JP2013024468A - 熱交換器の伝熱管配列構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換器の熱交換効率が向上し、熱交換器の省エネルギー化、エネルギー有効利用に貢献でき、コンパクト化を図るのにも有効な伝熱管の形状及び配列構造の提供を目的とする。
【解決手段】熱交換器の伝熱管であって、伝熱管は断面外形形状が略翼型形状であり、伝熱管の外側を流れる流体の流れ方向に沿って複数列配置し、且つ前列側に複数本配列した伝熱管の後列側に複数本の伝熱管を前列側の伝熱管と千鳥状に配列してあり、少なくとも一部の伝熱管は略翼型形状の本体部の前端又は/及び後端に流体の流れ方向に沿って延在する薄い板状のフィンを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】熱交換器の伝熱管であって、伝熱管は断面外形形状が略翼型形状であり、伝熱管の外側を流れる流体の流れ方向に沿って複数列配置し、且つ前列側に複数本配列した伝熱管の後列側に複数本の伝熱管を前列側の伝熱管と千鳥状に配列してあり、少なくとも一部の伝熱管は略翼型形状の本体部の前端又は/及び後端に流体の流れ方向に沿って延在する薄い板状のフィンを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱交換器に設けられている熱伝達のための伝熱管の形状及び配列構造に関する。
熱交換器の分野では熱交換効率向上には伝熱管の形状及び配列構造が重要な要因の1つとなる。
特許文献1はプレートフィン式熱交換器の伝熱フィンであって、フィンの内部に熱交換流体が流れる伝熱管ではないが、伝熱フィンの断面形状として翼型を採用した技術を開示する。
しかし、熱交換効率のさらなる改善の余地がある。
特許文献1はプレートフィン式熱交換器の伝熱フィンであって、フィンの内部に熱交換流体が流れる伝熱管ではないが、伝熱フィンの断面形状として翼型を採用した技術を開示する。
しかし、熱交換効率のさらなる改善の余地がある。
本発明は、熱交換器の熱交換効率が向上し、熱交換器の省エネルギー化、エネルギー有効利用に貢献でき、コンパクト化を図るのにも有効な伝熱管の形状及び配列構造の提供を目的とする。
本発明は、熱交換器の伝熱管であって、伝熱管は断面外形形状が略翼型形状であり、伝熱管の外側を流れる流体の流れ方向に沿って複数列配置し、且つ前列側に複数本配列した伝熱管の後列側に複数本の伝熱管を前列側の伝熱管と千鳥状に配列してあり、少なくとも一部の伝熱管は略翼型形状の本体部の前端又は/及び後端に流体の流れ方向に沿って延在する薄い板状のフィンを有することを特徴とする。
ここで、伝熱管の本体が翼型形状を有するとは内部に熱媒体が流入する部分の形状をいい、フィンとはこの本体部の前端又は/及び後端に付設した整流板をいう。
従って、フィンは伝熱管の後部に偏向流が生じるのを抑える効果もあり、複数配列した全ての伝熱管に設ける必要はない。
本体部の前端又は/及び後端と表現したのは、本体部の前端又は後端の一方、あるいはその両方にフィンを付設してもよい趣旨である。
また、翼型形状は翼弦に対して非対称でも対称形でもよく、先端から徐々に厚みを増し、最大厚み部から後端に向けて薄く徐変する。
ここで、伝熱管の本体が翼型形状を有するとは内部に熱媒体が流入する部分の形状をいい、フィンとはこの本体部の前端又は/及び後端に付設した整流板をいう。
従って、フィンは伝熱管の後部に偏向流が生じるのを抑える効果もあり、複数配列した全ての伝熱管に設ける必要はない。
本体部の前端又は/及び後端と表現したのは、本体部の前端又は後端の一方、あるいはその両方にフィンを付設してもよい趣旨である。
また、翼型形状は翼弦に対して非対称でも対称形でもよく、先端から徐々に厚みを増し、最大厚み部から後端に向けて薄く徐変する。
ここでフィンは、当該フィンの後端部がそれより後列側に位置する伝熱管同士の間に位置するように又は当該フィンの前端部がそれよりも前列側に位置する伝熱管同士の間に位置するように部分的に重なり配置されているのが好ましく、さらに伝熱管の本体部の長さL,フィンの長さLf,伝熱管の流体流れ方向のピッチPL,とすると、0.4≦PL/L≦1.5,Lf/L≦1.5であるのが望ましい。
本発明は、流体の流れ方向に沿って2列以上の複数列に配置され、且つ流体の流れに直交する方向に2本以上の複数本の伝熱管が前列側と後列側とで千鳥状に配置されていれば、その流れ方向の列数及び流れに対して直交方向の本数に制限はない。
本発明は、流体の流れ方向に沿って2列以上の複数列に配置され、且つ流体の流れに直交する方向に2本以上の複数本の伝熱管が前列側と後列側とで千鳥状に配置されていれば、その流れ方向の列数及び流れに対して直交方向の本数に制限はない。
本発明は伝熱管の形状として、翼型形状の本体部の前端又は/及び後端に薄い板状のフィンを付設したので、伝熱面が拡大し、偏向流の出現を抑える効果もあり、流体の圧力損失の低減を図ることができ、熱交換効率が向上する。
次に解析手順及び結果について説明する。
<1>熱流動解析
熱流動解析はANSYS FLUENT 12.1を用いて行った。
数値解析を行う際に流体は非圧縮性ニュートン流体、粘性消散・重力の影響は無視、物性値は一定とする仮定を設けた。
基礎方程式は、非圧縮性流体に対する2次元の連続の式,非定常Navier−Stokes式,およびエネルギー式である。
基礎方程式の離散化法として有限体積法を用いた。
また、方程式の差分化にあたり、拡散項には2次精度中心差分、対流項には3次精度の風上差分(QUICK法)、圧力項の補正にはSIMPLEを用いた。
さらに、計算領域内のメッシュは、伝熱管近傍に非構造格子を、伝熱管近傍を除く全領域に不等間隔構造格子を配置した。
<2>解析条件
図1に計算領域を示す。
空気は入口から速度Uin、温度Tinで一様流入、出口から自由流出し、y方向に周期境界条件、さらに壁温Tw一定の等温条件とした。
また、翼弦に対して非対称な形状のNACA66翼型と対称な形状のNACA63−010翼型を採用した(NACAはアメリカ航空宇宙局を示す)。
これらの翼型伝熱管は伝熱管長さをLとすると、最大厚み位置は先端から0.34501Lであり、最大厚みはそれぞれ0.119L,0.09998Lである。
翼型伝熱管は流れ方向に2列の千鳥配列とし、伝熱管スパン方向ピッチPT/L=0.2−0.3、伝熱管流れ方向ピッチPL/L=0.4−1.5とした。
ここで、PL/L<1.0の条件は伝熱管1列目の隙間に2列目が入る状態である。
さらに、NACA66では伝熱管2列目を迎角α=0°−15°と変化させ、迎角の影響も検討した。
なお、代表長さL、Uinに基づくレイノルズ数ReL=1000−2000の条件で検討を行っている。
また、伝熱管長さL、伝熱管径0.1Lのフラット伝熱管の場合と比較することで、翼型伝熱管の伝熱性能を評価した.
熱流動解析はANSYS FLUENT 12.1を用いて行った。
数値解析を行う際に流体は非圧縮性ニュートン流体、粘性消散・重力の影響は無視、物性値は一定とする仮定を設けた。
基礎方程式は、非圧縮性流体に対する2次元の連続の式,非定常Navier−Stokes式,およびエネルギー式である。
基礎方程式の離散化法として有限体積法を用いた。
また、方程式の差分化にあたり、拡散項には2次精度中心差分、対流項には3次精度の風上差分(QUICK法)、圧力項の補正にはSIMPLEを用いた。
さらに、計算領域内のメッシュは、伝熱管近傍に非構造格子を、伝熱管近傍を除く全領域に不等間隔構造格子を配置した。
<2>解析条件
図1に計算領域を示す。
空気は入口から速度Uin、温度Tinで一様流入、出口から自由流出し、y方向に周期境界条件、さらに壁温Tw一定の等温条件とした。
また、翼弦に対して非対称な形状のNACA66翼型と対称な形状のNACA63−010翼型を採用した(NACAはアメリカ航空宇宙局を示す)。
これらの翼型伝熱管は伝熱管長さをLとすると、最大厚み位置は先端から0.34501Lであり、最大厚みはそれぞれ0.119L,0.09998Lである。
翼型伝熱管は流れ方向に2列の千鳥配列とし、伝熱管スパン方向ピッチPT/L=0.2−0.3、伝熱管流れ方向ピッチPL/L=0.4−1.5とした。
ここで、PL/L<1.0の条件は伝熱管1列目の隙間に2列目が入る状態である。
さらに、NACA66では伝熱管2列目を迎角α=0°−15°と変化させ、迎角の影響も検討した。
なお、代表長さL、Uinに基づくレイノルズ数ReL=1000−2000の条件で検討を行っている。
また、伝熱管長さL、伝熱管径0.1Lのフラット伝熱管の場合と比較することで、翼型伝熱管の伝熱性能を評価した.
<3>性能の評価方法
水力直径は以下の式(1)で定義され、Lcは熱交換器長さを、Aは伝熱面積を表す。
ここで、NACA66翼型とNACA63−010翼型の伝熱面積は、それぞれフラット伝熱管の約0.975倍,0.957倍であり、同程度である。
また、最小流路断面積Aminはフラット伝熱管の場合では伝熱管のスパン方向の隙間、翼型伝熱管の場合では翼の最大厚み位置における隙間である。
ただし、PL/L<1.0の条件においてもAminは変化しないものとした。
さらに、水力直径Dh基準のレイノルズ数ReDhを以下の式(2)より定義する。
ここで、UmaxはAminを流れる断面平均流速である。
さらに、熱伝達と圧力損失の性能評価指標として、Colburnのj因子とFanningの摩擦係数fを用いた。
定義式を以下に記述する。
式(3)において、Qは伝熱量、ΔTLMは対数平均温度差、λは熱伝導率、Prはプラントル数をそれぞれ示す。
式(4)においてΔPは流入口と流出口における圧力損失を示す。
また、単位体積当たりのポンプ動力W/AinLcに対する単位体積・単位温度差当たりの伝熱量Q/AinLcΔTLMを評価するため、Wを以下の式で算出した。
ここで、Ainは自由流路幅である。
水力直径は以下の式(1)で定義され、Lcは熱交換器長さを、Aは伝熱面積を表す。
ここで、NACA66翼型とNACA63−010翼型の伝熱面積は、それぞれフラット伝熱管の約0.975倍,0.957倍であり、同程度である。
また、最小流路断面積Aminはフラット伝熱管の場合では伝熱管のスパン方向の隙間、翼型伝熱管の場合では翼の最大厚み位置における隙間である。
ただし、PL/L<1.0の条件においてもAminは変化しないものとした。
さらに、水力直径Dh基準のレイノルズ数ReDhを以下の式(2)より定義する。
ここで、UmaxはAminを流れる断面平均流速である。
定義式を以下に記述する。
式(4)においてΔPは流入口と流出口における圧力損失を示す。
また、単位体積当たりのポンプ動力W/AinLcに対する単位体積・単位温度差当たりの伝熱量Q/AinLcΔTLMを評価するため、Wを以下の式で算出した。
ここで、Ainは自由流路幅である。
図2に、PL/L=1.5の条件での、各伝熱管形状におけるある瞬間の熱流動場を示す。
図2(a),(b)から、フラット伝熱管やNACA66の場合において、流路の縮小拡大により逆圧力勾配が生じ、伝熱管壁面から流れが剥離することで、各伝熱管後流においてカルマン渦が発生していることが見て取れる。
さらに、この渦の影響で2列目周りに非定常な流れ場が形成されている。
一方、図2(c)から、NACA63−010の場合は伝熱管後流に渦が生じていないことが見て取れる。
このことから、NACA63−010は、流れが壁面に沿いやすい形状を取っており、他の伝熱管形状と比較して圧力抗力が小さくなると考えられる。
図3に、PL/L=1.0の条件におけるNACA66の場合、PL/L=0.75の条件におけるNACA66の迎角がない場合とα = 10°の場合、およびNACA63−010の場合におけるある瞬間の熱流動場をそれぞれ示す。
NACA66の場合、図2(b)と図3(a)を比較すると、PL/L=1.0の条件では、伝熱管2列目周りが定常な流れ場である様子が見て取れる。
これは、x/L = 1.0において伝熱管1列目と2列目の隙間は小さく、翼型伝熱管上面背面部の壁面に沿った流れが生じ、前述の流れの剥離が抑えられたためである。
また、図3(b)では、PL/L=0.75の条件において、伝熱管1列目の隙間に2列目が入り込むことで、1列目背面部からの流れの剥離が抑制されている。
さらに、0.75≦x/L≦1.0における流路の狭小化により、流路断面内の流速が増大し、伝熱管壁面の境界層が薄膜化している。
しかし、狭小化した流路を通過した流れは2列目下面の壁面に沿って流れていない様子も見て取れる。
一方、図3(c)から伝熱管2列目に迎角を付けることで、2列目の下面が1列目背面部に沿うため、流路の急激な縮小拡大による剥離を抑えられており、壁面に沿う良好な流れが形成されていることが分かる。
また、図3(d)から、NACA63−010の場合、PL/L=1.5の条件と同様に伝熱管2列目後流で渦が生じていないことが分かる。
また、NACA63−010の場合は最大翼厚位置から伝熱管後端に向かって、伝熱管厚みが薄くなっていくために、PLを小さくとっても流路が狭小化しにくく、流路が確保されやすい形状であることも見て取れる。
これより、他の伝熱管形状と比較して、NACA63−010形状はLcを短くでき、コンパクト化に適していると考えられる。
図2(a),(b)から、フラット伝熱管やNACA66の場合において、流路の縮小拡大により逆圧力勾配が生じ、伝熱管壁面から流れが剥離することで、各伝熱管後流においてカルマン渦が発生していることが見て取れる。
さらに、この渦の影響で2列目周りに非定常な流れ場が形成されている。
一方、図2(c)から、NACA63−010の場合は伝熱管後流に渦が生じていないことが見て取れる。
このことから、NACA63−010は、流れが壁面に沿いやすい形状を取っており、他の伝熱管形状と比較して圧力抗力が小さくなると考えられる。
図3に、PL/L=1.0の条件におけるNACA66の場合、PL/L=0.75の条件におけるNACA66の迎角がない場合とα = 10°の場合、およびNACA63−010の場合におけるある瞬間の熱流動場をそれぞれ示す。
NACA66の場合、図2(b)と図3(a)を比較すると、PL/L=1.0の条件では、伝熱管2列目周りが定常な流れ場である様子が見て取れる。
これは、x/L = 1.0において伝熱管1列目と2列目の隙間は小さく、翼型伝熱管上面背面部の壁面に沿った流れが生じ、前述の流れの剥離が抑えられたためである。
また、図3(b)では、PL/L=0.75の条件において、伝熱管1列目の隙間に2列目が入り込むことで、1列目背面部からの流れの剥離が抑制されている。
さらに、0.75≦x/L≦1.0における流路の狭小化により、流路断面内の流速が増大し、伝熱管壁面の境界層が薄膜化している。
しかし、狭小化した流路を通過した流れは2列目下面の壁面に沿って流れていない様子も見て取れる。
一方、図3(c)から伝熱管2列目に迎角を付けることで、2列目の下面が1列目背面部に沿うため、流路の急激な縮小拡大による剥離を抑えられており、壁面に沿う良好な流れが形成されていることが分かる。
また、図3(d)から、NACA63−010の場合、PL/L=1.5の条件と同様に伝熱管2列目後流で渦が生じていないことが分かる。
また、NACA63−010の場合は最大翼厚位置から伝熱管後端に向かって、伝熱管厚みが薄くなっていくために、PLを小さくとっても流路が狭小化しにくく、流路が確保されやすい形状であることも見て取れる。
これより、他の伝熱管形状と比較して、NACA63−010形状はLcを短くでき、コンパクト化に適していると考えられる。
図4に、PT/L=0.3の条件での、各伝熱管形状におけるj/f値をReDhに対して示す。
図4から、翼型伝熱管のj/f値はフラット伝熱管のそれを、全てのReDh範囲において上回っていることが分かる。
すなわち、翼型伝熱管はフラット伝熱管より、圧力損失と熱伝達のバランスが優れているといえる。
また、NACA66翼型において、ReDhが低い(PLが小さい)条件では、伝熱管2列目に迎角を付けた場合の方が付けない場合に比べ、圧力損失がかなり低減されるため伝熱性能が向上している。
また、NACA63−010の場合は、前述の熱流動特性で分かるように、圧力損失が低く抑えられるため、NACA66の場合を上回るj/f値を示しており、伝熱性能の最も高い伝熱管形状といえる.
図5に、各伝熱管形状におけるPT/L=0.3の条件での、単位体積当たりのポンプ動力W/AinLc[W/m3]と伝熱量Q/AinLcΔTLM[W/m3K]の関係を示す。
NACA63−010の場合は、PT/L=0.2,0.25の条件での値もプロットした。
図5から、NACA66の場合、伝熱管2列目に迎角を付けた場合の方が、ポンプ動力が大きくなると同一ポンプ動力で大きい伝熱量が得られることがわかる。
また、NACA63−010の場合は、すべてのポンプ動力範囲でフラット伝熱管より小さいポンプ動力で大きい伝熱量が得られている。
さらに、PTを小さくすると、ポンプ動力が大きくなるにつれPTが大きい場合より伝熱量が大きくなっていることが分かる。
また、Lcが小さくよりコンパクトな形状となる条件において、単位体積当たりの熱交換量が高いことから、コンパクト性に優れた形状をしていることもわかる。
図4から、翼型伝熱管のj/f値はフラット伝熱管のそれを、全てのReDh範囲において上回っていることが分かる。
すなわち、翼型伝熱管はフラット伝熱管より、圧力損失と熱伝達のバランスが優れているといえる。
また、NACA66翼型において、ReDhが低い(PLが小さい)条件では、伝熱管2列目に迎角を付けた場合の方が付けない場合に比べ、圧力損失がかなり低減されるため伝熱性能が向上している。
また、NACA63−010の場合は、前述の熱流動特性で分かるように、圧力損失が低く抑えられるため、NACA66の場合を上回るj/f値を示しており、伝熱性能の最も高い伝熱管形状といえる.
図5に、各伝熱管形状におけるPT/L=0.3の条件での、単位体積当たりのポンプ動力W/AinLc[W/m3]と伝熱量Q/AinLcΔTLM[W/m3K]の関係を示す。
NACA63−010の場合は、PT/L=0.2,0.25の条件での値もプロットした。
図5から、NACA66の場合、伝熱管2列目に迎角を付けた場合の方が、ポンプ動力が大きくなると同一ポンプ動力で大きい伝熱量が得られることがわかる。
また、NACA63−010の場合は、すべてのポンプ動力範囲でフラット伝熱管より小さいポンプ動力で大きい伝熱量が得られている。
さらに、PTを小さくすると、ポンプ動力が大きくなるにつれPTが大きい場合より伝熱量が大きくなっていることが分かる。
また、Lcが小さくよりコンパクトな形状となる条件において、単位体積当たりの熱交換量が高いことから、コンパクト性に優れた形状をしていることもわかる。
NACA63−010翼型伝熱管をPT/L=0.5で2列配列し、伝熱管1列目後端に長さ0.5L,厚さ0.01Lのフィンを付設したモデル(以下、NACA63−010+finと呼ぶ)を、伝熱管長さLと流入速度Uin基準のReL=2000の条件で2D解析を行った。
図6に計算領域と幾何パラメータを示す。
今回の幾何形状ではL1/L=1.5,L2/L=1.0である。
ここで、L1は伝熱管本体部の長さLとフィンの長さLfの合計であり、L2は伝熱管本体部の長さLに相当する。
(a)フィン無しの場合、(b)フィン有りの場合について、ある瞬間の温度場を図7に、時間平均した温度場を図8にそれぞれ示す。
フィン無しの(a)では、y軸下向きの偏向流が観察されるが、フィンを付設した(b)では、伝熱管1列目後縁に付設したフィンの影響により偏向流が発生していないことが見て取れる。
偏向流が生じていないために、伝熱管周辺の温度場は上下対称となっている。
また、フィン部に着目すると、下流に進むにつれて境界層が発達している様子が見て取れるが、伝熱管1列目後縁部近傍では境界層が比較的薄いと考えられる。
さらに、図7と図8を比較すると、フィンを付設した(b)では定常な温度場となっていることがわかり、流れの剥離抑制による圧力損失低減が期待される。
フィンの有無による性能の違いを図9に示す。
横軸は単位体積当たりのポンプ動力、縦軸は単位体積、単位温度当たりの伝熱量である。
図を見ると、ポンプ動力一定条件における伝熱量では、フィンを付設した場合が最も多いことがわかり、フィン付設の効果があるといえる。
図6に計算領域と幾何パラメータを示す。
今回の幾何形状ではL1/L=1.5,L2/L=1.0である。
ここで、L1は伝熱管本体部の長さLとフィンの長さLfの合計であり、L2は伝熱管本体部の長さLに相当する。
(a)フィン無しの場合、(b)フィン有りの場合について、ある瞬間の温度場を図7に、時間平均した温度場を図8にそれぞれ示す。
フィン無しの(a)では、y軸下向きの偏向流が観察されるが、フィンを付設した(b)では、伝熱管1列目後縁に付設したフィンの影響により偏向流が発生していないことが見て取れる。
偏向流が生じていないために、伝熱管周辺の温度場は上下対称となっている。
また、フィン部に着目すると、下流に進むにつれて境界層が発達している様子が見て取れるが、伝熱管1列目後縁部近傍では境界層が比較的薄いと考えられる。
さらに、図7と図8を比較すると、フィンを付設した(b)では定常な温度場となっていることがわかり、流れの剥離抑制による圧力損失低減が期待される。
フィンの有無による性能の違いを図9に示す。
横軸は単位体積当たりのポンプ動力、縦軸は単位体積、単位温度当たりの伝熱量である。
図を見ると、ポンプ動力一定条件における伝熱量では、フィンを付設した場合が最も多いことがわかり、フィン付設の効果があるといえる。
Claims (3)
- 熱交換器の伝熱管であって、
伝熱管は断面外形形状が略翼型形状であり、伝熱管の外側を流れる流体の流れ方向に沿って複数列配置し、且つ前列側に複数本配列した伝熱管の後列側に複数本の伝熱管を前列側の伝熱管と千鳥状に配列してあり、少なくとも一部の伝熱管は略翼型形状の本体部の前端又は/及び後端に流体の流れ方向に沿って延在する薄い板状のフィンを有することを特徴とする熱交換器用伝熱管の配列構造。 - 前記フィンは、当該フィンの後端部がそれより後列側に位置する伝熱管同士の間に位置するように又は当該フィンの前端部がそれよりも前列側に位置する伝熱管同士の間に位置するように部分的に重なり配置されていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器用伝熱管の配列構造。
- 前記伝熱管の本体部の長さL,フィンの長さLf,伝熱管の流体流れ方向のピッチPL,とすると、0.4≦PL/L≦1.5,Lf/L≦1.5であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換器用伝熱管の配列構造。
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---|---|---|---|---|
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-
2011
- 2011-07-20 JP JP2011159027A patent/JP2013024468A/ja not_active Withdrawn
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