JP2013037779A - Transparent conductive member - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、透明性と導電性とを兼ね備える透明導電性部材に関する。 The present invention relates to a transparent conductive member having both transparency and conductivity.
透明性と導電性とを兼ね備える部材は、透明電極、タッチパネル用部品等に適用されており、用途の拡大も期待されている。このような部材としては、例えばガラス基材等の透明な基材にITOを堆積させることで構成される部材が代表例として挙げられる。 Members having both transparency and conductivity are applied to transparent electrodes, touch panel components, and the like, and are expected to expand their applications. As such a member, a member constituted by depositing ITO on a transparent base material such as a glass base material can be cited as a representative example.
しかし、ITOの主成分であるインジウムは稀少な金属であることから、コスト面並びに資源枯渇に関する問題がある。 However, since indium, which is the main component of ITO, is a rare metal, there are problems regarding cost and resource depletion.
一方、近年、高い透明性と導電性とを兼ね備える材料としてグラフェンが注目されつつある(特許文献1参照)。グラフェンはsp2結合により炭素原子が平面状に六角格子構造で配置されることで構成される1原子分の厚さのシートであって、その室温での電気抵抗値が銅の2/3、その電流密度耐性が銅の100倍以上であるという、導電性、耐久性に共に優れる材料である。 On the other hand, in recent years, graphene has been attracting attention as a material having both high transparency and conductivity (see Patent Document 1). Graphene is a sheet having a thickness of one atom constituted by arranging carbon atoms in a hexagonal lattice structure in a planar shape by sp 2 bonds, and its electric resistance value at room temperature is 2/3 that of copper, It is a material excellent in both conductivity and durability that its current density resistance is 100 times or more that of copper.
しかし、現状ではグラフェンを利用した実用的な透明導電性部材は未だ提供されていない。 However, at present, a practical transparent conductive member using graphene has not been provided.
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、優れた透明性、導電性、並びに強度を兼ね備える実用的な透明導電性部材を提供することを目的とする。 This invention is made | formed in view of the said reason, and it aims at providing the practical transparent electroconductive member which combines the outstanding transparency, electroconductivity, and intensity | strength.
本発明に係る透明導電性部材は、基材、グラフェン層、並びに前記基材と前記グラフェン層との間に介在するハードコート層を備える。 The transparent conductive member according to the present invention includes a base material, a graphene layer, and a hard coat layer interposed between the base material and the graphene layer.
前記ハードコート層は、反応性硬化型樹脂組成物の硬化物で構成されることが好ましい。 The hard coat layer is preferably composed of a cured product of a reactive curable resin composition.
本発明によれば、非常に優れた透明性、導電性、並びに強度を兼ね備える実用性の高い透明導電性部材が得られる。 According to the present invention, a highly practical transparent conductive member having excellent transparency, conductivity, and strength can be obtained.
本実施形態では、透明導電性部材1は図1(a)に示されるように、基材2、ハードコート層5、及びグラフェン層4を備える。基材2、ハードコート層5、及びグラフェン層4はこの順番に積層している。すなわち、基材2の第一の主面上にハードコート層5が積層し、ハードコート層5の基材2とは反対側の主面上にグラフェン層4が積層している。基材2、ハードコート層5、及びグラフェン層4のうちのいずれの要素も光透過性を有し、透明導電性部材1が全体として光透過性を有する。
In the present embodiment, the transparent
基材2の材質としてはソーダライムガラス、無アルカリガラスなどの透明ガラス;ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、セルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等のプラスチックなどが挙げられる。基材2の形状はフィルム状でも板状でもよい。特に基材2がポリエステルフィルム、環状ポリオレフィンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルムなどのプラスチックフィルムから形成される場合には、後述するようにいわゆるロール・ツー・ロール製法により透明導電性部材1が効率良く製造され得る。
Examples of the material of the
基材2がポリエステルフィルムから形成される場合には、ポリエステルとして、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコール成分とが反応することで生成する芳香族ポリエステルが好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタリンジカルボキシレートなどが好ましい。またポリエステルは、前記例示した複数の成分等の共重合ポリエステルであってもよい。
When the
基材2は有機または無機の粒子を含有してもよい。この場合、基材2の巻き取り性、搬送性等が向上する。このような粒子として、炭酸カルシウム粒子、酸化カルシウム粒子、酸化アルミニウム粒子、カオリン、酸化珪素粒子、酸化亜鉛粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子等が挙げられる。基材2は、着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、潤滑剤、触媒、他の樹脂等も、透明性を損なわない範囲で含有してもよい。
The
基材2のヘイズは3%以下であることが好ましく、この場合、透明導電性部材1を通した映像等の視認性が向上し、光学的用途のフィルムとして特に適したものとなる。ヘイズが1.5%以下であれば更に好ましい。
The haze of the
基材2の厚みは特に制限されないが、基材2がフィルム状である場合にはその厚みは25μm以上200μm以下の範囲であることが好ましい。特に基材2の厚みが25μm以上100μm以下であると、透明導電性部材1の薄型化、軽量化が可能となり、また透明導電性部材1の表裏における干渉の発生が抑制され、更に基材2が加熱される際の熱収縮が抑制されて基材2の熱収縮による加工性の悪化等の不具合が抑制される。
Although the thickness in particular of the
ハードコート層5は、基材2よりも高い硬度を有する層である。透明導電性部材1がハードコート層5を備えると、透明導電性部材1の機械的強度が向上する。ハードコート層5の鉛筆硬度はH以上であることが好ましく、2H以上であれば更に好ましい。
The
ハードコート層5の屈折率は、1.45〜1.65の範囲であることが好ましい。ハードコート層5の屈折率がこのような範囲であると、ハードコート層5と基材2との間における干渉ムラの発生が抑制される。
The refractive index of the
ハードコート層5の厚みは、特に制限されないが、1〜2μmの範囲、或いはそれ以上の厚みであれば、透明導電性部材1の機械的強度が充分に向上する。
The thickness of the
ハードコート層5は、反応性硬化型樹脂組成物から形成されることが好ましく、例えば熱硬化型樹脂組成物と活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の少なくとも一方から形成されることが好ましい。
The
熱硬化型樹脂組成物は、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂と共に、必要に応じて架橋剤、重合開始剤、硬化剤、硬化促進剤、溶剤等が使用されてもよい。このような熱硬化型樹脂組成物が塗布され、続いてこの熱硬化型樹脂組成物が加熱されて熱硬化することで、ハードコート層5が形成され得る。
The thermosetting resin composition includes, for example, thermosetting resins such as phenol resin, urea resin, diallyl phthalate resin, melamine resin, unsaturated polyester resin, polyurethane resin, epoxy resin, amino alkyd resin, silicon resin, polysiloxane resin, and the like. contains. A crosslinking agent, a polymerization initiator, a curing agent, a curing accelerator, a solvent and the like may be used together with the thermosetting resin as necessary. The
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、アクリレート系の官能基を有する樹脂を含むことが好ましい。アクリレート系の官能基を有する樹脂としては、例えば比較的低分子量の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー、プレポリマーなどが挙げられる。前記の多官能化合物としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等が挙げられる。活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は更に反応性希釈剤を含有することも好ましい。反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びにトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートの多官能モノマーが挙げられる。 The active energy ray-curable resin composition preferably includes a resin having an acrylate functional group. Examples of the resin having an acrylate functional group include oligomers such as (meth) acrylates of a relatively low molecular weight polyfunctional compound, prepolymers, and the like. Examples of the polyfunctional compound include polyester resins, polyether resins, acrylic resins, epoxy resins, urethane resins, alkyd resins, spiroacetal resins, polybutadiene resins, polythiol polyene resins, and polyhydric alcohols. The active energy ray-curable resin composition preferably further contains a reactive diluent. Examples of reactive diluents include monofunctional monomers such as ethyl (meth) acrylate, ethylhexyl (meth) acrylate, styrene, methylstyrene, N-vinylpyrrolidone, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, and hexanediol (meth) acrylate. , Tripropylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di The polyfunctional monomer of (meth) acrylate is mentioned.
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が紫外線硬化型樹脂組成物などの光硬化型樹脂組成物である場合には、光硬化型樹脂組成物が光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としてはアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類などが挙げられる。光硬化型樹脂組成物が光重合開始剤に加えて、或いは光重合開始剤に代えて、光増感剤を含有してもよい。光増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、チオキサントンなどが挙げられる。このような光硬化型樹脂組成物が塗布され、続いてこの光硬化型樹脂組成物に紫外線などの光が照射されて光硬化することで、ハードコート層5が形成され得る。
When the active energy ray curable resin composition is a photocurable resin composition such as an ultraviolet curable resin composition, the photocurable resin composition preferably contains a photopolymerization initiator. Examples of the photopolymerization initiator include acetophenones, benzophenones, α-amyloxime esters, thioxanthones, and the like. The photocurable resin composition may contain a photosensitizer in addition to the photopolymerization initiator or in place of the photopolymerization initiator. Examples of the photosensitizer include n-butylamine, triethylamine, tri-n-butylphosphine, and thioxanthone. The
ハードコート層5の屈折率は、ハードコート層5を形成するための樹脂組成物の組成によって容易に調整され得る。また、ハードコート層5が屈折率調整用の粒子を含有すると共にその割合が調整されることで、ハードコート層5の屈折率が調整されることも好ましい。
The refractive index of the
屈折率調整用の粒子の粒径は十分に小さいこと、すなわち屈折率調整用の粒子がいわゆる超微粒子であるが好ましく、この場合、ハードコート層5の光透過性が十分に維持されるようになる。屈折率調整用の粒子の粒径は特に、0.5nm〜200nmの範囲であることが好ましい。この屈折率調整用の粒子の粒径とは、粒子の電子顕微鏡写真画像から算出される投影面積と同一の面積を有する円(面積相当円)の径のことである。
The particle diameter of the refractive index adjusting particles is preferably sufficiently small, that is, the refractive index adjusting particles are preferably so-called ultrafine particles. In this case, the light transmittance of the
屈折率調整用の粒子は、比較的屈折率の高い粒子であることが好ましく、特に屈折率が1.6以上の粒子であることが好ましい。この粒子は、金属や金属酸化物の粒子であることが好ましい。 The refractive index adjusting particles are preferably particles having a relatively high refractive index, and particularly preferably particles having a refractive index of 1.6 or more. These particles are preferably metal or metal oxide particles.
ハードコート層5中の屈折率調整用の粒子の含有量は、ハードコート層5の屈折率が適切な値となるように適宜調整されるが、特にハードコート層5中の屈折率調整用の粒子の割合が5〜70体積%となるように調整されることが好ましい。
The content of the particles for adjusting the refractive index in the
屈折率調整用の粒子の具体例としては、チタン、アルミニウム、セリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、アンチモンから選ばれる一種あるいは二種以上の酸化物を含有する粒子が挙げられる。酸化物の具体例としては、ZnO(屈折率1.90)、TiO2(屈折率2.3〜2.7)、CeO2(屈折率1.95)、Sb2O5(屈折率1.71)、SnO2、ITO(屈折率1.95)、Y2O3(屈折率1.87)、La2O3(屈折率1.95)、ZrO2(屈折率2.05)、Al2O3(屈折率1.63)等が挙げられる。
Specific examples of the particles for adjusting the refractive index include particles containing one or more oxides selected from titanium, aluminum, cerium, yttrium, zirconium, niobium, and antimony. Specific examples of the oxide include ZnO (refractive index 1.90), TiO 2 (refractive index 2.3 to 2.7), CeO 2 (refractive index 1.95), Sb 2 O 5 (
ハードコート層5には帯電防止性能が付与されていることも好ましい。この場合、透明導電性部材1の帯電が抑制され、また透明導電性部材1へ埃の付着が抑制される。そのためには、ハードコート層5が導電性粒子を含有することが好ましい。導電性粒子は同時に屈折率調整用の粒子としても機能してもよい。導電性粒子はナノ粒子であることが好ましく、特に粒径が0.5〜200nmの超微粒子であることが好ましい。導電性粒子の粒径も面積相当円の径である。導電性粒子の材質としては導電性を有する適宜の金属、金属酸化物等が挙げられ、具体的にはインジウム、亜鉛、錫、アンチモンから選ばれる一種又は二種以上の金属の酸化物が挙げられ、更に具体的には酸化インジウム(ITO)、酸化錫(SnO2)、アンチモン/錫酸化物(ATO)、鉛/チタン酸化物(PTO)、アンチモン酸化物(Sb2O5)等が挙げられる。
It is also preferable that the
ハードコート層5に十分な帯電防止性能が付与されるためには、導電性粒子を含有することでハードコート層5のシート抵抗が1015Ω/□以下となることが好ましい。ハードコート層5のシート抵抗は小さいほど帯電防止性が向上するので、下限は特に設定されないが、シート抵抗を小さくするのには限界があるため、ハードコート層5のシート抵抗の実質的な下限は106Ω/□である。
In order to impart sufficient antistatic performance to the
ハードコート層5中の導電性粒子の含有量は、ハードコート層5の帯電防止性能が適切な程度となるように適宜調整されるが、特にハードコート層5中の導電性粒子の割合が5〜70質量%となるように調整されることが好ましい。
The content of the conductive particles in the
グラフェン層4はグラフェンシートから構成される。グラフェンシートは、例えば熱CVD法やプラズマCVD法などの蒸着法により形成される。この場合、例えばチャンバー内に気相状態の炭素源を供給し、この炭素源をチャンバー内で加熱したりプラズマ処理したりすることにより、炭素源が分解すると共に炭素原子が互いに結合して六角形の平面構造を形成し、これによりグラフェンシートが形成される。
The
グラフェンシートを形成するための炭素源としては、特に制限されないが、一酸化炭素、メタン、エタン、エチレン、エタノール、アセチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブタジエン、ペンタン、ペンテン、シクロペンタジエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。 The carbon source for forming the graphene sheet is not particularly limited, but carbon monoxide, methane, ethane, ethylene, ethanol, acetylene, propane, propylene, butane, butadiene, pentane, pentene, cyclopentadiene, hexane, cyclohexane, Examples include benzene and toluene.
熱CVD法によりグラフェン層4が形成される場合、チャンバー内の温度、チャンバー内の炭素源の圧力等は適宜調整される。チャンバー内の温度は例えば300〜2000℃の範囲に調整される。またチャンバー内の炭素源の圧力は例えば1.3×10−4〜1.4×104Paの範囲で調整され、好ましくは1.3×10−1〜1.0×105Paの範囲で調整される。
When the
熱CVD法によりグラフェン層4が形成される場合には、チャンバー内に炭素源と共に水素が供給されることも好ましい。この場合の水素の量は、チャンバー全体の体積の5体積%以上40体積%以下であることが好ましく、10体積%以上30体積%以下であれば更に好ましく、15体積%以上25体積%以下であれば特に好ましい。
When the
グラフェン層4は単層のグラフェンシートから構成されてもよいが、複数層のグラフェンシートから構成されてもよい。グラフェン層4は1層以上300層以下のグラフェンシートからなることが好ましく、1層以上15層以下のグラフェンシートからなることが特に好ましい。
The
本実施形態において、透明導電性部材1は基材2、ハードコート層5、及びグラフェン層4以外の層を備えてもよい。例えば透明導電性部材1は図1(b)に示されるように基材2、ハードコート層5、及びグラフェン層4に加えて更に反射防止層3を備えてもよい。反射防止層3は反射光の光学的な干渉を引き起こすことで反射光の強度を低減するように機能する層である。反射防止層3は反応性硬化型樹脂組成物から形成されることが好ましい。反射防止層3は公知の適宜の構成を有すればよいが、例えば高屈折率層31と、この高屈折率層31の基材2とは反対側に積層する低屈折率層32とを備える。低屈折率層32とは高屈折率層31よりも屈折率の低い層である。
In the present embodiment, the transparent
高屈折率層31の屈折率は、特に制限されないが、例えば1.50以上2.30以下の範囲である。また高屈折率層31の厚みは例えば50nm以上5000nm以下の範囲である。
The refractive index of the high
高屈折率層31は、反応性硬化型樹脂組成物から形成されることが好ましく、例えば熱硬化型樹脂組成物と活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の少なくとも一方から形成されることが好ましい。
The high
高屈折率層31を形成するための熱硬化型樹脂組成物は、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂と共に、必要に応じて架橋剤、重合開始剤、硬化剤、硬化促進剤、溶剤等が使用されてもよい。このような熱硬化型樹脂組成物が塗布され、続いてこの熱硬化型樹脂組成物が加熱されて熱硬化することで、高屈折率層31が形成され得る。
The thermosetting resin composition for forming the high
高屈折率層31を形成するための活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、アクリレート系の官能基を有する樹脂を含むことが好ましい。アクリレート系の官能基を有する樹脂としては、例えば比較的低分子量の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー、プレポリマーなどが挙げられる。前記の多官能化合物としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等が挙げられる。活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は更に反応性希釈剤を含有することも好ましい。反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びにトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートの多官能モノマーが挙げられる。
The active energy ray-curable resin composition for forming the high
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が紫外線硬化型樹脂組成物などの光硬化型樹脂組成物である場合には、光硬化型樹脂組成物が光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としてはアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類などが挙げられる。光硬化型樹脂組成物が光重合開始剤に加えて、或いは光重合開始剤に代えて、光増感剤を含有してもよい。光増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、チオキサントンなどが挙げられる。このような光硬化型樹脂組成物が例えば基材2上或いはアンチブロッキング層上に塗布され、続いてこの光硬化型樹脂組成物に紫外線などの光が照射されて光硬化することで、高屈折率層31が形成され得る。
When the active energy ray curable resin composition is a photocurable resin composition such as an ultraviolet curable resin composition, the photocurable resin composition preferably contains a photopolymerization initiator. Examples of the photopolymerization initiator include acetophenones, benzophenones, α-amyloxime esters, thioxanthones, and the like. The photocurable resin composition may contain a photosensitizer in addition to the photopolymerization initiator or in place of the photopolymerization initiator. Examples of the photosensitizer include n-butylamine, triethylamine, tri-n-butylphosphine, and thioxanthone. Such a photocurable resin composition is applied onto, for example, the
高屈折率層31の屈折率は、高屈折率層31を形成するための樹脂組成物の組成によって容易に調整され得る。高屈折率層31が屈折率調整用の粒子を含有すると共にその割合が調整されることで、高屈折率層31の屈折率が調整されることも好ましい。
The refractive index of the high
屈折率調整用の粒子の粒径は十分に小さいこと、すなわち屈折率調整用の粒子がいわゆる超微粒子であることが好ましく、この場合、高屈折率層31の光透過性が十分に維持されるようになる。屈折率調整用の粒子の粒径は特に、0.5nm〜200nmの範囲であることが好ましい。この屈折率調整用の粒子の粒径とは、粒子の電子顕微鏡写真画像から算出される投影面積と同一の面積を有する円(面積相当円)の径のことである。
The particle diameter of the refractive index adjusting particles is preferably sufficiently small, that is, the refractive index adjusting particles are preferably so-called ultrafine particles. In this case, the light transmittance of the high
屈折率調整用の粒子は、比較的屈折率の高い粒子であることが好ましく、特に屈折率が1.6以上の粒子であることが好ましい。この粒子は、金属や金属酸化物の粒子であることが好ましい。 The refractive index adjusting particles are preferably particles having a relatively high refractive index, and particularly preferably particles having a refractive index of 1.6 or more. These particles are preferably metal or metal oxide particles.
高屈折率層31中の屈折率調整用の粒子の含有量は、高屈折率層31の屈折率が適切な値となるように適宜調整されるが、特に高屈折率層31中の屈折率調整用の粒子の割合が5〜70体積%となるように調整されることが好ましい。
The content of the refractive index adjusting particles in the high
屈折率調整用の粒子の具体例としては、チタン、アルミニウム、セリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、アンチモンから選ばれる一種あるいは二種以上の酸化物を含有する粒子が挙げられる。酸化物の具体例としては、ZnO(屈折率1.90)、TiO2(屈折率2.3〜2.7)、CeO2(屈折率1.95)、Sb2O5(屈折率1.71)、SnO2、ITO(屈折率1.95)、Y2O3(屈折率1.87)、La2O3(屈折率1.95)、ZrO2(屈折率2.05)、Al2O3(屈折率1.63)等が挙げられる。
Specific examples of the particles for adjusting the refractive index include particles containing one or more oxides selected from titanium, aluminum, cerium, yttrium, zirconium, niobium, and antimony. Specific examples of the oxide include ZnO (refractive index 1.90), TiO 2 (refractive index 2.3 to 2.7), CeO 2 (refractive index 1.95), Sb 2 O 5 (
高屈折率層31には帯電防止性能が付与されていることも好ましい。この場合、透明導電性部材1の帯電が抑制され、また透明導電性部材1へ埃の付着が抑制される。そのためには、高屈折率層31が導電性粒子を含有することが好ましい。導電性粒子は同時に屈折率調整用の粒子としても機能してもよい。導電性粒子はナノ粒子であることが好ましく、特に粒径が0.5〜200nmの超微粒子であることが好ましい。導電性粒子の粒径も面積相当円の径である。導電性粒子の材質としては導電性を有する適宜の金属、金属酸化物等が挙げられ、具体的にはインジウム、亜鉛、錫、アンチモンから選ばれる一種又は二種以上の金属の酸化物が挙げられ、更に具体的には酸化インジウム(ITO)、酸化錫(SnO2)、アンチモン/錫酸化物(ATO)、鉛/チタン酸化物(PTO)、アンチモン酸化物(Sb2O5)等が挙げられる。
It is also preferable that the high
高屈折率層31に十分な帯電防止性能が付与されるためには、導電性粒子を含有することで高屈折率層31のシート抵抗が1015Ω/□以下となることが好ましい。高屈折率層31のシート抵抗は小さいほど帯電防止性が向上するので、下限は特に設定されないが、シート抵抗を小さくするのには限界があるため、高屈折率層31のシート抵抗の実質的な下限は106Ω/□である。
In order to impart sufficient antistatic performance to the high
高屈折率層31の導電性粒子の含有量は、高屈折率層31の帯電防止性能が適切な程度となるように適宜調整されるが、特に高屈折率層31中の導電性粒子の割合が5〜70質量%となるように調整されることが好ましい。
The content of the conductive particles in the high
高屈折率層31は、チタン、アルミニウム、セリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、アンチモンから選ばれる一種あるいは二種以上の酸化物を含有する粒子と共に、メタクリル官能性シランと、アクリル官能性シランとのうち少なくとも一方を含有することも好ましい。この場合、高屈折率層31と低屈折率層32との密着性が向上する。メタクリル官能性シランとしては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。アクリル官能性シランとしては3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
The high
高屈折率層31中のメタクリル官能性シランとアクリル官能性シランの含有量は特に制限されないが、高屈折率層31中のメタクリル官能性シランとアクリル官能性シランの総量の割合が5〜30質量%の範囲であることが好ましい。前記割合が5質量%以上であると高屈折率層31と低屈折率層32との密着性が十分に高くなり、また前記割合が30質量%以下であると高屈折率層31中の架橋密度が十分に向上して高屈折率層31の硬度が十分に高くなる。
The content of the methacryl functional silane and the acrylic functional silane in the high
低屈折率層32の屈折率は、基材2及び高屈折率層31のいずれの屈折率よりも低いことが好ましい。例えば低屈折率層32の屈折率は1.10以上1.45以下の範囲である。また低屈折率層32の厚み(実膜厚)は例えば20nm以上200nm以下の範囲である。
The refractive index of the low
低屈折率層32も反応性硬化型樹脂組成物から形成されることが好ましく、例えば熱硬化型樹脂組成物と活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の少なくとも一方から形成されることが好ましい。低屈折率層32は、例えばバインダー材料及び必要に応じて使用される屈折率調整用の粒子を含有する組成物から形成される。バインダー材料と屈折率調整用の粒子とが併用される場合、両者の組み合わせ、配合比等により低屈折率層32の屈折率が適宜調整される。
The low
バインダー材料としては、シリコンアルコキシド系樹脂、飽和炭化水素及びポリエーテルの少なくともいずれかを主鎖とするポリマー(例えばUV硬化型樹脂組成物、熱硬化型樹脂組成物等)、ポリマー鎖中にフッ素原子を含む単位を含む樹脂などが挙げられる。 As the binder material, a polymer having a main chain of at least one of silicon alkoxide resin, saturated hydrocarbon and polyether (for example, UV curable resin composition, thermosetting resin composition, etc.), fluorine atom in the polymer chain And a resin containing a unit containing.
シリコンアルコキシド系樹脂としては、RmSi(OR´)nで表されるシリコンアルコキシド(R、R´は炭素数1〜10のアルキル基、m+n=4、m及びnはそれぞれ整数。)の部分加水分解縮合物であるオリゴマー及びポリマーが、挙げられる。シリコンアルコキシドとしては、具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が例示される。 As a silicon alkoxide resin, a silicon alkoxide represented by R m Si (OR ′) n (R and R ′ are alkyl groups having 1 to 10 carbon atoms, m + n = 4, m and n are integers). Examples include oligomers and polymers that are hydrolyzed condensates. Specific examples of the silicon alkoxide include tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetra-iso-propoxysilane, tetra-n-propoxysilane, tetra-n-butoxysilane, tetra-sec-butoxysilane, and tetra-tert-butoxy. Silane, tetrapentaethoxysilane, tetrapenta-iso-propoxysilane, tetrapenta-n-propoxysilane, tetrapenta-n-butoxysilane, tetrapenta-sec-butoxysilane, tetrapenta-tert-butoxysilane, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxy Silane, methyltripropoxysilane, methyltributoxysilane, dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, dimethylethoxysilane, dimethylmethoxysilane, di Chill propoxysilane, dimethyl-butoxy silane, methyl dimethoxy silane, methyl diethoxy silane, hexyl trimethoxy silane, and the like.
バインダー材料として、熱又は活性エネルギー線によって反応架橋する複数の基(重合性二重結合基等)を有する反応性有機珪素化合物が用いられてもよい。この有機珪素化合物の分子量は5000以下であることが好ましい。このような反応性有機珪素化合物としては、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビニル官能ポリシロキサン、両末端ビニル官能性ポリシロキサン、並びにこれらの化合物を反応させて得られるビニル官能性ポリシラン及びビニル官能性ポリシロキサン等が挙げられる。これら以外にも、反応性有機珪素化合物としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン化合物が挙げられる。 As the binder material, a reactive organosilicon compound having a plurality of groups (polymerizable double bond group or the like) that undergoes reactive crosslinking by heat or active energy rays may be used. The molecular weight of the organosilicon compound is preferably 5000 or less. Such reactive organosilicon compounds are obtained by reacting one terminal vinyl functional polysilane, both terminal vinyl functional polysilane, one terminal vinyl functional polysiloxane, both terminal vinyl functional polysiloxane, and these compounds. Examples include vinyl functional polysilanes and vinyl functional polysiloxanes. In addition to these, examples of the reactive organic silicon compound include (meth) acryloxysilane compounds such as 3- (meth) acryloxypropyltrimethoxysilane and 3- (meth) acryloxypropylmethyldimethoxysilane.
屈折率調整用の粒子としては、比較的低屈折率の粒子が使用されることが好ましい。屈折率調整用の粒子の材質としては、シリカ、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム等が挙げられる。屈折率調整用の粒子が中空粒子を含むことが好ましい。中空粒子とは外殻によって包囲された空洞を有する粒子である。中空粒子の屈折率は1.20〜1.45であることが好ましい。 As the particles for adjusting the refractive index, it is preferable to use particles having a relatively low refractive index. Examples of the material for adjusting the refractive index include silica, magnesium fluoride, lithium fluoride, aluminum fluoride, calcium fluoride, sodium fluoride, and the like. It is preferable that the refractive index adjusting particles include hollow particles. A hollow particle is a particle having a cavity surrounded by an outer shell. The refractive index of the hollow particles is preferably 1.20 to 1.45.
屈折率調整用の粒子には、必要に応じて、バインダー材料との濡れ性を向上するための表面処理が施されていることが好ましい。 The particles for adjusting the refractive index are preferably subjected to a surface treatment for improving the wettability with the binder material, if necessary.
屈折率調整用の粒子の粒径は十分に小さいこと、すなわち屈折率調整用の粒子がいわゆる超微粒子であることが好ましく、この場合、低屈折率層32の光透過性が十分に維持されるようになる。屈折率調整用の粒子の粒径は特に、0.5nm〜200nmの範囲であることが好ましい。この屈折率調整用の粒子の粒径とは、粒子の電子顕微鏡写真画像から算出される投影面積と同一の面積を有する円(面積相当円)の径のことである。
The particle diameter of the refractive index adjusting particles is preferably sufficiently small, that is, the refractive index adjusting particles are preferably so-called ultrafine particles. In this case, the light transmittance of the low
低屈折率層32中の屈折率調整用の粒子の含有量は、低屈折率層32の屈折率の値が適切な値となるように適宜調整されるが、特に低屈折率層32中の屈折率調整用の粒子の割合が20〜99体積%となるように調整されることが好ましい。
The content of the refractive index adjusting particles in the low
組成物は、更に撥水、撥油性材料を含有してもよい。この場合、低屈折率層32に防汚性が付与され得る。撥水、撥油性材料としては、一般的なワックス系の材料等が使用され得る。特に含フッ素化合物が使用されると、低屈折率層32の汚れ、指紋等の除去性が特に向上すると共に、低屈折率層32の表面の摩擦抵抗が低減して低屈折率層32の耐摩耗性が向上する。
The composition may further contain a water and oil repellent material. In this case, antifouling property can be imparted to the low
低屈折率層32は、上記のような組成物がバインダー材料の性状に応じて加熱、加湿、紫外線照射、電子線照射等の処理が施されることで硬化することにより、形成され得る。
The low
尚、反射防止層3の構成は上記態様には限られない。例えば反射防止層3が三層以上の多層構造を有してもよい。また反射防止層3が基材2よりも屈折率の低い一つの層のみから構成されてもよく、この場合、反射防止層3は上記の低屈折率層32と同様の構成を有してもよい。また、ハードコート層5が反射防止層3の一部として機能してもよい。すなわち、例えばハードコート層5、高屈折率層31、及び低屈折率層32でそれぞれ反射した光が互いに干渉して打ち消しあうことで、透明導電性部材1での全体的な反射光の強度が低減してもよい。
The configuration of the
本実施形態における透明導電性部材1の製造方法の第一の態様について説明する。本態様では、例えば基材2上にハードコート層5が形成され、続いて必要に応じて反射防止層3が形成される。続いて、グラフェン層4が形成される。
The 1st aspect of the manufacturing method of the transparent
尚、反応性硬化型樹脂組成物から上記のような層が形成されるにあたっては、各層が形成される前に各層と重ねる面に表面処理が施されてもよい。この場合、層間の濡れ性、密着性等の向上が可能となる。例えばハードコート層5が形成される前に基材2におけるハードコート層5と重なる面に表面処理が施されてもよい。また反射防止層3が形成される前にハードコート層5における反射防止層3と重なる面に表面処理が施されてもよい。反射防止層3が高屈折率層31と低屈折率層32とを備える場合にはハードコート層5上に高屈折率層31と低屈折率層32が順次形成されるが、この場合は低屈折率層32が形成される前に高屈折率層31における低屈折率層32と重なる面に表面処理が施されてもよい。表面処理の方法としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、フレーム処理などの物理的表面処理、カップリング剤、酸、アルカリによる化学的表面処理などが挙げられる。
In addition, when the above layers are formed from the reactive curable resin composition, a surface treatment may be performed on a surface overlapping with each layer before each layer is formed. In this case, it is possible to improve the wettability and adhesion between the layers. For example, before the
グラフェン層4は例えば転写法によりハードコート層5上(反射防止層3が形成される場合は反射防止層3上)に形成される。この場合、例えばまずグラフェン層4が蒸着法等により銅箔等の金属箔上に形成される。このグラフェン層4に転写用のプラスチックフィルム(転写用フィルム)が重ねられ、続いて金属箔が全てエッチング処理等により除去される。これにより、転写用フィルムと、その上に重ねられているグラフェン層4とを備える転写用の部材が形成される。この転写用の部材におけるグラフェン層4がハードコート層5上(反射防止層3が形成される場合は反射防止層3上)に重ねられて密着され、更にグラフェン層4から転写用フィルムが剥離されることで、反射防止層3上にグラフェン層4が転写される。これにより、透明導電性部材1が得られる。
The
透明導電性部材1の製造方法の第二の態様について、図2を参照して説明する。本態様では、銅箔等の金属箔6上に蒸着法等でグラフェン層4が形成される(図2(a))。このグラフェン層4上にハードコート層5が形成される(図2(b))。
The 2nd aspect of the manufacturing method of the transparent
尚、反応性硬化型樹脂組成物から上記のような層が形成されるにあたっては、この層が形成される前にこの層と重ねる面に表面処理が施されてもよい。この場合、層間の濡れ性、密着性等の向上が可能となる。すなわちハードコート層5が形成される前にグラフェン層4におけるハードコート層5と重なる面に表面処理が施されてもよい。表面処理の方法としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、フレーム処理などの物理的表面処理、カップリング剤、酸、アルカリによる化学的表面処理などが挙げられる。
In addition, when the above layers are formed from the reactive curable resin composition, surface treatment may be performed on the surface overlapping with this layer before the layer is formed. In this case, it is possible to improve the wettability and adhesion between the layers. That is, before the
続いてハードコート層5上に基材2が重ねられて接合される(図2(c)及び図2(d))。続いて、グラフェン層4に重ねられている銅箔等の金属箔6がエッチング処理等により全て除去される(図2(e))。これにより、透明導電性部材1が得られる。本態様により透明導電性部材1が製造されると、転写用フィルムが不要となると共に製造工程も簡略化される。このため、透明導電性部材1の製造効率が向上する。
Subsequently, the
透明導電性部材1の製造方法の第三の態様について、図3を参照して説明する。本態様では図1(b)に示されるような反射防止層3とハードコート層5とを備える透明導電性部材1が得られる。本態様では、銅箔等の金属箔6上に蒸着法等でグラフェン層4が形成される(図3(a))。このグラフェン層4上に反射防止層3が形成される(図3(b))。続いて反射防止層3上にハードコート層5が形成される(図3(c))。
The 3rd aspect of the manufacturing method of the transparent
尚、反応性硬化型樹脂組成物から上記のような層が形成されるにあたっては、各層が形成される前に各層と重ねる面に表面処理が施されてもよい。この場合、層間の濡れ性、密着性等の向上が可能となる。例えば反射防止層3が形成される前にグラフェン層4における反射防止層3と重なる面に表面処理が施されてもよい。反射防止層3が高屈折率層31と低屈折率層32とを備える場合にはグラフェン層4上に低屈折率層32と高屈折率層31が順次形成されるが、この場合は高屈折率層31が形成される前に低屈折率層32における高屈折率層31と重なる面に表面処理が施されてもよい。またハードコート層5が形成される前に反射防止層3におけるハードコート層5と重なる面に表面処理が施されてもよい。表面処理の方法としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、フレーム処理などの物理的表面処理、カップリング剤、酸、アルカリによる化学的表面処理などが挙げられる。
In addition, when the above layers are formed from the reactive curable resin composition, a surface treatment may be performed on a surface overlapping with each layer before each layer is formed. In this case, it is possible to improve the wettability and adhesion between the layers. For example, the surface treatment may be performed on the surface of the
続いてハードコート層5上に基材2が重ねられる(図3(d)及び図3(e))。続いて、グラフェン層4に重ねられている銅箔等の金属箔6がエッチング処理等により全て除去される(図3(f))。これにより、透明導電性部材1が得られる。本態様により透明導電性部材1が製造される場合も、転写用フィルムが不要となると共に製造工程も簡略化される。このため、透明導電性部材1の製造効率が向上する。
Subsequently, the
透明導電性部材1の製造方法の第四の態様及び第五の態様について説明する。これらの態様では、金属箔6を準備し、この金属箔6上にグラフェン層4を形成し、このグラフェン層4上に、直接又は一若しくは複数の層を介して、未硬化状態又は半硬化状態の反応性硬化型樹脂組成物からなる樹脂層9を形成することで、金属箔6、グラフェン層4、及び樹脂層9を備える中間部材7を得る。中間部材7とは、金属箔6と、グラフェン層4と、樹脂層9とを備え、グラフェン層4が金属箔6上に形成されていると共に金属箔6と樹脂層9との間に介在している構造を有する部材である。この中間部材7は、銅箔等の金属箔6上に透明導電性部材1を構成する層のうち基材2以外の層が積層して構成され、且つ金属箔6とは反対側の最外に樹脂層9が配置されている。この中間部材7の樹脂層9に透明な基材1を重ね、続いて樹脂層9を硬化させることで、積層物8を得る。この積層物8から金属箔6を除去することで、透明導電性部材1が得られる。
The 4th aspect and the 5th aspect of the manufacturing method of the transparent
本実施形態における透明導電性部材1の製造方法の第四の態様について、図2を参照して説明する。本態様では、樹脂層9を硬化させることで、この樹脂層9の硬化物からなるハードコート層5を形成する。本態様では、図1(a)に示される透明導電性部材1が製造される。
The 4th aspect of the manufacturing method of the transparent
本態様では、銅箔等の金属箔6が用意され、この金属箔6上に蒸着法等でグラフェン層4が形成される(図2(a))。このグラフェン層4上に、ハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が塗布され、或いは更にこの反応性硬化型樹脂組成物が半硬化される。これにより、未硬化状態(Aステージ)又は半硬化状態(Bステージ)の反応性硬化型樹脂組成物からなる樹脂層9が形成され、金属箔6、グラフェン層4及び樹脂層9を備える中間部材7が得られる(図2(b))。
In this embodiment, a
尚、反応性硬化型樹脂組成物から上記のような層が形成されるにあたっては、この層が形成される前にこの層と重ねる面に表面処理が施されてもよい。この場合、層間の濡れ性、密着性等の向上が可能となる。すなわち、樹脂層9が形成される前にグラフェン層4における樹脂層9と重なる面に表面処理が施されてもよい。表面処理の方法としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、フレーム処理などの物理的表面処理、カップリング剤、酸、アルカリによる化学的表面処理などが挙げられる。
In addition, when the above layers are formed from the reactive curable resin composition, surface treatment may be performed on the surface overlapping with this layer before the layer is formed. In this case, it is possible to improve the wettability and adhesion between the layers. That is, surface treatment may be performed on the surface of the
続いて中間部材7の樹脂層9上に基材2が重ねられ、この状態で樹脂層9が硬化される(図2(c)及び図2(d))。これにより、ハードコート層5が形成されると共にハードコート層5と基材2とが接合され、金属箔6、グラフェン層4、ハードコート層5、及び基材2がこの順に積層した構造を有する積層物8が得られる。
Subsequently, the
続いて、積層物8においてグラフェン層4に重ねられている銅箔等の金属箔6がエッチング処理等により全て除去される(図2(e))。これにより、透明導電性部材1が得られる。本態様により透明導電性部材1が製造されると、転写用フィルムが不要となると共に製造工程も簡略化される。このため、透明導電性部材1の製造効率が向上する。しかも、ハードコート層5と基材2とが容易に接合されると共にこの接合強度が高くなり、これによりグラフェン層4を備える透明導電性部材1が容易に得られる。
Subsequently, all of the
樹脂層9と基材2が重ねられる際には、この樹脂層9と基材2との間の粘着力が0.01〜4.0N/cmの範囲となるように、樹脂層9の粘着性が調整されることが好ましい。この場合、ハードコート層5と基材2とを容易に接合させることができると共に接合強度が充分に高くなる。樹脂層9の粘着性は、ハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物の組成に応じ、必要に応じてハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物から溶剤を揮発させたりハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物の硬化反応を進行させることで容易に調整され得る。
When the resin layer 9 and the
例えばハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が熱硬化性樹脂組成物である場合には、熱硬化性樹脂組成物を加熱することで乾燥させ、或いは更に硬化反応を進行させて半硬化状態(Bステージ)とすることで、熱硬化性樹脂組成物の粘着性が調整される。ハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が活性エネルギー線硬化型樹脂組成物である場合には、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を加熱することで乾燥させ、或いは紫外線などの活性エネルギー線を照射することで硬化反応を進行させて半硬化状態(Bステージ)とすることで、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘着性が調整される。
For example, when the reactive curable resin composition for forming the
また、樹脂層9を硬化させる際には、例えばハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が熱硬化性樹脂組成物である場合には樹脂層9を加熱し、ハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が活性エネルギー線硬化型樹脂組成物である場合には、樹脂層9に紫外線などの活性エネルギー線を照射することで、樹脂層9の硬化反応を進行させる。
When the resin layer 9 is cured, for example, when the reactive curable resin composition for forming the
透明導電性部材1の製造方法の第五の態様について、図3を参照して説明する。本態様では、樹脂層9を硬化させることで、この樹脂層9の硬化物からなるハードコート層5を形成する。本態様では、図1(b)に示される透明導電性部材1が製造される。
A fifth aspect of the method for producing the transparent
本態様では、銅箔等の金属箔6が用意され、この金属箔6上に蒸着法等でグラフェン層4が形成される(図3(a))。このグラフェン層4上に低屈折率層32を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が塗布され、この反応性硬化型樹脂組成物がその組成に応じた手法により硬化されることで、低屈折率層32が形成される。この低屈折率層32の上に高屈折率層31を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が塗布され、この樹脂組成物がその組成に応じた手法により硬化されることで、高屈折率層32が形成される。これにより低屈折率層32と高屈折率層31とを備える反射防止層3が形成される(図3(b))。続いて反射防止層3上にハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が塗布され、或いは更にこの反応性硬化型樹脂組成物が半硬化される。これにより、未硬化状態(Aステージ)又は半硬化状態(Bステージ)の反応性硬化型樹脂組成物からなる樹脂層9が形成され、金属箔6、グラフェン層4、反射防止層3、及び樹脂層9を備える中間部材7が得られる(図3(c))。
In this embodiment, a
尚、反応性硬化型樹脂組成物から上記のような層が形成されるにあたっては、各層が形成される前に各層と重ねる面に表面処理が施されてもよい。この場合、層間の濡れ性、密着性等の向上が可能となる。例えば反射防止層3が形成される前にグラフェン層4における反射防止層3と重なる面に表面処理が施されてもよい。反射防止層3が高屈折率層31と低屈折率層32とを備える場合にはグラフェン層4上に低屈折率層32と高屈折率層31が順次形成されるが、この場合は高屈折率層31が形成される前に低屈折率層32における高屈折率層31と重なる面に表面処理が施されてもよい。また樹脂層9が形成される前に反射防止層3における樹脂層9と重なる面に表面処理が施されてもよい。表面処理の方法としては、プラズマ処理、コロナ放電処理、フレーム処理などの物理的表面処理、カップリング剤、酸、アルカリによる化学的表面処理などが挙げられる。
In addition, when the above layers are formed from the reactive curable resin composition, a surface treatment may be performed on a surface overlapping with each layer before each layer is formed. In this case, it is possible to improve the wettability and adhesion between the layers. For example, the surface treatment may be performed on the surface of the
続いて中間部材7における樹脂層9上に基材2が重ねられ、この状態で樹脂層9が硬化される(図3(d)及び図3(e))。これにより、ハードコート層5が形成されると共にハードコート層5と基材2とが接合され、金属箔6、グラフェン層4、反射防止層3、ハードコート層5、及び基材2がこの順に積層した構造を有する積層物8が得られる。
Subsequently, the
続いて、積層物8におけるグラフェン層4に重ねられている銅箔等の金属箔6がエッチング処理等により全て除去される(図3(f))。これにより、透明導電性部材1が得られる。本態様により透明導電性部材1が製造されると、転写用フィルムが不要となると共に製造工程も簡略化される。このため、透明導電性部材1の製造効率が向上する。しかも、ハードコート層5と基材2とが容易に接合されると共にこの接合強度が高くなり、これによりグラフェン層4を備える透明導電性部材1が容易に得られる。
Subsequently, the
本態様においても、樹脂層9と基材2が重ねられる際には、この樹脂層9と基材2との間の粘着力が0.01〜4.0N/cmの範囲となるように、樹脂層9の粘着性が調整されることが好ましい。この場合、ハードコート層5と基材2とを容易に接合させることができると共に接合強度が充分に高くなる。樹脂層9の粘着性は、第一の反応性硬化型樹脂組成物の組成に応じ、必要に応じて第一の反応性硬化型樹脂組成物から溶剤を揮発させたり第一の反応性硬化型樹脂組成物の硬化反応を進行させることで容易に調整され得る。
Also in this aspect, when the resin layer 9 and the
例えばハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が熱硬化性樹脂組成物である場合には、熱硬化性樹脂組成物を加熱することで乾燥させ、或いは更に硬化反応を進行させて半硬化状態(Bステージ)とすることで、熱硬化性樹脂組成物の粘着性が調整される。ハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が活性エネルギー線硬化型樹脂組成物である場合には、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を加熱することで乾燥させ、或いは紫外線などの活性エネルギー線を照射することで硬化反応を進行させて半硬化状態(Bステージ)とすることで、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘着性が調整される。
For example, when the reactive curable resin composition for forming the
また、樹脂層9を硬化させる際には、例えばハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が熱硬化性樹脂組成物である場合には樹脂層9を加熱し、ハードコート層5を形成するための反応性硬化型樹脂組成物が活性エネルギー線硬化型樹脂組成物である場合には、樹脂層9に紫外線などの活性エネルギー線を照射することで、樹脂層9の硬化反応を進行させる。
When the resin layer 9 is cured, for example, when the reactive curable resin composition for forming the
上記第四の態様及び第五の態様のいずれにおいて、基材2が柔軟なプラスチックフィルムから形成される場合には、いわゆるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)製法により透明導電性部材1を効率良く製造することもできる。ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)製法により透明導電性部材1を製造するための製造装置を図4に示す。
In any of the fourth aspect and the fifth aspect, when the
図4に示す製造装置は、長尺な中間部材7(図2(b)、及び図3(c)参照)をロール状に巻回して保持すると共にこの中間部材7を繰り出す第一繰出機10と、長尺な基材2をロール状に巻回して保持すると共にこの基材2を繰り出す第二繰出機11とを備える。
The manufacturing apparatus shown in FIG. 4 is a
製造装置は、更に一対の押圧ロール12を備える。この二つの押圧ロール12の間には第一繰出機10から繰り出される中間部材7と第二繰出機11から繰り出される基材2とが、中間部材7における半硬化状態の樹脂層9と基材2とが対向するように重ねられて供給される。二つの押圧ロール12は、この中間部材7と基材2とに押圧力をかけることにより、中間部材7の樹脂層9と基材2とを密着させる。
The manufacturing apparatus further includes a pair of pressing rolls 12. Between the two
尚、製造装置は押圧ロール12に代えて、中間部材7と基材2とに押圧力をかける適宜の設備を備えてもよい。
Note that the manufacturing apparatus may include appropriate equipment for applying a pressing force to the
製造装置は、更に硬化部13を備える。硬化部13は中間部材7における樹脂層9の硬化反応を進行させて樹脂層9を硬化させるように機能する設備である。例えば樹脂層9が半硬化状態(Bステージ)の熱硬化型樹脂組成物から形成される場合には硬化部13は樹脂層9を加熱して硬化させる加熱炉で構成される。また、例えば樹脂層9が半硬化状態(Bステージ)の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物から形成される場合には硬化部13は樹脂層9へ紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化させる光源を備える露光装置で構成される。このため、中間部材7及び基材2が重ねられた状態で硬化部13を通過することで、両者が一体化した積層物8が形成される(図2(d)、及び図3(e)参照)。
The manufacturing apparatus further includes a
製造装置は、更にエッチング部14を備える。エッチング部14は硬化部13から導出される積層物8にエッチング処理を施すように機能する設備である。エッチング部14は例えば積層物8における金属箔6に向けて塩化第二鉄水溶液などのエッチング液を噴射する噴射装置を備える。このため、積層物8がエッチング部14を通過するとエッチング処理が施されることで積層物8から金属箔6が除去され、これにより透明導電性部材1が得られる(図2(e)、及び図3(f)参照)。
The manufacturing apparatus further includes an
製造装置は、更にエッチング後処理部15を備える。エッチング後処理部15はエッチング処理後の透明導電性部材1に洗浄などの後処理を施すものであり、このため例えばエッチング後処理部15は透明導電性部材1に洗浄水を噴射する洗浄装置151や、洗浄後の透明導電性部材1を加熱乾燥するための乾燥炉152などを備える。
The manufacturing apparatus further includes a
製造装置は、更に巻取機16を備える。巻取機16は透明導電性部材1をロール状に巻き取って保持する。巻取機16に巻き取られた透明導電性部材1は必要に応じて次工程へ移送される。
The manufacturing apparatus further includes a
このような製造装置を用いるロール・ツー・ロール(Roll to Roll)製法では、中間部材7と基材2とを連続的に搬送しながら、この中間部材7と基材2とを押圧させて密着させる。続いて中間部材7の樹脂層9を硬化させることで中間部材7と基材2とを一体化して積層物8を形成する。この積層物8の金属箔6にエッチング処理を施すことで透明導電性部材1を作製する。更にこの透明導電性部材1にエッチング後処理を施してからロール状に巻き取ることができる。これにより、透明導電性部材1が非常に効率良く製造される。
In the roll-to-roll manufacturing method using such a manufacturing apparatus, the
尚、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)製法のための製造装置の構成は、図4に示すものに限られない。例えば製造装置を構成する各設備は、同等の機能を発揮する別の設備に置換されてもよいし、必要に応じて上記以外の設備が追加されてもよい。また、図4に示す製造装置が、ロール・ツー・ロール製法による処理を施す複数の装置に適宜分割されてもよい。例えば、図4に示す製造装置において、積層物8を一旦ロール状に巻き取って保持する巻取機と、ロール状の積層物8をエッチング部14へ向けて繰り出す繰出機とが設けられることで、図4に示す製造装置が分割されてもよい。
In addition, the structure of the manufacturing apparatus for the roll to roll (Roll to Roll) manufacturing method is not restricted to what is shown in FIG. For example, each facility constituting the manufacturing apparatus may be replaced with another facility that exhibits an equivalent function, and facilities other than the above may be added as necessary. Moreover, the manufacturing apparatus shown in FIG. 4 may be appropriately divided into a plurality of apparatuses that perform processing by a roll-to-roll manufacturing method. For example, in the manufacturing apparatus shown in FIG. 4, a winder that once winds and holds the
(実施例1)
厚み70μmの銅箔上に熱CVD法によりグラフェン層4を形成した。このとき、銅箔をチャンバー内に配置し、このチャンバー内にアセチレンガスを200sccm(3.38×10−2Pa・m3/sec)の一定速度で投入しつつ、銅箔を400℃で20分間熱処理することにより、銅箔上にグラフェンを生成した。続いて、銅箔を自然冷却することにより、グラフェンを均一に配列した状態で成長させた。冷却速度は600℃/分であった。これにより、グラフェン層4を形成した。
Example 1
A
このグラフェン層4の上にウレタンアクリレート(新中村化学工業株式会社製、品番U−15HA)を40質量部、光重合性開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184)を0.8質量部、メチルエチルケトンを59.2質量部含有する反応性硬化型樹脂組成物を塗布し、これを80℃で5分間乾燥後、紫外線照射(積算量50mJ/cm2)することにより半硬化させて半硬化状態の樹脂層9を形成した。
On this
この樹脂層9に基材2として厚み125μm、屈折率1.65のPETフィルムを重ね、続いて紫外線照射(積算量500mJ/cm2)することにより樹脂層9を硬化させて厚み6μm、屈折率1.58、鉛筆硬度3Hのハードコート層5を形成すると共にこのハードコート層5と基材2とを接合して積層物8を得た。
The resin layer 9 is cured as a
次に、この積層物8に対して塩化第二鉄水溶液を用いて室温でエッチング処理を施すことで銅箔を除去し、更に洗浄、乾燥処理を施した。これにより、基材2、ハードコート層5、及びグラフェン層4を備える透明導電性部材1を得た。
Next, the copper foil was removed by subjecting this
この透明導電性部材1の導電性を表面抵抗値測定器(三菱化学株式会社製、型番ロレスタEP MCP−T360)により評価したところ表面抵抗値は27Ω/□であった。またこの透明導電性部材1の透明性(反射防止性能)をヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、型番NDH−2000)により評価したところ全光線透過率は88%であった。またこの透明導電性部材1の機械的強度を鉛筆硬度試験(JIS K5600)により評価したところ硬度は3Hであった。このように、優れた導電性と透明性と機械的強度とを備える透明導電性部材1が得られた。
When the conductivity of the transparent
(実施例2)
厚み35μmの銅箔上に熱CVD法によりグラフェン層4を形成した。このとき、銅箔をチャンバー内に配置し、このチャンバー内にアセチレンガスを200sccm(3.38×10−2Pa・m3/sec)の一定速度で投入しつつ、銅箔を400℃で20分間熱処理することにより、銅箔上にグラフェンを生成した。続いて、銅箔を自然冷却することにより、グラフェンを均一に配列した状態で成長させた。冷却速度は600℃/分であった。これにより、グラフェン層4を形成した。
(Example 2)
A
このグラフェン層4の上にメチルシリケート2.9質量部(三菱化学株式会社製、品番MS51)、中空シリカゾル(日揮触媒化成株式会社製、品番CS60−IPA)を7.5質量部、イソプロピルアルコールを89.6質量部含有する反応性硬化型樹脂組成物を塗布し、これを120℃で5分間加熱することにより、厚み100nm、屈折率1.38の低屈折率層32を形成した。
On this
続いて、低屈折率層32の上にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、品番A−DPH)を3.0質量部、ジルコニアゾルを35.0質量部、光重合性開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184)を0.2質量部、メチルエチルケトンを61.8質量部含有する反応性硬化型樹脂組成物を塗布し、これを80℃で5分間乾燥後、紫外線照射(積算量500mJ/cm2)することにより硬化させて厚み200nm、屈折率1.70の高屈折率層31を形成した。これにより、高屈折率層31と低屈折率層32からなる反射防止層3を形成した。
Subsequently, 3.0 parts by mass of dipentaerythritol hexaacrylate (manufactured by Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd., product number A-DPH) and 35.0 parts by mass of zirconia sol on the low
続いて,反射防止層3の上にウレタンアクリレート(新中村化学工業株式会社製、品番U−15HA)を30質量部、光重合性開始剤(BASF社製、商品名イルガキュア184)を0.6質量部、メチルエチルケトンを69.4質量部含有する反応性硬化型樹脂組成物を塗布し、これを80℃で5分間乾燥後、紫外線照射(積算量50mJ/cm2)することにより半硬化させて半硬化状態の樹脂層9を形成した。
Subsequently, 30 parts by mass of urethane acrylate (manufactured by Shin-Nakamura Chemical Co., Ltd., product number U-15HA) on the
この樹脂層9に基材2として厚み100μm、屈折率1.53のCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルムを重ね、続いて紫外線照射(積算量500mJ/cm2)することにより樹脂層9を硬化させて厚み3μm、屈折率1.58、鉛筆硬度2Hのハードコート層5を形成すると共にこのハードコート層5と基材2とを接合して積層物8を得た。
The resin layer 9 is cured by superimposing a COP (cycloolefin polymer) film having a thickness of 100 μm and a refractive index of 1.53 on the resin layer 9 as a
次に、この積層物8に対して塩化第二鉄水溶液を用いて室温でエッチング処理を施すことで銅箔を除去し、更に洗浄、乾燥処理を施した。これにより、基材2、反射防止層3、ハードコート層5、及びグラフェン層4を備える透明導電性部材1を得た。
Next, the copper foil was removed by subjecting this
この透明導電性部材1の導電性を表面抵抗値測定器(三菱化学株式会社製、型番ロレスタEP MCP−T360)により評価したところ表面抵抗値は25Ω/□であった。またこの透明導電性部材1の透明性(反射防止性能)をヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、型番NDH−2000)により評価したところ全光線透過率は93%であった。またこの透明導電性部材1の機械的強度を鉛筆硬度試験(JIS K5600)により評価したところ硬度は2Hであった。このように、優れた導電性と透明性と機械的強度とを備える透明導電性部材1が得られた。
When the conductivity of the transparent
1 透明導電性部材
2 基材
4 グラフェン層
5 ハードコート層
DESCRIPTION OF
Claims (2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011170459A JP2013037779A (en) | 2011-08-03 | 2011-08-03 | Transparent conductive member |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011170459A JP2013037779A (en) | 2011-08-03 | 2011-08-03 | Transparent conductive member |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013037779A true JP2013037779A (en) | 2013-02-21 |
Family
ID=47887247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011170459A Withdrawn JP2013037779A (en) | 2011-08-03 | 2011-08-03 | Transparent conductive member |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013037779A (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11635367B2 (en) * | 2015-12-17 | 2023-04-25 | Centre National De La Recherche Scientifique (Cnrs) | Contrast-amplifying carriers using a two-dimensional material |
-
2011
- 2011-08-03 JP JP2011170459A patent/JP2013037779A/en not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11635367B2 (en) * | 2015-12-17 | 2023-04-25 | Centre National De La Recherche Scientifique (Cnrs) | Contrast-amplifying carriers using a two-dimensional material |
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