JP2013126304A - 避雷防止装置、及び避雷防止送電線システム - Google Patents
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Abstract
【課題】既設の1条鉄塔を改造することなく、簡易な方法で雷撃遮蔽率を向上させることができる避雷防止装置を提供する。
【解決手段】避雷防止装置2を架空地線1と交差するように設置し、且つ避雷防止装置2の両端部2aが送電線3と対向するように配置する。その結果、あたかも、送電線3と対向する位置に架空地線が存在するように働く。尚、避雷防止装置2の両端部2aは、遮蔽角度が0度以下になる位置まで延在するのが理想的であるが、遮蔽角度が可能な限り0度に近づけるようにするだけでも、雷撃遮蔽率を高めることができる。
【選択図】図1
【解決手段】避雷防止装置2を架空地線1と交差するように設置し、且つ避雷防止装置2の両端部2aが送電線3と対向するように配置する。その結果、あたかも、送電線3と対向する位置に架空地線が存在するように働く。尚、避雷防止装置2の両端部2aは、遮蔽角度が0度以下になる位置まで延在するのが理想的であるが、遮蔽角度が可能な限り0度に近づけるようにするだけでも、雷撃遮蔽率を高めることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、避雷防止装置、及び避雷防止送電線システムに関し、特に、1条の架空地線を備えた送電線に対して雷撃遮蔽率を向上させる避雷防止装置に関するものである。
送配電線には落雷事故から設備機器等を保護することを目的として架空地線が設けられている。雷事故として、送電鉄塔から電線へ落雷する逆閃絡と、電線に直接落雷する直撃雷がある。このため、雷事故対策として、避雷装置の取り付けが進められているが、架空地線が1条の鉄塔では直撃雷の完全な防護は困難であるため、停電事故を皆無にすることは不可能であった。
図5は、現在の標準的な鉄塔と2条鉄塔の雷撃遮蔽について説明する図である。図5(a)は標準的な鉄塔32であり、架空地線30が1条の場合を示す。架空地線30と送電線31とを結ぶ直線30aと架空地線30からの垂線30bとの成す角(遮蔽角)αが約35度となり、このときの雷撃遮蔽率は約90%となる。また、図5(b)の2条鉄塔34は重要度の高い線路(超高圧線路等)に採用され、架空地線33が2条設置されており、各架空地線33が送電線31の真上にある。従って、このときの遮蔽角は略0度であるため、約100%雷撃を遮蔽することができる。
従来技術として特許文献1には、1条の架空地線を備えた電力線路に関するもので、鉄塔に支持された上、中、下3相の電力線のうち、上相に放電耐量の大きい標準型の避雷碍子を取り付け、中相及び下相には放電耐量の小さい軽責務型の避雷碍子を取り付けた避雷碍子装置について開示されている。
図5は、現在の標準的な鉄塔と2条鉄塔の雷撃遮蔽について説明する図である。図5(a)は標準的な鉄塔32であり、架空地線30が1条の場合を示す。架空地線30と送電線31とを結ぶ直線30aと架空地線30からの垂線30bとの成す角(遮蔽角)αが約35度となり、このときの雷撃遮蔽率は約90%となる。また、図5(b)の2条鉄塔34は重要度の高い線路(超高圧線路等)に採用され、架空地線33が2条設置されており、各架空地線33が送電線31の真上にある。従って、このときの遮蔽角は略0度であるため、約100%雷撃を遮蔽することができる。
従来技術として特許文献1には、1条の架空地線を備えた電力線路に関するもので、鉄塔に支持された上、中、下3相の電力線のうち、上相に放電耐量の大きい標準型の避雷碍子を取り付け、中相及び下相には放電耐量の小さい軽責務型の避雷碍子を取り付けた避雷碍子装置について開示されている。
架空地線が1条の従来の標準的な鉄塔では、雷撃遮蔽率は約90%であり、2条鉄塔と比較して雷が直撃する可能性が高くなる。そこで、現状の1条鉄塔を全て2条鉄塔にすれば雷撃遮蔽率を向上させることができるが、莫大なコストと時間を要し、現実的でないといった問題がある。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、各相に放電耐量の異なる碍子を取り付ける必要があり、工事に時間を要するばかりでなく、設置コストが高くなるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、既設の1条鉄塔を改造することなく、簡易な方法で雷撃遮蔽率を向上させることができる避雷防止装置を提供することを目的とする。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、各相に放電耐量の異なる碍子を取り付ける必要があり、工事に時間を要するばかりでなく、設置コストが高くなるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、既設の1条鉄塔を改造することなく、簡易な方法で雷撃遮蔽率を向上させることができる避雷防止装置を提供することを目的とする。
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、鉄塔間に支持された架空地線に取り付けられて、該架空地線の下方に離間して配設された送電線への雷撃遮蔽率を向上させる避雷防止装置であって、前記架空地線に対して一端部を固定されることにより他端部を該架空地線と交差する横方向へ突出させた導体から成る遮蔽角度調整部材を備えたことを特徴とする。
架空地線は、その位置を移動することはできない。そのため、架空地線と電気的に接続された導体を送電線に近づける必要がある。そこで本発明では、架空地線に一端部を固定し、他端部を架空地線と交差する横方向に突出させた導体を設ける。これにより、架空地線が等価的に送電線に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
請求項2は、前記遮蔽角度調整部材の他端部と該他端部の下方に配置された前記送電線とを結ぶ直線と、該他端部から垂下した垂線とのなす遮蔽角度を減少させる方向に前記遮蔽角度調整部材の他端部を延在するように構成したことを特徴とする。
遮蔽角度は、架空地線と送電線とを結ぶ直線と架空地線から垂下した垂線とのなす角度である。この角度が小さいほど、送電線への雷撃率を低下させることができる。そこで本発明では、遮蔽角度が減少する方向(即ち、遮蔽角度調整部材を送電線に近づける方向)に他端部を延在させる。これにより、架空地線が等価的に送電線に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
架空地線は、その位置を移動することはできない。そのため、架空地線と電気的に接続された導体を送電線に近づける必要がある。そこで本発明では、架空地線に一端部を固定し、他端部を架空地線と交差する横方向に突出させた導体を設ける。これにより、架空地線が等価的に送電線に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
請求項2は、前記遮蔽角度調整部材の他端部と該他端部の下方に配置された前記送電線とを結ぶ直線と、該他端部から垂下した垂線とのなす遮蔽角度を減少させる方向に前記遮蔽角度調整部材の他端部を延在するように構成したことを特徴とする。
遮蔽角度は、架空地線と送電線とを結ぶ直線と架空地線から垂下した垂線とのなす角度である。この角度が小さいほど、送電線への雷撃率を低下させることができる。そこで本発明では、遮蔽角度が減少する方向(即ち、遮蔽角度調整部材を送電線に近づける方向)に他端部を延在させる。これにより、架空地線が等価的に送電線に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
請求項3は、複数の前記遮蔽角度調整部材の一端部同士を連結一体化したことを特徴とする。
遮蔽角度調整部材の最も単純な構成は、架空地線から1本の導体を突出させることである。しかし、この構成の場合、避雷範囲が限定されてしまう。そこで本発明では、遮蔽角度調整部材の一端部同士を連結一体化して、例えば、放射状に構成したりする。これにより、避雷範囲を面的に捉えて拡張することができる。
請求項4は、前記遮蔽角度調整部材は、中空構造の導電性部材により構成されていることを特徴とする。
遮蔽角度調整部材は、架空地線に取り付けるため、軽量で風圧に耐えうる構造が好ましい。そこで本発明では、遮蔽角度調整部材の内部を中空にすることにより、軽量で且つ強固な構造を実現することができる。
遮蔽角度調整部材の最も単純な構成は、架空地線から1本の導体を突出させることである。しかし、この構成の場合、避雷範囲が限定されてしまう。そこで本発明では、遮蔽角度調整部材の一端部同士を連結一体化して、例えば、放射状に構成したりする。これにより、避雷範囲を面的に捉えて拡張することができる。
請求項4は、前記遮蔽角度調整部材は、中空構造の導電性部材により構成されていることを特徴とする。
遮蔽角度調整部材は、架空地線に取り付けるため、軽量で風圧に耐えうる構造が好ましい。そこで本発明では、遮蔽角度調整部材の内部を中空にすることにより、軽量で且つ強固な構造を実現することができる。
請求項5は、前記遮蔽角度調整部材は、カーボングラスファイバーにより構成されていることを特徴とする。
カーボングラスファイバーは導電性でありながら、軽量であるため、架空地線で支える重量を軽くすることができる。また、金属でないため、塩害による腐食に対しても耐久性を高くすることができる。
請求項6は、前記遮蔽角度調整部材は、メッシュ状の導電性部材により構成されていることを特徴とする。
遮蔽角度調整部材をメッシュ状にすることにより、風圧を低減しつつ表面積を増やして雷撃遮蔽率を更に高めることができる。
カーボングラスファイバーは導電性でありながら、軽量であるため、架空地線で支える重量を軽くすることができる。また、金属でないため、塩害による腐食に対しても耐久性を高くすることができる。
請求項6は、前記遮蔽角度調整部材は、メッシュ状の導電性部材により構成されていることを特徴とする。
遮蔽角度調整部材をメッシュ状にすることにより、風圧を低減しつつ表面積を増やして雷撃遮蔽率を更に高めることができる。
請求項7は、請求項1乃至6の何れか一項の避雷防止装置を前記架空地線に所定の間隔で配置したことを特徴とする。
避雷防止装置は、架空地線に設置するため、鉄塔の間隔に応じて所定の距離で複数設置するのが効果的である。逆に言うと、避雷防止装置の数が多いほど効果が高くなる。しかし、コストとの兼ね合いで数を限定する必要があり、また、避雷防止装置を架空地線に取り付けることにより架空地線に掛かる重力の負荷が大きくなり、その結果、風圧による影響も大きくなる。従って、以上のことを総合的に勘案して数が決定される。このように、避雷防止装置を広範囲に鉄塔に設置することにより、雷撃遮蔽率が高い避雷防止送電線システムを構築することができる。
避雷防止装置は、架空地線に設置するため、鉄塔の間隔に応じて所定の距離で複数設置するのが効果的である。逆に言うと、避雷防止装置の数が多いほど効果が高くなる。しかし、コストとの兼ね合いで数を限定する必要があり、また、避雷防止装置を架空地線に取り付けることにより架空地線に掛かる重力の負荷が大きくなり、その結果、風圧による影響も大きくなる。従って、以上のことを総合的に勘案して数が決定される。このように、避雷防止装置を広範囲に鉄塔に設置することにより、雷撃遮蔽率が高い避雷防止送電線システムを構築することができる。
本発明によれば、架空地線に一端部を固定し、他端部を架空地線と交差する横方向に突出させた導体を設けるので、架空地線が等価的に送電線に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
また、遮蔽角度が減少する方向(即ち、遮蔽角度調整部材を送電線に近づける方向)に遮蔽角度調整部材の他端部を延在させるので、架空地線が等価的に送電線に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
また、遮蔽角度調整部材の一端部同士を連結一体化して、例えば、放射状に構成することにより、避雷範囲を面的に捉えて拡張することができる。
また、遮蔽角度調整部材の内部を中空にするので、軽量で且つ強固な構造を実現することができる。
また、カーボングラスファイバーは導電性でありながら、軽量であるため、架空地線で支える重量を軽くすることができる。また、金属でないため、塩害による腐食に対しても耐久性を高くすることができる。
また、遮蔽角度調整部材をメッシュ状にすることにより、風圧を低減しつつ表面積を増やして雷撃遮蔽率を更に高めることができる。
また、避雷防止装置を広範囲に鉄塔に設置することにより、雷撃遮蔽率が高い避雷防止送電線システムを構築することができる。
また、遮蔽角度が減少する方向(即ち、遮蔽角度調整部材を送電線に近づける方向)に遮蔽角度調整部材の他端部を延在させるので、架空地線が等価的に送電線に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
また、遮蔽角度調整部材の一端部同士を連結一体化して、例えば、放射状に構成することにより、避雷範囲を面的に捉えて拡張することができる。
また、遮蔽角度調整部材の内部を中空にするので、軽量で且つ強固な構造を実現することができる。
また、カーボングラスファイバーは導電性でありながら、軽量であるため、架空地線で支える重量を軽くすることができる。また、金属でないため、塩害による腐食に対しても耐久性を高くすることができる。
また、遮蔽角度調整部材をメッシュ状にすることにより、風圧を低減しつつ表面積を増やして雷撃遮蔽率を更に高めることができる。
また、避雷防止装置を広範囲に鉄塔に設置することにより、雷撃遮蔽率が高い避雷防止送電線システムを構築することができる。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明に係る避雷防止装置を標準的な1条鉄塔に設置した場合の図である。図1(a)は鉄塔の全体図であり、図1(b)は図1(a)の鉄塔を上から見た図である。
図1(a)に示すように、鉄塔間に支持された架空地線1に取り付けられて、この架空地線1の下方に離間して配設された送電線3への雷撃遮蔽率を向上させる避雷防止装置2であって、架空地線1に対して一端部を固定されることにより他端部を架空地線1と交差する横方向へ突出させた導体13から成る遮蔽角度調整部材を備えた(詳細は図2参照)。
即ち、避雷防止装置2を架空地線1と交差するように設置し、且つ避雷防止装置2の両端部2aが送電線3と対向するように配置する。その結果、あたかも、送電線3と対向する位置に架空地線が存在するように働く。尚、避雷防止装置2の両端部2aは、遮蔽角度が0度以下になる位置まで延在するのが理想的であるが、遮蔽角度が可能な限り0度に近づけるようにするだけでも、雷撃遮蔽率を高めることができる。
図1(a)に示すように、鉄塔間に支持された架空地線1に取り付けられて、この架空地線1の下方に離間して配設された送電線3への雷撃遮蔽率を向上させる避雷防止装置2であって、架空地線1に対して一端部を固定されることにより他端部を架空地線1と交差する横方向へ突出させた導体13から成る遮蔽角度調整部材を備えた(詳細は図2参照)。
即ち、避雷防止装置2を架空地線1と交差するように設置し、且つ避雷防止装置2の両端部2aが送電線3と対向するように配置する。その結果、あたかも、送電線3と対向する位置に架空地線が存在するように働く。尚、避雷防止装置2の両端部2aは、遮蔽角度が0度以下になる位置まで延在するのが理想的であるが、遮蔽角度が可能な限り0度に近づけるようにするだけでも、雷撃遮蔽率を高めることができる。
また、図1(b)のように、避雷防止装置2は、架空地線1に設置するため、鉄塔4の間隔に応じて所定の距離で複数設置するのが効果的である。逆に言うと、避雷防止装置2の数が多いほど効果が高くなる。しかし、コストとの兼ね合いで数を限定する必要があり、また、避雷防止装置2を架空地線1に取り付けることにより架空地線1に掛かる重力の負荷が大きくなり、その結果、風圧による影響も大きくなる。従って、以上のことを総合的に勘案して数が決定される。このように、避雷防止装置2を広範囲に鉄塔4に設置することにより、雷撃遮蔽率が高い避雷防止送電線システムを構築することができる。
架空地線1は、その位置を移動することはできない。そのため、架空地線1と電気的に接続された導体を送電線3に近づける必要がある。そこで本実施形態では、架空地線1に一端部を固定し、他端部を架空地線1と交差する横方向に突出させた導体を設ける。これにより、架空地線1が等価的に送電線3に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
また、遮蔽角度は、架空地線1と送電線3とを結ぶ直線と架空地線1から垂下した垂線とのなす角度である。この角度が小さいほど、送電線3への雷撃率を低下させることができる。そこで本実施形態では、遮蔽角度が減少する方向(即ち、遮蔽角度調整部材を送電線に近づける方向)に他端部2aを延在させる。これにより、架空地線1が等価的に送電線3に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
架空地線1は、その位置を移動することはできない。そのため、架空地線1と電気的に接続された導体を送電線3に近づける必要がある。そこで本実施形態では、架空地線1に一端部を固定し、他端部を架空地線1と交差する横方向に突出させた導体を設ける。これにより、架空地線1が等価的に送電線3に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
また、遮蔽角度は、架空地線1と送電線3とを結ぶ直線と架空地線1から垂下した垂線とのなす角度である。この角度が小さいほど、送電線3への雷撃率を低下させることができる。そこで本実施形態では、遮蔽角度が減少する方向(即ち、遮蔽角度調整部材を送電線に近づける方向)に他端部2aを延在させる。これにより、架空地線1が等価的に送電線3に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
図2は本発明の第1の実施形態に係る避雷防止装置を説明する図である。図2(a)は、架空地線1に取り付けて、架空地線1と送電線3との成す遮蔽角度を減少させる避雷防止装置であって、可動自在に軸12により軸支された半円状の2つの固定片10、2つの固定片10を締め付けるボルト11、及びボルト11により支持された支柱14を備え、2つの固定片10により架空地線1を狭持してボルト11により固定する接続クランプ16と、支柱14に取り付けられ、架空地線1と交差するように配設された避雷バー13と、を備え、避雷バー13は、送電線1との成す遮蔽角度が少なくともゼロ度となるように避雷バー(遮蔽角度調整部材)13の両端部が送電線3と対向するように延在させる。尚、本実施形態に係る避雷バー13は、中空構造の導電性部材により構成されている。また、移動時に折りたためるように、支柱14の軸15で軸支されている。また、本実施形態では、避雷バー13を両方向に突出させているが、片方向だけでも構わない。
また、避雷バー13は、架空地線1に取り付けるため、軽量で風圧に耐えうる構造が好ましい。そこで本実施形態では、避雷バー13の内部を中空にすることにより、軽量で且つ強固な構造を実現することができる。
また、図2(b)に示すように、避雷バー13は、カーボングラスファイバーにより構成されている。カーボングラスファイバーは導電性でありながら、軽量であるため、架空地線1で支える重量を軽くすることができる。また、金属でないため、塩害による腐食に対しても耐久性が高くなっている。また、図示は省略するが、避雷バー13は、メッシュ状の導電性部材により構成しても構わない。避雷バー13をメッシュ状にすることにより、風圧を低減しつつ表面積を増やして雷撃遮蔽率を更に高めることができる。
また、図2(b)に示すように、避雷バー13は、カーボングラスファイバーにより構成されている。カーボングラスファイバーは導電性でありながら、軽量であるため、架空地線1で支える重量を軽くすることができる。また、金属でないため、塩害による腐食に対しても耐久性が高くなっている。また、図示は省略するが、避雷バー13は、メッシュ状の導電性部材により構成しても構わない。避雷バー13をメッシュ状にすることにより、風圧を低減しつつ表面積を増やして雷撃遮蔽率を更に高めることができる。
図3は本発明の第2の実施形態に係る避雷防止装置を説明する図である。図3(a)は側面図であり、図3(b)は上面図である。本実施形態の避雷バー13を接続クランプ16に放射状に配設した。即ち、図3(b)より明らかなとおり、接続クランプ16の中央に架空地線1があり、それぞれ90度の角度で4本の避雷バー13a、13b、13c、13dが放射状に伸びている。この構成により、図2に示す1本の避雷バーよりも、カバーする範囲が広くなり、更に雷撃遮蔽率を高めることができる。尚、本実施形態では、避雷バー13を4本としたが、これより多くしても構わない。また、各避雷バー間の角度を90度としたが、この角度に限定する必要はない。
図4は本発明の第3の実施形態に係る避雷防止装置を説明する図である。図4(a)は、避雷バーが1本の場合の図であり、図4(b)は避雷バーが2本の場合の図である。図4(a)から説明すると、本実施形態では、避雷バー21を接続クランプ16の上方に垂直に配設した。その避雷バー21の端部Aから送電線3に伸ばした直線と、避雷バー21の端部Aからの垂線との成す角をβとし、架空地線1の中心Pからの垂線と中心Pと送電線3とを結ぶ直線との成す角をαとすると、必ずα>βとなり、この角度は遮蔽角度であり、図1で説明したとおり、遮蔽角度が小さいほど雷撃遮蔽率を高めることができる。従って、架空地線1を送電線3の上方へなるべく離すことが重要であるが、その分、架空地線1を支える鉄塔を高くしなければならず、コストが上昇してしまう。そこで、架空地線1と電気的に接続した避雷バー21を架空地線1に対して上方に垂直に配置して、等価的に架空地線1が送電線3の上方へ離れるようにして、遮蔽角度を小さくするものである。尚、架空地線1の重量バランスを取るために、避雷バー21と略同じ重量のバランスウエイト20を下部に備える。これにより、風圧等で避雷バー21が揺動するのを抑制することができる。
図4(b)は、接続クランプ16から、上方に2本の避雷バー21a、21bが伸びており、避雷バー21bの先端Bからの垂線と先端Bと送電線3とを結ぶ直線との成す角βは、架空地線1の中点と送電線3とを結ぶ直線と避雷バー21bの先端Bからの垂線との成す角αより小さくなる。この角度は遮蔽角度であり、図1で説明したとおり、遮蔽角度が小さいほど雷撃遮蔽率を高めることができる。また、本実施形態では、避雷バーが2本のため、夫々の送電線に対して雷撃遮蔽率を高めることができる。尚、架空地線1の重量バランスを取るために、避雷バー21a、21bと略同じ重量のバランスウエイト20を下部に備える。これにより、風圧等で避雷バー21a、21bが揺動するのを抑制することができる。
以上に説明したとおり、本発明によれば、架空地線1に一端部を固定し、他端部を架空地線1と交差する横方向に突出させた導体を設けるので、架空地線1が等価的に送電線3に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
また、遮蔽角度が減少する方向(即ち、避雷バー13を送電線3に近づける方向)に避雷バー13の他端部を延在させるので、架空地線1が等価的に送電線3に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
また、避雷バー13の一端部同士を連結一体化して、例えば、放射状に構成することにより、避雷範囲を面的に捉えて拡張することができる。
また、避雷バー13の内部を中空にするので、軽量で且つ強固な構造を実現することができる。
また、カーボングラスファイバーは導電性でありながら、軽量であるため、架空地線1で支える重量を軽くすることができる。また、金属でないため、塩害による腐食に対しても耐久性を高くすることができる。
また、避雷バー13をメッシュ状にすることにより、風圧を低減しつつ表面積を増やして雷撃遮蔽率を更に高めることができる。
また、避雷防止装置2を広範囲に鉄塔4に設置することにより、雷撃遮蔽率が高い避雷防止送電線システムを構築することができる。
また、遮蔽角度が減少する方向(即ち、避雷バー13を送電線3に近づける方向)に避雷バー13の他端部を延在させるので、架空地線1が等価的に送電線3に近づいたことになり、その結果、遮蔽角度を小さくして雷撃遮蔽率を向上させることができる。
また、避雷バー13の一端部同士を連結一体化して、例えば、放射状に構成することにより、避雷範囲を面的に捉えて拡張することができる。
また、避雷バー13の内部を中空にするので、軽量で且つ強固な構造を実現することができる。
また、カーボングラスファイバーは導電性でありながら、軽量であるため、架空地線1で支える重量を軽くすることができる。また、金属でないため、塩害による腐食に対しても耐久性を高くすることができる。
また、避雷バー13をメッシュ状にすることにより、風圧を低減しつつ表面積を増やして雷撃遮蔽率を更に高めることができる。
また、避雷防止装置2を広範囲に鉄塔4に設置することにより、雷撃遮蔽率が高い避雷防止送電線システムを構築することができる。
1 架空地線、2 避雷防止装置、3 送電線、4 鉄塔、5 落雷、10 固定片、11 ボルト、12 軸、13 避雷バー、14 支柱、15 軸、16 接続クランプ
Claims (7)
- 鉄塔間に支持された架空地線に取り付けられて、該架空地線の下方に離間して配設された送電線への雷撃遮蔽率を向上させる避雷防止装置であって、
前記架空地線に対して一端部を固定されることにより他端部を該架空地線と交差する横方向へ突出させた導体から成る遮蔽角度調整部材を備えたことを特徴とする避雷防止装置。 - 前記遮蔽角度調整部材の他端部と該他端部の下方に配置された前記送電線とを結ぶ直線と、該他端部から垂下した垂線とのなす遮蔽角度を減少させる方向に前記遮蔽角度調整部材の他端部を延在するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の避雷防止装置。
- 複数の前記遮蔽角度調整部材の一端部同士を連結一体化したことを特徴とする請求項1に記載の避雷防止装置。
- 前記遮蔽角度調整部材は、中空構造の導電性部材により構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の避雷防止装置。
- 前記遮蔽角度調整部材は、カーボングラスファイバーにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の避雷防止装置。
- 前記遮蔽角度調整部材は、メッシュ状の導電性部材により構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の避雷防止装置。
- 請求項1乃至6の何れか一項の避雷防止装置を前記架空地線に所定の間隔で配置したことを特徴とする避雷防止送電線システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011273813A JP2013126304A (ja) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | 避雷防止装置、及び避雷防止送電線システム |
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JP2011273813A JP2013126304A (ja) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | 避雷防止装置、及び避雷防止送電線システム |
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ID=48777255
Family Applications (1)
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JP2011273813A Pending JP2013126304A (ja) | 2011-12-14 | 2011-12-14 | 避雷防止装置、及び避雷防止送電線システム |
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JP (1) | JP2013126304A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103488815A (zh) * | 2013-08-26 | 2014-01-01 | 国家电网公司 | 一种输电线路雷电绕击风险评估方法 |
CN105740516A (zh) * | 2016-01-25 | 2016-07-06 | 中国电力工程顾问集团西南电力设计院有限公司 | 一种输电线路电气绝缘可靠度的确定方法 |
JP2021064594A (ja) * | 2019-10-10 | 2021-04-22 | 正弘 五十嵐 | 避雷装置 |
-
2011
- 2011-12-14 JP JP2011273813A patent/JP2013126304A/ja active Pending
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CN103488815A (zh) * | 2013-08-26 | 2014-01-01 | 国家电网公司 | 一种输电线路雷电绕击风险评估方法 |
CN105740516A (zh) * | 2016-01-25 | 2016-07-06 | 中国电力工程顾问集团西南电力设计院有限公司 | 一种输电线路电气绝缘可靠度的确定方法 |
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