JP2013092149A - 大気圏外空間を移動する物体の制御システム及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大気圏外空間移動する間、物体の姿勢を変え制御するシステム及び方法の提供。
【解決手段】大気圏外空間を移動する物体を制御するシステムが開示される。このシステムは、それらに限定されないが、圧力容器と、圧力容器に関連付けられ、燃焼中、圧力容器にガスを導くように構成された一対の固体推進燃料粒と、圧力容器と流体連絡する排気ノズルと、排気ノズルに結合され、排気ノズルを介してのガスの発散を選択的に遮断するように構成された弁とを含む。
【選択図】図1
【解決手段】大気圏外空間を移動する物体を制御するシステムが開示される。このシステムは、それらに限定されないが、圧力容器と、圧力容器に関連付けられ、燃焼中、圧力容器にガスを導くように構成された一対の固体推進燃料粒と、圧力容器と流体連絡する排気ノズルと、排気ノズルに結合され、排気ノズルを介してのガスの発散を選択的に遮断するように構成された弁とを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は一般に地球の大気の外側(大気圏外)を移動する物体に関し、より詳細には大気圏外空間を移動する物体を制御するシステム及びその方法に係るものである。
それらに限定されないが宇宙船、衛星、弾頭及び対弾道弾ミサイルを含めて、大気圏外空間を移動する物体は、従来、物体に備えられた1つ又は複数の排気ノズルを介してガスを導くガス放出制御システムを使用して制御されている。ガスが排気ノズルを通過すると、同じ大きさの逆方向の力が物体に作用し、それにより排気ガスの方向とは反対方向に物体が移動する。このようにして、大気圏外空間を移動する物体の姿勢及び速度ベクトルの両方を制御することができる。
従来、このようなガス放出制御システムは、物体を制御するために必要なガスを生成するために液体推進燃料又は固体推進燃料のいずれかを燃焼させている。いずれのタイプのシステムも、大気圏外空間を移動する際の物体の制御には適しているが、多大な改善の余地を残している。
例えば、従来の液体推進燃料は、自由にオン及びオフさせることができ、低圧ガス放出を生成するために極めて正確に制御できる点で有利であるが、これらの液体推進燃料は、腐食性が著しく高いことがよく知られている。この腐食性のため、液体推進燃料を使用しているシステムは漏れを起こしやすく、この漏れは、場合によっては人間にとって有毒となり得る。
従来の固体推進燃料は腐食性ではないので、容易に漏れは起こらない。しかしながら、固体推進燃料を利用するガス放出制御システムは、自由にオン及びオフできない。それどころか、固体推進燃料は、一度点火されると、推進燃料が完全に消費されつくすか、又は消火することができるまで点火された状態のままでなければならない。しかも固体推進燃料は、一度消火されると再点火することができない。したがって大気圏外空間を移動する物体を制御するために固体推進燃料を有効に使用するためには、固体推進燃料を連続的に燃焼させる反対向きのノズルを利用して、ノズルのオン又はオフと同じ目的を達成する反対向きの力を提供しなければならない。そのためには、固体推進燃料を自由にオン及びオフさせることができると仮定した場合に物体を制御するために必要な固体推進燃料よりもはるかに大量の固体推進燃料を消費しなければならない。
さらに、燃焼を維持するためには、比較的高い圧力に固体推進燃料をさらさなければならない。従来の固体推進燃料の例示的な圧力範囲は、3.4MPa(500psi)〜14MPa(2000PSI)である。圧力がこの例示的範囲よりも低下すると、固体推進燃料の燃焼を維持することができなくなり、炎が消えることになる。圧力がこの例示的範囲よりも高くなると、固体推進燃料の燃焼が過度に速くなって爆発することになる。この例示的範囲の下限端であっても、その圧力は比較的高いため、比較的小さい力のガス放出を物体に加えることは極めて困難である。
Geisler等によって提出された米国特許出願公開2009/0320443号(本明細書では「Geisler」と呼ぶ)に、上で説明した問題に対する解決法の1つが開示及び教示されている。Geislerは、対向粒(グレイン)固体推進燃料ロケット・エンジン(OGRE)における固体推進燃料の燃焼を制御するための固体推進燃料推進力制御システムを教示している。Geislerは、圧力容器中に互いに対向して配置された固体燃料と固体酸化剤に固体推進燃料が分割された対向粒ロケット・エンジンを開示している。固体燃料及び固体酸化剤は、これらの固体燃料及び固体酸化剤が互いに近づく方向に、又は互いに遠ざかる方向に移動できるように取り付けられる。固体燃料及び固体酸化剤は互いに十分に接近すると自動的に燃焼する。燃焼は、圧力容器内から排気ノズルを介して導かれ、物体に力が与えられ、それに応答して物体が移動する。固体燃料及び固体酸化剤が互いに遠ざかる方向に移動すると、燃焼が自動的に消え、物体に作用している力が自動的に停止する。燃焼を開始させるとともに停止させるこのプロセスは、必要に応じて何度でも繰り返すことができる。さらに、OGREエンジンを使用すると、比較的低い圧力で燃焼を維持することができる(例えば燃焼は、0.14MPa(20PSI)程度の低い圧力で維持できることが分かっている)。
Geislerは、ガス放出制御システムにおける従来の固体推進燃料の使用に関わる主要な問題を解決したが、Geislerは、依然として改善の余地を残している。例えば、大気圏外空間を移動する物体をGeislerが教示しているOGREエンジンを使用して制御する場合、複数の独立したOGREエンジンを物体の周囲の様々な位置に配置しなければならない。それは、Geislerの教示しているOGREエンジンは、別のOGREエンジンの固体燃料又は固体酸化剤を共用することができないことによるものである。したがって独立した各OGREエンジンは、物体が大気圏外空間を移動している間に消費されるであろう燃料及び酸化剤よりも多くの固体燃料及び固体酸化剤を保持しなければならない。したがって複数の独立したOGREエンジンを使用して大気圏外を移動する物体を制御するためには、物体は、予想される必要重量よりも重い重量を保持しなければならない。
本明細書においては、大気圏外空間を移動している間、物体の姿勢を変え制御するためのシステム及び方法が開示される。
第1の非制限的な具体例によれば、システムは、それらに限定されないが、圧力容器と、圧力容器に付随して、燃焼中、圧力容器にガスを導くように構成された一対の固体推進燃料粒(グレイン)と、圧力容器と流体連絡する排気ノズルと、排気ノズルに結合され、排気ノズルを介したガスの発散を選択的に遮断するように構成された弁とを含む。
別の非制限的な具体例によれば、システムは、それには限定されないが、第1の圧力容器を含む。システムは、さらに、互いに対向して配置された一対の固体推進燃料粒を含む。一対の固体推進燃料粒は、互いに所定の距離以内に位置すると燃焼し、互いに遠ざかる方向に移動すると消えるように構成されている。一対の固体推進燃料粒は、固体推進燃料粒が燃焼している間に生成されるガスが第1の圧力容器に入るように、第1の圧力容器に関連付けられている。システムは、さらに、一対の固体推進燃料粒を互いに近づく方向におよび互いから遠ざかる方向に選択的に移動させるように構成されたアクチュエータを含む。システムは、さらに、第1の圧力容器と流体連絡しており、第1の圧力容器からガスを排気するように構成された複数の排気ノズルを含む。システムは、さらに、それぞれ複数の排気ノズルに結合された複数の弁を含む。各弁は、それぞれの排気ノズルを通るガスの流れを選択的に遮断するように構成されている。システムは、さらに、複数の弁の各弁に動作可能に結合されたコントローラを含む。コントローラは、各弁を選択的に開閉するように構成されている。
別の非制限的な具体例によれば、この方法は、それらに限定されないが、燃焼を誘導するために一対の固体推進燃料粒を互いに近づく方向に移動させるステップと、燃焼によって形成されたガスを圧力容器に向けて導くステップと、ガスを圧力容器から排気ノズルを介して排気するために選択的に弁を開くステップであって、それにより物体の運動を達成できるステップを含む。
以下、本発明について、同様の数表示は同様の構成要素を表す以下の図面を参照して説明する。
以下の詳細な説明は、その性質が単なる例示的なものにすぎず、本開示又は本開示の用途及び使用法を制限することは意図されていない。さらに、上記背景技術又は以下の詳細な説明で提示されている何らかの理論によって拘束されることは意図されていない。
本明細書においては、大気圏外空間を移動する物体を制御する改良型システム及び方法が開示される。本明細書に開示されるシステム及び方法は、その全体を本明細書に援用するGeislerによって提出された米国特許公開第2009/0320443号の教示に改良を加えたものである。Geislerは、燃料及び酸化剤を2つの個別の塊に分割する固体推進燃料ロケット・エンジンを教示している。推進力を必要とする場合、Geislerは、燃料及び酸化剤を互いに近づく方向に移動させることができることを教示している。燃料及び酸化剤が互いに十分に接近すると、それらは自動的に燃焼してガスを生成する。このガスが排気ノズルを介して導かれ、それにより推進力が生成される。燃料及び酸化剤が互いに向かって一層近くへ移動すればするほど、ますます燃焼速度が速くなり、延いてはますます推進力が大きくなる。燃料及び酸化剤が互いに遠ざかれば遠ざかるほど、ますます燃焼速度が遅くなり、延いてはますます推進力が小さくなる。燃料と酸化剤との距離が長くなりすぎると燃焼が消え、推進力が停止する。
本明細書において開示されるシステム及び方法には、GeislerのOGREエンジンの個別の燃料及び酸化剤が利用されている。しかしながら、ガスが生成される際に、そのガスをノズルを介して単純に速やかに排気することによって推進力を生成し、次に、燃焼速度を速くし、或いは遅くすることによって推進力の大きさを制御する代わりに、本発明によるシステム及び方法によれば、加圧ガスを保持するように設計及び構築された圧力容器にガスが収集される。次に、圧力容器に蓄積されている加圧ガスを、圧力容器に関連付けられた複数の排気ノズルのうちの任意の1つ(又は複数)を介して選択的に排気することができる。各排気ノズルは、ガスの流れを交互に許容し遮断するために選択的に開閉できる関連する弁を有している。ガスを選択された1つ又は複数の排気ノズルを介して排気することにより、物体が大気圏外空間を移動する際に、その物体の所望の運動(例えば回転及び並進)に必要な推進力を物体上の任意の位置に導くことができる。ガスを1つ又は複数の所望の排気ノズルを介して選択的に排気するために、システムは、各ノズルと結合している複数の弁の開閉を制御するためのコントローラを含む。コントローラは、燃料及び酸化剤の互いに向かう運動及び互いに遠ざかる運動を制御することも可能である。
本明細書において開示される、大気圏外空間を移動する物体を制御するシステム及び方法は、以下の詳細な説明を精査すると共に、本出願に添付されている図を精査することによってより深く理解されよう。
図1は、大気圏外空間を移動する物体を制御するシステム20の一実施例の略図である。システム20は、複数の用途での使用に適応している。例えばシステム20は、有人宇宙機、無人宇宙機、衛星、大陸間弾道弾の弾頭、対弾道弾ミサイル、宇宙ベースの望遠鏡、宇宙ステーション又はそれらの部材などの運動を制御するために使用できる。図示されている例では、システム20は、固体推進燃料粒22、固体推進燃料粒24、アクチュエータ26、アクチュエータ28、複数の排気ノズル30、31、32、33、34、35、36、37、38、40、42及び44(排気ノズル35、37及び44を観察するためには図4を、排気ノズル31を観察するためには図4を参照されたい)、これらの複数の排気ノズルに結合されている複数の弁46、48、50、51、52、54、56及び58、圧力センサ60、圧力容器62(図1に示されている例では、大気圏外を移動中に制御される物体でもある)及びコントローラ64を含む。システム20の他の例は、それらに限定されないが、電子データ記憶装置、ユーザ入力デバイス、無線通信デバイス並びに姿勢及び/又は配向検出デバイスを含めて、追加部材を含むことができる。
固体推進燃料粒22及び固体推進燃料粒24は、互いに極めて接近すると自動的に燃焼してガスを生成する固体推進燃料を備えている。図示されている例では、固体推進燃料粒22は燃料を備えており、一方、固体推進燃料粒24は酸化剤を備えている。固体推進燃料粒22及び固体推進燃料粒24などの固体推進燃料粒の使用についてはGeislerに詳細に開示及び説明されており、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
アクチュエータ26、28は、固体推進燃料粒22及び固体推進燃料粒24を互いに向かって移動させ、また、互いに遠ざかる方向に移動させるために有効な任意のデバイスを備えることができる。いくつかの例では、アクチュエータ26及び28は、電子コントローラによって送信される電子信号などの電子信号を受信すると、それに応答して固体推進燃料粒22及び24を前進及び/又は後退させるように構成される、電子的に駆動できるアクチュエータを備える。システム20との使用に適したアクチュエータの例には、それらに限定されないが、電気機械アクチュエータ、圧電アクチュエータ、水圧アクチュエータ又は任意の他のサーボ型アクチュエータがあり、必ずしもその必要はないが、閉位置ループ構成であることが好ましい。
図示されている例では、固体推進燃料粒22及び24並びにアクチュエータ26及び28は、圧力容器62内に配置されている。この構成によれば、固体推進燃料粒22及び24の燃焼によって生成されるガスを自動的に圧力容器62の内側の部分に導入できる。いくつかの例では、場合によっては、アクチュエータ26及び28を圧力容器62内の位置であって、アクチュエータ26及び28が圧力容器62のシステム20の重心及び/又はシステム20によって制御される物体の重心に近い位置で固体推進燃料粒22及び24を支持できる位置に配置することが望ましい。以下で説明する例などの他の例では、固体推進燃料粒及びそれらのそれぞれの各アクチュエータは、システムの圧力容器に対して外部に取り付けることができる。このような例では、場合によっては、固体推進燃料粒の燃焼によって生成されるガスを圧力容器へ導くためのダクトが必要である。
排気ノズル30、31、32、33、34、36、38、40、42及び44(排気ノズル31を観察するためには図4を参照されたい)は、それぞれ、圧力容器62の内側の部分と流体連絡するのに有効な、またさらに圧力容器62の内側の部分からのガス又は他の流体の排気に有効な任意の適切な排気ノズルを備えることができる。これらの排気ノズルは、ガスの方向を変えることなく圧力容器62の内側の部分からガスを通気するように構成でき(例えば排気ノズル30、32、38、40、42及び44、排気ノズル44を観察するためには図4を参照されたい)、或いはこれらの排気ノズルは、ガスを圧力容器62から通気する際にその流れの方向を変えるように構成できる(例えば排気ノズル34、35、36及び37、排気ノズル35及び37を観察するためには図4を参照されたい)。大気圏外を移動中にシステム20によって制御される物体が圧力容器自体(対弾道弾ミサイルなど)である例では、ガスを排気する際に異なるタイプの運動を生成するために、圧力容器62上の様々な位置に排気ノズルを配置できる。大気圏外を移動する際に圧力容器62に与えることのできる異なるタイプの運動については、以下で説明し、図示する。システム20によって制御される物体が圧力容器62以外の物体(有人宇宙機など)である例では、ガスを排気する際に異なるタイプの運動を生成するために、その物体自体の様々な位置に排気ノズルを配置することができる。
図1に示されている例では、弁46、48、50、51、52、54、56及び58は、それぞれ単一のそれぞれの排気ノズルに結合されている。他の例では、単一の弁を複数の排気ノズルに結合することができる。弁46、48、50、51、52、54、56及び58は、関連する排気ノズルを通る通路を選択的に開閉するために有効な任意のデバイスを備えることができる。いくつかの例では、弁46、48、50、51、52、54、56及び58は、電子コントローラによって送信される電子信号などの電子信号を受信すると、それに応答して関連する排気ノズルを開き、及び/又は閉じるように構成される、電子的に駆動できる弁を備えている。システム20との使用に適した弁の例には、それらに限定されないが、ノズルのど面積が変化してガス流の体積を制御するピントル弁又はニードル弁がある。
圧力センサ60は、圧力容器62内の雰囲気圧の測定に有効な任意のデバイスであってもよい。いくつかの例では、圧力センサ60は、圧力容器62内で測定された圧力を表す電子信号を生成するように構成できる。
コントローラ64は、アルゴリズムを実行し、ソフトウェア・アプリケーションを実行し、サブルーチン及び/又はロードされるサブルーチンを実行し、また、任意の他のタイプのコンピュータ・プログラムを実行するように構成された任意のタイプのコンピュータ、コンピュータ・システム又はマイクロプロセッサであってもよい。コントローラ64は、単一のプロセッサ又は調和して作用する複数のプロセッサを備えることができる。いくつかの例では、コントローラ64は、システム20と排他的に使用するための専用コントローラであってもよく、他方、他の例では、コントローラ64は、システム20によって制御される物体上の他のシステムと共用でき、或いはこれらの他のシステムに結合することができる。図に示されている実施例では、コントローラ64は圧力容器62内に取り付けられているが、他の例では、コントローラ64は、圧力容器62の外部表面に取り付けることができ、或いはシステム20によって制御される物体上のどこか別の場所に取り付けることができることを理解されたい。
コントローラ64は、圧力センサ60に通信可能に結合されており、アクチュエータ26及び28並びに弁46、48、50、51、52、54、56及び58に動作可能に結合されている。このような通信可能及び動作可能に結合することは、有線接続及び無線接続の両方を含む任意の適切な伝送手段を使用することによって実施できる。例えば、各部材は、同軸ケーブルを介して、或いは信号を伝えるために有効な任意の他のタイプの有線接続を介してコントローラ64に物理的に接続することができる。図1に示されている例では、コントローラ64は、リード線66を介して他の複数の部材の各々に直接動作可能に結合されている。リード線66は、図1にのみ示されており、簡潔にするために他の図の各々には示されていない。他の例では、各部材は、ビークル・バスを介して間接的にコントローラ64に動作可能に結合できる。さらに他の例では、各部材は、ブルートゥース接続、WiFi接続などを介してコントローラ64に無線で動作可能に結合できる。
通信可能及び/又は動作可能に結合することにより、コマンド、命令、問合せ及び他の信号をコントローラ64と他の複数の部材の各々との間で伝送するための通路が提供される。コントローラ64は、この結合を介して他の複数の部材の各々を制御し、及び/又はこれらの部材の各々と通信することができる。上で説明したこれらの他の複数の部材の各々は、コントローラ64とインタフェースし、且つ、連携するように構成できる。例えばアクチュエータ26及び28は、コントローラ64からコマンドを受け取るように構成でき、このようなコマンドに応答して固体推進燃料粒22及び24を互いに近づく方向に、或いは互いから遠ざかる方向に移動させることができる。同様に、弁46、48、50、51、52、54、56及び58は、このようなコマンドに応答してそれぞれの各排気ノズルを開き、及び/又は閉じることができる。さらに、圧力センサ60は、このような結合を介して、圧力容器62の内圧を表す信号をコントローラ64に伝送することができる。
いくつかの例では、コントローラ64は、大気圏外空間を移動している物体の制御に関連する外部機関から命令を受け取るように構成することができる。例えば、地上ベース送信機、機上送信機及び/又は宇宙ベース送信機から無線命令をコントローラ64に伝送することができる。コントローラ64は、このような無線命令を受け取るように、また、このような無線命令を受け取ると、無線で受け取った命令を実行するために必要な命令をシステム20の様々な弁及びアクチュエータに提供するように構成することができる。他の例では、コントローラ64は、命令及び/又は誘導目標を得るために、物体上に配置されているか、或いはシステム20に結合されている電子記憶装置と対話するように構成することができる。他の例では、コントローラ64は、システム20の様々な部材にコマンドを提供する際にコントローラ64が利用することができる誘導目標を使用してプログラムすることができる。
コントローラ64は、誘導目標を実行するために、アクチュエータ26及び28並びに弁46、48、50、51、52、54、56及び58にコマンドを提供するように構成されている。例えばコントローラ64は、燃焼速度を速くし、それにより圧力容器62内の雰囲気圧を高くするために、固体推進燃料粒22及び24を互いに近づく方向に移動させるようにアクチュエータ26及び28に命令するように構成されている。さらに、コントローラ64は、圧力容器62に、或いはシステム20によって制御されている別の物体に所望の推進力を与えるために、それ自体で、或いは他の弁と組み合わせて開くように、弁46、48、50、51、52、54、56及び58のうちの1つ又は複数に命令するように構成されている。さらに、コントローラ64は、推進力が不要になると、これらの弁のうちの1つ又は複数に閉じるように命令するように構成されている。また、コントローラ64は、圧力容器62内の所望の燃焼速度及び/又は定圧を維持し、それにより複数の排気ノズルのうちの1つ又は複数を介してガスを排気することによって生じる圧力容器62内のあらゆる圧力降下を相殺するために、固体推進燃料粒22及び24が互いに近づく方向に移動する速度を制御するように構成することも可能である。コントローラ64は、さらに、固体推進燃料粒22及び24を互いに近づく方向に或いは互いに遠ざかる方向に移動させるべき速度を決定する際に、圧力センサ60によって生成される信号を利用するように構成できる。
また、図1には、一組の軸線68が示されている。この一組の軸線68は、X軸69、Y軸71及びZ軸73である。この一組の軸線68は、観察者に配向を示し、それにより以下の説明に対する理解を補助するために提供されている。本明細書においてX軸、Y軸及び/又はZ軸という場合は、すべてこの一組の軸線68で示されている軸をいう。
図2〜図7は、システム20の様々な動作モードを示したものである。引き続いて図1を参照すると、リード線66は、図1〜図7ではそのほとんどすべてが省略されている。リード線66は、図を簡潔にするために除去されている。図2〜図7に示されるシステム20の様々部材は、図1に示されているように依然として互いに通信可能及び動作可能に結合されていることを理解されたい。
図2では、コントローラ64は、固体推進燃料粒22及び24を互いに近づく方向に移動させる方法で駆動する命令をアクチュエータ26及び28に送っている。図示されているように、固体推進燃料粒22及び24が合体すると、それらは自動的に燃焼する。この燃焼によって固体推進燃料粒22及び24の一部がガス状態になる。これは、弁46、48、50、51、52、54、56及び58がすべて閉じている間に生じる。したがって固体推進燃料粒22及び24の燃焼によって形成されるガスは、実質的にすべて圧力容器62内に保持され、圧力容器62の内側の部分を満たし、延いては圧力容器62内の内圧が高くなる。内圧のこの上昇は、圧力容器62の外部表皮の内部表面に作用する外向きの力を表す矢印70によって示されている。圧力容器62の内圧の上昇は、圧力センサ60によって検出及び測定される。図に示されている例では、圧力センサ60は、圧力容器62の内圧を表す信号72を生成するように構成されており、さらに、信号72をコントローラ64に伝送するように構成されている。
コントローラ64は、信号72を受け取るように構成されており、さらに、アクチュエータ26及び28に送られる命令を必要に応じて改定するように構成されている。例えば、圧力容器62内の内圧が所望の速度よりも速い速度で上昇している場合、コントローラ64は、固体推進燃料粒22及び24がさらに離れた位置に位置するように、アクチュエータ26及び28に送られる命令を修正するように構成できる。コントローラ64をこのように構成することにより、固体推進燃料粒22及び24の燃焼速度を遅くでき、延いては圧力容器62の内圧が上昇する速度を遅くできる。それに対して、圧力容器62内の内圧が所望の速度よりも遅い速度で上昇している場合、コントローラ64は、固体推進燃料粒22及び24がより近くに位置するように、アクチュエータ26及び28に送られる命令を修正するように構成できる。コントローラ64をこのように構成することにより、固体推進燃料粒22及び24の燃焼速度を速くでき、延いては圧力容器62の内圧が上昇する速度を速くできる。
さらに、コントローラ64は、圧力容器62が大気圏外空間を移動する際に、その速度ベクトル、姿勢又は両方を変化させるために、弁46、48、50、51、52、54、56及び58のうちの1つ又は複数を駆動するように構成される。圧力容器62内の内圧が所定の圧力に到達すると、コントローラ64は、以下で詳細に説明するように、圧力容器62の速度ベクトル及び/又は姿勢が変化することになる命令を弁46、48、50、51、52、54、56及び58のうちの1つ又は複数に伝送できる。このようにして、コントローラ64によって圧力容器62の飛行経路及び配向を制御できる。このような制御を実施することによって大気圏外空間を移動する物体を操縦することができ、それにより広範囲にわたる様々なタスクを達成できる。例えば、システム20を使用して弾頭を誘導し、到来する大陸間弾道弾を要撃することができ、また、再突入手順を開始する前に有人宇宙機を新しい方向に向けることができる。さらに、固体推進燃料粒22及び24は、従来の固体推進燃料と比較すると著しく低い圧力下で燃焼を維持できるため、極めて繊細な操縦の実行を可能にする極めて微妙な誘導入力を物体に与えることができる。例えば、システム20によって宇宙船を誘導し、別の宇宙船とのドッキングを可能にするドッキング手順を実行でき、また、レンズが遠方の点光源に向いた状態を維持するように、望遠鏡を連続的に新しい方向に向けることができる。次に、システム20によって提供できる制御入力のタイプの実例について説明する。
図3では、コントローラ64は、排気ノズル32を開く方法で弁48を駆動する命令を弁48に送っている。弁48を開くことにより、図示されるように圧力容器62内に保持されているガスが圧力容器62から漏出する。排気ノズル32からの外側に向かうガスの流れにより、図に示されている方向の反力F1が圧力容器62に作用する。この力F1によって圧力容器62がZ軸の周りに、矢印74によって示されている方向に回転する。この運動は、例えば圧力容器62の前方部分(カメラ・レンズを取り付けることができる)を目標に向けて維持することが望ましい状況では場合によっては有用である。圧力容器62が所望のピッチ角に到達すると、コントローラ64は、弁を閉じる命令を弁48に送ることができ、さらに、弁を開いて排気ノズル38からガスを漏出させる命令を弁54に送ることができ、したがってZ軸の周りの圧力容器62の回転を停止させる反対向きの力が生成される。
図4では、コントローラ64は、排気ノズル35及び36を制御している弁に、これらの弁を開いて圧力容器62内のガスを漏出させる命令を送っている。排気ノズル35からのガスの漏出によって反力F2が圧力容器62に作用し、排気ノズル36からのガスの漏出によって反力F3が圧力容器62に作用する。図に示されているように、排気弁35及び36は、圧力容器62の軸中心点76から半径方向にオフセットしている。したがって逆方向に作用する力F2及びF3によって圧力容器62が、圧力容器62の軸中心を通るX軸の周りに回転する。この運動は、例えば有人宇宙機の窓の観察角を変えることが望ましい状況では、場合によっては有用である。圧力容器62が所望のロール角に到達すると、コントローラ64は、排気ノズル35及び36に結合されている弁に弁を閉じる命令を送ることができ、さらに、排気ノズル34及び37に結合されている弁に弁を開いて排気ノズル34及び37からガスを漏出させる命令を送ることができ、したがってX軸の周りの圧力容器62の回転を停止させる反対向きの力が生成される。
図5では、コントローラ64は、弁46を開いて圧力容器62内のガスを漏出させる命令を弁46に送っている。排気ノズル30からのガスの漏出によって反力F4が圧力容器62に作用する。排気弁30は、反力F4が圧力容器62のほぼ重心に作用するように配置されている。したがって反力F4によって圧力容器62がY軸に沿って並進し、したがって圧力容器62が大気圏外空間を通って右側から左側(図5の遠景から)へ移動する際に、その速度ベクトルに影響を及ぼす。この運動は、例えば到来する弾道ミサイル弾頭などの別の物体を要撃する経路上に物体を維持することが望ましい状況では、場合によっては有用である。圧力容器62が所望の量だけY軸に沿って並進すると、コントローラ64は、弁を閉じる命令を弁46に送ることができ、さらに、弁を開いて排気ノズル40からガスを漏出させる命令を弁56に送ることができ、したがってY軸に沿った圧力容器62の並進を停止させる反対向きの力が生成される。
図6は、圧力容器62内の内圧が所定の閾値よりも高くなった状況を示したものである。ガスは排気ノズル30を介して通気されているが、排気ノズル30からガスを排気する速度は、固体推進燃料粒22及び24が圧力容器62の内側の部分に新しいガスを加える速度よりも遅くすることができ、したがって圧力容器62内の内圧が高くなる。この高くなった圧力は圧力センサ60によって検出される。圧力センサ60は、リード線66に沿ってコントローラ64に伝送される信号72を生成する。コントローラ64は、信号72を受け取ると、圧力容器62内の圧力が所定の閾値よりも高くなったことを決定するように構成されており、さらに、改善ステップを実施するように構成されている。
一定の燃焼速度を維持するために一定の速度で固体推進燃料粒22及び24を互いに向かって移動させるようにコントローラ64がアクチュエータ26及び28に命令した一例では、コントローラ64は、固体推進燃料粒22及び24の互いに向かう移動をアクチュエータ26及び28に停止させる命令をアクチュエータ26及び28に送ることによって超過圧力状態を改善するように試行することができる。このシナリオによれば、固体推進燃料粒22及び24が燃焼を継続する際に、固体推進燃料粒22及び24を構成している材料が燃焼によって消費されるにつれて、固体推進燃料粒22及び24の近接端が自動的に離れる方向に移動する。固体推進燃料粒22及び固体推進燃料粒24のそれぞれの末端と末端との間隙は、燃焼が継続するにつれて燃焼を維持するには過剰に広くなる。その頃には炎が消え、圧力容器62内に追加ガスは導入されない。圧力容器62内に残っているガスはすべて排気ノズル30から排気される。圧力容器62の内圧が閾値圧力未満になると、コントローラ64は、弁を閉じてそれ以上の圧力容器62内の内圧の低下を防止する命令を弁46に送ることができる。
別の例では、コントローラ64は、固体推進燃料粒22及び24の互いに向かう前進を停止させるように構成できるだけでなく、固体推進燃料粒22及び24を互いに遠ざかる方向に移動させる命令をアクチュエータ26及び28に送ることができるようにコントローラ64を構成することも可能である。この改善アクションにより、より速やかに燃焼を停止し、圧力容器62内へのあらゆる追加ガスの導入を終了させることができる。別の例では、コントローラ64は、追加排気ノズルを開いて圧力容器62からガスを速やかに通気させるように構成できる。この改善アクションにより、圧力容器62内の内圧を速やかに低くできる。
図7は、コントローラ64が、固体推進燃料粒22及び24を互いに遠ざかる方向に移動させるようにアクチュエータ26及び28に命令し、弁を開いて圧力容器62からガスを通気させるように弁48、50、52、54及び56に命令することによって図6に示されている超過圧力状態を改善した後の圧力容器62を示したものである。図7に示されているように、固体推進燃料粒22及び24の燃焼が停止し、圧力容器62内への新しいガスの導入が除去されている。やはり図7に示されているように、排気ノズル30、32、34、36、38及び40からガスが排気され、圧力容器62内の内圧が低下している。
図1〜図7に関して、コントローラ及びアクチュエータは、圧力容器の内部に位置しているものとして説明した。他の例では、圧力容器の外部にコントローラ及びアクチュエータの一部(例えば各アクチュエータの電子エレメント)を配置できることを理解されたい。アクチュエータを制御するための圧力容器の物理的な侵入は、密閉された静止インタフェース又は可動インタフェースを使用することによって達成できる。可動インタフェースは、Oリングを介して、或いは同様の機構を介して密閉することができる。
図8は、大気圏外空間を移動する物体82を制御するためのシステムの代替例80を示したものである。図8に示されているように、物体82は、有人宇宙飛行に使用できる宇宙カプセルを備えており、代替例80は、この宇宙カプセルの内部に取り付けられている。
引き続いて図1〜図7を参照すると、代替例80はシステム20と類似している。例えば代替実施例80は、互いの距離が所定以内になると燃焼する固体推進燃料粒22及び24、並びに固体推進燃料粒22及び24を互いに近づく方向に移動させ、また、互いに遠ざかる方向に移動させるように構成されたアクチュエータ26及び28を含む。また、代替例80は、固体推進燃料粒22及び24の燃焼によって生成される加圧ガスを貯蔵するように設計及び構成された圧力容器84を含む。代替例80では、固体推進燃料粒22及び24は圧力容器84内に配置されている。また、代替例80は、圧力容器84からの加圧ガスの排気と、圧力容器84内への加圧ガスの保持を交互に実施するために選択的に開閉するように構成された弁86、88、90、92、94、96、98及び100を含む。また、代替例80は、様々なアクチュエータ及び弁の駆動を統制するコントローラ64を含む。図1〜図7の場合と同様、コントローラ64をアクチュエータ及び弁に通信可能/動作可能に結合しているリード線は、簡潔のために図から省略されている。さらに、圧力センサは図8には示されていないが、代替例80も、圧力容器84の内部の圧力を測定し、内圧を表す信号をコントローラ64に送るように構成された圧力センサをも含むことができることを理解されたい。
代替例80は、代替例80が弁86、88、90、92、94、96、98及び100に対応する位置で圧力容器84に結合されたダクト102、104、106、108、110、112、114及び116を含む点でシステム20とは異なっている。さらに、システム20は圧力容器62の周囲に沿った様々な位置に配置された排気ノズルを含むのに対し、代替例80は、物体82の周囲に沿った様々な位置に、圧力容器84から離れて配置された排気ノズル118、120、122、124、126、128、130及び132を含む。ダクト102、104、106、108、110、112、114及び116は、排気ノズル118、120、122、124、126、128、130及び132をそれぞれ弁86、88、90、92、94、96、98及び100に接続している。この方法で構成された代替例80は、物体82の周囲に沿った、排気ノズルが配置される様々な位置に加圧ガスを引き渡すことができる。したがって、複数の弁のうちの1つ又は複数が開くと、加圧ガスがそれぞれの各排気ノズルに向かって導かれ、そこで加圧ガスが大気圏外空間に吐き出される。加圧ガスのこの放出により、システム20の場合のように圧力容器84に作用する代わりに物体82に直接作用する反力が生成される。代替例80の使用により、比較的小さい圧力容器を使用して比較的大きい宇宙機又は他の物体を制御できる。
図9は、大気圏外空間を移動する物体を制御するシステムの代替例140を示したものである。引き続いて図1〜図8を参照すると、代替例140と代替例80との主な相違は、代替例140では、固体推進燃料粒22及び24並びにそれらのそれぞれの各アクチュエータ26及び28が圧力容器84から除去され、二次圧力容器142内に配置されていることである。固体推進燃料粒22及び24が互いに近づく方向に移動すると、それらの燃焼によって生成されたガスがダクト144を介して圧力容器84へ導かれ、そこで、後に排気ノズル118、120、122、124、126、128、130及び132に引き渡すために貯蔵される。固体推進燃料粒22及び24を圧力容器84の内側の部分から除去することにより、消費された固体推進燃料粒22及び24を容易に交換することができる。
図10は、大気圏外空間を移動する物体を制御する方法146の一実施例を示すブロック図である。引き続いて図1〜図9を参照すると、方法146は、上で説明したシステム20、代替実施例80及び/又は代替実施例140と共に使用することができ、或いは燃料及び酸化剤が分離されており、互いに所定の距離より近くに移動されると燃焼して燃焼及びガスを生成し、このガスが圧力容器に貯蔵されるようになっている固体推進燃料を利用する任意の他のシステムと共に使用できる。
ブロック148で、一方が燃料を備え、他方が酸化剤を備える一対の固体推進燃料粒が互いに近づく方向に移動され、燃焼が誘導される。この燃焼により、大気圏外空間を移動する物体の運動を制御するために使用できるガスが生成される。
ブロック150で、燃焼によって形成されたガスが圧力容器へ導かれる。圧力容器は、加圧ガスを貯蔵するように設計及び構成されている。いくつかの実施例では、圧力容器は、大気圏外空間を移動する際に制御すべき物体であってもよく、他の実施例では、圧力容器は、制御すべき物体上に取り付けられた部材であってもよい。圧力容器は、システム20に関連して上記で説明したように複数の弁及び排気ノズルを含むことができる。別法としては、圧力容器は、加圧ガスを離れた場所に配置されている排気ノズルへ導くように構成されたダクトへのアクセスを制御する複数の弁を含むことも可能である。
ブロック152で、加圧ガスを圧力容器から排気ノズルを介して排気するために、圧力容器に関連付けられた複数の弁が選択的に開かれる。このような弁の制御は、上記で説明したコントローラ64などのコントローラによって管理することができる。加圧ガスを排気ノズルを介して排気することにより、大気圏外空間を移動する物体を制御するために使用できる反力が得られる。
ブロック154で圧力容器の内圧が測定される。これは、上記で説明した圧力センサ60などの圧力センサを使用して達成できる。
ブロック156で、上記一対の固体推進燃料を互いに向かって、圧力容器内を所望の内圧に維持するための十分な速度で移動させることができる。例えば、固体推進燃料の互いに向かう運動は、圧力容器内の加圧ガスを1つ又は複数の排気ノズルを介して排気する際に検出されるか、或いは予想される圧力容器内の加圧ガスのあらゆる圧力降下を相殺するために、必要に応じて加速することができる。別の例では、互いに遠ざかる方向に固体推進燃料を移動させて燃焼を消すことができ、それにより排気ノズルに接続されているすべての弁が閉じることになる加圧容器へのあらゆる追加ガスの追加が防止される。
ブロック158で、圧力容器内の加圧ガスが所定の閾値を超えたことが決定されると、改善アクションを取ることができる。例えば、加圧容器へのそれ以上のガスの追加を防止するために、互いに遠ざかる方向に固体推進燃料を移動させることができる。さらに、複数の排気ノズルのうちの1つ又は複数に結合されている複数の弁のうちの1つ又は複数を開いて加圧ガスを放出し、それにより加圧容器内の圧力を低くすることも可能である。
以上、本発明の上記詳細説明において、少なくとも1つの例示的実施例について提示したが、極めて多くの変形形態が存在することを理解されたい。また、上記1つ又は複数の例示的実施例は単なる実例にすぎず、本発明の範囲、適用可能性又は構成を制限することは一切意図されていないことをも理解されたい。それどころか、上記詳細説明は、本発明の例示的実施例を実施するための便利なロード・マップを当業者に提供している。特許請求の範囲に示されている本発明の範囲を逸脱することなく、例示的実施例で説明されている構成要素の機能及び配置に様々な変更を加えることができることを理解されたい。
Claims (20)
- 大気圏外空間を移動する物体を制御するシステムであって、
圧力容器と、
前記圧力容器に関連付けられ、燃焼中、前記圧力容器にガスを導くように構成された一対の固体推進燃料粒と、
前記圧力容器と流体連絡する排気ノズルと、
前記排気ノズルに結合され、前記排気ノズルを介してのガスの発散を選択的に遮断するように構成された弁と
を備えるシステム。 - 大気圏外空間を移動する物体を制御するシステムであって、
第1の圧力容器と、
互いに対向して配置された一対の固体推進燃料粒であって、互いに所定の距離以内に位置すると燃焼し、互いから遠ざかる方向に移動すると消えるように構成され、一対の固体推進燃料粒が燃焼している間に生成されたガスが前記第1の圧力容器に入るように、前記第1の圧力容器に関連付けられた一対の固体推進燃料粒と、
前記一対の固体推進燃料粒を互いに近づく方向に選択的に移動させ、また、互いから遠ざかる方向に選択的に移動させるように構成されたアクチュエータと、
前記第1の圧力容器と流体連絡しており、前記第1の圧力容器からガスを排気するように構成された複数の排気ノズルと、
それぞれが前記複数の排気ノズルに結合された複数の弁であって、各弁が、それぞれの排気ノズルを通るガスの流れを選択的に遮断するように構成された複数の弁と、
前記複数の弁の各弁に動作可能に結合されたコントローラであって、各弁を選択的に開閉するように構成されたコントローラと
を備えるシステム。 - 前記複数の排気ノズルが前記第1の圧力容器に直接接続されている、請求項2に記載されたシステム。
- 前記複数の排気ノズルのうちの1つの排気ノズルが、反力が前記物体の重心を通る方向にガスを排気するように配置されている、請求項3に記載されたシステム。
- 前記複数の排気ノズルのうちの1つの排気ノズルが、前記物体の移動方向に対して前記物体の後部に配置され、且つ、前記物体がX軸の周りに回転するようにさらに配置される、請求項3に記載されたシステム。
- 前記複数の排気ノズルのうちの1つの排気ノズルが、前記物体の移動方向に対して前記物体の後部に配置され、且つ、前記物体がZ軸の周りに回転するようにさらに配置される、請求項3に記載されたシステム。
- 前記複数の排気ノズルが前記第1の圧力容器から間隔を隔てて配置され、前記複数の排気ノズルの各排気ノズルがダクトを介して前記第1の圧力容器に接続されている、請求項2に記載されたシステム。
- 前記一対の固体推進燃料粒が前記第1の圧力容器内に配置される、請求項2に記載されたシステム。
- 前記第1の圧力容器が前記一対の固体推進燃料粒によって占有される体積よりも実質的に大きい体積を有する、請求項8に記載されたシステム。
- 前記一対の固体推進燃料粒が第2の圧力容器内に配置され、前記第2の圧力容器が前記第1の圧力容器と流体連絡し、前記一対の固体推進燃料粒の燃焼が前記第1の圧力容器へガスを導くようになっている、請求項2に記載されたシステム。
- 前記一対の固体推進燃料粒のうちの第1の固体推進燃料粒が燃料を備え、前記一対の固体推進燃料粒のうちの第2の固体推進燃料粒が酸化剤を備える、請求項2に記載されたシステム。
- 前記コントローラが、前記アクチュエータにさらに動作可能に結合され、前記一対の固体推進燃料粒を互いに近づく方向に移動させ、且つ、互いから遠ざかる方向に移動させるように前記アクチュエータを制御するようにさらに構成される、請求項2に記載されたシステム。
- 前記第1の圧力容器に関連付けられた圧力センサをさらに備え、前記圧力センサが前記第1の圧力容器の内圧を測定し、且つ、前記第1の圧力容器の前記内圧を表す信号を生成するように構成される、請求項2に記載されたシステム。
- 前記圧力センサが前記コントローラに通信可能に結合され、また、前記コントローラが前記信号を受け取るように構成される、請求項13に記載されたシステム。
- 前記コントローラは、前記内圧が所定の閾値を超えると前記複数の弁のうちの1つ又は複数の弁を開くように構成される、請求項14に記載されたシステム。
- 前記コントローラが前記アクチュエータにさらに動作可能に結合され、且つ、前記内圧が所定の閾値を超えると前記一対の固体推進燃料粒を互いから遠ざかる方向に移動させるように前記アクチュエータを制御するようにさらに構成される、請求項14に記載されたシステム。
- 前記コントローラが前記アクチュエータにさらに動作可能に結合され、且つ、前記第1の圧力容器の前記内圧を所望のレベルに維持するのに有効な速度で前記一対の固体推進燃料粒を互いに近づく方向に移動させるように前記アクチュエータを制御するようにさらに構成される、請求項14に記載されたシステム。
- 大気圏外空間を移動する物体を制御する方法であって、
燃焼を誘導するために一対の固体推進燃料粒を互いに近づく方向に移動させるステップと、
前記燃焼によって形成されたガスを圧力容器に向けて導くステップと、
前記ガスを前記圧力容器から排気ノズルを介して排気するために選択的に弁を開くステップであって、それにより前記物体の運動を達成することができるステップと
を含む方法。 - 前記圧力容器の内圧を測定するステップ、及び
前記圧力容器内を所望の内圧に維持する速度で前記一対の固体推進燃料粒を互いに近づく方向に移動させるステップをさらに含む、請求項18に記載された方法。 - 前記圧力容器の内圧を測定するステップ、及び
前記圧力容器内で測定した前記内圧が所定の閾値を超えると、前記一対の固体推進燃料粒を互いから遠ざかる方向に移動させるステップをさらに含む、請求項18に記載された方法。
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