JP2013123735A - パイプ材の溝成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄肉のパイプ材を用いても従来に比べて溝部を深く形成できるパイプ材の溝部成形方法を提供する。
【解決手段】凹部72及び幅広凹部71の深さを、ヘッドレストステイ用パイプ材60の外周面を凹部72及び幅広凹部71に潰し込んだ際に、潰し込まれたヘッドレストステイ用パイプ材60の内周面が凹部72及び幅広凹部71の底面71c,72cに接触しないようにし、矩形刃52の左右側面52a,52bをそれぞれ凹部72の左右内壁72a,72bの左右内方に位置させるとともに、傾斜刃51の右側面51bを幅広凹部71の右内壁71bの左内方に位置させた後、矩形刃52及び傾斜刃51でヘッドレストステイ用パイプ材60を、矩形刃52の下端を凹部72に侵入させるとともに傾斜刃51の下端を幅広凹部71に侵入させるようにプレスして、溝深さがヘッドレストステイ用パイプ材60の肉厚よりも深い溝部61,62を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、パイプ材の溝成形方法に関するものである。より詳細には、例えば、自動車のシートバックに取付けられるヘッドレストステイ用パイプ材に、当該ヘッドレストステイの上下方向の位置決めを行うための傾斜溝や抜け出しを防止するための矩形溝を成形する方法に関するものである。
従来、例えば自動車のシートバックに取付けられるヘッドレストステイの脚部において、ヘッドレストステイの上下方向の位置決めを行うために傾斜溝や、ヘッドレストステイの抜け出しを防止するための矩形溝といった溝部が成形されている。これらの溝部は、抜け防止等の目的を達成するために、所定の深さ以上となるように成形されている。
本出願人はこのようなパイプ材の溝部成形方法についての特許出願を既に行っている(特許文献1,特許文献2参照)。
特許第3509722号公報 特許第3706865号公報
特許文献1には、図10及び図11に示すように、パイプ材10の空洞部内に、断面矩形状の凹部42と幅広凹部41が外周上面に形成された棒状の雌型40を挿入し、凹部42に対応する矩形刃52と幅広凹部41に対応する傾斜刃51とを有する雄型50を下方に移動させて、パイプ材10の外周面を凹部42及び幅広凹部41へ潰し込むことで、パイプ材10の外周面に矩形溝12や傾斜溝11といった溝部を形成するパイプ材の溝部成形方法が記載されている。そして、図12に示すようにこのパイプ材10を曲げることによって、ヘッドレストステイが製造される。
また、特許文献2には、この矩形刃52及び傾斜刃51を、パイプ材10の軸に平行な回転軸周りに回動自在な円柱刃及び円錐刃に置き換え、この円柱刃及び円錐刃でパイプ材10をプレスする方法が記載されている。
そして、近年においては環境面等に配慮して自動車の燃費向上が求められているため、自動車を構成する各部品の軽量化が進んでおり、ヘッドレストステイに関しても例外ではなく、薄肉のパイプ材10を使用して軽量なヘッドレストステイが製造されている。
しかしながら、一般にパイプ材10の外周面に溝部11,12を形成するときには、図11に示すように、矩形刃52や傾斜刃51の下端がパイプ材10の元の内周面に達しないようにプレスするので、成形可能な溝部11,12の深さはパイプ材10の肉厚に比例する。つまり、より深い溝部11,12を形成しようとする場合には、パイプ材10が厚肉である必要がある。
よって、溝部11,12を所定の深さより深く形成してヘッドレストステイがシートから抜け落ちないようにする点と、薄肉のパイプ材10を用いてヘッドレストステイを軽量にするという点とを両立させることは容易ではない。
そこで、本発明の目的とするところは、薄肉のパイプ材を用いても従来に比べて溝部を深く形成できるパイプ材の溝部成形方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、左右に軸が延びるヘッドレストステイ用パイプ材(60)の空洞内部に、左右の内壁(72a,72b)が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部(72)及びその凹部(72)よりも幅広の幅広凹部(71)が前記軸方向に離間した状態で外周上面に形成された棒状の雌型(70)を挿入し、前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)に対応する第一押込刃(52)及び第二押込刃(51)を有する雄型(50)を下方に移動させて前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)へ潰し込み、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面に溝部(61,62)を形成する成形方法であって、前記雄型(50)の第一押込刃(52)を、その左右側面(52a,52b)が前記軸方向に垂直で左右の幅を前記凹部(72)の左右内壁(72a,72b)間の幅よりも幅狭な矩形刃(52)とするとともに、前記雄型(50)の第二押込刃(51)を、その右側面(51b)が前記軸方向に垂直で左側面(51a)から右側面(51b)下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から前記軸方向に平行に延びる水平面を有する傾斜刃(51)とし、さらに、前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)の深さを、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の内周面が前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)の底面(71c,72c)に接触しないようにし、前記矩形刃(52)の左右側面(52a,52b)をそれぞれ前記凹部(72)の左右内壁(72a,72b)の左右内方に位置させるとともに、前記傾斜刃(51)の右側面(51b)を前記幅広凹部(71)の右内壁(71b)の左内方に位置させた後、前記矩形刃(52)及び傾斜刃(51)で前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)を、前記矩形刃(52)の下端を前記凹部(72)に侵入させるとともに前記傾斜刃(51)の下端を前記幅広凹部(71)に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の肉厚よりも深い前記溝部(61,62)を形成することを特徴とする。
また、請求項2に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、左右に軸が延びるヘッドレストステイ用パイプ材(60)の空洞内部に、左右の内壁(72a,72b)が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部(72)及びその凹部(72)よりも幅広の幅広凹部(71)が前記軸方向に離間した状態で外周上面に形成された棒状の雌型(70)を挿入し、前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)に対応する第一押込刃(82)及び第二押込刃(81)を有する雄型(80)を下方に移動させて前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)へ潰し込み、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面に溝部(61,62)を形成する成形方法であって、前記雄型(80)の第一押込刃(82)を、前記軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた短円柱状で、その断面形状においてその左右側面(82a,82b)が前記軸方向に垂直で左右の幅を前記凹部(72)の左右内壁(72a,72b)間の幅よりも幅狭な円柱刃(82)とするとともに、前記雄型(80)の第二押込刃(81)を、前記軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた円錐体形状で、その断面形状においてその右側面(81b)が前記軸方向に垂直で左側面(81a)から右側面(81b)下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から前記軸方向に平行に延びる水平面を有する円錐刃(81)とし、さらに、前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)の深さを、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の内周面が前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)の底面(71c,72c)に接触しないようにし、前記円柱刃(82)の左右側面(82a,82b)をそれぞれ前記凹部(72)の左右内壁(72a,72bの左右内方に位置させるとともに、前記円錐刃(81)の右側面(81b)を前記幅広凹部(71)の右内壁(71b)の左内方に位置させた後、前記円柱刃(82)及び円錐刃(81)で前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)を、前記円柱刃(82)の外周面を前記凹部(72)に侵入させるとともに前記円錐刃(81)の水平面を前記幅広凹部(71)に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の肉厚よりも深い前記溝部(61,62)を形成することを特徴とする。
また、請求項3に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、左右に軸が延びるパイプ材(60)の空洞内部に、左右の内壁(72a,72b)が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部(72)が外周上面に形成された棒状の雌型(70)を挿入し、前記凹部(72)に対応する押込刃(52)を有する雄型(50)を下方に移動させて前記パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)へ潰し込み、前記パイプ材(60)の外周面に溝部(62)を形成する成形方法であって、前記雄型(50)の押込刃(52)を、その左右側面(52a,52b)が前記軸方向に垂直で左右の幅を前記凹部(72)の左右内壁(72a,72b)間の幅よりも幅狭な矩形刃(52)とするとともに、前記凹部(72)の深さを、前記パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記パイプ材(60)の内周面が前記凹部(72)の底面(72c)に接触しないようにし、前記矩形刃(52)の左右側面(52a,52b)をそれぞれ前記凹部(72)の左右内壁(72a,72b)の左右内方に位置させた後、前記矩形刃(52)で前記パイプ材(60)を、前記矩形刃(52)の下端を前記凹部(72)に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記パイプ材(60)の肉厚よりも深い前記溝部(62)を形成することを特徴とする。
また、請求項4に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、左右に軸が延びるパイプ材(60)の空洞内部に、左右の内壁(72a,72b)が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部(71)が外周上面に形成された棒状の雌型(70)を挿入し、前記凹部(71)に対応する押込刃(51)を有する雄型(50)を下方に移動させた前記パイプ材(60)の外周面を前記凹部(71)へ潰し込み、前記パイプ材(60)の外周面に溝部(61)を形成する成形方法であって、前記雄型(50)の押込刃(51)を、その右側面(51b)が前記軸方向に垂直で左側面(51a)から右側面(51b)下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から前記軸方向に平行に延びる水平面を有する傾斜刃(51)とするとともに、前記凹部(71)の深さを、前記パイプ材(60)の外周面を前記凹部(71)に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記パイプ材(60)の内周面が前記凹部(71)の底面(71c)に接触しないようにし、前記傾斜刃(51)の右側面(51b)を前記凹部(71)の右内壁(71b)の左内方に位置させた後、前記傾斜刃(51)で前記パイプ材(60)を、前記傾斜刃(51)の下端を前記凹部(71)に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記パイプ材(60)の肉厚よりも深い前記溝部(61)を形成することを特徴とする。
また、請求項5に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、左右に軸が延びるパイプ材(60)の空洞内部に、左右の内壁(72a,72b)が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部(72)が外周上面に形成された棒状の雌型(70)を挿入し、前記凹部(72)に対応する押込刃(82)を有する雄型(80)を下方に移動させて前記パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)へ潰し込み、前記パイプ材(60)の外周面に溝部(62)を形成する成形方法であって、前記雄型(80)の押込刃(82)を、前記軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた短円柱状で、その断面形状においてその左右側面(82a,82b)が前記軸方向に垂直で左右の幅を前記凹部(72)の左右内壁(72a,72b)間の幅よりも幅狭な円柱刃(82)とするとともに、前記凹部(72)の深さを、前記パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記パイプ材(60)の内周面が前記凹部(72)の底面に接触しないようにし、前記円柱刃(82)の左右側面(82a,82b)をそれぞれ前記凹部(72)の左右内壁(72a,72b)の左右内方に位置させた後、前記円柱刃(82)で前記パイプ材(60)を、前記円柱刃(82)の外周面を前記凹部(72)に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記パイプ材(60)の肉厚よりも深い前記溝部(62)を形成することを特徴とする。
また、請求項6に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、左右に軸が延びるパイプ材(60)の空洞内部に、左右の内壁(72a,72b)が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部(71)が外周上面に形成された棒状の雌型(70)を挿入し、前記凹部(71)に対応する押込刃(81)を有する雄型(80)を下方に移動させた前記パイプ材(60)の外周面を前記凹部(71)へ潰し込み、前記パイプ材(60)の外周面に溝部(61)を形成する成形方法であって、前記雄型(80)の押込刃(81)を、前記軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた円錐体形状で、その断面形状においてその右側面(81b)が前記軸方向に垂直で左側面(81a)から右側面(81b)下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から前記軸方向に平行に延びる水平面を有する円錐刃(81)とするとともに、前記凹部(71)の深さを、前記パイプ材(60)の外周面を前記凹部(71)に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記パイプ材(60)の内周面が前記凹部(71)の底面(71c)に接触しないようにし、前記円錐刃(81)の右側面(81b)を前記凹部(71)の右内壁(71b)の左内方に位置させた後、前記円錐刃(81)で前記パイプ材(60)を、前記円錐刃(81)の水平面を前記凹部(71)に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記パイプ材(60)の肉厚よりも深い前記溝部(61)を形成することを特徴とする。
また、請求項7に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、前記雌型(70)は前記軸方向に垂直な断面を二分割する第一雌型(70)と第二雌型(70)からなり、前記第一雌型(70)には前記凹部(71,72)又は前記幅広凹部(71)が形成され、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)又は前記パイプ材(60)をプレスした後、前記第二雌型(70)を前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)又は前記パイプ材(60)から引き抜き、その後前記第一雌型(70)を前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)又は前記パイプ材(60)から引き抜くことを特徴とする。
また、請求項8に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、前記第一雌型(70)は前記第二雌型(70)と凹凸形状によりスライド可能に嵌合されていることを特徴とする。
また、請求項9に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、前記雌型(70)は前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)又は前記パイプ材(60)に圧入されていることを特徴とする。
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
本発明の請求項1に記載のパイプ材の溝部成形方法によれば、矩形刃及び傾斜刃でヘッドレストステイ用パイプ材を、矩形刃の下端を凹部に侵入させるとともに傾斜刃の下端を幅広凹部に侵入させるようにプレスして、溝深さがヘッドレストステイ用パイプ材の肉厚よりも深い溝部を形成するので、薄肉のヘッドレストステイ用パイプ材であっても、矩形刃や傾斜刃の下端がヘッドレストステイ用パイプ材の元の内周面に達しないようにプレスする従来の方法に比べて、溝部を深く形成できる。
このとき、矩形刃の左右の幅を凹部の左右内壁間の幅よりも幅狭にして、矩形刃の左右側面をそれぞれ凹部の左右内壁の左右内方に位置させるとともに、傾斜刃の右側面を幅広凹部の右内壁の左内方に位置させたので、深くプレスしてもヘッドレストステイ用パイプ材が矩形刃の下端や傾斜刃の下端と雌型の凹部や幅広凹部が形成されていない外周面とによって直接的には挟まれず、矩形刃や傾斜刃が雌型の外周面には接触しない。したがって、潰し込んだヘッドレストステイ用パイプ材の部位が破断することを防止できる。
また、凹部及び幅広凹部の深さを、ヘッドレストステイ用パイプ材の外周面を凹部及び幅広凹部に潰し込んだ際に、潰し込まれたヘッドレストステイ用パイプ材の内周面が凹部及び幅広凹部の底面に接触しないようにしたので、潰し込んだヘッドレストステイ用パイプ材の内周面と凹部及び幅広凹部の底面との接触抵抗がなく、プレス後に小さな力で雌型をヘッドレストステイ用パイプ材から抜き出すことができる。
このような作用効果は、雄型に矩形刃しかない場合(請求項3)であっても得ることができ、同様に雄型に傾斜刃しかない場合(請求項4)であっても得ることができる。
特に、請求項1に記載の発明のように雄型に矩形刃と傾斜刃の両方を備えると、一回のプレスにより必要な数の溝部をヘッドレストステイ用パイプ材に形成することができる。
また、請求項2に記載のパイプ材の溝部成形方法によれば、円柱刃及び円錐刃でヘッドレストステイ用パイプ材を、円柱刃の外周面を凹部に侵入させるとともに円錐刃の水平面を幅広凹部に侵入させるようにプレスして、溝深さがヘッドレストステイ用パイプ材の肉厚よりも深い溝部を形成するので、雄型の第一押込刃及び第二第一押込刃がそれぞれ回動自在な円柱刃と円錐刃であっても、円柱刃の外周面や円錐刃の水平面がヘッドレストステイ用パイプ材の元の内周面に達しないようにプレスする従来の方法に比べて、溝部を深く形成できる。
このとき、円柱刃の左右の幅を凹部の左右内壁間の幅よりも幅狭にして、円柱刃の左右側面をそれぞれ凹部の左右内壁の左右内方に位置させるとともに、円錐刃の右側面を幅広凹部の右内壁の左内方に位置させたので、深くプレスしてもヘッドレストステイ用パイプ材が円柱刃の外周面や円錐刃の水平面と雌型の凹部や幅広凹部が形成されていない外周面とによって直接的には挟まれず、円柱刃や円錐刃が雌型の外周面には接触しない。したがって、潰し込んだヘッドレストステイ用パイプ材の部位が破断することを防止できる。
また、凹部及び幅広凹部の深さを、ヘッドレストステイ用パイプ材の外周面を凹部及び幅広凹部に潰し込んだ際に、潰し込まれたヘッドレストステイ用パイプ材の内周面が凹部及び幅広凹部の底面に接触しないようにしたので、潰し込んだヘッドレストステイ用パイプ材の内周面と凹部及び幅広凹部の底面との接触抵抗がなく、プレス後に小さな力で雌型をヘッドレストステイ用パイプ材から抜き出すことができる。
このような作用効果は、雄型に円柱刃しかない場合(請求項5)であっても得ることができ、同様に雄型に円錐刃しかない場合(請求項6)であっても得ることができる。
特に、請求項2に記載の発明のように雄型に円柱刃と円錐刃の両方を備えると、一回のプレスにより必要な数の溝部をヘッドレストステイ用パイプ材に形成することができる。
また、請求項7に記載のパイプ材の溝部成形方法によれば、請求項1乃至6に記載の発明の作用効果に加え、雌型は軸方向に垂直な断面を二分割する第一雌型と第二雌型からなり、第一雌型には凹部又は幅広凹部が形成され、ヘッドレストステイ用パイプ材又はパイプ材をプレスした後、第二雌型をヘッドレストステイ用パイプ材又はパイプ材から引き抜き、その後第一雌型をヘッドレストステイ用パイプ材又はパイプ材から引き抜くので、溝深さがヘッドレストステイ用パイプ材又はパイプ材の肉厚よりも深い溝部を形成しても雌型を引き抜くことができる。
また、請求項8に記載のパイプ材の溝部成形方法によれば、請求項7に記載の発明の作用効果に加え、第一雌型は第二雌型と凹凸形状によりスライド可能に嵌合されているので、第一雌型と第二雌型との位置決めを確実に行うことができ、しかも先に第二雌型だけを引き抜くことができる。
また、請求項9に記載のパイプ材の溝部成形方法によれば、請求項1乃至8に記載の発明の作用効果に加え、雌型はヘッドレストステイ用パイプ材又はパイプ材に圧入されているので、ヘッドレストステイ用パイプ材又はパイプ材のプレスされていない箇所の変形を最小限に抑えることができる。
なお、本発明のパイプ材の溝部成形方法のように、矩形刃及び傾斜刃でヘッドレストステイ用パイプ材を、矩形刃の下端を凹部に侵入させるとともに傾斜刃の下端を幅広凹部に侵入させるようにプレスして、溝深さがヘッドレストステイ用パイプ材の肉厚よりも深い溝部を形成する点は、上述した特許文献1及び特許文献2には全く記載されていない。
本発明の第一実施形態に係るパイプ材の溝成形方法において、雄型でプレスする前の状態を示す側面断面図である。 本発明の第一実施形態に係るパイプ材の溝成形方法において、雄型でプレスした後の状態を示す側面断面図である。 図2に示す状態の要部拡大断面図である。 図2に示す状態の正面図である。 本発明の第二実施形態に係るパイプ材の溝成形方法を示す正面図である。 図5のパイプ材の溝成形方法において、雄型でプレスした後の状態を示す要部平面断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るパイプ材の溝成形方法を示す正面図である。 図7に示すパイプ材の溝成形方法に使用する板状刃を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。 板状刃の他の実施形態を示すもので、(a)は直線状の傾斜面、(b)は曲線状の傾斜面を有するものの正面図である。 従来例に係るパイプ材の溝成形方法において、雄型でプレスする前の状態を示す側面断面図である。 従来例に係るパイプ材の溝形成方法において、雄型でプレスした後の状態を示す側面断面図である。 自動車のヘッドレストステイを示す斜視図である。
(第一実施形態)
図1乃至図4、及び図12を参照して、本発明の第一実施形態に係るパイプ材60の溝部成形方法を説明する。
このパイプ材60の溝部成形方法においては、パイプ材60と、パイプ材60をプレスする金型を使用する。そして、金型は、上型20、下型30、雌型70及び雌型70に対応した雄型50とを備え、雌型70と雄型50との位置関係等を特徴とするものである。
パイプ材60は、図12に示すような自動車のヘッドレストステイの脚部を構成する円筒形状のものであり、外径は14mm、肉厚は1.0mmである。また、このヘッドレストステイ用パイプ材60には、後述する成形方法によって傾斜溝61と矩形溝62の二種類の溝部61,62が形成される。
傾斜溝61は、右内壁61bがヘッドレストステイ用パイプ材60の軸方向に垂直であって、右内壁61bよりも左方の外周上面から右内壁61b下部に向かって下降する斜面を有するもので、シートバック(図示せず)に取付けられた位置決めピン(図示せず)と係合してヘッドレストステイの上下方向の位置決めを行う。
矩形溝62は、左右の内壁62a,62bが軸方向に垂直な断面矩形状であって、位置決めピン(図示せず)と係合してヘッドレストステイの抜け出しを防止するものである。
本実施形態におけるヘッドレストステイ用パイプ材60の材質としては、深絞り用鋼板(JIS G 0203)と同様の材質が適している。これは、従来の材質に比べて強度が低くなってしまうが、伸びがよく破断し難い。具体的には、矩形刃52の左右側面52a,52bをそれぞれ凹部72の左右内壁72a,72bの左右内方に位置させるとともに、傾斜刃51の右側面51bを幅広凹部71の右内壁71bの左内方に位置させた後、矩形刃52及び傾斜刃51でヘッドレストステイ用パイプ材60を、矩形刃52の下端を凹部72に侵入させるとともに傾斜刃51の下端を幅広凹部71に侵入させるようにプレスしたときに、ヘッドレストステイ用パイプ材60が破断しない材質である。
上型20と下型30は、図1に示すように、プレス時にヘッドレストステイ用パイプ材60を上下から挟持して固定するものである。上型20には複数の型孔21が形成されており、型孔21に第一押込刃52と第二押込刃51が挿通されている。型孔21と第一押込刃52との隙間や型孔21と第二押込刃51との隙間はそれぞれいわゆるカジリが発生しない程度に極力狭くしている。
雌型70は、棒状であって、図4に示すようにその軸方向に垂直な断面を二分割する上側の第一雌型70Aと下側の第二雌型70Bからなる。第一雌型70Aの第二雌型70B側は凸形状、第二雌型70Bの第一雌型70A側は凹形状となっており、雌型70の軸方向に互いにスライド可能に嵌合している。
雌型70は第一雌型70Aと第二雌型70Bが嵌合した状態において断面略矩形状であり、相対向する上下の二辺(第一雌型70Aの一辺と第二雌型70Bの一辺)が湾曲している。その曲率はヘッドレストステイ用パイプ材60の内周の曲率と略等しく、この湾曲した二辺間が雌型70の最大長さとなる。最大長さはヘッドレストステイ用パイプ材60の内径に略等しく、ヘッドレストステイ用パイプ材60のプレス前においては、雌型70はヘッドレストステイ用パイプ材60の空洞内部を軸方向に移動自在である。但し、ヘッドレストステイ用パイプ材60への雌型70の挿入は圧入であるので、ある程度の摩擦抵抗がある。
このように雌型70は断面略矩形状であるので、図4における雌型70の左右はヘッドレストステイ用パイプ材60に対して、いわゆる逃しとなっている。
なお、二分割の雌型70をヘッドレストステイ用パイプ材60にセットし易くするためのガイド(図示しない)が設けられる。
また、雌型70の第一雌型70Aの上面である湾曲面には、左右の内壁72a,72bが軸方向に垂直で断面矩形状の凹部72と、同じく左右の内壁71a,71bが軸方向に垂直な断面矩形状であり凹部72よりも軸方向に幅広の二つの幅広凹部71とが軸方向に離間した状態で形成されている。つまり、凹部72の右側に二つの幅広凹部71が一直線上に並んでいる。
ここで、凹部72の左右の内壁72a,72bの幅は2.4mmであり、凹部72の右内壁72bから右側に隣接する幅広凹部71の右内壁71bまでの長さは20mm、また、その幅広凹部71の右内壁71bからさらに右側に隣接する幅広凹部71の右内壁71bまでの長さも20mmである。
凹部72の深さ及び幅広凹部71の深さは、ヘッドレストステイ用パイプ材60の外周面を凹部72及び幅広凹部71に潰し込んだ際に、潰し込まれたヘッドレストステイ用パイプ材60の内周面が凹部72及び幅広凹部71の底面72c,71cにそれぞれ接触しないように十分深くしている。すなわち、凹部72の深さ及び幅広凹部71の深さは、形成する溝部61,62の溝深さにヘッドレストステイ用パイプ材60の肉厚を加えた量よりも深くしている。
なお、凹部72及び幅広凹部71は第一雌型70Aに形成されるのみで、第二雌型70Bには達していない。
雄型50は、凹部72に対応する第一押込刃52と、幅広凹部71に対応する第二押込刃51を有する。ここでは第一押込刃52を、その左右側面52a,52bが軸方向に垂直で左右の幅を凹部72の左右内壁72a,72b間の幅よりも幅狭な矩形刃52とする。具体的には、凹部72の左右内壁72a,72b間の幅よりも矩形刃52の左右の幅を0.4mm(0.1〜0.5mmが好ましい)狭くした。
また、第二押込刃51を、その右側面51b及び左側面が軸方向に垂直で左側面の下部から右側面51b下部に向かって下降する傾斜面と、その傾斜面の下降位置から軸方向に平行に延びる水平面を有する傾斜刃51とする。この傾斜刃51は、二つ形成されている幅広凹部71に対応して、矩形刃52の右側に二つ形成されている。
なお、矩形刃52及び傾斜刃51は、ヘッドレストステイ用パイプ材60に形成する溝部62,61の、図1の紙面手前から奥方向への長さよりも長く、同方向に延びる(図4も参照)。
このような金型を用いた、パイプ材60の溝部成形方法においては、まず、ヘッドレストステイ用パイプ材60を金型の上型20と下型30とで上下から挟持して固定するとともに、図1に示すように左右に軸が延びるヘッドレストステイ用パイプ材60の空洞内部に、雌型70を挿入する。
このとき、プレス後に図3のようになるように、矩形刃52の右側面52bを凹部72の右内壁72bの0.2mm左内方に位置させる。このように位置させると、矩形刃52の左側面は凹部72の左内壁の0.2mm右内方に位置することになる。同様に、傾斜刃51の右側面51bは幅広凹部71の右内壁71bの0.2mm左内方に位置する。このように矩形刃52及び傾斜刃51に対して凹部72及び幅広凹部71を確実に位置させるために、金型分野では公知の位置決め機構(図示しない)が使用される。
次に、雄型50を垂直下方に移動させて、矩形刃52及び傾斜刃51でヘッドレストステイ用パイプ材60を、矩形刃52の下端を凹部72に侵入させるとともに傾斜刃51の下端を幅広凹部71に侵入させるようにプレスして、矩形刃52及び傾斜刃51でヘッドレストステイ用パイプ材60の外周面を凹部72及び幅広凹部71へ潰し込む。これによって、ヘッドレストステイ用パイプ材60の外周面に、溝深さがヘッドレストステイ用パイプ材60の肉厚よりも深い矩形溝62と傾斜溝61が形成される。
最後に、第二雌型70Bをヘッドレストステイ用パイプ材60から引き抜き、その後第一雌型70Aを元々第二雌型70Bがあった箇所に移動させて(下方に下げて)、第一雌型70Aをヘッドレストステイ用パイプ材60から引き抜く。
以上のようなパイプ材60の溝部成形方法によれば、矩形刃52及び傾斜刃51でヘッドレストステイ用パイプ材60を、矩形刃52の下端を凹部72に侵入させるとともに傾斜刃51の下端を幅広凹部71に侵入させるようにプレスして、溝深さがヘッドレストステイ用パイプ材60の肉厚よりも深い溝部61,62を形成するので、薄肉のヘッドレストステイ用パイプ材60であっても、矩形刃52や傾斜刃51の下端がヘッドレストステイ用パイプ材60の元の内周面に達しないようにプレスする従来の方法に比べて、溝部61,62を深く形成できる。
このとき、矩形刃52の左右の幅を凹部72の左右内壁72a,72b間の幅よりも幅狭にして、矩形刃52の左右側面52a,52bをそれぞれ凹部72の左右内壁72a,72bの左右内方に位置させるとともに、傾斜刃51の右側面51bを幅広凹部71の右内壁71bの左内方に位置させたので、深くプレスしてもヘッドレストステイ用パイプ材60が矩形刃52の下端や傾斜刃51の下端と雌型70の凹部72や幅広凹部71が形成されていない外周面とによって直接的には挟まれず、矩形刃52や傾斜刃51が雌型70の外周面には接触しない。したがって、潰し込んだヘッドレストステイ用パイプ材60の部位が破断することを防止できる。
また、凹部72及び幅広凹部71の深さを、ヘッドレストステイ用パイプ材60の外周面を凹部72及び幅広凹部71に潰し込んだ際に、潰し込まれたヘッドレストステイ用パイプ材60の内周面が凹部72及び幅広凹部71の底面72c,71cに接触しないようにしたので、潰し込んだヘッドレストステイ用パイプ材60の内周面と凹部72及び幅広凹部71の底面72c,71cとの接触抵抗がなく、プレス後に小さな力で雌型70をヘッドレストステイ用パイプ材60から抜き出すことができる。
また、雄型50に矩形刃52と傾斜刃51の両方を備えるので、一回のプレスにより必要な数の溝部61,62をヘッドレストステイ用パイプ材60に形成することができる。
さらに、雌型は軸方向に垂直な断面を二分割する第一雌型70Aと第二雌型70Bからなり、第一雌型70Aには凹部72及び幅広凹部71が形成され、ヘッドレストステイ用パイプ材60をプレスした後、第二雌型70Bをヘッドレストステイ用パイプ材60から引き抜き、その後第一雌型70Aをヘッドレストステイ用パイプ材60から引き抜くので、溝深さがヘッドレストステイ用パイプ材60の肉厚よりも深い溝部61,62を形成しても雌型70を引き抜くことができる。
また、第一雌型70Aは第二雌型70Bと凹凸形状によりスライド可能に嵌合されているので、第一雌型70Aと第二雌型70Bとの位置決めを確実に行うことができ、しかも先に第二雌型70Bだけを引き抜くことができる。
また、雌型70はヘッドレストステイ用パイプ材60に圧入されているので、ヘッドレストステイ用パイプ材60のプレスされていない箇所の変形を最小限に抑えることができる。
(第二実施形態)
次に図5と図6を参照して、本発明の第二実施形態に係るパイプ材60の溝部成形方法を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、雄型80の押込刃81,82とそれに伴う金型の部分であり、その他の構成要素に関しては第一実施形態と同一である。また、ヘッドレストステイ用パイプ材60の材質も第一実施形態におけるヘッドレストステイ用パイプ材60と同じものである。
上型20と雄型80との間、及び上型20と下型30との間にはそれぞれ緩衝材として渦巻きバネ90,91が設けられている。
雄型80は、凹部72に対応する第一押込刃82と、幅広凹部71に対応する第二押込刃81を有する。ここで雄型80の第一押込刃82は、軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた短円柱状の円柱刃82である。その断面形状においては、その左右側面82a,82bが軸方向に垂直で、左右の幅は凹部72の左右内壁72a,72b間の幅よりも0.4mmだけ幅狭である。
また、第二押込刃51は、軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた円錐体形状の円錐刃81である。その断面形状においてはその右側面81bが軸方向に垂直であって、左側面81aから右側面81b下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から軸方向に平行に延びる水平面を有する。この円錐刃81は、幅広凹部71が二つ形成されていることに対応して、円柱刃82の右側に二つ形成されている。
そして、円柱刃82の右側面82bは凹部72の右内壁72bの0.2mm左内方に位置し、円柱刃82の左側面82aは凹部72の左内壁72aの0.2mm右内方に位置している。これと同時に、円錐刃81の右側面81bは幅広凹部71の右内壁71bの0.2mm左内方に位置している。
なお、雌型70は第一実施形態のものと比べて、90度回転して配置されている。
本実施形態に係る溝部成形方法でも、まずヘッドレストステイ用パイプ材60を金型で固定し、ヘッドレストステイ用パイプ材60の空洞内部に雌型70を挿入する。
そして、雄型80を下方に移動させて、円柱刃82及び円錐刃81でヘッドレストステイ用パイプ材60を、円柱刃82の外周面を凹部72に侵入させるとともに円錐刃81の水平面を幅広凹部71に侵入させるように、転動する円柱刃82及び円錐刃81でプレスして、ヘッドレストステイ用パイプ材60の外周面を潰し込み、矩形溝62と傾斜溝61を形成する。
この溝部61,62の溝深さはヘッドレストステイ用パイプ材60の肉厚よりも深くなっている。
最後に雌型70をヘッドレストステイ用パイプ材60から抜き出す。
以上のようなパイプ材60の溝部成形方法によれば、回動するタイプの押込刃81,82であっても、第一実施形態に係る押込刃51,52でプレスする場合と同様に、溝部61,62を深く形成できる。
ここで、第二実施形態における円柱刃82に代えて、図7及び図8に示す、回動しない長尺板状の板状刃83としてもよい。この板状刃83を、円柱刃82同様に垂直方向へ加工させてヘッドレストステイ用パイプ材60の外周面を凹部72に潰し込む。
この板状刃83を、図9(a)に示すように、板状刃84の下端部のヘッドレストステイ用パイプ材60に当接する部位を直線状の傾斜面84aとした板状刃84にしてもよい。
また、図9(b)に示すように、板状刃84の傾斜面84aを曲線状とすることもできる。この場合、押しつぶすヘッドレストステイ用パイプ材60の外周面を、徐々に変形することができるので、ヘッドレストステイ用パイプ材60に偏肉部を形成することなく溝部61,62を形成することができる。
なお、第一、第二実施形態において、便宜上左右を決めて説明しているが、例えば図1の紙面裏側から見た場合には左右逆になることは言うまでもない。上下についても同様である。
また、ヘッドレストステイ用パイプ材60に溝部61,62を形成するとしたが、これに限られるものではなく、他の用途で使用されるパイプ材60であってもよい。
また、雄型50,80を下降させてプレスしたが、これに限られるものではなく、雌型70や下型30とともにパイプ材60を、雄型50,80に向かって上昇させてプレスしてもよい。
また、第一実施形態において、雄型50は矩形刃52と傾斜刃51を備えるとしたが、パイプ材60の用途によっては、どちらか一方だけを備えている雄型50であってもよい。
さらには、パイプ材60の用途に応じて矩形刃52や傾斜刃51の数を増減させてもよい。もちろんこのとき、矩形刃52に凹部72を、傾斜刃51に幅広凹部71をそれぞれ対応させて数を増減させるとともに、矩形刃52に対する凹部72の位置や傾斜刃51に対する幅広凹部71の位置を第一実施形態と同様に合わせる必要がある。
また、矩形刃52と傾斜刃51、それに対応する凹部72と幅広凹部71のそれぞれの角を僅かなR形状(例えばR0.1〜0.2程度)にしてもよい。これに代えて、僅かに面取りしてもよい。
また、第二実施形態において、雄型80は円柱刃82と円錐刃81のうちどちらか一方だけを備えていてもよい。もちろん、それらの数は増減可能である。
また、円柱刃82と円錐刃81、それに対応する凹部72と幅広凹部71のそれぞれの角をR形状にしてもよい。
さらに、ヘッドレストステイ用パイプ材60から雌型70を引き抜く際に、第二雌型70Bを引き抜いた後に第一雌型70Aを下方に下げてから、第一雌型70Aをヘッドレストステイ用パイプ材60から引き抜いたが、第一雌型70Aを回転移動させてから引き抜いてもよい。
また、第一雌型70Aに凸形状、第二雌型70Bに凹形状を形成したが、第一雌型70Aに凹形状、第二雌型70Bに凸形状としてもよいし、他の形状でスライド可能に嵌合させてもよい。また、第一雌型70Aが第二雌型70Bに対して位置がずれないのならば、これらの形状を設けず、嵌合させることなく面合わせとしてもよい。
また、第二雌型70Bを引き抜いた後に、第一雌型70Aは軸方向に移動させず、ヘッドレストステイ用パイプ材60を第一雌型70Aから引き抜いてもよい。
また、第二雌型70を二分割としたが、三分割以上に分割してもよい。これとは逆に、何らかの方法でヘッドレストステイ用パイプ材60から雌型70を引き抜くことができれば、第二雌型70を分割しなくてもよい。
また、雌型70をヘッドレストステイ用パイプ材60に圧入したが、これはヘッドレストステイ用パイプ材60の内周面と雌型70の外周面との隙間を極力ゼロに近づけた圧入に近い状態も含む。一方、プレス時のヘッドレストステイ用パイプ材60の変形を抑えることができれば、圧入していなくてもよい。
10 ヘッドレストステイ用パイプ材(パイプ材)
11 傾斜溝(溝部)
11b 右内壁
12 矩形溝(溝部)
12a 左内壁
12b 右内壁
20 上型
21 型孔
30 下型
40 雌型
41 幅広凹部
42 凹部
50 雄型
51 傾斜刃(第二押込刃)
51a 左側面
51b 右側面
52 矩形刃(第一押込刃)
52a 左側面
52b 右側面
60 ヘッドレストステイ用パイプ材(パイプ材)
61 傾斜溝(溝部)
61b 右内壁
62 矩形溝(溝部)
62a 左内壁
62b 右内壁
70 雌型
70A 第一雌型
70B 第二雌型
71 幅広凹部(凹部)
71a 左内壁
71b 右内壁
71c 底面
72 凹部
72a 左内壁
72b 右内壁
72c 底面
80 雄型
81 円錐刃(第二押込刃)
81a 左側面
81b 右側面
82 円柱刃(第一押込刃)
82a 左側面
82b 右側面
83 板状刃
84 板状刃
84a 傾斜面
90 渦巻きバネ
91 渦巻きバネ
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、左右に軸が延びるヘッドレストステイ用パイプ材(60)の空洞内部に、左右の内壁(72a,72b)が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部(72)及びその凹部(72)よりも幅広の幅広凹部(71)が前記軸方向に離間した状態で外周上面に形成された棒状の雌型(70)を挿入し、前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)に対応する第一押込刃(52)及び第二押込刃(51)を有する雄型(50)を下方に移動させて前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)へ潰し込み、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面に溝部(61,62)を形成する成形方法であって、前記雄型(50)の第一押込刃(52)を、その左右側面(52a,52b)が前記軸方向に垂直で左右の幅を前記凹部(72)の左右内壁(72a,72b)間の幅よりも0.1〜0.5mmの範囲で幅狭な矩形刃(52)とするとともに、前記雄型(50)の第二押込刃(51)を、その右側面(51b)が前記軸方向に垂直で左側面(51a)から右側面(51b)下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から前記軸方向に平行に延びる水平面を有する傾斜刃(51)とし、さらに、前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)の深さを、形成される前記溝部(61,62)の溝深さに前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の肉厚を加えた量よりも深くして、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の内周面が前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)の底面(71c,72c)に接触しないようにし、しかも前記雌型(70)は前記軸方向に垂直な断面を二分割する第一雌型(70A)と第二雌型(70B)からなり、前記第一雌型(70A)には前記凹部(72)又は前記幅広凹部(71)が形成され、前記溝部(61,62)の成形時において、前記雌型(70)を前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)に圧入して、前記矩形刃(52)の左右側面(52a,52b)をそれぞれ前記凹部(72)の左右内壁(72a,72b)の左右内方に位置させるとともに、前記傾斜刃(51)の右側面(51b)を前記幅広凹部(71)の右内壁(71b)の左内方に位置させた後、前記矩形刃(52)及び傾斜刃(51)で前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)を、前記矩形刃(52)の下端を前記凹部(72)に侵入させるとともに前記傾斜刃(51)の下端を前記幅広凹部(71)に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の肉厚よりも深い前記溝部(61,62)を形成し、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)をプレスした後、前記第二雌型(70B)を前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)から引き抜き、その後前記第一雌型(70A)を前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)から引き抜くことを特徴とする。
また、請求項2に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、左右に軸が延びるヘッドレストステイ用パイプ材(60)の空洞内部に、左右の内壁(72a,72b)が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部(72)及びその凹部(72)よりも幅広の幅広凹部(71)が前記軸方向に離間した状態で外周上面に形成された棒状の雌型(70)を挿入し、前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)に対応する第一押込刃(82)及び第二押込刃(81)を有する雄型(80)を下方に移動させて前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)へ潰し込み、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面に溝部(61,62)を形成する成形方法であって、前記雄型(80)の第一押込刃(82)を、前記軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた短円柱状で、その断面形状においてその左右側面(82a,82b)が前記軸方向に垂直で左右の幅を前記凹部(72)の左右内壁(72a,72b)間の幅よりも0.1〜0.5mmの範囲で幅狭な円柱刃(82)とするとともに、前記雄型(80)の第二押込刃(81)を、前記軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた円錐体形状で、その断面形状においてその右側面(81b)が前記軸方向に垂直で左側面(81a)から右側面(81b)下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から前記軸方向に平行に延びる水平面を有する円錐刃(81)とし、さらに、前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)の深さを、形成される前記溝部(61,62)の溝深さに前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の肉厚を加えた量よりも深くして、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の外周面を前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の内周面が前記凹部(72)及び前記幅広凹部(71)の底面(71c,72c)に接触しないようにし、しかも前記雌型(70)は前記軸方向に垂直な断面を二分割する第一雌型(70A)と第二雌型(70B)からなり、前記第一雌型(70A)には前記凹部(72)又は前記幅広凹部(71)が形成され、前記溝部(61,62)の成形時において、前記雌型(70)を前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)に圧入して、前記円柱刃(82)の左右側面(82a,82b)をそれぞれ前記凹部(72)の左右内壁(72a,72bの左右内方に位置させるとともに、前記円錐刃(81)の右側面(81b)を前記幅広凹部(71)の右内壁(71b)の左内方に位置させた後、前記円柱刃(82)及び円錐刃(81)で前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)を、前記円柱刃(82)の外周面を前記凹部(72)に侵入させるとともに前記円錐刃(81)の水平面を前記幅広凹部(71)に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)の肉厚よりも深い前記溝部(61,62)を形成し、前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)をプレスした後、前記第二雌型(70B)を前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)から引き抜き、その後前記第一雌型(70A)を前記ヘッドレストステイ用パイプ材(60)から引き抜くことを特徴とする。
また、請求項3に記載のパイプ材(60)の溝部成形方法は、前記第一雌型(70A)は前記第二雌型(70B)と凹凸形状によりスライド可能に嵌合されていることを特徴とする。
このような作用効果は、雄型に矩形刃しかない場合であっても得ることができ、同様に雄型に傾斜刃しかない場合であっても得ることができる。
特に、請求項1に記載の発明のように雄型に矩形刃と傾斜刃の両方を備えると、一回のプレスにより必要な数の溝部をヘッドレストステイ用パイプ材に形成することができる。
このような作用効果は、雄型に円柱刃しかない場合であっても得ることができ、同様に雄型に円錐刃しかない場合であっても得ることができる。
特に、請求項2に記載の発明のように雄型に円柱刃と円錐刃の両方を備えると、一回のプレスにより必要な数の溝部をヘッドレストステイ用パイプ材に形成することができる。
また、請求項1及び2に記載のパイプ材の溝部成形方法によれば、雌型は軸方向に垂直な断面を二分割する第一雌型と第二雌型からなり、第一雌型には凹部又は幅広凹部が形成され、ヘッドレストステイ用パイプ材又はパイプ材をプレスした後、第二雌型をヘッドレストステイ用パイプ材又はパイプ材から引き抜き、その後第一雌型をヘッドレストステイ用パイプ材又はパイプ材から引き抜くので、溝深さがヘッドレストステイ用パイプ材又はパイプ材の肉厚よりも深い溝部を形成しても雌型を引き抜くことができる。
さらに、雌型はヘッドレストステイ用パイプ材に圧入されているので、ヘッドレストステイ用パイプ材のプレスされていない箇所の変形を最小限に抑えることができる。
また、請求項3に記載のパイプ材の溝部成形方法によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加え、第一雌型は第二雌型と凹凸形状によりスライド可能に嵌合されているので、第一雌型と第二雌型との位置決めを確実に行うことができ、しかも先に第二雌型だけを引き抜くことができる。

Claims (9)

  1. 左右に軸が延びるヘッドレストステイ用パイプ材の空洞内部に、左右の内壁が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部及びその凹部よりも幅広の幅広凹部が前記軸方向に離間した状態で外周上面に形成された棒状の雌型を挿入し、前記凹部及び前記幅広凹部に対応する第一押込刃及び第二押込刃を有する雄型を下方に移動させて前記ヘッドレストステイ用パイプ材の外周面を前記凹部及び前記幅広凹部へ潰し込み、前記ヘッドレストステイ用パイプ材の外周面に溝部を形成する成形方法であって、
    前記雄型の第一押込刃を、その左右側面が前記軸方向に垂直で左右の幅を前記凹部の左右内壁間の幅よりも幅狭な矩形刃とするとともに、前記雄型の第二押込刃を、その右側面が前記軸方向に垂直で左側面から右側面下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から前記軸方向に平行に延びる水平面を有する傾斜刃とし、さらに、前記凹部及び前記幅広凹部の深さを、前記ヘッドレストステイ用パイプ材の外周面を前記凹部及び前記幅広凹部に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記ヘッドレストステイ用パイプ材の内周面が前記凹部及び前記幅広凹部の底面に接触しないようにし、
    前記矩形刃の左右側面をそれぞれ前記凹部の左右内壁の左右内方に位置させるとともに、前記傾斜刃の右側面を前記幅広凹部の右内壁の左内方に位置させた後、前記矩形刃及び傾斜刃で前記ヘッドレストステイ用パイプ材を、前記矩形刃の下端を前記凹部に侵入させるとともに前記傾斜刃の下端を前記幅広凹部に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記ヘッドレストステイ用パイプ材の肉厚よりも深い前記溝部を形成することを特徴とするパイプ材の溝部成形方法。
  2. 左右に軸が延びるヘッドレストステイ用パイプ材の空洞内部に、左右の内壁が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部及びその凹部よりも幅広の幅広凹部が前記軸方向に離間した状態で外周上面に形成された棒状の雌型を挿入し、前記凹部及び前記幅広凹部に対応する第一押込刃及び第二押込刃を有する雄型を下方に移動させて前記ヘッドレストステイ用パイプ材の外周面を前記凹部及び前記幅広凹部へ潰し込み、前記ヘッドレストステイ用パイプ材の外周面に溝部を形成する成形方法であって、
    前記雄型の第一押込刃を、前記軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた短円柱状で、その断面形状においてその左右側面が前記軸方向に垂直で左右の幅を前記凹部の左右内壁間の幅よりも幅狭な円柱刃とするとともに、前記雄型の第二押込刃を、前記軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた円錐体形状で、その断面形状においてその右側面が前記軸方向に垂直で左側面から右側面下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から前記軸方向に平行に延びる水平面を有する円錐刃とし、さらに、前記凹部及び前記幅広凹部の深さを、前記ヘッドレストステイ用パイプ材の外周面を前記凹部及び前記幅広凹部に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記ヘッドレストステイ用パイプ材の内周面が前記凹部及び前記幅広凹部の底面に接触しないようにし、
    前記円柱刃の左右側面をそれぞれ前記凹部の左右内壁の左右内方に位置させるとともに、前記円錐刃の右側面を前記幅広凹部の右内壁の左内方に位置させた後、前記円柱刃及び円錐刃で前記ヘッドレストステイ用パイプ材を、前記円柱刃の外周面を前記凹部に侵入させるとともに前記円錐刃の水平面を前記幅広凹部に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記ヘッドレストステイ用パイプ材の肉厚よりも深い前記溝部を形成することを特徴とするパイプ材の溝部成形方法。
  3. 左右に軸が延びるパイプ材の空洞内部に、左右の内壁が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部が外周上面に形成された棒状の雌型を挿入し、前記凹部に対応する押込刃を有する雄型を下方に移動させて前記パイプ材の外周面を前記凹部へ潰し込み、前記パイプ材の外周面に溝部を形成する成形方法であって、
    前記雄型の押込刃を、その左右側面が前記軸方向に垂直で左右の幅を前記凹部の左右内壁間の幅よりも幅狭な矩形刃とするとともに、前記凹部の深さを、前記パイプ材の外周面を前記凹部に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記パイプ材の内周面が前記凹部の底面に接触しないようにし、
    前記矩形刃の左右側面をそれぞれ前記凹部の左右内壁の左右内方に位置させた後、前記矩形刃で前記パイプ材を、前記矩形刃の下端を前記凹部に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記パイプ材の肉厚よりも深い前記溝部を形成することを特徴とするパイプ材の溝成形方法。
  4. 左右に軸が延びるパイプ材の空洞内部に、左右の内壁が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部が外周上面に形成された棒状の雌型を挿入し、前記凹部に対応する押込刃を有する雄型を下方に移動させた前記パイプ材の外周面を前記凹部へ潰し込み、前記パイプ材の外周面に溝部を形成する成形方法であって、
    前記雄型の押込刃を、その右側面が前記軸方向に垂直で左側面から右側面下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から前記軸方向に平行に延びる水平面を有する傾斜刃とするとともに、前記凹部の深さを、前記パイプ材の外周面を前記凹部に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記パイプ材の内周面が前記凹部の底面に接触しないようにし、
    前記傾斜刃の右側面を前記凹部の右内壁の左内方に位置させた後、前記傾斜刃で前記パイプ材を、前記傾斜刃の下端を前記凹部に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記パイプ材の肉厚よりも深い前記溝部を形成することを特徴とするパイプ材の溝部成形方法。
  5. 左右に軸が延びるパイプ材の空洞内部に、左右の内壁が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部が外周上面に形成された棒状の雌型を挿入し、前記凹部に対応する押込刃を有する雄型を下方に移動させて前記パイプ材の外周面を前記凹部へ潰し込み、前記パイプ材の外周面に溝部を形成する成形方法であって、
    前記雄型の押込刃を、前記軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた短円柱状で、その断面形状においてその左右側面が前記軸方向に垂直で左右の幅を前記凹部の左右内壁間の幅よりも幅狭な円柱刃とするとともに、前記凹部の深さを、前記パイプ材の外周面を前記凹部に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記パイプ材の内周面が前記凹部の底面に接触しないようにし、
    前記円柱刃の左右側面をそれぞれ前記凹部の左右内壁の左右内方に位置させた後、前記円柱刃で前記パイプ材を、前記円柱刃の外周面を前記凹部に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記パイプ材の肉厚よりも深い前記溝部を形成することを特徴とするパイプ材の溝部成形方法。
  6. 左右に軸が延びるパイプ材の空洞内部に、左右の内壁が前記軸方向に垂直で断面矩形状の凹部が外周上面に形成された棒状の雌型を挿入し、前記凹部に対応する押込刃を有する雄型を下方に移動させた前記パイプ材の外周面を前記凹部へ潰し込み、前記パイプ材の外周面に溝部を形成する成形方法であって、
    前記雄型の押込刃を、前記軸に平行な回転軸の周りに回動自在に取付けられた円錐体形状で、その断面形状においてその右側面が前記軸方向に垂直で左側面から右側面下部に向かって下降する傾斜面とその傾斜面の下降位置から前記軸方向に平行に延びる水平面を有する円錐刃とするとともに、前記凹部の深さを、前記パイプ材の外周面を前記凹部に潰し込んだ際に、潰し込まれた前記パイプ材の内周面が前記凹部の底面に接触しないようにし、
    前記円錐刃の右側面を前記凹部の右内壁の左内方に位置させた後、前記円錐刃で前記パイプ材を、前記円錐刃の水平面を前記凹部に侵入させるようにプレスして、溝深さが前記パイプ材の肉厚よりも深い前記溝部を形成することを特徴とするパイプ材の溝部成形方法。
  7. 前記雌型は前記軸方向に垂直な断面を二分割する第一雌型と第二雌型からなり、前記第一雌型には前記凹部又は前記幅広凹部が形成され、
    前記ヘッドレストステイ用パイプ材又は前記パイプ材をプレスした後、前記第二雌型を前記ヘッドレストステイ用パイプ材又は前記パイプ材から引き抜き、その後前記第一雌型を前記ヘッドレストステイ用パイプ材又は前記パイプ材から引き抜くことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載のパイプ材の溝部成形方法。
  8. 前記第一雌型は前記第二雌型と凹凸形状によりスライド可能に嵌合されていることを特徴とする請求項7に記載のパイプ材の溝部成形方法。
  9. 前記雌型は前記ヘッドレストステイ用パイプ材又は前記パイプ材に圧入されていることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一つに記載のパイプ材の溝部成形方法。
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