以下、本発明に係る電動車両用充電装置を、図面を参照しながら説明する。但し、本発明は以下に説明される実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
また、本発明の開示において提供される図面は、本発明の説明を意図したものであり、適当な縮尺を示すことを意図したものではないことを理解すべきである。また、それぞれの図面において、同一又は類似する機能を有する構成要素には、同一又は類似する符号が付される。したがって、先に説明した構成要素と同一又は類似する機能を有する構成要素に関しては、改めて説明をしないことがある。
以下、図1〜9を参照して、本発明に係る実施形態に従う電動車両用充電装置について説明する。まず、図1〜3を参照して、電動車両用充電装置1の構成について順に説明する。図1(a)は、電動車両用充電装置1の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の矢印Aの方向から見た電動車両用充電装置1の平面図であり、図1(b)において矢印Bの方向が電動車両用充電装置1の正面と対向する方向である。図2は、電動車両用充電装置1のブロック図である。
図1(a)を参照すると、電動車両用充電装置1は、筐体2と、筐体2の上面に形成される天面3と、筐体2の側面の一部に形成される正面部4と、天面3と正面部4との間に形成される庇部5を有する。さらに、電動車両用充電装置1は、対人センサ11と、表示部照明12a、カードリーダ照明12b、充電カプラ照明12c及びケーブル支持部照明12dを含む照明12と、状態表示部13と、表示部14と、充電開始ボタン15a及び充電停止ボタン15bを含む入力部15と、カードリーダ16と、カプラ収納部17と、緊急停止ボタン18と、ケーブル支持部19と、充電ケーブル20と、接合部21と、充電カプラ22と、充電カプラ機械ロック解除部23と、フック24a及び24bとを有する。
さらに図2を参照すると、電動車両用充電装置1は、充電カプラロック部25と、充電カプラ検出器26と、ケーブル検出器27と、制御部30と、記憶部32と、照度センサ33と、扉開閉センサ34と、スピーカ35と、ファン36と、開閉器40と、電力計41と、漏電ブレーカ42とを有する。
筐体2は、図1(b)に示すように、上方から見ると略菱形の平面を有する流線型状の形状を有する。また、天面3は、正面部4が位置する正面方向から後方に向けて傾斜する。正面部4は、略菱形状の筐体2の一辺を切削して形成され、上方から下方に向かって徐々に幅が狭くなる略三角形状の形状を有する。正面部4を構成する三角形は、下方に頂角が形成され、頂角を形成する互いに等しい2辺は、底辺に比べて長くなる。庇部5は、雨水が側面部の方に伝わるように成形される。
対人センサ11は、電動車両用充電装置1の正面部4の中ほどの位置に配置され、正面部4の前方の特定範囲に接近した人を検出する。対人センサ11は、人を検出して、ユーザに充電を促すために表示部14の周囲を照明する表示部照明12aを点灯させるとともに表示部14に案内画面を表示させるように制御される。さらに、対人センサ11は、表示部14による案内表示とともにスピーカ35から音声案内を行うように制御される。対人センサ11は、赤外線センサなどで構成される。
表示部照明12aは、表示部14の上方に配置され、表示部14の周囲を照明する。カードリーダ照明12bは、カードリーダ16の上方に配置され、カードリーダ16の周囲を照明する。充電カプラ照明12cは、充電カプラ収納部17の周囲に配置され、充電カプラ収納部17の周囲を照明する。ケーブル支持部照明12dは、ケーブル支持部19の側部に配置され、ケーブル支持部19の周囲を照明する。表示部照明12a、カードリーダ照明12b、充電カプラ照明12c及びケーブル支持部照明12dはそれぞれ、LEDランプで構成される。
状態表示部13は、電動車両用充電装置1の上部に鉢巻状に、すなわち電動車両用充電装置1の筐体2の上方に正面、側面及び背面に亘って形成される。状態表示部13は、表示する色を変化させることで電動車両用充電装置1の状態を表示する。例えば、電動車両用充電装置1がスタンバイ状態のときには、状態表示部13は、青色光を点灯し、電動車両用充電装置1が充電中のときには、状態表示部13は、青色光を点滅する。さらに電動車両用充電装置1が充電完了状態のときには、状態表示部13は、緑色光を点灯する。電動車両用充電装置1がエラー状態のときには、状態表示部13は、オレンジ色光を点灯する。状態表示部13は、LEDを発光素子として採用する。
表示部14は、庇部5の下方に位置する正面部4の上方に配置される。表示部14は、電動車両150の蓄電装置を充電するために充電カプラ22を電動車両150の充電ポートに接続する手順など様々な視覚的情報をユーザに提供する。表示部14は、LCD及び有機ELディスプレイなどの表示装置で構成される。
入力部15は、正面部4上の表示部14の下方に配置される。入力部15は、充電開始ボタン15aと、充電停止ボタン15bとにより構成される。充電開始ボタン15aは、SAE J1772規格に準拠した電動車両の蓄電装置に充電する場合は使用されない。しかしながら、SAE J1772規格に準拠しない電動車両など他の電動車両の蓄電装置に充電する場合には、充電開始ボタン15aが押下されることにより充電が開始される。充電停止ボタン15bは、電動車両150の充電が完了する前にユーザが充電を終了する場合に使用される。充電停止ボタン15bは、カードリーダ16がユーザ情報を読み取った後に動作可能になるように構成される。
カードリーダ16は、正面部4上の入力部15a及び15bの下方に配置される。カードリーダ16は、ICカード(図示せず)に記憶されるユーザIDなどのユーザ情報を読み取るRFIDリーダである。カードリーダ16は、FeliCa(登録商標)などの非接触ICカード技術方式を採用する。カードリーダ16は、地表に垂直する面から傾斜して配置され、カードリーダ16の下方には2つの突起部が配置される。
充電カプラ収納部17は、正面部4上のカードリーダ16の下方に配置され、充電カプラ収納部17は、周囲の装置に対して隆起した形状を有する。
充電カプラ収納部17の内部には、充電カプラ22が充電時以外は取り外しできないようにロックする充電カプラロック部25が配置される。充電カプラロック部25は、充電カプラ電磁ロック部25a(図示せず)と充電カプラ機械ロック部25b(図示せず)を有する。充電カプラ電磁ロック部25aは、充電カプラ22が充電カプラ収納部17に収納されたときに電磁的にロックし、カードリーダ16がICカードからユーザ情報を読み取った後に電磁ロックを解除されるように構成される。充電カプラ機械ロック部25bは、充電カプラ22に配置される充電カプラ機械ロック解除部23とともに機械的なロック機構を構成する。ユーザが充電カプラ機械ロック解除部23を操作することによって、充電カプラ機械ロック部25bはロック解除される。
さらに、充電カプラ収納部17の内部には、充電カプラ検出器26が配置される。充電カプラ検出器26は、充電カプラ22が充電カプラ収納部17に収納されているか否かを検出して、それに対応するカプラ収納情報を制御部30に送信するように構成される。充電カプラ検出器26は、電磁センサタイプの近接スイッチ又はリミットスイッチなどで構成される。
緊急停止ボタン18は、充電カプラ収納部17の下方で、かつ充電カプラ22が充電カプラ収納部17に収納されるときに充電ケーブル20に正面が覆われる位置に配置される。また、緊急停止ボタン18は、保護カバーで覆われる。緊急停止ボタン18は、緊急時にユーザにより押下されることにより、電動車両用充電装置1に内蔵される開閉器40を機械的に開放して電動車両150の充電を強制的に停止する。
ケーブル支持部19は、正面部4に対向する位置から見て、電動車両用充電装置1の筐体3の右側面上部に配置される。ケーブル支持部19は、フック24a及び24bがケーブル支持部19に支持されているか否かを検出するケーブル検出器27を備える。
充電ケーブル20は、電動車両用充電装置1の筐体2の側面に巻回されてフック24a及び24bを介してケーブル支持部19に支持されながら収納される。充電ケーブル20は、一端が電動車両用充電装置1の筐体の下部側面に配置される接合部21で電動車両用充電装置1の筐体に固定的に接合され、他端に充電カプラ22を有する。充電ケーブル20のケーブル長は、7m程度の長さを有する。これは、普通自動車型の電動車両の長さ及び幅が考慮された長さであり、駐車場での駐車方法の自由度を確保するのに十分な長さである。例えば、長さが5mであり、幅が2mである駐車スペースにおいて、充電ポートが電動車両用充電装置1から最も遠い位置に配置されるように駐車される場合でも充電ケーブル20のケーブル長が7mであれば充電カプラを充電ポートに接続することが可能である。
充電ケーブル20は、可とう性を有する塩化ビニル樹脂で被覆される銅線などの導電性材料で構成される。また、充電ケーブル20の充電カプラ22の近くの導電性材料を塩化ビニル樹脂よりも硬い樹脂で被覆して、ユーザが充電ケーブル20を扱いやすくしてもよい。また、充電ケーブルの充電カプラ22から適当な距離に取っ手を配置して、ユーザが充電カプラ22を取り扱い易くしてもよい。
充電カプラ22は、充電ケーブル20の一端に配置される。電動車両用充電装置1が使用されないときには、充電カプラ収納部17に収納される。一方、電動車両用充電装置1を使用して充電するときには、電動車両150の充電ポートに接続される。充電カプラ22は、機械ロック解除用の充電カプラ機械ロック解除部23を備える。
フック24a及び24bは、ケーブル支持部19に支持されて、充電ケーブル20を固定する。フック24a及び24bは、充電ケーブル20の長手方向に所定の間隔ごとに配置される。
制御部30は、電動車両用充電装置1の様々な制御を記憶部32に記憶されるソフトウェアプログラム及びデータなどに基づく演算が可能な演算処理装置である。また、記憶部32は、制御部30が様々な制御を実行させるために制御プログラム及び様々なデータを記憶する機能を有する。記憶部32は、不揮発性のRAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)、ROM(Read Only Memory、リードオンリーメモリ)、及びHDD(Hard Disk Drive、ハードディスクドライブ)などの記憶装置で構成される。
照度センサ33は、電動車両用充電装置1の周囲の明るさを検出する検出器である。照度センサ33は、検出した照度を制御部30に送信し、制御部30は、その照度に基づいて照明12、状態表示部13及び表示部14の輝度を変更するように構成される。具体的には、表示部照明12aなどの照明12、状態表示部13及び表示部14の輝度を昼夜で変更する。昼間に比べて夜間の照明輝度を低くすることで、適切な輝度を有する照明をユーザに提供するとともに、消費電力を低減することができる。照度センサ33は、光起電力効果、光導電効果又は光電子放出効果を利用する光センサで構成される。
扉開閉センサ34は、電動車両用充電装置1のメンテナンス扉の開閉を検出し、扉の開閉に対応する信号を制御部30に送信する。制御部30は、メンテナンス扉の開状態に対応する扉開信号を受信すると、電動車両用充電装置1は、メンテナンスモードに遷移する。扉開閉センサ34は、近接スイッチなどで構成される。
スピーカ35は、表示部14とともに充電カプラ22を電動車両150の充電ポートに接続する手順など様々な情報をユーザに提供する。また、緊急停止ボタン18が押下されたとき及び漏電ブレーカ42が動作したときなど、電動車両用充電装置1に異常が生じた場合に警報音を発生する。ファン36は、電動車両用充電装置1の内部温度を調整する機能を有する。
開閉器40は、電力計41と、漏電ブレーカ42とともに、受変電設備140から供給される電力を充電ケーブル20及び充電カプラ22を介して電動車両150の蓄電装置に充電するための充電回路を形成する。開閉器40は、制御部30からの指令に基づいて充電ケーブル20への電力を入切りする。SAE J1772規格に準拠した電動車両の蓄電装置に充電する場合は、充電カプラ22が電動車両150の充電ポートに接続されると、制御部30は、投入指令を開閉器40に送信する。投入指令を受信した開閉器40が投入動作することにより、充電回路が閉路される。一方、充電されている電動車両150の蓄電装置の充電が完了したことが検出されるとき、又は入力部15の停止ボタン15bが押下されるとき、制御部30は、開放指令を開閉器40に送信する。開放指令を受信した開閉器40が開放動作することにより、充電回路が開路される。
また、開閉器40は、緊急停止ボタン18が押下されたとき、充電回路を強制的に開路する。具体的には、緊急停止ボタン18が押下された場合は、制御部30を介することなく、機械的機構を作動させることにより、開閉器40を機械的に開放動作させて、充電回路を強制的に開路する。
電力計41は、受変電設備140から電動車両150の蓄電装置に充電される電力量を計測する。電力計41は、充電電圧、充電時間、充電電流及び充電波形を測定することにより、電動車両ごとに充電した電力量を測定する。測定された電力量に対応する信号は、電力計41に記憶されるとともに、記憶部32に記憶される。
漏電ブレーカ42は、電動車両用充電装置1、受変電設備140及び電動車両150それぞれの設備を保護するために、充電回路に異常が生じた場合に充電回路を強制的に開路する。例えば、充電回路に過電流、過電圧又は欠相などの回路異常が生じた場合に充電回路は、充電回路を強制的に開路する。漏電ブレーカ42は、充電回路に生じた異常に応じて開放動作することにより充電回路を開路した場合、充電回路を開路した回路異常に対応する回路異常信号を制御部30に送信する。
次に、図3(a)〜3(c)を参照して、フック24a及び24bが充電ケーブル20に取り付けられる位置について説明する。図3(a)は、充電ケーブル20を延伸した状態を示す図であり、図3(b)は、充電ケーブル20の収納作業中の状態を示す図であり、図3(c)は、充電ケーブル20を収納した状態を示す図である。
充電ケーブル20は、収納時には、巻回された状態でフック24a及び24bで上端を固定されてケーブル支持部19に支持される。充電ケーブル20が十分な可とう性を有する場合、充電ケーブル20の巻回された部分は、ケーブル支持部19を長軸の一端として、充電ケーブル20の巻回された部分の最も下方の位置を長軸の他端とする非常に扁平な楕円形状に配置されることになる。この巻回された楕円は長辺に対して短辺が非常に短いため、楕円の長辺を収納長と考えることができる。
図3(a)を参照すると、直線状に延伸された充電ケーブル20の一端に接合部21が配置され、他端に充電カプラ22が配置される。充電ケーブル20の全長は、Lで示される。
接合部21からの距離Dsは、始端調整パラメータであり、充電ケーブル20を収納したときに、充電ケーブルを巻回すときの始端側の余長に相当する。ここでは、距離Dsは、接合部21と、充電ケーブル20の巻回された部分の最も下方の位置との間の距離、すなわち、接合部21と、ケーブル支持部の設置位置から収納長だけ低い位置との間の距離である。一方、充電カプラ22からの距離Dlは、終端調整パラメータであり、充電ケーブル20を収納したときに、充電ケーブルを巻回すときの終端側の余長に相当する。ここでは、距離Dlは、充電カプラ収納部17と、充電ケーブル20の巻回された部分の最も下方の位置との間の距離、すなわち、充電カプラ収納部17と、ケーブル支持部の設置位置から収納長だけ低い位置との間の距離である。
これらの係数を使用すると、接合部21により近い位置に配置されるフック24bの位置は、
で示される。一方、接合部21からより遠い位置に配置されるフック24aの位置は、
で示される。これは、図3(b)及び3(c)に示されるように、収納長が
となることに関係する。図3(b)に示すように、収納長は、接合部21からの余長
D
sと充電カプラ22からの余長D
lを充電ケーブル20の全長Lから減算した長さを4分割した長さに相当する。これは、図3(c)に示すように、収納長は、フック24aの両端から下方に配置される2つの部分と、フック24bの両端から下方に配置される2つの部分の合計になるためである。
ここまで、フックが24a及び24bの2個の場合について説明したが、N
h個のフック有する場合も同様に考えることができる。フックの数がN
h個である場合の収納長は、
で示される。接合部21に最も近いフックが配置される位置は、式(1)と同様である。そして、以降のフックは、式(4)で示される収納長の2倍の長さ
の間隔で配置されることになる。これから、接合部21からn番目のフックの接合部21からの距離は、
で示されることになる。
このようにフックの取り付け位置を規定することにより、複数のフックで固定される充電ケーブル20の巻回部が均一の長さを有することが可能になる。また、収納長をケーブル支持部19の設置位置の高さよりも短い長さにすることにより地面に触れないような位置に充電ケーブル20を収納することが可能になる。
次に、図4(a)〜4(c)を参照して、充電ケーブル20をケーブル支持部19に固定するケーブル固定部であるフック24aについて説明する。図4(a)及び4(b)はそれぞれ、フック24aの正面図及び側面図であり、図4(c)は、フック24aがケーブル支持部19に支持される状態を示す図である。以下、フック24aについて説明するが、フック24bもフック24aと同様な構造及び機能を有する。
図4(a)及び4(b)に示すように、フック24aは、略方形の孔が形成される第1平板部24a1及び第2平板部24a2の間に配置される挟持部24a3とを有する。フック24aは、挟持部24a3に充電ケーブル20を挟持し、第1平板部24a1及び第2平板部24a2を締結する締結部材であるボルト24a4及び24a5並びにナット24a6及び24a7によって締結されることによって、充電ケーブル20の所定の位置に固定される。
フック24aは、黄色など熱吸収率が低い色を有する。電動車両用充電装置1が屋外に配置される場合、フック24aの色を熱吸収率が高い色にすると、ユーザは、太陽熱を吸収して高温になっているフック24aを触って充電ケーブル20を取り外すのが難しくなる。このため、ユーザがフック24aに触れやすくするために、フック24aは、太陽熱を吸収し難い色にする。また、フック24aを熱吸収率が低い明るい色にすることにより、夜間など周囲が照度が低い環境でもフック24aが人の目に付きやすくため、周囲の照度が低い環境でのユーザの作業を容易にする。
フック24aは、エラストマーなどの弾性材料により構成される。フック24aを弾性材料により構成することにより、充電ケーブル20を引き回すときにフック24aが電動車両に強く当たって電動車両に傷を付けることを防止できる。また、フック24aが電動車両150の車輪と、車輪の接地面との間に挟まる可能性を低くすることができる。
図4(c)を参照すると、フック24aは、柄のように細長い薄板形状を有するケーブル支持部19に方形の孔の上辺で支持される。ケーブル支持部19の取り付け角度は、所定の強度以上の引っ張り強度で充電ケーブル20が引っ張られたときに、フック24aがケーブル支持部19から取り外れるのに適当な角度を有して配置される。
次に、図5を参照して、ケーブル検出器27について説明する。図5は、ケーブル支持部19の部分拡大図である。図5に示すように、ケーブル支持部19は、上面に形成される2つの凹部の低面にそれぞれ形成されるケーブル検出器27a及び27bを有する。ケーブル検出器27a及び27bはそれぞれ、フック24a及び24bがケーブル支持部19に支持されているか否かを検出して、それに対応するケーブル収納情報を制御部30に送信するように構成される。
さらに、ケーブル検出器27a及び27bは、フック24a及び24bがケーブル支持部19に支持された場合の位置関係を検出することができる。ケーブル検出器27は、フック24aよりも充電カプラ22に対して遠方に配置されるフック24bの外側に支持されているか否かを検出してそれに対応するケーブル位置情報を制御部30に送信するように構成される。ケーブル検出器27a及び27bは、フック24a及び24bに埋め込まれたミューチップ(登録商標)などの小型無線ICチップを検出可能なRFIDリーダで構成される。以上、図1〜5を参照して、電動車両用充電装置1を構成する装置について説明した。
次に、図6及び7を参照して、電動車両用充電装置1における処理フローについて説明する。図6は、充電カプラ22を電動車両150の充電ポートに接続して充電を開始する処理の処理フローを示す図である。図7は、電動車両150の充電終了後の収納処理及び納金処理フローを示す図である。以下、それぞれの処理フローについて説明する。
まず、図6を参照して、電動車両150の蓄電装置を充電するために充電カプラ22を電動車両150の充電ポートに接続する処理フローについて説明する。
まず、ステップS101において、制御部30は、電源投入後に所定の処理を実行した後にスタンバイ状態になり、状態表示部13に青色光を点灯する。そして、電動車両用充電装置1は、対人センサ11がユーザを検出するまで待機する。
次に、ステップS102において、対人センサ11は、ユーザを検出して制御部30に対人センサ検出情報を送信する。次に、ステップS103において、制御部30は、対人センサ検出情報を受信すると、表示部照明12aを点灯して表示部14を照明することによって、ユーザの視線を表示部14に向けさせるとともに、ステップS104において、表示部30及びスピーカ35は、案内を開始する。
次に、ステップS105において、制御部30は、表示部照明12aが点灯した後所定の期間の経過後にカードリーダ照明12bを点灯してカードリーダ16を照明することによって、ユーザにカードリーダ16にカードをかざすことを促す。このとき、表示部14及びスピーカ35は、カードリーダ16にカードをかざすことを促す内容の案内を行う。次いで、ユーザは、カードリーダ16にカードをかざす。
次に、ステップS106において、カードリーダ16は、カードに記憶されるユーザ識別情報などのユーザ情報を読み取って、読み取ったユーザ情報を制御部30に送信する。次に、ステップS107において、制御部30は、受信したユーザ情報を記憶部32に記憶する。
次に、ステップS108において、制御部30は、充電カプラ電磁ロック25aを解除する。次に、ステップS109において、制御部30は、充電カプラ照明12cを点灯して充電カプラ収納部17を照明することによって、ユーザに充電カプラ22を充電カプラ収納部17から取り外すことを促す。このとき、表示部14及びスピーカ35は、ユーザに充電カプラ22を充電カプラ収納部17から取り外すことを促す内容の案内を行う。
次に、ステップS110において、制御部30は、充電カプラ照明12cを点灯した後にケーブル支持部照明12dを点灯してケーブル支持部19を照明することによって、ユーザにケーブル支持部19からフック24a及び24bを取り外すように促す。このとき、表示部14及びスピーカ35は、ユーザにケーブル支持部19からフック24a及び24bを取り外すように促す内容の案内を行う。次いで、ユーザは、充電カプラ機械ロック解除部23を操作して充電カプラ22を充電カプラ収納部17から取り外すとともに、ケーブル支持部19からフック24a及び24bを取り外して充電カプラ22を電動車両150の充電ポートに接続する。
次に、ステップS111において、制御部30は、充電カプラ22が充電ポートに接続されたことに対応する充電カプラ接続情報を受信する。SAE J1772規格に準拠した電動車両の蓄電装置に充電する場合、充電カプラ接続情報は、充電カプラ22が電動車両の充電ポートに接続されたことを検出して、制御部30に送信される。また、SAE J1772規格に準拠しない電動車両の蓄電装置に充電する場合、充電カプラ接続情報は、充電開始ボタン15aが押下されたことに応じて、制御部30に送信される。
次に、ステップS112において、制御部30は、充電カプラ接続情報を受信した後に開閉器40に投入指令信号を送信する。次いで、投入指令信号を受信した開閉器40が投入動作して、電動車両150の蓄電装置を充電するための充電回路が閉路されて、電動車両150の蓄電装置への充電が開始される。電動車両150の蓄電装置への充電が開始されると、電力計41が充電電力を検出し、検出した電力に対応する信号を制御部30に送信する。
次に、ステップS113において、制御部30は、充電電力に対応する信号を受信した後に、充電が開始されたことに対応する充電開始情報をユーザ情報に紐付けて記憶部32に記憶する。そして、ステップS114において、制御部30は、状態表示部13を青色光で点滅する。以上、図6を参照して、電動車両150の蓄電装置を充電するために充電カプラ22を電動車両150の充電ポートに接続して充電を開始する処理の処理フローについて説明した。
次に、図7を参照して、電動車両150の充電終了後の収納処理及び納金処理の処理フローについて説明する。
まず、制御部30は、電動車両150の充電が終了したことを検知する。電動車両150の充電終了には2つの場合がある。1つの場合は、ステップS201に示すように、充電停止情報を受信する場合であり、もう1つの場合は、ステップS202に示すように、充電停止ボタン15bが押下される場合である。SAE J1772規格に準拠した電動車両150の蓄電装置に充電する場合、充電停止情報は、電動車両150の蓄電装置の充電が完了したことを検出して、制御部30に送信される。
次に、ステップS203において、制御部30は、ステップS201において充電停止情報を受信し、又はステップS202において充電停止ボタン15bが押下された後に開閉器40に開放指令信号を送信する。次いで、開放指令信号を受信した開閉器40が開放動作して、充電回路が開路されて、電動車両150への充電が終了する。電動車両150への充電が終了すると、電力計41が充電電力がゼロになったことを検出し、検出したゼロ電力に対応する信号を制御部30に送信する。次いで、ステップS204において、制御部30は、状態表示部13の表示を青色光の点滅から、充電が終了したことを示す緑色光の点灯に変更する。
次に、ステップS205において、対人センサ11は、ユーザを検出して制御部30に対人センサ検出情報を送信する。次に、ステップS206において、制御部30は、対人センサ検出情報を受信した後に、ケーブル支持部照明12dを点灯してケーブル支持部19を照明することによって、ユーザにケーブル支持部19にフック24a及び24bを収納することを促す。このとき、表示部14及びスピーカ35は、ユーザにケーブル支持部19にフック24a及び24bを収納することを促す内容の案内を行う。次いで、ユーザは、ケーブル支持部19にフック24a及び24bを収納する。
次に、ステップS207において、制御部30は、ケーブル支持部19にフック24a及び24bが所定の収納位置に収納されると、ケーブル検出器27からケーブル収納情報及びケーブル位置情報を受信する。
次に、ステップS208において、制御部30は、ケーブル収納情報及びケーブル位置情報を受信した後にカプラ照明12cを点灯して充電カプラ収納部17を照明することによって、ユーザに充電カプラ22を充電カプラ収納部17に収納することを促す。このとき、表示部14及びスピーカ35は、ユーザに充電カプラ22を充電カプラ収納部17に収納することを促す内容の案内を行う。次いで、ユーザは、充電カプラ22を充電カプラ収納部17に収納する。
次に、ステップS209において、制御部30は、充電カプラ22が充電カプラ収納部17に収納されると、充電カプラ検出器26から充電カプラ収納情報を受信する。
次に、ステップS210において、制御部30は、ケーブル収納情報、ケーブル位置情報及び充電カプラ収納情報を全て受信すると、充電が終了されたことに対応する充電終了情報をユーザ情報に紐付けて記憶部32に記憶する。
次に、ステップS211において、制御部30は、充電カプラ収納を受信した後に、カードリーダ照明12bを点灯してカードリーダ16を照明することによって、ユーザにカードをカードリーダ16にかざすことを促す。このとき、表示部14及びスピーカ35は、ユーザにカードをカードリーダ16にかざすことを促す内容の案内を行う。次いで、ユーザは、カードをカードリーダ16にかざす。
次に、ステップS212において、カードリーダ16は、カードに記憶されるユーザ情報を読み取って、制御部30に送信する。次に、ステップS213において、制御部30は、受信したユーザ情報に紐付けられた充電開始情報及び充電終了情報が記憶部32に記憶されているか否かを判定する。受信したユーザ情報に紐付けられた充電開始情報及び充電終了情報が記憶部32に記憶されている場合、ステップS214において、制御部30は、納金処理許可情報を生成する。
そして、ステップS215において、制御部30は、納金処理許可情報に基づいて納金処理を実行する。ここで納金処理は、ユーザ情報に紐付けられたキャッシュカード情報に基づいて納金処理することを含む。また、納金処理は、ユーザ情報に紐付けられたポイントカード情報に基づいてポイントを追加する処理することを含む。さらに、ユーザ情報に紐付けられた他の情報に基づいて商品の無料サービスの提供を受ける権利を付加する処理することを含む。以上、図7を参照して、電動車両150の充電終了後の収納処理及び納金処理の処理フローについて説明した。
ここまで、図1〜7を参照して、電動車両用充電装置1を構成する装置及びその処理フローについて説明した。上述のように、表示部14、入力部15a及び15b、カードリーダ16並びに充電カプラ収納部17は、下方に頂点を有する略三角形状の正面部4に上から下に向かう順序に並んでいる。この順序は、充電カプラ22を電動車両150の充電ポートに接続する手順と略同一の順序である。また、電動車両用充電装置1では、正面部4の略三角形状の形状に沿って下方にユーザの視線を誘導可能であるため、電動車両用充電装置1の正面部4の構造及び配置は、ユーザに充電カプラ22を電動車両150の充電ポートに接続するための適切な手順を視認できる。さらに、電動車両用充電装置1の正面部4に配置されるそれぞれの装置を照明する照明が配置される。これらの照明をユーザに充電カプラ22を電動車両150の充電ポートに接続するための適切な手順を促すように点灯するように制御することにより、より明確にユーザが手順を視認できる。
また、電動車両用充電装置1の筐体2は、略菱形の断面を有するので、建築物のコーナー部にも配置可能である。さらに、電動車両用充電装置1の天面3は緩やかな傾斜を有するため、積雪を防止することができるとともに、紙くず及び空き缶などの様々な塵芥が天面部に放置されることを防止できる。
さらに、電動車両用充電装置1の高さは1600mm程度であるため、通常は車高が1550mm以下であるセダンタイプの電動車両150が電動車両用充電装置1に近接して駐車される場合でも、ユーザは、電動車両用充電装置1の上方に配置される状態表示部13によって、電動車両用充電装置1の状態を視認することができる。また、状態表示部13が鉢巻状に形成されるため、ユーザは、電動車両用充電装置1の正面からだけでなく、側面及び背面からも電動車両用充電装置1の状態を視認することができる。
さらに、庇部5は表示部14の上方に配置されるので、電動車両用充電装置1は、入力部15a及び15bなど庇部5の下方に配置する他の構成装置も含めて、ユーザが触れる装置が雨水で濡れることを防止するとともに、埃などで汚れることを防止することが可能である。また、カードリーダ16は地表に垂直する面から傾斜して配置され、カードリーダ16の下方には2つの突起部が配置されるので、ユーザがカードをかざすときに、突起部の上面にカードを載置してカードリーダ16にユーザ情報を読み取らせることができる。このため、ユーザは、カードリーダ16がユーザ情報を読み取っている間、カードから手を離すことができる。
さらに、充電カプラ収納部17は、周囲の装置に対して隆起した形状を有し、電動車両用充電装置1の上部から流れ落ちた雨水が隆起部の両端を流れ落ちる雨樋のような役目を果たすので、充電カプラ22の先端部に雨水が浸入する可能性が低くなる。また、充電カプラ収納部17は、ユーザが操作しやすい高さであるほぼ930mmの高さに配置される。さらに、ケーブル支持部19は、収納時の充電ケーブル20の巻回数を最小限にするために比較的高い位置に配置される。一方、充電ケーブル20を筐体2に接合する接合部21が配置される位置の高さは、400mmであり、充電のためにケーブルを延伸させた場合でもユーザ及び歩行者が接合部近傍でもケーブルに足をとられる可能性が低い構造となっている。
さらに、緊急停止ボタン18は、充電カプラ22が充電カプラ収納部17に収納されるときに充電ケーブル20に正面が覆われる位置に配置されて保護カバーで覆われているので、充電カプラ22が充電カプラ収納部17に収納されるときに、押下し難い構造になっている。
さらに、電動車両用充電装置1では、ユーザ情報に紐付けられた充電開始情報、充電終了情報及び課金終了情報がある場合にのみ納金処理を行う。また、充電終了情報は、ユーザが充電ケーブル20及び充電カプラ22を所定の収納位置に収納した後に記憶部32に記憶される。このため、電動車両用充電装置1では、納金を受けるために、ユーザが充電ケーブル20及び充電カプラ22を所定の収納位置に収納する可能性が高くなる。
なお、電動車両用充電装置1では、接合部21は、電動車両用充電装置1の正面部4に対向するユーザから見て右側に配置されるが、接合部21は、電動車両用充電装置1の正面部4に対向するユーザから見て左側に配置されてもよい。また、電動車両用充電装置1の筐体2がターンテーブル上に配置され回転可能な構成にしてもよい。
さらに、フック24aの形状は、図4に示す形状に限定されない。図8(a)及び8(b)はそれぞれ、フック24aの他の形状を示す正面図及び側面図であり、図8(c)は、図8(a)及び8(b)に示すフック24aがケーブル支持部19に支持される状態を示す図である。図8(a)〜8(c)に示すように、フック24aは、一端が結合部にそれぞれ接続され、かつ他端が互いに対向する方向にそれぞれ曲折される一対の腕状部24a1及び24a2と、充電ケーブルに結合される結合部24a3とで構成されてもよい。
図8(c)に示すように、フック24aは、一対の腕状部24a1の端部によりケーブル支持部19を挟持することにより、ケーブル支持部19に支持される。このため、一対の腕状部24a1は、充電ケーブル20の荷重を支持する弾性を有し、かつ充電ケーブル20をユーザが取り外すときの取り外し荷重でケーブル支持部19から取り外し可能な弾性を有するような材料が採用される。一対の腕状部24a1は、エラストマーと他の適当な樹脂とを二色成形することにより形成する。
また、フック24aは、さらに他の形状を有してもよい。図8(d)及び8(e)はそれぞれ、フック24aのさらに他の形状を示す正面図及び側面図である。図8(d)及び8(e)に示すように、フック24aは、C字型形状部24a1及び24a2と、結合部24a3により構成されてもよい。
さらに、ケーブル支持部19に支持されるケーブル固定部は、フックの代わりにマーカ24a及び24bに置換してもよい。図9(a)〜9(d)は、充電ケーブル20に配置され、ケーブル固定部24a及び24bの他の態様を示す図である。図9(a)に示すように、マーカ24aは、黄色など熱吸収率が低い色を有し、充電ケーブル20の所定の位置に配置される。そして、図9(b)に示すように、マーカ24a及び24bは、ケーブル支持部19に固定的に支持される。図9(b)に示す態様では、24a及び24bは、ケーブル支持部19に固定可能なように、エラストマーなどの高い摩擦係数を有する樹脂で構成される。
なお、ケーブル支持部19の形状は、図9(b)に示す形状に限定されない。例えば、ケーブル支持部19の形状は、図9(c)に示すように、マーカ24a及び24bを凹部で支持するような形状であってもよい。また、ケーブル支持部19の形状は、図9(d)に示すように、略円形状の支持部の内部に配置される突起部でマーカ24a及び24bを係合するような形状であってもよい。図9(d)に示す形状を有するケーブル支持部19に支持される場合、マーカ24a及び24bは突起部に係合されるため、マーカ24a及び24bを構成する材料の摩擦係数は高くなくてもよい。
次に、図10〜12を参照して、上述した電動車両用充電装置1を用いた電動車両用充電システム100について説明する。図10は、電動車両用充電システム100の概略構成を示す図である。
充電システム100は、ネットワーク130を介して電動車両用充電装置1と様々な情報を通信するサーバ50と、サーバ50に課金情報などの情報を通信する複数のPOS装置60a、60b・・・60nと、電動車両用充電装置1の状態を監視する遠隔監視装置70と、電動車両用充電装置1及びサーバ50から様々な情報を通信可能な携帯情報端末装置80とを有する。電動車両用充電装置1は、ネットワーク130に通信部31を介して接続される。通信部31は、モデムなどで構成される。ネットワーク130としては、インターネットを利用したが、イントラネット、LAN(Local Area Network、構内通信網)又は公衆回線網などであってもよい。
サーバ50は、電動車両用充電装置1を使用するユーザのユーザ情報に紐付けられた様々なデータを記憶し、電動車両用充電装置1などの通信によって、それらの情報を読み出し又は書き換えることができる。本実施形態では、サーバ50に記憶される情報は、ユーザ情報並びにユーザ情報に紐付けられる充電開始情報、充電終了情報及びユーザに関連付けられたアドレスなどがある。
複数のPOS装置60a、60b・・・60nはそれぞれ、電動車両用充電装置1が配置されるショッピングセンタ又はショッピングモールなどの大規模商業施設、コンビニエンスストアなどの小売店若しくはレストラン、映画館などの各種商業施設などに配置される。複数のPOS装置60a、60b・・・60nは、サーバ50と通信することにより、電動車両用充電装置1を使用するユーザに課金処理を実行するとともに、ユーザが施設を利用したことを認識し、サーバ50にユーザ認識情報などを提供する。
遠隔監視装置70は、電動車両用充電装置1が充電中であるか否か、電動車両用充電装置1が警報を発報しているか否かなどの電動車両用充電装置1の状態を遠隔地で集中監視する装置である。例えば、遠隔監視装置70は、電動車両用充電装置1の緊急停止ボタン18が押下された場合、遠隔監視装置70を監視する監視者に緊急停止ボタン18が押下されたことに対応する警報を発する。
携帯情報端末装置80は、電動車両用充電装置1を使用するユーザがそれぞれ携帯する情報処理装置である。携帯情報端末装置80は、ネットワークを介して電動車両用充電装置1と接続されるので、様々な情報を電動車両用充電装置1から受信する。例えば、ユーザが携帯する携帯情報端末装置80は、電動車両用充電装置1から送信される電動車両150の充電完了に対応する充電完了信号を受信する。
次に図11及び12を参照して、電動車両用充電システム100における処理フローを説明する。図11は、電動車両用充電システム100における課金処理及び納金処理の処理フローを示す図である。図12は、電動車両用充電システム100における緊急停止信号を送信する処理フローを示す図である。
まず、図11を参照して、電動車両用充電システム100における課金処理及び納金処理の処理フローについて説明する。
まず、ステップS301において、電動車両用充電装置1は、電動車両150に充電を開始する前にユーザのカードから読み取ったユーザ情報をサーバ50に送信する。次いで、ステップS302において、サーバ50は、電動車両用充電装置1からユーザ情報を受信する。
次に、ステップS303において、電動車両用充電装置1は、充電開始を確認した後に充電開始情報をサーバ50に送信する。次いで、ステップS304において、サーバ50は、電動車両用充電装置1から充電開始情報を受信する。
次に、ステップS305において、サーバ50は、電動車両用充電装置1から受信したユーザ情報と充電開始情報とを紐付けて記憶する。
次に、ステップS306において、POS装置60は、ユーザが商業施設などで会計処理を行うときなどに提示されたカードからユーザ情報を読み取る。次いで、ステップS307において、POS装置60は、読み取ったユーザ情報をサーバ50に送信する。
次に、ステップS308において、サーバ50は、POS装置60から受信したユーザ情報に紐付けられた充電開始情報があるか否かを判定する。受信したユーザ情報に紐付けられた充電開始情報がある場合、ステップS309において、サーバ50は、課金許可情報をPOS装置60に送信する。
次に、ステップS310において、POS装置60は、課金許可情報を受信した後に課金処理を実行する。ここで納金処理は、購入された商品の合計金額に所定の金額を付加することを含み、また、サーバ50に記憶されるユーザ情報に紐付けられたキャッシュカード情報に基づいて課金処理することを含む。また、納金処理は、サーバ50に記憶されるユーザ情報に紐付けられたポイントカード情報に基づいてポイントを削減する処理することを含む。
次に、ステップS311において、POS装置60は、課金処理を終了した後にサーバ50に課金終了情報を送信する。次いで、ステップS312において、サーバ50は、POS装置60から受信した課金終了情報を、ユーザ情報に紐付けて記憶する。
次に、ステップS313において、電動車両用充電装置1は、ケーブルが所定の収納位置に収納された後に、ケーブル収納情報及びケーブル位置情報を受信する。次いで、ステップS314において、電動車両用充電装置1は、充電カプラ収納情報を受信する。次いで、ステップS315において、電動車両用充電装置1は、充電終了情報を送信する。
次に、ステップS316において、サーバ50は、電動車両用充電装置1から受信した充電終了情報を、ユーザ情報と充電開始情報と課金終了情報とに紐付けて記憶する。次いで、ステップS317において、電動車両用充電装置1は、充電終了後にカードリーダ16が読み取ったユーザ情報を送信する。
次に、ステップS318において、サーバ50は、ステップS317で電動車両用充電装置1から受信したユーザ情報に紐付けられた充電開始情報、充電終了情報及び課金終了情報があるか否かを判定する。受信したユーザ情報に紐付けられた充電開始情報、充電終了情報及び課金終了情報がある場合、ステップS319において、サーバ50は、納金許可情報を送信する。そして、ステップS320において、電動車両用充電装置1は、受信した課金許可情報に基づいて課金処理を実行する。以上、図11を参照して、電動車両用充電システム100における課金処理及び納金処理の処理フローについて説明した。
次に図12を参照して、電動車両用充電システム100において、緊急停止信号を送信する処理について説明する。
まず、制御部30は、電動車両150に緊急停止が必要な事象が生じたことを検知する。電動車両150に緊急停止が必要な事象が生じたことの検知する場合は、2つの場合がある。1つの場合は、ステップS401に示すように、緊急停止指令情報を受信する場合であり、もう1つの場合は、ステップS402に示すように、緊急停止ボタン18が押下される場合である。緊急停止指令情報は、SAE J1772規格に準拠した電動車両150の蓄電装置に充電する場合、緊急停止指令情報が電動車両から制御部30に送信される。
次に、ステップS403において、開閉器40が開放される。緊急停止指令情報を受信する場合は、制御部30が開閉器40に開放指令信号を送信して、開放指令信号を受信した開閉器40が開放動作する。一方、緊急停止ボタン18が押下される場合は、開閉器40に指令が機械的機構によって伝達されて、開閉器40が開放動作する。
次に、ステップS404において、電動車両用充電装置1は、サーバ50に緊急停止情報を送信する。次いで、ステップS405において、サーバ50は、電動車両用充電装置1から緊急停止情報を受信する。次いで、ステップS406において、サーバ50は、受信した緊急停止情報をユーザ情報と紐付けて記憶する。緊急停止情報とユーザ情報と紐付けるために、電動車両用充電装置1の識別コードなどが使用される。
次に、ステップS407において、サーバ50は、遠隔監視装置70に緊急停止情報を送信する。次いで、ステップS408において、サーバ50は、紐付けられたユーザ情報に基づいて、ユーザに関連付けられたアドレスがある場合には、そのアドレスを有する携帯情報端末装置80に緊急停止情報を送信する。
以上、図12を参照して、電動車両用充電システム100において、緊急停止信号を送信する処理フローについて説明した。電動車両用充電システム100において、電動車両用充電装置1が緊急停止した場合、遠隔監視装置70及び携帯情報端末装置80に緊急停止情報を送信することができる。遠隔監視装置70では、監視者が電動車両用充電装置1が緊急停止したことを電動車両用充電装置1の管理者に知らせることにより、管理者が電動車両用充電装置1の点検を行うことができる。一方、携帯情報端末装置80に緊急停止情報を受信したユーザは、電動車両150の緊急状態を知ることができる。
以上、図1〜12を参照して、電動車両用充電装置1及び電動車両用充電システム100について説明してきたが、電電動車両用充電装置1及び動車両用充電システム100は、これらの具体的な記載に限定されるものではなく、各種の変形があり得るのはいうまでもない。
例えば、本明細書で説明される実施形態では、図7に示すように、充電ケーブル20が収納位置に収納された後に、充電カプラ22が収納位置に収納されるが、その逆であってもよい。すなわち、ステップS208及びS209の後に、ステップS206及びS207が処理されてもよい。
また、本明細書で説明される実施形態では、図11に示すステップS319において、サーバ50が納金許可情報を送信するための条件は、ユーザ情報に紐付けられた充電開始情報、充電終了情報及び課金終了情報がある場合であるが、課金終了情報は、条件から除外してもよい。この場合、納金処理は、充電ケーブル20及び充電カプラ22の双方を所定の収納位置に収納したことに対する対価として実行される。
さらに、本明細書で説明される実施形態では、図7のステップS210において、充電終了情報は、充電終了情報を記憶部32に記憶するための条件は、制御部30がケーブル収納情報、ケーブル位置情報及び充電カプラ収納情報を全て受信することであるが、ケーブル位置情報は、条件から除外してもよい。
さらに、本明細書で説明される実施形態では、納金処理は、POS装置60で実行されるが、電動車両用充電装置1で課金処理が実行されてもよい。
さらに、本明細書で説明される実施形態では、ユーザIDなどのユーザ情報は、カードリーダ16によって読み取られるが、キーボード又はテンキーなどのユーザが入力可能な装置によってユーザによって提供されてもよい。
さらに、本明細書で説明される実施形態では、フック24a、24bなどのケーブル固定部は2つであるが、本発明は、ケーブル固定部が単数又は3つ以上であってもよい。