本発明の実施例を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図4に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや後述する配当表1などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図2参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図2に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図2参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するROM506に記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、例えば図5に示すようなメイン制御部41の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、例えば図5に示すようなメイン制御部41の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路43により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路42により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすれば良い。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPU505の動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、固有情報記憶回路503と、リセット/割込コントローラ504と、CPU505と、ROM506と、RAM507と、CTC(カウンタ/タイマサーキット)508と、乱数回路509と、PIP(パラレルインプットポート)510と、シリアル通信回路511と、アドレスデコード回路512とを備えて構成される。
図5に示すメイン制御部41が備える外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。例えば、外部バスインタフェース501は、メイン制御部41に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであれば良い。この実施の形態において、外部バスインタフェース501には、内部リソースアクセス制御回路501Aが含まれている。
内部リソースアクセス制御回路501Aは、外部バスインタフェース501を介した外部装置からメイン制御部41の内部データに対するアクセスを制御して、例えばROM506に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、外部バスインタフェース501には、例えばインサーキットエミュレータ(ICE)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。
メイン制御部41が備えるクロック回路502は、例えば制御用外部クロック端子EXCに入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。本実施例では、制御用外部クロック端子EXCに制御用クロック生成回路42が生成した制御用クロックCCLKが入力される。クロック回路502により生成された内部システムクロックSCLKは、例えばCPU505といった、メイン制御部41において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックSCLKは、乱数回路509にも供給され、乱数用クロック生成回路43から供給される乱数用クロックRCLKの周波数を監視するために用いられる。さらに、内部システムクロックSCLKは、クロック回路502に接続されたシステムクロック出力端子CLKOから、メイン制御部41の外部へと出力されても良い。尚、内部システムクロックSCLKは、メイン制御部41の外部へは出力されないことが望ましい。このように、内部システムクロックSCLKの外部出力を制限することにより、メイン制御部41の内部回路(CPU505など)の動作周期を外部から特定することが困難になり、乱数値となる数値データをソフトウェアにより更新する場合に、乱数値の更新周期が外部から特定されてしまうことを防止できる。
メイン制御部41が備える固有情報記憶回路503は、例えばメイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。一例として、固有情報記憶回路503は、ROMコード、チップ個別ナンバー、IDナンバーといった3種類の固有情報を記憶する。ROM506コードは、ROM506の所定領域における記憶データから生成される4バイトの数値であり、生成方法の異なる4つの数値が準備されれば良い。チップ個別ナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される4バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。IDナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される8バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。ここで、チップ個別ナンバーはユーザプログラムから読み取ることができる一方、IDナンバーはユーザプログラムから読み取ることができないように設定されていれば良い。尚、固有情報記憶回路503は、例えばROM506の所定領域を用いることなどにより、ROM506に含まれるようにしても良い。或いは、固有情報記憶回路503は、例えばCPU505の内蔵レジスタを用いることなどにより、CPU505に含まれるようにしても良い。
メイン制御部41が備えるリセット/割込コントローラ504は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ504が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子XSRSTに一定の期間にわたりローレベル信号(システムリセット信号)が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、外部ユーザリセット端子XURSTに一定の期間にわたりローレベルの信号(ユーザリセット信号)が入力されたとき、または内蔵ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。尚、本実施例では前述のように内蔵ウォッチドッグタイマを使用せずにリセット回路49に搭載されたウォッチドッグタイマ(WDT)を用いているため、外部ユーザリセット端子XURSTにユーザリセット信号が入力されるか、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生することでユーザリセットが発生することとなる。
リセット/割込コントローラ504が制御する割込には、ノンマスカブル割込NMIとマスカブル割込INTが含まれている。ノンマスカブル割込NMIは、CPU505の割込禁止状態でも無条件に受け付けられる割込であり、外部ノンマスカブル割込端子XNMI(入力ポートP4と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生する割込である。マスカブル割込INTは、CPU505の設定命令により、割込要求の受け付けを許可/禁止できる割込であり、優先順位設定による多重割込の実行が可能である。マスカブル割込INTの要因としては、外部マスカブル割込端子XINT(入力ポートP3と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたこと、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、シリアル通信回路511にてデータ送信による割込要因が発生したこと、乱数回路509にて乱数値となる数値データの取り込みによる割込要因が発生したことなど、複数種類の割込要因が予め定められていれば良い。
メイン制御部41が備えるCPU505は、ROM506から読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。このときには、CPU505がROM506から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU505がRAM507に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU505がRAM507に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU505が外部バスインタフェース501やPIP510などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU505が外部バスインタフェース501やシリアル通信回路511などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
このように、メイン制御部41では、CPU505がROM506に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はCPU505)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU505がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データ等が記憶されている。また、ROM506には、セキュリティチェックプログラム506Aが記憶されている。CPU505は、スロットマシン1の電源投入やシステムリセットの発生に応じてメイン制御部41がセキュリティモードに移行したときに、ROM506に記憶されたセキュリティチェックプログラム506Aを読み出し、ROM506の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。尚、セキュリティチェックプログラム506Aは、ROM506とは異なる内蔵メモリに記憶されても良い。また、セキュリティチェックプログラム506Aは、例えば外部バスインタフェース501を介してメイン制御部41に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであっても良い。
メイン制御部41が備えるRAM507は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM507の少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の少なくとも一部の内容が保存される。尚、本実施例では、RAM507の全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備えるCTC508は、例えば8ビットのプログラマブルタイマを3チャネル(PTC0−PTC2)内蔵して構成され、リアルタイム割込の発生や時間計測を可能とするタイマ回路を含んでいる。各プログラマブルタイマPTC0−PTC2は、内部システムクロックSCLKに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(例えばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであれば良い。また、CTC508は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(PCC0−PCC3)内蔵しても良い。各プログラマブルカウンタPCC0−PCC3は、内部システムクロックSCLKの信号変化、或いは、プログラマブルカウンタPCC0−PCC3のいずれかにおけるタイムアウトの発生などに応じて、カウント値が更新されるものであれば良い。CTC508は、セキュリティ時間を延長する際の延長時間(可変設定時間)をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタや、乱数回路509にて生成される乱数のスタート値をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタなどを、含んでも良い。或いは、これらのフリーランカウンタは、例えばRAM507のバックアップ領域といった、CTC508とは異なるメイン制御部41の内部回路に含まれても良い。
メイン制御部41が備える乱数回路509は、例えば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられても良い。CPU505は、乱数回路509から抽出した数値データに基づき、乱数回路509とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工或いは更新することで、内部抽選用の乱数値を示す数値データをカウントするようにしても良い。以下では、内部抽選用の乱数値を示す数値データが、ハードウェアとなる乱数回路509からCPU505により抽出された数値データをソフトウェアにより加工しないものとする。尚、乱数回路509は、メイン制御部41に内蔵されるものであっても良いし、メイン制御部41とは異なる乱数回路チップとして、メイン制御部41に外付けされるものであっても良い。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるPIP510は、例えば6ビット幅の入力専用ポートであり、専用端子となる入力ポートP0〜入力ポートP2と、機能兼用端子となる入力ポートP3〜入力ポートP5とを含んでいる。入力ポートP3は、CPU505等に接続される外部マスカブル割込端子XINTと兼用される。入力ポートP4は、CPU505等に接続される外部ノンマスカブル割込端子XNMIと兼用される。入力ポートP5は、シリアル通信回路511が使用する第1チャネル受信端子RXAと兼用される。入力ポートP3〜入力ポートP5の使用設定は、プログラム管理エリアに記憶される機能設定KFCSにより指示される。
図5に示すメイン制御部41が備えるアドレスデコード回路512は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、或いは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU505からのアクセスが可能となる。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラム506Aの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM506には、CPU505が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM506には、CPU505が遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM507には、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAM507としては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU505には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU505がROM506から命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU505における1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、シリアル通信回路511を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM507に格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM507のスタックに退避し、RAM507にいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM507に格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM507の該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM507の全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM507に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM507に格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM507のデータが正常であると判定した場合に、RAM507の格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM507に格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
次に、メイン制御部41のRAM507の初期化について説明する。メイン制御部41のRAM507の格納領域は、図24(a)に示すように、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、初期化すると不都合があるデータに加え、後述するRTフラグ及びRT残りゲーム数が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM507のデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグ等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM507の格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、図24(b)に示すように、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM507のデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM507の格納領域のうち、重要ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)、すなわち図24(a)に示す非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM507の格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域、すなわち図24(a)に示す一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM507のデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM507の格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。
このように本実施例では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなるが、この際、重要ワークに割り当てられてられたRTフラグやRT残りゲーム数は初期化されることなく保持されるようになっている。一方で、一般ワークに割り当てられた遊技状態フラグについては、初期化1が実行されることに伴って初期化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)、通常遊技状態があり、いずれの遊技状態であっても賭数の規定数として3が定められており、遊技状態に関わらず、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1〜L5の全てが有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(以下、単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組み合わせであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM507に割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM507に割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされる毎に、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM507に割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM506Aに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
尚、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、後述する前兆演出抽選の結果に基づいて、フリーズ状態に制御するか否か及びフリーズ状態に制御する場合にはそのタイミングを示すコマンドであり、後述する前兆演出抽選の終了時に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態等を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのか及び他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、ドアコマンド格納領域に格納される。ドアコマンド格納領域には、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド格納領域に格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。尚、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
前述のようにドアコマンドも操作検出コマンドもともにタイマ割込処理(メイン)のコマンド設定処理においてコマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信されることとなるが、ドアコマンド送信要求2が設定されている場合、すなわちドアコマンドの送信が要求されている場合には、例え、操作検出コマンドの送信が要求されていても、ドアコマンドの送信を優先するようになっており、ドアコマンド送信要求2が設定されていない場合のみ操作検出コマンドが送信されることとなるため、ドアコマンド送信要求2と操作検出コマンド送信要求の双方が設定されている場合には、当該コマンド送信処理では、ドアコマンドが送信され、次回以降のコマンド送信処理において操作検出コマンドが送信されることとなる。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
尚、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
尚、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、前述した内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
このスロットマシン1における役としては、図6に示すように、特別役としてレギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)、ビッグボーナス(1)(2)(以下ではビッグボーナスをBB(1)(2)とする)が、小役としてスイカ、チェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー−ANY−ベル」または「チェリー−ANY−リプレイ」の組み合わせが揃ったとき、すなわち左リールにおいて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出され、右リールの、左リールに「チェリー」が停止した入賞ラインに「ベル」または「リプレイ」の図柄が導出されたときに入賞となり、2枚のメダルが払い出される。
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。
ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
RBは、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または4ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。
BB(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
BB(1)(2)が入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が480枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
次に、図7を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。
本実施例では、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RB(BB)であるか、によって内部抽選の対象となる役が異なり、さらに通常遊技状態においては、特別役の持越中か否か(通常:特別役の持ち越されていない通常遊技状態、当選中:特別役の持ち越されている通常遊技状態)によっても内部抽選の対象が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図7においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図7においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されていない状態であれば、RB、BB(1)、BB(2)、RB+スイカ、RB+チェリー、BB(1)+スイカ、BB(1)+チェリー、BB(2)+スイカ、BB(2)+チェリー、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役となる。
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されている状態であれば、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役となる。
遊技状態がRB(BB)であれば、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役となる。
内部抽選では、前述のように内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
本実施例では、図7に示すように、RB+スイカの当選確率をA1、BB(1)+スイカの当選確率をA2、BB(2)+スイカの当選確率をA3、スイカの当選確率をA4、RB+チェリーの当選確率をB1、BB(1)+チェリーの当選確率をB2、BB(2)+チェリーの当選確率をB3、チェリーの当選確率をB4とした場合、特別役(RB、BB(1)、BB(2))+スイカの当選確率とスイカの当選確率の合算値(A1+A2+A3+A4)に占める特別役+スイカの当選確率(A1+A2+A3)の比率の方が、特別役(RB、BB(1)、BB(2))+チェリーの当選確率とチェリーの当選確率の合算値(B1+B2+B3+B4)に占める特別役+チェリーの当選確率(B1+B2+B3)の比率よりも高くなるように、A1〜4、B1〜4の確率がそれぞれ定められている。
このため、チェリーが当選している場合よりも、スイカが当選している場合の方が、特別役と同時に当選している比率が高く、チェリーが当選している場合よりも、スイカが当選している場合の方が、特別役の当選に対して期待できるようになっている。
本実施例においてサブ制御部91は、複数ゲームにわたり特別役の当選可能性を示唆する演出を行い、最終的に特別役に当選しているか否かを示す演出結果を導く連続演出、複数ゲームにわたり連続演出が実行されることを示唆する前兆演出、1ゲームにおいて連続演出が開始するよりも前のタイミングにおいて当該ゲームの終了後、連続演出が実行されることを予告する予告演出を実行する。
図8は、連続演出、前兆演出、予告演出の実行の流れを示す図である。
まず、通常遊技状態において特別役の当選が期待できるチェリーまたはスイカに当選すると、メイン制御部41が、前兆演出を実行するか否かを決定する前兆演出抽選を行う。
前兆演出抽選に当選した場合には、メイン制御部41及びサブ制御部91が前兆演出を実行し、さらにサブ制御部91は、前兆演出に続いて連続演出を実行し、特別役に当選したか否かが報知されるようになっている。
また、通常遊技状態において特別役の当選が期待できるチェリーまたはスイカに当選し、メイン制御部41による前兆演出抽選に当選しなかった場合には、サブ制御部91が予告演出を実行するか否か及び予告演出を実行しない場合には連続演出を実行するか否かを決定する予告演出抽選を行う。
この予告演出抽選にて予告演出の実行が当選した場合には、サブ制御部91は予告演出を実行し、さらにサブ制御部91は、予告演出が実行されたゲームの終了時から連続演出を実行し、特別役に当選したか否かが報知されるようになっている。
また、予告演出抽選にて予告演出には当選せず、連続演出に当選した場合には、サブ制御部91は、予告演出を伴わずに連続演出を実行し、特別役に当選したか否かが報知されるようになっている。
また、予告演出抽選にて予告演出も連続演出も当選しなかった場合には、サブ制御部91は、予告演出を実行することもなく、連続演出を実行することもない。
このように、連続演出が実行される場合には、前兆演出も予告演出も経ずに連続演出が実行される場合と、前兆演出を経て連続演出が実行される場合と、予告演出を経て連続演出が実行される場合と、がある一方で、前兆演出を経て実行される連続演出については、連続演出の開始時のゲームにおいて予告演出が実行されることはない。
前兆演出は、図9に示すように、前面扉1bの上部に配置された遊技効果LED52の点灯態様を変化させることにより実行する。詳しくは、前面扉1bの上部に配置された遊技効果LED52は、図9に示すように、エリア1〜4の領域が割り当てられており、前兆演出開始前の状態では、エリア1〜4の全てが消灯状態であり、チェリーまたはスイカの当選したゲームから全リール停止後に、そのゲームのステップに応じて遊技効果LED52の点灯態様を変化させる。
ステップ1では、エリア1を点滅状態とした後、点灯状態とし、他のエリアは消灯状態のままとなる。ステップ2では、エリア2を点滅状態とした後、エリア1、2を点灯状態とし、他のエリアは消灯状態のままとなる。ステップ3では、エリア3を点滅状態とした後、エリア1〜3を点灯状態とし、エリア4のみ消灯状態となる。ステップ4では、エリア4を点滅状態とした後、エリア1〜4全てが点灯状態となる。
尚、本実施例では、前兆演出として遊技効果LEDの点灯態様をステップ毎に段階的に変化させる構成を適用しているが、ステップ毎に段階的に演出態様を変化させる構成であれば良く、液晶表示器51の表示態様、音声の出力態様等を段階的に変化させる構成であっても良く、さらには、これら遊技効果LEDの点灯態様、液晶表示器51の表示態様、音声の出力態様の組み合わせを段階的に変化させる構成でも良い。
また、メイン制御部41は、前兆演出を実行するゲームにおいて、図10に示すように、全リール停止後、一定期間(ステップに応じたエリアが点滅状態となる時間)にわたり、次ゲームを開始するための賭数設定操作(メダルの投入、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定)を禁止することで、ゲームの進行を遅延させるフリーズ状態に制御するようになっている。また、前兆演出を実行するゲームにおいて再遊技役が入賞した場合には、全リール停止後、賭数が設定された後、一定期間にわたり、次ゲームを開始するためのスタートスイッチ7の操作を禁止することで、ゲームの進行を遅延させるフリーズ状態に制御するようになっている。これらの制御によりサブ制御部91が前兆演出に伴い遊技効果LED52の点灯態様を変化させている間、ゲームの進行が制限されるようになっている。
メイン制御部41は、通常遊技状態においてチェリーまたはスイカが当選した際に、前兆演出を実行するか否か、及び前兆演出を実行する場合に前兆演出の最終ステップを決定する前兆演出抽選を行う。前兆演出抽選では、ステップ0〜ステップ4のいずれかを決定し、ステップ0が決定された場合には、前兆演出を実行せず、ステップ1〜4のいずれかが決定された場合には、決定した最終ステップまでステップ1、2、3、4の順番で1ゲーム毎にそのゲームの終了時においてメイン制御部41は、賭数設定操作またはゲームの開始操作を一定期間無効化し、ゲームの進行を遅延させるフリーズ状態に制御し、サブ制御部91は、その間に各ステップに対応して変化させる遊技効果LED52を点滅制御した後、各ステップに対応する点灯態様となるように遊技効果LED52の点灯制御を行う。
そしてサブ制御部91は、最終ステップに対応するゲームにおいて連続演出の演出パターンを決定する連続演出抽選を行う。連続演出抽選では、パターン1〜6のいずれかを決定し、決定したパターンに応じた連続演出を実行する。
連続演出の演出パターンは、後述のようにそれぞれの演出パターンに応じて液晶表示器51の表示態様、音声の出力態様、LED等の点灯態様等が異なる。尚、本実施例では、連続演出として液晶表示器51の表示態様、音声の出力態様、LED等の点灯態様を利用した演出を適用しているが、これらのうちいずれか1の演出態様のみ、またはいずれか2の演出態様のみを利用したものでも良い。
また、サブ制御部91は、通常遊技状態においてチェリーまたはスイカが当選した際に、メイン制御部41が行う前兆演出抽選に当選しなかった場合、すなわち前兆演出を実行しないと決定された場合に、サブ制御部91は、チェリーまたはスイカが当選したゲームの後、1〜3ゲームのいずれかのゲームにおいて予告演出を実行するか否か、予告演出を実行しない場合には、さらに連続演出を実行するか否か、予告演出を実行せず連続演出を実行する場合には、チェリーまたはスイカが当選したゲームの後、1〜3ゲームのいずれのゲームにおいて連続演出を開始するか、を決定する予告演出抽選を行う。尚、予告演出が実行される場合には、必ず連続演出が実行されるので、予告演出の当選は、連続演出の当選も示す。
予告演出抽選では、予告演出:なし・連続演出:なし、予告演出:なし・連続演出:1ゲーム目、予告演出:なし・連続演出:2ゲーム目、予告演出:なし・連続演出:3ゲーム目、予告演出:1ゲーム目、予告演出:2ゲーム目、予告演出:3ゲーム目のいずれかを決定し、予告演出:なし・連続演出:なしが決定された場合には、予告演出も連続演出も実行されることがない。また、予告演出:なし・連続演出:1ゲーム目、予告演出:なし・連続演出:2ゲーム目、予告演出:なし・連続演出:3ゲーム目のいずれかが決定された場合には、予告演出は実行せずに、決定された1〜3ゲーム目のゲームにおいて連続演出抽選を行い、そのゲームの終了後、決定したパターンに応じた連続演出を実行する。また、予告演出:1ゲーム目、予告演出:2ゲーム目、予告演出:3ゲーム目のいずれかが決定された場合には、決定された1〜3ゲーム目において当該ゲームが終了するまでのタイミング(賭数設定操作時、スタート操作時、第1停止時(最初にリールを停止させたタイミング)、第2停止時(2番目にリールを停止させたタイミング)、第3停止時(3番目にリールを停止させたタイミング))において予告演出を実行し、この予告演出が実行されたゲームにおいて連続演出抽選を行い、そのゲームの終了後、決定したパターンに応じた連続演出を実行する。
予告演出は、当該ゲームの終了後から連続演出が開始する旨を液晶表示器51の表示態様、音声の出力態様、LED等の点灯態様のいずれか1つまたはこれらの組み合わせにより報知するものである。また、予告演出のパターンを複数定めておき、予告演出抽選の契機となった当選役等に応じて定められたパターン、抽選で決めたパターンに応じた予告演出を実行するようにしても良い。また、予告演出が1ゲームの中の複数のタイミングのいずれかのタイミングで実行されることとなるが、これらのタイミングのうちどのタイミングで予告演出が実行されるかは、予告演出抽選の契機となった当選役等に応じて予め定められていても良いし、抽選で決めても良い。
前兆演出抽選では、図11に示すように、当該前兆演出抽選の契機となった内部抽選の当選役に応じてステップ0〜4の当選率が異なる。
詳しくは、スイカの単独当選時の当選率は、ステップ0が75%、ステップ1が10%、ステップ2が7.5%、ステップ3が5%、ステップ4が2.5%であり、スイカの単独当選時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は25%、スイカの単独当選時に前兆演出が実行された場合の最終ステップの平均は2である。
特別役+スイカ当選時の当選率は、ステップ0が60%、ステップ1が10%、ステップ2が10%、ステップ3が10%、ステップ4が10%であり、特別役+スイカ当選時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は40%、特別役+スイカ当選時に前兆演出が実行された場合の最終ステップの平均は2.5である。
チェリーの単独当選時の当選率は、ステップ0が85%、ステップ1が7.5%、ステップ2が5%、ステップ3が2.5%、ステップ4が0%であり、チェリーの単独当選時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は15%、チェリーの単独当選時に前兆演出が実行された場合の最終ステップの平均は1.67である。
特別役+チェリー当選時の当選率は、ステップ0が70%、ステップ1が10%、ステップ2が7.5%、ステップ3が7.5%、ステップ4が5%であり、特別役+チェリー当選時に前兆演出が実行される確率(当選確率)は30%、特別役+チェリー当選時に前兆演出が実行された場合の最終ステップの平均は2.25である。
このように前兆演出抽選では、スイカ、チェリーが単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が前兆演出が実行される割合が高く、また、前兆演出が実行される場合においては、スイカ、チェリーが単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が前兆演出のステップがより進んだ段階で特別役当選示唆演出が実行される割合が高くなる。このため、スイカ、チェリーの当選を契機として前兆演出が実行されることで、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆され、さらにより前兆演出のステップが進むほど、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。
また、前兆演出抽選では、チェリー、スイカのうち特別役と同時に当選する比率が高いスイカの当選時の方が、前兆演出が実行される割合が高く、また、前兆演出が実行される場合においては、チェリー、スイカのうち特別役と同時に当選する比率が高いスイカの当選時の方が、前兆演出のステップがより進んだ段階で特別役当選示唆演出が実行される割合が高くなる。これにより、スイカまたはチェリーの入賞により示唆される特別役の当選可能性の上昇と、前兆演出の実行により示唆される特別役の当選可能性の上昇と、の関係が明確となるため、スイカまたはチェリーの入賞により示唆された特別役の当選に対する期待感を前兆演出によって効果的に高めることができる。
予告演出抽選では、図12に示すように、当該予告演出抽選の契機となった内部抽選の当選役に応じて予告演出:なし・連続演出:なし、予告演出:なし・連続演出:1ゲーム目、予告演出:なし・連続演出:2ゲーム目、予告演出:なし・連続演出:3ゲーム目、予告演出:1ゲーム目、予告演出:2ゲーム目、予告演出:3ゲーム目の当選率が異なる。
詳しくは、スイカの単独当選時の当選率は、予告演出:なし・連続演出:なしが50%、予告演出:なし・連続演出:1ゲーム目が8%、予告演出:なし・連続演出:2ゲーム目が7%、予告演出:なし・連続演出:3ゲーム目が5%、予告演出:1ゲーム目が15%、予告演出:2ゲーム目が10%、予告演出:3ゲーム目が5%であり、スイカの単独当選時に前兆演出が実行されない場合には、連続演出が実行される確率(当選確率)が50%であり、そのうち予告演出を伴う確率は20%である。
特別役+スイカ当選時の当選率は、予告演出:なし・連続演出:なしが20%、予告演出:なし・連続演出:1ゲーム目が5%、予告演出:なし・連続演出:2ゲーム目が7%、予告演出:なし・連続演出:3ゲーム目が8%、予告演出:1ゲーム目が20%、予告演出:2ゲーム目が20%、予告演出:3ゲーム目が20%であり、特別役+スイカ当選時に前兆演出が実行されない場合には、連続演出が実行される確率(当選確率)が80%であり、そのうち予告演出を伴う確率は60%である。
チェリーの単独当選時の当選率は、予告演出:なし・連続演出:なしが70%、予告演出:なし・連続演出:1ゲーム目が6%、予告演出:なし・連続演出:2ゲーム目が5%、予告演出:なし・連続演出:3ゲーム目が4%、予告演出:1ゲーム目が10%、予告演出:2ゲーム目が5%、予告演出:3ゲーム目が0%であり、チェリーの単独当選時に前兆演出が実行されない場合には、連続演出が実行される確率(当選確率)が30%であり、そのうち予告演出を伴う確率は15%である。
特別役+チェリー当選時の当選率は、予告演出:なし・連続演出:なしが40%、予告演出:なし・連続演出:1ゲーム目が5%、予告演出:なし・連続演出:2ゲーム目が7%、予告演出:なし・連続演出:3ゲーム目が8%、予告演出:1ゲーム目が15%、予告演出:2ゲーム目が15%、予告演出:3ゲーム目が10%であり、特別役+チェリー当選時に前兆演出が実行されない場合には、連続演出が実行される確率(当選確率)が60%であり、そのうち予告演出を伴う確率は40%である。
このように予告演出抽選では、スイカ、チェリーが単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が連続演出が実行される割合が高く、また、連続演出が実行される場合においては、スイカ、チェリーが単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が予告演出を伴って連続演出が実行される割合が高くなる。このため、スイカ、チェリーの当選を契機として前兆演出が実行されない場合に、連続演出が実行されることで、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆され、さらに予告演出を伴って連続演出が実行されることで予告演出を伴わない場合よりも特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。
また、前兆演出が実行される場合においては、スイカ、チェリーが単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方が予告演出がより後のゲームで実行される割合が高くなる。このため、スイカ、チェリーの当選後、より後のゲームにおいて予告演出が実行され、連続演出が実行されるほど、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。
また、予告演出抽選では、チェリー、スイカのうち特別役と同時に当選する比率が高いスイカの当選時の方が、連続演出が実行される割合が高く、また、連続演出が実行される場合においては、チェリー、スイカのうち特別役と同時に当選する比率が高いスイカの当選時の方が、予告演出を伴って連続演出が実行される割合が高くなる。これにより、スイカまたはチェリーの入賞により示唆される特別役の当選可能性の上昇と、予告演出及び連続演出の実行により示唆される特別役の当選可能性の上昇と、の関係が明確となるため、スイカまたはチェリーの入賞により示唆された特別役の当選に対する期待感を予告演出及び連続演出によって効果的に高めることができる。
また、予告演出抽選では、予告演出が実行されるゲームまたは連続演出が開始するゲームが、チェリー、スイカの当選後の次のゲームに限られず、1ゲーム目〜3ゲーム目までのいずれかのゲームとなるため、チェリー、スイカの当選後、前兆演出が実行されない場合でも、3ゲーム目までは、連続演出が実行される可能性があり、特別役に当選していることに対する期待感を持続させることができる。
連続演出は、図13に示すように、演出パターン1〜6の7種類からなり、さらに演出パターン1〜6には、それぞれ特別役の非当選を示す「−1」の演出パターンと、特別役の当選を示す「−2」の演出パターンと、が定められている。
演出パターン1−1は、1ゲーム目に、図14(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図14(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図15(e)(f)(g)(j)に示すように、ゲーム開始後、無効化されているMAXBETスイッチ6の操作を促す画像を表示させた後、MAXBETスイッチ6の操作がなされ、メインCPU41aからMAXBETスイッチ6の操作がなされた旨を示す操作検出コマンドを受信した場合であっても、後述するカットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、4ゲーム目に、図15(m)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン1−2は、3ゲーム目までは演出パターン1−1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図15(k)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
演出パターン2−1は、1ゲーム目に、図14(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図14(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図15(e)(f)(g)(j)に示すように、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させた後、演出用スイッチ56の操作を検出した場合であっても、後述するカットイン演出を伴わずに花火を打ち上げる花火打上演出(カットインなし)を実行し、4ゲーム目に、図15(m)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン2−2は、3ゲーム目までは演出パターン2−1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図15(k)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
演出パターン3−1は、1ゲーム目に、図14(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図14(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図15(e)(f)(h)(j)に示すように、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させた後、演出用スイッチ56の操作を検出した場合に、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出(小)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(小)演出を実行し、4ゲーム目に、図15(m)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン3−2は、3ゲーム目までは演出パターン3−1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図15(k)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
演出パターン4−1は、1ゲーム目に、図14(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図14(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図15(e)(f)(h)(j)に示すように、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させた後、演出用スイッチ56の操作を検出した場合に、表示画面上に画像を割り込ませるカットイン演出(小)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(小)演出を実行し、4ゲーム目に、図15(m)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン4−2は、3ゲーム目までは演出パターン4−1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図15(k)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
演出パターン5−1は、1ゲーム目に、図14(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図14(b)(c)に示すように通常柄の花火を制作する花火制作演出(通常)を実行し、3ゲーム目に、図15(e)(f)(i)(j)に示すように、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させた後、演出用スイッチ56の操作を検出した場合に、表示画面上に演出パターン3、4よりもサイズの大きい画像を割り込ませるカットイン演出(大)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(大)演出を実行し、4ゲーム目に、図15(m)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン5−2は、3ゲーム目までは演出パターン5−1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図15(k)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
演出パターン6−1は、1ゲーム目に、図14(a)に示す演出開始画面を表示させた後、2ゲーム目に、図14(b)(d)に示すように桜柄の花火を制作する花火制作演出(桜柄)を実行し、3ゲーム目に、図15(e)(f)(i)(j)に示すように、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させた後、演出用スイッチ56の操作を検出した場合に、表示画面上に演出パターン3、4よりもサイズの大きい画像を割り込ませるカットイン演出(大)を伴う花火を打ち上げる花火打上+カットイン(大)演出を実行し、4ゲーム目に、図15(m)に示すように、打上失敗演出を実行して特別役の非当選を報知するパターンである。演出パターン6−2は、3ゲーム目までは演出パターン6−1と同じであるが、4ゲーム目において打上失敗演出ではなく、図15(k)に示すように、打上成功演出を実行して特別役の当選を報知するパターンである。
尚、演出パターン3〜6の3ゲーム目において、ゲーム開始後、演出用スイッチ56の操作を促す画像を表示させたにも関わらず、演出用スイッチ56の操作がなされなかった場合には、カットインを伴わず、カットインを伴うパターンであったか否かを判別することはできないようになっている。
連続演出抽選では、図16(a)(b)に示すように、前兆演出を伴うものであれば特別役の当選の有無及び直前の前兆演出の最終ステップに応じた確率で演出パターン1〜6を選択し、前兆演出を伴わないものであれば特別役の当選の有無及び予告演出の有無、予告演出が実行される場合には、そのゲーム数に応じた確率で演出パターン1〜6を選択する。
詳しくは、特別役が非当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ1であるか、前兆演出も予告演出も伴わない場合の当選率は、パターン1が60%、パターン2が12%、パターン3が10%、パターン4が8%、パターン5が6%、パターン6が4%である。
特別役が非当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ2であるか、前兆演出を伴わず1ゲーム目で予告演出が実行され、連続演出が開始する場合の当選率は、パターン1が50%、パターン2が14%、パターン3が12%、パターン4が10%、パターン5が8%、パターン6が6%である。
特別役が非当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ3であるか、前兆演出を伴わず2ゲーム目で予告演出が実行され、連続演出が開始する場合の当選率は、パターン1が40%、パターン2が16%、パターン3が14%、パターン4が12%、パターン5が10%、パターン6が8%である。
特別役が非当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ4であるか、前兆演出を伴わず3ゲーム目で予告演出が実行され、連続演出が開始する場合の当選率は、パターン1が30%、パターン2が18%、パターン3が16%、パターン4が14%、パターン5が12%、パターン6が10%である。
特別役が当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ1であるか、前兆演出も予告演出も伴わない場合の当選率は、パターン1が20%、パターン2が14%、パターン3が15%、パターン4が16%、パターン5が17%、パターン6が18%である。
特別役が当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ2であるか、前兆演出を伴わず1ゲーム目で予告演出が実行され、連続演出が開始する場合の当選率は、パターン1が15%、パターン2が15%、パターン3が16%、パターン4が17%、パターン5が18%、パターン6が19%である。
特別役が当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ3であるか、前兆演出を伴わず2ゲーム目で予告演出が実行され、連続演出が開始する場合の当選率は、パターン1が10%、パターン2が16%、パターン3が17%、パターン4が18%、パターン5が19%、パターン6が20%である。
特別役が当選で、直前の前兆演出の最終パターンがステップ4であるか、前兆演出を伴わず3ゲーム目で予告演出が実行され、連続演出が開始する場合の当選率は、パターン1が5%、パターン2が17%、パターン3が18%、パターン4が19%、パターン5が20%、パターン6が21%である。
このように本実施例では、演出パターン1〜6のうち、花火制作演出(桜柄)の演出パターン2、4、6が当選する比率が、特別役が当選していない場合よりも特別役が当選している場合の方が高く、連続演出において花火制作演出(通常)よりも花火制作演出(桜柄)が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。
また、演出パターン1〜6のうち、花火打上+カットイン演出の演出パターン3〜6が当選する比率が、特別役が当選していない場合よりも特別役が当選している場合の方が高く、演出用スイッチ56の操作に応じてカットインを伴わない花火打上演出よりも演出用スイッチ56の操作に応じてカットインを伴う花火打上+カットイン演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。
また、花火打上+カットイン演出の演出パターン3〜6のうち、花火打上+カットイン(大)演出の演出パターン3〜6が当選する比率が、特別役が当選していない場合よりも特別役が当選している場合の方が高く、演出用スイッチ56の操作に応じてカットイン(小)を伴う花火打上+カットイン(小)演出よりも演出用スイッチ56の操作に応じてカットイン(大)を伴う花火打上+カットイン(大)演出が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。
また、花火制作演出(桜柄)か花火打上+カットイン演出の少なくとも一方が実行される演出パターン2〜6のうち、花火制作演出(桜柄)と花火打上+カットイン演出双方が実行される演出パターン4、6が当選する比率が、特別役が当選していない場合よりも特別役が当選している場合の方が高く、花火制作演出(桜柄)か花火打上+カットイン演出の一方のみが実行された場合よりも花火制作演出(桜柄)と花火打上+カットイン演出双方が実行された方が、特別役に当選している可能性が高くなる。
また、連続演出抽選では、特別役の当選の有無だけでなく、直前の前兆演出の最終ステップや予告演出の有無、チェリー、スイカ当選後に予告演出が実行されるまでのゲーム数に応じてパターン1〜6の当選率が異なるので、直前の前兆演出の最終ステップや予告演出に関連付けて連続演出を実行させることが可能となり、前兆演出、予告演出及び連続演出全てを関連付けて興趣を高めることができる。
また、サブ制御部91は、特別役が非当選の状態で開始した連続演出において、その演出結果が導かれる前に特別役が当選した場合には、実行中の連続演出の最終結果を、特別役の当選を示す演出結果に差し替えて、特別役の当選の当選を演出結果として報知するようになっている。
また、サブ制御部91は、前兆演出を伴わない場合に連続演出の開始ゲームのゲーム終了時に、1ゲーム目を構成する演出開始画面を表示させる演出を行うのに対して、前兆演出を伴う場合には、1ゲーム目を構成する演出開始画面を表示させる演出を行うことなく、最終ステップが実行されたゲームの次ゲームの賭数設定操作がなされることに伴って、2ゲーム目を構成する図14(b)に示す花火制作選出から開始するようになっている。
また、サブ制御部91は、前兆演出を伴う場合には、最終ステップにおける遊技効果LED52の点灯態様をその後実行される連続演出が終了するまでの期間にわたり維持するようになっている。
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、連続演出を実行するにあたり、複数ゲームにわたり連続演出が実行されることを示唆する前兆演出を実行することがあり、この際、連続演出が実行されるまでに前兆演出のステップが進むほど、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。
一方、本実施例では、連続演出を開始する場合に、そのゲームにおけるゲーム終了までのタイミングで、連続演出の開始を予告する予告演出を実行し、そのゲームの終了時から連続演出を開始する場合がある。
このように本実施例では、前兆演出を経て連続演出を実行する場合と、予告演出を伴って連続演出を実行する場合と、がある構成であるが、このような構成において前兆演出の最終ステップのゲームにおいて予告演出を行い、連続演出を行う構成とすると、予告演出が実行されたゲームにおいて前兆演出が終了し、連続演出が実行されることが特定できてしまうこととなる。前述のように、前兆演出は、連続演出が実行されるまでにそのステップが進んでいるほど、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなるが、予告演出が実行されて前兆演出の終了が特定できてしまうと、それと同時にそれ以上、前兆演出のステップが進まないこと、それ以上特別役の当選が期待できるステップに進まないことも特定できてしまうこととなり、遊技者の期待感を損ねてしまう虞がある。
このため、本実施例では、前兆演出を経て実行される連続演出については、連続演出の開始時のゲームにおいて予告演出が実行されないようになっており、前兆演出中に、予告演出が実行されることでそのゲームが終了して実際に連続演出が開始する前に前兆演出が次のステップへ進まないことが特定されてしまうことに伴って前兆演出による遊技者の期待感が損なわれてしまうことを防止できるようになっている。
尚、本実施例では、前兆演出を経て実行される連続演出については、連続演出の開始時のゲームにおいて予告演出が実行されない構成であるが、少なくとも前兆演出を経て実行される連続演出について、連続演出の開始時のゲームにおいて予告演出の実行が制限される構成であれば上記と同様の効果を得ることは可能であり、前兆演出を経て実行される連続演出について、前兆演出を経ずに実行される連続演出に比較して、連続演出の開始時のゲームにおいて予告演出が実行される割合の低い構成としたり、演出用の操作を契機に予告演出が実行されるものであれば、予告演出の実行の制限に伴い制限がなければ実行される演出用の操作を促す報知を実行しない構成としたり、予告演出以外の演出を変わりに実行する構成としたりしても良い。
また、本実施例では、遊技者にとって有利な権利が付与されている可能性を示唆する特定演出として、複数ゲームにわたり継続する連続演出を適用しているが、遊技者にとって有利な権利が付与されている可能性を示唆する演出であれば、1ゲーム以内で終了する特定演出を適用しても良いし、複数ゲームにわたる特定演出と1ゲーム以内で終了する特定演出の双方を適用しても良い。
また、本実施例では、前兆演出の後、100%の割合で連続演出が実行される構成であるが、前兆演出に続いて必ず連続演出が実行される構成に限らず、前兆演出後、一定の確率で連続演出が実行されない構成としても良い。
また、本実施例では、予告演出が実行されたゲームにおいて、100%の割合で連続演出が実行される構成であるが、予告演出が実行されたゲームにおいて必ず連続演出が実行される構成に限らず、予告演出が実行されたゲームであっても一定の確率で連続演出が実行されない構成としても良い。
また、本実施例では、前兆演出を構成するゲームにおいて該当するステップの演出が全リール停止時に実行される一方、予告演出はゲームの終了前のタイミングで実行される構成であるが、少なくとも前兆演出を構成するゲームにおいて該当するステップの演出が実行される以前のタイミングで予告演出が実行され得る構成であれば良い。
また、本実施例では、予告演出が実行されるタイミングとして、賭数設定操作時、スタート操作時、第1停止時(最初にリールを停止させたタイミング)、第2停止時(2番目にリールを停止させたタイミング)、第3停止時(3番目にリールを停止させたタイミング)を例示しているが、ゲーム開始後から所定時間経過したタイミング等、遊技者の操作と関わらないタイミングとしても良い。
また、本実施例では、遊技者にとって有利な権利としてボーナスへの移行を伴う特別役の当選、すなわち遊技者にとって有利な遊技状態へ移行させることが可能となる権利を適用しており、前兆演出並びに特定演出としての連続演出として特別役の当選を期待させる演出を適用しているが、これに限らず、遊技者にとって有利な権利として、ボーナス以外の遊技者にとって有利な遊技状態、例えば、通常よりも特定役の当選確率が高まることや、遊技者にとって有利な停止態様(入賞態様でも良いし、非入賞態様でも良い)を導出させるための操作態様など、遊技者にとって有利な情報が報知されること等により、通常よりも多くの遊技用価値の獲得が期待できる遊技状態等への移行を伴う有利役の当選、これら有利な遊技状態に制御させることが可能な権利(有利状態に制御するか否かを決定する抽選に当選すること)を適用したり、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知される権利を適用しても良く、この場合には、前兆演出並びに特定演出としてこれらの権利が付与されている可能性を示唆する演出を適用すれば良い。
また、本実施例では、特別役の当選が期待できるチェリーまたはスイカが当選したことを契機に前兆演出及び連続演出が実行される構成であり、前兆演出や連続演出の実行に伴う期待感をより高めることができることから好ましいが、特別役の当選が期待できるチェリーまたはスイカが当選したことを契機とせず、特別役の当選の有無に応じた抽選の結果に応じて前兆演出及び連続演出が実行される構成でも良い。
また、本実施例では、特別役の当選が期待できるチェリーまたはスイカが当選したことを契機に前兆演出及び連続演出が実行される構成であるが、特別役の当選が期待できるチェリーまたはスイカが当選し、かつ当選したチェリーまたはスイカが入賞したことやチェリーまたはスイカを取りこぼした場合のみ出現するチャンス目が導出されたことを条件に前兆演出を実行する構成とした場合でも前兆演出や連続演出の実行に伴う期待感をより高めることができる。
また、本実施例では、前兆演出を実行するにあたり、最終ステップまでステップ1、2、3、4の順番で1ゲーム毎にそのゲームの終了時において、賭数設定操作またはゲームの開始操作を一定期間無効化し、ゲームの進行を遅延させるフリーズ状態に制御し、その間に各ステップに対応して変化させる遊技効果LED52を点滅制御した後、各ステップに対応する点灯態様となるように遊技効果LED52の点灯制御を行うようになっている。すなわち前兆演出に伴ってゲームの進行操作が有効となるタイミングが遅延し、一時的に無効化されることとなるため、前兆演出が実行されていること、すなわち特別役の当選が期待できることを遊技者に対して確実に認識させることができる。
尚、本実施例では、前兆演出にあたりゲームの進行を一時的に遅延させるフリーズ制御を行うため、前兆演出抽選をメイン制御部41が行う構成であるが、前兆演出にあたりゲームの進行制御に影響しない構成とした場合には、前兆演出抽選をサブ制御部91が行う構成としても良い。
また、本実施例では、前兆演出を伴う連続演出を実行する場合に、前兆演出の最終ステップにおける遊技効果LED52の点灯態様をその後実行される連続演出が終了するまでの期間にわたり維持するようになっており、連続演出中において、当該連続演出前の前兆演出がどのステップまで進んだのかを容易に把握することができる。これにより、特に、後半のステップまで前兆演出が進んだ後、連続演出が実行された場合には、特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
尚、本実施例では、前兆演出の最終ステップにおける遊技効果LED52の点灯態様を維持することにより当該連続演出前の前兆演出がどのステップまで進んだのかを特定できる構成であるが、例えば、液晶表示器51に最終ステップを表示する等、その他の方法で当該連続演出前の前兆演出がどのステップまで進んだのかを特定できる構成であっても上記と同様の効果が得られる。
また、本実施例では、前兆演出を伴わない場合に連続演出の開始ゲームのゲーム終了時に、1ゲーム目を構成する演出開始画面を表示させる演出を行うのに対して、前兆演出を伴う場合には、1ゲーム目を構成する演出開始画面を表示させる演出を行うことなく、最終ステップが実行されたゲームの次ゲームの賭数設定操作がなされることに伴って、2ゲーム目を構成する花火制作選出から開始するようになっている。このため、連続演出の開始時において連続演出が途中段階から開始することに伴い、前兆演出を経て実行された連続演出であること、すなわち同じ連続演出であっても、より特別役の当選が期待できる連続演出であることを遊技者に対して認識させることができる。
また、複数ゲームにわたる前兆演出に続いて実行される連続演出が、前兆演出を伴わない連続演出に比較して少ないゲーム数となるため、前兆演出の開始時から継続して示唆された特別役の当選可能性に対して導かれる演出結果、すなわち特別役に当選しているか否かの結果が示されるまでの期間が過度に引き延ばされてしまうことも防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例ついて説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。