JP2013109937A - X-ray tube and manufacturing method of the same - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、医療機器分野における診断応用や産業機器分野における非破壊X線撮影等に適用されるX線管及びその製造方法に関する。 The present invention relates to an X-ray tube applied to diagnostic applications in the field of medical equipment and non-destructive X-ray imaging in the field of industrial equipment, and a method for manufacturing the same.
一般にX線管は、フィラメント等のカソードから放出させた電子を直接、又は制御電極によってその軌道を制御した後、カソードに対して高電位に印加されたアノード(陽極)に向かって加速させる。加速させた電子はアノードに設置されたターゲットに衝突させ、放射線の一つであるX線を発生させる。発生させたX線は窓を通って被照射体に照射され、撮影又は検査を行う。 In general, the X-ray tube accelerates electrons emitted from a cathode such as a filament directly or after controlling the trajectory by a control electrode toward an anode (anode) applied to the cathode at a high potential. The accelerated electrons collide with a target installed on the anode, and X-rays that are one type of radiation are generated. The generated X-rays are irradiated to the irradiated object through the window and imaged or inspected.
上記X線管は、電子が飛行できる減圧空間を保つため外囲器を有している。また、発生したX線を外部に放出する窓は、外囲器の一部を成し、周囲の外囲器と真空気密接合されている。真空気密接合としては、ロウ付けが有力な手段であり、その方法が特許文献1に開示されている。特許文献1では、透過型X線管において、X線を透過する窓(出射窓)として厚さ0.2mmのアモルファスカーボンが用いられ、窓の真空側内面にはW、Ti等のターゲット金属が蒸着され、その周辺部でロウ材(Agを主成分)によってロウ付けされている。 The X-ray tube has an envelope in order to maintain a decompression space where electrons can fly. Further, the window for emitting the generated X-rays to the outside forms a part of the envelope and is vacuum-tightly joined to the surrounding envelope. As vacuum-tight joining, brazing is an effective means, and the method is disclosed in Patent Document 1. In Patent Document 1, in a transmission X-ray tube, amorphous carbon having a thickness of 0.2 mm is used as a window (outgoing window) that transmits X-rays, and a target metal such as W or Ti is formed on the vacuum side inner surface of the window. It is vapor-deposited and brazed with a brazing material (Ag is the main component) at its periphery.
しかしながら、真空中でロウ材を780℃〜900℃まで加熱すると、ロウ材は溶融し、ターゲット表面に流れ込む。特にターゲットとしてW、Tiを蒸着した金属表面は、ロウ材の流動性が高く、ターゲット表面のかなりの部分を覆う。このような状態で作製されたX線管のターゲットに電子が衝突すると、ターゲットを覆っているロウ材の金属、例えばAg、Cuの特性X線等の不要なX線が放射され、本来必要とするX線のスペクトルが得られない。 However, when the brazing material is heated to 780 ° C. to 900 ° C. in a vacuum, the brazing material melts and flows into the target surface. In particular, the metal surface on which W and Ti are vapor-deposited as the target has high fluidity of the brazing material, and covers a considerable portion of the target surface. When electrons collide with the target of the X-ray tube manufactured in such a state, unnecessary X-rays such as characteristic X-rays of brazing metal covering the target, such as Ag and Cu, are radiated. X-ray spectrum cannot be obtained.
そこで、本発明は、ロウ材に起因するX線の放射を抑制し、所望のX線のみを放射させることができるX線管及びその製造方法の提供を目的とする。 Therefore, an object of the present invention is to provide an X-ray tube capable of suppressing X-ray emission caused by the brazing material and emitting only desired X-rays, and a manufacturing method thereof.
上記課題を解決するために、本発明は、基板と、該基板の片面に設けられたターゲットと、該基板の側面にロウ材により接合されたアノードと、該ターゲットに対向配置され、電子を放出し、該電子を該ターゲットに照射するカソードと、
を有するX線管であって、
前記基板の前記片面の周縁領域の少なくとも一部が、流れ出た前記ロウ材を堰き止める段差になっていることを特徴とするX線管を提供するものである。
In order to solve the above problems, the present invention provides a substrate, a target provided on one side of the substrate, an anode bonded to the side surface of the substrate with a brazing material, and opposed to the target, and emits electrons. A cathode that irradiates the target with the electrons;
An X-ray tube having
An X-ray tube is provided in which at least a part of a peripheral region of the one surface of the substrate is a step for blocking the brazing material that has flowed out.
本発明によれば、基板のターゲットが設けられた面の周縁領域の少なくとも一部が、流れ出たロウ材を堰き止める段差になっている。このため、ロウ材がターゲット表面の電子が照射される領域に流れ込まず、ターゲットに衝突した電子からは、ターゲットの材料に起因した所望のX線のみを放射させることができる。 According to the present invention, at least a part of the peripheral region of the surface on which the target of the substrate is provided is a step that dams out the flowing brazing material. For this reason, the brazing material does not flow into the region of the target surface where electrons are irradiated, and only the desired X-rays originating from the target material can be emitted from the electrons that collide with the target.
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、下記実施形態に記載されている部材、形状、相対位置等を含むこれらの構成によって本発明はなんら制限を受けない。また、以下に参照する図面において同じ符号は同様の構成要素を示す。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In addition, this invention does not receive a restriction | limiting at all by these structures including the member, shape, relative position, etc. which are described in the following embodiment. Moreover, the same code | symbol shows the same component in drawing referred below.
まず、図1及び図2を参照して本発明のX線管の好適な実施形態について説明する。 First, a preferred embodiment of the X-ray tube of the present invention will be described with reference to FIGS. 1 and 2.
図1は、本実施形態のX線管に用いるターゲット構造体とアノードの断面図である。図1において、ターゲット構造体101は、ターゲット102、ターゲット102を支持する基板103、メタライズ層104、及び障壁107を備えている。電子ビーム109がターゲット102に照射されることで、ターゲット102からX線が発生する。
FIG. 1 is a cross-sectional view of a target structure and an anode used in the X-ray tube of this embodiment. In FIG. 1, the
ターゲット102は、スパッタ法、蒸着法等によって基板103の片面に形成されている。ターゲット102の材料としては、W、Cu、Ta、Pt、Mo、Te等、又はこれらの合金等が好適に用いられる。電子ビーム109がターゲット102に衝突すると、電子ビーム109が持つエネルギーは殆ど熱エネルギーに変わるため、ターゲット102及び基板103は高温になる。従って、基板103の材料としては、耐熱性が要求され、セラミックス、ダイヤモンド、又はその他絶縁性を有する無機材料等が好適に用いられる。基板103を透過してX線を外部に放射する場合には、更にX線の透過性も必要であり、この場合、セラミックス、ガラス、ダイヤモンド、ベリリュウム、アルミ、グラファイト等が好適に用いられる。
The
基板103はアノード108とロウ付けにより真空気密接合される。基板103の材料として、ガラス、グラファイト、セラミックス等を用いる場合には、より強固に高気密なロウ付けが行えるように、基板103の側面にメタライズ処理を行い、金属と中間層を持つメタライズ層104を形成するのが好ましい。メタライズ層104を構成する材料としては、Tiを含む金属やMo−Mn等が好適に用いられる。尚、メタライズ層104は本発明のX線管を構成する部材として必須のものではない。基板103とアノード108とのロウ付けは、ロウ付け部105にロウ材を充填することにより行い、基板103の側面にアノード108がロウ材により接合される。基板103の側面にメタライズ層104を形成する場合には、メタライズ層104を介して基板103の側面にアノード108がロウ材により接合される。ロウ材はターゲット102、基板103、及びアノード108の各々の耐熱性を考慮して決め、そのロウ材に適した温度でロウ付けを行う。ロウ材BAg−8(JIS規格)を用いる場合には、780℃〜900℃でロウ付けが可能であり、部材の酸化を防ぐために真空中、不活性ガス又は還元ガス雰囲気中でロウ付けを行うのが好ましい。
The
良好な真空気密性を確保するためには、狭い空間までロウ材を浸透させる必要がある。このため、ロウ材としては、流動性が高いもの、特に金属表面で流動性が高いものを用いる。そこで、本実施形態では、ターゲット102表面の電子ビーム109が照射される領域にロウ材が流れ込まないように、基板103上(正確にはターゲット102上)に障壁107を形成する。具体的には基板103のターゲット102が設けられた面の周縁領域に障壁107を形成し、この障壁107が流れ出たロウ材を堰き止める段差になる。障壁107は基板103のターゲット102が設けられた面の周縁領域の少なくとも一部に設けられていれば良いが、基板103のターゲット102が設けられた面の周縁領域に、電子ビーム109が照射される領域を囲むように環状に設けられるのがより好ましい。
In order to ensure good vacuum tightness, it is necessary to penetrate the brazing material into a narrow space. For this reason, as the brazing material, one having high fluidity, particularly one having high fluidity on the metal surface is used. Therefore, in this embodiment, the
障壁107の材料としては、ロウ材に対して非親和性を有する物質が好適に用いられる。例えば、アロンセラミックス(登録商標)等のセラミックス系接着材、その他セラミックスを主成分とする無機材料、導電性を有する無機材料等が使用可能である。障壁107の高さはロウ付け部105の厚さの1〜10倍程度が良い。この高さの条件を満たす障壁107を形成すると、ロウ付け時に流れ出たロウ材106は障壁107で内側への侵入が阻止され、電子ビーム109が照射される領域にはロウ材が流れ込まない。従って、電子ビーム109は流れ出たロウ材106に衝突することがないため、ロウ材に起因する特性X線は発生しない。尚、障壁107は本発明のX線管を構成する部材として必須のものではない。障壁107の有無に関わらず、基板103のターゲット102が設けられた周縁領域の少なくとも一部が、流れ出たロウ材106を堰き止める段差になっていれば本発明の効果が得られる。
As the material of the
また、X線管の製造時に、基板103のターゲット102及び障壁107が形成された面を上向きにして(反鉛直方向に向けて)基板103とアノード108をロウ付けにより接合することで、重力により障壁107のロウ材の堰き止め効果(阻止効果)が増す。
In addition, when the X-ray tube is manufactured, the surface of the
図2(a)は、図1のターゲット構造体101及びアノード108を備えるX線管の構成の一例を示す断面図である。図2(a)において、X線管200は透過型X線管である。金属製の電子銃フランジ204、円筒形の絶縁体205、及びアノード108は各々の接合面で真空気密接合され、減圧可能な外囲器を208形成している。真空気密接合法としてはロウ付けが好適である。
FIG. 2A is a cross-sectional view showing an example of the configuration of an X-ray tube including the
絶縁体205の材料としては、ガラス又はセラミックス等が好適に用いられ、絶縁性、真空気密性、熱伝導性、金属との濡れ性の面でアルミナは有力な候補である。電子銃フランジ204の材料は、絶縁体205の材料を考慮して決める。絶縁体205がアルミナの場合には、電子銃フランジ204はコバールが最適である。アノード108の材料としては、金属等が好適に用いられるが、アノード108を一種類の金属で構成する必要はない。例えば、絶縁体205と基板103の熱膨張率が大きく異なる場合には、アノード108として夫々に熱膨張率が近い金属を用いても良い。この場合、夫々に熱膨張率が近い金属同士を真空気密接合後、接合後の金属を絶縁体205、基板103と真空気密接合することができる。金属同士の真空気密接合法としてはロウ付け、溶接等が好適である。
As a material of the
電子銃フランジ204には電子銃ユニット201が設置されている。電子銃ユニット201において、カソード202で電子を放出させ、制御電極203でカソード202から放出させた電子を所望の軌道やサイズを持つ電子ビーム109に形成し、ターゲット102に向けて出射する。カソード202及び制御電極203はターゲット102に対向配置されている。カソード202としては、タングステン、レニウム等の高融点金属、又はこれらの表面にイットリア等を塗布したフィラメント型カソード、熱電界放出型カソード、多孔質タングステンにBaOを主成分とし含浸させた含浸型カソード等が適用可能である。その他スピント型、カーボンナノチューブ、表面伝導型で代表されるコールドカソード等も適用可能である。電子銃ユニット201を駆動するために必要な電力及び電気信号は、駆動電源211(図2(b)参照)によって発生させ、電子銃フランジ204に取り付けられた真空気密な電圧/電流導入部210を介して外部より供給される。
An
アノード108には電子ビーム109を加速するため、駆動電源211で発生させた加速用電圧を印加する。このため、駆動電源211とアノード108を電気的に接続し、更にアノード108とターゲット102を電気的に接続するのが好ましい。ターゲット102とアノード108を電気的に接続する方法としては、例えば次の方法がある。基板103の片面全面にターゲット102を形成した場合には、ターゲット102の周辺部でロウ材を介してターゲット102とアノード108を電気的に接続する方法がある。基板103の片面の周縁領域を除く領域にターゲット102を形成した場合には、基板103の前記片面の周縁領域に導電性部材を形成し、この導電性部材を介してターゲット102とアノード108を電気的に接続する方法がある。基板103の片面の周縁領域を除く領域にターゲット102を形成した場合には、基板103の前記片面の周縁領域に導電性を有する障壁を形成し、この導電性を有する障壁を介してターゲット102とアノード108を電気的に接続する方法もある。
An acceleration voltage generated by the
外囲器208の内部には、図2(a)のように真空維持のためにゲッター209を設けても良い。ゲッター209としては、Baを用いた蒸着型ゲッター又はZr、Ti、V、Fe、Al等の金属で構成される合金からなる非蒸着型ゲッターが使用可能である。
A
図2(b)はX線管200を備えるX線発生装置の構成の一例を示す断面図である。図2(b)において、X線管200を、容器213内に設置し、その周囲にX線管200を駆動するための駆動電源211を設置している。容器213内は耐電圧を確保するため絶縁油214で満たされ、容器213の一部には、X線を外部に放射するためのX線外接窓212が取り付けられている。電子銃ユニット201を出た電子ビーム109は、アノード108に印加された電圧により更に加速され、ターゲット102に衝突する。電子ビーム109がターゲット102に衝突すると、電子ビーム109が持つエネルギーの一部はターゲット102からX線として放射され、このX線が基板103、絶縁油214、X線外接窓212を通って外部に放射され撮影又は検査を行う。
FIG. 2B is a cross-sectional view showing an example of the configuration of the X-ray generator provided with the
尚、図2では透過型X線管を示したが、本発明は反射型X線管にも適用可能である。 Although FIG. 2 shows a transmissive X-ray tube, the present invention can also be applied to a reflective X-ray tube.
[実施例1]
本実施例では、図1のターゲット構造体101及びアノード108を用いたX線管を作製し、更にこのX線管を備えるX線発生装置を作製した。
[Example 1]
In this example, an X-ray tube using the
まず、図1に示すターゲット構造体101を作製し、作製したターゲット構造体101とアノード108を図1のようにロウ付けした。具体的には次のとおりである。基板103として直径8mm、厚さ2mmの人工ダイヤモンドである住友電気工業株式会社製のスミクリスタルを用い、基板103の側面をTi含有ペーストでメタライズ処理しメタライズ層104を形成した。次に、基板103の片面全面にスパッタ法によりTiを下引き後、厚さ10μmのWを成膜しターゲット102とした。続いて、ターゲット102上の中心から半径2.5mmの位置に幅0.5mm、高さ0.5mmの東亜合成株式会社製のアロンセラミックスからなる障壁107を環状に形成し、ターゲット構造体101を完成させた。障壁107はターゲット上に設けられ、凸形状の障壁107により段差が形成された。その後、ターゲット構造体101をコバール製のアノード108の内側に入れ、東洋理研株式会社製のロウ材BA−108を用い真空雰囲気中で、障壁107が形成された面を上にして、850℃の高温ロウ付けを行い、ロウ付け部105を形成し真空気密封止した。流れ出たロウ材106は障壁107で堰き止められ、障壁107の内側には入っていなかった。また、流れ出たロウ材106によって、ターゲット102とアノード108は電気的に接続されていた。
First, the
次に、図2(a)に示す電子銃ユニット201を作製し、作製した電子銃ユニット201、電子銃フランジ204及び電圧/電流導入部210を図2(a)のように接続した。具体的には次のとおりである。カソード202としてBaOを主成分とする含浸型カソードを用い、制御電極203としてφ2mmの通過孔を持つ2個の電極で構成されるMo製の電極を用い、電子銃ユニット201を完成させた。その後、電子銃ユニット201を電子銃フランジ204に固定し、真空気密な電圧/電流導入部210と電子銃ユニット201の電極間を結線した。更に、ゲッター209として電子銃フランジ204に伊国SAES Getters S.p.A社製の非蒸着型ゲッターST172を設置し、ゲッター209に内蔵する加熱ヒーターと電圧/電流導入部210を結線した。
Next, the
続いて、図2(a)に示す絶縁体205を作製した。絶縁体205はφ50mm、厚さ4mmの円筒形で、材質はアルミナとし、絶縁体205の両端は金属ペーストを用いメタライズ処理を行った。
Subsequently, an
次に、図2(a)に示す外囲器208を作製した。具体的には次のとおりである。真空炉内に、電子銃ユニット201等が設置された電子銃フランジ204、ターゲット構造体101が設置されたアノード108、絶縁体205を入れた。そして、障壁107がカソード側に向かうように配置し、東洋理研株式会社製のロウ材BA−143を用い、真空雰囲気中700℃の低温ロウ付けを行い、外囲器208を完成させた。尚、この時同時に、ロウ材BA−143を用い、電子銃フランジ204にφ1/4インチの真空排気用の銅パイプ(不図示)をロウ付けした。
Next, the
続いて、銅パイプを真空排気系(不図示)に接続し、外囲器208の内部を真空排気しながら、外囲器208を400℃にベーキングし真空加熱脱ガス処理を行った。更に、電圧/電流導入部210に駆動電源(不図示)を接続し電子銃ユニット201のフィラメントを加熱し、カソード202を活性化した。次に、アノード108に電圧印加手段(不図示)を接続し、1kV印加し、電子銃ユニット201より10mAの電子ビーム109をターゲット102に衝突させ48時間エージングを行った。その後、ゲッター209に通電し600℃で活性化を行い、銅パイプをチップオフし、図2(a)に示すX線管200を完成させた。
Subsequently, the copper pipe was connected to an evacuation system (not shown), and the
次に、作製したX線管200を、X線を取り出すためのX線外接窓212を備え、絶縁油214で内部が満たされた容器213に設置し、電圧/電流導入部210と駆動電源211を接続し、アノード108と駆動電源211を接続した。その後、容器213を密閉し、図2(b)に示すX線発生装置を完成させた。
Next, the produced
作製したX線発生装置について、アノード108に100kVの電圧を印加し、アノード108に10mAの電流を流し、そのスペクトルを米国AMPTEK社製の半導体検出器で測定した。流れ出たロウ材106の成分であるAgとCuからの特性X線(Ag:22.2keV、24.9keV、Cu:8.0keV、8.9keV)の量は0.1%以下であり、問題とならなかった。
With respect to the produced X-ray generator, a voltage of 100 kV was applied to the
[実施例2]
本実施例では、図3のターゲット構造体101及びアノード108を用いたX線管を作製し、更にこのX線管を備えるX線発生装置を作製した。
[Example 2]
In this example, an X-ray tube using the
まず、図3に示すターゲット構造体101を作製し、作製したターゲット構造体101とアノード108を図3のようにロウ付けした。具体的には次のとおりである。基板103として直径8mm、厚さ2mmの人工ダイヤモンドである住友電気工業株式会社製のスミクリスタルを用い、レーザーにより、基板103の中心から半径2.5mmの位置に幅1mm、深さ0.6mmの溝307を環状に形成した。更に、基板103の側面をTi含有ペーストでメタライズ処理しメタライズ層104を形成した。次に、幅3mmのパイロダクト597C(アレムコ社製)導電ペーストを、溝307を横切り、その一部がターゲット102、メタライズ層104と接するように塗布し、導電性部材310を形成した。続いて、基板103上の溝307よりも内側にスパッタ法によりTiを下引き後、厚さ10μmのWを成膜しターゲット102とし、ターゲット構造体101を完成させた。基板103上に設けられた溝307により段差が形成された。その後、ターゲット構造体101をコバール製のアノード108の内側に入れ、東洋理研株式会社製のロウ材BA−108を用い真空雰囲気中で、溝307が形成された面を上にして、850℃の高温ロウ付けを行い、ロウ付け部105を形成し真空気密封止した。このロウ付けは実施例1と同様の方法で行った。流れ出たロウ材106は溝307で堰き止められ、溝307よりも内側には入っていなかった。また、ターゲット102とアノード108は導電性部材310を介して電気的に接続されていた。
First, the
次に、実施例1と同様に、電子銃ユニット201等が設置された電子銃フランジ204、絶縁体205を作製した。作製した電子銃フランジ204及び絶縁体205と、上述の方法で作製したターゲット構造体101が設置されたアノード108を用い、溝307がカソード側に向かうように配置し、実施例1と同様に、ロウ付けを行い、図2(a)に示す外囲器208を完成させた。続いて、実施例1と同様に、真空ベーキング、エージング、チップオフ等を行い、図2(a)に示すX線管200を完成させた。その後、実施例1と同様に、このX線管を備えるX線発生装置を作製した。
Next, as in Example 1, the
作製したX線発生装置について、実施例1と同じ方法で評価を行ったところ、流れ出たロウ材106の成分であるAgとCuからの特性X線の量は0.1%以下であり、問題とならなかった。
When the produced X-ray generator was evaluated by the same method as in Example 1, the amount of characteristic X-rays from Ag and Cu, which are the components of the
[実施例3]
本実施例では、図4のターゲット構造体101及びアノード108を用いたX線管を作製し、更にこのX線管を備えるX線発生装置を作製した。
[Example 3]
In this example, an X-ray tube using the
まず、図4に示すターゲット構造体101を作製し、作製したターゲット構造体101とアノード108を図4のようにロウ付けした。具体的には次のとおりである。基板103として直径8mm、厚さ2mmの人工ダイヤモンドである住友電気工業株式会社製のスミクリスタルを用い、基板103の側面をTi含有ペーストでメタライズ処理しメタライズ層104を形成した。次に、基板103の片面全面にスパッタ法とマスクを使い、基板103上の中心にφ3mmの非成膜領域を作り、Tiを下引き後0.2μmのMoを成膜し、導電性部材410を形成した。その上にマスクを使いφ4mmのWを厚さ10μm成膜しターゲット102とした。続いて、基板103上の中心から半径3mmの位置に幅0.5mm、高さ0.5mmの東亜合成株式会社製のアロンセラミックスからなる障壁107を環状に形成し、ターゲット構造体101を完成させた。障壁107は導電性部材上に設けられ、凸形状の障壁107により段差が形成された。その後ターゲット構造体101をコバール製のアノード108の内側に入れ、東洋理研株式会社製のロウ材BA−108を用い真空雰囲気中で、ターゲット102が形成された面を上にし、850℃の高温ロウ付けを行い、ロウ付け部105を形成し真空気密封止した。このロウ付けは実施例1と同様の方法で行った。流れ出たロウ材106は障壁107で堰き止められ、障壁107の内側は入っていなかった。また、流れ出たロウ材106によって、導電性部材410とアノード108は電気的に接続され、ターゲット102と導電性部材410は重なり部分を通じて電気的に接続されていた。
First, the
次に、実施例1と同様に、電子銃ユニット201等が設置された電子銃フランジ204、絶縁体205を作製した。作製した電子銃フランジ204及び絶縁体205と、上述の方法で作製したターゲット構造体101が設置されたアノード108を用い、実施例1と同様に、ロウ付けを行い、図2(a)に示す外囲器208を完成させた。続いて、実施例1と同様に、真空ベーキング、エージング、チップオフ等を行い、図2(a)に示すX線管200を完成させた。その後、実施例1と同様に、このX線管を備えるX線発生装置を作製した。
Next, as in Example 1, the
作製したX線発生装置について、実施例1と同じ方法で評価を行ったところ、流れ出たロウ材106の成分であるAgとCuからの特性X線の量は0.1%以下であり、問題とならなかった。
When the produced X-ray generator was evaluated by the same method as in Example 1, the amount of characteristic X-rays from Ag and Cu, which are the components of the
[実施例4]
本実施例では、図5のターゲット構造体101及びアノード108を用いたX線管を作製し、更にこのX線管を備えるX線発生装置を作製した。
[Example 4]
In this example, an X-ray tube using the
まず、図5に示すターゲット構造体101を作製し、作製したターゲット構造体101とアノード108を図5のようにロウ付けした。具体的には次のとおりである。基板103として直径8mm、厚さ2mmの人工ダイヤモンドである住友電気工業株式会社製のスミクリスタルを用い、基板103の側面をTi含有ペーストでメタライズ処理しメタライズ層104を形成した。次に、基板103の片面にマスクを使い、スパッタ法によりTiを下引き後、φ6mm、厚さ10μmのWを成膜しターゲット102とした。続いて、アレムコ社製の無機導電性接着剤597Aを用い、メタライズ層104とターゲット102に接するように高さ0.5mmの導電性障壁507を環状に形成し、ターゲット構造体101を完成させた。凸形状の導電性障壁507により段差が形成された。その後ターゲット構造体101をコバール製のアノード108の内側に入れ、東洋理研株式会社製のロウ材BA−108を用い真空雰囲気中で、ターゲット102が形成された面を上にし、850℃の高温ロウ付けを行い、ロウ付け部105を形成し真空気密封止した。このロウ付けは実施例1と同様の方法で行った。流れ出たロウ材106は導電性障壁507で堰き止められ、導電性障壁507の内側は入っていなかった。また、導電性障壁507によってターゲット102とアノード108は電気的に接続されていた。
First, the
次に、実施例1と同様に、電子銃ユニット201等が設置された電子銃フランジ204、絶縁体205を作製した。作製した電子銃フランジ204及び絶縁体205と、上述の方法で作製したターゲット構造体101が設置されたアノード108を用い、実施例1と同様に、ロウ付けを行い、図2(a)に示す外囲器208を完成させた。続いて、実施例1と同様に、真空ベーキング、エージング、チップオフ等を行い、図2(a)に示すX線管200を完成させた。その後、実施例1と同様に、このX線管を備えるX線発生装置を作製した。
Next, as in Example 1, the
作製したX線発生装置について、実施例1と同じ方法で評価を行ったところ、流れ出たロウ材106の成分であるAgとCuからの特性X線の量は0.1%以下であり、問題とならなかった。
When the produced X-ray generator was evaluated by the same method as in Example 1, the amount of characteristic X-rays from Ag and Cu, which are the components of the
[実施例5]
本実施例では、図6のターゲット構造体101及びアノード108を用いたX線管を作製し、更にこのX線管を備えるX線発生装置を作製した。
[Example 5]
In this example, an X-ray tube using the
まず、図6に示すターゲット構造体101を作製し、作製したターゲット構造体101とアノード108を図6のようにロウ付けした。具体的には次のとおりである。基板103として直径8mm、厚さ2mmの人工ダイヤモンドである住友電気工業株式会社製のスミクリスタルを用い、基板103の側面をTi含有ペーストでメタライズ処理しメタライズ層104を形成した。次に、基板103の片面全面にスパッタ法によりTiを下引き後、厚さ10μmのWを成膜しターゲット102とした。続いて、基板103の周辺部でアレムコ社製の無機導電性接着剤597Aを使い、ターゲット102とメタライズ層104の間に塗布し電気的導通を取り、ターゲット構造体101を完成させた。その後、ターゲット構造体101をコバール製のアノード108の内側に入れ、ターゲット102が形成された面を上にし、東洋理研株式会社製のロウ材BA−108を用い真空雰囲気中で850℃の高温ロウ付けを行い、ロウ付け部105を形成し真空気密封止した。このとき、ターゲット構造体101を周囲より突出させ、アノード108に比べ1mm高く設置した。このロウ付けは実施例1と同様の方法で行った。流れ出たロウ材106は、ターゲット構造体101を周囲より突出させたことで形成された段差607で堰き止められ、ターゲット構造体101側への流動が阻止された。
First, the
次に、実施例1と同様に、電子銃ユニット201等が設置された電子銃フランジ204、絶縁体205を作製した。作製した電子銃フランジ204及び絶縁体205と、上述の方法で作製したターゲット構造体101が設置されたアノード108を用い、実施例1と同様に、ロウ付けを行い、図2(a)に示す外囲器208を完成させた。続いて、実施例1と同様に、真空ベーキング、エージング、チップオフ等を行い、図2(a)に示すX線管200を完成させた。その後、実施例1と同様に、このX線管を備えるX線発生装置を作製した。
Next, as in Example 1, the
作製したX線発生装置について、実施例1と同じ方法で評価を行ったところ、流れ出たロウ材106の成分であるAgとCuからの特性X線の量は0.1%以下であり、問題とならなかった。
When the produced X-ray generator was evaluated by the same method as in Example 1, the amount of characteristic X-rays from Ag and Cu, which are the components of the
[比較例]
比較例として、実施例1において障壁107を設けずにそれ以外は全く同じ構成のX線管を作製し、更にこのX線管を備えるX線発生装置を作製した。
[Comparative example]
As a comparative example, an X-ray tube having the same configuration as that of Example 1 except that the
作製したX線発生装置について、実施例1と同じ方法で評価を行った。流れ出たロウ材106の成分であるAgとCuからの特性X線(Ag:22.2keV、24.9keV、Cu:8.0keV、8.9keV)に関し、夫々、実施例1乃至5と比べて50〜300倍多く放射され、本発明の効果が確認された。
About the produced X-ray generator, it evaluated by the same method as Example 1. FIG. Regarding characteristic X-rays (Ag: 22.2 keV, 24.9 keV, Cu: 8.0 keV, 8.9 keV) from Ag and Cu, which are components of the
101:ターゲット構造体、102:ターゲット、103:基板、104:メタライズ層、105:ロウ付け部、106:流れ出たロウ材、107:障壁、108:アノード、109:電子ビーム、200:X線管、201:電子銃ユニット、202:カソード、203:制御電極、204:電子銃フランジ、205:絶縁体、208:外囲器、209:ゲッター、210:電圧/電流導入部、211:駆動電源、212:X線外接窓、213:容器、214:絶縁油、307:溝、310、410:導電性部材、507:導電性障壁、607:段差 101: target structure, 102: target, 103: substrate, 104: metallized layer, 105: brazing portion, 106: flowing brazing material, 107: barrier, 108: anode, 109: electron beam, 200: X-ray tube , 201: electron gun unit, 202: cathode, 203: control electrode, 204: electron gun flange, 205: insulator, 208: envelope, 209: getter, 210: voltage / current introduction unit, 211: drive power supply, 212: X-ray circumscribed window, 213: container, 214: insulating oil, 307: groove, 310, 410: conductive member, 507: conductive barrier, 607: step
Claims (13)
を有するX線管であって、
前記基板の前記片面の周縁領域の少なくとも一部が、流れ出た前記ロウ材を堰き止める段差になっていることを特徴とするX線管。 A substrate, a target provided on one side of the substrate, an anode bonded to a side surface of the substrate by a brazing material, a cathode disposed opposite to the target, emitting electrons and irradiating the targets with the electrons; ,
An X-ray tube having
An X-ray tube characterized in that at least a part of the peripheral area of the one surface of the substrate is a step for blocking the brazing material that has flowed out.
前記基板の前記側面と前記アノードをロウ材で接合するときに、前記基板の前記片面を上向きにして接合することを特徴とするX線管の製造方法。 It is a manufacturing method of the X-ray tube according to any one of claims 1 to 12,
A method for manufacturing an X-ray tube, characterized in that, when the side surface of the substrate and the anode are bonded with a brazing material, the one surface of the substrate is bonded upward.
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---|---|---|---|
JP2011253443A JP2013109937A (en) | 2011-11-21 | 2011-11-21 | X-ray tube and manufacturing method of the same |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016143602A (en) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | キヤノン株式会社 | Anode, x-ray generation tube using the same, x-ray generator and x-ray image-capturing system |
US10242837B2 (en) | 2014-11-12 | 2019-03-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Anode and X-ray generating tube, X-ray generating apparatus, and radiography system that use the anode |
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2011
- 2011-11-21 JP JP2011253443A patent/JP2013109937A/en active Pending
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US10242837B2 (en) | 2014-11-12 | 2019-03-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Anode and X-ray generating tube, X-ray generating apparatus, and radiography system that use the anode |
JP2016143602A (en) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | キヤノン株式会社 | Anode, x-ray generation tube using the same, x-ray generator and x-ray image-capturing system |
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