相回転複素数の総和から求められる。
アンテナが無指向性でない場合、分散型レーダのアンテナパターンは、各アンテナの位相回転複素数の総和から算出されるアンテナパターンに対し、さらに、アンテナ単体のアンテナパターンの積を取ることにより求められる(個々のアンテナのアンテナ特性が同一の場合)。
したがって、個々のアンテナが無指向性でない場合、分散型レーダのアンテナパターンの算出においては、個々のアンテナの特性(具体的には、アンテナパターン)が必要になる。
また、この実施の形態1では、分散型レーダの正面方向にビームを形成することを想定しているので、各アンテナの重みは1で固定であるが、ビーム形成方向として複数通りを想定する場合には、それぞれのビーム形成方向に応じて各アンテナの重みを設定して、複数のアンテナパターンを算出することになる。
アンテナ配置評価部4は、アンテナパターン算出部3がアンテナパターンを算出すると、そのアンテナパターンの中で最大のサイドローブである最大サイドローブを特定し、最大サイドローブのサイドローブレベルから上記アンテナ配置の良否を評価し、その評価結果を示す評価値をアンテナ配置記憶部2に記憶させる。
即ち、アンテナ配置評価部4は、アンテナパターンの中のメインローブのビーム幅が、ビーム幅制約を満足している場合(メインローブのビーム幅≦ビーム幅制約)、最大サイドローブのサイドローブレベルを評価値としてアンテナ配置記憶部2に記憶させる。
一方、メインローブのビーム幅が、ビーム幅制約を満足していない場合(メインローブのビーム幅>ビーム幅制約)、ビーム幅とビーム幅制約の差分をペナルティとして算出し、その差分を最大サイドローブのサイドローブレベルに加えた値を評価値としてアンテナ配置記憶部2に記憶させる。
したがって、評価値が小さい程、ビーム幅制約のペナルティが小さく、サイドローブレベルも小さいことになり、良いアンテナ配置であると言える。
最大サイドローブのサイドローブレベルの例を図4に示している(デシベル表示で表す場合、サイドローブレベルは負の数であることに注意)。
なお、異なるビーム形成方向に関する複数のアンテナパターンを考慮する場合、各アンテナパターンから上記のように算出される評価値のうち、最悪の評価値(最大の評価値)を、想定しているアンテナ配置の評価値とすればよい。
制御部11は、アンテナ配置評価部4がアンテナ配置の良否を評価すると、アンテナ配置修正部5によるアンテナ配置の修正処理、または、アンテナ配置調整部9によるアンテナ配置の調整処理のいずれか一方をアクティブにすることで、新たなアンテナ配置を生成させるが、アンテナ配置修正部5によるアンテナ配置の修正処理は、アンテナ位置の細かい移動によって、アンテナ配置の局所最適解を得ることを目的としており、その局所最適解が最適に近いアンテナ配置であるか否かは初期配置に依存している。
一方、アンテナ配置調整部9によるアンテナ配置の調整処理は、良いアンテナ配置が存在する見込みが大きい領域の方向にアンテナ配置を調整することを目的としている。
このため、制御部11は、原則として、アンテナ配置の調整処理をアンテナ配置調整部9に実施させることで、アンテナの初期配置の適正化を図ってから、アンテナ配置の修正処理をアンテナ配置修正部5に実施させるように制御する。
これにより、アンテナ配置修正部5によるアンテナ配置の修正処理で得られるアンテナ配置の局所最適解が、最適なアンテナ配置であるようにする。
原則としては、アンテナ配置の調整処理をアンテナ配置調整部9に実施させてから、アンテナ配置の修正処理をアンテナ配置修正部5に実施させるように制御するが、これは、あくまでも原則であり、アンテナ配置の修正処理をアンテナ配置修正部5に実施させてから、アンテナ配置の調整処理をアンテナ配置調整部9に実施させるように制御してもよい。また、修正処理と調整処理を交互に実施させるように制御してもよい。
アンテナ配置修正部5は、制御部11からアンテナ配置の修正処理を行う指示を受けると、アンテナ配置記憶部2に記憶されている評価値(アンテナ配置評価部4から出力された評価値)を参照して、その評価値が例えば所定の閾値より小さい場合、その評価値に係るアンテナ配置は良好なアンテナ配置であると認識する。あるいは、その評価値が他のアンテナ配置の評価値より相対的に小さい場合、良好なアンテナ配置であると認識する。
アンテナ配置修正部5は、アンテナ配置記憶部2に記憶されている評価値が良好なアンテナ配置を選択して、そのアンテナ配置の一部を修正し、修正後のアンテナ配置をアンテナ配置記憶部2に記憶させる。
以下、アンテナ配置修正部5によるアンテナ配置の修正処理を具体的に説明する。
アンテナ配置の修正方法としては、アンテナパターン算出部3により算出されたアンテナパターンの中の最大サイドローブの利得が低下(サイドローブレベルが低下する)する方向に、1つまたは複数のアンテナの位置を移動する方法がある。
単純に、1つまたは複数のアンテナの位置を元の位置の近傍でランダムに移動する方法でもよい。
最大サイドローブの利得が低下する方向にアンテナの位置を移動する方法について説明する。
この方法では、最初に、アンテナパターン算出部3により算出されたアンテナパターンの中の最大サイドローブに対応する電波到来方向を求める。
図4には、利得最大のサイドローブピーク、利得が2番目に大きいサイドローブピーク、これらのサイドローブピークに対応する電波到来方向の例を示している。
ただし、図4の例では、アンテナパターンが入射角0度を中心に対称になっているため、入射角が正のサイドローブのみを示している。
次に、最大サイドローブピークに対応する電波到来方向について、その方向に関する重みが考慮された各アンテナの受信信号の位相情報に基づき、位相回転複素数の位相がばらつくように、1つまたは複数のアンテナの位置を移動して、新たなアンテナ配置を生成する。
即ち、各電波到来方向θについての分散型レーダの振幅利得は、図6に示すように、各アンテナの位相回転複素数の総和となる複素数の大きさである。電波到来方向θにおける利得が大きいということは、各アンテナの位相回転複素数の位相が比較的揃っているということであり、利得を下げるためには、各アンテナの位相回転複素数の位相がばらける方向にアンテナ位置を変えればよい。
そこで、各アンテナの受信信号の位相情報に基づいて、位相回転複素数の位相がばらつくように、1つまたは複数のアンテナの位置を移動して、新たなアンテナ配置を生成する。
ここで、最大サイドローブピークに対応する電波到来方向について、位相回転複素数の位相がばらつくようにアンテナを移動する方法について、更に詳細に説明する。
まず、移動対象として、アンテナmのみが選択されたものとする。
図7はアンテナm以外のアンテナ群の位相回転複素数の総和の位相と、アンテナmの位相回転複素数の位相の一例を示す説明図である。図7において、αは双方の位相の差を表している。
位相の状況が図7のように表される場合、移動後のアンテナmの位相回転複素数の位相が、図8に示している「アンテナmの許容位相範囲」の中に入る限りにおいて、分散型レーダの利得(最大サイドローブピークの電波到来方向に関する利得)は低下する。
したがって、許容位相範囲内の値を決めた後、アンテナmの位相回転複素数の位相が、その決めた値と一致するように、移動幅が小さくなる範囲で、アンテナmの移動先の位置を決定する。
なお、アンテナ配置の修正は、アンテナ配置制約保持部10により保持されているアンテナ配置の制約を満たすように行われる。
アンテナ配置の制約に関する情報は、例えば、アンテナを設置することが可能な領域の情報等から構成される。他の制約として、「アンテナ同士が重なってはいけない」などの条件が課される場合もある。
アンテナの移動先の位置が上記制約を満足しない場合、アンテナの移動先位置が再計算される。
アンテナ配置修正部5によるアンテナ配置の修正処理は反復され(例えば、予め決められた回数だけアンテナ配置の修正処理が繰り返される。あるいは、アンテナ配置を修正しても、これ以上、評価値が小さくならなくなるまで繰り返される。)、その結果、複数のサイドローブの利得がほぼ同じ値を有するアンテナ配置(平均化されたアンテナパターンに対応するアンテナ配置)が得られる。
図9は平均化されたアンテナパターンを示す説明図である。ただし、図9では、アンテナパターンが入射角0度を中心に対称であるため、入射角が正の範囲のみを示している。
なお、アンテナ配置の修正処理の反復は、最適化技術の分野では、局所探索を実施していることに相当する。
しかし、複数のサイドローブの利得が平均化しているアンテナ配置は無数に存在し、それらの配置に対応するサイドローブレベルには幅がある。
最適化技術の用語で言えば、サイドローブが平均化されたアンテナパターンに対応するアンテナ配置は、あくまでも「局所最適解」であり、多数存在する局所最適解の中でも、サイドローブレベルの小さな解と、そうでない解とが存在する。
アンテナ配置の修正処理の反復により得られるアンテナ配置のサイドローブレベルは、上述したように、その初期配置に依存する。
即ち、局所探索における探索空間において、初期配置の近傍に、サイドローブレベルが小さい良好なアンテナ配置が存在しなければ、アンテナ配置の修正処理の反復によって、良好なアンテナ配置を得ることは難しい。
そこで、この実施の形態1では、アンテナ配置調整部9が、探索空間において、良好なアンテナ配置が存在する見込みが大きい領域の方向に、アンテナ配置を調整することで、アンテナ配置修正部5が、良好なアンテナ配置を効率的に求められるようにする。
ここで、サイドローブレベルが小さい良好なアンテナ配置に共通する性質について説明する。
上述したように、各電波到来方向θについての分散型レーダの振幅利得は、各アンテナの位相回転複素数の総和となる複素数の大きさである。
ビーム形成方向(メインローブの方向)では、各アンテナの位相回転複素数の位相が揃うため、分散型レーダの利得が最大となる。一方、それ以外の方向では、位相の一致度合いに応じて利得が変動する。
サイドローブレベルが小さくなるのは、位相の一致度合いに基づいて定まる利得が、出来るだけ広い範囲の電波到来方向で平均化される場合である。そのため、利得の低い電波到来方向の範囲が広いことは好ましくない。
この実施の形態1は、本性質を利用するアンテナ配置の算出に関するものであり、利得が低い電波到来方向を抽出し、利得が低い電波到来方向の利得を増加することで、探索空間において、良好なアンテナ配置が存在する見込みが大きい領域の方向にアンテナ配置を調整することを特徴とする。
この実施の形態1では、サイドローブレベルが小さい良好なアンテナ配置に共通する性質として、「主要サイドローブピークの数が多い」ことを利用した方式(利得を増加すべき「利得が低い電波到来方向」として、メインローブ近傍以外に着目する方式)を述べる。
低利得方向抽出部6は、制御部11からアンテナ配置の調整処理を行う指示を受けると、アンテナパターン算出部3により算出されたアンテナパターンから、利得が低く、サイドローブレベルを改善するために利得を増加すべき電波到来方向が存在するか否かを判定し、そのような電波到来方向が存在すれば、その電波到来方向を「低利得方向」として出力する。
即ち、低利得方向抽出部6のサイドローブピーク抽出部7は、制御部11からアンテナ配置の調整処理を行う指示を受けると、アンテナパターン算出部3により算出されたアンテナパターンからサイドローブピークを抽出する。
図10はアンテナパターンから抽出されるサイドローブピークの一例を示す説明図である。
図10の例では、アンテナパターンが入射角0度を中心に対称であるため、入射角が正の範囲のみを示している。
ここで、メインローブ以外のアンテナパターンの極大点であるサイドローブピークのうち、サイドローブレベルに近い利得を有するサイドローブピークを「主要サイドローブピーク」と称する。
例えば、アンテナパターンの極大点に関して、利得が「サイドローブレベル−閾値(図10の例では、1dB)〜サイドローブレベル」の範囲内の利得を「サイドローブレベルに近い利得」と定義すると、図10の例では、主要サイドローブピークの数が6となる。
サイドローブレベルが小さい良好なアンテナ配置のアンテナパターンは、主要サイドローブピークの数が多い傾向がある。
主要サイドローブピークを定める際に必要な閾値(図10の例では、1dB)は、予め設定されているものとする。
低利得方向抽出部6の低利得サイドローブピーク選択部8は、サイドローブピーク抽出部7がサイドローブピークを抽出すると、そのサイドローブピークの中から、最大サイドローブのサイドローブレベルとの利得差が予め設定されている閾値(図10の例では、1dB)より小さい主要サイドローブピーク以外で利得が高いサイドローブピーク(低利得サイドローブピーク)を選択し、そのサイドローブピークに対応する電波の到来方向を低利得方向として出力する。
ここで、図11は低利得サイドローブピーク選択部8により選択されるサイドローブピークの候補を示す説明図である。
図11では、低利得サイドローブピーク選択部8により選択されるサイドローブピークの候補が3個である例を示しているが、全ての候補を選択するようにしてもよいし、候補の中で、例えば、1番利得が高い候補だけを選択するようにしてもよい。
なお、低利得サイドローブピーク選択部8により選択されるサイドローブピークの候補は、主要サイドローブピーク以外のサイドローブピークの中で、利得が高い上位数%のサイドローブピークを選択するようにしてもよいし、所定の閾値より高いサイドローブピークを選択するようにしてもよい。
例えば、サイドローブピークの候補の全てを選択する場合、図11の例では、入射角が約7度、約23度、約27度をそれぞれ「低利得方向」として、アンテナ配置調整部9に出力する。
アンテナ配置調整部9は、低利得サイドローブピーク選択部8から低利得方向を受けると、その低利得方向の利得が増加する方向に、1つまたは複数のアンテナの位置を移動することでアンテナ配置を調整し、調整後のアンテナ配置をアンテナ配置記憶部2に記憶させるようにする。
これは、上述している「最大サイドローブの利得が低下する方向にアンテナ位置を移動する方法」の逆を行えばよい。
即ち、低利得方向について、位相回転複素数の位相が揃うように、1つまたは複数のアンテナの位置を移動して、新たなアンテナ配置を生成すればよい。
以下、アンテナ配置調整部9によるアンテナ配置の調整処理を具体的に説明する。
ここでは、移動対象としてアンテナmのみが選択されたものとする。また、低利得サイドローブピーク選択部8が出力する低利得方向が1つであるものとする。
このときの、低利得方向に関する、アンテナm以外のアンテナ群の位相回転複素数の総和の位相と、アンテナmの位相回転複素数の位相は、図7の通りであるとする。
位相の状況が図7のように表される場合、移動後のアンテナmの位相回転複素数の位相が、図12に示している「アンテナmの許容位相範囲」の中に入る限りにおいて、分散型レーダの利得(低利得方向に関する利得)は増加する。
したがって、許容位相範囲内の値を決めた後、位相回転複素数の位相が、その決めた値と一致するように、移動幅が小さくなる範囲で、アンテナmの移動先の位置を決定する。
なお、低利得サイドローブピーク選択部8が出力する低利得方向が複数である場合、各低利得方向に対して、上記のようにして「アンテナmの許容位相範囲」が定まり、さらに、その許容位相範囲に対応する、アンテナmの移動先候補の領域が限定される。全ての低利得方向に対応するアンテナmの移動先候補の領域が共通部分を持てば、その共通部分において、アンテナmの移動先の位置を決定すればよい。しかし、一般には、全ての低利得方向に対応するアンテナmの移動先候補の領域が共通部分を持つことはない。その場合、なるべく多くの低利得方向に対応する、アンテナmの移動先候補の領域の共通部分において、アンテナmの移動先の位置を決定すればよい。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、アンテナ配置評価部4によりアンテナ配置が良好であると評価された場合、そのアンテナ配置の一部を修正して、修正後のアンテナ配置をアンテナ配置記憶部2に記憶させるアンテナ配置修正部5を設けるとともに、アンテナパターン算出部3により算出されたアンテナパターンからサイドローブピークを抽出するサイドローブピーク抽出部7と、サイドローブピーク抽出部7により抽出されたサイドローブピークの中から、最大サイドローブのサイドローブレベルとの利得差が所定の閾値より小さい主要サイドローブピーク以外で利得が高いサイドローブピークを選択し、そのサイドローブピークに対応する電波の到来方向を低利得方向として出力する低利得サイドローブピーク選択部8と、低利得サイドローブピーク選択部8から出力された低利得方向の利得が増加する方向に上記アンテナ配置を調整して、調整後のアンテナ配置をアンテナ配置記憶部2に記憶させるアンテナ配置調整部9とを設けるように構成したので、サイドローブレベルが最小になるアンテナ配置を効率よく求めることができる効果を奏する。
即ち、この実施の形態1によれば、アンテナパターンから低利得サイドローブピークを抽出し、その低利得サイドローブピークに対応する電波到来方向の利得が増加するようにアンテナ位置を移動するので、主要サイドローブピークの数が増加する。その結果として得られるアンテナ配置の近傍を探索することにより、良好なアンテナ配置を得られる見込みが向上するため、サイドローブレベルが小さい良好なアンテナ配置を効率よく求めることができる。
なお、この実施の形態1では、アンテナを1次元に配置する場合について述べたが、2次元や3次元に配置を想定する場合であっても、本発明の構成は同様に適用可能である。
また、この実施の形態1では、アンテナが無指向性アンテナである場合について述べたが、アンテナが指向性を持つ場合の分散型レーダのアンテナパターンは、アンテナ位置に無指向性アンテナが存在すると仮定した場合のアンテナパターンと、アンテナ単体のアンテナパターンの積で表される(各アンテナのアンテナパターンが同一の場合)。したがって、アンテナが指向性を持つ場合の分散型レーダのアンテナパターンは、アンテナが無指向性アンテナである場合のアンテナパターンに補正を加えただけのものであるため、アンテナが指向性を持つ場合であっても、本発明の構成は同様に適用可能である。
実施の形態2.
図13はこの発明の実施の形態2によるアンテナ配置算出装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
主要サイドローブピーク数閾値設定部12は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、アンテナ配置記憶部2に記憶されているアンテナ配置のうち、アンテナ配置修正部5による修正処理後のアンテナ配置(特に、アンテナ配置修正部5により得られた局所最適解のアンテナ配置)に対応するアンテナパターンにおける主要サイドローブピークの数に応じてピーク数閾値を設定する処理を実施する。なお、主要サイドローブピーク数閾値設定部12はピーク数閾値設定手段を構成している。
低利得方向抽出部6の主要サイドローブピーク数評価部13はサイドローブピーク抽出部7により抽出されたサイドローブピークに含まれている主要サイドローブピークの数を計数し、主要サイドローブピークの数が主要サイドローブピーク数閾値設定部12により設定されたピーク数閾値より多い場合、アンテナ配置調整部9によるアンテナ配置の調整処理の中止を決定して、その旨を制御部11に出力するとともに、サイドローブピーク抽出部7により抽出されたサイドローブピークを低利得サイドローブピーク選択部8に出力しないようにする。一方、主要サイドローブピークの数がピーク数閾値以下であれば、サイドローブピーク抽出部7により抽出されたサイドローブピークを低利得サイドローブピーク選択部8に出力する。なお、主要サイドローブピーク数評価部13はピーク数評価手段を構成している。
次に動作について説明する。
上記実施の形態1と比べて、主要サイドローブピーク数閾値設定部12及び主要サイドローブピーク数評価部13が追加されている点で相違している。
以下、主要サイドローブピーク数閾値設定部12及び主要サイドローブピーク数評価部13の処理内容を具体的に説明する。
この実施の形態2では、アンテナ配置修正部5によるアンテナ配置の修正処理の反復が複数回実施されており、その結果として、サイドローブレベルを最小化するアンテナ配置に関する局所最適解がアンテナ配置記憶部2に複数記憶されていることを前提とする。
主要サイドローブピーク数閾値設定部12は、アンテナ配置記憶部2に記憶されているアンテナ配置のうち、アンテナ配置修正部5による修正処理後のアンテナ配置、特に、アンテナ配置修正部5により得られた局所最適解のアンテナ配置に対応するアンテナパターンにおける主要サイドローブピークの数に応じてピーク数閾値を設定する。
例えば、アンテナ配置記憶部2に記憶させている複数の局所最適解のアンテナ配置に対応する主要サイドローブピークの数の平均値Vを求め、その平均値V+kなどをピーク数閾値として設定する。
ただし、kは事前に設定されている値であり、例えば、0、−1、−2などの値が設定される。
低利得方向抽出部6の主要サイドローブピーク数評価部13は、サイドローブピーク抽出部7がサイドローブピークを抽出すると、そのサイドローブピークに含まれている主要サイドローブピークの数を計数する。
そして、主要サイドローブピーク数評価部13は、主要サイドローブピークの数と主要サイドローブピーク数閾値設定部12により設定されたピーク数閾値を比較し、主要サイドローブピークの数がピーク数閾値より多い場合、アンテナ配置調整部9によるアンテナ配置の調整処理の中止を決定して、その旨を制御部11に出力するとともに、サイドローブピーク抽出部7により抽出されたサイドローブピークを低利得サイドローブピーク選択部8に出力しないようにする。
一方、主要サイドローブピークの数がピーク数閾値以下であれば、サイドローブピーク抽出部7により抽出されたサイドローブピークを低利得サイドローブピーク選択部8に出力する。
主要サイドローブピーク数評価部13からサイドローブピークが低利得サイドローブピーク選択部8に出力された場合は、以下、上記実施の形態1と同様に動作する。
主要サイドローブピーク数評価部13からサイドローブピークが低利得サイドローブピーク選択部8に出力されずに、アンテナ配置の調整処理の中止を決定した旨が制御部11に出力されると、制御部11では、アンテナ配置の修正処理の再開をアンテナ配置修正部5に指示する。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、サイドローブピーク抽出部7により抽出されたサイドローブピークに含まれている主要サイドローブピークの数を計数し、主要サイドローブピークの数が主要サイドローブピーク数閾値設定部12により設定されたピーク数閾値より多い場合、アンテナ配置調整部9によるアンテナ配置の調整処理の中止を決定して、その旨を制御部11に出力するとともに、サイドローブピーク抽出部7により抽出されたサイドローブピークを低利得サイドローブピーク選択部8に出力しないように構成したので、主要サイドローブピークの数が既に十分な数であり、これ以上、主要サイドローブピークの数が増えないと考えられる状況下で、さらに主要サイドローブピークの数を増やそうとする無駄な処理を省略することができるようになり、サイドローブレベルが小さい良好なアンテナ配置を効率よく求めることができる効果を奏する。
即ち、この実施の形態2によれば、既に得られている局所最適解と比較して、主要サイドローブピーク数が同程度の場合は、アンテナ配置の調整処理による主要サイドローブピーク数の増加を試みないようにしている。これは、主要サイドローブピーク数が十分に大きい場合、主要サイドローブピーク数をさらに増すことには無理があり、そのような処理を試みることは無駄であるためである。この実施の形態2では、必要な場合に限り、主要サイドローブピーク数の増加を試みるため、サイドローブレベルが小さい良好なアンテナ配置を効率よく求めることができる。
実施の形態3.
図14はこの発明の実施の形態3によるアンテナ配置算出装置を示す構成図であり、図において、図13と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
低利得方向抽出部6の主要サイドローブピーク数評価部14はサイドローブピーク抽出部7により抽出されたサイドローブピークに含まれている主要サイドローブピークの数を計数し、主要サイドローブピークの数が主要サイドローブピーク数閾値設定部12により設定されたピーク数閾値より少なければ、現時点で局所探索を適用中のアンテナ配置と全く異なる新たなアンテナ配置(例えば、アンテナ配置初期設定部1により新たに初期設定されたアンテナ配置)の修正処理を、制御部11を介してアンテナ配置修正部5に指示する処理を実施する。なお、主要サイドローブピーク数評価部14はピーク数評価手段を構成している。
次に動作について説明する。
上記実施の形態2と比べて、低利得方向抽出部6の主要サイドローブピーク数評価部13が主要サイドローブピーク数評価部14に代わり、低利得サイドローブピーク選択部8及びアンテナ配置調整部9が設けられていない点で相違している。
以下、上記実施の形態2と相違している部分を説明する。
主要サイドローブピーク数が少ない場合、処理対象としているアンテナ配置の近傍を探索しても、サイドローブレベルが小さい良好なアンテナ配置を得ることは難しい。
そこで、この実施の形態3では、そのような場合には、全く新たなアンテナ配置に基づいて最適化処理を再開することによって、無駄な処理を省くようにしている。
低利得方向抽出部6の主要サイドローブピーク数評価部14は、サイドローブピーク抽出部7がサイドローブピークを抽出すると、そのサイドローブピークに含まれている主要サイドローブピークの数を計数する。
そして、主要サイドローブピーク数評価部14は、主要サイドローブピークの数と主要サイドローブピーク数閾値設定部12により設定されたピーク数閾値(上記実施の形態2で示しているピーク数閾値と同じ値であってもよいが、そのピーク数閾値より小さい値を想定している)を比較し、主要サイドローブピークの数がピーク数閾値より少なければ、現時点で局所探索を適用中のアンテナ配置と全く異なる新たなアンテナ配置(例えば、アンテナ配置初期設定部1により新たに初期設定されたアンテナ配置)の修正を制御部11に指示する。
一方、主要サイドローブピークの数がピーク数閾値以上であれば、現時点で局所探索を適用中のアンテナ配置の修正処理の継続を制御部11に指示する。
制御部11は、主要サイドローブピーク数評価部14から局所探索を適用中のアンテナ配置と全く異なる新たなアンテナ配置の修正指示を受けると、局所探索を適用中のアンテナ配置の修正処理を中止して、アンテナ配置記憶部2から全く新たなアンテナ配置を入手し、そのアンテナ配置を局所探索に適用する旨をアンテナ配置修正部5に指示する。
これにより、アンテナ配置修正部5は、現時点で局所探索を適用中のアンテナ配置の修正処理を中止し、全く新たなアンテナ配置の修正処理を再開する。
制御部11は、主要サイドローブピーク数評価部14から局所探索を適用中のアンテナ配置の修正処理の継続指示を受けると、そのアンテナ配置の修正処理の継続をアンテナ配置修正部5に指示する。
これにより、アンテナ配置修正部5は、現時点で局所探索を適用中のアンテナ配置の修正処理を継続する。
この実施の形態3によれば、上記のように無駄な処理が省かれるため、サイドローブレベルが小さい良好なアンテナ配置を効率よく求めることができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 アンテナ配置初期設定部、2 アンテナ配置記憶部(アンテナ配置記憶手段)、3 アンテナパターン算出部(アンテナパターン算出手段)、4 アンテナ配置評価部(アンテナ配置評価手段)、5 アンテナ配置修正部(アンテナ配置修正手段)、6 低利得方向抽出部、7 サイドローブピーク抽出部(サイドローブピーク抽出手段)、8 低利得サイドローブピーク選択部(低利得方向出力手段)、9 アンテナ配置調整部(アンテナ配置調整手段)、10 アンテナ配置制約保持部、11 制御部(制御手段)、12 主要サイドローブピーク数閾値設定部(ピーク数閾値設定手段)、13,14 主要サイドローブピーク数評価部(ピーク数評価手段)。

Claims (4)

  1. 複数のアンテナから構成されている分散型レーダのアンテナ配置を記憶するアンテナ配置記憶手段と、想定される電波の到来方向毎に、上記アンテナ配置記憶手段に記憶されているアンテナ配置にしたがって上記分散型レーダの利得を算出して、電波の到来方向と利得の関係を示すアンテナパターンを算出するアンテナパターン算出手段と、上記アンテナパターン算出手段により算出されたアンテナパターンの中で最大のサイドローブを特定し、上記サイドローブのレベルから上記アンテナ配置の良否を評価するアンテナ配置評価手段と、上記アンテナ配置評価手段により上記アンテナ配置が良好であると評価された場合、上記アンテナ配置の一部を修正して、修正後のアンテナ配置を上記アンテナ配置記憶手段に記憶させるアンテナ配置修正手段と、上記アンテナパターン算出手段により算出されたアンテナパターンからサイドローブピークを抽出するサイドローブピーク抽出手段と、上記サイドローブピーク抽出手段により抽出されたサイドローブピークの中から、最大のサイドローブのレベルとの利得差が所定の閾値より小さい主要なサイドローブピーク以外で利得が高いサイドローブピークを選択し、そのサイドローブピークに対応する電波の到来方向を低利得方向として出力する低利得方向出力手段と、上記低利得方向出力手段から出力された低利得方向の利得が増加する方向に上記アンテナ配置を調整して、調整後のアンテナ配置を上記アンテナ配置記憶手段に記憶させるアンテナ配置調整手段とを備えたアンテナ配置算出装置。
  2. アンテナ配置の調整処理をアンテナ配置調整手段に実施させてから、アンテナ配置の修正処理をアンテナ配置修正手段に実施させる制御手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ配置算出装置。
  3. アンテナ配置記憶手段に記憶されているアンテナ配置のうち、アンテナ配置修正手段による修正処理後のアンテナ配置に対応するアンテナパターンにおける主要なサイドローブピークの数に応じてピーク数閾値を設定するピーク数閾値設定手段と、サイドローブピーク抽出手段により抽出されたサイドローブピークに含まれている主要なサイドローブピークの数を計数し、主要なサイドローブピークの数が上記ピーク数閾値設定手段により設定されたピーク数閾値より多い場合、アンテナ配置調整手段によるアンテナ配置の調整処理の中止を決定するピーク数評価手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ配置算出装置。
  4. 複数のアンテナから構成されている分散型レーダのアンテナ配置を記憶するアンテナ配置記憶手段と、想定される電波の到来方向毎に、上記アンテナ配置記憶手段に記憶されているアンテナ配置にしたがって上記分散型レーダの利得を算出して、電波の到来方向と利得の関係を示すアンテナパターンを算出するアンテナパターン算出手段と、上記アンテナパターン算出手段により算出されたアンテナパターンの中で最大のサイドローブを特定し、上記サイドローブのレベルから上記アンテナ配置の良否を評価するアンテナ配置評価手段と、上記アンテナ配置評価手段により上記アンテナ配置が良好であると評価された場合、上記アンテナ配置の一部を修正して、修正後のアンテナ配置を上記アンテナ配置記憶手段に記憶させるアンテナ配置修正手段と、上記アンテナ配置記憶手段に記憶されているアンテナ配置のうち、アンテナ配置修正手段による修正処理後のアンテナ配置に対応するアンテナパターンにおける主要なサイドローブピークの数に応じてピーク数閾値を設定するピーク数閾値設定手段と、上記アンテナパターン算出手段により算出されたアンテナパターンからサイドローブピークを抽出するサイドローブピーク抽出手段と、上記サイドローブピーク抽出手段により抽出されたサイドローブピークの中から、最大のサイドローブのレベルとの利得差が所定の閾値より小さい主要なサイドローブピークを特定し、主要なサイドローブピークの数が上記ピーク数閾値設定手段により設定されたピーク数閾値より少なければ、上記アンテナ配置と全く異なる新たなアンテナ配置の修正を上記アンテナ配置修正手段に指示するピーク数評価手段とを備えたアンテナ配置算出装置。
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