JP2013101296A - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】感度、解像度及び密着性に優れる感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、(A)バインダポリマーと、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物であって、(C)光重合開始剤が、特定の式(1)で表される化合物を含む感光性樹脂組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板の製造分野においては、エッチングやめっきに用いられるレジスト材料として、感光性樹脂組成物が広く用いられている。感光性樹脂組成物は、支持フィルムと、該支持フィルム上に感光性樹脂組成物を用いて形成された層(以下、「感光性樹脂組成物層」という。)と、を備える感光性エレメント(積層体)として用いられることが多い。
プリント配線板は、例えば以下のようにして製造される。まず、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を回路形成用基板上に積層(ラミネート)する(積層工程)。次に、支持フィルムを剥離除去した後、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を硬化させる(露光工程)。その後、未露光部を基板上から除去(現像)することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンが形成される(現像工程)。得られたレジストパターンに対しエッチング処理又はめっき処理を施して基板上に回路を形成した後(回路形成工程)、最終的にレジストを剥離除去してプリント配線板が製造される(剥離工程)。
露光の方法としては、従来、水銀灯を光源としてフォトマスクを介して露光する方法が用いられてきたが、近年、DLP(Digital Light Processing)やLDI(Laser Direct Imaging)と呼ばれる、パターンのデジタルデータを直接感光性樹脂組成物層に描画する直接描画露光法が用いられ始めている。この直接描画露光法は、フォトマスクを介した露光法よりも位置合わせ精度が良好であり、且つ高精細なパターンが得られることから、特に高密度パッケージ基板作製に導入されている。
ところで、感光性樹脂組成物には、様々な特性が要求される。例えば、露光工程では、生産効率の向上のために露光時間を短縮する必要があるが、上述の直接描画露光法では、光源にレーザ等の単色光を用いるほか、基板を走査しながら光線を照射するため、従来のフォトマスクを介した露光方法と比べて多くの露光時間を要する傾向がある。そのため、露光時間を短縮して生産効率を高めるために、従来よりも感光性樹脂組成物の感度を向上させる必要がある。
これらの要求に対して、従来、種々の感光性樹脂組成物が検討されている。例えば、特許文献1〜6には、特定の光重合開始剤又は増感色素を用いることで感度等を向上させた感光性樹脂組成物が開示されている。
特開2007−279381号公報 国際公開第07/004619号パンフレット 国際公開第10/126006号パンフレット 国際公開第09/147031号パンフレット 特表2010−526846号公報 特表2010−527338号公報
近年のプリント配線板の高密度化に伴い、解像度(解像性)及び密着性に優れた感光性樹脂組成物に対する要求が高まっている。特に、パッケージ基板の作製において、L/S(ライン幅/スペース幅)が10/10(単位:μm)程度のレジストパターンを形成することが可能な感光性樹脂組成物が求められている。
しかしながら、従来の感光性エレメントは、高い感度を達成しつつ、解像度及び密着性に優れるレジストパターンを形成する上では改善の余地がある。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、感度、解像度及び密着性に優れる感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供する。
本発明は、(A)バインダポリマーと、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有し、(C)光重合開始剤が下記式(1)で表される化合物を含む感光性樹脂組成物を提供する。
Figure 2013101296

[式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に下記式(1a)又は(1b)で表される基を示す。]
Figure 2013101296

[式(1a)及び(1b)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はフェニル基を示し、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
上記式(1)で表される化合物は、波長350〜365nmの光だけでなく、波長390〜410nmの光に対しても比較的大きな吸収を有するため、本発明の感光性樹脂組成物は波長350〜410nmの光に対して良好な感度を得ることができる。また、上記式(1)で表される化合物を含むことにより、本発明の感光性樹脂組成物は、感度、解像度及び密着性に優れるのみならず、剥離特性、めっき形成性及びめっき汚染性を向上することができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物において、上記式(1)で表される化合物の最大吸収波長は350〜410nmであることが好ましい。これにより、波長350〜410nmの光に対して良好な感度を得ることができると同時に、波長500nm以上の長波長側での吸収が少なくなり、イエロー光下での安定性が良好となる。
また、本発明の感光性樹脂組成物において、上記(A)バインダポリマーが、(メタ)アクリル酸と、スチレン又はスチレン誘導体とを共重合成分として含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物のアルカリ現像性、解像度及び密着性がさらに向上する。
また、本発明は、支持フィルムと、該支持フィルム上に形成された上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントを提供する。このような感光性エレメントを用いることにより、感度、解像度、密着性、剥離特性、めっき形成性及びめっき汚染性がいずれも良好なレジストパターンを効率よく形成することができる。
また、本発明は、上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を含むレジストパターンの形成方法を提供する。上記方法によれば、感度、解像度、密着性、剥離特性、めっき形成性及びめっき汚染性がいずれも良好なレジストパターンを、効率よく形成することができる。
また、本発明は、上記方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法を提供する。この製造方法によれば、高密度パッケージ基板のような高密度化した配線を有するプリント配線板を効率よく製造することができる。
本発明によれば、感度、解像度及び密着性に優れる感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
感光性エレメントの一実施形態を示す模式断面図である。 本実施形態に係る生成物(C−1)のH−NMRスペクトルを示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。また、(ポリ)オキシエチレン鎖はオキシエチレン基又はポリオキシエチレン鎖を意味し、(ポリ)オキシプロピレン鎖はオキシプロピレン基又はポリオキシプロピレン鎖を意味する。さらに「EO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン鎖を有する化合物であることを意味し、「PO変性」とは、(ポリ)オキシプロピレン鎖を有する化合物であることを意味し、「EO・PO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の双方を有する化合物であることを意味する。
(感光性樹脂組成物)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)バインダポリマー、(B)光重合性化合物及び(C)光重合性化合物を含有し、(C)光重合性化合物が上記式(1)で表される化合物を含む。
まず、(A)成分であるバインダポリマーについて説明する。(A)バインダポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)バインダポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フルフリルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸系単量体;ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類;マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸系単量体;アクリルアミド、アクリロニトリル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル及びこれらの構造異性体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)バインダポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸が好ましい。
(A)バインダポリマーは、密着性向上の観点から、スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として含有させることが好ましい。上記スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として含む場合、その含有量は、密着性及び剥離特性をバランスよく向上する観点から、(A)成分の不揮発分全体に対して5〜70質量%含むことが好ましく、10〜65質量%含むことがより好ましく、15〜60質量%含むことが更に好ましい。密着性に優れる点では5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。剥離特性に優れる点では、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。
また、(A)バインダポリマーは、(メタ)アクリル酸ベンジルエステルを共重合成分として含有させることが好ましい。(メタ)アクリル酸ベンジルエステルを共重合成分として含む場合、その含有量は、解像度及び剥離特性をバランスよく向上する観点から、(A)成分の不揮発分全体に対して5〜70質量%含むことが好ましく、10〜65質量%含むことがより好ましく、15〜60質量%含むことが更に好ましい。解像性に優れる点では、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。剥離特性に優れる点では、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。
上記(A)バインダポリマーの重量平均分子量は、5000〜300000であることが好ましく、10000〜150000であることがより好ましく、20000〜80000であることが更に好ましく、30000〜70000であることが特に好ましい。耐現像液性に優れる点では、5000以上が好ましく、10000以上がより好ましく、20000以上が更に好ましく、30000以上が特に好ましい。また、解像性及び剥離特性に優れる点では、300000以下が好ましく、150000以下がより好ましく、80000以下が更に好ましく、70000以下が特に好ましい。なお、本実施形態における重量平均分子量及び数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用したものである。
上記(A)成分の酸価は50〜250mgKOH/gであることが好ましく、100〜230mgKOH/gであることがより好ましく、130〜200mgKOH/gであることが更に好ましい。現像性に優れる点では、50mgKOH/g以上が好ましく、100mgKOH/g以上がより好ましく、130mgKOH/g以上が更に好ましい。また、光硬化後のレジストの耐現像液性(密着性)に優れる点では、250mgKOH/g以下が好ましく、230mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下が更に好ましい。
上記(A)バインダポリマーは、接着性及び解像度に優れる点では、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがより好ましい。
(A)バインダポリマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。2種以上を組み合わせて使用する場合のバインダポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種以上のバインダポリマー、異なる重量平均分子量の2種以上のバインダポリマー、異なる分散度の2種以上のバインダポリマーなどが挙げられる。また、特開平11−327137号公報記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。
なお、(A)バインダポリマーは必要に応じて感光性基を有していてもよい。
(A)成分の含有量は、フィルム形成性、感度及び解像度に優れる点では、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して30〜70質量部とすることが好ましく、35〜65質量部とすることがより好ましく、40〜60質量部とすることが更に好ましい。
次に、(B)成分である光重合性化合物について説明する。(B)成分としては、光架橋が可能なものであれば特に制限はないが、エチレン性不飽和結合を有する化合物を用いることが好ましい。エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する化合物、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物、分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上有する化合物等が挙げられる。
(B)成分は、分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物を、(B)成分全体の質量に対して40質量%以上含むことが好ましく、60質量%以上含むことがより好ましい。
分子内にエチレン性不飽和結合を2つ有する化合物としては、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物、水添ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物、分子内にウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート化合物、分子内に(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記の中でも、(B)成分は、解像度及び剥離特性を向上させる観点から、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013101296
式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。XO及びYOはそれぞれ独立に、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基を示す。(XO)m、(XO)m、(YO)n及び(YO)nは、それぞれ独立に、(ポリ)オキシエチレン鎖又は(ポリ)オキシプロピレン鎖を示す。m、m、n、nはそれぞれ独立に、0〜40の整数を示す。XOがオキシエチレン基、YOがオキシプロピレン基である場合、m+mは1〜40、n+nは0〜20であり、XOがオキシプロピレン基、YOがオキシエチレン基の場合、m+mは0〜20、n+nは1〜40である。なお、(ポリ)オキシエチレン鎖又は(ポリ)オキシプロピレン鎖の重合様式はランダムであってもブロックであってもよい。解像性及び密着性をより向上させる点では、式(2)で表される化合物のうち、m+mが1〜6でり、n+nが0である化合物と、m+mが8〜40であり、n+nが0〜20である化合物とを併用して用いることが好ましい。
式(2)で表される化合物のうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、商品名)又はFA−321M(日立化成工業(株)製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種以上を任意に組み合わせて使用される。
また、(B)成分は、感光性樹脂組成物の硬化物(硬化膜)の可とう性を向上させる観点から、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの含有量としては、(B)成分全体の質量に対して3〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、分子内に(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの分子内において、(ポリ)オキシエチレン鎖及び(ポリ)オキシプロピレン鎖は、それぞれ連続してブロック的に存在しても、ランダムに存在してもよい。なお、(ポリ)オキシプロピレン鎖におけるオキシプロピレン基は、オキシ−n−プロピレン基又はオキシイソプロピレン基のいずれであってもよい。また、(ポリ)オキシイソプロピレン鎖において、プロピレン基の2級炭素が酸素原子に結合していてもよく、1級炭素が酸素原子に結合していてもよい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、さらに、(ポリ)オキシ−n−ブチレン鎖、(ポリ)オキシイソブチレン鎖、(ポリ)オキシ−n−ペンチレン鎖、(ポリ)オキシヘキシレン鎖や、これらの構造異性体等である炭素原子数4〜6程度の(ポリ)オキシアルキレン鎖を有していてもよい。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、特に下記式(3)、(4)又は(5)で表される化合物が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 2013101296
式(3)、(4)及び(5)中、R〜R10はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示す。r、r、r及びrはオキシエチレン基からなる構成単位の繰り返し数を示し、s、s、s及びsはオキシプロピレン基からなる構成単位の繰り返し数を示し、オキシエチレン基の繰り返し総数r+r、r及びr(平均値)はそれぞれ独立に1〜30の整数を示し、オキシプロピレン基の繰り返し総数s、s+s及びs(平均値)はそれぞれ独立に1〜30の整数を示す。
式(3)、(4)又は(5)で表される化合物において、オキシエチレン基の繰り返し総数r+r、r及びrは1〜30の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは4〜9の整数であり、更に好ましくは5〜8の整数である。この繰り返し数の総数が30を超えると、充分な解像度、密着性及びレジスト形状が得られ難くなる傾向がある。
また、オキシプロピレン基の繰り返し総数s、s+s及びsは1〜30の整数であり、好ましくは5〜20の整数であり、より好ましくは8〜16の整数であり、更に好ましくは10〜14の整数である。この繰り返し数の総数が30を超えると、充分な解像度が得られ難くなり、スラッジが発生し易くなる傾向がある。
式(3)で表される化合物としては、R及びR=メチル基、r+r=6(平均値)、s=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業(株)製、商品名「FA−023M」)等が挙げられる。式(4)で表される化合物としては、R及びR=メチル基、r=6(平均値)、s+s=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業(株)製、商品名「FA−024M」)等が挙げられる。式(5)で表される化合物としては、R及びR10=水素原子、r=1(平均値)、s=9(平均値)であるビニル化合物(新中村化学工業(株)製、サンプル名「NKエステルHEMA−9P」)等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分が分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する光重合性化合物を含む場合、その含有量は、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる観点から、(B)成分全体の質量に対して1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
分子内にエチレン性不飽和結合を1つ有する化合物としては、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、フタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
上記の中でも、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる観点から、(B)成分は、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート又はフタル酸系化合物を含むことが好ましい。
上記ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレートとしては、ノニルフェノキシトリエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシウンデカエチレンオキシアクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。なお、「ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート」は、「ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート」とも呼ばれる。
これらのうち、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレートは、例えば、M−114(東亞合成(株)製、商品名、4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート)として商業的に入手可能である。なお、「4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート」は、「4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコールアクリレート」とも呼ばれる。
上記フタル酸系化合物としては、例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート等が挙げられ、なかでも、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレートが好ましい。γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレートはFA−MECH(日立化成工業(株)製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分が分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上有する光重合性化合物を含む場合、その含有量は、解像度、密着性、レジスト形状及び硬化後の剥離特性をバランスよく向上させる観点から、(B)成分全体の質量に対して5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
分子内にエチレン性不飽和結合を3つ以上有する化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(オキシエチレン基の繰り返し総数が1〜5のもの)、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、入手可能なものとしては、A−TMM−3(新中村化学工業(株)製、商品名、テトラメチロールメタントリアクリレート)、TMPT21E、TMPT30E(日立化成工業(株)製、サンプル名、EO変性トリメチロールプロパントリメタクリレート)等が挙げられる。
(B)成分全体の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して30〜70質量部とすることが好ましく、35〜65質量部とすることがより好ましく、35〜60質量部とすることが更に好ましい。感度及び解像度に優れる点では、30質量部以上が好ましく、レジスト形状に優れる点では、70質量部以下が好ましい。
次に、(C)光重合開始剤について説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(C)光重合開始剤として、下記式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
Figure 2013101296

式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に下記式(1a)又は(1b)で表される基を示す。
Figure 2013101296

式(1a)及び(1b)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はフェニル基を示し、反応性の観点から、炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましい。複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
上記式(1)で表される化合物は、下記式(1c)で表すことができる。
Figure 2013101296
上記式(1c)中、Xは、それぞれ独立にS(硫黄原子)又は無結合(結合して環を形成していない)を示す。また、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はフェニル基を示し、反応性の観点から、炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
上記式(1)で表される化合物の極大吸収波長は、350〜410nmの範囲内であることが好ましい。これにより、波長350〜410nmの光に対して良好な感度を得ることができると同時に、波長500nm以上の長波長側での吸収が少なくなり、イエロー光下での安定性が良好となる。
上記式(1)で表される化合物の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01〜3質量部とすることが好ましく、0.05〜2質量部とすることがより好ましく、0.05〜1質量部とすることが更に好ましく、0.05〜0.5質量部とすることが特に好ましい。上記式(1)で表される化合物を用いることにより、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01〜0.5質量部の含有量であっても、波長405nmの直接描画露光に対して高感度であり、解像性及び密着性を向上できる。
(C)成分は、本発明の効果を損なわない程度に式(1)で表される化合物以外のその他の光重合開始剤を含んでいてもよい。その他の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体及びアシルホスフィンオキシド誘導体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01〜10質量部とすることが好ましく、0.05〜5質量部とすることがより好ましく、0.1〜3質量部とするのが更に好ましい。(C)成分の含有量が0.01質量部未満では良好な感度や解像性が得られ難い傾向があり、10質量部を超えると良好な形状を得られ難い傾向がある。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、感度をより向上させることを目的として、さらに(D)増感色素及び/又は(E)水素供与性化合物を含んでもよい。
(D)増感色素としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン類、ピラゾリン類、アントラセン類、クマリン類、キサントン類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、トリアゾール類、スチルベン類、トリアジン類、チオフェン類、ナフタルイミド類及びトリアリールアミン類が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
(D)増感色素の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01〜10質量部とすることが好ましく、0.05〜5質量部とすることがより好ましく、0.1〜2質量部とするのが更に好ましい。この配合量が0.01質量部未満では良好な感度や解像性が得られ難い傾向があり、10質量部を超えると良好な形状を得られ難い傾向がある。それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
(E)水素供与性化合物としては、例えば、ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メタン、ロイコクリスタルバイオレット及びN−フェニルグリシンが挙げられる。
(E)水素供与体化合物の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01〜10質量部とすることが好ましく、0.05〜5質量部とすることがより好ましく、0.1〜2質量部とするのが更に好ましい。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを含有してもよい。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。これらの含有量は、(A)成分(バインダポリマー)及び(B)成分(光重合性化合物)の総量100質量部に対して、それぞれ0.01〜20質量部程度とすることが好ましい。
(感光性樹脂組成物の溶液)
本実施形態の感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の感光性樹脂組成物の溶液(塗布液)として用いることができる。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はこれらの混合溶剤が挙げられる。
上記塗布液を、金属板などの表面上に塗布し、乾燥させることにより、本実施形態の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成することができる。金属板としては、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金が挙げられる。
感光性樹脂組成物層の厚みは、その用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。感光性樹脂組成物層の金属板とは反対側の表面を、保護フィルムで被覆してもよい。保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物層は、感度、解像度及び密着性に優れるのみならず、めっき形成性及びめっき後のレジストの剥離特性に優れ、めっきに対する汚染性が低いという効果を奏する。
(感光性エレメント)
次に、本実施形態に係る感光性樹脂組成物層及び感光性エレメントについて説明する。図1は、感光性エレメントの一例を示す模式断面図である。感光性エレメント1は、支持フィルム2、感光性樹脂組成物層3、及び、場合により保護フィルム4が、この順に積層された積層体である。
上記感光性樹脂組成物の溶液を、支持フィルム2上に塗布し、乾燥させることにより、支持フィルム2上に上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層3を形成することができる。このようにして、支持フィルム2と、該支持フィルム2上に形成された上記感光性樹脂組成物層3とを備える本実施形態の感光性エレメントが得られる。
支持フィルム2としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。支持フィルム(重合体フィルム)の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましい。
感光性樹脂組成物の溶液の支持フィルム2上への塗布は、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法により行うことができる。
感光性樹脂組成物の溶液の乾燥は、70〜150℃にて、5〜30分間程度行うことが好ましい。乾燥後、感光性樹脂組成物層3中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下とすることが好ましい。
感光性エレメント1における感光性樹脂組成物層3の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましく、5〜50μmであることが更に好ましく、10〜40μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm未満であると、工業的に塗工しにくくなる傾向があり、100μmを超えると、密着性及び解像性が十分に得られにくくなる傾向がある。
感光性樹脂組成物層3に対する紫外線の透過率は、波長405nmの紫外線に対して5〜75%であることが好ましく、10〜65%であることがより好ましく、15〜55%であることが更に好ましい。この透過率が5%未満であると、十分な密着性が得られ難くなる傾向があり、75%を超えると、十分な解像性が得られ難くなる傾向がある。上記透過率は、UV分光計により測定することができる。UV分光計としては、日立製作所製228A型Wビーム分光光度計が挙げられる。
感光性エレメント1は、必要に応じて、感光性樹脂組成物層3の支持フィルム2とは反対側の表面を被覆する保護フィルム4を備えてもよい。
保護フィルム4としては、感光性樹脂組成物層3に対する接着力が、支持フィルム2の感光性樹脂組成物層に対する接着力よりも小さいものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。ここで、「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものを意味する。すなわち、「低フィッシュアイ」とは、フィルム中の上記異物等が少ないことを意味する。
具体的に、保護フィルム4としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。市販のものとしては、王子製紙(株)製のアルファンMA‐410、E−200C、信越フィルム(株)製等のポリプロピレンフィルム、帝人(株)製のPS−25等のPSシリーズ等のポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。なお、保護フィルム4は支持フィルムと同一のものでもよい。
保護フィルム4の厚みは1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm未満であると、感光性樹脂組成物層2及び保護フィルム4を基板上に積層(ラミネート)する際、保護フィルム4が破れやすくなる傾向があり、100μmを超えると廉価性の点で十分でなくなる傾向がある。
感光性エレメントは、更にクッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層等を有していてもよい。
得られた感光性エレメント1は、シート状で又は巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。ロール状に巻き取る場合、支持フィルム2が外側になるように巻き取ることが好ましい。巻芯としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックが挙げられる。このようにして得られたロール状の感光性エレメントの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。梱包方法としては、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
(レジストパターンの形成方法)
上記感光性樹脂組成物を用いて、レジストパターンを形成することができる。本実施形態に係るレジストパターンの形成方法は、(i)上記感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、(ii)感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる露光工程と、(iii)感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を有する。
(i)積層工程
まず、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する。基板としては、絶縁層と該絶縁層上に形成された導体層とを備えた基板(回路形成用基板)を用いることができる。
感光性樹脂組成物層の基板上への積層は、例えば、上記感光性エレメントの保護フィルムを除去した後、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を加熱しながら上記基板に圧着することにより行われる。これにより、基板と感光性樹脂組成物層と支持フィルムとからなり、これらが順に積層された積層体が得られる。
この積層作業は、密着性及び追従性の見地から、減圧下で行うことが好ましい。圧着の際の感光性樹脂組成物層及び/又は基板の加熱は、70〜130℃の温度で行うことが好ましく、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着することが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。なお、感光性樹脂組成物層を70〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために、基板の予熱処理を行うこともできる。
(ii)露光工程
次に、基板上の感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する支持フィルムが活性光線に対して透過性である場合には、支持フィルムを通して活性光線を照射することができるが、支持フィルムが遮光性である場合には、支持フィルムを除去した後に感光性樹脂組成物層に活性光線を照射する。
露光方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像上に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。また、LDI(Laser Direct Imaging)露光法やDLP(Digital Light Processing)露光法などの直接描画露光法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができ、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザ等のガスレーザ、YAGレーザ等の固体レーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。
活性光線の波長(露光波長)としては、本発明の効果をより確実に得る観点から、350〜420nmの範囲内とすることが好ましい。
(iii)現像工程
さらに、感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する。感光性樹脂組成物層上に支持フィルムが存在している場合には、支持フィルムを除去してから、上記所定部分(露光部分)以外の部分(未露光部分)の除去(現像)を行う。現像方法には、ウェット現像とドライ現像とがあるが、ウェット現像が広く用いられている。
ウェット現像による場合、感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、公知の現像方法により現像する。現像方法としては、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッピング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられ、解像度向上の観点からは、高圧スプレー方式が最も適している。これら2種以上の方法を組み合わせて現像を行ってもよい。
現像液としては、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等が挙げられる。
アルカリ性水溶液は、現像液として用いられる場合、安全且つ安定であり、操作性が良好である。アルカリ性水溶液の塩基としては、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ;リチウム、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。
アルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましい。アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層のアルカリ現像性に合わせて調節される。アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
水系現像液は、例えば、水又はアルカリ性水溶液と1種以上の有機溶剤とからなる現像液である。ここで、アルカリ性水溶液の塩基としては、先に述べた物質以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられる。水系現像液のpHは、現像が十分に行われる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。
水系現像液に用いる有機溶剤としては、アセトン、酢酸エチル、炭素原子数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。水系現像液における有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、アルカリ現像性に合わせて調整することができる。水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。
有機溶剤系現像液としては、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等の有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤には、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。
未露光部分を除去した後、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより、レジストパターンを更に硬化してもよい。
(プリント配線板の製造方法)
上記方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきすることにより、プリント配線板を製造することができる。基板のエッチング又はめっきは、形成されたレジストパターンをマスクとして、基板の導体層等に対して行われる。
エッチングを行う場合のエッチング液としては、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素エッチング液が挙げられ、これらの中では、エッチファクタが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。
めっきを行う場合のめっき方法としては、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケル等のニッケルめっき、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキが挙げられる。
エッチング又はめっき終了後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液より更に強アルカリ性の水溶液により剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液、アミン剥離液等が用いられる。なかでも、アミン剥離液が好ましい。
レジストパターンの剥離方式としては、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、これらは単独で用いても併用してもよい。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10及び比較例1〜3)
(感光性樹脂組成物の溶液の調製)
下記表1に示す成分を、同表に示す配合量で混合することにより、実施例1〜10及び比較例1〜3の感光性樹脂組成物の溶液を調製した。なお、表1及び表2に示す(A)成分の配合量は、不揮発分の質量(固形分量)である。下記表1及び2に示す各成分の詳細については、以下のとおりである。
<(A)バインダポリマー>
[バインダポリマ(A−1)の合成]
重合性単量体(モノマー)であるメタクリル酸150g、メタクリル酸ベンジル125g、メタクリル酸メチル25g及びスチレン200g(質量比30/25/5/40)と、アゾビスイソブチロニトリル9.0gとを混合して得た溶液を「溶液a」とした。
メチルセロソルブ60g及びトルエン40gの混合液(質量比3:2)100gに、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを溶解して得た溶液を「溶液b」とした。
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ270g及びトルエン180gの混合液(質量比3:2)450gを投入し、フラスコ内に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、80℃まで加熱昇温させた。
フラスコ内の上記混合液に、上記溶液aを4時間かけて滴下した後、撹拌しながら80℃にて2時間保温した。次いで、フラスコ内の溶液に、上記溶液bを10分間かけて滴下した後、フラスコ内の溶液を撹拌しながら80℃にて3時間保温した。さらに、フラスコ内の溶液を30分間かけて90℃まで昇温させ、90℃にて2時間保温した後、冷却してバインダポリマー(A−1)の溶液を得た。
バインダポリマ(A−1)の不揮発分(固形分)は47.8質量%であり、重量平均分子量は30000であり、酸価は196mgKOH/gであった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
(GPC条件)
ポンプ:日立 L−6000型[(株)日立製作所製]
カラム:Gelpack GL−R420 + Gelpack GL−R430 + Gelpack GL−R440(計3本)(以上、日立化成工業(株)製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所製)
<(B)光重合性化合物>
TMPT21E:トリメチロールプロパンポリオキシエチレンエーテルトリメタクリレート(日立化成工業(株)製、商品名)
FA−321M:2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン)(日立化成工業(株)製、商品名)
FA−024M:上記式(4)で表される化合物において、R及びR=メチル基、r=6(平均値)、s+s=12(平均値)である化合物)(日立化成工業(株)製、商品名)
BPE−200:2,2−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン)(1分子中に含まれるエチレンオキシド鎖が4モル)(新中村化学(株)製、商品名)
M−114:4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコールアクリレート(東亞合成(株)製、商品名)
<光重合開始剤(C)>
[光重合開始剤(C−1):OXE−TPABPの合成]
フラスコに、水素化ナトリウム4.14g(0.17mol)及び無水DMF150mLを加え、窒素雰囲気下室温で30分攪拌した後、ジフェニルアミン33.98g(0.20mol)を加え、次いで、ビス(4−フルオロフェニル)メタノン15.27g(0.07mol)を加え、150℃で12時間攪拌した。その後反応溶液に水を注ぎ、吸引ろ過で反応生成物をろ過した。エタノールで再結晶を行い、黄色の固体Aを得た。
次に、窒素雰囲気下、200mLフラスコに塩化アルミニウム13.87g(20mmol)、塩化アセチル2.95mL(41.6mmol)及びジクロロメタン60mLを加えた溶液に、氷浴で冷却しながら、得られた固体A4.2g(8mmol)をジクロロメタン40mLで溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、氷浴で1時間、大気下で7時間反応を継続し、反応物を氷水中に注いで、分液漏斗で有機層を取り出した。有機層を水で3回洗浄し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、真空乾燥機(60℃)で一晩乾燥し生成物Bを得た。
生成物B1.0g(1.5mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド30mLで溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩0.834g(12mmol)及び酢酸ナトリウム1.132g(13.8mmol)を加え、100℃で7時間攪拌した。次いで、反応物を水に注ぎ、沈殿物をろ過で単離した後、真空乾燥機で乾燥し生成物Cを得た。
クロロホルム/ジクロロメタン=1/1溶液40mLに生成物Cを溶解した溶液に、無水酢酸1.0mL(10.8mmol)を30分かけて滴下し、その後7時間反応させた。反応液を5質量%水酸化ナトリウム水溶液5mLで中和し、水で3回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、有機層を濾別し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、エタノールで再結晶して、目的の生成物(C−1):OXE−TPABPを得た。
図2に示す1H−NMRスペクトルにより、生成物(C−1)が下記式で表される構造を有する化合物であることを確認した。
Figure 2013101296
[光重合開始剤(C−2):OXE−TPSBPの合成]
上記光重合開始剤(C−1)の合成において、ジフェニルアミンの代わりに、フェノチアジンを用いた他は、(C−1)の合成と同様にして、下記式で表される構造を有する化合物(C−2)を得た。
Figure 2013101296
[光重合開始剤(C−3)の合成]
上記光重合開始剤(C−1)の合成において、ビス(4−フルオロフェニル)メタノンの代わりに、4−フルオロベンゾフェノンを用いた他は、(C−1)の合成と同様にして、下記式で表される構造を有する化合物(C−3)を得た。
Figure 2013101296
[光重合開始剤(C−4)の合成]
上記光重合開始剤(C−1)の合成において、ビス(4−フルオロフェニル)メタノンの代わりに4−フルオロベンゾフェノンを用い、ジフェニルアミンの代わりにフェノチアジンを用いた他は、(C−1)の合成と同様にして、下記式で表される構造を有する化合物(C−4)を得た。
Figure 2013101296
[その他の光重合開始剤]
BCIM:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール(Hampford社製、商品名)
<(D)増感色素>
ニッカフローMC:((株)日本化学工業所製:7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)
<(E)水素供与性化合物>
LCV:ロイコクリスタルバイオレット(山田化学(株)製、商品名)
MBO:2−メルカプトベンゾオキサゾール
NPG:N−フェニルグリシン
Figure 2013101296
Figure 2013101296
(感光性エレメント)
上記感光性樹脂組成物の溶液を、それぞれ厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、商品名「HTF−01」)上に均一に塗布し、70℃及び110℃の熱風対流式乾燥器で乾燥して、乾燥後の膜厚が40μmである感光性樹脂組成物層を形成した。この感光性樹脂組成物層上に保護フィルム(タマポリ(株)製、商品名「NF−15」)を貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持フィルム)と、感光性樹脂組成物層と、保護フィルムとが順に積層された感光性エレメントを得た。
(積層基板)
ガラスエポキシ材と、その両面に形成された銅箔(厚さ35μm)とからなる銅張積層板(日立化成工業(株)製、商品名「MCL−E−67」)の銅表面を、#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥させた。この銅張積層板(以下、「基板」という。)を加熱して80℃に昇温させた後、実施例1〜10及び比較例1〜3に係る感光性エレメントを、基板の銅表面にラミネート(積層)した。ラミネートは、保護フィルムを除去しながら、各感光性エレメントの感光性樹脂組成物層が基板の銅表面に密着するようにして、温度120℃、ラミネート圧力4kgf/cmの条件下で行った。このようにして、基板の銅表面上に感光性樹脂組成物層及びポリエチレンテレフタレートフィルムが積層された積層基板を得た。
(感度の評価)
得られた積層基板を放冷し、23℃になった時点で、積層基板のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、濃度領域0.00〜2.00、濃度ステップ0.05、タブレットの大きさ20mm×187mm、各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させた。波長405nmの青紫色レーザダイオードを光源とする日立ビアメカニクス(株)製直描機「DE−1AH」(商品名)を使用して、所定のエネルギー量(露光量)でフォトツール及びポリエチレンテレフタレートフィルムを介して感光性樹脂組成物層に対して露光を行った。なお、照度の測定は、405nm対応プローブを適用した紫外線照度計(ウシオ電機(株)製、商品名「UIT−150」)を用いて行った。
露光後、積層基板からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、感光性樹脂組成物層を露出させ、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30℃にて60秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。このようにして、基板の銅表面上に感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜を形成した。硬化膜として得られたステップタブレットの残存段数が20段となったときの露光量(mJ/cm)により、感光性樹脂組成物の感度を評価した。この数値が小さいほど感度が良好であることを意味する。結果を表3及び4に示す。
(解像度及び密着性の評価)
ライン幅(L)/スペース幅(S)(以下、「L/S」と記す。)が5/5〜30/30(単位:μm)である描画パターンを用いて、41段ステップタブレットの残存段数が20段となるエネルギー量で上記積層基板の感光性樹脂組成物層に対して露光(描画)を行った。露光後、上記感度の評価と同様の現像処理を行った。
現像後、スペース部分(未露光部分)がきれいに除去され、且つライン部分(露光部分)が蛇行や欠けを生じることなく形成されたレジストパターンのうち、最も小さいライン幅/スペース幅の値により、解像度及び密着性を評価した。この数値が小さいほど解像度及び密着性が共に良好であることを意味する。結果を表3及び4に示す。
(剥離特性の評価)
得られた積層基板に対し、41段ステップタブレットの残存段数が20段となるエネルギー量で露光した後、積層基板からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、感光性樹脂組成物層を露出させ、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像を行うことにより、基板上に硬化膜が形成された試験片(40mm×50mm)を作製した。この試験片を室温で一昼夜放置した後、50℃の3質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて剥離を行った。撹拌開始から、硬化膜が基板から完全に剥離除去されるまでの時間を剥離時間とした。また、剥離後の剥離片のサイズを目視にて観察し、以下の基準で評価した。剥離時間が短く、剥離片サイズが小さいほど剥離特性が良好であることを意味する。結果を表3及び4に示す。
(めっき形成性の評価)
上記剥離特性の評価により得られた剥離後の試験片を、光学顕微鏡を用いて観察し、めっきパターンが断線又は短絡することなく形成された最も小さいめっき幅によりめっき形成性を評価した。この数値が小さいほどめっき形成性が良好であることを意味する。結果を表3及び4に示す。
(めっき汚染性の評価)
各感光性エレメントを40mm×50mmの大きさに切り出し、保護フィルムを除去してステップタブレットが20段となる露光量で感光性樹脂組成物層に対して露光を行い、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し硬化膜を得た。この硬化膜を硫酸銅/硫酸水溶液のめっき液に3日間浸漬後、ハルセル試験浴槽((株)山本鍍金試験器製)を用いて上記銅張積層板(基板)に電解銅めっきを行った。硬化膜を浸漬していないめっき液をリファレンスとして、硬化膜を浸漬しためっき液を用いた場合の基板のめっき外観を目視で観察した。リファレンスと比較してめっき外観に差がないものを汚染性なし、差があるものを汚染性ありと判断した。結果を表3及び4に示す。
Figure 2013101296
Figure 2013101296
実施例1〜10の感光性樹脂組成物は、波長405nmの直接描画露光に対して高感度であり、解像性、密着性、剥離特性及びめっき形成性に優れ、めっき汚染性も防止できることが確認された。これに対して比較例1〜3の感光性樹脂組成物は、解像性、密着性及びめっき形成性が実施例1〜10の感光性樹脂組成物よりも劣っていた。また、比較例2及び3の感光性樹脂組成物は、感度も十分ではなかった。
本発明によれば、感度、解像度及び密着性に優れる感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
1…感光性エレメント、2…支持フィルム、3…感光性樹脂組成物層、4…保護フィルム。

Claims (6)

  1. (A)バインダポリマーと、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物であって、前記(C)光重合開始剤が、下記式(1)で表される化合物を含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 2013101296

    [式(I)中、R及びRは、それぞれ独立に下記式(1a)又は(1b)で表される基を示す。]
    Figure 2013101296

    [式(1a)及び(1b)中、Rは、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基又はフェニル基を示し、複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。]
  2. 前記式(1)で表される化合物の極大吸収波長が、350〜410nmの範囲内である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(A)バインダポリマーが、(メタ)アクリル酸と、スチレン又はスチレン誘導体とを共重合成分として含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の前記所定部分以外の部分を前記基板上から除去することにより、前記基板上に、前記感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、
    を含むレジストパターンの形成方法。
  6. 請求項5に記載の方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法。
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