JP2013097521A - 複合材料の強度解析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合材料を用いた構造体の強度解析において、高圧縮強度積層体の様に、周りの構成情報から強度が変化するような現象を考慮してした、構造体の強度解析方法を提供すること。
【解決手段】複合材料を用いた構造体の強度解析方法であって、構造体の数値解析モデルの各要素に関して、所定の要素の周りの要素との構成の差異を調べる構成差異抽出工程と、
構成の差異と強度との関係を示した補正強度データベースから補正強度を算出する補正強度決定工程と、前記構成差異抽出工程と前記強度変化条件決定工程から、数値解析モデルの中の該当する要素の物性情報に関して、強度物性を変更する強度物性変更工程を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複合材料を用いた構造体の強度解析方法に関する。
これまで航空宇宙やスポーツ分野などの限られた分野で適用されていた繊維強化複合材料の産業用途への適用が拡大している。特に、従来金属が主として用いられてきた自動車などの産業分野ではエネルギー効率を高めるため、構造の軽量化が重要視され、金属材料に代わって、軽量でかつ比強度・比剛性に優れた繊維強化複合材料に置換する動きが増加している。特に繊維強化複合材料として、炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維を熱硬化性あるいは熱可塑性の樹脂などをマトリックス材料とした繊維強化プラスチック(以下、FRPと略記することもある)が多く用いられている。これら繊維強化複合材料は、繊維方向と繊維直角方向の物性が異なる異方性物性を持つことから、繊維の配向方向を考慮した強度設計が必要になってくる。
一般的に、複合材料を使用した構造物の強度計算には、数値解析シミュレーションが広く用いられている。一般的な数値解析シミュレーションでの強度計算方法として、有限要素法(以下、FEMと略記することもある)がよく用いられ、構造物のモデル化は、シェル要素やソリッド要素などで行い、構造物に力が掛かる場所に、外力を入力し各要素に発生する応力又はひずみを計算する。解析結果から、各要素に発生する応力又はひずみを各種の破壊則に沿って破壊判定を行い、破壊判定で破壊が予測される要素を特定する。破壊判定で破壊と判定された要素が出てきた場合、構造物の形状変更や材料変更など行い上記手法を繰り返すことで構造物の強度を満足させる条件を設計している。
ここで、破壊判定に用いられる破壊則には、非特許文献1に示すように、最大応力説、最大ひずみ説、Tsai−Hill則、Tsai−Wu則など多く存在するが、一般的に材料物性の強度のデータとしては、繊維方向の引張強度と圧縮強度、繊維直角方向の引張強度と圧縮強度、せん断強度などの少なくとも1つの強度データを用いて上記破壊則に入力し破壊判定を行っている。この場合、原則1材料=1物性として前記強度データが設定されている。また、繊維強化複合材料では、単位体積当たりの繊維の体積含有率(以下、Vfと略記することもある)が増えると複合材料全体の強度が強化される傾向にあることから、繊維の量毎に強度データを持つこともある。
しかし、非特許文献2に示すように、一方向に繊維を配向させた複合材料を、配向角度を変えながら一定の厚みに積み重ねた積層体に外力を加えた場合、繊維方向の圧縮荷重が掛かる層の圧縮強度は、その層と隣り合う層の積層角度によって変化することが知られている。図3は従来手法での要素プロパティの構成の一例を示している。ここで要素プロパティとは、要素と材料方向や材料物性を関連付けるデータであり、模式図で示すと図3の様に表せる。また、要素がシェル要素の場合は、厚みの情報も要素プロパティに記載されている。従来手法では、上記積層体のような構造物の強度計算を、数値解析シミュレーションで実施する場合、図3の様に積層体の積層毎に1種類の材料が使用されており、材料の種類が同じであれば同じ物性を使用して解析していたため、構造物全体の強度を正しく計算することが出来なかった。
特許文献1には、複合材料の母材と添加物を個別にモデル化した複合材料のミクロモデルについての構造解析方法が開示されている。特許文献1は、母材と添加物の界面強度を再現するため、添加物の周りにある母材の物性を添加物の中心からの距離に応じて傾斜的に変えることで、複合材料をモデル化している。しかし、母材と添加物を別々にモデル化するには膨大な節点・要素数が必要となり、データ量が増大する。一般的には、母材と添加物を分けずに均質化させた物性を用い、繊維の方向などで異方性の物性が現れる場合には繊維方向と繊維直角方向の物性を持たせた要素を用い、構造物全体をモデル化するようなマクロモデルで解析を行っている。また、添加物の方向や材料全体の厚み等を考慮していないため、非特許文献2に示すような現象を計算することが出来ない。
特開2009−3747号公報
福田博著、「複合材の力学序説」、株式会社古今書院、1993年4月15日 第2刷発行、p.199−205 北野彰彦、「高圧縮強度積層体」、第35回FRPシンポジウム講演論文集、2006年3月16日、p.98−100
本発明の目的は、高圧縮強度積層体の様に、周りの構成情報から強度が変化するような現象を含め、複合材料の構造体の強度を正確に予測可能な、複合材料の強度解析方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、複合材料を用いた構造体の強度解析方法であって、
前記構造体の数値解析モデルの各要素に関して、所定の要素の周りの要素との構成の差異を抽出する構成差異抽出工程と、
前記構成の差異と材料強度との関係を示した補正強度データベースから前記構造体の数値解析モデルの各要素の補正強度を算出する補正強度決定工程と、
前記構成差異抽出工程と前記補正強度決定工程から、数値解析モデルの中の該当する要素の物性情報に関して、強度物性を変更する強度物性変更工程を有する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記構成差異抽出工程において、
要素が積層シェル要素の場合に、同じ要素内の各積層間の構成の差異を調べる請求項1に記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記構成差異抽出工程において、
前記構造体の数値解析モデルの各要素が持つ積層構成に関して、隣り合う積層間の材料方向の差と積層厚みを調べる請求項1または2に記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記構成差異抽出工程において、
前記構造体の数値解析モデルの各要素が持つ積層構成に関して、隣り合う積層間の材料方向の差と弾性マトリクスの弾性係数のすべてもしくは一部の項を調べる請求項1または2に記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記構成差異抽出工程において、
前記構造体の数値解析モデルの各要素が持つ積層構成に関して、隣り合う積層間の材料方向の差と積層厚みと弾性マトリクスの弾性係数のすべてもしくは一部の項を調べる請求項1または2に記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記補正強度決定工程において、
材料方向と厚みと強度との関係を示した補正強度データベースから、前記補正強度データベースに記載された補正を適応する範囲に、記構成差異抽出工程にて抽出された材料方向と厚みの差異が含まれる場合に、強度を変化させる構成条件を決定する請求項1〜3のいずれかに記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記補正強度決定工程において、
材料方向と弾性マトリクスの弾性係数のすべてもしくは一部の項と強度との関係を示した補正強度データベースから、前記補正強度データベースに記載された補正を適応する範囲に、記構成差異抽出工程にて抽出された材料方向と弾性係数もしくは一部の項が含まれる場合に、強度を変化させる構成条件を決定する請求項1、2および4のいずれかに記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記補正強度決定工程において、
材料方向と積層厚みと弾性マトリクスの弾性係数のすべてもしくは一部の項と強度との関係を示した補正強度データベースから、前記補正強度データベースに記載された補正を適応する範囲に、記構成差異抽出工程にて抽出された材料方向と積層厚みと弾性係数もしくは一部の項が含まれる場合に、強度を変化させる構成条件を決定する請求項1、2および5のいずれかに記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、複合材料を用いた構造体の強度解析装置であって、
構造体の数値解析モデルの各要素に関して、所定の要素の周りの要素との構成の差異を調べる構成差異抽出工程と、
構成の差異と材料強度との関係を示した補正強度データベースから前記構造体の数値解析モデルの各要素の補正強度を算出する補正強度決定手段と、
前記構成差異抽出工程と前記強度変化条件決定手段から、数値解析モデルの中の該当する要素の物性情報に関して、強度物性を変更する強度物性変更手段を有する、複合材料を用いた構造体の強度解析装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、請求項1〜8のいずれかに記載の強度解析方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
本発明において、「構成の差異」は、例えば、材料方向の差や割合、積層厚みの差や割合、弾性マトリクスなどで表される場合もあり、個別の構成の差異を組み合わせて表す場合もある。また、構成の差異を数式で表現する場合やグラフや表で表す場合もある。
本発明において、「補正強度データベース」とは、構成の差異と材料強度もしくは材料強度の補正係数を表したデータベースをいう。
また、前記構成の差異と材料強度もしくは材料強度の補正係数との関係は、実験により求めたものでもよいし、文献から引用したものでもよい。
本発明において、「弾性マトリクス」とは、有限要素法で、応力とひずみの関係を結ぶマトリクスのことをいう。一般的に一方向に繊維を配向させた直交異方性薄板の繊維方向の2次元の弾性マトリクスは式5のように表され、式(1)の中のQ11、Q12、Q22、Q66は式2〜5で表される。
Figure 2013097521
Figure 2013097521
Figure 2013097521
Figure 2013097521
Figure 2013097521
ここで、式(1)のQ11、Q12、Q22、Q66は弾性係数と呼ばれており、Eは繊維方向の弾性率、Eは繊維直角方向の弾性率、νLTは繊維方向に引張ったときの繊維直角方向の縮みを示すポアソン比である。νTLは繊維直角方向に引張ったときの繊維方向の縮みを示すポアソン比である。G12はせん断弾性率である。また、応力とひずみの関係を式(5)の弾性マトリクスを使ってあらわすと式(6)のようになる。
Figure 2013097521
本発明によれば、高圧縮強度積層体の様に、周りの構成情報から強度が変化するような現象を考慮して強度予測ができるため、複合材料の構造体の強度を予測するための強度解析の精度向上を図ることが可能となる。
本発明の実施形態の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の手順の一例を示すブロック図である。 従来の要素プロパティの構成の一例を示すブロック図である。 複合材料の全層の厚みと着目する1層の厚みの比と圧縮強度の関係の一例を示すグラフである。 一方方向に長繊維で補強された樹脂のシートを積み重ねた積層板の一例を示す図である。 積層板500の解析用シェルモデルの一例を示す図である。 複合材料の中間層の弾性係数Q12と全層の弾性係数Q12の比と圧縮強度の関係の一例を示すグラフである。
以下、本発明の最良の実施形態の例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例の構成を示すブロック図である。本実施形態において、図1に示すとおり、(100)はコンピュータやワークステーションなどの計算機、(101)はディスプレイ、(102)はキーボード、(103)はマウス、(104)は補助記憶装置である。(104)の補助記憶装置には、HDD(ハードディスクドライブ)装置やSSD(ソリッドステートドライブ)装置の他、テープ、FD(フレキシブルディスク)、MO(光磁気ディスク)、PD(相変化光ディスク)、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)、BD(ブルーレイディスク)などのディスクメモリー、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)メモリー、メモリーカードなどのリムーバブルメディアも利用可能である。
補助記憶装置104には、構造体の構造解析や強度解析をするためのプログラム105や形状データ106、物性データ107などが保存されている。
コンピュータやワークステーションなどの計算機100は、補助記憶装置104からプログラム105、形状データ106、物性データ107などを読み出すことができるデータ読み出し手段108を具備している。また、構成差異抽出工程109、強度変化条件決定手段110、強度物性変更手段111、強度解析手段112、出力手段113で構成されている。これら各手段は、計算機100の主記憶装置などの記憶手段に記憶されたプログラムのサブルーチンなどのモジュールとして実施されており、同様にこれらの手段が取り扱うデータは、記憶手段に揮発的または不揮発的に記憶される。
形状データ106は、ユージーエス コーポレーション製“I−DEAS(登録商標)”のUNV形式など汎用の構造解析プリプロセッサーにより作成できるものであり、シェル要素、ソリッド要素などで表現する。もちろん、モデルデータを保存するファイルのフォーマットは節点、要素、要素プロパティ、材料物性などが記述されるデータであれば、形状データ106の形式は限定しない。
強度解析手段112は、ダッソー システムズ社製“Abaqus(登録商標)”などの汎用構造解析ソフトウェアにより実行できるものであり、シェル要素、ソリッド要素などで表された形状データ106を用いて、各要素に発生する応力やひずみ、各節点の変位などを計算する。
図2は本実施形態における実施の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図2を用いて説明する。本発明の実施形態は、構造体の形状データを取得する形状データ読み出し工程210と、構造体の数値解析モデルの各要素に関して、所定の要素の周りの要素との構成の差異を抽出する構成差異抽出工程220と、構成の差異と材料強度との関係を示した補正強度データベースから補正強度を算出する補正強度決定工程230と、前記構成差異抽出工程220と前記補正強度決定工程230から、数値解析モデルの中の該当する要素の物性情報に関して、強度物性を変更する強度物性変更工程240に大別される。
まず、形状データ読み出し工程210について説明する。
形状データ取得手段211では、汎用の構造解析プリポストなどで作成された構造体の解析用モデルを取得する。解析用モデルは、シェル要素、ソリッド要素などで表現されており、モデルデータを保存するファイルのフォーマットは節点、要素、要素プロパティ、材料プロパティなどが記述される。
次に、構成差異抽出工程220について説明する。要素選択手段221では、前記形状データ読み出し工程210にて取得された構造物の形状データの要素Eを選択する。ここで、要素Eの添え字i(iは1〜nの自然数)は、要素番号を示している。
隣接要素構成差異抽出工程222では、前記要素選択手段221で選択された要素Eのプロパティと、隣り合う要素のプロパティを比較する。要素のプロパティとは、材料の種類や厚み、繊維の角度など要素の詳細情報をまとめるデータベースのことをいう。積層を持った構造体を通常ソリッド要素で表現する場合、各層毎に要素を切り分け、積層構造をモデル化する。したがって、隣り合う要素を比較することで各層間のプロパティの比較ができる。シェル要素の場合、要素形状だけでは厚みデータを表せないことからプロパティとして厚みの値も格納されており、要素だけでは表現できない情報として関連付けされている。前記隣接要素構成差異抽出工程222の比較の対象には、材料物性として弾性率、ポアソン比、比重等が含まれ、複合材料に含有される繊維の方向、要素の厚みも対象となる。また、構造物の厚み方向に存在する全ての要素に関して比較してもよい。また、モデルが積層シェル要素で作成されている場合には、1要素の中に複数の層がモデル化されているため、隣り合う要素だけではなく1要素内の層間のプロパティの比較を行っても良いし、要素内の比較のみ実施し要素間の比較を実施しなくても良い。
このとき、構成の比較は、除算や割合で評価してもよい。例えば、要素E1の弾性率Gと要素Eの弾性率Gについて、除算で比較する場合には、弾性率の差G1−2は式7の様に表され、割合で比較する場合には、式8の様に表してもよい。
Figure 2013097521
Figure 2013097521
また、構造物の厚み方向に存在する全ての要素に関して比較を行う場合、厚み方向に存在する要素全体での構成との割合で比較してもよい。例えば、要素E1の厚みTと厚み方向に存在する要素全体の厚みTについて式9の様に表してもよい。
Figure 2013097521
モデルが積層シェル要素で作成されている場合には、層全体での構成との割合で比較してもよい。例えば、全8層で構成された要素E1の第3層の厚みT1Ply3と全層の厚みT1Aについて式10の様に表してもよい。
Figure 2013097521
さらに具体的な例を挙げて前記構成差異抽出工程220について説明する。図5は一方向に繊維を配向させた直交異方性薄板を繊維の方向を変えながら積層させた積層板の一例を示している。積層板500は、一方向に繊維510を配向させた直行異方性薄板の全7層520〜526で構成されており、各層の繊維方向は積層板500の座標系501のX方向との角度θ(502)としてあらわされ、積層構成を表1に示す。層520が積層番号1で示されており、層521〜526を積層番号2〜7で示している。
Figure 2013097521
図6は、前記積層板500をモデル600として積層シェルモデルでモデル化した解析モデルである。要素610は積層シェル要素であり、1要素で表1の積層情報を持っている。前記要素610に対して前記構成差異抽出工程220を実施した場合、積層シェルモデル600は積層シェルモデルであることから、要素内の積層間の比較のみ実施し要素間の比較を実施しないものとすると、要素610の積層構成は表1のようになっている。まず、構成の差異を材料方向の差とした場合、各層間を比較すると層1−2間では60°と−60°の差から120°となり、層3−4間では、60°と0°の差から60°となる。また、構成の差異を層全体の厚みと各層の厚みとの割合とした場合、各層を比較すると、層1の層全体の厚みとの割合は、全層の厚み2.16mmと層1の厚み0.32mmから約0.148となり、層4の層全体の厚みの割合は、全層の厚み2.16mmと層4の厚み0.24mmから約0.111となる。また、各層の弾性係数Q12を表2に示す。構成の差異を層全体の弾性マトリクスの弾性係数Q12と各層の弾性係数Q12との割合とした場合、各層を比較すると、層1の層全体の弾性係数Q12=23707MPaと層1の弾性係数Q12=26355MPaとの割合は、約1.11となり、層4の層全体の弾性係数Q12=23707MPaと層4の弾性係数Q12=2522MPaとの割合は、約0.11となる。
Figure 2013097521
次に、補正強度決定工程230について説明する。
補正判定手段231では、前記隣接要素構成差異抽出工程222にて抽出された構成の差異について、補正強度データベースから補正が必要な範囲かどうかを判断し補正が必要ないと判断されれば他の要素選択の工程である全要素確認判定手段250を実施し、補正が必要と判断されれば次の補正強度算出手段232を実施する判断を行う。例えば、図4のような複合材料の全層の厚みと着目する1層の厚みの割合と繊維方向の圧縮強度との関係を補正強度データベースとして使用していた場合、全層の厚みと着目する1層の厚みの割合の範囲が0.1〜0.4までしかないため、全層の厚みと着目する1層の厚みの割合が0.1未満、0.4より大きな値となっている場合は、補正が必要ないと判断し全要素確認判定手段250を実施し、全層の厚みと着目する1層の厚みの割合が0.1〜0.4の範囲内にあれば、圧縮強度の補正が必要と判断し、次の補正強度算出手段232を実施する判断を行う。例とした図4の補正強度データベースは、本来は図5のような平板や円筒などの単純形状で、全層の厚みと1層の割合を変化させて、圧縮強度を実験によって求めたり、解析によって強度を合わせこむことで作成したりするが、ここでは、例が図5のような平板への本手法の適応を例としているため、図4の補正強度データベースは仮想的に作成したデータベースとしている。
さらに具体的な例を挙げて、図6のモデル600に前記補正強度決定工程230を適用した場合について説明する。
図4のような複合材料の全層の厚みと着目する1層の厚みの割合と繊維方向の圧縮強度との関係を補正強度データベースとして使用しており、さらに補正強度データベースの適用範囲を厚み方向に隣接する両方の層との配向方向の差が50°以上70°以下とし、全層の厚みと各層の厚みの割合が0.1以上0.4以下とした場合、層2に関しては層1−2間の配向方向の差は120°となり、層2−3間の配向方向の差も120°となることから補正が必要ないと判断される。また、層3に関して層3−4間の配向方向の差は60°となるが、層2−3間の配向方向の差は120°となることから補正が必要ないと判断される。また、層4に関して層3−4間の配向方向の差は60°となり、層4−5間の配向方向の差も60°となり、全層の厚みと層4の厚みの割合も0.111となることから要素610の層2に関しては、強度の補正が必要と判断される。
また、図7のような複合材料の全層の弾性係数Q12と着目する1層の弾性係数Q12の割合と繊維方向の圧縮強度との関係を補正強度データベースとして使用しており、さらに補正強度データベースの適用範囲を厚み方向に隣接する両方の層との配向方向の差が50°以上70°以下とし、全層の弾性係数Q12と着目する1層の弾性係数Q12の割合が0.1以上0.13以下とした場合、層2に関しては、層全体の弾性係数Q12=23707MPaと層1の弾性係数Q12=26355MPaとの割合は、1.11となることから補正が必要ないと判断される。層4に関しては、層全体の弾性係数Q12=23707MPaと層4の弾性係数Q12=2522MPaとの割合は、0.11となり、層3−4間の配向方向の差は60°となり、層4−5間の配向方向の差も60°となることから要素610の層4に関しては、強度の補正が必要と判断される。
補正強度算出手段232では、前記隣接要素構成差異抽出工程222にて比較された構成の差異を補正強度データベースに当てはめて、補正強度を算出する。材料方向の差、厚みの差、弾性マトリクスのすべてもしくは一部の項などで表された個別の構成の差異を補正強度データベースの数式に当てはめて算出してもよいし、それぞれの値を組み合わせて算出してもよい。また、構成の差異をグラフや表に当てはめて補正強度を算出してもよい。例えば、積層シェル要素で構成された構造体モデルにおいて、図4のような複合材料の全層の厚みと着目する1層の厚みの割合と繊維方向の圧縮強度との関係を補正強度データベースとして使用し、前記隣接要素構成差異抽出工程222において算出された全層の厚みと着目する1層の厚みの割合が0.2であった場合、図4から補正された繊維方向の圧縮強度を1520MPaとして算出できる。
さらに具体的な例を挙げて、図6のモデル600に前記補正強度算出手段232を適応した場合について説明する。図4のような複合材料の全層の厚みと着目する1層の厚みの割合と繊維方向の圧縮強度との関係を補正強度データベースとして使用している場合、要素610の層4について、全層の厚みと層4の厚みの割合が0.111となることから、図4より繊維方向の圧縮強度の補正強度が1680MPaと算出される。
また、図7のような複合材料の全層の弾性係数Q12と着目する1層の弾性係数Q12の割合と繊維方向の圧縮強度との関係を補正強度データベースとしている場合、要素610の層4について、全層の弾性係数Q12と着目する1層の弾性係数Q12の割合が0.11となることから、図7より繊維方向の圧縮強度の補正強度が1600MPaと算出される。
次に、強度物性変更工程240について説明する。
新物性データ作成手段241では、前記補正強度算出手段232で算出された補正強度を反映させた要素Eの新しい物性データを作成する。また、モデルが積層シェル要素で作成されている場合には、強度が補正される層の新しい物性データを作成する。例えば、前記補正強度算出手段232で補正強度が繊維方向の圧縮強度のみであり、900MPaから1600MPaに補正する場合、要素Eのプロパティが参照する物性データMのコピーMicを作成し、物性データMicの繊維方向の圧縮強度のみを900MPaから1600MPaに変更することで、物性データMと圧縮強度のみ異なる新物性データMjcを作成できる。
物性データ置き換え手段242では、要素Eのプロパティの物性の参照先を要素上記新物性データ作成手段241で作成された新物性データに変更する。また、モデルが積層シェル要素で作成されている場合には、強度が補正される層のプロパティの物性の参照先を変更する。
次に、全要素確認判定手段250において、モデルの全要素もしくは指定された要素全てが前記工程を終えていれば本発明の工程を終了し、要素が残っていれば、構成差異抽出工程220から繰り返し実施する。
100:計算機
101:ディスプレイ
102:キーボード
103:マウス
104:補助記憶装置
105:プログラム
106:形状データ
107:材料データ
108:データ読み出し手段
109:構成差異抽出工程
110:強度変化条件決定手段
111:強度物性変更手段
112:強度解析手段
113:出力手段
210:形状データ読み出し工程
211:形状データ取得手段
220:構成差異抽出工程
221:要素選択手段
222:隣接要素構成差異抽出工程
230:補正強度決定工程
231:補正判定手段
232:補正強度算出手段
240:強度物性変更工程
241:新物性データ作成手段
242:物性データ置き換え手段
250:全要素確認判定手段
301:要素
302:プロパティ
303:厚み
304:繊維方向
310:材料
311:弾性率
312:ポアソン比
313:強度
400:複合材料の全層の厚みと着目する1層の厚みの割合と、繊維方向の圧縮強度に関する補正強度データベース
500:積層板
501:座標系
502:角度θ
510:繊維
520:第1層目の積層
521:第2層目の積層
522:第2層目の積層
523:第3層目の積層
524:第4層目の積層
525:第5層目の積層
526:第6層目の積層
527:第7層目の積層
600:モデル
601:座標系
610:要素
700:複合材料の全層の弾性係数Q12と着目する1層の弾性係数Q12の割合と繊維方向の圧縮強度に関する補正強度データベース

Claims (11)

  1. 複合材料を用いた構造体の強度解析方法であって、
    前記構造体の数値解析モデルの各要素に関して、所定の要素の周りの要素との構成の差異を抽出する構成差異抽出工程と、
    前記構成の差異と材料強度との関係を示した補正強度データベースから前記構造体の数値解析モデルの各要素の補正強度を算出する補正強度決定工程と、
    前記構成差異抽出工程と前記補正強度決定工程から、数値解析モデルの中の該当する要素の物性情報に関して、強度物性を変更する強度物性変更工程を有する、複合材料を用いた構造体の強度解析方法。
  2. 前記構成差異抽出工程において、
    要素が積層シェル要素の場合に、同じ要素内の各積層間の構成の差異を調べる請求項1に記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法。
  3. 前記構成差異抽出工程において、
    前記構造体の数値解析モデルの各要素が持つ積層構成に関して、隣り合う積層間の材料方向の差と積層厚みを調べる請求項1または2に記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法。
  4. 前記構成差異抽出工程において、
    前記構造体の数値解析モデルの各要素が持つ積層構成に関して、隣り合う積層間の材料方向の差と弾性マトリクスの弾性係数のすべてもしくは一部の項を調べる請求項1または2に記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法。
  5. 前記構成差異抽出工程において、
    前記構造体の数値解析モデルの各要素が持つ積層構成に関して、隣り合う積層間の材料方向の差と積層厚みと弾性マトリクスの弾性係数のすべてもしくは一部の項を調べる請求項1または2に記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法。
  6. 前記補正強度決定工程において、
    材料方向と厚みと強度との関係を示した補正強度データベースから、前記補正強度データベースに記載された補正を適応する範囲に、記構成差異抽出工程にて抽出された材料方向と厚みの差異が含まれる場合に、強度を変化させる構成条件を決定する請求項1〜3のいずれかに記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法。
  7. 前記補正強度決定工程において、
    材料方向と弾性マトリクスの弾性係数のすべてもしくは一部の項と強度との関係を示した補正強度データベースから、前記補正強度データベースに記載された補正を適応する範囲に、記構成差異抽出工程にて抽出された材料方向と弾性係数もしくは一部の項が含まれる場合に、強度を変化させる構成条件を決定する請求項1、2および4のいずれかに記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法。
  8. 前記補正強度決定工程において、
    材料方向と積層厚みと弾性マトリクスの弾性係数のすべてもしくは一部の項と強度との関係を示した補正強度データベースから、前記補正強度データベースに記載された補正を適応する範囲に、記構成差異抽出工程にて抽出された材料方向と積層厚みと弾性係数もしくは一部の項が含まれる場合に、強度を変化させる構成条件を決定する請求項1、2および5のいずれかに記載の複合材料を用いた構造体の強度解析方法。
  9. 複合材料を用いた構造体の強度解析装置であって、
    構造体の数値解析モデルの各要素に関して、所定の要素の周りの要素との構成の差異を調べる構成差異抽出工程と、
    構成の差異と材料強度との関係を示した補正強度データベースから前記構造体の数値解析モデルの各要素の補正強度を算出する補正強度決定手段と、
    前記構成差異抽出工程と前記強度変化条件決定手段から、数値解析モデルの中の該当する要素の物性情報に関して、強度物性を変更する強度物性変更手段を有する、複合材料を用いた構造体の強度解析装置。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の強度解析方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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