本発明が適用されたスロットマシンの実施例1を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉と、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7(図中黒7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「プラム」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示すようになっている。
また、前面扉の各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図3参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施例では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施例では後述の通常遊技状態においては3、後述のレギュラーボーナスにおいては1)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、既に行われた遊技に関する遊技履歴データの閲覧や初期化、演出モードを選択する際などに操作される選択スイッチ56及び決定スイッチ57、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33からなるリールユニット(図示略)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ29、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、本実施例では、規定数の賭数として後述する通常遊技状態においては3枚が定められており、後述するレギュラーボーナス中においては、1枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では、12枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
特に、本実施例のスロットマシンにおいては、電源基板100で生成された電圧を各部に供給する電源ラインのうち、少なくとも後述するサブ制御部91(CPU91a)及び後述する表示制御回路92に電圧を供給する電源ラインと、液晶表示器51に搭載された後述する液晶駆動回路215に電圧を供給する電源ラインと、後述するLED駆動回路93に電圧を供給する電源ラインと、後述するリールLED55に電圧を供給する電源ラインと、がそれぞれ電気的に独立して配線されている。
尚、電気的に独立して配線するとは、同一ケーブルもしくは同一基板上に配線されている場合でも、これらの配線ラインが電気的に非接触状態で設けられていることである。
また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33が接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aには、処理を実行するのに必要なデータの読み出し及び書き込みが行われる複数のレジスタ(記憶領域)が設けられている。詳しくは、主に演算用データが格納されるフラグレジスタ、汎用データが格納される汎用レジスタ、実行中のプログラムの位置を示すデータが格納されるPCレジスタ、スタックポインタ(後述するスタック領域の現在の位置を示すアドレス)が格納されるSPレジスタ、後述するリフレッシュ動作を行うRAM41cのメモリブロックを示すデータが格納されるRレジスタ、RAM41cの格納領域を参照する際の基準となる位置を示すデータが格納されるIX、IYレジスタ、割込発生時に参照する割込テーブルの位置を示すデータが格納されるIレジスタが設けられている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41は、信号入力端子DATAを備えており、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がこれら信号入力端子DATAを介して入力ポートに入力される。これら信号入力端子DATAの入力状態は、CPU41aにより監視されており、CPU41aは、信号入力端子DATAの入力状態、すなわち各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、CPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、割込1〜4の4種類の割込を実行可能であり、各割込毎にカウンタモード(信号入力端子DATAとは別個に設けられたトリガー端子CLK/TRGからの信号入力に応じて外部割込を発生させる割込モード)とタイマモード(CPU41aのクロック入力数に応じて内部割込を発生させる割込モード)のいずれかを選択して設定できるようになっている。
本実施例では、割込1〜4のうち、割込2がカウンタモードに設定され、割込3がタイマモードに設定され、割込1、4は未使用とされている。トリガー端子CLK/TRGは、前述した電断検出回路48と接続されており、CPU41aは電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込2を発生させて後述する電断割込処理を実行する。また、CPU41aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に割込3を発生させて後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、割込1、4は、未使用に設定されているが、ノイズ等によって割込1、4が発生することがあり得る。このため、CPU41aは、割込1、4が発生した場合に、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、割込2、3、1、4の順番で優先して実行する割込が設定されている。すなわち割込2とその他の割込が同時に発生した場合には、割込2を優先して実行し、割込3と割込1または4が同時に発生した場合には、割込3を優先して実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の開始時に、レジスタに格納されている使用中のデータをRAM41cに設けられた後述のスタック領域に一時的に退避させるとともに、当該割込処理の終了時にスタック領域に退避させたデータをレジスタに復帰させるようになっている。
RAM41cには、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うための前述したR(リフレッシュ)レジスタが設けられている。Rレジスタは、8ビットからなり、そのうちの下位7ビットが、CPU41aがROM41bから命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
また、メイン制御部41には、停電時においても電源基板100からバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行われてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
また、CPU41aは、起動時において、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能の有効/無効、自動精算機能の有効/無効を設定するようになっている。打止スイッチ36及び自動精算スイッチ29の状態は起動時においてのみ取得し、取得した状態に基づいて打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されるため、その後に打止スイッチ36や自動精算スイッチ29が操作されても、新たに打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されることはない。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施例では、その範囲として0〜16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用するが、その詳細については詳しく説明する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
断線監視IC50は、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視し、これらの接続状態の一方でも解除された場合には、これらの接続状態が解除された旨を示す断線フラグを断線監視IC50の内部に設けられたEEPROM(図示略)等の記憶部に記憶するようになっている。断線監視IC50は、CPU41aからの断線フラグの確認要求に応じて断線フラグが記憶されているか否かを返信し、この時点で断線フラグが記憶部に記憶されていればクリアする。
また、断線監視IC50にも停電時においてバックアップ電源が供給されるようになっており、例えば2〜3日間停電状態が継続しない限り、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態の監視を継続できるようになっている。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述した選択スイッチ56、決定スイッチ57が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉に配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、演出制御基板90に接続されたスイッチ類の検出を受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、CPU91aの割込端子(図示略)は、表示制御回路92の後述するグラフィックコントローラ200に接続されており、CPU91aは、グラフィックコントローラ200から定期的(本実施例では、33.3ms毎)に出力されるVブランク割込信号の入力に基づいて割込を発生させてVブランク割込処理を実行する。
また、CPU91aは、グラフィックコントローラ200から後述する転送処理、読込処理、描画処理などの終了時にそれぞれ出力される、転送終了割込信号、読込終了割込信号、描画終了割込信号の入力に基づいて割込を発生させて転送終了割込処理、読込終了割込処理、描画終了割込処理をそれぞれ実行する。尚、転送終了割込信号は、CPU91aの割込端子に加えて通常の信号入力端子にも接続されており、割込端子以外にも入力ポートを介して転送終了割込信号をCPU91aが検出できるようになっている。
また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。尚、割込処理の実行中は、ストローブ信号(INT)の入力に基づく割込以外の割込が禁止されるようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行われてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
また、時計装置97にも停電時においてバックアップ電源が供給されるようになっており、例えば2〜3日間停電状態が継続しない限り、日時情報がリセットされることがないようになっている。
次に、遊技制御基板40と該遊技制御基板40に接続される各種遊技用電子部品との配線接続状態の詳細について、図4に基づいて説明する。尚、図4は、遊技制御基板40と該遊技制御基板40に接続される遊技用電子部品との配線接続状態を示す概略図である。
遊技制御基板40には、前述したように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33L、33C、33R、払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、演出制御基板90が接続されている。
図4には、遊技制御基板40と接続される各種スイッチ、センサ等の電子部品のうち、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、ゲームを開始させる際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ31、リール2L、2C、2Rの回転を検出するためのリールセンサ33L、33C、33R、入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ35及び演出制御基板90が示されており、他のスイッチ、センサ等の図示は省略されている。
演出制御基板90を除く上記遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35は、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L、2C、2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電子部品に入力される信号と、を含む。
そして、これら遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に信号を出力する第1の電子部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40からの信号が入力される第2の電子部品と、からなる。
具体的には、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6及び賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ31は、該操作またはメダルの検出に基づいて遊技制御基板40にBET信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該BET信号の受信に基づいて賭数の設定処理を行うため、これら電子部品がないと賭数を設定することができない。すなわち、賭数を設定しないとゲームが開始可能な状態とならないため、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6及び投入メダルセンサ31はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
ゲームを開始させるための操作を検出するスタートスイッチ7は、該操作の検出に基づいて遊技制御基板40にスタート信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該スタート信号の受信に基づいてゲームを開始する処理(リール回転処理等)を行うため、この電子部品がないとゲームを開始することができない。すなわち、スタートスイッチ7はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作を検出するストップスイッチ8L、8C、8Rは、該操作の検出に基づいて遊技制御基板40にストップ信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該ストップ信号の受信に基づいて該当するリール2L、2C、2Rの回転を停止して表示結果を導出する処理を行うため、この電子部品がないとリール2L、2C、2Rの表示結果を導出することができない。すなわち、ストップスイッチ8L、8C、8Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール2L、2C、2Rの回転を検出するリールセンサ33L、33C、33Rは、リールの基準位置の検出信号を遊技制御基板40に出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該リールの基準位置の検出信号の受信に基づいて該当するリール2L、2C、2Rの図柄の位置を把握して回転を停止する処理等を行うため、この電子部品がないと各リール2L、2C、2Rの表示結果の導出や入賞の判定等を行うことができない。すなわち、リールセンサ33L、33C、33Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ35は、該メダルの検出に基づいて遊技制御基板40にメダル払出信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該払出メダル検出信号の受信に基づいて、発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出す払出処理を行うため、この電子部品がないと発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出すことができない。すなわち、払出センサ35はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、リール2L、2C、2Rを回転させるリールモータ32L、32C、32Rは、遊技制御基板40から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このリールモータ32L、32C、32Rは、遊技制御基板40から出力される駆動信号の入力に基づいてリール2L、2C、2Rを回転させて図柄の変動表示を開始するものであるが、該信号入力に基づいて実際にリール2L、2C、2Rを回転しなかったとしても、メイン制御部41は、リールの駆動信号を出力した後に上記リールセンサ33L、33C、33Rからの信号が入力されることで、リールが回転したとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、このリールセンサ33L、33C、33Rから信号が遊技制御基板40に入力されるタイミングは、リールの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、前述した打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、リールの回転の検出に基づく信号の出力タイミングを計るためにはリールの駆動信号が必要となる。すなわち、リールモータ32L、32C、32Rは、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、メダルの払い出しを行うホッパータンクを駆動するホッパーモータ34は、入賞の発生に応じて遊技制御基板40から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このホッパーモータ34は、遊技制御基板40から出力される駆動信号の入力に基づいてホッパータンクを駆動させてメダルを払い出すものであるが、該信号入力に基づいて実際にホッパータンクを駆動しなかったとしても、メイン制御部41は、ホッパータンクの駆動信号を出力した後に上記払出センサ35からの信号が入力されることで、メダルが払い出されているとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、この払出センサ35から信号が遊技制御基板40に入力されるタイミングは、ホッパータンクの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、前述した打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、払出メダルの検出に基づく信号の出力タイミングを計るためには該ホッパータンクの駆動信号が必要となる。すなわち、ホッパーモータ34は、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、これら遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電子部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板40や演出制御基板90等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。つまり、遊技制御基板40を取り外す際には遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35との接続を解除する必要があるため、遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35と遊技制御基板40とは中継基板を経由して接続されているとともに、これら基板同士及び基板と遊技用電子部品とはケーブルを介して接続されている。またケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されている。
具体的に説明すると、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31は、操作部中継基板110を経由して遊技制御基板40と配線接続され、リールモータ32L、32C、32R及びリールセンサ33L、33C、33Rは、リール中継基板120を経由して遊技制御基板40と配線接続され、ホッパーモータ34及び払出センサ35は、電源基板100を経由して遊技制御基板40と配線接続され、演出制御基板90は、演出中継基板80を経由して遊技制御基板40と配線接続されている。
操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板100、演出制御基板90には、遊技制御基板40と各電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
また、このように各種電子部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体所定箇所に取り付けた各中継基板110、120、100、80を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電子部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電子部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
遊技制御基板40と操作部中継基板110とは、ケーブル600aを介して接続され、遊技制御基板40とリール中継基板120とは、ケーブル600bを介して接続され、遊技制御基板40と電源基板100とは、ケーブル600cを介して接続されており、また、演出制御基板90と演出中継基板80とは、ケーブル600dを介して接続されている。
操作部中継基板110と1枚BETスイッチ5とはケーブル601aを介して接続され、操作部中継基板110とMAXBETスイッチ6とはケーブル601bを介して接続され、操作部中継基板110とスタートスイッチ7とはケーブル601cを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Lとはケーブル601dを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Cとはケーブル601eを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Rとはケーブル601fを介して接続され、操作部中継基板110と投入メダルセンサ31とはケーブル601gを介して接続されている。
また、リール中継基板120とリールモータ32Lとはケーブル601hを介して接続され、リール中継基板120とリールモータ32Cとはケーブル601jを介して接続され、リール中継基板120とリールモータ32Rとはケーブル601lを介して接続されている。また、リール中継基板120とリールセンサ33Lとはケーブル601iを介して接続され、リール中継基板120とリールセンサ33Cとはケーブル601kを介して接続され、リール中継基板120とリールセンサ33Lとはケーブル601mを介して接続されている。また、電源基板100とホッパーモータ34とはケーブル601nを介して接続され、電源基板100と払出センサ35とはケーブル601oを介して接続され、演出中継基板80と演出制御基板90とはケーブル601pを介して接続されている。
これら各ケーブル600a〜600c、601a〜601oは、各基板に対してコネクタ接続されており、基板との配線接続を解除可能となっている。具体的には、ケーブル600aの両端には、ケーブル側コネクタ610a、611aが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610aは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620aに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611aは、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ621aに接続可能なコネクタである。ケーブル600bの両端には、ケーブル側コネクタ610b、611bが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610bは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620bに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611bは、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ621bに接続可能なコネクタである。ケーブル600cの両端には、ケーブル側コネクタ610c、611cが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610cは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620cに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611cは、電源基板100に固設された基板側コネクタ621cに接続可能なコネクタである。ケーブル600dの両端には、ケーブル側コネクタ610d、611dが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610dは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620dに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611dは、演出中継基板80に固設された基板側コネクタ621dに接続可能なコネクタである。
また、一端が1枚BETスイッチ5に接続されたケーブル601aの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622aに接続可能なケーブル側コネクタ612aが設けられている。一端がMAXBETスイッチ6に接続されたケーブル601bの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622bに接続可能なケーブル側コネクタ612bが設けられている。一端がスタートスイッチ7に接続されたケーブル601cの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622cに接続可能なケーブル側コネクタ612cが設けられている。一端がストップスイッチ8Lに接続されたケーブル601dの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622dに接続可能なケーブル側コネクタ612dが設けられている。一端がストップスイッチ8Cに接続されたケーブル601eの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622eに接続可能なケーブル側コネクタ612eが設けられている。一端がストップスイッチ8Rに接続されたケーブル601fの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622fに接続可能なケーブル側コネクタ612fが設けられている。一端が投入メダルセンサ31に接続されたケーブル601gの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622gに接続可能なケーブル側コネクタ612gが設けられている。
また、一端がリールモータ32Lに接続されたケーブル601hの他端及び一端がリールセンサ33Lに接続されたケーブル601iの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622hに接続可能なケーブル側コネクタ612hが設けられている。一端がリールモータ32Cに接続されたケーブル601jの他端及び一端がリールセンサ33Cに接続されたケーブル601kの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622iに接続可能なケーブル側コネクタ612iが設けられている。一端がリールモータ32Rに接続されたケーブル601lの他端及び一端がリールセンサ33Rに接続されたケーブル601mの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622jに接続可能なケーブル側コネクタ612jが設けられている。
また、一端がホッパーモータ34に接続されたケーブル601nの他端及び一端が払出センサ35に接続されたケーブル601oの他端には、電源基板100に固設された基板側コネクタ622kに接続可能なケーブル側コネクタ612kが設けられている。
また、ケーブル601pの両端には、ケーブル側コネクタ612p、613pが設けられており、一方のケーブル側コネクタ612pは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ622pに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ613pは、演出制御基板90に固設された基板側コネクタ623pに接続可能なコネクタである。
尚、本実施例では、各電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35からはコネクタを介すことなく配線が延出されているが、コネクタを介して配線と接続されていても良い。
上述のように、各基板と各ケーブルとは、基板側に設けられる基板側コネクタ620a〜620d、621a〜621d、622a〜622k、622p、623pと、ケーブル側に設けられるケーブル側コネクタ610a〜610d、611a〜611d、612a〜612k、612p、613pとからなる一対のコネクタ(雄コネクタと雌コネクタ)を介して配線接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱することにより配線接続を解除することができるようになっている。特に、遊技制御基板40、操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板100、演出制御基板90は、スロットマシン1の筐体または前面扉の所定箇所に取り付けられていることで、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱しやすいので、遊技制御基板40や演出制御基板90の交換が容易に行うことができる。
まず第1の電子部品に関して具体的に説明すると、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6または投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にBET信号が不正に出力されると、賭数の設定操作を行うことなく賭数が設定される虞がある。スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にスタート信号が不正に出力されると、ゲームの開始操作を行うことなくゲームが開始される虞がある。ストップスイッチ8L、8C、8Rと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にストップ信号が不正に出力されると、停止操作を行うことなくリールの回転が停止される虞がある。リールセンサ33L、33C、33Rと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にリール回転信号が不正に出力されると、リールを回転させることなく各リール2L、2C、2Rの表示結果の導出や入賞の判定等が行われる虞がある。払出センサ35と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にメダル払出信号が不正に出力されると、メダルを払い出すことなくメダルの計数が行われる虞がある。
第2の電子部品に関して具体的に説明すると、リールモータ32L、32C、32Rと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板40から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、リールの駆動信号が遊技制御基板40から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来リールセンサ33L、33C、33Rから遊技制御基板40に入力されるリール回転検出信号を、打ち込み器具からリール回転後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。また、ホッパーモータ34と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板40から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、ホッパータンクの駆動信号が遊技制御基板40から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来払出センサ35から遊技制御基板40に入力される払出メダル検出信号を、打ち込み器具からホッパータンクの駆動後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。
このように、ゲームの進行に応じて第1の電子部品5、6、7、8、31、33L、33C、33R、35から出力され、本来であれば遊技制御基板40に入力される信号が打ち込み器具から出力された場合、メイン制御部41は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるとともに、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力され、本来であれば第2の電子部品32L、32C、32R、34に入力される信号が打ち込み器具に入力された場合、打ち込み器具側では、メイン制御部41がリールモータやホッパーモータの駆動後に出力する信号の出力タイミング等を特定可能となり、これに基づいて新たな信号がメイン制御基板40に入力された場合には、メイン制御部41は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるので、ゲームを自動的に進行させるといった不正行為が実施される虞がある。よって、本実施例では、打ち込み器具の接続による不正行為を防止するために、種々の対策が施されている。
本実施例では、遊技制御基板40と遊技用電子部品との間のコネクタ接続の解除を規制することで、打ち込み器具の接続を困難としている。具体的には、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続、についてこれらコネクタ同士の接続の解除を規制している。
また、遊技制御基板40と演出制御基板90の間のコネクタ接続の解除を規制することで、遊技制御基板40と演出制御基板90との接続の解除を困難としている。具体的には、遊技制御基板40と演出制御基板90との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620dとケーブル600dのケーブル側コネクタ610dとの接続、ケーブル600dのケーブル側コネクタ611dと演出中継基板80の基板側コネクタ621dとの接続、演出中継基板80の基板側コネクタ622pとケーブル601pのケーブル側コネクタ612pとの接続、ケーブル601pのケーブル側コネクタ613pと演出制御基板90の基板側コネクタ623pとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を規制している。
これら基板側コネクタとケーブル側コネクタとの接続は、図示しないコネクタ規制部材によってその解除が規制されるようになっている。コネクタ規制部材は、互いに接続された基板側コネクタからのケーブル側コネクタの抜脱を規制可能に構成され、コネクタでの接続に関わる解除規制部位を破壊しない限り、解除不能とする接続解除規制状態を形成するもの、つまりは接続解除規制状態を解除した場合にその痕跡が残るように構成されていれば、その形態は任意であり、種々に変更可能である。
具体的には、例えば基板側コネクタ及びケーブル側コネクタとは別個に形成され、両コネクタを接続した状態で装着することでコネクタの抜脱を規制することが可能なカバー体であっても良いし、あるいは、基板側コネクタまたはケーブル側コネクタのうち少なくとも一方に設けられ、コネクタ同士を互いに接続したときに互いに離脱不能に係止する係止部等であっても良いし、あるいは基板側コネクタが搭載される基板を収納可能な基板収納ケース等に設けられ、基板収納ケースにて基板を収納して封止状態としたときにコネクタの抜脱を規制する接続解除規制状態を形成する規制部等であっても良いし、あるいは互いに接続されたコネクタ同士を接着する接着剤等であっても良い。
次に、遊技制御基板40における断線監視IC50の周辺の構成を説明する。
遊技制御基板40には、電源基板100の電圧生成回路により生成された+5Vの直流電圧が供給される。電源基板100から供給された+5Vの直流電圧は、断線監視IC50の駆動電源として電源端子(VDD)に供給されるとともに、図5に示すように、遊技制御基板40上で分岐して遊技制御基板40と操作部中継基板110を配線接続するケーブル600a、操作部中継基板110、操作部中継基板110と投入メダルセンサ31を配線接続するケーブル601gを経由し、更に、投入メダルセンサ31で折り返して、ケーブル601g、操作部中継基板110、ケーブル600aを経由して遊技制御基板40に戻り、更に、遊技制御基板40と演出中継基板80を配線接続するケーブル600d、演出中継基板80、演出中継基板80と演出制御基板90を配線接続するケーブル601p、を経由し、更に、演出制御基板90で折り返して、ケーブル601p、演出中継基板80、ケーブル600dを経由して再度遊技制御基板40に戻り、断線監視IC50の入力端子(IN)に接続信号として入力されるようになっている。
このため、本実施例では、遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続、遊技制御基板40の基板側コネクタ620dとケーブル600dのケーブル側コネクタ610dとの接続、ケーブル600dのケーブル側コネクタ611dと演出中継基板80の基板側コネクタ621dとの接続、演出中継基板80の基板側コネクタ622pとケーブル601pのケーブル側コネクタ612pとの接続、ケーブル601pのケーブル側コネクタ613pと演出制御基板90の基板側コネクタ623pとの接続、のいずれかの接続を解除することで、断線監視IC50の入力端子(IN)へ入力されている接続信号が遮断され、これにより断線監視IC50が遊技制御基板40と投入メダルセンサ31間及び遊技制御基板40と演出制御基板90間の断線を検出するようになっている。すなわち遊技制御基板40と投入メダルセンサ31の間のコネクタ同士の接続及び遊技制御基板40と演出制御基板90の間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、断線監視IC50により断線が検出されるようになっている。
また、図5に示すように、電源基板100から供給された+5Vの直流電圧は、遊技制御基板40上で分岐して電源基板100側でグラウンドレベルに接続されるとともに、その間には大容量のコンデンサC1が設けられている。D1は逆流防止用のダイオードである。これにより+5Vの直流電圧をコンデンサC1に蓄積可能とされ、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されたときに、コンデンサC1に蓄積された電圧を、断線監視IC50を駆動するためのバックアップ電源として供給できるようになっており、通電時であるか停電時であるかに関わらず断線監視IC50が遊技制御基板40と投入メダルセンサ31間及び遊技制御基板40と演出制御基板90間の断線を検出できるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定値の変更操作について説明する。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6から更に操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
本実施例のスロットマシン1においては、CPU41aは、その起動時において断線監視IC50に断線フラグの確認要求を行い、これに伴う断線監視IC50からの返信に基づき断線フラグの記憶状態を取得し、断線フラグが記憶されている場合には、断線異常と判定し、断線異常エラーコードをレジスタにセットして断線異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、断線異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されることがないうえに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化され、元の状態には復帰不可能となり、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、CPU41aは、定期的に実行されるタイマ割込処理においても断線監視IC50の断線フラグの記憶状態を取得し、断線フラグが記憶されている場合には、起動時と同様に断線異常と判定し、断線異常エラーコードをレジスタにセットして断線異常エラー状態に制御し、この場合にも元の状態には復帰不可能となり、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41のCPU41aが電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、メイン制御部41のRAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、CPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態も、断線異常エラーと同様に、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されることがないうえに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化され、元の状態には復帰不可能となり、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、CPU41aは、後述する内部抽選処理において当該ゲームにおいて設定された賭数が遊技状態に応じた賭数であるか否かを判定する。そして、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合にも、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、前述のようにRAM異常エラー状態は、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されることがないうえに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化され、元の状態には復帰不可能となり、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、CPU41aは、後述する内部抽選処理において設定された賭数が遊技状態に応じた賭数であるか否かを判定するとともに、内部抽選に用いる設定値が適正な値であるか否かを判定する。
そして、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合、または内部抽選に用いる設定値が適正な値でない場合にも、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、前述のようにRAM異常エラー状態は、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されることがないうえに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化され、元の状態には復帰不可能となり、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、CPU41aは、起動時にRAM41cに記憶されているデータに基づいて処理状態を電断前の状態に復帰させる場合に、いずれかの特別役の当選フラグが設定されているか否か、すなわち電断前にいずれかの特別役が当選していたか否かを判定し、いずれかの特別役の当選フラグが設定されている場合には、特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、サブ制御部91に対して特別役が当選している旨の報知を指示する。一方、いずれの特別役の当選フラグも設定されていない場合には、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを送信する。サブ制御部91は、起動時にメイン制御部41から電源投入コマンドを受信したときに、特別役の当選を示す電源投入コマンドであれば液晶表示器51などによって特別役の当選を示す告知演出を実行し、その後その特別役が入賞するまで継続するのに対して、特別役の非当選を示す電源投入コマンドであれば、バックアップされている演出状態に復帰する。
また、サブ制御部91は、電源投入コマンドか、後述するようにメイン制御部41の制御状態が初期化された旨を示す初期化コマンドを受信するまでは、バックアップが正常であってもその演出状態に復帰することもなく、他のコマンドを受信してもそれに応じて演出の制御は行わないようになっている。このため、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行われることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能である。
すなわち、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信すると、特別役の当選を示す告知演出を実行するとともに、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であるため、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、後に説明するが、遊技状態としてレギュラーボーナス、通常遊技状態があり、レギュラーボーナスに対応する賭数の規定数として1が定められており、通常遊技状態に対応する賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときには、賭数として1が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、遊技状態が通常遊技状態にあるときには、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、遊技状態に応じた規定数が1であれば、賭数として1が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化され、遊技状態に応じた規定数が3であれば、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
図6は、当選役テーブルを示す図である。当選役テーブルは、メイン制御部41のROM41bに予め格納されており、内部抽選において抽選対象となる役及び役の組み合わせに対応して、抽選が行われる順番に割り当てられた役番号(0〜18)が登録されている。
このスロットマシン1における役としては、特別役としてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスが、小役としてスイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。また、スロットマシン1における役の組み合わせとしては、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、レギュラーボーナス+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、レギュラーボーナス+1枚(2)、ベル+スイカ、ベル+チェリー、ベル+1枚(1)、ベル+1枚(2)が定められている。すなわち、役及び役の組み合わせの合計は19となっている。
本実施例のスロットマシン1においては、図6に示すように、遊技状態が、通常遊技状態またはレギュラーボーナスであるか、によって抽選の対象となる役及び役の組み合わせが異なる。更に遊技状態が通常遊技状態である場合には、いずれかの特別役の持ち越し中か否か(特別役の当選フラグにいずれかの特別役が当選した旨が既に設定されているか否か)によっても抽選の対象となる役及び役の組み合わせが異なる。本実施例では、遊技状態に応じた状態番号が割り当てられており、内部抽選を行う際に、現在の遊技状態に応じた状態番号を設定し、この状態番号に応じて抽選対象となる役を特定することが可能となる。具体的には、通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、状態番号として「0」が設定され、通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、状態番号として「1」が設定され、レギュラーボーナスである場合には、状態番号として「2」が設定されるようになっている。
図6に示すように、遊技状態が通常遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態、すなわち状態番号として「0」が設定されている場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)レギュラーボーナス+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、レギュラーボーナス+1枚(2)、リプレイ、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、すなわち役番号0〜14の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また、遊技状態が通常遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態、すなわち状態番号として「1」が設定されている場合には、リプレイ、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、すなわち役番号9〜14の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また、遊技状態がレギュラーボーナス、すなわち状態番号として「2」が設定されている場合には、ベル、ベル+スイカ、ベル+チェリー、ベル+1枚(1)、ベル+1枚(2)、すなわち役番号14以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、6枚のメダルが払い出される。チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、5枚のメダルが払い出される。尚、「チェリー」の図柄が左リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L4または入賞ラインL3、L5の2本の入賞ラインにチェリーの組み合わせが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、10枚のメダルが払い出されることとなる。1枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−オレンジ−チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、1枚のメダルが払い出される。1枚(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「赤7−チェリー−チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、1枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ入賞したときには、賭数を設定することなくゲームを行えるリプレイゲームが付与される。リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
レギュラーボーナスは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「白7−白7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
ビッグボーナスは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせ、または「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。本実施例において「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となるビッグボーナスはビッグボーナス(1)であり、「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となるビッグボーナスはビッグボーナス(2)となる。ビッグボーナス(1)が入賞すると、遊技状態がビッグボーナス(1)に移行する。ビッグボーナス(1)に移行すると、ビッグボーナス(1)への移行と同時にレギュラーボーナスに移行し、レギュラーボーナスが終了した際に、ビッグボーナス(1)が終了していなければ、再度レギュラーボーナスに移行し、ビッグボーナス(1)が終了するまで繰り返しレギュラーボーナスに制御される。すなわちビッグボーナス(1)中は、常にレギュラーボーナスに制御されることとなる。そして、ビッグボーナス(1)は、当該ビッグボーナス(1)中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚を超えたときに終了する。この際、レギュラーボーナスの終了条件が成立しているか否かに関わらずレギュラーボーナスも終了する。遊技状態がビッグボーナス(1)にある間は、ビッグボーナス(1)中フラグがRAM41cに設定される。
ビッグボーナス(2)が入賞すると、遊技状態がビッグボーナス(2)に移行する。ビッグボーナス(2)に移行すると、ビッグボーナス(2)への移行と同時にレギュラーボーナスに移行し、レギュラーボーナスが終了した際に、ビッグボーナス(2)が終了していなければ、再度レギュラーボーナスに移行し、ビッグボーナス(2)が終了するまで繰り返しレギュラーボーナスに制御される。すなわちビッグボーナス(2)中は、ビッグボーナス(1)と同様に常にレギュラーボーナスに制御されることとなる。そして、ビッグボーナス(2)は、当該ビッグボーナス(2)中において遊技者に払い出したメダルの総数が300枚を超えたときに終了する。この際、レギュラーボーナスの終了条件が成立しているか否かに関わらずレギュラーボーナスも終了する。遊技状態がビッグボーナス(2)にある間は、ビッグボーナス(2)中フラグがRAM41cに設定される。
尚、「赤7−赤7−赤7」によるビッグボーナス及び「白7−白7−白7」によるビッグボーナスを区別する必要がある場合には、それぞれビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)と呼ぶものとする。また、前述したレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)をまとめて、単に「ボーナス」と呼ぶ場合があるものとする。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、後述するように内部抽選用の乱数(0〜16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役及び役の組み合わせについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態及び設定値に応じて定められた各役及び役の組み合わせの判定値数に応じて行われる。本実施例においては、各役及び役の組み合わせの判定値数から、一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
遊技状態に応じて定められた各役及び役の組み合わせの参照は、図6に示した当選役テーブルに登録された役番号の順番で行われる。
遊技状態が通常遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態、すなわち状態番号として「0」が設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号0〜14の役及び役の組み合わせ、すなわちビッグボーナス(1)[役番号0]、ビッグボーナス(2)[役番号1]レギュラーボーナス[役番号2]、ビッグボーナス(1)+1枚(1)[役番号3]、ビッグボーナス(2)+1枚(1)[役番号4]、レギュラーボーナス+1枚(1)[役番号5]、ビッグボーナス(1)+1枚(2)[役番号6]、ビッグボーナス(2)+1枚(2)[役番号7]、レギュラーボーナス+1枚(2)[役番号8]、リプレイ[役番号9]、スイカ[役番号10]、チェリー[役番号11]、1枚(1)[役番号12]、1枚(2)[役番号13]、ベル[役番号14]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、遊技状態が通常遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態、すなわち状態番号として「1」が設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号9〜14の役及び役の組み合わせ、すなわちリプレイ[役番号9]、スイカ[役番号10]、チェリー[役番号11]、1枚(1)[役番号12]、1枚(2)[役番号13]、ベル[役番号14]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、遊技状態がレギュラーボーナス、すなわち状態番号として「2」が設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号14〜18役及び役の組み合わせ、すなわちベル[役番号14]、ベル+スイカ[役番号15]、ベル+チェリー[役番号16]、ベル+1枚(1)[役番号17]、ベル+1枚(2)[役番号18]内部抽選の対象役として順に読み出される。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組み合わせ及び現在の遊技状態を示す状態番号について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組み合わせに当選したものと判定される。
そして、いずれかの役または役の組み合わせの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組み合わせに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワーク(iwin_flag)に設定する。内部当選フラグ格納ワーク(iwin_flag)は、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、役番号0〜2のいずれかの役(特別役)が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、役番号3〜8のいずれかの役(特別役+一般役)が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、役番号9〜18のいずれかの役(一般役)が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
各役及び役の組み合わせの判定値数は、メイン制御部41のROM41bに予め格納された役別テーブル(図示略)に登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。
判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1バイト分では記憶できないので、判定値数毎に2バイト分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。また、判定値数は、前述した遊技状態を特定可能な状態番号に対応して登録されている。同一の役または同一の役の組み合わせであっても、遊技状態に応じて当選確率が異なっている場合があるからである。また、それぞれの判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
また、役別テーブルには、各役に入賞したときに払い出されるメダルの払出枚数も登録されている。もっとも、入賞したときにメダルの払い出し対象となる役は、小役であるスイカ、1枚(1)、1枚(2)、ベルだけである。
ビッグボーナス、レギュラーボーナスの入賞は、遊技状態の移行を伴うものであり、メダルの払い出し対象とはならない。リプレイでは、メダルの払い出しを伴わないが、次のゲーム(必ず通常遊技状態)で賭数の設定に用いるメダルの投入が不要となるので実質的には3枚の払い出しと変わらない。
役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域は、メイン制御部41のROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている。
図7、8は、内部抽選用の乱数の値と各役及び役の組み合わせの判定値数と、当選との関係の一例を示す図である。図7では通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていないときの、図8(a)では通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されているときの、図8(b)ではレギュラーボーナスにあるときの例をそれぞれ示している。図7、図8(a)、(b)のいずれも、設定値が6の場合の例を示している。
例えば、図7に示すように、通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、レギュラーボーナス+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、レギュラーボーナス+1枚(2)、リプレイ、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルが内部抽選の対象となる。また、本実施例では、設定値6において、通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合の各役の判定値数として、8、6、12、4、8、6、8、16、12、2236、192、150、150、54、1362がそれぞれ登録されており、最初に内部抽選の対象となるビッグボーナス(1)は、判定値数の8を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16376〜16383が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。
次に内部抽選の対象役となるビッグボーナス(2)は、ビッグボーナス(1)の判定値数8とビッグボーナス(2)の判定値数16とを合計した24を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16360〜16375が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。同様に、レギュラーボーナスは、16348〜16359が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、16344〜16347が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(2)+1枚(2)は、16336〜16343が内部抽選用の乱数として取得されたときに、レギュラーボーナス+1枚(1)は、16330〜16335が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(1)+1枚(2)は、16322〜16329が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグーボーナス(2)+1枚(2)は、16306〜16321が内部抽選用の乱数として取得されたときに、レギュラーボーナス+1枚(2)は、16294〜16305が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイは、14058〜16293が内部抽選用の乱数として取得されたときに、スイカは、13866〜14057が内部抽選用の乱数として取得されたときに、チェリーは、13716〜13865が内部抽選用の乱数として取得されたときに、1枚(1)は、13566〜13715が内部抽選用の乱数として取得されたときに、1枚(2)は、13512〜13565が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ベルは、12150〜13511が内部抽選用の乱数として取得されたときに、それぞれ当選と判定される。尚、0〜12149が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
これらの判定値数に基づいて算出される各役及び役の組み合わせのおおよその当選確率は、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、レギュラーボーナス+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、レギュラーボーナス+1枚(2)、リプレイ、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルのそれぞれについて、1/2048、1/1024、1/1365.3、1/4096、1/2048、1/2730.7、1/2048、1/1024、1/1365.3、1/7.33、1/85.3、1/109.2、1/109.2、1/303.4、1/12.03となる。
また、図8(a)に示すように、通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、リプレイ、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルのみが内部抽選の対象となり、本実施例では、設定値6において、通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合の各役の判定値数として、2236、192、150、168、90、1362がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/7.33、1/85.3、1/109.2、1/97.5、1/182、1/12.03となる。
また、図8(b)に示すように、レギュラーボーナスでは、ベル、ベル+スイカ、ベル+チェリー、ベル+1枚(1)、ベル+1枚(2)のみが内部抽選の対象となり、レギュラーボーナスでの各役の判定値数として、15320、192、150、168、90がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/1.07、1/85.3、1/109.2、1/97.5、1/182となる。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
CPU41aは、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレス(table_index)から、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレス(table_index)に対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。
具体的には、ハズレ、リプレイ、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、ビッグボーナス(1)(+ハズレ)、ビッグボーナス(1)+リプレイ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(1)+ベル、ビッグボーナス(2)(+ハズレ)、ビッグボーナス(2)+リプレイ、ビッグボーナス(2)+スイカ、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+ベル、レギュラーボーナス(+ハズレ)、レギュラーボーナス+リプレイ、レギュラーボーナス(2)+スイカ、レギュラーボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+1枚(1)、レギュラーボーナス+1枚(2)、レギュラーボーナス+ベルのそれぞれについて、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されている。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合(例えば、ビッグボーナス(1)+リプレイ当選時と、ビッグボーナス(2)+リプレイ当選時と、で同一の制御を適用する場合など)においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。特に本実施例では、停止済みのリールの停止位置が同じであってもその停止済みリールの停止操作位置が異なる場合に、異なる引込コマ数データのアドレスデータが回転中のリール別に登録されており、停止済みのリールの停止位置が同じであってもその停止済みリールの停止操作位置に応じて必要な引込コマ数データを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号(図2参照)が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、CPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域(図の停止操作ポイント)から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域(図の停止ポイント)が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
また、本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止操作位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止操作位置)に対応する引込コマ数データが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止操作位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスにおいて、いずれかの役に当選している場合に対応するアドレスには、当選役が入賞ラインに揃うように4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が入賞ラインに揃わないように引き込む滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、ハズレに当選している場合に対応するアドレスには、いずれの役も入賞ラインに揃わないように引き込む滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役が入賞ラインに揃うように4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインに揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行われる一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も入賞ラインに揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
また、テーブルインデックスにおいて、特別役と小役が同時に当選した場合(ビッグボーナス+1枚(1)、ビッグボーナス+ベルなど)に対応するアドレスには、当選した特別役が入賞ラインに揃うように4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で入賞ラインに引き込めない停止操作位置については、当選した小役が入賞ラインに揃うように4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を入賞ラインに引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、特別役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
また、テーブルインデックスにおいて、特別役と再遊技役が同時に当選した場合(ビッグボーナス+リプレイなど)に対応するアドレスには、再遊技役が入賞ラインに揃うように4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、後に説明するように、再遊技役を構成する図柄である「リプレイ」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が入賞ラインに揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
また、テーブルインデックスにおいて、払出枚数の異なる複数種類の小役が同時に当選した場合(ベル+スイカ、ベル+チェリーなど)に対応するアドレスには、当選した小役のうち払出枚数の多い小役(本実施例では、複数種類の小役が同時に当選する場合、一方が必ず最大払出枚数となるベルとなるため、必ずベルとなる)が入賞ラインに揃うように4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した小役のうち払出枚数の多い小役(ベル)の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、後に説明するように、最も払出枚数の多いベルの図柄である「ベル」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、払出枚数の異なる複数種類の小役が同時に当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずベルが入賞ラインに揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、ベル以外の小役(ベルよりも払出枚数の少ない小役)よりもベルを入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ずベルが入賞することとなる。尚、ベルとベル以外の小役を同時に引き込める場合には、ベルのみを引き込み、ベルと同時に他の小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
ここで、図2に示すように、「ベル」、「リプレイ」については、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができる。つまり、ベル、リプレイの当選フラグがそれぞれ設定されているときには、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず当該役を入賞させることができる。
「赤7」、「白7」、「スイカ」、「チェリー」については、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以上の間隔、すなわち4コマを超える間隔で配置された箇所、特に左リールについては、「チェリー」が6図柄以上の間隔で配置された箇所があり、「オレンジ」については、リール2C、2Rについて5図柄以上の間隔、すなわち4コマを超える間隔で配置された箇所があり、これらの図柄を構成図柄とする役は、入賞ラインに対して4コマの引込範囲で停止操作を行わなければ揃えることができない。このため、これらの図柄を構成図柄とするビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)の当選時には、4コマの引込範囲以外のタイミングでいずれかのリールの停止操作がなされた場合にこれらの当選役はいずれの入賞ラインにも揃うことがなく、取りこぼすこととなる。
また、本実施例では、小役及び再遊技役のうちベル、リプレイについては、操作タイミングに関わらず必ず入賞ラインにその組み合わせを揃えることが可能となるが、前述のようにスイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)については、その構成図柄が入賞ラインに対して4コマの引込範囲となるタイミングで停止操作を行わなければ揃えることができない。
ここで、左リールについては、「白7」を入賞ラインに引込可能となる停止操作位置が領域番号3〜9、「赤7」を入賞ラインに引込可能となる停止操作位置が領域番号15〜21、「スイカ」を入賞ラインに引込可能となる停止操作位置が領域番号7〜13、「チェリー」を入賞ラインに引込可能となる停止操作位置が領域番号1〜4、11〜17、19〜21となる。これらの停止操作位置のうち領域番号3、4については、「白7」と「チェリー」の双方を引き込むことが可能な停止操作位置となり、領域番号7〜9については、「白7」と「スイカ」の双方を引き込むことが可能な停止操作位置となり、領域番号11〜13については、「チェリー」と「スイカ」の双方を引き込むことが可能な停止操作位置となり、領域番号15〜17、19〜21については、「赤7」と「チェリー」の双方を引き込むことが可能な停止操作位置となる。
このように「白7」と「チェリー」、「白7」と「スイカ」、「チェリー」と「スイカ」、「赤7」と「チェリー」を同時に狙うことが可能な停止操作位置が存在するものの、「赤7」、「白7」、「スイカ」、「チェリー」のうち3種類以上の図柄を同時に狙うことが可能な停止操作位置は存在しないこととなる。すなわち左リールにおいて、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)の構成図柄のうち2種類の図柄を同時に狙うことは可能であるが、3種類以上の図柄を同時に狙うことは不可能となる。
本実施例では、前述のようにスイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)の当選確率(特別役と同時当選確率を含む)は、それぞれ1/85.3、1/109.2、1/97.5、1/182となるため、これらの役を単独で狙って遊技を行った場合のメダルの払出期待値(狙う役の当選確率×狙う役の払出枚数)、すなわちこれらの役を単独で狙って遊技を行った場合に1ゲームあたりに払出が期待できるメダル枚数は、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)の場合でそれぞれ、おおよそ0.0703、0.0916、0.0103、0.0054となる。
そして、左リールについて「白7」と「チェリー」、すなわち1枚(1)とチェリーを同時に狙って遊技を行った場合のメダルの払出期待値は、1枚(1)を単独で狙った場合の払出期待値と、チェリーを単独で狙った場合の払出期待値と、の合算値であるので、0.1018となる。左リールについて「白7」と「スイカ」、すなわち1枚(1)とスイカを同時に狙って遊技を行った場合のメダルの払出期待値、左リールについて「スイカ」と「チェリー」、すなわちスイカとチェリーを同時に狙って遊技を行った場合のメダルの払出期待値、左リールについて「赤7」と「チェリー」、すなわち1枚(2)とチェリーを同時に狙って遊技を行った場合のメダルの払出期待値は、それぞれ、おおよそ0.0806、0.1619、0.097となる。
このため、本実施例では、左リールを最初に停止した場合に、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)の構成図柄のうち2種類の図柄を同時に狙うことが可能な停止操作位置のうち、チェリーとスイカの構成図柄を同時に狙うことが可能な停止操作位置、すなわち領域番号11〜13のタイミングで左リールの停止操作を行って遊技を行った場合に、他の停止操作位置のタイミングで左リールの停止操作を行って遊技を行った場合に比較して遊技者にとって有利となる。
次に、通常遊技状態において、全てのリールが未だ変動中の状態で左リールを停止した際の停止制御、特に、前述した遊技者にとって有利となる停止操作位置である領域番号11〜13のタイミングで停止操作を行った際の停止制御について説明する。
図9は、全てのリールが未だ変動中の状態において、いずれの役も当選していない場合(ハズレ)、リプレイが当選している場合(リプレイ)、ベルが当選している場合(ベル)、スイカで当選している場合(スイカ)、チェリーが当選している場合(チェリー)、1枚(1)が当選している場合(特別役と同時に当選している場合も同じ)、1枚(2)が当選している場合(特別役と同時に当選している場合も同じ)、いずれかの特別役が単独で当選している場合(ボーナス)、のそれぞれにおいて、領域番号11〜13のタイミングで停止操作を行った際に停止する停止位置を示す図である。
本実施例では、いずれの役も当選していない場合(ハズレ)において適用される左リールの停止制御テーブル及びリプレイが当選している場合(リプレイ)において適用される左リールの停止制御テーブルにおいては、領域番号11〜13の停止操作位置に対して領域番号10が停止位置として特定される引込コマ数が定められており、いずれの役も当選していない場合及びリプレイが当選している場合において、領域番号11〜13のタイミングで左リールの停止操作を行った場合には、図9に示すように、領域番号11〜13のうちいずれのタイミングで左リールの停止操作を行っても領域番号10が停止位置となり、領域番号8・9・10の表示結果が停止する。
スイカが当選している場合(スイカ)において適用される左リールの停止制御テーブル、1枚(1)が当選している場合(1枚(1))において適用される左リールの停止制御テーブル、特別役が単独で当選している場合(ボーナス)において適用される左リールの停止制御テーブルにおいては、領域番号11〜13の停止操作位置に対して領域番号9が停止位置として特定される引込コマ数が定められており、スイカ、1枚(1)、特別役が当選している場合において、領域番号11〜13のタイミングで左リールの停止操作を行った場合には、図9に示すように、領域番号11〜13のうちいずれのタイミングで左リールの停止操作を行っても領域番号9が停止位置となり、領域番号7・8・9の表示結果が停止する。この際、スイカが当選している場合であれば、入賞ラインL2、L4に「スイカが停止した状態であり、これらの入賞ラインL2、L4に対して4コマの引込範囲で「スイカ」を停止させることが可能なタイミングで他のリールの停止操作を行うことでスイカの組み合わせが入賞ラインに揃うこととなるが、1枚(1)が当選している場合やいずれかの特別役が当選している場合には、これらの役を既に取りこぼしている状態であるため、全てのリールが停止した時点でいずれの役も揃うことがない。
ベルが当選している場合(ベル)において適用される左リールの停止制御テーブルにおいては、領域番号11〜13の停止操作位置のうち、領域番号11に対して領域番号9が停止位置として特定される引込コマ数が定められ、領域番号12、13に対して領域番号10が停止位置として特定される引込コマ数が定められており、ベルが当選している場合において、領域番号11〜13のタイミングで左リールの停止操作を行うと領域番号9または領域番号10が停止位置となり、領域番号7・8・9の表示結果または領域番号8・9・10の表示結果が停止する。この際、入賞ラインL2、L4または入賞ラインL1に「ベル」が停止した状態であり、他のリールの停止操作を行うことで必ずベルの組み合わせが入賞ラインに揃うこととなる。
チェリーが当選している場合(チェリー)において適用される左リールの停止制御テーブルにおいては、領域番号11〜13の停止操作位置のうち、領域番号11、12に対して領域番号11が停止位置として特定される引込コマ数が定められ、領域番号13に対して領域番号13が停止位置として特定される引込コマ数が定められており、チェリーが当選している場合において、領域番号11〜13のタイミングで左リールの停止操作を行うと領域番号11または領域番号13が停止位置となり、領域番号9・10・11の表示結果または領域番号11・12・13の表示結果、すなわち「チェリー」が上段または下段に停止する表示結果となる。この際、既に「チェリー」が入賞ラインに停止しているため、他のリールの停止操作を行うことで必ずチェリーの組み合わせが入賞ラインに揃うこととなる。
1枚(2)が当選している場合(1枚(2))において適用される左リールの停止制御テーブルにおいては、領域番号11〜13の停止操作位置のうち、領域番号11に対して領域番号7が停止位置として特定される引込コマ数が定められ、領域番号12に対して領域番号8が停止位置として特定される引込コマ数が定められ、領域番号13に対して領域番号9が停止位置として特定される引込コマ数が定められており、1枚(2)が当選している場合において、領域番号11〜13のタイミングで左リールの停止操作を行うと領域番号7、領域番号8または領域番号9が停止位置となり、領域番号5・6・7の表示結果、領域番号6・7・8の表示結果または領域番号7・8・9の表示結果となる。この際、1枚(2)を既に取りこぼしている状態であるため、全てのリールが停止した時点でいずれの役も揃うことがない。
このように本実施例では、左リールを第1停止とし(最初に停止し)、かつ領域番号11〜13のタイミングで停止操作を行った場合に、ベル、スイカ、1枚(1)、1枚(2)、いずれかの特別役が当選しているときのみ、領域番号7・8・9の表示結果が停止するようになっており、ハズレの場合、リプレイが当選している場合には領域番号7・8・9の表示結果が停止しないようになっている。
更にこれらの役のうち、ベルが当選している場合には、他のリールの操作タイミングに関わらず、全てのリールが停止した時点で必ずベルが入賞ラインに揃い、スイカが当選している場合には、他のリールにおいて「スイカ」を狙って停止操作を行うことによりスイカが入賞ラインに揃うのに対して、1枚(1)、1枚(2)またはいずれかの特別役が当選している場合には、他のリールの操作タイミングに関わらず、全てのリールが停止した時点でいずれの役も入賞ラインに揃わないようになっている。
このため、左リールを第1停止とし、かつ領域番号11〜13のタイミングで停止操作を行った場合において、領域番号7・8・9の表示結果が停止した場合には、特別役に当選している可能性が示唆されるうえに、最終的にいずれの役も入賞ラインに揃わなかった場合には、特別役に当選しているか、特別役と同時当選する可能性のある1枚(1)または1枚(2)に当選しているか、スイカを取りこぼしたかのいずれかであり、一層特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。すなわち本実施例では、左リールを第1停止とし、かつ領域番号11〜13のタイミングで停止操作を行った場合において、領域番号7・8・9の表示結果が停止し、かついずれの役も入賞ラインに揃わない表示態様が、特別役の当選が確定はしないが、他の表示態様(特別役の当選が確定している旨を示すリーチ目は除く)に比較してその可能性が高い旨を示すチャンス目として機能するようになっている。
また、本実施例では、左リールを第1停止とし、かつ領域番号11〜13のタイミングで停止操作を行った場合に、1枚(2)が当選しているときのみ、領域番号5・6・7、領域番号6・7・8の表示結果が停止するようになっており、その他の場合には領域番号5・6・7、領域番号6・7・8の表示結果が停止しないようになっている。更にこの場合には、他のリールの操作タイミングに関わらず、全てのリールが停止した時点でいずれの役も入賞ラインに揃わないようになっている。
このため、左リールを第1停止とし、かつ領域番号11〜13のタイミングで停止操作を行った場合において、領域番号5・6・7、領域番号6・7・8の表示結果が停止した場合には、1枚(1)に比較して特別役と同時当選している可能性の高い1枚(2)に当選していることが確定するので、1枚(2)よりも同時当選している可能性の低い1枚(1)に当選している場合や、スイカの取りこぼし時にも出現しうる領域番号7・8・9の表示結果が停止した場合よりも更に特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。すなわち本実施例では、左リールを第1停止とし、かつ領域番号11〜13のタイミングで停止操作を行った場合において、領域番号5・6・7、領域番号6・7・8の表示結果が停止した表示態様が、領域番号7・8・9の表示結果が停止し、かついずれの役も入賞ラインに揃わない表示態様よりも更に特別役に当選している可能性が高いチャンス目として機能するようになっている。
また、本実施例では、左リール以外を第1停止とし、その後領域番号11〜13のタイミングで左リールの停止操作を行った場合には、当選していない役が入賞ラインに揃ってしまう場合などの例外を除いて、1枚(1)、1枚(2)、いずれかの特別役が当選している場合、またはスイカが当選しており、かつ既に停止したリールにおいて入賞ラインに「スイカ」が停止していない場合、すなわちスイカを取りこぼした場合に、領域番号7・8・9の表示結果が停止し、その他の場合には、領域番号7・8・9の表示結果が停止しないようになっている。
このため、左リール以外を第1停止とし、その後領域番号11〜13のタイミングで左リールの停止操作を行った場合において、領域番号7・8・9の表示結果が停止した場合には、特別役に当選しているか、特別役と同時当選する可能性のある1枚(1)または1枚(2)に当選しているか、既に停止済みのリールにおいてスイカを取りこぼしたかのいずれかであり、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。すなわち本実施例では、左リール以外を第1停止とし、その後領域番号11〜13のタイミングで左リールの停止操作を行った場合において、領域番号7・8・9の表示結果が停止した表示態様についてもチャンス目として機能するようになっている。
また、本実施例においてCPU41aは、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例のCPU41aは、全てのリールが停止した時点で、当該ゲームにおいて許容されていない役が入賞ライン上に揃っているか否かを判定する異常入賞判定を行う。内部抽選で当選していない役が揃った場合、特別役と一般役が同時に揃った場合に異常入賞と判定する。そして、異常入賞と判定された場合には、異常入賞エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、異常入賞エラー状態は、前述した断線異常エラーやRAM異常エラーと同様に、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されることがないうえに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化され、元の状態には復帰不可能となり、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、ビッグボーナス終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、ビッグボーナス中のメダル払出総数等、ビッグボーナス終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、CPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、設定開始前(設定変更モードへの移行前)及び復帰不可能なエラー(断線異常エラー、RAM異常エラー、異常入賞エラー)の発生時、ビッグボーナス終了時、起動時にRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の4つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化、及び復帰不可能なエラー(断線異常エラー、RAM異常エラー、異常入賞エラー)の発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、ビッグボーナス終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
次に、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、電源投入コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行われる毎に送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、ビッグボーナス中であるか、レギュラーボーナス中であるか、等)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間(本実施例では30秒)経過して待機状態に移行するとき、またはクレジットの精算に伴って待機状態に移行するときに送信される。尚、本実施例では、賭数が1でも設定されている場合には、1ゲーム終了後に一定時間が経過しても待機コマンドが送信されないようになっている。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨及び設定変更モードの開始を示すコマンドであり、RAM41cが初期化され、設定変更モードに移行した時点で送信される。
設定終了コマンドは、設定変更モードの終了を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
電源投入コマンドは、電源投入時にいずれかの特別役に当選しているか否かを示すコマンドであり、起動時に電断前の状態に復帰することが可能な場合に、電断前の状態に復帰する前の時点で送信される。
これら各コマンドは、後述する起動処理及びゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられたコマンドキューに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
次に、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91のCPU91aは、メイン制御部41のCPU41aが送信したコマンドを受信した際に、ROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、CPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、CPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、CPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっている。
また、制御パターンテーブルには、特定のコマンド(入賞の発生を示す入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了、ビッグボーナス終了を示す遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、特別役の当選を示す電源投入コマンド等)を受信した際に参照される特定の制御パターンが格納されており、CPU91aは、これら特定のコマンドを受信した場合には、当該ゲームにおいて設定されている演出パターンに関わらず、当該コマンドに対応する特定の制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行う。
入賞の発生を示す入賞判定コマンドを受信した場合には、入賞の種類に応じた入賞時演出を実行するための入賞時演出パターンが制御パターンとして参照される。特に、ビッグボーナス入賞の発生を示す入賞判定コマンドを受信した場合には、ビッグボーナス入賞時に特有のBB入賞時演出を実行するためのBB入賞時パターンが制御パターンとして参照される。
払出開始コマンドを受信した場合には、払出効果音を出力するための払出パターンが制御パターンとして参照される。また、払出効果音の出力中に払出終了コマンドを受信すると、払出効果音の出力を停止する。尚、払出開始コマンドを受信した場合には、他のコマンドと異なり、実行中の演出を中止して受信したコマンドに対応する演出を実行するのではなく、実行中の演出は継続したまま、払出効果音の出力が行われるようになっている。すなわち他の演出と払出に伴う演出が並行して実行されることとなる。
ビッグボーナス終了を示す遊技状態コマンドを受信した場合には、ビッグボーナスの終了を示すエンディング演出を実行するためのエンディングパターンが制御パターンとして参照される。
待機コマンドを受信した場合には、デモ演出としての待機演出を実行するための待機パターンが制御パターンとして参照される。尚、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに伴うボーナス中演出が実行されている場合には、待機演出の実行が禁止されるようになっており、このような状態で待機コマンドを受信しても待機パターンが制御パターンとして参照されることはなく、待機演出が実行されることもない。
打止状態の発生を示す打止コマンド受信した場合には、打止状態である旨を報知するための打止報知パターンが制御パターンとして参照される。また、打止状態の解除を示す打止コマンドを受信した場合には、前述した待機パターンが制御パターンとして参照される。すなわち打止状態が解除されると待機演出が実行されることとなる。
エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨及びその種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。
初期化コマンドを受信した場合には、設定変更中である旨を報知するための設定中報知パターンが参照される。また、設定終了コマンドを受信した場合には、前述した待機パターンが制御パターンとして参照される。すなわち初期化コマンドを受信すると設定変更中報知が実行され、その後、設定終了コマンドを受信すると待機演出が実行されることとなる。
特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を報知するための特別役告知パターンが参照される。すなわち、特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信すると特別役の当選を報知する告知演出が実行されることとなる。尚、特別役の当選を報知する告知演出は、一度実行されると、当該特別役が入賞した旨を示す入賞判定コマンドを受信するまで継続するようになっている。
サブ制御部91のCPU91aは、定期的に実行するタイマ割込処理(サブ)を実行する毎に、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、CPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいて電断前の演出状態に復帰させるようになっている。具体的には、最後に実行していた制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づく制御を実行する。これにより電断前に実行していた制御パターンに基づく演出が最初から実行されることとなる。また、起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいて計算したRAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cの全ての領域を初期化するようになっている。
また、CPU91aは、起動時にRAM91cに記憶されているデータに基づいて電断前の演出状態に復帰可能な否かに関わらず、実際に演出を開始する前に、初期化コマンドまたは電源投入コマンドのいずれかを受信するまで待機する。そしてこの状態で初期化コマンドを受信した場合には、RAM91cのデータをクリアする。また、この状態で特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を示す告知演出を実行し、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、電断前の演出状態に復帰可能であれば復帰し、復帰不能であれば待機演出を実行する。また、初期化コマンドまたは電源投入コマンドの受信待ちの状態では、コマンドの受信に基づき演出を実行するタイマ割込処理の実行は許可されないようになっており、他のコマンドを受信した場合でも、受信したコマンドに基づく演出が行われることはなく、起動後、初期化コマンドまたは電源投入コマンドを受信して、タイマ割込処理の実行が許可されるまでは、何らの演出も行われることはない。
また、サブ制御部91のCPU91aは、内部当選コマンドを受信したときに、内部当選コマンドから特定される内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類をRAM91cに保存し、次に内部当選コマンドを受信して更新されるまで保持する。リール停止コマンドを受信したときには、リール停止コマンドから特定される停止リール、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号をRAM91cに保存し、次にリール回転開始コマンドを受信したとき、すなわち次のゲームにおけるリールの回転開始まで保持し、回転開始に伴い消去する。入賞判定コマンドを受信したときには、入賞判定コマンドから特定される入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数をRAM91cに保存し、次に入賞判定コマンドを受信して更新されるまで保持する。遊技状態コマンドを受信したときには、遊技状態コマンドから特定される次ゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、ビッグボーナス中であるか、レギュラーボーナス中であるか、等)をRAM91cに保存し、次に入遊技状態コマンドを受信して更新されるまで保持する。
また、サブ制御部91のCPU91aは、リールの回転が開始してからリール2L、2C、2Rの全ての停止操作がなされないまま所定時間(本実施例では60秒)が経過したとき、つまりリール回転開始コマンドを取得した後、全てのリールについてのリール停止コマンドを取得しないまま所定時間(本実施例では60秒)が経過したときに、リールの停止操作を促す促進報知を行う。
次に、本実施例におけるメイン制御部41のCPU41aが実行する各種制御内容を、図10〜図20に基づいて以下に説明する。
CPU41aは、リセット回路49からリセット信号が入力されると、図10のフローチャートに示す起動処理を行う。尚、リセット信号は、電源投入時及びメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うCPU41aの起動時及びCPU41aの不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC(断線監視IC50を除く)、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa1)、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否か、すなわち電圧が安定しているか否かを判定し(Sa2)、電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下信号が入力されているか否かの判定以外は、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
Sa2のステップにおいて電圧低下信号が入力されていないと判定した場合には、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(Sa3)とともに、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定する(Sa4)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa5)、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(Sa6)。Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態でなければ、断線監視IC50から断線フラグの記憶状態を取得し(Sa7)、断線フラグが記憶されているか否かを判定する(Sa8)。停電中に遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態が解除されていなければ、断線フラグは記憶されていないはずであり、断線フラグが記憶されている場合には、停電中に遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態または遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態が解除されたこととなるため、断線異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa9)、図11に示すエラー処理に移行する。
Sa8のステップにおいて断線フラグが記憶されていない場合には、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa10)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sa11)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa11のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa13)、図11に示すエラー処理に移行する。
また、Sa11のステップにおいてRAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa12)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa12のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa13)、図11に示すエラー処理に移行する。
エラー処理では、図11に示すように、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避し(Sb1)、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示する(Sb2)。
次いで、レジスタに格納されているエラーコードを確認し、当該エラーコードが断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードであるか否かを判定し(Sb3)、断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードである場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を行った後(Sb4)、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
また、Sb3のステップにおいて、断線異常エラー、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外を示すエラーコードではないと判定された場合には、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されているか否かを判定し(Sb5)、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていなければ、更にリセットスイッチ23の操作が検出されているか否かを判定し(Sb6)、リセットスイッチ23の操作も検出されていなければ、Sb5のステップに戻る。すなわちリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。
そして、Sb5のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出された場合、またはSb6のステップにおいてリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、レジスタに格納されているエラーコードをクリアし(Sb7)、遊技補助表示器12の表示状態をSb1のステップにおいてスタックに退避した表示状態に復帰させて(Sb8)、もとの処理に戻る。
このようにエラー処理においては、断線異常エラー、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、断線異常エラー、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーによるエラー処理であれば、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を行うとともに、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除され、元の状態に復帰することはない。
図10に戻り、Sa12のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa14)、破壊診断用データをクリアする(Sa15)。次いで、電断前の状態でいずれかの特別役が当選しているか否かを判定し(Sa16)、電断前の状態でいずれかの特別役が当選している場合には、特別役の当選を示す電源投入コマンドを設定し(Sa17)、Sa19のステップに進み、電断前の状態でいずれの特別役も当選していない場合には、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを設定し(Sa18)、Sa19のステップに進む。
Sa19のステップでは、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し、割込を許可して(Sa20)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。また、Sa20のステップにおいて割込が許可されると、タイマ割込処理が定期的に実行されることとなり、これに伴いSa17またはSa18のステップにおいて設定された電源投入コマンドがサブ制御部91に対して送信される。
また、Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態であれば、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa21)、設定値ワークに格納されている値(この時点では0)を1に補正する(Sa22)。次いで、初期化コマンドをセットした後(Sa23)、割込を許可して(Sa24)、図12に示す設定変更処理、すなわち設定変更モードに移行する(Sa25)。Sa24のステップにおいて割込が許可されると、タイマ割込処理が定期的に実行されることとなり、これに伴いSa23のステップにおいて設定された初期化コマンドがサブ制御部91に対して送信される。Sa25のステップにおける設定変更処理の終了後、設定終了コマンドを設定し(Sa26)、ゲーム処理に移行する。Sa26のステップにおいて設定された初期化コマンドは、その後のタイマ割込処理においてサブ制御部91に対して送信される。
設定変更処理では、図12に示すように、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワークの値は1に補正されているので、ここでは1である)を読み出す(Sc1)。
その後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc2、Sc3)、Sc2のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、Sc1のステップにおいて読み出した設定値に1を加算し(Sc4)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち設定可能な範囲を超えたか否かを判定し(Sc5)、加算後の設定値が7でなければ、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻り、Sc5のステップにおいて加算後の設定値が7であれば設定値を1に補正した後(Sc6)、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
また、Sc3のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値をRAM41cの設定値ワークに格納して、設定値を確定した後(Sc7)、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(Sc8)。そして、Sc8のステップにおいて設定キースイッチ37のOFFが判定されると、図10のフローチャートに復帰し、ゲーム処理に移行することとなる。
このように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態ではない場合に、断線フラグが記憶されているか否かを判定し、断線フラグが記憶されていればエラー処理に移行する。また、RAMパリティが0であるか否か、破壊診断用データが正常であるか否かを判定することでRAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM41cのデータが正常でなければ、エラー処理に移行する。断線異常エラー、RAM異常エラーによるエラー処理では、断線異常エラー、RAM異常エラーを示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させた後、電断前の状態に復帰不能となるように初期化1を行ってRAM41cを初期化し、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。そして、RAM41cのデータが正常でなければ、割込が許可されることがないので、一度断線異常エラーまたはRAM異常エラーによるエラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込が許可されるまでは、電断しても電断割込処理(メイン)は行われない。すなわち電断割込処理(メイン)において新たにRAMパリティが0となるようにRAM調整用データが計算されて格納されることはなく、破壊診断用データが新たに設定されることもないので、CPU41aが再起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、CPU41aを再起動させてもゲームを再開させることができないようになっている。
そして、断線異常エラーまたはRAM異常エラーによるエラー処理に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、RAM41cの使用中スタック領域を除く全ての領域が初期化された後、設定変更処理が行われ、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわちRAM異常エラーによるエラー処理に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを再開させることが可能となる。
図13は、CPU41aが実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。また、入賞判定処理では、当選していない役が入賞したり、特別役と一般役が同時に入賞するなどの異常入賞が発生しているか否かを判定する異常入賞判定処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
図14は、CPU41aがSd2のステップにおいて実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
本実施例の内部抽選処理では、まず、当該ゲームの遊技状態に応じて予め定められたメダルの投入枚数である規定枚数を読み出し(Se1)、Se2のステップに進む。規定枚数は、通常遊技状態においては3枚、レギュラーボーナスの遊技状態においては1枚とされている。
Se2のステップでは、メダルの投入枚数、すなわちBETカウンタの値が、Se1のステップにて読み出した規定枚数か否かを判定し、メダルの投入枚数が規定枚数であればSe3のステップに進み、メダルの投入枚数が規定枚数でなければSe4のステップに進む。
Se3のステップでは、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値が1〜6の範囲であるか否か、すなわち設定値ワークに格納されている設定値が適正な値か否かを判定し、設定値が1〜6の範囲であればSe5のステップに進み、1〜6の範囲でなければSe4のステップに進む。
Se4のステップでは、RAM41cに格納されているデータが正常ではないと判定されたため、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに格納し、図11に示すエラー処理に移行する。
Se5のステップでは、当該ゲームに用いる乱数を取得する乱数取得処理を行い、Se6のステップに進む。乱数取得処理では、サンプリング回路43にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路42が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート41dから入力して、これを抽出し、抽出した乱数に対して所定の論理演算を行い、その結果を乱数として取得する。
Se6のステップでは、当該ゲームの遊技状態に応じて状態番号(0〜2のいずれか)をRAM41cに格納し、Se7のステップに進む。Se7のステップでは、状態番号が示す遊技状態において最初に抽選対象とする役番号をRAM41cに格納し、Se8のステップに進む。Se7のステップでは、状態番号が0の場合、すなわち通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、最初に抽選対象とする役番号として0(ビッグボーナス(1))を設定し、状態番号が1の場合、すなわち通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、最初に抽選対象とする役番号として9(リプレイ)を設定し、状態番号が2の場合、すなわちレギュラーボーナスの場合には、最初に抽選対象とする役番号として14(ベル)を設定する。
Se8のステップでは、状態番号が2であるか否か、すなわちレギュラーボーナス中であるか否かを確認し、状態番号が2である場合、すなわちレギュラーボーナス中である場合にはSe10のステップに進む。状態番号が2でない場合にはSe9のステップに進む。
Se9のステップでは、抽選対象とする役番号が15であるか否か、すなわちレギュラーボーナス以外の遊技状態において抽選対象となる全ての役の抽選が終了したか否かを確認し、役番号が15である場合にはSe11のステップに進む。15でない場合にはSe10のステップに進む。
Se10のステップでは、抽選対象とする役番号が19であるか否か、すなわちレギュラーボーナスにおいて抽選対象となる全ての役の抽選が終了したか否かを確認し、役番号が19である場合にはSe11のステップに進む。19でない場合にはSe12のステップに進む。
Se11のステップでは、RAM41cにおいて一般役の当選フラグが格納される一般役格納ワークをクリアして、内部抽選処理を終了し、図13に示すフローチャートに復帰する。
Se12のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて、役別テーブルに登録されている共通フラグが1か否かを確認し、1である場合にはSe13のステップに進み、1でない場合にはSe14のステップに進む。
Se13のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Se15のステップに進む。
Se14のステップでは、まず、RAM41cに格納されている設定値を読み出し、更に、処理対象の役番号と読み出した設定値に対応付けて、役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Se15のステップに進む。
Se15のステップでは、内部抽選用の乱数値に、Se13またはSe14のステップにおいて取得した判定値数を加算し、加算の結果を新たな乱数値とし、Se16のステップに進み、判定値数を内部抽選用の乱数値に加算したときにオーバーフローが生じたかを判定する。尚、オーバーフローの発生は、処理対象の役番号に該当する役が当選した旨を示している。そしてオーバーフローが生じた場合にはSe18のステップに進み。オーバーフローが生じなかった場合にはSe17のステップに進む。
Se17のステップでは、処理対象の役番号に1を加算し、Se8のステップに戻る。
Se18のステップでは、役番号が0〜8であるか、すなわち特別役または特別役を含む役の組み合わせを示す役番号か否かを確認し、役番号が0〜8の場合にはSe19のステップに進み、役番号が0〜8でない場合にはSe20のステップに進む。
Se19のステップでは、RAM41cにおいて特別役の当選フラグが格納される特別役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する特別役の当選フラグを設定し、Se20のステップでは、RAM41cの一般役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する一般役の当選フラグを設定して、内部抽選処理を終了し、図17に示すフローチャートに復帰する。尚、Se20のステップでは、役番号が0〜2の場合、一般役は当選していないため、この場合には、RAM41cの一般役格納ワークをクリアする。
図15は、CPU41aがSd3のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Sf1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
そして、Sf1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(Sf2)。
次いで、リールモータの回転開始時の設定を行い、リールの回転を開始させる(Sf3)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、役の当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(Sf4)、停止準備完了時の設定を行う(Sf5)。これにより、停止操作を有効化させることが可能な状態となり、その後、後述するタイマ割込処理(メイン)の原点通過時処理において、リールの定速回転が検出された時点で、停止操作が有効となる。
次いで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し(Sf6)、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sf7)、リール回転エラーが発生していなければ、更に、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入が検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出が検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sf8、Sf9)、Sf7〜Sf9のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Sf6のステップに戻る。
また、Sf8のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合、またはSf9のステップにおいて払出エラーが判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sf10)、図11に示すエラー処理に移行する(Sf11)。そして、エラーが解除された場合には、再びSf6のステップに戻る。
また、Sf7のステップにおいてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sf12)、図11に示すエラー処理に移行する(Sf13)。これに伴い、リールの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びSf3のステップに戻り、リールの回転が再開する。
また、Sf6のステップにおいていずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、ストップスイッチに対応するリールモータにおける、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定した後(Sf14)、停止操作に対応するリールの回転が停止するまで待機する(Sf15)。
そして、停止操作に対応するリールの回転が停止すると、当該リールに対応するストップスイッチの操作の検出を無効化した後、全てのリールが停止したか否かを判定し(Sf16)、全てのリールが停止していなければ、Sf4のステップに戻り、全てのリールが停止していれば、リール回転処理を終了して、図13のフローチャートに復帰する。
図16及び図17は、CPU41aが割込3の発生に応じて、すなわち0.56msの間隔で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Si1)。すなわち、タイマ割込処理(メイン)の実行中に他の割込処理が実行されることを禁止する。そして、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Si2)。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Si3)。Si3のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Si4)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSi8のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSi23の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Si5)。
次いで、分起用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Si6)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Si7)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Si8)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Si9)を順次実行した後、Si2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Si20)、Si1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Si21)、割込前の処理に戻る。
また、Si6のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Si10)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Si11)、各種ソフトウェア乱数を更新する乱数更新処理(Si12)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Si13)、コマンドキューに格納されたコマンドを演出制御基板90に対して送信するコマンド送信処理(Si14)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Si15)を順次実行した後、Si2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Si20)、Si1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Si21)、割込前の処理に戻る。
また、Si4のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分起用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Si16)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理(Si17)、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作の有効化を許可する原点通過時処理(Si18)、各種スイッチ類の検出信号に基づいてこれら各種スイッチが検出条件を満たしているか否かを判定するスイッチ入力判定処理(Si19)、を順次実行した後、Si2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Si20)、Si1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Si21)、割込前の処理に戻る。
また、Si16のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出が判定されたときに、停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Si22)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Si23)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Si24)、断線監視IC50から断線フラグの記憶状態を取得し、断線フラグが記憶されていれば断線異常エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し、図11に示すエラー処理に移行させる断線確認処理(Si25)を順次実行した後、Si2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Si20)、Si1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Si21)、割込前の処理に戻る。
尚、Si25の断線確認処理では、断線フラグが記憶されていると判定された場合に断線異常によるエラー状態に制御されるので、その後、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。
図18は、CPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込4内において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。
停止スイッチ処理では、まず、左、中、右の順番で全てのリールについて、該当するリールのワークに停止操作位置が設定されているか否か、すなわち停止操作が検出されたか否かを判定し(Si101、Si102)、全てのリールについて停止操作が検出されていなければ、停止スイッチ処理を終了し、図17のフローチャートに復帰する。
また、Si101のステップにおいて、いずれかのリールの停止操作が検出されている場合には、Si103のステップに進み、当該リールに対応する停止制御テーブルを参照し、停止リールに対応するワークに設定されている停止操作位置のステップ数を含む領域番号から、停止位置となる領域番号を特定し、Si104のステップに進む。
Si104のステップでは、現在のリール基準位置からのステップ数から、Si103のステップにおいて特定した停止位置までに要するステップ数を算出し、算出したステップ数を設定した後、停止スイッチ処理を終了し、図17のフローチャートに復帰する。
図19は、CPU41aが割込2の発生に応じて、すなわち電断検出回路48からの電圧低下信号が入力されたときに起動処理やゲーム処理に割り込んで実行する電断割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
電断割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Sk1)。すなわち電断割込処理(メイン)の開始にともなってその他の割込処理が実行されることを禁止する。次いで、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sk2)。尚、前述したIレジスタ及びIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次いで、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否かを判定する(Sk3)。この際、電圧低下信号が入力されていなければ、Sk2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sk4)、Sk1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sk5)、割込前の処理に戻る。
また、Sk3のステップにおいて電圧低下信号が入力されていれば、破壊診断用データ(本実施例では、5A(H))をセットして(Sk6)、全ての出力ポートを初期化する(Sk7)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sk8)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sk9)。
そして、電圧低下信号が入力されているか否かの判定(Sk10、尚、Sk10は、Sk3と同様の処理である)を除いて、何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にCPU41aは動作停止する。また、このループ処理において、電圧が回復し、電圧低下信号が入力されない状態となると、前述した起動処理が実行され、RAMパリティが0となり、かつ破壊診断用データが正常であれば、元の処理に復帰することとなる。
尚、本実施例では、RAM41cへのアクセスを禁止した後、電圧低下信号の出力状況を監視して、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理へ移行するようになっているが、ループ処理において何らの処理も行わず、ループ処理が行われている間に、電圧が回復し、リセット回路49からリセット信号が入力されたことに基づいて、起動処理へ移行するようにしても良い。
次に、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91のCPU91aが実行する各種制御内容を、図20のフローチャートに基づいて以下に説明する。
CPU91aは、サブ制御部91にリセット回路95からリセット信号が入力されると、図20に示す起動処理(サブ)を行う。
起動処理(サブ)では、内蔵デバイスや周辺IC(ドア開放検出IC98を除く)、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sr1)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sr2)。そして、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算し(Sr3)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sr4)。
RAM91cのデータが正常であれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sr4のステップにおいてRAMパリティが0であれば、RAM91cに格納されているデータが正常であるので、Sr5のステップに進み、電断前の演出状態を復帰させる。Sr5のステップでは、電断前に最後に実行していた制御パターンを設定した後、コマンド受信割込処理のみを許可し(Sr6)、Sr7のステップに進む。
また、Sr4のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM91cに格納されているデータが正常ではないので、RAM91cを初期化し(Sr13)、待機パターンを制御パターンとして設定した後(Sr14)、コマンド受信割込処理のみを許可し(Sr6)、Sr7のステップに進む。
Sr7のステップでは、初期化コマンドを受信したか否かを判定し、初期化コマンドを受信していない場合には、Sr8のステップに進み、電源投入コマンドを受信した否かを判定する。また、初期化コマンドを受信した場合には、RAM91cを初期化した後(Sr15)、設定中報知パターンを制御パターンとして設定し(Sr16)、Sr11のステップに進む。
Sr8のステップにおいて、電源投入コマンドを受信しなかった場合には、再びSr7のステップに戻り、電源投入コマンドを受信した場合には、Sr9のステップに進む。
Sr9のステップでは、Sr8のステップにおいて受信した電源投入コマンドに基づいて電断前の状態で特別役が当選しているか否かを判定し(Sr13)、電断前の状態で特別役が当選している場合には、特別役の当選を報知する特別役告知パターンを制御パターンとして設定した後(Sr10)、設定された制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し(Sr11)、全ての割込を許可して(Sr12)、ループ処理に移行する。
また、Sr9のステップにおいて、電断前の状態で特別役が当選していない場合には、Sr5のステップにおいて設定された制御パターン、すなわち電断前に設定されていた制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し(Sr11)、全ての割込を許可して(Sr11)、ループ処理に移行する。すなわちこの時点でタイマ割込処理が許可されることに伴い、コマンドの受信に基づく各種の演出が実行可能な状態となる。
以上説明したように本実施例のスロットマシン1では、特別役と同時当選する可能性のある1枚(1)または1枚(2)が当選し、かつ当選した1枚(1)または1枚(2)を取りこぼしたときに、いずれの役も当選していない場合には停止することのないチャンス目を停止させることが可能となるので、チャンス目が導出されることにより、特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、内部抽選によりいずれの役も当選していない場合(ハズレ)、すなわち通常時の大半を占める状態では、チャンス目が停止することがなく、内部抽選によりいずれかの特別役、1枚(1)または1枚(2)が当選すること、またはスイカが当選し、かつ取りこぼしたことによりチャンス目を導出させることが可能となる。このため、複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるとともに、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止操作位置(または停止位置)に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われる場合でも、遊技者の技量などの影響を受けることなく、適度な割合でチャンス目を導出させることが可能となる。
また、特定の操作タイミング(本実施例では領域番号11〜13)で左リールの停止操作を行い、左リールが領域番号5・6・7、領域番号6・7・8の表示結果となるチャンス目が停止したときに、左リールが領域番号7・8・9の表示結果となるチャンス目が停止したときよりも特別役に当選している可能性が高まるため、常に同じ操作タイミングでリールの停止操作を行いつつ遊技を行っている場合でも、その際に停止した表示結果によって特別役の当選に対する遊技者の期待感に変化を持たせることができる。
また、チェリー及びスイカをともに入賞させることが可能な停止操作位置と、1枚(1)を入賞させることが可能な停止操作位置及び1枚(2)を入賞させることが可能な停止操作位置と、が重複せず、チェリー及びスイカと1枚(1)または1枚(2)とを同時に狙って停止操作を行うことができないうえに、チェリーまたはスイカが入賞した際に、1枚(1)または1枚(2)が入賞したときよりも多くのメダルが付与されるので、積極的にチェリー及びスイカをともに入賞させることが可能な停止操作位置、すなわち1枚(1)、1枚(2)を取りこぼす停止操作位置での操作を遊技者に対して促すことが可能となり、結果としてチャンス目が導出される機会を増やすことが可能となり、特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
更に、本実施例では、左リールを最初に停止した場合に、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)の構成図柄のうち2種類の図柄を同時に狙うことが可能な停止操作位置のうち、チェリーとスイカの構成図柄を同時に狙うことが可能な停止操作位置、すなわち領域番号11〜13のタイミングで左リールの停止操作を行って遊技を行った場合に、他の停止操作位置のタイミングで左リールの停止操作を行って遊技を行った場合に比較して最もメダルの払出期待値が高くなるので、一層積極的にチェリー及びスイカをともに入賞させることが可能な停止操作位置、すなわち1枚(1)、1枚(2)を取りこぼす停止操作位置での操作を遊技者に対して促すことが可能となる。
また、取りこぼしによりチャンス目を停止させることが可能となる1枚(1)または1枚(2)は、1ゲームに対して設定可能な最大賭数(3)を設定するために必要なメダル数である3枚以下(1枚)のメダルの払出を伴う入賞であるため、内部抽選により1枚(1)または1枚(2)が当選し、入賞させることができなくても、遊技者が大きな不利益を被ることがないばかりか、1枚(1)、1枚(2)の入賞確率が、スロットマシン1の払い出し率に大きな影響が及ぶことがないので、例えば、1枚(1)、1枚(2)の入賞が許容される確率を高めてチャンス目の停止しうる機会を増加させることも可能となり、特別役に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
また、1枚(1)、1枚(2)の入賞に伴い払い出されるメダル数が、1ゲームに対して最小単位の賭数を設定するのに必要な1枚とされているので、最もスロットマシン1の払い出し率に影響を与えにくくできる。
尚、本実施例では、1枚(1)、1枚(2)の入賞に伴い、1枚のメダルが遊技者に払い出されるようになっていたが、チャンス目を停止可能な特定付与入賞の発生に伴い払い出されるメダル数は1枚に限定されるものではなく、チャンス目を導出可能な特定付与入賞の発生に伴い払い出されるメダル数は、より少ない方が好ましいが、少なくとも1ゲームに対して設定可能な最大賭数(本実施例では3)を設定するのに必要なメダル数(本実施例では3枚)以下であれば、スロットマシン1の払い出し率に影響を与えにくくできる。
また、本実施例では、特別役と同時当選する可能性のある1枚(1)、1枚(2)を取りこぼしたときだけではなく、特別役が当選しているときにも、チェリーとスイカを同時に狙うことが可能な停止操作位置で左リールの停止操作がなされた場合にはチャンス目を停止させることが可能となるので、チャンス目が停止することにより一層特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、本実施例では、特別役と同時当選する可能性のある1枚(1)、1枚(2)を取りこぼしたときだけではなく、スイカやベルが当選しているときにも、チェリーとスイカを同時に狙うことが可能な停止操作位置で左リールの停止操作がなされた場合に、左リールを停止した時点では、チャンス目を構成する表示結果を停止させることが可能となり、チャンス目を構成する表示結果が停止する機会を増やすことが可能となるので、特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることが可能となる。また、左リールを停止させてチャンス目を構成する表示結果が停止した時点では、それがスイカやベルが当選したことによるものであるのか、特別役と同時当選する可能性のある1枚(1)、1枚(2)を取りこぼしたものであるのか、を判別できないため、最終的に全てのリールが停止するまで遊技者の期待感を効果的に持続させることができる。
更に本実施例では、スイカが当選している場合において、左リール以外を第1停止とし、その後左リールの停止操作を行った際に、既に停止済みのリールにおいてスイカを取りこぼした場合にも、チェリーとスイカを同時に狙うことが可能な停止操作位置で左リールの停止操作がなされた場合にはチャンス目を停止させることが可能となるので、チャンス目が停止する機会を増やすことが可能となり、特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることが可能となる。
尚、本実施例では、1枚(1)よりも特別役と同時当選する可能性の高い1枚(2)が当選しているときのみ、領域番号5・6・7、領域番号6・7・8の表示結果となるチャンス目が停止するようになっているが、特別役が単独で当選している場合や、左リール以外を第1停止とし、その後左リールの停止操作を行った際に、既に停止済みのリールにおいてスイカを取りこぼした場合にも領域番号5・6・7、領域番号6・7・8の表示結果となるチャンス目が停止するようにしても良い。但し、スイカを取りこぼした場合には、既に停止済みのリールの停止操作位置や停止位置のうち特定の限定された停止操作位置や停止位置である場合のみ、領域番号5・6・7、領域番号6・7・8の表示結果となるチャンス目が停止可能となることが好ましく、このようにすることで、特別役が当選していない場合に領域番号5・6・7、領域番号6・7・8の表示結果となるチャンス目が出現する割合を抑えることができ、領域番号5・6・7、領域番号6・7・8の表示結果となるチャンス目が停止した際の特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
また、本実施例では、「チェリー−any−any」の組み合わせが入賞ラインに停止することでチェリーの入賞が判定されるようになっているが、例えば、「チェリー−チェリー−any」の組み合わせが入賞ラインに停止すること、すなわち左リールの停止結果のみでは確定しない表示結果の組み合わせに基づいてチェリーの入賞が判定されるようにするとともに、左リールの特定の位置にチェリーが停止し、かつ全てのリールが停止した時点でいずれの入賞の組み合わせともならない場合にチャンス目が成立するようにし、チェリーが当選し、チェリーとスイカを同時に狙うことが可能な停止操作位置で左リールの停止操作がなされたときにも、左リールを停止した時点でチャンス目を構成する表示結果(チェリーを含むもの)が導出されるようにしても良く、このようにすることで、チェリーが当選したときにも、左リールを停止した時点では、チャンス目を構成する表示結果を停止させることが可能となり、チャンス目を構成する表示結果が停止する機会を増やすことが可能となるので、特別役の当選に対する遊技者の期待感を持続させることが可能となる。また、左リールを停止させてチャンス目を構成する表示結果が停止した時点では、それがチェリーが当選したことによるものであるのか、特別役と同時当選する可能性のある1枚(1)、1枚(2)を取りこぼしたものであるのか、を判別できないため、最終的に全てのリールが停止するまで遊技者の期待感を効果的に持続させることができる。
また、本実施例のスロットマシン1では、レギュラーボーナス中においては、ベル以外の小役が当選する場合、必ずベルも同時に当選するとともに、最も払出枚数の多いベルの組み合わせを入賞ラインに引き込む制御が優先されるため、レギュラーボーナス中においていずれかの小役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずベルを入賞させることができるようになっている。すなわちレギュラーボーナスにおいてチェリー、スイカ、1枚(1)、1枚(2)といった払出枚数がベルよりも少ない役が当選した場合でも、ベルが入賞してチェリー、スイカ、1枚(1)、1枚(2)が入賞したときよりも多くのメダルを獲得できるようになっており、チェリー、スイカ、1枚(1)、1枚(2)が当選したために、レギュラーボーナス中に獲得できるメダル数が減少してしまうことがない。
尚、本実施例では、レギュラーボーナス中において最も払出枚数の多いベルを、ベルの払出枚数よりも少ない小役が当選する際に同時に当選させるようにしているが、例えば、チェリーのように単独では、レギュラーボーナス中において最も払出の多い小役ではないが、複数の入賞ライン上に停止することで、レギュラーボーナス中に最も多くのメダルが付与される場合であれば、このような小役をそれよりも払出枚数の少ない小役と同時に当選させるようにしても良い。
また、本実施例では、全ての遊技状態を通して最も払出枚数の多い小役であるベルを、レギュラーボーナス中においてそれよりも払出枚数の少ない小役が当選する際に同時に当選させるようにしているが、少なくともレギュラーボーナス中において入賞の対象となる小役のうちで最も払出枚数の多い小役を、それよりも払出枚数の少ない小役が当選する際に同時に当選させるようにすれば、レギュラーボーナス中に獲得できるメダル数が減少してしまうことを防止できるものであり、例えば、レギュラーボーナス中において対象となる小役のうち最も払出枚数の多い小役の払出枚数が、他の遊技状態では、最も払出枚数の多い小役でなくとも良い。
また、本実施例のスロットマシン1では、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数に対して割り当てられた領域)に対して停止位置(表示結果)が一意的に定められた複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるとともに、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっており、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止操作位置(停止操作のタイミング))の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなるので、従来のように一の内部当選状態に対して複数の停止制御テーブルからいずれか1つの停止制御テーブルを内部抽選とは異なる抽選(例えばリール制御の振分抽選など)などにより更に選択する必要がなく、リールを停止させる際の制御が複雑化することがない。
また、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルが選択されるので、遊技状態及び内部当選状態が同一であり、かつ停止済みのリールの停止位置(停止図柄)が同一の場合であっても、停止済みのリールの停止操作位置が異なる場合には、異なる停止制御テーブルが適用されることがあるため、リールの表示結果をより多彩なものにできる。
また、本実施例では、リールの回転開始時に、全てのリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるとともに、その後リールが停止する毎に、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止操作位置、すなわちいずれか1つのリールが停止した状態では停止済みのリールの停止操作位置、いずれか2つのリールが停止した状態では停止済みの2つのリールの停止操作位置の組み合わせに対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっているが、例えば、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うとともに、更にいずれかのリールが停止したとき(2つのリールが停止したとき)には、新たに停止制御テーブルを選択せず、全てのリールが回転している状態でいずれか1つのリールが停止したときに選択された停止制御テーブルに従って残りのリールの停止制御を行うようにしても良い。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うとともに、更にいずれかのリールが停止したとき(2つのリールが停止したとき)に、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、最初に停止したリールの停止操作位置または最後に停止したリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うようにしても良い。
また、本実施例では、いずれかのリールが既に停止している場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっているが、いずれかのリールが既に停止している場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようにしても良い。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うとともに、更にいずれかのリールが停止したとき(2つのリールが停止したとき)には、新たに停止制御テーブルを選択せず、全てのリールが回転している状態でいずれか1つのリールが停止したときに選択された停止制御テーブルに従って残りのリールの停止制御を行うようにしても良い。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うとともに、更にいずれかのリールが停止したとき(2つのリールが停止したとき)に、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、最初に停止したリールまたは最後に停止したリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うようにしても良い。
また、本実施例では、いずれか2つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止操作位置の組み合わせに対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっているが、例えば、いずれか2つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールのうちのいずれか1つのリールの停止操作位置、停止したリールのうちの残りのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うようにしても良い。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、いずれか2つのリールが停止したときに、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止位置の組み合わせに対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うようにしても良い。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、いずれか2つのリールが停止したときに、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止操作位置の組み合わせに対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うようにしても良い。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、いずれか2つのリールが停止したときに、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールのうちのいずれか1つのリールの停止操作位置、停止したリールのうちの残りのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うようにしても良い。
また、これらの場合には、1/2図柄が変動する範囲の領域、すなわち1図柄が変動する範囲未満の単位で停止済みのリールの停止操作位置を判定し、その停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うこと、すなわちある図柄が基準位置に位置するステップ数から1図柄が変動する範囲以内の異なるステップ数に対して異なる停止制御テーブルを選択可能とすることが好ましく、このようにすれば、停止済みのリールの停止位置が同一であり、停止操作が行われたタイミングが1図柄が変動する範囲以内であっても、他のリールに適用される停止制御テーブルを変化させることができるので、各リールの表示結果をより一層多様化することができる。
また、例えば、通常遊技状態においていずれの役にも当選していない場合(ハズレ)において、ある特定のリールにおいて同一の停止位置が定められた領域番号の範囲で停止操作が行われた場合において同一の表示結果が導出されるが、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号の領域で停止操作が行われた場合のみ、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択し、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号以外の領域で停止操作が行われた場合に、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択することが好ましい。これにより特定のリールを停止した時点での当該リールの停止位置が同一の場合であってもその停止操作位置が異なることによって最終的にチャンス目を導出可能に制御する場合と導出不可能に制御する場合とがあるので、通常遊技状態においていずれの役にも当選していない場合(ハズレ)のリールの表示結果が単調化してしまうことを防止できる。
更に、この場合には、通常遊技状態においていずれかのボーナスに当選している場合に、同一の停止位置が定められた領域番号のうち、通常遊技状態においていずれの役も当選していない場合よりも多くの領域番号に対して、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択することが好ましく、このようにすれば、通常遊技状態においていずれかのボーナスに当選している場合には、通常遊技状態においていずれの役も当選していない場合よりも高い割合でチャンス目が導出されることとなり、チャンス目が導出されることにより、ボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、いずれかのリールが既に停止している場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行うものにおいては、リールが停止する毎に、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なリール停止コマンドを、サブ制御部91に対して送信することが好ましく、このようにすることでサブ制御部91のCPU91aは、リールが停止した際に、そのリールの停止位置のみならず、停止操作位置に応じて異なる演出を行うことが可能となる。
特に、通常遊技状態においていずれの役にも当選していない場合(ハズレ)において、ある特定のリールにおいて同一の停止位置が定められた領域番号の範囲で停止操作が行われた場合において同一の表示結果が導出されるが、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号の領域で停止操作が行われた場合のみ、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択し、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号以外の領域で停止操作が行われた場合に、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択するとともに、通常遊技状態においていずれかのボーナスに当選している場合に、同一の停止位置が定められた領域番号のうち、通常遊技状態においていずれの役も当選していない場合よりも多くの領域番号に対して、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択する場合には、リール停止コマンドを受信した際に、停止操作位置がチャンス目の導出条件を満たす場合、すなわちチャンス目を構成する表示結果を導出可能な停止制御テーブルが選択される停止操作位置である場合において、チャンス目の導出条件を満たさないが同一の停止位置となる他の停止操作位置である場合よりも高い割合で、いずれかの特別役に当選している可能性を報知する特殊演出(例えば、通常とは異なる停止音など)を行うようにしても良く、このようにすれば、特定のリールの停止時に特殊演出が行われることで、特定のリールの停止時に特殊演出が行われない場合よりも最終的にチャンス目が導出される可能性が高まることとなり、特殊演出が行われることに伴ってチャンス目の導出、更には特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
また、本実施例では、複数の連続するステップ数の範囲(本実施例では1図柄が変動する4ステップずつ)毎に引込コマ数(当該範囲で停止操作が検出された場合の停止位置)が一意的に定められた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行っているので、停止制御テーブルを作成するためのテーブル作成用データの容量を大幅に軽減できる。
尚、本実施例では、1図柄が変動する範囲の領域の単位毎に、引込コマ数を一意的に定めた停止制御テーブルを用いているが、例えば、1/2図柄が変動する範囲の領域、すなわち1図柄が変動する範囲未満の単位毎に、引込コマ数(停止位置)を一意的に定めた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行うようにしても良い。すなわちある図柄が基準位置に位置するステップ数から1図柄が変動する範囲以内の異なるステップ数に対して異なる停止位置が定められた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行うようにしても良く、このようにすることで、1図柄が変動する範囲以内であっても、停止操作のタイミングが異なることで導出される表示結果を変化させることができるので、停止操作のタイミングに応じてより多彩な態様でリールの表示結果を導出させることができる。
本実施例では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、CPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信すると、特別役の当選を示す告知演出を実行するとともに、この告知演出は特別役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるようになっている。
また、サブ制御部91は、電源投入コマンドか、後述するようにメイン制御部41の制御状態が初期化された旨を示す初期化コマンドを受信するまでは、バックアップが正常であってもその演出状態に復帰することもなく、他のコマンドを受信してもそれに応じて演出の制御は行わないようになっている。このため、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行われることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であり、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、上記の構成により、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
また、告知演出は特別役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるので、特別役が入賞すること、すなわち特別役の当選フラグがクリアされるまでは告知演出が停止することはなく、遊技店によって特別役の当選を維持したまま告知演出を解除することが不可能となるため、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業をより一層効果的に抑止することができる。
また、本実施例では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、CPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信することで、特別役の当選を示す告知演出を、サブ制御部91が制御する液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置にて実行するようになっており、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが演出装置で報知され、一層判別しやすい状態となるので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を一層確実に防止することができる。
また、本実施例では、遊技制御基板40と演出制御基板90の間のコネクタ接続の解除がコネクタ規制部材により規制されるようになっており、メイン制御部41を起動させた後、演出制御基板90を接続することで特別役の報知をさせないといった細工をすることが困難となるため、遊技店による不正営業を一層確実に防止することができる。更に、コネクタ規制部材は、互いに接続された基板側コネクタからのケーブル側コネクタの抜脱を規制可能に構成され、コネクタでの接続に関わる解除規制部位を破壊しない限り、解除不能とする接続解除規制状態が形成され、接続解除規制状態を解除した場合にその痕跡が残るように構成されているので、コネクタ同士での接続を解除するためには解除規制部位を破壊しなければならず、これにより接続を解除した後に再度接続解除規制状態を形成することが極めて困難となり、かつ、手間がかかるため、上記不正行為をより効果的に防止することができる。
また、本実施例では、停電時において遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視し、遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態が解除された場合には、その旨を示す断線フラグを記憶する断線監視IC50を遊技制御基板40に有し、CPU41aが、その起動時において断線監視IC50に断線フラグの確認要求を行い、これに伴う断線監視IC50からの返信に基づき断線フラグの記憶状態を取得し、断線フラグが記憶されている場合、すなわち遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態が解除された場合には、断線異常と判定し、断線異常エラーによるエラー状態に制御して、ゲームの進行を不能化するとともに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域を初期化し、元の状態に復帰不可能となるので、メイン制御部41を起動させた後、演出制御基板90を接続することで特別役の報知をさせないといった細工をした場合には、RAM41cが初期化されてしまい元の状態に復帰不可能となるため、遊技店による不正営業を一層確実に防止することができる。
尚、本実施例では、サブ制御部91が制御する演出装置にて特別役の当選が報知されるようになっているが、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、メイン制御部41が直接制御するクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13にて特別役の当選を報知するようにしても良い。また、メイン制御部41が直接制御する電子部品として特別役の当選を報知する告知LEDを設け、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、告知LEDを用いて特別役の当選を報知するようにしても良い。
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(投入メダルセンサ31)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続にコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制することによっても不正器具の使用を防止しているが、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、その旨を報知することで、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造とするか否かに関わらず、打ち込み器具の使用を防止できるため、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造にしないことも可能であり、このようにすることで、コネクタ同士の抜き差しを規制するために部品の大幅な構造変更を必要としないうえに、故障時などのメンテナンス性を向上させることもできる。
また、本実施例では、断線監視IC50が、停電時において遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態についても監視し、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態が解除された場合には、その旨を示す断線フラグを記憶するとともに、CPU41aが、その起動時において断線監視IC50に断線フラグの確認要求を行い、これに伴う断線監視IC50からの返信に基づき断線フラグの記憶状態を取得し、断線フラグが記憶されている場合、すなわち遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態が解除された場合には、断線異常と判定し、断線異常エラーによるエラー状態に制御して、ゲームの進行を不能化するとともに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域を初期化し、元の状態に復帰不可能となる。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、コネクタの抜き差しが必要となるが、打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除することで、断線監視IC50に断線フラグが記憶され、CPU41aを起動させた際に、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化されてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に防止することができる。
また、断線監視IC50は、通電時においても遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態を監視し、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態が解除された場合には、その旨を示す断線フラグを記憶するとともに、CPU41aは、起動後もタイマ割込処理において定期的に断線フラグの記憶状態を確認し、断線フラグが記憶されている場合には、断線異常と判定し、断線異常エラーによるエラー状態に制御して、ゲームの進行を不能化するとともに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域を初期化し、元の状態に復帰不可能となるため、電源を落とさないまま、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除した場合でも、断線監視IC50に断線フラグが記憶され、これに伴い、断線異常によるエラー状態に制御され、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化されてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業をより確実に防止することができる。
また、本実施例では、一度断線異常エラーによるエラー状態に制御されると、設定変更モードに移行させて、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM41cの初期化に伴ってスロットマシンにより自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
尚、本実施例では、CPU41aが断線異常と判定し、断線異常エラーによるエラー状態に制御することに伴って、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化され、元の状態に復帰不可能となる構成となっているが、断線異常エラーによるエラー状態においては、RAM41cの初期化はされないが、その後RAM41cの初期化操作(本実施例では、設定変更モードへの移行操作が該当するが、これとは別に、電源投入時に検出されることで、RAM41cの初期化が行われる初期化スイッチを設け、初期化スイッチによるRAM41cの初期化操作を適用しても良い。)が行われたことを条件に、エラー状態を解除し、ゲームが可能な状態となるようにしても良く、このようにした場合には、打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除することで、断線監視IC50に断線フラグが記憶され、CPU41aを起動させた際に、RAM41cの初期化操作がなされて、RAM41cが初期化されるまでゲームの進行が不能化されるので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に防止することができる。
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(投入メダルセンサ31)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制することによっても不正器具の使用を防止しているが、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態を監視し、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態が解除された場合には、その旨を示す断線フラグを記憶するとともに、CPU41aが、起動時及び起動後において断線フラグの記憶状態を確認し、断線フラグが記憶されている場合には、断線異常と判定し、断線異常エラーによるエラー状態に制御して、ゲームの進行を不能化するとともに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域を初期化すること、または初期化操作がなされてRAM41cが初期化されるまでゲームの進行を不能化することで、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造とするか否かに関わらず、打ち込み器具の使用を防止できるため、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造にしないことも可能であり、このようにすることで、コネクタ同士の抜き差しを規制するために部品の大幅な構造変更を必要としないうえに、故障時などのメンテナンス性を向上させることもできる。
また、本実施例では、断線監視IC50が、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態を監視しているが、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品(例えば、スタートスイッチ7や、リールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rなど)を監視するものであっても、上記と同様の効果が得られる。
また、本実施例では、断線監視IC50が、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(投入メダルセンサ31)と遊技制御基板40との間の電気的な接続状態を監視するとともに、CPU41aが、起動時においてゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(投入メダルセンサ31)と遊技制御基板40との間の断線を判定した場合に、RAM41cを初期化することで、遊技店による不正営業を防止するようになっているが、メイン制御部41のバックアップ電源が、遊技制御基板40から、遊技制御基板40と操作部中継基板110を配線接続するケーブル600a、操作部中継基板110、操作部中継基板110と投入メダルセンサ31を配線接続するケーブル601gを経由し、更に、投入メダルセンサ31で折り返して、ケーブル601g、操作部中継基板110、ケーブル600aを経由して再度遊技制御基板40に戻り、メイン制御部41に供給されるように構成しても良く、このような構成とすることで、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されている状態で、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31の間のコネクタ同士の接続が1ヶ所でも解除されることで、バックアップ電源の供給ラインが切断され、メイン制御部41のRAM41cのデータを保持できず、消失することとなる。すなわち遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、メイン制御部41のRAM41cに保持されているバックアップデータが消失する。一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、コネクタの抜き差しが必要となるが、打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除することでRAM41cのデータが初期化されてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を防止することができる。
尚、バックアップ電源が、遊技制御基板40から投入メダルセンサ31を経由して再度遊技制御基板40に戻り、メイン制御部41に対して供給されることで、この間のコネクタ接続が解除された場合にRAM41cのデータが消失するようになっているが、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品(例えば、スタートスイッチ7や、リールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rなど)を経由するものであっても、上記と同様の効果が得られる。
また、バックアップ電源を蓄積するコンデンサや電池などを、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品の取付基板やこれら電子部品の中継基板(操作部中継基板110など)に搭載し、これら取付基板や中継基板に搭載されたコンデンサや電池などからのバックアップ電源の供給ラインが、電子部品の信号線とともにケーブルを介して遊技制御基板に接続され、メイン制御部41に対して供給されるようにしても良く、この場合でも、これら取付基板や中継基板と遊技制御基板40との間のコネクタ接続が解除された場合にRAM41cのデータが消失することとなるため、上記と同様の効果を得られるうえに、遊技制御基板40には取付基板や中継基板に搭載されたコンデンサや電池などからケーブルを介してバックアップ電源が供給されることとなるため、ケーブルを抜いた際にメイン制御部41に対してバックアップ電源を供給し続けるためには、基板間を跨いでバックアップ電源の供給ラインを短絡させる必要があり、バックアップ電源を供給し続けた状態でコネクタ接続を解除することが非常に困難となるため、打ち込み器具の接続を効果的に防止することができる。
また、本実施例のスロットマシン1では、設定値ワークから読み出した値が1〜6の範囲か否か、すなわち内部抽選に用いる設定値が適正な範囲の値か否かを1ゲーム毎に判定し、設定値ワークから読み出した値が1〜6の範囲の値でなければ、RAM異常エラーによるエラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化される。本実施例において設定値ワークに格納される値、すなわち設定変更処理により選択可能な設定値の範囲は1〜6の値であるので、設定値ワークに格納されている値が1〜6の範囲の値でなければゲームの進行が不能化されることとなる。
更に、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数であるか否かを判定する処理を1ゲーム毎に実行し、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合にも、RAM異常エラーによるエラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化される。本実施例では、遊技状態毎に対応する賭数が定められているが、その賭数とは異なる賭数でゲームが行われている場合には、RAM41cに格納されているデータが壊れているか、或いは不正なプログラムが作動している可能性があるので、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合にもゲームの進行が不能化されることとなる。
そして、一度RAM異常エラーによるエラー状態に制御されると、設定変更モードに移行させて、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわちデータ化けや不正なプログラムの作動などにより、設定値が適正でない場合や設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合には、スロットマシンにより自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、本実施例では、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じた場合には、RAM異常エラーによるエラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されるとともに、一度RAM異常エラーによるエラー状態に制御されると、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じても、スロットマシンにより自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、RAM41cに記憶されたデータに異常が生じるのは、停電時やCPU41aが暴走する等、制御に不具合が生じて制御を続行できないときがほとんどである。このため本実施例では、これらの状態から復旧してCPU41aが起動するときにおいてのみデータが正常か否かの判定を行うようになっているので、RAM41cに記憶されたデータが正常か否かの判定をデータに異常が生じている可能性が高い状況においてのみ行うことができる。すなわちデータに異常が生じている可能性の低い状況では、当該判定を行わずに済み、CPU41aの負荷を軽減させることができる。
また、本実施例では、電断割込処理(メイン)においてRAM41cの全てのデータに基づくRAMパリティ、すなわち排他的論理和演算した結果が0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、格納するとともに、復旧時においてRAM41cにおける全ての領域に格納されているデータに基づいて計算したRAMパリティが0か否かを判定することで、RAM41cのデータが正常か否かを判定しているので、当該判定を正確にかつ簡便に行うことができる。
更に、RAMパリティ調整用データに加えて、電断割込処理(メイン)においていずれかのビットの値が1ではない破壊診断用データがRAM41cに格納されるとともに、復旧時においてRAMパリティが0であっても、更に破壊診断用データが正常に格納されているか否かを判定するようになっており、RAM41cのデータが停電中に初期化されてしまい、実際には停電前の状態に復帰できないにもかかわらず、RAM41cのデータが全て0であるため、正常であると判定されてしまうことがない。
特に、本実施例では、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、メイン制御部41のRAM41cに保持されているバックアップデータが消失するが、これに伴い破壊診断用データもクリアされて00Hとなるため、この状態で起動するとCPU41aは、確実にRAM異常エラーと判定し、遊技の進行を不能化させることができる。
また、本実施例では、CPU41aは、全てのリールが停止した時点で、当該ゲームにおいて許容されていない役が入賞ライン上に揃っているか否かを判定する異常入賞判定を行う。
異常入賞判定では、内部抽選で当選していない役が揃った場合、特別役と一般役が同時に揃った場合に異常入賞と判定する。
そして、異常入賞と判定された場合、すなわち当該ゲームにおいて許容されていない役が入賞した場合には、異常入賞エラーによるエラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されるようになっている。
このように本実施例では、内部抽選で当選していない役が揃った場合や特別役と一般役が同時に入賞した場合、すなわち、当選していない役が入賞した場合や特別役と一般役が同時に入賞した場合には、データが破壊されているか、異常なプログラムが作動している可能性があり、このような場合にもゲームの進行が不能化されることとなるため、ゲームの公平性が損なわれてしまうことがない。
また、本実施例では、一度異常入賞エラーによるエラー状態に制御されると、設定変更モードに移行させて、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわちデータ化けや異常なプログラムの作動などにより、許容されていない役が入賞した場合には、スロットマシンにより自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
以上、本発明の実施例1を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例1に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例1では、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成しているが、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)別の停止制御テーブルを予めROM41bに登録しておき、テーブルインデックスに基づいて、遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、及びリールの停止状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定可能とし、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、テーブルインデックスを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを設定するようにしても良い。
前記実施例1では、リール1周に対して8ステップ毎(1図柄毎)に分割した21の領域(コマ)が定められており、停止制御テーブルとして、それぞれの領域(領域番号)に対応して、引込コマ数(停止位置)が一意的に定められた停止制御テーブル、すなわち1図柄が変動する範囲の領域に対応して停止位置が一意的に定められた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行っているが、例えば、1図柄未満の領域毎、例えば1ステップ、すなわちリールモータを駆動する際の最小単位毎に、引込ステップ数や引込コマ数(停止位置)を一意的に定めた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行っても良く、このようにすることで、リールモータのステップ数単位で停止位置を変化させることが可能となり、停止操作位置に対する停止位置を更に多様化することができる。
前記実施例1では、停止操作位置に対する引込コマ数を一意的に定めた複数の停止制御テーブルのうち、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行っているが、停止操作位置に対する停止位置を一意的に定めた複数の停止位置特定テーブルを停止制御テーブルの替わりに用いて、停止操作が検出された際に、停止位置特定テーブルを参照し、停止操作位置に対応して一意的に特定される停止位置でリールを停止させる制御を行うようにしても良い。
また、停止位置に対する停止優先度を定めることにより、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数)に対して停止位置を一意的に定めた複数の停止優先テーブルを停止制御テーブルの替わりに用いて、停止操作が検出された際に、停止優先テーブルを参照し、停止操作位置から引込可能範囲(最大5コマ)内にある全ての停止位置の停止優先度を比較し、最も停止優先度の高い停止位置でリールを停止させる制御を行うようにしても良い。
また、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた引込コマ数を選択し、停止操作が行われた際に、選択された引込コマ数の範囲内に対象となる停止位置が位置する場合には、当該停止位置を引き込んで停止させる引込制御を行い、停止が禁止された停止位置を停止させないように他の停止位置を引き込んで停止させる蹴飛ばし制御(いわゆるコントロール方式の制御)を行うようにしても良い。このように引込制御及び蹴飛ばし制御を行うことで、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数)に対して停止位置が一意的に決まるので、引込制御及び蹴飛ばし制御により表示結果を導出させる制御は、停止操作位置に対して停止位置を一意的に特定する制御パターンといえる。
また、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた制御パターンを選択し、その制御パターンに従ってリールの停止制御を行うものであれば、停止制御テーブルによるリールの停止制御、停止優先テーブルによるリールの停止制御、引込制御及び蹴飛ばし制御によるリールの停止制御を併用して行うものであっても良く、例えば、最初に停止したリールのみ停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行い、他のリールについては、引込制御及び蹴飛ばし制御によりリールの停止制御を行うようにしても良い。
前記実施例1では、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた制御パターンを選択し、その制御パターンに従ってリールの停止制御を行っているが、少なくとも各遊技状態のそれぞれの内部当選状態に対して定められた制御パターンを選択し、その選択した制御パターンに従ってリールの停止制御を行うものであれば良い。
前記実施例1では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
更に、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34や払出センサ35など、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用しても良い。