JP2013118065A - 制御弁式鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】近年、二輪自動車に対して環境対策の観点や経済性の向上からCO2の削減を含めた、燃費のさらなる向上のため、従来のガソリンエンジンを動力とする駆動方式とは別に電動モータによる駆動を主体的、または補助的に使用される新たな市場において、限られた搭載スペースの中で、より高容量化(小型、高密度化)とサイクル用途(深充放電)特性に優れる長寿命の制御弁式鉛蓄電池が要求されている。
【解決手段】内殻の樹脂材P1と外殻の樹脂材P2から構成され、P1のガス透過性はP2より高く、またP2には耐薬品性があり、P1とP2の間には空隙を有し、二重射出成形により前記樹脂材が圧着接合で一体化された電池外装樹脂材を使用することで、高容量化とサイクル用途に優れる長寿命の制御弁式鉛蓄電池を提供できる。
【選択図】図2

Description

本発明は二輪自動車および二輪電動車向け制御弁式鉛蓄電池に関する分野において、過酷な使用環境下で外装樹脂部品の劣化により寿命が低下する課題を改善するものである。
従来、二輪自動車向け鉛蓄電池は主に始動用としての機能を重視していたため、電池に対しては小容量の小型で、かつ車両の傾倒による漏液も考慮して密閉性の高い制御弁式鉛蓄電池が使用されている。
近年においては、環境対策の観点や経済性の向上からCO2の削減を含めた、燃費のさらなる向上が求められている。
例えば、このような課題に対して、従来のガソリンエンジンを動力とする駆動方式とは別に電動モータによる駆動を主体的、または補助的に使用する二輪自動車が開発され市場において販売されている。
このような新規市場において、鉛蓄電池は限られた搭載スペースの中で更なる高容量化(小型、高密度化)とサイクル用途(深充放電)での長寿命といった新たな特性要求が出てきている。
上述の新たな用途に対して、複数個を組電池とするモジュール化で高容量化を図ると共にサイクル用途における寿命特性も良好なUPSのバックアップやポータブル機器の電源用への制御弁式鉛蓄電池の流用が検討されている。
しかしながら、前記の電源用制御弁式鉛蓄電池には、一般的に安全面で重要な難燃性、また電池特性として容量および寿命特性に影響する極板群の圧迫を保持する樹脂剛性が必要であることから、外装樹脂部品にアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(以下、ABS樹脂とする)を使用している。
このABS樹脂は、二輪自動車に使用されるガソリンなどの揮発性溶剤に対して耐薬品性が低く、樹脂材にクラックが発生するため、結果的に電池寿命が短くなるという課題がある。
他方、従来自動車や二輪自動車の始動用制御弁式鉛蓄電池に使用されているポリプロピレン樹脂(以下、PP樹脂とする)は、ABS樹脂と比較して耐薬品性などに優れるものの成形性が悪く、樹脂にひけや反りが生じやすいという課題があり、新たに求められているような高密度化された制御弁式鉛蓄電池の生産に対しては、組立て時に極板変形が起こるため、量産性も悪く、寿命特性も低下するという欠点を持っている。
また、サイクル用途では容量回復のため過充電状態にあるため、ガス透過性が低いPP樹脂を電槽材料とした場合、電槽の膨張または変形によるクラックの発生の抑止対策として、排気経路を複雑な迷路構造にして発生したガスを水蒸気に還流する蓋を必要とする。
そこで特許文献1には、第二層となる外殻(スキン)層に結晶性ポリオレフィン樹脂、第一層となる内殻(コア)層をポリフェニレンエーテル系樹脂など複合組成のポリマーアロイとする多層構造の密閉型二次電池用に使用する電槽が開示されている。
詳述において文献1には、スキン層の結晶性ポリオレフィン樹脂としてPP樹脂、コア層のポリフェニレンエーテル系樹脂のポリマーアロイとしてABS樹脂を一例として列挙している。
また、特許文献2は第一層となる内殻(電槽)に耐酸性と耐油性があり、かつエポキシ樹脂系接着材との密着性の良い材料、第二層となる外殻(鞘)には耐油性がある鞘体を被せた構造が開示されており、例として、電槽にABS樹脂、鞘体をPP樹脂とする構成が記載している。
上記の特許文献で開示された多層構造の樹脂電槽は、いずれも先述した近年の二輪自動車の使用環境に求められるサイクル用途の寿命評価において、電槽や蓋の曲げ加工部や前記樹脂部材の接合部にクラックが発生し、電解液の散逸または漏液により短絡を起こすなど電池寿命が短くなることが分かった。
特開平9−147812号公報 特開平9−283099号公報
このような電槽や蓋との接合部位でクラックが発生に至った経過については、以下の原因が推定できる。
まず特許文献1の構成では特性の異なる樹脂材の接合に接着剤を使用して多層構造を形成した点、また特許文献2の構成では電槽と鞘体の間に油体を介在して密着させた点に起因する。
つまり、前述の文献は、第一層と第二層からなる電槽樹脂材において異なる樹脂材間を密着接合するために使用した接着剤または油体が存在することで、目的とする透湿性の低下、具体的には制御弁式鉛蓄電池において限られた電解液中の水分損失を少なくすることができたが、反面としてガス透過性も低下させたと考えられる。今回のようなサイクル用途では過充電の多い使用環境となるため、充電中の電解液中の水分が電気分解により酸素ガスと水素ガスを多量に発生する。
制御弁式鉛蓄電池では、発生した酸素ガスの一部が負極吸収により水へと還元されるものの、前記の還元反応に追従できない過剰な酸素ガスおよび水素ガスは電池外に放出させる必要がある。
通常は、制御弁の動作圧力(開弁圧)を小さくすることで上記課題の解決を図るが、この手法は使用中の電池において減液量を増加させせるため、結果的に電解液の減少から放電容量が減少し、サイクル寿命特性も低下する。
また、先行技術では複数層を密着状態となるよう成形しているため、部品コストが高くなるという生産上の課題も有していた。
以上のような課題により、電槽などの膨張、変形が少なく、過充電時には電池内部で多量に発生したガスを外部に放出されると共に減液特性に優れ、生産効率の良い外装樹脂部品が必要となった。
そこで本発明は、上述の課題を克服することで二輪自動車において、小型高容量かつサイクル用途での寿命特性を高めた制御弁式鉛蓄電池を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、正極板と負極板と前記正負極板を隔離するガラスマットセパレータとをそれぞれ複数枚積層して極板群とし、前記極板群はセル毎に隔壁された電槽内に挿入され、隣接するセルの極板群とは鉛部品を用いて接続し、電解液を注液する注液口と充電時に発生したガスを排出する制御弁部、および外部に出力する端子部を備えた蓋を被せ合わせて、初充電後に前記注液口と前記制御弁部の上に位置する開口部に封口板を取付けた制御弁式鉛蓄電池において、使用される前記電槽および前記蓋などの電池外装樹脂材は、内殻を構成する第一層の樹脂材P1と外殻を構成する第二層の樹脂材P2で構成されており、P1のガス透過性はP2より高く、P2には耐薬品性があり、P1とP2の間には空隙を有するように、二重射出成形により圧着接合で一体化されていることを特徴とする制御弁式鉛蓄電池である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1においてP1の厚みt1とP2の厚みt2は、略同一となるように構成されており、樹脂の剛性はP1がP2より高く、P2の変形に影響を受けないことを特徴とする制御弁式鉛蓄電池である。
続く請求項3に記載の発明は、P1がABS樹脂、P2がPP樹脂とすることを特徴とする制御弁式鉛蓄電池である。
次に請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3に記載の制御弁式鉛蓄電池を2個以上の組電池として使用することを特徴とする。
さらに請求項5に記載の発明では、P2はP1から分離、再接合が可能なことを特徴とする制御弁式鉛蓄電池の外装樹脂材である。
請求項6に記載の発明は、前記外装樹脂材において前記電槽と前記蓋との接合にP1は接着剤を使用し、P2は篏合もしくは部分的に溶着したことを特徴とする制御弁式鉛蓄電池である。
上述の発明により、従来の二輪自動車の始動用のみならず、ガソリンエンジンを動力とする駆動方式とは別の電動モータによる駆動を主体的、または補助的に使用する新たな使用環境にも適する小型で高容量かつサイクル特性が高い品質と量産性にも優れた制御弁式鉛蓄電池が得られる。
本発明によれば、二輪自動車で使用される外装樹脂部品において新規構成を得たことにより、制御弁式小型鉛蓄電池の長所である小型高容量という特性を損なうことなく、サイクル用途での寿命特性を高め、品質と量産性に優れた制御弁式鉛蓄電池を提供することができるようになる。
本発明の制御弁式鉛蓄電池の内部構成を示す断面図 本発明の制御弁式鉛蓄電池における外装樹脂部品の概略説明図 本発明の外装樹脂部品を使用した制御弁部および封口板の断面図 (a)本発明の外装樹脂部品による電槽と蓋の接合部位での断面図、(b)本発明による外殻樹脂部品の接合状態の別形態を示す断面図 従来品の制御弁式鉛蓄電池の外観略図 40℃重負荷寿命の結果
以下に、図を用いて本発明を実施するための形態について詳述する。
図1は、本発明の制御弁式鉛蓄電池を示す構成図である。
電池形式はJISに記載のBTX4型を参考に外形寸法、幅70mm、長さ113mm、高さ85mmの平形端子構造の制御弁式小型鉛蓄電池である。
また、二輪自動車用の制御弁式鉛蓄電池に限ってはJISに明記されているように端子構造には平形形状も適合できるので、本発明の評価は図1に示したように平形端子を用いて評価した。
本発明は、図2に示すように外装樹脂部品が内殻を構成する第一層の樹脂材P1と外殻を構成する第二層の樹脂材P2とを空隙を有するように二重射出成形による圧着接合で構成としたことを特徴とする制御弁式鉛蓄電池である。
本発明の詳細は、図1および要部には図3、図4を参酌しながら説明する。
図1に示すように、鉛蓄電池の内部構成は正極板1と負極板2がガラスマット製セパレータ3を介して対峙させた後、極性の同じ極板耳部4を鉛部品で結合させた溶接棚5を有する極板群からなる。前記極板群はセル毎に隔壁された電槽6内に挿入され、溶接棚5は隣り合う極板群、又は外部出力のための端子部7と接合されて所定の出力(一般的には12V)が得られるように作製される。所定量の電解液を注液し、電槽化成を目的とする初充電を行った後、図3に示すように蓋8には、液口全体を覆う封口板9と内部に一定の内部圧でガスが放出される制御弁部10が取り付けられている。
次に実施例で評価した12V、10時間率容量が公称3.0Ahの制御弁式鉛蓄電池の構成を以下に示す。
まず定法に基づき鉛合金製の格子体と鉛や鉛酸化物などを希硫酸で混練したペーストを充填して熟成乾燥させた活物質とからなる正極板1と、鉛合金製の格子体(図示せず)と鉛や鉛酸化物・硫酸バリウム・カーボンなどを希硫酸で混練したペーストを充填して熟成乾燥させた活物質とからなる負極板2とをガラスマット製セパレータ3を介して対峙させて、セルあたり正極4枚、負極5枚で構成される極板群を作製する。この極板群は極板から突出させた耳部4を正負極それぞれの極性を一体化させた溶接棚5により極板群が構成され電槽6の所定位置に挿入される。この時、乾燥状態での極板群にかかる圧力は20kPaとした。そして隣り合う極板群は、異なる極性の溶接棚5を鉛部品で溶接により接続し、さらに外部に電流出力する平板端子7と端部セルの溶接棚5も溶接で接合する。次に電槽6上部には、注液口11と制御弁部10を有する蓋8が所定の方法で接合される。
図2に示すように実施例で評価した電池は、内殻P1樹脂12にABS樹脂を使用し、外殻P2樹脂13にPP樹脂を使用した。また図4(a)に示したように電槽と蓋を一体化する接続部には、内殻のABS樹脂の接合はエポキシ樹脂性の接着剤14を用いたが、一方で外殻の接合部は篏合部15のみとした。ただし、P2の樹脂層が薄く篏合部の形成が困難な場合は、図4(b)に示したように部分的もしくは全周囲を溶着による溶着部16としてもよい。またP1とP2の間には酸素または水素ガスが排気可能な中空の空隙部17を設けている。
これらの評価に使用した電槽などの外装樹脂部品の材質及び厚さは、比較電池も含めて表1の通りである。この時、樹脂材の厚さtとは樹脂成型の屈曲や接合などで凹凸がない平板部分での平均厚みである。
Figure 2013118065
最後に通電後の電解液比重が1.35g/mlとなるように、注液口11から希硫酸からなる電解液を所定量注入した後、活物質を活性化させるための化成充電を行い、充電完了後に注液口にゴム製の制御弁部10を取付け、封口板9を蓋に溶着することで、本発明の制御弁式鉛蓄電池を構成した。
この構成において本発明に基づき加工された二重構造体の樹脂部品を使用すること以外は、図5に示す従来品と変わるところはない。
(実施例1)
二輪自動車用鉛蓄電池の重負荷寿命(JIS D5302)を実施した。
試験方法の詳細を以下に示した。重負荷寿命は環境温度40℃(気相)で、放電が電流2.5Aで時間1.0h、充電が電流0.63Aで時間3.0hを1サイクルとして25サイクル毎に容量確認試験を行ない、10時間率容量の40%以下となった段階で寿命と判定した。
容量確認試験は、電流2.5Aで電池電圧が10.4Vまで放電を行い、放電時間から容量を算出する。容量確認試験後の充電は、電流0.3A(10時間率電流)で端子電圧が14.4Vに到達後から、さらに4.0hの通電を行った。2回目以降の充放電サイクルでは容量確認試験を1サイクルとして加えている。
図6に寿命結果として、サイクル数と電池容量の変化を示した。また、表2には寿命評価前後での電池重量の変化(電解液の総減液重量)を示す。
Figure 2013118065
表2の結果のように、寿命サイクル数が大幅に異なるにもかかわらず、本発明における寿命後の電池重量(電解液の総減液量)の差は従来のPPを主体とする樹脂とほぼ同程度であり、早期に寿命となった文献1および2の構成と比較しても良好な結果を得ている。
比較例3の結果から、本発明の構成においても外殻のP2の樹脂材の厚みが薄くなった場合、ガス透過性が大きくなりすぎたことで、電気分解された電解液中の水分減量が大幅に上昇したと考えられる。このため、本発明の効果を得るには、外殻のP2の樹脂材が一定の厚みを必要とすることが分かった。
また、図6の結果から寿命サイクル数と容量の低下の関係には、当初に電解液の損失による容量低下が発生し、次に電解液中の水分が負極板で吸収、還元されるため、2段階の勾配を持つ寿命曲線になったと推定できる。つまり、この結果においては当初の容量低下を示す勾配が緩やかであるほど深放電における寿命サイクル中に電解液中の水分減液が少ないことを示している。
(実施例2)
外装樹脂部品の耐薬品性の評価は、電池の使用中に塗着する可能性が高い有機溶剤として、燃料となるガソリンおよび市販の二輪自動車用エンジン混合オイルの2種類を選択した。
試験には、先述と同形式の制御弁式鉛蓄電池に有機溶剤を電池表面に均一に塗布し環境温度60℃(気相)で30日間の放置を行った。有機溶剤は揮発性が高いので、2〜3日に1回の頻度で電池表面に再塗布を行っている。
評価終了後に外装樹脂部品の劣化状況を表3に示す。
Figure 2013118065
二輪自動車向けの用途を考慮して実施した上記の結果において、一般的な有機溶剤に弱いABS樹脂が、評価に使用したガソリンや混合オイルに対してもケミカルクラックを容易に発生することが分かった。また、本発明のように二重射出成形で外殻P2にPP樹脂を被覆した場合でも被覆層が薄い場合には内殻の表面部位で劣化を生じることが分かった。これは熱による樹脂変形が大きくなると揮発性の高い有機溶剤などは、気化することで内殻P1の表面へ到達し化学劣化を生じさせたと考えられる。このため外殻P2の厚みは、内殻P1の厚みに対して25%以上の厚さを持つことが良い。熱やガス発生時の変形などから樹脂の剛性を検討した結果、P1とP2の厚さが略同一で構成された場合がさらに好ましいことが分かった。
一方、文献1及び2のように電槽に被覆を施していても、技術的に成形できなかった蓋や成形断面からABS樹脂のみの場合と同様にケミカルクラックが早期に発生していた。特に文献1に記載の複数層の樹脂で、外殻の耐薬品性を持つ樹脂を使用しても先述のように樹脂層が薄いため、変形が起こると樹脂層間に隙間ができ、容易に下層の樹脂材を劣化させてしまうことも分かった。
表4に10時間率容量の異なる制御弁式鉛蓄電池の重負荷寿命特性について、従来品と寿命サイクル数を比較した結果を示す。基本的には実施例1に記載の手順と変わらないが、JISに規定されている通り、容量ごとに放電電流などの条件は変更している。
Figure 2013118065
電池容量が大きいほど、本発明の効果は顕著に表れる。これは、PP樹脂の場合電池容量が大きくなるほど充放電後の極板変形により外装樹脂の変形が発生しやすくなったことで、極板群圧を十分に保持できなくなり、結果的に放電抵抗も上昇し容量低下に繋がったと考えられる。
上述のように樹脂材として、P1に一般的なABS樹脂、P2にPP樹脂を使用したが、公知のようにP1には無機材を添加したポリフェニレンエーテル系樹脂、P2にはポリオレフィン系樹脂を組み合わせて使用してもよい。
また、今回の評価は、主に平板端子タイプの制御弁式鉛蓄電池について実施したが、ボルトねじ固定式端子を持つ制御弁式鉛蓄電池においても本発明の構成で外装樹脂部品の成形が可能であった。
従来の二輪自動車の始動用のみならず、ガソリンエンジンを動力とする駆動方式とは別の電動モータによる駆動を主体的、または補助的に使用する新たな使用環境にも適する小型で高容量かつサイクル特性が高く品質量産性にも優れた制御弁式鉛蓄電池を提供する。
1 正極板
2 負極板
3 ガラスマット製セパレータ
4 極板耳部
5 溶接棚
6 電槽
7 平板端子
8 蓋
9 封口板
10 制御弁部
11 注液口
12 内殻P1樹脂
13 外殻P2樹脂
14 接着剤
15 篏合部
16 溶着部
17 空隙部

Claims (6)

  1. 正極板と負極板と前記正負極板を隔離するガラスマットセパレータとをそれぞれ複数枚積層して極板群とし、前記極板群はセル毎に隔壁された電槽内に挿入され、隣接するセルの極板群とは鉛部品を用いて接続し、電解液を注液する注液口と充電時に発生したガスを排出する制御弁部、および外部に出力する端子部を備えた蓋を被せ合わせて、初充電後に前記注液口と前記制御弁部の上に位置する開口部に封口板を取付けた制御弁式鉛蓄電池において、使用される前記電槽および前記蓋などの電池外装樹脂材は、内殻を構成する第一層の樹脂材P1と外殻を構成する第二層の樹脂材P2で構成されており、P1のガス透過性はP2より高く、P2には耐薬品性があり、P1とP2の間には空隙を有するように、二重射出成形により圧着接合で一体化されていることを特徴とする制御弁式鉛蓄電池。
  2. P1の厚みt1とP2の厚みt2は、略同一で構成されており、樹脂の剛性はP1がP2より高く、P2の変形に影響を受けないことを特徴とする請求項1に記載の制御弁式鉛蓄電池。
  3. P1がアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂、P2がポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項2に記載の鉛蓄電池。
  4. 2個以上の組電池として使用することを特徴とする、請求項1から請求項3に記載の制御弁式鉛蓄電池。
  5. P2は、P1から分離、再接合が可能なことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の制御弁式鉛蓄電池の外装樹脂材。
  6. 前記外装樹脂材において前記電槽と前記蓋との接合にP1は接着剤を使用し、P2は篏合もしくは部分的に溶着したことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の制御弁式鉛蓄電池。
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