以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(各種の予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図15)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔盤面の構成〕
図3は、遊技盤8を単独で示した正面図である。遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、右始動入賞口26(第1事象発生手段、第1始動入賞口)、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30、球振り分け装置200等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、球振り分け装置200を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や右始動入賞口26、可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴(図示していない)を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って左始動入賞口28a(第2事象発生手段、第2始動入賞口)への入賞を容易化する(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき左始動入賞口28aへの入賞は容易化されていない(遊技球が流入できる開口幅が狭められた状態)となっている。なお、このとき入賞は容易化されていないが、入賞の発生自体は可能な状態である。すなわち、左右一対の可動片28bの上方には流入路28c及び2本の障害釘(命釘)が配置されており、2本の障害釘(参照符号なし)の間から流入路28cに流入した遊技球は、流入路28c内を流下して左始動入賞口28aへ入賞することができる。
一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、左始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が容易化された状態となり、非作動時と比較して左始動入賞口28aへの入賞を容易に発生させる。なお、非作動時又は作動時のいずれであるかに関わらず、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
ここで、球放出路40fの下方部分であって、可変始動入賞装置28及び右始動入賞口26の上方部分には、球振り分け装置200が配置されている。なお、球振り分け装置200の構造の詳細及び動作については後述する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。可変入賞装置30は、演出ユニット40の上端部の左側に配置された装置であり(いわゆる上方アタッカー)、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態(演出ユニット40と連続している状態)で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして左方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。大入賞口に入賞した遊技球は、カウントスイッチ84を通過して入賞を検出された後、回収通路(参照符号なし)を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。なお、遊技盤8にベニヤ板でなく透明板(例えばアクリル板)を用いる場合、透明板の前面や背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性が付加される。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある球振り分け装置200に流入しやすくなる。その他に演出ユニット40には、演出用の可動体(例えばキャラクターのフィギュア、装飾物等)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属していてもよい。演出用の可動体は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体を用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔合計記憶数演出ユニット〕
演出ユニット40の右側縁部には、合計記憶数演出装置ユニット41が設置されている。合計記憶数演出装置ユニット41は、例えばロゴ表示体41a及び複数(ここでは8個)のメモリ表示体41bから構成されている。このうちロゴ表示体41aは、液晶表示器42の表示画面の右側上縁部に配置されており、そこから右側縁部及び右側下縁部にかけて、上記のメモリ表示体41bが列をなして配置されている。
ロゴ表示体41aは、例えば円形状の装飾部品を基調とした構成であり、その前面にはアルファベットの「E」及び「Z」をデザインした装飾文字(ロゴマーク)が付されている。また個々のメモリ表示体41bは、例えばハート形状の装飾部品を基調とした構成であり、それぞれ前面に数字の「1」〜「8」が遊技者から視認しやすい態様で付されている。また、これらロゴ表示体41a及び複数のメモリ表示体41bには、それぞれ図示しない発光器(LED)が内蔵されており、その点灯状態(点灯色、点灯パターン)を変化させることによって、ロゴ表示体41a及び各メモリ表示体41bは個別に発光による演出動作を行うことができる。
さらにロゴ表示体41a及び複数のメモリ表示体41bは、上述した可動体としても利用することができる。すなわち遊技盤8の裏側には、後述するロゴ表示体モータ194及びメモリ表示体モータ196が設置されており、これらモータを駆動源として、図示しないリンク機構や歯車伝導機構等を用いてロゴ表示体41a及び各メモリ表示体41bを作動させることができる。なお、ロゴ表示体41aやメモリ表示体41bの発光や可動を伴う具体的な演出態様については後述する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、右始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
また遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34(第1図柄表示手段)、第2特別図柄表示装置35(第2図柄表示手段)、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている(普通図柄表示手段、抽選要素記憶手段)。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図4は、遊技盤8の一部を複数箇所(窓4a内の右下位置及び液晶表示器42の直下位置)について拡大して示す正面図である。このうち図4中(A)は、第1特別図柄や第2特別図柄を含む遊技状態の表示が行われる箇所を拡大して示している。また図4中(B)は、上記の球振り分け装置200(第1構造例)を拡大して示している。本実施形態において、「特別図柄」には「第1特別図柄」と「第2特別図柄」の2つが含まれている。以下の説明で単に「特別図柄」という場合、「第1特別図柄」及び「第2特別図柄」の2つを総称しているものとする。
図4中(A):先ず第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の右始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で右始動入賞口26に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔球振り分け装置(第1構造例)〕
図4中(B):第1構造例の球振り分け装置200は、遊技状態にかかわらず右始動入賞口26での入賞(第1事象)及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)での入賞(第2事象)が交互に発生することを促進する装置である。
球振り分け装置200は、遊技球が1つ通過し得る程度の幅を有する振分誘導路201を備えている。振分誘導路201は、トンネル状の構造であり、1つの流入口202に対して2つの出口(第1放出口204及び第2放出口203)が形成されている。したがって、流入口202に流入した遊技球は、第1放出口204又は第2放出口203のいずれかへと導かれる。振分誘導路201は、透明な部材で構成されており、その内部での遊技球の視認性は確保されている。
振分誘導路201の中央部分には、円柱形状の空間が形成されており、その空間には風車形の回転体205が配置されている。回転体205は、その中心軸から放射状に延びた3つの羽部材205a,205b,205cを有している。回転体205は、電気的又はその他の動力による動作を行うものではなく、遊技球が羽部材205a,205b,205cに衝突することにより回転する。
ここで、回転体205の下方部分の振分誘導路201(第2放出口203と第1放出口204の中間付近)には、回転体205の回転を規制する2つの突起部206a,206bが設けられている。そして、これら突起部206a,206bに羽部材205a,205bが接触することにより、回転体205の回転が規制される。
図5及び図6は、第1構造例の球振り分け装置200の動作原理について説明する図である。図5は可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞を促進する態様で遊技球が振り分けられる場合の状態を示しており、図6は右始動入賞口26への入賞を促進する態様で遊技球が振り分けられる場合の状態を示している。
〔可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)側への振り分け〕
図5中(A)に示すように、最初の状態では、回転体205の羽部材205bが右側の突起部206bと接触している状態である。
この状態で遊技球300が流入口202に流入すると、回転体205における羽部材205aと羽部材205cとの間に遊技球300が入り込み、遊技球300の重みによって回転体205が左回り(反時計回り)に回転する。
そして、図5中(B)に示すように、回転体205が左回りに回転することにより、遊技球300が第2放出口203に導かれ、遊技球300が可変始動入賞装置28側へ振り分けられる。回転体205の羽部材205aは、左側の突起部206aに接触することにより、そこで回転体205の回転が規制される。
第2放出口203は下向きに開口しており、この開口端から可変始動入賞装置28の上方に配置された一対の障害釘(命釘)までの距離Dは、例えば遊技球300の直径より僅かに大きく設定されている。したがって、可変始動入賞装置28側へ振り分けられた遊技球300は、そのまま可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞する場合もあるし、一対の障害釘(命釘)に弾かれて可変始動入賞装置28に入賞しない場合もある。また、遊技領域8a内の障害釘の状態によっては球振り分け装置200を経由せずに、可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞する遊技球300もある。なお、左始動入賞口28aとその上方の障害釘との間にある流入路28cは、上記のように単なるゲート状の誘導体である。
なお流入路28cは、可変始動入賞装置28の非作動時において、一対の障害釘とともに左始動入賞口28aの開口幅W1を通常の大きさに規定しており、この場合の開口幅W1は遊技球300の直径より僅かに大きく設定されている(例えば直径の百数%程度)。また、可変始動入賞装置28の作動時には、上記のように一対の可動片28bが幅方向に開放されるため、左始動入賞口28aの開口幅W2(一対の可動片28bの先端間隔に相当)は通常よりも拡張される。また、ここでは流入路28cの大きさをある程度縦方向に長く(右始動入賞口26の縦寸法と同程度)設定した形態を例に挙げているが、流入路28cの縦寸法は遊技球300の直径より小さく設定されていてもよい。
〔右始動入賞口26側への振り分け〕
上述したように、可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)側への振り分けが行われた場合には、回転体205の羽部材205aが左側の突起部206aと接触している状態となる。
図6中(A)に示すように、この状態で遊技球300が流入口202に流入すると、回転体205における羽部材205bと羽部材205cとの間に遊技球300が入り込み、遊技球300の重みによって今度は回転体205が右回り(時計回り)に回転する。
そして、図6中(B)に示すように、回転体205が右回りに回転することにより、遊技球300が第1放出口204に導かれ、遊技球300が右始動入賞口26側へ振り分けられる。回転体205の羽部材205bは、右側の突起部206bに接触することにより、そこで回転体205の回転が規制される。
第1放出口204も同様に下向きに開口しており、この開口端から右始動入賞口26の上方に配置された一対の障害釘(命釘)までの距離Dもまた、例えば遊技球300の直径より僅かに大きく設定されている。したがって、右始動入賞口26側へ振り分けられた遊技球は、上述した可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)と同様に、そのまま右始動入賞口26に入賞する場合もあるし、右始動入賞口26の上方の釘に弾かれて右始動入賞口26に入賞しない場合もある。また、遊技領域8a内に配置された他の障害釘の状態によっては球振り分け装置200を経由せずに、右始動入賞口26に入賞する遊技球300もある。
本実施形態では、このような球振り分け装置200を採用しているため、右始動入賞口26での入賞(第1事象)及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)での入賞(第2事象)が比較的高頻度で交互に発生することを促進することができる。ただし、球振り分け装置200は右始動入賞口26で発生し得る無作為な入賞と、可変始動入賞装置28(右始動入賞口26)で発生し得る無作為な入賞とを交互に促進するものであり、必ず交互に入賞させる態様で振り分け動作を行うものではない。
すなわち、球振り分け装置200による第1放出口204からの遊技球300の放出は、右始動入賞口26での無作為な入賞が発生する機会を付与する動作(第1機会付与動作)である。また、球振り分け装置200による第2放出口203からの遊技球300の放出は、左始動入賞口28aでの無作為な入賞が発生する機会を付与する動作(第2機会付与動作)である。そして、右始動入賞口26や左始動入賞口28aでは、球振り分け装置200による振り分けの動作とは無関係にそれぞれ遊技領域4a内からの入賞が無作為に発生し得るため、右始動入賞口26での入賞の発生が連続することもあり得るし、左始動入賞口28aでの入賞の発生が連続することもあり得る。
〔球振り分け装置(第2構造例)〕
次に、第2構造例の球振り分け装置200について説明する。
図7は、第1構造例に代えて第2構造例の球振り分け装置200を配置した遊技盤8を単独で示した正面図である。第2構造例の球振り分け装置200も同様に、球放出路40fの下方部分であって、可変始動入賞装置28及び右始動入賞口26の上方部分に配置されている。なお、ここでは球振り分け装置200の構造以外で遊技盤8の構成に大きな変更はない。
図8は、第2構造例の球振り分け装置200を単独で示す正面図(A)及び部分断面図(B)である。以下、第1構造例(図4中(B)等)と対比しつつ説明する。なお、以下の説明中で第1構造例と共通する要素には同じ符号を付している。
第2構造例の球振り分け装置200は、例えばフロントパーツ200a及びリヤパーツ200bを有しており、これら2つのパーツ200a,200bが球振り分け装置200の本体部分(装置本体)を主に構成している。このうちリヤパーツ200bは、遊技盤8の板材(例えばベニヤ板、透明樹脂板)に対してその一部を嵌め込んだ状態で取り付けられる。すなわちリヤパーツ200bは、その大部分が盤面に沿って拡がったプレート状をなしているが、両端部分にはそれぞれ、盤面の奧方向へ突出した部分(図8では示さず)が一体に形成されている。これら突出部分は、遊技盤8の板材に形成された貫通孔(図示していない)に嵌め込まれている。またリヤパーツ200bは、遊技盤8に取り付けられた状態でプレート状の部分が盤面に沿って広がり、盤面の一部を装飾する。
フロントパーツ200aは、例えば透明樹脂材料で構成されており、その内部には盤面に沿って左右方向に延びる振分誘導路201が形成されている。またフロントパーツ200aの内部には、振分誘導路201の中央位置に回転体205が配置されている。回転体205の形状は第1構造例と異なっているが、その主な機能(遊技球300の重みによって時計回り、反時計回りに回転しながら交互に遊技球300を振り分ける機能)は同じである。
フロントパーツ200aはリヤパーツ200bの前面に取り付けられ、この状態で両パーツ200a,200bの上部位置に流入口202が形成されている。なお第2構造例においても、流入口202は上向きに開口している。
第2構造例の球振り分け装置200は、第1放出口204及び第2放出口203の形態が第1構造例と異なっている。すなわち、第1構造例では第1放出口204及び第2放出口203が下向きに開放していたが、第2構造例の場合、第1放出口204及び第2放出口203がいずれも前面に向けて開放している。したがって第2構造例の場合、第1放出口204及び第2放出口203の各開口面が遊技盤8の前面(盤面)と平行に配置されている。
前面向きの第1放出口204及び第2放出口203を形成するため、第2構造例の球振り分け装置200には、正面視で縦型の整流誘導路208,209が形成されている。これら整流誘導路208,209は、振分誘導路201の両端にそれぞれ連なり、そこから盤面の奥側へ向けて屈曲されている。そして各整流誘導路208,209は、盤面の奧で下方に潜り込み、さらに盤面の前面側へ折り返すようにして反転している。そして第1放出口204及び第2放出口203は、各整流誘導路208,209が反転した終端(開放端)に位置している。なお整流誘導路208,209は、上述したリヤパーツ200bの各突出部分に形成されている。
図9及び図10は、第2構造例の球振り分け装置200の構成をより詳細に示す分解斜視図である。このうち図9は球振り分け装置200を斜め上前方から示し、図10は球振り分け装置200を斜め上後方から示している。
上記のように球振り分け装置200は、その装置本体を構成するフロントパーツ200a及びリヤパーツ200bを有しており、これら2つのパーツ200a,200bは前後方向(図中Z軸方向)に組み合わせられる。このとき回転体205はフロントパーツ200aとリヤパーツ200bとの間に挟み込まれるようにして配置され、各パーツ200a,200bにピン接合された状態で回転自在に支持される。
なお回転体205には、例えば1つの羽部材205cにリンクロッド205dが形成されており、このリンクロッド205dは、回転体205の回転軸線に沿って奧方向へ突出している。これに対してリヤパーツ200bには挿通孔200eが形成されており、フロントパーツ200a及びリヤパーツ200bに回転体205が支持された状態で、リンクロッド205dは挿通孔200e内に挿入されるものとなっている。
ここで、第2構造例の球振り分け装置200は節度機構を有しており、節度機構は上記のリンクロッド205dの他に、梃子部材205e及びカウンタウエイト205fを組み合わせて構成されている。また、リヤパーツ200bの背面にはケース体200cが取り付けられており、節度機構を構成する部品はこのケース体200cに収容されるものとなっている。
上記の梃子部材205eは、リヤパーツ200b及びケース体200cにそれぞれピン接合された状態で、例えば回転体205と同じ回転軸線上にて回転自在に支持される。このとき回転体205のリンクロッド205dが挿通孔200eを通じて後方に突出し、その突出端にて梃子部材205eの一端部(短アーム)に接合されるものとなっている。梃子部材205eの他端部(長アーム)には、その長手方向に沿って長孔(参照符号なし)が形成されており、この長孔内にカウンタウエイト205fの一端がスライダ接合されるものとなっている。カウンタウエイト205fもまたリヤパーツ200b及びケース体200cにそれぞれピン接合され、その下端ピン(参照符号なし)を軸線として回転自在に支持される。
このような節度機構は、回転体205が時計回り又は反時計回りのいずれかに回転し、羽部材205a,205bのいずれかが突起部206a,206bに接触して回転が規制されると、この状態で回転体205に節度を付与(姿勢を保持)することができる。具体的には、回転体205の回転が規制されると、梃子部材205eが左右いずれかに傾斜した姿勢となるが、このときカウンタウエイト205fによって梃子部材205eが中立姿勢(直立姿勢)に復元しようとする動きが抑えられる。これにより、回転体205は遊技球300を振り分けた後の姿勢に保持されることになる。
なお、節度機構による回転体205の姿勢の保持は、突起部206a,206bと接触していない方の羽部材205a,205bに対して遊技球300の荷重が加わると解除される。すなわち節度機構は、遊技球300の荷重に抗してまで回転体205の姿勢を保持することはないため、その振り分け動作が阻害されることはない。
図9に示されているように、リヤパーツ200bの突出部分200dは中空をなしており、この中空の内部に上記の整流誘導路208,209が形成されている。また図10に示されているように、フロントパーツ200aには左右の突出部分200dに相対して一対の傾斜板201aが形成されており、フロントパーツ200aがリヤパーツ200bに組み合わされると、各傾斜板201aの先端部分はそれぞれ対応する突出部分200dの内部に張り出した状態となる。
各傾斜板201aは、振分誘導路201の左右両端に連なって形成されている。振分誘導路201は、中央位置から左右両端の方向に向かって下り傾斜し、それぞれ終端に段差が設けられている。そして各傾斜板201aは、振分誘導路201の左右両端より一段下がった位置から盤面の奧方向(後方:図中Z軸方向)に向かって下り傾斜している。
また図10に示されているように、フロントパーツ200aの内部には、振分誘導路201の左右両端に各傾斜板201aが連なる隅角部にコーナーリブ201bが形成されている。コーナーリブ201bは隅角部に沿う円弧形状をなしており、その円弧面にて遊技球300の方向変換を案内することができる。
〔遊技球の流下態様〕
図11は、第2構造例の球振り分け装置200における遊技球の流下態様を示す斜視図である。なお図11では煩雑化を防止するため、外観上で表出していない構成要素については図示を省略している。
図11中(A):例えば、回転体205の羽部材205aが突起部206aに接触した姿勢にあり、この状態で流入口202を通じて遊技球300が球振り分け装置200に流入すると、回転体205が正面視で時計回り方向に回転し、遊技球300は正面視で振分誘導路201の右方向に誘導される。そして、遊技球300が振分誘導路201の右終端から段差を介して傾斜板201a上に転動すると、コーナーリブ201bに案内されて遊技盤8の奧方向へ転動する。そして、遊技球300は傾斜板201aの下り傾斜によって整流誘導路209内に進入し、盤面に対して直交する軸線(図中Z軸線)に沿ってUターン(反転)すると、第1放出口204を通じて前方へ放出される。
図11中(B):あるいは、回転体205の羽部材205bが突起部206bに接触した姿勢にあり、この状態で流入口202を通じて遊技球300が球振り分け装置200に流入すると、今度は回転体205が正面視で反時計回り方向に回転し、遊技球300は正面視で振分誘導路201の左方向へ誘導される。そして、遊技球300が振分誘導路201の左終端から段差を介して傾斜板201a上に転動すると、コーナーリブ201bに案内されて遊技盤8の奧方向に転動する。そして、遊技球300は傾斜板201aの下り傾斜によって整流誘導路208内に進入し、盤面に対して直交する軸線(図中Z軸線)に沿ってUターン(反転)すると、第2放出口203を通じて前方へ放出される。
上記いずれの場合についても、遊技球300の荷重によって節度機構による回転体205の姿勢保持は解除される。また、遊技球300を振り分けたことで回転体205の回転が規制されると、節度機構が働いて回転体205の姿勢が保持される。
図12及び図13は、第2構造例の球振り分け装置200の動作原理について説明する図である。このうち図12は可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞を促進する態様で遊技球が振り分けられる場合の状態を示しており、図13は右始動入賞口26への入賞を促進する態様で遊技球が振り分けられる場合の状態を示している。
〔可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)側への振り分け〕
図12中(A):例えば最初の状態で、回転体205の羽部材205bが右側の突起部206bと接触しているとする。このとき回転体205には、節度機構による姿勢保持が作用している。
この状態で遊技球300が流入口202に流入すると、回転体205における羽部材205aと羽部材205cとの間に遊技球300が入り込み、遊技球300の重みによって節度機構が解除され、回転体205は左回り(反時計回り)に回転する。
そして、図12中(B)に示すように、回転体205が左回りに回転することにより、遊技球300が振分誘導路201の左方向へ誘導され、左側の傾斜板201aに達した所でコーナーリブ201bにより転動方向を奥側へ変換されると、傾斜板201aの傾斜に沿って左側の整流誘導路208に流下する。そして、遊技球300は整流誘導路208に案内されて方向変換し、第2放出口203から前面側へ放出される。これにより、遊技球300が可変始動入賞装置28側へ振り分けられることになる。このとき回転体205の羽部材205aは、左側の突起部206aに接触することにより、そこで回転体205の回転が規制される。そして、次に流入してきた遊技球300の荷重を受けるまでは、回転体205の姿勢が節度機構により保持される。
より好ましくは、整流誘導路208,209内にはそれぞれUターンリブ200fが形成されており、このUターンリブ200fは、整流誘導路208,209の上面から奥側の壁面、及び底面に至る領域内に形成されている。Uターンリブ200fは全体としてU字形状をなし、その湾曲した円弧面に沿って遊技球300のスムーズな流下を案内する。
第2構造例において第2放出口203は前面に向けて開口しており、この開口の下端縁(Uターンリブ200fのエッジ)から可変始動入賞装置28の上方に配置された一対の障害釘(命釘)までの距離Dは、例えば遊技球300の直径より大きく設定されていてもよいし、遊技球300の直径より小さく設定されていてもよい。いずれにしても、第2放出口203から遊技領域8a(図12には示さず)に再放出された遊技球300は、無作為な流下に伴って可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞する場合もあるし、一対の障害釘(命釘)に弾かれて可変始動入賞装置28に入賞しない場合もある。また第1構造例の場合と同様に、遊技領域8a内の障害釘の状態によっては球振り分け装置200を経由することなく、その周辺から可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞する遊技球300もある。
〔右始動入賞口26側への振り分け〕
図13中(A):次に、回転体205の羽部材205aが左側の突起部206aと接触している状態を想定する。このときも回転体205には、節度機構による姿勢保持が作用している。
この状態で遊技球300が流入口202に流入すると、今度は回転体205における羽部材205bと羽部材205cとの間に遊技球300が入り込み、遊技球300の重みによって節度機構が解除され、回転体205は右回り(時計回り)に回転する。
そして、図13中(B)に示すように、回転体205が右回りに回転することにより、遊技球300が振分誘導路201の右方向へ誘導され、右側の傾斜板201aに達した所でコーナーリブ201bにより転動方向を奥側へ変換されると、傾斜板201aの傾斜に沿って右側の整流誘導路209に流下する。そして、遊技球300は整流誘導路209に案内されて方向変換し、第1放出口204から前面側へ放出される。これにより、遊技球300が右始動入賞口26側へ振り分けられることになる。このとき回転体205の羽部材205bは、右側の突起部206bに接触することにより、そこで回転体205の回転が規制される。そして、次に流入してきた遊技球300の荷重を受けるまでは、回転体205の姿勢が節度機構により保持される。
第2構造例において、第1放出口204もまた前面に向けて開口しており、この開口の下端縁(Uターンリブ200fのエッジ)から右始動入賞口26の上方に配置された一対の障害釘(命釘)までの距離Dは、例えば遊技球300の直径より大きく設定されていてもよいし、遊技球300の直径より小さく設定されていてもよい。いずれにしても、第1放出口204から遊技領域8a(図13には示さず)に再放出された遊技球300は、無作為な流下に伴って右始動入賞口26に入賞する場合もあるし、一対の障害釘(命釘)に弾かれて右始動入賞口26に入賞しない場合もある。ここでも第1構造例の場合と同様に、遊技領域8a内の障害釘の状態によっては球振り分け装置200を経由することなく、その周辺から右始動入賞口26に入賞する遊技球300もある。
図14は、球振り分け装置200の内部構造を示す縦断面図(図13中のXIV−XIV線に沿う断面図)である。なお、ここでは右側の整流誘導路209を例に挙げているが、左側の整流誘導路208についても構造は同じである。
上記のように、遊技盤8の板材8bには貫通孔8cが形成されており、リヤパーツ200bの突出部分200dは貫通孔8c内に嵌め込まれている。このため整流誘導路209は、板材8bの内部(肉厚部分)を盤面より奥側へ延び、この奧の位置で下方へ屈曲された後に盤面の前面側へ折り返すようにして延びている。なお図14には、Uターンリブ200fの側面形状が示されている。
また第1放出口204は、前後方向(図中Z軸方向)でみて盤面とほぼ同じ位置(リヤパーツ200bのプレート状部分の厚み分前方)にて開口しており、その開口面は盤面と平行であることが分かる。
〔遊技球の整流作用〕
第2構造例の球振り分け装置200によれば、遊技球300の流下に対して以下の誘導や整流が行われる。
(1)先ず、流入口202を通じて流入した遊技球300を回転体205及び振分誘導路201により盤面に沿って左右いずれかの方向へ交互に振り分ける。
(2)次に、振分誘導路201の左右両端では、それぞれコーナーリブ201b及び傾斜板201aにより盤面に対して直交する軸線(図中Z軸線)に沿って奥側へ遊技球300の転動方向を変換する。
(3)左右の整流誘導路208,209内では、盤面より奧の位置でその軸線(図中Z軸線)に沿って遊技球300をUターンさせる。このとき遊技球300は、盤面の奧で下方に潜り込むようにして反転する。
(4)Uターンされた遊技球300は、前面に向けて開放した第1放出口204又は第2放出口203を通じて遊技領域8a内に再度放出される。
上記(2)から(3)の過程を通じて、遊技球300の流下の態様は左右方向から上下方向へ整えられており、上記(1)で与えられた左右方向への勢いが殺される(整流作用)。これにより、第1放出口204又は第2放出口203から放出された遊技球300の流下方向がほとんど下向きで安定し、左右方向に暴れにくくなるため、放出された遊技球300を右始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)へ高頻度で入賞させやすくすることができる。
したがって、本実施形態において第2構造例の球振り分け装置200を用いた場合でも、流入口202に遊技球300が流入したことに起因して、右始動入賞口26での入賞(第1事象)及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)での入賞(第2事象)が比較的高頻度で交互に発生することを促進することができる。ただし、ここでも同様に、球振り分け装置200は右始動入賞口26で発生し得る無作為な入賞と、可変始動入賞装置28(右始動入賞口26)で発生し得る無作為な入賞とを交互に促進するものであり、必ず交互に入賞させる態様で振り分け動作を行うものではない。
すなわち、第2構造例の球振り分け装置200についても、その第1放出口204からの遊技球300の放出は、右始動入賞口26での無作為な入賞が発生する機会を付与する動作(第1機会付与動作)である。また、球振り分け装置200による第2放出口203からの遊技球300の放出は、左始動入賞口28aでの無作為な入賞が発生する機会を付与する動作(第2機会付与動作)である。そして、右始動入賞口26や左始動入賞口28aでは、球振り分け装置200による振り分けの動作とは無関係にそれぞれ遊技領域8a内からの入賞が無作為に発生し得るため、右始動入賞口26での入賞の発生が連続することもあり得るし、左始動入賞口28aでの入賞の発生が連続することもあり得る。
〔球振り分け装置の特性〕
第1構造例及び第2構造例の球振り分け装置200は、右始動入賞口26及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に対して必ず交互に入賞を発生させるものではなく、あくまで無作為に入賞が発生する機会を交互に付与するものである。したがって、球振り分け装置200の流入口202に遊技球が流入しても、その時点で直ちに「入賞球」には該当せず、流入口202は「入賞口」に該当しない。
このため、本実施形態ではあくまで右始動入賞口26や可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)がそれぞれ「入賞口」となり、たとえ球振り分け装置200を経由して遊技球が右始動入賞口26に入賞した場合であっても、球振り分け装置200への流入ではなく、あくまで右始動入賞口26への入賞の発生を契機として第1特別図柄に対応する抽選用乱数を取得すればよい。また、球振り分け装置200を経由して遊技球が可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)に入賞した場合であっても、同じく球振り分け装置200への流入ではなく、あくまで可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞の発生を契機として第2特別図柄に対応する抽選用乱数を取得すればよい。
これにより、球振り分け装置200内に入賞検出用の右始動入賞口スイッチや左始動入賞用スイッチをわざわざ組み込む必要がなく、球振り分け装置200の構造を簡素化することができる。また、右始動入賞口26や可変始動入賞装置28の部品を専用に設計する必要がなく、従来使用されている共通部品を球振り分け装置200に合わせてレイアウトするだけで、本実施形態の遊技盤8を実現することができる。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図15は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、右始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して右始動入賞口スイッチ80、左始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、右始動入賞口26、可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、上記のように可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45を接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45は受け皿電飾基板に接続されていてもよい。その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。
上記のように記憶数演出装置ユニット41には、ロゴ表示体ランプ190、メモリ表示体ランプ192、ロゴ表示体モータ194及びメモリ表示体モータ196が付属している。これらランプ190,192やモータ194,196もまた、遊技盤8の裏側に設置されており、それぞれの設置位置でロゴ表示体41aやメモリ表示体41bの発光や動作を行う。そして、ロゴ表示体ランプ190、メモリ表示体ランプ192、ロゴ表示体モータ194及びメモリ表示体モータ196には、ランプ駆動回路132を通じてそれぞれ点灯制御信号や駆動制御信号が入力されるものとなっている。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば例陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、演出表示制御装置144、インバータ基板158に分配されている。なお演出表示制御装置144及びインバータ基板158には演出制御装置124を経由して電力が供給されており、液晶表示器42には演出表示制御装置144及びインバータ基板158をそれぞれ経由して電力が供給されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図16及び図17は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図17に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図19中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図19中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は、それぞれ乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチグループ決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図19)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図18は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なおバックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図16)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図19は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、右始動入賞口スイッチ80、左始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、右始動入賞口スイッチ80、左始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、右始動入賞口スイッチ80又は左始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、右始動入賞口スイッチ80又は左始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図20は、スイッチ入力イベント処理(図19中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(第1事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する左始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(第2事象が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図19)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図21は、第1特別図柄記憶更新処理(図20中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図20)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図19中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチグループ決定乱数、リーチ決定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(抽選要素記憶手段、変動パターン決定要素の取得)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチグループ決定乱数、リーチ決定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチ決定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第8)が設定されており、現段階で第1〜第8の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第8セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。ただし、第1特別図柄に関しては、4つのセクションしか使用できないこととなっている(第2特別図柄についても同様)。したがって、セクションに空きがあっても、第1特別図柄に関してすでに4つのセクションを使用している場合、それ以上第1特別図柄の各乱数が記憶されることはない。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中は先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中以外である場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図20)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図22は、第2特別図柄記憶更新処理(図20中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図20)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図21)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図19中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図21)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図21)と同様である。
ステップS44:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチグループ決定乱数、リーチ決定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(抽選要素記憶手段、変動パターン決定要素の取得)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図21)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチ決定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図21)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中は先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。ここで、先のステップS45aで大当り中か否かを判定しているのは、大当り中以外は、第2特別図柄については事前に内部抽選の結果を判定し、その結果を先読み演出に利用できるからである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図20)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図23は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS37,図22中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(右始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図22中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン事前判定手段、先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、変動時間短縮機能の作動状態別、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計記憶数別等の各種条件に応じて設定される変動時間(又は変動パターン番号)やリーチ変動の有無の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチグループ決定乱数、リーチ決定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は、例えば「合計記憶数別時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(非時間短縮状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチグループ決定乱数、リーチ決定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「合計記憶数別通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図21)又は第2特別図柄記憶更新処理(図22)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図21中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図22中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「非確変(通常)図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン事前判定手段、先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図21)又は第2特別図柄記憶更新処理(図22)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図19)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図24は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄の両方)が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、始動条件(第1始動条件、第2始動条件)を満たすとして主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が15ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回、15回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、大当りの種類として15ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の2ラウンド大当りが設けられている。また15ラウンド大当りについても、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図19中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、特別図柄の変動時間が通常の長さ(例えば、合計記憶数に応じて3.0秒〜13秒程度;ただし、リーチ変動を行う場合を除く。)に設定される非時間短縮状態から、この非時間短縮状態に比較して変動時間が短縮された長さ(例えば、1.3秒程度)に設定される状態に移行される。なお「合計記憶数」は、第1特別図柄及び第2特別図柄のそれぞれに対応する作動記憶の数を合計した値である。
時間短縮機能作動中は特別図柄の変動時間が短縮されることに加えて、普通図柄の抽選が高確率(例えば低確率で250分の1→250分の249程度)になり、また、普通図柄の変動時間が短縮(例えば非作動時で10秒程度→1秒程度に短縮)されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長(例えば非作動時で0.3秒程度→2.5秒程度に延長)され、さらに開放回数が増加(例えば、非作動時で1回→2回に増加)するため、遊技球の発射が長時間(普通図柄の作動記憶が全て途絶えて可変始動入賞装置28が作動を停止する程度の時間)にわたって途切れない限り、第2特別図柄の作動記憶が途切れにくくなっている(いわゆる電チューサポート)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「15ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として(1)「15ラウンド確変大当り」、(2)「15ラウンド通常(非確変)大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。また「15ラウンド大当り」以外に、本実施形態では複数の当選種類(特殊当選種類)として例えば(3)「2ラウンド確変大当り」、(4)「2ラウンド通常大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「15ラウンド確変大当り」は「15ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「15ラウンド通常大当り」は「15ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。また、「2ラウンド確変大当り」は「2ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「2ラウンド通常大当り」は「2ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。このため以下の説明では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔15ラウンド通常図柄〕
先ず、上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。このため「15ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。ただし、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔15ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。これら「15ラウンド確変図柄」の大当り遊技もまた、それぞれが15ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔2ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特殊遊技実行手段)。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド確変図柄」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。その代わり、当選種類が「2ラウンド確変図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。このような「2ラウンド確変図柄」については、遊技者に対して明確な大当り遊技を経ることなく、突発的に「高確率状態」が発生したかのような印象を抱かせるものとなる。なお、ここでは開放時間を極端な短時間に設定した例を挙げているが、2ラウンドの大当り遊技であっても、例えば1ラウンド中に複数個(例えば9個程度)の遊技球の入賞が可能となる充分な開放時間を設定することとしてもよい。この場合、ある程度の賞球払い出しという特典を付与した上で、「高確率状態」に移行する特典を遊技者に享受させることができる。
いずれにしても、当選図柄が上記の「15ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「15ラウンド確変図柄」又は「2ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「15ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は通常確率状態(低確率状態)に復帰する。また言うまでもなく、通常確率状態で内部抽選に当選し、「15ラウンド通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は通常確率状態に維持される。
〔2ラウンド通常図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「2ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から短期間の大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特殊遊技実行手段)。ただし、2ラウンドの大当り遊技は、15ラウンドの大当り遊技に比較して極端に短時間内で終了するため、大入賞口への入賞はほとんど発生することがない。したがって「2ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく短期間内で終了する。しかも、当選種類が「2ラウンド通常図柄」に該当していた場合、大当り遊技の終了後には、「確率変動機能」も「時間短縮機能」も作動されない。その結果として、大当り前の状態が「高確率状態」であれば「低確率状態」に移行されるし、大当り前の状態が「低確率状態」であれば、その「低確率状態」が維持される。このような「2ラウンド通常図柄」については、「高確率状態」を終了させる意義を有している。なお、ここでは開放時間を極端な短時間に設定した例を挙げているが、2ラウンドの大当り遊技であっても、例えば1ラウンド中に複数個(例えば9個程度)の遊技球の入賞が可能となる充分な開放時間を設定することとしてもよい。この場合、「高確率状態」は終了したとしても、ある程度の賞球払い出しによる特典を遊技者に付与することができる。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される(なお、本実施形態では、第2特別図柄に関しては小当りを設定していない)。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、2ラウンド大当り遊技と同様に大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。
〔特別図柄変動前処理〕
図25は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図19中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)を取得した順に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。本実施形態では、RAM76の乱数記憶領域に記憶された(取得された)順に乱数が読み出される。またこの処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図19中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図19中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かにより、また、変動開始時(変動表示開始時)の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計記憶数によって異なってくる。この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認し、また、第1特別図柄作動記憶数の値と第2特別図柄作動記憶数の値をそれぞれロードする。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば合計記憶数別に4.0秒〜1.3秒程度)に設定される。また「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は合計記憶数に基づいて短縮される(例えば合計記憶数別に3.0秒〜1.5秒程度)。このような、合計記憶数に応じた変動時間の短縮についてはさらに後述する。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
また本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。なお本実施形態では、変動開始時の合計記憶数に応じて非当選時に「リーチ演出」に対応した変動パターンの選択比率の設定が異なっており、合計記憶数がどの値(1〜8個)にあるかによって「リーチ演出」の発生比率が異なっている(詳細は後述する。)。
〔はずれ時変動パターン決定処理〕
図26は、はずれ時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。はずれ時変動パターン決定処理は、変動パターン選択用テーブルアドレス状態別選択処理(ステップS2450)、変動パターン選択用テーブルアドレス作動記憶数別選択処理(ステップS2452)、変動パターン選択用テーブルアドレスリーチ別選択処理(ステップS2454)、リーチ選択処理(ステップS2456)及び変動パターン番号設定処理(ステップS2458)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿ってはずれ時変動パターン決定処理の流れを説明する。
ステップS2450:変動パターン選択用テーブルアドレス状態別選択処理において、主制御CPU72は、現在の内部状態(遊技状態)別に使用する変動パターン選択用テーブルのアドレスを決定する。具体的には、主制御CPU72はROM74の「変動パターン選択用テーブルアドレス状態別選択テーブル」を参照し、現在の内部状態に応じて「遊技状態別オフセット値」を決定すると、今回のはずれ時変動パターン決定処理において使用する変動パターン選択用テーブルのアドレス加算値(+00H〜+06H)を取得する。なお、「変動パターン選択用テーブルアドレス状態別選択テーブル」の構成例については、別の図面を参照してさらに後述する。
ステップS2452:内部状態別に変動パターン選択用テーブルアドレスを決定すると、次に変動パターン選択用テーブルアドレス作動記憶数別選択処理において主制御CPU72は、合計記憶数の値に応じて今回の選択対象となる変動パターン選択用テーブルの種類を決定する。なお、合計記憶数別に選択対象となる変動パターン選択用テーブルの種類については、別の図面を参照してさらに後述する。
ステップS2454:合計記憶数別に変動パターン選択用テーブルの種類を決定すると、次に変動パターン選択用テーブルアドレスリーチ別選択処理において主制御CPU72は、今回選択した変動パターン選択用テーブルの中で非リーチグループ又はリーチグループのいずれかの変動パターン選択用テーブルアドレスを選択する。このうち「非リーチグループ」に分類される変動パターン選択用テーブルアドレスを参照した場合、非リーチ変動パターンを指定する変動パターン選択用テーブルが選択される。一方の「リーチグループ」に分類される変動パターン選択用テーブルアドレスを参照した場合、リーチ変動パターンを指定する変動パターン選択用テーブルが選択されることになる。なお、変動パターン選択用テーブルアドレスリーチ別選択処理において参照されるテーブルの構成例については、別の図面を参照してさらに後述する。
ステップS2456:非リーチグループ又はリーチグループのいずれかの変動パターン選択用テーブルアドレスを選択すると、次にリーチ選択処理において主制御CPU72は、最終的な変動パターン選択用テーブルを選択する。なお、ここではプログラムモジュールに「リーチ選択処理」の名称を用いているが、先の変動パターン選択用テーブルアドレスリーチ別選択処理で「非リーチグループ」に分類される変動パターン選択用テーブルアドレスを選択した場合、基本的に非リーチ変動パターンを規定した変動パターン選択用テーブルが選択されることになる。逆に、先の変動パターン選択用テーブルアドレスリーチ別選択処理で「リーチグループ」に分類される変動パターン選択用テーブルアドレスを選択した場合、基本的にリーチ変動パターンのみを規定した変動パターン選択用テーブルが選択される。
ステップS2458:最終的な変動パターン選択用テーブルを選択すると、次に変動パターン番号設定処理において主制御CPU72は、変動パターン決定乱数を用いて変動パターン番号を設定する。特に図示しないが、変動パターン選択用テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には複数の異なる値(例えば「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」等)が設定されており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」が予め割り当てられている。主制御CPU72は、変動パターン決定乱数の値と比較値とを先頭アドレスから順番に比較していき、変動パターン決定乱数の値が比較値以下であれば、その比較値と対応する変動パターン番号を選択する。そして主制御CPU72は、選択した変動パターン番号に基づいて変動パターン指定コマンド(MODE+EVENT)を生成する。なお、このような変動パターン選択テーブルは、取得時演出判定処理(図23)の事前判定処理においても使用される(大当り時も同様)。
〔変動パターン選択用テーブルアドレス状態別選択テーブル〕
図27は、変動パターン選択用テーブルアドレス状態別選択テーブルの構成例を示す図である。変動パターン選択用テーブルアドレス状態別選択テーブルは、内部状態として「特別図柄変動時間短縮機能」及び「特別図柄確率変動機能」の作動・非作動の状態別に「遊技状態別オフセット値」を決定し、そこから「状態別変動パターン選択用テーブルアドレス加算値」を設定するためのものである。
例えば、図27に示すテーブルの最上段(見出し段を除く。以下同じ。)に示されているように、「特別図柄変動時間短縮機能」が非作動(=0)であり、かつ、「特別図柄確率変動機能」が非作動(=0)である場合、「遊技状態別オフセット値」は「0」となり、「状態別変動パターン選択用テーブルアドレス加算値」に「+00H」が設定される。また2段目に示されているように、「特別図柄変動時間短縮機能」が作動中(=1)であり、かつ、「特別図柄確率変動機能」が非作動(=0)である場合、「遊技状態別オフセット値」は「1」となり、「状態別変動パターン選択用テーブルアドレス加算値」には「+02H」が設定される。以下同様に、「特別図柄変動時間短縮機能」が作動中(=1)であり、かつ、「特別図柄確率変動機能」が作動中(=1)であれば、「遊技状態別オフセット値」は「2」となり、「状態別変動パターン選択用テーブルアドレス加算値」に「+04H」が設定される。そして、「特別図柄変動時間短縮機能」が非作動(=0)であり、かつ、「特別図柄確率変動機能」が作動中(=1)である場合、「遊技状態別オフセット値」は「3」となり、「状態別変動パターン選択用テーブルアドレス加算値」には「+06H」が設定されることになる。
いずれにしても、主制御CPU72は「状態別変動パターン選択用テーブルアドレス加算値」を設定すると、先の変動パターン選択用テーブルアドレス状態別選択処理において、図示しない変動パターン選択用テーブルの先頭アドレスに加算値(+00H〜+06H)を加算し、状態別変動パターン選択用テーブルアドレスを選択する。
〔作動記憶数別選択対象テーブル〕
図28は、合計記憶数別に選択対象となる変動パターン選択用テーブルの種類を規定した作動記憶数別選択対象テーブルの構成例を示す図である。なお図28のテーブルは、内部状態として「特別図柄変動時間短縮機能」が非作動(=0)であり、かつ、「特別図柄確率変動機能」が非作動(=0)である場合(いわゆる通常時)に選択される。主制御CPU72は先の変動パターン選択用テーブルアドレス作動記憶数別選択処理において、作動記憶数別選択対象テーブルに基づき合計記憶数の値に応じて選択対象となる変動パターン選択用テーブルの種類を決定する。なお、図28の左端カラムに示される「合計記憶数」は、特別図柄記憶エリアシフト処理(図25中のステップS2200)で作動記憶数カウンタの値が1減算される前の値であり、減算後における変動開始時の値は括弧書きで示されている。また左から2番目のカラムには、内部抽選の結果が非当選に該当し、変動パターンとして非リーチを選択時に設定される変動秒数が示されている。
例えば、合計記憶数が1個又は2個(少数域)である場合、右側欄に示されているように、選択対象テーブルの種類として「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」が決定される。この場合、非リーチ選択時の変動秒数は初期段階の「13.0秒」に設定されている。また合計記憶数が3個又は4個(第1中間域,中間域)である場合、選択用テーブルの種類として「第1短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」が決定される。この場合、非リーチ選択時の変動秒数は、初期段階より1段階短縮された「6.0秒」に設定されることになる。
以下同様に、合計記憶数が5個(第2中間域,中間域)である場合、選択用テーブルの種類として「第2短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」が決定され、非リーチ選択時の変動秒数は、さらに1段階(初期段階から2段階)短縮された「3.0秒」に設定される。また合計記憶数が6個又は7個(特定域)である場合、選択用テーブルの種類として「過剰記憶発生抑制ゾーン用変動パターン選択用テーブル」が決定され、この場合の非リーチ選択時の変動秒数は、最高段階にまで短縮されて「1.5秒」に設定される。このように、通常時に合計記憶数が1個(最小数)から7個(特定数)まで増加する場合、非リーチ選択時の変動秒数は合計記憶数の変化に応じて段階的に短縮して設定されることになる。
一方、通常時に合計記憶数が8個(最大数)に達した場合、選択用テーブルの種類として「最大記憶数到達時演出発生ゾーン用変動パターン選択用テーブル」が決定され、非リーチ選択時の変動秒数は、それまでより短縮の度合を緩和した「6.0秒」に設定される。なお、ここまで図示とともに挙げた変動秒数の設定はあくまで例示であり、段階的な短縮の傾向が同じであれば、実際の変動秒数は上記と異なっていてもよい。
〔標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル〕
図29は、標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブルの構成例を示す図である。通常時に合計記憶数が1個又は2個(少数域)であり、内部抽選の結果が非当選に該当する場合、主制御CPU72は先の変動パターン選択用テーブルアドレスリーチ別選択処理において、図29に示される「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」から変動パターン選択用テーブルアドレスを選択する。
「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」は、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン選択用テーブルアドレスのグループ番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。ここでも「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「リーチ選択用テーブルアドレス」の非リーチグループ番号「1」〜「6」、リーチグループ番号「01」及び「02」が割り当てられている。
主制御CPU72は、取得したリーチグループ決定乱数値を上記の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する非リーチグループ番号又はリーチグループ番号を選択する。例えば、そのときのリーチグループ決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較して乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する非リーチグループ番号「2」を選択する。あるいは、リーチグループ決定乱数値が「252」であれば、主制御CPU72は比較値「241」まで比較した後、次の比較値「251」を超えていることから、対応するリーチグループ番号「02」を選択する。
非リーチグループ番号「1」〜「6」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンのみを規定した変動パターン選択用テーブルのアドレスに対応しており、リーチグループ番号「01」及び「02」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンのみを規定した変動パターン選択用テーブルのアドレスに対応している。
すなわち、変動パターン選択用テーブルアドレスとして非リーチグループ番号「1」〜「6」のいずれかが選択された場合、リーチ選択処理(図26中のステップS2456)において、はずれ時非リーチ変動パターンが選択される結果、変動パターン番号設定処理(図26中のステップS2458)では、標準的な変動時間である通常変動時間(13.0秒)が設定されることになる。
一方、変動パターン選択用テーブルアドレスとしてリーチグループ番号「01」又は「02」のいずれかが選択されると、リーチ選択処理(図26中のステップS2456)において、はずれ時リーチ変動パターンが選択されることになる。この場合、変動パターン番号設定処理(図26中のステップS2458)では、標準的な変動時間とは異なる比較的長めの変動時間(例えば30秒〜100秒以上)が設定されることになる。なお、このような変動パターン選択用テーブルは、取得時演出判定処理(図23)の事前判定処理においても使用される(大当り時も同様)。
〔第1短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル〕
次に図30は、第1短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブルの構成例を示す図である。通常時に合計記憶数が3個又は4個(第1中間域,中間域)であり、内部抽選の結果が非当選に該当する場合、主制御CPU72は先の変動パターン選択用テーブルアドレスリーチ別選択処理において、図30に示される「第1短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」から変動パターン選択用テーブルアドレスを選択する。
「第1短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」は、先の「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」と同様の構造を有しているが、変動パターン選択用テーブルアドレスに規定されている非リーチグループ番号は「1」と「2」だけであり、「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」と比較して、規定されている非リーチグループ番号が少ない。その代わり、リーチグループ番号は「01」〜「06」までが規定されており、こちらは「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」と比較して規定されているリーチグループ番号が多くなっている。
このため、主制御CPU72が「第1短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」を参照して変動パターン選択用テーブルを選択した場合、「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」を参照した場合に比較して、はずれ時にリーチ変動パターンを選択する比率が高くなる。
なお、変動パターン選択用テーブルアドレスとして非リーチグループ番号「1」又は「2」のいずれかが選択された場合、リーチ選択処理(図26中のステップS2456)において、はずれ時非リーチ変動パターンが選択される結果、変動パターン番号設定処理(図26中のステップS2458)では、先の通常変動時間(13.0秒)よりも1段階短縮した第1短縮変動時間(6.0秒)が設定されることになる。
また、変動パターン選択用テーブルアドレスとしてリーチグループ番号「01」〜「06」のいずれかが選択されると、リーチ選択処理(図26中のステップS2456)において、はずれ時リーチ変動パターンが選択される点は先と同様である。そしてこの場合、変動パターン番号設定処理(図26中のステップS2458)では、標準的な変動時間とは異なる比較的長めの変動時間(例えば30秒〜100秒以上)が設定されることになる。
〔その他ゾーン用変動パターン選択用テーブル〕
特に図示していないが、その他の「第2短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」、「過剰記憶発生抑制ゾーン用変動パターン選択用テーブル」及び「最大記憶数到達時演出発生ゾーン用変動パターン選択用テーブル」についても、「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」や「第1短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」と同様の構造を有している。ただし、規定されている非リーチグループ番号の数とリーチグループ番号の数は「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」と同程度であり、「第1短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」のようにリーチグループ番号が多く設定されていない。このため本実施形態では、主制御CPU72が「第1短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」を参照して変動パターン選択用テーブルを選択した場合、「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」だけでなく、その他の「第2短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」、「過剰記憶発生抑制ゾーン用変動パターン選択用テーブル」及び「最大記憶数到達時演出発生ゾーン用変動パターン選択用テーブル」を参照した場合と比較しても、はずれ時にリーチ変動パターンを選択する比率が高くなることが分かる。
〔変動時間の短縮度合〕
ここで、これら「第2短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」、「過剰記憶発生抑制ゾーン用変動パターン選択用テーブル」及び「最大記憶数到達時演出発生ゾーン用変動パターン選択用テーブル」については、それぞれ非リーチグループ番号選択時に設定される変動時間の短縮の度合が異なっている。以下、この点について説明する。
〔第2短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル参照時〕
「第2短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」が参照されると、変動パターン選択用テーブルアドレスとして非リーチグループ番号「1」〜「6」のいずれかが選択された場合、さらに短縮の度合を増して変動時間が設定される。すなわち、この場合、第1短縮変動時間(6.0秒)よりもさらに1段階短縮した第2短縮変動時間(3.0秒)が設定される。
〔過剰記憶発生抑制ゾーン用変動パターン選択用テーブル参照時〕
また、「過剰記憶発生抑制ゾーン用変動パターン選択用テーブル」が参照されると、変動パターン選択用テーブルアドレスとして非リーチグループ番号「1」〜「6」のいずれかが選択された場合、短縮の度合を最大にした変動時間が設定される。すなわち、この場合、第2短縮変動時間(3.0秒)よりもさらに1段階短縮した最短変動時間(1.5秒)が設定されることになる。
〔最大記憶数到達時演出発生ゾーン用変動パターン選択用テーブル参照時〕
一方、「最大記憶数到達時演出発生ゾーン用変動パターン選択用テーブル」が参照されると、変動パターン選択用テーブルアドレスとして非リーチグループ番号「1」〜「6」のいずれかが選択された場合、最短変動時間よりも長めの変動時間が設定される。すなわちこの場合は、通常変動時間からの短縮の度合を最短変動時間よりも緩和した最大記憶数到達時変動時間(6.0秒)が設定されることになる。
〔合計記憶数の変化に応じた変動時間の設定のまとめ〕
図31は、はずれ時変動パターン決定処理(図26)を通じて設定される合計記憶数と変動時間との関係を一覧にして示した図である。また図31には、合計記憶数の値に応じた変動時間設定のゾーン分けやリーチ変動パターン選択比率、内部抽選の実行頻度の調整段階等が合わせて示されている。以下、それぞれについて説明する。
〔合計記憶数別ゾーン分け〕
図31中(A):本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれに対応する作動記憶が最大4個であり、合計記憶数は0個〜8個までの範囲内で変化する。
〔標準変動時間設定ゾーンZN1〕
合計記憶数が1個又は2個の「少数域」にある場合、変動時間の設定に関して「標準変動時間設定ゾーンZN1」となる。またこの場合、上記(図29)の「標準変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」から、はずれ時非リーチ選択時の変動秒数は通常変動時間の「13.0秒」に設定される(変動時間短縮設定手段による通常変動時間の設定)。
〔第1短縮変動時間設定ゾーンZN2〕
合計記憶数が3個又は4個の「第1中間域」にある場合、変動時間の設定に関して「第1短縮変動時間設定ゾーンZN2」となる。またこの場合、上記(図30)の「第1短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」から、はずれ時非リーチ選択時の変動秒数は第1短縮変動時間の「6.0秒」に設定される。これにより、変動時間は通常変動時間から1段階短縮されることになる(変動時間短縮設定手段による変動時間の短縮)。
〔第2短縮変動時間設定ゾーンZN3〕
本実施形態では合計記憶数が5個の場合を「第2中間域」とし、変動時間の設定に関して「第2短縮変動時間設定ゾーンZN3」とする。この場合、図示しない「第2短縮変動時間設定ゾーン用変動パターン選択用テーブル」から、はずれ時非リーチ選択時の変動秒数は第2短縮変動時間の「3.0秒」に設定される。これにより、変動時間は第1短縮変動時間から1段階(通常変動時間から2段階)短縮されることになる(変動時間短縮設定手段による変動時間の短縮)。
〔過剰記憶発生抑制ゾーンZN4〕
また本実施形態では、合計記憶数が6個又は7個の場合を「特定域」とし、変動時間の設定に関して「過剰記憶発生抑制ゾーンZN4」としている。この場合、図示しない「過剰記憶発生抑制ゾーン用変動パターン選択用テーブル」から、はずれ時非リーチ選択時の変動秒数は最短変動時間の「1.5秒」に設定される。これにより、変動時間は第2短縮変動時間から1段階(通常変動時間から3段階)短縮されることになる(変動時間短縮設定手段による変動時間の短縮)。
〔最大記憶数到達時演出発生ゾーンZN5〕
次に本実施形態では、合計記憶数が最大数の8個に達した場合、変動時間の設定に関して「最大記憶数到達時演出発生ゾーンZN5」となる。この場合、図示しない「最大記憶数到達時演出発生ゾーン用変動パターン選択用テーブル」から、はずれ時非リーチ選択時の変動秒数は、通常変動時間からの短縮の度合を最短変動時間よりも緩和した「6.0秒」に設定される(記憶数最大時変動時間設定手段)。
〔はずれ時リーチ変動パターン選択比率〕
図31中(B):合計記憶数別の各ゾーンZN1〜ZN5では、上記のようにリーチ選択処理において参照される変動パターン選択用テーブルが異なる(例えば図29と図30)。このような変動パターン選択用テーブルの違いは、ゾーンZN1〜ZN5ごとにリーチグループのテーブルアドレスが選択される比率に高低差を設けることで、結果的にゾーンZN1〜ZN5別にはずれ時リーチ変動パターンの選択比率に高低差を設定している。なお本実施形態では、上記のように「第1短縮変動時間設定ゾーンZN2」がその他のゾーンZN1,ZN3〜5に比較してリーチ変動パターン選択比率が高く設定されている。
〔内部抽選実行頻度の設定段階〕
図31中(C):本実施形態では、上記のようにゾーンZN1〜ZN5別に非リーチ選択時の変動時間を設定し、合計記憶数の変化に応じて変動時間を段階的に短縮することで、各ゾーンZN1〜ZN5別に内部抽選が実行される頻度に変化を与えている。このような変化は、遊技球の発射が一定のペース(例えば1分間に100発のペース)でなされていることを前提とした上で、発射された遊技球が球振り分け装置200の流入口202に流入(中間事象が発生)する平均的な発生頻度に対して、主制御CPU72による内部抽選の相対的な実行頻度を段階的に調整することになる(頻度調整手段)。
〔標準設定段階〕
すなわち、合計記憶数が1個又は2個の「少数域」にある場合、変動時間の設定に関して「標準変動時間設定ゾーンZN1」となるが、このゾーンZN1では非リーチ選択時に標準的な通常変動時間が設定される。この場合、遊技球が球振り分け装置200の流入口202に流入する平均的な発生頻度に対する内部抽選の実行頻度は、全てのゾーンZN1〜ZN5の中で最も低い段階、つまり「最低段階」に調整される。これにより、第1抽選要素や第2抽選要素が蓄積されるペースに比較して消費されるペースが遅くなるので、第1抽選要素又は第2抽選要素の記憶の増加を促進することができる。
〔第1低減設定段階(低減設定段階)〕
次に、合計記憶数が3個又は4個の「第1中間域(中間域)」にある場合、変動時間の設定に関して「第1短縮変動時間設定ゾーンZN2」となり、非リーチ選択時に第1短縮変動時間(短縮変動時間)が設定されてゾーンZN1から変動時間が1段階短縮される。この場合、遊技球が球振り分け装置200の流入口202に流入する平均的な発生頻度に対する内部抽選の実行頻度は、ゾーンZN1の「最低段階」より1段階高く調整される。これにより、第1抽選要素や第2抽選要素が消費されるペースが1段階速められ、第1抽選要素又は第2抽選要素の記憶の増加を促進する度合をゾーンZN1よりも低減することができる。
ただし「第1短縮変動時間設定ゾーンZN2」では、その他のゾーンZN1,ZN3〜ZN5に比較してリーチ変動パターン選択比率が高く設定されており、実際にリーチ変動パターンが選択された場合、非リーチ時に比較して内部抽選が実行される間隔は一時的に延長される(頻度調整手段による一時延長機会の発生)。
〔第2低減設定段階(低減設定段階)〕
また、合計記憶数が5個の「第2中間域(中間域)」にある場合、変動時間の設定に関して「第2短縮変動時間設定ゾーンZN3」となり、非リーチ選択時に第2短縮変動時間(短縮変動時間)が設定されてゾーンZN2から変動時間がさらに1段階短縮される。この場合、遊技球が球振り分け装置200の流入口202に流入する平均的な発生頻度に対する内部抽選の実行頻度は、ゾーンZN2のときより1段階高く調整される。これにより、第1抽選要素や第2抽選要素が消費されるペースがさらに1段階速められ、第1抽選要素又は第2抽選要素の記憶の増加を促進する度合をゾーンZN2よりも低減することができる。
〔抑制設定段階〕
合計記憶数が6個又は7個の「特定域」にある場合、変動時間の設定に関して「過剰記憶発生抑制ゾーンZN4」となり、非リーチ選択時に最短変動時間が設定されてゾーンZN3から変動時間がさらに1段階短縮される。この場合、遊技球が球振り分け装置200の流入口202に流入する平均的な発生頻度に対する内部抽選の実行頻度は、全ゾーンZN1〜ZN5の中で最も高い段階、つまり「最高段階」に調整される。これにより、第1抽選要素や第2抽選要素が消費されるペースは最大となるので、第1抽選要素又は第2抽選要素の記憶の増加を抑制することができる。
〔演出機会設定段階〕
そして、合計記憶数が8個の「最大数」に達した場合、変動時間の設定に関して「最大記憶数到達時演出発生ゾーンZN5」となり、非リーチ選択時には通常変動時間からの短縮の度合を最短変動時間よりも緩和した最大記憶数到達時変動時間が設定され、ゾーンZN4よりは変動時間の短縮の度合が低くなる。この場合、遊技球が球振り分け装置200の流入口202に流入する平均的な発生頻度に対する内部抽選の実行頻度は、ゾーンZN4の「最低段階」より低く調整される。また、短縮の度合を緩和した最大記憶数到達時変動時間内に演出時間が確保できるので、この演出時間を利用して合計記憶数の値が最大数の8個に達したことを表す内容の演出が実行される機会を設定することができる。なお、最大数到達時に演出例については後述する。
特に本実施形態では、特に「時間短縮状態」であるか「非時間短縮状態」であるかに関わらず、球振り分け装置200によって右始動入賞口26への入賞と可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞を交互に発生させることができる(あるいは、交互に入賞が発生することを促進することができる)。このため、遊技者によって遊技球の打ち出しが特に大きく中断されていなければ、第1特別図柄の作動記憶数と第2特別図柄の作動記憶数がそれぞれ最大値(4個)に達することで、通常状態での遊技中に合計記憶数が「最大数」の8個に達することは充分にあり得ることから、このような演出機会設定段階を設けていることは遊技性を高める上で有用である。
以上のような合計記憶数の変化と変動時間の段階的な短縮設定、それによる内部抽選の実行頻度の段階的な調整は、内部抽選の結果が非当選に該当する場合に実行されるものであり、内部抽選の結果が非当選以外に該当した場合は基本的に変動時間の短縮設定は行われず、リーチ変動による長い変動時間が設定される。以下、非当選以外の場合の処理について説明する。
〔図25:特別図柄変動前処理を参照〕
図25に示されるステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて4種類が用意されている。4種類の内訳は、「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」である。なお、4種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「15ラウンド確変図柄」であれば、「15ラウンド確変図柄a」、「15ラウンド確変図柄b」、「15ラウンド確変図柄c」、・・・といった具合である。
また本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の種類が異なっている。すなわち、第1特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」のいずれかが選択される。
一方、第2特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「15ラウンド通常図柄」又は「15ラウンド確変図柄」が選択されることになる。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって当選図柄として選択可能な対象を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図32は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、図32に示される第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「10」,「20」,「50」は分母を100とした場合の割合に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「2ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の10(=10%)であり、「2ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の20(=20%)である。また、「15ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の20(=20%)、「15ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の50(=50%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄についての確変図柄の選択比率は70%である。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「2ラウンド通常図柄」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H00H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図33は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、図33に示される第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「30」,「70」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」、「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「15ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の30(=30%)であり、「15ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の70(=70%)である。したがって第2特別図柄についても、全体として確変図柄の選択比率は70%である。ただし、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「2ラウンド通常図柄」、「2ラウンド確変図柄」についての振分値は設定されていない。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「02H」,「03H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「15ラウンド通常図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H02H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
なお、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される当選図柄が異なっているのは、例えば以下の理由による。すなわち、「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行した場合、通常時(時間短縮機能の非作動時)に比較して高頻度で可変始動入賞装置28が作動するため、第2特別図柄についての作動記憶が途切れにくくなっている。そして、第2特別図柄についての当選種類から「2ラウンド大当り」を除外しておけば、特に「高確率状態」及び「時間短縮状態」で「2ラウンド大当り」を引きにくくなるため、それだけ遊技者に煩わしさを感じさせることが少ないという利点がある。
ただし、本実施形態では球振り分け装置200を用いて通常遊技中から第2特別図柄についても、第1特別図柄と略同じペースで作動記憶を増加させることができるため、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで当選図柄の選択比率に違いを設けることなく、双方で同じ選択比率を採用してもよい。
〔図25:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、15ラウンド大当り(15ラウンド通常大当り又は15ラウンド確変大当り)に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行うこととしている。そして、「15ラウンド大当り当選時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、15ラウンド大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔15ラウンド大当り当選時変動パターン選択用テーブルの例〕
図34は、15ラウンド大当り当選時変動パターン選択用テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、15ラウンド大当りに当選した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段、変動時間規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン選択用テーブルアドレスのグループ番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。ここでも「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「リーチ選択用テーブルアドレス」の大当り時リーチグループ番号「01」〜「08」が割り当てられている。
大当り時リーチグループ番号「01」〜「08」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる大当り時リーチ変動パターンのみを規定した変動パターン選択用テーブルのアドレスに対応している。なお、大当り時リーチグループ番号が数多く設けられているのは、演出制御装置124による大当り時リーチ演出パターンの多様性を確保するためである。
主制御CPU72は、取得したリーチグループ決定乱数値をテーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する大当り時リーチグループ番号を選択する。例えば、そのときのリーチグループ決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較して乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する大当り時リーチグループ番号として「02」を選択する。
〔図25:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「2ラウンド確変図柄」又は「15ラウンド確変図柄」のいずれであっても、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類が「15ラウンド通常図柄」又は「2ラウンド通常図柄」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値をリセットする(低確率状態設定手段、低確率状態移行手段)。
また主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「15ラウンド通常図柄」、「15ラウンド確変図柄」、「2ラウンド確変図柄」の全ての当選図柄について、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。ただし、「2ラウンド確変図柄」については、内部状態が高確率状態である場合に限られる(いわゆる潜伏確変状態での2ラウンド確変当選については電チューサポートが付加されることになる。)。
またステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン決定手段、変動時間決定手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合に、はずれ変動時と同等の変動パターンを選択している。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図24:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図25中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図35は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図25中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、乱数記憶領域を参照して、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。この確認は、RAM76の乱数記憶領域の第1セクションに、第1特別図柄に対応する乱数が記憶されているか否かを確認することにより実現することができる。このとき、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものでないことを確認した場合(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、対象特別図柄(変動の対象となる特別図柄)として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い記憶が第1特別図柄に対応するものであることを確認した場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は対象特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象特別図柄について、主制御CPU72は作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数(合計記憶数)」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数(合計記憶数)」を設定することとする。ここで設定した「変動開始時作動記憶数(合計記憶数)」は、例えばこの後、はずれ時変動パターン決定処理(図25中のステップS2405)において、合計記憶数別の変動パターンを設定する際に参照することができる。
ステップS2222:また主制御CPU72は、対象特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象特別図柄が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象特別図柄が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図25)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図36は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図24中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4355:また主制御CPU72は、回数切り機能作動時フラグをリセットする。これにより、大当り遊技開始前に変動時間短縮機能又は確率変動機能の少なくとも一方が作動していた場合、当該機能は非作動となる。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図25中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類がいずれかの「15ラウンド確変図柄」であれば、連続作動回数コマンドは「15ラウンド」を表す値として生成される。また「2ラウンド確変図柄」の場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図37は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図19中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド(15R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図38は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図39は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお当選図柄別の開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図24)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。またラウンド間のインターバル時間は、例えば「2ラウンド図柄」については2秒程度、「15ラウンド図柄」については数秒(例えば2秒〜2.5秒)程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、上記のように極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図25中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「15ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、15回なら「14」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図40は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図39中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放や「2ラウンド確変図柄」の1ラウンド目と2ラウンド目の開放は、いずれも開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図39中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図41は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜14)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜14)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図38中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回又は15回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図39中のステップS5214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図38中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図42は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図25中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5507:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動機能に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。
ステップS5508:そして主制御CPU72は、確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば20分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5507,S5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図25中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5511:変動時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は変動時間短縮機能に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。
ステップS5512:そして、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回程度又は10000回程度)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5511,S5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図24中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔球振り分け装置による有用性〕
以上が主制御CPU72により実行される各種制御処理の内容であるが、本実施形態では第1構造例又は第2構造例の球振り分け装置200を用いることにより、パチンコ機1の遊技において以下の有用性を発揮することができる。なお、以下では遊技球の参照符号を適宜省略する。
(1)球振り分け装置200を遊技領域8a内に配置することで、変動時間短縮機能が非作動の通常状態であっても、右始動入賞口26への入賞と可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞とが交互に発生することを促進することができる。
(2)上記(1)により、通常状態の遊技中においても、第1特別図柄作動記憶数及び第2特別図柄作動記憶数がそれぞれ最大値(例えば4個)に達した状態となることを容易化することができる。
(3)上記(2)により、第1特別図柄作動記憶数と第2特別図柄作動記憶数の各最大値を合計した合計記憶数(例えば8個)を活用して内部抽選を実行することができ、それだけ内部抽選が行われる頻度を高くすることができる。
(4)また、右始動入賞口26及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞がそれぞれ発生した時点から、各種抽選用乱数が取得されるまでのタイミングを安定化させることができる。
(5)すなわち、上記(4)では、球振り分け装置200による遊技球の振り分け動作に要する時間にばらつきが生じたとしても、それによって「入賞」の発生時点から乱数が取得されるまでのタイミングに影響が生じることがない。これにより、遊技の公正を害することなく、第1特別図柄と第2特別図柄の合計記憶数(8個)を用いた遊技性を実現することができる。
(6)たとえ球振り分け装置200内で遊技球300の停留等が発生しても、球振り分け装置200以外からも右始動入賞口26及び可変始動入賞装置28(左始動入賞口28a)への入賞は引き続き可能であるため、引き続き入賞を保証することができる。このため、球振り分け装置200内でのトラブルに起因して遊技の進行が大きく阻害されることがなく、機械トラブルによって遊技者が不利益を被るのを軽減することができる。
〔合計記憶数別の変動時間設定による有用性〕
また本実施形態では、上記のように第1特別図柄作動記憶数と第2特別図柄作動記憶数の各最大値を合計した合計記憶数の変化に応じてゾーンZN1〜ZN5別に変動時間を設定し、内部抽選の実行頻度を段階的に調整することで、以下の有用性を発揮することができる。
(1)合計記憶数が「少数域」と比較的少ないゾーンZN1では、内部抽選のはずれ時に標準的な通常変動時間を設定することにより、合計記憶数の消費のペースを比較的緩やかにして作動記憶の蓄積を促進することができる。これにより、遊技者に対して「記憶が増えていきやすい(いわゆる「よく回る」)」ということを印象付け、遊技に対する積極的な意欲を抱かせることができる。
(2)合計記憶数が「第1中間域」に増えたゾーンZN2では、内部抽選のはずれ時に第1短縮変動時間(通常変動時間の半分以下に短縮した変動時間)を設定することにより、変動秒数を短縮して遊技の進行ペースを高め、作動記憶の増加ペースを「少数域」よりも遅らせることができる。さらに、ゾーンZN2では内部抽選のはずれ時にリーチ変動パターン選択比率が高く設定されているため、適度にリーチ演出を発生させることで遊技の飽きを防止する効果が得られる。
(3)合計記憶数が「第2中間域」まで増加したゾーンZN3では、内部抽選のはずれ時に第2短縮変動時間を設定することにより、変動時間をさらに短縮して作動記憶の増加ペースをさらに遅らせ、消費と蓄積のバランスを適度に調整することができる。
(4)合計記憶数が「特定域」まで増加したゾーンZN4では、内部抽選のはずれ時に最短変動時間を設定することで、ここまでに蓄積された作動記憶の消費効率を加速することができる。これにより、遊技者に対して軽快でテンポのよい遊技の進行を実感させるとともに、作動記憶が満杯になっても右始動入賞口26や左始動入賞口28aへの過剰入賞(いわゆるオーバー入賞)が発生する状況をなるべく抑えることができる。
(5)ただし、合計記憶数の値が「最大数」に到達したゾーンZN5では、はずれ時に変動時間の短縮度合を緩和することで、それまでよりもある程度長い変動時間を設定して演出の機会を設けることができる。これにより、遊技者に対して「合計記憶数が最大に達した」ということを実感させ、本実施形態のパチンコ機1に特有の機能(最大8個の記憶機能)を再認識させることができる。
〔演出画像及び記憶数演出装置ユニットの動作例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
また本実施形態では、液晶表示器42の表示画面に隣接して上記の記憶数演出装置ユニット41が設置されており、この記憶数演出装置ユニット41が液晶表示器42と協働して演出動作を行うことができる。記憶数演出装置ユニット41は、例えば現在の第1特別図柄作動記憶数と第2特別図柄作動記憶数とを合算した合計記憶数を遊技者に分かりやすく伝達する演出に用いられる。また記憶数演出装置ユニット41は、合計記憶数が最大数(例えば8個)に達した場合に上記の特殊ゾーン演出(特殊期間演出)を実行する場合にも用いられる。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。このうち左演出図柄については、数字が「1」〜「9」の昇順に並んだ図柄列を構成しており、中演出図柄と右演出図柄については、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図43は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。また、ここでは記憶数演出装置ユニット41を用いて行われる合計記憶数に対応した演出動作の例が合わせて示されている。なお、以下の図面において、液晶表示器42や記憶数演出装置ユニット41(ロゴ表示体41a及びメモリ表示体41bを含む)については、図面の煩雑化を防止するため個々の参照符号の図示を省略するものとする。
演出画像については、非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。
また記憶数演出装置ユニット41については、遊技中に増減する合計記憶数に対応させた演出動作の一例を示している。記憶数演出装置ユニット41は、例えばそのメモリ表示体41bの点灯数を合計記憶数に応じて変化させることにより、現在の合計記憶数(1〜8)に対応した演出動作を実行することができる。なお記憶数演出装置ユニット41は、全てのメモリ表示体41bを例えば消灯状態にすることで、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれについても作動記憶数が存在しないことを表すことができる。
ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。また、遊技中の合計記憶数の増減変化に対応した演出動作の例についても合わせて説明する。
〔変動表示前〕
図43中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
記憶数演出装置ユニット41については、例えば数字の「1」〜「4」までに対応するメモリ表示体41bを点灯させることで(その他は消灯)、現在の合計記憶数が「4個」であることを遊技者に伝達することができる。すなわちメモリ表示体41bは、その点灯個数が第1特別図柄と第2特別図柄の各作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を合算した数を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して点灯個数も増減する。
メモリ表示体41bは、第1特別図柄の作動記憶又は第2特別図柄の作動記憶が取得された順に点灯表示され、特に図柄別に点灯位置が異なるわけではない。すなわち図43中(A)の例では4つのメモリ表示体41bが点灯表示されているが、この場合、例えば第1特別図柄と第2特別図柄の作動記憶が交互に2個ずつ、合計4個まで取得(記憶)されたことを表している(合計記憶数表示演出実行手段)。なお、ここでは特に図示していないが、合計記憶数の中で第1特別図柄の作動記憶に対応するものと、第2特別図柄の作動記憶に対応するものとで、互いにメモリ表示体41bの点灯色に違いを設けてもよい。
また図示していないが、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面下部には第4図柄が表示されるものとする。この第4図柄は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお第4図柄は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄は、第1特別図柄と第2特別図柄にそれぞれ対応して表示されている。
はずれ時の停止表示状態において第4図柄は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「2ラウンド大当り」や「15ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色や緑色表示色等)で第4図柄は停止表示される。
〔変動表示演出開始〕
図43中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。
また記憶数演出装置ユニット41については、変動開始前によってそれまでの合計記憶数が1つ減少し、数字の「4」を表すメモリ表示体41bが消灯状態に変化している。そして変動開始後は、数字の「1」〜「3」までを表すメモリ表示体41bが点灯表示されている。これにより、遊技者に対して「変動開始に伴い、合計記憶数が1つ消費された(減少した)」ということを視覚的に認識しやすく伝達することができる。
なお、ここでは特に図示していないが、変動開始によって合計記憶数が減少する場合、例えば数字の「1」を表すメモリ表示体41bが先ず消灯になり、残りの数字「2」〜「4」を表すメモリ表示体41bの点灯状態が一瞬(例えば0.5秒)だけ維持された後、数字の「2」,「3」,「4」をそれぞれ表すメモリ表示体41bが順番に消灯されていきながら、数字の「1」,「2」,「3」をそれぞれ表すメモリ表示体41bが順番に点灯表示されていく、といった演出動作が行われることとしてもよい。これにより、遊技者に対して「最も古い作動記憶が変動表示に消費され、残りの作動記憶が記憶の順番に移動した(シフトされた)」ということを視覚的に認識しやすく伝達することができる。
なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。ここでは図示していないが、変動表示中は個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されているものとする。このような背景画像は、演出上での滞在モードに応じて選択することができる。滞在モードは、例えば通常遊技状態に対応した「通常モード」や、「高確率状態」に対応した「高確モード」、「時間短縮状態」に対応した「時短(チャンス)モード」等に分類することができる。また、ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また図示していないが、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の表示画面内では第4図柄が変動表示されており、第4図柄は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔リーチ状態発生〕
図43中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止し、少し後(例えば1〜2秒後)に続いて右演出図柄が変動を停止する演出が行われる。この例では、画面の中段位置に数字「6」を表す左演出図柄と右演出図柄が停止したことを表している。なお、中演出図柄については未だ変動中である。これにより、演出図柄は「6」−(変動中)−「6」の組み合わせで表示されたことになり、演出上で「リーチ状態」が発生している。
なお、これは、今回の変動開始時に合計記憶数が3個であったことから(図43中(B))、上記のように「第1短縮変動時間設定ゾーンZN2」でリーチ変動パターンの選択比率が高く設定されているためである。
〔合計記憶数増加演出〕
また、この間に引き続き遊技球の打ち出しが行われていたことにより、振り分け装置200を通じて右始動入賞口26や可変始動入賞装置28への入賞が交互に発生し、例えば合計作動記憶数が2つ増加して5個に変化したとする。この場合、記憶数演出装置ユニット41においてメモリ表示体41bが新たに2つ点灯表示され、合計記憶数が5個に増加したことを表す演出(合計記憶数増加演出)が行われている。この例では、数字の「4」と「5」に対応するメモリ表示体41bが追加で点灯表示されている。
〔リーチ演出〕
図43中(D):リーチ状態の発生後、中演出図柄が数字の「3」から「4」、そして「5」へとゆっくり流れていくかのような演出が行われる。また、テンパイしている左右の演出図柄については、例えば各演出図柄のキャラクターからオーラの画像を発する(炎に類似した画像を表示する)演出が行われている。ことのき、オーラの色(青色,黄色,緑色,赤色,金色,虹色等)によって今回の変動の信頼度(大当り期待度;第1特別図柄又は第2特別図柄が当選の態様で停止表示される可能性の高低)を示唆することとしてもよい。
〔合計記憶数増加演出〕
上記のリーチ演出が選択される場合、今回の変動パターンととして、例えば「通常はずれリーチ変動パターン」が選択されており、それによってリーチ演出を実行するのに相応な変動時間(例えば20秒〜25秒程度)が設定されている。そして、この間に引き続き遊技球の打ち出しが行われていたことにより、振り分け装置200を通じて右始動入賞口26や可変始動入賞装置28への入賞が交互に発生し、例えば合計作動記憶数がさらに1つ増加して6個に変化している。これにより、記憶数演出装置ユニット41においてメモリ表示体41bがまた新たに1つ追加で点灯表示され、合計記憶数が6個に増加したことを表す演出(合計記憶数増加演出)が行われている。この例では、数字の「6」に対応するメモリ表示体41bがさらに追加して点灯表示されている。
〔停止表示演出(結果表示演出)〕
図43中(E):変動時間の終期にさしかかり、中演出図柄が変動を停止する。この例では、数字の「6」を表す演出図柄が表示画面の中段位置(テンパイしたライン)を通り過ぎて画面下に落ち、中段位置には数字の「7」を表す中演出図柄が停止した状態が表示されている。この場合、演出図柄の組み合わせは「6」−「7」−「6」のはずれ目(リーチはずれ目)となり、これによって残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことが演出上で表現されている。
〔合計記憶数増加演出〕
また、引き続き遊技球が打ち出されていたことに伴い、合計記憶数がさらに1つ増加して7個に変化している。これにより、記憶数演出装置ユニット41においてメモリ表示体41bがさらに1つ追加で点灯表示され、合計記憶数が7個に増加したことを表す演出(合計記憶数増加演出)が行われている。この例では、数字の「7」に対応するメモリ表示体41bがさらに追加して点灯表示されており、数字の「8」に対応するメモリ表示体41bだけが消灯状態にある。
図44及び図45は、合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達したことを条件として実行される演出例について、その実行前からの一連の流れを示す連続図である。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔記憶数増加促進演出〕
図44中(F):例えば、図43に示されるリーチ演出(はずれリーチ演出)中に合計記憶数が7個(最大数の手前)まで増加していた場合を想定する。この場合、数字の「1」〜「7」に対応するメモリ表示体41bの点灯状態がそれまでより強調(例えば輝度が増加)され、ひときわ目立つ印象を与える演出が実行される。また、変動表示中にある左・中・右演出図柄のスクロール表示とは別に、例えば表示画面の右端部分にマーカ(△印を連ねたもの)を表示させて数字の「8」を表すメモリ表示体41bに注目させる演出が実行される。このような態様の演出は、遊技者に対して「合計記憶数を8個まで増加させよう」というメッセージを伝達し、遊技球の打ち出しに対する意識を再確認させるためのものとなる(記憶数増加促進演出)。これにより、遊技者に対して「あと1個入賞させたら何かが起きるのかも知れない」という期待感を抱かせ、遊技に対する探求心を刺激することができる。
〔合計記憶数8個到達時演出〕
図44中(G):そして、合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達すると、全てのメモリ表示体41bが点灯状態となり、合わせてロゴ表示体41aも点灯状態に変化する演出が行われる。また液晶表示器42の表示画面内では、例えば背景画像が暗転(ブラックアウト)するとともに、ロゴ表示体41aの位置から光が放たれているかのような画像演出が行われている。また、このとき記憶数演出装置ユニット41は、ロゴ表示体41a及びメモリ表示体41bを含めた全体が強く発光している。このような態様の演出(最大数到達時演出)を実行することにより、遊技者に対して「合計記憶数をマックスまで増加させることに成功した」という一定の達成感を抱かせ、この後の成り行きに対する興味を惹き付けることができる。
図44中(H):この後、例えば第1特別図柄(又は第2特別図柄)が停止表示されたことにより、液晶表示器42の表示画面内では演出図柄による停止表示演出が行われている。また引き続き、記憶数演出装置ユニット41の発光動作が行われている。
〔開始可否演出(導入部分)〕
図44中(I):合計記憶数が最大数(例えば8個)に達した後の1変動目において、その変動初期に開始可否演出が実行される。この開始可否演出は、ここから最大で8変動目までの期間内に実行される特殊ゾーン演出(特殊期間演出)の前兆ともなるものである。
具体的には、例えば液晶表示器42の表示画面内において、合計8個のメモリ表示体41bからそれぞれハート形状の物体(画像表示としての物体)が出現し、それぞれが糸を引くようにして画面中央に飛来しつつ、8つのハート形状物体が環状に整列していく様子が表示される。なお、このとき例えば表示画面の左上隅位置では、縮小された3つの演出図柄による変動表示演出が行われている。また、図示しない第4図柄についても変動表示されている。
〔導入部分の続き:図45を参照〕
図45中(J):上記と同じ変動中(最大数到達後の1変動目)に、液晶表示器42の表示画面内で環状に整列した8個のハート形状物体がぐるぐると周回していく様子が表示される。なお、引き続き縮小された3つの演出図柄は変動表示中である(第4図柄についても同様。)。
図45中(K):変動時間が中期にさしかかると、環状をなした8個のハート形状物体の内側にロゴ表示体41aの外観を表す画像が出現し、これら全体が輝きを増していく様子が表示される。この段階では、例えば3つの縮小された演出図柄のうち、左演出図柄の変動は停止している(他の2つは変動中)。
〔主要部分による分岐〕
この後、演出の導入部分から主要部分に移行し、演出の流れに分岐が発生する。このうち1つは「成功演出(第1態様)」であり、もう1つは「失敗演出(第2態様)」である。いずれの場合も、例えば今回の変動時間(最大数到達後の1変動目)の中期から終期にかけて実行される。以下、それぞれについて説明する。
〔成功演出(第1態様)〕
図45中(L):先ず、「成功演出」から説明する。「成功演出」では、それまで周回していた8個のハート形状物体が停止し、ロゴ表示体41aの画像の周囲を装飾することで一定の図案(例えば紋章的なもの)を構成する。ここではこのような図案を「ロゴ紋章」と呼称するものとする。そして、表示画面内では「ロゴ紋章」を挟んで大きく「完成」の文字情報が表示されるとともに、そのバックに「ロゴ紋章」を中心とした放射状の光線が表示されている。このような態様の演出を実行することにより、遊技者に対して「演出上でロゴ紋章を完成させることに成功した」という印象を強く抱かせ、この後の流れに対する探求心をさらに刺激することができる。
〔失敗演出(第2態様)〕
図45中(M):もう一方の「失敗演出」では、それまで周回していた8個のハート形状物体は表示画面から消え去り、また、ロゴ表示体41aの画像も合わせて消え去ってしまい、代わりに2つに敗れたハート形状の図形が大きく表示される。そして、表示画面内では「破れたハート形状図形」を挟んで大きく「失敗」の文字情報が表示されている。このような態様の演出を実行することにより、遊技者に対して「演出上でロゴ紋章を完成させることができなかった(失敗した)」ことを認識させ、次回の成功に向けて意欲を新たにさせることができる。この場合、この後に特殊ゾーン演出は実行されず、ひとまず大きな演出の流れはここで終了となる。
これに対し、上記の「成功演出」が実行された場合、以下の特殊ゾーン演出が開始されることになる。ただし制御上は、内部的に特殊ゾーン演出を実行することが決定している場合に「成功演出」が実行され、逆に特殊ゾーン演出を実行しないことが決定している場合に「失敗演出」が実行されることになる。
なお、このようなある程度の時間をかけた演出(図44,図45等)が実行可能であるのは、今回の変動開始時(記憶シフト直前)に合計記憶数が最大の8個であったことから、上記のように「最大記憶数到達時演出発生ゾーンZN5」で変動時間の短縮度合が緩和されており、演出実行に充分な機会が設けられているからである。
〔特殊ゾーン演出(特殊期間演出)〕
図46は、複数回にわたる特別図柄の変動表示及び停止表示中に実行される特殊ゾーン演出の態様例を示す連続図である。
図46中(i):例えば、今回の変動停止時(最大数到達後1回目の変動停止時)において、表示画面内に例えば女性キャラクターがアップで表示され、微笑んだ表情を見せる演出が行われる。また、合わせて表示画面内に「エイトゾーン突入」の文字情報が表示される。このような態様の演出により、遊技者に対して「演出上で特殊なゾーン(エイトゾーン)に突入した」ということを明確に印象付け、さらにこの後の遊技に対する興味を大きく惹き付けることができる。
〔変動2回目以降〕
図46中(ii):最大数到達後の変動2回目以降から、例えば表示画面の周縁(四辺)に特殊な枠画像(この例では花柄の縁取り)が表示される。このような枠画像を表示することにより、遊技者に対して「特殊ゾーン演出中」であることを明確に意識させることができる。なお、ここでは特に図示していないが、枠画像の表示態様(例えば色調、目明るさ)等の違いにより、この後に行われる最大7回分の変動のいずれかで大当りになる可能性(信頼度)を示唆することとしてもよい。また、変動開始に伴い合計記憶数が6個に減少したため、メモリ表示体41bの点灯個数6個に減少する演出(合計記憶数減少演出)が行われている。
〔合計記憶数に応じた短縮変動〕
図46中(iii),(iv):最大数到達後の2回目の変動は通常変動(通常はずれ変動パターン)であったため、ここでは大きな演出の動き(リーチ予告等)は発生せず、上記のように短縮された変動時間(最短変動時間)内で演出図柄が停止し、はずれ目で停止表示されている。これ以降の変動についても、その変動パターンが通常はずれ変動パターンに該当する場合、同様に合計記憶数に応じて短縮された変動表示演出及び停止表示演出が行われることになる。
〔大当りリーチ変動時(特定リーチ変動パターン決定時)〕
次に図47は、特殊ゾーン演出中に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。この例では、合計記憶数として最大数(例えば8個)に含まれる作動記憶の中で、例えば記憶順で3番目の作動記憶が「15ラウンド確変図柄」の当選に該当した場合を挙げているが、当選に該当する作動記憶は1番目や2番目(あるいは4番目以降)でもよい。
以下のリーチ演出は、第1特別図柄表示装置34(第2特別図柄表示装置35でもよい)において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が「15ラウンド通常図柄」の態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される。なお図47中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図47中(A):第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の変動表示演出が開始される点はこれまでと同様である。ただし、現在が「特殊ゾーン演出中」であることを明示するため、上記の枠画像が引き続き表示画面の周縁に表示されている。また、ここでは図示していないが、例えばこのとき背景画像として「特殊ゾーン演出中」に固有のものが表示されている。
また合計作動記憶数は2個に減少しているため、数字の「1」と「2」を表す2つのメモリ表示体41bが点灯表示されており、その他のメモリ表示体41bは消灯状態となっているが、ロゴ表示体41aについては点灯表示されている。
〔ロゴ表示体予告演出〕
図47中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において表示画面全体がブラックアウトし、ロゴ表示体41aから光線が発せられるかのような画像演出が行われる。
図47中(C):そして、ロゴ表示体41aが表示画面の手前でその中央位置までスイングするようにして落下し、合わせてその背後から放射状の光線が発せられているかのような画像演出が行われる。このような態様の演出により、遊技者に対して視覚的なインパクトを与え、この後の変動表示演出の流れに対する期待感を向上することができる。なお、ロゴ表示体41aは上記のロゴ表示体モータ194を用いて作動させることができる。
〔リーチ状態発生〕
図47中(D),(E):ロゴ表示体41aが初期の位置に復帰し、表示画面内では左演出図柄の停止に続いて右演出図柄が停止する。このとき、演出図柄の組み合わせは「7」−(変動中)−「7」のリーチ状態が発生し、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。また、この場合は数字の「7」が揃うことで確変大当りになることから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変か、はずれか」という多様な緊張感を遊技者に抱かせることができる。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図47中(F):リーチ状態の発生に続いて、例えばテンパイした演出図柄の背景に放射状のフラッシュ光線が表示されるとともに、その中央位置に「チャンス!」の文字情報を表示してリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。このような視覚的に印象のあるリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図47中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「8」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出は、数字の「7」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「5」まで消去されて「6」が画面手前に残ると「はずれ」であり、また、数字の「7」まで消去されてしまうと「はずれ」であるが、数字の「6」が消去された後、数字「7」が消去されずに画面手前に残ると「確変大当り」であることを意味する。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「6」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「6」が消去されると、いよいよ「確変大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図47中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「6」が消去されれば、「7」−「7」−「7」の確変大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔終盤煽り演出〕
図47中(I):変動時間の終期において、画面中央に数字の「7」と「8」を表す演出図柄が重なり合った状態で表示され、2つの演出図柄が画面奥と手前方向にお互いを押し合うかのような演出が行われる。この場合、「数字の「7」の演出図柄が「8」の演出図柄を押し出せば大当りとなる」という展開で、リーチ演出がいよいよ大詰めであることから、大当りに対する期待感を最後まで煽ることができる。
この後、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に略同期して、最後の中演出図柄が停止する。この例では、内部的には当選図柄が「15ラウンド確変図柄」に該当しているため、演出上で数字の「7」を表す演出図柄(形態はハート形状)が画面の中央に停止表示されることになる。
〔停止表示演出(結果表示演出)〕
図47中(J):そして、例えば第1特別図柄又は第2特別図柄の確定停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出についても確定停止表示が行われる。演出図柄の確定停止表示は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような確定停止表示を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。また、この場合に第4図柄は、「15ラウンド確変大当り」に対応する態様(例えば赤表示色)で停止表示される。
なお、ここでは「15ラウンド確変大当り」の場合を例に挙げているが、内部抽選の結果が上記の「15ラウンド通常大当り」であれば、例えば数字の「6」等を表す演出図柄でリーチ状態が発生し、その後のリーチ演出を経て左・中・右の演出図柄が同種の組み合わせ(例えば「6」−「6」−「6」)で構成される大当りの態様で停止表示される。また、この場合に第4図柄は、「15ラウンド通常大当り」に対応する態様(例えば緑表示色)で停止表示される。
また、内部抽選の結果が非当選であれば、第1特別図柄又は第2特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。この場合、画面の中央には「7」以外の数字「6」や「8」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。この場合でも、変動パターンは「特定はずれリーチ変動パターン」に該当するため、特殊ゾーン演出中に発生する特定リーチ変動となる。
〔特殊ゾーン演出のまとめ〕
以上のように、合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達後、上記の成功演出(図45中(L))を経て特殊ゾーン演出を開始することにより、この後に実行される7回分の変動中に特定のリーチ演出(大当りリーチ演出又ははずれリーチ演出)が発生することを遊技者に対して事前に予告することができる。これにより、特殊ゾーン演出中に遊技者の期待感を維持し、特定のリーチ演出が発生するまでの遊技(変動)中も緊張感を維持させることができる。
特に本実施形態では、合計記憶数が3個又は4個の「第1中間域」で「第1短縮変動時間設定ゾーンZN2」となり、ここでは非当選時にもリーチ変動パターン選択比率が高くなるため、合計記憶数が最大数に達した場合に特殊ゾーン演出を発生させる頻度をそれだけ高くすることができる。これが仮に、各ゾーンZN1〜ZN4でリーチ変動パターン選択比率が同程度に低く設定されていると、せっかく合計記憶数が最大数に到達しても、それまでの記憶内にリーチ変動パターンが存在しないため、特殊ゾーン演出を発生させることができなくなる。
この点、本実施形態のようにリーチ変動パターン選択比率の高いゾーンZN2を設けていれば、ゾーンZN2での遊技の飽きを防止する効果に加えて、合計記憶数が最大数に達した場合の演出内容に多様性を付加し、遊技性の幅をさらに広げることができる。
また、このような特殊ゾーン演出が開始されるか否かを決定する演出(図44,図45)は、合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達したことを条件として実行されるため、遊技者に対して通常遊技中から「合計記憶数を最大数(例えば8個)にすること」を意識させ、「特殊ゾーン演出を見るために合計記憶数を最大数(例えば8個)まで増やそう」という動機付けを与えることができる。
以上の特殊ゾーン演出は、合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達した時点で、それまでの作動記憶内に特定リーチ変動パターン(大当り/はずれ)が存在していることを根拠として実行することができるものである。したがって、たとえ合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達したとしても、それまでの作動記憶内に特定リーチ変動パターン(大当り/はずれ)が存在しない場合、本実施形態では特殊ゾーン演出を実行することができない。なお、作動記憶内に特定リーチ変動パターンが存在しているか否かは、取得時演出判定処理において生成された変動パターン先判定コマンドに基づいて判断することができる。ただし本実施形態では、この場合に合計記憶数を最大数(例えば8個)まで増加させたことに対する演出上の特典として、例えば以下の演出を実行することとしてもいる。
〔演出特典付与演出〕
図48は、合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達した場合であっても、特殊ゾーン演出を開始することができない場合に実行される演出例の流れを示す連続図である。以下、演出例の流れに沿って説明する。
〔開始可否演出(導入部分)〕
図48中(A):作動記憶内に特定リーチ変動パターンが存在しない場合についても、合計記憶数が最大数(例えば8個)に達した後の1変動目において、その変動初期に開始可否演出が実行される。この場合の演出態様は、作動記憶内に特定リーチ変動パターンが存在する場合(図44中(I))と共通である。なお、縮小された3つの演出図柄は表示画面内の左上隅位置で変動表示されている(第4図柄についても同様。)。
〔主要部分(第3態様)〕
図48中(B):上記と同じ変動中(最大数到達後の1変動目)に、液晶表示器42の表示画面内で環状に整列していた8個のハート形状物体が渦を巻くようにして一箇所に集合していく様子が表示される。なお、縮小された3つの演出図柄は変動表示中である(第4図柄についても同様。)。
図48中(C):続いて、8個のハート形状物体が全て一箇所にまとまった状態で周回する様子が表示される。
〔エイトゾーンポイント付与〕
図48中(D):そして、それまで一箇所で周回していた8個のハート形状物体は表示画面から消え去り、代わりにハート形状の図形が大きく表示される。そして、表示画面内では「ハート形状図形」の中に「EZポイント2000」の文字情報が表示されるとともに、その脇に「GET!」の文字情報が表示されている。このような態様の演出を実行することにより、遊技者に対して「演出上で何らかのポイントが付与された」ということを認識させ、合計記憶数を最大数(例えば8個)まで増加させたことへの達成感を抱かせることができる。この場合、これまでに付与されたポイント数が表示画面内の左下隅位置に累計で表示されることになる。
〔ゲームフロー〕
図49は、合計記憶数が最大数に到達したことを条件として生じる演出上の流れを示すゲームフロー図である。以下、本実施形態において実現されるゲームフローについて順を追って説明する。
〔G01:合計記憶数の確認〕
通常遊技中は、第1特別図柄作動記憶数と第2特別図柄作動記憶数の合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達したか否かの条件が定常的に確認されている。合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達するまでの間(No)、引き続きこの確認が繰り返される。
〔G02:合計記憶数が最大数到達時〕
合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達すると(G01:Yes)、例えば演出上で特殊入賞音を発生させる演出が行われる。
〔G03:最大数到達後の変動開始〕
合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達後、8個前の(最も古い)作動記憶を用いて変動表示が開始される。
〔G04:条件分岐〕
1回目の変動で消費された作動記憶を除く残りの7個の作動記憶について、変動パターン先判定コマンド(先判定結果)が特殊ゾーン演出の突入条件を満たすか否かによってこの後の演出の流れが異なってくる。
〔G05,G06:突入条件満足時〕
特殊ゾーン演出の突入条件を満たす場合(G04:Yes)、エイトゾーン発展準備演出(開始可否演出)を経て成功演出が実行され、そのまま演出上でエイトゾーンに突入する(特殊ゾーン演出開始)。ここでいうエイトゾーン発展準備演出は、図44,図45等に示される演出に相当し、成功演出は図45中(L)の演出に相当する。またエイトゾーンは、上記の特殊ゾーン演出(図46)に相当する。
〔G07,G08:大当り時〕
作動記憶内に大当りの先判定結果が存在する場合、その先判定結果に該当する変動時に大当りリーチ変動演出(図47)が発生し、その後に大当り状態(特別遊技状態)となる。
〔G09:はずれ時〕
一方、作動記憶内に特定はずれリーチ変動パターンの先判定結果(変動パターン先判定コマンド)が存在する場合、その先判定結果に該当する変動時に特定はずれリーチ変動演出が発生し、特殊ゾーン演出は終了する。なお、特定はずれリーチ変動演出では、例えば図47中(I),(J)で中演出図柄が「7」以外となる。
〔G10,G11:突入条件不満足時〕
これに対し、特殊ゾーン演出の突入条件を満たさない場合(G04:No)、エイトゾーン発展準備演出(開始可否演出)の導入部分までは共通の態様で発生するが、その後の演出ではエイトゾーン突入失敗となる。ここでいうエイトゾーン突入失敗は、図45中(M)に示される演出に相当する。この場合、特に特殊ゾーン演出は開始されることなく終了となる(ただし、通常遊技そのものは継続可能である。)。
〔G12,G13:突入条件不満足時〕
同じく特殊ゾーン演出の突入条件を満たさない場合(G04:No)であるが、ゲームフロー上で失敗演出(G11)まで進行しないパターンもある。この場合、演出上でエイトゾーンポイントを付与する演出が行われ、これまでに獲得したポイントに加算される演出が行われる(図48)。なお、この場合も特に特殊ゾーン演出は開始されることなく終了となる(ただし、通常遊技そのものは継続可能である。)。
以上のように本実施形態では、通常遊技中に合計記憶数を最大数(例えば8個)まで増加させると、その後のゲームフローが大きく発展して多様に変化していくことが分かる。これにより、遊技者に対して通常遊技中から「合計記憶数を最大数(例えば8個)まで増加させること」を常に意識させ、遊技に対する意欲の維持を図ることができる。
また、合計記憶数を最大数(例えば8個)まで増加させた場合、必ず先判定結果を根拠とした大当りの期待値にからむ演出(特殊ゾーン演出又はポイント付与演出)が発生するため、ある程度まで多くの作動記憶を貯めたことに対する特別な演出特典(お得感)を遊技者に付与することができる。これにより、さらに合計記憶数を最大数(例えば8個)まで増加させることへの意欲を掻き立て、興趣の低下を食い止めることができる。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、先読み予告演出等の進行対応演出や、これに連動したモード移行演出、開始可否演出(エイトゾーン発展準備演出)、特殊ゾーン演出(エイトゾーン演出)、ポイント付与演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図50は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、ゾーン演出管理処理(ステップS401)、作動記憶演出管理処理(ステップS402)、演出図柄管理処理(ステップS403)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、変動パターン先判定コマンド等がある。
ステップS401:ゾーン演出管理処理では、演出制御CPU126は合計記憶数が最大数(例えば8個)に達したか否かの条件を判断し、その結果に応じて演出上のゾーン演出中フラグを管理する。なお、ゾーン演出管理処理の具体的な内容については、さらに別の図面を用いて後述する。
ステップS402:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は記憶数演出装置ユニット41を用いた合計記憶数増加演出や合計記憶数減少演出の実行を制御する。またこの処理において、演出制御CPU126が例えばマーカの画像を用いた記憶数増加演出や記憶数減少演出、先読み予告演出の実行を制御することとしてもよい。なお、作動記憶演出管理処理の内容についても、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS403:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や結果表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。またこの処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。また演出制御CPU126は、記憶数演出装置ユニット41に関する制御信号をランプ駆動回路132に出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいてロゴ表示体ランプ190やメモリ表示体ランプ192を点灯させたり、ロゴ表示体モータ194やメモリ表示体モータ196を駆動したりする。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば記憶数演出装置ユニット41とは別に演出用の可動体が設けられている場合、演出制御CPU126は可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。特に図示していないが、可動体は例えばソレノイドやステッピングモータ等の駆動源によって動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行うものである。これらソレノイドやステッピングモータ等の駆動源は、例えば図7中のパネル電飾基板138に接続することができる。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。
〔ゾーン演出管理処理〕
次に、演出制御処理の中で実行されるゾーン演出管理処理の内容について説明する。図51は、ゾーン演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS800:先ず演出制御CPU126は、現在の合計記憶数が規定数である最大数に達したか否かを確認する。この確認は、例えば主制御CPU72から受信した第1特別図柄の作動記憶数コマンドで示される値(第1特別図柄作動記憶数)及び第2特別図柄の作動記憶数コマンドで示される値(第2特別図柄作動記憶数)に基づいて行うことができる。その結果、合計記憶数が規定数に達している場合(Yes)、演出制御CPU126は次にステップS802を実行する。
ステップS802:この場合、演出制御CPU126は「ゾーン演出中フラグ」が「ON」であるか(セットされているか)を確認する。「ゾーン演出中フラグ」は、例えばRAM130のフラグ領域に値が保存されており、演出制御CPU126はフラグ領域内の「ゾーン演出中フラグ」に該当するアドレスをリードして値を確認する。この時点で未だ「ゾーン演出中フラグ」が「ON」になっていなければ(No)、演出制御CPU126は次にステップS804に進む。
ステップS804:そして演出制御CPU126は、上記のフラグ領域内に「ゾーン演出中フラグ」の値(ON=1)をセットする。これにより、以降の各種処理において特殊ゾーン演出に対応した選択が行われることになる。
なお、合計記憶数が最大数(例えば8個)に到達した場合であっても(ステップS800:Yes)、既に特殊ゾーン演出を実行中の場合、先のステップS802で演出制御CPU126は「ゾーン演出中フラグ」が「ON」であることを確認し(Yes)、そのまま演出制御処理に復帰する。
〔合計記憶数が最大数未到達時〕
ゾーン演出管理処理をコールしたとき、合計記憶数が未だ最大数(例えば8個)に達していなければ(ステップS800:No)、演出制御CPU126はステップS806に進む。これとは別に、以前に合計記憶数が最大数に達し、この後に作動記憶が消費されて最大数未満となった場合(ステップS800:No)、同じく演出制御CPU126は次にステップS806に進む。ただし、この場合は既に特殊ゾーン演出中であるため、上記の「ゾーン演出中フラグ」は「ON」になっている。
ステップS806:演出制御CPU126は、ここでも「ゾーン演出中フラグ」が「ON」になっているか否かを確認する。現時点で未だ特殊ゾーン演出中でなければ、「ゾーン演出中フラグ」は「OFF」であるため(No)、演出制御CPU126はここで演出制御処理に復帰する。これに対し、現時点で既に特殊ゾーン演出中である場合、「ゾーン演出中フラグ」は「ON」であり(Yes)、演出制御CPU126はステップS808に進む。
ステップS808:この場合、演出制御CPU126は現在実行中の特殊ゾーン演出について、「ゾーン演出終了条件」を満たすか否かの確認を行う。本実施形態では、例えば以下のいずれかに該当する場合、「ゾーン演出終了条件」を満たすと判断することができる。
(1)変動パターン先判定コマンドが「特定はずれリーチ変動パターン」に該当する作動記憶について、その変動開始後に特別図柄確定停止コマンドを受信したこと。
(2)変動パターン先判定コマンドが「大当りリーチ変動パターン」に該当する作動記憶について、その変動開始後に特別図柄確定停止コマンドを受信したこと。
上記(1)又は(2)のいずれにも該当しない場合(No)、演出制御CPU126は演出制御処理に復帰する。これに対し、実際に上記(1)又は(2)のいずれかに該当する場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS810に進む。
ステップS810:この場合、演出制御CPU126は「ゾーン演出中フラグ」を「OFF」にした上で、演出制御処理に復帰する。これにより、以降の各種処理を通じて特殊ゾーン演出が終了することになる。なお本実施形態では、以後のゾーン演出パターン選択処理中でも「ゾーン演出中フラグ」を「OFF」にする手順を設けているため、処理が重複する場合はステップS808,S810を省略してもよい。
〔作動記憶演出管理処理〕
次に、演出制御処理の中で、ゾーン演出管理処理に続いて実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。図52は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS702を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、増加後の合計記憶数に対応するメモリ表示体41bを新たに点灯させる演出パターン(メモリ表示体ランプ192の点灯パターン)を選択する。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていた場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は減少前の合計記憶数に対応するメモリ表示体41bを消灯させ、減少後の合計記憶数に対応するメモリ表示体41bを改めて点灯させる演出パターン(メモリ表示体ランプ192の消灯及び点灯パターン)を選択する。
ステップS708:また演出制御CPU126は、上記の「ゾーン演出中フラグ」が「ON」になっているか否かを確認し、既に「ON」であれば(Yes)、次のステップS710を実行する。「ゾーン演出中フラグ」が「ON」でなかった場合(No)、演出制御CPU126はステップS710を実行しない。
ステップS710:演出制御CPU126は、ゾーン演出中記憶数表示演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は特殊ゾーン演出中に固有の記憶数演出装置ユニット41の発光動作パターンを選択する。具体的には、図46,図47等に示されているように、点灯中のメモリ表示体41b及びロゴ表示体41aを含めた全体の輝度を通常より高く設定するパターンを選択する。
以上の手順を実行すると、演出制御CPU126は演出制御処理(図50)に復帰する。
〔演出図柄管理処理〕
図53は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図24中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた結果表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と結果表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、結果表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して結果表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、2ラウンド当選時や小当り時には、はずれと同様か近似した態様で結果表示演出を実行する。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば15ラウンドの出玉あり確変大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、15ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
あるいは、「2ラウンド大当り」に該当していた場合(高確率状態での2ラウンド確変当選を除く)、演出制御CPU126は例えばモード移行演出を実行させる制御を行う。特に図示していないが、「モード移行演出」は、それまで液晶表示器42の表示画面に表示されていた背景画像(「低確率状態」かつ「非時間短縮状態」に対応する通常モード用の背景画像)を別の背景画像(「高確率状態」の可能性を示唆するモード用の背景画像)に変化させる態様により行われる。また「小当り」の場合、同じく演出制御CPU126は、上記のモード移行演出と同様の演出を実行させる制御を行う。
〔演出図柄変動前処理〕
図54は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図50中のステップS404)、ランプ駆動処理(図50中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、15ラウンド大当り又は2ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。ここで決定される演出図柄の種類は、上記の「大当りの組み合わせ」を構成するものの他に「2ラウンド大当り時の組み合わせ」を構成するものも含まれる。なお2ラウンド大当り時の組み合わせは、例えば上記のように数字の「1−2−3」や「3−5−7」のような規則性のある数字の組み合わせ(いわゆるチャンス当選目)とすることができる。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドに基づいて決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
ステップS616:そして演出制御CPU126は、ゾーン演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は「ゾーン演出中フラグ」の「ON」に応じて「特殊ゾーン演出」の発生に至る演出の流れを管理する。なお、ゾーン演出パターン選択処理の具体的な内容については、別のフローチャートを用いて後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図53中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び結果表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される(演出実行手段)。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される(演出実行手段)。また、ここで選択されたゾーン演出パターンに基づいて、上記の特殊ゾーン演出に至るまでの演出が実行される(特殊期間演出実行手段、開始可否演出実行手段)。
〔ゾーン演出パターン選択処理〕
図55は、ゾーン演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿ってゾーン演出パターン選択処理の内容を説明する。
ステップS900:先ず演出制御CPU126は、ここでも「ゾーン演出中フラグ」が「ON」であるか否かを確認する。「ゾーン演出中フラグ」が「OFF」の場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図54)を経て演出制御処理(図50)に復帰する。一方、「ゾーン演出中フラグ」が「ON」であれば(Yes)、演出制御CPU126はステップS902以降を実行する。
ステップS902:ここで演出制御CPU126は、「ゾーン演出用カウンタ」が設定済みであるか否かを確認する。「ゾーン演出用カウンタ」は、実際に特殊ゾーン演出が開始されてから終了するまでの変動回数を設定する内部カウンタであり、このような「ゾーン演出用カウンタ」は、例えばRAM130のカウント領域にてその値を設定及び更新することができる。演出制御CPU126は、カウント領域内の該当アドレスからカウンタ値をリードし、未だ値(0以外)が設定されていなければ(No)、次にステップS904を実行する。
ステップS904:この場合、演出制御CPU126は、作動記憶内に特定のリーチ変動パターンコマンドが存在するか否かを確認する。具体的には、最大数に達した後の1変動目を除く7個の作動記憶について、特定はずれリーチ変動パターン又は大当りリーチ変動パターンに該当する変動パターン先判定コマンドが存在するか否かを確認する。該当の変動パターン先判定コマンドが存在する場合(Yes)、演出制御CPU126は次のステップS906に進む。
ステップS906:ここで演出制御CPU126は、演出上のゾーン突入抽選を実行する。例えば、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域から演出抽選用乱数を取得し、図示しない抽選テーブルを用いて特殊ゾーン演出に突入するべきか否かの抽選(ゾーン突入抽選)を実行する。
ステップS908:そして演出制御CPU126は、先のゾーン突入抽選で当選した場合(Yes)、ステップS910を実行する。
ステップS910:この場合、演出制御CPU126は、作動記憶内の特定リーチ変動パターンコマンド(特定はずれリーチ変動パターン又は大当りリーチ変動パターンに該当する変動パターン先判定コマンド)の配置(第1〜第7セクション)から上記の「ゾーン演出用カウンタ」の初期値を設定する。例えば、該当の変動パターン先判定コマンドが記憶順の配置で最も古い(第1セクションの記憶に相当する)場合、演出制御CPU126は「ゾーン演出用カウンタ」の初期値を「0」に設定する。以下同様に、該当の変動パターン先判定コマンドが記憶順の配置で2番目に古い(第2セクションの記憶に相当する)場合は「ゾーン演出用カウンタ」の初期値を「1」に設定し、3番目に古い(第3セクションの記憶に相当する)場合は「ゾーン演出用カウンタ」の初期値を「2」に設定し、4番目に古い(第4セクションの記憶に相当する)場合は「ゾーン演出用カウンタ」の初期値を「3」に設定するといった具合である。また演出制御CPU126は、該当の記憶が5番目に古い(第5セクションの記憶に相当する)場合は「ゾーン演出用カウンタ」の初期値を「4」に設定し、6番目に古い(第6セクションの記憶に相当する)場合は「ゾーン演出用カウンタ」の初期値を「5」に設定し、該当の記憶が最新(第7セクションの記憶に相当する)である場合は「ゾーン演出用カウンタ」の初期値を「6」に設定する。
ステップS912:そして演出制御CPU126は、今回の特殊ゾーン演出で実行するゾーン演出パターンを選択する。ゾーン演出パターンは、先のステップS910で設定した「ゾーン演出用カウンタ」の初期値に基づいて決定することができる。ここで、具体例を挙げて説明する。
〔図56:ゾーン演出用カウンタ初期値別演出パターン選択テーブルを参照〕
図56は、「ゾーン演出用カウンタ初期値別演出パターン選択テーブル」の構成例を示す図である。このテーブルは、最も新しい記憶に「大当りリーチ変動パターン」に該当する変動パターン先判定コマンドが存在する場合に使用することができる。すなわち演出制御CPU126は、先のステップS910で「ゾーン演出用カウンタ」の初期値を「6」に設定した場合、図56に示されるテーブルを参照してゾーン演出パターンを決定することができる。
図56に示されるテーブル中、左端カラムには「ゾーン演出用カウンタ」の値として、初期値の「6」から減少後の「0」までが各段に割り当てられている。なお「ゾーン演出用カウンタ」は変動1回ごとに1ずつ減算されていき、その値が「0」になると、上記の「ゾーン演出中フラグ」がリセットされるものとなっている。
また、テーブル中の見出し欄のうち、左から2番目のセルより右端のセルまでは、それぞれゾーン演出パターン内の小項目を表している。そして、各小項目のカラム内の各段には、その小項目についての実行の有無や、小項目別に実行するべき演出パターンが指定されている。以下、より具体的に説明する。
〔ゾーン演出用カウンタ値が6の場合〕
テーブル中の最上段(見出し欄を除く。これ以降も同じ)に示されているように、「ゾーン演出用カウンタ」が初期値の「6」である場合、以下のゾーン演出パターンが選択される。なおゾーン演出パターンは、複数の「小項目」の組み合わせで構成されている。
小項目「突入成功演出」:「あり」
小項目「特殊ゾーン演出用画面枠」:「パターンA」
小項目「ロゴ表示体可動」:「パターン強」
小項目「メモリ表示体可動」:「あり」
このうち小項目「突入成功演出」:「あり」は、例えば図45中(L)の演出パターンが選択されることを意味する。また、小項目「特殊ゾーン演出用画面枠」:「パターンA」は、例えば図46中(ii)〜(iv)等に示される画面枠の表示態様(色調や明るさ)を具体的に指定するものである。また小項目「ロゴ表示体可動」:「パターン強」は、ロゴ表示体41aを例えば最大の角度で落下させる動作パターン(ロゴ表示体モータ194の駆動パターン)を指定するものである。そして、小項目「メモリ表示体可動」:「あり」は、メモリ表示体41bを作動させること(メモリ表示体モータ196を駆動させること)を指定するものである。
〔ゾーン演出用カウンタ値が5の場合〕
またテーブル中の第2段に示されているように、「ゾーン演出用カウンタ」の値が減算されて「5」になった場合、以下のゾーン演出パターンが選択される。
小項目「特殊ゾーン演出用画面枠」:「パターンA」
小項目「メモリ表示体可動」:「あり」
〔ゾーン演出用カウンタ値が4,3の場合〕
テーブル中の第3段、第4段に示されているように、「ゾーン演出用カウンタ」の値が減算されて「4」又は「3」になった場合、いずれも以下のゾーン演出パターンが選択される。
小項目「特殊ゾーン演出用画面枠」:「パターンB」
小項目「メモリ表示体可動」:「あり」
なお、小項目「特殊ゾーン演出用画面枠」:「パターンB」は、画面枠について先の「パターンA」とは異なる表示態様を指定するものである。
〔ゾーン演出用カウンタ値が2の場合〕
テーブル中の第5段に示されているように、「ゾーン演出用カウンタ」の値が減算されて「2」になった場合、以下のゾーン演出パターンが選択される。
小項目「特殊ゾーン演出用画面枠」:「パターンC」
小項目「ロゴ表示体可動」:「パターン弱」
小項目「メモリ表示体可動」:「あり」
なお、小項目「特殊ゾーン演出用画面枠」:「パターンC」は、画面枠について先の「パターンA」及び「パターンB」とは異なる表示態様を指定するものである。また小項目「ロゴ表示体可動」:「パターン弱」は、ロゴ表示体41aを例えば最小の角度で落下させる動作パターン(ロゴ表示体モータ194の駆動パターン)を指定するものである。
〔ゾーン演出用カウンタ値が1の場合〕
またテーブル中の第6段に示されているように、「ゾーン演出用カウンタ」の値が減算されて「1」になった場合、以下のゾーン演出パターンが選択される。
小項目「特殊ゾーン演出用画面枠」:「パターンC」
小項目「ロゴ表示体可動」:「パターン中」
小項目「メモリ表示体可動」:「あり」
なお、小項目「ロゴ表示体可動」:「パターン中」は、ロゴ表示体41aを例えば最小より大きく、最大より小さい中程度の角度で落下させる動作パターン(ロゴ表示体モータ194の駆動パターン)を指定するものである。
〔ゾーン演出用カウンタ値が0の場合〕
そしてテーブル中の最下段に示されているように、「ゾーン演出用カウンタ」の値が減算されて「0」になった場合、以下のゾーン演出パターンが選択される。
小項目「特殊ゾーン演出用画面枠」:「パターンD」
小項目「ロゴ表示体可動」:「パターン強」
小項目「メモリ表示体可動」:「あり」
なお、小項目「特殊ゾーン演出用画面枠」:「パターンD」は、画面枠について先の「パターンA」〜「パターンC」のいずれとも異なる表示態様を指定するものである。
このように、演出制御CPU126は「ゾーン演出用カウンタ」の値に応じてそれぞれの演出パターン(小項目別)を設定することができる。
〔図55:ゾーン演出パターン選択処理を参照〕
ステップS914:演出制御CPU126は、「ゾーン演出用カウンタ」の値が「0」となったか否かを確認する。未だ「0」になっていなければ(No)、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図54)を経て演出制御処理(図50)に復帰する。
以上は、合計記憶数が最大数に達した後の1回目の変動開始前に実行される手順となる。これにより、1回目の変動中において上記の開始可否演出(図44中(I),図45中(J),(K)等)が実行され、さらにゾーン突入の成功演出(図45中(L))が実行されることになる(開始可否演出実行手段、導入部分、主要部分の実行)。そして、1回目の停止表示時から特殊ゾーン演出(図46中(i))に突入する。
〔特殊ゾーン演出中〕
また、特殊ゾーン演出が開始された後は以下の手順となる。
ステップS900:ここでも「ゾーン演出中フラグ」が「ON」であるため、演出制御CPU126はステップS902に進む。
ステップS902:ここで「ゾーン演出用カウンタ」が設定済みであることを確認すると(Yes)、演出制御CPU126はステップS916に進む。
ステップS916:この場合、演出制御CPU126は「ゾーン演出用カウンタ」を1減算する。これにより、例えば初期値で「6」が設定されていた場合、ここで値は「5」に減少することになる。
〔接続記号A→A〕
ステップS912:したがって、例えば変動2回目に上記の「ゾーン演出用カウンタ初期値別演出パターン選択テーブル」を参照すると、演出制御CPU126は値「5」に対応するゾーン演出パターン(小項目の組み合わせ)を選択することができる。
この後、特殊ゾーン演出中に変動表示が進み、ステップS916で「ゾーン演出用カウンタ」が減算されて「0」になると(ステップS914:Yes)、演出制御CPU126はステップS918を実行する。
ステップS918:この場合、演出制御CPU126は「ゾーン演出中フラグ」をリセット(「OFF」)する。そして、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図54)を経て演出制御処理(図50)に復帰する。これにより、以後の変動ではステップS912が実行されず、特殊ゾーン演出が終了することになる。
なお、ここで「ゾーン演出中フラグ」が「OFF」になった場合、以後の演出図柄停止表示中処理で特殊ゾーン演出を終了させることとしてもよい。
〔特殊ゾーン突入失敗演出時〕
また以上の手順は、ゾーン突入抽選に当選した場合(ステップS908:Yes)の流れであるが、ゾーン突入抽選で非当選となった場合(ステップS908:No)はステップS920を実行する。
ステップS920:この場合、演出制御CPU126はゾーン突入の失敗演出パターンを選択する。具体的には、図45中(M)に示される失敗演出を実行するための演出パターンを選択する。
ステップS922:そして演出制御CPU126は「ゾーン演出中フラグ」を「OFF」にし、演出図柄変動前処理(図54)を経て演出制御処理(図50)に復帰する。これにより、以後の処理で特殊ゾーン演出が選択されなくなる。
〔ポイント付与演出時〕
また、合計記憶数が最大数に達したことで「ゾーン演出中フラグ」が「ON」になったものの、作動記憶内に特定リーチ変動パターンコマンドが存在しない場合(ステップS904:No)、演出制御CPU126はステップS924を実行する。
ステップS924:この場合、演出制御CPU126はエイトゾーンポイント付与演出パターンを選択する。具体的には、図48に示される演出例の流れに対応した演出パターンを選択するものとする。
ステップS918:そして演出制御CPU126は、「ゾーン演出中フラグ」を「OFF」にし、演出図柄変動前処理(図54)を経て演出制御処理(図50)に復帰する。この場合も同様に、以後の処理で特殊ゾーン演出や成功演出、失敗演出等が選択されることはない。
〔ポイント付与に基づく別の特典〕
ここでは特に図示していないが、上記のポイント付与演出(図48)を通じてある程度のポイント(例えば10000ポイント程度)が蓄積された場合、例えば大当り中に特殊な演出パターンを選択することができるという別の特典を付加してもよい。
〔演出タイムスケジュール〕
また上記のように、合計記憶数が最大数に達した後の変動1回目の変動時間は短縮度合を緩和した変動時間(6.0秒)に設定されるため、各演出のタイムスケジュールは以下となる。
〔特殊ゾーン演出突入の成功演出選択時〕
(1)変動開始〜2秒まで
開始可否演出の導入部分を実行する(図44中(I)〜図45中(J),(K))。
(2)変動開始2秒後〜4秒まで
開始可否演出の主要部分で成功演出を実行する(図45中(L))。
(3)変動開始4秒後〜6秒(停止表示)まで
特殊ゾーン突入演出を実行する(図45中(L)〜図46中(i))。
〔特殊ゾーン演出突入の失敗演出選択時〕
(1)変動開始〜2秒まで
開始可否演出の導入部分を実行する(図44中(I)〜図45中(J),(K))。
(2)変動開始2秒後〜4秒まで
開始可否演出の主要部分で失敗演出を実行する(図45中(M))。
以後は演出発生せず。
〔ポイント付与演出選択時〕
(1)変動開始〜4秒まで
ポイント付与前の演出を実行する(図48中(A)〜(D))。
以後は演出発生せず。
以上説明したように本実施形態によれば、通常遊技中に合計記憶数が最大数に達した場合、それによって作動記憶内の先判定結果を根拠とした大当りの期待値にからむ演出が実行されるため、通常遊技中も合計記憶数を最大数まで蓄積することを常に遊技者に意識させ、パチンコ機1の稼働率を大きく向上することができる。
また、たとえ作動記憶内に大当りの先判定結果が存在しなかったとしても、演出上でポイントを付与することにより、その後の遊技中に特典が受けられる機会を与えることができる。これにより、記憶数を多く蓄積したことへのメリットを遊技者に実感させ、ここでも稼働率の向上に寄与することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた各種演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
図31に示されるゾーンZN1〜ZN5は、一実施形態で挙げた合計記憶数とは別の値で区切ってもよい。また、各ゾーンZN1〜ZN5で設定される変動秒数はあくまで一例であり、実際の変動秒数は適宜に増減してもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な設定値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
上述した実施形態において、第1事象及び第2事象を交互に発生させ得る事象発生手段は、振り分け装置200の例で説明したが、左始動入賞口28aと右始動入賞口26とが単純に左右に並んで配置された構造を採用してもよい。このような構造であっても、第1事象及び第2事象を交互に発生させることができる。