JP2013111350A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波診断装置において、受信信号の処理過程における複数の箇所で、信号ダイナミックレンジ中のノイズレベルを最適化できるようにする。
【解決手段】受信信号を処理する複数の処理モジュールには、ノイズレベルを調整するノイズレベル調整部62B、64B、66Bを備えた複数の処理モジュール62,64,66が含まれる。個々のノイズレベル調整部62B、64B、66Bは、入力側での推定ノイズレベルが出力側での目標ノイズレベルに一致するように、信号レベルを変換しあるいはゲインを調整する。その際に利用される変換関数あるいはゲイン値がノイズレベル制御部56により演算される。推定ノイズ値演算部54は、初段内部ノイズ値及び各種パラメータ値に基づいて、各箇所での推定ノイズ値(推定ノイズレベル)を演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は超音波診断装置に関し、特にノイズレベル調整技術に関する。
医療の分野において超音波診断装置が活用されている。超音波診断装置は、一般に、複数の振動素子を有するアレイ振動子、複数の振動素子からの複数の受信信号を処理する複数の受信器、複数の受信器からの複数の受信信号に対して整相加算処理を実行して整相加算後の受信信号(ビームデータ)を生成する整相加算部を備える。また、整相加算部の後段には、帯域制限部、検波部、対数変換部、ゲイン/コントラスト調整部、相関演算部、スキャンコンバータ、表示処理部、等が設けられる。それらの構成は例示である。
ところで、超音波画像上に現れるノイズには電気的ノイズと音響ノイズとがある。後者の音響ノイズとして、アーチファクト、スペックル等が知られている。前者の電気的ノイズには、振動素子、プリアンプ等の初段回路で生じるランダムノイズ(熱雑音に相当)と、電磁波や電源に由来する非ランダムノイズ(固有ノイズ)と、がある。本願においては、ランダムノイズに着目する。以下、それを単に「ノイズ」と称することにする。
上記のノイズは受信チャンネルごとに生じる。各受信チャンネルではプリアンプ等の増幅器において実信号(生体からのエコー成分)が増幅されるが、その際、実信号と共にノイズも増幅されてしまう。整相加算処理の段階では、複数の受信チャンネルにわたって実信号と共にノイズも加算処理される。その後に続く各段階の信号処理においても、実信号と一緒にノイズも処理されることになり、最終的な表示段階で実信号と共にノイズが画像化される。
特許文献1には、送信を行わない状態でノイズレベルを検出し、それに基づいてダイナミックレンジを調整する超音波診断装置が開示されている。しかし、受信信号処理系における途中箇所においてノイズレベルを推定し、その推定結果を利用して信号処理条件を定めることについては開示されていない。
特開2003−299650号公報
一般的な従来の超音波診断装置において、受信信号処理の各段階では、もっぱら実信号に着目し、それが信号ダイナミックレンジに適切に収まるようにゲイン調整等がなされている。その際、信号ダイナミックレンジに対するノイズレベルの大小までは格別考慮されていない。このため、最終的に実信号とノイズとの差を拡大できない等の問題が生じている。あるいは、従来においては信号ダイナミックレンジを十分に活用できていない面を指摘できる。
本発明の目的は、ノイズレベルに着目した新しい受信信号処理方式を実現することにある。あるいは、本発明の目的は、受信信号処理においてノイズレベルを適切に管理して、信号ダイナミックレンジを有効活用し、あるいは、超音波画像の画質を高めることにある。
本発明は、超音波の送受波により得られた受信信号を段階的に処理する複数の処理モジュールを有する超音波診断装置において、前記複数の処理モジュールには、ノイズレベルを調整する調整部を備えた複数の調整部付き処理モジュールが含まれ、当該超音波診断装置は、前記調整部ごとに入力信号中の推定ノイズレベルを推定する推定手段と、前記調整部ごとに出力信号中の目標ノイズレベルを設定する設定手段と、前記調整部ごとに前記推定ノイズレベル及び前記目標ノイズレベルに基づいて前記入力信号を前記出力信号へ調整するための調整条件を設定するノイズレベル制御手段と、を含み、前記受信信号の段階的な処理の過程で複数の箇所で信号レンジに対してノイズレベルが調整される、ことを特徴とする。
上記構成によれば、受信信号を処理する一連の処理過程における複数の箇所において、信号レンジ(信号ダイナミックレンジ)との相対的関係からノイズレベルが調整され、望ましくは最適化される。ノイズレベルの調整は望ましくはゲイン調整によって実現され、あるいはゲイン調整及びコントラスト調整の両者によって実現される。上記各箇所には調整部が設けられ、望ましくは個々の処理モジュールの出力段に備わっている調整部が利用される。例えば、個々の処理モジュールにおいては、当該処理モジュール固有の信号処理が実行された上で、当該処理モジュールの出力段にある調整部で、処理後の信号に対してゲイン調整等が実行される。かかる調整は、推定ノイズレベルを目標ノイズレベルへ対応付けるものであり、望ましくは推定ノイズレベルをその調整後において目標ノイズレベルへ一致させるものである。この結果、出力レンジにおいてノイズレベルが所定値に維持されることになるから、ノイズと実信号のレベル差あるいは輝度差を拡大することができ、つまり信号レンジの全体を有効活用することが可能となる。これは超音波画像の画質向上をもたらすものである。超音波画像上においては、実信号の輝度を変えても、所望のノイズ輝度を維持することも可能である。
従来においては実信号に着目してゲイン調整等を行っていたが、上記処理はノイズに着目してあるいはノイズも考慮してゲイン調整等を行うものである。推定ノイズレベルの計算に際しては、制御対象となった変換部よりも前で適用された各種の信号処理における処理条件(パラメータ値)が参照される。また、初段で生じるランダムノイズが初期値として参照されるのが望ましい。初期値は実験により、シミュレーションによりあるいは数値演算により、決定することが可能である。
望ましくは、前記ノイズレベル制御手段は、前記推定ノイズレベルが前記目標ノイズレベルに一致するように前記調整条件を設定する。ゲイン調整だけでそのような一致を実現するようにしてよいし、更にコントラスト調整が併用されてもよい。
望ましくは、前記推定手段は、前記調整部ごとに、初段で発生するランダムノイズレベル及び前記段階的な処理における当該調整部よりも前の複数の処理における処理条件に基づいて、前記推定ノイズレベルを推定する。望ましくは、前記複数の調整部付き処理モジュールの少なくとも1つが対数変換モジュールよりも前に設けられる。対数変換に際してはより低域側の信号ほど増強されるので、対数変換前にノイズを十分に抑圧しておくことが望ましい。
本発明によれば、ノイズレベルに着目した新しい受信信号処理方式を実現できる。あるいは、本発明によれば、受信信号処理の要所においてノイズレベルを適切に管理して、信号ダイナミックレンジを有効活用し、あるいは、超音波画像の画質を高められる。
本発明に係る超音波診断装置のブロック図である。 ノイズレベル調整部(輝度変換部)の作用を説明するための図である。 ノイズレベル調整部(輝度変換部)の作用を説明するための図である。 変換関数を説明するための図である。 段階的にノイズレベル調整処理を適用しない場合における信号処理例(比較例)を示す図である。 段階的にノイズレベル調整処理を適用した場合における信号処理例を示す図である。 他の変換関数を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。この超音波診断装置は、医療の分野において用いられ、生体に対して超音波の送受波を行って超音波画像を形成する装置である。図1においては、送信部については図示省略されている。
図1において、受信部10は、図示の構成例において、アレイ振動子12を含んでいる。アレイ振動子12を含まずに受信部10を定義することも可能である。アレイ振動子12は、複数の振動素子16からなる。それらは直線状に配列されあるいは円弧状に配列されている。アレイ振動子12によって超音波ビームが形成され、それが電子走査される。これによって二次元取込領域であるビーム走査面が形成される。電子走査方式としては、電子リニア走査、電子セクタ走査、等が周知である。
受信部10は、複数の受信器(受信チャンネル)14を備える。個々の受信器14は、振動素子16、プリアンプ18、可変アンプ20、A/D変換器22を備える。振動素子16からの受信信号が図示されていないプローブケーブルを介してプリアンプ18に入力され、そこで受信信号が増幅される。増幅された受信信号は可変アンプ20において更に増幅され、A/D変換器22においてデジタル信号に変換される。複数の受信器14から出力された複数の受信信号は整相加算部24に入力され、整相加算部24において複数の受信信号が整相加算処理される。整相加算部24は、複数の遅延器、加算部、ゲイン調整部、等を備える。整相加算部24は、ビームデータとしての整相加算後の受信信号を出力する。
整相加算部24の後段には、複数の処理モジュール60−66が設けられ、更に表示器68が設けられている。複数の処理モジュール60−66は、それぞれ、固有の処理を実行する処理部60A−66Aを備えている。複数の処理モジュール60−66の内で、処理モジュール62−66はその出力段にノイズレベル調整部62B−66Bを備える。ノイズレベル調整部62B−66Bは、輝度変換部あるいはゲイン調整部として機能するものである。なお、上記の整相加算部24も出力段に調整部を備えており、その意味において、処理モジュール62−66と同様に、調整部付き処理モジュールである。
複数の処理モジュール60−66は、例えば、可変バンドパスフィルタ(VBPF)、検波回路(LPFを含む)、対数変換部、輝度変換部(ゲイン/コントラスト調整部)、相関処理部、デジタルスキャンコンバータ(DSC)、表示処理部等である。それらは例示である。VBPFでは、受信ダイナミックフォーカスの適用によって深さ方向に動的に変化する受信焦点深度に応じて、通過帯域の中心周波数等を動的に変化させながら、帯域制限を行う処理が実行される。対数変換部は、入力信号に対して対数変換を実行するものである。輝度変換部は、ユーザー指定されたゲイン値及びコントラスト値に基づいて受信信号のゲイン及びコントラストを調整するものである。表示器68においては超音波画像が表示される。超音波画像としてはBモード画像、二次元血流画像、スペクトルドプラ画像、三次元画像、等が知られている。
本実施形態においては、複数の調整部付き処理モジュール62−66のすべてにおいて、ノイズレベル調整部62B−66Bにおいてノイズレベル調整処理が実行されている。具体的には、各調整部において、処理後の入力信号に対して輝度(レベル)変換を行うことにより出力信号を生成されているが、その際、当該調整部の入力側において推定されるランダムノイズ値(推定ノイズ値)が調整後において目標ノイズ値となるように調整条件あるいは調整関数が定められている。
制御部48は、CPU及び動作プログラムによって構成され、それは、初段内部ノイズ値を格納したメモリ50、目標ノイズ値テーブル(メモリ)52、推定ノイズ値演算部54、ノイズレベル制御部56を有する。
初段内部ノイズ値は、実測されあるいは計算されたものであり、それは、振動素子及びケーブルで生じたランダムノイズによる出力ノイズ値と、プリアンプ18で生じたランダムノイズをその入力に換算した値(入力換算ノイズ)と、からなる。それらを個別的に記憶しておいてもよいし、それらを合成した結果を記憶しておいてもよい。振動素子及びケーブルで生じるノイズはその等価回路から計算によって求めることも可能である。プリアンプ18の入力換算ノイズも、プリアンプ18の等価回路から計算可能である。あるいは、プリアンプ18の出力ノイズを実測し、その値をプリアンプ18のゲインで除することによって求めるようにしてもよい。ノイズが次段の可変アンプ20のゲインによって変動する場合には、そのゲインごとに必要なノイズ値を格納しておくのが望ましい。格納しておくノイズ値は可変アンプ20の出力ノイズ値であってもよい。後の処理(特に帯域処理)を踏まえると、格納されるノイズ値は、単位周波数(√(Hz)-1)当たりの値としておくのが望ましい。
目標ノイズ値テーブル52内には、上述した複数の調整部に対応する複数の目標ノイズ値が格納されている。ある調整部に着目した場合、それに与えられる目標ノイズ値は、当該調整部の出力レンジ(出力ダイナミックレンジ)において目標とするノイズ値である。その値はプリセットしておくことができ、あるいは自動的に定めることができる。それを手動で設定してもよい。
推定ノイズ値演算部54は、個々の調整部ごとにその入力側での推定ノイズ値を演算するものである。その際には、初段内部ノイズ値と、各処理部での処理の条件を表す複数のパラメータ値とが参照され、以下に説明するように、各処理段階における調整部の入力側において観測が予測されるノイズ値(推定ノイズ値)が演算される。特定の処理モジュールについて演算される推定ノイズ値の算出に際しては、初段内部ノイズ値の他、結果として、当該特定の処理モジュールよりも前のすべての処理モジュールにおける処理条件が考慮される。その考慮されるパラメータ値には、動作モードに従うパラメータ値やユーザー設定された値も含まれ得る。ノイズレベル制御部56は、各ノイズレベル調整部における調整条件、具体的にはゲインや変換関数を設定する部分である。このような設定により、各ノイズレベル調整部において推定ノイズ値をその変換後において目標ノイズ値に一致させることが可能となる。複数の要所においてそのようなノイズレベル調整を行えば、受信信号処理過程の全般において信号ダイナミックレンジを有効活用することが可能となる。
以下に、ノイズ値の推定演算について詳述する。本願において着目するランダムノイズは、帯域の二乗根に比例するノイズであり、各受信チャンネル間において相関がないあるいは相関の弱いものであると仮定できる。よって、2つのノイズの加算あるいは合成は二乗和平方根によって求めることができる。なお、ゲイン、帯域制限条件、受信開口を構成するチャンネル数、ダイナミックレンジ、相関処理条件、等については、装置側において最初から既知であり、あるいはユーザーの動作条件設定時に既知となる。このような前提から各段階でのノイズ値を推定演算することが可能である。具体的には以下の通りである。
プローブの出力ノイズ値Ntdと、プリアンプの入力換算ノイズ値Np-inの合成値Ninは以下となる。これは初段内部ノイズ値に相当するものである。
Nin = √(Ntd2+Np-in2) ・・・(1)
プリアンプ入力換算合成ノイズ値がNin(Vrms/√Hz)であるとすると、出力ノイズ値Npout(Vrms/√Hz)は以下となる。
Nout = Nin x G (但しGはゲイン) ・・・(2)
1チャンネルあたりのノイズレベルを上記のNoutとしたとき、整相加算部において整相加算対象となる受信開口がMチャンネルの大きさをもっているなら、相互に相関がないと見なせるノイズの合成値CNは、全chにつき同じゲインg1を仮定すると、以下のようになる。
CN = √((M )x Nout x g1) (Vrms/√Hz) ・・・(3)
ちなみに、受信アポダイゼーションを施しているとき、n番目のchのゲインをgnとすると、以下となる。
CN = √(Σ(Nout x gn)2 ) (Vrms/√Hz) ・・・(4)
(但しΣは1〜Mch分の加算)
本実施形態では、例えば、上記の整相加算処理時又は整相加算後のゲイン調整において、推定ノイズ値CNが目標ノイズ値CNgになるように、g1またはgnが決定される。目標ノイズ値CNgは、例えば"72"のようにあらかじめ装置内に設定しておくが可能である。CNが"72"になり、整相加算部としてのデジタルビームフォーマー(DBF)の出力が20bitのレンジがあるとすると、1048576階調中の72までがノイズの階調となる。
次段の帯域制限処理でノイズレベルが低減するので、整相加算部の出力においてノイズレベルが小さすぎると、帯域制限によりノイズ付近が必要以上に消去されてしまい、ノイズレベル近傍で見える実信号成分も見えなくなるため、感度低下となる。そのため帯域制限によるノイズレベル低下を見越して目標ノイズ値を設定するのが望ましい。
さて、整相加算後においては、可変のBPFにおいて帯域制限処理が施される。帯域をB(Hz)とすると、ノイズ実効値EN-bpfは以下となる。但しG-bpfはゲインである。
EN -bpf = CN x √B x G-bpf(Vrms) ・・・(5)
その際、高調波成分を抽出する処理(例えばパルスインバージョン処理)が適用される場合には、基本波と高調波の差分処理(実際には加算処理)において、同一レベルのランダムノイズの加算処理とみなせるので、以下となる。
EN-pi = EN -bpf x √2(Vrms) ・・・(6)
次に、受信信号に対して検波処理が適用される場合、その検波により正側成分のみになるので、以下となる。
EN-det = EN-pi /2 ・・・(7)
その後、検波により発生した高調波をカットするためにLPFによる帯域制限処理が施される。その場合、ノイズレベルへの影響は少ないが、影響の度合いをrとし、ゲインをG-lpfとすると、推定ノイズ値は以下のようになる。
EN = EN-det x r x G-lpf ・・・(8)
本実施形態では、例えば、変換後の推定ノイズ値ENが目標値ENgに一致するようにG-bpfやG-lpfが決定される。このENgは例えば"5"のようにあらかじめ装置内に設定しておく。次の対数圧縮処理前の段階で、ノイズ値が大きいと、LOG特性によりノイズが強調されてしまうので、この段階においてノイズ値を十分に小さくしておくのが望ましい。
次の対数圧縮処理では以下の通りとなる。但し、以下のcoe1は、対数処理部の出力最大値/log(対数処理部の入力の最大値)である。
LOG-N = coe1 x log(EN) ・・・(9)
ゲイン/コントラスト調整処理では以下のようになる。但し、coe2はダイナミックレンジ調整係数であり、g3は対数処理後のゲイン調整値(初期値)である。
GD-N = coe2 x LOG-N + g3 ・・・(10)
本実施形態では、ゲイン及びコントラストがユーザー設定されているが、その設定がない場合、あるいは、自動調整を優先する必要がある場合には、CD-Nを目標値 CD-Ngになるようにg3が決定される。このCD-Ngは例えば"38"のようにあらかじめ装置内に設定しておく。
ライン相関、フレーム相関の際のノイズ計算は以下となる。但し、coe3はライン相関によるノイズ増加率であり、coe4はフレーム相関によるノイズ増幅率である。
CORR-N = GD-N x coe3 x coe4 ・・・(11)
なお、上記の他にポストプロセスなどによるノイズ変動等によって最終的なノイズ値Nが定められる。
以上は例示であるが、以上のような手法により、受信信号の各処理段階において、推定ノイズ値を演算することができ、その推定ノイズ値がその変換後において目標ノイズ値になるように調整条件を定めることが可能である。上流側においてノイズレベルの調整が適用されたならば下流側においてはそれを考慮して推定ノイズ値が演算されることになる。
図2には、ノイズレベル調整部の作用が図示されている。ノイズレベル調整部は、輝度調整部あるいは輝度変換部である。その際、ゲイン単独の調整、コントラスト単独の調整、ゲイン及びコントラスト双方の調整のいずれも適用可能であるが、実信号とノイズとの輝度差を拡大できるように処理条件を定めるのが望ましい。図2の(A)にはノイズレベル調整部の入力が示されており、図2の(B)には輝度変換部の出力が示されている。入力において、符号100は入力レンジ(入力ダイナミックレンジ)を示している。符号102は変換対象範囲(変換対象レンジ)を示しており、そのようなウインドウ内の信号が変換処理される。それは上限及び下限106で規定される。下限は変換後におけるベースラインに相当する。変換対象範囲102の下限106についてはそれを移動させることが可能であり、その場合、変換対象範囲102の幅が変化する。これはコントラスト調整に相当する。符号112は推定ノイズ値を示している。入力において推定ノイズ値112はこの例ではある程度の大きさを有している。(B)に示す出力において、符号114は出力レンジ(出力ダイナミックレンジ)を示している。変換対象範囲102の上限が出力レンジの上限に対応しており、変換対象範囲102の下限106が出力レンジ114の下限に対応している。そのような入出力間での線形変換が実現されるように変換条件あるいは変換関数が定められている。出力において、符号118が目標ノイズ値を表している。ノイズレベル調整の結果、推定ノイズ値112が目標ノイズ値118として変換される。出力レンジ114において、目標ノイズ値118は比較的小さいレベルであり、実信号輝度とノイズ輝度との差を拡大可能である。つまり、出力レンジを有効活用できる。
図3には、ノイズレベル調整部の他の作用(あるいは上記とは異なるノイズレベル調整部の作用)が図示されている。座標系は図2に示したものと同じである。(A)において、入力レンジ100内に変換対象範囲102が設定され、それは上限104と下限106とで規定される。それぞれを独立して設定することが可能である。変換対象範囲102の幅を維持してそれをスライドさせた場合、それはゲイン調整に相当し、変換対象範囲102の幅を変化させた場合、それはコントラスト調整に相当する。変換対象範囲102の上限104が出力レンジ114の上限に対応し、変換対象範囲102の下限が出力レンジ114の下限に対応する。入力において推定ノイズ値112はある程度のレベルを有しており、それは目標ノイズ値119に変換される。出力レンジ114において、目標ノイズ値119は比較的小さく設定されており、実信号とノイズとの輝度差が拡大している。このようにゲイン調整かつコントラスト調整によって輝度変換を行うようにしてもよい。単純なゲイン調整だけあるいはコントラスト調整だけによって輝度変換を行うことも可能である(図2参照)。いずれにしても、推定ノイズ値を推定してそれが目標ノイズ値に一致するように輝度調整を行うのが望ましい。その際、実信号のレベルを推定可能あるいは検出可能であればそれに基づいて調整条件、特に高域側の調整条件を定めることが可能である。そのような場合には図3に示した構成を採用するのが望ましい。実信号の飽和を防止しながら出力レンジの全体を活用することが可能となる。そうでない場合には図2に示した構成を採用するのが望ましい。
図4を用いてノイズレベル調整部において設定される変換関数の一例について説明する。図4において、入力軸には、固定範囲として入力レンジ100が示されている。その内で変換対象範囲102内の信号が変換対象となる。それは上限104と下限106とで特定される。それらの一方又は両方がノイズレベルを調整する際に自動調整される。例えば、上限104はプリセットされた値でもよい。その場合、下限106は自動的に設定される。入力軸上には上述した計算によって推定される推定ノイズ値124が示されている。これは輝度変換前の段階でのランダムノイズ推定値であり、動作条件によって変動するものである。一方、出力軸には出力レンジ114が示されている。出力レンジ114も固定設定されたものとして考える。出力レンジ114中には目標ノイズ値120が示されている。これはプリセットされた値であってもよいし、自動的に動的に設定されるものであってもよい。
さて、変換対象範囲102の上限104と出力レンジ114の上限とを対応付けることにより、上限変換点(交点)128が定まる。同じく、推定ノイズ値124と目標ノイズ値122とを対応付けることにより、ノイズ変換点(交点)126が定まる。それらの変換点128,126を通過する直線を描くことにより変換関数130を定義することが可能である。この例では変換関数130は線形関数である。変換関数130上において実際に使用される有効範囲の内、上限は交点128であり、下限は下限変換点(交点)134である。出力レンジ114の下限114Bから下限変換点134が特定され、同時に、変換対象範囲102の下限106も特定される。
以上により、ノイズについて規定階調を実現する変換関数130及び変換対象範囲102(あるいは変換関数130における有効範囲)を適応的に設定することが可能となる。この変換関数130によれば、ランダムノイズに対しては変換後において常に一定の輝度(レベル)が与えられることになる。つまり、ノイズレベルに着目した変換処理を実現できる。目標ノイズレベル120をベースライン付近まで下げれば、ノイズはほとんど画像化されなくなる。もっとも、ノイズ付近の実信号も画像化されなくなる。ノイズ付近の実信号をより画像化したいなら目標ノイズ値を増大させればよい。通常、実信号が入力ダイナミックレンジ100の上限まで到達してしまうことはあまりなく、通常、実信号のレベルはその上限よりも十分に低くなるから、入力ダイナミックレンジ100の上限よりも下がった適当なレベルに変換対象範囲102の上限104を設定しておけば、ダイナミックレンジの全体を有効活用できる。もし実信号について飽和が生じる場合あるいはそのおそれがある場合には自動的に上限104を引き上げればよい。
図1に戻って、以上のような輝度変換を行うのが個々のノイズレベル調整部(62B−66B参照)である。各ノイズレベル調整のために、制御部48においては、初段内部ノイズ値を基礎として、各種のパラメータ値を参照することにより、各ノイズレベル調整部における入力側での推定ノイズ値が推定されている。その推定ノイズ値と目標ノイズ値とからゲイン等の輝度調整条件が定められる。なお、図1に示した構成は一例であり、他の構成例を採用することができる。上述した数値演算は、推定ノイズ値を演算するための簡略化された例示にすぎない。
次に、図5に示す比較例との対比において、図6を用いて実施形態の構成による作用効果について説明する。図5及び図6に示す各データの計算に当たっては次の前提条件を採用した。伝搬減衰率を−0.5dB/MHz/cm、送信周波数を3MHzとした。受信波において二次高調波が基本波に比べて深さによらず−20dB低いと仮定した。プリアンプにおける代表的な入力換算ノイズレベルを0.7nV/√Hzとし、同じく代表的なプローブのノイズレベルを1.0 nV/√Hzとした。受信開口の幅を256chとした。A/D変換器におけるリファレンスを2Vとし、振幅方向の分解を12bitとした。なお、装置の動作条件は一般的な装置で普通に設定される典型的な条件を使用した。
図5及び図6において、(a)は縦軸を対数スケールで示したものであり、(b)及び(c)は対数変換後であることを考慮して縦軸をリニアスケールで示したものである。個々の処理段階において、左から1番目の棒グラフ201は整相加算部の各入力に最大値が入力されたと仮定した場合における各段階での信号最大レベルを示している。それは実質的に見て信号ダイナミックレンジといってよいものである。左から2番目の棒グラフ202は実信号レベル(代表値)を示しており、左から3番目の棒グラフ203はノイズレベル(代表値)を示しており、左から4番目の棒グラフ204は整相加算部の各入力に最小値1(LSB)が入力されたと仮定した場合における各段階での信号最小値レベルを示している。
(a)において、S0はプリアンプの処理結果を示し、S1はA/D変換器の処理結果(図6においてはノイズレベル調整後であり、以下同じ)を示し、S2は整相加算部(DBF)の処理結果を示し、S3はVBPFの処理結果を示し、S4はパルスインバージョン処理を示し、S5は検波部の処理結果を示し、S6はその後の処理が適用された結果であって対数変換部への入力を示している。(b)において、S7は対数変換部の処理結果を示し、S8はゲイン/コントラスト調整部の処理結果を示している。(c)において、S9はガンマ補正を含む表示処理の処理結果を示している。
図5に示す比較例(従来例)では、各処理段階においてノイズレベルの管理が格別なされていないために、信号ダイナミックレンジ中において比較的ノイズが大きく現れており、特に対数変換前のノイズ値が比較的大きい。その結果、対数変換後において大きなノイズ値が現れている。結果として、表示信号中において、ノイズ輝度208が大きくなり、ノイズ輝度と最大輝度の差206が小さくなってしまう。一方、図6に示す実施形態の構成では、ゲイン調整可能な各段階においてノイズ値を目標値に合わせるゲイン調整が適用され、特に対数変換前においてノイズ値を十分に低減することが可能となった結果、超音波画像上におけるノイズ輝度212はかなり小さく、ノイズ輝度と最大輝度との差210が増大している。これにより実信号を表現する際においてダイナミックレンジ全体を活用できる。画像品質上、コントラスト分解能を改善できる。
図7には、非直線型の変換関数150が示されている。図4に示した状態において、推定ノイズ値124が上昇して、符号124Aに示すレベルとなった場合、上述した原則をそのまま適用すると、上限変換点128とノイズ変換点126Aとを通過する直線として変換関数を定めることになる。しかし、そような変換関数を採用すると場合によっては実信号輝度が不必要に低減されてしまう。そこで、固定点152を設定できるようにし、固定点152よりも下側においては、固定点152からノイズ変換点126Aを通過して下限変換点134に至る経路を変換関数として定めるのが望ましい。このように定められる変換関数150によれば、高域側における不必要な輝度低下を防止でき、その一方、推定ノイズ値を目標ノイズ値に合致させる条件も満たすことができる。図7には部分的に屈曲している変換関数が示されていたが、曲線形態を有する変換関数を採用することもできる。
10 受信部、12 アレイ振動子、24 整相加算部、48 制御部、50,52 メモリ、54 推定ノイズ値演算部、56 ノイズレベル調整部、60 信号処理モジュール、62,64,66 ノイズレベル調整部付き信号処理モジュール。

Claims (4)

  1. 超音波の送受波により得られた受信信号を段階的に処理する複数の処理モジュールを有する超音波診断装置において、
    前記複数の処理モジュールには、ノイズレベルを調整する調整部を備えた複数の調整部付き処理モジュールが含まれ、
    当該超音波診断装置は、
    前記調整部ごとに入力信号中の推定ノイズレベルを推定する推定手段と、
    前記調整部ごとに出力信号中の目標ノイズレベルを設定する設定手段と、
    前記調整部ごとに前記推定ノイズレベル及び前記目標ノイズレベルに基づいて前記入力信号を前記出力信号に調整する調整条件を設定するノイズレベル制御手段と、
    を含み、
    前記受信信号の段階的な処理の過程で複数の箇所で信号レンジに対してノイズレベルが調整される、ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記ノイズレベル制御手段は、前記推定ノイズレベルが前記目標ノイズレベルに一致するように前記調整条件を設定する、ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項1又は2記載の装置において、
    前記推定手段は、前記調整部ごとに、初段で発生するランダムノイズレベル及び前記段階的な処理における当該調整部よりも前の複数の処理における処理条件に基づいて、前記推定ノイズレベルを推定する、ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置において、
    前記複数の調整部付き処理モジュールの少なくとも1つが対数変換モジュールよりも前に設けられた、ことを特徴とする超音波診断装置。
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