JP2013124096A - 並進ケーブル装置のシール - Google Patents
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Abstract
【課題】スラットを(離着陸態勢の)高揚力形態のために展開した時に、電気的な除氷システムの並進ケーブル装置のストラットを収容する固定前縁の開口部が空力抵抗及び望ましくない流れの外乱を引き起こさないように、シールするシールアセンブリを提供する。
【解決手段】航空機翼アセンブリであって、固定前縁7を有する翼2と、前記固定前縁に対して後退位置及び伸張位置間で移動するように取り付けられているスラット6と、該スラットを前記翼に電気的に接続するとともに、一端が前記スラットに連結されているストラット12を有する並進ケーブル装置9とを備え、前記固定前縁は、前記ストラットを収容する開口部15を備え、前記ストラットと前記開口部との間をシールするシールアセンブリを設ける。
【選択図】図3
【解決手段】航空機翼アセンブリであって、固定前縁7を有する翼2と、前記固定前縁に対して後退位置及び伸張位置間で移動するように取り付けられているスラット6と、該スラットを前記翼に電気的に接続するとともに、一端が前記スラットに連結されているストラット12を有する並進ケーブル装置9とを備え、前記固定前縁は、前記ストラットを収容する開口部15を備え、前記ストラットと前記開口部との間をシールするシールアセンブリを設ける。
【選択図】図3
Description
本発明は、前縁スラットを有する航空機翼アセンブリに関し、特に、スラットを翼に電気的に接続する並進ケーブル装置(device:機構)に関する。
航空機の前縁構造体の防徐氷は従来的に、抽気を用いることによって、大型の民間固定翼機に行われている。より最近では、電気的な除氷システムを、その効率がより高いという理由から、組み入れる動向が見られる。民間固定翼機の、防除氷を特に必要とするエリアは、移動可能な前縁スラット構造体である。
国際公開第2006/027624号が、航空機翼の固定エーロフォイル部品とこの部品に取り付けられている伸張可能な前縁スラットとの間の連結手段(services)のための連結機構(arrangement)を記載している。この連結機構は、固定エーロフォイル構造体に接続するハウジングと、後退位置及び伸張位置間で伸張可能な中空の伸縮アセンブリとを備える。手段を担持する導管機構が、固定エーロフォイル部品と前縁スラットとの間の電力ケーブル等の手段を担持しており、中空の伸縮アセンブリに延びている。手段を担持する導管機構は可撓性であり、その余長部分は、伸縮アセンブリが後退位置にある場合はハウジング内に位置付けられている。伸縮アセンブリは一端がスラットに連結されており、したがって、スラットが移動する際に固定エーロフォイル部品に対して移動する。固定エーロフォイル部品は伸縮アセンブリを収容する開口部を有する。開口部は、スラットが移動する際に垂直平面内での伸縮アセンブリの回転を可能にするように細長い。
固定前縁構造体の開口部は、スラットが後退している場合はスラットによって覆われているが、スラットが(離着陸態勢の)高揚力形態のために展開すると対向気流に直面する。開口部は、高揚力形態では翼にかかる空力抵抗及び望ましくない流れの外乱を引き起こす。
本発明は、航空機翼アセンブリであって、固定前縁を有する翼と、前記固定前縁に対して後退位置及び伸張位置間で移動するように取り付けられているスラットと、該スラットを前記翼に電気的に接続するとともに、一端が前記スラットに連結されているストラットを有する並進ケーブル装置とを備え、前記固定前縁は、前記ストラットを収容する開口部と、前記ストラットと前記開口部との間をシールするシールアセンブリとを有する、航空機翼アセンブリを提供する。
前記シールアセンブリは、前記開口部に隣接して固定されている第1のシールと、前記並進ケーブル装置の前記ストラットに固定されている第2のシールとを備えることができる。
前記第1のシール及び前記第2のシールは、前記スラットが1つ又は複数の所定の位置へ移動すると協働することが好ましい。それぞれの異なるスラット位置において第1のシールとそれぞれ協働する複数の第2のシールを設けることができる。
前記並進ケーブル装置は、前記翼に取り付けられている近位端、及び前記スラットに連結されている遠位端を有することができる。
前記シールアセンブリは、前記固定前縁に取り付けられているとともに前記開口部に突出しているフラップシール(第1のシール)を備えることができる。
前記フラップシールは、隣接するセクション間に間隙を有する複数のフラップシールセクションを含むことができる。
前記フラップシールは、前記固定前縁の、前記開口部を実質的に囲む部分に取り付けることができる。
前記フラップシールは、前記開口部の縁に隣接する前記固定前縁を画定しているパネルの内面に取り付けられている第1の部分と、前記開口部内の、前記パネルの外面と実質的に同一平面にある第2の部分とを含むことができる。
前記フラップシールは中央のカットアウトを有することができる。
前記並進ケーブル装置は関節運動機構(例えば、国際公開第2009/130473号に記載されている)又は伸縮機構(例えば、米国特許出願公開第2010/0327111号に記載されている)を含むことができる。
前記関節運動機構は、前記翼に旋回可能に取り付けられた第1のストラットと、該第1のストラットに旋回可能に接続された近位端、及び前記スラットに連結されている遠位端を有する第2のストラットとを含むことができる。
前記第2のストラットは湾曲しているものとすることができる。
前記シールアセンブリは、前記ストラットの、前記スラットに連結されている端から、遠隔した場所に固定されているプラグシール(第2のシール)を備えることができる。
前記プラグシールは、前記スラットが完全に伸張すると、前記固定前縁の前記開口部に入るように、また、前記スラットが後退すると、前記開口部から前記翼に引っ込むように構成することができる。
前記シールアセンブリは、前記並進ケーブル装置と前記スラットとの間の前記連結部を覆うシールブーツ(第2のシール)を含むことができる。シールブーツは、シールアセンブリの第1のシール(フラップシール等)と協働するだけでなく、連結部が開口部を通る際の連結部の例えばボルト等の突き出ている要素からの、第1のシールに対する損傷を防止する保護カバーとして働くことができる。
前記並進ケーブル装置は前記スラットの移動によって受動的に駆動することができる。
前記航空機翼アセンブリは、前記スラットを該スラットの伸張位置及び後退位置間で駆動するスラット作動機構を更に備えることができる。
ここで、本発明の実施形態を添付の図面を参照して説明する。
図1は、胴体1と、翼2と、翼下搭載エンジン3と、水平スタビライザー表面4及び垂直スタビライザー表面5とを有する従来タイプの民間固定翼機を示す。しかしながら、本発明は、翼2が、移動可能な前縁スラット6を有していれば、特定タイプの航空機又は航空機構造に限定されない。
したがって、本発明は、多様な場所(例えば胴体、尾翼、翼上、翼下)に搭載されている多様な種々の動力設備(例えばジェット、ターボプロップ等)と、翼構造(例えば、高翼、低翼、混合翼ボディ等)と、翼平面形(例えば、前進翼、非後退翼(unswept)、後退翼等)と、尾翼面、カナード等を含む多様なスタビライザー表面とを有する広範の民間・軍事航空機に適用可能である。
図2は、固定前縁7を有する翼2と、固定前縁7に対して完全に後退しているとともに収納されているスラット6のうちの1つのスラットとを示す翼前縁領域の部分切欠図を示す。スラットは、スラット作動機構によって後退位置及び複数の伸張位置(離陸態勢位置と着陸態勢位置とを含む)間で移動可能である。この実施形態では、スラット作動機構は従来タイプのスラットトラック8を備える。したがって、スラットトラックとスラット作動機構の他の構成部材との詳細な説明はここでは繰り返さない。当然のことながら、スラットは多様な種々のスラット作動機構によって移動することができること、また、本発明は任意の特定タイプのスラット作動機構に限定されないことが理解されるであろう。スラット6は、固定前縁7に対して並進移動可能である。
図2にはまた、スラット6を翼2に電気的に接続する並進ケーブル装置9が示されている。並進ケーブル装置9は、関節運動タイプのものであり、ブラケット11によって固定翼構造体(例えばリブ(図示せず))に旋回可能に取り付けられた第1のストラット10と、第1のストラット10に旋回可能に接続された近位端13、及び例えば回転ジョイントである連結部21によってスラット6に連結されている遠位端14(図5に示す)を有する第2のストラット12とを備える。
並進ケーブル装置9はスラット6の移動によって受動的に駆動される。第2のストラット12は、ケーブル(ケーブル束、単一のケーブル又は複数の個々のケーブルであってもよい)を担持する中空管状構造を有する。ケーブルは、スラット6の後部に取り付けられているケーブルコネクター(図示せず)に連結され、中空管状の第2のストラット12により、第1のストラット10及び第2のストラット12を接続するピボットジョイントの回りにルーティングされ、かつ、その他の端において翼前縁構造体内の配線経路(図示せず)に連結される。図2のアセンブリ図には、翼側の(接続されていない)ケーブル端114が見える。
関節運動式並進ケーブル装置9によるケーブルのルーティングは、国際公開第2009/130473号(その内容は参照によって本明細書に援用される)に記載されているようなケーブルルーターによるものとすることができる。ケーブルルーターは、ピボットに隣接するケーブルを拘束するとともに、ケーブルの移動を関節運動機構9のそれぞれの隣接するストラット10、12と合わせる(key)ために、ピボット軸に隣接するケーブルプロテクターを備える。これは、機構が旋回する際のケーブルプロテクターとケーブルとの間の相対移動を最小限に抑えるのに役立ち、したがってケーブルのフレッティングを低減させる。
スラット6が、翼の固定前縁7に対するストラット6の伸張位置及び後退位置間で移動する際、スラット6に連結されている第2のストラット12が移動して並進ケーブル装置9の関節運動を引き起こす。
図3から分かるように、固定前縁はストラット12を収容する開口部15を有する。この開口部15は、図2に示されているようにスラット6が後退するとスラット6によって覆われ、翼にかかる気流に晒されることはない。スラット6は、航空機が高速巡航状態にある場合にスラット6と固定前縁7との間をシールする高速用バルブシール16を有する。バルブシール16はシール状態では開口部15の上縁の真上に配置される。したがって、高速用シール16は、翼の回りの、高圧領域から低圧領域にかけて起こる空気漏洩を防止する。図3に示されているようにスラット6がその着陸態勢位置(スラット6は完全に伸張する)に展開すると、開口部15は、翼にかかる気流に晒されることになり、シールされていなければ、翼の上面にかかる空力抵抗、ノイズ及び望ましくない流れの外乱の要因となるであろう。
開口部15をシールするために、複数の個別のシール要素を備えるシールアセンブリが設けられており、このシールアセンブリはここで詳細に説明する。
図4は、開口部15に隣接して固定されているフラップシール17(「第1のシール」)を示す。フラップシール17は、複数のフラップシール部分を含み、図4及び図5に記載されている実施形態では、2つの上側フラップシール部分17a、17bと、2つの下側フラップシール部分17c及び17dとを含む4つのフラップシール部分を含む。フラップシール部分17a〜17dは、固定前縁外形を画定しているD字状ノーズパネル18の内面に個々に固定されている個別のシール要素である。フラップシール部分17a〜17dは、各隣接するフラップシールセクション17a〜17d間にクリアランス間隙19を設けるように配置されている。
フラップシール17は、概ね楕円形の開口部15の実質的に全周(間隙19は除く)を囲む取付け部分17eを含む段状構造を有し、取付け部分17eは、D字状ノーズパネル18の裏面に固定されている。フラップシール17は、開口部15に突出している自由部分17fを更に含む。自由部分17fは、D字状ノーズパネル18の外面と実質的に同一平面に配置されている。最後に、フラップシール17は、開口部15の周縁のD字状ノーズパネル18の肉厚にわたる、自由部分17fを取付け部分17eに接続する中間部分17gを含む。
フラップシールの自由部分17fは、並進ケーブル装置9のストラット12が、スラット6の移動によって受動的に駆動されるストラット12の伸張位置及び後退位置間で移動する際に、撓むように構成されている。フラップシール17を、隣接する部分間に間隙19を有する複数の個別のフラップシール部分17a〜17dとして設けることによって、フラップシールの自由部分17fは、ストラット12が開口部15を通る際に自由部分17fが撓む自由度がより高いものとなることが可能となる。フラップシール部分17a〜17dは、概ね楕円形の開口部15のそれぞれの四分円をシールするように構成されているが、上側シールセクション17a、17bが下側シールセクション17c、17dよりも大きい。
フラップシール17は更に、フラップシール17内の概ね中心に位置付けられているカットアウト20を画定している。カットアウト20は、ストラット12の外径よりも大きいが、ストラット12の遠位端14をスラット6に接続するのに用いられる連結部21の最大「直径」よりも小さいサイズになっている。図4及び図5に示されているように、連結部21は、スラット6が巡航状態のために後退している場合、フラップシール17の前後両側に延びている。
スラット6がその部分的に伸張した離陸態勢位置へ移動すると、スラット後縁22が、固定前縁7を画定しているD字状ノーズパネル18の外面と接触したままとなる。したがって、フラップシール17が翼面にかかる対向気流に晒されることはない。しかしながら、フラップシール17は、部分的に伸張したスラット6の背後の奥まった領域に晒され、そのため、開口部15を通る過剰な気流(翼の、固定前縁7の真後ろの内側を通る、概ね翼幅方向の(spanwise)横断流を生じさせる可能性がある)を防止するように十分なシールを行う必要がある。
図3に示されているようにスラット6がその完全に伸張した着陸態勢位置へ移動すると、開口部15、したがって、フラップシール17は翼にかかる気流に晒されることになり、そのため、シールアセンブリが、並進ケーブル装置9のストラット12に固定されている「第2のシール」を備えることによって、第1のシール及び第2のシールが協働して、向上したシール効果を提供する。第2のシールは、図6及び図7に最もよく示されているプラグシール23である。
プラグシール23は、スラットが完全に(すなわち、その着陸態勢位置に)伸張すると、固定前縁を画定しているD字状ノーズパネル18の開口部15に入るように、また、スラットが後退すると、開口部15からD字状ノーズパネル18の背後の翼前縁領域に引っ込むように構成されている。プラグシール23は、管状のストラット12の近位端13に固定するスリーブとして概ね形成されている取付け部分23aを含む。プラグシール23は、楕円形の開口部15の形状に概ね対応する形状になっているが開口部15の縁よりも小さいサイズになっている概ね楕円形のシール面23bを更に含む。シール面23bは、ストラット12の長手方向軸に対して斜角に設定されており、スリーブセクション23aと一体となるように円錐形部23cによって支持されている。プラグシール23はフラップシール17と比べて概ね剛性である。プラグシール23は、概ね中実であるものとすることができるか、又は代替的に軽量化のために内隙を含むことができる。
図7から最もよく分かるように、スラット6がその完全に伸張した(着陸態勢)位置へ移動すると、並進ケーブル装置9が完全に伸張することになるため、プラグシール23が開口部15に入る。明確にするために、フラップシール17は、図7の開口部15の周囲から除かれていることに留意されたい。シール面23bは、改善されたシール効果を提供するためにフラップシール17の自由部分17fの内面に接触する。特に、プラグシール23は、フラップシールの四分円17a〜17d間の間隙19をシールするために、また、フラップシール17のカットアウト20を塞ぐために、対向気流に起因する、フラップシールの四分円17a〜17dの内方へのいかなる著しい撓みも防止する効果を有する。このようにして、フラップシール17及びプラグシール23は、スラット6がその着陸態勢位置に完全に展開すると固定前縁7の開口部15を実質的に空気力学的にシールするように、優れたシール効果を提供する。
図5に戻って参照すると、ストラット12の遠位端14とスラット6との間の連結部21は、スラット6が完全に後退するとフラップシール17の前後両側に延び、露出したボルト等のような、幾つかの比較的鋭利な、突き出ている面を含む。したがって、シールアセンブリは、図8に示されているシールブーツ24の形態の更なるシール要素を備える。シールブーツ24は別の「第2のシール」であるとみなされるが、その理由は、シールブーツ24が、フラップシール17を保護するために連結部21を覆う保護カバーを提供することに加えて、スラット6がその完全に後退した(巡航態勢)位置にある場合に、改善されたシール効果を提供するためにフラップシール17と協働するように配置されているからである。巡航形態では、開口部15をフラップシール17及びシールブーツ24によって実質的にシールすることによって、翼の、固定前縁7の真後ろの内側に沿う、翼幅方向気流を最小限に抑えることが可能となる。
分かるように、シールアセンブリは、スラット6のそれぞれの異なる位置において「第1のシール」(フラップシール17)とそれぞれ協働するようになっている複数の「第2のシール」(プラグシール23及びブーツシール24)を備える。
シールは様々なシール材料を含むことができ、シールのそれぞれは異なる様式で構成することができる。シール17、23、24は低温環境に晒される。フラップシール17は、十分に可撓性であるがストラットの動きに順応するのに十分に耐摩耗性であるものとすることができる。ブーツシール24も可撓性であるが耐摩耗性であるものとすることができる。プラグシール23はフラップシール17よりも可撓性が低いものとすることができる。
フラップシール17に適したシール材料として、例えば強化シリコーンゴム又は他のエラストマーを挙げることができる。フルオロシリコーン材料が好ましいであろう。強化材として、織成繊維層又は編成繊維層等の布を挙げることができる。繊維は、ポリエステル、綿又は任意の他の適した材料であるものとすることができる。フラップシール17の外面は、ポリウレタンコーティング等の環境保護層を含むことができる。フラップシール17は成形又は別様に形成することができる。同様の材料をシールブーツ23に用いることもできる。
プラグシール24はフラップシール17よりも剛性であるものとすることができる。プラグシール24も低温環境に晒されるが、概して、フラップシール17よりも摩擦性及び可撓性の要件が低い。したがって、プラグシール24は、織布を用いたフェノール樹脂(例えばTufnol)、軟質エラストマー、アルミニウム複合材又はそれらの組合せ等の多様な材料から構成することができる。
航空機エンジンに対する様々なシールの場所に応じて、シール材料は特定レベルまで難燃性である必要があり得る。
図8に示されているように、ブーツシール24は連結部21を包囲しており、概して、ストラット12の遠位端14を取り巻いている近位端24a、及びスラット6の後部面に対してシールする遠位端24bを有するシースとして形成されている。シールブーツ24は、連結部21の、突き出ている比較的鋭利な縁からの、フラップシール17のカットアウト20の縁に対する保護を提供する。ブーツシール24はまた、スラット6が完全に後退したときに、改善されたシール効果を提供するように、スラット6が完全に後退するとフラップシール17のカットアウト20も塞ぐ。加えて、シールブーツ24は、スラット6が離陸態勢又は着陸態勢の高揚力形態のために部分的に又は完全に展開した場合にストラット12の遠位端14がスラット6の真後ろの奥まった領域内の気流に突き出たときに生じる空力抵抗及びノイズを低減するように、連結部21の回りに、より多くの空気力学的表面を提供する。
上述の実施形態では、並進ケーブル装置は関節運動タイプのものであるが、当該技術分野において、米国特許出願公開第2010/0327111号に記載されている伸縮機構のような他の並進ケーブル装置が知られていることが理解されるであろう。図9は、スラット6を翼2に電気的に接続する同様の機能を提供するように構成されている伸縮並進ケーブル装置25を示す。伸縮並進ケーブル装置は、スラット6がその後退位置及び伸張位置間で移動する際に伸縮移動する3つのセクション形態のストラットを備える。分かるように、図9に示されている航空機翼アセンブリはまた、固定前縁7内にフラップシール17と、ストラットの外側に固定されているプラグシール23と、伸縮並進ケーブル装置25の遠位端とスラット6との間の連結部21の周囲にシールブーツ24とを備える。フラップシール17、プラグシール23及びシールブーツ24は、上述した実施形態と実質的に同一に構成されるとともに実質的に同一に機能する。プラグシール23は、3つの伸縮ストラットセクションのうちの、スラット6に最も近い遠位端に隣接する中間のストラットセクションに固定される。当然のことながら、伸縮ストラットは3つよりも多いか又は少ないセクションを有することができる。
本発明を、1つ又は複数の好ましい実施形態を参照して上述したが、添付の特許請求の範囲において規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく様々な変形又は変更を行うことができることが理解されるであろう。
Claims (17)
- 航空機翼アセンブリであって、固定前縁を有する翼と、前記固定前縁に対して後退位置及び伸張位置間で移動するように取り付けられているスラットと、該スラットを前記翼に電気的に接続するとともに、一端が前記スラットに連結されているストラットを有する並進ケーブル装置とを備え、前記固定前縁は、前記ストラットを収容する開口部と、前記ストラットと前記開口部との間をシールするシールアセンブリとを有する、航空機翼アセンブリ。
- 前記シールアセンブリは、前記開口部に隣接して固定されている第1のシールと、前記並進ケーブル装置の前記ストラットに固定されている第2のシールとを備える、請求項1に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記第1のシール及び前記第2のシールは、前記スラットが1つ又は複数の所定の位置へ移動すると協働する、請求項2に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記並進ケーブル装置は、前記翼に取り付けられている近位端、及び前記スラットに連結されている遠位端を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記シールアセンブリは、前記固定前縁に取り付けられているとともに前記開口部に突出しているフラップシールを備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記フラップシールは、隣接するセクション間に間隙を有する複数のフラップシールセクションを含む、請求項5に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記フラップシールは、前記固定前縁の、前記開口部を実質的に囲む部分に取り付けられる、請求項5又は請求項6に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記フラップシールは、前記開口部の縁に隣接する前記固定前縁を画定しているパネルの内面に取り付けられている第1の部分と、前記開口部内の、前記パネルの外面と実質的に同一平面にある第2の部分とを備える、請求項5〜7のいずれか一項に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記フラップシールは中央のカットアウトを有する、請求項5〜8のいずれか一項に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記並進ケーブル装置は関節運動機構又は伸縮機構を備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記関節運動機構は、旋回可能に前記翼に取り付けられた第1のストラットと、該第1のストラットに旋回可能に接続された近位端、及び前記スラットに連結されている遠位端を有する第2のストラットとを備える、請求項10に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記第2のストラットは湾曲している、請求項11に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記シールアセンブリは、前記ストラットの、前記スラットに連結されている端から遠隔した場所に固定されているプラグシールを備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記プラグシールは、前記スラットが完全に伸張すると、前記固定前縁の前記開口部に入るように、また、前記スラットが後退すると、前記開口部から前記翼に引っ込むように構成されている、請求項13に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記シールアセンブリは、前記並進ケーブル装置と前記スラットとの間の前記連結部を覆うシールブーツを備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記並進ケーブル装置は前記スラットの移動によって受動的に駆動される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の航空機翼アセンブリ。
- 前記スラットを該スラットの伸張位置及び後退位置間で駆動するスラット作動機構を更に備える、請求項1〜16のいずれか一項に記載の航空機翼アセンブリ。
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